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特開2023-153915腐食を防止するための犠牲導電性スタックを用いる方法
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  • 特開-腐食を防止するための犠牲導電性スタックを用いる方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153915
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】腐食を防止するための犠牲導電性スタックを用いる方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20231011BHJP
   H01L 21/3213 20060101ALI20231011BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20231011BHJP
   H01L 21/768 20060101ALN20231011BHJP
【FI】
H01L21/88 R
H01L21/88 C
H01L21/88 T
H01L21/92 604M
H01L21/90 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124080
(22)【出願日】2023-07-31
(62)【分割の表示】P 2020536657の分割
【原出願日】2018-12-31
(31)【優先権主張番号】15/858,145
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】マノジ ケイ ジェイン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】腐食防止のために銅メタライゼーション層を導電性スタックで保護する集積回路(IC)チップの製造方法を提供する。
【解決手段】ICチップを含むウェハ100の製造方法は、銅メタライゼーション層102を露出させるためにパッシベーションオーバーコート106を介してICチップの第1の表面上にウィンドウ108を開けることを含む。ウィンドウは、側壁と、銅メタライゼーション層に隣接する底部とを有する。方法はまた、パッシベーションオーバーコートと、銅メタライゼーション層の露出した部分との上に障壁導電性スタック112を堆積することと、犠牲導電性スタック118を障壁導電性スタック上に堆積することと、を含む。犠牲導電性スタックは、50Å~500Åの厚みを有する。方法はさらに、パッシベーションオーバーコートの表面から犠牲導電性スタック及び障壁導電性スタックを除去するために、半導体チップの第1の表面を研磨する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(IC)チップを製造する方法であって、
銅メタライゼーション層を露出させるためパッシベーションオーバーコートを介して前記ICチップの第1の表面上にウィンドウを開けることであって、前記ウィンドウが、側壁と前記銅メタライゼーション層に隣接する底部とを有すること、
前記パッシベーションオーバーコートと、前記銅メタライゼーション層の露出部分との上に障壁導電性スタックを堆積させること、
前記障壁導電性スタック上に50Å~500Åの厚みを有する犠牲導電性スタックを堆積させること、及び
前記パッシベーションオーバーコートの表面から前記犠牲導電性スタック及び前記障壁導電性スタックを除去するために前記ICチップの前記第1の表面を研磨すること、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記障壁導電性スタックが、窒化タンタルの第1の層を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記障壁導電性スタックがニッケルの層を更に含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記障壁導電性スタックが、窒化タンタルの第2の層を更に含む、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、
