(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153865
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】N4-ヒドロキシシチジン及び誘導体並びにそれに関連する抗ウイルス用途
(51)【国際特許分類】
C07H 19/067 20060101AFI20231011BHJP
C07H 19/10 20060101ALI20231011BHJP
C07H 19/11 20060101ALI20231011BHJP
A61K 31/7068 20060101ALI20231011BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
C07H19/067 CSP
C07H19/10
C07H19/11
A61K31/7068
A61P31/14
【審査請求】有
【請求項の数】54
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023118848
(22)【出願日】2023-07-21
(62)【分割の表示】P 2017534192の分割
【原出願日】2015-12-16
(31)【優先権主張番号】62/201,140
(32)【優先日】2015-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/096,915
(32)【優先日】2014-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】509335328
【氏名又は名称】エモリー・ユニバーシテイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・アール・ペインター
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ビー・ガスリー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・アール・ブルームリング
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジー・ナチュス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ウイルス感染症の治療及び予防に関するN4-ヒドロキシシチジン誘導体を提供する。
【解決手段】SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、チクングニアウイルス、又はロスリバーウイルスによる感染症を治療するための、薬学的に許容できる賦形剤及び、下記式IAの構造を有する化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む、医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容できる賦形剤及び式Iを有する化合物、
【化1】
又はその塩を含む医薬組成物(式中、
Qは、O、-O(C=O)-、-O(C=O)脂質、-O(C=O)V-、NH、又はNR
7であり;
Vは、O、NH、NR
7、S、CH
2、又はCHR
7であり;
Wは、CH
2、NH、S、又はOであり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、N又はCR’’であり;
Zは、N又はCR’’であり;
各R’’は、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3から独立に選択され;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化2】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、アジド、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
3は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
3は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、エチニル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
6は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
各R
7は、なし、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルから独立に選択され、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
脂質は、C
6~22アルキル、アルコキシ、ポリエチレングリコール、又はアルキル基により置換されているアリールである)。
【請求項2】
Q-R7がOHである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
R
1が
【化3】
であり、
R
8が、水素、ヒドロキシ、又はベンジルオキシであり、且つ
R
9が、(C
6~C
22)アルキルである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
式Iの化合物が式IB、
【化4】
又はその塩を有する、請求項1に記載の医薬組成物(式中、
Vは、なし、O、NH、NR
15、S、CH
2、又はCHR
15であり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3であり;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化5】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、脂質、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
脂質は、C
6~22アルキル、アルコキシ、ポリエチレングリコール、又はアルキル基により置換されているアリールである)。
【請求項5】
前記化合物が、
1-(3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-((ノナノイルオキシ)アミノ)ピリミジン-2-オン、
1-(3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-((((ヘプチルオキシ)カルボニル)オキシ)アミノ)ピリミジン-2-オン、及び
イソプロピル(((3,4-ジヒドロキシ-5-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アラニナートから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
式Iの化合物が式IC、
【化6】
又はその塩を有する、請求項1に記載の医薬組成物(式中、
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3であり;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化7】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【請求項7】
式Iの化合物が式ID、
【化8】
又はその塩を有する、請求項1に記載の医薬組成物(式中、
Wは、CH
2、NH、S、又はOであり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、N又はCR’’であり;
Zは、N又はCR’’であり;
各R’’は、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3から独立に選択され;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化9】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、アジド、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
3は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
3は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、エチニル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
6は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15’は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15とR
15’は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されている環を形成でき;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
脂質は、C
6~22アルキル、アルコキシ、ポリエチレングリコール、又はアルキル基により置換されているアリールである)。
【請求項8】
式Iの化合物が、式IE、
【化10】
又はその塩を有する、請求項1に記載の医薬組成物(式中、
Qは、O、-O(C=O)-、-O(C=O)脂質、-O(C=O)V-、NH、又はNR
7であり;
Vは、O、NH、NR
7、S、CH
2、又はCHR
7であり;
Wは、CH
2、NH、S、又はOであり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、N又はCR’’であり;
Zは、N又はCR’’であり;
各R’’は、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3から独立に選択され;
R
2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、アジド、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
3は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
3は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、エチニル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
6は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
各R
7は、なし、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルから独立に選択され、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15’は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15とR
15’は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されている環を形成でき;
Q=-O(C=O)V-且つV=NR
7である場合、R
7は共に、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されている環を形成でき;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
脂質は、C
6~22アルキル、アルコキシ、ポリエチレングリコール、又はアルキル基により置換されているアリールである)。
【請求項9】
式Iの化合物が、式II、
【化11】
又はその塩を有する、請求項1に記載の医薬組成物(式中、
Qは、O、-O(C=O)-、-O(C=O)脂質、-O(C=O)V-、NH、又はNR
7であり;
Vは、O、NH、NR
7、S、CH
2、又はCHR
7であり;
Wは、CH
2、NH、S、又はOであり;
Xは、CH
2又はOであり;
Yは、N又はCR’’であり;
Zは、N又はCR’’であり;
各R’’は、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3から独立に選択され;
R
1は、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化12】
であり;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、アジド、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
3は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
3は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、エチニル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
6は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
各R
7は、なし、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルから独立に選択され、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Q=-O(C=O)V-且つV=NR
7である場合、R
7は共に、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されている環を形成でき;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【請求項10】
噴射剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記噴射剤が、圧縮空気、エタノール、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、1,1,1,2,-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、又はこれらの組み合わせである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の医薬組成物を含む加圧容器。
【請求項13】
手動式ポンプスプレー、吸入器、定量吸入器、ドライパウダー吸入器、ネブライザー、メッシュ式ネブライザー、ジェットネブライザー、又は超音波式ネブライザーである、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
有効量の請求項1又は9に記載の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、ウイルス感染症を治療又は予防する方法。
【請求項15】
前記ウイルス感染症が、アルファウイルス又はMERSコロナウイルスである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ウイルスが、MERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、チクングニアウイルス、及びロスリバーウイルスから選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が肺を通って投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
有効量の以下の構造を有する化合物:
【化13】
を、それを必要とする患者に投与することを含む、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、チクングニアウイルス、及びロスリバーウイルス感染症、オルトミクソウイルス科ウイルス又はパラミクソウイルス科ウイルス又はRSVウイルス、又はインフルエンザウイルス、又はフィロウイルス科ウイルス又はエボラウイルス感染症を治療又は予防する方法。
【請求項19】
有効量の以下の式を有する化合物:
【化14】
又はその塩を投与することを含む、患者のヒトコロナウイルス、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、チクングニアウイルス、及びロスリバー感染感染症、オルトミクソウイルス科ウイルス又はパラミクソウイルス科ウイルス又はRSVウイルス、又はインフルエンザウイルス、又はフィロウイルス科ウイルス又はエボラウイルス感染症を治療又は予防する方法(式中、
Vは、なし、O、NH、NR
15、S、CH
2、又はCHR
15であり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3であり;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化15】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、脂質、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【請求項20】
有効量の以下の式を有する化合物:
【化16】
又はその塩を投与することを含む、患者のMERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、チクングニアウイルス、及びロスリバーウイルス感染、オルトミクソウイルス科ウイルス又はパラミクソウイルス科ウイルス又はRSVウイルス、又はインフルエンザウイルス、又はフィロウイルス科ウイルス又はエボラウイルス感染症を治療又は予防する方法。
【請求項21】
有効量の以下の式を有する化合物:
【化17】
又はその塩を投与することを含む、患者のMERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、チクングニアウイルス、及びロスリバーウイルス感染症、オルトミクソウイルス科ウイルス又はパラミクソウイルス科ウイルス又はRSVウイルス、又はインフルエンザウイルス、又はフィロウイルス科ウイルス又はエボラウイルス感染感染症を治療又は予防する方法。
【請求項22】
有効量の以下の式を有する化合物:
【化18】
又はその塩を投与することを含む、患者のMERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、チクングニアウイルス、及びロスリバーウイルス感染症、オルトミクソウイルス科ウイルス又はパラミクソウイルス科ウイルス又はRSVウイルス、又はインフルエンザウイルス、又はフィロウイルス科ウイルス又はエボラウイルス感染症を治療又は予防する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、N4-ヒドロキシシチジンヌクレオシド誘導体、組成物、及びそれに関連する方法に関する。特定の実施形態において、本開示は、ウイルス感染症の治療及び予防に関する。
【背景技術】
【0002】
東部、西部、及びベネズエラウマ脳炎(それぞれ、EEE、WEE、及びVEE)並びにチクングニア熱(CHIK)の原因因子は、蚊咬傷によりヒトに媒介され得るベクター媒介ウイルス(トガウイルス(Togaviridae)科、アルファウイルス(Alphavirus)属)である。ウマ脳炎ウイルスはCDCカテゴリーB病原体であり、CHIKウイルスはカテゴリーCである。兵士に対する生物兵器としてエアゾールにより放たれるVEEウイルスの毒性株の使用に関して相当な懸念がある。動物実験は、エアゾール曝露によるVEEウイルスの感染が、高い死亡率及び罹患率で迅速に脳の大規模な感染につながることを示した。Roy et al.,Pathogenesis of aerosolized Eastern equine encephalitis virus infection in guinea pigs.Virol J,2009,6:170を参照されたい。
【0003】
Stuyverらは、β-D-N(4)-ヒドロキシシチジン(NHC)が、抗ペスチウイルス活性及び抗ヘパシウイルス活性を有することが見出されたことを報告している。Antimicrob Agents Chemother,2003,47(1):244-54。Constantiniらは、2’-C-MeC、2’-F-2’-C-MeC、及びNHCのノーウォークウイルスに対する有効性の評価を報告している。Purohit et al.J Med Chem,2012,55(22):9988-9997。Ivanov et al.,Collection of Czechoslovak Chemical Communications,2006,71(7):1099-1106も参照されたい。Fox et al.,JACS,1959,81:178-87。
【0004】
本明細書に引用した参照文献は、従来技術の承認ではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Roy et al.,Pathogenesis of aerosolized Eastern equine encephalitis virus infection in guinea pigs.Virol J,2009,6:170
【非特許文献2】Antimicrob Agents Chemother,2003,47(1):244-54
【非特許文献3】Purohit et al.J Med Chem,2012,55(22):9988-9997
【非特許文献4】。Ivanov et al.,Collection of Czechoslovak Chemical Communications,2006,71(7):1099-1106
【非特許文献5】Fox et al.,JACS,1959,81:178-87
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、N4-ヒドロキシシチジン及び誘導体、医薬組成物、並びにそれに関連する用途に関する。特定の実施形態において、本開示は、本明細書に定義される式Iを有する化合物、
【化1】
又はその薬学的に許容できる塩、誘導体、若しくはプロドラッグに関する。
【0007】
特定の実施形態において、本開示は、1つ以上の同じ又は異なる置換基を含むものなど、本明細書に開示される化合物の誘導体を企図する。
【0008】
特定の実施形態において、本開示は、薬学的に許容できる賦形剤及び本明細書に開示される化合物を含む医薬組成物を企図する。特定の実施形態において、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、丸剤、又は食塩水若しくはリン酸緩衝液などの水性緩衝液の形態である。
【0009】
特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書に開示される化合物及び噴射剤を含む。特定の実施形態において、噴射剤は、エアロゾル化噴射剤であり、噴射剤は、圧縮空気、エタノール、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、1,1,1,2,-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン又はこれらの組み合わせである。
【0010】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書に記載される化合物又は医薬組成物を含む加圧又は非加圧容器を企図する。特定の実施形態において、容器は、手動式ポンプスプレー、吸入器、定量吸入器、ドライパウダー吸入器、ネブライザー、メッシュ式ネブライザー、ジェットネブライザー、又は超音波式ネブライザーである。
【0011】
特定の実施形態において、本開示は、ウイルス感染症を治療又は予防する方法であって、有効量の本明細書に開示される化合物又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
【0012】
特定の実施形態において、ウイルス感染症は、アルファウイルス又はコロナウイルス及びフラビウイルスである。特定の実施形態において、ウイルス感染症は、オルトミクソウイルス又はパラミクソウイルスである。特定の実施形態において、ウイルス感染症は、MERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ロスリバーウイルス、ポワッサンウイルス、バーマ森林ウイルス、及びチクングニアウイルスから選択される。
【0013】
特定の実施形態において、化合物又は医薬組成物は、経口的に、静脈内に、又は肺を通って投与される。
【0014】
特定の実施形態において、本開示は、ウイルス感染症の治療又は予防のための医薬品の製造における、本明細書に記載される化合物の使用に関する。
【0015】
特定の実施形態において、本開示は、本明細書に開示される出発物質と試薬を、化合物が形成されるような条件下で混合することによる、本明細書に開示される化合物の製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、β-D-N-ヒドロキシシチジンの調製を表す。a.TBSCl、DMAP、DIPEA、DCM;b.(2,4,6-iPr)PhSO
2Cl、DIPEA、DMAP、DCM;c.NH
2OH-HCl、DIPEA、DCM;d.F源;e.NH
2OH水溶液、AcOH、50℃。
【
図4】
図4は、EIDD-01931を投与されたマウスのEIDD-01931平均血漿濃度及び薬物動態パラメーターを示す。
【
図5】
図5は、マウス臓器内のEIDD-01931ヌクレオシド蓄積を示す。
【
図6】
図6は、マウス臓器内のEIDD-01931三リン酸蓄積を示す。
【
図7】
図7は、EIDD-01931により治療された、CHIKVに曝露されたマウスの足底球の腫脹の減少を示す。
【
図8】
図8は、EIDD-01931により治療された、CHIKVに曝露されたマウスの、PCRによるCHIKV RNAコピーの減少を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示がより詳細に説明される前に、本開示が、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって当然ながら変わり得ることを理解されたい。本開示の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定されるので、本明細書に使用される術語が特定の実施形態を説明する目的のみのものであり、限定的なものではないとすることも理解されたい。
【0018】
他に定義されないかぎり、本明細書に使用される全科学技術用語は、本開示が属する分野の当業者により通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載される方法及び材料に類似又は等価なあらゆる方法及び材料が、本開示の実施又は試験に使用できるが、好ましい方法及び材料がここで説明される。
【0019】
本明細書に引用される全刊行物及び特許は、各個別の刊行物又は特許が、引用により組み込まれたと具体的且つ個別に示されたかのように引用により本明細書に組み込まれ、刊行物が引用される関連の方法及び/又は材料を開示及び説明するために引用により組み込まれる。刊行物の引用は、出願日に先立つその開示のためであり、本開示が、先の開示に基づいてそのような刊行物に先行する権利がないことの承認であると解釈すべきではない。さらに、与えられる刊行物の日付は、独立に確認する必要があり得る実際の発表の日付とは異なることがある。
【0020】
本開示を読めば当業者には明らかである通り、本明細書に記載及び説明される個々の実施形態のそれぞれは、本開示の範囲又は趣旨から逸脱せずに、他のいくつかの実施形態のいずれの特徴からも容易に分離でき、又は容易に組み合わせることができる別々の成分及び特徴を有する。列挙されるあらゆる方法は、列挙される事象の順序でも、論理的に可能なあらゆる他の順序でも実施できる。
【0021】
本開示の実施形態は、特記されない限り、医学、有機化学、生化学、分子生物学、薬理学などの技法を利用するが、これらは当技術分野の技量内にある。そのような技法は、文献に完全に説明されている。
【0022】
特定の実施形態において、医薬品は、塩又はプロドラッグの形態であり得るが、重量により明示される本明細書に開示される方法において投与される。これは、列挙される化合物の重量を指す。塩又はプロドラッグの形態の場合、重量は、対応する塩又はプロドラッグのモル当量である。
【0023】
本明細書及び添付される特許請求の範囲で使用される通り、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」、及び「the(前記)」は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。
【0024】
「対象」は、あらゆる動物、好ましくは、ヒト患者、家畜、又は飼いならされたペットを指す。
【0025】
本明細書では、用語「予防する」及び「予防すること」は、再発、広がり、又は発症の予防を含む。本開示が完全な予防に限定されるとは意図されない。いくつかの実施形態において、発症は遅らされ、又は疾病の重症度が減少される。
【0026】
本明細書では、用語「治療する」及び「治療すること」は、対象(例えば、患者)が治癒し、疾病が全くなくなる場合に限定されない。むしろ、本開示の実施形態は、単に症状を減少させ、且つ/又は疾病進行を遅らせる治療も企図する。
【0027】
本明細書では、追加の治療との投与を説明するのに使用される用語「との組み合わせ」は、薬剤が、追加の治療の前に、それと共に、若しくはその後に、又はこれらの組み合わせで投与され得ることを意味する。
【0028】
本明細書では、「アルキル」は、1~10個の炭素原子を含むものなど、非環式の直鎖又は分岐鎖の、不飽和又は飽和の炭化水素を意味する。「高級アルキル」は、6個以上の炭素原子を有する不飽和又は飽和の炭化水素を指す。「C6~C16」は6~16個の炭素原子を含むアルキルを指す。同様に、「C6~C22」は6~22個の炭素原子を含むアルキルを指す。代表的な飽和直鎖アルキルには、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-セプチル(septyl)、n-オクチル、n-ノニルなどがある。一方で、飽和分岐鎖アルキルには、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチルなどがある。不飽和アルキルは、隣接する炭素原子間に少なくとも1つの二重又は三重結合を含む(それぞれ、「アルケニル」又は「アルキニル」と称される)。代表的な直鎖及び分岐鎖のアルケニルには、エチレニル、プロピレニル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブチレニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニルなどがある。一方で、代表的な直鎖及び分岐鎖のアルキニルには、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニルなどがある。
【0029】
非芳香族単環式又は多環式のアルキルは、本明細書で「炭素環」又は「カルボシクリル」基と称される。代表的な飽和炭素環には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがある。一方で、不飽和炭素環には、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルなどがある。
【0030】
「複素炭素環」又は「ヘテロカルボシクリル」基は、飽和でも不飽和でもよく(しかし芳香族でない)、単環式でも多環式でもよく、窒素及び硫黄ヘテロ原子が任意選択で酸化されていてよく、窒素ヘテロ原子が任意選択で四級化されていてよい、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1~4個のヘテロ原子を含む炭素環である。複素炭素環には、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロプリミジニル(tetrahydroprimidinyl)、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどがある。
【0031】
用語「アリール」は、フェニル、ナフチル及びビフェニルなど、好ましくは6~12個の員を有する芳香族同素環式(すなわち炭化水素)単環、二環、又は三環式環含有基を指す。フェニルは好ましいアリール基である。用語「置換アリール」は、好ましくは、アルキル、置換アルキル、アルケニル(任意選択で置換されている)、アリール(任意選択で置換されている)、ヘテロシクロ(任意選択で置換されている)、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(任意選択で置換されている)、アリールオキシ(任意選択で置換されている)、アルカノイル(任意選択で置換されている)、アロイル、(任意選択で置換されている)、アルキルエステル(任意選択で置換されている)、アリールエステル(任意選択で置換されている)、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタン、スルホニルなどから選択される1個以上の基により置換されているアリール基を指すが、任意選択で置換基の1個以上の組が、それらが結合している原子と共に3~7員の環を形成する。
【0032】
本明細書では、「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族」は、単環式と多環式環系の両方を含む、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含む芳香族複素炭素環を指す。多環式環系は、環の1つが芳香族である限り、1個以上の非芳香環を含み得るが、必要というわけではない。代表的なヘテロアリールは、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルである。用語「ヘテロアリール」の使用が、1-メチルイミダゾール-5-イル置換基などのN-アルキル化誘導体を含むことが企図される。
【0033】
本明細書では、「複素環」又は「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含む単環式及び多環式の環系を指す。単環式及び多環式の環系は、芳香族でも、非芳香族でも、芳香環と非芳香環の混合物でもよい。複素環には、複素炭素環、ヘテロアリールなどがある。
【0034】
「アルキルチオ」は、示された数の炭素原子が硫黄架橋により結合している、上記で定義されたアルキル基を指す。アルキルチオの例はメチルチオ(すなわち-S-CH3)である。
【0035】
「アルコキシ」は、示された数の炭素原子が酸素架橋により結合している、上記で定義されたアルキル基を指す。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、及びs-ペントキシがあるが、これらに限定されない。好ましいアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシである。
【0036】
「アルキルアミノ」は、示された数の炭素原子がアミノ架橋により結合している、上記で定義されたアルキル基を指す。アルキルアミノの例はメチルアミノ(すなわち-NH-CH3)である。
【0037】
「アルカノイル」は、示された数の炭素原子がカルボニル架橋により結合している、上記で定義されたアルキル(すなわち-(C=O)アルキル)を指す。
【0038】
「アルキルスルホニル」は、メシルなど、示された数の炭素原子がスルホニル架橋により結合している上記で定義されたアルキル(すなわち-S(=O)2アルキル)を指し、「アリールスルホニル」は、スルホニル架橋により結合しているアリール(すなわち-S(=O)2アリール)を指す。
【0039】
「アルキルスルファモイル」は、示された数の炭素原子がスルファモイル架橋により結合している、上記で定義されたアルキル(すなわち-NHS(=O)2アルキル)を指し、「アリールスルファモイル」は、スルファモイル架橋により結合しているアルキル(すなわち-NHS(=O)2アリール)を指す。
【0040】
「アルキルスルフィニル」は、示された数の炭素原子がスルフィニル架橋により結合している上記で定義されたアルキル(すなわち-S(=O)アルキル)を指す。
【0041】
用語「シクロアルキル」及び「シクロアルケニル」は、それぞれ完全飽和及び部分不飽和である、3~15個の炭素原子の単環式、二環式、又は三環式同素環式環基を指す。用語「シクロアルケニル」は、全体として芳香族ではないが、芳香族部分を含む二環式及び三環式の環系を含む(例えば、フルオレン、テトラヒドロナプタレン(tetrahydronapthalene)、ジヒドロインデンなど)。多環シクロアルキル基の環は、縮合していても、架橋していても、且つ/又は1個以上のスピロ結合により結合していてもよい。用語「置換シクロアルキル」及び「置換シクロアルケニル」は、好ましくは、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、カルボシクロ、置換カルボシクロ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(任意選択で置換されている)、アリールオキシ(任意選択で置換されている)、アルキルエステル(任意選択で置換されている)、アリールエステル(任意選択で置換されている)、アルカノイル(任意選択で置換されている)、アリオール(aryol)(任意選択で置換されている)、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタン、スルホニルなどから選択される1個以上の基により置換されているシクロアルキル及びシクロアルケニル基をそれぞれ指す。
【0042】
用語「ハロゲン」及び「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
【0043】
用語「置換されている」は、少なくとも1個の水素原子が置換基により置き換わっている分子を指す。置換されている場合、基の1個以上が「置換基」である。分子は多様に置換され得る。オキソ置換基(「=O」)の場合、2個の水素原子が置換されている。この文脈における例の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボシクリル、カルボシクロアルキル、ヘテロカルボシクリル、ヘテロカルボシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-NRaRb、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaNRb、-NRaC(=O)ORb、-NRaSO2Rb、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRb、-OC(=O)NRaRb、-ORa、-SRa、-SORa、-S(=O)2Ra、-OS(=O)2Ra、及び-S(=O)2ORaを含み得る。この文脈でのRaとRbは同じでも異なっていてもよく、独立に、水素、ハロゲンヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボシクリル、カルボシクロアルキル、ヘテロカルボシクリル、ヘテロカルボシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルである。
【0044】
本明細書での用語「任意選択で置換されている」は、置換が任意選択であり、したがって指定された原子が非置換である可能性があることを意味する。
【0045】
化合物
特定の実施形態において、本開示は、式Iの化合物、
【化2】
又はその塩に関する(式中、
Qは、O、-O(C=O)-、-O(C=O)脂質、-O(C=O)V-、NH、又はNR
7であり;
Vは、O、NH、NR
7、S、CH
2、又はCHR
7であり;
Wは、CH
2、NH、S、又はOであり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、N又はCR’’であり;
Zは、N又はCR’’であり;
各R’’は、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3から独立に選択され;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化3】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル(carbanoyl)、エステルリル(esteryl)、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル(phosphoramidyl)、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、アジド、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
3は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
3は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、エチニル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
6は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
各R
7は、なし、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルから独立に選択され、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書での脂質は、C
6~22アルキル、アルコキシ、ポリエチレングリコール、又はアルキル基により置換されているアリールである)。
【0046】
特定の実施形態において、脂質は、必須及び/又は非必須脂肪酸から誘導された脂肪族アルコール、脂肪族アミン、又は脂肪族チオールである。
【0047】
特定の実施形態において、脂質は、必須及び/又は非必須脂肪酸から誘導された、不飽和、多価不飽和、オメガ不飽和、又はオメガ多価不飽和脂肪族アルコール、脂肪族アミン、又は脂肪族チオールである。
【0048】
特定の実施形態において、脂質は、その炭素単位の1個以上が酸素、窒素、又は硫黄により置換されている必須及び非必須脂肪酸から誘導された脂肪族アルコール、脂肪族アミン、又は脂肪族チオールである。
