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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153992
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】活性剤送達のための口腔ケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20231011BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
A61K8/06
A61Q11/00
A61K8/22
A61K8/31
A61K8/86
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023129478
(22)【出願日】2023-08-08
(62)【分割の表示】P 2021562170の分割
【原出願日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】62/838,347
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤンス、ラジャイア
(72)【発明者】
【氏名】ポール、アルバート、セーゲル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー、マルク、ワイズ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高濃度の過酸化物化合物と一般的に関連する負の副作用を伴わずに歯を効果的にホワイトニングすることができる組成物を提供する。
【解決手段】水中油型エマルションであって、
(a)前記水中油型エマルションの0.01重量%~25重量%の連続的な水相と、
(b)前記水中油型エマルションの75重量%~99重量%の非連続的な疎水性相と、
(c)漂白剤を含む口腔ケア活性剤と、
(d)乳化剤であって、16~18の親水性-親油性バランスを有する、乳化剤と、を含み、
前記水中油型エマルションが、前記疎水性相の別の領域間で水相が薄い連続的な相となるよう構造化されている密集エマルションである、水中油型エマルションを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中油型エマルションであって、
(a)前記水中油型エマルションの0.01重量%~25重量%の連続的な水相と、
(b)前記水中油型エマルションの75重量%~99重量%の非連続的な疎水性相と、
(c)漂白剤を含む口腔ケア活性剤と、
(d)乳化剤であって、16~18の親水性-親油性バランスを有する、乳化剤と、を含み、
前記水中油型エマルションが、前記疎水性相の別の領域間で水相が薄い連続的な相となるよう構造化されている密集エマルションである、水中油型エマルション。
【請求項2】
前記口腔ケア活性剤が、抗虫歯剤、抗歯石剤、再石灰化剤、創傷治癒剤、抗炎症剤、抗菌剤、金属イオン源、抗解糖剤、アミノ酸、プロバイオティクス、プレバイオティクス、ポストバイオティクス、ポリホスフェート、緩衝剤、抗過敏剤、ビタミン、又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の水中油型エマルション。
【請求項3】
前記水相及び/又は前記疎水性相が、前記口腔ケア活性剤を含む、請求項1または2に記載の水中油型エマルション。
【請求項4】
前記水相が、前記口腔ケア活性剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項5】
前記乳化剤が、1つ以上の疎水性尾部を含み、前記1つ以上の疎水性尾部が、6~20個の炭素原子を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項6】
前記1つ以上の疎水性尾部が、最大4つの分岐、最大3つのアルケン官能基、炭素-炭素二重結合、若しくはそれらの組み合わせを有し、かつ/又は前記乳化剤が、ソルビタンに結合した4~40個のポリエチレングリコール(PEG)単位を含む親水性頭部基を含む、請求項5に記載の水中油型エマルション。
【請求項7】
前記乳化剤が、ポリソルベート、アルキルサルフェート、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項8】
前記水中油型エマルションが、前記水中油型エマルションの0.001重量%~20重量%の前記乳化剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項9】
前記水中油型エマルションが、前記水中油型エマルションの80重量%~99重量%の前記疎水性相を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項10】
前記水中油型エマルションが、前記水中油型エマルションの1重量%~20重量%の前記水相を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項11】
肉眼で見える分離が、60℃で2日後に視覚的に観察されず、かつ/又は肉眼で見える分離が、23℃で7ヶ月後に視覚的に観察されない、請求項1~10のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項12】
前記疎水性相が、0.8g/cm~1.0g/cmの密度を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項13】
前記疎水性相が、鉱油、ワセリン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【請求項14】
口腔ケア活性物質を歯表面に適用するための、請求項1~13のいずれか一項に記載の水中油型エマルション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漂白剤などの活性剤の送達のための口腔ケア組成物に関する。本発明はまた、漂白剤などの活性剤の送達のための親水性相中疎水性相(すなわち水中油型)エマルション組成物に関する。本発明はまた、漂白剤などの活性剤の送達のための高内相及び/又は密集水中油型エマルションに関する。
【背景技術】
【0002】
歯は、コーヒー、ワイン、コーラ、又は他の飲料及び食品への曝露に起因する着色物の沈着によって変色する場合がある。したがって、消費者は、歯をホワイトニングする方法及び組成物を所望している。過酸化物化合物などの活性剤を含む組成物は、歯をホワイトニングするのに有効であり得る。例えば、(3.3重量%の過酸化水素と等価である)10%の過酸化カルバミドを用いるナイトガード有髄歯の漂白技術が、歯をホワイトニングするために使用されている。しかしながら、高濃度での過酸化カルバミドの使用は、夜間の着用などの長期処置レジメンを未だに必要とし、歯の過敏性及び軟組織刺激などの望ましくない副作用を生じた。その後、多くのホワイトニング手順が開発されてきたが、より速いホワイトニング時間をもたらすが、より頻繁かつより重篤な歯の過敏性をもたらす、3.3重量%超の過酸化水素などのより高濃度の過酸化物化合物が利用されている。
【0003】
過酸化水素系の高粘度ゲル組成物の導入により、漂白トレイ内での過酸化水素の保持が改善され、Carbopol(登録商標)などのカルボキシポリメチレン化合物の使用を通じて、歯の表面への過酸化水素の接着性が増加された。残念ながら、カルボキシポリメチレン化合物を含むゲル組成物は、歯の表面の水分を欠乏させ、過酸化水素と相互作用し、これにより、ホワイトニングプロセスが最終的に減速され、歯の過敏性の発生及び重篤化が増加された。
【0004】
歯の表面の水分欠乏を軽減する1つの戦略は、疎水性相エマルション中に親水性相(油などの連続的な疎水性媒体中に懸濁された非連続的な水滴)を使用することであった。水相液滴は、35%などの高濃度の過酸化水素を含み、これはエマルション組成物全体にわたってより低い総濃度の過酸化水素に相当した。疎水性エマルション中のこれらの親水性は、過酸化水素が親水性の歯の表面に迅速に移動して、最小限の副作用で高性能のホワイトニングをもたらすことを可能にする。過酸化物組成物は、エマルション全体に関して、35%の過酸化水素を含む対応する単相組成物よりも低かったため、歯の過敏性及び歯肉刺激が劇的に低減又は排除された。換言すれば、疎水性エマルション中の水相により、標的化された過酸化物の送達がもたらされた。しかしながら、疎水性エマルション中の親水性の性能は、歯の表面に最も近い水滴のホワイトニング能力に限定された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、高濃度の過酸化物化合物と一般的に関連する負の副作用を伴わずに歯を効果的にホワイトニングすることができる組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示されるのは、(a)組成物の約1重量%~約20重量%の少なくとも部分的に連続的な水相と、(b)組成物の約80重量%~約99重量%の非連続的な疎水性相と、(c)口腔ケア活性剤と、(d)乳化剤であって、約11~約60の親水性-親油性バランスを有する乳化剤と、を含む、水中油型エマルションである。
【0007】
本明細書で開示されるのは、(a)少なくとも部分的に連続的な水相と、(b)非連続的な疎水性相と、(c)口腔ケア活性剤と、(d)乳化剤であって、約11~約60の親水性-親油性バランスを有する乳化剤と、を含む、水中油型エマルションである。
【0008】
