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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153741
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】自動車投光器用光学装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20231011BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20231011BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20231011BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20231011BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20231011BHJP
【FI】
F21S43/20
F21V5/00 510
F21W103:00
F21W103:20
F21W103:55
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023043113
(22)【出願日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】22166713.2
(32)【優先日】2022-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン マイヤー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光強度最大値を有する完全閉鎖型の光分布、とりわけ昼間走行用光分布、点滅灯用光分布及び/又は尾灯用光分布を生成するための自動車投光器のための光学装置が提供される。
【解決手段】光源(100)、夫々1つの光源(100)に割り当てられコリメータ(200)、及び、光入射面及び光出射面(320)を有する光案内体(300)を含む。光案内体(300)は、互いに結合された複数のファセット(410)から形成された光成形構造部を有する。複数のファセット(410)は、複数のファセット(410)が各自の傾きに関し光入射面及び/又は光出射面(320)において実質的に均一に分布されているよう、配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光強度最大値(16)を有する完全閉鎖型の光分布(15)、とりわけ昼間走行用光分布、点滅灯用光分布及び/又は尾灯用光分布を生成するための自動車投光器のための光学装置であって、
前記光学装置は、
・光放射方向(X1)の方向へ光を放出するよう構成された光源(100)、
・前記光放射方向(X1)の方向において前記光源(100)に後置されたコリメータ(200)、但し、1つのコリメータ(200)は、夫々1つの光源(100)に割り当てられており、かつ、夫々のコリメータ(200)に割り当てられた光源(100)の光を主放射方向(X2)に対し平行に揃えるよう構成されている、
・前記主放射方向(X2)の方向において前記コリメータ(200)に後置された光案内体(300)、但し、該光案内体(300)は、前記コリメータ(200)の放射光が入射可能な光入射面(310)と、該光入射面(310)の反対側に位置し、該光入射面(310)を介して入射された光が出射される光出射面(320)とを有する、
を含むこと、
前記光案内体(300)は、前記コリメータによって平行に揃えられ前記光入射面(310)を介して該光案内体(300)内に入射された光を、完全閉鎖型光分布(15)の形で主放射方向(X2)において前記光学装置の前方に投影するよう、構成されていること、
前記光案内体(300)は、互いに結合された複数のファセット(410)から形成された光成形構造部(400)を有し、
該複数のファセット(410)は夫々前記主放射方向(X2)に対して傾きを有し、
1つのファセットの面ベクトル(A)は、自動車に前記光学装置が正確に組み込まれた状態で見て、
・前記主放射方向(X2)に対し1つの水平方向傾斜角(β)をなし、かつ、
・前記主放射方向(X2)に対し1つの垂直方向傾斜角(β)をなすこと、
すべてのファセット(410)の傾きは、前記水平方向傾斜角(β)及び前記垂直方向傾斜角(β)が夫々期待値の周りで分布されているよう、分布されており、
前記期待値は前記光分布の光強度最大値に対応し、そのため、当該期待値に応じた水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角を有するファセットを介して前記光案内体(300)内に入射し及び/又は前記光案内体(300)から出射する光は前記光分布の光強度最大値を形成すること、及び、
前記光成形構造部(400)は、前記光案内体(300)の光入射面(310)及び/又は光出射面(320)を形成し、
前記複数のファセット(410)は、前記複数のファセット(410)が各自の傾きに関し光入射面(310)及び/又は光出射面(320)において実質的に均一に分布されているよう、配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光学装置において、
前記光成形構造部(400)の前記複数のファセット(410)はフラットに構成されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光学装置において、
すべてのファセット(410)の傾きは、前記水平方向傾斜角(β)及び前記垂直方向傾斜角(β)が夫々期待値の周りで正規分布されているよう、分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の光学装置において、
前記水平方向傾斜角(β)は0°に等しい期待値の周りで正規分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の光学装置において、
前記垂直方向傾斜角(β)は0°に等しい期待値の周りで正規分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)は、当該複数のファセット(410)が共通の仮想面に実質的に位置するように、互いに対し配置されていること、
前記仮想面は好ましくはフラットであること
を特徴とする、光学装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)はグリッド状に、好ましくは複数の行及び複数の列に配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の光学装置において、
