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▶ ユニバーシティー オブ ユタ リサーチ ファウンデーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153926
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】交差架橋剤、及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20231011BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 33/34 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P27/02
A61K33/34
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023125896
(22)【出願日】2023-08-02
(62)【分割の表示】P 2021130408の分割
【原出願日】2016-12-06
(31)【優先権主張番号】62/305,227
(32)【優先日】2016-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513256479
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ユタ リサーチ ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】University of Utah Research Foundation
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】アンバーティ、バラムラリ ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウエハラ、ヒロノリ
(72)【発明者】
【氏名】ムッダナ、サントッシュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】眼の角膜シリルオキシダーゼ活性を増大させる眼科用組成物を提供する。
【解決手段】眼科用組成物または剤形は、治療的有効量の交差架橋剤、及び薬学的に許容可能な担体を含みうる。前記組成物または剤形は、治療的有効量の前記組成物を治療期間中に対象者の眼に投与する工程により、眼科的状態を治療するために使用されうる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科用組成物であって、
対象者の眼における角膜リシルオキシダーゼ活性を増大させるために十分な量の交差架橋剤と、
薬学的に許容可能な担体と、
を有する、眼科用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2016年3月8日に出願された米国仮特許出願第62/305,227号の利益を主張し、その仮出願は本参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの眼科的状態は、角膜薄化及び角膜の生体力学的衰弱をもたらしうる。いくらかの場合においては、角膜の形が改変され得、乱視、光に対する過敏症、及び他の合併症を引き起こす。そのような状態は、円錐角膜、角膜潰瘍、角膜拡張症、ペルーシド周辺変性、及びこれらの類似物を含みうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、円錐角膜(KCN)は、角膜薄化、並びにボーマン層及びデスメ膜における断裂をもたらしうる、角膜コラーゲン構成の構造的変化と関連付けられる進行性障害である。一般に、その疾患は、角膜がより円錐形を呈し、これにより不規則な乱視、進行性の近視、角膜薄化、それに次いで乏しい視力が起こる、人生の10代に兆候が現れる。KCNの罹患率は、様々であり、遺伝的、地理的、人種的、ジェンダー、及び診断的考慮事項に依存し、最も引用される罹患率は、100,000あたり50である。KCNの重度は、角膜の最小厚、劣性-優勢または眼間非対称性、最大ケラトメトリー、または角膜ヒステリシスによりしばしば評価される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A図1Aは、Cu治療への応答での角膜線維芽細胞におけるリシルオキシダーゼ活性の増加を示す、グラフである。
図1B図1Bは、Cu治療への応答での角膜線維芽細胞におけるリシルオキシダーゼ活性の増加を示す、別のグラフである。
図2A図2Aは、Cu治療への応答での円錐角膜におけるリシノノルロイシン交差架橋の増加を示す、クロマトグラフを例証する。
図2B図2Bは、治療されていない円錐角膜において、検出可能なリシノノルロイシン交差架橋がないことを示す、クロマトグラフを例証する。
図2C図2Cは、正常角膜におけるリシノノルロイシン交差架橋を示す、クロマトグラフを例証する。
図3A図3Aは、Cu治療への応答での円錐角膜におけるヒスチジノ-ヒドロキシリシノノルロイシン交差架橋の増加を示す、クロマトグラフを例証する。
図3B図3Bは、治療されていない円錐角膜において、ヒスチジノ-ヒドロキシリシノノルロイシン交差架橋が最小限であることを示す、クロマトグラフを例証する。
図3C図3Cは、正常角膜におけるヒスチジノ-ヒドロキシリシノノルロイシン交差架橋を示す、クロマトグラフを例証する。
図4図4は、Cu治療への応答での角膜強度の増加を示す、グラフである。
図5図5は、Cu治療への応答での角膜生体力学の向上を示す、チャートである。
図6図6は、Cu治療への応答での角膜ジオプトリー測定値の低下を示す、チャートである。
図7A図7Aは、6週間のCu治療の後の、染色された角膜の画像である。
図7B図7Bは、6週間のCu治療の後の、染色された網膜/脈絡膜の画像である。
【0005】
これらの図面は、本発明の様々な態様を例証するために提供され、また、添付の特許請求の範囲により別に限定されない限り、寸法、材料、構成、段取り、または比率について範囲を限定することは意図されない。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細の開示は例証の目的のために多くの特定事項を含有するが、当業者は、以下の詳細に対する多くのバリエーション及び改変がなされ得かつ本明細書に含まれるとみなされうることを認識するであろう。従って、以下の実施形態は、記されるいずれの請求項に対してもいかなる普遍性も失うことなく、かつ記されるいずれの請求項に対しても制限を課すことなく、記述される。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を開示する目的のためのみであって、制限的であることは意図されないことも理解されるべきである。別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、この開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0007】
この明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに別に規定しない限り、複数形の参照対象を含む。従って、例えば、「細胞」への言及は、複数のそのような細胞を含む。
【0008】