本明細書で開示されるのは、好ましくは高内相エマルションを含む、さらにより好ましくは密集エマルションを含む、水中油型エマルションなどの口腔ケア組成物であって、(a)組成物の約0.01体積%~約20体積%の少なくとも部分的に連続的な水相と、(b)組成物の約80体積%~約99体積%の非連続的な疎水性相と、(c)任意で乳化剤と、(d)組成物の約0.01重量%~約10重量%の口腔ケア活性剤と、を含む、口腔ケア組成物である。
【0009】
本明細書に開示されるのは、口腔ケア組成物であって、(a)組成物の約1重量%~約20重量%の少なくとも部分的に連続的な水相であって、水相が、第1の初期粘度を有する、少なくとも部分的に連続的な水相と、(b)組成物の約80重量%~約99重量%の非連続的な疎水性相であって、疎水性相が、第2の初期粘度を有する、非連続的な疎水性相と、(c)任意で乳化剤と、(d)組成物の約0.01重量%~約1重量%の口腔ケア活性剤と、を含み、組成物が、第1の初期粘度及び/又は第2の初期粘度よりも高い最終粘度を有する、口腔ケア組成物である。
【0010】
本明細書に開示されるのは、口腔ケア組成物であって、(a)組成物の約1重量%~約20重量%の少なくとも部分的に連続的な水相であって、水相が、第1の初期降伏応力を有する、少なくとも部分的に連続的な水相と、(b)組成物の約80重量%~約99重量%の非連続的な疎水性相であって、疎水性相が、第2の初期降伏応力を有する、非連続的な疎水性相と、(c)乳化剤と、(d)組成物の約0.01重量%~約1重量%の口腔ケア活性剤と、を含み、組成物が、第1の初期降伏応力及び/又は第2の初期降伏応力よりも高い最終降伏応力を有する、口腔ケア組成物である。
【0011】
開示されるのは、口腔ケア組成物であって、(a)組成物の約1重量%~約20重量%の少なくとも部分的に連続的な水相と、(b)組成物の約80重量%~約99重量%の非連続的な疎水性相と、(c)乳化剤と、(d)組成物の約1重量%~約10重量%の口腔ケア活性剤と、を含み、組成物が、23℃で少なくとも48時間、肉眼で見える分離に対して安定である、口腔ケア組成物である。
【0012】
また、本明細書で開示されるのは、口腔ケア活性物質を歯表面に適用するためなどの、本明細書に記載の口腔ケア組成物を使用する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】実施例I-A(84%の疎水性相)の安定な密集水中油型エマルションを示す。
図1B】実施例I-B(90.4%の疎水性相)の安定な密集水中油型エマルションを示す。
図1C】実施例I-C(94%の疎水性相)の安定な密集水中油型エマルションを示す。
図1D】実施例I-D(96.5%の疎水性相)の安定な密集水中油型エマルションを示す。
図1E】実施例I-E(97.5%の疎水性相)の安定な密集水中油型エマルションを示す。
図2】比較例1(74%の疎水性相)の肉眼で見える分離を示す。
図3A】実施例I-A(84%)の安定な密集水中油型エマルションの顕微鏡画像を示す。
図3B】実施例I-B(90.4%)の安定な密集水中油型エマルションの顕微鏡画像を示す。
図3C】実施例I-C(94%)の安定な密集水中油型エマルションの顕微鏡画像を示す。
図3D】実施例I-D(96.5%)の安定な密集水中油型エマルションの顕微鏡画像を示す。
図3E】実施例I-E(97.5%)の安定な密集水中油型エマルションの顕微鏡画像を示す。
図4A】比較例II(3.43%のTween 60)の肉眼で見える分離を示す。
図4B】実施例I-F(3.43%のTween 20)の安定な密集水中油型エマルションを示す。
図5】比較例III(3.43%のTween 40)の肉眼で見える分離を示す。
図6A】疎水性相が単回添加で添加された比較例IVの肉眼で見える分離を示す。
図6B】疎水性相が各添加後に混合しながら連続して添加された実施例I~Fの安定な密集水中油型エマルションを示す。
図7】チューブから分注された場合の、凝集性半固体ビーズとしての実施例IIを示す。
図8A】比較例V(乳化剤としてSpan 20)の肉眼で見える分離を示す。
図8B】実施例III(乳化剤としてTween 20)の安定な密集水中油型エマルションを示す。
図9A】疎水性相中に分散した水相の離散液滴を有する油中水型エマルションとしての比較例VIの顕微鏡画像を示す。
図9B】水相中に分散した油の領域を有する密集水中油型エマルションとしての実施例I-Bを示す。
図10A】疎水性相中に分散した水相の離散液滴を有する油中水型エマルションとしての比較例VIIの顕微鏡画像を示す。
図10B】水相中に分散した油の領域を有する密集水中油型エマルションとしての実施例I-Bを示す。
図11】40℃で90日後の、密集水中油型エマルションとしての実施例I-Bを示す。
図12A】電磁放射線と組み合わせて、トレイ上で実施例I-Bを送達する単回処置後のベースライン(左)に対する黄色度の平均減少を示す。
図12B】電磁放射線と組み合わせて、トレイ上で実施例I-Bを送達する単回処置後のベースライン(左)に対する黄色度の最も高い減少を示す。
図13】1)顕微鏡スライド用ホルダー、2)9枚の顕微鏡スライド、3)スライドをホルダーに固定するテープ、及び4)スライドのうちの1つに適用された多相口腔ケア組成物又は疎水性相のビーズの試料スケッチを示す。
図14】45度で60秒間傾けられた後の、本明細書で指定された滑動流動方法の、実施例I-Bの2つのバッチの3つのビーズ及び検証組成物の3つのビーズを示す。この画像は、実施例I-Bではビーズがスライドをほとんど流れ下がっていないが、本明細書で指定された滑動流動方法の検証用組成物ではスライドの底部まで流れ下がったことを示している。
図15】顕微鏡下で観察するために、本発明の多相組成物を充填するために使用することができるテンプレート及びカバースリップを示す。
図16A】少量の水相を多量の疎水性相に添加して作製された比較例VIIIの、1時間以内の肉眼で見える分離を示す。
図16B】多量の疎水性相が少量の水相に添加された実施例I-Bの安定な密集水中油型エマルションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、口腔に、例えば漂白剤などの口腔ケア活性剤を送達するための親水性相エマルション中の疎水性相を対象とする。加えて、本発明は、口腔に、例えば漂白剤などの口腔ケア活性剤を送達するための高内相エマルション、好ましくは密集エマルションを対象とする。
【0015】
本発明は更に、疎水性相エマルション中の親水性相(即ち、油中水型エマルション)などの多相組成物のホワイトニング性能を改善する。本発明は、口腔ケア活性剤送達の効率を増加させながら、単相組成物と比較して改善された忍容性を維持する。
【0016】
油中水型エマルションでは、活性剤を含む水相の離散領域又は小さい液滴は、油などの連続的な疎水性相中に分散される。理論によって制限されるものではないが、油中水型エマルションシステムのホワイトニング性能は、非連続的な相内からの水滴が歯の表面にどれだけ到達することができるかによって制限され得る。疎水性相の離散液滴が、漂白剤などの口腔ケア活性剤を含む優勢な連続的な水相全体に分散している水中油型エマルションへの単なる切り換えは、口腔ケア活性剤又は過酸化物化合物などのホワイトニング剤の高総濃度に起因して、重篤な歯の過敏性及び歯肉刺激をもたらし得る。
【0017】
驚くべきことに、水中油型エマルションシステムは、疎水性相の別の領域間で水相が薄い連続的な相となるような様式(密集水中油型エマルションと称される)で構造化することができる。密集水中油型エマルションの特定の態様では、親水性又は水相は、少量の構成成分であり、疎水性相は、非連続的な相であるにもかかわらず、多量の構成成分である。顕微鏡では、連続的な水相の領域は、離散疎水性領域を取り囲む薄い連続的な相として見える。
【0018】
重要なことに、密集水中油型エマルションは、油中水型エマルションと比較していくつかの利点を有する。例えば、油中水型エマルションは、疎水性相中に非連続的な水相の液滴を有する。油中水型エマルションでは、歯の表面に移動する液滴のみが活性剤送達プロセスに関与する。加えて、油中水型エマルション内での動きを作り出すのに、外力を伴わずに水滴間に急速な相互作用は存在しない。対照的に、高内相エマルション、好ましくは、本発明の密集水中油型エマルションでは、水相は連続的な相の領域を含み得る。理論によって制限されるものではないが、水相の任意の一部が歯の表面に接触すると、水相の比較的薄い連続的な領域は、歯の表面に活性剤又は漂白剤の全量を連続的に送達することができると考えられる。薬剤が歯の表面に送達されると、特定の態様では、水相の連続性により、水相からの薬剤で表面を全体にわたって満たすことが可能になる。驚くべきことに、活性剤を含む連続的な水相の領域が、表面を満たすことが可能である場合でさえも、表面の忍容性閾値を超えないように、単位接触面積当たりの送達される薬剤の量は、依然として十分に制限された速度である。例えば、水相中に35%の過酸化水素を含む密集水中油型エマルションは、単位面積当たりの用量が、望ましくない組織効果を引き起こし得る前に軟組織が過酸化物を希釈及び分解する能力を超えるので、軟組織の望ましくない過剰な刺激を引き起こし得る、等価な量の35%水溶液を軟組織に適用するよりもはるかに少ない刺激で、硬組織及び軟組織に安全に適用することが可能である。
【0019】
密集水中油型エマルションは、従来の水中油型エマルションを上回るいくつかの利点を有する。例えば、従来の水中油型エマルションでは、少量の非連続的な疎水性相は、多量の連続的な水相中で安定化される。迅速かつ効果的に歯をホワイトニングするのに必要な高濃度の漂白剤を使用する場合、漂白剤などの活性剤を多量の連続的な水相から送達することにより、歯の過敏性及び歯肉刺激がもたらされ得る。