前記光学装置は、副光放射方向(X3)の方向へ光を放出するよう構成された副光源(複数)(110)を含むこと、
夫々少なくとも1つの副光源(110)は、1つのコリメータ(200)に割り当てられており、かつ、光を前記コリメータ(200)内へ入射するよう、構成されていること、
好ましくは前記副光源(110)の放出可能な光は、前記光源(100)とは異なる色を有すること
を特徴とする、光学装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光学装置において、
1つのコリメータ(200)の少なくとも1つの副光源(110)は、前記副光放射方向(X3)が前記光源(100)の光放射方向(X1)に対しゼロではない角度をなすよう、当該コリメータ(200)の焦点の外部に配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項10】
請求項1~9の何れかに記載の光学装置において、
コリメータ(200)によって平行化された光は、前記光案内体(300)において、少なくとも2つのファセット(410)を含む一群のファセット(410)を介して前記光案内体(300)内に入射し及び/又は前記光案内体(300)から出射すること
を特徴とする、光学装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)のサイズは、サイズが夫々期待値の周りに分布されているよう、好ましくは正規分布されているよう、分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項12】
請求項11に記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)は、それらのサイズに関し、前記光入射面(310)及び/又は前記光出射面(320)において実質的に均一に分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れかに記載の光学装置において、
前記光成形構造部(400)は前記光入射面(310)を形成し、
前記光成形構造部(400)の複数のファセット(410)はグリッド状に、好ましくは複数の行及び複数の列に、配置されており、
前記光出射面(320)は、三角形状に構成されておりかつ前記主放射方向(X2)に対し傾きを有する複数のファセットから形成されており、
前記光出射面のファセットの傾きは均一に分布されており、
前記光出射面(320)のファセットは、当該ファセットが各自の傾きに関し前記光出射面(320)において実質的に均一に分布されているよう、配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れかに記載の光学装置(10)を少なくとも1つ含む、自動車投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年4月5日に出願された欧州特許出願第22166713.2号についてのパリ条約上の優先権の利益を主張するものであり、当該出願の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。
【0002】
本発明は、光強度最大値を有する完全閉鎖型(durchgehend geschlossen)の光分布、とりわけ昼間走行用光分布、点滅灯用光分布及び/又は尾灯用光分布を生成するための自動車投光器のための光学装置であって、
前記光学装置は、
・光放射方向の方向へ光を放出するよう構成された光源、
・前記光放射方向の方向において前記光源に後置された(下流側に配置された)コリメータ、但し、1つのコリメータは、夫々1つの光源に割り当てられており、かつ、夫々のコリメータに割り当てられた光源の光を主放射方向に対し平行に揃えるよう構成されている、
・前記主放射方向の方向において前記コリメータに後置された(下流側に配置された)光案内体、但し、該光案内体は、前記コリメータの放射光が入射可能な光入射面と、該光入射面の反対側に位置し、該光入射面を介して入射された光が出射される光出射面とを有する、
を含むこと、
前記光案内体は、前記コリメータによって平行に揃えられ前記光入射面を介して該光案内体内に入射された光を、完全閉鎖型光分布の形で主放射方向において前記光学装置の前方に投影するよう、構成されている、
光学装置に関する。
【背景技術】
【0003】
クリスタル光学系(Kristalloptik)の充填のために設けられている自動車投光器用光学装置の従来技術において開示されている光案内部材は、(例えばECE規則における)法令の基準に適合すると同時に、クリスタル光学系の所望の輝き効果(Funkeleffekt)を維持する完全閉鎖型光分布を生成することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP 2 708 800 A2
【特許文献2】DE 10 2010 013931 A1
【特許文献3】DE 10 2014 218991 A1
【特許文献4】DE 10 2015 213827 A1
【特許文献5】US 9 261 254 B2
【特許文献6】US 10 895 361 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の一課題は改善された光学装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の視点により、光強度最大値を有する完全閉鎖型の光分布、とりわけ昼間走行用光分布、点滅灯用光分布及び/又は尾灯用光分布を生成するための自動車投光器のための光学装置が提供される。
前記投光装置(光学装置)は、
・光放射方向の方向へ光を放出するよう構成された光源、
・前記光放射方向の方向において前記光源に後置された(下流側に配置された)コリメータ、但し、1つのコリメータは、夫々1つの光源に割り当てられており、かつ、夫々のコリメータに割り当てられた光源の光を主放射方向に対し平行に揃えるよう構成されている、
・前記主放射方向の方向において前記コリメータに後置された(下流側に配置された)光案内体、但し、該光案内体は、前記コリメータの放射光が入射可能な光入射面と、該光入射面の反対側に位置し、該光入射面を介して入射された光が出射される光出射面とを有する、
を含むこと、
前記光案内体は、前記コリメータによって平行に揃えられ前記光入射面を介して該光案内体内に入射された光を、完全閉鎖型光分布の形で主放射方向において前記光学装置の前方に投影するよう、構成されていること、
前記光案内体は、互いに結合された複数のファセットから形成された光成形構造部を有し、