【0049】
特定の実施形態において、脂質は、その炭素単位の1個以上が酸素、窒素、又は硫黄により置換されている必須及び/又は非必須脂肪酸から誘導された不飽和、多価不飽和、オメガ不飽和、又はオメガ多価不飽和脂肪族アルコール、脂肪族アミン、又は脂肪族チオールである。
【0050】
特定の実施形態において、脂質は、任意選択で置換されている必須及び/又は非必須脂肪酸から誘導された脂肪族アルコール、脂肪族アミン、又は脂肪族チオールである。
【0051】
特定の実施形態において、脂質は、任意選択で置換されている必須及び/又は非必須脂肪酸から誘導された不飽和、多価不飽和、オメガ不飽和、又はオメガ多価不飽和脂肪族アルコール、脂肪族アミン、又は脂肪族チオールである。
【0052】
特定の実施形態において、脂質は、任意選択で置換されている、その炭素単位の1個以上が酸素、窒素、又は硫黄により置換されている必須及び/又は非必須脂肪酸から誘導された脂肪族アルコール、脂肪族アミン、又は脂肪族チオールである。
【0053】
特定の実施形態において、脂質は、任意選択で置換もされている、その炭素単位の1個以上が酸素、窒素、又は硫黄により置換されている必須及び/又は非必須脂肪酸から誘導された不飽和、多価不飽和、オメガ不飽和、又はオメガ多価不飽和脂肪族アルコール、脂肪族アミン、又は脂肪族チオールである。
【0054】
特定の実施形態において、脂質はヘキサデシルオキシプロピルである。
【0055】
特定の実施形態において、脂質は2-アミノヘキサデシルオキシプロピルである。
【0056】
特定の実施形態において、脂質は2-アミノアラキジルである。
【0057】
特定の実施形態において、脂質は2-ベンジルオキシヘキサデシルオキシプロピルである。
【0058】
特定の実施形態において、脂質は、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、アラキジル、ベヘニル、又はリグノセリルである。
【0059】
特定の実施形態において、脂質は、式:
【化4】
を有するスフィンゴ脂質である
(式中、
スフィンゴ脂質のR
8は、水素、アルキル、C(=O)R
12、C(=O)OR
12、又はC(=O)NHR
12であり;
スフィンゴ脂質のR
9は、水素、フルオロ、OR
12、OC(=O)R
12、OC(=O)OR
12、又はOC(=O)NHR
12であり;
スフィンゴ脂質のR
10は、1個以上のハロゲン若しくはヒドロキシにより任意選択で置換されている6より多く22未満の炭素の飽和若しくは不飽和のアルキル鎖又は以下の式の構造:
【化5】
(nは、8~14又は8以下から14以下であり、oは、9~15又は9以下から15以下であり、mとnの合計は、8~14又は8以下から14以下であり、mとoの合計は、9~15又は9以下から15以下である);若しくは
【化6】
(nは、4~10又は4以下から10以下であり、oは、5~11又は5以下から11以下であり、mとnの合計は、4~10又は4以下から10以下であり、且つmとoの合計は、5~11又は5以下から11以下である);若しくは
【化7】
(nは6~12であるか、若しくはnは6以下から12以下であり、mとnの合計は6~12であるか、若しくはnは6以下から12以下である);
であり;
スフィンゴ脂質のR
11は、OR
12、OC(=O)R
12、OC(=O)OR
12、又はOC(=O)NHR
12であり;
スフィンゴ脂質のR
12は、水素、分岐鎖又は直鎖(strait chain)C
1~12アルキル、C
13~22アルキル、シクロアルキル、又はベンジル若しくはフェニルから選択されるアリールであり、ここで、アリールは、1個以上の同じ又は異なるR
13により任意選択で置換されており;且つ
スフィンゴ脂質のR
13は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルである)。
【0060】
特定の実施形態において、スフィンゴ脂質のR12は、H、アルキル、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、分岐鎖アルキル、イソプロピル、2-ブチル、1-エチルプロピル、1-プロピルブチル、シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、一置換フェニル、二置換フェニル、三置換フェニル、又は飽和若しくは不飽和のC12~C19長鎖アルキルである。
【0061】
特定の実施形態において、スフィンゴ脂質は、式:
【化8】
を有する
(式中、
スフィンゴ脂質のR
8は、水素、ヒドロキシ、フルオロ、OR
12、OC(=O)R
12、OC(=O)OR
12、又はOC(=O)NHR
12であり;
スフィンゴ脂質のR
9は、水素、ヒドロキシ、フルオロ、OR
12、OC(=O)R
12、OC(=O)OR
12、又はOC(=O)NHR
12であり;
スフィンゴ脂質のR
10は、1個以上のハロゲンにより任意選択で置換されている6より多く22未満の炭素の飽和若しくは不飽和のアルキル鎖又は以下の式の構造:
【化9】
(nは、8~14又は8以下から14以下であり、mとnの合計は、8~14又は8以下から14以下である)
であり;
スフィンゴ脂質のR
12は、水素、分岐鎖又は直鎖C
1~12アルキル、C
13~22アルキル、シクロアルキル、又はベンジル若しくはフェニルから選択されるアリールであり、ここで、アリールは、1個以上の同じ又は異なるR
13により任意選択で置換されており;且つ
スフィンゴ脂質のR
13は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルである)。
【0062】
特定の実施形態において、スフィンゴ脂質のR12は、H、アルキル、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、分岐鎖アルキル、イソプロピル、2-ブチル、1-エチルプロピル、1-プロピルブチル、シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、一置換フェニル、二置換フェニル、三置換フェニル、又は飽和若しくは不飽和C12~C19長鎖アルキルである。
【0063】
好適なスフィンゴ脂質には、スフィンゴシン、セラミド、若しくはスフィンゴミエリン、又は1個以上の置換基により任意選択で置換されている2-アミノアルキルがあるが、これらに限定されない。
【0064】
他の好適なスフィンゴ脂質には、1個以上の置換基により任意選択で置換され得る、2-アミノオクタデカン-3,5-ジオール;(2S,3S,5S)-2-アミノオクタデカン-3,5-ジオール;(2S,3R,5S)-2-アミノオクタデカン-3,5-ジオール;2-(メチルアミノ)オクタデカン-3,5-ジオール;(2S,3R,5S)-2-(メチルアミノ)オクタデカン-3,5-ジオール;2-(ジメチルアミノ)オクタデカン-3,5-ジオール;(2R,3S,5S)-2-(ジメチルアミノ)オクタデカン-3,5-ジオール;1-(ピロリジン-2-イル)ヘキサデカン-1,3-ジオール;(1S,3S)-1-((S)-ピロリジン-2-イル)ヘキサデカン-1,3-ジオール;2-アミノ-11,11-ジフルオロオクタデカン-3,5-ジオール;(2S,3S,5S)-2-アミノ-11,11-ジフルオロオクタデカン-3,5-ジオール;11,11-ジフルオロ-2-(メチルアミノ)オクタデカン-3,5-ジオール;(2S,3S,5S)-11,11-ジフルオロ-2-(メチルアミノ)オクタデカン-3,5-ジオール;N-((2S,3S,5S)-3,5-ジヒドロキシオクタデカン-2-イル)アセトアミド;N-((2S,3S,5S)-3,5-ジヒドロキシオクタデカン-2-イル)パルミトアミド;1-(1-アミノシクロプロピル)ヘキサデカン-1,3-ジオール;(1S,3R)-1-(1-アミノシクロプロピル)ヘキサデカン-1,3-ジオール;(1S,3S)-1-(1-アミノシクロプロピル)ヘキサデカン-1,3-ジオール;2-アミノ-2-メチルオクタデカン-3,5-ジオール;(3S,5S)-2-アミノ-2-メチルオクタデカン-3,5-ジオール;(3S,5R)-2-アミノ-2-メチルオクタデカン-3,5-ジオール;(3S,5S)-2-メチル-2-(メチルアミノ)オクタデカン-3,5-ジオール;2-アミノ-5-ヒドロキシ-2-メチルオクタデカン-3-オン;(Z)-2-アミノ-5-ヒドロキシ-2-メチルオクタデカン-3-オンオキシム;(2S,3R,5R)-2-アミノ-6,6-ジフルオロオクタデカン-3,5-ジオール;(2S,3S,5R)-2-アミノ-6,6-ジフルオロオクタデカン-3,5-ジオール;(2S,3S,5S)-2-アミノ-6,6-ジフルオロオクタデカン-3,5-ジオール;(2S,3R,5S)-2-アミノ-6,6-ジフルオロオクタデカン-3,5-ジオール;及び(2S,3S,5S)-2-アミノ-18,18,18-トリフルオロオクタデカン-3,5-ジオールがあるが、これらに限定されない。
【0065】
特定の実施形態において、QはOである。
【0066】
特定の実施形態において、各R7は、水素、-(C=O)O(C6~C16)アルキル、又は-(C=O)O(C6~C22)アルキルから独立に選択される。
【0067】
特定の実施形態において、R
1は
【化10】
である。
【0068】
特定の実施形態において、R8は、水素、ヒドロキシ、又はベンジルオキシである。
【0069】
特定の実施形態において、R9は、高級アルキル、(C6~C16)アルキル、又は(C6~C22)アルキルである。
【0070】
特定の実施形態において、R9は、tert-ブチル又はイソブチルである。
【0071】
特定の実施形態において、WはOである。
【0072】
特定の実施形態において、ZはHである。
【0073】
特定の実施形態において、R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、トリホスペート(triphospate)、
【化11】
である。
【0074】
特定の実施形態において、R8は、水素、ヒドロキシ、又はベンジルオキシである。
【0075】
特定の実施形態において、R9は、高級アルキル、(C6~C16)アルキル、又は(C6~C22)アルキルである。
【0076】
特定の実施形態において、R10はイソプロピルである。
【0077】
特定の実施形態において、R11はメチルである。
【0078】
特定の実施形態において、R12はフェニルである。
【0079】
特定の実施形態において、R13は水素である。
【0080】
特定の実施形態において、R14は水素である。
【0081】
特定の実施形態において、R2は水素である。
【0082】
特定の実施形態において、R3はヒドロキシである。
【0083】
特定の実施形態において、R4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、又はフルオロである。
【0084】
特定の実施形態において、R5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、メチル、エチニル、又はアレニルである。
【0085】
特定の実施形態において、R6は水素である。
【0086】
特定の実施形態において、各R7は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)Sアルキル、-(C=O)O(C6~C16)アルキル、-(C=O)(C6~C16)アルキル、-(C=O)NH(C6~C16)アルキル、又は-(C=O)S(C6~C16)アルキルから独立に選択される。
【0087】
特定の実施形態において、化合物は、
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2(1H)-オン、
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-((ノナノイルオキシ)アミノ)ピリミジン-2(1H)-オン、及び
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-((((ヘプチルオキシ)カルボニル)オキシ)アミノ)ピリミジン-2(1H)-オン
から選択される。
【0088】
特定の実施形態において、本開示は、式IAを有する式Iの化合物、
【化12】
又はその塩に関する
(Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3であり;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化13】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
各R
7は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルから独立に選択され、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【0089】
特定の実施形態において、本開示は、式IBを有する式Iの化合物、
【化14】
又はその塩に関する(式中、
Vは、なし、O、NH、NR
15、S、CH
2、又はCHR
15であり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3であり;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化15】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、脂質、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【0090】
特定の実施形態において、本開示は、式ICを有する式Iの化合物、
【化16】
又はその塩に関する(式中、
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3であり;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化17】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【0091】
特定の実施形態において、本開示は、式IDを有する式Iの化合物、
【化18】
又はその塩に関する(式中、
Wは、CH
2、NH、S、又はOであり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、N又はCR’’であり;
Zは、N又はCR’’であり;
各R’’は、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3から独立に選択され;
R
1は、水素、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化19】
アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、カルバノイル、エステリル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリル、ホスホルアミジル、又はリン酸であり、ここで、R
1は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、アジド、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
3は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
3は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、エチニル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
6は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15’は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15とR
15’は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されている環を形成でき;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【0092】
特定の実施形態において、本開示は、式IEを有する式Iの化合物、
【化20】
又はその塩に関する(式中、
Qは、O、-O(C=O)-、-O(C=O)脂質、-O(C=O)V-、NH、又はNR
7であり;
Vは、O、NH、NR
7、S、CH
2、又はCHR
7であり;
Wは、CH
2、NH、S、又はOであり;
Xは、CH
2、CHMe、CMe
2、CHF、CF
2、又はCD
2であり;
Yは、N又はCR’’であり;
Zは、N又はCR’’であり;
各R’’は、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3から独立に選択され;
R
2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、アジド、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
3は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
3は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、エチニル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
6は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
各R
7は、なし、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルから独立に選択され、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
15は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15’は、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
15とR
15’は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されている環を形成でき;
Q=-O(C=O)V-且つV=NR
7である場合、R
7は共に、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されている環を形成でき;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【0093】
特定の実施形態において、本開示は、式IIの化合物、
【化21】
又はその塩に関する(式中、
Qは、O、-O(C=O)-、-O(C=O)脂質、-O(C=O)V-、NH、又はNR
7であり;
Vは、O、NH、NR
7、S、CH
2、又はCHR
7であり;
Wは、CH
2、NH、S、又はOであり;
Xは、CH
2又はOであり;
Yは、N又はCR’’であり;
Zは、N又はCR’’であり;
各R’’は、H、D、F、Cl、Br、I、CH
3、CD
3、CF
3、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ホルミル、又はSCH
3から独立に選択され;
R
1は、一リン酸、二リン酸、三リン酸、
【化22】
であり;
Y
1は、O又はSであり;
Y
2は、OH、OR
12、Oアルキル、又はBH
3
-M
+であり;
Y
3は、OH又はBH
3
-M
+であり;
R
2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、アジド、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
3は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
3は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
4は、水素、ヒドロキシ、アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
4は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
5は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、エチニル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
5は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、エチニル、アレニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
6は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
各R
7は、なし、水素、-(C=O)Oアルキル、-(C=O)アルキル、-(C=O)NHアルキル、-(C=O)N-ジアルキル、-(C=O)Sアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルから独立に選択され、ここで、各R
7は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
8は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
8は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
9は、水素、メチル、エチル、tert-ブチル、アルキル、高級アルキル、(C
6~C
16)アルキル、(C
6~C
22)アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
9は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
10は、水素、アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル、脂質メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ネオペンチル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
10は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
11は、水素、重水素、アルキル、メチル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
11は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
12は、水素、アルキル、アリール、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、芳香族、ヘテロ芳香族、4-置換フェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、ナフチル、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
12は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
13は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
R
14は、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、脂質、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
14は、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されており;
Q=-O(C=O)V-且つV=NR
7である場合、R
7は共に、1個以上の同じ又は異なるR
20により任意選択で置換されている環を形成でき;
R
20は、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、(アルキル)
2アミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり、ここで、R
13は、1個以上の同じ又は異なるR
21により任意選択で置換されており;且つ
R
21は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、アセチルアミノ、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N-メチル-N-エチルスルファモイル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
本明細書に記載される脂質)。
【0094】
特定の実施形態において、高級アルキル、(C6~C16)アルキルの引用は、(C6~C22)アルキルにより置換されていてよい。
【0095】
特定の実施形態において、高級アルキル、(C6~C16)アルキル、又は(C6~C22)アルキルの引用は、ポリエチレングリコール又は-CH2(CH2OCH2)nCH3(式中、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11~20、又は30~100である)により置換されていてよい。
【0096】
使用方法
特定の実施形態において、本開示は、ウイルス感染症を治療又は予防する方法であって、有効量の本明細書に開示される化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
【0097】
特定の実施形態において、ウイルス感染症は、アルファウイルス、フラビウイルス又はコロナウイルスオルトミクソウイルス又はパラミクソウイルス、又はRSV、インフルエンザ、ポワッサンウイルス又はフィロウイルス又はエボラであるか、又はそれにより起こされる。
【0098】
特定の実施形態において、ウイルス感染症は、MERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ロスリバーウイルス、バーマ森林ウイルス、ポワッサンウイルス、及びチクングニアウイルスから選択されるウイルスであるか、又はそれにより起こされる。
【0099】
特定の実施形態において、化合物は、吸入により肺を通って投与される。
【0100】
いくつかの実施形態において、対象は、サブタイプH1N1、H3N2、H7N9、又はH5N1を含むA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、A群ロタウイルス、B群ロタウイルス、C群ロタウイルス、D群ロタウイルス、E群ロタウイルス、ヒトコロナウイルス、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス、ヒトアデノウイルスタイプ(HAdV-1~55)、ヒトパピローマウイルス(HPV)タイプ16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、及び59、パルボウイルスB19、伝染性軟属腫ウイルス、JCウイルス(JCV)、BKウイルス、メルケル細胞ポリオーマウイルス、コクサッキーA群ウイルス、ノロウイルス、風疹ウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、デング熱ウイルス、チクングニア、東部ウマ脳炎ウイルス(EEEV)、西部ウマ脳炎ウイルス(WEEV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)、ロスリバーウイルス、バーマ森林ウイルス、黄熱病ウイルス、麻疹ウイルス、おたふくかぜウイルス、呼吸器多核体ウイルス、牛疫ウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、ハンタウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、単純ヘルペスウイルス-1(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス-2(HSV-2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスリンパ向性ウイルス、ロゼオロウイルス、又はカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT-リンパ向性ウイルスI型(HTLV-1)、フレンド脾限局巣形成ウイルス(SFFV)又は異種指向性マウス白血病ウイルス関連ウイルス(XMRV)の危険性があるか、又はその症状を示しているか、又はそうであると診断をされている。
【0101】
特定の実施形態において、対象は、サブタイプH1N1、H3N2、H7N9、H5N1(低病原性)、及びH5N1(高病原性)を含むA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、A群ロタウイルス、B群ロタウイルス、C群ロタウイルス、D群ロタウイルス、E群ロタウイルス、SARSコロナウイルス、MERS-CoV、ヒトアデノウイルスタイプ(HAdV-1~55)、ヒトパピローマウイルス(HPV)タイプ16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、及び59、パルボウイルスB19、伝染性軟属腫ウイルス、JCウイルス(JCV)、BKウイルス、メルケル細胞ポリオーマウイルス、コクサッキーA群ウイルス、ノロウイルス、風疹ウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、黄熱病ウイルス、麻疹ウイルス、おたふくかぜウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パラインフルエンザウイルス1及び3、牛疫ウイルス、チクングニア、東部ウマ脳炎ウイルス(EEEV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)、西部ウマ脳炎ウイルス(WEEV)、カリフォルニア脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、リフトバレー熱ウイルス(RVFV)、ハンタウイルス、デング熱ウイルス血清型1、2、3及び4、ウエストナイルウイルス、タカリベウイルス、フニン、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス-1(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス-2(HSV-2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスリンパ向性ウイルス、ロゼオロウイルス、又はカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)であると診断されている。
【0102】
特定の実施形態において、対象は、胃腸炎、急性呼吸器疾患、重症急性呼吸器症候群、ウイルス感染後疲労症候群、ウイルス性出血熱、後天性免疫不全症候群、又は肝炎であると診断されている。
【0103】
特定の実施形態において、本明細書に開示される化合物及び医薬組成物は、アバカビル、アシクロビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル、アンプリジェン、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、ボセプレビル、シドフォビル、コンビビル、ダクラタスビル、ダルナビル、ダサブビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、ガンシクロビル、イバシタビン、イムノビル、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、III型インターフェロン、II型インターフェロン、I型インターフェロン、ラミブジン、レジパスビル、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、モロキシジン、メチサゾン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネクサビル(nexavir)、オムビタスビル、オセルタミビル、パリタプレビル、ペグインターフェロンα-2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、ラルテグラビル、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピラミジン(pyramidine)、サキナビル、シメプレビル、ソホスブビル、スタブジン、テラプレビル、テルビブジン、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロック、ビダラビン、ビラミジンザルシタビン、ザナミビル、又はジドブジン及びこれらの組み合わせなどの他の抗ウイルス剤と組み合わせて投与されることが企図される。
【0104】
製剤
本明細書に開示される医薬組成物は、以下に一般的に記載される通り薬学的に許容できる塩の形態でよい。好適な薬学的に許容できる有機及び/又は無機酸のいくつかの好ましいが非限定的な例は、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、酢酸、及びクエン酸、並びに自体公知の他の薬学的に許容できる酸である(以下に言及される参照文献が参照される)。
【0105】
本開示の化合物が酸性基並びに塩基性基を含む場合、本開示の化合物は分子内塩も形成し得るが、そのような化合物は本開示の範囲内にある。化合物が水素供与性ヘテロ原子(例えば、NH)を含む場合、塩が、前記水素原子の分子内の塩基性基又は原子への移動により形成される異性体を網羅するように企図される。
【0106】
化合物の薬学的に許容できる塩には、酸付加塩及びその塩基塩がある。好適な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成される。例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチレート(naphthylate)、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、及びキシノホ酸塩(xinofoate)がある。好適な塩基塩は、非毒性の塩を形成する塩基から形成される。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、及び亜鉛塩がある。酸及び塩基の半塩、例えば、半硫酸塩及び半カルシウム塩も形成されることがある。好適な塩の総論には、参照により本明細書に組み込まれる、Stahl及びWermuthによるHandbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use(Wiley-VCH,2002)を参照されたい。
【0107】
本明細書に記載される化合物は、プロドラッグの形態で投与され得る。プロドラッグは、哺乳類の対象に投与されると活性な親薬物を放出する共有結合された担体を含み得る。プロドラッグは、化合物中に存在する官能基を、修飾部分が、定型操作又はインビボで切断されて親化合物になるように修飾することにより調製できる。プロドラッグには、例えば、哺乳類の対象に投与されると、切断されて遊離ヒドロキシル基を形成する任意の基にヒドロキシル基が結合している化合物がある。プロドラッグの例には、化合物中のアルコール官能基の酢酸エステル、ギ酸エステル、及び安息香酸エステル誘導体があるが、これらに限定されない。化合物をプロドラッグとして構成する方法は、Testa及びMayerの本、Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism,Wiley(2006)に見出すことができる。典型的なプロドラッグは、加水分解酵素によるプロドラッグの変換、アミド、ラクタム、ペプチド、カルボン酸エステル、エポキシドの加水分解、又は無機酸のエステルの切断により活性代謝物を形成する。
【0108】
本開示に使用するための医薬組成物は、典型的には、有効量の化合物及び好適な薬学的に許容できる担体を含む。製剤は、自体公知の方法で調製でき、通常、本開示による少なくとも1種の化合物を、必要な場合無菌状態で、1種以上の薬学的に許容できる担体と、所望の場合、他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて混合することを含む。再び、米国特許第6,372,778号明細書、米国特許第6,369,086号明細書、米国特許第6,369,087号明細書、及び米国特許第6,372,733号明細書、並びに上記で言及されたさらなる参照文献、並びにRemington’s Pharmaceutical Sciencesの最新版などの標準的なハンドブックが参照される。
【0109】
一般的に、医薬用の使用では、化合物は、少なくとも1種の化合物及び少なくとも1種の薬学的に許容できる担体、希釈剤、若しくは賦形剤、及び/又は補助剤、並びに任意選択で1種以上のさらなる薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤として製剤され得る。
【0110】
本開示の医薬製剤は、好ましくは単位剤形であり、例えば、箱、ブリスター、バイアル、ボトル、小袋、アンプル、又はあらゆる他の好適な単一投与量若しくは多重投与量ホルダー若しくは容器(適切にラベル付けされ得る)に;任意選択で製品情報及び/又は使用の説明を含む1つ以上の印刷物と共に好適に包装され得る。一般に、そのような単位用量は、1~1000mg、通常5~500mgの本開示の少なくとも1種の化合物、例えば、単位用量あたり約10、25、50、100、200、300又は400mgを含むだろう。
【0111】
化合物は、主に使用される具体的な製剤によって、経口、眼、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、又は鼻腔内経路を含む種々の経路により投与できる。化合物は、一般的には、「有効量」で投与されるが、それは、好適な投与時に、それが投与される対象において所望の治療的な又は予防的な効果を得るのに充分な化合物の量を意味する。通常、予防又は治療すべき病態及び投与経路によって、そのような有効量は、通常、1日あたり患者の体重キログラムあたり0.01~1000mg、より頻繁には、1~250mgなどの0.1~500mg、例えば、1日あたり患者の体重キログラムあたり約5、10、20、50、100、150、200又は250mgであろうが、それは、単一の1日量として、1日1回以上の量に分割されて投与されてよい。投与すべき量、投与経路、及びさらなる治療レジメンは、患者の年齢、性別、及び全般的な状態、並びに治療すべき疾病/症状の性質及び重症度に応じて、治療している臨床医により決定され得る。再び、米国特許第6,372,778号明細書、米国特許第6,369,086号明細書、米国特許第6,369,087号明細書、及び米国特許第6,372,733号明細書、並びに上記で言及されたさらなる参照文献、並びにRemington’s Pharmaceutical Sciencesの最新版などの標準的なハンドブックが参照される。
【0112】
導入の方法に応じて、本明細書に記載される化合物は、種々の方法で製剤され得る。1種以上の化合物を含む製剤は、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、坐剤、散剤、制御放出製剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、膏薬、ローション剤、又はエアゾール剤などの種々の医薬形態で調製され得る。好ましくは、これらの製剤は、精密な用量の簡単で、好ましくは経口による投与に好適な固体剤形で使用される。経口投与用の固体剤形には、錠剤、ソフト若しくはハードゼラチン又は非ゼラチンカプセル、及びカプレットがあるが、これらに限定されない。しかし、液剤、シロップ剤、懸濁剤、シェイク(shakes)などの液体剤形も利用できる。別の実施形態において、製剤は局所投与される。好適な局所製剤には、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、及びゲル剤があるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、局所製剤はゲル剤である。別の実施形態において、製剤は鼻腔内に投与される。
【0113】
本明細書に記載される化合物の1種以上を含む製剤は、安全で効果的であると考えられる材料から構成され、望ましくない生物学的副作用も望まれない相互作用も起こさずに個体に投与できる薬学的に許容できる担体を使用して調製できる。担体は、有効成分又は複数の成分以外の、医薬製剤に存在する全成分である。本明細書で全般的に使用される通り、「担体」には、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、pH調整剤、保存剤、酸化防止剤、溶解度増加剤、及びコーティング組成物があるが、これらに限定されない。
【0114】
担体は、可塑剤、顔料、着色剤、安定剤、及び流動促進剤を含み得るコーティング組成物の全成分も含む。遅延放出、延長放出、及び/又はパルス状放出用量製剤は、“Pharmaceutical dosage form tablets”,eds.Liberman et.al.(New York,Marcel Dekker,Inc.,1989)、“Remington-The science and practice of pharmacy”,20th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2000、及び“Pharmaceutical dosage forms and drug delivery systems”,6th Edition,Ansel et al.,(Media,PA:Williams and Wilkins,1995)などの標準的な参照文献に記載の通り調製できる。これらの参照文献は、錠剤及びカプセル剤並びに錠剤、カプセル剤、及び顆粒剤の遅延放出剤形を調製するための担体、材料、装置、及びプロセスに関する情報を与える。
【0115】