この開示においては、「comprises」、「comprising」、「containing」、及び「having」、並びにこれらの類似物は、米国特許法においてこれらの用語に割り当てられる意味を有し得、また「includes」、「including」、及びこれらの類似物を意味し得、一般には開放型の用語であると解釈される。用語「consistining of」及び「consists of」は、閉鎖型の用語であり、そのような用語と共に具体的に列挙される構成要素、構造、ステップ、またはそれらの類似物、並びに、米国特許法に従うものを含む。「consistining essentially of」及び「consists essentially of」は、米国特許法によりこれらの用語に一般的に割り当てられる意味を有する。とくに、そのような用語は、それとの関連で使用される事項の基本的及び新規の特徴または機能に実質的には影響しない追加の事項、材料、構成要素、ステップ、または要素を含めることを許容することを例外として、一般的に閉鎖的用語である。例えば、組成物中に存在するが組成物の性質または特徴に影響しない微量の要素は、「consistining essentially of」のような用語に続く事項のリスト中には明確には列挙されていなくとも、その「consistining essentially of」語法下で存在するならば、許容可能であろう。記述される開示において「comprising」または「including」のような開放型用語を使用する場合、「consistining essentially of」語法、並びに「consistining of」語法に対しても、あたかも明確に述べられているかのように、直接的支持が与えられるべきであり、その逆も同様であることが理解される。
【0009】
開示及び添付の特許請求の範囲における用語「第一」、「第二」、「第三」、「第四」、及びこれらの類似物は、もし存在するならば、類似する要素間で区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時系列順を開示するために使用されるわけではない。適切な状況下では、そのように使用されるあらゆる用語は、本明細書において開示される実施形態が、例えば、例証される、さもなければ本明細書において開示される順書とは別の順で作動可能であるように、適切な状況下においては互換可能であることが理解されるべきである。同様に、本明細書において方法が一連のステップを有するように開示されるならば、本明細書において提示されるそのようなステップの順序は、必ずしもそのようなステップが実施されうる唯一の順序ではなく、また、述べられるステップのうち一定のステップは、潜在的には除外されてもよく、かつ/または、本明細書において開示されない一定の他のステップが、潜在的にはその方法に追加されてもよい。
【0010】
本明細書において使用される用語「共役」は、化学的、機械的、電子的、または非電子的に、直接的または間接的に連結していると定義される。本明細書において、互いに「隣接」しているとして開示される物体は、その句が使用されている文脈について適切であるように、互いに物理的に接触し、互いに近接し、あるいは互いに同じ概ねの区域または領域中にありうる。本明細書における句「一実施形態において」または「一態様において」の発生は、必ずしもすべてが同じ実施形態または態様を指すわけではない。
【0011】
本明細書において使用される用語「治療薬」、「活性剤」、及びこれらの類似物は、互換可能的に使用され、また適切なまたは有効な量で対象者に投与される場合に対象者に対して有用なまたは良い影響をもたらしうる薬剤を指しうる。一態様においては、治療薬または活性剤は、銅含有性化合物でありうる。
【0012】
本明細書において使用される薬剤の「有効量」は、薬剤の特化されたタスクまたは望ましい機能を達成するのに十分な量である。組成物、薬、または薬剤の「治療的有効量」は、非毒性であるが、その組成物、薬、または薬剤が有効であることが知られている状態を治療するまたは予防することをもたらすのに十分である、その組成物、薬、または薬剤の量を指す。様々な生物学的要因が、物質がその意図されるタスクを実施する能力に影響しうることが理解される。従って、「有効量」または「治療的有効量」は、いくらかの場合においてはそのような生物学的要因に依存しうる。さらに、治療的効果の達成は医師、獣医師、または有資格医療関係者により当技術分野において既知である評価を使用して測定されうるが、個々のバリエーション及び治療に対する応答は、治療効果の達成を、ある程度主観的な決定としうることが認識される。有効量または治療有効量の決定は、十分に、薬科学及び医学の技術分野における通常の技術範囲内である。例えば、Meiner and Tonascia,"Clinical Trials:Design,Conduct,and Analysis,"Monographs in Epidemiology and Biostatistics,Vol.8(1986)を参照。
【0013】
本明細書において使用される「投薬レジメン」、もしくは「治療投薬レジメン」などの「レジメン」、または「予防投薬レジメン」は、意図される治療または効果を達成するために、どのようにして、いつ、どれくらい、及びどれだけ長く、有効成分または組成物の用量が、対象者に投与されうるまたは投与されるべきかを指す。
【0014】
本明細書において使用される用語「治療する」、「治療」、または「治療する工程」は、症状がないまたは症状を示す対象者に対する治療薬の投与を指す。別の言葉では、「治療する」、「治療」、または「治療する工程」は、対象者に存在する状態と関連する症状を低下させ、緩和させ、または排除し得、あるいは、予防的(つまり、対象者においてその症状を防止するまたは症状の発生を低下させる)でありうる。そのような予防的治療は、状態の防止とも呼ばれうる。
【0015】
本明細書において使用される用語「製剤」及び「組成物」は、互換可能的に使用され、二つまたはそれより多い化合物、要素、または分子の混合物を指す。いくらかの態様においては、用語「製剤」及び「組成物」は、一つまたはそれより多い活性剤の、担体または他の賦形剤との混合物指すように使用されうる。組成物は、個体、液体(つまり、溶液)、または気体を含むほぼあらゆる物理的状態をとりうる。さらに、用語「剤形」は、対象者への投与のための形式で提供される、一つまたはそれより多い製剤または組成物を含みうる。例えば、注射可能剤形は、注射による投与に適するように調整される製剤または組成物であろう。
【0016】
本明細書において使用される「対象者」は、動物を指す。一態様においては、その動物は哺乳類である。別の一態様においては、その哺乳類はヒトでありうる。
【0017】
本明細書において使用される用語「実質的に」は、完全なまたはほぼ完全な程度または度合いの作用、性質、特性、状態、構造、項目、または結果を指す。例えば、「実質的に」封入されている物体は、物体が完全に封入されている、またはほぼ完全に封入されているかのいずれかを意味するであろう。絶対的な完全度からの逸脱の正確な許容可能な度合いは、いくらかの場合においてはその特定の文脈に依存しうる。しかしながら、一般的に言えば、完全への近さは、あたかも絶対的かつ総体的な完全が得られたかのような、同じ全体的な結果を有するようなものであろう。「実質的に」の使用は、作用、性質、特性、状態、構造、項目、または結果の完全またはほぼ完全な欠如を指すための負の含意においても、同等に適用可能である。例えば、粒子を「実質的に有さない」組成物は、粒子を完全に欠くであろうか、あるいは、あたかも粒子を完全に欠くかのように効果が同じとなるほど極めてほぼ完全に粒子を欠く。言い換えれば、成分または要素を「実質的に有さない」組成物は、そのような項目の測定可能な効果がない限り、そのような項目を実際にはなおも含有しうる。