前記障壁導電性スタックが、タングステンの層を更に含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記犠牲導電性スタックが、パラジウム、プラチナ、金、ルテニウム、又はそれらの任意の組み合わせのいずれかを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記ウィンドウの少なくとも前記底部から前記犠牲導電性スタックを除去するためにエッチングプロセスを行うことを更に含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記エッチングプロセスを行うことが、前記ウィンドウから前記犠牲導電性スタックを除去するためにウェットエッチングプロセスを行うことを含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、
前記エッチングプロセスを行うことが、前記ウィンドウの前記底部から前記犠牲導電性スタックを除去するためにスパッタエッチングプロセスを行うことを含む、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法であって、
前記ウィンドウを実質的に充填する更なるメタライゼーション層を形成することを更に含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記更なるメタライゼーション層がアンダーバンプ金属層である、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、
前記更なるメタライゼーション層が、銅のめっき層である、方法。
【請求項13】
集積回路を製造する方法であって、
銅メタライゼーション層への保護オーバーコートを介するウィンドウを含む半導体チップを受け取ることであって、前記ウィンドウが、前記銅メタライゼーション層及び前記保護オーバーコートに隣接する障壁導電性スタックと、前記障壁導電性スタックに隣接する犠牲導電性スタックとを有すること、及び
前記犠牲導電性スタックを除去するためにエッチングプロセスを行うこと、
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記エッチングプロセスを行うことが、前記犠牲導電性スタック全体を除去するためにウェットエッチングプロセスを行うことを含む、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
前記エッチングプロセスを行うことが、前記銅メタライゼーション層に隣接する前記ウィンドウの表面から前記犠牲導電性スタックを除去するスパッタエッチングプロセスを行うことを含む、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、
前記障壁導電性スタックを介して前記銅メタライゼーション層に結合する更なるメタライゼーション層を形成することを更に含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記更なるメタライゼーション層を形成することが、銅相互接続層をめっきすることを含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記更なるメタライゼーション層を形成することが、前記ウィンドウに重なるアンダーバンプ金属層を堆積させることを含む、方法。
【請求項19】
集積回路(IC)チップであって、
銅メタライゼーション層、
前記銅メタライゼーション層に重なるパッシベーションオーバーコート、
前記銅メタライゼーション層を露出させる前記パッシベーションオーバーコートを介するウィンドウであって、側壁と、前記銅メタライゼーション層に隣接する底部とを有する、前記ウィンドウ、
前記ウィンドウの前記側壁及び前記底部をライニングし、前記銅メタライゼーション層に接する、障壁導電性スタック、及び
前記障壁導電性層を介して前記銅メタライゼーション層に結合される更なるメタライゼーション層
を含む、ICチップ。
【請求項20】
請求項19に記載のICチップであって、
前記障壁導電性スタックと前記パッシベーションオーバーコートとの間の前記ウィンドウの前記側壁をライニングする犠牲導電性スタックの残留物を更に含む、ICチップ。
【請求項21】
請求項19に記載のICチップであって、
前記銅メタライゼーション層が、レベル間誘電体層に形成されるトレンチにおいて形成され、前記更なるメタライゼーション層が誘電体層の表面上に形成される、ICチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は概して、銅接続の腐食を防止することに関し、より詳細には腐食を防止するために犠牲導電性スタックを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体ウェハの製造が完了した場合でも、パッケージ化された集積回路(IC)チップの形成は、複数ステップを必要とし得、複数位置で行われ得る。関係する潜在的な工程と、経験し得る潜在的な遅延のため、大気に曝される可能性のあるいかなる銅接続も、腐食を防止するために保護されなければならない。ウェハの一部であるままの少なくとも幾つかのICチップでは、腐食防止方法が実施される一方で、銅接続を用いるウェハのプロービングが行わなければならない。腐食防止及び/又はプロービングのために現在用いられているプロセスは、アンダーバンプ金属又はめっき銅相互接続を用いる相互接続方法に費用がかかる。改善が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
