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特開2023-15398患者に貼付される光学コードを用いた患者の画像データと患者の実景との位置合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015398
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】患者に貼付される光学コードを用いた患者の画像データと患者の実景との位置合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230124BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230124BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20230124BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
A61B6/03 360Z
A61B6/00 360Z
A61B5/055 390
G01T1/161 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188317
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2020564105の分割
【原出願日】2019-04-30
(31)【優先権主張番号】15/979,283
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519349469
【氏名又は名称】ノバラッド コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NOVARAD CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ツベトコ、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ギビー、ウェンデル アーレン
(72)【発明者】
【氏名】ギビー、ジェイコブ トロイ
(57)【要約】
【課題】患者に貼付される光学コードを用いた患者の画像データと患者の実景との位置合わせの改良された方法を提供する。
【解決手段】方法は、光学コードを患者に貼り付けること、マーカのパターンを患者に貼り付けること、患者の画像データを捕捉すること、患者に貼付された光学コード及び3D空間における光学コードの位置を検知すること、画像データへのアクセスすること、3D空間におけるのマーカのパターンの位置の算出すること、3D空間におけるマーカのパターンの算出された位置を画像データ内でのマーカのパターンの位置と位置合わせすることにより3D空間における患者の内層の位置を登録すること、並びに患者の実景に投影される画像データに基づく患者の内層を拡張現実(AR)ヘッドセットにリアルタイムで表示すること、を含み得る。光学コードを患者に貼り付けることは、光学コードを患者の皮膚に印刷することを含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
光学センサによって検知可能な光学コードを患者に貼り付けることと、
非光学画像化モダリティによって検知可能なマーカのパターンを前記光学コードの位置に対する固定位置で患者に貼り付けることと、
1つ以上の非光学画像化モダリティを用いて、患者の内層を含む患者の画像データであって、患者の内層の位置に対する固定位置にある前記マーカのパターンをさらに含む画像データを捕捉することと、
拡張現実(AR)ヘッドセットの光学センサを用いて、患者に貼付された前記光学コード及び3D空間における前記光学コードの位置を検知することと、
前記画像データが格納されているネットワークコンピュータにアクセスするARヘッドセットによって、前記画像データにアクセスすることと、
前記3D空間における前記光学コードの検知された位置及び前記光学コードの位置に対する前記マーカのパターンの固定位置に基づいて、前記3D空間における前記マーカのパターンの位置を算出することと、
前記3D空間における前記マーカのパターンの算出された位置及び患者の内層の位置に対する前記マーカのパターンの前記画像データにおける固定位置に基づいて、前記3D空間における前記マーカのパターンの算出された位置を前記画像データ内での前記マーカのパターンの位置と合わせることにより、前記3D空間における患者の内層の位置を前記ARヘッドセットによって登録することと、
前記登録に基づいて、患者の実景に投影される前記画像データに基づく患者の内層をリアルタイムで前記ARヘッドセットに表示することと、を含み、
前記光学コードを患者に貼り付けることは、前記光学コードを患者の皮膚に印刷することを含む、方法。
【請求項2】
方法であって、
光学センサによって検知可能な光学コードを患者に貼り付けることと、
非光学画像化モダリティによって検知可能なマーカのパターンを前記光学コードの位置に対する固定位置で患者に貼り付けることと、
1つ以上の非光学画像化モダリティを用いて、患者の内層を含む患者の画像データであって、患者の内層の位置に対する固定位置にある前記マーカのパターンをさらに含む画像データを捕捉することと、
拡張現実(AR)ヘッドセットの光学センサを用いて、患者に貼付された前記光学コード及び3D空間における前記光学コードの位置を検知することと、
前記画像データが格納されているネットワークコンピュータにアクセスするARヘッドセットによって、前記画像データにアクセスすることと、
前記3D空間における前記光学コードの検知された位置及び前記光学コードの位置に対する前記マーカのパターンの固定位置に基づいて、前記3D空間における前記マーカのパターンの位置を算出することと、
前記3D空間における前記マーカのパターンの算出された位置及び患者の内層の位置に対する前記マーカのパターンの前記画像データにおける固定位置に基づいて、前記3D空間における前記マーカのパターンの算出された位置を前記画像データ内での前記マーカのパターンの位置と合わせることにより、前記3D空間における患者の内層の位置を前記ARヘッドセットによって登録することと、
前記登録に基づいて、患者の実景に投影される前記画像データに基づく患者の内層をリアルタイムで前記ARヘッドセットに表示することと、を含み、
前記光学コードを患者に貼り付けることは、前記光学コードが印刷されたバンデージを患者の外層に貼り付けることを含み、
前記マーカのパターンを前記光学コードの位置に対する固定位置で患者に貼り付けることは、前記マーカのパターンが前記光学コードの位置に対する固定位置で前記バンデージに貼り付けられることを含み、
前記マーカのパターンは、前記光学コードを前記バンデージに印刷するインク内に埋め込まれ、
前記インクは、前記非光学画像化モダリティが検知可能な材料を含む、方法。
【請求項3】
方法であって、
光学センサによって検知可能な光学コードを患者に貼り付けることと、
非光学画像化モダリティによって検知可能なマーカのパターンを前記光学コードの位置に対する固定位置で患者に貼り付けることと、
1つ以上の非光学画像化モダリティを用いて、患者の内層を含む患者の画像データであって、患者の内層の位置に対する固定位置にある前記マーカのパターンをさらに含む画像データを捕捉することと、
拡張現実(AR)ヘッドセットの光学センサを用いて、患者に貼付された前記光学コード及び3D空間における前記光学コードの位置を検知することと、
前記画像データが格納されているネットワークコンピュータにアクセスするARヘッドセットによって、前記画像データにアクセスすることと、
前記3D空間における前記光学コードの検知された位置及び前記光学コードの位置に対する前記マーカのパターンの固定位置に基づいて、前記3D空間における前記マーカのパターンの位置を算出することと、
前記3D空間における前記マーカのパターンの算出された位置及び患者の内層の位置に対する前記マーカのパターンの前記画像データにおける固定位置に基づいて、前記3D空間における前記マーカのパターンの算出された位置を前記画像データ内での前記マーカのパターンの位置と合わせることにより、前記3D空間における患者の内層の位置を前記ARヘッドセットによって登録することと、
前記登録に基づいて、患者の実景に投影される前記画像データに基づく患者の内層をリアルタイムで前記ARヘッドセットに表示することと、を含み、
前記光学コードを患者に貼り付けることは、前記光学コードが印刷された衣服を患者に置くことを含む、方法。
【請求項4】
前記バンデージは、接着バンデージであり、
前記マーカのパターンは、前記接着バンデージ内に埋め込まれる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記光学コードは、線形バーコード、マトリックス2次元(2D)バーコード、クイックレスポンス(QR)コード(登録商標)、又はそれらの組み合わせである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記マーカのパターンは、X線を透過しない放射線不透過性材料、磁気的可視材料、又は放射性材料である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に貼付される光学コードを用いた患者の画像データと患者の実景との位置合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実(AR)システムは、一般にユーザの実世界環境のライブビューを取り込み、映像、音声、画像、又は図形のようなコンピュータで生成した仮想要素によってそのビューを拡張する。その結果、ARシステムは、ユーザの現状における現実の知覚を増強するように機能する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ARシステムが直面する1つの共通の問題は、仮想要素の位置を実世界環境のライブビューと正確に位置合わせすること(aligning)である。ARシステムが直面する別の共通の問題は、実世界環境のライブビューに対応する正しい仮想要素を矛盾なく取得することである。これらの取得及び位置合わせのプロセスは手動で行われることが多く、時間がかかり、繁雑であり、かつ不正確である可能性がある。
【0004】
