(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153735
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】内燃機関
(51)【国際特許分類】
F02M 26/17 20160101AFI20231011BHJP
F02M 26/06 20160101ALI20231011BHJP
F02M 26/05 20160101ALI20231011BHJP
F02M 26/30 20160101ALI20231011BHJP
【FI】
F02M26/17
F02M26/06
F02M26/05
F02M26/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023036364
(22)【出願日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】22166697
(32)【優先日】2022-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515191442
【氏名又は名称】ヴィンタートゥール ガス アンド ディーゼル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アラン ボーウストラ
【テーマコード(参考)】
3G062
【Fターム(参考)】
3G062AA01
3G062AA02
3G062ED01
3G062ED03
3G062ED08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】排気ガス再循環システムを備える内燃機関、及び内燃機関を運転する方法を提供する。
【解決手段】内燃機関は、シリンダー1の排気出口3と空気入口4との間に配置されたEGR経路11を有する排気ガス再循環のためのシステムを備える。内燃機関は、タービン6と圧縮機7とを有するターボチャージャ5を備える。排気ガス再循環のためのシステムは、低圧システムであり、その中で、排気ガスが、ターボチャージャ5のタービン6を介して案内可能であり、排気ガスの少なくとも一部が、ターボチャージャ5の圧縮機7を通してシリンダー1の空気入口4に案内可能である。EGR経路11は、圧縮機7の上流に配置された流量調整弁12と、タービン6の下流で流量調整弁12の上流に配置された遮断弁13とを備える。内燃機関は、掃気ライン8及び/又は掃気受け9からの掃気を、要求に応じてEGR経路11に案内するための空気供給システム20を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に大型船舶機関又は定置機関などである、少なくとも200mmの内径(2)を有する少なくとも1つのシリンダー(1)を備える内燃機関(100)であって、
前記内燃機関(100)が、前記シリンダー(1)の排気出口(3)と空気入口(4)との間に配置されたEGR経路(11)を有する排気ガス再循環のためのシステム(10)を備え、前記内燃機関(100)が、タービン(6)と圧縮機(7)とを有するターボチャージャ(5)を備え、
排気ガス再循環のための前記システム(10)が、低圧システムであり、その中で、排気ガスが、前記ターボチャージャ(5)の前記タービン(6)を介して案内可能であり、前記排気ガスの少なくとも一部が、ターボチャージャ(5)の前記圧縮機(7)を通して前記シリンダー(1)の前記空気入口(4)に案内可能であり、
前記EGR経路(11)が、前記圧縮機(7)の上流に配置された流量調整弁(12)と、前記タービン(6)の下流で前記流量調整弁(12)の上流に配置された遮断弁(13)とを備える、
内燃機関(100)において、
前記内燃機関(100)が、掃気ライン(8)及び/又は掃気受け(9)からの掃気を、要求に応じて前記EGR経路(11)に案内するための空気供給システム(20)を備えること
を特徴とする、内燃機関(100)。
【請求項2】
前記空気供給システム(20)が、掃気を案内するための空気供給ライン(21)を備え、その中で、
前記空気供給ライン(21)が、前記流量調整弁(12)の上流で前記EGR経路(11)に流体接続され、
前記空気供給ライン(21)が、前記掃気ライン(8)及び/又は前記掃気受け(9)に流体接続され、
好ましくは少なくとも1つの弁(22)を備える、流量制限デバイス(22)が、前記空気供給ライン(21)中に配置された、
請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記流量制限デバイス(22)が、前記流量制限デバイス(22)を通る第1の流量が許容される少なくとも1つの状態をとるように構成され、
好ましくは、前記流量制限デバイス(22)が、
前記流量制限デバイス(22)を通る第1の流量が許容される第1の状態と、
前記流量制限デバイス(22)を通る前記第1の流量よりも少ない第2の流量が許容される第2の状態と、
前記流量制限デバイス(22)を通る流量が許容されない第3の状態と