該複数のファセットは夫々前記主放射方向に対して傾きを有し、
1つのファセットの面ベクトルは、自動車に前記投光装置(光学装置)が正確に組み込まれた状態で見て、
・前記主放射方向に対し1つの水平方向傾斜角をなし、かつ、
・前記主放射方向に対し1つの垂直方向傾斜角をなすこと、
すべてのファセットの傾きは、前記水平方向傾斜角及び前記垂直方向傾斜角が夫々期待値(Erwartungswert)の周りで分布されているよう、分布されており、
前記期待値は前記光分布の光強度最大値に対応し、そのため、当該期待値に応じた水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角を有するファセットを介して前記光案内体内に入射し及び/又は前記光案内体から出射する光は前記光分布の光強度最大値を形成すること、及び、
前記光成形構造部は、前記光案内体の光入射面及び/又は光出射面を形成し、
前記複数のファセットは、前記複数のファセットが各自の傾きに関し光入射面及び/又は光出射面において実質的に均一に(一様に:homogen)分布されているよう、配置されていることを特徴とする(形態1)。
本発明の第2の視点により、本発明の光学装置を少なくとも1つ含む、自動車投光器が提供される(形態14)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここに本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1に記載の光学装置において、
前記光成形構造部の前記複数のファセットはフラットに構成されていることが好ましい。
(形態3)形態1又は2に記載の光学装置において、
すべてのファセットの傾きは、前記水平方向傾斜角及び前記垂直方向傾斜角が夫々期待値の周りで正規分布されているよう、分布されていることが好ましい。
(形態4)形態1~3の何れかに記載の光学装置において、
前記水平方向傾斜角は0°に等しい期待値の周りで正規分布されていることが好ましい。
(形態5)形態1~4の何れかに記載の光学装置において、
前記垂直方向傾斜角は0°に等しい期待値の周りで正規分布されていることが好ましい。
(形態6)形態1~5の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセットは、当該複数のファセットが共通の仮想面に実質的に位置するように、互いに対し配置されていること、
前記仮想面は好ましくはフラットであること、が好ましい。
(形態7)形態1~6の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセットはグリッド状に、好ましくは複数の行及び複数の列に配置されていることが好ましい。
(形態8)形態1~7の何れかに記載の光学装置において、
前記投光装置(光学装置)は、副光放射方向の方向へ光を放出するよう構成された副光源(複数)を含むこと、
夫々少なくとも1つの副光源は、1つのコリメータに割り当てられており、かつ、光を前記コリメータ内へ入射するよう、構成されていること、
好ましくは前記副光源の放出可能な光は、前記光源とは異なる色を有すること、が好ましい。
(形態9)形態8に記載の光学装置において、
1つのコリメータの少なくとも1つの副光源は、前記副光放射方向が前記光源の光放射方向に対しゼロではない角度をなすよう、当該コリメータの焦点の外部に配置されていることが好ましい。
(形態10)形態1~9の何れかに記載の光学装置において、
コリメータによって平行化された光は、前記光案内体において、少なくとも2つのファセットを含む一群のファセットを介して前記光案内体内に入射し及び/又は前記光案内体から出射することが好ましい。
(形態11)形態1~10の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセットのサイズは、サイズが夫々期待値の周りに分布されているよう、好ましくは正規分布されているよう、分布されていることが好ましい。
(形態12)形態11に記載の光学装置において、
前記複数のファセットは、それらのサイズに関し、前記光入射面及び/又は前記光出射面において実質的に均一に分布されていることが好ましい。
(形態13)形態1~12の何れかに記載の光学装置において、
前記光成形構造部は前記光入射面を形成し、
前記光成形構造部の複数のファセットはグリッド状に、好ましくは複数の行及び複数の列に、配置されており、
前記光出射面は、三角形状に構成されておりかつ前記主放射方向に対し傾きを有する複数のファセットから形成されており、
前記光出射面のファセットの傾きは均一に分布されており、
前記光出射面のファセットは、当該ファセットが各自の傾きに関し前記光出射面において実質的に均一に分布されているよう、配置されていることが好ましい。
(形態14)上記本発明の第2の視点参照。
【0008】
上記の課題は、光案内体が互いに結合された(zusammenhaengend)複数のファセットから形成された光成形構造部を有すること、複数のファセットが夫々主放射方向に対する(1つの)傾きを有すること、1つのファセットの面ベクトルが、自動車に投影装置(光学装置)が正確に組み込まれた状態で見て、
・主放射方向に対し1つの水平方向傾斜角をなし、かつ、
・主放射方向に対し1つの垂直方向傾斜角をなすこと、
すべてのファセットの傾き(複数)が、水平方向傾斜角(複数)及び垂直方向傾斜角(複数)が夫々期待値(Erwartungswert)の周りで(を中心として)分布されているよう、分布されていること、
該期待値は該光分布の光強度最大値に対応し、そのため、当該期待値に応じた水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角を有するファセット(複数)を介して光案内体内に入射し及び/又は光案内体から出射する光は光分布の光強度最大値を形成すること、及び、
光成形構造部が、光案内体の光入射面及び/又は光出射面を形成すること、複数のファセットが、当該複数のファセットが各自の傾きに関し光入射面及び/又は光出射面において実質的に均一に(homogen)分布されているよう、配置されていること
によって解決される。
【0009】
かくして、クリスタル光学系の(キラキラ)輝き効果を維持し、同時に、光強度最大値を有する光分布を生成することが可能になる。生成可能な光分布は、この場合、光強度最大値から出発し放射状に(radial)一様に(一定的に)漸減する光強度を有する。光分布は、この場合、光強度最大値の周りに(を中心として)実質的に丸くないし円形に配置された等照度(Isolux)線(複数)を有することができる。
【0010】