本願において権利請求される主題は、上述したもののような何らかの不都合を解決するか、又は上述したもののような環境においてのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景は本願に記載するいくつかの実施形態が実施され得る技術領域の一例を示すために提供されているに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、患者に貼付される光学コードを用いて患者の画像データを患者の実景(actual views)と位置合わせする方法は、様々な動作を含み得る。例えば、本方法は、光学センサによって検知可能な光学コードを患者に貼り付けることを含み得る。本方法はまた、非光学画像化モダリティによって検知可能なマーカのパターンを光学コードの位置に対する固定位置で患者に貼り付けることを含み得る。本方法はまた、非光学画像化モダリティを用いて、患者の内層を含む患者の画像データであって、患者の内層の位置に対する固定位置にあるマーカのパターンをさらに含む画像データを捕捉することを含み得る。本方法はまた、拡張現実(AR)ヘッドセットの光学センサを用いて、患者に貼付された光学コード及び3D空間における光学コードの位置を検知することを含み得る。本方法はさらに、光学コードに基づいて、画像データにアクセスすることを含み得る。本方法はまた、3D空間における光学コードの検知された位置及び光学コードの位置に対するマーカのパターンの固定位置に基づいて、3D空間におけるマーカのパターンの位置を算出することを含み得る。本方法はさらに、3D空間におけるマーカのパターンの算出された位置及び患者の内層の位置に対するマーカのパターンの画像データ内での固定位置に基づいて、3D空間におけるマーカのパターンの算出された位置を画像データ内のマーカのパターンの位置と位置合わせすることにより、3D空間における患者の内層の位置を登録することを含み得る。本方法はまた、登録に基づいて、患者の実景に投影される画像データに基づく患者の内層をリアルタイムでARヘッドセットに表示することを含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態において、患者に光学コードを貼り付けることは、光学コードが印刷されたバンデージ(bandage)を患者の外層に貼り付けることを含み得る。これらの実施形態において、マーカのパターンを光学コードの位置に対する固定位置で患者に貼り付けることは、マーカのパターンが光学コードの位置に対する固定位置でバンデージに貼り付けられることを含み得る。また、これらの実施形態では、マーカのパターンが光学コードをバンデージに印刷するインク内に埋め込まれ、該インクが非光学画像化モダリティによって検知可能な材料を含む場合等において、マーカのパターンはバンデージ内に埋め込まれ得る。これらの実施形態において、非光学画像化モダリティによって検知可能な材料は、X線を透過しない放射線不透過性材料、磁気的可視材料、又は放射性材料であり得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、非光学画像化モダリティは、磁気共鳴画像(MRI)モダリティ、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンモダリティ、X線モダリティ、陽電子放射断層撮影(PET)モダリティ、超音波モダリティ、蛍光モダリティ、赤外線サーモグラフィ(IRT)モダリティ、又は単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャンモダリティを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、画像データは、2次元(2D)画像データ、3次元(3D)画像データ、4次元(4D)画像データ、又はそれらの組み合わせを含み得る。
いくつかの実施形態において、光学コードは、線形バーコード、マトリックス2次元(2D)バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、光学コードは、該光学コードによって患者の医療データにアクセスできるように該患者の医療データにリンクされ得る。いくつかの実施形態において、光学コードは、該光学コードによって追加のセキュリティ認証情報なしに患者の医療データにアクセスできるように、該患者の医療データにリンクされるセキュリティ認証情報であり得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、患者に光学コードを貼り付けることは、患者の皮膚に光学コードを印刷することを含み得る。
いくつかの実施形態において、患者に光学コードを貼り付けることは、光学コードが印刷された衣服を患者に置くことを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、患者に貼付される光学コードを用いて患者の画像を患者の実景と位置合わせする装置は、バンデージと、バンデージに印刷された光学コードと、バンデージに貼り付けられたマーカのパターンを含み得る。光学コードは、光学センサによって検知可能であり得る。マーカのパターンは、バンデージ上の光学コードの位置に対するバンデージ内での固定位置を有し得る。マーカのパターンは、非光学画像化モダリティによって検知可能であり得、これにより患者の画像データが非光学画像化モダリティを用いて捕捉される際、画像データは患者の内層を含み、画像データはさらに患者の内層の位置に対して固定位置にあるマーカのパターンを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、マーカのパターンは、光学コードをバンデージに印刷するインク内に埋め込まれ得る。これらの実施形態において、インクは、非光学画像化モダリティが検知可能な材料を含み得る。これらの実施形態において、非光学画像化モダリティによって検知可能な材料は、X線を透過しない放射線不透過性材料、磁気的可視材料、又は放射性材料であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、バンデージは、滅菌可能な材料により形成され得る。
前述の概要及び以下の詳細な説明の双方は説明のためのものであり、権利請求される本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0014】
添付図面の使用により、実施形態について付加的な特異性及び詳細とともに記載し、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】患者に貼付された光学コードを用いて患者の画像データが患者の実景と位置合わせされ得る例示的な拡張現実(AR)環境を示す図。
図2】患者に貼付された図1の光学コードを示す図。
図3】患者に貼付される光学コードを用いた患者の画像データと患者の実景との位置合わせに採用され得る例示的なコンピュータシステムを示す図。
図4】患者に貼付される光学コードを用いた患者の画像データと患者の実景と位置合わせの例示的な方法のフローチャート。
図5A】患者に貼付された光学コード及びマーカのパターンの写真。
図5B】患者に貼付された光学コード及びマーカのパターンの写真。
図5C】画像データ中に可視化された図5A及び図5Bのマーカのパターンを含む患者の画像データの写真。
図5D】画像データ中に可視化された図5A及び図5Bのマーカのパターンを含む患者の画像データの写真。
図5E】拡張現実(AR)ヘッドセットを介して図5C及び図5Dの画像データを図5A及び図5Bの患者の実景にリアルタイムで投影したビューの写真。
【発明を実施するための形態】
【0016】
医用イメージングは患者の内部の視覚表示を作成するために採用され得る。より具体的には、医用イメージングは、訓練、研究、診断及び治療のような様々な目的で、患者の皮膚や衣服のような患者の外層によって隠された内部構造を明らかにするために用いられ得る。
【0017】
従来の医用シメージングシステムは、患者の画像データを作成し、次にその画像データをコンピュータディスプレイ上に表示し得る。実際の患者とは切り離されたコンピュータディスプレイ上において患者の画像を観察することは、訓練、研究、診断及び治療に有用なこともあるが、そのような切り離された観察により、いくつかの問題が生じる場合もある。
【0018】
例えば、外科医が患者の脳から腫瘍を除去する必要がある場合、外科医は、コンピュータディスプレイ上の患者の脳の画像を観察し得る。コンピュータディスプレイ上において腫瘍の位置を観察した後、次に、外科医はその視界をコンピュータディスプレイから手術台上の実際の患者へ移し、実際の患者における患者の脳内部の腫瘍のおおよその位置を特定しようと試み得る。腫瘍のおおよその位置を特定するこの方法は、困難であり、過誤を生じ易い可能性がある。例えば、外科医は、実際には腫瘍が脳の右側に存在する場合に、偶発的に画像中の脳の左側が腫瘍を有していると特定してしまうことがある。この過誤は、脳外科手術の開始時に外科医が誤って患者の頭蓋の左側に不必要な切開を行うことにつながったり、脳外科手術中に外科医が誤って器具を腫瘍から遠ざけることにつながったりする可能性がある。
【0019】
別の例では、医師が患者に対して膝の手術を実施する必要がある場合に、医師はコンピュータディスプレイ上の患者の膝の画像を観察し得る。コンピュータディスプレイ上の膝の問題領域を観察した後、次に医師はその視界をコンピュータディスプレイから手術台上の実際の患者へ移して、手術のために実際の患者の膝の問題領域を特定しようと試み得る。膝の問題領域を特定するこの方法は、困難であり、過誤を生じ易い可能性がある。例えば、医師が、手術台上の患者がコンピュータディスプレイ上の画像と一致しないことに気付かずに、偶発的に誤った患者の画像をコンピュータディスプレイ上に引き出してしまうことがある。この過誤は、膝の問題領域は患者によって自然と異なることから、膝の手術の開始時に外科医が誤って不適切な位置において切開を行うことにつながったり、膝の手術中に外科医が不適切な膝の内部領域に器具を案内することにつながったりする可能性がある。
【0020】
上記で検討した脳外科手術及び膝の手術の例において挙がった問題を回避するために、医療専門家は、患者の画像データ(例えば、以前に捕捉され、次に拡張現実(AR)ヘッドセットのレンズのようなディスプレイ上に投影された1つ以上の画像)を用いて患者の実景(例えば、ARヘッドセットのレンズを通したユーザの肉眼で、又はユーザの眼で観察することができる患者のリアルタイムビュー)を拡張するために、ARヘッドセットを採用し得る。特に、患者の画像データは、患者の実景と位置合わせされ得るか、又は登録され得、次に画像データから導出された画像は、ARヘッドセット内の患者の実景上に投影され得る。しかし残念ながら、患者の画像データと患者の実景との正確な位置合わせ又は登録は、位置合わせプロセスがたびたび、時間がかかり、煩雑であり、かつ不正確である可能性がある手動で行われ、かつ特定の患者に対して不適切な画像データが取得される可能性が存在するため、達成するのが難しい場合がある。