説明される実施例は、ICチップ上の銅接続の腐食を防止するために、犠牲導電性スタックを用いる方法を提供する。この方法は、銅接続の完全性を保護しながら、メモリに書き込まれたデータの熱応力を含む、チップのプロービングを可能にするためにも用いられ得る。ウィンドウが銅接続に開かれた後、ウィンドウに重なるチップの表面上に障壁導電性スタックが形成される。犠牲導電性スタックが、障壁導電性スタックの上に形成され、できるだけ薄く保たれる。障壁導電性スタックのこれらの部分、及び保護オーバーコートの表面上にある犠牲導電性スタックは、化学機械研磨によって除去される。この状態では、銅接続を備えるICチップを含むウェハは、銅接続を損なうことなく、出荷され得、プローブされ得、又は熱応力をかけることができる。相互接続又はアンダーバンプ金属を形成する前に、犠牲導電性スタックを実質的にウィンドウから除去して、障壁導電性スタックを露出させる。
【0004】
一態様において、集積回路チップにおける銅メタライゼーションの腐食を防止するために犠牲伝導性層を利用する方法の一実施例について記載される。この方法は、銅メタライゼーション層を露出させるためにパッシベーションオーバーコートを介してICチップの第1の表面上にウィンドウを開けることであって、このウィンドウが、側壁と銅メタライゼーション層に隣接する底部とを有すること、パッシベーションオーバーコート及び銅メタライゼーション層の露出された部分上に障壁導電性スタックを堆積させること、50Å~500Åの厚みを有する犠牲導電性スタックを障壁導電性スタック上に堆積させること、及び、半導体チップの第1の表面を研磨して、犠牲導電性スタック及び障壁導電性スタックをパッシベーションオーバーコートの表面から除去することを含む。
【0005】
別の態様において、銅メタライゼーション層の上に相互接続を形成する方法の一実施例について記載する。この方法は、銅メタライゼーション層への保護オーバーコートを介するウィンドウを含む半導体チップを受け取ることであって、ウィンドウが、銅メタライゼーション層及び保護オーバーコートに隣接する障壁導電性スタックと、障壁導電性スタックに隣接する犠牲導電性スタックとを有することと、犠牲導電性スタックを除去するためエッチングプロセスを行うこととを含む。
【0006】
更に別の態様において、集積回路(IC)チップの一実施例について記載する。ICチップは、銅メタライゼーション層、銅メタライゼーション層の上に重なるパッシベーションオーバーコート、銅メタライゼーション層を露出させるパッシベーションオーバーコートを介するウィンドウであって、側壁と銅メタライゼーション層に隣接する底部とを有するウィンドウ、ウィンドウの側壁及び底部をライニングし、銅メタライゼーション層に接する障壁導電性スタック、障壁伝導性層を介して銅メタライゼーション層に結合される更なるメタライゼーション層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施例に従った、腐食を防止するために犠牲導電性スタックによって銅メタライゼーション層が保護されるウェハの例を示す。
【0008】
図2A】一実施例に従って形成される、或るタイプの相互接続又はアンダーバンプメタライゼーションを有するICチップの一部を示す。
図2B】一実施例に従って形成される、或るタイプの相互接続又はアンダーバンプメタライゼーションを有するICチップの一部を示す。
図2C】一実施例に従って形成される、或るタイプの相互接続又はアンダーバンプメタライゼーションを有するICチップの一部を示す。
図2D】一実施例に従って形成される、或るタイプの相互接続又はアンダーバンプメタライゼーションを有するICチップの一部を示す。
図2E】一実施例に従って形成される、或るタイプの相互接続又はアンダーバンプメタライゼーションを有するICチップの一部を示す。
図2F】一実施例に従って形成される、或るタイプの相互接続又はアンダーバンプメタライゼーションを有するICチップの一部を示す。
図2G】一実施例に従って形成される、或るタイプの相互接続又はアンダーバンプメタライゼーションを有するICチップの一部を示す。
【0009】