の少なくとも3つの状態をとるように構成された、
請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記空気供給システム(20)が、前記EGR経路(11)に流れ込む掃気の量を制御するように構成された空気供給制御ユニット(23)を備え、その中で、前記空気供給制御ユニット(23)が、詳細には、前記空気供給ライン(21)中に配置された少なくとも1つの弁(22)を設定するように、より詳細には、請求項2に記載の内燃機関の前記流量制限デバイス(22)を設定するように構成された、請求項1から3までの少なくとも一項に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記掃気ライン(8)が、掃気冷却デバイス(28)を備える、請求項1から4までの少なくとも一項に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記空気供給ライン(21)が、前記掃気冷却デバイス(28)の上流で前記掃気ライン(8)から分岐されている、請求項2及び請求項5に記載の内燃機関。
【請求項7】
前記EGR経路(11)が、排気ガス冷却デバイス(18)を備え、
その中で、具体的には、
請求項2に記載の内燃機械の前記空気供給ライン(21)が、前記排気ガス冷却デバイス(18)と前記流量調整弁(12)との間で前記EGR経路(11)に接続されるか、又は
請求項2に記載の内燃機械の前記空気供給ライン(21)が、前記遮断弁(13)と前記排気ガス冷却デバイス(18)との間で前記EGR経路(11)に接続される、
請求項1から6までの少なくとも一項に記載の内燃機関。
【請求項8】
特に大型船舶機関又は定置機関などである、少なくとも200mmの内径(2)を有する少なくとも1つのシリンダー(1)を備える内燃機関(100)であって、
前記内燃機関(100)が、前記シリンダー(1)の排気出口(3)と空気入口(4)との間に配置されたEGR経路(41)を有する排気ガス再循環のためのシステム(40)を備え、
前記内燃機関(100)が、タービン(6)と圧縮機(7)とを有するターボチャージャ(5)を備え、
排気ガス再循環のための前記システム(40)が、高圧システムであり、その中で、排気ガスが、前記ターボチャージャ(5)の前記タービン(6)の上流で分岐され、前記排気ガスの少なくとも一部が、前記シリンダー(1)の前記空気入口(4)に案内可能であり、前記ターボチャージャ(5)の前記圧縮機(7)の下流で掃気と混合可能であり、
前記EGR経路(41)が、EGRブロワ(49)、前記EGRブロワ(49)の上流に配置された第1の高圧EGR弁(43)、及び/又は前記EGRブロワ(49)の下流に配置された第2の高圧EGR弁(42)を備える、
内燃機関(100)において、
前記内燃機関(100)が、掃気ライン(8)及び/又は掃気受け(9)からの掃気を、要求に応じて前記EGR経路(41)に案内することを許容するように構成されたパージ制御ユニット(44)を備え、具体的には、前記パージ制御ユニット(44)が、前記第1の高圧EGR弁(43)を設定するために、及び/又は、前記第2の高圧EGR弁(42)を設定するために、前記EGRブロワ(49)を切り替えるように構成されること
を特徴とする、内燃機関(100)。
【請求項9】
請求項1から8までの一項に記載の内燃機関(100)を運転するための方法であって、
排気ガス再循環をオンに切り替えるステップと、
前記排気出口(3)からの前記排気ガスの少なくとも一部を、前記空気入口(4)に再循環させるステップと、
排気ガス再循環をオフに切り替えるステップと、
前記掃気ライン(8)及び/又は前記掃気受け(9)からの掃気を、前記EGR経路(11、41)に案内するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
請求項2に記載の内燃機械の前記空気供給ライン中に配置された前記流量制限デバイス(22)を開くステップと、
前記空気供給ライン(21)を通して掃気を案内するステップと、
前記流量制限デバイス(22)を閉じるステップと
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
排気ガス再循環をオンに切り替えるために、請求項1に記載の内燃機関の前記遮断弁(13)及び前記流量調整弁(12)が、開かれる、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
排気ガス再循環をオフに切り替えるために、請求項1に記載の内燃機関の前記流量調整弁(12)が、閉じられる、請求項9、10又は11に記載の方法。
【請求項13】
掃気を前記EGR経路(11)に案内した後に、請求項1に記載の内燃機関の前記遮断弁(13)が、閉じられ、
好ましくは、請求項2に記載の内燃機械の前記流量制限デバイス(21)が閉じられる前に前記遮断弁(13)が閉じられる、
請求項9、10、11又は12に記載の方法。
【請求項14】