【0021】
上記で検討した手動位置合わせの問題に対する1つの解決策は、米国特許第9,892,564号に開示されている自動位置合わせであり、同公報は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ただし、この自動位置合わせは、いくつかの適用については、ARヘッドセットのマッピングセンサの解像度によって、及び/又は患者の皮膚又は他の外層の比較的小さな領域のみが露出している場合に制限され得る。
【0022】
本願に開示する実施形態は、従来のARシステムに対して様々な利点を提供し得る。特に、本願に開示する実施形態は、例えば患者に貼付された光学コードを用いて、患者の画像データを患者の実景と位置合わせし得る。例えば医療専門家は、QRコード(登録商標)のような光学コード、及びマーカのパターンを患者に貼り付け得る。次に、医療専門家は、非光学画像化モダリティを用いて、患者の画像データを捕捉し得る。画像データは、患者の1つ以上の内層、及び患者の1つ以上の内層の位置に対して固定位置にあるマーカのパターンを含み得る。次に、医療専門家は、ARヘッドセットを用いて、患者に貼付された光学コード及び3D空間における光学コードの位置を検知し得る。次に、ARヘッドセットは、光学コードに基づいて画像データに自動的にアクセスし、3D空間における光学コードの検知された位置及び光学コードの位置に対するマーカのパターンの固定位置に基づいて、3D空間におけるマーカのパターンの位置を自動的に算出し得る。次に、ARヘッドセットは、3D空間におけるマーカのパターンの算出された位置及び患者の内層の位置に対するマーカのパターンの画像データ内での固定位置に基づいて、3D空間におけるマーカのパターンの算出された位置を画像データ内でのマーカのパターンの位置と位置合わせすることによって、3D空間における患者の内層の位置を自動的に登録し得る。最後に、ARヘッドセットは、患者の実景に投影される画像データに基づく患者の1つ以上の内層をリアルタイムで表示し得る。
【0023】
したがって、本願に開示する実施形態は、時間がかかり、煩雑であり、かつ不正確な手動による患者の実景に対する画像の位置合わせをすることなしに、医療専門家がARヘッドセットを通して実際の患者を見ながら、患者の仮想内部を観察することを可能にし得る。さらに、手術中における取得のように画像データを自動的に取得するために、画像データの捕捉中に使用されたものと同一の光学コードを採用することは、時間がかかり、煩雑であり、かつ不正確な手動による画像データの取得をすることなく、ARヘッドセットによって取得された画像データがARヘッドセットを通して観察される実際の患者と一致することを保証し得る。訓練、研究、診断又は治療において用いられる場合、これらの実施形態は、医療専門家が患者内の目標位置をより容易かつ正確に見つけることを可能にし得る。さらに、本願に開示する実施形態は、例えば図2における患者106の露出された皮膚の比較的小さな領域のような、患者の露出された皮膚又は他の外層の比較的小さな領域との自動位置合わせを可能にし得る。
【0024】
例えば、上記で検討した脳外科手術の例において用いられる場合には、本願に開示する実施形態は、患者の画像データを患者の実景と正確に位置合わせし、次に外科医が腫瘍の位置について脳の右側と左側との間で混乱するのを回避し、それにより脳外科手術の開始時に外科医が頭蓋の不適切な側において不要な切開を行うことを回避し得る。さらに、本願に開示する実施形態は、腫瘍を除去するための手術中に、外科医が器具を腫瘍に向かって正確に内部に案内することを可能にし得る。同様に上記で検討した膝手術の例において採用される場合には、本願に開示する実施形態は、膝手術の開始時に患者に貼付された光学コードと同じ状態で、患者に貼付されたままとなっている光学コードが、以前に捕捉された患者の画像データを自動的に取得するARヘッドセットによって用いられ得るため、医師が不適切な患者の画像データを使用することを回避し得る。さらに、本願に開示する実施形態は、膝の手術中に、外科医が器具を膝の所望の内部領域に向かって正確に案内することを可能にし得る。
【0025】
図面に移ると、図1は、患者106に貼付された光学コード200を用いて患者106の画像データが患者106の実景と位置合わせされ得る例示的な拡張現実(AR)環境を示している。いくつかの実施形態において、環境100は、3D空間102、ユーザ104、患者106、ネットワーク110上のサーバ112と通信し得るARヘッドセット108、及び光学コード200を含んでもよい。いくつかの実施形態において、環境100はまた、仮想ユーザインタフェース114、仮想ボックス116、対象物118、及び仮想カーソル122も含んでもよく、これらはすべて、ARヘッドセット108によって生成される仮想要素であり、ARヘッドセット108を介してユーザ104のみに見えることを示すために破線で示されている。
【0026】
いくつかの実施形態において、3D空間102は、(図1に示すような)手術台103を備えた手術室、オフィス、教室又は研究室を含むが、これらに限定されない、いかなる3D空間であってもよい。いくつかの実施形態において、3D空間102は、ユーザ104がARヘッドセット108を着用しながら、患者106を観察し得る空間であってもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、ユーザ104は、(図1に示すような)医療専門家、インストラクタ、研究者、患者、又は患者の介護者を含むが、これらに限定されないARヘッドセット108のいかなるユーザであってもよい。例えば、医療専門家は、患者106の手術のように患者106に医療処置を実施するためにARヘッドセット108を使用してもよい。同様に、研究者又はインストラクタが、医学研究を行っているとき、又は医学生を指導しているときに、ARヘッドセット108を使用してもよい。さらに、医療専門家が患者106のための提案された医療処置について説明しようと試みているときに、患者106の介護者又は患者106自身がARヘッドセット108を使用してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、患者106は、意識があるか又は無意識である、生きているか又は死んでいる、完全体であるか又は1つ以上の体の部分が欠損している、任意の動物であってもよい。例えば、患者106は、ユーザ104によって医療処置を受けるために無意識にされた(図1に示すような)生きている成人であってもよい。別の例では、患者106は、研究又は訓練の目的のための解剖を受ける成人の遺体であってもよい。別の例では、患者106は、医学的状態を診断するために獣医によって診断されている意識のある動物であってもよい。別の例では、患者106は死亡したヒトの一肢又は単一器官であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、ARヘッドセット108は、画像データにより患者106の実景を拡張することができるARヘッドセットの形態にある任意のコンピュータシステムであり得る。例えば、ARヘッドセット108は、(図1に示すような)骨106b、筋肉、器官、又は流体を含むが、これらに限定されない患者106の1つ以上の内層により、患者106の実景を拡張するために、ユーザ104によって採用され得る。いくつかの実施形態において、ARヘッドセット108は、3D空間102内におけるユーザ104の現在位置にかかわらず、患者106の実景の当該拡張を実行し得る。例えば、ユーザ104は手術台103のまわりを歩き回って、3D空間102内の任意の角度から患者106を観察することがあり、その間ずっと、ARヘッドセット108は、患者106及び患者106の画像データの双方がユーザ104によって3D空間102内の任意の角度から観察され得るように、患者106の実景を患者106の1つ以上の内層によって連続的に拡張し得る。ARヘッドセット108は、図4に関連して本願に開示される方法400に従って、画像データによる患者106の実景の拡張を実行し得る。いくつかの実施形態において、ARヘッドセット108はマイクロソフト ホロレンズ(Microsoft HoloLens(商標))の修正版であってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、ネットワーク110は、ARヘッドセット108と、サーバ112又は他のコンピュータシステムとを通信可能に接続するように構成され得る。いくつかの実施形態において、ネットワーク110は、システムと装置との間の通信を送受信するように構成された任意の有線もしくは無線ネットワーク、又は複数のネットワークの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク110は、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)ネットワークのようなパーソナルエリアネットワーク(PAN)、WiFiネットワークのようなローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又はストレージエリアネットワーク(SAN)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク110はまた、セルラーネットワークのような、様々な異なる通信プロトコルでデータを送信するための電気通信ネットワークの一部に接続されてもよいし、又はそのような電気通信ネットワークの一部を含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、サーバ112は、ARヘッドセット108と接続して機能することができる任意のコンピュータシステムであってもよい。いくつかの実施形態において、サーバ112は、画像データをARヘッドセット108に伝送するか、又はARヘッドセット108からデータを受信するために、ARヘッドセット108とリアルタイムで通信するように構成され得る。加えて、サーバ112は、ARヘッドセット108によって所望されるデータ記憶又は処理のうちの一部又はすべてをオフロードするために用いられてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、仮想ユーザインタフェース114は、患者106の画像データに基づいて投影される患者106の内層の表示を変更するための選択肢を含む、ARヘッドセット108によって生成された任意の仮想ユーザインタフェースであり得る。