【0020】
重要なことに、単に、少量の水相を多量の疎水性相と組み合わせるだけでは、必ずしも、密集水中油型エマルションはもたらされないであろう。実際に、ほとんどの場合、少量の水相を多量の疎水性相と組み合わせると、疎水性相中に分散した水相の離散液滴を有する油中水型エマルション、又は肉眼で見える分離がもたらされるであろう。
【0021】
驚くべきことに、本明細書に記載されるように、優勢な疎水性相を優勢でない親水性相に添加すると、密集水中油型エマルションを調製することができることが見出された。多量の疎水性構成成分を少量の親水性構成成分に添加することは直感に反する。密集エマルションは、疎水性相の一部を親水性相に添加し、続いて混合し、次いで、疎水性相の全てが親水性相に添加されるまでこの手順を繰り返すことによって調製することができる。
【0022】
あるいは、疎水性相の全てが添加されるまで一定の撹拌条件下で、連続的に又はパルスを用いた様式で疎水性相を親水性相に添加してもよい。理論によって制限されるものではないが、疎水性相が総エマルションの特定の体積割合(即ち、密集濃度)に到達すると、エマルションは、密集し始める。エマルションの密集が生じると、エマルションの粘度が増加し得、エマルションはより物理的に安定し得る。エマルションの物理的安定性は、組成物の保管中の肉眼で見える分離を防止するのに重要であり得る。対照的に、驚くべきことに、少量の親水性相を多量の疎水性相に添加すると、混合と組み合わせて少しずつの様式で少量の親水性相が添加された場合でさえも、肉眼で見える分離がもたらされ得ることが見出された。
【0023】
理論によって制限されるものではないが、驚くべきことに、漂白剤は、本明細書に開示の多相口腔ケア組成物中に存在する場合、非常に低い濃度で効果的であり得ることが見出された。本発明は、エマルション、好ましくは密集水中油型エマルションを含む口腔ケア組成物を含み、好ましい密集水中油型エマルションが、水相、疎水性相、及び約0.01%~約10%の少なくとも1つの口腔ケア活性剤を含む。
【0024】
定義
本明細書で使用する場合、「口腔ケア組成物」は、歯の表面又は口腔組織に接触するのに十分な時間、口腔内に保持される製品を意味する。口腔ケア組成物の例としては、歯磨剤、歯磨ゲル、歯肉縁下用ゲル、マウスリンス、ムース、フォーム、マウススプレー、トローチ剤、チュアブル錠、チューインガム、歯用ホワイトニングストリップ、フロス及びフロスコーティング、口臭予防用溶解ストリップ、義歯ケア製品、又は義歯用接着剤製品が挙げられる。口腔ケア組成物はまた、口腔表面への直接適用又は付着のためのストリップ、トレイ、又はフィルム上に組み込まれてもよい。
【0025】
本明細書で使用する場合、用語「歯磨剤」は、特に指示がない限り、歯用又は歯肉縁下用ペースト、ゲル、又は液体製剤を包含する。歯磨剤組成物は、単相組成物であってもよく、又は2つ以上の別個の歯磨剤組成物の組み合わせであってもよい。歯磨剤組成物は、深い縞状、表面的な縞状、多層状、ペーストをゲルで包囲した状態、又はそれらのいずれかの組み合わせなど、任意の所望の形態であってもよい。2つ以上の別個の歯磨剤組成物を含む歯磨剤中の各歯磨剤組成物は、ディスペンサの物理的に分離された区画内に収容され、同時に分注されてもよい。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「不混和性」又は「不溶性」は、100重量部の第2の物質中に1重量部未満の物質が溶解することを意味する。
【0027】
本明細書で使用する場合、用語「可溶性」は、100重量部の第2の物質中に溶解することができる物質の最大数の重量部である。
【0028】
本明細書で使用する場合、用語「相」は、連続的又は非連続的であってもよく、別の相とは異なる1つ以上の特性を有する、物理的に異なる領域又は複数の領域を意味する。相間で異なり得る特性の非限定的な例としては、組成、粘度、可溶性、疎水性、親水性、視覚的特徴、及び混和性が挙げられる。相の例としては、固体、半固体、液体、及び気体が挙げられる。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「多相口腔ケア組成物」は、互いに不混和性である2つ以上の相の混合物、例えば、油中水型、水中油型エマルション、又はそれらの混合物を含む。相は、連続的、非連続的、又はそれらの組み合わせであってもよい。多相口腔ケア組成物又は多相口腔ケア組成物の相は、固体、液体、半固体、又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましい態様では、多相口腔ケア組成物は、半固体である。多相口腔ケア組成物の例としてはまた、相が、二重連続性、層状、縞状、マーブル模様状、リボン状、渦巻状、及びそれらの組み合わせを含む、複数の連続的な組成物が挙げられる。多相口腔ケア組成物の例としてはまた、相がモザイク状又はタイル状である組成物が挙げられる。
【0030】
本明細書で使用する場合、用語「エマルション」は、1)相のうちの少なくとも1つが非連続的であり、かつ2)相のうちの少なくとも1つが連続的である、多相口腔ケア組成物の例である。エマルションの例としては、水中に分散された油の液滴が挙げられる。この例では、水及び油は互いに不混和性であり、油が非連続的な相であり、水が連続的な相であろう。
【0031】
本明細書で使用する場合、用語「マクロエマルション」は、非連続的な相のうちの少なくとも1つが、400nm~700nmの1つ以上の波長を有する光を使用して顕微鏡下で視認可能であるエマルションの例である。マクロエマルションの例としては、非連続的な相のうちの少なくとも1つの領域の質量中央径、体積加重平均径、又は表面加重平均径が、使用される光の波長よりも大きい、例えば、0.1、0.4、又は0.7マイクロメートルよりも大きいものが挙げられる。
【0032】
本明細書で使用する場合、用語「マイクロエマルション」は、非連続的な相が、400nm~700nmの1つ以上の波長を有する光を使用して顕微鏡下で視認可能ではないエマルションの例である。マイクロエマルションの例としては、非連続的な相の領域が、使用される光の波長よりも小さい、例えば、0.1、0.4、又は0.7マイクロメートルよりも小さいものが挙げられる。
【0033】
本明細書で使用する場合、用語「水中油型エマルション」は、1)連続的な相が水性又は親水性であり、かつ2)非連続的な相が疎水性である、エマルションの例である。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「油中水型エマルション」は、1)連続的な相が疎水性であり、かつ2)非連続的な相が水性又は親水性である、エマルションの例である。
【0035】
本明細書で使用する場合、用語「高内相エマルション」は、非連続的な相が、多相口腔ケア組成物の約74重量%又は体積%超を構成する、エマルションの例である。高内相エマルションは、水中油型エマルション、油中水型エマルション、又はそれらの混合物であってもよい。
【0036】
本明細書で使用する場合、用語「密集エマルション」は、高内相エマルションが、1)本明細書で指定された方法に従って測定して、23℃で48時間後に5%以下の肉眼で見える分離を呈する、及び/又は2)非連続的な相の別個の領域が、互いの形状に影響を及ぼす、高内相エマルションである。密集エマルションの例としては、非連続的な相に隣接するか又は隣り合う領域が、互いの形状に影響を及ぼす高内相エマルションを挙げることができる。
【0037】
本明細書で使用する場合、高内相エマルションの用語「密集濃度」は、これを超えると高内相エマルションが、1)本明細書で指定された方法に従って測定して、23℃で48時間後に5%以下の肉眼で見える分離を呈する、及び/又は2)非連続的な相の別個の領域が、互いの形状に影響を及ぼす、非連続的な相の最低濃度である。
【0038】
本明細書で使用する場合、高内相エマルションの用語「密集する(jam)」又は「密集している(jamming)」は、高内相エマルションが、1)本明細書で指定された方法に従って測定して、23℃で48時間後に5%以下の肉眼で見える分離を呈さない、及び/又は2)非連続的な相の別々の領域が、互いの形状に影響を及ぼすエマルションに移行する現象である。
【0039】
本明細書で使用する場合、用語「固体」は、室温で、1)容器に拘束されていない場合でさえも、画定された寸法を有するか、又は2)表面から離して持ち上げられ、その後表面上に戻されると、その元の形状を維持する材料である。
【0040】
本明細書で使用する場合、用語「液体」は、室温で、1)重力下で流れるか、又は2)入れられた容器の形状を取る材料である。液体の例としては、鉱油、水、及びシリコーン油が挙げられる。液体は、容器に注がれると、液体の露出した表面(容器の壁に接触していない表面)が、重力に起因して水平かつ平坦になり得る。液体は、約0C未満、約23℃未満、又は約40℃未満の、ASTM法D127に従って測定した氷点、融点、若しくは滴点、又はASTM法D938に従って測定した凝固点、又はASTM D97に従って測定した流動点を有し得る。液体は、ASTM D445に従って測定して、40℃で約10,000cSt未満、約1000cSt未満、又は約100cSt未満の動粘度を有し得る。
【0041】