請求項8に記載の内燃機関の前記EGRブロワ(49)を停止するステップと、
好ましくは、請求項8に記載の内燃機械の前記第1の高圧EGR弁(43)及び/又は前記第2の高圧EGR弁(42)を開くステップと、
前記EGR経路(41)を通して掃気を案内するステップと、
好ましくは、前記第1の高圧EGR弁(43)及び/又は前記第2の高圧EGR弁(42)を閉じるステップと
を含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス再循環のためのシステムを備える内燃機関、及び内燃機関を運転するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、好ましくは、シリンダーが少なくとも200mmの内径を有する、大型の船用若しくは船舶用機関又は定置機関のような内燃機関に関する。機関は、好ましくは、2ストローク機関又は2ストローク・クロスヘッド機関である。機関は、ディーゼル機関又はガス機関であり得、二元燃料機関又は多種燃料機関であり得る。そのような機関における液体燃料及び/又はガス燃料の燃焼は、自己着火又は強制点火でも可能である。
【0003】
機関は、その中にピストンを有する、少なくとも1つのシリンダーを有する。ピストンはクランクシャフトに接続されている。ピストンは、機関の動作中に上死点(TDC:top dead centre)と下死点(BDC:bottom dead centre)との間を往復運動する。シリンダーは、一般に、具体的には空気入口がシリンダーのライナー中に配置された、吸気のための少なくとも1つの空気通路開口と、具体的には排気出口がシリンダーのカバー中に配置された、排気のための少なくとも1つの空気通路開口とを有する。
【0004】
内燃機関は、長手方向洗浄式2ストローク機関であり得る。
【0005】
内燃機関という用語は、燃料の自己着火によって特徴づけられるディーゼル・モードでだけでなく、燃料の積極的点火によって特徴づけられるオットー・モードででも、又はそれら2つの混合ででも動作させることができる、大型機関をも指す。さらに、内燃機関という用語は、具体的には、燃料の自己着火が別の燃料の積極的点火のために使用される二元燃料機関及び大型機関を含む。
【0006】
機関回転数は、好ましくは800RPM(4ストローク)を下回り、より好ましくは、低速機関の指定を示す200RPM(2ストローク)を下回る。
【0007】
燃料は、ディーゼル油若しくは船舶用ディーゼル油又は重油、或いはエマルジョン若しくはスラリー又はメタノール若しくはエタノール、及び液化天然ガス(LNG:liquefied natural gas)、液化石油ガス(LPG:liquefied petroleum gas)などのようなガスであり得る。
【0008】
要求により追加され得るさらなる可能な燃料は、液化バイオガス(LBG:liquefied biogas)、生物燃料(たとえば藻類燃料又は海藻油)、水素、(たとえば、Power-To-Gas又はPower-To-Liquidによって作られた)CO2による合成燃料である。
【0009】
ガス/空気混合気の反応性及びメタン・スリップを低減するために、排気ガス再循環(EGR:exhaust gas recirculation)、具体的には、たとえばEP3722572A1に示されるような低圧排気ガス再循環(EGR)を設けることが知られている。排気ガスの一部はシリンダーに再循環させられるが、排気ガスの別の一部は煙突に案内され、環境中に放出される。
【0010】
排気ガス再循環をオフに切り替えた後、EGR経路の管内に排気ガスが残り得る。管が冷えるにつれて、管の内壁に凝縮が起こり得る。このことは、排気ガス再循環が再始動されたときにEGR経路と圧縮機の構成要素との腐食又は損傷をもたらし得る。
【0011】
さらに、機関が停止されたとき、何らかの保守が実行される必要がある場合に乗務員が排気ガスに曝されないように、システム中に排気ガスが残っていてはならない。
【0012】
したがって、残っている排気ガスはパージされるべきである。
【0013】
DE10260220A1によって、高圧EGRシステムを通して空気を案内することが知られている。機関制御モジュールが、EGRシステムを通して空気を選択的に導くように、排気側に対する吸気側の圧力を制御する。DE102013225133B4は、燃料供給の中断中にEGR経路を洗浄することを教示している。
【0014】
しかしながら、燃料供給の中断がない空気供給が必要とされ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】EP3722572A1
【特許文献2】DE10260220A1
【特許文献3】DE102013225133B4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、従来技術の欠点を回避することであり、具体的には、排気ガス再循環のためのシステムを備える内燃機関と、EGR経路中のEGRガスの蓄積若しくは凝縮を回避するか又は最小にするためにEGR経路に空気を供給するために内燃機関を運転するための方法とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、特に大型船舶機関又は定置機関などである内燃機関は、少なくとも200mmの内径を有する少なくとも1つのシリンダーを備える。