仮想ユーザインタフェース114は、ユーザ104にとって有用であり得る他の情報をさらに含んでもよい。例えば、仮想ユーザインタフェース114は、心拍数、血圧及び呼吸数のような患者106のリアルタイムのバイタルサインを含んでもよい。別の例では、仮想ユーザインタフェース114は、患者106が無意識となっている時間を示すストップウォッチを含んでもよい。別の例では、仮想ユーザインタフェース114は、患者106のカルテ又は医療データを含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、仮想ボックス116は、画像データに基づいて投影される患者106の内層を所定体積の仮想ボックス116内に限定するために、ARヘッドセット108によって生成され得る。例えば、図1において、患者106の投影された骨106bは、仮想ボックス116内に限定され得る。いくつかの実施形態において、仮想ボックス116はまた、ユーザ104に基準枠を提供することにより、投影された画像データを操作する場合にユーザを支援し得る。例えば、この基準枠は、仮想ボックス116内において画像データの軸方向スライス、冠状スライス、矢状スライス又は斜めスライスを移動させる場合にユーザを支援し得る。スライスは二次元(2D)スライスであってもよいし、及び/又は3Dスライスであってもよい。3Dスライスは、解剖学的特徴の自然な曲線に従った湾曲スライスのような湾曲スライス、又は高さ及び幅だけでなく深さも有するスライスを含んでもよい。ユーザ104は、ユーザ104が概ね仮想ボックス116の線の方向にユーザの手を動かすことを求める手振りを用いて、これらのスライスを移動させてもよく、これにより仮想ボックス116の表示は、これらの手の動作をユーザ104にとってより容易なものにし得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、対象物118は、ユーザ104が患者106の外層を介して患者106に挿入したいと思う任意の物であり得る。例えば、対象物118としては、(図1に示すような)メス、スコープ、ドリル、プローブ、別の医療器具、又はユーザ104の手が挙げられる。患者106の外層のリアルタイム位置の登録と同様に、対象物118の外層の位置も登録され得る。しかしながら、環境100内において比較的静止したままであり得る患者106とは異なり、対象物118は環境100内において頻繁に動かされる可能性があり、そのため対象物118のリアルタイム位置は、患者106の外層の登録された位置に対して3D空間102内において自動的に追跡され得る。次に、ユーザ104が対象物118のいくつかの部分を患者106の外層内に挿入する場合、ARヘッドセット108は、画像データに基づいて投影される患者106の内層内に投影される対象物118の仮想挿入部分を表示し得る。このように、対象物118の仮想挿入部分は、対象物118の実際の挿入部分がユーザ104の実景から隠れている場合であっても、ユーザ104の実景に投影され得る。対象物118の登録は、本願に開示される画像データの登録と同様の方法で実行され得、光学コードが対象物118に貼り付けられ、次に光学コードがARヘッドセット108によって検知されて、3D空間102における対象物118の位置を連続的に更新する。
【0035】
いくつかの実施形態において、仮想カーソル122は、仮想ユーザインタフェース114上、別の仮想コントロール上、又は3D空間102内の他の位置において、ARヘッドセット108によって生成される仮想カーソルであり得る。いくつかの実施形態において、仮想カーソル122の位置は、ユーザ104の頭部の向きに対応し得るARヘッドセット108の焦点の向き120に対応してもよい。仮想カーソル122は、仮想ユーザインタフェース114の1つ以上の選択肢を選択するために、時にユーザの眼の瞬きのようなユーザ104による1つ以上の他の動作、又はARヘッドセット108の視野内で2本の指を打ち合わせるなどのユーザ104の1つ以上の手振りと関連付けられて、ユーザ104によって用いられ得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、光学コード200は、患者106の画像データの生成前に患者106に貼り付けられ、それから患者106がARヘッドセット108を通してユーザ104によって見られている間、患者106に貼付されたままであり得る。他の実施形態において、光学コード200は、患者106の画像データの生成後に患者106に貼り付けられ、それから患者106がARヘッドセット108を通してユーザ104によって見られている間、患者106に貼付されたままであり得る。いずれの場合も、次に光学コード200は、患者106の画像データを患者106の実景と自動的に位置合わせするために、ARヘッドセット108によって用いられ得る。さらに、画像データを自動的に取得するために画像データの捕捉中に使用されたものと同一の光学コード200を採用するとき、このようにすることは、ARヘッドセット108によって取得された画像データがARヘッドセット108を通して観察される実際の患者106と一致することを保証し得る。光学コード200の追加の態様は、図2に関連して以下で説明される。
【0037】
環境100に対して、本開示の範囲から逸脱することなく、変更、追加又は省略がなされてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ARヘッドセット108をそれぞれ着用した複数のユーザが、患者106の画像データにより拡張された患者106を同時に観察するために、3D空間102内に同時に存在してもよい。別の例では、ARヘッドセット108を着用したユーザ104が患者の画像データによって拡張された複数の患者を同時に観察することを可能にするために、複数の患者が3D空間102内に同時に存在してもよい。別の例では、ARヘッドセット108をそれぞれ着用した複数のユーザ及び複数の患者が3D空間内に同時に存在してもよい。別の例では、ARヘッドセット108からのビューの映像がARヘッドセット108によって捕捉され、次いでネットワーク110上のサーバ112、又は別のユーザによる観察のための遠隔ARヘッドセットもしくは仮想現実(VR)ヘッドセットなどの遠隔地へ送信され得る。この例は、遠隔ユーザが患者106に対する医療処置の間にローカルのユーザ104を誘導することを可能にする。さらに環境100は、概してユーザ104が患者106を観察している状況にあると開示されているが、環境100は、ユーザが樹木、岩、油田、又は惑星のような任意の対象物の1つ以上の内層を観察したいと思う任意の環境としてより広く定義され得ることが理解される。
【0038】
図2は、患者106に貼付された図1の光学コード200を示している。図1及び図2の双方を参照すると、光学コード200は、ARヘッドセット108に組み込まれた光学センサのような光学センサによって検知可能であり得る。いくつかの実施形態において、光学コード200は、線形バーコード、マトリックス2次元(2D)バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、又はそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、光学コード200は、該光学コード200によって患者106の医療データにアクセスし得るように該患者106の医療データにリンクされてもよい。いくつかの実施形態において、光学コードは、該光学コード200によって追加のセキュリティ認証情報なしに患者106の医療データにアクセスできるように、該患者106の医療データにリンクされるセキュリティ認証情報であってもよい。これらの実施形態において、セキュリティ認証情報として光学コード200自体を使用することにより、ARヘッドセット108のユーザは、患者106の医療データにアクセスする前に手動又は他の方法で他のセキュリティ認証情報を入力することがユーザ104に要求されることなく、(患者106の手術中のような)医療環境で患者106の医療画像及び他の機密医療データにアクセスすることができる。換言すると、ARヘッドセット108による光学コード200の自動検知は、光学コード200に直接アクセスする任意のユーザは追加の認証なしに患者106の医療データに直接アクセスすることが許可されるという前提のもと、ARヘッドセットのユーザ104の側で追加の操作をすることなしに、患者106の医療画像データ及び他の医療データへの即時かつ自動のアクセスを提供し得る。
【0039】
光学コード200はさらに、非光学画像化モダリティによって検知可能なマーカ206に結合され得る。非光学画像化モダリティの例としては、磁気共鳴画像(MRI)モダリティ、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンモダリティ、X線モダリティ、陽電子放射断層撮影(PET)モダリティ、超音波モダリティ、蛍光モダリティ、赤外線サーモグラフィ(IRT)モダリティ、又は単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャンモダリティが挙げられ得るが、これらに限定されない。非光学画像化モダリティによって検知可能な材料によってマーカ206を形成することにより、非光学画像化モダリティを用いて捕捉された患者106の任意の画像データにマーカ206を出現させることを可能にし得る。マーカ206の例としては、金属球、液体球、金属糸、及び金属インクの一部が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
マーカ206は、光学コード200の位置に対して固定位置を有するパターンで配置され得る。例えば、図2に開示された実施形態において、光学コード200は、(接着バンテージ(adhesive bandage)のような)バンデージ202に印刷され得、マーカ206は、(例えば、バンデージのいかなる表面にも見えないようにバンデージ202に埋め込まれることによって)バンデージ202に貼り付けられ得る。この実施形態において、マーカ206は、バンデージ202内に固定パターンで配置されることにより、光学コード200の位置に対して固定位置を有するパターンで配置され得る。追加的又は代替的に、マーカ206は、例えば光学コード200の少なくとも一部をバンデージ202に印刷するインクに埋め込まれる場合等、光学コード200自体に埋め込まれ得る。インクは、放射線不透過性でX線を透過しないインク、MRI画像で見えるように磁気的に見えるインク、又はPET画像で見えるように放射性のインク等、非光学画像化モダリティで検知できる材料を含んでもよい。これらの実施形態では、光学コード200自体が光学コード及びマーカのパターンの両方の役割を果たし得る。追加的又は代替的に、(衣服107のような)衣類に光学コード200を印刷し、衣類にマーカ206を貼り付けることによってか、又は光学コード200を患者106の皮膚106aに直接(少なくとも一時的に)印刷し、マーカ206を患者106の皮膚106aに直接又はその下に(少なくとも一時的に)貼り付けることによって、光学コード200が印刷されたバンデージにマーカ206を貼り付けることを含まない方法で、マーカ206を配置してもよい。これらの実施形態のいずれかにおいて、光学コード200の位置に対して固定位置を有するパターンでマーカ206を配置することによって、マーカ206自体が見えないか又はARヘッドセット108の他のセンサに検知できない場合であっても、この固定位置は後に光学コード200の目に見える位置に対してマーカ206のパターンの位置を算出するために用いられ得る。
