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特開2023-153973医療管腔内超音波イメージングにおける脈管内病巣及びステント配備のスコアリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153973
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】医療管腔内超音波イメージングにおける脈管内病巣及びステント配備のスコアリング
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023128436
(22)【出願日】2023-08-07
(62)【分割の表示】P 2020547225の分割
【原出願日】2019-03-08
(31)【優先権主張番号】62/643,105
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】メリット ファーガス
(72)【発明者】
【氏名】ナイア アヌジャ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者の管腔を含む特徴の医療イメージング及び測定を提供するシステム、デバイス、及び方法を提供する。
【解決手段】管腔内イメージングシステムは、管腔内に配置されたイメージングデバイスからイメージングデータを受信するように、及び、イメージングデータ内における特徴、例えば病巣及びステントを識別する、及び測定するように構成される。測定結果は、病巣スコア及び/又は拡張スコアを生成するために使用される。管腔スコア、拡張スコア、及び関連する測定結果は、患者に対する更なるイメージング手順又は処置の選択肢に役立つようにユーザーに表示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体管腔内に配置された管腔内イメージングデバイスと通信する制御装置であって、前記制御装置が、
前記体管腔に関連したイメージングデータを前記管腔内イメージングデバイスから受信することと、
受信された前記イメージングデータに基づいて前記体管腔の解剖学的特徴の測定結果を提供することと、
受信された前記イメージングデータに基づいて病巣を含む前記体管腔内における関心エリアを識別することと、
前記イメージングデータと前記体管腔の前記解剖学的特徴の前記測定結果とに基づいて前記病巣に対する病巣スコアを特定することと、
を行う、制御装置と、
前記制御装置と通信するディスプレイデバイスであって、前記ディスプレイデバイスが、前記病巣スコアと受信された前記イメージングデータに基づく前記体管腔の画像とを1つ又は複数のスクリーンに表示し、前記体管腔の前記画像が、前記関心エリアを含む、ディスプレイデバイスと、
を備える、管腔内医療イメージングシステム。
【請求項2】
前記制御装置が、更に、前記体管腔の放射線画像データ及び圧力データを受信する、請求項1に記載の管腔内医療イメージングシステム。
【請求項3】
前記病巣スコアが、受信された前記放射線画像データ及び前記圧力データに更に基づく、請求項2に記載の管腔内医療イメージングシステム。
【請求項4】
前記体管腔の前記画像が、受信された前記放射線画像データに基づく放射線画像である、請求項2に記載の管腔内医療イメージングシステム。
【請求項5】
前記病巣スコアが、前記スクリーンにおいて前記病巣と視覚的に相関をもたされる、請求項1に記載の管腔内医療イメージングシステム。
【請求項6】
前記病巣スコアが、前記関心エリア内における前記体管腔のプラーク負荷と前記体管腔の管腔面積とのうちの1つ以上に基づく、請求項1に記載の管腔内医療イメージングシステム。
【請求項7】
前記管腔内イメージングデバイスが、管腔内超音波イメージングデバイスを備え、前記病巣スコアが、圧力検出ガイドワイヤから受信された測定結果と管腔内超音波イメージングデータとに基づく、請求項1に記載の管腔内医療イメージングシステム。
【請求項8】
前記病巣スコアの表示が、前記病巣の重症度に対応した色を含む、請求項1に記載の管腔内医療イメージングシステム。
【請求項9】
患者の体管腔をイメージングする方法であって、
前記体管腔内に配置された管腔内イメージングデバイスから、前記体管腔に関連したイメージングデータを、制御装置を使用して受信するステップと、
受信された前記イメージングデータに基づいて、前記体管腔の特徴の測定結果を、前記制御装置を使用して提供するステップと、
受信された前記イメージングデータに基づいて、病巣を含む前記体管腔内における関心エリアを、前記制御装置を使用して識別するステップと、
前記イメージングデータと前記体管腔の前記特徴の前記測定結果とに基づいて、前記病巣に対する病巣スコアを特定するステップと、
前記関心エリアを含む、受信された前記イメージングデータに基づく前記体管腔の画像を、前記制御装置と通信するディスプレイデバイスの1つのスクリーンに表示するステップと、
前記病巣スコアを1つの前記スクリーンに表示するステップと、
を有する、方法。
【請求項10】
前記イメージングデータが、前記体管腔の放射線画像データ及び圧力データである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
受信された放射線画像データ及び圧力データに基づいて前記病巣スコアを特定するステップを更に有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記関心エリア内における前記体管腔の測定されたプラーク負荷と前記体管腔の管腔面積とに基づいて前記病巣スコアを特定するステップを更に有する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
圧力検出ガイドワイヤと管腔内超音波イメージングデバイスとから受信されたデータに基づいて前記病巣スコアを特定するステップを更に有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
患者の体管腔内に配置された管腔内イメージングデバイスと通信する制御装置であって、前記制御装置が、
前記体管腔内に配置されたステントに関連したイメージングデータを前記管腔内イメージングデバイスから受信することと、
受信された前記イメージングデータに基づいて前記ステントの測定結果を提供することと、
前記イメージングデータと前記ステントの前記測定結果とに基づいて前記ステントに対する拡張スコアを特定することと、
を行う、制御装置と、
前記制御装置と通信するディスプレイデバイスであって、前記ディスプレイデバイスが、受信された前記イメージングデータに基づいて前記拡張スコアと前記ステントの画像とを1つのスクリーンに表示する、ディスプレイデバイスと、
を備える、管腔内イメージングシステム。
【請求項15】
前記制御装置が、更に、前記体管腔の長手方向画像を前記ディスプレイデバイスの1つの前記スクリーンに表示する、請求項14に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項16】
前記長手方向画像が、前記ステントの遠位基準点を示す第1のインジケーターと前記ステントの近位基準点を示す第2のインジケーターとを含む、請求項15に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項17】
表示内容が、前記体管腔及び前記ステントの横断3D又は4D画像を更に含む、請求項14に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項18】
前記表示内容が、前記ステントと前記体管腔との間の位置ずれを示す強調表示領域を更に含む、請求項17に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項19】
前記測定結果が、前記ステントの管腔径である、請求項14に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項20】
前記測定結果が、前記ステントの管腔面積である、請求項14に記載の管腔内イメージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般に、管腔内イメージングデバイスを使用した患者の体管腔に関連したイメージングを含む、医療管腔内超音波イメージングに関する。例えば、本開示は、管腔内画像(例えば脈管内超音波又はIVUS画像)を分析することにより病巣の重症度又はステントの拡張をスコアリングすることについて説明する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 様々な種類の管腔内(脈管内とも呼ばれる)イメージングシステムが、疾患を診断及び処置することに使用される。例えば、脈管内超音波(IVUS)イメージングが、患者の体内における脈管を可視化するための診断ツールとして介入型心臓学において広く使用されている。これは、処置の必要性を判定するために、処置を最適化するために、及び/又は、処置の有効性を評価するために、病変のある脈管、例えば人体内における動脈を評価することに役立つ。
【0003】