【0018】
内燃機関は、タービンと圧縮機とを有するターボチャージャを備える。動作中、タービンは、排気ガスによって駆動され、圧縮機は、シリンダーに案内されることになる加圧されたガスを与える。
【0019】
内燃機関は、シリンダーの排気出口と空気入口との間に流体的に配置されたEGR経路を有する排気ガス再循環のためのシステムを備える。
【0020】
本発明の第1の態様によれば、排気ガス再循環のためのシステムは低圧システムであり、排気ガスが、ターボチャージャのタービンを介して案内可能であり、排気ガスの少なくとも一部が、タービンの下流で分岐され得、ターボチャージャの圧縮機を通してシリンダーの空気入口に案内可能である。
【0021】
たとえば、排気ガスの10%~70%、好ましくは30%~60%が再循環される。
【0022】
低圧EGR経路は、好ましくは圧縮機の上流に配置された、流量調整弁と、好ましくはタービンの下流で流量調整弁の上流に配置された、遮断弁とを備える。
【0023】
この文脈において、上流及び下流という用語は、再循環排気ガスの流れ方向に関する。
【0024】
EGR経路は、流量調整弁と遮断弁との間に配置された排気ガス冷却デバイスをさらに備え得る。
【0025】
内燃機関は、掃気ライン及び/又は掃気受けからの掃気を、要求に応じてEGR経路に案内するための空気供給システムを備える。
【0026】
掃気は、シリンダー中に導入されるか又は吸引される前に、掃気受けに収集され得る。
【0027】
掃気ラインは、新鮮空気を加圧するターボチャージャの圧縮機を、シリンダーの空気入口又は掃気受けと流体接続する。
【0028】
空気供給システムは、EGR経路を排気ガス残留物及び/又は凝縮物質から清浄化するために、具体的には排気ガス再循環が終了した後又は排気ガス再循環が開始する前に、EGR経路をパージするための掃気を与え得る。
【0029】
代替的に、閉じられているが封止されていない遮断弁を通る排気ガスの漏れを回避するためにEGR経路内の圧力を確立するために、少量の掃気も与えられ得る。
【0030】
一般に、流量調整弁及び遮断弁はそれらの全容量の0.5%の漏れを有する。したがって、遮断弁が閉じられている場合でも、いくらかの排気ガスがEGR経路中に入り得る。EGR経路内の封止圧力が、この望まない再循環を防ぎ得る。
【0031】
パージのために、空気供給システムは、限られた時間の間大量の掃気を与え得るが、封止圧力を確立するために、空気供給システムは、内燃機関が排気ガス再循環なしに動作されている時間の間、少量の掃気を与え得る。
【0032】
空気供給システムは、掃気を案内するための空気供給ラインを備え得る。空気供給ラインは、流量調整弁の上流でEGR経路に流体接続され得る。
【0033】
空気供給ラインは、掃気ライン及び/又は掃気受けに流体接続され得る。
【0034】
掃気は新鮮空気を含んでいる。排気ガスが再循環されるか又は再循環された場合、掃気はある程度の排気ガスをも含んでいることがある。
【0035】
好ましくは少なくとも1つの弁を備える、流量制限デバイスが、空気供給ライン中に配置され得る。
【0036】
流量制限デバイスは、EGR経路に案内される掃気の量を規定する。
【0037】
流量制限デバイスは、好ましくはEGR経路をパージするのに十分な、流量制限デバイスを通る第1の流量が許容される少なくとも1つの状態をとるように構成され得る。流量制限デバイスはまた、流量制限デバイスを通る流量が許容されないさらなる状態をとるように構成され得る。
【0038】
好ましくは、流量制限デバイスは、流量制限デバイスを通る様々な流量を許容し得る。
【0039】
流量制限デバイスは、少なくとも3つの状態をとるように構成され得る。第1の状態では、好ましくはEGR経路をパージすることを許容するのに十分な流量である、流量制限デバイスを通る第1の流量が許容される。第2の状態では、好ましくはEGR経路内の封止圧力を確立するのに好適な、流量制限デバイスを通る第1の流量よりも小さい第2の流量が許容される。第3の状態では、流量制限デバイスを通る流量が許容されず、空気供給ラインは閉じられる。
【0040】
流量制限デバイスの状態は、少なくとも1つの弁のそれぞれの位置又は開度に対応し得る。
【0041】
代替的に、流量制限デバイスは、空気供給システムの各状態に対して必要とされる流量を与えるように動作させられ得る。流量制限デバイスは、たとえば、掃気ライン、掃気受け、空気供給ライン及び/又はEGR経路において測定された濃度信号、流量信号、温度信号又は圧力信号に基づいて能動的に制御され得る。
【0042】
空気供給システムは、EGR経路に流れ込む掃気の量を制御するように構成された空気供給制御ユニットを備え得る。
【0043】