光成形構造部のファセット(複数)はフラットに(eben)構成されることが可能である。
【0011】
すべてのファセットの傾き(複数)は、水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角が夫々期待値の周りで(を中心として)正規分布されるよう、分布されることが可能である。
【0012】
水平方向傾斜角は0°に等しい期待値の周りで(を中心として)正規分布されることが可能である。
【0013】
垂直方向傾斜角は0°に等しい期待値の周りで(を中心として)正規分布されることが可能である。
【0014】
複数のファセットは、当該複数のファセットが共通の仮想面に実質的に位置するように、互いに対し配置され、該仮想面は好ましくはフラットであることが可能である。
【0015】
複数のファセットはグリッド状に(rasterartig)、好ましくは複数の行及び複数の列に、配置されることが可能である。
【0016】
投影装置(光学装置)は副光放射方向の方向へ光を放出するよう構成された副光源(複数)を含み、夫々少なくとも1つの副光源は、1つのコリメータに割り当てられ、かつ、光をコリメータ内へ入射するよう、構成されており、好ましくは副光源の放出可能な光は光源とは異なる色を有することが可能である。
【0017】
1つのコリメータの少なくとも1つの副光源は、副光放射方向が光源の光放射方向に対しゼロではない角度をなすよう、当該コリメータの焦点の外部に配置されることが可能である。かくして、光案内体の追加的な(キラキラ)輝き効果が生成され、副光源(複数)の光は、コリメータに斜めに入射するため、可及的に多くの回数で、光案内体内で反射される。
【0018】
コリメータによって平行化された光は、光案内体内において、少なくとも2つのファセットを含む一群のファセットを介して光案内体内に入射し及び/又は光案内体から出射することが可能である。
【0019】
かくして、光強度最大値を有する所望の光分布を生成すると同時に、光案内体の所望の輝き効果を得るために、生成可能な光流が最適に使用されることが保証(確保)される。
【0020】
ファセット(複数)のサイズ(複数)は、サイズ(複数)が夫々期待値の周りに(を中心として)分布されるよう、好ましくは正規分布されるよう、分布されることが可能である。
【0021】
これは、所望の光分布を生成するために、期待値に対して選定(ないし規定:bestimmt)されて合わせられる(揃えられる:ausgerichtet)必要がある面(複数)はより小さい(少ない)ため、効率が更に高められるという利点を有する。
【0022】
ファセット(複数)は、それらのサイズに関し、光入射面及び/又は光出射面において実質的に均一に分布されることが可能である。
【0023】
光成形構造部は光入射面を形成し、光成形構造部の複数のファセットはグリッド状に、好ましくは複数の行及び複数の列に、配置され、光出射面は、三角形状に構成されておりかつ主放射方向に対し傾きを有する複数のファセットから形成され、光出射面のファセット(複数)の傾きは均一に分布され、光出射面のファセット(複数)は、ファセット(複数)が各自の傾き(複数)に関し光出射面において実質的に均一に分布されるよう、配置されることが可能である。
【0024】
上記の課題は、少なくとも1つの本発明の光学装置を含む、自動車投光器によっても解決される。
【0025】
以下において、本発明は例示的図面を用いてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】光強度最大値を有する光分布を生成するよう構成された光学装置の一例を正面側から見た斜視図。該光学装置は光入射面及び光出射面を有する光案内体を含み、コリメータによって平行に揃えられた光源からの光は光入射面に入射可能でありかつ光案内体の光出射面から出射可能であり、光案内体は複数のファセットを有する光成形構造部を有する。
図2A図1の光学装置を後側から見た斜視図。
図2B図1の光学装置の一部の横断面の模式図。
図3図1の光学装置によって生成可能な、光強度最大値を有する光分布の一例。
図4】光成形構造部の一例のファセットの垂直方向傾斜角及び水平方向傾斜角の模式図。
図5A】上方から見た例示的一ファセットの模式図。
図5B】側方から見た例示的一ファセットの模式図。
図6】光学装置の一例の更なる例示的一光案内体の斜視図。
【実施例0027】
以下の図面において―別段の定めがない限り―同じ図面参照符号は同じ特徴を表す。
【0028】
本発明は図示の実施形態(実施例)に限定されず、特許請求の範囲の全保護範囲によって規定される。更に、本発明ないし実施形態(複数)の個々の側面は個別に考えることも互いに組み合わせることも可能である。特許請求の範囲における任意的な図面参照符号は例示的なものであり、特許請求の範囲を限定することなく、特許請求の範囲をより読み易くするためにのみ役立つ。
【0029】
図1は、光強度最大値16を有する完全閉鎖型の光分布15、とりわけ昼間走行用光分布、点滅灯(Blinklicht)用光分布及び/又は尾灯用光分布を生成するための自動車投光器のための光学装置10の一例を示す。
【0030】
投影装置(光学装置)10は、光放射方向X1の方向へ光を放射するよう構成(適合化)された光源(複数)100と、光放射方向X1の方向において光源100に後置された(下流側に配置された)コリメータ(複数)200とを含み、1つのコリメータ200は夫々1つの光源100に割り当てられ、かつ、各コリメータ200に割り当てられた光源100の光が主放射方向X2に対し平行に整列される(揃えられる)よう、構成(適合化)されている。なお、コリメータ200と光源100は図1ないし図2により明確に示されている。
【0031】
更に、光学装置10は、主放射方向X2の方向においてコリメータ200に後置された(下流側に配置された)光案内体(光導体)300を含み、光案内体300は、コリメータ200の放射光が入射可能な光入射面310と、光入射面310の反対側に位置し、光入射面310を介して入射された光を出射する光出射面320とを有する。
【0032】
光案内体300は、コリメータによって平行に揃えられ、光案内体300内に光入射面310を介して入射した光を完全閉鎖型光分布の形で主放射方向X2において光学装置10の前方へ投影するよう、構成(適合化)されている。
【0033】
概念「完全閉鎖型(durchgehend geschlossen)」は、本発明との関連においては、例えば図3において光強度最大値16を有する例示的一光分布15によって示されているように、光分布が穴(無光部)を有さず、完全に(一貫して)面状に形成されていることを意味する。
【0034】