[0003] 幾つかの場合において、管腔内イメージングは、1つ又は複数の超音波トランスデューサーを含むIVUSデバイスを使用して実行される。IVUSデバイスは、脈管内に通され、イメージングされるエリアに案内される。トランスデューサーは、超音波エネルギーを出射し、脈管で反射された超音波エコーを受信する。超音波エコーは関心脈管の画像を生成するように処理される。関心脈管の画像は、脈管内の1つ又は複数の病巣又は閉塞を含む。ステントは、これらの閉塞を処置するために脈管内に配置され、脈管内におけるステントの配置を見るために、管腔内イメージングが実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 医療専門家は、脈管の画像に基づいて脈管内における病巣の重症度をスコアリングして、病巣が重篤である、中程度である、又は軽度であるかを判定することを必要とする。典型的には、医療専門家は、病巣を識別するために脈管の画像を視覚的に比較することと、次に、病巣の重症度を決定することとによりこの判定を実行しなければならない。医療専門家が病巣を完全に見逃すか、又は、病巣の重症度について誤って判断をする可能性があるという理由から、これはロジスティックな、及び判断の誤りをもたらす可能性がある。医療専門家は、単に管腔内におけるステントの画像を見ることにより管腔内におけるステントの有効性を判定することを必要とされる場合もある。これらの現在の方法は、時間のかかるものであり、病巣の重症度及びステントの性能を特定することにおいて誤りをもたらす可能性がある。したがって、現在の管腔内画像スコアリングシステムには不備が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 体管腔内の閉塞(例えば血管内における病巣)を評価するための、及び、閉塞(例えば血管内におけるステント)に対する処置を評価するためのシステム、デバイス、及び方法が提供される。特に、管腔内画像スコアリングシステムは、病巣の重症度及びステントの拡張の自動スコアリングを提供する。病巣スコア又は拡張スコアは、ディスプレイデバイスにおいて脈管の1つ又は複数の画像とともに提供される。病巣スコア及び拡張スコアは、更なるイメージング手順又は処置のために管腔及び/又はステントを迅速かつ正確に評価することにおいてユーザーを支援する。
【0006】
[0006] 本開示の態様は、既存の管腔内スコアリングシステムの制約を打開する管腔内スコアリングシステム及び分析を有益に提供する。
【0007】
[0007] 本開示の実施形態は、患者の体管腔内に配置された管腔内イメージングデバイスと通信する制御装置であって、制御装置が、体管腔に関連したイメージングデータを管腔内イメージングデバイスから受信することと、受信されたイメージングデータに基づいて体管腔の解剖学的特徴の測定結果を提供することと、受信されたイメージングデータに基づいて病巣を含む体管腔内における関心エリアを識別することと、イメージングデータと体管腔の解剖学的特徴の測定結果とに基づいて病巣に対する病巣スコアを特定することと、を行うように構成される、制御装置と、制御装置と通信するディスプレイデバイスであって、ディスプレイデバイスが、病巣スコアと受信されたイメージングデータに基づく体管腔の画像とを1つ又は複数のスクリーンに表示するように構成され、体管腔の画像が関心エリアを含む、ディスプレイデバイスとを含む、管腔内医療イメージングシステムを提供する。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態において、制御装置は、体管腔の放射線画像データ及び圧力データを受信するように更に構成される。病巣スコアは、受信された放射線画像データ及び圧力データに更に基づく。体管腔の画像は、受信された放射線画像データに基づく放射線画像である。病巣スコアは、スクリーンにおいて病巣と視覚的に相関をもたされる。病巣スコアは、関心エリア内における体管腔のプラーク負荷と体管腔の管腔面積とのうちの1つ又は複数に基づく。イメージングデバイスは、管腔内超音波(IVUS)イメージングデバイスを含み、病巣スコアは、圧力検出ガイドワイヤから受信された測定結果と管腔内IVUSイメージングデータとに基づく。病巣スコアの表示は、病巣の重症度に対応した色を含む。
【0009】
[0009] 体管腔内に配置された管腔内イメージングデバイスから体管腔に関連したイメージングデータを、制御装置を使用して受信することと、受信されたイメージングデータに基づいて、体管腔の特徴の測定結果を、制御装置を使用して提供することと、受信されたイメージングデータに基づいて、病巣を含む体管腔内における関心エリアを、制御装置を使用して識別することと、イメージングデータと体管腔の特徴の測定結果とに基づいて、病巣に対する病巣スコアを特定することと、関心エリアを含む、受信されたイメージングデータに基づく体管腔の画像を、制御装置と通信するディスプレイデバイスの1つのスクリーンに表示することと、病巣スコアを1つのスクリーンに表示することとを有する、患者の体管腔をイメージングする方法が更に提供される。
【0010】
[0010] 幾つかの実施形態において、イメージングデータは、体管腔の放射線画像データ及び圧力データである。本方法は、受信された放射線画像データ及び圧力データに基づいて病巣スコアを特定することを有する。本方法は、関心エリア内における体管腔の測定されたプラーク負荷と体管腔の管腔面積とに基づいて病巣スコアを特定することを有する。本方法は、圧力検出ガイドワイヤとIVUSイメージングデバイスとから受信されたイメージングデータに基づいて病巣スコアを特定することを有する。
【0011】
[0011] 患者の体管腔内に配置された管腔内イメージングデバイスと通信する制御装置であって、制御装置が、体管腔内に配置されたステントに関連したイメージングデータを管腔内イメージングデバイスから受信することと、受信されたイメージングデータに基づいてステントの測定結果を提供することと、イメージングデータとステントの測定結果とに基づいてステントに対する拡張スコアを特定することとを行うように構成された、制御装置と、制御装置と通信するディスプレイデバイスであって、ディスプレイデバイスが、受信されたイメージングデータに基づいて拡張スコアとステントの画像とを1つのスクリーンに表示するように構成される、ディスプレイデバイスとを含む、管腔内イメージングシステムが更に提供される。
【0012】
[0012] 幾つかの実施形態において、制御装置は、体管腔の長手方向画像をディスプレイデバイスの1つのスクリーンに表示するように更に構成されている。長手方向画像は、ステントの遠位基準点を示す第1のインジケーターとステントの近位基準点を示す第2のインジケーターとを含む。表示内容は、体管腔とステントとの横断画像を更に含む。表示内容は、ステントと体管腔との間の位置ずれを示す強調表示領域を更に含む。測定結果は、ステントの管腔径又は管腔面積である。
【0013】
[0013] 本開示の例示的な実施形態が添付図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0014] 本開示の態様による管腔内イメージングシステムの図式的な概略図である。
図2】[0015] 本開示の態様によるプロンプトを示す表示内容の例示的な図である。
図3】[0016] 本開示の態様による別のプロンプトを示す表示内容の例示的な図である。
図4】[0017] 本開示の態様による別のプロンプト及び指示を示す表示内容の例示的な図である。
図5】[0018] 本開示の態様によるイメージングデータ及び指示を示す表示内容の例示的な図である。
図6】[0019] 本開示の態様によるイメージングデータを示す表示内容の例示的な図である。
図7】[0020] 本開示の態様によるイメージングデータの様々なビューを示す表示内容の例示的な図である。
図8】[0021] 本開示の態様によるイメージングデータ及び自動測定結果を示す表示内容の例示的な図である。
図9】[0022] 本開示の態様によるイメージングデータ及び測定結果を示す別の表示内容の例示的な図である。
図10】[0023] 本開示の態様によるイメージングデータ及び病巣スコアを示す表示内容の例示的な図である。
図11】[0024] 本開示の態様によるステント及び拡張スコアを示す表示内容の例示的な図である。
図12】[0025] 本開示の態様による病巣スコアを特定する、及び表示する方法のフロー図である。
図13】[0026] 本開示の態様による拡張スコアを特定する、及び表示する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0027] 本開示の原理の理解を深めることを目的として、以下で、図面に描かれた実施形態が参照され、それについて説明するために特定の表現が使用される。それにもかかわらず、本開示の範囲を限定することを意図したものではないことが理解される。説明されるデバイス、システム、及び方法に対する任意の代替例及び更なる変形例、及び本開示に関連した当業者が通常想起するように、本開示の原理の任意の更なる用途が十分に想定され、本開示に含まれる。特に、一実施形態に関連して説明される特徴、コンポーネント、及び/又はステップが、本開示の他の実施形態に関連して説明される特徴、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わされてよいことが十分に想定される。しかし、簡潔であるように、これらの組合せに関する多くの繰り返しとなる事項は個々に説明されない。
【0016】