空気供給制御ユニットは、詳細には、空気供給ライン中に配置された少なくとも1つの弁を設定するように構成される。空気供給制御ユニットは、上記で説明したような流量制限デバイスを設定するように構成され得る。
【0044】
パージのためには、EGR経路の体積の1倍~3倍の掃気量が必要とされる。このことは、掃気ライン内において約0.2バールの低下を引き起こし得るが、これは重大ではない。
【0045】
掃気ライン中の約0.2バールの低下は、機関の空気消費の4%の流れにほぼ対応する。
【0046】
上記のパラメータでのパージのためには、流量制限デバイスは、機関が全負荷で動作しているときに、約1分間~5分間、開いていなければならない。
【0047】
封止のために、流量制限デバイスは、機関の空気消費の0.3%~0.8%、好ましくは0.55%~0.65%の連続流れを許容するべきである。
【0048】
排気ガス再循環のためのシステムは、空気入口に再循環させられる排気ガスの量を制御するように構成されたEGR制御ユニットを備え得る。EGR制御ユニットは、具体的には、弁を設定するように構成される。EGR制御ユニットは、流量調整弁、遮断弁、EGR経路と煙突との間の背圧弁、及び/又はEGR経路中に配置されたブロワを設定するように構成され得る。
【0049】
空気供給制御ユニットは、EGR制御ユニットの一部であり得、又は、空気供給制御ユニット及びEGR制御ユニットが、機関制御ユニットの一部であり得る。
【0050】
好ましくは、掃気ラインは、掃気冷却デバイスを備える。掃気冷却デバイスは、掃気冷却器と水ミストコレクタとを備え得る。
【0051】
空気供給ラインは、掃気冷却デバイスの上流で掃気ラインから分岐され得る。この場合、温風がEGR経路に供給され得る。ガスの質量が同じ場合、高温ガスはより大きな体積を有する。掃気が掃気冷却デバイスの上流で分岐されている場合、掃気の損失は最小になり得る。
【0052】
代替的に、空気供給ラインは、掃気冷却デバイスの下流で掃気ラインから、たとえば掃気受けから分岐され得、冷却された掃気ガスがEGR経路に案内され得る。
【0053】
上記で説明したような内燃機械の空気供給ラインは、排気ガス冷却デバイスと流量調整弁との間でEGR経路に接続され得る。代替的に、空気供給ラインは、遮断弁と排気ガス冷却デバイスとの間でEGR経路に接続され得る。
【0054】
空気供給ラインが排気ガス冷却デバイスと流量調整弁との間でEGR経路に接続される場合、EGR経路をパージするために、流量調整弁が閉じられ得、掃気は、開かれた遮断弁を通って煙突のへと案内され得る。この場合、掃気は、再循環排気ガスの方向に逆らって、すなわち、反対方向に導かれる。
【0055】
空気供給ラインが遮断弁と排気ガス冷却デバイスとの間でEGR経路に接続される場合、EGR経路をパージするために、遮断弁が閉じられ得、掃気は、開かれた流量調整弁を通って圧縮機及び空気入口へと案内され得る。この場合、掃気は、再循環排気ガスの方向、すなわち、順方向に導かれる。
【0056】
EGR経路から放出された排気ガス残留物は、この場合、シリンダーを通して案内されるので、シリンダーが排気ガスを受けるのを停止するまでに、より長くかかる。
【0057】
遮断弁と流量調整弁の両方の弁が閉じられた場合、EGR経路中の圧力が確立され、排気ガスが封止されていない遮断弁を通ってEGR経路に入るのを防ぐ。
【0058】
内燃機関は、EGR経路と煙突との間に配置された排気ガス背圧弁、及び/又はEGR経路中のブロワを備え得る。EGRの速さは、好ましくは上記で説明したようなEGR制御ユニットによって、背圧弁の開閉によって及び/又はブロワの速度を制御することによって影響を受け得る。
【0059】
代替的に、内燃機関は、排気ガス再循環のための低圧システムを備え得、内燃機関は、要求に応じて周囲空気をEGR経路に案内するための周囲空気供給システムを備え得る。空気供給システムは、周囲空気を案内するための周囲空気供給ラインを備え得、周囲空気供給ラインは、流量調整弁の上流でEGR経路に流体接続され、空気供給ラインは、環境に流体接続される。
【0060】
好ましくは少なくとも1つの弁を備える、流量制限デバイスが、周囲空気供給ライン中に配置され得る。
【0061】
本発明の第2の態様によれば、内燃機関の排気ガス再循環のためのシステムは、高圧システムである。
【0062】
高圧システムの場合、排気ガスは、ターボチャージャのタービンの上流で分岐される。排気ガスの少なくとも一部は、シリンダーの空気入口に案内可能であり、ターボチャージャの圧縮機の下流で掃気と混合可能である。
【0063】
高圧EGR経路は、EGRブロワ、EGRブロワの上流に配置された第1の高圧EGR弁、及び/又はEGRブロワの下流に配置された第2の高圧EGR弁を備える。
【0064】
高圧EGR経路は、第1の高圧EGR弁のみ又は第2の高圧EGR弁のみを備え得る。排気ガス再循環を可能にするために、高圧EGR弁が開かれ、EGRブロワがオンに切り替えられる。
【0065】
好ましくは、高圧EGR経路は、第1の高圧EGR弁と第2の高圧EGR弁とを備える。排気ガス再循環を可能にするために、第1の高圧EGR弁及び第2の高圧EGR弁が開かれ、EGRブロワがオンに切り替えられる。