好適なコーティング材料の例には、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートなどのセルロースポリマー;ポリビニルアセテートフタレート、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びに商品名EUDRAGIT(登録商標)(Roth Pharma,Westerstadt,Germany)で市販されているメタクリル樹脂、ゼイン、シェラック、及び多糖類があるが、これらに限定されない。
【0116】
さらに、コーティング材料は、可塑剤、顔料、着色剤、流動促進剤、安定化剤、細孔形成剤、及び界面活性剤などの従来の担体を含み得る。
【0117】
薬物含有錠剤、ビーズ、顆粒剤、又は粒子に存在する任意選択の薬学的に許容できる賦形剤には、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、安定剤、及び界面活性剤があるが、これらに限定されない。希釈剤は、「充填剤」とも称されるが、錠剤の圧縮又はビーズ及び顆粒剤の形成のために実際的なサイズが与えられるように、典型的には固体剤形の嵩を増すために必要である。好適な希釈剤には、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥スターチ、加水分解されたスターチ、アルファ化されたスターチ、シリコーンジオキシド、酸化チタン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、及び粉砂糖があるが、これらに限定されない。
【0118】
結合剤は、固体用量製剤に粘着性を付与し、それにより、錠剤又はビーズ又は顆粒が剤形の形成後完全なままであることを確実にするために使用される。好適な結合剤材料には、スターチ、アルファ化されたスターチ、ゼラチン、糖類(スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトース、及びソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、蝋、アラビアゴム、トラガカント、アルギン酸ナトリウムなどの天然及び合成ゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースを含むセルロース、及びビーガム、並びにアクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリラートコポリマー、アミノアルキルメタクリラートコポリマー、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸及びポリビニルピロリドンなどの合成ポリマーがあるが、これらに限定されない。
【0119】
滑沢剤は、錠剤製造を容易にするために使用される。好適な滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、タルク、及び鉱油があるが、これらに限定されない。
【0120】
崩壊剤は、投与後の剤形崩壊又は「解体」を容易にするために使用され、一般的には、スターチ、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化されたスターチ、粘土、セルロース、アルギニン、ゴム、又は架橋PVP(GAF Chemical CorpのPolyplasdone XL)などの架橋ポリマーがあるが、これらに限定されない。
【0121】
安定剤は、例としては、酸化反応がある薬物の分解反応を阻害又は妨げるために使用される。
【0122】
界面活性剤は、アニオン性でも、カチオン性でも、両性でも、非イオン性界面活性剤でもよい。好適なアニオン性界面活性剤には、カルボキシラート、スルホナート、及びサルフェートイオンを含むものがあるが、これらに限定されない。アニオン性界面活性剤の例には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど、長鎖アルキルスルホナート及びアルキルアリールスルホナートのナトリウム、カリウム、アンモニウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;ビス-(2-エチルチオキシル(ethylthioxyl))-スルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;及びラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩がある。カチオン性界面活性剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリモニウムブロミド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドなどの四級アンモニウム化合物、ポリオキシエチレン、及びココナツアミンがあるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤の例には、エチレングリコールモノステアラート、プロピレングリコールミリスタート、グリセリルモノステアラート、グリセリルステアラート、ポリグリセリル-4-オレアート、ソルビタンアシラート、スクロースアシラート、PEG-150ラウラート、PEG-400モノラウラート、ポリオキシエチレンモノラウラート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG-1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、ポロキサマー(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、及びポリオキシエチレン水素化タローアミドがある。両性界面活性剤の例には、N-ドデシル-β-アラニンナトリウム、N-ラウリル-β-イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンホアセタート(myristoamphoacetate)、ラウリルベタイン、及びラウリルスルホベタインがある。
【0123】
望まれる場合、錠剤、ビーズ、顆粒剤、又は粒子は、湿潤剤又は乳化剤、染料、pH緩衝剤、又は保存剤などの少量の非毒性補助的物質を含んでよい。
【0124】
担体及び/又は他の物質に対する化合物の濃度は、約0.5から約100重量%(重量パーセント)まで様々になり得る。経口用途には、医薬製剤は、一般的に、約5~約100重量%の活性材料を含むだろう。他の用途には、医薬製剤は、一般的に、約0.5~約50重量%の活性材料を含むだろう。
【0125】
本明細書に記載される組成物は、調節又は制御放出のために製剤され得る。制御放出剤形の例には、延長放出剤形、遅延放出剤形、パルス状放出剤形、及びこれらの組み合わせがある。
【0126】
延長放出製剤は、一般的に、例えば、“Remington-The science and practice of pharmacy”(20th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2000)に記載の通り、拡散又は浸透系として調製される。拡散系は、典型的には2種の装置、リザーバー及びマトリックスからなり、当分野に周知であり、記載されている。マトリックス装置は、一般的に、薬物を、ゆっくりと溶解するポリマー担体と共に圧縮して錠剤形態にすることにより調製される。マトリックス装置の調製に使用される主な3種の材料は、不溶性プラスチック、親水性ポリマー、及び脂肪化合物である。プラスチックマトリックスには、メチルアクリラート-メチルメタクリラート、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンがあるが、これらに限定されない。親水性ポリマーには、メチル及びエチルセルロースなどのセルロースポリマー、ヒドロキシプロピル-セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びカーボポール(登録商標)934、ポリエチレンオキシド、及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。脂肪化合物には、カルナバワックス及びグリセリルトリステアラートなどの種々の蝋並びに水添ヒマシ油若しくは水素化植物油などのワックスタイプの物質、又はこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0127】
特定の好ましい実施形態において、プラスチック材料は、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリラート、メチルメタクリラートコポリマー、エトキシエチルメタクリラート、シアノエチルメタクリラート、アミノアルキルメタクリラートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマーポリ(メチルメタクリラート)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリメタクリラート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、及びグリシジルメタクリラートコポリマーを含むがこれらに限定されない薬学的に許容できるアクリルポリマーである。
【0128】
特定の好ましい実施形態において、アクリルポリマーは、1種以上のアンモニオメタクリラートコポリマーで構成されている。アンモニオメタクリラートコポリマーは当技術分野に周知であり、低含量の四級アンモニウム基を有するアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの完全に重合したコポリマーとしてNF XVIIに記載されている。
【0129】
好ましい一実施形態において、アクリルポリマーは、Rohm Pharmaから商標Eudragit(登録商標)で市販されているものなどアクリル樹脂ラッカーである。さらなる好ましい実施形態において、アクリルポリマーは、Rohm Pharmaからそれぞれ商標Eudragit(登録商標)RL30D及びEudragit(登録商標)RS30Dとして市販されている2種のアクリル樹脂ラッカーの混合物を含む。Eudragit(登録商標)RL30D及びEudragit(登録商標)RS30Dは、低含量の四級アンモニウム基を有するアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルのコポリマーであり、アンモニウム基と残存する中性(メタ)アクリルエステルのモル比が、Eudragit(登録商標)RL30Dでは1:20であり、Eudragit(登録商標)RS30Dでは1:40である。平均分子量は約150,000である。Edragit(登録商標)S-100及びEudragit(登録商標)L-100も好ましい。コード名称RL(高浸透性)及びRS(低浸透性)は、これらの作用物質の浸透性を指す。Eudragit(登録商標)RL/RS混合物は、水及び消化液に不溶性である。しかし、それを含むように形成された多粒子システムは、水溶液及び消化液に膨潤性で浸透性である。
【0130】
Eudragit(登録商標)RL/RSなどの上述のポリマーを、望ましい溶解プロファイルを有する徐放性製剤を最終的に得るために、所望の比率で混合できる。望ましい徐放性多粒子システムは、例えば、100%のEudragit(登録商標)RL、50%Eudragit(登録商標)RLと50%Eudragit(登録商標)RS、及び10%Eudragit(登録商標)RLと90%Eudragit(登録商標)RSから得ることができる。当業者は、例えば、Eudragit(登録商標)Lなど、他のアクリルポリマーも使用できることを認識するだろう。
【0131】
或いは、延長放出製剤は、浸透システムを利用して、又は半浸透性コーティングを剤形に施すことにより調製できる。後者の場合、所望の薬物放出プロファイルは、低浸透性のコーティング材料と高浸透性のコーティング材料を好適な比率で組み合わせて達成できる。
【0132】
上述の異なる薬物放出機構を有する装置を単一又は複数のユニットを含む最終剤形に組み合わせることができる。複数のユニットの例には、錠剤、ビーズ、又は顆粒剤を含む多層錠剤及びカプセルがあるが、これらに限定されない。被覆若しくは圧縮プロセスを利用して即放性層を延長放出コアの上に加えることか、又は延長性ビーズ及び即放性ビーズを含むカプセルなどの複数ユニット系で、即放性部分を延長放出系に加えることができる。
【0133】
親水性ポリマーを含む延長放出錠剤は、直接打錠、湿式造粒、又は乾式造粒など、通常当技術分野に公知である技法により調製される。それらの製剤は、通常、ポリマー、希釈剤、結合剤、及び滑沢剤、並びに医薬品有効成分を組み込んでいる。通常の希釈剤には、スターチ、粉末セルロース、特に結晶性及び微結晶性セルロース、フルクトース、マンニトール、及びスクロースなどの糖類、穀粉及び類似の食用粉末などの不活性な粉末化物質がある。典型的な希釈剤には、例えば、様々な種類のスターチ、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム又は硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩、及び粉砂糖がある。粉末セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤結合剤には、スターチ、ゼラチン、並びにラクトース、フルクトース、及びグルコースなどの糖類などの物質がある。アラビアゴム、アルギナート、メチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む天然及び合成ゴムも利用できる。ポリエチレングリコール、親水性ポリマー、エチルセルロース、及び蝋も結合剤として機能できる。滑沢剤は、錠剤及びパンチが、ダイ中で付着するのを防ぐために錠剤製剤に必要である。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、及び水素化植物油などの滑りやすい固体から選択される。
【0134】
蝋材料を含む延長放出錠剤は、一般に、直接ブレンド法、凝固法、及び水性分散法などの当技術分野に公知である方法を利用して調製される。凝固法では、薬物は蝋材料と混合され、噴霧凝固されるか、凝固され、ふるわれ、加工される。
【0135】
遅延放出製剤は、胃の酸性環境に不溶であり、小腸の中性環境に可溶性であるポリマーフィルムにより固体剤形を被覆することにより作られる。
【0136】
遅延放出用量単位は、例えば、薬物又は薬物含有組成物を、選択されたコーティング材料により被覆することにより調製できる。薬物含有組成物は、例えば、カプセル中に組み込むための錠剤、「被覆コア」剤形中の内部コアとして使用するための錠剤、又は錠剤かカプセルに組み込むための複数の薬物含有ビーズ、粒子、若しくは顆粒剤であり得る。好ましいコーティング材料には、生体内分解性、段階的加水分解性、段階的水溶性、及び/又は酵素分解性ポリマーがあり、従来の「腸溶性」ポリマーでよい。腸溶性ポリマーは、当業者により認識される通り、下部消化管の高pH環境で可溶性になるか、又は剤形が消化管を通過するにつれてゆっくりと浸食されるが、酵素分解性ポリマーは、下部消化管、特に結腸に存在する細菌酵素により分解される。遅延放出をもたらす好適なコーティング材料には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロースポリマー;好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリラート、エチルアクリラート、メチルメタクリラート、及び/又はエチルメタクリラートから形成されたアクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びに商標Eudragit(登録商標)(Rohm Pharma;Westerstadt,Germany)で市販されている他のメタクリル樹脂、例えば、Eudragit(登録商標)L30D-55及びL100-55(pH5.5以上で可溶性)、Eudragit(登録商標)L-100(pH6.0以上で可溶性)、Eudragit(登録商標)S(高度なエステル化の結果としてpH7.0以上で可溶性)、及びEudragits(登録商標)NE、RL及びRS(異なる程度の浸透性及び膨張性を有する水不溶性ポリマー);ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、酢酸フタル酸ビニル、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー、及びエチレン-酢酸ビニルコポリマーなどのビニルポリマー及びコポリマー;アゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミロース、及びグアーガムなどの酵素分解性ポリマー;ゼイン及びシェラックがあるが、これらに限定されない。異なるコーティング材料の組み合わせも利用できる。異なるポリマーを使用する多層コーティングも適用できる。
【0137】
特定のコーティング材料の好ましいコーティング重量は、異なる量の種々のコーティング材料により調製された錠剤、ビーズ、及び顆粒剤の個々の放出プロファイルを評価することにより、当業者により容易に決定され得る。所望の放出特性を生み出すのは材料と、方法と、適用の形態との組み合わせであり、それは、臨床試験からのみ決定することができる。
【0138】
コーティング組成物は、可塑剤、顔料、着色剤、安定剤、流動促進剤などの従来の添加剤を含んでよい。可塑剤は、通常コーティングの脆さを低下させるために存在し、一般に、ポリマーの乾燥重量に対して約10重量%から50重量%である。典型的な可塑剤の例には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ヒマシ油及びアセチル化モノグリセリドがある。安定剤は、好ましくは、分散液中の粒子を安定化させるために使用される。典型的な安定剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベート、及びポリビニルピロリドンなどの非イオン性乳化剤である。流動促進剤は、膜形成及び乾燥の間の付着効果を減少させるために推奨され、一般に、コーティング溶液中のポリマー重量のおよそ25重量%から100重量%である。効果的な流動促進剤はタルクである。ステアリン酸マグネシウム及びグリセロールモノステアラートなどの他の流動促進剤も使用できる。二酸化チタンなどの顔料も使用できる。シリコーン(例えば、シメチコン)などの少量の抗起泡剤もコーティング組成物に加えてよい。
【0139】
製剤は、1種以上の化合物のパルス状送達を与え得る。「パルス状」は、複数の薬物投与量が、時間間隔をおいて放出されることを意味する。一般に、剤形の摂取時に、初期投与量の放出は実質的に即時であり、すなわち第一の薬物放出「パルス」は摂取の約1時間以内に起こる。この初期のパルスの後に、第一の間隔(遅延時間)が続くが、その間に剤形から放出される薬物は非常に少ないか又は全く無く、その後第二の投与量が放出される。同様に、第二と第三の薬物放出パルスの間の第二のほぼ薬物放出のない間隔が設計され得る。ほぼ薬物放出のない間隔の期間は、剤形設計、例えば、1日2回投薬プロファイル、1日3回投薬プロファイルなどにより様々になり得る。1日2回用量プロファイルを与える剤形では、ほぼ薬物放出のない間隔は、第一と第二の投与量の間におよそ3時間~14時間の期間を有する。1日3回プロファイルを与える剤形では、ほぼ薬物放出のない間隔は、3回の投与量のそれぞれの間におよそ2時間~8時間の期間を有する。
【0140】
一実施形態において、パルス状放出プロファイルは、カプセル内の各用量単位が異なる薬物放出プロファイルを与える少なくとも2つの薬物含有「用量単位」を収容する、閉鎖され好ましくは密封されたカプセルである剤形によって達成される。遅延放出用量単位の制御は、用量単位上の制御放出ポリマーコーティングにより、又は活性薬剤を制御放出ポリマーマトリックスに組み込むことにより達成される。各用量単位は、圧縮錠又は湿製錠を含み得るが、カプセル内の各錠剤は、異なる薬物放出を与える。1日2回投薬プロファイルに似せた剤形では、第一の錠剤は、剤形の摂取の実質的に直後に薬物を放出するが、第二の錠剤は、剤形の摂取後およそ3時間から14時間未満で薬物を放出する。1日3回投薬プロファイルに似せた剤形では、第一の錠剤は、剤形の摂取の実質的に直後に薬物を放出するが、第二の錠剤は剤形の摂取後およそ3時間から10時間未満で薬物を放出し、第三の錠剤は剤形の摂取後少なくとも5時間からおよそ18時間で薬物を放出する。剤形が4つ以上の錠剤を含むことが可能である。剤形は一般的に第三を超える錠剤を含まないが、4つ以上の錠剤を収容する剤形は利用され得る。
【0141】
或いは、カプセル中の各用量単位は、複数の薬物含有ビーズ、顆粒剤、又は粒子を含み得る。当技術分野に公知であるである通り、薬物含有「ビーズ」は、薬物及び1種以上の賦形剤又はポリマーでできたビーズを指す。薬物含有ビーズは、不活性な担体に薬物を適用することにより、例えば、薬物に被覆された不活性な糖ビーズ、又は薬物と1種以上の賦形剤の両方を含む「コア」を作ることにより製造され得る。やはり公知である通り、薬物含有「顆粒剤」及び「粒子」は、1種以上の追加の賦形剤又はポリマーを含むことも含まないこともある薬物粒子を含む。薬物含有ビーズとは対照的に、顆粒剤及び粒子は不活性な担体を含まない。顆粒剤は、一般に、薬物粒子を含み、さらなる加工を要する。一般に、粒子は顆粒剤より小さく、さらに加工されない。ビーズ、顆粒剤、及び粒子は即放性を与えるように製剤され得るが、ビーズ及び顆粒剤は、一般に遅延放出を与えるように利用される。
【0142】
一実施形態において、化合物は、局所投与のために製剤される。好適な局所剤形には、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、及びゲル剤がある。「ゲル剤」は、活性薬剤、すなわち化合物の液体ビヒクル中の分散液を含み、液体ビヒクル中に溶解又は懸濁された増粘剤又はポリマー性材料の作用により半固体にされる、半固体の系である。液体は、親油性成分、水性成分、又は両方を含み得る。乳剤の一部はゲル剤であり得るか、そうではなくゲル成分を含み得る。しかし、一部のゲル剤は、非混和性成分の均質化されたブレンドを含まないので、乳剤ではない。ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、及びゲル剤を調製する方法は、当技術分野に周知である。
【0143】
本明細書に記載される化合物は、補助的に他の活性化合物と共に投与され得る。これらの化合物には、鎮痛剤、抗炎症薬、解熱剤、抗うつ剤、抗てんかん薬、抗ヒスタミン剤、抗片頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗不安薬(anxioltyics)、鎮痛剤、催眠剤、抗精神病薬、気管支拡張剤、抗喘息薬、心臓血管薬、コルチコステロイド、ドーパミン作動薬、電解質、胃腸薬、筋弛緩剤、栄養剤、ビタミン類、副交感神経刺激薬、刺激剤、食欲抑制剤、及び抗ナルコレプシー薬があるが、これらに限定されない。本明細書での「補助的な投与」は、化合物が、1種以上の他の活性薬剤と同じ剤形又は別の剤形で投与できることを意味する。
【0144】
化合物と補助的に投与できる化合物の具体例には、アセクロフェナク、アセトアミノフェン、アドメキセチン(adomexetine)、アルモトリプタン、アルプラゾラム、アマンタジン、アムシノニド、アミノシクロプロパン、アミトリプチリン、アモロジピン(amolodipine)、アモキサピン、アンフェタミン、アリピプラゾール、アスピリン、アトモキセチン、アザセトロン、アザタジン、ベクロメタゾン、ベナクチジン、ベノキサプロフェン、ベルモプロフェン、ベタメタゾン、ビシファジン、ブロモクリプチン、ブデソニド、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブスピロン、ブトルファノール、ブトリプチリン、カフェイン、カルバマゼピン、カルビドパ、カリソプロドール、セレコキシブ、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、サリチル酸コリン、シタロプラム、クロミプラミン、クロナゼパム、クロニジン、クロニタゼン、クロラゼプ酸、クロチアゼパム、クロキサゾラム、クロザピン、コデイン、コルチコステロン、コルチゾン、シクロベンザプリン、シプロヘプタジン、デメキシプチリン、デシプラミン、デソモルヒネ、デキサメタゾン、デキサナビノール、デキストロアンフェタミン硫酸塩、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアゼパム、ジベンゼピン、ジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロモルフィン、ジメタクリン、ジバルプロエクセス(divalproxex)、ジザトリプタン(dizatriptan)、ドラセトロン、ドネペジル、ドチエピン、ドキセピン、デュロキセチン、エルゴタミン、エスシタロプラム、エスタゾラム、エトスクシミド、エトドラク、フェモキセチン、フェナム酸、フェノプロフェン、フェンタニル、フルジアゼパム、フルオキセチン、フルフェナジン、フルラゼパム、フルルビプロフェン、フルタゾラム、フルボキサミン、フロバトリプタン、ガバペンチン、ガランタミン、ゲピロン、ギンコ・ビルボア(ginko bilboa)、グラニセトロン、ハロペリドール、フペルジンA、ヒドロコドン、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルホン、ヒドロキシジン、イブプロフェン、イミプラミン、インディプロン、インドメタシン、インドプロフェン、イプリンドール、イプサピロン、ケタセリン(ketaserin)、ケトプロフェン、ケトロラク、レソピトロン、レボドパ、リパーゼ、ロフェプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、マプロチリン、マジンドール、メフェナム酸、メラトニン、メリトラセン、メマンチン、メペリジン、メプロバメート、メサラミン、メタプラミン、メタキサロン、メタドン、メタドン、メタンフェタミン、メトカルバモール、メチルドパ、メチルフェニデート、メチルサリチレート、メチセルジド、メトクロプラミド、ミアンセリン、ミフェプリストン、ミルナシプラム、ミナプリン、ミルタザピン、モクロベミド、モダフィニル(抗ナルコレプシー薬)、モリンドン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、ナブメトン、ナドロール、ナプロキセン、ナラトリプタン、ネファゾドン、ニューロンチン、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、オランザピン、オルサラジン、オンダンセトロン、オピプラモール、オルフェナドリン、オキサフロザン、オキサプラジン(oxaprazin)、オキサゼパム、オキシトリプタン、オキシコドン、オキシモルホン、パンクレリパーゼ、パレコキシブ、パロキセチン、ペモリン、ペンタゾシン、ペプシン、ペルフェナジン、フェナセチン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェニルブタゾン、フェニトイン、ホスファチジルセリン、ピモジド、ピルリンドール、ピロキシカム、ピゾチフェン、ピゾチリン、プラミペキソール、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレガバリン、プロパノロール、プロピゼピン、プロポキシフェン、プロトリプチリン、クアゼパム、キヌプラミン、レボキシチン(reboxitine)、レセルピン、リスペリドン、リタンセリン、リバスチグミン、リザトリプタン、ロフェコキシブ、ロピニロール、ロチゴチン、サルサレート、セルトラリン、シブトラミン、シルデナフィル、スルファサラジン、スリンダク、スマトリプタン、タクリン、テマゼパム、テトラベノジン(tetrabenozine)、チアジド、チオリダジン、チオチキセン、チアプリド、チアシピロン(tiasipirone)、チザニジン、トフェナシン、トルメチン、トロキサトン、トピラマート、トラマドール、トラゾドン、トリアゾラム、トリフルオペラジン、トリメトベンズアミド、トリミプラミン、トロピセトロン、バルデコキシブ、バルプロ酸、ベンラファキシン、ビロキサジン、ビタミンE、ジメルジン、ジプラシドン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾピクロン、並びにこれらの異性体、塩、及び組み合わせがあるが、これらに限定されない。
【0145】
追加の活性薬剤は、即放性、制御放出、又はこれらの組み合わせ用に製剤できる。
【実施例0146】
実施例1.N4-ヒドロキシシチジン又は1-(3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-オン(EIDD-01931)の合成
ペルシリル化によるウリジンの保護に続いて、ヒンダードアリールスルホニル基によるヌクレオ塩基の4位の活性化を行う(
図1参照)。この基をヒドロキシルアミンにより換えると、N-4-ヒドロキシ部分が取り付けられる。利用可能な多くのフルオリド源のいずれかを利用して全体的な脱保護をすると、所望の生成物を与える。
【0147】
化合物は、ヒドロキシルアミンのpH調整された溶液の加熱により、シチジンから一工程で製造できる。より短くはあるが、この経路は収率が低く、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製を要するので、その利用が少量の製造に限定される。
【0148】
実施例2.一般的な方法:全化学反応は、特記されない限り、オーブンで乾燥させたガラス器具中で、窒素雰囲気下で実施した。化学薬品及び溶媒は試薬グレードであり、商業的供給業者から購入し(典型的にはAldrich、Fisher、Acros、Carbosynth Limited、及びOakwood Chemical)、特記されない限り受け取ったまま使用した。特に、EIDD-1910、EIDD-1993、及びEIDD-2003は、Carbosynth Limitedから購入した。反応に使用した溶媒(テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエン、ピリジン、ジメチルホルムアミド)は、全ての場合で99.9%以上無水であった。全ての反応を、特記されない限り、薄層クロマトグラフィー(TLC)により完了まで追跡した。TLC分析を、シリカゲル上で、UVランプ(254nm)による照明又はKMnO4による染色と加熱を利用して実施した。手作業のフラッシュカラムクロマトグラフィーを、Teledyne Iscoから購入した固定相としての40~60ミクロン(60Å粒径)RediSep Rfシリカゲルにより実施した。自動化勾配フラッシュカラムクロマトグラフィーを、Teledyne Isco CombiFlash Companionで実施した;順相分離を、固定相としての充填済みRediSep Rfシリカゲルにより実施し、逆相分離を、充填済みRediSep Rf C18 High Performance Gold固定相で実施した。三リン酸精製を、DEAE(ジエチルアミノエチル)Sephadex A-25を固定相とし、TEAB水溶液(炭酸水素トリエチルアンモニウム)を移動相として、イオン交換クロマトグラフィーを利用して実施した。
【0149】
1H NMRスペクトルをVarian 400MHz装置で測定し、MestReNovaソフトウェア、バージョン9.0.1を利用して処理した。ケミカルシフトを、適切な溶媒ピーク:CDCl3(δ7.27)、DMSO-d6(δ2.50)、CD3OD(δ3.31)、D2O(δ4.79)に対して測定した。以下の略語を使用してカップリングを記載した:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、p=ペンテット、m=マルチプレット、br=ブロード。13C NMRスペクトルを、Varian装置で100MHzで、ケミカルシフトを適切な溶媒ピーク:CDCl3(δ77.0)、DMSO-d6(δ39.5)、CD3OD(δ49.0)に対して測定した。19Fスペクトルを、Varian装置で376MHzで測定し、31PスペクトルをVarian装置で162MHzで測定した。19Fスペクトル、31Pスペクトル、及び13Cスペクトル(D2O中のみ)のケミカルシフトを、同じ溶媒中の対応する1H NMRスペクトルに対する絶対参照(absolute reference)機能を利用してMestReNovaソフトウェアにより較正した。
【0150】
規格(低分解能)液体クロマトグラフィー/質量分析法を、Zorbax Eclipse XDB C18 4.6×50mm、3.5ミクロンカラムを使用して、MeOH/水混合物(典型的には95/5勾配なし)により溶離させるAgilent 1200シリーズLC(254nmでのUV吸収検出器)及びAgilent 6120 LCMS四重極装置を利用して実施した。高分解能質量分析法を、エモリー大学質量分析法センターにより、APCIかESIを利用するThermo LTQ-FTMSにより実施した。
【0151】
実施例3.
【化23】
S1:オーバーヘッドスターラー及び窒素入口を備えた2Lの3つ口フラスコに、ウリジン(25g、102mmol)及び1Lのジクロロメタンを入れた。生じた溶液を0℃に冷却し、4-DMAP(1.251g、10.24mmol)及びイミダゾール(27.9g、409mmol)を連続的に加えた。TBSCl(61.7g、409mmol)を10分かけて加え、生じた混合物を周囲温度に温めて、18時間撹拌した。水(300mL)を反応混合物に加え、室温で2時間撹拌し、層を分離し、水層を追加のジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をブライン(1×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、75gの透明な無色の油を与えた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5~20%勾配のEtOAc)により精製すると、S1(45g、75%)を透明な無色の油として与え、それは真空中で乾燥させると凝固した:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.09(s,1H),8.02(d,J=8.2Hz,1H),5.87(d,J=3.6Hz,1H),5.67(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),4.07(q,J=3.8,3.3Hz,1H),3.98(dd,J=11.7,1.7Hz,1H),3.75(dd,J=11.7,1.1Hz,1H),0.94(s,9H),0.90(s,9H),0.88(s,9H),0.13(s,3H),0.12(s,3H),0.08(s,3H),0.07(s,3H),0.07(s,3H),0.06(s,3H).
【0152】
S2:1Lの丸底フラスコに、S1(28g、47.7mmol)及びジクロロメタン(700mL)を入れた。氷浴を使用して溶液を0℃に冷却し;4-DMAP(0.583g、4.77mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(41.7ml、239mmol)を連続的に加えた。2,4,6-トリイソプロピルベンゼン-1-スルホニルクロリド(28.9g、95mmol)をゆっくりとフラスコに加え、添加が完了すると、フラスコを周囲温度に温め、18時間撹拌した。濃い橙色の溶液を氷浴により0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(24.66g、191mmol)をシリンジにより加え、それに続いて固体のヒドロキシルアミン塩酸塩(13.26g、191mmol)を一度に加えた。混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応物を水(200mL)でクエンチし、生じた層を分離した。水層をジクロロメタン(200mL)で抽出し、合わせた有機液をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮すると、濃い橙色の油が生じた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15~50%勾配のEtOAc)により精製すると、S2(19.8g、2工程で69%)を油として与え、それを真空中で乾燥させると半固体に凝固した:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.15(s,1H),6.31(s,1H),5.91(d,J=4.6Hz,1H),5.56(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),4.07(m,2H),4.02(m,1H),3.91(dd,J=11.6,2.4Hz,1H),3.73(dd,J=11.6,2.4Hz,1H),0.95(s,9H),0.92(s,9H),0.89(s,9H),0.12(s,6H),0.098(s,3H),0.083(s,3H),0.063(s,3H),0.057(s,3H);LRMS m/z 602.3[M+H]+.
【0153】
EIDD-1931:50mLの丸底フラスコに、S2(23.3g、38.7mmol)及びTHF(50mL)を入れた。トリエチルアミン三フッ化水素塩(6.30mL、38.7mmol)を一度に加え、混合物を周囲温度で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を最低限の量のMeOHに溶解させ、この溶液を、迅速に撹拌されているジクロロメタン(500mL)を含む三角フラスコにゆっくりと加えると、生成物が沈殿した;混合物を室温で15分間撹拌した。トリチュレートされた固体を真空濾過により回収し、ジクロロメタンで、次いでエーテルで洗浄した。固体を真空中で乾燥させると、標記化合物(7.10g、71%)が白色の固体として生じた:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.16(d,J=8.2Hz,1H),5.86(d,J=5.6Hz,1H),5.59(d,J=8.2Hz,1H),4.19-4.04(m,2H),3.93(q,J=3.3Hz,1H),3.77(dd,J=12.2,2.9Hz,1H),3.68(dd,J=12.1,2.9Hz,1H);1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.95(s,1H),9.46(s,1H),7.02(d,J=8.2Hz,1H),5.71(d,J=6.3Hz,1H),5.54(d,J=7.7Hz,1H),5.23(d,J=6.0Hz,1H),5.02(d,J=4.6Hz,1H),4.98(t,J=5.1Hz,1H),3.95(q,J=5.9Hz,1H),3.89(td,J=4.9Hz,3.0Hz,1H),3.75(q,J=3.4Hz,1H),3.50(qdd,J=11.9Hz,5.2Hz,3.5Hz,2H);13C NMR(101MHz,DMSO-d6)δ 150.0,143.9,130.5,98.89,87.1,85.0,72.8,70.8,61.8.LRMS m/z 260.1[M+H]+.
【0154】
実施例4.
【化24】
EIDD-2050:EIDD-1931(124mg、0.478mmol)の無水ピリジン(5mL)溶液を、-20℃に冷却し、滴下してノナノイルクロリド(95μL、0.528mmol)により5分かけて処理した。混合物を0℃で15時間撹拌し、メタノール(2mL)によりクエンチした。室温で20分後、混合物を濃縮乾固し、次いでフラッシュクロマトグラフィー(DCM中1~5%勾配のMeOH)により精製した。生じた精製済み固体を、塩化メチレン(3×10mL)と同時蒸発させ、次いで高真空下で40時間乾燥させると、標記化合物(82mg、43%)を白色の固体として与えた:
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 7.50(d,J=8.3Hz,1H),5.88(d,J=5.1Hz,1H),5.70(d,J=8.2Hz,1H),4.19-4.08(m,1H),3.97(q,J=3.1Hz,1H),3.80(dd,J=12.2,2.9Hz,1H),3.70(dd,J=12.2,3.3Hz,1H),2.49(t,J=7.4Hz,2H),1.67(p,J=7.4Hz,2H),1.37-1.24(m,9H),0.93-0.84(m,3H);
13C NMR(101MHz,CD
3OD)δ 171.4,149.7,149.4,134.6,9597,88.5,84.9,73.7,70.2,61.1,31.8,31.6,28.9,28.9,28.8,24.6,22.3,13.0;LRMS m/z 400.2[M+H]
+.
【0155】
実施例5.
【化25】
EIDD-2051:窒素下のEIDD-1931(0.194g、0.75mmol)の0℃のピリジン(4.8mL)中の撹拌されている溶液に、ヘプチルクロロホルマート(0.15mL、0.825mmol)をシリンジにより滴加した。混合物を0℃で4時間撹拌し、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮した。混合物を一滴のMeOHと共にDCMに吸収させ、自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中0~15%勾配のMeOH)は、標記化合物(0.126g、42%)を粉末状の白色固体として与えた。NMR分析は、回転異性体の9:1混合物を示した(ヌクレオ塩基の近くのほとんどのシグナルはダブルであるか、又はシングルだがブロード化している):
1H NMR(400MHz,CD
3OD,メジャー回転異性体のみ)δ 7.50(d,J=8.3Hz,1H),5.86(d,J=5.0Hz,1H),5.69(d,J=8.2Hz,1H),4.23(t,J=6.6Hz,2H),4.13(q,J=5.1Hz,1H),4.10(q,J=4.0Hz,1H),3.96(q,J=3.4Hz,1H),3.79(dd,J=12.2,2.8Hz,1H),3.69(dd,J=12.2Hz,3.2Hz,1H),1.77-1.65(m,2H),1.45-1.25(m,8H),0.90(t,J=6.9Hz,3H);
13C NMR(100MHz,CD
3OD,メジャー回転異性体のみ)δ 153.3,149.0,148.7,133.9,94.9,88.0,84.2,73.1,69.5,68.0,60.5,30.9,28.0,27.7,24.7,21.6,12.4;C
17H
28N
3O
8[M+H]
+に対するHRMS計算値:402.18709,実測値:402.18774.
【0156】
実施例6.