【0018】
本明細書において使用される用語「約」は、所与の値がその端点よりも「少し上」または「少し下」でありうるとすることにより、数的範囲の端点に柔軟性を提供するために使用される。別に述べられない限り、具体的な数または数的範囲に従う用語「約」の使用は、用語「約」の伴わないそのような数的用語または数的範囲に対し支持を提供することも理解されるべきである。例えば、便宜性及び簡潔性のため、「約50オングストロームから約80オングストローム」の数的範囲は、「50オングストロームから80オングストローム」の範囲に対して支持を提供することも理解されるべきである。さらに、この明細書においては、実際の数値に対する支持は、それに伴って用語「約」が使用される場合でさえも提供されることが理解されるべきである。例えば、「約」30の詳述は、30よりも少し上及び少し下の値に対する支持に対してのみでなく、実際の数値30に対してもまた支持を提供すると解釈されるべきである。
【0019】
本明細書において使用される複数の項目、構造的要素、組成要素、及び/または材料は、便宜上、共通のリストの形態で提示されうる。しかしながら、これらのリストは、リストの各メンバーが別々かつ特有のメンバーとして個別に同定されるかのように解釈されるべきである。従って、別に示されなければ、そのようなリストのいかなる個々のメンバーも、共通の群におけるその提示のみに基づいて、同じリストのいずれの他のメンバーと事実上同等であるとは解釈されないべきである。
【0020】
本明細書においては、濃度、量、及び他の数的データは、範囲の形式で表現または提示されうる。そのような範囲形式または、単に便宜性及び簡潔性のために使用され、従って範囲の制限として明確に詳述される数値を含むだけなく、あたかもその範囲内の各数値または部分範囲が明確に詳述されているかのように、そのあらゆる個々の数値または部分範囲すべてをもまた含むように、柔軟に解釈されるべきであることもまた理解されるべきである。例証として、「約1から約5」の数的範囲は、明確に詳述される値約1から約5を含むだけでなく、その示される範囲内の個々の値及び部分範囲もまた含むように解釈されるべきである。従って、この数的範囲には、2、3、及び4などの個々の値、並びに1--3、2-4、及び3-5等々などの部分範囲、さらには1、2、3、4、及び5がそれぞれ含まれる。
【0021】
最小値または最大値としてたった一つしか数値を詳述していない範囲にも、この同じ原理が当てはまる。さらに、そのような解釈は、開示される範囲の広さまたは性質によらず、当てはまるべきである。
【0022】
この明細書の至るところにおける「例」への言及は、その例との関連で開示される特定の特徴、構造、または性質が、少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。従って、この明細書じゅうの様々な箇所における句「例における」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。
【0023】
実施形態例
以下に発明実施形態の初めの概観が提供され、それから具体的な実施形態がさらに詳しく開示される。この初めの概要は、読者が技術的概念をより素早く理解するのを助けることを意図しているが、その主要なまたは必須の特徴を同定することは意図されないし、特許請求の範囲に係る対象内容の範囲を制限することも意図されない。
【0024】
一例においては、眼科用組成物または剤形が、本明細書において開示される。その眼科用組成物または剤形は、対象者の眼においてリシルオキシダーゼ活性を増大させる、あるいはさもなければ対象者の角膜において交差架橋を増大させるのに十分な量の、銅含有性剤などの交差架橋剤を含みうる。その組成物または剤形は、薬学的に許容可能な担体をさらに含みうる。いくらかの例においては、その剤形は、局所用点眼剤として製剤化され、かつその組成物を約5μlから約50μlの滴体積にて滴下方式で投薬するように適合させられた容器中に含められている、眼科用組成物でありうる。他の一実施形態においては、そのような組成物または剤形を使用するための方法が開示される。その用法は、本明細書において開示される治療有効量の組成物または剤形を治療期間中に投与する工程を含みうる。
【0025】
本明細書において提供される様々な実施形態及び実施例によってより明確になるが、本開示において開示される組成物、剤形、及び方法は、対象者の眼における角膜リシルオキシダーゼ活性を増大させ得、対象者の眼において角膜組織強度を増大させ得、また本明細書において開示される多くの他の有益性を提供しうる。
【0026】
これをふまえ、その組成物、剤形、及び方法は、さまざまな眼科的適応症を治療するために使用されうる。例えば、様々な眼科的状態は、角膜薄化、角膜の生体力学的弱化、及び他の角膜合併症を引き起こしうる。そのような状態は、角膜潰瘍、辺縁潰瘍性角膜炎、角膜融解、ペルシード周辺変性、テリエン周辺変性、神経栄養性角膜炎、角膜拡張症(屈折手術後など)、円錐角膜、及びこれらの類似物、またはこれらの組合せを含みうる。本開示は、これらの状態、類似の状態、またはそれらの組合せを治療するための組成物、剤形、及び方法を開示する。しかしながら、簡潔性のため、至る所で、状態例である円錐角膜に対し具体的な言及がなされるだろう。この円錐角膜への注目は、単に例証目的のためであり、いかようにも限定的であることは意図されない。
【0027】
それをふまえ、円錐角膜(KCN)は、非炎症性のストローマの漸進的な薄化及び拡張症、瘢痕化、並びにデスメ膜の最終的な破裂により特徴付けられる角膜疾患である。KCNの頻度は、遺伝的、地理的、人種的、ジェンダー的、及び診断的考慮事項に依存し、最も引用される頻度は100,000あたり50である。KCNの重度は、角膜の生体力学的強度に依存し、しばしば最薄の角膜厚により評価される。しかしながら、この基準は、角膜後面突出、角膜ヒステリシス、及び単位角膜厚あたりのコラーゲン交差架橋などの新たに出現したパラメータにより取って代わられつつある。最後の測定値は、集団固有の角膜コラーゲン含量における人種的及びジェンダーの違いを考慮する。
【0028】
KCNの結果は、その疫学と同じくらい可変的であり、軽度の乱視から重度の乱視にわたる。しかしながら、治療の選択肢は驚くほど限定的である。軽度のKCNの殆どは、眼鏡またはソフトコンタクトを使用して矯正されうるが、非常にしばしば、患者は疾患が進行するにつれ円環状レンズまたはハードコンタクトを必要とすることになる。究極的には、5人に1人の患者が手術を要することになり、その手術は、最も一般的には深層層状角膜移植または全層角膜移植である。そのような手順は、相当なコストを要し、術中及び術後合併症(出血、瘢痕化、白内障形成、など)の顕著なリスクが伴う。従って、より効果的な術前治療の選択肢が極度に必要とされる。
【0029】
軽から中程度の円錐角膜のための治療選択としては、インタクス(透明で三日月形のプラスチックポリマー片)が使用されてきた。これらのストローマ内角膜リングは、低侵襲性の手順として挿入され、最高矯正視力20/20を回復させることにおいて74%の成功率を有する。しかしながら、コスト及びリスク(血管新生、チャネル堆積、二次手術など)がやはり限定的である。