[0028] 図1は、本開示の態様による管腔内イメージングシステム100の図式的な概略図である。管腔内イメージングシステム100は、幾つかの実施形態において脈管内超音波(IVUS)イメージングシステムであり得る。管腔内イメージングシステム100は、管腔内デバイス102、患者インターフェースモジュール(PIM)104、コンソール又は処理システム106、モニター108、脈管造影システム130、外部超音波システム132、及び/又は、コンピュータ断層撮影(CT)システム134を含む。管腔内デバイス102は、寸法決めされ、形作られ、及び/又は、患者の体管腔内に配置されるように別様に構造的に構成される。例えば、管腔内デバイス102は、様々な実施形態において、カテーテル、案内ワイヤ、案内カテーテル、圧力ワイヤ、及び/又はフローワイヤであり得る。幾つかの状況において、システム100は、追加的な要素を含んでよく、及び/又は、図1に示される要素のうちの1つ又は複数を含まずに実施されてよい。例えば、システム100は、外部超音波システム132とCTシステム134との一方又は両方を省略する。幾つかの実施形態において、管腔内イメージングシステム100は、病巣のスコアリング及び/又はステントの拡張を提供するように構成される。これらのスコアリング方法は、オペレーターが病巣の重症度又は効果的なステントの拡張を把握することを支援する。
【0017】
[0029] 管腔内イメージングシステム100(又は、脈管内イメージングシステム)は、患者の管腔又は脈管構造における使用に適した任意の種類のイメージングシステムであり得る。幾つかの実施形態において、管腔内イメージングシステム100は、管腔内超音波(IVUS)イメージングシステムである。他の実施形態において、管腔内イメージングシステム100は、フォワードルッキング管腔内超音波(FL-IVUS)イメージング、管腔内光音響(IVPA)イメージング、心腔内エコー検査(ICE)、経食道心エコー検査(TEE)、及び/又は、他の適切なイメージングモダリティのために構成されたシステムを含む。
【0018】
[0030] システム100及び/又はデバイス102は、任意の適切な管腔内イメージングデータを取得するように構成され得ることが理解される。幾つかの実施形態において、デバイス102は、例えば光学イメージング、光コヒーレンス断層撮影(OCT)などの任意の適切なイメージングモダリティのイメージングコンポーネントを含み得る。幾つかの実施形態において、デバイス102は、圧力センサー、流量センサー、温度センサー、光ファイバー、反射体、ミラー、プリズム、アブレーション要素、ラジオ周波(RF)電極、伝導体、及び/又はそれらの組合せなどが挙げられる、任意の適切なイメージングコンポーネントを含み得る。概して、デバイス102は、管腔120に関連した管腔内データを取得するためのイメージング要素を含み得る。デバイス102は、患者の脈管又は管腔120内への挿入のために寸法決めされ、形作られ(及び/又は構成され)る。
【0019】
[0031] システム100は、制御室を含むカテーテル検査室に配備される。処理システム106は、制御室内に位置する。任意選択的に、処理システム106は、別の場所、例えばカテーテル検査室自体に位置してよい。カテーテル検査室は除菌場を含んでよいとともに、実施される工程に応じて、及び/又は、ヘルスケア施設に応じて、その関連する制御室が除菌されたものであってよく、又は除菌されていないものであってよい。カテーテル検査室及び制御室は、任意の数の医療イメージング工程、例えば、脈管造影、蛍光透視法、CT、IVUS、仮想組織構造(VH)、フォワードルッキングIVUS(FL-IVUS)、管腔内光音響(IVPA)イメージング、冠血流予備量比(FFR)特定、冠血流予備能(CFR)特定、光コヒーレンス断層撮影(OCT)、コンピュータ断層撮影、心腔内エコー検査(ICE)、フォワードルッキングICE(FLICE)、管腔内パルポグラフィー、経食道超音波、蛍光透視法、及び他の医療イメージングモダリティ、又はそれらの組合せを実施するために使用されてよい。幾つかの実施形態において、デバイス102は、例えば制御室といった離れた位置から制御されてよく、その結果、オペレーターは患者の非常に近くにいることを必要とされない。
【0020】
[0032] 管腔内デバイス102、PIM104、モニター108、脈管造影システム130、外部超音波システム132、及びCTシステム134は、処理システム106に直接的に、又は間接的に通信可能に結合される。これらの要素は、有線接続、例えば、標準的な銅リンク又は光ファイバーリンクを介して、及び/又は、IEEE 802.11 Wi-Fi規格、超広帯域(UWB)規格、無線FireWire、無線USB、又は別の高速無線ネットワーキング規格を使用した無線接続を介して、医療処理システム106に通信可能に結合される。処理システム106は、1つ又は複数のデータネットワーク、例えば、TCP/IPベースのローカルエリアネットワーク(LAN)に通信可能に結合される。他の実施形態において、異なるプロトコル、例えば同期光ネットワーキング(SONET)が使用される。幾つかの場合において、処理システム106は、広域ネットワーク(WAN)に通信可能に結合される。処理システム106は、様々なリソースにアクセスするためのネットワーク接続機能を使用する。例えば、処理システム106は、ネットワーク接続を介して、医用デジタル画像形成及び通信(DICOM)システム、画像保管通信システム(PACS)、及び/又は、病院情報システムと通信する。
【0021】
[0033] ハイレベルにおいて、管腔内デバイス102が、管腔内デバイス102の遠位端付近に搭載されたスキャナ組立体110に含まれるトランスデューサーアレイ124から超音波エネルギーを出射する。超音波エネルギーは、スキャナ組立体110の周辺における媒体(例えば管腔120)内の組織構造により反射され、超音波エコー信号がトランスデューサーアレイ124により受信される。スキャナ組立体110は、超音波エコーを表す電気信号を生成する。スキャナ組立体110は、例えば、平面アレイ、湾曲したアレイ、円周アレイ、環状アレイなどの任意の適切な構成をとる、1つ又は複数の、単一超音波トランスデューサー及び/又はトランスデューサーアレイ124を含み得る。例えば、スキャナ組立体110は、幾つかの場合において、一次元アレイ又は二次元アレイであり得る。幾つかの場合において、スキャナ組立体110は、回転式超音波デバイスであり得る。スキャナ組立体110の有効エリアは、一様に、又は独立して制御され、及び有効化され得る1つ又は複数のトランスデューサー部材、及び/又は、超音波要素の1つ又は複数のセグメント(例えば、1つ又は複数の行、1つ又は複数の列、及び/又は1つ又は複数の配向)を含み得る。スキャナ組立体110の有効エリアは、様々な基本的な、又は複雑な形状にパターン形成され、又は構造化され得る。スキャナ組立体110は、サイドルッキング配向(例えば、管腔内デバイス102の長手方向の軸に垂直に、及び/又は直交して超音波エネルギーが出射される)で、及び/又は、フォワードルッキングのルッキング配向(例えば、長手方向の軸に平行に、及び/又は長手方向の軸に沿って超音波エネルギーが出射される)で位置し得る。幾つかの場合において、スキャナ組立体110は、近位方向に、又は遠位方向に、長手方向の軸に対して傾いた角度で超音波エネルギーを出射及び/又は受信するように構造的に配置される。幾つかの実施形態において、超音波エネルギーの出射は、スキャナ組立体110の1つ又は複数のトランスデューサー要素の選択的なトリガーにより電子的に操縦され得る。
【0022】
[0034] スキャナ組立体110の超音波トランスデューサーは、圧電微細加工超音波トランスデューサー(PMUT)、容量性微細加工超音波トランスデューサー(CMUT)、単結晶、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、PZT複合材料、他の適切なトランスデューサータイプ、及び/又は、それらの組合せであり得る。一実施形態において、超音波トランスデューサーアレイ124は、例えば2つのトランスデューサー、4つのトランスデューサー、36個のトランスデューサー、64個のトランスデューサー、128個のトランスデューサー、500個のトランスデューサー、812個のトランスデューサーといった値、及び/又はより大きい、及びより小さい他の値を含む、1つのトランスデューサーから1000個のトランスデューサーの間の任意の適切な数の個々のトランスデューサーを含み得る。
【0023】
[0035] PIM104は、受信されたエコー信号を処理システム106に伝達し、処理システム106において(流量情報を含む)超音波画像が再構成され、及びモニター108に表示される。コンソール又は処理システム106は、プロセッサとメモリとを含み得る。処理システム106は、本明細書において説明されている管腔内イメージングシステム100の機能を円滑化するように動作可能である。例えば、プロセッサは、非一時的な有形なコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ可読命令を実行し得る。
【0024】
[0036] PIM104は、処理システム106と管腔内デバイス102に含まれるスキャナ組立体110との間における信号の通信を円滑化する。この通信は、管腔内デバイス102内における集積回路制御装置チップにコマンドを提供すること、送信及び受信のために使用されるトランスデューサーアレイ124における特定の要素を選択すること、選択されたトランスデューサーアレイ要素を励起するために電気パルスを生成するために送信器回路を有効化するために集積回路制御装置チップに送信トリガー信号を提供すること、及び/又は、集積回路制御装置チップに含まれる増幅器を介して、選択されたトランスデューサーアレイ要素から受信された増幅されたエコー信号を受け入れることを有する。幾つかの実施形態において、PIM104は、処理システム106にデータを中継する前に、エコーデータの予備的プロセスを実施する。このような実施形態の例において、PIM104は、データの増幅、フィルタ処理、及び/又は収集を実施する。一実施形態において、PIM104は、更に、スキャナ組立体110内の回路を含む管腔内デバイス102の動作をサポートするために高電圧及び低電圧DC電力を供給する。