【化26】
S3:窒素下のS1(2.20g、3.75mmol)の0℃のDCM(37mL)中の撹拌されている溶液に、4-DMAP(0.460g、3.75mmol)、トリエチルアミン(0.78mL、5.62mmol)、及び2,4,6-トリイソプロピルベンゼン-1-スルホニルクロリド(1.70g、5.62mmol)を連続的に加えた。混合物を室温に温め、16時間撹拌した。混合物を0℃に再び冷却し、トリエチルアミン(2.60mL、18.75mmol)をシリンジにより加え、それに続いてO-メチルヒドロキシアミン塩酸塩(1.56g、18.75mmol)を一度に加えた。混合物を室温に温め、3時間撹拌し、次いで水を加えてクエンチした。有機層を除去し、有機層をブラインで洗浄した。合わせた水層をDCM(2×25mL)で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10~20%勾配のEtOAc)により精製すると、S3(1.72g、74%)を白色の泡として与えた。全NMRピークは、恐らくはN-OMe回転異性体のためブロードであった。スペクトルはデコンボリューションされなかった。LRMS m/z 617.3 [M+H]
+。
【0157】
EIDD-2052:窒素下のS3(0.300g、0.487mmol)の0℃のMeOH(5mL)中の撹拌されている溶液に、1.25MのHClのMeOH溶液(2.3mL、2.92mmol)をシリンジにより滴加した。混合物を室温で24時間撹拌した。トリエチルアミン(0.70mL、5.05mmol)を加え、混合物を2時間撹拌した。混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中5~20%勾配のiPrOH)は、標記化合物(85mg、64%)を灰白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,D2O)δ 7.19(d,J=8.2Hz,1H),5.82(d,J=5.4Hz,1H),5.55(d,J=8.2Hz,1H),4.15-4.07(m,2H),3.92(q,J=3.5Hz,1H),3.76(dd,J=12.2Hz,2.9Hz,1H),3.76(s,3H),3.67(dd,J=12.1Hz,3.4Hz,1H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ 151.4,146.2,133.0,98.6,89.8,86.1,74.7,71.7,62.7,61.9,25.2;LRMS m/z 274.1[M+H]+.
【0158】
実施例7.
【化27】
S4:丸底フラスコに、2’-メチルウリジン(0.850g、3.29mmol)、イミダゾール(0.896g、13.17mmol)、及びDCM(6.5mL)を入れ、混合物を、窒素下で撹拌しながら0℃に冷却した。トリメチルシリルトリフラート(2.24mL、12.34mmol)をシリンジにより15分かけて滴加した。混合物を室温に温め、一晩撹拌した。16時間の撹拌後、混合物をDCM(200mL)で希釈し、氷冷水(100mL)に注いだ。有機層を除去し、水層をDCM(1×100mL)で抽出した。合わせた有機層を氷冷ブライン(1×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、1.8gの粗製物を与えた。物質をヘキサンに吸収させ、自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ヘキサン中5~20%EtOAcの勾配)は、S4(1.50g、96%)を白色の薄片状固体として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.27(d,J=8.2Hz,1H),7.92(s,1H),5.92(s,1H),5.64(dd,J=8.2Hz,2.3Hz,1H),4.05-3.95(m,2H),3.83(d,J=9.1Hz,1H),3.73(d,J=11.2Hz,1H),1.21(s,3H),0.20(s,9H),0.18(s,9H),0.17(s,9H);LRMS m/z 475.2[M+H]
+.
【0159】
S5:窒素下のS4(1.50g、3.16mmol)及び4-DMAP(0.039g、0.316mmol)の0℃のDCM(20mL)中の撹拌されている溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.75mL、15.80mmol)をシリンジにより加え、それに続いて固体の2,4,6-トリイソプロピルベンゼン-1-スルホニルクロリド(1.91g、6.32mmol)を一度に加えた。撹拌されている混合物を放置して室温に温めた。室温で16時間撹拌した後、混合物を0℃に冷却し、氷冷された飽和NaHCO3水溶液(3×25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、4.2gの粗製物を茶色の油として与えた。粗製物をヘキサンに吸収させ、自動化フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ヘキサン中1~10%勾配のEtOAc)は、LCMSによりほとんど純粋な(推定上の同一性が1H NMRにより確認された)スルホニル活性化の所望の生成物(約1.57g、約2.12mmol)を与えた。この混合物の全体を、さらに精製又は分析せずに、直ちに次の工程に持ち越した(taken on)。
【0160】
窒素下の新たに調製された上述の材料(約1.57g、約2.12mmol)の0℃のMeCN(21mL)中の撹拌されている溶液に、トリエチルアミン(0.89mL、6.35mmol)をシリンジにより加え、それに続いてO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.531g、6.35mmol)を固体として一度に加えた。混合物を室温に温め、一晩撹拌した。16時間の撹拌の後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(50mL)に注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。CombiFlash(80gカラム、ヘキサン中5~15%勾配のEtOAc)での自動化フラッシュクロマトグラフィーは、S5(0.571g、2工程で36%)を、NMRにより9:1比率の互変異性体として存在する透明な粘性の油として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3,メジャー互変異性体のみ)δ 8.01(br s,1H),7.59(d,J=8.3Hz,1H),5.88(s,1H),5.54(d,J=8.1Hz,1H),4.03-3.93(m,2H),3.84(s,3H),3.82(d,J=9.0Hz,1H),3.71(d,J=12.0Hz,1H),1.20(s,3H),0.23-0.15(m,27H);LRMS m/z 504.2[M+H]+.
【0161】
EIDD-2054:丸底フラスコに、S5(0.510g、1.01mmol)及び撹拌子を窒素下で室温で入れた。濃HClの1%v/vのMeOH溶液(10mL、1.20mmol HCl)を、シリンジにより加え、混合物を室温で30分間撹拌した。固体のNa2CO3(1g)を一度に加え、混合物を室温で30分撹拌した。セライトを加え、混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮すると、固体上に固定化された粗製物を与えた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、DCM中の0~10%勾配のMeOH)は、標記化合物(0.265g、91%)を白色粉末状固体として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.36(d,J=8.3Hz,1H),5.89(s,1H),5.54(d,J=8.2Hz,1H),3.95(dd,J=12.5Hz,2.2Hz,1H),3.86(dt,J=9.2Hz,2.4Hz,1H),3.82-3.72(m,2H),3.78(s,3H),1.17(s,3H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ 151.3,146.2,132.8,98.2,92.6,83.4,79.8,73.8,61.9,60.7,20.3;LRMS m/z 288.1[M+H]+.
【0162】
実施例8.
【化28】
S6:窒素下のS4(1.67g、3.52mmol)及び4-DMAP(0.043g、0.352mmol)の0℃のDCM(25mL)中の撹拌されている溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.06mL、17.59mmol)をシリンジにより加え、それに続いて固体の2,4,6-トリイソプロピルベンゼン-1-スルホニルクロリド(1.92g、6.33mmol)を一度に加えた。撹拌されている混合物を放置して室温に温めた。室温で16時間撹拌した後、混合物を0℃に冷却し、氷冷された飽和NaHCO
3水溶液(3×25mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、4.1gの粗製物を茶色の油として与えた。粗製物をヘキサンに吸収させ、自動化フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ヘキサン中の1~10%勾配のEtOAc)は、LCMSによりほとんど純粋な(推定上の同一性が
1H NMRにより確認された)スルホニル活性化の所望の生成物(約1.81g、約2.44mmol)を与えた。この混合物の全体を、さらに精製せずに、直ちに次の工程に持ち越した。
【0163】
窒素下の新たに調製した上述の材料(約1.81g、約2.44mmol)の0℃のMeCN(25mL)中の撹拌されている溶液に、トリエチルアミン(1.02mL、7.33mmol)をシリンジにより加え、それに続いてヒドロキシルアミン塩酸塩(0.509g、7.33mmol)を固体として一度に加えた。混合物を室温に温め、2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(50mL)に注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ヘキサン中5~35%EtOAcの勾配)は、NMRにより7:1比率の互変異性体として存在するS6(0.931g、2工程で54%)を白色薄片状固体として与えた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6,メジャー互変異性体のみ)δ 9.99(s,1H),9.57(d,J=2.1Hz,1H),7.25(d,J=8.3Hz,1H),5.72(s,1H),5.45(dd,J=8.2Hz,2.1Hz,1H),3.92(d,J=12.0Hz,1H),3.85-3.75(m,2H),3.66(d,J=12.0Hz,1H),1.13(s,3H),0.15(s,9H),0.14(s,9H),0.12(s,9H);LRMS m/z 490.0[M+H]+.
【0164】
EIDD-2053:丸底フラスコに、S6(0.200g、0.408mmol)及び撹拌子を、窒素下で室温で入れた。濃HClの1%v/vのMeOH溶液(6mL、0.72mmol HCl)をシリンジにより加え、混合物を室温で30分間撹拌した。固体のNa2CO3(0.75g)を一度に加え、混合物を室温で30分撹拌した。セライトを加え、混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮すると、固体上に固定化された粗製物を与えた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(4gカラム、DCM中5~25%MeOHの勾配)は、標記化合物(0.110g、99%)を白色粉末状固体として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.30(d,J=8.3Hz,1H),5.90(s,1H),5.56(d,J=8.2Hz,1H),3.95(dd,J=12.5Hz,2.1Hz,1H),3.86(dt,J=9.2Hz,2.7Hz,1H),3.80(d,J=9.2Hz,1H),3.75(dd,J=12.5Hz,3.0Hz,1H),1.18(s,3H);13C NMR(100MHz,D2O)δ 151.6,147.3,131.8,98.9,91.7,81.9,79.5,73.3,60.4,49.5,19.6;LRMS m/z 274.1[M+H]+.
【0165】
実施例9.
【化29】
EIDD-2061:密封可能な圧力管に、撹拌子、シチジン三リン酸二ナトリウム塩(0.137g、0.260mmol)、及びpH=5に調整した2Nのヒドロキシルアミン水溶液(2.0mL、4.0mmol)を入れた。試薬を混合した後、溶液のpHを測定し(pH=3)、追加の数滴の10%w/w NaOH水溶液を加えて、溶液をpH=5に再調整した。管を密封し、撹拌しながら55℃で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、密封した管を開け、100mM炭酸水素トリエチルアンモニウム(TEAB)(2mL)溶液を加えた。管の内容物を丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製の材料を100mM TEABに吸収させ、DEAEでクロマトグラフィーにかけ、それに続いて生成物の凍結乾燥をすると、所望の生成物のトリエチルアンモニウム塩を与えた。
【0166】
新たに調製したダウエックス(Li+形態)のイオン交換カラム(17mL CV)を、5CVの水ですすいだ。調製したトリエチルアンモニウム塩を水に吸収させ、イオン交換カラムに通して溶出させた。生成物を含むフラクションを合わせ、凍結乾燥させると、標記化合物(0.030g、22%)をふわふわした黄褐色固体として与えた:1H NMR(400MHz,D2O)δ 7.19(d,J=8.3Hz,1H),5.95(d,J=6.3Hz,1H),5.82(d,J=8.3Hz,1H),4.42-4.34(m,2H),4.24-4.10(m,3H);31P NMR(162MHz,D2O)δ -8.5(br s),-11.2(d,J=19.6Hz),-22.0(t,J=19.3Hz);LRMS m/z 498.0[M-H]-.
【0167】
実施例10.
【化30】
EIDD-2080:丸底フラスコに、2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-メチルシチジン(120mg、0.463mmol)及びpH=5に調整した2Nのヒドロキシルアミン水溶液(1.1mL、2.2mmol)を入れ、混合物を50℃に加熱した。16時間後、混合物を濃縮乾固し、次いでフラッシュクロマトグラフィー(19mm×170mmカラム体積、DCM中10%MeOH)により精製した。生じたゴムを、DCM(3×4mL)と同時蒸発させると、白色固体を与え、それを高真空下で40℃で24時間さらに乾燥させると、標記化合物(94mg、74%)が白色粉末として生じた:
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 7.23(d,J=8.3Hz,1H),6.07(d,J=19.8Hz,1H),5.60(d,J=8.3Hz,1H),4.04-3.95(m,1H),3.91(d,J=8.3Hz,2H),3.77(dd,J=12.5,2.3Hz,1H),1.36(d,J=22.2Hz,3H);
13C NMR(101MHz,CD
3OD)δ 150.0,144.6,129.9,101.4,99.6,98.0,88.7(d,J=46.5Hz),81.5,71.5(d,J=18.1Hz),58.9,15.5(d,J=25.8Hz);C
10H
15FN
3O
5[M+H]
+に対するHRMS計算値:276.09903,実測値:276.09910.
【0168】
実施例11.
【化31】
EIDD-2085:約2Nのヒドロキシルアミン塩酸塩(3.33g、48.0mmol)の水(24mL)溶液を調製し、少量のNaOH水溶液(10%w/w)でpH=5に調整した。密封可能な圧力管に、この溶液及び2’-フルオロ-2’デオキシシチジン(0.736g、3.00mmol)を入れ、フラスコを密封し、撹拌しながら55℃で16時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製の材料をMeOHに懸濁させ、セライトに固定化した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中5~25%勾配のMeOH)は、標記化合物(0.365g、47%)を灰白色の固体として与えた。NMR分析は、化合物が重量で約90%の純度であり、残りが吸蔵されたDCM及びMeOHであることを示した。試料(103mg)を水に溶解させ、ドライアイス浴で冷凍し、凍結乾燥させると、溶媒を含まない91mgの標記化合物を与えた。この精製された材料を、全ての生物学的試験に使用した:
1H NMR(400MHz,D
2O)δ 7.00(d,J=8.3Hz,1H),5.91(dd,J=21.0Hz,2.0Hz,1H),5.71(d,J=8.2Hz,1H),5.19(ddd,J=53.1Hz,5.0Hz,2.0Hz,1H),4.36(ddd,J=20.0Hz,8.2Hz,5.0Hz,1H),4.08-4.02(br m,1H),3.95(dd,J=12.9Hz,2.5Hz,1H),3.78(dd,J=12.9Hz,4.6Hz,1H);
13C NMR(100MHz,D
2O)δ 150.8,146.7,132.5,98.4,93.1(d,J=183.1Hz),89.0(d,J=35.9Hz),82.1,68.3(d,J=16.5Hz),60.2Hz;
19F NMR(376MHz,D
2O)δ -200.51(dt,J=53.1Hz,20.4Hz);C
9H
13FN
3O
5[M+H]
+に対するHRMS計算値:262.08338,実測値:262.08332.
【0169】
実施例12.
【化32】
EIDD-2086:EIDD-2054(45mg、0.16mmol)の0℃の無水THF(1mL)溶液を、tert-ブチルマグネシウムクロリドの1M THF溶液(0.31mL、0.31mmol)により処理した。0℃で1時間後、混合物を滴下して、S7(139mg、0.31mmol)の無水THF(1mL)溶液により5分かけて処理した。混合物を放置して室温に温め、一晩撹拌した。混合物を飽和NH
4Cl水溶液(5mL)でクエンチし、次いで酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機相を飽和NaHCO
3水溶液(2×15mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固した。生じた粗製の黄色の油をフラッシュクロマトグラフィー(カラム体積19mm×170mm、DCM中5~10%勾配のMeOH)により精製すると、標記化合物の1:1ジアステレオマー混合物(49mg、56%)を灰白色の固体として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ジアステレオマー混合物)δ 8.25(s,1H),7.32(t,J=7.7Hz,2H),7.18(dd,J=16.8,8.0Hz,3H),6.81(d,J=8.2Hz,1H),6.66(d,J=8.2Hz,1H),5.87(d,J=14.0Hz,1H),5.55(d,J=8.2Hz,1H),5.48(d,J=8.2Hz,1H),5.00(h,J=6.3Hz,1H),4.49-4.39(m,2H),4.34(ddd,J=11.8,8.3,3.4Hz,1H),4.07-3.86(m,2H),3.82(s,3H),3.74(dd,J=38.5,8.4Hz,1H),1.36(d,J=2.2Hz,3H,),1.35(d,J=2.2Hz,3H),1.25-1.20(m,6H),1.17(s,3H),1.11(s,3H);
31P NMR(162MHz,CDCl
3,ジアステレオマー混合物)δ 3.55,3.19;
13C NMR(101MHz,CDCl
3,ジアステレオマー混合物)δ 173.02,172.95,172.91,172.84,150.49,150.42,149.28,149.18,144.31,144.22,130.74,130.46,129.87,129.83,125.28,125.16,119.93,119.88,97.94,91.57,91.18,77.33,73.52,73.03,69.55,69.51,65.05,64.99,64.51,61.80,50.41,50.32,29.68,21.70,21.67,21.61,21.58,20.93,20.88,20.82,20.46;C
23H
33N
4O
10PNa[M+Na]
+に対するHRMS計算値:579.18265;実測値:579.18184.
【0170】
実施例13.
【化33】
S8:シチジン(0.972g、4.00mmol)の乾燥アセトン(50.0mL)中の撹拌されている懸濁液に、触媒量のH
2SO
4(0.13ml、2.439mmol)を滴加した。生じた反応物を室温で一晩撹拌した。濾過後、得られた白色固体を、わずかな加熱によりMeOHに再溶解させ、次いで、再蒸発させると白色固体を所望の生成物の硫酸塩形態として与え(>95%収率)、それをさらに精製せずに使用した:
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 8.23(d,J=7.9Hz,1H),6.09(d,J=7.9Hz,1H),5.86(d,J=2.4Hz,1H),4.90(dd,J
1=6.2Hz,J
2=2.3Hz,1H),4.82(dd,J
1=6.1Hz,J
2=2.7Hz,1H),4.35(q,J=3.4Hz,1H),3.80(dd,J
1=12.1Hz,J
2=3.2Hz,1H),3.71(dd,J
1=12.1Hz,J
2=4.1Hz,1H),1.54(s,3H),1.35(s,3H);
13C NMR(100MHz,CD
3OD)δ 161.33,148.49,147.34,114.86,95.58,94.22,89.56,86.59,82.34,62.85,27.42,25.41;C
12H
18O
5N
3[M+H]
+に対するHRMS計算値:284.12410,実測値:284.12424.
【0171】
S9:S8(0.566g、2.00mmol)のTHF(20.0ml)中の懸濁液に、1Mのt-ブチルマグネシウムクロリドのTHF溶液(3.00mL、3.00mmol)をシリンジにより0℃でアルゴン下で滴加し、生じた混合物を同じ温度で1時間撹拌した。S7(1.33g、3.00mmol)のTHF(20mL)溶液を0℃で加えると同時に、混合物を放置して室温に温め、さらに27時間撹拌した。反応物を、0℃の飽和NH4Cl水溶液の添加によりクエンチした。得られた混合物をセライトパッドに通して濾過し、パッドをMeOHで洗浄した。濾液をロータリーエバポレーションにより濃縮すると、茶色の固体を与え、それをフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%MeOH)により精製すると、やや純粋な生成物を与えた。混合物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中0~25%勾配のMeOH)によりさらに精製すると、S9(0.744g、2工程で67%)を、31P-NMRの積分に基づいて1:2の比率で2つのジアステレオマーの混合物として存在する白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD,ジアステレオマー混合物)δ 7.61(m,1H),7.34(t,J=7.9Hz,2H),7.27-7.09(m,3H),5.93-5.69(m,2H),4.95(p,J=6.3Hz,1H),4.90(dd,J=6.4Hz,2.2Hz,1H),4.84-4.71(m,1H),4.46-4.20(m,3H),3.88(p,J=7.8Hz,1H),2.15(s,1H),1.53(s,3H),1.32(m,6H),1.21(m,6H);13C NMR(100MHz,CD3OD,両方のジアステレオマー)δ 210.06,174.62,174.57,174.41,174.35,167.89,157.81,152.18,152.11,144.64,144.38,130.82,130.78,130.77,126.24,126.22,126.17,126.16,121.48,121.45,121.43,121.40,115.18,115.08,96.18,95.96,87.13,87.05,86.96,86.88,86.23,82.48,82.47,70.14,68.02,51.81,51.67,49.64,49.43,49.21,49.00,48.79,48.57,48.36,30.68,27.46,27.43,25.51,25.46,22.00,21.98,21.90,20.56,20.49,20.30;31P NMR(162MHz,CD3OD)δ 3.68,3.45;C24H33O9N4NaP[M+Na]+に対するHRMS計算値:575.18774,実測値:575.18824.
【0172】
S10:S9(0.289g、0.502mmol)の80%HCOOH水溶液(12.40mL)中の溶液を、室温で3.5時間撹拌した。反応物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、MeOH(3×10mL)と同時蒸発させた。粗生成物S9(0.257g、定量的)を茶色のガラス質固体として得て、それをさらに精製せずに次の工程に使用した:1H NMR(400MHz,CD3OD,ジアステレオマー混合物)δ 8.16(s,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H),7.73(d,J=7.5Hz,1H),7.50-7.08(m,5H),6.03-5.68(m,2H),4.96(septet,J=8Hz,1H),4.55-4.24(m,2H),4.23-4.08(m,2H),4.08-3.99(m,1H),3.97-3.82(m,1H),1.43-1.26(m,4H),1.26-1.10(m,6H);13C NMR(100MHz,CD3OD,両方のジアステレオマー)δ 174.65,174.61,174.38,174.33,166.90,157.46,152.15,152.08,142.73,130.89,130.88,130.85,130.85,126.28,126.26,121.42,121.40,121.37,121.36,96.19,92.05,91.97,83.49,83.42,75.90,75.84,70.70,70.64,70.18,67.14,67.08,51.88,51.87,51.71,51.70,49.64,49.43,49.21,49.00,48.79,48.57,48.36,21.98,21.91,21.89,21.80,20.61,20.55,20.30;31P NMR(162MHz,CD3OD)δ 3.91,3.76;C21H30O9N4P[M+H]+に対するHRMS計算値:513.17449,実測値:513.17413.
【0173】
EIDD-2088:S10(0.257g、0.502mmol)のTHF(5mL)溶液に、pH6の2Nのヒドロキシルアミン(6.27ml、12.54mmol)を加え、生じた混合物を37℃で1.5日撹拌した。反応混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮した。得られた黄色の固体をMeOHに再溶解させ、シリカゲル上に固定化し、それをシリカプラグ上にロードした。シリカプラグを通るCH2Cl2中10%MeOHによる溶離は、生成物を含むフラクションのロータリーエバポレーション後に、薄茶色液体を与えた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、DCM中2.5~15%勾配のMeOH)は、標記化合物(0.155mg、59%)を灰白色の泡として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD,ジアステレオマー混合物)δ 7.89(d,J=8.0Hz,0.3H),7.80(d,J=8.1Hz,0.65H),7.48-7.31(m,2H),7.31-7.13(m,3H),6.02-5.79(m,2H),4.97(hept,J=8Hz,1H),4.55-4.08(m,6H),3.90(m,1H),1.44-1.26(m,4H),1.22(m,6H);13C NMR(100MHz,CD3OD,両方のジアステレオマー)δ 174.72,174.68,174.36,174.30,155.25,152.10,152.03,148.74,148.68,142.86,130.92,130.87,126.33,126.32,121.43,121.39,91.71,91.63,91.58,84.08,84.02,83.95,75.48,75.41,70.71,70.67,70.20,67.03,51.90,51.73,51.71,49.64,49.43,49.21,49.00,48.79,48.57,48.36,21.98,21.92,21.89,21.79,20.59,20.53,20.31;31P NMR(162MHz,CD3OD)δ 3.98,3.81;C21H30O10N4P[M+H]+に対するHRMS計算値:529.16941,実測値:529.16900.
【0174】
実施例14.
【化34】
EIDD-2101:5-メチルシチジン(0.257g、1.00mmol)のpH6の2Nのヒドロキシルアミン水溶液(8mL、16.0mmol)中の溶液を、密封した管中で撹拌しながら5時間55℃に加熱した。溶液を室温に冷却し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、MeOH(2×20mL)と同時蒸発させた。粗製の残渣をMeOHに吸収させ、シリカゲル上に固定化した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM中2~10%勾配のMeOH)は、標記化合物(140mg、51%)を薄紫色の固体として与えた:
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 6.99(s,1H),5.86(d,J=5.7Hz,1H),4.23-4.06(m,2H),3.93(q,J=3.2Hz,1H),3.78(dd,J=12.1Hz,2.8Hz,1H),3.70(dd,J=12.1Hz,3.4Hz,1H),1.79(s,3H);
13C NMR(100MHz,CD
3OD)δ 152.0,146.6,128.4,108.4,89.4,86.1,74.4,71.8,62.8,12.9;C
10H
16O
6N
3[M+H]
+に対するHRMS計算値:274.10336,実測値:274.10350.
【0175】
実施例15.
【化35】
EIDD-2103:約2Nのヒドロキシルアミン塩酸塩(1.11g、16.0mmol)の水(8mL)溶液を調製し、少量のNaOH水溶液(10%w/w)でpH=5に調整した。密封可能な圧力管に、この溶液及び5-フルオロシチジン(0.261g、1.00mmol)を入れ、フラスコを密封し、撹拌しながら55℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製の材料をMeOHに懸濁させ、セライトに固定化した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中0~20%勾配のMeOH)は、600mgのやや純粋なピンクの固体を与えた。この固体を2mLの水に溶解させ、自動化逆相クロマトグラフィー(43gカラム、水中5~100%勾配のMeOH)は、有機及び無機不純物を含まない所望の生成物を与えた。固体を水に溶解させ、ドライアイス/アセトン浴で冷凍し、凍結乾燥させると、標記化合物(0.066g、0.238mmol、収率24%)を白色の綿状の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ 7.31(d,J=7.6Hz,1H),5.87(dd,J=5.5Hz,1.8Hz,1H),4.26(t,J=5.5Hz,1H),4.19(t,J=4.8Hz,1H),4.07(q,J=3.8Hz,1H),3.85(dd,J=12.8Hz,3.1Hz,1H),3.77(dd,J=12.7Hz,4.2Hz,1H);
13C NMR(100MHz,D
2O)δ 150.0,139.7,137.4,115.6(d,J=36.1Hz),88.0,84.2,72.8,69.8,61.0;
19F NMR(376MHz,D
2O)δ -164.70(d,J=7.6Hz);C
9H
13FN
3O
6[M+H]
+に対するHRMS計算値:278.07829,実測値:278.07848.
【0176】
実施例16.
【化36】
S11:窒素下のS2(0.903g、1.50mmol)の室温のDCM(15mL)中の撹拌されている溶液に、ヘプチルイソシアナート(0.266mL、1.65mmol)をシリンジにより2分かけて滴加した。反応物を室温で6時間撹拌し、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮すると、粗製の残渣を与えた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ヘキサン中の5~25%勾配のEtOAc)は、S11(0.930g、83%)を薄片状薄ピンクの固体として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.26(br s,1H),7.50(d,J=8.3Hz,1H),6.29(t,J=5.8Hz,1H),5.90(d,J=4.4Hz,1H),5.57(dd,J=8.2Hz,2.3Hz,1H),4.10-4.00(m,3H),3.93(dd,J=11.6Hz,2.3Hz,1H),3.74(d,J=11.6Hz,1H),3.28(q,J=6.7Hz,1H),1.62-1.52(m,2H),1.40-1.25(m,8H),0.96(s,9H),0.91(s,9H),0.91-0.86(m,3H),0.89(s,9H),0.13(s,6H),0.10(s,3H),0.08(s,3H),0.05(s,6H).
【0177】
EIDD-2107:窒素下のS11(0.910g、1.22mmol)の0℃のTHF(18mL)とDMF(6mL)の混合物中の撹拌されている溶液に、酢酸(0.350mL、6.12mmol)を加え、それに続いて固体のテトラエチルアンモニウムフルオリド(0.877g、5.88mmol)を一度に加えた。混合物を室温に温め、20時間撹拌した。次いで、混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮すると、粗製物を油として与えた。油をDCMに吸収させ、自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中1~10%勾配のMeOH)は、所望の生成物及びテトラエチルアンモニウムアセテートからなる300mgの薄片状白色固体を与えた。混合物をMeOHに吸収させ、セライト上に固定化した。第二の自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、DCM中1~10%勾配のMeOH)は、標記化合物(0.228g、収率47%)を白色粉末状固体として与えた。NMR分析は、恐らくはカルバマートの結合の1つの周りの回転異性体である、5:1の比率のシグナルを示した(ヌクレオ塩基と関連するほとんどのシグナルはダブルであるか、又はシングルだがブロード化している):1H NMR(400MHz,DMSO-d6,メジャー回転異性体のみ)δ 10.30(s,1H),7.38(d,J=8.2Hz,1H),6.85(t,J=5.8Hz,1H),5.75(d,J=5.8Hz,1H),5.69(dd,J=8.4Hz,2.2Hz,1H),5.32(d,J=5.9Hz,1H),5.10-5.00(m,2H),3.99(q,J=5.6Hz,1H),3.94(q,J=4.7Hz,1H),3.83-3.76(m,1H),3.63-3.46(m,2H),3.04(q,J=6.5Hz,1H),1.46-1.36(m,2H),1.32-1.19(m,8H),0.86(t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(100MHz,CD3OD,メジャー回転異性体ピークのみ)δ 157.5,150.8,149.3,135.3,97.5,89.9,86.1,75.0,71.5,64.7,62.5,41.9,32.9,30.8,30.1,27.7,23.6,14.4;C17H29N4O7[M+H]+に対するHRMS計算値:401.20308,実測値:401.20319.
【0178】
実施例17.
【化37】
S12:S8の無水DMF(56mL)溶液を、1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメタンアミン(9.4mL、70.6mmol)により処理した。室温で18時間後、反応混合物を濃縮乾固し、粗製の白色固体をエーテル(3×100mL)でトリチュレートした。固体を、濾過により回収し、高真空下で12時間乾燥させると、S12(4.52g、95%)を白色の固体として与えた:
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 8.67(s,1H),7.99(d,J=7.3Hz,1H),6.14(d,J=7.2Hz,1H),5.87(d,J=2.4Hz,1H),4.92(dd,J=6.3,2.4Hz,1H),4.84(dd,J=6.3,3.5Hz,1H),4.25(q,J=4.7,1H),3.81(dd,J=11.9,3.6Hz,1H),3.73(dd,J=11.9,4.6Hz,1H),3.22(s,3H),3.14(s,3H),1.55(s,3H),1.34(s,3H).