【0030】
コラーゲン交差架橋を強化する方法もまた、試みられてきた。角膜コラーゲン交差架橋(CXL)療法は、リボフラビン滴が角膜上皮の上または下に適用され、それからコラーゲン結合を強化させるためにフリー酸素ラジカルを放出させるために紫外線A光が用いられる、耐用性良好な技法である。この手順は、KCNの進行を有意に遅らせまたは止めることが示されてきた。この技法は最小限の副作用をもたらす(高エネルギーUVA光及び過剰に高濃度のフリー酸素ラジカルは、毒性を引き起こしうる)が、多くの対象者にとってなおもコストが妨げとなる。
【0031】
本開示は、銅含有性剤、カルシウム含有性剤、マグネシウム含有性剤、銀含有性剤、アルミニウム含有性剤、亜鉛含有性剤、鉄含有性剤、及び他の適切な交差架橋剤などの交差架橋剤を使用して、コラーゲン交差架橋を強化するための、代替的な組成物、剤形、及び方法を開示する。交差架橋剤のいくらかの具体的だが非限定的な例は、アサイー抽出物、デコリン、硫酸銅(II)、またはこれらの組合せを含みうる。いくつかの例においては、交差架橋剤は、角膜における交差架橋を誘発または促進するのに適切なあらゆる二価または多価イオンまたは化合物でありうる、あるいはそのようなイオンまたは化合物を含みうる。いくらかの例においては、その交差架橋剤は、例えば、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移金属、またはこれらの組合せなどの金属イオンでありうる、あるいはそのような金属イオンを含みうる。いくらかの例においては、その交差架橋剤は、カチオンでありうる、あるいはカチオンを含みうる。いくらかの具体的例においては、その交差架橋剤は、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、またはそれらの類似物などの二価金属イオンでありうる、あるいはそのような二価金属イオンを含みうる。しかしながら、簡潔性及び明瞭性のため、本開示の至る所で、適切な交差架橋剤の例として銅含有性剤に対する具体的な言及がなされるだろう。この銅含有性剤への注目は、単に例証目的のためであり、いかようにも制限的であるとは意図されない。
【0032】
銅は、様々な種類のコラーゲン交差架橋を形成する酵素リシルオキシダーゼ(LOX)に対する補因子である。LOXの一塩基多型rs1800449は、KCNの遺伝的リスクを増大させる。さらに、患者のKCN組織は、より低いLOX活性を呈する。従って、銅欠乏は、組織中のコラーゲン含量の低下をもたらしうる。そのようなものとして、銅含有性の塩、化合物、キレート、またはそれらの類似物による銅補足は、コラーゲン結合を増加させるために使用されうる。そのような補足は、リシルオキシダーゼ活性を増大させるにより、疾患角膜の生体力学的特性を向上させうる。角膜における低LOX活性はKCNの発症に寄与し得、また銅補足はコラーゲン交差架橋を向上させうるため、局所的銅治療は、KCNの進行を防止するための無侵襲性で比較的費用効果のよいツールを提供しうる。
【0033】
従って、本明細書において開示される眼科用組成物または剤形は、対象者の眼においてリシルオキシダーゼ活性を増大させる、またはさもなければ角膜交差架橋を増大させるのに十分な量の、銅含有性剤などの交差架橋剤を含みうる。銅含有性の塩、化合物、キレート、またはそれらの類似物などの、様々な銅含有性剤が使用されうる。銅塩の非限定的な例は、硫酸銅、炭酸銅、酢酸銅、塩化銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、ヨウ化銅、過塩素酸銅、モリブデン酸銅、チオシアン酸銅、酒石酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、セレン化銅、ピロリン酸銅、それらの類似物、またはそれらの組合せを含みうる。他の適切な銅担体は、GHK-銅、硫酸テトラアミン銅、銅-ヒスチジン、銅-グリシン酸、銅-グルコン酸、それらの類似物、またはそれらの組合せを含みうる。
【0034】
従って、銅含有性剤は、治療有効量のバイオアベイラブルな銅を提供しうるあらゆる銅含有性剤でありうる。その治療有効量は、コラーゲン交差架橋が治療前のコラーゲン交差架橋と比較して増大するように、眼における角膜リシルオキシダーゼ活性を増大させるのに十分でありうる。これはまた、治療前の生体力学的強度と比較して、角膜の生体力学的強度を増大させうる。さらに、これは、治療前のジオプトリーと比較して、治療された眼において角膜のジオプトリーを低下させうる。
【0035】
銅含有性剤の治療有効量は、銅含有性剤により保持される銅の量に基づきうる。いくらかの例においては、銅含有性剤は、約0.05mg/ml、約0.02mg/ml、約0.005mg/ml、または約0.0002mg/mlよりも低いが、なおもリシルオキシダーゼ活性を増大させるのに有効である銅レベルを提供しうる。リシルオキシダーゼ活性を増大させるのに十分な量のバイオアベイラブルな銅を維持しつつ、銅誘発性毒性を避けるのに十分に低い銅レベルを保持することは、重要でありうる。
【0036】
従って、銅含有性剤の治療有効量は、送達媒体の種類、銅含有製剤の種類、及び望ましい送達持続時間などに基づき決定されうる。例えば、組成物がどのように製剤化されるかにより、組成物は、約0.0001mg/mlから約5mg/mlまたは約50mg/mlの銅量を含みうる。他の例においては、組成物は、約0.0005mg/mlから約0.03mg/ml、約0.01mg/mlから約5mg/ml、または約0.001mg/mlから約0.005mg/mlの銅量を含みうる。いくらかの追加の例においては、組成物は、約0.0001mg/mlから約0.05mg/ml、約0.00025mg/mlから約0.015mg/ml、約0.0005mg/mlから約0.000075mg/ml、または約0.0008mg/mlから約0.0011mg/mlの銅量を含みうる。従って、いくらかの例においては、治療有効量は、組成物中に含まれる銅量として定義されうる。例えば、約0.0016mg/mlの量の硫酸銅(II)無水物は、銅が約0.00064mg/mlの銅含量を有する組成物を提供する。これは、硫酸銅(II)の分子量が約159.6g/molであるが、その薬剤の約63.5g/molまたは約40%のみが銅自体であるためである。従って、治療有効量は、銅含有性剤自体の量よりもむしろ、銅含有性剤により提供される銅含量に基づき決定されうる。代替例としては、0.0018mg/mlの酢酸銅(II)無水物は、約0.00063mg/mlの銅含量を有する組成物を提供する。
【0037】
あるいは、治療有効量は、組成物中の銅含有性剤のwt%として定義されうる。やはり、組成物がどのように製剤化されるかにより、銅含有性剤の治療有効量は、約0.00005wt%から約5wt%、約10wt%、または約15wt%の量でありうる。いくらかの例においては、銅含有性剤の治療有効量は、約0.05wt%から約15wt%、約0.01wt%から約10wt%、または約0.005wt%から約5wt%でありうる。他の例においては、銅含有性剤の治療有効量は、約0.0001wt%から約0.0005wt%、約0.0001wt%から約0.0002wt%、約0.0002wt%から約0.0003wt%、または約0.0003wt%から約0.0004wt%の量でありうる。さらに他の例においては、銅含有性剤の治療有効量は、約0.001wt%から約0.01wt%、または約0.003wt%から約0.008wt%の量でありうる。さらに他の例においては、銅含有性剤の治療有効量は、約0.01wt%から約0.1wt%、または約0.03wt%から約0.08wt%の量でありうる。これらの重量パーセントは、硫酸銅(II)無水物に基づいて計算されることが特筆される。従って、代替的な銅含有性剤が利用される場合には、それに従い重量パーセントが変換されうる。