本明細書で使用する場合、用語「半固体」は、室温で、1)幾分固体様の特性及び幾分液体様の特性を有するか、又は2)固体若しくは液体の上記の定義を満たすその能力が、評価される材料の量に依存し得る材料であり、例えば、大きい容器に入れられた少量のワセリンは重力下で流れることができず、容器の形状を取ることができない(したがって、液体の定義を満たさない)が、大きい容器に入れられた多量のワセリンは重力下で流れることができるか、又は容器の形状を取ることができる(したがって、液体の定義を満たす)。半固体の例としては、ワセリン、歯磨粉、シリコーンゲル、マヨネーズ、バター、ローション、クリーム、軟膏、及び密集エマルションが挙げられる。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「ローション」は、身体、口腔の表面、又は粘膜表面上に適用することを意図する調製物である。ローションの例としては、ハンドローション、スキンケアローション、ボディローション、日焼けローション、及び密集エマルションが挙げられる。
【0043】
本明細書で使用する場合、用語「水相」は、水、任意で少なくとも1つの活性剤を含み、疎水性相と不混和性である相である。
【0044】
本明細書で使用する場合、用語「疎水性相」は、水相と不混和性である、組成物の全ての構成成分を意味する。
【0045】
本明細書で使用する場合、領域又は液滴の、用語「等価直径」は、領域又は液滴と同じ体積を有する球体の直径を意味する。
【0046】
本明細書で使用する場合、用語「Dv 50等価直径」は、マイクロメートルでの等価直径であり、この等価直径では、疎水性相の領域又は水相の液滴の50%がより小さく、50%がより大きい。用語Dv 50におけるvは、これが体積分布を指すことを示す。多相口腔ケア組成物の疎水性相の領域のDv 50等価直径は、本明細書で指定された方法に従って測定される。
【0047】
本明細書で使用する場合、用語「D[4,3]等価直径」は、疎水性相の領域又は水相の液滴のマイクロメートルでの体積加重平均等価直径である。多相口腔ケア組成物の疎水性相の領域のD[4,3]等価直径は、本明細書で指定された方法に従って測定される。
【0048】
本明細書で使用する場合、用語「D[3,2]等価直径」は、疎水性相の領域又は水相の液滴のマイクロメートルでの表面加重平均等価直径である。多相口腔ケア組成物の疎水性相の領域のD[3,2]等価直径は、本明細書で指定された方法に従って測定される。
【0049】
本明細書で使用する場合、用語「水相の液滴の二次元密度」は、水相の多数の液滴が、a)多相口腔ケア組成物中に二次元平面の平方センチメートルで存在し、b)二次元平面での水相の液滴の断面積が指定された値よりも大きいことを意味する。
【0050】
本明細書で使用する場合、用語「疎水性相の領域の二次元密度」は、疎水性相の多数の領域が、a)多相口腔ケア組成物中に二次元平面の平方センチメートルで存在し、b)二次元平面での疎水性相の領域の断面積が指定された値よりも大きいことを意味する。
【0051】
本明細書で使用する場合、用語「円錐貫入稠度値」は、10分の1ミリメートルでの、質量、時間、及び温度の固定条件下で標準円錐が試料に貫入するであろう深さを意味する。円錐貫入稠度値は、ASTM法D937に従って測定される。
【0052】
本明細書で使用する場合、用語「送達支持材料」は、歯の表面に対して多相口腔ケア組成物を保持するために使用される材料又は器具を含む。送達支持材料の例としては、ストリップ又は歯科用トレイが挙げられる。
【0053】
用語「ストリップ」は、本明細書で使用する場合、1)その最も長い寸法長さが、一般に、その幅よりも大きい、及び2)その幅が、一般に、その厚さよりも大きい材料を含む。ストリップは、長方形、アーチ状、湾曲状、半円状であってもよく、丸みのある角部を有してよい、その内部へとスリットカットを有してよい、その内部へとノッチカットを有してよい、三次元形状内へと湾曲してよい、又はそれらの組み合わせであってもよい。ストリップは、固体、半固体、表面模様付き、型取り可能、可撓性、変形可能、持続的に変形可能、又はそれらの組み合わせであってもよい。ストリップは、ポリエチレン又はワックスシートを含む、プラスチックシートから作製されてよい。ストリップの例としては、約66mmの長さ、15mmの幅、及び0.0178mmの厚さの、ポリエチレン部品が挙げられる。持続的に変形可能なストリップの例としては、約66mmの長さ、15mmの幅、及び0.4mmの厚さの、鋳造ワックスシート部品が挙げられる。
【0054】
本明細書で使用する場合、用語「すすぎ可能」は、特定の期間、特定の温度で水を使用して、材料を表面からすすぐことができることを意味する。すすぎ可能な材料の例としては、一般に、ハチミツ、ミルク、及び以下の実施例I-A、I-B、I-C、I-D、I-E、及びI-Fなどの水中油型エマルションを含む組成物が挙げられる。
【0055】
本明細書で使用する場合、用語「分散性」は、材料を特定の温度で水に分散させることができることを意味する。材料の水分散性は、本明細書で指定された方法に従って測定される。水分散性材料の例としては、一般に、以下の実施例I-A、I-B、I-C、I-D、I-E、及びI-Fなどの水中油型エマルションを含む組成物が挙げられる。
【0056】
本明細書で使用する場合、用語「肉眼で見える分離」は、1つ以上の構成成分の少なくとも一部又は組成物の1つ以上の相が組成物から分離する現象である。肉眼で見える分離は、本明細書で指定された方法に従って測定される。肉眼で見える分離の欠如は、組成物の物理的安定性の尺度である。
【0057】
本明細書で使用する場合、用語「不均質な混合物」は、2つ以上の物質の不均質な組み合わせである。不均質な混合物の例としては、水中油型エマルション、及び密集エマルションなどのエマルションが挙げられる。不均質な混合物は、均質な混合物(溶質が溶媒中に均一に溶解している溶液など)を含まない。
【0058】
本明細書で使用する場合、用語「不均質な分散体」は、2つ以上の物質の不均質な組み合わせである不均質な分散体の例としては、水中油型エマルション及び密集エマルションなどのエマルションが挙げられる。不均質な分散体は、均質な分散体(溶質が溶媒中に均一に溶解している溶液など)を含まない。
【0059】
本明細書で使用する場合、用語「ワセリン」は、炭化水素の半固体混合物を意味する。ワセリンは、ASTM法D937に従って測定して、約10~約500、好ましくは約25~約300、より好ましくは約50~約250、又はより好ましくは約100~約200の円錐貫入稠度値を有し得る。ワセリンは、約約40℃~約120℃、好ましくは約50℃~約100℃、より好ましくは約50°~約90℃、又はより好ましくは約60℃~約80℃のASTM法D127に従って測定した融点若しくは滴点、又はASTM法D938に従って測定した凝固点を有し得る。
【0060】
本明細書で使用する場合、用語「鉱油」は、炭化水素の液体混合物を意味する。鉱油は、ASTM法D937に従って測定して、約600超、好ましくは約500超、又はより好ましくは約400超の円錐貫入稠度値を有し得る。鉱油は、約0℃未満、約23℃未満、又は約40℃未満の、ASTM法D127に従って測定した氷点、融点、若しくは滴点、又はASTM法D938に従って測定した凝固点、又はASTM D97に従って測定した流動点を有し得る。鉱油は、ASTM D445に従って測定して、40℃で約10,000cSt未満、約1000cSt未満、又は約100cSt未満の動粘度を有し得る。
【0061】
乳化剤の用語「HLB」は、親水性物質-親油性バランス、即ち、乳化剤の親水性(水を好む又は極性)基と親油性(油を好む又は非極性)基とのサイズ及び強度のバランスの表現である。HLB値は、以下のように数量化される。
A.非イオン性乳化剤(プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、窒素、又は硫黄を含有するものを除く)については、HLB値は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、ICI Americas(Wilmington Delaware 19897)からの「The HLB system-a time-saving guide to emulsifier selection」で指定された手順に従って計算され、そのHLB値と共に、その中に列挙されている様々な乳化剤及び複数の乳化剤のブレンドを含む。
B.イオン性乳化剤については、HLB値は、1)J.T.Davies J.H.Schulman(Ed.),Proceedings of the 2nd International Congress on Surface Activity,Academic Press,New York(1957)による「A quantitative kinetic theory of emulsion type I,physical chemistry of the emulsifying agent」、2)Davies,J.T.(1959)Proc.Int.Congr.Surf.Act.,1,426、及び/又は3)Davies,J.T.and Rideal,E.K.(1961)Interfacial Phenomenaに指定された手順に従って計算される。
C.全ての他の乳化剤及びHLB値を上記の2つの手順のいずれかに従って計算することができないものについては、HLB値は、ICI Americas(Wilmington Delaware 19897からの「The HLB system-a time-saving guide to emulsifier selection」に指定された実験手順に従って実験的に測定される。
【0062】
本明細書で使用する場合、用語「又は」は、2つ以上の要素の接続詞として使用される場合に、要素を個々に、及び組み合わせで含むことを意味し、例えば、X又はYは、X若しくはY、又はこれら両方を意味する。