【0025】
[0037] 幾つかの実施形態において、PIM104は、処理システム106と、脈管造影システム130、外部超音波システム132、及び/又はCTシステム134のうちの1つ又は複数との間の通信を円滑化する。脈管造影システム130は、放射線撮影、脈管造影、及び蛍光透視法のうちの任意のものを実施するように構成されたコンポーネントを含む。幾つかの状況において、脈管造影システム130及び/又はCTシステム134は、他のイメージングデータに対する基準として使用される対象者の脈管構造の画像を取得するために使用される。例えば、脈管造影画像は、画像に対する、より適切なコンテキストを提供するために(例えば図10に示される)管腔内イメージングデータとともに表示される。
【0026】
[0038] 幾つかの実施形態において、IVUSデータ及び/又は外部超音波データは、2D又は3D CT画像とコレジスタされてよく、このことが、配置の正確さを更に改善し、工程時間を短縮する。管腔内デバイス102の配置は、このマルチイメージングシステムを使用して検証されてよく、このことが、標準的な蛍光透視による補助に対する結果を改善する。幾つかの実施形態において、管腔内デバイス102は、CT画像及び/又は脈管造影図において識別された標的位置(例えば病巣又は動脈瘤)まで追跡される。幾つかの実施形態において、コレジスタされたIVUS及びCT画像データから生成されたロードマップは、正確さを更に改善するために蛍光透視データに相関する。例えば、処理システム106は、患者の脈管を通した管腔内デバイス102のナビゲーションを改善するために、ロードマップ及び蛍光透視データに基づいてイメージングループを生成する。
【0027】
[0039] 処理システム106は、PIM104を経由してスキャナ組立体110からエコーデータを受信し、スキャナ組立体110の周辺における媒体内における組織構造の画像を再構成するためにデータを処理する。概して、デバイス102は、任意の適切な解剖学的構造及び/又は患者の体管腔内において使用され得る。脈管又は管腔120の画像、例えば管腔120の断面IVUS画像がモニター108に表示されるように、処理システム106が画像データを出力する。管腔120は自然な、及び人工的な、流体により充填された、又は囲まれた構造物を表す。管腔120は患者の体内に存在する。管腔120は、心臓脈管構造、末梢脈管構造、神経脈管構造、腎臓脈管構造、及び/又は、体内における任意の他の適切な管腔といった、患者の脈管系の血管、動脈、又は静脈であってよい。例えば、デバイス102は、任意の数の解剖学的位置及び組織タイプ、例えば、限定されないが、臓器、例えば、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺;管;腸;神経系構造物、例えば、脳、硬膜嚢、脊髄、及び末梢神経;尿路;及び、心臓の血液、心腔、又は他の部分、及び/又は、体の他の系内における弁を検査するために使用される。自然な構造物に加えて、デバイス102は、人工の構造物、例えば、限定されないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、及び他のデバイスを検査するために使用される。
【0028】
[0040] 制御装置又は処理システム106は、メモリ及び/又は他の適切な有形のコンピュータ可読記憶媒体と通信する1つ又は複数のプロセッサを含む処理回路を含んでよい。制御装置又は処理システム106は、本開示の1つ又は複数の態様を実行するように構成される。幾つかの実施形態において、処理システム106及びモニター108は独立したコンポーネントである。他の実施形態において、処理システム106及びモニター108は1つのコンポーネントに統合されている。例えば、システム100は、タッチスクリーンディスプレイを含むハウジングとプロセッサとを含むタッチスクリーンデバイスを含み得る。システム100は、ユーザーがモニター108に示される選択肢を選択するための、例えば、タッチ感応式パッド、又は、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード/マウス、ジョイスティック、ボタンなどの任意の適切な入力デバイスを含み得る。処理システム106、モニター108、入力デバイス、及び/又はそれらの組合せは、システム100の制御装置と呼ばれ得る。制御装置は、デバイス102、PIM104、処理システム106、モニター108、入力デバイス、及び/又は、システム100の他のコンポーネントと通信し得る。
【0029】
[0041] 幾つかの実施形態において、処理システム106は、デバイス102、脈管造影システム130、外部超音波システム132、及び/又はCTシステム134から受信されたイメージングデータに基づいて、ステントに対する管腔スコア及び/又は拡張スコアを計算するように構成される。これらのスコアリングは、他のイメージングデータ、例えば管腔の1つ又は複数の画像とともにモニター108のスクリーン上に提供される。病巣スコア及び拡張スコアは、確立されたレーティングスケールに基づいて重症度又は有効性に相関する。これらのスコアリングは、病巣又はステントを正確かつ迅速に判断するために、及び、ユーザーを適切な処置に導くためにユーザーに役立つ。これは、病巣及びステントの評価に対する信頼性を高め、スコアリング工程における時間を削減する。
【0030】
[0042] 幾つかの実施形態において、管腔内デバイス102は、例えば、Volcano Corporationから入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテル、及び、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,846,101号に開示されているものといった、従来のソリッドステートIVUSカテーテルと同様の幾つかの特徴を含む。例えば、管腔内デバイス102は、管腔内デバイス102の遠位端付近におけるスキャナ組立体110と、管腔内デバイス102の長手本体に沿って延びた伝送線束112とを含み得る。ケーブル又は伝送線束112は、複数の伝導体、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又はそれらより多い伝導体を含み得る。
【0031】
[0043] 伝送線束112は、管腔内デバイス102の近位端におけるPIMコネクタ114において終端している。PIMコネクタ114は、伝送線束112をPIM104に電気的に結合し、管腔内デバイス102をPIM104に物理的に結合する。一実施形態において、管腔内デバイス102は、案内ワイヤ出口ポート116を更に含む。したがって、幾つかの場合において、管腔内デバイス102は迅速交換型カテーテルである。案内ワイヤ出口ポート116は、管腔120を通して管腔内デバイス102を方向付けするために、案内ワイヤ118が遠位端に向けて挿入されることを可能にする。
【0032】
[0044] モニター108は、例えばコンピュータモニター又は他のタイプのスクリーンといったディスプレイデバイスである。モニター108は、選択可能なプロンプト、指示、及びイメージングデータの可視化結果をユーザーに表示するために使用される。幾つかの実施形態において、モニター108は、管腔内イメージング工程を遂行するために工程特有のワークフローをユーザーに提供するために使用される。このワークフローは、管腔の状態及びステントの可能性を特定するためにプレ・ステント計画を実施すること、及び、管腔内に配置されたステントをチェックすることを有する。ワークフローは、図2図7に示される表示内容又は可視化結果のうちの任意のものとしてユーザーに提示される。
【0033】
[0045] 図2は、本開示の態様によるプロンプト202を示す例示的な表示内容200を示す。幾つかの実施形態において、表示内容200は図1に示されるモニター108に表示される。他の実施形態において、表示内容200は、例えばPIM104といった別のデバイスのスクリーンに表示される。表示内容200は、管腔内イメージングシステム100の制御装置により生成される。幾つかの実施形態において、表示内容200は、プロンプト及び指示並びに他のデータをオペレーターに表示するように構成される。表示内容200は、管腔内工程のための完全な全体的なワークフローを示すために使用される。このワークフローは、工程を通してオペレーターを案内する多くのプロンプト及び指示を含む。これは、工程のステップを簡略化し、オペレーターの誤りを回避することに役立つ。
【0034】
[0046] オペレーターが選択肢を選択するために表示内容200と対話するように、プロンプト及び指示が、選択可能な選択肢として表示内容200に表示される。選択された選択肢に対応した情報が示されるように、オペレーターの選択が表示内容200を変える。図2の例において、選択可能なプロンプト202が表示内容200に表示されている。プロンプトは2つの選択可能な選択肢、すなわち、プレ・ステント計画に対応した選択肢204と、ポスト・ステントチェックに対応した選択肢206とを含む。オペレーターは選択肢204、206のうちの1つを選択し、その選択がワークフローを先に進め、結果として、他のスクリーン(例えば図3に示されるプロンプト302)が表示される。選択肢204、206は、工程の種類の視覚表現を含む。例えば、選択肢204は心臓内における脈管構造の描写を含み、選択肢206はステントの描写を含む。幾つかの実施形態において、選択肢204、206の選択は、選択肢204、206の視覚的描写の変化を伴う。例えば、プレ・ステント計画の選択肢204が選択された場合、選択肢204は、表示内容200の将来の表示において陰影を付けられて、又はグレーとして現れる。これは、この選択肢204がオペレーターにより以前に選択されたことを示すことに役立つ。他の種類のフィードバックが、選択肢の選択を示すために使用されてよい。例えば、選択可能な選択肢204、206は、点滅エリア、強調表示エリア、変更された色、陰影、変更された透過性、及び他の視覚インジケーターを表示する。