【0066】
内燃機関は、掃気ライン及び/又は掃気受けからの掃気を、要求に応じてEGR経路に案内することを許容するように構成されたパージ制御ユニットを備える。パージ制御ユニットは、第1の高圧EGR弁を設定するため、及び/又は、第2の高圧EGR弁を設定するために、EGRブロワを切り替えるように構成され得る。
【0067】
大型の2ストローク機関の通常動作条件の下では、掃気の圧力は排気マニホルド内の圧力よりも高い。したがって、EGR動作のために、EGRブロワは、オンに切り替えられなければならない。
【0068】
高圧EGRシステムの場合、非EGR動作に切り替え、EGRブロワをオフに切り替えた後に、第1の高圧EGR弁及び/又は第2の高圧EGR弁が一時的に開いたままにされた場合、掃気流がEGR経路を逆方向にパージすることになる。逆方向とは、再循環排気ガスの流れ方向とは反対の流れ方向を意味する。
【0069】
2つの高圧EGR弁の場合、第1の高圧EGR弁及び第2の高圧EGR弁のうちの一方は流量限定デバイス(たとえば位置制御型弁)として使用され得るが、他方は開/閉機能しか必要としない。
【0070】
高圧EGR動作をオンからオフに切り替えるとき、EGRブロワは無効化される。第1の高圧EGR弁及び第2の高圧EGR弁は、2つのうちのいずれか一方がそれの流量限定位置に入った状態で、開いたままにされ得る。
【0071】
掃気圧は排気圧よりも高いので、掃気の小さい流れが逆方向にEGR経路を通って流れ、それによりシステムから排気ガスがパージされる。
【0072】
好適な長さの時間の後に、第1の高圧EGR弁及び/又は第2の高圧EGR弁は完全に閉じられ得、パージ・プロセスが完了する。2つの弁の漏れにより、掃気のわずかな自然な封止流れが起こるので、封止機能は必要とされない。
【0073】
高圧EGRシステムは、第1の高圧EGR弁、第2の高圧EGR弁及び/又はEGRブロワを動作させるためのEGR制御ユニットを備え得る。
【0074】
パージ制御ユニットは、EGR制御ユニットの一部であり得る。パージ制御ユニット及び/又はEGR制御ユニットは、機関制御ユニットの一部であり得る。
【0075】
本発明のさらなる態様によれば、上記で説明したような内燃機関を運転するための方法は、以下のステップを含む。排気ガス再循環が、オンに切り替えられ、排気ガスの少なくとも一部が、排気出口から空気入口に再循環され、排気ガス再循環が、オフに切り替えられる。その後、掃気が、掃気ライン及び/又は掃気受けからEGR経路に案内される。
【0076】
上記で説明したような低圧EGRシステムを有する内燃機械の場合、流量制限デバイスが、開かれ得、掃気が、空気供給ライン中に配置された流量制限デバイスを通して案内され得る。その後、流量制限デバイスが、閉じられ得る。
【0077】
低圧EGRシステムの排気ガス再循環をオンに切り替えるために、上記で説明したような低圧EGRシステムを有する内燃機関の遮断弁及び流量調整弁が、開かれ得る。
【0078】
さらに、EGR経路と煙突との間に配置された排気ガス背圧弁が、少なくとも部分的に閉じられ、及び/又は、ブロワが、オンに切り替えられ得る。
【0079】
低圧EGRシステムの排気ガス再循環をオフに切り替えるために、流量調整弁が、閉じられ得る。
【0080】
さらに、流量調整弁が閉じられたとき又は閉じられた後に、排気ガス背圧弁が完全に開かれ得、及び/又はブロワがオフに切り替えられ得る。
【0081】
掃気をEGR経路に案内した後に、遮断弁が、閉じられ得、好ましくは、流量制限デバイスが閉じられる前に遮断弁が閉じられ得る。
【0082】
掃気は、逆方向に又は順方向にEGR経路を通って案内され得る。
【0083】
上記で説明したような高圧EGRシステムを有する内燃機械の場合、EGRブロワが、停止され得る。
【0084】
第1の高圧EGR弁及び/又は第2の高圧EGR弁が、開かれるか又は開いたままにされ得、掃気が、EGR経路をパージするためにEGR経路を通して案内され得る。
【0085】
第1の高圧EGR弁及び第2の高圧EGR弁のうちの少なくとも一方が、全開位置に設定され得、他方の弁が、パージ流量が制限されるように部分開位置に設定され得る。
【0086】
その後、第1の高圧EGR弁及び第2の高圧EGR弁が、閉じられ得る。
【0087】
第1の高圧EGR弁及び第2の高圧EGR弁を閉じた後でも、少量の掃気がEGR経路に入り得、EGR再循環がオフに切り替えられたときに排気ガスがEGR経路に入ることが防がれるように、EGR経路内の圧力を確立し得る。
【0088】
以下で、本発明について、図によって実施例でさらに説明する。同じ参照番号は、機能的に対応する特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図2】低圧EGRシステムの第1の実例を概略的に示す図である。
【
図3】低圧EGRシステムの第2の実例を概略的に示す図である。
【
図4】高圧EGRシステムの実例を概略的に示す図である。