【0063】
本明細書で使用する場合、冠詞「a」及び「an」は、特許請求される又は記載される材料、例えば、「口腔ケア組成物」又は「漂白剤」の1つ以上を意味するものと理解される。
【0064】
本明細書で使用する場合、用語「安全かつ有効な量」は、健全な医学/歯学的判断の範囲内で、処置すべき状態を有意に(よい方向に)改変するか、又は所望のホワイトニング結果に影響を及ぼすには十分多いが、重篤な副作用を(妥当な利益/危険比で)回避するのに十分に少ない、構成成分の量を意味する。構成成分の安全かつ有効な量は、処置される特別な症状、処置される患者の年齢及び身体状態、症状の重さ、処置期間、併用療法の性質、用いられる特定の形態、並びに構成成分に適用する特別な溶媒により、変化し得る。
【0065】
本明細書で使用する場合、用語「ホワイトニングを達成するための十分な期間」は、適用当たり、約10秒を超える間、又は約2.5分~約12時間(例えば、一晩中にわたる処置)、若しくは約3分~約180分などの、約1分を超える間、又は約5分~約60分などの、約5分を超える間、又は約10分~約60分などの、約10分を超える間、又は約1、5、10分若しくは15分~約20、30、60、120分の間、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲に、参加者によって組成物が使用若しくは装着されるか、又は組成物を使用若しくは装着するように参加者に指示することを意味する。加えて、処置は、一日に約1、2又は3回~一日に約4、5、6又は7回適用されてよい。この処置は、約1、2、3、4、5、6、若しくは約7日~約8、9、10、11、12、13、14、21、若しくは28日の間、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲に関して適用されてもよい。更に、所望の効果を達成するための処置の長さ、例えば歯のホワイトニングは、指定の期間の間持続し得、例えば、約1日~約6ヶ月、約1日~約28日、又は約7~約28日、必要に応じて繰り返されてもよい。最適な適用の持続時間及び頻度は、所望の効果、処置される任意の条件の重篤度、患者の健康及び年齢並びに同様の見地に依存するであろう。
【0066】
用語「ディスペンサ」は、本明細書で使用する場合、口腔ケア組成物を分配するのに好適な、任意のポンプ、チューブ、又は容器を意味する。
【0067】
本明細書で以後使用される全ての割合及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量%(wt%)である。本明細書で言及される成分の百分率、比率、及びレベルは、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、かつ市販製品として成分に組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又は他の物質を含まない。
【0068】
特に指示がない限り、本明細書で言及される測定は、全て約23℃+/-1℃(即ち、室温)で行われる。
【0069】
本明細書で指定された方法を有する全てのパラメータは、特に指示がない限り、本明細書で指定された方法を使用して測定される。
【0070】
本明細書で有用な「有効物質及び他の成分」は、美容的及び/若しくは治療的効果、又はそれらが要求される作用形態若しくは機能により、本明細書中で分類又は記述してよい。しかしながら、本明細書で有用な有効物質及び他の成分が、場合によっては、2つ以上の美容的及び/又は治療的効果をもたらす、あるいは2つ以上の作用形態で機能又は作用してよい、と理解すべきである。したがって、本明細書における分類は便宜上実施されるものであり、成分を列挙される具体的に規定した機能又は作用に制限しようとするものではない。
【0071】
用語「歯」は、本明細書で使用する場合、天然歯、並びに人工歯、又は義歯を意味し、1つの歯又は複数の歯を含むように解釈される。したがって、用語「歯の表面」は、本明細書で使用する場合、天然歯の表面、並びに人口歯の表面、又は義歯の表面を意味する。
【0072】
用語「経口で受容可能な支持材料」は、口腔内にて使用するのに好適な1つ以上の相溶性のある固体若しくは液体賦形剤、又は希釈剤を含む。用語「相溶性」は、本明細書で使用する場合、組成物の構成成分が、組成物の安定性及び/又は有効性を実質的に低下させるような方式で相互作用することなく、混合され得ることを意味する。
【0073】
本明細書全体を通して「消費者」又は「患者」への具体的な言及がなされるが、これらの用語は、多相口腔ケア組成物の任意の使用者を指すために互換的に使用される。消費者又は患者は、口腔自体に組成物を適用することができるか、又は歯科医、衛生医、歯列矯正医、又は他の医療専門家若しくは歯科専門家などの第三者によって口腔に適用される組成物を適用させてもよい。
【0074】
密集エマルション
本明細書に記載されるように、本発明は、漂白剤などの活性剤を送達するための多相口腔ケア組成物に関する。本明細書に記載の多相口腔ケア組成物は、高内相エマルション、又は好ましくは、密集水中油型エマルションを含む。
【0075】
従来の水中油型エマルションは、非連続的な疎水性相及び連続的な水相を有する多相組成物である。安定な水中油型エマルションは、少量の疎水性相を多量の水相と組み合わせることによって調製することができる。従来の水中油型エマルションは、連続的な水相内に懸濁及び/又は安定化された疎水性相の非連続的な液滴である。疎水性相と水相とは不混和性であるため、一般に、肉眼で見える分離が生じる前には、疎水性相のほんの少量のみが水相内で安定化され得る。
【0076】
高内相エマルションは、水中油型又は油中水型エマルションのいずれかであり得、従来のエマルションと比較して、多相組成物の体積又は重量で多量の内部の非連続的な相が存在する。高内相エマルションは、多相組成物の体積又は重量で外部の連続的な相よりも多相組成物の総体積又は総重量でより多くの内部の非連続的な相を有し得る。しかしながら、高内相エマルションの安定性は困難であることを証明することができる。高内相エマルションは、混合時、又は消費者による使用前に高内相エマルションの保管中に肉眼で見える分離を被り得る。
【0077】
本明細書に記載の密集エマルションは、予想外に安定な高内相エマルションであり得る。高内相エマルションの非連続的な相の濃度が増加するにつれて、非連続的な相の領域は、それらの間の連続的な相の領域で互いに密集し、それらの間の連続的な相の領域で互いに変形することができるように、十分に密集し得る。連続的な相及び非連続的な相の両方が液体である場合、エマルションは、密集による移行が生じると少なくとも部分的に半固体構造に移行し得る。
【0078】
例えば、図9Aは、油中水型エマルションを含む比較例VIの顕微鏡画像を示し、図9Bは、密集水中油型エマルションを含む実施例I-Bの顕微鏡画像である。画像の比較は、油中水型エマルションと、密集水中油型エマルションとの間の構造的差異を視覚的に示しており、これは密集水中油型エマルションの安定性に寄与し得る。
【0079】
便宜上、本明細書に記載の密集水中油型エマルションは、x-y平面に沿って二次元で表されるか、又は記載され得る。加えて、密集エマルションは、焦点面に起因して、図9Bなどの光学顕微鏡で二次元に見える場合がある。しかしながら、密集エマルションは三次元であることを理解されたい。
【0080】
密集エマルションの例としては、顕微鏡下で、1)非連続的な相の領域が、非連続的な相の領域間が視認可能に密集し、丸みを帯びた角部を有するか若しくは有さない多面体若しくは多角形若しくはそれに類似するものであり、連続的な相が非連続的な相の領域間に挟まれているか、2)非連続的な相の領域が、非連続的な相の領域間が視認可能に密集し、非球形形状若しくはそれに類似するものであり、連続的な相が非連続的な相の領域間に挟まれているか、3)非連続的な相の領域が、モザイク状又はタイル状パターン若しくはそれに類似するものであり、連続的な相が非連続的な相の領域間に挟まれているか、又は4)非連続的な相の領域が、ボロノイ図に類似するパターンであり、連続的な相が非連続的な相の領域間に挟まれているものが挙げられる。密集エマルションの例としては、1)エマルションの円錐貫入稠度値又は滑動流動距離が、連続的な相及び/若しくは非連続的な相のものよりも小さいか、又は2)エマルションの動粘度、Brookfield粘度、降伏応力、剪断保管弾性率、剪断損失弾性率、若しくは剪断保管弾性率対剪断損失弾性率の比率が、連続的な相及び/若しくは非連続的な相のものよりも大きいものが挙げられる。密集エマルションの例としては、顕微鏡下で、非連続的な相の領域が、非連続的な相の領域間が視認可能に密集した、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16~約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の実質的に直線の側面又は実質的な平面を有する丸みを帯びた角部を有するか又は有さない多面体又は多角形であり、連続的な相が非連続的な相の領域の間に挟まれているものが挙げられる。密集エマルションの例としては、顕微鏡下で、非連続的な相の領域の一部が、非連続的な相の領域間が視認可能に密集した、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16~約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の実質的に直線の側面又は実質的な平面を有する丸みを帯びた角部を有するか又は有さない多面体又は多角形であり、連続的な相が非連続的な相の領域の間に挟まれているものが挙げられる。