図3】一実施例に従った、腐食を防止するために犠牲導電性スタックを形成する方法を示す。
【0010】
図4】一実施例に従った、銅メタライゼーション層の上に相互接続を形成する方法を示す。
【0011】
図5】従来技術に従った、ワイヤボンディングを受け取る銅メタライゼーション層が腐食から保護されているウェハを示す。
【0012】
図6】バンプアレイの形成のためにバンプショップに送られる銅メタライゼーション層が従来技術に従って腐食から保護されているウェハを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面において、類似の参照符号は同様の要素を示す。本記載において、「結合する」という用語はワイヤレス接続を含み得る「通信可能に結合される」と限定されない限り、間接的又は直接的な電気的接続のいずれかを意味する。そのため、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接的な電気的接続を介するもの、又は他のデバイス及び接続を介する間接的電気的接続を介するものであり得る。
【0014】
半導体チップとそれらのパッケージングが進化し続けるにつれて、相互接続を短縮するために複数チップを相互接続する数多くの方法が進化してきている。パッケージされたチップの形成が多数の場所で行われることは珍しくない。例えば、数個~数千個のチップを含むウェハが第1の場所で製造され得る。いくつかの場合に、製造は、チップ上の不揮発性メモリに特有の情報を書き込むことを含み得、これは情報が正しくストアされたかどうかを判定するための各チップのプローブ、ウェハの熱応力、及び、応力下でどのチップが故障したかを判定するためのチップの第2のプローブを必要とする。その後、ウェハは第2の場所に出荷され得、そこで、チップが分離され、リードフレームに結合され得るか、又は、バンプアレイ又は他の形態のコネクタを形成し得る。
【0015】
製造施設(ファブ)におけるメタライゼーション層は、銅又はアルミニウムのいずれかとし得る。製造施設における銅メタライゼーション層は概して、誘電体層におけるトレンチをエッチングし、トレンチを銅で充填するダマシンプロセスを用いて形成される。対照的に、例えば、アンダーバンプメタライゼーション又は相互接続層など、保護オーバーコートがチップ上に提供された後に形成されるメタライゼーション層は概して、アルミニウムの層を堆積すること、次いでアルミニウムをパターニング及びエッチングすることによって、又はチップの頂部層上にフォトレジスト層をパターニングし、フォトレジストによって露出された表面上に銅をめっきすることによって形成される。バンプ金属の堆積は概して、障壁層を堆積させること、続いて銅めっきを施すことで構成される。本願は、ファブメタライゼーションを、バンプショップメタライゼーションとは対照的なものとして言及して、これら2つの異なるメタライゼーションプロセスとそれらが発生する時点とを区別している。バンプショップメタライゼーションに関するこの言及は、アンダーバンプメタライゼーションに限定することは意図しておらず、単なる例示としての役割を果たす。
【0016】
最終的なファブメタライゼーション層が銅である場合、この銅は、バンプショップメタライゼーションが形成される前の時間において、例えば熱及び湿度などの腐食効果を受け得る。現在、チップは、チップ自体の完成と、必要な更なるパッケージングとの間に数週間を費やす可能性があり、しばしば海外である他の施設に出荷され得るため、起こり得る腐食から銅を守らなければならない。図5は、最終的なファブメタライゼーション層が銅である、従来技術のウェハ500を示す。ウェハ500は、トランジスタ、抵抗器、コンデンサなどの様々なデバイス(特に図示せず)が形成される基板502を含む。基板の上にレベル間誘電体(ILD)504が形成され、チップ上のデバイスを互いに接続するためにメタライゼーション層が形成されている。図示のメタライゼーション層は、金属N-1 506A、金属N506B、及び銅メタライゼーション層508を含む。この図には3つのメタライゼーション層が示されているが、メタライゼーション層の数は、チップの設計に応じて、3より少なくても多くてもよい。記載された手法は、最終的なメタライゼーション層508における銅に特定しているが、他のメタライゼーション層はアルミニウム又は銅のいずれかであり得る。ビア505は、異なる相互接続層間の接続を提供する。
【0017】