【
図5】流量制限デバイスについての第1の実例を概略的に示す図である。
【
図6】流量制限デバイスについての第2の実例を概略的に示す図である。
【
図7】低圧EGRシステムの第3の実例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1は、少なくとも200mmの内径2を有する少なくとも1つのシリンダー1を備える、特に大型船舶機関などである内燃機関100を示す。
【0091】
内燃機関100は、排気ガスによって駆動されるタービン6と、加圧された掃気を与えるための圧縮機7とを有する、ターボチャージャ5を備える。
【0092】
内燃機関100は、シリンダー1の排気出口3と空気入口4との間に配置されたEGR経路11を有する排気ガス再循環のための低圧システム10を備える。
【0093】
図2は、
図1に示された排気ガス再循環のための低圧システム10に対応する、低圧EGRシステムの第1の実例を概略的に示す。
【0094】
排気ガスは、ターボチャージャ5のタービン6を介して案内される。排気ガスの少なくとも一部は、圧縮機7を通してシリンダー1の空気入口4へと案内され、別の部分は、煙突17によって環境に解放される。
【0095】
低圧EGR経路11は、圧縮機7の上流に配置された流量調整弁12と、タービン6の下流で流量調整弁12の上流に配置された遮断弁13とを備える。排気ガスを再循環させるために、遮断弁13が開かれる。再循環させられる排気ガスの量は、流量調整弁12、及びEGR経路11と煙突17との間に配置された背圧弁15の開度を設定することによって影響を受け得る。
【0096】
低圧EGR経路11は、遮断弁13と流量調整弁12との間に配置された排気ガス冷却デバイス18を備える。
【0097】
内燃機関100は、掃気ライン8からの掃気を、要求に応じてEGR経路11に案内するための空気供給システム20を備える。空気供給システム20は、一方が流量調整弁12の上流でEGR経路11に流体接続され、他方が掃気ライン8に流体接続された、空気供給ライン21を備える。
【0098】
代替的に、空気供給ライン21は、掃気受け9に流体接続され得る(破線で示されている)。
【0099】
流量制限デバイス22は、空気供給ライン21中に配置される。
【0100】
掃気ライン8は、掃気冷却デバイス28を備える。
【0101】
この実例では、空気供給ライン21は、掃気冷却デバイス28の上流で掃気ライン8から分岐される。空気供給ライン21は、排気ガス冷却デバイス18と流量調整弁12との間でEGR経路11に接続される。
【0102】
内燃機関100は、流量制限デバイス22を設定し、それによってEGR経路11に流れ込む掃気の量を制御するように構成された、空気供給制御ユニット23を備える。空気供給制御ユニット23は、流量調整弁12と、遮断弁13と、背圧弁15とを設定するように構成された、EGR制御ユニット14の一部である。
【0103】
排気ガス再循環が終わると、一般に、遮断弁13並びに流量調整弁12が閉じられる。流量調整弁12が閉じられたままである間に、遮断弁13が開かれ得、大量の掃気がEGR経路11に案内され得、その掃気は、排気ガス残留物を、開いている遮断弁13を介して煙突17へと、EGR経路外にパージする。
【0104】
代替的に又は連続的に、遮断弁13及び流量調整弁12が閉じられ、少量の掃気がEGR経路11に案内され得るように、流量制限デバイス22が、開かれ得る。EGR経路11内の圧力が確立され得、その圧力は、排気ガスが、閉じられているが封止されていない遮断弁13に打ち勝つことを防ぐ。
【0105】
パージ方向は、再循環中の流れ方向とは反対である。したがって、この実例はいわゆる「逆パージ」に関するものである。
【0106】
反対に、
図3は、「順方向パージ」に関する、低圧EGRシステムの第2の実例を概略的に示す。
【0107】
この実例では、空気供給ライン21はまた、掃気冷却デバイス28の上流で掃気ライン8から分岐される。水ミスト・キャッチャー31が、掃気冷却デバイス28の下流に配置される。
【0108】
この実例では、空気供給ライン21は、遮断弁13と排気ガス冷却デバイス18との間で、特に、遮断弁13と、再循環させられる排気ガスの流れ方向に対して上流に排気ガス冷却デバイス18に隣接して配置されたエコノマイザ19との間などで、EGR経路11に接続される。
【0109】
排気ガス冷却デバイス18は、冷却回路32によって供給される。
【0110】
排気ガス再循環が終わると、遮断弁13及び流量調整弁12が閉じられる。遮断弁13が閉じられたままである間に流量調整弁12が開かれ得、大量の掃気がEGR経路11に案内され得、その掃気は、排気ガス残留物を、開いている流量調整弁12を介してターボチャージャ5及び掃気受け9へと、EGR経路外にパージする。
【0111】
代替的に又は連続的に、遮断弁13及び流量調整弁12が閉じられたままであり、少量の掃気がEGR経路11に案内され得るように、流量制限デバイス22が開かれ得る。EGR経路11内の圧力が確立され得、その圧力は、排気ガスが、閉じられているが封止されていない遮断弁13に打ち勝つことを防ぐ。