【0081】
本明細書に記載の密集エマルションは、連続的な相に非連続的な相を少しずつ添加すること、又は徐々に添加すること、又はゆっくりと添加することによって調製することができる。非連続的な相全体を連続的な相に単に組み合わせることにより、必ずしも、密集エマルションがもたらされるわけではない。ボロノイ図を使用して、密集エマルションの調製を説明及び/又は示すことができる。例えば、非連続的な相の一部が連続的な相に添加されると、非連続的な相の分子は、最も近い領域に会合して、エントロピー的に好ましくない疎水性-親水性相互作用を最小限に抑えるであろう。理論によって制限されるものではないが、非連続的な相全体を連続的な相に添加することにより、肉眼で見える分離がより起こりやすくなるであろうと考えられる。代わりに、ゆっくりと添加することによって(少しずつ添加すること又はゆっくりと連続的に添加することのいずれかによって)、非連続的な相の分子は、肉眼で見えるように分離する代わりに離散領域へと会合することができる。非連続的な相の濃度が密集濃度に到達すると、非連続的な相の別個の領域が、互い(例えば、非連続的な相の隣接するか又は隣り合う領域)の形状に影響を及ぼし得る密集への移行が生じ得、これが、密集エマルションの予期せぬ安定性に寄与し得る。密集エマルションの特定の態様では、1)非連続的な相の別個の領域は、互い(例えば、非連続的な相の隣接するか又は隣り合う領域)の形状に影響を及ぼし得、これが、実質的に球状の非連続的な領域から、密集濃度で少なくとも部分的に多面体の非連続的な領域への移行をもたらし得るか、又は2)エマルションは、本明細書で指定された方法に従って23℃で測定して、構成水相及び/若しくは疎水性相のものよりも高い降伏応力若しくはBrookfield粘度を呈し得る。
【0082】
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物は、好適な時間量で、妥当な温度の水ですすぎ可能であり得る。水ですすぎ可能である、密集エマルションの妥当な温度は、例えば、約4℃~約60℃、約20℃~約50℃、約10℃~約50℃、最高約60℃、又は約50℃未満の水温などの住宅用水源での初期収集時に水を更に加熱する必要がない、住宅地の水源から容易にアクセスされるであろう水温である。送達装置から出る密集エマルションをすすぐのに好適な時間量は、水温に依存する。例えば、好適な時間量としては、例えば、最大30約分、最大約20分、約1秒~約5分、約5秒~約1分、約1分未満、又は約30秒未満を挙げることができる。好ましくは、23℃での多相口腔ケア組成物の水によるすすぎ可能性は、最大約10分、最大約5分、最大約1分、又は最大30秒であり得る。
【0083】
多相口腔ケア組成物は、本明細書に開示の方法に従って、その水分散性によって説明することができる。多相口腔ケア組成物の水分散性は、最大約60℃の任意の好適な温度で測定することができる。多相口腔ケア組成物の水分散性は、多相口腔ケア組成物の総含有量の約5重量若しくは体積%超、約10重量若しくは体積%超、約20重量若しくは体積%超、約25重量若しくは体積%超、又は約50重量若しくは体積%超であり得る。好ましくは、23℃で測定した多相口腔ケア組成物の水分散性は、総多相口腔ケア組成物の約20重量若しくは体積%~100重量若しくは体積%、約40重量若しくは体積%~100重量若しくは体積%、約60重量若しくは体積%~100重量若しくは体積%、又は約70重量若しくは体積%超であり得る。
【0084】
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物は、高内相エマルション、又は好ましくは、密集水中油型エマルションを含み得る。密集水中油型エマルションは、疎水性相、水相、活性剤、及び任意で乳化剤を含む。
【0085】
本発明の多相口腔組成物は、不均質な混合物及び/又は不均質な分散体であってもよい。本発明の多相口腔組成物、水相、又は疎水性相は、追加の接着剤を実質的に含まなくてもよく、好ましくは追加の親水性接着剤(例えば、水分によって活性化されると粘着性になる親水性粒子)、又は追加の親水性持続性剤を実質的に含まなくてもよく、好ましくは追加の親水性液体接着剤(例えば、グリセリン)を実質的に含まなくてもよい。本発明の多相口腔組成物が、追加の接着剤、追加の親水性接着剤、追加の親水性液体接着剤、追加の親水性持続性剤、追加の親水性有効物質放出剤、又は追加の親水性過酸化物放出剤を含み、約0、0.1、0.2、0.4、1、2、3、4、5~約0、0.1、0.2、0.4、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20%の範囲で、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲で、好ましくは、多相口腔組成物の約20重量%未満、より好ましくは約10重量%未満、更により好ましくは約5重量%未満、又は最も好ましくは約0.5重量%未満で存在し得る。
【0086】
スティック型製品は、潜在的な汚染又はバイオフィルムの蓄積に起因して、口腔内で繰り返し使用するには、衛生的でない場合があることは注目に値する。唾液又は水分は、口腔内で使用されるとスティック型組成物に浸透し得、これは、活性剤、使用間の保管中に特に過酸化物などの漂白剤を劣化させ得、この劣化は、唾液中に存在する酵素によって更に促進され得る。更に、この劣化は、口腔内の唾液又は水分と直接接触するスティック型製品の先端において最も顕著であり得、スティック型製品が使用される次の時点で有効性の低下をもたらし得る。この「接触-劣化-接触」サイクルは、スティック型製品が使用されるたびに繰り返され得、最初の適用後常にではないとしても適用する毎に、有効性の低下がもたらされ得る。また、スティック型製品は、スティック型製品中に捕捉された有効物質又は過酸化物の放出を改善するために、追加の有効物質放出剤又は追加の過酸化物放出剤を必要とし得ることも注目に値する。一般に、有効物質放出剤又は過酸化物放出剤は、水が組成物に浸透することを可能にし、有効物質又は過酸化物構成成分が浸出することを可能にする水分補給チャネルを組成物中に提供し得る、親水性水溶性若しくは水膨潤性ポリマー、又は親水性液体である。しかしながら、これらのチャネルはまた、より多くの唾液が組成物に浸透することを可能に得、これにより、有効物質又は過酸化物の劣化を促進し得る。
【0087】
液体形態の多相口腔組成物は、相の密度の差に起因して、1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を呈し得ることは注目に値する。具体的には、1つ以上の液体中に分散した粒子又は液滴である液体組成物は、粒子又は液滴の密度の差に起因して、それらが分散している1つ又は複数の液体と比較して、1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を呈し得る。更に、液体形態の多相口腔組成物は、適用中又は使用中に歯を直接染色せず、歯を伝い流れるか、又は送達支持材料から流れ出る場合がある。
【0088】
したがって、本発明の多相口腔組成物の特定の態様では、スティック型製品又は液体形態はあまり好ましくないか、又は好ましくない。
【0089】
本発明の多相口腔組成物は、液体、ペースト、クリーム、ゲル、軟膏、半固体、ローション、又はそれらの任意の組み合わせ、好ましくは、半固体又はローションであり得る。本発明の多相口腔組成物は、本明細書で指定された方法によって決定されるように、チューブから分注することが容易であり得る。
【0090】
また、いくつかの製品形態、特にスティック型製品は、スティック型製品中に捕捉された有効物質又は過酸化物の放出を改善するために、追加の有効物質放出剤又は追加の過酸化物放出剤を必要とし得ることも注目に値する。一般に、有効物質放出剤又は過酸化物放出剤は、水が組成物に浸透することを可能にし、有効物質又は過酸化物が浸出することを可能にする水分補給チャネルを組成物中に提供し得る、親水性水溶性若しくは水膨潤性ポリマー、又は親水性液体である。追加の過酸化物放出剤(過炭酸ナトリウムなど)は、水に接触すると生成され得る微小気泡の結果として疎水性マトリックスを破壊するのに役立ち得、この破壊は、過酸化水素などのホワイトニング剤の放出を増強することができる。しかしながら、驚くべきことに、本発明の多相口腔組成物は、自己放出することができる(例えば、追加の有効物質放出剤又は追加の過酸化物放出剤を用いない場合でさえも、有効物質又は過酸化物を放出する)ことが発見されている。理論によって制限されるものではないが、本発明の多相口腔組成物は、(活性剤又は漂白剤を含み得る)水相が、親水性の歯の表面に直接曝露され得る少なくとも部分的に連続的な相を含み、ひいては活性剤又は漂白剤を疎水性相からほとんど障害なく又は障害なく放出することができるので、自己放出性であり得ると仮定される。したがって、本発明の多相口腔組成物、水相、又は疎水性相は、好ましくは追加の有効物質放出剤又は追加の過酸化物放出剤を実質的に含まなくてもよく、より好ましくは追加の親水性有効物質放出剤又は追加の親水性過酸化物放出剤(例えば、水溶性若しくは水膨潤性ポリマー、親水性液体、又は過炭酸ナトリウム)を実質的に含まなくてもよい。特定の態様では、本発明の多相口腔組成物及び/又は本発明の疎水性相は、自己放出性であり得る(即ち、追加の有効物質放出剤又は追加の過酸化物放出剤を用いない場合でさえも、有効物質又は過酸化物を放出する)。
【0091】
本発明の多相口腔組成物、水相、又は疎水性相は、あまり好ましくないか又は好ましくないスティック型製品の形成を促進し得るので、追加のワックスを実質的に含まなくてもよい。