光案内体300は、互いに結合された(連続的に(隣接されて)結合(配置)された:zusammenhaengend)複数のファセット410から形成されている光成形構造部400を有する。ファセット(複数)410は夫々主放射方向X2に対して(1つの)傾き(傾斜)を有し、1つのファセットの面ベクトル(面法線)Aは、投影装置(光学装置)10が自動車に正確に組み込まれた状態で見て、主放射方向X2に対し水平方向傾斜角βをなし、かつ、主放射方向X2に対し垂直方向傾斜角βをなす。なお、傾斜角はゼロの場合もある。
【0035】
水平方向傾斜角β及び垂直方向傾斜角βに関する図を用いた説明は図4図5A及び図5Bに示されている。図5Aは水平方向傾斜角βを示し、図5Bは垂直方向傾斜角βを示す。図4は、ゼロより大きい水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角を有するファセットの一例を示す。図4には、HH線ないしVV線に角度の目盛が記入されている(自動車投光器から25m離れた所に位置する)ECE基準に準拠する例示的模式的測定スクリーンの一例も示されている。
【0036】
光成形構造部400の全てのファセット410の傾きは、水平方向傾斜角β及び垂直方向傾斜角βが夫々期待値(Erwartungswert)の周りで分布されているよう、分布されている。図面における図示の例の光成形構造部400は光案内体300の光出射面320を形成している。尤も、光成形構造部400は、光案内体300の光入射面310を形成するか又は光入射面310及び光出射面320を形成することも可能である。この場合、ファセット(複数)410は、当該ファセット410が各自の傾きに関し光入射面310及び/又は光出射面320において実質的に均一に(homogen)分布されているよう、配置されている。コリメータ200によって平行化された光は、光案内体300において、少なくとも2つのファセット410を含む一群のファセット410を介して光案内体300内に入射し及び/又は光案内体300から出射する。
【0037】
期待値は光分布15の光強度最大値16に対応するため、当該期待値に応じた水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角を有するファセット(複数)を介して(光成形構造部が配置されている位置に応じて)光案内体300内に入射し及び/又は光案内体300から出射する光は光分布15の光強度最大値16を形成する。
【0038】
光成形構造部400のファセット(複数)410はフラットに(平面的に)構成され、図示の例における全てのファセット410の傾きは、水平方向傾斜角β及び垂直方向傾斜角βが夫々期待値の周りで正規分布されているよう、分布されており、好ましくは水平方向傾斜角βは0°に等しい期待値の周りで正規分布されており、好ましくは垂直方向傾斜角βは0°に等しい期待値の周りで正規分布されている。
【0039】
付加的に、ファセット(複数)410のサイズ(複数)は、サイズ(複数)が夫々期待値の周りに分布されているよう、好ましくは正規分布されているよう、分布されることが可能であり、ファセット(複数)410は、それらのサイズに関し、光入射面310及び/又は光出射面320において実質的に均一に分布されている。
【0040】
ファセット(複数)410は、更に、それらが共通の仮想面に実質的に位置するよう、互いに対し配置されている。なお、該仮想面は、例えば図1又は図6において明らかであるように、フラット(平面状)である。
【0041】
図6に示した例では、ファセット(複数)410は、他の図に示した例とは異なり、当該ファセット(複数)410が複数の行及び複数の列に配置されているよう、グリッド状に(ラスターないしマトリックス状に:rasterartig)配置されている。
【0042】
更に、投影装置10は、副光放射方向X3の方向へ光を放出するよう構成された副光源(複数)110を含み、夫々少なくとも1つの副光源110は1つのコリメータ200に割り当てられており、かつ、光をコリメータ200内へ入射するよう、構成(適合化)されており、副光源110の放出可能な光は、光源100とは異なる色を有する。図2Bは、副光源110の一例を明確に示している。
【0043】
コリメータ200の少なくとも副光源110は、同様に図2Bにおいて見出すことができるように、副光放射方向X3が光源100の光放射方向X1に対しゼロではない角度をなすよう、対応する(当該)コリメータ200の焦点の外部に配置される。
【0044】
図面には記載されていない更なる一実施形態(一実施例)では、光成形構造部400は光入射面310を形成し、該光成形構造部400のファセット(複数)410はグリッド状に、好ましくは複数の行及び複数の列に、配置されており、光出射面320は、三角形状に構成されておりかつ主放射方向X2に対し傾きを有するファセット(複数)から形成されており、光出射面のファセット(複数)の傾きは均一に分布されており、光出射面320のファセット(複数)は、当該ファセットが各自の傾きに関し光出射面320において実質的に均一に分布されているよう、配置されている。尤も、既述の事項は同様にこの実施形態にも適用可能である。
【0045】
本発明は以下の付記のように与えることができる。
[付記1]光強度最大値を有する完全閉鎖型の光分布、とりわけ昼間走行用光分布、点滅灯用光分布及び/又は尾灯用光分布を生成するための自動車投光器のための光学装置。
前記光学装置は、
・光放射方向の方向へ光を放出するよう構成された光源、
・前記光放射方向の方向において前記光源に後置された(下流側に配置された)コリメータ、但し、1つのコリメータは、夫々1つの光源に割り当てられており、かつ、夫々のコリメータに割り当てられた光源の光を主放射方向に対し平行に揃えるよう構成されている、
・前記主放射方向の方向において前記コリメータに後置された(下流側に配置された)光案内体、但し、該光案内体は、前記コリメータの放射光が入射可能な光入射面と、該光入射面の反対側に位置し、該光入射面を介して入射された光が出射される光出射面とを有する、
を含む。
前記光案内体は、前記コリメータによって平行に揃えられ前記光入射面を介して該光案内体内に入射された光を、完全閉鎖型光分布の形で主放射方向において前記光学装置の前方に投影するよう、構成されている。
前記光案内体は、互いに結合された複数のファセットから形成された光成形構造部を有する。
該複数のファセットは夫々前記主放射方向に対して傾きを有する。
1つのファセットの面ベクトルは、自動車に前記光学装置が正確に組み込まれた状態で見て、
・前記主放射方向に対し1つの水平方向傾斜角をなし、かつ、
・前記主放射方向に対し1つの垂直方向傾斜角をなす。
すべてのファセットの傾きは、前記水平方向傾斜角及び前記垂直方向傾斜角が夫々期待値(Erwartungswert)の周りで分布されて(verteilt)いるよう、分布されて(verteilt)いる。