【0041】
さらに、いくつかの実施形態においては、1つ以上の追加の内部マーカが患者106の内部に挿入され得る。例えば、内部生検部位の追跡を可能にするために、1つ以上の追加の内部マーカが生検された部位で患者106の乳房に挿入されてもよい。次に、これらの1つ以上の追加の内部マーカは、内部生検部位を特定するのを補助するために、マーカ206のパターンで特定されて三角測量されて(triangulated)もよい。これは、追跡される内部部位が、患者106の身体の一部であって、(患者106の位置に応じて移動する傾向がある)乳房のように、患者の身体の残りの部分に対して固定されていない部分である場合に、特に有用であり得る。
【0042】
光学コード200及びマーカ206が固定パターンで患者106に貼付されると、医療専門家又は自動化システムは、患者106の及びマーカ206の画像データを捕捉するために(マーカ206を検知可能な)非光学画像化モダリティを使用し得る。特に、画像データは、患者の1つ以上の(骨106b、筋肉、器官又は液体のような)内層、及び患者106の1つ以上の内層の位置に対して固定位置にあるマーカ206のパターンを含み得る。換言すれば、患者106の1つ以上の内層が患者106の画像データに出現するだけでなく、マーカ206も患者106の画像データに固定パターンで出現し、マーカ206の固定パターンの位置は、患者106の1つ以上の内層の位置に対する固定位置で画像データ内に出現する。非光学画像化モダリティがCTスキャンモダリティである一例では、CTスキャン画像は、患者106の骨106b、器官、及び軟組織、並びに患者106の骨106b、器官、及び軟組織の位置に対して固定位置に配置されたマーカ206を表示し得る。
【0043】
患者106の画像データが捕捉されると、光学コードが患者に貼付されたままの状態である期間が経過し得る。この期間中、患者106は、例えば病院の医用イメージング室から病院の手術室に移動され得る。いくつかの実施形態において、最初に(X線室のような)非滅菌環境で、その後すでに患者106に貼付されている状態のバンデージ202が滅菌されなければならない(手術室のような)滅菌環境で、患者106に貼付されたバンデージ202を残すことを容易にするために、バンデージ202は、滅菌可能な材料により形成され得る。この期間の経過後、ユーザ104(医療専門家など)は、ARヘッドセット108を用いて、3D空間102における光学コード200の位置を決定し得る。例えば、ARヘッドセット108は、ARヘッドセット108が患者106に貼付された光学コード200、及び3D空間102における光学コード200の位置を検知するために採用し得るカメラなどの光学センサを含んでもよい。次に、ARヘッドセット108は、光学コードに基づいて患者106の画像データにアクセスし得る。例えば、上記で検討したように、ARヘッドセット108は、3D空間102における光学コード200の存在を検知するとすぐに、ARヘッドセット108は、ARヘッドセット108のユーザ104からの追加の認証情報を要求せずに、患者106の画像データを自動的に取得し得る。
【0044】
3D空間102における光学コード200の存在を検知した後、ARヘッドセット108は、3D空間102におけるマーカ206のパターンの位置を自動的に算出し得る。この自動算出は、3D空間102における光学コード200の検知された位置に基づいてもよく、さらに光学コード200の位置に対するマーカ206のパターンの既知の固定位置に基づいてもよい。換言すると、マーカ206がARヘッドセット108によって検知できない場合(例えば、マーカ206がバンデージ202内に埋め込まれていることを原因として)であっても、ARヘッドセット108は、ARヘッドセット108によって検知される光学コード200の位置、及びARヘッドセット108にとって既知の光学コード200の位置に対するマーカ206のパターンの固定位置に基づいて、マーカ206のパターンの位置を自動的に算出することができる。この例では、ARヘッドセット108による画像データの捕捉と光学コード200の検知との間において光学コード200が患者106における同一の位置に貼付されたままである限り、及びマーカ206のパターンの位置が光学コード200の位置に対して固定されたままである限り、ARヘッドセット108が3D空間102におけるマーカ206の位置を直接検知することはできない場合であっても、これらの固定位置は、ARヘッドセット108が3D空間102におけるマーカ206のパターンの位置を自動的に算出することを可能にし得る。
【0045】
3D空間102におけるマーカ206のパターンの位置を算出した後、次にARヘッドセット108は、3D空間102におけるマーカ206のパターンの算出された位置、及び患者106の1つ以上の内層の位置に対する画像データ内でのマーカ206のパターンの固定位置に基づいて、3D空間102におけるマーカ206のパターンの算出された位置を画像データ内のマーカ206のパターンの位置と位置合わせすることにより、3D空間102における患者106の1つ以上の内層の位置を登録し得る。そして、この位置合わせ及び登録は、ARヘッドセット108が患者106の実景に投影される画像データに基づく患者106の1つ以上の内層をリアルタイムで表示することを可能にし得る。
【0046】
したがって、光学コード200、及び結合されたマーカ206のパターンは、患者106の画像データを患者106の実景と自動的に位置合わせするために、ARヘッドセット108によって用いられ得る。さらに、画像データを自動的に取得するために画像データの捕捉中に使用されたものと同一の光学コード200を採用することは、ARヘッドセット108によって取得された画像データがARヘッドセット108を通して観察される実際の患者106と一致することを保証し得る。
【0047】
患者106に貼付された光学コード200に対して、本開示の範囲から逸脱することなく、変更、追加又は省略がなされてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、患者106の画像データを3D空間102における患者106の実景と正確に位置合わせすることをさらに保証するために、複数の光学コード200が患者106に貼付されてもよい。これらの実施形態において、3つ以上の光学コード200は、複数の光学コード200に基づく三角測量を可能にし得る。これらの実施形態において、複数の光学コード200を、例えば数インチ離して配置することにより、三角測量の精度が向上され得る。また、いくつかの実施形態において、図2に開示される5つのマーカ206のパターンは、3つのマーカのパターンや7つのマーカのパターンなどの別のパターンに置き換え得る。さらに、いくつかの実施形態において、マーカ206は患者106の外層に貼り付けられ、かつ患者106の外層は平面ではない可能性があるため、マーカ206のすべてが単一の平面内にあるとは限らず、代わりに患者106の外層の任意の湾曲に沿って湾曲し得る。これらの実施形態において、光学コード200の位置に対するマーカ206のパターンの固定位置は、光学コード200及びマーカ206が貼付されている患者106の外層の任意の湾曲に応じて変化し得るため、光学コード200及びマーカ206を患者106に貼り付けた後に光学コード200の位置に対するマーカ206のパターンの固定位置を確立することができる。
【0048】
図5A及び図5Bは患者に貼付された光学コード及びマーカのパターンの写真であり、図5C及び図5Dは画像データ中に可視化された図5A及び図5Bのマーカのパターンを含む患者の画像データの写真であり、図5Eは拡張現実(AR)ヘッドセットを介して図5C及び図5Dの画像データを図5A及び図5Bの患者の実景にリアルタイムで投影したビューの写真である。図5A及び図5Bに開示されるように、バンデージは、バンデージに印刷された光学コード(例えば、QRコード)、及びバンデージに貼付されたマーカのパターン(例えば、4つの金属球)とともに、患者に貼付され得る。光学コードは、光学センサによって検知可能であり得る。マーカのパターンは、バンデージ上の光学コードの位置に対するバンデージ内の固定位置を有し得る。マーカのパターンは、非光学画像化モダリティ(例えば、CTモダリティ)によって検知可能であり得る。次に、図5C及び図5Dに示すように、患者の画像データ(例えば、CT画像)が非光学画像化モダリティ(例えば、CTモダリティ)を用いて捕捉される際、画像データは患者の内層(例えば、患者の骨)を含み得、画像データはさらに患者の内層の位置に対して固定位置にあるマーカのパターン(例えば、4つの金属球)を含み得る。その後、ユーザはARヘッドセットを着用し得(例えば、外科医は患者の手術中に図1のARヘッドセット108を着用し得る。)、ARヘッドセットの光学センサは、患者に貼付された光学コード、及び3D空間(例えば、手術室)における光学コードの位置を検知し得る。それから、ARヘッドセットは、光学コードに基づいて、図5C及び図5Dの画像データにアクセスし得る。次に、ARヘッドセットは、3D空間における光学コードの検知された位置及び光学コードの位置に対するマーカのパターン(例えば、4つの金属球)の固定位置に基づいて、3D空間におけるマーカのパターンの位置を算出し得る。それから、ARヘッドセットは、3D空間におけるマーカのパターン(例えば、4つの金属球)の算出された位置及び患者の内層(例えば、患者の骨)の位置に対するマーカのパターンの画像データ(例えば、図5C及び図5DのCT画像)内での固定位置に基づいて、3D空間におけるマーカのパターンの算出された位置を画像データ内でのマーカのパターンの位置と合わせることにより、3D空間における患者の内層の位置を登録し得る。次に、図5Eに開示されるように、ARヘッドセットは、登録に基づいて、患者の実景に投影される画像データ(例えば、図5C及び図5DのCT画像)に基づく患者の内層(例えば、患者の骨)である、図5Eの写真に示されるビューをリアルタイムでARヘッドセットに表示することができる。