【0179】
S13:3-ヘキサデシルオキシプロパン-1-オール(1.58g、5.26mmol)及びDIPEA(0.92mL、5.26mmol)の無水アセトニトリル(25mL)中の懸濁液を、10分かけて滴下して3-((クロロ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ)オキシ)-プロパンニトリル(1.2mL、5.26mmol)により処理した。室温で18時間後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(15mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相をロータリーエバポレーションにより濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(カラム体積25mm×140mm、ヘキサン中10~20%勾配のEtOAc)は、S13(1.40g、53%)を白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.89-3.54(m,6H),3.49(t,J=6.3Hz,2H),3.39(t,J=6.7Hz,2H),2.64(t,J=6.6Hz,2H),1.87(p,J=6.3Hz,2H),1.57(p,J=6.3Hz,2H),1.25(s,26H),1.18(dd,J=6.8,3.5Hz,12H),0.87(t,J=6.6Hz,3H);31P NMR(162MHz,CDCl3)δ 147.40.
【0180】
S14:S12(800mg、2.36mmol)及びS13(2.15g、4.29mmol)の無水THF(20mL)溶液を滴下して、テトラゾールの溶液(アセトニトリル中0.45M溶液の19mL、8.59mmol)により処理した。室温で19時間後、混合物を滴下して、tert-ブチルヒドロペルオキシドのノナン溶液(5.5M溶液の1.9mL、10.73mmol)により処理し、撹拌をさらに1時間続けた。過剰なtert-ブチルヒドロペルオキシドを飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(50mL)でクエンチし、混合物を45分間撹拌し、次いで酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相をロータリーエバポレーションにより濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(25mm×180mmカラム体積、DCM中0~5%勾配のMeOH)は、S14(1.2g、80%)を、ジアステレオマーの混合物、泡として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3,ジアステレオマー混合物)δ 7.38(d,J=7.6Hz,1H,ジアステレオマーa),7.37(d,J=7.6,1H,ジアステレオマーb),5.78(d,J=7.3Hz,1H),5.54(d,J=5.6,1H,ジアステレオマーa),5.53(d,J=5.6,1H,ジアステレオマーb),5.14(ddd,J=6.5,3.1,1.4Hz,1H),4.93(dt,J=7.0,3.6Hz,1H),4.34(td,J=7.4,6.8,4.8Hz,3H),4.28-4.08(m,4H),3.48(t,J=6.1,2H),3.38(t,J=6.8,2H),2.78(t,J=6.5Hz,2H,ジアステレオマーa),2.75(t,J=6.5Hz,2H ジアステレオマーb),1.93(m,2H),1.55(s,5H),1.34(s,3H),1.25(s,26H),0.87(t,J=6.8,3H);13C NMR(101MHz,CDCl3,ジアステレオマー混合物)δ 166.26,155.40,144.20,144.16,116.62,116.59,113.93,97.45,97.38,95.74,95.69,86.73,86.64,86.54,84.90,84.80,81.87,81.66,71.23,67.84,67.79,67.69,67.64,66.25,66.22,66.03,65.97,62.08,62.03,31.90,30.51,30.50,30.44,30.43,29.68,29.67,29.64,29.61,29.52,29.34,27.06,27.04,26.13,25.23,25.21,22.67,19.57,19.50,14.12;31P NMR(162MHz,CDCl3,ジアステレオマー混合物)δ -1.75,-1.83;LRMS m/z 699.4[M+H]+.
【0181】
S15:S14(310mg、0.44mmol)のTHF(4mL)溶液を、pH5のヒドロキシルアミンの2M水溶液(1.1mL、2.2mmol)により、撹拌しながら50℃で処理した。19時間後、TLC(塩化メチレン中10%メタノール)は、より非極性成分へのおよそ50%転化を示した。追加のヒドロキシルアミン及び延長した反応時間は、転化率を50%より高く増加させなかった。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(100mL)とブライン(10mL)の間で分配させた。有機相を濃縮し、粗製物のフラッシュクロマトグラフィー(カラム体積19mm×170mm、DCM中1~5%勾配のMeOH)は、S15(70mg、22%)を、ジアステレオマーの1:1混合物で、泡として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.94(s,1H),6.60(d,J=8.1,1H,ジアステレオマーa),6.58(d,J=8.1,1H,ジアステレオマーb),5.67(d,J=8.1,1H,ジアステレオマーa),5.65(d,J=8.1,1H,ジアステレオマーb),5.59(d,J=2.1Hz,1H,ジアステレオマーa),5.55(d,J=2.1Hz,1H,ジアステレオマーb),4.98(m,1H),4.84(m,1H),4.35-4.10(m,6H),3.48(t,J=6.1Hz,2H),3.38(t,J=6.7,2H),2.76(m,2H),1.94(m,2H),1.59-1.49(m,5H),1.34(s,3H),1.24(s,26H),0.87(t,J=6.7Hz,3H);31P NMR(162MHz,CDCl3,ジアステレオマー混合物)δ -1.57,-1.64.LRMS m/z 715.3[M+H]+.
【0182】
EIDD-2108:S15(62mg、0.087mmol)のメタノール(4mL)溶液を、触媒量のパラ-トルエンスルホン酸(3.3mg、0.017mmol)で処理した。室温で16時間撹拌した後、混合物を飽和水酸化アンモニウム水溶液(1.5mL)で処理し、さらに4時間室温で撹拌したままにした。混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、生じた残渣をメタノール中5%アセトニトリル(2×15mL)でトリチュレートした。生じた白色固体をフラッシュクロマトグラフィー(11mm×45mmカラム体積、DCM中25%MeOH、2.5%v/v飽和NH4OH水溶液)により精製すると、標記化合物(25mg、46%)を白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.21(d,J=8.2Hz,1H),5.95(d,J=5.5Hz,1H),5.67(d,J=8.2Hz,1H),4.22-4.16(m,2H),4.07-3.98(m,3H),3.94(q,J=6.3Hz,2H),3.52(t,J=6.3Hz,2H),3.41(t,J=6.6Hz,2H),1.87(p,J=6.3Hz,2H),1.53(q,J=6.9Hz,2H),1.28(s,28H),0.92-0.85(m,3H);13C NMR(101MHz,CD3OD)δ 150.45,144.99,130.77,98.13,87.51,83.39,83.30,72.98,70.72,70.55,66.89,64.80,62.51,62.46,31.66,30.71,30.63,29.38,29.35,29.24,29.07,25.87,22.33,13.07;31P NMR(162MHz,CD3OD)δ 0.34;C28H51N3O10P[M-H]-に対するHRMS計算値:620.33175;実測値,620.33205.
【0183】
実施例18.
【化38】
S16:2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロシチジン(0.526g、2.00mmol)及びイミダゾール(0.408g、6.00mmol)のDMF(10ml)溶液に、TBSトリフラート(1.147ml、5.00mmol)を0℃でアルゴン下で加えた。生じた混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、それをゆっくりと室温に温め、一晩撹拌した。Et
2Oと水の間で分配した後、有機層を分離し、H
2O及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(24gカラム、DCM中0~12.5%勾配のMeOH)は、S16(0.71g、72%)を透明な無色の油として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.23(s,1H),7.71(d,J=7.6Hz,1H),6.72(s,1H),6.25(dd,J=10.4Hz,4.2Hz,1H),5.97(d,J=7.6Hz,1H),4.30(m,1H),3.98(m,1H),3.89(m,1H),3.79(dd,J
=11.8Hz,2.1Hz,1H),0.93(s,9H),0.90(s,9H),0.11(t,J=4.1Hz,12H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 164.6,154.6,140.8,121.9(t,J=259Hz),95.7,84.1(dd,J=40Hz,24Hz),81.3(d,J=9Hz),77.2,69.7(dd,J=28Hz,18Hz),60.1,53.4,25.8,25.5,18.3,18.0,-4.8,-5.3,-5.49,-5.52;
19F NMR(376MHz,CDCl
3)δ -115.95(dd,J=238.4Hz,12.1Hz),-117.55(dt,J=239.1Hz,10.7Hz);C
21H
40O
4N
3F
2Si
2[M+H]
+に対するHRMS計算値:492.25199,実測値:492.25172.
【0184】
S17:S16(0.250g、0.508mmol)のTHF(5.1mL)溶液に、pH6の2Nのヒドロキシルアミン水溶液(6.4mL、12.71mmol)を加え、生じた混合物を55℃で1.5日間撹拌した。EtOAcとH2Oの間で分配した後、水層を分離し、EtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(24gカラム、DCM中0~7.5%勾配のMeOH)は、S17(0.124g、48%)を白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.69(s,1H),8.34(s,1H),6.94(d,J=8.2Hz,1H),6.13(dd,J=11.0Hz,4.8Hz,1H),5.62(d,J=8.3Hz,1H),4.30(dq,J=12Hz,4Hz,1H),3.95(d,J=12Hz,1H),3.83(d,J=4Hz,1H),3.77(dd,J=12Hz,4Hz,1H),0.92(s,9H),0.90(s,9H),0.18-0.03(m,12H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 149.1,144.8,130.2,122.1(t,J=259Hz),98.4,83.4(dd,J=40Hz,24Hz),80.8(d,J=9Hz),69.8(dd,J=27Hz,18Hz),77.2,60.0,25.8,25.5,18.3,18.0,4.8,-5.3,-5.5,-5.6;19F NMR(376MHz,CDCl3)δ -115.67(dd,J=239.5Hz,12.4Hz),-117.02(dt,J=239.4Hz,10.8Hz);C21H40O5N3F2Si2[M+H]+に対するHRMS計算値:508.24691,実測値:508.24697.
【0185】
EIDD-2133:S17(0.220g、0.433mmol)とNH4F(0.128g、3.47mmol)のMeOH(22mL)中の混合物を還流下で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM中5~10%勾配のMeOH)は、やや純粋な生成物を与えた。さらに2回のフラッシュクロマトグラフィー精製後(所望のものは未知の不純物と共に溶離し、TLCでKMnO4により瞬時に染色され得なかったフラクションのみ回収した)、標記化合物(18mg、収率15%)を白色の固体として得た:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.05(d,J=8.3Hz,1H),6.06(m,1H),5.59(d,J=8.3Hz,1H),4.21(m,1H),3.90(d,J=12.6Hz,1H),3.81(td,J=12Hz,4Hz,1H),3.74(dd,J=12Hz,4Hz,1H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ 151.1,145.7,131.5,124.1(t,J=256Hz),99.3,84.8(dd,J=39Hz,26Hz),82.0(d,J=9Hz),70.7(dd,J=26Hz,21Hz),60.6.19F NMR(376MHz,CD3OD)δ 118.62(ddd,J=240.2Hz,13.4Hz,6.1Hz),-119.67(ブロードd,J=240.7Hz);C9H12O5N3F2[M+H]+に対するHRMS計算値:280.07395,実測値:280.07347.
【0186】
実施例19.
【化39】
S18:窒素下の2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロシチジン(0.526g、1.998mmol)の0℃のTHF(13.32ml)中の懸濁液に、シリンジにより、t-ブチルマグネシウムクロリドの1M THF溶液(4.00mL、4.00mmol)を滴加し、生じた混合物を同じ温度で30分間撹拌した。S7(1.770g、4.00mmol)の0℃のTHF(13.32mL)溶液をシリンジにより滴加し、混合物を放置して室温に温め、さらに24時間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、飽和NH
4Cl水溶液で注意深くクエンチした。混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、得られた固体をMeOHに再溶解させ、セライトのプラグに通して濾過し、プラグをMeOHによりすすいだ。濾液をロータリーエバポレーションにより濃縮し、自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中0~15%勾配のMeOH)は、S18(0.620g、58%)を、茶色の泡として、ジアステレオマー混合物として与えた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD,ジアステレオマー混合物)δ 7.60(dd,J=26.1Hz,7.4Hz,1H),7.43-7.30(m,2H),7.31-7.12(m,3H),6.26(q,J=7.7Hz,1H),5.92(dd,J
=21.2Hz,7.2Hz,1H),4.97(m,1H),4.60-4.30(m,2H),4.29-4.15(m,1H),4.10(m,1H),3.88(m,1H),1.33(t,J=8.0Hz,3H),1.22(m,6H);
13C NMR(100MHz,CD
3OD,ジアステレオマー混合物)δ 174.61,174.57,174.35,174.30,167.18,154.42,152.15,152.08,142.62,142.52,139.86,130.84,130.20,126.30,124.17,121.49,121.44,80.45,70.18,69.95,66.90,65.69,51.88,51.72,21.97,21.94,21.91,21.89,21.85,21.25,21.19,20.52,20.45,20.34,20.26,15.44;
19F NMR(376MHz,CD
3OD)δ -118.20(dd,J=238.6Hz,73.5Hz,),-120.20(d,J=237.0Hz);
31P NMR(162MHz,CD
3OD)δ 3.81,3.74;C
21H
28O
8N
4F
2P[M+H]
+に対するHRMS計算値:533.16073,実測値:533.16038.
【0187】
EIDD-2091:S18(0.266g、0.500mmol)のTHF(5mL)中の懸濁液に、pH6の2Nヒドロキシルアミン水溶液(6.3ml、12.49mmol)を加え、生じた混合物を37℃で1.5日間撹拌した。反応物(TLCにより未完了)をEtOAcとH2Oの間で分配した。水層をEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層をH2O及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(24gカラム、DCM中0~10%勾配のMeOH)は、標記化合物(34mg、12%)を、ジアステレオマーの混合物で白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CD3OD,ジアステレオマー混合物)δ 7.36(t,J=7.7Hz,2H),7.28-7.12(m,3H),6.78(t,J=9.0Hz,1H),6.09(q,J=8Hz,1H),5.55(dd,J=19.8Hz,8.3Hz,1H),4.97(sept,J=6.3Hz,1H),4.63-4.27(m,3H),4.20(m,1H),4.10-3.96(m,1H),3.95-3.76(m,1H),1.33(t,J=7.8Hz,3H),1.22(m,6H);13C NMR(100MHz,CD3OD,ジアステレオマー混合物)δ 174.58,174.54,174.36,174.31,152.14,152.07,150.98,145.48,131.51,131.34,130.83,126.26,121.39,121.37,121.34,121.32,99.77,85.24,84.60,80.02,79.93,79.88,79.78,71.52,71.30,71.05,70.83,70.18,65.78,65.72,65.49,65.44,51.79,51.66,49.64,49.43,49.21,49.00,48.79,48.57,48.36,21.97,21.89,20.54,20.48,20.39,20.31;19F NMR(376MHz,CD3OD)δ -118.04(dd,J=240.8,22.2Hz),-119.47(d,J=242.6Hz);31P NMR(162MHz,CD3OD)δ 3.76,3.69;C21H27O8N4F2NaP[M+Na]+に対するHRMS計算値:571.13759,実測値:571.13708.
【0188】
実施例20.
【化40】
S19:リン酸トリメチル(4.68mL、40.0mmol)のMeCN(40.0mL)溶液に、ピバル酸クロロメチル(23mL、160mmol)及びNaI(17.98g、120mmol)を連続的に加えた。生じた黄色の混合物を、4Åモレキュラーシーブの存在下で、還流下で一晩撹拌した。生成物は、TLCプレート上でリンモリブデン酸により可視化できた。室温に冷却した後、反応物をセライトのプラグに通して濾過し、ロータバップで濃縮した。得られた黄色の残渣をEt
2Oに再溶解させ、H
2O、ブラインで洗浄し、最後にNa
2SO
4で乾燥させた。有機液を合わせ、ロータバップで濃縮させると、茶色がかった赤の残渣を与えた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10~20%勾配のEtOAc)は、S19(11.24g、収率63.8%)を薄黄色の液体として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 5.67(s,3H),5.64(s,3H),1.23(s,27H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 176.6,82.7(d,J=5Hz),38.7,26.8;
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ -5.24;C
18H
33O
10NaP[M+Na]
+に対するHRMS計算値:463.17035,実測値:463.17022.
【0189】
S20:S19のピペリジン(51.0mL、25.5mmol)溶液を室温で7時間撹拌した。反応物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、次いでCH2Cl2に再溶解させた。有機溶液を約0.5Nの氷冷HCl(4×200mL)及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。濾過及びロータリーエバポレーションによる濃縮後、黄色の残渣を凍結乾燥させると、S19(8.1g、97%)を薄黄色のワックスとして与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 12.20(s,1H),5.61(s,2H),5.57(s,2H),1.21(s,18H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 177.2,82.7,38.7,26.8;31P NMR(162MHz,CDCl3)δ -3.58;C12H24O8P[M+H]+に対するポジティブモードHRMS計算値:327.12033,実測値:327.12053;C12H22O8P[M-H]-に対するネガティブモードHRMS計算値:325.10578,実測値:325.10568.
【0190】
EIDD-2135:トリエチルアミン(0.362mL、2.60mmol)を、S20(0.782g、2.398mmol)のTHF(8mL)溶液に加えることにより、トリエチルアンモニウムビス(POM)ホスファートの溶液を調製した。窒素下のEIDD-1931(0.518g、1.998mmol)のTHF(32mL)溶液に、トリエチルアンモニウムビス(POM)ホスファートの調製した溶液を室温で加え、次いでそれを0℃に冷却した。DIPEA(1.392mL、7.99mmol)、BOP-Cl(1.017g、4.00mmol)及び3-ニトロ-1H-1,2,4-トリアゾール(0.456g、4.00mmol)を、反応物に連続的に加え、生じた混合物を0℃で6時間撹拌し、それに続いて室温に温め、一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcと飽和NaHCO3水溶液との間で分配した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中0~10%勾配のMeOH)は、標記化合物(30.mg、2.6%)を白色の泡として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 10.25(s,1H),7.43(d,J=8.2Hz,1H),6.83(d,J=8.1Hz,1H),5.99-5.42(m,6H),4.58-4.00(m,5H),3.89(m,2H),1.21(s,18H);31P NMR(162MHz,CDCl3)δ -4.77,-5.16;C21H34O13N3NaP[M+Na]+に対するHRMS計算値:590.17215,実測値:590.17171.
【0191】
実施例21.
【化41】
EIDD-2159:50%w/w NH
2OH水溶液を氷酢酸により調整し、次いで水で希釈して、所望の濃度を得ることにより、2Nヒドロキシルアミン(30.0mL、60.0mmol)水溶液を作製した。密封可能圧力容器に、上記溶液、L-シチジン(0.486g、2.0mmol)、及び撹拌子を入れた。容器を密封し、混合物を50℃で40時間加熱した。混合物を室温に冷却し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製の残渣を水に溶解させ、自動化逆相フラッシュクロマトグラフィー(100gカラム、100%水から100%MeCNへの勾配)は、300mgのやや純粋な材料を黄色薄片状固体として与えた。化合物をMeOHに吸収させ、セライトに固定化した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、DCM中10~25%MeOHの勾配)は、吸蔵された溶媒をいくらか含む約150mgの白色薄片状固体を与えた。残渣を水に溶かし、ドライアイス/アセトン浴中で凍らせ、凍結乾燥させると、標記化合物(0.128g、0.494mmol、収率25%)を灰白色綿状の固体として与えた。スペクトル分析は90~95%の純度を示した;不純物は未知であり、クロマトグラフィーにより分離不可能であった。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ 7.04(d,J=8.3Hz,1H),5.83(d,J=5.7Hz,1H),5.72(d,J=8.2Hz,1H),4.27(t,J=5.5Hz,1H),4.16(t,J=4.7Hz,1H),4.03(q,J=3.9Hz,1H),3.80(dd,J=12.9Hz,3.0Hz,1H),3.72(dd,J=12.9Hz,4.2Hz,1H);
13C NMR(100MHz,D
2O)δ 151.1,146.5,131.2,98.6,87.8,83.9,72.4,69.7,60.9;C
9H
14N
3O
6[M+H]
+に対するHRMS計算値:260.08771,実測値:260.08734.
【0192】
実施例22.
【化42】
S21:丸底フラスコに、1-β-D-アラビノフラノシルウラシル(4.88g、20.0mmol)及びジクロロメタン(40mL)を入れた。生じた混合物を0℃に冷却し、4-DMAP(0.244g、2.00mmol)及びイミダゾール(5.45g、80.0mmol)を一度に加えた。TBSCl(12.06g、80.0mmol)を固体として一度に加え、混合物を周囲温度に温め、16時間撹拌した。水(100mL)を反応混合物に加え、層を分離し、水層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し(1×100mL)、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、約12gの粗製物を与えた。
1H NMR及びLCMS分析は、ビス-シリル化生成物とペルシリル化生成物の3:1の比率を示した。粗製物をジクロロメタン(40mL)に再溶解させ、イミダゾール(2.04g、30.0mmol)及び4-DMAP(0.122g、1.00mmol)を一度に加えた。TBSトリフラート(6.89mL、30.0mmol)をシリンジにより滴加し、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。水(100mL)を反応混合物に加え、層を分離し、水層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、約25gの粗製物を与えた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(330gカラム、ヘキサン中5~60%勾配のEtOAc)は、S21(2.90g、25%)を透明な無色油として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.93(br s,1H),7.51(d,J=8.2Hz,1H),6.15(d,J=3.2Hz,1H),5.67(dd,J=8.2Hz,2.8Hz,1H),4.18(s,1H),4.12(dd,J=3.2Hz,1.3Hz,1H),3.97(dd,J=8.6Hz,5.8Hz,1H),3.82(dd,J=9.8Hz,5.7Hz,1H),3.74(dd,J=9.7Hz,8.6Hz,1H),0.92(s,9H),0.91(s,9H),0.84(s,9H),0.13(s,3H),0.12(s,3H),0.09(s,3H),0.08(s,3H),0.07(s,3H),-0.06(s,3H);LRMS m/z 587.3[M+H]
+,609.3[M+Na]
+.
【0193】
S22:窒素下のS21(2.90g、4.94mmol)及び4-DMAP(0.060g、0.49mmol)の0℃のジクロロメタン(50mL)中の撹拌されている溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.30mL、24.70mmol)をシリンジにより加え、それに続いて固体の2,4,6-トリイソプロピルベンゼン-1-スルホニルクロリド(2.99g、9.88mmol)を一度に加えた。混合物を周囲温度に温め、4時間撹拌し、次いで0℃に再冷却した。混合物を氷冷された飽和NaHCO3水溶液(3×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製の油をジクロロメタンに吸収させ、自動化フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ヘキサン中1~10%勾配のEtOAc)は、S22(3.30g、78%)を透明な無色の油として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.92(d,J=7.3Hz,1H),7.20(s,2H),6.10(d,J=3.0Hz,1H),6.05(d,J=7.3Hz,1H),4.33-4.23(m,3H),4.14(s,1H),4.01(dd,J=8.8Hz,6.2Hz,1H),3.80(dd,J=9.6Hz,6.2Hz,1H),3.70(t,J=9.3Hz,1H),2.90(p,J=7.0Hz,1H),1.32-1.22(m,21H),0.91(s,9H),0.89(s,9H),0.72(s,9H),0.10(s,6H),0.08(s,3H),0.07(s,3H),-0.03(s,3H),-0.34(s,3H).
【0194】
S23:窒素下のS22(3.30g、3.87mmol)の0℃のアセトニトリル(40mL)中の撹拌されている溶液に、トリエチルアミン(1.08mL、7.73mmol)をシリンジにより加え、それに続いて固体のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.537g、7.73mmol)を一度に加えた。混合物を周囲温度に温め、16時間撹拌した。混合物を0℃に再冷却し、飽和NaHCO3水溶液(80mL)を加えた。混合物をジクロロメタン(3×80mL)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ジクロロメタン中5~20%勾配のEtOAc)にかけると、やや純粋な材料を与えた。第二の自動化フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ヘキサン中5~50%勾配のEtOAc)は、S23(1.17g、50%)を白色の薄片状固体として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.20(br s,1H),6.90(d,J=8.4Hz,1H),6.42(s,1H),6.12(d,J=3.4Hz,1H),5.51(dd,J=8.3Hz,1.8Hz,1H),4.15(br m,1H),4.07(dd,J=3.4Hz,1.4Hz,1H),3.91(dd,J=8.2Hz,6.4Hz,1H),3.80(dd,J=9.8Hz,5.6Hz,1H),3.74(dd,J=9.8Hz,8.6Hz,1H),0.91(s,9H),0.90(s,9H),0.86(s,9H),0.12(s,3H),0.11(s,3H),0.08(s,3H),0.07(s,6H),-0.02(s,3H);LRMS m/z 602.3[M+H]+.
【0195】
EIDD-02200:窒素下のS23(0.602g、1.00mmol)の室温のTHF(8mL)中の撹拌されている溶液に、トリエチルアミン三フッ化水素塩(0.163mL、1.00mmol)をシリンジにより滴加した。混合物を周囲温度で4日間撹拌した。反応混合物にセライトを加え、ロータリーエバポレーションにより粗製物がセライトに固定化された。自動化フラッシュクロマトグラフィー(24gカラム、ジクロロメタン中5~25%勾配のMeOH)は、600mgのやや純粋な生成物を与えた。混合物を水に吸収させ、自動化逆相フラッシュクロマトグラフィー(43gカラム、水中0~15%勾配のアセトニトリル)は、不純物を含まない所望の生成物を与えた。固体を水に溶解させ、ドライアイス/アセトン浴中で凍らせ、凍結乾燥させると、標記化合物(0.164g、収率63%)を白色の綿状固体として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.13(d,J=8.3Hz,1H),6.07(d,J=4.4Hz,1H),5.51(d,J=8.3Hz,1H),4.10(dd,J=4.5Hz,1.3Hz,1H),4.03(t,J=3.4Hz,1H),3.87-3.72(m,3H);1H NMR(400MHz,D2O)δ 7.08(d,J=8.3Hz,1H),6.09(d,J=5.6Hz,1H),5.67(d,J=8.3Hz,1H),4.33(t,J=5.4Hz,1H),4.06(t,J=5.6Hz,1H),3.89-3.86(m,2H),3.76(dd,J=13.1Hz,6.1Hz,1H);13C NMR(100MHz,D2O)δ 150.9,146.8,132.8,97.0,84.1,82.1,75.8,74.8,60.4;LRMS m/z 260.1[M+H]+.
【0196】
実施例23.
【化43】
S24:窒素下のEIDD-1931(1.25g、4.82mmol)の室温の乾燥アセトン(60mL)中の撹拌されている懸濁液に、濃H
2SO
4(0.05mL、0.964mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。トリエチルアミン(0.27mL、1.93mmol)を加えて酸を中和し、混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ジクロロメタン中0~10%勾配のメタノール)は、S24(0.831g、58%)を白色の固体として与えた:
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 7.03(d,J=8.2Hz,1H),5.81(d,J=3.2Hz,1H),5.58(d,J=8.2Hz,1H),4.86(dd,J=6.5Hz,3.2Hz,1H),4.79(dd,J=6.4Hz,3.6Hz,1H),4.10(q,J=4.0Hz,1H),3.75(dd,J=11.9Hz,3.7Hz,1H),3.70(dd,J=12.0Hz,4.5Hz,1H),1.54(s,3H),1.35(s,3H).
【0197】
S25:窒素下のS24(0.831g、2.78mmol)の室温のジクロロメタン(14mL)中の撹拌されている懸濁液に、トリエチルアミン(0.58mL、4.16mmol)及び4-DMAP(3.4mg、0.028mmol)を加え、混合物を室温で15分間撹拌した。4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(0.988g、2.92mmol)のジクロロメタン(14mL)溶液を滴加し、混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物をブライン(1×30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(9:1ヘキサン:EtOAc、2.5%v/v Et3N)は、S25(1.39g、83%)を黄色い泡として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.35-7.20(m,10H),7.01(d,J=8.3Hz,1H),6.85-6.80(m,4H),5.80(d,J=3.0Hz,1H),5.52(d,J=8.2Hz,1H),4.84(dd,J=6.4Hz,3.0Hz,1H),4.77(dd,J=6.4Hz,3.6Hz,1H),4.10(q,J=4.0Hz,1H),3.73(dd,J=11.9Hz,3.6Hz,1H),3.68(dd,J=12.0Hz,4.6Hz,1H),1.53(s,3H),1.34(s,3H).