【0038】
しかしながら、組成物中の特定量の銅含有性剤は、投与に際しその銅含量のすべてがバイオアベイラブルとなることを必ずしも意味するわけではない。銅のバイオアベイラビリティーは、個々の銅含有性剤ごとに、並びにpH、及び他の組成要因により、ある程度変化しうる。従って、銅含有性剤の治療有効量は、特定の銅担体、pH、製剤、またはそれらの類似物に関する銅のバイオアベイラビリティーに基づいてもまた、調節されうる。
【0039】
銅含有性剤はまた、治療有効量の第二活性剤または治療薬薬とともにも投与されうる。そのような追加の薬剤は、リボフラビン、ローズベンガル、ヒドロキシリシン、それらの類似物、またはそれらの組合せを含みうる。さらに、複数の異なる銅含有性剤、または、例えば亜鉛含有性剤、マグネシウム含有性剤、鉄含有性剤、または銀含有性剤などの別の非銅含有性交差架橋剤との組合せでの銅含有製剤などの、複数の異なる交差架橋剤が同時に投与されてもよい。
【0040】
銅含有製剤は、薬学的に許容可能な担体中に提供されうる。その薬学的に許容可能な担体は、その銅含有性剤を送達するために、様々な方法で製剤化されうる。非限定的な例は、溶液、懸濁液、ゲル、ヒドロゲル、熱応答性ゲル、結膜下注射、デポ、フィルム、コンタクトレンズ、綿撒糸、またはそれらの類似物を含みうる。一特定例においては、その組成物は、眼科用点眼剤でありうる。いくらかの例においては、その組成物は、ソフトレンズ、円環状レンズ、ハードレンズ、強膜レンズ、それらの類似物、またはそれらの組合せなどの、銅溶出コンタクトレンズとして製剤化されうる。
【0041】
組成物がどのように製剤化されるかにより、薬学的に許容可能な担体は、さまざまな賦形剤を含みうる。例えば、薬学的に許容可能な担体は、可溶化剤、等張化剤、pH調節剤、増粘剤もしくはゲル化剤、ポリマーもしくはポリマーマトリックス、保存剤、水、及びそれらの類似物、並びにそれらの混合物を含みうる。
【0042】
可溶化剤の非限定的な例は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、Dulbecco's PBS、Alsever's溶液、Tris緩衝生理食塩水(TBS)、水、またはHank's BBS、Earle's BBS、Grey's BBS、Puck's BBS、Simm's BBS、Tyrode's BBS、BBS Plusなどの平衡塩類得溶液(BSS)、Ringer乳酸溶液、通常生理食塩水(つまり0.9%生理食塩水)、1/2、それらの類似物、またはそれらの組合せを含みうる。可溶化剤は、薬学的に許容可能な担体中に様々な量で存在しうる。一態様においては、その可溶化剤はその担体中において、約10wt%、約20wt%、約30wt%、約40wt%、または約50wt%から、約80wt%、約90wt%、約95wt%、約97wt%、約99wt%、または約99.9999wt%の濃度を有しうる。
【0043】
等張化剤の非限定的な例は、前に列挙した可溶化剤、並びに、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、トレハロース、それらの類似体、またはそれらの組合せを含みうる。その等張化剤は、製剤の適切な張度を提供するために使用されうる。一態様においては、製剤の張度は、約250から350ミリオスモル/リットル(mOsm/L)である。別の一態様においては、製剤の張度は、約270から330mOsm/Lである。等張化剤は、薬学的に許容可能な担体中に様々な量で存在しうる。一態様においては、その等張化剤はその担体中において、約0.1wt%、約0.5wt%、または約1wt%から、約2wt%、約5wt%、または約10wt%の濃度を有しうる。
【0044】
pH調節剤の非限定的な例は、塩酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、及びそれらの類似物など、多数の酸、塩基、及びそれらの組合せを含みうる。そのpH調節剤は、製剤に適切なpHを提供するために使用されうる。一態様においては、そのpHは、約5.5から約8.5でありうる。一態様においては、そのpHは、約5.8から約7.8でありうる。別の一態様においては、そのpHは、約6.5から約7.8でありうる。さらに別の一態様においては、そのpHは、約7.0から約7.6でありうる。pH調節剤は、薬学的に許容可能な担体中に様々な量で存在しうる。一態様においては、そのpH調節剤はその担体中において、約0.01wt%、約0.05wt%、約0.1wt%、または約0.5wt%から、約1wt%、約2wt%、約5wt%、または約10wt%の濃度を有しうる。
【0045】
増粘剤またはゲル化剤の非限定的な例は、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びそれらの類似物など)、エチルビニルアルコール、ヒアルロン酸、それらの類似物、またはそれらの組合せを含みうる。増粘剤またはゲル化剤は、薬学的に許容可能な担体中に様々な量で存在しうる。一態様においては、その増粘剤またはゲル化剤はその担体中において、約0.01wt%、約0.05wt%、約0.1wt%、または約0.5wt%から、約2wt%、約8wt%、約15wt%、または約30wt%の濃度を有しうる。
【0046】
フィルムのためのポリマーマトリックスを調整するために使用されうるポリマーの非限定的な例は、生分解性または非生分解性ポリマーを含みうる。ポリマーまたはポリマー組合せの非限定的な例は、ポリ(メチルメタクリレート)、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリシロキサン、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(異なる、乳酸グリコライド含量と、酸またはエステル終末などの末端基との比)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、ポリゴリコール酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、ポリカプロラクトン、ヒアルロン酸、アルブミン、それらの塩化ナトリウムブロック共重合体、それらの塩、それらの類似物、またはそれらの組合せを含みうる。ポリ乳酸-ポリグリコール酸ブロック共重合体(PLGA)、ポリグリコール酸-ポリビニルアルコールブロック共重合体(PGA/PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリカプロラクトン-ポリエチレングリコールブロック共重合体、クロスカルメロース、及びそれらの類似物などの特定の共重合体は、望ましければ、生分解性マトリックスについてとくに効果的でありうる。
【0047】