【0112】
パージ方向は、再循環中の流れ方向に対応する。したがって、この実例はいわゆる「順方向パージ」に関するものである。
【0113】
図4は、高圧EGRシステム40の実例を概略的に示す。
【0114】
EGR経路41はまた、排気ガス・レシーバ29と掃気受け9との間に配置される。
【0115】
排気ガス再循環のためのシステム40は、高圧システムであり、排気ガスは、ターボチャージャ5のタービン6の上流で分岐され、排気ガスの少なくとも一部は、掃気ライン8に案内され、ターボチャージャ5の圧縮機7の下流で新鮮空気と混合される。
【0116】
高圧EGR経路41は、EGRブロワ49、EGRブロワ49の上流に配置された第1の高圧EGR弁43、及びEGRブロワ49の下流に配置された第2の高圧EGR弁42、並びにEGRブロワ49と第2の高圧EGR弁42との間に配置された排気ガス冷却デバイス18を備える。
【0117】
パージ制御ユニット44は、掃気ライン8からの掃気を要求に応じてEGR経路41に案内することを許容するように構成される。
【0118】
パージ制御ユニット44は、第1の高圧EGR弁43を設定するため、及び、第2の高圧EGR弁42を設定するために、EGRブロワ49を切り替えるように構成される。
【0119】
パージ制御ユニット44は、EGR制御ユニット14の一部であり、EGR制御ユニット14はまた、排気ガス再循環を許容するか又は防ぐために、第1の高圧EGR弁43を設定するため、及び、第2の高圧EGR弁42を設定するために、EGRブロワ49を切り替えるように構成される。
【0120】
排気ガス再循環のために、第1の高圧EGR弁43及び第2の高圧EGR弁42が開かれ、ブロワがオンに切り替えられる。
【0121】
排気ガス再循環を停止するために、第1の高圧EGR弁43及び第2の高圧EGR弁42が閉じられ得、ブロワ49がオフに切り替えられる。
【0122】
掃気ライン8中の圧力はタービン6の上流の排気ガス・ライン36中の圧力よりも高いので、排気ガス再循環が終了した後に、掃気がタービン6及び煙突17へと逆方向にEGR経路41を通して案内されるように、第1の高圧EGR弁43及び第2の高圧EGR弁42が開かれ得る。
【0123】
図5は、位置が制御可能なバタフライ弁33を備える流量制限デバイス22についての第1の実例を概略的に示す。流れ面積、したがって許容される流れは、バタフライ弁33の角度とともに変動する。
【0124】
バタフライ弁33の角度を設定することによって、それぞれの流量、たとえば、EGR経路をパージするのに十分な流量、封止のための流量、又は完全に流量なしが選択され得る。
【0125】
図6は、流量制限デバイス22についての第2の実例を概略的に示す。2つのオン/オフ・バタフライ弁34、35が、並列に配置されている。小断面又は大断面のいずれかが開かれ得る。
【0126】
バタフライ弁34とバタフライ弁35のどちらが開かれるか、バタフライ弁34とバタフライ弁35のどちらが閉じられるかを選択することによって、より大きな流れ、より小さな流れ、又は流れなしが設定され得る。
【0127】
図7は、低圧EGRシステム10の第3の実例を概略的に示す。
【0128】
この実例では、周囲空気供給ライン51が、環境に流体接続される。周囲空気供給ライン51は、遮断弁13と流量調整弁12との間で、特に、遮断弁13と、再循環させられる排気ガスの流れ方向に対して上流に排気ガス冷却デバイス18に隣接して配置されたエコノマイザ19との間などで、EGR経路11に接続される。
【0129】
周囲空気供給ライン51は弁52を備える。
【0130】
排気ガス再循環をオフに切り替えるためのコマンドの後に、遮断弁13は閉じるが、弁52は、図に明示的に示されていない制御ユニットから、開くためのコマンドを受信する。
【0131】
同様に、背圧弁15が開き、排気ガスの流れ全体を通過させる。流量調整弁12は開いたままである。
【0132】
圧縮機7はガスを、したがって環境からの周囲空気を吸引し続ける。したがって、EGR経路11はパージされる。さらに、EGR経路11は、EGR経路11内の十分な圧力を確立しEGR経路11を通してガスを動かすためのEGRブロワ49を備え得る。
【0133】
弁13及び弁52は、排気ガスが周囲空気経路51を通って環境中に流出するのを防ぐような形で開閉するようにスケジューリングされる。通常動作中に、背圧弁15の上流の圧力は大気圧を超える。したがって、遮断弁13は、周囲空気弁52が開かれる前に閉じられるべきである。
【0134】
事前定義されたパージ時間の後に、弁52及び流量調整弁12が閉じられる。時間はまた、EGR経路11内のガス組成を測定することによって決定され得る。
【0135】
EGR経路11は、
図1~
図3のうちの1つに示されているような空気供給システム20を使用して、EGR経路11を周囲空気又は排気ガスの進入から守るために、必要とされるレベルまで、遮断弁13と流量調整弁12との間で加圧され得る。
【外国語明細書】