【0092】
本発明の多相口腔組成物、水相、又は疎水性相は、他の成分と反応し得る漂白剤などの成分を実質的に含まなくてもよい。
【0093】
本発明の多相口腔組成物、水相、又は疎水性相は、成分、例えば、研磨剤、シリカ、ヒュームドシリカ、トリポリリン酸ナトリウム、ポリオルガノシロキサン、シリコーン樹脂とオルガノシロキサンの縮合生成物、スチレンのポリマー、エチレンのポリマー、プロピレンのポリマー、ポリビニルピロリドン、グリセリン、フッ化スズ、又はそれらの組み合わせを実質的に含まなくてもよく、多相口腔組成物が消費者による使用前に製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、又は24ヶ月)に曝露され得る温度(例えば-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、それらの成分は、1)有効性、快適性、使用経験、歯の表面における有効物質若しくは漂白剤の経時的な濃度、有効性若しくは漂白効率、若しくは成分間の相溶性を損なう場合があるか、又は2)他の成分と反応し、他の成分を劣化させ、泡沫若しくは圧力の蓄積を生じ、多相口腔組成物の歯への持続性を減少させ、多相口腔組成物の増粘若しくは硬化を引き起こすか、若しくは多相口腔組成物の好適な用量をチューブから手動で分注することを困難にするか若しくは実現不可能にするか、若しくは多相口腔組成物の1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を引き起こし得る。
【0094】
本発明の多相口腔組成物、水相、又は疎水性相は、漂白剤の安定性を減少させ得るので、ヒュームドシリカを実質的に含まなくてもよい。
【0095】
多相口腔組成物は、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃で1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、又は24ヶ月後に、チューブから手動で分注することが容易であり得る。
【0096】
供給元(Dow Corning Corporation)からの製品情報文書(書類番号52-1052B-01、2016年8月9日)は、BIO-PSA Standard Silicone Adhesivesが、ヘプタン又は酢酸エチルを溶媒として使用して供給されており、ヘプタン又は酢酸エチルの両方が強力な臭気を有し、口腔内での使用が魅力的ではないと述べている。したがって、本発明の多相口腔組成物、水相、又は疎水性相は、強い臭気を有する成分、例えば、アルコール、溶媒、酢酸エチル、ヘプタン、又は99℃未満の沸点を有する成分を実質的に含まなくてもよい。本発明の多相口腔組成物、水相、又は疎水性相は、成分、例えば、シリコーン接着剤、環状シリコーン、シリコーン、シリコーン流体、ジメチコン、鉱物油、シリコーンと炭化水素との混合物、液体シリコーンと液体炭化水素の混合物、トリメチルシロキシシリケート/ジメチコンクロスポリマー、又はそれらの組み合わせを実質的に含まなくてもよく、多相口腔組成物が消費者による使用前に製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、又は24ヶ月)に曝露され得る温度(例えば-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、それらの成分は、1)有効性、快適性、使用経験、歯の表面における有効物質若しくは漂白剤の経時的な濃度、有効性若しくは漂白効率、若しくは成分間の相溶性を損なう場合があるか、又は2)他の成分と反応し、他の成分を劣化させ、泡沫若しくは圧力の蓄積を生じ、多相口腔組成物の歯への持続性を減少させ、多相口腔組成物の増粘若しくは硬化を引き起こすか、若しくは多相口腔組成物の好適な用量をチューブから手動で分注することを困難にするか若しくは実現不可能にするか、若しくは多相口腔組成物の1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を引き起こし得る。
【0097】
本発明の多相口腔ケア組成物、水相、又は疎水性相は、構造構築剤、例えば、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン-co-ブチル酸ポリビニル、又はポリビニルピロリドン-co-プロピオン酸ポリビニルコポリマーなどの両親媒性コポリマーを実質的に含まなくてもよく、それらの構造構築剤は、口腔ケア組成物を増粘させるだけでなく、口腔ケア組成物を均質な状態に推進し得るか、又は口腔ケア組成物を均質な状態に維持し得る。これは、両親媒性コポリマーなどの構造構築剤が、1)親水性である少なくとも1つのモノマーを有し、これにより多相口腔組成物が唾液若しくは他の液体中でより洗い流されやすくさせ得るか、又は2)口腔ケア組成物を均質な状態へと推進し得、これにより経時的に歯の表面における有効物質又は漂白剤の濃度を減少させ得るためである。
【0098】
水相
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物、高内相エマルション、又は密集水中油型エマルションは、水相を含む。水相は、少なくとも部分的に連続的、本質的に連続的、又は好ましくは連続的であり得る。
【0099】
多相口腔ケア組成物は、多相口腔ケア組成物又は密集水中油型エマルションの約0.01重量若しくは体積%~約25重量若しくは体積%、約1重量若しくは体積%~約20重量若しくは体積%、約2.5重量若しくは体積%~約20重量若しくは体積%、又は好ましくは約5重量若しくは体積%~約15重量若しくは体積%の水相を含む。
【0100】
水相はまた、例えば、分子量が約200~約20,000の保湿剤を含むポリアルキレングリコール、又はそれらの組み合わせなどの他の水溶性溶媒を含んでもよい。好適な保湿剤としては、一般に、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、及びプロピレングリコール、並びにそれらの混合物などの、食用多価アルコールが挙げられる。水相は、水相の少なくとも約10重量若しくは体積%、少なくとも約20重量若しくは体積%、又は少なくとも約30重量若しくは体積%の水を含んでもよい。
【0101】
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物は、密集水中油型エマルションを優勢に含み得る。しかしながら、多相組成物のうちの少量が、任意で活性剤を含む水相の液滴を含み得る。水相の液滴のサイズは、存在する場合、口腔/局所刺激及び/又は歯の過敏性を低減させる要因となり得る。例えば、理論によって制限されるものではないが、多相口腔ケア組成物中に存在する水相の液滴が存在する場合、水相の液滴のサイズが大きすぎる場合、高濃度の活性剤に曝露される口腔/局所/歯の表面上の斑点が大きくなり得、これにより、口腔/局所刺激及び/又は歯の過敏性がもたらされ得る。したがって、多相口腔ケア組成物は、水相の液滴のDv 50等価直径、D[4,3]等価直径、又はD[3,2]等価直径によって説明することができる。例えば、水相の液滴のDv 50等価直径、D[4,3]等価直径、又はD[3,2]等価直径は、約0.1~5000、約0.1~約500、又は約1~約50マイクロメートルであり得る。
【0102】
水相の、高い密度の大きい液滴を有する多相口腔ケア組成物は、口腔/局所刺激、及び/又は歯の過敏性をもたらし得る。したがって、口腔/局所刺激及び/又は歯の過敏性を最小限に抑えるために、水相の大きい液滴の密度を最小限にすることが有利であり得る。「水相の液滴の二次元密度」を測定するために本明細書で指定された方法を使用して、液滴を二次元で測定することができる-これは、光学顕微鏡を使用して、(焦点面において)指定のサイズよりも大きい液滴の数を数えることによって行うことができる。例えば、多相口腔ケア組成物の1cmで見られる10000平方マイクロメートルよりも高い水相の液滴の二次元密度は、最大約1、最大約0.1、又は好ましくは0であり得る。好ましくは、多相口腔ケア組成物は、最大約1000、3000、10000、20000、又は50000平方マイクロメートルの断面積を有する水相の液滴を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。
【0103】
多相口腔組成物は、任意で乳化剤を含む、過酸化水素などの漂白剤の水溶液を含んでもよい。
【0104】
疎水性相
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物、又は高内相エマルション、好ましくは密集水中油型エマルションは、疎水性相を含む。疎水性相は、少なくとも部分的に非連続的、本質的に非連続的、又は好ましくは非連続的である。
【0105】
本発明は、安全かつ有効な量の疎水性相を含む。多相口腔ケア組成物は、多相口腔ケア組成物又は密集水中油型エマルションの約75重量若しくは体積%~約99重量若しくは体積%、約80重量若しくは体積%~約97.5重量若しくは体積%、約80重量若しくは体積%超、約90重量若しくは体積%超、又は好ましくは約85重量若しくは体積%~約95重量若しくは体積%の疎水性相を含む。
【0106】
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物に使用される疎水性相の密度は、約0.8g/cm~約1.0g/cm、約0.85g/cm~約0.95g/cm、若しくは約0.9g/cmの範囲、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。