【0198】
S27:窒素下のS26(0.523g、2.56mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.46mL、2.64mmol)の0℃のアセトニトリル(5mL)中の撹拌されている溶液に、S25(0.300g、0.499mmol)を加えた。生じた混合物を室温に温め、22時間撹拌し、次いでEtOAc(50mL)で希釈し、ブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製の残渣を、さらに精製せずに、直接次の工程に持ち越した。
【0199】
EIDD-2207:先の工程で調製した粗製S27の全体を80%w/wギ酸水溶液(10mL)と混合し、混合物を室温で20時間撹拌した。混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ジクロロメタン中0~15%勾配のメタノール)は、標記化合物(0.104g、2工程で48%)を黄色い泡として、リンでの約1:1ジアステレオマー混合物で与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD,ジアステレオマー混合物)δ 7.41-7.35(m,1H),7.26-7.18(m,2H),7.12(d,J=8.3Hz,1H),6.75(d,J=8.3Hz,0.5x1H),6.69(d,J=8.3Hz,0.5x1H),5.79(d,J=4.8Hz,0.5x1H),5.75(d,J=4.8Hz,0.5x1H),5.54-5.42(m,2H),5.46(d,J=8.2Hz,0.5x1H),5.32(d,J=8.2Hz,0.5x1H),4.56-4.25(m,2H),4.13-4.02(m,3H);31P NMR(162MHz,CD3OD,ジアステレオマー混合物)δ -9.13,-9.33;C16H18N3O9PNa[M+Na]+に対するHRMS計算値:450.06729;実測値:450.06777.
【0200】
実施例24.
【化44】
EIDD-2216:約5Nのヒドロキシルアミン塩酸塩(4.71g、67.8mmol)の水(13.5mL)溶液を調製し、少量のNaOH水溶液(10%w/w)でpH=6に調整した。密封可能な圧力管にこの溶液及び[1’,2’,3’,4’,5’-
13C
5]シチジン(0.661g、2.26mmol)を入れ、フラスコを密封し、撹拌しながら37℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製の材料を水に吸収させ、自動化逆相フラッシュクロマトグラフィー(240g C18カラム、水中0~100%勾配のアセトニトリル)は、大部分の不純物を除いて、1.4gの湿った固体を与えた。この固体を水に溶解させ、第二の自動化逆相クロマトグラフィー(240g C18カラム、水中0~100%勾配のアセトニトリル)はより多くの不純物を除いて、400mgのやや純粋な材料を与えた。材料をMeOHに溶解させ、セライトに固定化した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(24gカラム、ジクロロメタン中5~25%勾配のMeOH)は、約200mgのほぼ純粋な生成物を与えた。固体を水に溶解させ、最後の自動化逆相クロマトグラフィー(48g C18カラム、水中0~100%勾配のアセトニトリル)は、有機及び無機不純物のない所望の生成物を与えた。固体を水に溶解させ、ドライアイス/アセトン浴中で凍らせ、凍結乾燥させると、標記化合物(0.119g、20%)を、NMR/LCMS分析により約95%の純度の薄紫色の綿状の固体として与えた:
1H NMR(400MHz,D
2O)δ 7.03(dd,J=8.2Hz,2.2Hz,1H),5.82(ddd,J=167.5Hz,5.3Hz,2.9Hz,1H),5.70(d,J=8.2Hz,1H),4.47-4.30(br m,1H),4.23-4.03(br m,1H),4.00-3.80(br m,2H),3.65-3.50(br m,1H);
13C NMR(100MHz,D
2O)δ 151.3,146.6,131.3,98.7,87.9(dd,J=43.1Hz,4.0Hz),84.0(dd,J=41.5Hz,38.0Hz),72.5(dd,J=43.3Hz,37.8Hz),69.8(td,J=37.9Hz,3.9Hz),61.1(d,J=41.5Hz);LRMS m/z 265.1[M+H]
+.
【0201】
実施例25.
【化45】
S28:密封可能な圧力管に、ウリジン(1.00g、4.09mmol)、K
2CO
3(0.679g、4.91mmol)、及び重水(8.2mL)を入れた。混合物を15分間窒素置換し、管を密封し、内容物を撹拌しながら95℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、管を開き、混合物を丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。生じた粗製物をMeOH(×3)と同時蒸発させて、水を除いた。NMR分析は、ヌクレオ塩基の5位での95%を超える重水素組込みを示した。薄茶色固体S28(1.00g、100%)をさらに精製せずに次の工程に使用した:
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 7.76(s,1H),5.88(d,J=4.2Hz,1H),4.17-4.12(m,2H),4.00-3.96(m,1H),3.84(dd,J=12.3Hz,2.8Hz,1H),3.72(dd,J=12.3Hz,3.5Hz,1H);
13C NMR(100MHz,CD
3OD)δ 185.6,177.4,160.4,141.1,91.8,85.8,75.9,71.2,62.4.
【0202】
S29:丸底フラスコに、S28(1.00g、4.09mmol)及びジクロロメタン(8mL)を窒素下で入れた。生じた混合物を0℃に冷却し、4-DMAP(0.050g、0.408mmol)及びイミダゾール(1.11g、16.3mmol)を一度に加えた。TBSCl(2.15g、14.3mmol)を固体として一度に加え、混合物を周囲温度に温め、16時間撹拌した。水(25mL)を反応混合物に加え、層を分離し、水層をジクロロメタン(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ヘキサン中0~35%勾配のEtOAc)は、S29(2.52g、84%)を灰白色の泡として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.08(br s,1H),8.03(s,1H),5.89(d,J=3.6Hz,1H),4.12-4.06(m,3H),3.99(dd,J=11.5Hz,1.8Hz,1H),3.76(d,J=12.0Hz,1H),0.96(s,9H),0.92(s,9H),0.90(s,9H),0.14(s,3H),0.13(s,3H),0.10(s,3H),0.09(s,3H),0.08(s,3H),0.07(s,3H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 163.7,150.3,140.3,89.0,84.3,76.1,70.5,61.6,26.0(3C),25.8(3C),25.7(3C),18.4,18.3,17.9,-4.2,-4.6,-4.8,-4.9,-5.4,-5.6;C27H54DN2NaO6Si[M+Na]+に対するHRMS計算値:610.32446,実測値:610.32482.
【0203】
S30:窒素下のS29(0.840g、1.43mmol)の0℃のアセトニトリル(14.3mL)中の撹拌されている溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(0.545g、2.86mmol)、4-DMAP(0.175g、1.43mmol)、及びトリエチルアミン(0.80mL、5.71mmol)を連続的に加えた。混合物を0℃で2.5時間撹拌し、その時点でヒドロキシルアミン塩酸塩(0.993g、14.3mmol)を固体として一度に加えた。混合物を50℃で3日間加熱し、次いで室温に冷却した。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、次いで水(2×100mL)及びブライン(1×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ヘキサン中の5~35%勾配のEtOAc)は、出発物質と所望の生成物の混合物をもたらした。第二の自動化フラッシュクロマトグラフィー(24gカラム、ヘキサン中の10~40%勾配のEtOAc)は、S30(0.332g、39%)を灰白色泡として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.37(br s,1H),5.92(d,J=4.6Hz,1H),4.10-4.05(m,2H),4.04-4.00(m,1H),3.91(dd,J=11.6Hz,2.4Hz,1H),3.73(dd,J=11.6Hz,1.8Hz,1H),0.95(s,9H),0.92(s,9H),0.89(s,9H),0.12(s,6H),0.10(s,3H),0.08(s,3H),0.06(s,3H),0.05(s,3H).
【0204】
EIDD-2261:丸底フラスコに、S30(0.332g、0.551mmol)、テトラメチルアンモニウムフルオリド(0.196g、2.64mmol)、THF(8.25mL)、及びDMF(2.75mL)を、窒素下で0℃で入れた。酢酸(0.157mL、2.75mmol)をシリンジにより一度に加えた。混合物を45℃に温め、撹拌しながら4日間加熱し、次いで、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中0~20%勾配のMeOH)は、標記化合物(0.106g、74%)を白色の固体として与えた。最終的なNMR分析は、ヌクレオ塩基の5位での95%を超える重水素組込みを示した:1H NMR(400MHz,D2O)δ 7.16(s,1H),5.85(d,J=5.6Hz,1H),4.14(t,J=5.5Hz,1H),4.10(dd,J=5.6Hz,3.8Hz,1H),3.93(q,J=3.4Hz,1H),3.77(dd,J=12.2Hz,2.9Hz,1H),3.68(dd,J=12.2Hz,3.4Hz,1H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ 151.8,146.3,132.1,89.7,86.1,74.6,71.8,62.8;C9H13DN3O6[M+H]+に対するHRMS計算値:261.09399,実測値:261.09371.
【0205】
実施例26.
【化46】
S31:丸底フラスコに、窒素下で、室温で、S8(3.13g、11.0mmol)及びジクロロメタン(75mL)を入れた。この撹拌されている混合物に、ピリジニウムジクロマート(8.28g、22.0mmol)、無水酢酸(10.4mL、110mmol)及びt-ブタノール(21.1mL、220mmol)を、室温で連続的に加えた。混合物を22時間室温で撹拌し、次いで、水(1×75mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2×75mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(1×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。得られた残渣をEtOAcに吸収させ、セライトプラグに通して濾過し、それに続いてEtOAcで洗浄した。濾液をロータリーエバポレーションにより濃縮し、自動化フラッシュクロマトグラフィー(120gカラム、ヘキサン中40~80%勾配のEtOAc)は、S31(3.10g、72%)を灰白色泡として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.36(br s,1H),7.42(d,J=8.0Hz,1H),5.76(dd,J=8.0Hz,2.3Hz,1H),5.59(s,1H),5.27(dd,J=6.0Hz,1.8Hz,1H),5.19(d,J=6.0Hz,1H),4.62(d,J=1.8Hz,1H),1.56(s,3H),1.48(s,9H),1.39(s,3H).
【0206】
S32:窒素下のS31(2.61g、7.37mmol)の室温のEtOD(75mL)中の撹拌されている溶液にNaBD4(1.234g、29.5mmol)を一度に加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、55℃で6時間加熱し、次いで一晩室温であった。混合物を0℃に冷却し、過剰の試薬をAcODでクエンチした。混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮すると、粗製のS32(2.57g)を与え、それをさらに精製せずに次の工程に直接持ち越した。
【0207】
S33:粗製S32(2.00g不純な材料、約5.74mmol)の0℃のジクロロメタン(70mL)中の撹拌されている懸濁液に、固体のイミダゾール(1.90g、27.9mmol)及び4-DMAP(0.171g、1.40mmol)を加えた。固体のt-ブチルジメチルシリルクロリド(2.11g、14.0mmol)を加え、混合物を室温に温め、4日間撹拌した。混合物を、水及びブライン(それぞれ1×70mL)で連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(120gカラム、ヘキサン中0~35%勾配のEtOAc)は、S33(1.42g、2工程で66%)を白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.30(br s,1H),7.72(m,1H),5.99(d,J=2.8Hz,1H),5.69(dd,J=8.2Hz,2.3Hz,1H),4.77(dd,J=6.1Hz,2.9Hz,1H),4.69(dd,J=6.2Hz,2.8Hz,1H),4.33(d,J=3.0Hz,1H),1.60(s,3H),1.37(s,3H),0.91(s,9H),0.11(s,3),0.10(s,3H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 162.7,149.9,140.5,114.1,102.1,91.9,86.5,85.4,80.3,27.4,25.9(3C),25.4,18.4,-5.4,-5.5;C18H29D2N2O6Si[M+H]+に対するHRMS計算値:401.20714,実測値:401.20663.
【0208】
S34:窒素下のS33(1.42g、3.55mmol)の0℃のアセトニトリル(35mL)中の撹拌されている溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(1.35g、7.09mmol)、4-DMAP(0.433g、3.55mmol)、及びトリエチルアミン(9.88mL、70.9mmol)を連続的に加えた。生じた混合物を0℃で2.5時間撹拌した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.46g、35.5mmol)を加え、混合物を撹拌しながら50℃で2日間撹拌した。混合物を室温に再冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、次いで水(2×50mL)及びブライン(1×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(120gカラム、ジクロロメタン中1~3.5%勾配のメタノール)は、S34(0.416g、28%)を灰白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.36(br s,1H),7.00(m,1H),5.97(d,J=3.1Hz,1H),5.58(d,J=8.2Hz,1H),4.77(dd,J=6.2Hz,3.2Hz,1H),4.68(dd,J=6.3Hz,3.2Hz,1H),4.22(d,J=3.2Hz,1H),1.59(s,3H),1.36(s,3H),0.92(s,9H),0.11(s,3H),0.10(s,3H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 149.0,145.4,131.4,114.1,98.3,90.8,85.5,84.5,80.2,27.4,25.9(3C),25.5,18.4,-5.4,-5.5;C18H29D2N3O6Si[M+H]+に対するHRMS計算値:416.21804,実測値:416.21827.
【0209】
S35:窒素下のS34(0.416g、1.00mmol)の0℃のTHF(5mL)中の撹拌されている溶液に、TBAFの1.0M THF溶液(1.50mL、1.5mmol)を加え、生じた混合物を24時間0℃に保った。反応混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ジクロロメタン中0~8%勾配のメタノール)は、S35(0.257g、85%)を白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.02(m,1H),5.81(d,J=3.2Hz,1H),5.58(d,J=8.2Hz,1H),4.86(dd,J=6.4Hz,3.2Hz,1H),4.79(dd,J=6.5Hz,3.6Hz,1H),4.09(d,J=3.7Hz,1H),1.54(s,3H),1.34(s,3H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ 151.3,146.2,133.4,115.2,99.4,92.9,87.2,84.9,82.1,27.6,25.6;C12H16D2N3O6[M+H]+に対するHRMS計算値:302.13157,実測値:302.13130.
【0210】
EIDD-2345:S35(0.140g、0.465mmol)の室温のメタノール(8.4mL)及び水(0.93mL)中の撹拌されている溶液に、ダウエックス50WX8水素形態(0.30g)を加え、混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ジクロロメタン中5~20%勾配のメタノール)は、標記化合物(0.050g、41%)を灰白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.17(m,1H),5.86(d,J=5.6Hz,1H),5.60(d,J=8.2Hz,1H),4.15(t,J=5.5Hz,1H),4.11(dd,J=5.6Hz,3.5Hz,1H),3.94(d,J=3.8Hz,1H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ 151.8,146.3,132.2,99.3,89.7,86.0,74.6,71.7,C9H10D2N3O6[M+H]+に対するHRMS計算値:260.08571,実測値:260.08578.
【0211】
実施例27.
【化47】
S36:窒素下のS2(0.090g、0.150mmol)の室温のDCM(1.5mL)中の撹拌されている溶液に、ヘキサデシルイソシアナート(0.051mL、0.165mmol)をシリンジにより2分かけて滴加した。反応物を室温で4時間撹拌し、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮すると、粗製の残渣を与えた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、ヘキサン中0~20%勾配のEtOAc)は、S36(0.120g、92%)を灰白色の泡として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.27(br s,1H),7.51(d,J=8.4Hz,1H),6.29(t,J=5.8Hz,1H),5.90(d,J=4.5Hz,1H),5.57(dd,J=8.2Hz,2.2Hz,1H),4.09-4.02(m,3H),3.93(dd,J=11.7Hz,2.2Hz,1H),3.73(dd,J=11.6Hz,1.6Hz,1H),3.27(q,J=6.6Hz,2H),1.56(m,2H),1.26(br s,28H),0.95(s,9H),0.91(s,9H),0.89(s,9H),0.89(m,3H),0.13(s,3H),0.12(s,3H),0.09(s,3H),0.08(s,3H),0.05(s,3H),0.04(s,3H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 154.6,147.9,146.9,134.0,96.0,91.2,87.9,85.1,75.5,71.7,62.5,41.2,31.9,29.73,29.70,29.69(2C,偶発的同時発生),29.67,29.65(2C,偶発的同時発生),29.60,29.5,29.4,29.3,26.8,26.0(3C),25.8(3C),25.7(3C),22.7,18.4,18.1,17.9,14.1,-4.4,-4.6,-4.7,-4.8,-5.5,-5.6;C
44H
89N
4O
7Si
3[M+H]
+に対するHRMS計算値:869.60336,実測値:869.60408.
【0212】
EIDD-2356:窒素下のS36(0.120g、0.138mmol)の0℃のTHF(2.75mL)中の撹拌されている溶液に、TBAFの1M THF溶液(0.483mL、0.483mmol)を加えた。溶液を0℃で5時間撹拌し、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、ジクロロメタン中0~10%勾配のMeOH)は、標記化合物(0.055g、76%)を灰白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,1滴のCD3ODを含むCDCl3)δ 7.26(d,J=8.2Hz,1H),5.62(d,J=4.4Hz,1H),5.55(d,J=8.2Hz,1H),4.14-4.06(m,2H),3.96-3.92(m,1H),3.82-3.76(m,1H),3.65(m,1H,MeOH-d4によって覆われる),3.15(t,7.0Hz,2H),1.56(m,2H),1.30-1.11(br s,28H),0.79(t,J=6.9Hz,3H);C26H47N4O7[M+H]+に対するHRMS計算値:527.34393,実測値:527.34396.
【0213】
実施例28.
【化48】
S37:窒素下のS2(0.090g、0.150mmol)の室温のDCM(1.5mL)中の撹拌されている溶液に、オクタデシルイソシアナート(0.057mL、0.165mmol)をシリンジにより2分かけて滴加した。反応物を室温で6時間撹拌し、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮すると、粗製の残渣を与えた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、ヘキサン中0~20%勾配のEtOAc)は、S37(0.128g、95%)を灰白色の泡として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.27(br s,1H),7.51(d,J=8.3Hz,1H),6.29(t,J=5.8Hz,1H),5.90(d,J=4.4Hz,1H),5.57(dd,J=8.2Hz,2.2Hz,1H),4.10-4.00(m,3H),3.93(dd,J=11.6Hz,2.1Hz,1H),3.73(dd,J=11.7Hz,1.5Hz,1H),3.28(q,J=6.6Hz,2H),1.55(m,2H),1.26(br s,30H),0.95(s,9H),0.91(s,9H),0.89(s,9H),0.89(m,3H),0.13(s,3H),0.12(s,3H),0.09(s,3H),0.08(s,3H),0.05(s,3H),0.04(s,3H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 154.6,147.9,146.9,134.0,96.0,91.2,87.9,85.1,75.5,71.7,62.5,41.2,31.9,29.73,29.70(5C,偶発的同時発生),29.67,29.66(2C,偶発的同時発生),29.60,29.5,29.4,29.3,26.8,26.0(3C),25.8(3C),25.7(3C),22.7,18.4,18.1,17.9,14.1,-4.4,-4.6,-4.7,-4.8,-5.5,-5.6;C
46H
93N
4O
7Si
3[M+H]
+に対するHRMS計算値:897.63466,実測値:897.63589.
【0214】
EIDD-2357:窒素下のS37(0.128g、0.143mmol)の0℃のTHF(2.85mL)中の撹拌されている溶液に、TBAFの1M THF溶液(0.499mL、0.499mmol)を加えた。溶液を0℃で5時間撹拌し、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、ジクロロメタン中0~10%勾配のMeOH)は、標記化合物(0.059g、74%)を灰白色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 10.70(br s,1H),7.47(d,J=8.2Hz,1H),6.56(t,J=6.2Hz,1H),5.76(s,1H),5.60(d,J=8.2Hz,1H),4.32-4.20(br m,2H),4.12-4.02(br m,2H),3.90(d,J=11.7Hz,1H),1.56(m,2H),1.26(br s,30H),0.89(t,J=7.0Hz,3H);C28H51N4O7[M+H]+に対するHRMS計算値:555.37523,実測値:555.37531.
【0215】
実施例29.
【化49】
S38:トリホスゲン(0.297g、1.00mmol)と炭酸水素ナトリウム(0.370g、4.40mmol)の-15℃のアセトニトリル(5mL)中の激しく撹拌されている混合物に、メチルアミン(THF中2.0M、0.600mL、1.20mmol)とトリエチルアミン(0.488mL、3.50mmol)を混合した溶液を、シリンジにより滴加した。混合物を周囲温度に温め、6時間撹拌した。S2(0.662g、1.10mmol)及び4-DMAP(0.024g、0.200mmol)のアセトニトリル(5mL)及びDCM(5mL)中の溶液を調製し、これを反応混合物にシリンジにより滴加した。混合物全体を周囲温度で16時間撹拌し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液及びブライン(それぞれ1×25mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製物をジクロロメタンに吸収させ、自動化フラッシュクロマトグラフィー(24gカラム、ヘキサン中5~35%勾配のEtOAc)は、S38(0.340g、52%)を白色の蝋状固体として与えた。NMR分析は、約8:1の比率の回転異性体を示した:
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6,メジャー回転異性体)δ 10.53(d,J=2.2Hz,1H),7.30(d,J=8.2Hz,1H),6.83(q,J=4.9Hz,1H),5.80(d,J=6.5Hz,1H),5.67(dd,J=8.3Hz,2.2Hz,1H),4.18(dd,J=6.4Hz,4.3Hz,1H),4.05(m,1H),3.92(m,1H),3.82(dd,J=11.6Hz,4.0Hz,1H),3.70(dd,J=11.5Hz,2.9Hz,1H),2.64(d,J=4.7Hz,3H),0.91(s,9H),0.89(s,9H),0.83(s,9H),0.10(s,6H),0.09(s,3H),0.08(s,3H),0.02(s,3H),-0.03(s,3H).
【0216】
EIDD-2422:S38(0.330g、0.500mmol)の0℃のTHF(3.75mL)とDMF(1.25mL)中の撹拌されている溶液に、酢酸(0.143mL、2.50mmol)を加え、それに続いてテトラエチルアンモニウムフルオリド(0.359g、2.40mmol)を一度に加えた。混合物を周囲温度に温め、24時間撹拌した。混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、粗製物をジクロロメタンに吸収させた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、ジクロロメタン中1~25%勾配のMeOH)は、80mgのやや純粋な材料を与えた。この材料を水に吸収させ、自動化逆相フラッシュクロマトグラフィー(30gカラム、水中0~100%勾配のアセトニトリル)は、不純物を含まない所望の生成物を与えた。固体を水に溶解させ、ドライアイス/アセトン浴中で凍らせ、凍結乾燥させると、標記化合物(0.057g、収率36%)を白色の綿状固体として与えた。NMR分析は、D2O中の13:1の比率のシグナル及びMeOH-d4中の8:1の比率を示し、単一の純粋な化合物の溶媒依存性の回転異性体の比率を示した:1H NMR(400MHz,CD3OD,メジャー回転異性体)δ 7.45(d,J=8.2Hz,1H),5.86(d,J=5.1Hz,1H),5.69(d,J=8.2Hz,1H),4.16-4.08(m,2H),3.96(q,J=3.2Hz,1H),3.79(dd,J=12.2Hz,2.8Hz,1H),3.69(dd,J=12.2Hz,3.3Hz,1H),2.79(s,3H);1H NMR(400MHz,D2O,メジャー回転異性体)δ 7.27(d,J=8.2Hz,1H),5.84(d,J=5.4Hz,1H),5.80(d,J=8.2Hz,1H),4.28(t,J=5.2Hz,1H),4.17(t,J=5.2Hz,1H),4.05(q,J=4.2Hz,1H),3.82(dd,J=12.8Hz,3.1Hz,1H),3.73(dd,J=12.8Hz,4.6Hz,1H),2.76(s,3H);13C NMR(100MHz,D2O)δ 157.6,150.2,148.8,134.0,97.1,88.4,84.1,73.1,69.7,61.0,26.9;LRMS m/z 315.1[M-H]-.
【0217】
実施例30.
【化50】
S39:窒素下のS2(1.10g、1.82mmol)の0℃のピリジン(12mL)中の激しく撹拌されている溶液に、ジメチルカルバミルクロリド(0.184mL、2.00mmol)をシリンジにより5分かけて滴加した。混合物を0℃で4時間撹拌し、次いで周囲温度に温め、さらに16時間撹拌した。メタノール(2mL)を加え、混合物をさらに15分間室温で撹拌し、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製物をジクロロメタンに吸収させ、自動化フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ヘキサン中5~50%勾配のEtOAc)は、S39(1.16g、95%)をふわふわした白色固体として与えた。NMR分析は、約10:1の比率の回転異性体を示した:
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6,メジャー回転異性体)δ 10.76(d,J=2.2Hz,1H),7.28(d,J=8.3Hz,1H),5.80(d,J=6.3Hz,1H),5.70(dd,J=8.2Hz,2.2Hz,1H),4.20(dd,J=6.3Hz,4.6Hz,1H),4.05(dd,J=4.3Hz,2.3Hz,1H),3.92(q,J=3.1Hz,1H),3.83(dd,J=11.5Hz,4.0Hz,1H),3.70(dd,J=11.5Hz,2.8Hz,1H),2.96(br s,3H),2.83(br s,3H),0.91(s,9H),0.89(s,9H),0.83(s,9H),0.10(s,6H),0.09(s,3H),0.08(s,3H),0.02(s,3H),-0.01(s,3H).
【0218】
EIDD-2423:S39(1.16g、1.72mmol)の0℃のTHF(12.9mL)とDMF(4.3mL)中の撹拌されている溶液に、酢酸(0.493mL、8.62mmol)を加え、それに続いてテトラエチルアンモニウムフルオリド(1.24g、8.27mmol)を一度に加えた。混合物を周囲温度に温め、16時間撹拌した。混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、粗製物をジクロロメタンに吸収させた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ジクロロメタン中1~15%勾配のMeOH)は、400mgのやや純粋な材料を与えた。この材料を水に吸収させ、自動化逆相フラッシュクロマトグラフィー(100gカラム、水中0~100%勾配のアセトニトリル)は、不純物のない所望の生成物を与えた。固体を水に溶解させ、ドライアイス/アセトン浴中で凍らせ、凍結乾燥させると、標記化合物(0.200g、収率35%)を白色の綿状固体として与えた。NMR分析は、D2O中の9:1比率のシグナル及びMeOH-d4中の5:1の比率を示し、単一の純粋な化合物の溶媒依存性回転異性体の比率を示した:1H NMR(400MHz,CD3OD,メジャー回転異性体)δ 7.46(d,J=8.3Hz,1H),5.85(d,J=4.8Hz,1H),5.72(d,J=8.2Hz,1H),4.18-4.11(m,2H),3.97(q,J=3.5Hz,1H),3.80(dd,J=12.1Hz,2.8Hz,1H),3.70(dd,J=12.2Hz,3.2Hz,1H),3.05(br s,3H),2.98(br s,3H);1H NMR(400MHz,D2O,メジャー回転異性体)δ 7.27(d,J=8.3Hz,1H),5.84(d,J=5.4Hz,1H),5.80(d,J=8.3Hz,1H),4.28(t,J=5.4Hz,1H),4.17(d,J=5.2Hz,1H),4.05(q,J=4.3Hz,1H),3.82(dd,J=12.7Hz,3.2Hz,1H),3.73(dd,J=12.7Hz,4.5Hz,1H),2.99(br s,3H),2.91(br s,3H);13C NMR(100MHz,D2O)δ 156.2,150.1,149.4,133.9,97.2,88.3,84.1,73.0,69.7,61.0,36.5,35.7;LRMS m/z 329.0[M-H]-.
【0219】
実施例31.
【化51】
S40:丸底フラスコ中のS25(0.50g、0.83mmol)の無水ジクロロメタン(5mL)溶液を、氷浴により窒素下で0℃に冷却し、ピリジン(0.14mL、1.66mmol)及びDMAP(10mg、0.083mmol)により処理し、それに続いてヘプチルクロロホルマート(0.165mL、0.914mmol)を滴加した。混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、5%塩酸(25mL)及び炭酸水素ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、S40を与えた。粗生成物を、さらに精製せずに直接次の工程に持ち越した。
【0220】
EIDD-2474:上記の通り調製した粗製物S40の全体を、室温で12時間ギ酸(10mL)と撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、メタノール及びジクロロメタンを使用して粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(0.140g、2工程で42%)を無色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.05(s,1H),9.61(s,1H),6.85(d,J=8.1Hz,1H),5.75(d,J=5.8Hz,1H),5.57(d,J=8.1Hz,1H),5.42(d,J=5.8Hz,1H),5.30(d,J=5.0Hz,1H),4.31(dd,J=11.7Hz,3.2Hz,1H),4.20(dd,J=11.8Hz,5.4Hz,1H),4.14-4.08(m,1H),4.02(q,J=5.7Hz,1H),3.97-3.90(m,2H),3.10(m,1H),1.61-1.18(m,10H),0.90-0.86(m,3H);13C NMR(100MHz,DMSO-d6)δ 154.9,149.9,143.6,130.3,99.2,87.9,81.0,72.1,70.4,68.2,67.8,45.9,31.6,28.5,25.6,22.5,14.4;LRMS m/z 402.1[M+H]+.
【0221】
実施例32.
【化52】
S41:50mL丸底フラスコ中のS25(0.40g、0.66mmol)の無水ジクロロメタン(5mL)溶液を、氷浴により窒素下で0℃に冷却し、ピリジン(0.10mL、1.33mmol)及びDMAP(0.080g、0.66mmol)により処理し、それに続いてヘプチルイソシアナート(0.16mL、0.99mmol)を加え、40℃で12時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、5%塩酸(25mL)及び炭酸水素ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、粗製のS41を与えた。粗生成物を、さらに精製せずに直接次の工程に持ち越した。
【0222】
EIDD-2475:上記の通り調製した粗製S41の全体を、室温で12時間ギ酸(10mL)と撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションにより除き、メタノール及びジクロロメタンを使用して、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(0.150g、2工程で56%)を無色固体として与えた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.98(s,1H),9.53(s,1H),7.26(t,J=5.5Hz,1H),6.83(d,J=8.2Hz,1H),5.71(d,J=6.3Hz,1H),5.52(d,J=8.2Hz,1H),4.19-3.77(m,5H),2.94(q,J=6.2Hz,2H),1.48-1.10(m,10H),0.83(t,J=6.6Hz,3H);13C NMR(101MHz,DMSO-d6)δ 156.3,150.0,143.7,130.4,99.1,87.4,81.9,72.1,70.6,64.2,31.7,29.9,28.9,26.6,22.5,14.4;LRMS m/z 401.1[M+H]+.