前記期待値は前記光分布の光強度最大値に対応し、そのため、当該期待値に応じた水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角を有するファセットを介して前記光案内体内に入射し及び/又は前記光案内体から出射する光は前記光分布の光強度最大値を形成する。
前記光成形構造部は、前記光案内体の光入射面及び/又は光出射面を形成する。
前記複数のファセットは、前記複数のファセットが各自の傾きに関し光入射面及び/又は光出射面において実質的に均一に(一様に:homogen)分布されているよう、配置されている。
[付記2]上記の光学装置、とりわけ付記1に記載の光学装置において、
前記光成形構造部の前記複数のファセットはフラットに構成されている。
[付記3]上記の光学装置、とりわけ付記1又は2に記載の光学装置において、
すべてのファセットの傾きは、前記水平方向傾斜角及び前記垂直方向傾斜角が夫々期待値の周りで正規分布されて(normalverteilt)いるよう、分布されて(verteilt)いる。
[付記4]上記の光学装置、とりわけ付記1~3の何れかに記載の光学装置において、
前記水平方向傾斜角は0°に等しい期待値の周りで正規分布されている。
[付記5]上記の光学装置、とりわけ付記1~4の何れかに記載の光学装置において、
前記垂直方向傾斜角は0°に等しい期待値の周りで正規分布されている。
[付記6]上記の光学装置、とりわけ付記1~5の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセットは、当該複数のファセットが共通の仮想面に実質的に位置するように、互いに対し配置されている;
前記仮想面は好ましくはフラットである。
[付記7]上記の光学装置、とりわけ付記1~6の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセットはグリッド状に、好ましくは複数の行及び複数の列に配置されている。
[付記8]上記の光学装置、とりわけ付記1~7の何れかに記載の光学装置において、
前記光学装置は、副光放射方向の方向へ光を放出するよう構成された副光源(複数)を含む;
夫々少なくとも1つの副光源は、1つのコリメータに割り当てられており、かつ、光を前記コリメータ内へ入射するよう、構成されている;
好ましくは前記副光源の放出可能な光は、前記光源とは異なる色を有する。
[付記9]上記の光学装置、とりわけ付記8に記載の光学装置において、
1つのコリメータの少なくとも1つの副光源は、前記副光放射方向が前記光源の光放射方向に対しゼロではない角度をなすよう、当該コリメータの焦点の外部に配置されている。
[付記10]上記の光学装置、とりわけ付記1~9の何れかに記載の光学装置において、
コリメータによって平行化された光は、前記光案内体において、少なくとも2つのファセットを含む一群のファセットを介して前記光案内体内に入射し及び/又は前記光案内体から出射する。
[付記11]上記の光学装置、とりわけ付記1~10の何れかに記載の光学装置において、
前記複数のファセットのサイズ(複数)は、(該)サイズ(複数)が夫々期待値の周りに分布されているよう、好ましくは正規分布されているよう、分布されている。
[付記12]上記の光学装置、とりわけ付記11に記載の光学装置において、
前記複数のファセットは、それらのサイズに関し、前記光入射面及び/又は前記光出射面において実質的に均一に分布されている。
[付記13]上記の光学装置、とりわけ付記1~12の何れかに記載の光学装置において、
前記光成形構造部は前記光入射面を形成する;
前記光成形構造部複数のファセットはグリッド状に、好ましくは複数の行及び複数の列に、配置されている;
前記光出射面は、三角形状に構成されておりかつ前記主放射方向に対し傾きを有する複数のファセットから形成されている;
前記光出射面のファセットの傾きは均一に分布されている;
前記光出射面のファセットは、当該ファセットが各自の傾きに関し前記光出射面において実質的に均一に分布されているよう、配置されている。
[付記14]上記の光学装置、とりわけ付記1~13の何れかに記載の光学装置を少なくとも1つ含む、自動車投光器。
【0046】
本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(「非選択」を含む。)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲及び図面を含む全開示、本発明の技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0047】
更に、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を実施形態及び図示の実施例に限定することは意図していない。
【0048】
更に、上記の各文献の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。
【符号の説明】
【0049】
10 (例えば投影装置のような)光学装置
15 光分布
16 光強度最大値(Lichtstaerkemaximum)
100 光源
110 副光源
200 コリメータ
300 光案内体(光案内部材)
310 光入射面(光入射側)
320 光出射面(光出射側)
400 光成形構造部
410 ファセット
β 水平方向傾斜角
β 垂直方向傾斜角
A 面ベクトル
X1 光放射方向
X2 主放射方向
X3 副光放射方向
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光強度最大値(16)を有する完全閉鎖型の光分布(15)を生成するための自動車投光器のための光学装置であって、
前記光学装置は、
・光放射方向(X1)の方向へ光を放出するよう構成された光源(100)、
・前記光放射方向(X1)の方向において前記光源(100)に後置されたコリメータ(200)、但し、1つのコリメータ(200)は、夫々1つの光源(100)に割り当てられており、かつ、夫々のコリメータ(200)に割り当てられた光源(100)の光を主放射方向(X2)に対し平行に揃えるよう構成されている、
・前記主放射方向(X2)の方向において前記コリメータ(200)に後置された光案内体(300)、但し、該光案内体(300)は、前記コリメータ(200)の放射光が入射可能な光入射面(310)と、該光入射面(310)の反対側に位置し、該光入射面(310)を介して入射された光が出射される光出射面(320)とを有する、
を含むこと、