湿気不透過性の保護オーバーコート510が、保護のために銅メタライゼーション層508及びILD504の上に形成されている。図示される実施例では、保護オーバーコート510が2つの層を有する。すなわち、シリコン酸化物であり得る酸化物層510Aが銅メタライゼーション層508の直接上に層を形成し、酸化物層510Aの上に形成される層510Bが窒化物又はオキシナイトライドのいずれかであり得る。銅メタライゼーション層508に接するように保護オーバーコート510にウィンドウ512が開けられている。銅メタライゼーション層508を酸化から保護し、任意の必要なプロービングがウェハ500に対して行われ得るようするため、ウィンドウ512内に3層ライナーが形成される。窒化タンタル(TaN)514の層が障壁層として提供され、続いて、ニッケル(Ni)516の層が提供される。これらの2つの層は必要な障壁を提供するが、耐腐食性があり、プローブされ得る表面は存在しない。提供される最終的な層はパラジウム(Pd)518であり、これはプロービングに用いられ得、チップがさらされる温度で腐食しない。パラジウム層518は典型的に約1500Åの厚さである。図5に示された実施例は、ワイヤボンディングを受けるチップにはうまく機能するが、この構成は、バンプアレイや他の相互接続手法など、他のタイプの相互接続では機能しない。更なるメタライゼーションを伴うこの実施例を用いることに関する問題は、更なるメタライゼーションがパラジウムに付着せず剥離することである。
【0018】
図6は、腐食に対して保護され、バンプアレイを形成するために利用し得る銅接続を有するウェハ600の概略図を示す。この図では銅メタライゼーション層508より下のすべての要素が図5と同じであるが、耐腐食のために用いられる解決策及びプローブされる能力は異なっている。ここでも、この実施例において第1の保護オーバーコート602である保護オーバーコートが、銅メタライゼーション層508及びILD504の頂部の上に形成され、ウィンドウ(特に示されていない)が保護オーバーコート602を介して形成されて、銅メタライゼーション層508を露出させる。窒化タンタル604の薄い層が、保護オーバーコート602及び露出された銅メタライゼーション層508の表面の上に堆積される。窒化タンタル604の後には、銅メタライゼーション層508の上にキャップを形成するアルミニウム606の層が続く。このアルミニウム606は、パターニングされるフォトレジストで覆われ、アルミニウム606及びTaN604の不必要な部分が除去されて、アルミニウムキャップ607が形成される。アルミニウムキャップ607は柔らかく、変形されるため、アルミニウムキャップ607は、この場合も酸化物層608A及びオキシナイトライド608Bを含む、第2の保護オーバーコート608によって覆われる。次いで、第2の保護オーバーコート608は、パターニングされ、エッチングされて、第2のウィンドウ610を開けて、アルミニウムキャップ607を露出させる。
【0019】
アルミニウムキャップ607は、銅メタライゼーション層508を腐食から保護し、必要に応じてプロービングを可能にするために良好に機能する。アルミニウムキャップ607を含むウェハがバンプショップで受け取られると、ウェハは、概して短いスパッタエッチングプロセスで洗浄され得、バンプアレイは既知の手法に従って形成され得る。プロセス全体は既知であり理解されている。しかしながら、アルミニウムキャップを実装するための2つのマスクが必要であるため、このプロセスを利用するには費用がかかる。
【0020】
出願人はワイヤボンディング応用例のために用いられている保護プロセスがバンプアレイを形成するような応用例には適用できないが、バンプショップで利用されるウェハ洗浄プロセスがこの層を完全に又は実質的に除去できるところまで、最終的な腐食耐性層を薄くすることによって、バンプアレイ及び他のコネクタと共に使用するように適合させることができると判断した。すなわち、作製される回路の永久部品となるのではなく、保護金属層の外側層が犠牲層となる。
【0021】
明確にするために、出願人は本願の目的のために、犠牲層又は犠牲導電性スタックへの言及は、完全に犠牲的である、すなわち、処理中に完全に除去される、一つ又は複数の導電性層の両方を覆うこと、及び実質的に除去されるが、除去するのが困難な位置に材料の残留物又はタグを残し得る一つ又は複数の導電性層を覆うことを意図することに留意されたい。この後者の状況は、例えば、メタライゼーション層への開口などの、窪みから導電性スタックを除去するためにスパッタエッチングプロセスが利用される場合に生じ得る。エッチングプロセスの方向性のため、エッチングは開口の底部にある犠牲導電性スタックの一部をうまく除去し得るが、開口の側壁及び/又は角部に近接する導電性スタックの一部が残る。これらの残留物は、存在する場合、バンプ又は他のコネクタの生成と干渉しない。対照的に、犠牲導電性スタックを除去するためにウェットエッチングプロセスが利用される場合、エッチングプロセスは概して、犠牲導電性スタックを完全に除去し得る。
【0022】