【0223】
実施例33.
【化53】
S42:50mL丸底フラスコ中のS25(0.25g、0.41mmol)の無水ジクロロメタン(5mL)溶液を、氷浴により窒素下で0℃に冷却し、ピリジン(0.068mL、0.83mmol)及びDMAP(0.073g、0.41mmol)により処理し、それに続いてノナノイルクロリド(0.082mL、0.45mmol)を加え、40℃で12時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をジクロロメタン(15mL)で希釈し、5%塩酸(20mL)及び炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより濃縮すると、粗製のS42を与えた。粗生成物を、さらに精製せずに、直接次の工程に持ち越した。
【0224】
EIDD-2476:上記で調製した粗製S42の全体を、室温で12時間ギ酸(5mL)と撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションにより除き、メタノール及びジクロロメタンを使用して、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(0.080g、2工程で54%)を無色固体として与えた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.99(s,1H),9.54(s,1H),6.81(d,J=8.3Hz,1H),5.69(d,J=5.6Hz,1H)(dd,J=8.2Hz,1.8Hz,1H),5.35(d,J=5.8Hz,1H),5.22(d,J=5.1Hz,1H),4.25-4.02(m,2H),4.03-3.78(m,3H),2.35-2.20(m,2H),1.58-1.42(m,2H),1.22(m,10H),0.83(t,J=3.3Hz,3H);13C NMR(100MHz,DMSO-d6)δ 173.2,149.9,143.7,130.3,99.2,88.0,81.1,72.3,70.4,64.3,33.8,31.7,29.1,29.0,28.9,24.9,22.5,14.4;LRMS m/z 400.2[M+H]+.
【0225】
実施例34.
【化54】
S43:窒素下のS8(5.87g、20.7mmol)の0℃のピリジン(20mL)中の撹拌されている溶液に、ジエチルホスホロクロリダート(2.99mL、20.7mmol)をシリンジにより滴加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで周囲温度に温め、さらに30分間撹拌した。混合物を0℃に再冷却し、MeOH(20mL)を加え、混合物を周囲温度に温め、15分間撹拌した。混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、ジクロロメタンに吸収させた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(120gカラム、ジクロロメタン中1~10%勾配のMeOH)は、S43(4.25g、49%)を灰白色の薄片状固体として与えた:
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 9.28(br s,1H),8.39(br s,1H),7.95(d,J=7.7Hz,1H),6.04(d,J=7.6Hz,1H),5.80(d,J=1.7Hz,1H),5.07(dd,J=6.4Hz,1.7Hz,1H),4.79(dd,J=6.4Hz,3.7Hz,1H),4.30-4.24(m,1H),4.21-4.07(m,2H),4.01(dq,J=8.2Hz,7.1Hz,4H),1.49(s,3H),1.29(s,3H),1.22(tq,J=7.0Hz,0.8Hz,6H);
31P NMR(162MHz,CDCl
3)δ -1.21;LRMS m/z 420.1[M+H]
+.
【0226】
S44:約5Nのヒドロキシルアミン塩酸塩(12.7g、182mmol)の水溶液(36.4mLの溶液体積)を調製し、少量のNaOH水溶液(10%w/w)でpH=6に調整した。密封可能な圧力管に、この溶液、S43(3.82g、9.11mmol)、及びTHF(18mL)を入れ、フラスコを密封し、混合物を撹拌しながら37℃で5日間加熱した。混合物を室温に冷却し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗製の材料をメタノールに吸収させ、セライトに固定化した。自動化フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ジクロロメタン中0~10%勾配のMeOH)は、S44(2.28g、58%)を薄片状の白色固体として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.58(br s,1H),7.72(br s,1H),6.68(d,J=8.2Hz,1H),5.69(d,J=2.5Hz,1H),5.63(dd,J=7.8Hz,1.1Hz,1H),4.93(dd,J=6.4Hz,2.4Hz,1H),4.85(dd,J=6.5Hz,3.6Hz,1H),4.30-4.20(m,3H),4.20-4.10(m,5H),1.57(s,3H),1.35(s,3H),1.35(tdd,J=7.0Hz,4.1Hz,1.0Hz,6H);31P NMR(162MHz,CDCl3)δ -1.09;LRMS m/z 436.1[M+H]+.
【0227】
EIDD-2503:S44(0.25g、0.57mmol)の溶液を、室温で12時間窒素下で、ギ酸(5mL)と撹拌した。反応完了後、溶媒をロータリーエバポレーションにより除き、メタノール及びジクロロメタンを使用して、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(0.180g、79%)を無色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.00(s,1H),9.57(s,1H),6.83(d,J=8.2Hz,1H),5.71(d,J=5.9Hz,1H),5.54(dd,J=8.2Hz,2.0Hz,1H),5.38(d,J=5.8Hz,1H),5.24(d,J=4.7Hz,1H),4.16-3.86(m,8H),1.30-1.15(m,5H).13C NMR(100MHz,DMSO-d6)δ 149.9,143.7,130.3,110.0,99.1,87.8,82.0,72.1,70.2,67.2,63.9,16.4;31P NMR(162MHz,DMSO-d6)δ -1.12;LRMS m/z 396.1[M+H]+.
【0228】
実施例35.
【化55】
S45:2’,3’-イソプロピリデンウリジン(4.00g、14.0mmol)の無水ジクロロメタン(50mL)溶液を、窒素下で撹拌しながら0℃に冷却した。この溶液に、トリエチルアミン(3.92mL、28.1mmol)及び4-DMAP(0.172g、1.40mmol)を加え、それに続いてメタンスルホニルクロリド(1.32mL、16.9mmol)を滴加した。反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応完了後、混合物を、砕氷でクエンチし、5%塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液、及びブライン(それぞれ1×50mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。酢酸エチル及びヘキサンを使用して、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、S45(3.99g、78%)を無色の泡として与えた:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.97(s,1H),7.27(d,J=8.2Hz,1H),5.74(d,J=8.0Hz,1H),5.60(d,J=1.8Hz,1H),5.06(d,J=8.2Hz,1H),4.88(dd,J=6.4Hz,3.9Hz,1H),4.45(d,J=5.2Hz,2H),4.37(m,1H),3.03(s,3H),1.54(s,3H),1.34(s,3H);LRMS m/z 363.0[M+H]
+.
【0229】
S46:窒素下のS45(3.00g、8.28mmol)の室温の無水テトラヒドロフラン(60mL)溶液に、臭化リチウム(1.44gm、16.56mmol)を加え、反応混合物を6時間還流した。反応完了後、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、粗生成物をジクロロメタン(60mL)と水(60mL)の間で分配した。水層を除去し、有機層をブライン(60mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。酢酸エチル及びヘキサンを使用して、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、S45(2.30g、80%)を無色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.24(s,1H),7.34(d,J=8.2Hz,1H),5.76(d,J=8.2Hz,1H),5.66(d,J=2.2Hz,1H),5.01(dd,J=6.5Hz,2.3Hz,1H),4.88(dd,J=6.5Hz,3.7Hz,1H),4.38(td,J=5.7Hz,3.8Hz,1H),3.68(dd,J=10.6Hz,6.2Hz,1H),3.56(dd,J=10.6Hz,5.2Hz,1H),1.57(s,3H),1.36(s,3H);LRMS m/z 348.9[M+H]+.
【0230】
S47:窒素下のS46(2.0g、5.76mmol)の室温の無水トルエン(40mL)中の懸濁液に、エタノール(5mL)を加え、それに続いて水素化トリブチルスズ(3.11mL、11.52mmol)及びAIBN(0.94gm、5.76mmol)を加えた。反応混合物を6時間還流した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をジクロロメタン(50mL)に溶解させ、ガラスフリットに通して真空濾過した。濾液をロータリーエバポレーションにより濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンを使用して、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、S47(1.10g、71%)を無色の泡として与えた:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.81(s,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),5.73(d,J=8.0Hz,1H),5.62(d,J=2.2Hz,1H),4.94(dd,J=6.5Hz,2.2Hz,1H),4.54(dd,J=6.5Hz,4.6Hz,1H),4.19(qd,J=6.4Hz,4.7Hz,1H),1.54(s,3H),1.37(d,J=6.5Hz,3H),1.32(s,3H).LRMS m/z 269.1[M+H]+.
【0231】
S48:S47(1.00g、3.73mmol)の無水ジクロロメタン(30mL)溶液を、窒素下で撹拌しながら0℃に冷却した。この溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.25mL、18.64mmol)及び4-DMAP(46mg、0.37mmol)を加え、それに続いて2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド(1.69g、5.59mmol)を加えた。出発物質の消失後、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.648g、9.32mmol)を加え、混合物をさらに12時間室温で撹拌した。反応完了後、反応混合物をジクロロメタン(70mL)で希釈し、5%塩酸(100mL)で洗浄し、それに続いて炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。酢酸エチル及びヘキサンを使用して、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、S48(0.59g、55.9%)を無色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.03(s,1H),9.62(d,J=1.8Hz,1H),6.85(d,J=8.2Hz,1H),5.66(d,J=2.8Hz,1H),5.55(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H),4.86(dd,J=6.6Hz,2.8Hz,1H),4.47(dd,J=6.5Hz,4.9Hz,1H),3.97-3.84(m,1H),1.44(s,3H),1.30-1.15(m,5H);LRMS m/z 284.1[M+H]+.
【0232】
EIDD-2524:S48(0.250g、0.88mmol)の溶液を、室温で12時間ギ酸(5mL)中で撹拌した。反応完了後、混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、メタノール及びジクロロメタンを使用して、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(0.150g、70%)を無色の固体として与えた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.94(s,1H),9.46(s,1H),6.75(d,J=8.2Hz,1H),5.59(d,J=5.1Hz,1H),5.51(d,J=8.2Hz,1H),5.20(s,1H),4.98(s,1H),3.94(s,1H),3.78-3.65(m,1H),3.59(dd,J=5.5Hz,3.9Hz,1H),1.17(d,J=6.4Hz,3H).13C NMR(100MHz,DMSO-d6)δ 149.9,143.8,130.8,99.1,88.5,79.0,74.8,72.5,19.3;LRMS m/z 244.1[M+H]+.
【0233】
実施例36.
アッセイプロトコル
(1)DENV、JEV、POWV、WNV、YFV、PTV、RVFV、CHIKV、EEEV、VEEV、WEEV、TCRV、PCV、JUNV、MPRLVのスクリーニングアッセイ
一次細胞変性効果(CPE)減少アッセイ。4種の濃度のCPE阻害アッセイを実施する。96ウェルディスポーザブルマイクロプレート中にコンフルエント又はコンフルエントに近い細胞培養単層を調製する。細胞を、各細胞株に要求される通りFBSを補ったMEM又はDMEMに維持する。抗ウイルスアッセイには、同じ培地を使用するが、FBSを2%以下に減らし、50μg/mlゲンタマイシンを補う。試験化合物を、4つのlog10最終濃度、通常0.1、1.0、10、及び100μg/ml又はμMで調製する。ウイルス対照及び細胞対照ウェルは、全てのマイクロプレートにある。並行して、公知の活性薬剤を、試験化合物に適用されるものと同じ方法を利用して陽性対照薬として試験する。陽性対照を各試験の実行と共に試験する。アッセイを、最初に、96ウェルプレートの細胞から増殖培地を除去することにより、準備する。次いで、試験化合物を、0.1mlの体積で2×濃度でウェルに適用する。ウイルスは、通常0.1mlの体積で100未満の50%細胞培養感染量(CCID50)であるが、ウイルス感染に指定されたウェルに配置する。ウイルスが無い培地を毒性対照ウェル及び細胞対照ウェルに配置する。ウイルス対照ウェルを、同様にウイルスにより処理する。プレートを、37℃5%CO2で、最大CPEがウイルス対照ウェルに観察されるまでインキュベートする。次いで、プレートを0.011%ニュートラルレッドで、およそ2時間、37℃で、5%CO2インキュベーター中で染色する。ニュートラルレッド培地を、完全な吸引により除去し、細胞をリン酸緩衝液(PBS)により1回すすいで、残存染料を除いてもよい。PBSを完全に除き、組み込まれたニュートラルレッドを、50%ゼーレンセンのクエン酸緩衝液/50%エタノール(pH4.2)により少なくとも30分溶離する。ニュートラルレッド染料は生細胞に浸透し、そのため赤色が強いほどウェル中に存在する生細胞の数が大きい。各ウェル中の染料含量は、540nm波長で96ウェル分光光度計を利用して定量化する。Microsoft Excelコンピューターに基づくスプレッドシートを利用して、各ウェルのセット中の染料含量を、未処置対照ウェル中に存在する染料に対するパーセンテージに変換する。次いで、50%有効(EC50、ウイルス阻害性)濃度及び50%細胞傷害性(CC50、細胞阻害性)濃度を線形回帰分析により計算する。CC50をEC50で割った商は、選択指数(SI)値を与える。
【0234】
二次CPE/ウイルス収量減少(VYR)アッセイ。このアッセイは、細胞の96ウェルマイクロプレートを利用する先の段落に記載されたものと類似の方法を含む。この項に違いを記載する。8種の半log10濃度の阻害剤を抗ウイルス活性及び細胞傷害性のために試験する。充分なウイルス複製が起こった後に、上清の試料を各感染ウェルから取り(3つの反復実験ウェルを貯めて置く)、必要な場合、この試験のVYR部分のためにとっておく。或いは、別なプレートを調製し、プレートをVYRアッセイ用に冷凍してもよい。最大CPEが観察された後、生存可能なプレートをニュートラルレッド染料で染色する。組み込まれた染料含量を上述の通り定量化する。試験のこの部分から生じたデータは、ニュートラルレッドEC50、CC50、及びSI値である。上記で活性であると観察された化合物を、VYRアッセイによりさらに評価する。VYR試験は、試験化合物がウイルス複製をどれくらい阻害するかを直接に決定するものである。試験化合物の存在下で複製したウイルスを力価測定し、未処理の感染した対照からのウイルスと比較する。取っておいたウイルス試料(上述の通り回収)の力価測定を、終点希釈法により実施する。これは、細胞の新しい単層上で希釈あたり3又は4マイクロウェルを使用して終点希釈により、ウイルスのlog10希釈物を力価測定することにより、達成される。個別のCPE(ニュートラルレッド取込みにより測定)が測定された後で、ウェルをウイルスの有無に関してスコア付けする。阻害剤濃度のlog10と各濃度で生じたウイルスのlog10をプロットすると、90%(1log10)有効濃度を線形回帰により計算できる。EC90を、アッセイのパート1で得られたCC50により割ると、この試験のSI値を与える。
【0235】
実施例37.
(2)ラッサ熱ウイルス(LASV)のスクリーニングアッセイ
一次ラッサ熱ウイルスアッセイ。12ウェルディスポーザブル細胞培養プレート中に、コンフルエント又はコンフルエントに近い細胞培養単層を調製する。細胞を、10%FBSを補ったDMEMに維持する。抗ウイルスアッセイには、同じ培地を使用するが、FBSを2%以下に減少させ、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補う。試験化合物を、4つのlog10最終濃度、通常0.1、1.0、10、及び100μg/ml又はμMで試験する。ウイルス対照及び細胞対照は、各試験化合物と並行に行う。さらに、公知の活性薬剤を、ウイルス及び細胞対照に関して記載されるのと同じ実験計画を利用して陽性対照薬として試験する。陽性対照を各試験の実行と共に試験する。アッセイを、増殖培地を12ウェルプレートの細胞から除去し、細胞を0.01 MOIのLASV株Josiahに感染させることにより準備する。細胞を、90分:500μl接種物/M12ウェル、37℃で、5%CO2で、一定の穏やかな振動と共にインキュベートする。接種物を除去し、細胞を培地で2回洗浄する。次いで、試験化合物を1mlの培地の全体積に適用する。組織培養上清(TCS)を適切な時点で回収する。次いで、TCSを利用して、ウイルス複製に対する化合物阻害効果を決定する。試験化合物の存在下で複製したウイルスを力価測定し、未処理の、感染した対照からのウイルスと比較する。TCSの力価測定には、10倍の段階希釈物を調製して使用し、新鮮な単層の細胞を感染させる。細胞を、1%アガロースと、10%FBS及び1%ペニシリンを補った2×MEMを1:1で混合したもので覆い、プラークの数を決定する。阻害剤濃度のlog10と各濃度で生じたウイルスのlog10をプロットすると、線形回帰により90%(1log10)有効濃度を計算できる。
【0236】
二次ラッサ熱ウイルスアッセイ。二次アッセイは、12ウェルプレートの細胞を使用する先の段落に記載されたものと類似の方法を含む。違いをこの項で説明する。細胞は、上述の通り感染させるが、今回は、2×MEMと1:1で希釈され、2%FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補われ、対応する薬物濃度を補われた1%アガロースで覆う。細胞を、37℃で5%CO2で6日間インキュベートする。次いで、覆いを除き、プレートを、10%緩衝ホルマリン中の0.05%クリスタルバイオレットにより、およそ20分間室温で染色する。次いでプレートを洗浄し、乾燥させ、プラークの数を数える。化合物希釈の各セット中のプラークの数を、未処理ウイルス対照に対するパーセンテージに変換する。次いで、50%有効(EC50、ウイルス-阻害性)濃度を線形回帰分析により計算する。
【0237】
実施例38.
(3)エボラウイルス(EBOV)及びニパウイルス(NIV)のスクリーニングアッセイ
一次エボラ/ニパウイルスアッセイ。4濃度のプラーク減少アッセイを実施する。12ウェルディスポーザブル細胞培養プレート中のコンフルエント又はコンフルエントに近い細胞培養単層を調製する。細胞を、10%FBSを補ったDMEM中に維持する。抗ウイルスアッセイには、同じ培地を使用するが、FBSを2%以下に減少させ、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補う。試験化合物を、4つのlog10最終濃度、通常0.1、1.0、10、及び100μg/ml又はμMで調製する。ウイルス対照及び細胞対照は、各試験化合物と並行して実施する。さらに、公知の活性薬剤を、ウイルス及び細胞対照に関して記載されたものと同じ実験計画を利用して陽性対照薬として試験する。陽性対照を、各試験の実行と共に試験する。アッセイを、増殖培地を12ウェルプレートの細胞から除去することにより準備する。次いで、試験化合物を、0.1ml体積で、ウェルに2倍濃度で適用する。ウイルスは、通常、0.1ml体積中およそ200プラーク形成単位であるが、ウイルス感染に指定されたウェルに配置する。ウイルスが無い培地を、毒性対照ウェル及び細胞対照ウェルに配置する。ウイルス対照ウェルを、ウイルスにより同様に処理する。プレートを、37℃で、5%CO2で1時間インキュベートする。ウイルス化合物接種物を除き、細胞を洗浄し、2X MEMで1:1に希釈し、2%FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補い、対応する薬物濃度で補った1.6%トラガカントで覆う。細胞を、37℃で5%CO2で10日間インキュベートする。次いで、覆いを除き、プレートを、10%緩衝ホルマリン中の0.05%クリスタルバイオレットで、およそ20分間室温で染色する。次いで、プレートを洗浄し、乾燥させ、プラークの数を数える。化合物希釈の各セットにおけるプラークの数を、未処理のウイルス対照に対するパーセンテージに変換する。次いで、50%有効(EC50、ウイルス-阻害性)濃度を、線形回帰分析により計算する。
【0238】
VYR成分を有する二次エボラ/ニパウイルスアッセイ。二次アッセイは、12ウェルプレートの細胞を使用する先の段落に記載されたものと類似の方法を含む。違いをこの項に記載する。8つの半log10濃度の阻害剤を、抗ウイルスアッセイのために試験する。評価される化合物のバッチあたり1種の陽性対照薬を試験する。このアッセイでは、細胞をウイルスに感染させる。細胞は、上述の通り感染しているが、今回は、2%FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補い、対応する薬物濃度を補ったDMEMと共にインキュベートする。細胞を、10日間、37℃で5%CO2でインキュベートし、顕微鏡で、緑色蛍光細胞の数を毎日観察した。感染した細胞からの上清のアリコートを毎日取り、3つの反復実験ウェルを取りおく。次いで、取りおいた上清を使用して、ウイルス複製に対する化合物阻害効果を決定する。試験化合物の存在下で複製したウイルスを力価測定し、未処理の感染した対照からのウイルスと比較する。取り置いたウイルス試料の力価測定には、10倍段階希釈物を調製し使用して、新鮮な単層の細胞を感染させた。細胞をトラガカントで覆い、プラークの数を決定した。阻害剤濃度のlog10と各濃度で生じたウイルスのlog10をプロットすると、90%(1log10)有効濃度を線形回帰により計算できる。
【0239】
実施例39.
抗デング熱ウイルス細胞保護アッセイ:
細胞調製-BHK21細胞(シリアンゴールデンハムスター腎臓細胞、ATCCカタログ番号CCL-I 0)、ベロ細胞(アフリカミドリザル腎臓細胞、ATCCカタログ番号CCL-81)、又はHuh-7細胞(ヒト肝細胞癌腫)を、抗ウイルスアッセイに使用する前に、T-75フラスコ中で、10%FBS、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、及び100μg/mLストレプトマイシンを補ったDMEM中で継代した。アッセイの前日に、細胞を1:2に分けて、感染の時点で指数増殖期にあったことを保証した。全体の細胞及び生存率定量化は、血球計及びトリパンブルー染料排除を利用して実施した。細胞生存率は、アッセイに使用予定の細胞で95%を超えていた。細胞を、ウェルあたり3×103(ベロ細胞及びHuh-7細胞では5×105)細胞で、組織培地に再懸濁させ、平底マイクロタイタープレートに100μLの体積で加えた。プレートを37℃/5%CO2で一晩インキュベートし、細胞接着を可能にした。単層は、およそ70%コンフルエントであると観察された。
【0240】
ウイルス調製-2型デング熱ウイルスNew Guinea C株をATCCから得て(カタログ番号VR-1584)、ストックウイルスプール(stock virus pool)の製造のためにLLC-MK2(アカゲザル腎臓細胞;カタログ番号CCL-7.1)細胞中で増殖させた。BHK21細胞中で事前に力価測定したウイルスのアリコートを冷凍庫(-80℃)から除き、安全キャビネット中でゆっくりと室温に解凍した。ウイルスを再懸濁させ、100μLの体積で各ウェルに加えたウイルスの量が感染の6日後に85~95%の細胞殺傷をもたらすと決定された量であるように、アッセイ培地(2%熱不活性化FBS、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、及び100μg/mLストレプトマイシンを補ったDMEM)中に希釈した。
【0241】
プレートフォーマット-各プレートは、細胞対照ウェル(細胞のみ)、ウイルス対照ウェル(細胞とウイルス)、化合物あたり三連の薬物毒性ウェル(細胞と薬物のみ)、並びに三連の実験ウェル(薬物と細胞とウイルス)を含む。
【0242】
有効性及び毒性XTT-37℃で5%CO2インキュベーター中でのインキュベーションの後、試験プレートを、テトラゾリウム染料XTT(2,3-ビス(2-メトキシ-4-ニトロ-5-スルホフェニル)-5-[(フェニルアミノ)カルボニル]-2H-テトラゾリウムヒドロキシド)で染色した。XTT-テトラゾリウムは、代謝的に活性な細胞のミトコンドリア酵素により可溶性のホルマザン生成物に代謝され、抗ウイルス試験物質によるウイルスが誘導する細胞殺傷の阻害の迅速な定量分析を可能にした。XTT溶液を、RPMI 1640中1mg/mLのストックとして毎日調製した。フェナジンメトサルフェート(PMS)溶液を、PBS中0.15mg/mlで調製し、-20℃で暗所保存した。XTT/PMSストックを、XTT溶液のmlあたり40μLのPMSを加えることにより、使用直前に調製した。50マイクロリットルのXTT/PMSを、プレートの各ウェルに加え、プレートを37℃で4時間再インキュベートした。プレートを粘着性プレートシーラーで密封し、穏やかに振とうするか、又は数回反転させて可溶性ホルマザン生成物を混合し、プレートを、450/650nmで、Molecular Devices Vmaxプレートリーダーにより分光光度的に読み取った。
【0243】
データ分析-生データを、Softmax Pro 4.6ソフトウェアから集め、分析のためにMicrosoft Excelスプレッドシートにインポートした。未処理ウイルス対照に対するウイルスの細胞変性効果の減少パーセントを、各化合物で計算した。パーセント細胞対照値を、薬物処理未感染細胞を、培地中のみの未感染細胞と比較して、各化合物で計算した。
【0244】
実施例40.
抗RSV細胞保護アッセイ:
細胞調製-HEp2細胞(ヒト上皮細胞、ATCCカタログ番号CCL-23)を、抗ウイルスアッセイに使用する前に、T-75フラスコ中で、10%FBS、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン1mMピルビン酸ナトリウム、及び0.1mM NEAAを補ったDMEM中で継代した。アッセイの前日に、細胞を1:2に分けて、それらが感染の時点で指数増殖期にあったことを保証した。全体の細胞及び生存率定量化は、血球計及びトリパンブルー染料排除を利用して実施した。細胞生存率は、アッセイに使用する予定の細胞で95%を超えていた。細胞を、ウェルあたり1×104細胞で組織培地中に再懸濁させ、100μLの体積で平底マイクロタイタープレートに加えた。プレートを37℃/5%CO2で一晩インキュベートして、細胞接着を可能にした。ウイルス調製-RSV株Long及びRSV株9320をATCCから得て(それぞれ、カタログ番号VR-26及びカタログ番号VR-955)、ストックウイルスプールの製造のためにHEp2細胞中で増殖させた。ウイルスの事前に力価測定したアリコートをフリーザー(-80℃)から除き、安全キャビネット中でゆっくりと室温に解凍した。ウイルスを再懸濁させ、100μLの体積で各ウェルに加えられたウイルスの量が、感染の6日後に85~95%の細胞殺傷をもたらすことが決定された量であるように、アッセイ培地(2%熱不活性化FBS、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、1mMピルビン酸ナトリウム、及び0.1mM NEAAを補ったDMEM)に希釈した。有効性及び毒性XTT-プレートを染色し、デング熱細胞保護アッセイに関して先に記載の通り分析した。
【0245】
実施例41.
抗インフルエンザウイルス細胞保護アッセイ:
細胞調製-モック細胞(イヌ腎臓細胞、ATCCカタログ番号CCL-34)を、抗ウイルスアッセイに使用する前に、T-75フラスコ中で、10%FBS、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン1mMピルビン酸ナトリウム、及び0.1mM NEAAを補ったDMEM中で継代した。アッセイ前日に、細胞を1:2に分けて、それらが感染の時点で指数増殖期にあったことを保証した。全体の細胞及び生存率定量化は、血球計及びトリパンブルー染料排除を利用して実施した。細胞生存率は、アッセイに使用する予定の細胞で95%を超えていた。細胞を、ウェルあたり1×104細胞で組織培地に再懸濁させ、100μLの体積で平底マイクロタイタープレートに加えた。プレートを、37℃/5%CO2で一晩インキュベートして、細胞接着を可能にした。
【0246】
ウイルス調製-インフルエンザA/PR/8/34(ATCC #VR-95)、A/CA/05/09(CDC)、A/NY/18/09(CDC)及びA/NWS/33(ATCC #VR-219)株を、ATCC又は疾病対策センターから得て、ストックウイルスプールの作成のためにMDCK細胞中で増殖させた。ウイルスの事前に力価測定したアリコートをフリーザー(-80℃)から除き、安全キャビネット中でゆっくりと室温に回答した。ウイルスを再懸濁させ、100μLの体積で各ウェルに加えるウイルスの量が、感染の4日後に85~95%の細胞殺傷をもたらすことが決定された量であるように、アッセイ培地(0.5%BSA、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mM NEAA、及び1μg/ml TPCK処理済みトリプシンを補ったDMEM)に希釈した。有効性及び毒性XTT-プレートを染色し、デング熱細胞保護アッセイに関して先に記載された通り分析した。
【0247】
実施例42.