【0035】
[0047] 選択肢204は、管腔内工程(例えば引き戻し動作)を実施すること、及び、結果を見ることを有するプレ・ステント計画のためのワークフローを提供する。選択肢204は、ステントの配置により恩恵を受ける管腔120内におけるエリアを特定するために使用される。選択肢206は、管腔内工程(例えば引き戻し動作)を実施すること、及び、ステントが以前に配置された管腔120内におけるエリアの結果を見ることを有するポスト・ステントチェックのためのワークフローを提供する。この選択肢206は、ステントの配置及び有効性を観測するために使用される。
【0036】
[0048] 図3は、本開示の態様によるプロンプト302を示す例示的な表示内容200を示す。幾つかの実施形態において、プロンプト302は、選択肢204、206のいずれかが選択された後に表示される。他の実施形態において、プロンプト302は、プレ・ステント計画の選択肢204が選択された後にのみ表示される。プロンプト302は、標的脈管を選択するようにオペレーターを促す。図3の例において、標的脈管を選択することは、心臓内における動脈を含む可視化結果304における領域を選択することを有する。選択可能領域は、右冠動脈(RCA)、左前下行枝(LAD)、及び左回旋枝(LCX)を含んでよい。選択可能領域は、動脈の様々な領域、及び、患者の解剖学的構造の他の部分内における他の脈管及び管腔を含んでもよい。領域のうちの1つがオペレーターにより選択された場合、可視化結果304の外観が変更されてよい。例えば、選択された動脈が、輪郭を描かれ、強調表示され、又は異なる色により色付けされる。幾つかの実施形態において、図4に示されるように、選択された動脈が青色により輪郭を描かれる。
【0037】
[0049] 図4は、本開示の態様によるプロンプト402を示す例示的な表示内容200を示す。プロンプト402は、オペレーターが図3に示されるプロンプト302に対する選択をした後に表示される。図4の例では、LAD動脈がオペレーターにより選択されている。プロンプト402は、LADにおける最遠位点から小孔まで引き戻し工程を実施するための指示403とともに、LADの輪郭を描いた画像を示す。これらの指示403は、引き戻し工程、又は、選択された脈管又は管腔120内におけるデバイスの他の動き102を表す。指示403は、選択された標的脈管内におけるデバイス102の任意の種類の動きを実施するようにオペレーターに指示する。例えば、指示403は、選択された標的脈管に沿って所与の距離分、デバイス102を押すようにオペレーターに指示する。指示403に対応した可視化結果404も、表示内容200に表示される。図4の例において、可視化結果404は、引き戻し工程が実施されなければならない方向を示す矢印を含む青色の線406を含む。可視化結果404は、視覚効果、例えば色又はアニメーションを変化させることを含んでよい。例えば、可視化結果404の矢印は指示403により指定された方向に動く。指示403及び可視化結果404は、以前に選択された選択肢に応じて変動する。例えば、オペレーターが標的脈管としてRCAを選択した場合、RCAの可視化結果404が強調表示され、及び、指示403により輪郭を描かれた工程を示すように対応する可視化結果が表示される。
【0038】
[0050] 幾つかの実施形態において、表示内容200の指示403は、どの選択肢204、206が図2に示されるプロンプト202から選択されたかに応じて変わる。例えば、ポスト・ステントチェックの選択肢206が選択された場合、指示は、「ステントの遠位点からステントの近位点まで引き戻しを実施してください」と表示する。イメージング工程を実施するように、及び、選択された標的脈管及び/又はステントに関連したイメージングデータを獲得するようにオペレーターを案内するために、他の指示が含まれてもよい。
【0039】
[0051] 図5は、本開示の態様によるプロンプト502を示す例示的な表示内容200を示す。プロンプト502は、オペレーターが図4に示されるプロンプト402に対する選択をした後に表示される。図5の例では、LAD動脈がオペレーターにより選択されている。プロンプト502には、可視化結果504が付随する。幾つかの実施形態において、可視化結果504は、デバイス102が選択された標的脈管を通して動かされるときの、デバイス102からのイメージングデータを示す。イメージングデータは、オペレーターのための参照として使用される。特に、可視化結果504に示されるイメージングデータは、どこで工程を始めるかをオペレーターが知ることに役立つ。図5の例において、イメージングデータは、引き戻し動作が実施されるように、デバイス102がLAD動脈の遠位端に配置されたときを示す。イメージングデータは、他の参照データ、例えば、管腔120に沿った関心エリア、管腔120の枝、管腔120内における問題エリア、及び他の特徴を示してもよい。幾つかの実施形態において、デバイス102が指示により指定された位置に(例えば、動脈の遠位部に)配置されたとき、オペレーターは、工程の記録を始めるための記録ボタン508を選択してよい。表示内容は、工程前に、又は工程中にイメージングデータの特定のフレームを保存するための選択肢506を更に含む。
【0040】
[0052] 図6は、本開示の態様による例示的な可視化結果310を示す。可視化結果310は、モニター108に表示される。可視化結果310は、管腔内工程中にデバイス102により獲得されたイメージングデータを提示する。幾つかの実施形態において、管腔内工程は、図3図5に示される指示において概説される。幾つかの実施形態において、可視化結果310は、管腔120、例えば選択された標的脈管に対応したイメージングデータを含む。可視化結果310は、管腔120の第1のビュー604及び第2のビュー610を含んでよい。幾つかの実施形態において、第1のビュー604及び第2のビュー610は、90度ずらして配向される。図6の例において、第1のビュー604は、管腔120を真っ直ぐに見たビュー(又は「長手方向ビュー」として説明される)に対応したイメージングデータを示し、第2のビュー610は、管腔120の横断ビューに対応したイメージングデータを示す。ビュー604、610は、対応するイメージングデータを含む。第1のビュー604及び第2のビュー610の表示内容は、概して1つの断層撮影画像を含む既存のシステムでは示されない。他の実施形態において、1つ又は複数の横断、断面、断層撮影、3D又は4D画像を含む他のビューが示されてもよい。例えば、4D横断画像は、示される時間成分を伴う3D横断画像である。
【0041】
[0053] 幾つかの実施形態において、可視化結果310は、デバイス102により受信されたイメージングデータの選択されたフレームを含む。オペレーターは、デバイス102により受信されたイメージングデータから任意のフレームを選択することが可能であってよい。これは、オペレーターが管腔120における特定の関心エリアに注目することを可能にする。
【0042】
[0054] 幾つかの実施形態において、イメージングデータがデバイス102により獲得されたとき、測定が、管腔内イメージングシステム100の制御装置を使用してイメージングデータに対して自動的に実施される。既存のイメージングシステムは、典型的には、オペレーターが関心のあるフレームを手動で選択すること、及び、測定のためのエリアをマーキングすることを必要とする。これは、時間のかかるプロセスであり、特に、測定のためのエリアをマーキングすることにユーザーの誤りを誘発し得る。これらの誤りは、オペレーターがイメージングデータ内における重要な特徴、例えば病巣を見逃すことをもたらす。管腔内イメージングシステム100は、ユーザー対話を必要とせずに、受信されたイメージングデータにおける特徴の自動測定を提供する。幾つかの実施形態において、システム100は、(表示された画像におけるものを含む)イメージングデータにおけるすべての適用可能な境界、例えば、解剖学的境界(例えば管腔の境界)、及び、ステントを自動的に測定する。更に、システム100は、自動測定に基づいて関心エリアを自動的に識別し、長手方向ビュー又は管腔の脈管造影画像に相関したこれらの関心エリアを表示する。この自動測定、分析、及び表示は、患者の管腔の理解しやすい概観を提供し、病巣スコアを生成するためのデータを提供する。
【0043】
[0055] 図6の例では、脈管の境界608及び最小管腔面積(MLA)606に対応した自動測定結果が第1のビュー604に表示されている。測定結果は、血管の直径、脈管の中心、脈管の境界608の厚さ、及び、制御装置により自動的に実施された他の測定結果を含んでもよい。これらの測定結果は、他のビューに示されてもよい。例えば、マーカー614は、第1のビュー604におけるMLA606に対応した第2のビュー610におけるMLAに位置する。これは、オペレーターが管腔120に沿った脈管の境界の直径を可視化することに役立つ。測定結果は、可視化結果310におけるボックス612に数値形式で表示される。可視化結果300の特定の部分及びビューは、選択肢620、622、及び624を選択することによりオペレーターにより見られる。