図1は、腐食を防止するために銅メタライゼーション層が導電性スタックによって保護されるICチップを含むウェハ100の例を描写しており、導電性スタックは部分的に犠牲的である。この図では、最終的な銅メタライゼーション層102を含むICチップのごく一部のみが示されているが、任意の数の他のメタライゼーション層が銅メタライゼーション層102の下にあってもよい。銅メタライゼーション層102は、レベル間誘電体104によって囲まれており、保護オーバーコート106で覆われている。一実施例において、保護オーバーコート106は、シリコン酸化物とし得る酸化物層106Aと、オキシナイトライド層106Bとを含む。窒化物の層(特に図示せず)を、オキシナイトライド106Bと共に、又はその代わりに利用し得る。
【0023】
ウィンドウ108が保護オーバーコート106を介してコンタクト銅メタライゼーション層102まで開けられた後、2つの導電性スタックがウェハ100の表面上に堆積されて、必要な腐食保護が提供される。スタックは2つのいくぶん異なる目的を果たし、各々、導電性材料の1つ又はそれ以上の層を含む。
【0024】
第1のスタックは、障壁導電性スタック112であり、銅メタライゼーション層102と更なる層との間に障壁を提供するように作用する。一実施例において、障壁導電性スタック112は、100Å~800Åの範囲の厚みに堆積されるTa又はTaNの層114、及び、2000Å~30,000Åの範囲の厚みに堆積されるNi 116を含む。障壁導電性スタック112の別の実施例は、TaNの層、続いてNiの層、及び、TaNの更なる層を含み得る。別の実施例において、TaNの層の後に、窒化タンタルの更なる層を備えるか又は備えない、タングステン(W)の層が続き得る。
【0025】
第2のスタックは、障壁導電性スタックの酸化を防止する犠牲導電性スタック118であり、必要に応じてウェハのプロービングに利用することもできる。犠牲導電性スタック118は、図1に示されるように、単一の層であり得る。犠牲導電性スタック118に適した材料には、例えば、金、プラチナ、パラジウム、及びルテニウムなどの貴金属、並びにこれらの金属の任意の組み合わせが含まれる。犠牲導電性スタック118に適した他の導電性材料には、例えばクロムなど、260℃又はそれ以下で著しく酸化しない金属が含まれる。一実施例において、犠牲導電性スタック118は、50~500Åの範囲の厚みを有する。一実施例において、犠牲導電性スタック118は、50~400Åの範囲の厚みを有する。別の実施例において、犠牲導電性スタック118は、50~250Åの範囲の厚みを有する。更に別の実施例において、犠牲導電性スタック118は、50~100Åの範囲の厚みを有する。単一の層として示されているが、犠牲導電性スタック118は、例えば金に重なるプラチナなど、複数の犠牲層を含み得る。バンプショップで通常用いられる洗浄プロセスが、ウェハのための通常の洗浄プロセスと比較した場合に付加的な時間がほとんど又は全く必要とされずに犠牲導電性スタック118を除去できるように、犠牲導電性スタック118をできるだけ薄く保つことが望ましい。
【0026】
記載されるプロセスは、ウェハ又はチップ上のバンプアレイと共に用いるように設計されているが、このプロセスは特定の方法を用いて形成されたバンプアレイに限定されるものではなく、バンプアレイにも限定されない。図2A図2Gは、各々、コスト効率の良い方式でこれらのコネクタを提供するために、記載された犠牲導電性スタックを用い得る接続方法を有するICチップ200を示す。これらの例の各々は、図1図5、及び図6に示された同じ基本ウェハを用いるが、各例において、わずかに異なるコネクタが利用されるか、或いは、異なる方式で銅メタライゼーション層202に結び付けられる。
【0027】
図2A図2Dは各々、実施例に従って形成されるアンダーバンプメタライゼーションの形態を有するICチップ200A~200Dを示す。図2Aでは、銅メタライゼーション層202が、障壁導電性スタック203を介して再分配層RDL204に結合される。第1のポリイミド層206Aが、再分配層RDL204の形成の前に保護オーバーコート205の上に堆積されており、第2のポリイミド層206Bが、再分配層204の頂部上に堆積されている。アンダーバンプ金属208が、再分配層204に接して形成されており、はんだバンプ210のためのランディングエリアを提供する。
【0028】