【0049】
図5A及び図5Bに開示される光学コード及びマーカのパターンに対して、又は図5C及び図5Dに開示される画像データに対して、本開示の範囲から逸脱することなく、変更、追加又は省略がなされてもよい。例えば、4つの金属球を含むマーカのパターンの代わりに、図5A及び図5Bのマーカのパターンは、異なる数及び/又は異なるタイプのマーカを有する別のマーカのパターンで置き換えられ得る。その結果、他のマーカのパターンが図5C及び図5Dの画像データに含まれる。
【0050】
図3は、患者に貼付された光学コードを用いた患者の画像データと患者の実景との位置合わせに採用され得る例示的なコンピュータシステム300を示している。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム300は、本開示に記載のシステム又はデバイスのいずれかの一部であり得る。例えば、コンピュータシステム300は、図1のARヘッドセット108又はサーバ112のいずれかの一部であり得る。
【0051】
コンピュータシステム300は、プロセッサ302、メモリ304、ファイルシステム306、通信ユニット308、オペレーティングシステム310、ユーザインタフェース312、及びARモジュール314を含み得、これらはすべて通信可能に接続され得る。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム300は、例えば、デスクトップコンピュータ、クライアントコンピュータ、サーバコンピュータ、携帯電話、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、携帯音楽プレーヤー、組込み型コンピュータ、ARヘッドセット、VRヘッドセット、又は他のコンピュータシステムであってもよい。
【0052】
一般に、プロセッサ302は、様々なコンピュータハードウェア又はソフトウェアモジュールを含む任意の適切な専用もしくは汎用コンピュータ、計算主体(computing entity)、又は処理デバイスを含んでもよく、任意の適用可能なコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令を実行するように構成され得る。例えば、プロセッサ302としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラム命令を解釈及び/もしくは実行し、及び/又はデータを処理するように構成された他のデジタルもしくはアナログ回路、又は任意のそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、プロセッサ302は、メモリ304及び/又はファイルシステム306に記憶されたプログラム命令を解釈及び/もしくは実行し、及び/又はメモリ304及び/又はファイルシステム306に記憶されたデータを処理し得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ302はファイルシステム306からプログラム命令を読み込んで(fetch)、そのプログラム命令をメモリ304にロードし得る。プログラム命令がメモリ304にロードされた後、プロセッサ302はプログラム命令を実行し得る。いくつかの実施形態では、命令は、プロセッサ302が図4の方法400のうちの1つ以上の動作を実施することを含み得る。
【0053】
メモリ304及びファイルシステム306は、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造を保持又は記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ302のような汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の入手可能な非一時的媒体であってもよい。一例として、これに限定されるものではないが、そのようなコンピュータ可読な記憶媒体としては、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去書込み可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスクを使った読み出し専用メモリ(CD-ROM)もしくは他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、フラッシュメモリデバイス(例えばソリッドステートメモリデバイス)、又は所望のプログラムコードをコンピュータ実行可能命令もしくはデータ構造の形で保持もしくは記憶するために用いられ、かつ汎用もしくは専用コンピュータによってアクセスされ得る他の記憶媒体を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。上記の組み合わせもコンピュータ可読記憶媒体の範囲内に含まれてもよい。コンピュータ実行可能命令としては、例えば図4の方法400の1つ以上の動作のような特定の作動又は作動の群をプロセッサ302に実施させるように構成された命令及びデータが挙げられる。これらのコンピュータ実行可能命令は、例えば、オペレーティングシステム310内、ARモジュール314のような1つ以上のアプリケーション内、又はそれらのいくつかの組み合わせの中に含まれてもよい。
【0054】
通信ユニット308は、図1のネットワーク110のようなネットワーク上において情報を送信又は受信するように構成された任意の構成要素、装置、システム、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、通信ユニット308は、他の位置にある他の装置、同一の位置にある他の装置、又は同一システム内の他の構成要素とでも通信し得る。例えば、通信ユニット308としては、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、赤外線通信装置、無線通信装置(アンテナなど)、及び/又はチップセット(ブルートゥース装置、802.6装置(例えばメトロポリタンエリアネットワーク(MAN))、WiFi装置、WiMax装置、セルラー通信装置など)、及び/又は同種のものが挙げられる。通信ユニット308は、本開示に記載したもののようなネットワーク及び/又は他の装置もしくはシステムとデータが交換されることを可能にし得る。
【0055】
オペレーティングシステム310は、コンピュータシステム300のハードウェア及びソフトウェア資源を管理するように構成されてもよく、またコンピュータシステム300に共通サービスを提供するように構成されてもよい。
【0056】
ユーザインタフェース312は、ユーザがコンピュータシステム300と相互作用することを可能にするように構成された任意の装置を含み得る。例えば、ユーザインタフェース312は、映像、テキスト、アプリケーションユーザインタフェース、及びプロセッサ302によって指示されるような他のデータを示すように構成されたLCD、LED、又はARレンズのような他の表示装置などの表示装置を含んでもよい。ユーザインタフェース312はさらに、マウス、トラックパッド、キーボード、タッチスクリーン、音量調節器、他のボタン、スピーカ、マイクロホン、カメラ、任意の周辺機器、又は他の入力装置もしくは出力装置を含んでもよい。ユーザインタフェース312は、ユーザから入力を受信し、その入力をプロセッサ302に提供し得る。同様に、ユーザインタフェース312はユーザに出力を提示し得る。
【0057】
ARモジュール314は、プロセッサ302によって実行された場合に図4の方法400の1つ以上の動作のような1つ以上の方法を実施するように構成された、メモリ304又はファイルシステム306のような1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶された1つ以上のコンピュータ可読命令であってもよい。いくつかの実施形態において、ARモジュール314は、オペレーティングシステム310の一部であってもよいし、又はコンピュータシステム300のアプリケーションの一部であってもよいし、又はそれらのいくつかの組み合わせであってもよい。
【0058】
コンピュータシステム300に対して、本開示の範囲から逸脱することなく、変更、追加又は省略がなされてもよい。例えば、コンピュータシステム300の構成要素302~314のうちのいずれも、図3では各々が単一の構成要素として示されているが、共同して機能し、通信可能に接続された複数の類似した構成要素を含んでもよい。さらに、コンピュータシステム300は、単一のコンピュータシステムとして示されているが、例えばクラウドコンピューティング環境、マルチテナンシー環境、又は仮想化環境などにおいて、ともにネットワーク化された複数の物理的又は仮想コンピュータシステムを含んでもよいことが理解される。
【0059】
図4は、患者に貼付された光学コードを用いて画像データを患者の実景と位置合わせする例示的な方法のフローチャートである。方法400は、いくつかの実施形態において、装置又はシステムによって、例えば図1のARヘッドセット108上及び/又はサーバ112上で実行する図3のARモジュール314によって、実行され得る。これら及び他の実施形態において、方法400は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶された1つ以上のコンピュータ可読命令に基づいて、1つ以上のプロセッサによって実施され得る。これより方法400について、図1図2図3、及び図4に関連して説明する。方法400の種々の動作は、以下ではARヘッドセットによって実行されると記載されているが、方法400のこれらの動作は代わりに別のコンピュータシステム又はコンピュータシステムの組み合わせによって実行されてもよいことが理解される。
【0060】
方法400は、動作402において、光学コードを患者に貼付することを含み得る。いくつかの実施形態において、光学コードは、光学センサによって検知可能であり得る。いくつかの実施形態において、患者に光学コードを貼付することは、光学コードが印刷されたバンデージを患者の外層に貼り付けることを含み得る。いくつかの実施形態において、光学コードは、線形バーコード、マトリックス2次元(2D)バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、又はそれらの組み合わせであり得る。例えば医療専門家又は自動化システムは、動作402において、(QRコードの形態の)光学コード200が印刷されたバンデージ202を患者に貼り付けることによって、光学コード200を患者106に貼付し得る。