いくらかの例においては、組成物は、熱応答性ポリマーを含みうる。熱応答性ポリマーの非限定的な例は、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ[2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート]、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ビニルカプロラクタム)、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ABCBA型ペンタブロックポリマー、キトサン、それらの類似物、またはそれらの組合せを含みうる。そのような熱応答性ポリマーは、幅広い温度範囲内で特定の銅含有性剤に結合または結合するように官能基を持たせられ得、組成物を眼に接触させるように配置する、組成物の投与後に熱源を眼に適用する、またはそれらの類似行為などの包囲環境の温度の変化させる際に、その銅含有製剤を放出する。
【0048】
保存剤の非限定的な例は、塩化ベンザルコニウム(BAK)、セトリモニウム、過ホウ酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその様々な塩形態、クロロブタノール、並びにそれらの類似物を含みうる。保存剤は、薬学的に許容可能な担体中に様々な量で存在しうる。一態様においては、その保存剤はその担体中において、約0.001wt%、約0.005wt%、約0.01wt%、または約0.05wt%から、約0.1wt%、約0.25wt%、約0.5wt%、または約1wt%の濃度を有しうる。
【0049】
特定の一例においては、薬学的に許容可能な担体は、眼科用滴として製剤化されてもよく、また約50wt%から約99.9999wt%の量でBSSを含みうる。別の特定の一例においては、その薬学的に許容可能な担体は、眼科用滴として製剤化されてもよく、また人工涙(つまりRefresh Tears(登録商標)、Genteal(登録商標)、Oasis Tears(登録商標)、及びそれらの類似物)を含みうる。
【0050】
眼科用組成物がどのように製剤化されるかによらず、眼科用組成物は、治療有効用量の銅含有剤を投与するための眼科用剤形として使用されうる。いくらかの例においては、眼科用剤形は、投与事象あたり、約0.0005μgから約0.5μgの銅を提供しうる。さらに他の例においては、眼科用剤形は、投与事象あたり、約0.006μgから約0.06μg、約0.01μgから約0.03μg、または約0.016μgから約0.044μgの銅を提供しうる。さらに他の例においては、眼科用剤形は、投与事象あたり、約0.0005μgから約5μgの銅を提供しうる。さらに他の例においては、眼科用剤形は、投与事象あたり、約0.001μgから約2μg、約0.006μgから約0.24μg、約0.01μgから約0.12μg、または約0.016μgから約0.18μgの銅を提供しうる。その剤形により提供されるすべての銅が必ずしもバイオアベイラブルであるわけではないが、いくらかの例においてはそうなりうることが特筆される。
【0051】
いくらかの例においては、眼科用剤形は、治療有効量の銅含有性剤を提供するための、効果的な投薬レジメンにおいて使用されうる。その効果的投薬レジメンは、一日一回、一日二回、一日三回、一日四回、またはそれより多くその眼科用剤形を投与する工程を含みうる。
【0052】
さらに他の例においては、眼科用剤形は、生分解して、所定の期間にわたり銅含有性剤の制御または持続放出を提供するように製剤化されうる。さらに他の例においては、眼科用剤形は、非生分解性マトリックスから銅含有性剤を制御的または持続的に放出するように製剤化されうる。これらなどの例においては、剤形は、望まれるように何時間、何日、または何週間の期間にわたり銅含有性剤を放出するように製剤化されうる。いくらかの特定の例においては、その剤形は、週あたり約0.005mcgの銅から約250mcgの銅を送達するように製剤化されうる。さらに他の例においては、その剤形は、週あたり約0.008mcgから約200mcg、約0.01mcgから約150mcg、または約0.1mcgから約100mcgを送達するように製剤化されうる。さらに、その剤形は一般に、ゼロ次薬放出動態を有するように製剤化されうる。
【0053】
剤形は、さらなる希釈または調整なしにすぐに投与できる予混合組成物として、容器中に保持または貯蔵されうる。いくらかの実施形態においては、単一の容器は、単一用量に十分な容量または量の組成物を保持しうる。さらに他の例においては、単一の容器は、複数用量に十分な容量または量の組成物を保持しうる。
【0054】
多数の適切な容器が使用されうる。一態様においては、その容器は、琥珀色の容器でありうる。いくらかの例においては、その容器は、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、それらの類似体、またはそれらの組合せできていうる。いくらかの例においては、その容器は、約0.5mlから約50mlの容量を有しうる。いくらかの例においては、その容器は、約1mlから約30ml、約5mlから約20ml、または約3mlから約15mlの容量を有しうる。一態様においては、その容器は、単一用量の治療用組成物または剤形を保持しうる。別の一態様においては、その容器は、複数用量の治療用組成物または剤形を保持しうる。
【0055】
いくらかの例においては、約0.005mgから約1mgの銅含有性剤が容器中に含められうる。さらに他の例においては、約0.01mgから約0.5mgの銅含有性剤が容器中に含められうる。いくらかの例においては、約0.001mgから約0.5mgの銅が容器中に含められうる。いくらかの例においては、約0.005mgから約0.2mgの銅が容器中に含められうる。
【0056】
いくらかの特定の例においては、その剤形は、点眼剤として製剤化され、かつ組成物を約5μlから約50μlの滴体積にて滴下方式で投薬するように適合させられた容器中に収められている局所用眼科用剤形でありうる。その組成物が点眼剤として製剤化される場合、いくらかの例においては、その容器は、適合させられたノズルまたは先端を含み、そのノズルまたは先端から組成物が投薬される。そのようなものとして、その容器は一般に、組成物を投薬するために折り畳み可能でありうる。しかしながら、いくらかの場合においては、組成物が投薬された後、容器中へと空気が吸い戻され、これは組成物に異物混合を起こしうる。いくらかの例においては、容器中への細菌または他の異物の導入を防止または最小化するため、そのノズルまたは先端は、弁メカニズム、フィルター、それらの類似物、またはそれらの組合せを含みうる。さらに、前に議論されたように、その容器は、眼科用組成物を滴下方式で投薬するように適合させられうる。例えば、その容器は、その眼科用組成物を、約15μl、約20μl、約25μl、約30μl、約35μl、約40μl、約45μl、または約50μlなどの、約5μlから約50μlの滴体積にて投薬するように適合させられうる。いくらかの特定の例においては、その滴下体積は、約15μlから約40μl、約5μlから約30μl、約20μlから約30μl、約25μlから約35μl、または約30μlから約40μlでありうる。
【0057】
シリンジ、点眼器、または他のメカニズムなどの投与メカニズムが、さらに剤形に含められうる。さらなる実施形態においては、組成物、容器、及びそれらの使用のための指示、並びに任意で投与メカニズムを、単一の統一システムにおいて提供するために、適切なパッケージングが使用されうる。
【0058】