【0044】
[0056] 図7は、本開示の態様による病巣ビューを示す例示的な可視化結果700を示す。幾つかの実施形態において、可視化結果700は、図2に示されるプレ・ステント計画の選択肢204に対応している。幾つかの実施形態において、可視化結果700は、病巣に対処するためにステントの配置及びサイズを推奨するために使用される。これらの推奨案は、デバイス102により受信されたイメージングデータに基づいてシステム100により自動的に作られる。特に、可視化結果700は、ステントに対する可能な「着地ゾーン」834とともに管腔120の部分を可視化するために使用されてよい。幾つかの実施形態において、着地ゾーン834は、マーカー614によりマーキングされた管腔120の部分のMLAを含む管腔120内における関心エリアである。着地ゾーン834は、着地ゾーン834内におけるステントの可能な配置を示すために、ビュー610におけるプロファイルに示される。着地ゾーン834の遠位端マーカー830と近位端マーカー832とは、可能なステントの遠位程度及び近位程度を規定する。遠位端マーカー830及び近位端マーカー832は、これらの位置における管腔120の平均直径及びプラーク負荷を示す数値データ820、822を添えられる。幾つかの実施形態において、可視化結果は、管腔120に沿ったプラーク負荷852の描写でもある。幾つかの実施形態において、プラーク負荷852の描写は、デバイス102からイメージングデータに基づいて自動的に測定される。可視化結果700は、管腔面積850の描写を更に含む。図7に示されるように、MLAに対するマーカー614は、プラーク負荷が最大であり、及び管腔の面積が最小である場所に位置する。プラーク負荷測定結果、管腔径測定結果、管腔面積測定結果、及び他の画像ベースの、又は生理機能ベースの測定結果のうちの1つ又は複数が、病巣スコアを生成するために使用される。
【0045】
[0057] 幾つかの実施形態において、可視化結果700は、テキストボックス812に示される推奨ステント径を含む。この直径は、システム100により測定された管腔102の直径に基づく。
【0046】
[0058] 図8は、本開示の態様による例示的な可視化結果800を示す。可視化結果800は、モニター108に表示される。可視化結果800は、管腔910及び周辺組織の画像902を含む。画像902は、放射線画像、例えば脈管造影画像、である。幾つかの実施形態において、管腔910は、強調表示領域904を含む。幾つかの実施形態において、システム100は、管腔径及び/又はエリアを含む管腔の特徴を自動的に測定し、管腔の特徴にラベル付けする。強調表示領域904は、これらの測定結果に基づく1つ又は複数の関心エリア906を含む。図9の例において、強調表示領域904は、A、B、及びCによりラベル付けされる3つの関心エリア906を含む。幾つかの実施形態において、強調表示領域904は、パーセント狭窄に従って色付けされる。色基準キー908が脈管造影画像に表示され、強調表示領域及びパーセント狭窄における着色間の相関を示す。図8の例において、関心エリア906にわたる赤色の着色は、深刻である可能性のある病巣を示す。図8の画像902内におけるイメージングデータは、病巣スコアを生成するために使用される。例えば、システム100は、強調表示領域904内における色データを分析し、深刻である可能性のある病巣が関心エリア906に存在することを特定する。
【0047】
[0059] 図9は、本開示の態様による例示的な可視化結果900を示す。可視化結果900は、モニター108に表示される。可視化結果800は、放射線画像、例えば脈管造影画像、である、管腔920及び周辺組織の画像912を含む。管腔910は、システム100により自動的に実施される測定結果を含む。これらの測定結果は、管腔910の長さに沿ったシンボル922により表示されるプラーク負荷を含む。幾つかの実施形態において、シンボル922は、管腔におけるプラーク負荷の重症度を表すドットとして現れる。各ドットは、10%、15%又は20%のプラーク負荷に対応する。図9の例において、関心エリア932におけるプラーク負荷は、約80%であり、非常に深刻な病巣を示す。管腔は、管腔における特徴の測定結果に基づいてシステム100により自動的に識別される1つ又は複数の関心エリア932を更に含む。幾つかの実施形態において、テキストボックス924、924、926は画像912における各関心エリア932に対して表示される。これらのテキストボックス924、926、928は、画像912において矢印シンボル930とともに示される関心エリア932の長手方向測定結果(例えば、8、9、又は12mm)を含む。テキストボックス924、926、928は、各関心エリア932に対する管腔910にわたる直径の変化(例えば、0.08、0.04、及び0.16mm)を更に含む。
【0048】
[0060] 図10は、本開示の態様による病巣スコア1002を含む例示的な可視化結果1000を示す。可視化結果は、管腔920を含む脈管造影画像である画像1012、及び、管腔920の1つ又は複数の管腔内ビュー1010、1020、1030を含む。幾つかの実施形態において、管腔内ビュー1010、1020、1030は、管腔920に沿った異なる位置を示す管腔920の横断ビューである。例えば、管腔は、管腔920の測定されたパラメータに基づいてシステム100により識別された関心エリア932を含む。第1の管腔内ビュー1010は、関心エリア932に関連して遠位基準位置と相関し、第2の管腔内ビュー1020は、関心エリア932の最小管腔エリア(MLA)と相関し、第3の管腔内ビュー1030は、関心エリア932に関連して近位基準位置と相関する。管腔内ビュー1010、1020、1030は、管腔を通して動かされる管腔内デバイス102からイメージングデータを受信した後にシステム100により生成される。幾つかの実施形態において、管腔内ビュー1010、1020、1030は、例えば示される点線1013及び整合した色により、管腔920の脈管造影ビューに沿ったそれらの位置と視覚的に相関をもたされている。他の視覚的な相関、例えば共通のシンボル又はインジケーター、が可能である。管腔内ビュー1010、1020、1030は、管腔920及び周辺組織のより完全なビューをユーザーに与えるために、管腔920のより完全なビューを提供する。
【0049】
[0061] 幾つかの実施形態において、病巣スコア1002は、可視化結果1000において提供される。病巣スコアは、例えば関心エリア932に近接して、画像1012に表示される。病巣スコア1002は、病巣の重症度の標示を提供する。病巣及びステントの拡張のスコアリングが議論されるが、本明細書において提示されるスコアリング方法は、脈管診断における他の用途、例えば、動脈瘤、血栓、又は他の脈管疾患の重症度、及び、関連する処置スコアをスコアリングすること、に拡張されてよい。病巣スコア1002は、プラーク負荷、管腔面積、管腔径、パーセント狭窄、管腔の偏心率、管腔内における石灰化部位、管腔に沿った位置(例えば分岐部付近)、及び/又は、管腔内における圧力測定結果(例えばFFR、IFR、PDPA)といったものが挙げられる1つ又は複数の因子を使用して計算される。幾つかの実施形態において、病巣スコア1002は、脈管造影画像に関連した因子を更に含む。例えば、関心エリア932の基準長さ(すなわち、遠位基準点と近位基準点との間の距離)に対する、管腔920における関心エリア932の最小幅の比率、管腔920の他の部分と比べた閉塞又は病巣の比率、管腔920における蛇行、及び/又は、画像品質問題、例えばかすみのあるエリアである。正確である可能性が高い因子が正確である可能性が低い因子より高く重み付けされるように、これらの因子が重み付けされる。幾つかの実施形態において、侵襲性工程に関連した因子(例えば、IVUSデータ又は他の脈管内データに関連した因子)は、非侵襲性工程に関連した因子より高く重み付けされる。病巣スコア1002は、関心エリア932に対応した強調表示エリア、及び最大可能病巣スコアとともに表示される。
【0050】
[0062] 幾つかの実施形態において、病巣スコアは、0から100の間の数により表され、ここで、0は最も深刻さが低く、100は最も深刻さが高い。幾つかの実施形態において、高い病巣スコア(例えば90又は95)は深刻な病巣と相関し、低いスコア(例えば25以下)は軽度の病巣と相関する。他の実施形態において、病巣スコアは、0.0の値(最も深刻さが低い)から1.0の値(最も深刻さが高い)までの範囲である。病巣スコアは、赤色が深刻であり、緑色が深刻ではないように、視覚的な手がかり、例えば(図8における強調表示領域904により示される)色スキームに相関する。他の数値付与体系、色スキーム、及び視覚的な手がかりも、病巣スコアを表すために想定される。
【0051】
[0063] 幾つかの実施形態において、ユーザーは、病巣スコア1002を選択すること、及び、その特定に関与した因子及び/又は重みを見ることが可能である。ユーザーは、より多くの情報にアクセスするために、テキストボックス924及び横断ビュー1010、1020、1030を選択することも可能である。幾つかの実施形態において、横断ビュー1010、1020、1030は、組織層の強調表示された境界、例えば、脈管の境界1016及び管腔の境界1018、を含む。画像1012、横断ビュー1010、1020、1030、及び病巣スコア1002は、ユーザーが管腔920及び周辺組織のレイアウトをより明確に理解すること、及び、管腔920内における病巣の重症度をより明確に理解することに役立つ。