前記光案内体(300)は、前記コリメータによって平行に揃えられ前記光入射面(310)を介して該光案内体(300)内に入射された光を、完全閉鎖型光分布(15)の形で主放射方向(X2)において前記光学装置の前方に投影するよう、構成されていること、
前記光案内体(300)は、互いに結合された複数のファセット(410)から形成された光成形構造部(400)を有し、
該複数のファセット(410)は夫々前記主放射方向(X2)に対して傾きを有し、
1つのファセットの面ベクトル(A)は、自動車に前記光学装置が正確に組み込まれた状態で見て、
・前記主放射方向(X2)に対し1つの水平方向傾斜角(β)をなし、かつ、
・前記主放射方向(X2)に対し1つの垂直方向傾斜角(β)をなすこと、
すべてのファセット(410)の傾きは、前記水平方向傾斜角(β)及び前記垂直方向傾斜角(β)が夫々期待値の周りで分布されているよう、分布されており、
前記期待値は前記光分布の光強度最大値に対応し、そのため、当該期待値に応じた水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角を有するファセットを介して前記光案内体(300)内に入射し及び/又は前記光案内体(300)から出射する光は前記光分布の光強度最大値を形成すること、及び、
前記光成形構造部(400)は、前記光案内体(300)の光入射面(310)及び/又は光出射面(320)を形成し、
前記複数のファセット(410)は、前記複数のファセット(410)が各自の傾きに関し光入射面(310)及び/又は光出射面(320)において実質的に均一に分布されているよう、配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光学装置において、
前記光分布(15)は、昼間走行用光分布、点滅灯用光分布及び/又は尾灯用光分布であること
を特徴とする、光学装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光学装置において、
前記光成形構造部(400)の前記複数のファセット(410)はフラットに構成されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光学装置において、
すべてのファセット(410)の傾きは、前記水平方向傾斜角(β)及び前記垂直方向傾斜角(β)が夫々期待値の周りで正規分布されているよう、分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光学装置において、
前記水平方向傾斜角(β)は0°に等しい期待値の周りで正規分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項6】
請求項1に記載の光学装置において、
前記垂直方向傾斜角(β)は0°に等しい期待値の周りで正規分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)は、当該複数のファセット(410)が共通の仮想面に実質的に位置するように、互いに対し配置されているこ
特徴とする、光学装置。
【請求項8】
請求項7に記載の光学装置において、
前記仮想面は、フラットであること
を特徴とする、光学装置。
【請求項9】
請求項1に記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)はグリッド状に配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項10】
請求項9に記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)は、複数の行及び複数の列に配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項11】
請求項1に記載の光学装置において、
前記光学装置は、副光放射方向(X3)の方向へ光を放出するよう構成された副光源(複数)(110)を含むこと、
夫々少なくとも1つの副光源(110)は、1つのコリメータ(200)に割り当てられており、かつ、光を前記コリメータ(200)内へ入射するよう、構成されているこ
特徴とする、光学装置。
【請求項12】
請求項11に記載の光学装置において、
前記副光源(110)の放出可能な光は、前記光源(100)とは異なる色を有すること
を特徴とする、光学装置。
【請求項13】
請求項11に記載の光学装置において、
1つのコリメータ(200)の少なくとも1つの副光源(110)は、前記副光放射方向(X3)が前記光源(100)の光放射方向(X1)に対しゼロではない角度をなすよう、当該コリメータ(200)の焦点の外部に配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項14】
請求項1に記載の光学装置において、
コリメータ(200)によって平行化された光は、前記光案内体(300)において、少なくとも2つのファセット(410)を含む一群のファセット(410)を介して前記光案内体(300)内に入射し及び/又は前記光案内体(300)から出射すること
を特徴とする、光学装置。
【請求項15】
請求項1に記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)のサイズは、サイズが夫々期待値の周りに分布されているよう、分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項16】
請求項15に記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)のサイズは、サイズが夫々期待値の周りに正規分布されているよう、分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項17】
請求項15に記載の光学装置において、
前記複数のファセット(410)は、それらのサイズに関し、前記光入射面(310)及び/又は前記光出射面(320)において実質的に均一に分布されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項18】
請求項1に記載の光学装置において、
前記光成形構造部(400)は前記光入射面(310)を形成し、
前記光成形構造部(400)の複数のファセット(410)はグリッド状に配置されており、
前記光出射面(320)は、三角形状に構成されておりかつ前記主放射方向(X2)に対し傾きを有する複数のファセットから形成されており、
前記光出射面のファセットの傾きは均一に分布されており、
前記光出射面(320)のファセットは、当該ファセットが各自の傾きに関し前記光出射面(320)において実質的に均一に分布されているよう、配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項19】