図2Bにおいて、銅相互接続層212が、保護オーバーコート205の頂部上に形成されており、障壁導電性スタック203を介して銅メタライゼーション層202に接し、一方、ポリイミド214が、銅相互接続層212の頂部上に堆積される。アンダーバンプ金属208が、ポリイミド214の頂部上に形成されており、銅相互接続層212と接しており、はんだバンプ210が、アンダーバンプ金属208上に形成される。図2Cは、アンダーバンプ金属208が、ポリイミド216によってのみ保護オーバーコート205から分離され、障壁導電性スタック203に直接的に接して銅メタライゼーション層202に結合する一実施例を示す。図2Dは、アンダーバンプ金属208が、保護オーバーコート205の頂部上に形成されており、障壁導電性スタック203に直接的に接して銅メタライゼーション202に結合する更なる実施例を示す。これらの実施例に対する他の変形も可能である。
【0029】
図2E図2Gは、更なるチップとの結合を提供する手段を有する、他のICチップ200E~200Gを示す。図2Eでは、銅ピラー218が障壁導電性スタック203を介して銅メタライゼーション層202に結合され、ポリイミド220によって保護オーバーコート205からも分離される。図2Fでは、ポリイミド層は省かれ、金属ボンディング層METTOP222が、銅メタライゼーション層202への結合を提供するために、保護オーバーコート205及び障壁導電性スタック203に直接重なって堆積されている。図2Gは、金属ボンディング層METTOP224が保護オーバーコート205及び障壁導電性スタック203に重なって堆積され、その後エッチングされ、続いてポリイミド228が堆積される一実施例を示す。銅ポスト226が、金属ボンディング層METTOP203へのコンタクトを提供する。チップを印刷回路基板又は別のチップに結合するこれらの方法は、腐食を防止するために犠牲導電性スタックを用いる記載された方法を組み込むことができる手法の例として提供される。また、より少ないプロセス工程及びより少ない費用で腐食保護を提供するために、他の手法も記載されたプロセスを用い得る。これらの例の各々は事前に開けられたウィンドウをライニングする障壁導電性スタック203のみを示しているが、スパッタエッチングプロセスを用いる実施例において、事前に開けられたウィンドウの側壁上に犠牲導電性スタック(具体的には図示せず)の残留物が存在し得ることに留意すべきである。
【0030】
図3は、一実施例に従った、銅メタライゼーション層の腐食を防止するために犠牲導電性スタックを用いる方法300のためのフローチャートを示す。方法300が始まると、ICチップ上のデバイスを互いに結合するメタライゼーション層と同様に、能動デバイスがICチップ上に既に形成されている。銅である頂部メタライゼーション層が、パッシベーションオーバーコートで覆われている。典型的なパッシベーションは、オキシナイトライド、シリコン窒化物、二酸化シリコンとオキシナイトライドとの組み合わせ、又は、二酸化シリコンとシリコン窒化物との組み合わせで構成され得る。方法300は、銅メタライゼーション層を露出させるためにパッシベーションオーバーコートを介してICチップの第1の表面上にウィンドウを開けること(305)で始まる。ウィンドウは、パッシベーションオーバーコートに隣接する側壁と、銅メタライゼーション層に隣接する底部とを有するものとして定義される。
【0031】
方法300は、パッシベーションオーバーコートと、銅メタライゼーション層の露出部分との上に障壁導電性スタックを堆積すること(310)で継続する。一実施例において、障壁導電性スタックは、TaNの層と、TaNの頂部上のNiの層とを含む。次いで、犠牲導電性スタックが、障壁導電性スタック上に堆積される(315)。犠牲導電性スタックは、50Å~500Åの厚みを有する。一実施例において、犠牲導電性スタックはパラジウムで形成される。最終的に、半導体チップの第1の表面を研磨して(320)、犠牲導電性スタック及び障壁導電性スタックがパッシベーションオーバーコートの表面から除去される。一実施例において、銅メタライゼーション層は、他の施設で行われている印刷回路基板又はその他のチップへの結合のためのチップを準備するなどの他のメタライゼーションプロセスと共に、製造施設において形成される最後のメタライゼーション層である。
【0032】
一実施例において、チップ上に形成されたメモリにデータが書き込まれる(325)。これは、プローブと、犠牲導電性スタック及び障壁導電性スタックによって提供される銅メタライゼーション層へのアクセスとを用いて行われ得る。データが書き込まれた後、熱ストレスが焼成サイクルによってチップに対して行なわれ得る(330)。これに続いて、メモリからのデータを読み取り(335)、保持について試験する。データを保持していないメモリはマーキングされ得、顧客には出荷されない。要素325、330、335の各々は、それらが任意選択であることを示すために点線内に示されている。
【0033】