本明細書において開示される組成物または剤形は、眼科的状態を治療する方法においても利用されうる。そのような方法は、治療期間の間に対象者の眼に治療有効量の組成物または剤形を投与する工程を含みうる。その方法は、本明細書において前に言及された状態及び類似の眼科的状態のあらゆる状態を治療するために使用されうる。
【0059】
一例においては、その組成物または剤形は、それを必要とする眼一つにつき一日あたり1から4時点において投与されうる。各時点における投薬量は、約5μlから約50μl、約5μlから約30μl、約20μlから約30μl、約25μlから約35μl、または約30μlから約40μlでありうる。
【0060】
治療期間は、状態の種類及び重度、診断時における対象者の年齢、及びそれらの類似物など、多数の要因に依存しうる。一般に、治療期間は、事情によって、約1ヶ月から慢性的治療でありうる。例えば、いくらかの場合においては、低年齢小児は慢性的治療を受けうる一方、より高年齢の小児及びティーネイジャー(例えば、10-18歳)は治療を二から三年受け得、ヤングアダルト(例えば、18-30歳)は治療を一から二年受け得、また30歳またはそれより年上の成人は治療を約六ヶ月から一年受けうる。従って、いくらかの例においては、治療期間は約1ヶ月から慢性治療でありうる。さらに他の例においては、治療期間は、約1ヶ月、約3ヶ月、または約6ヶ月から、約12ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約30ヶ月、約36ヶ月、または状態が満足に解消されるまででありうる。
【0061】
いくらかの例においては、その眼科用組成物は、点眼剤として投与されうる。さらに他の例においては、その点眼剤は、結膜下注射として投与されうる。さらに他の例においては、その点眼剤は、局所用フィルムまたはコンタクトレンズの形態で投与されうる。いくらかの例においては、その局所用フィルムまたはコンタクトレンズは、銅含有性剤の制御及び持続放出を提供するように、経時的に生分解するように構成されうる。
【0062】
一般に、本明細書において開示される方法は、未治療の眼と比較して角膜におけるコラーゲン交差架橋を増大させうる。より具体的には、その方法は、未治療の眼と比較して、リシノノルロイシン交差架橋密度、ヒスチジニル-ヒドロキシリシノノルロイシン交差架橋密度、または両者、並びに角膜に関連する他のコラーゲン交差架橋を増大させうる。さらに、本明細書において開示される方法は、未治療の角膜と比較して、角膜の求心ストレインを、少なくとも約10%、25%、または50%低下させうる。さらに、本明細書において開示される方法は、未治療の円錐角膜と比較して、円錐角膜の角膜ジオプトリーを低下させうる。
【実施例0063】
実施例1-銅含有性活性剤は、角膜リシルオキシダーゼ活性を増大させうる。
10%FBS DMEM中の正常及び円錐角膜の角膜(それぞれn=3)からの培養角膜ストローマ細胞が、BSSコントロールまたは平衡塩類溶液(BSS)中の0.0016mg/mL CuSOに露出され、それから0.25μフィルターを通してフィルター処理された。調整済みの培養培地は、LOXに対するペルオキシダーゼ共役蛍光定量活性分析にかけられた。
【0064】
組織は、手術環境において無菌操作下で採取された。組織試料は、10cm組織培養皿中でOptisol溶液中に保存された。角膜組織は、ペニシリン/ストレプトマイシンを有する15%ウシ胎児血清(FBS)DMEM/F12中に懸濁された。上皮及びデスメ膜は、実体顕微鏡下で機械的に除去された。試料はさらに外科用はさみにより小片へと切断され、1mg/mLコラゲナーゼへと添加された;角膜あたり10mLが使用された。その試料片は、10cm組織培養皿に播種され、5%COを有する37℃にある組織培養インキュベーター中に配置された。5日後、細胞が採取され、フェノールレッドなしの10%FBS DMEM中に播種された。
【0065】
培養培地中のLOX酵素活性は、Amplexレッドを使用してペルオキシダーゼ共役蛍光定量分析を使用して測定された。簡潔には、角膜ストローマ細胞が、2mL培養培地と共に0.2x10^6細胞にて6ウェルプレートに播種された。3日後、LOX酵素活性分析のために培地が回収された。各培養培地の50μLが黒い96ウェルプレート中に配置された。それから、50μLの2x分析緩衝液(2.4M尿素、100mMホウ酸ナトリウム(pH8.2)、20mM 1,5-ジアミノペンタン、20uM Amplexレッド、及び2単位/mL西洋わさびペルオキシダーゼ)中に配置された。並行する分析として、我々は、LOX活性を完全に消滅しうる500uMアミノプロピオンニトリル(BAPN)を添加した。酸化Amplexレッドの蛍光は、蛍光プレートリーダーを使用して10分ごとに記録された。バックグラウンド蛍光を差し引いた後、蛍光強度はインキュベーション時間に対してプロット化された(図1A及び1B)。
【0066】
ペルオキシダーゼ共役蛍光定量的lox活性分析に基づき、また図1A-1Bにおいて例証されるように、銅が、正常及び円錐角膜線維芽細胞におけるlox活性を劇的に増させたことが分かった。このことは、銅が、円錐角膜におけるlox活性を増大させることにより、コラーゲン交差架橋を増加させる可能性があることを示した。
【実施例0067】
実施例2-銅含有性活性剤は、角膜においてコラーゲン交差架橋を増大させうる。
試料調整:各ヒト円錐角膜が二等分された。片方はOptisol溶液中で0.0016mg/ml CuSOで1週間処理され、もう一方は未処理のままとした。一週間後、各円錐角膜は後の解析のためマイナス80℃で保存された。
【0068】
試料抽出:角膜試料はPBS pH7.4で洗浄され、液体窒素中で粉末化され、Freezer Millで砕かれた。角膜試料は、0.05M Tris緩衝液pH7.4中の0.5M EDTAを用いて、4℃にて48hにわたり脱ミネラル化された。不溶性分画は、47Cにて20分、5000gでの遠心により蒸留水で二回洗浄され、乾燥凍結された。乾燥凍結された試料は、絶えず沸騰する再蒸留6N HClを用いて、真空中で24hかけて110℃にて加水分解された。加水分解物は、2.5N NaOHを用いて中和され、蒸留水中に溶解された。リシノノルロイシン(LNL)及びヒスチジノヒドロキシリシノノルロイシン(HHL)について別々にHPLCにより解析が行われた。
【0069】
リシノノルロイシン(LNL)についてのHPLC方法:アミノ酸解析は、タンパク質化学及び食品分析において、重要な応用領域である。この分野においては、多くの異なる応用が存在する。自動化プレカラム誘導体化、及びそれに続く逆相LCは、使用が容易で単純な技法であるため、効率的な分析のための有用な手順となった。リシノノルロイシン(LNL)の迅速かつ高感度な分析のため、Agilent 1290 Infinity LC Systemが、自動化プレカラム誘導体化とともに使用された。この方法のために使用されたカラムは、Agilent ZORBAX Eclipse Plus RRHD C18(3.0mm X50mm、1.8μm)、並びに、Solvent A:10mMリン酸二ナトリウム+10mMテトラホウ酸ナトリウムpH8.2及びSolvent B:ACN/MeOH/H2O(45:45:10)からなるMobile相である。
【0070】