請求項18に記載の光学装置において、
前記光成形構造部(400)の複数のファセット(410)は、複数の行及び複数の列に配置されていること
を特徴とする、光学装置。
【請求項20】
請求項1~19の何れかに記載の光学装置(10)を少なくとも1つ含む、自動車投光器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1の視点により、光強度最大値を有する完全閉鎖型の光分布を生成するための自動車投光器のための光学装置が提供される。
前記投光装置(光学装置)は、
・光放射方向の方向へ光を放出するよう構成された光源、
・前記光放射方向の方向において前記光源に後置された(下流側に配置された)コリメータ、但し、1つのコリメータは、夫々1つの光源に割り当てられており、かつ、夫々のコリメータに割り当てられた光源の光を主放射方向に対し平行に揃えるよう構成されている、
・前記主放射方向の方向において前記コリメータに後置された(下流側に配置された)光案内体、但し、該光案内体は、前記コリメータの放射光が入射可能な光入射面と、該光入射面の反対側に位置し、該光入射面を介して入射された光が出射される光出射面とを有する、
を含むこと、
前記光案内体は、前記コリメータによって平行に揃えられ前記光入射面を介して該光案内体内に入射された光を、完全閉鎖型光分布の形で主放射方向において前記光学装置の前方に投影するよう、構成されていること、
前記光案内体は、互いに結合された複数のファセットから形成された光成形構造部を有し、
該複数のファセットは夫々前記主放射方向に対して傾きを有し、
1つのファセットの面ベクトルは、自動車に前記投光装置(光学装置)が正確に組み込まれた状態で見て、
・前記主放射方向に対し1つの水平方向傾斜角をなし、かつ、
・前記主放射方向に対し1つの垂直方向傾斜角をなすこと、
すべてのファセットの傾きは、前記水平方向傾斜角及び前記垂直方向傾斜角が夫々期待値(Erwartungswert)の周りで分布されているよう、分布されており、
前記期待値は前記光分布の光強度最大値に対応し、そのため、当該期待値に応じた水平方向傾斜角及び垂直方向傾斜角を有するファセットを介して前記光案内体内に入射し及び/又は前記光案内体から出射する光は前記光分布の光強度最大値を形成すること、及び、
前記光成形構造部は、前記光案内体の光入射面及び/又は光出射面を形成し、
前記複数のファセットは、前記複数のファセットが各自の傾きに関し光入射面及び/又は光出射面において実質的に均一に(一様に:homogen)分布されているよう、配置されていることを特徴とする(形態1)。
本発明の第2の視点により、本発明の光学装置を少なくとも1つ含む、自動車投光器が提供される(形態20)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
ここに本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1に記載の光学装置において、
前記光分布は、昼間走行用光分布、点滅灯用光分布及び/又は尾灯用光分布であることが好ましい。
(形態)形態1に記載の光学装置において、
前記光成形構造部の前記複数のファセットはフラットに構成されていることが好ましい。
(形態)形態1に記載の光学装置において、
すべてのファセットの傾きは、前記水平方向傾斜角及び前記垂直方向傾斜角が夫々期待値の周りで正規分布されているよう、分布されていることが好ましい。
(形態)形態1に記載の光学装置において、
前記水平方向傾斜角は0°に等しい期待値の周りで正規分布されていることが好ましい。
(形態)形態1に記載の光学装置において、
前記垂直方向傾斜角は0°に等しい期待値の周りで正規分布されていることが好ましい。
(形態)形態1に記載の光学装置において、
前記複数のファセットは、当該複数のファセットが共通の仮想面に実質的に位置するように、互いに対し配置されていることが好ましい。
(形態8)形態7に記載の光学装置において、
前記仮想面は、フラットであることが好ましい。
(形態)形態1に記載の光学装置において、
前記複数のファセットはグリッド状に配置されていることが好ましい。
(形態10)形態9に記載の光学装置において、
前記複数のファセットは、複数の行及び複数の列に配置されていることが好ましい。
(形態11)形態1に記載の光学装置において、
前記投光装置(光学装置)は、副光放射方向の方向へ光を放出するよう構成された副光源(複数)を含むこと、
夫々少なくとも1つの副光源は、1つのコリメータに割り当てられており、かつ、光を前記コリメータ内へ入射するよう、構成されていることが好ましい。
(形態12)形態11に記載の光学装置において、
前記副光源の放出可能な光は、前記光源とは異なる色を有することが好ましい。
(形態13)形態11に記載の光学装置において、
1つのコリメータの少なくとも1つの副光源は、前記副光放射方向が前記光源の光放射方向に対しゼロではない角度をなすよう、当該コリメータの焦点の外部に配置されていることが好ましい。
(形態14)形態1に記載の光学装置において、
コリメータによって平行化された光は、前記光案内体において、少なくとも2つのファセットを含む一群のファセットを介して前記光案内体内に入射し及び/又は前記光案内体から出射することが好ましい。
(形態15)形態1に記載の光学装置において、
前記複数のファセットのサイズは、サイズが夫々期待値の周りに分布されているよう、分布されていることが好ましい。
(形態16)形態15に記載の光学装置において、
前記複数のファセットのサイズは、サイズが夫々期待値の周りに正規分布されているよう、分布されていることが好ましい。
(形態17)形態15に記載の光学装置において、
前記複数のファセットは、それらのサイズに関し、前記光入射面及び/又は前記光出射面において実質的に均一に分布されていることが好ましい。
(形態18)形態1に記載の光学装置において、
前記光成形構造部は前記光入射面を形成し、
前記光成形構造部の複数のファセットはグリッド状に配置されており、
前記光出射面は、三角形状に構成されておりかつ前記主放射方向に対し傾きを有する複数のファセットから形成されており、
前記光出射面のファセットの傾きは均一に分布されており、
前記光出射面のファセットは、当該ファセットが各自の傾きに関し前記光出射面において実質的に均一に分布されているよう、配置されていることが好ましい。
(形態19)形態18に記載の光学装置において、
前記光成形構造部の複数のファセットは、複数の行及び複数の列に配置されていることが好ましい。
(形態20)上記本発明の第2の視点参照。
【外国語明細書】