【0061】
方法400は、動作404において、非光学画像化モダリティによって検知可能なマーカのパターンを、光学コードの位置に対する固定位置で患者に貼付することを含み得る。いくつかの実施形態において、マーカのパターンは、非光学画像化モダリティによって検知可能であり得る。光学コードがバンデージに印刷されるいくつかの実施形態において、マーカのパターンを光学コードの位置に対する固定位置で患者に貼付することは、マーカのパターンが光学コードの位置に対する固定位置でバンデージに貼付されることを含み得る。これらの実施形態では、マーカのパターンが光学コードをバンデージに印刷するインク内に埋め込まれ、該インクが非光学画像化モダリティによって検知可能な材料を含む場合等において、マーカのパターンはバンデージ内に埋め込まれ得る。これらの実施形態において、非光学画像化モダリティによって検知可能な材料は、X線を透過しない放射線不透過性材料、磁気的可視材料、又は放射性材料であり得る。いくつかの実施形態において、患者に光学コードを貼り付けることは、患者の皮膚に光学コードを印刷することを含み得る。いくつかの実施形態において、患者に光学コードを貼り付けることは、光学コードが印刷された衣服を患者に置くことを含み得る。例えば、医療専門家又は自動化システムは、動作404において、光学コード200が印刷されかつマーカ206のパターンが貼り付けられたバンデージ202を患者106に貼り付けることにより、図2に示されたパターンで、かつ光学コード200の位置に対する図2に示された固定位置でマーカ206を患者106に貼り付け得る。代替的に、マーカ206のパターンは、光学コード200をバンデージ202に印刷するインク内に直接的に埋め込まれ得る。代替的に、光学コード200を衣服107に印刷し、マーカ206を患者106に配置された衣服107に貼付してもよく、又は光学コード200を患者106の皮膚106aに直接(少なくとも一時的に)印刷し、マーカ206を患者106の皮膚106aに直接(少なくとも一時的に)貼り付けてもよい。
【0062】
方法400は、動作406において、患者の画像データを捕捉することを含み得る。いくつかの実施形態において、患者の画像データは、マーカを検知可能である非光学画像化モダリティを用いて捕捉され得る。いくつかの実施形態において、画像データは、患者の1つの内層、及びこの患者の1つの内層の位置に対して固定位置にあるマーカのパターンを含み得る。いくつかの実施形態において、画像データは、2次元(2D)画像データ、3次元(3D)画像データ、4次元(4D)画像データ、又はそれらの組み合わせを含み得る。例えば、医療専門家又は自動化システムは、非光学画像化モダリティを用いて、動作406において、患者の内層(患者106の骨106bなど)、及び患者106の骨106bの位置に対して固定位置にあるマーカ206のパターンの両方を含む患者106の画像データを捕捉し得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、患者106の画像データは、1つ以上の方法を用いて、患者106が環境100内に存在している間にリアルタイムで、及び/又は患者106が環境100に進入する前のいずれかにおいて捕捉又は生成され得る。例えば、いくつかの画像データは、患者106が環境100に進入する前に得られてもよく、次にその画像データは患者106が環境100内に存在している間にリアルタイムで得られる付加的な画像データによって拡張されてもよい。例えば、患者106の画像データは、磁気共鳴画像(MRI)画像、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン画像、X線画像、陽電子放射断層撮影(PET)画像、超音波画像、蛍光画像、赤外線サーモグラフィ(IRT)画像、単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャン画像、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの画像のいずれも、静止画像の形態であってもよいし、又はビデオ画像の形態であってもよい。例えば、方法400は、(図1に示したように)患者106の骨格系の静止X線画像を用いてもよい。別の例において、方法400は、患者106の拍動心の超音波のビデオ画像を用いてもよい。別の例において、方法400は、心臓の静止画像と拍動している心臓のリアルタイムビデオとの間で切り替えることができてもよい。
【0064】
患者の画像データは、様々な異なる方法を用いて得られるが、いくつかの実施形態では、患者の外層及び患者の複数の内層を含み得る。例えば、患者106の外層は、図1の患者106の皮膚106a及び/又は患者106が着用している衣服107を含み得る。別の例では、皮膚が遺体から除去されている場合には、遺体の外層は筋肉又は脂肪の層のような皮膚以外の組織層であることがある。患者106の内層は、患者106の内部の骨106b(図1に図示)、筋肉、器官、又は流体を含み得るが、これらに限定されるものではない。2D画像が3D空間に投影されると2D画像は3Dの意味(significance)を有するので、画像データはX線画像のような2D画像を含み得る。例えば、患者106の画像データは、患者106の皮膚106a又は衣服107上に投影され得る2DのX線画像を含んでもよい。画像データはまた、時間要素を含んでいてもよく、これは時に4次元(4D)データと称される。患者の内層の画像データは、例えば、スライス、透視図、セグメント化された画像、又はアノテーション(annotation)を含んでもよい。例えば、画像データは、3D画像だけでなく、経時的に変化する3D画像も含むビデオを含んでもよい。複数の内層は、患者106全体に及ぶ層であってもよいし、患者106内に特定の部分的深さだけ及ぶ層であってもよい。例えば、ミリ波パッシブ撮像装置(millimeter wave scanner)から導出された3Dデータのようないくつかの形態の画像データは、単に患者の外衣と皮膚との間に備えられた物を明らかにするように構成されてもよい。画像データはまた、様々なタイプの画像データの組み合わせであってもよい。
【0065】
方法400における動作406と動作408との間で、ある期間が経過し得る。この期間中に、患者は、例えば部屋のある箇所から別の箇所へ、又は病院のある部屋から病院の別の部屋へ移動し得る。いくつかの実施形態では、患者106の移動後、画像データが捕捉されたときに患者106が存在したのと同じ相対位置及び/又は向きで、患者106を手術台103上に配置するように注意が払われ得る。代わりに、画像データが捕捉又は生成されたときに患者106が存在したのとは異なる手術台103上の位置及び/又は向きに患者106が配置されている場合には、ARヘッドセット108は、患者106の異なる位置及び/又は向きと一致するように画像データを変形させ得る。
【0066】
方法400は、動作408において、患者に貼付された光学コード及び3D空間における光学コードの位置を検知し得る。いくつかの実施形態において、光学コードは、ARヘッドセットの光学センサによって検知され得る。例えば、ARヘッドセット108の光学センサは、動作408において、患者106に貼付された光学コード200、及び3D空間102における光学コード200の位置を検知し得る。
【0067】
方法400は、動作410において、画像データにアクセスすることを含み得る。いくつかの実施形態において、画像データは、光学コードに基づいてアクセスされ得る。いくつかの実施形態において、光学コードは、該光学コードによって患者の医療データにアクセスできるように該患者の医療データにリンクされ得る。いくつかの実施形態において、光学コードは、該光学コードによって追加のセキュリティ認証情報なしに患者の医療データにアクセスできるように、該患者の医療データにリンクされるセキュリティ認証情報であり得る。例えば、ARヘッドセット108は、動作410において、光学コード200によって追加のセキュリティ認証情報なしに患者106の医療データにアクセスできるように、該患者106の医療データにリンクされるセキュリティ認証情報として機能する光学コード200であって、動作408において検知された光学コード200に基づいて、患者106の画像データにアクセスしてもよい。
【0068】
方法400は、動作412において、3D空間におけるマーカのパターンの位置を算出することを含み得る。いくつかの実施形態において、動作412における算出は、3D空間における光学コードの検知された位置、及び光学コードの位置に対するマーカのパターンの固定位置に基づき得る。例えば、ARヘッドセット108は、動作412において、3D空間102における光学コード200の検知された位置、及び光学コード200の検知された位置に対するマーカ206のパターンの既知の(例えば、以前に確立された)固定位置に基づいて、3D空間102におけるマーカ206のパターンの位置を算出してもよい。
【0069】
方法400は、動作414において、3D空間におけるマーカのパターンの算出された位置を画像データ内のマーカのパターンの位置と位置合わせすることにより、3D空間における患者の内層の位置を登録することを含み得る。いくつかの実施形態において、動作414における登録は、3D空間におけるマーカのパターンの検知された位置、及び患者の内層の位置に対するマーカのパターンの画像データ内での固定位置に基づき得る。例えば、ARヘッドセット108は、動作414において、3D空間102におけるマーカ206のパターンの算出された位置、及び患者106の骨106bの位置に対するマーカ206のパターンの画像データにおける既知の(例えば、以前に確立された)固定位置に基づいて、3D空間102におけるマーカ206のパターンの算出された位置を患者106の画像データ内でのマーカ206のパターンの位置と位置合わせすることにより、3D空間102における患者106の骨106bの位置を登録し得る。
【0070】