抗C型肝炎ウイルスアッセイ:
細胞培養-レポーター細胞株Huh-luc/neo-ETを、Dr.Ralf Bartenschlager(Department of Molecular Virology,Hygiene Institute,University of Heidelberg,Germany)から、特殊な許諾契約によりImQuest BioSciencesにより得た。この細胞株は、ホタルルシフェラーゼ遺伝子-ユビキチン-ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質及びET組織培養適応的突然変異(E1202G、Tl2081、及びK1846T)を含むEMCV IRES駆動NS3-5B HCVコード配列を含む、持続的に複製するI389luc-ubi-neo/NS3-3’/ETレプリコンを有する。Huh-luc/neo-ETの保存培養株を、I 0%FCS、2mMグルタミン、ペニシリン(100μU/mL)/ストレプトマイシン(100μg/mL)及びI×非必須アミノ酸プラス1mg/mL G418を補ったDMEMでの培養により増殖させた。細胞を1:4に分け、250μg/mL G418を加えた同じ培地で2継代培養した。細胞をトリプシンにより処理し、トリパンブルーによる染色により数え上げ、96ウェル組織培養プレートにウェルあたり細胞培養密度7.5×103細胞で播種し、37℃5%CO2で24時間インキュベートした。24時間のインキュベーションの後、培地を除き、G418が無く試験化合物を加えた同じ培地に三連で変えた。各プレート中の6つのウェルには、培地のみを処理のない対照として入れた。細胞を、37℃5%CO2でさらに72時間インキュベートし、次いで抗HCV活性をルシフェラーゼ終点により測定した。XTT染色の細胞毒性の評価のために、二連のプレートを処理し、並行してインキュベートした。
【0248】
細胞生存率-処理された細胞からの細胞培養単層を、テトラゾリウム染料XTTにより染色して、化合物の存在下でのHuh-luc/neo-ETレポーター細胞株の細胞生存率を評価した。
【0249】
ウイルス複製の測定-レプリコンアッセイ系からのHCV複製を、製造業者の説明書に従って(Perkin Elmer,Shelton,CT)britelite plusルミネセンスレポーター遺伝子キットを利用して、ルシフェラーゼ活性により測定した。簡単に述べると、britelite plus lyophilized substanceの1バイアルを10mLのbritelite reconstitution bufferに可溶化させ、反転させて穏やかに混合した。室温で5分インキュベートした後、britelite plus reagentを、ウェルあたり100μLで96ウェルプレートに加えた。プレートを粘着フィルムで密封し、室温でおよそ10分間インキュベートして、細胞を溶解した。ウェルの内容物を白色96ウェルプレートに移し、Wallac 1450Micorbeta Trilux液体シンチレーションカウンターを使用してルミネセンスを15分以内に測定した。データを、50%ウイルス阻害濃度(EC50)の決定のために、カスタマイズされたMicrosoft Excel 2007スプレッドシートにインポートした。
【0250】
実施例43.
抗パラインフルエンザ-3細胞保護アッセイ:
細胞調製-HEp2細胞(ヒト上皮細胞、ATCCカタログ番号CCL-23)を、抗ウイルスアッセイに使用する前に、T-75フラスコ中で、10%FBS、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン1mMピルビン酸ナトリウム、及び0.1mM NEAAを補ったDMEM中で継代した。アッセイ前日に、細胞を1:2に分けて、それらが、感染の時点で指数増殖期にあったことを保証した。全体の細胞及び生存率定量化は、血球計及びトリパンブルー染料排除を使用して実施した。細胞生存率は、アッセイに利用する予定の細胞で95%を超えていた。細胞を、ウェルあたり1×104細胞で組織培地に再懸濁させ、100μLの体積で平底マイクロタイタープレートに加えた。プレートを、37℃/5%CO2で一晩インキュベートし、細胞接着を可能にした。
【0251】
ウイルス調製-パラインフルエンザウイルス3型SF4株を、ATCC(カタログ番号VR-281)から得て、ストックウイルスプールの製造のためにHEp2細胞中で増殖させた。ウイルスの事前に力価測定したアリコートをフリーザー(-80℃)から除き、安全キャビネット中でゆっくりと室温に解凍した。ウイルスを再懸濁させ、100μLの体積で各ウェルに加えたウイルスの量が、感染の6日後に85~95%細胞殺傷をもたらすと決定された量であるように、アッセイ培地(2%熱不活性化FBS、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、及び100μg/mLストレプトマイシンを補ったDMEM)に希釈した。
【0252】
プレートフォーマット-各プレートは、細胞対照ウェル(細胞のみ)、ウイルス対照ウェル(細胞プラスウイルス)、化合物あたり三連の薬物毒性ウェル(細胞プラス薬物のみ)、三連の実験ウェル(薬物プラス細胞プラスウイルス)を含む。有効性及び毒性XTT-5%CO2インキュベーター中37℃でのインキュベーション後、試験プレートをテトラゾリウム染料XTT(2,3-ビス(2-メトキシ-4-ニトロ-5-スルホフェニル)-5-[(フェニルアミノ)カルボニル]-2H-テトラゾルヒドロキシド)で染色した。XTT-テトラゾリウムは、代謝的に活性な細胞のミトコンドリアの酵素により、可溶性ホルマザン生成物に代謝され、抗ウイルス試験物質によるウイルス誘導性の細胞殺傷の阻害の迅速な定量分析を可能にした。XTT溶液を、RPMI1640中1mg/mLのストックとして毎日調製した。フェナジンメトサルフェート(PMS)溶液を、PBS中0.15mg/mLで調製し、-20℃で暗所保存した。XTT/PMSストックを、XTT溶液のmlあたり40μLのPMSを加えることにより、使用の直前に調製した。50マイクロリットルのXTT/PMSを、プレートの各ウェルに加え、プレートを37℃で4時間再インキュベートした。プレートを粘着プレートシーラーで密封し、穏やかに振とうするか、又は数回反転して、可溶性のfom1azan生成物を混合し、プレートを、450/650nmでMolecular Devices Vmaxプレートリーダーにより、分光光度的に読み取った。
【0253】
データ分析-生データを、Softmax Pro 4.6ソフトウェアから集め、分析のためMicrosoft Excelスプレッドシートにインポートした。未処理のウイルス対照に対するウイルス性の細胞変性効果の減少パーセントを、各化合物で計算した。パーセント細胞対照値を、薬物処理未感染細胞を培地のみ中の未感染の細胞と比べて、各化合物で計算した。
【0254】
実施例44.
インフルエンザポリメラーゼ阻害アッセイ:
ウイルス調製-精製済みインフルエンザウイルスA/PR/8/34(1ml)を、Advanced Biotechnologies,Inc.(Columbia,MD)から得て、解凍し、使用まで-80℃で保存するために5つのアリコートに分けた。アッセイ準備の日に、20μLの2.5%Triton N-101を180μLの精製済みウイルスに加えた。破壊されたウイルスを、1:2で0.25%Triton及びPBSを含む溶液に希釈した。破壊により、インフルエンザRNA依存性RNAポリメラーゼ及びテンプレートRNAを含むインフルエンザリボ核タンパク質(RNP)の源が与えられた。アッセイに使用するまで、試料を氷上で保存した。
【0255】
ポリメラーゼ反応-各50μLポリメラーゼ反応物は下記を含んでいた:5μLの破壊されたRNP、100mMトリス-HCl(pH8.0)、100mM KCl、5mM MgCl2.1mMジチオスレイトール、0.25%Triton N-101、5μCiの[α-32P] GTP、100μM ATP、それぞれ50μM(CTP、UTP)、1μM GTP、及び200μMアデニル(3’-5’)グアノシン。阻害剤を試験するために、反応物は阻害剤を含んでいて、陽性対照(2’-デオキシ-2’-フルオログアノシン-5’-三リン酸)を含む反応物で同じことをした。他の対照は、RNP+反応混合物、及びRNP+I%DMSOを含んでいた。ApGプライマー及びNTPのない反応混合物を、30℃で20分間インキュベートした。ApG及びNTPを反応混合物に加えると、試料を30℃で1時間インキュベートし、次いで直ちにそれに続いて反応物をガラス繊維フィルタープレートに移し、その後10%トリクロロ酢酸(TCA)で沈殿させた。次いで、プレートを5%TCAで5回洗浄し、それに続いて95%エタノールで1回洗浄した。フィルターが乾くと、[α-32P]GTPの組み込みを、液体シンチレーションカウンター(Micro beta)を利用して測定した。
【0256】
プレートフォーマット-各試験プレートは、RNP+反応混合物(RNPのみ)、RNP+1%DMSO、及び反応混合物のみ(RNPなし)の三連の試料に加え、3種の化合物の三連の試料(6濃度)を含んでいた。
【0257】
データ分析-生データをMicro Betaシンチレーションカウンターから集めた。放射性GTPの組み込みは、ポリメラーゼ活性のレベルと直接相関する。「阻害パーセント値」は、各試験化合物の平均値を、RNP+1%DMSO対照で割ることにより得た。2DFGTPの各濃度で得られた平均を、RNP+反応対照と比較した。次いで、データをMicrosoft Excelスプレッドシートにインポートして、線形回帰分析によりIC50値を計算した。
【0258】
実施例45.
HCVポリメラーゼ阻害アッセイ:
HCVポリメラーゼの阻害の化合物の活性は、既報の方法(Lam eta!.2010.Antimicrobial Agents and Chemotherapy 54(8):3187-3196)を利用して評価した。HCV NS5Bポリメラーゼアッセイは、20μLの体積で、96ウェル反応プレート中で実施した。各反応物は、40ng/μL精製済み組換え型NS5BΔ22遺伝子型-1bポリメラーゼ、20ng/μLのHCV遺伝子型-1b称賛の(complimentary)IRESテンプレート、1μMの4種の天然リボヌクレオチドのそれぞれ、1U/mL Optizyme RNAse阻害剤(Promega,Madison,WI)、1mM MgCl2、0.75mM MnCl2、及び2mMジチオスレイトール(DTT)を、50mM HEPES緩衝液(pH7.5)中に含んでいた。反応混合物を氷上で2工程で集めた。工程1は、天然ヌクレオチド及び標識されたUTP以外の全反応成分をポリメラーゼ反応混合物中で合わせることからなっていた。10マイクロリットル(10μL)のポリメラーゼ混合物を、氷上で96ウェル反応プレートの個別のウェルに分配した。NS5Bポリメラーゼのないポリメラーゼ反応混合物も、酵素のない対照として含めた。試験化合物及び対照化合物、2’-O-メチル-CTP及び2’-O-メチル-GTP(Trilink,San Diego,CA)の半対数連続希釈物を水中に調製し、5μLの連続希釈された化合物又は水のみ(化合物のない対照)を、ポリメラーゼ混合物を含むウェルに加えた。次いで、5マイクロリットルのヌクレオチドミックス(天然ヌクレオチドと標識されたUTP)を、反応プレートウェルに加え、プレートを27℃で30分間インキュベートした。反応を、80μL停止液(12.5mM EDTA、2.25M NaCl、及び225mMクエン酸ナトリウム)の添加よりクエンチし、RNA生成物を、真空下でドットブロット装置を利用してHybond-N+メンブラン(GE Healthcare,Piscataway,N.J)に適用した。メンブランをドットブロット装置から除去し、4XSSC(0.6M NaCl、及び60mMクエン酸ナトリウム)で4回洗浄し、次いで水で1回、100%エタノールで1回すすいだ。メンブランを風乾し、ホスホイメージングスクリーンに曝露させ、Typhoon 8600 Phospho imagerを利用して画像を取り込んだ。画像の取込み後、メンブランをMicro betaカセット内にシンチレーション流体と共に配置し、各反応物中のCPMをMicro beta 1450で数えた。CPMデータを、化合物IC50の決定のためにカスタムExcelスプレッドシートにインポートした。
【0259】
実施例46.
NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼ反応条件
化合物を、HCV GT-1b Con-1からのNS5B-δ21の阻害に関してアッセイした。反応物は、精製済み組換え型酵素、1u/μLマイナス鎖HCV IRES RNAテンプレート、及び[32P]-CTPか[32P]-UTPを含む1μM NTP物質を含んでいた。アッセイプレートを、クエンチの前に27℃で1時間インキュベートした。高分子生成物への[32P]組込みを、フィルター結合によりアッセイした。
【0260】
実施例47.
ヒトDNAポリメラーゼ阻害アッセイ:
ヒトDNAポリメラーゼアルファ(カタログ番号1075)、ベータ(カタログ番号1077)、及びガンマ(カタログ番号1076)をCHIMERx(Madison,WI)から購入した。ベータ及びガンマDNAポリメラーゼ活性の阻害を、マイクロタイタープレート中で、50mMトリス-HCl(pH8.7)、KCl(ベータには10mM、ガンマには100mM)、10mM MgCl2、0.4mg/mL BSA、1mM DTT、15%グリセロール、0.05mMのdCTP、dTTP、及びdATP、10uCi[32P]-α-dGTP(800Ci/mmol)、20ug活性化子牛胸腺DNA、並びに示される濃度の試験化合物を含む50uL反応混合物中でアッセイした。アルファDNAポリメラーゼ反応混合物は、試料あたり50uL体積で、以下の通りであった:20mMトリス-HCl(pH8)、5mM酢酸マグネシウム、0.3mg/mL BSA、1mM DTT、0.1mMスペルミン、0.05mMのdCTP、dTTP、及びdATP、10uCi[32P]-α-dGTP(800Ci/mmol)、20ug活性化子牛胸腺DNA、並びに示される濃度の試験化合物。各アッセイで、酵素反応を30分間37℃で進行させ、それに続いてガラス繊維フィルタープレートへ移し、その後10%トリクロロ酢酸(TCA)で沈殿させた。次いで、プレートを5%TCAで洗浄し、それに続いて95%エタノールで1回洗浄した。フィルターが乾燥すると、放射能の組み込みを、液体シンチレーションカウンター(Microbeta)を使用して測定した。
【0261】
実施例48.
HIV感染PBMCアッセイ:
新鮮なヒト末梢血単核細胞(PBMC)を商業的供給源(Biological Specialty)から得て、HIV及びHBVに関して血清陰性であると決定した。受け取ったドナー血液の体積によって、ロイコフォレスされた(leukophoresed)血液細胞をPBSで数回洗浄した。洗浄後、ロイコフォレスされた血液をDulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1:1に希釈し、50ml円錐形遠心分離管中で15mLのフィコール・ハイパック密度勾配上で層状にした。これらの管を600gで30分間遠心分離した。帯状のPBMCを、生じた界面から優しく吸引し、PBSで3回洗浄した。最後の洗浄後、トリパンブルー染料排除により細胞数を決定し、細胞を、1×106細胞/mLで、15%ウシ胎児血清(FBS)、2mmol/L L-グルタミン、2ug/mL PHA-P、100U/mLペニシリン及び100ug/mLストレプトマイシンを有するRPMI 1640に再懸濁させ、37℃で48~72時間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを遠心分離し、組織培地に再懸濁させた。培養物を、3日毎に、新鮮なIL-2含有組織培地による半体積の培養交換により、使用まで維持した。アッセイを、PHA-P刺激後72時間でPBMCにより開始した。
【0262】
ドナー変動性による効果を最低限にするために、アッセイに利用したPBMCは、3人のドナーから誘導された細胞の混合物であった。使用の直前に、標的細胞を、新鮮な組織培地に1×106細胞/mLで再懸濁させ、50uL/ウェルで、96ウェル丸底マイクロタイタープレートの内部ウェルに播種した。次いで、100uLの2倍濃度の化合物含有培地を、50uLの培地中に細胞を含む96ウェルプレートに移した。AZTを内部アッセイ標準として使用した。
【0263】
試験化合物をウェルに加えた後、HIVウイルスの50uLの所定の希釈液(最終的な望まれるウェル内濃度の4倍から調製)を加え、よく混合した。感染には、ウェルあたり50~150TCID50の各ウイルスを加えた(最終MOIおよそ0.002)。PBMCを三連でウイルスに曝露させ、上述の通り種々の濃度の試験物質の存在下又は非存在下で、96ウェルマイクロタイタープレート中で培養した。培養の7日後、HIV-1複製を、逆転写酵素(RT)活性の測定により組織培養上清中で定量化した。細胞及びウイルスのみのウェルはウイルス対照として作用した。別なプレートは、薬物細胞傷害性試験のために、ウイルスなしで全く同様に調製した。
【0264】
逆転写酵素活性アッセイ-逆転写酵素活性を、標準的な放射性組込み重合アッセイを利用して無細胞上清で測定した。トリチウム化したチミジン三リン酸(TTP;New England Nuclear)を1Ci/mLで購入し、酵素反応あたり1uLを使用した。rAdTストック溶液を、0.5mg/mL poly rAと1.7U/mL oligo dTを蒸留水で混合することにより調製し、-20℃で保存した。RT反応緩衝液を、毎日新しく調製し、125uLの1mol/L EGTA、125uLのdH2O、125uLの20%Triton X-100、50uLの1mol/Lトリス(pH7.4)、50uLの1mol/L DTT、及び40uLの1mol/LmgCl2からなる。各反応で、1uLのTTP、4uLのdH2O、2.5uLのrAdT、及び2.5uLの反応緩衝液を混合した。10マイクロリットルのこの反応混合物を丸底マイクロタイタープレートに配置し、15uLのウイルス含有上清を加え、混合した。プレートを、37℃で、加湿インキュベーター中で、90分間インキュベートした。インキュベーション後、反応体積の10uLをDEAEフィルターマットに適切なプレートフォーマットでスポットし、5%リン酸ナトリウム緩衝液中で5回(それぞれ5分)、蒸留水中で2回(それぞれ1分)、70%エタノール中で2回(それぞれ1分)洗浄し、次いで風乾した。乾燥したフィルターマットをプラスチックスリーブ中に配置し、4mLのOpti-Fluor Oをスリーブに加えた。組み込まれた放射能を、Wallac 1450 Micorobeta Trilux液体シンチレーションカウンターを利用して定量化した。
【0265】
実施例49.
HBV:
10%ウシ胎児血清を有するRPMI1640培地中のHepG2.2.15細胞(100μL)を、ウェルあたり1×104細胞の密度で96ウェルプレートの全ウェルに加え、プレートを37℃で、5%CO2の環境中で24時間インキュベートした。インキュベーション後、10%ウシ胎児血清を有するRPMI1640培地中に調製した試験化合物の6つの10倍段階希釈液をプレートの個々のウェルに三連で加えた。プレートの6つのウェルは、培地のみをウイルスのみの対照として受け取った。プレートを、6日間、37℃で、5%CO2の環境でインキュベートした。培地を、3日目に、示された濃度の各化合物を含む培地と交換した。100マイクロリットルの上清を、ウイルスDNAのqPCRによる分析のために各ウェルから回収し、細胞傷害性を、6日目に、細胞培養単層のXTT染色により評価した。
【0266】
6日目に回収した10マイクロリットルの細胞培養上清をqPCR希釈緩衝液(40μg/mL断片化処理済みサケ精子DNA)に希釈し、15分間沸騰させた。定量的なリアルタイムPCRを、Applied Biosystems 7900HT Sequence Detection System及びサポートしているSDS 2.4ソフトウェアを使用して386ウェルプレート中で実施した。5マイクロリットル(5μL)の各試料の沸騰させたDNA及び定量的なDNA標準の10倍連続希釈液を、Platinum Quantitative PCR SuperMix-UDG(Invitrogen)及び特異的なDNAオリゴヌクレオチドプライマー(IDT,Coralville,ID)HBV-AD38-qF1(5’-CCG TCT GTG CCT TCT CAT CTG-3’)、HBV-AD38-qR1(5’-AGT CCA AGA GTY CTC TTA TRY AAG ACC TT-3’)、及びHBV-AD38-qP1(5’-FAM CCG TGT GCA /ZEN/CTT CGC TTC ACC TCT GC-3’BHQ1)を使用して、各プライマーの最終濃度0.2μM、総反応物体積15μLでリアルタイムQ-PCRにかけた。各試料中のHBV DNAコピー数を、SDS.24ソフトウェアにより標準曲線から内挿し、データを分析のためにExcelスプレッドシートにインポートした。
【0267】
試験物質の50%細胞傷害性濃度を、処理された組織培養プレートにおけるテトラゾリウム染料XTTの減少を測定することにより誘導する。XTTは、代謝的に活性な細胞において、ミトコンドリアの酵素NADPHオキシダーゼにより可溶性ホルマザン生成物に代謝される。XTT溶液を、PBS中1mg/mLのストックとして毎日調製した。フェナジンメトサルフェート(PMS)ストック溶液を、PBS中0.15mg/mLで調製し、-20℃で暗所保存した。XTT/PMS溶液を、XTT溶液の1mLあたり40μLのPMSを加えることにより、使用直前に調製した。50マイクロリットルのXTT/PMSを、プレートの各ウェルに加え、プレートを37℃で2~4時間インキュベートした。2~4時間のインキュベーションが、各アッセイで示された数の細胞で、XTT染料減少の線形応答範囲内にあると経験的に決定した。粘着プレートシーラーを蓋の代りに使用し、密封したプレートを数回反転して、可溶性ホルマザン生成物を混合し、プレートを、450nm(650nm基準波長)で、Molecular Devices SpectraMax Plus 384分光光度計により読み取った。データをSoftmax 4.6ソフトウェアにより集め、分析のためにExcelスプレッドシートにインポートした。
【0268】
実施例50.
デング熱RNA依存性RNAポリメラーゼ反応条件
RNAポリメラーゼアッセイを、1.5ml管中で30℃で、100μl反応ミックスを使用して実施した。最終反応条件は、50mM Hepes(pH7.0)、2mM DTT、1mM MnCl2、10mM KCl、100nM UTR-Poly A(セルフアニーリング(self-annealing)プライマー)、10μM UTP、26nM RdRp酵素であった。異なる化合物(阻害剤)を有する反応ミックスを、30℃で1時間インキュベートした。ポリメラーゼ反応の間に発生するピロリン酸の量を評価するために、30μlのポリメラーゼ反応ミックスを、ルシフェラーゼ結合酵素反応ミックス(70μl)と混合した。ルシフェラーゼ反応の最終反応条件は、5mM MgCl2、50mMトリス-HCl(pH7.5)、150mM NaCl、200μU ATPスルフリラーゼ、5μM APS、10nMルシフェラーゼ、100μM D-ルシフェリンであった。光シグナルの検出のために、反応試料(100μl)を含む白色プレートを直ちに照度計Veritas(Turner Biosystems,CA)に移した。
【0269】
実施例51.
細胞インキュベーション及び分析の手順
Huh-7細胞を、12ウェル組織培養処理済みプレート中の1mLの完全培地中で、0.5×106細胞/ウェルで播種した。細胞を、一晩、37°/5%CO2で接着させた。試験物品の40μMストック溶液を100%DMSO中で調製した。40μMストック溶液から、25mlの完全DMEM培地中の試験物品の20μM溶液を調製した。化合物処理には、培地をウェルから吸引して、1mLの20μM溶液を完全DMEM培地中で適切なウェルに加えた。化合物を加えて「いない」細胞の別なプレートも調製した。プレートを、37°/5%CO2で、下記の時点インキュベートした:1、3、6及び24時間。所望の時点でのインキュベーションの後、細胞を1mLのDPBSで2回洗浄した。500μlの内部標準を加えた70%メタノール/30%水を、試験物品により処理された各ウェルに加えることにより、細胞を抽出した。未処理ブランクプレートを、ウェルあたり500uLの70%メタノール/30%水で抽出した。試料を16,000rpmで10分間4℃で遠心分離した。試料を、Hypercarb(PGC)カラムを備えたABSCIEX 5500 QTRAP LC-MS/MSシステムを使用してLC-MS/MSにより分析した。
【0270】
実施例52:
齧歯動物薬物動態的実験の手順
DBA-1Jマウス(6~8週齢、雌)を、受領から2日以上順化させた。投薬の前日にマウスの体重を量り、投薬体積を計算した。マウスに、強制経口投与により薬物を、30mg/kg、100mg/kg、及び300mg/kgで投薬した。マウスを、8時点:0.5、1、2、3、4、8及び24時間(試験薬で時点あたり3匹のマウス)で標本化した。マウスを安楽死させ、その臓器を集めた(下記参照)。血液を集めるために、マウスを、先に列記された適切な時点でCO2により安楽死させた。血液を、各時点で心臓穿刺(0.3ml)により得た。採血の後、臓器をマウスから取り出した(下記参照)。血液の入ったLi-ヘパリン管を、穏やかに2又は3回反転させ、よく混合することにより、血液を処理した。次いで、遠心分離ができるまで(1時間未満)、管を氷水中のラックに配置した。できるだけ早く、血液を、冷蔵遠心分離機中で約2000×gで10分間遠心分離して、血漿を得た。次いで、200μLピペットを使用して、血漿を、氷水中のラベルの付いた1.5mlエッペンドルフチューブに移した。次いで、血漿を、冷凍庫中又はドライアイス上で凍らせた。試料を分析の前に-80℃で保存した。臓器を、安楽死させたマウスから回収した。臓器(肺、肝臓、腎臓、脾臓及び心臓)を取り除き、管に入れ、液体窒素中で直ちに凍らせた。次いで、管をドライアイスに移した。試料を極低温組織バイアル中で保存した。試料を、Hypercarb(PGC)カラムを備えたABSCIEX 5500 QTRAP LC-MS/MSシステムを利用してLC-MS/MSにより分析した。
【0271】
薬物動態パラメーター:
・経口投薬後のTmaxは0.25~0.5時間である。
・Cmaxは、30、100及び300mg/kgの経口投薬後、3.0、7.7及び11.7ng/mlである;
・バイオアベイラビリティ(腹腔内送達に対して)は、30mg/kgで65%、100及び300mg/kg経口投薬で39~46%である;
・EIDD-1931血漿T1/2は、静脈内投薬後2.2時間であり、経口投薬後4.1~4.7時間である。
・300mg/kg経口投与後、24時間血漿レベルは、約0.4μMである;100mg/kg投与後約0.1μM。
【0272】
実施例53:
チクングニア感染のマウスモデルの手順
C57BL-6Jマウスの足底球に、100pfusのCHIKウイルスを注射した。試験群は、未感染で未処理群、感染未処理群、高投与量の35mg/kg腹腔内のEIDD-01931を受け取る感染群、及び低投与量の25mg/kg腹腔内のEIDD-01931を受け取る感染群からなった。EIDD-01931を受け取る2つの試験群は、曝露の12時間前、次いで毎日7日間化合物を受け取った。足底球を、炎症(足の厚み)に関して毎日7日間評価した。CHIKウイルスに誘発される関節炎(組織学)を、7日後に、足首関節においてPCRを使用して評価した。
【0273】
実施例54:
アルファウイルス感染の予防及び治療のためのN(4)-ヒドロキシシチジン
感染のベロ細胞細胞変性効果(CPE)モデルにおける活性試験は、リボヌクレオシドアナログN(4)-ヒドロキシシチジン(EIDD-01931)が、ロスリバー、EEE、WEE、VEE及びCHIKウイルスに対して活性を有し、それぞれ、EC50値が、2.45μM、1.08μM、1.36μM、1.00μM、及び1.28μMであることを示した。化合物の細胞傷害性プロファイルは許容できるものであり、選択指数は、CEM細胞における8の低値からHuh7(肝臓)細胞における232の高値の範囲であった。
【0274】
実施例55:
高力価のVEEウイルスが、エアゾール曝露の数時間以内に脳に発現できるとすると、治療的レベルの薬物を脳に迅速に達成できるのであれば、直接作用型抗ウイルス剤が望ましい。パイロット薬物動態的試験を、強制経口投与により5及び50mg/kgのEIDD-01931を投薬した雄SDラットで実施して、薬物動態パラメーター及び脳を含む主要な臓器系への化合物の組織分布プロファイルを決定した。EIDD-01931は、経口で使用でき、用量比例性であり、計算されたバイオアベイラビリティ(%F)が28%である。臓器試料(脳、肺、脾臓、腎臓、及び肝臓)を、投与後2.5及び24時間で、50mg/kg投与量群から回収した。EIDD-01931は、試験された全組織に良好に分布していた;特に注目すべきは、細胞データからの推定に基づいて、それは、治療的な薬物のレベルで、脳組織に容易に分布していた。いったん脳に入ると、EIDD-01931は、その活性な5’-三リン酸形態に迅速に代謝され、2.5及び24時間でそれぞれ526及び135ng/gの脳レベルを与えた。24時間後でさえ、EIDD-01931及びその5’-三リン酸の脳中のレベルは顕著であり、1日1回経口投薬が治療に充分であり得ることを示唆している。
【0275】
或いは、エアゾールによる薬物送達(鼻腔内スプレー)投与が、鼻腔内粘膜及び脳における治療的な薬物のレベルを直ちに達成し得る。EIDD-01931は、マウスの6日の1日1回腹腔内(IP)注射の後に許容できる毒物学プロファイルを有し、NOEL(無作用量)は33mg/kgである;体重減少は、試験した最高投与量(100mg/kg)で観察されたが、投薬をやめると逆転した。
【0276】
実施例56:
EIDD-01931のいくつかの誘導体は、種々のウイルスに対するスクリーニングにおいて抗ウイルス活性を示した。活性データを以下の表に示す。
【0277】
【0278】
【0279】
【0280】
【0281】
【0282】
実施例57:CHIKV CPEアッセイでスクリーニングされた化合物
【化56】
【0283】
実施例58:
CHIKV CPEアッセイでスクリーニングされた化合物
【0284】
【0285】
実施例59:
CHIKV CPEアッセイでスクリーニングされた化合物
【化57】
【化58】
【0286】
実施例60:
【0287】
【0288】
実施例61:
CHIKV CPEアッセイでスクリーニングされた化合物
【化59】
【化60】
【0289】
実施例62:
【0290】