【0052】
[0064] 図11は、本開示の態様による管腔内におけるステントを示す例示的な可視化結果1100を示す。幾つかの実施形態において、可視化結果1100は、オペレーターが図2のステントチェックの選択肢204を選択した後に、及び、後続のワークフローステップを通して案内された後に示される。可視化結果1100は、ステントが配置された管腔120内における移動(例えば引き戻し手順)中にデバイス102から集められたイメージングデータ、及び、管腔の周辺エリアのイメージングデータを表示する。可視化結果1100は、脈管及びステントの長手方向ビュー1110、及び、脈管及びステントの横断ビュー1122を含む。システム100は、イメージングデータにおける特徴、例えば、管腔の境界、脈管の境界、及びステント縁部及び境界、を自動的に測定する。例えば、ステントの境界1124の形状及び寸法は、横断ビュー1122において測定され、及び表示される。ステントの形状及び寸法は、長手方向ビュー1110におけるステント1115の描写として測定され、及び表示される。可視化結果1100は、ステントの直径、面積、及び長さの測定結果を含む。これらの測定結果は、ステント尺度ボックス1106内に表示される。図11の例において、最小ステント面積(MSA)は、10.1mmと測定されており、最小ステント径(MSD)は、3.5mmと測定されている。
【0053】
[0065] 可視化結果1100は、受信されたイメージングデータに基づいてステントの遠位縁部と近位縁部とをマーキングするインジケーター1114、1118を含み、インジケーター1112、1120は、遠位基準点及び近位基準点をマーキングする。これらの基準点は、管腔内において測定されたパーセント狭窄、例えば30パーセント狭窄以上、に基づいてシステム100により自動的に決定される。他の実施形態において、遠位基準及び近位基準はユーザーにより決定される。インジケーター1112、1120は、イメージングデータの異なる集合を見るために、ユーザーにより管腔に沿って動かされる。可視化結果1100は、ステントのMSAをマーキングするインジケーター1116を更に含む。横断ビュー1122は、図11に示されるように、このインジケーターに対応する。ユーザーは、脈管内の選択されたインジケーター1112、1114、1118、1120の位置に対応したデータを含む横断ビューにアクセスするために、他のインジケーター1112、1114、1118、1120のうちの任意のものを選択することも可能である。
【0054】
[0066] 幾つかの実施形態において、拡張スコア1102が、可視化結果1100において提供される。拡張スコアは、ステント尺度ボックス1106に含まれてもよい。拡張スコア1102は、1つ又は複数の因子を使用して計算される。幾つかの実施形態において、拡張スコアは、ステント1115のストラット1117が管腔壁とどれだけ近く位置合わせされるかに基づいている。特に、管腔壁から大幅にずれた位置にあるストラット1117が多いほど、拡張スコアが低い。ステントストラット1117は、ステントストラット1117が管腔壁と位置合わせされてない赤色強調表示のエリアを含んで、可視化結果に描かれる。ステント1115と管腔との間の位置ずれが、例えば強調表示エリア1126により、横断ビュー1122に示される。拡張スコアは、ステントの他の特徴と管腔壁との位置合わせ状態、ステントの縁部における拡張、測定されたステント面積、直径、及び長さ、位置ずれ又は不完全密着のエリア、管腔に沿ったステントの配置、及び/又は、管腔内における圧力測定結果(例えばFFR、IFR、PDPA)といった他の因子に基づいてもよい。これらの因子は、正確である可能性が高い因子が正確である可能性が低い因子より高く重み付けされるように重み付けされる。幾つかの実施形態において、侵襲性工程に関連した因子(例えばIVUSデータ又は他の脈管内データに関連した因子)は、非侵襲性工程に関連した因子より高く重み付けされる。
【0055】
[0067] 幾つかの実施形態において、拡張スコアは0から100の間の数により表され、ここで、0は全く拡張していないことであり、100は完全に拡張していることである。他の実施形態において、拡張スコアは、0.0の値(拡張していない)から1.0の値(完全に拡張している)までの範囲である。病巣スコアと同様に、拡張スコアは、例えば、赤色が(図11に示される)ステントの位置ずれを表し、黒色がステントの完全な位置合わせ状態を表すような色スキームといった、視覚的な手がかりに相関する。ステントのどのエリアが管腔壁と位置合わせされてないかをユーザーが目視するように、この色スキームがステントの画像にわたって変わる。他の数値付与体系、色スキーム、及び視覚的な手がかりが拡張スコアを表すことも想定される。
【0056】
[0068] 拡張スコア1102は、図11に示されるように、不完全密着1126のエリアに対応した強調表示エリアとともに表示される。不完全密着のエリアは、ステントを含む問題の明確なビューをユーザーに与えるために、横断ビュー1122と長手方向ビュー1110との両方に示される。推奨案1104は、拡張スコア1102に基づいて可視化結果1100に表示される。図11の例において、推奨案は、拡張スコアの84に基づいて、「事後拡張を必要とする。」となる。幾つかの実施形態において、推奨案1104は、90パーセント、85パーセント、80パーセント、又は75パーセント未満の拡張スコアに対する事後拡張を含む。他の推奨案1104、例えば管腔の特定のエリアを再イメージングすること、が提供されてもよい。可視化結果1100は、ステント縁部の配置の特定を含む。図11の例において、遠位縁部は「悪い」と特定され、近位縁部は「ok」と特定される。ステント縁部の特定は、ステント縁部に近接したステント壁の拡張に基づく。例えば、ステント縁部は、拡張が90、85、80、又は75パーセント未満である場合に、「悪い」と特定される。拡張スコア1102を伴う可視化結果1100は、管腔内におけるステントの配置及び拡張をユーザーがより明確に理解することに役立つ。
【0057】
[0069] 図12は、ユーザーに管腔内イメージング工程のためのガイド付きのワークフローを示す方法1200のフロー図である。幾つかの実施形態において、方法のステップ1200は、図1に示される管腔内イメージングシステム100及び関係するコンポーネント、及び図5図11に示される表示内容のうちの任意のものにより実行される。方法1200のステップは、図12に示される順序と異なる順序で実施されてよく、追加的なステップがステップ前、ステップ中、及びステップ後に提供され得、及び/又は、説明されるステップのうちの幾つかが、他の実施形態において置換されるか、又は取り除かれ得ることが理解される。
【0058】
[0070] ステップ1202において、方法1200は、管腔内において管腔内イメージングデバイスをナビゲートすることのプロンプトを提供することを有する。管腔内イメージングデバイスは、図1に示される管腔内イメージングデバイス102であってよい。プロンプトは、管腔内イメージングデバイスを管腔における始点までナビゲートすること、及び、管腔内デバイスにおけるセンサーを有効化することを有してよい。このプロンプトは、ユーザーがどこに管腔内デバイスを配置しなければならないかを示すテキスト及び画像とともに提示される。
【0059】
[0071] ステップ1204において、方法1200は、管腔内デバイスからイメージングデータを受信することを有する。このイメージングデータは、ステップ1202のプロンプトに従ってユーザーが管腔内デバイスを正確にナビゲートすることに役立つ。例えば、ステップ1202のプロンプトが管管腔の遠位端から管腔の近位端まで腔内デバイスをナビゲートするようにユーザーに指示する場合、イメージングデータは、管腔内デバイスが管腔を通して動かされるときの管腔内デバイスからのイメージングデータを示す。幾つかの実施形態において、イメージングデータは、脈管の内部における組織の層を示すIVUSデータを含む。他の実施形態において、イメージングデータは別のモダリティからのデータ、例えば脈管造影画像データを含む。このデータは、管腔の脈管造影画像をコンパイルするために使用される。したがって、イメージングデータは、ユーザーがプロンプトにおいて概説された動作を正確に実施することに役立つ。
【0060】
[0072] ステップ1206において、方法1200は、管腔内における特徴の測定結果を提供することを有する。このステップは、システムを使用して2つ以上のビュー内の特徴を自動的に、又は手動で測定することを有する。幾つかの実施形態において、システムは、イメージングデータにおける変化に基づいて特徴を自動的に識別し、これらの特徴の寸法を自動的に測定する。他の実施形態において、ユーザーがビュー内における特徴を識別し、これらの特徴の寸法を手動で測定する。特徴として、解剖学的特徴、例えば、組織境界、病巣、分岐部など、及び人工の特徴、例えばステント、が挙げられる。幾つかの実施形態において、測定結果として、管腔の長さに沿った管腔の直径及び面積、及び、管腔の長さに沿った管腔のパーセント狭窄が挙げられる。自動測定は、管腔の管腔内画像、及び放射線画像、例えば管腔の脈管造影画像に対して実行される。
【0061】
[0073] ステップ1208において、方法1200は、病巣を含む管腔における関心領域を識別することを有する。関心領域は、ステップ1206の測定結果に基づいて自動的に識別される。例えば、関心領域は、MLAの周囲において識別される。識別された関心領域は、ディスプレイデバイス、例えば図1に示されるモニター108、に表示される。関心領域は、管腔の長手方向画像又は脈管造影画像に相関する。