方法400は、動作416において、患者の実景に投影される画像データに基づく患者の内層をリアルタイムで表示することを含み得る。いくつかの実施形態において、動作416での表示は、動作414での登録に基づいて、ARヘッドセットで実行され得る。例えば、ARヘッドセット108は、動作416において、動作414での登録に基づいて、患者106の実景に投影される画像データに基づく患者106の骨106bをリアルタイムで表示し得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、方法400の動作416はさらに、動作406を1回以上、又は連続的に繰り返すことを含み得、次に動作406の反復実行から新たに捕捉された画像データを、動作406の最初の実行から最初に捕捉された画像データとともに、又は動作406の最初の実行から最初に捕捉された画像データに重ねて、表示することを含み得る。例えば、MRIのような画像化モダリティは、動作406の最初の実行において用いられ得、次いで蛍光モダリティのような別の画像化モダリティは、患者106の血管にカテーテルを挿入する手術中のように、動作406の反復実行中又は連続実行中に用いられ得る。次に、ARヘッドセット108は、動作416において、動作414での登録に基づいて、患者106の実景に投影され、新たに捕捉された蛍光画像が重ね合わされた最初に捕捉されたMRI画像を、リアルタイムで表示し得る。動作416での最初に捕捉された画像データと新たに捕捉された画像データとのこの重ね合わせはさらに、付加的なマーカを用いて達成され得る。例えば、蛍光透視鏡は、蛍光画像をMRI画像と位置合わせするための1つ以上の付加的なマーカを有してもよく、これにより外科医は、手術中に、カテーテルを配置するために患者106の血管内の正しい位置をより正確に特定し、患者106の内部にカテーテルをより正確に挿入し得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、方法400は、患者106に貼付された光学コード200を用いて、患者106の画像データと患者106の実景との位置合わせを達成し得る。さらに、この位置合わせにより、時間がかかり、煩雑であり、かつ不正確な、従来の位置合わせの形態で要求される手動による画像データと患者の実景との位置合わせをすることなく、医療専門家がARヘッドセット108を通して実際の患者106を見ながら患者106の仮想内部を観察することを可能にし得る。さらに、画像データを自動的に取得するために、画像データの捕捉中に使用されたものと同一の光学コードを採用することは、時間がかかり、煩雑であり、かつ不正確な、従来の位置合わせの形態で要求される手動による画像データの取得をすることなく、ARヘッドセットによって取得された画像データがARヘッドセットを通して観察される実際の患者と一致することを保証し得る。
【0073】
方法400の動作は図4において個別の動作として示されているが、種々の動作は、所望の実施に応じて、付加的な複数の動作に分けたり、より少ない数の動作に組み合わせたり、並べ替えたり、拡張したり、排除したりしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、動作408~416は、動作402~406を実行することなく実行され得、また以前に実行された動作402~406とともに、あるいは動作408~416を実行する主体以外の別の主体によって実行された動作402~406とともに実行され得る。さらに、いくつかの実施形態では、動作402~406及び動作416を伴うことなく、動作408~414のみが実行され得る。また、いくつかの実施形態において、動作412は、ARヘッドセット108がマーカ206を直接検知することが可能である場合など、3D空間におけるマーカのパターンの位置を算出する代わりに、3D空間におけるマーカのパターンの位置を検知することを含むように変更されてもよい。
【0074】
さらに、方法400は、ARシステム自体の機能を向上し、またARの分野を改善し得ることが理解される。例えば、図1のARヘッドセット108の機能は、方法400により患者106に貼付された光学コード200を用いて患者106の画像データを患者106の実景と自動的に位置合わせすることによって、それ自体が改善され得る。この自動位置合わせは、手動による登録を採用する従来のARシステムよりも簡単かつ正確に実行され得る。
【0075】
上記に示したように、本願に記載する実施形態は、以下でより詳細に検討するような様々なコンピュータハードウェア又はソフトウェアモジュールを含む専用又は汎用コンピュータ(例えば図3のプロセッサ302)の使用を含み得る。さらに上記に示したように、本願に記載する実施形態は、記憶されたコンピュータ実行可能命令又はデータ構造を保持するか、又は有するためのコンピュータ可読媒体(例えば図3のメモリ304又はファイルシステム306)を用いて実施されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、本願に記載する異なる構成要素及びモジュールは、コンピューティングシステム上で実行するオブジェクト又はプロセスとして(例えば別々のスレッドとして)実施されてもよい。本願に記載する方法のうちのいくつかは、概して、(汎用ハードウェア上に記憶され、及び/又は汎用ハードウェアによって実行される)ソフトウェア内において実施されると記載されているが、特定ハードウェア実施又はソフトウェア実施と特定ハードウェア実施との組み合わせも可能であり、企図される。
【0077】
慣例に従って、図面に示した様々な特徴は、一定の縮尺で描かれていない場合がある。本開示に示した実例は、任意の特定の装置(例えば装置、システムなど)又は方法の実景であることを意図するものではなく、しかしながら単に本開示の様々な実施形態を説明するために採用されている表現の例にすぎない。したがって、様々な特徴の寸法は、明瞭にするために任意で拡大又は縮小されていることがある。加えて、図面のうちのいくつかは明瞭にするために単純化されていることがある。よって、図面は、所与の装置(例えばデバイス)の構成要素のすべて、又は特定の方法のすべての操作を示しているとは限らない。
【0078】
本願及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)において使用される用語は、一般に「オープン」タームとして意図される(例えば「~を含む(including)」という語は「~を含むが、これ(ら)に限定されるものではない(including, but not limited to)」と解釈されるべきであり、「~を有する(having)」という語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「~を含む(includes)」という語は「~を含むが、これ(ら)に限定されるものではない(includes, but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。
【0079】
さらに、導入された請求項の記載事項において特定の数が意図される場合には、そのような意図は当該請求項中に明示的に記載されており、またそのような記載がない場合には、そのような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の特許請求の範囲は請求項の記載を導入するために「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句の使用を含むことがある。しかしながら、そのような句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞による請求項の記載事項の導入が、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」という導入句と「a」又は「an」のような不定冠詞とが含まれる場合であっても、そのように導入された請求項の記載事項を含むいかなる特定の請求項も、そのような記載事項を1つしか含まない実施形態に限定されることを意味すると解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。請求項の記載事項を導入するために用いられる定冠詞の使用についても同様のことが当てはまる。
【0080】
加えて、導入された請求項の記載事項において特定の数が明示的に記載されている場合であっても、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが理解される(例えば、他に修飾語のない「2つの記載事項」という単なる記載は、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」に類する表現が用いられる場合、一般に、そのような構文は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの両方、A及びCの両方、B及びCの両方、及び/又はA、B及びCのすべて、などを含むことが意図される。例えば、「及び/又は」という用語の使用は、このように解釈されることが意図される。
【0081】
さらに、2つ以上の選択的な用語を表す任意の離接語又は離接句は、概要、詳細な説明、特許請求の範囲、又は図面のいずれの中であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の双方を含む可能性を企図すると理解されるべきである。例えば、「A又はB」という句は、「A」もしくは「B」、又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されるべきである。
【0082】
加えて、「第1」、「第2」、「第3」などの用語の使用は、本願では、必ずしも要素の特定の順位又は数を意味するために用いられているとは限らない。一般に、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、共通識別子として異なる要素を区別するために用いられる。「第1」、「第2」、「第3」などの用語が特定の順序を意味することが示されていない場合には、これらの用語は特定の順序を意味すると理解されるべきではない。さらに、「第1」「第2」、「第3」などの用語が要素の特定の数を意味することが示されていない場合、これらの用語は要素の特定の数を意味すると理解されるべきではない。例えば、第1部品は第1側面を有すると記載され、かつ第2部品は第2側面を有すると記載されてもよい。第2部品に関して「第2側面」という用語を使用するのは、第2部品のそのような側面を第1部品の「第1側面」と区別するためであり、第2部品が2つの側面を有することを示すためではないことがある。
【0083】
説明を目的とした前記の記載は、特定の実施形態に関連して記載されている。しかしながら、上記の例示的な検討が、網羅的であること、又は本発明を開示されたまさにその形態に権利要求されるように限定することは意図されていない。上記の教示を考慮して、多くの変更及び変形例が可能である。実施形態は実際の応用について説明するために選択されて記載されており、それにより他の当業者が企図される特定の用途に適し得るような様々な変更を伴った請求項に記載の本発明及び様々な実施形態を用いることが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E