印刷回路基板又はその他のチップへの結合のためのチップを準備することは概して、異なる施設で行われるが、幾つかの製造施設はこれらのタスクを自社内で行い得る。一実施例において、メモリ試験に続いて、事前につくられたウィンドウから犠牲導電性スタックが除去される。この実施例において、方法300は、ウィンドウの少なくとも底部から犠牲導電性スタックを除去するためにエッチングプロセス340を行うステップで継続する。エッチングプロセスがウェットエッチングである場合、犠牲導電性スタックはウィンドウの側部からも除去されるが、これはこのプロセスに必須ではない。犠牲導電性スタックの除去に加えて、エッチングプロセスはまた、メモリの読み取りの間に導入された可能性のある汚染物質を除去する。最終的に、ウィンドウを実質的に充填する更なるメタライゼーション層345が形成される。少なくとも一実施例において、更なるメタライゼーション層はウィンドウを完全に充填する。一実施例において、まず、ポリイミド層などの誘電体層が保護オーバーコート上に堆積され、銅メタライゼーション層に接するため、より小さなウィンドウが誘電体層を介して開けられる。この後者の実施例において、更なるメタライゼーション層は、このより小さなウィンドウを充填し、その後、オリジナルのウィンドウを実質的に充填する。更なるメタライゼーション層は、図2A図2Gに示されるプロセスのいずれかであり得、又は、現在既知であるか又は未知であるかにかかわらず、任意の他のメタライゼーションプロセスであり得る。
【0034】
図4は、銅メタライゼーション層の上に相互接続を形成する方法400のためのフローチャートを示す。この方法は概して、バンプ施設又は同様の施設で行われ得る。方法400は、銅メタライゼーション層への保護オーバーコートを介するウィンドウを含む半導体チップを受け取ること(405)で開始する。受け取られるとき、ウィンドウは、銅メタライゼーション層及び保護オーバーコートに隣接する障壁導電性スタックと、障壁導電性スタックに隣接する犠牲導電性スタックとを有している。施設は、犠牲導電性スタックを除去するためにエッチングプロセスを行う(410)。犠牲導電性スタックはできるだけ薄く形成されるので、一実施例において、このプロセスは、汚染物質の除去に通常割り当てられるものよりも、犠牲導電性スタックを除去するための付加的な時間を必要としない。一実施例において、犠牲導電性スタックの除去のための付加的な時間は最小限である。上述のように、エッチングプロセスは、ウィンドウの底部上にある犠牲導電性スタックの部分のみを除去し得、或いは、エッチングプロセスは、犠牲導電性スタックのすべての部分を除去し得る。いずれの場合においても、エッチングプロセスの後、障壁導電性スタックを介して銅メタライゼーション層に結合する更なるメタライゼーション層の形成が続く(415)。更なるメタライゼーション層を形成するこのプロセスは、現在既知であるか又は未知であるかにかかわらず、任意の方法を用い得る。
【0035】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路を製造する方法であって、
銅メタライゼーション層への保護オーバーコートを介するウィンドウを含む半導体チップを受け取ることであって、前記ウィンドウが、前記銅メタライゼーション層前記保護オーバーコートに隣接する障壁導電性スタックと、前記障壁導電性スタックに隣接する犠牲導電性スタックとを有する、前記受け取ること
前記犠牲導電性スタックを除去するためにエッチングプロセスを行うこと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、
前記エッチングプロセスを行うことが、前記犠牲導電性スタック全体を除去するためにウェットエッチングプロセスを行うことを含む、方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、
前記エッチングプロセスを行うことが、前記銅メタライゼーション層に隣接する前記ウィンドウの表面から前記犠牲導電性スタックを除去するスパッタエッチングプロセスを行うことを含む、方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、
前記障壁導電性スタックを介して前記銅メタライゼーション層に結合する更なるメタライゼーション層を形成することを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、
前記更なるメタライゼーション層を形成することが、銅相互接続層をめっきすることを含む、方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、
前記更なるメタライゼーション層を形成することが、前記ウィンドウに重なるアンダーバンプ金属層を堆積させることを含む、方法。