【0062】
[0074] ステップ1210において、方法1200は、受信されたイメージングデータと手動による、又は自動的な測定結果とに基づいて病巣スコアを特定することを有する。病巣スコアは、プラーク負荷、管腔面積、管腔径、パーセント狭窄、管腔の偏心率、管腔内における石灰化部位、管腔に沿った(例えば分岐部付近の)位置、及び/又は管腔内における圧力測定結果(例えばFFR、IFR、PDPA)といったものが挙げられる因子に基づく。幾つかの実施形態において、病巣スコアは、一緒に圧力検出ガイドワイヤ及びIVUSイメージングデバイスから受信された測定結果に基づいている。病巣スコアは0から100の間の数により表され、ここで、0は最も深刻さが低いことであり、及び100は最も深刻さが高いことである。
【0063】
[0075] ステップ1212において、方法1200は、ディスプレイデバイスに管腔の画像を表示することを有する。幾つかの実施形態において、管腔の2つ以上のビューがディスプレイデバイスの同じスクリーンに示される。例えば、管腔の横断管腔内ビューは、管腔の脈管造影ビューとともに示される。管腔の横断管腔内ビューは、管腔の長手方向管腔内ビューとともに示されてもよい。管腔のどの部分が表示されているかをユーザーが簡単に理解し得るように、管腔のビューは視覚的に相関をもたされる。図5図11に示される管腔のビューのうちの任意のものが、ステップ1212において表示される。
【0064】
[0076] ステップ1214において、方法1200は、ディスプレイデバイスに病巣スコアを表示することを有する。幾つかの実施形態において、病巣スコアは、ステップ1212において説明されているように管腔の1つ又は複数の画像と同じスクリーンに表示される。幾つかの実施形態において、病巣スコアは、管腔の脈管造影画像及び1つ又は複数の管腔の横断管腔内ビューとともに表示される。病巣スコアは、推奨案、例えば病巣スコアに基づく推奨されるイメージング手順又は処置とともに表示される。
【0065】
[0077] 図13は、ユーザーに管腔内イメージング工程のためのガイド付きのワークフローを示す方法1300のフロー図である。幾つかの実施形態において、方法のステップ1300は、図1に示される管腔内イメージングシステム100及び関係するコンポーネント、及び、図5図11に示される表示内容のうちの任意のものにより実行される。方法1300のステップは、図13に示される順序と異なる順序で実施されてよいこと、追加的なステップがステップ前、ステップ中、及びステップ後に提供され得ること、及び/又は、説明されるステップのうちの幾つかが、他の実施形態において置換されるか、又は取り除かれ得ることが理解される。
【0066】
[0078] ステップ1302において、方法1300は、管腔内において管腔内イメージングデバイスをナビゲートすることのプロンプトを提供することを有する。管腔内イメージングデバイスは、図1に示される管腔内イメージングデバイス102であってよい。プロンプトは、管腔における始点まで管腔内イメージングデバイスをナビゲートすること、及び、管腔内デバイスにおけるセンサーを有効化することを有する。このプロンプトは、ユーザーがどこに管腔内デバイスを配置しなければならないかを示すテキスト及び画像とともに提示される。
【0067】
[0079] ステップ1304において、方法1300は、ステントを含む管腔内デバイスからのイメージングデータを受信することを有する。このデータは、管腔及びステントの脈管造影画像をコンパイルするために使用される。したがって、イメージングデータは、ユーザーがプロンプトにおいて概説された動作を正確に実施することに役立つ。
【0068】
[0080] ステップ1306において、方法1300は、ステントの測定結果を提供することを有する。このステップは、システムを使用して2つ以上のビュー内のステントを自動的に、又は手動で測定することを有する。幾つかの実施形態において、システムは、イメージングデータにおける変化に基づいてステントを自動的に識別し、ステントの寸法を自動的に測定する。他の実施形態において、ユーザーは、ビュー内におけるステントを識別し、ステントの寸法を手動で測定する。これらの測定結果として、ステントの長さ、管腔内におけるステントの位置、ステント壁と管腔壁との位置合わせ状態、及び/又は、ステントの長さに沿ったステントの面積及び直径が挙げられる。自動測定は、管腔及びステントの管腔内画像、及び放射線画像、例えば管腔及びステントの脈管造影画像において実行される。
【0069】
[0081] ステップ1308において、方法1300は、受信されたイメージングデータと手動による、又は自動的な測定結果とに基づいて拡張スコアを特定することを有する。拡張スコアは、管腔壁に対するステント壁の位置合わせ状態、ステントの縁部における拡張、測定されたステント面積、直径、及び長さ、位置ずれ又は不完全密着のエリア、管腔に沿ったステントの配置、及び/又は、管腔内における圧力測定結果(例えばFFR、IFR、PDPA)といったものが挙げられる1つ又は複数の因子に基づく。幾つかの実施形態において、拡張スコアは0から100の間の数により表され、ここで、0は全く拡張していない深刻なことであり、100は完全に拡張していることである。
【0070】
[0082] ステップ1310において、方法1300は、ディスプレイデバイスにステントの画像を表示することを有する。幾つかの実施形態において、ステントは管腔内に表示される。管腔及びステントの2つ以上のビューは、ディスプレイデバイスの同じスクリーンに示される。例えば、ステント及び管腔の横断管腔内ビューは、ステント及び管腔の脈管造影ビューとともに示される。ステント及び管腔の横断管腔内ビューは、ステント及び管腔の長手方向管腔内ビューとともに示されてもよい。ステント及び管腔のビューが視覚的に相関をもたされるので、管腔のどの部分が表示されているかをユーザーが簡単に理解し得る。図5図11に示される管腔のビューのうちの任意のものが、ステップ1310において表示されてよい。
【0071】
[0083] ステップ1312において、方法1300は、ディスプレイデバイスに拡張スコアを表示することを有する。幾つかの実施形態において、拡張スコアは、ステップ1310において説明されているようにステント及び管腔の1つ又は複数の画像と同じスクリーンに表示される。幾つかの実施形態において、拡張スコアは、ステント及び管腔の脈管造影画像、及び、ステント及び管腔の1つ又は複数の横断管腔内ビューとともに表示される。拡張スコアは、推奨案、例えば拡張スコアに基づく推奨されるイメージング手順又は処置、とともに表示される。
【0072】
[0084] 当業者は、上述の装置、システム、及び方法が様々な手法により変更され得ることを認識する。したがって、当業者は、本開示により包含される実施形態が上述の特定の例示的な実施形態に限定されないことを理解する。この点について、例示的な実施形態が示されて説明されるが、上述の開示における様々な変更、変形、及び置換が想定される。上述の事項に対するこのような変形例が本開示の範囲から逸脱することなく作られてよいことが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲が、広く本開示に沿った手法で解釈されることが適切である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体管腔内に配置された管腔内イメージングデバイスと通信する制御装置であって、前記制御装置が、
前記体管腔内に配置されたステントに関連したイメージングデータを前記管腔内イメージングデバイスから受信することと、
受信された前記イメージングデータに基づいて前記ステントの測定結果を提供することと、
前記イメージングデータと前記ステントの前記測定結果とに基づいて前記ステントに対する拡張スコアを特定することと、
を行う、制御装置と、
前記制御装置と通信するディスプレイデバイスであって、前記ディスプレイデバイスが、受信された前記イメージングデータに基づいて前記拡張スコアと前記ステントの画像とを1つのスクリーンに表示する、ディスプレイデバイスと、
を備える、管腔内イメージングシステム。
【請求項2】
前記制御装置が、更に、前記体管腔の長手方向画像を前記ディスプレイデバイスの1つの前記スクリーンに表示する、請求項に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項3】
前記長手方向画像が、前記ステントの遠位基準点を示す第1のインジケーターと前記ステントの近位基準点を示す第2のインジケーターとを含む、請求項に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項4】
表示内容が、前記体管腔及び前記ステントの横断3D又は4D画像を更に含む、請求項に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項5】
前記表示内容が、前記ステントと前記体管腔との間の位置ずれを示す強調表示領域を更に含む、請求項に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項6】
前記測定結果が、前記ステントの管腔径である、請求項に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項7】
前記測定結果が、前記ステントの管腔面積である、請求項に記載の管腔内イメージングシステム。
【外国語明細書】