ヒスチジノヒドロキシリシノノルロイシン(HHL)についてのHPLC方法:25mlのタンパク質加水分解物試料(合計アミノ酸濃度として3mMより低い)に、50μlの、0.26Mホウ酸緩衝液pH9.5中1.5mM Ne-メチル-L-リシンヒドロクロ化合物(Mly)、及び50μlのアセトンが、1.5ml反応槽中で添加された。それから、25μlのFMOC-Cl試薬(アセトン中6mM FMOC-Cl)が添加され、その混合物は、室温にて2分にわたり反応させられた。その反応混合物は、過剰のFMOC-Cl試薬を除去するために、350mlのペンタンを用いて二回抽出された。水相はクロマトグラフィーにかけられた。
【0071】
角膜交差架橋は、組織特異的である。ヒト角膜中で生成される主な交差架橋は、リシノノルロイシン(LNL)である。LNLは、それに続いて起こるヒスチジニル-ヒドロキシリシノノルロイシン(HHL)などの多価の交差架橋に対する基礎的要素である。正常及び円錐角膜のヒト角膜が、0.0016mg/ml CuSOで1週間にわたり処理された。それから、LNL(図2A-2C)及びHHL(図3A-3C)のレベルを測定するために、HPLC分析が行われた。
【0072】
実際、銅処理された角膜においては、LNL及びHHLのレベルに有意な増加が観察された。図2Aに例証されるように、上で開示されたようにCuSOで処理されたヒト円錐角膜においては、LNL交差架橋が観察された。これに対し、図2Bに例証されるように、CuSOで処理されなかった円錐角膜においては、LNL交差架橋は観察されなかった。図2Cは、正常角膜中にもLNL交差架橋が存在することを例証する。
【0073】
同様に、図3Aに例証されるように、上で開示されたようにCuSOで処理されたヒト円錐角膜においては、HHL交差架橋も観察される。これに対し、図3Bに例証されるように、CuSOで処理されなかった円錐角膜においては、無視できるレベルのHHL交差架橋が観察された。図3Cは、正常角膜中のHHL交差架橋が、CuSOで処理されなかった円錐角膜において観察されるそれよりも高いレベルにあることを例証する。
【0074】
従って、CuSO処理は、円錐角膜において、LNL及びHHL両者の交差架橋の増大を明白に提供した。
【実施例0075】
実施例3-銅含有性剤での治療は、角膜強度を増大させる。
角膜求心ストレイン測定が、ヒト屍体角膜及びウサギ角膜に対し行われた。ヒト屍体角膜(n=2組)は、実施例1において以前に述べられたように培養された。治療群は、0.0016mg/ml CuSOに2週間にわたり浸漬された。試料は、両端に小部分の強膜を含有した。組織脱水を最小限にするため、強膜-角膜-強膜片の表面上にミネラルオイルが適用された。ウサギ角膜は、4群へと分割された。二つの群は、一日三回CuSO 0.0025mg/mlまたは一日一回CuSO 0.0025mg/mlを与えられる処理群であった。二つの群は、BSSのみが与えられるコントロールとして機能した。
【0076】
試料は、5-30mmHgの制御圧を適用するモーターとトランスデューサーとの間で共役され、生じる求心ストレインを測定した。二つのグリップジョー間の試料長は、およそ10mmであった。試料の幅及び厚さを含む幾何学的情報は、Rheometrics System Analyzer(RSA)コントロールパネル中に入力された。試料厚は、超音波パキメーター(DGH 550 Pa-chette2;DGH Technology,Exton,PA)により測定された。
【0077】
結果は、硫酸銅処理後の、剛性の顕著な増大、及び求心ストレインの低下を示す(図4)。処理角膜において20mmHgでの眼パルスにより誘発される平均ピーク求心ストレインは、未処理角膜のそれよりも約1.5倍低かった。これは、角膜強度の約50%増加を示し、交差架橋がより剛性の大きい角膜応答をもたらすことを示す。さらに図5に例証されるように、CuSOでの処理は、レーザー交差架橋で見られる角膜生体力学に匹敵する生体力学もまた提供した。
【実施例0078】
実施例4-ウサギ角膜トポグラフィー
特定の領域の角膜ひずみが、角膜トポグラフィーにより監視された。角膜トポグラフィーは、結果をジオプトリー値で表示する。0.0025mg/mlの硫酸銅(CuSO)が、New Zealandシロウサギに、一日一回及び一日三回の用量にて投与された。さらに、その治療期間の間、0.025mg/mlの高濃度試料が、New Zealandシロウサギに、一日一回投与された。点眼剤なし、BSS、または人工涙のいずれかの三つの異なるコントロールが投与された。6群のそれぞれが、6試験対象者をそれぞれ含んだ。トポグラフィー画像が、治療前、及び5週間にわたり毎週撮影された。ジオプトリー測定値は、平均K値及び3mmにおいてであった。これらの値は、1ヶ月及び1年後のレーザー交差架橋角膜におけるジオプトリー測定値と比較された。
【0079】
図6にみられるように、コントロール群と比較して処理群においてはジオプトリー測定値により大きい増加が存在した。さらに、CuSOでの1ヶ月の治療は、1年後のレーザー交差架橋において観察されるジオプトリー測定値と類似のジオプトリー測定値を提供した。
【実施例0080】
実施例5-In Vivoでの銅点眼剤の安全性
硫酸銅(CuSO)溶液は、0.0025mg/mlの濃度にて調整され、ウサギに、一日三回(T1D)または一日一回(QD)投与された。スリットランプ生体顕微鏡、及びHeidelberg Spectralis前眼部光干渉断層撮影(AS-OCT)を用いて、前眼部評価が行われた。第1日、第一週、第4週、及び第6週の各日に、二匹のウサギ(n=4つの眼)が眼組織中の銅レベルのために犠牲にされ、コントロール(点眼剤なし)のウサギと比較された。房水、ガラス体、網膜、角膜、水晶体、及び血液試料が、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を使用して銅イオンについて分析された。
【0081】
ウサギ(n=2)は42日後に0.3mg/kg安楽死溶液の静脈内注射により犠牲にされ、眼が、組織学的評価、並びに炎症、組織損傷、瘢痕化、及び線維症の兆候の判断のために摘出された。眼の前部は、10%ホルムアルデヒド-グルタルアルデヒド溶液中で固定され、段階系列のアルコール中で脱水され、パラフィンに埋め込まれ、マイクロトームで切片化された。切片は、適切な染色(ヘマトキシリン及びエオシン、並びにMasson Trichrome)で染色された。
【0082】
Cuによる処理による網膜電図(ERG)測定値への影響はなかった。さらに、解剖されたいかなる眼組織においても、観察された毒性はなかった。さらには、レーザー交差架橋は角膜白濁を最大約1年にわたり誘発しうるが、観察された角膜白濁はなかった。これらの結果は、図7A-7Bにおいてさらに例証される。図7Aは、6週間のCu処理の後のヘマトキシリン及びエオシンで染色された角膜の画像を例証する。図7Bは、6週間のCu処理の後のヘマトキシリン及びエオシンで染色された網膜/脈絡膜の画像を例証する。
【0083】
上の開示の方法は、本発明のいくらかの実施形態の例証のみであることが理解されるべきである。本発明の真髄及び範囲から逸脱することなく当業者によって多数の修正及び代替的段取りが考案され得、添付の特許請求の範囲は、そのような修正及び段取りをカバーすることが意図される。従って、本発明は、発明の最も実用的で好ましい実施形態と現在見なされるものとの関連で特定性及び詳細を伴って上で開示されているものの、当業者にとって、本明細書において述べられる原理及び概念から逸脱することなく作成され得るバリエーションも含まれることは明らかであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
【外国語明細書】