【0107】
疎水性相は、非毒性の食用油などの、非毒性の油を含み得る。疎水性相は、非毒性の食用油、飽和又は不飽和脂肪アルコール、脂肪族炭化水素、長鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、及びそれらの組み合わせを含み得る。疎水性相はまた、シリコーン、ポリシロキサン、及びそれらの混合物を含んでもよい。疎水性相は、好ましくは鉱油、ワセリン、及びそれらの組み合わせから選択され得る。好ましいワセリンは、白色ワセリンである。ワセリンの他の例としては、Calumet Specialty Products(Indianapolis,IN)からのSnow White Pet-C、Sonneborn(Parsippany,NJ)からのG-2191、SonnebornからのG-2218、SonnebornからのG-1958、SonnebornからのG-2180、SonnebornからのSnow White V28 EP、及びSonnebornからのSnow White V30、SonnebornからのG-2494、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0108】
多相口腔組成物は、鉱油を含み得る非連続的な相を含み得る。多相口腔組成物は、疎水性相として鉱油を含み得る疎水性相を含み得る。
【0109】
脂肪族炭化水素は、デカン、2エチルデカン、テトラデカン、イソテトラデカン、ヘキサデカン、エイコサン、及びそれらの組み合わせなどの、約10、12、14又は16個~約16、18、20、22、24、26、28、30、36、40個の炭素原子を含み得る。長鎖トリグリセリドは、植物油、魚油、動物性脂肪、硬化植物油、部分的硬化植物油、半合成トリグリセリド、合成トリグリセリド、及びそれらの混合物を含んでもよい。精留された、これらの種類の精製油又は純化油を使用することもできる。長鎖トリグリセリド含有油の例としては、アーモンド油、ババス油、ルリヂサ油、クロフサスグリ種子油、キャノーラ油、ヒマシ油、椰子油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、月見草油、アマニ油グレープシード油、落花生油、からし油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、鮫肝油、大豆油、ヒマワリ油、水素添加ヒマシ油、硬化椰子油、硬化パーム油、硬化大豆油、硬化植物油、硬化綿実油と硬化ヒマシ油との混合物、部分的硬化大豆油、部分的硬化大豆油と部分的硬化綿実油との混合物、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリリノレイン酸グリセリル、Ω3-ポリ不飽和脂肪酸トリグリセリド含有油、及びそれらの混合物が挙げられる。長鎖トリグリセリド含有油としては、トウモロコシ油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマシ油、亜麻仁油、菜種油、米糠油、椰子油、硬化ヒマシ油、部分的硬化大豆油、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、Ω3-ポリ不飽和脂肪酸トリグリセリド含有油、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0110】
飽和又は不飽和脂肪アルコールは、約6~約20個の炭素原子、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、及びそれらの混合物を有してもよい。例えば、Lipo Chemicalにより、Lipowax(セテアリルアルコール及びセテアレス-20)が供給及び製造される。
【0111】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂を含むシリコーン並びにシリコーンの製造における一般情報は、高分子工業科学百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第15巻、第2版、204~308頁、John Wiley & Sons Inc.)、及びChemistry and Technology of Silicones(Walter Noll、1989年、Academic Press Inc.(発行者Harcourt Brue Javanovich、New York)、1968年、282~287頁及び409~426頁)において見出すことができる。
【0112】
多相口腔ケア組成物、水相、又は疎水性相は、成分、例えば酸及び/又はアルコール、鉱油とエチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及び/又はブチレン/エチレン/スチレンコポリマーとの組み合わせ、特定の漂白剤、ヒュームドシリカ、ポリオルガノシロキサン、シリコーン樹脂とポリジオルガノシロキサンとのコポリマー縮合生成物、又はそれらの組み合わせ、シリコーン、ジメチコン、鉱物油、トリメチルシロキシシリケート/ジメチコンクロスポリマー、又はそれらの組み合わせ、隣接する炭素原子間に二重若しくは三重の共有結合を有する分子、スチレン基を有する分子を実質的に含まなくてもよく、多相口腔ケア組成物が消費者による使用前に製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、又は24ヶ月)に曝露され得る温度(例えば-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、それらの成分は、1)有効性、快適性、使用経験、歯の表面における有効物質若しくは漂白剤の経時的な濃度、有効性若しくは漂白効率、若しくは成分間の相溶性を損なう場合があるか、又は2)多相口腔ケア組成物が保管されるパッケージ若しくは容器内で他の成分と反応し得るか若しくは他の成分を劣化させ得るか、若しくは泡沫若しくは圧力の蓄積を生じ得る。多相口腔ケア組成物は、本段落で列挙された化合物のうちのいずれかの組成物を0.001重量%未満含んでもよく、好ましくは多相口腔ケア組成物は、酸及び/又はアルコールを含まない。理論によって制限されるものではないが、アルコールにより生じる表面張力の減少が、歯の表面における水相の保持時間を減少させ、それにより、口腔ケア有効物質の有効性を減少させる、と考えられている。酸の存在は、有効物質と矛盾し得る、及び/又は歯の表面にとって、過敏性などの負の副作用を生じ得る。したがって、多相口腔ケア組成物は、酸を含まなくてもよいか、アルコールを含まなくてもよいか、又はそれらの混合物を含まなくてもよい。
【0113】
疎水性相は、多相口腔ケア組成物中に存在する水相と比較して優勢な又は多量の割合で存在する。本明細書で使用する場合、「優勢な割合」は、多相口腔ケア組成物の疎水性相の重量又は体積パーセントが、多相口腔ケア組成物の水相の重量又は体積パーセントと比較して過剰であることを意味する。
【0114】
疎水性相の領域のサイズ及び数は、多相口腔組成物によって付与される口腔/局所刺激及び/若しくは歯の過敏性の量、又は多相口腔組成物の安定性に影響を及ぼし得る。多相口腔ケア組成物は、本明細書で指定された方法を使用して測定して、「疎水性相の領域の二次元密度」の観点で説明することができる。例えば、多相口腔ケア組成物の1cmで見られる約10、100、1000、又は好ましくは10000μmよりも高い疎水性相の領域の二次元密度は、約1~約1,000,000、約10~100,000、又は好ましくは約100~約10,000であり得る。
【0115】
同様に、多相口腔ケア組成物は、疎水性相の領域のDv50等価直径、D[4,3]等価直径、又はD[3,2]等価直径によって説明することができる。例えば、疎水性相の領域のDv 50等価直径、D[4,3]等価直径、又はD[3,2]等価直径は、約0.1~5000、約0.1~約500、又は好ましくは約1~約50マイクロメートルであり得る。
【0116】
疎水性相は、不活性であってもよい、又は少なくとも部分的に不活性であってもよい。疎水性相は、多相口腔ケア組成物の他の成分、例えば、風味剤、増粘剤、又は活性剤などと相互作用しても、相互作用しなくても、又は最小限にしか相互作用しなくてもよい。
【0117】
本明細書に開示の組成物のための好適な疎水性相は、OECD 117、分配係数(n-オクタノール/水)、HPLC法によって決定して、約2、3、4、5超の、又は約5.5超の、オクタノール/水分配係数(log Pow)を有し得る。加えて、疎水性相は、OECD 117によって決定して、約6超のlog Powを示し得る。
【0118】
理論によって制限されるものではないが、疎水性相のASTM法D127に従って測定した氷点、融点、若しくは滴点、又はASTM法D938に従って測定した凝固点、又はASTM D97に従って測定した流動点は、組成物が、1)適用中若しくは使用中に歯を直接染色し、歯を伝い流れないか、若しくは送達支持材料から流れ出ないか、2)消費者による使用前に、例えば4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、若しくは60℃などの、特定の操作、取り扱い、保管、若しくは製造温度で、例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、若しくは24ヶ月などの特定の期間の間、多相口腔ケア組成物の構成成分のうちの1つ以上の肉眼で見える分離を阻害するか、又は3)使用中に有効量の漂白剤若しくは活性剤を放出することを確実にする要因であり得る。
【0119】
具体的には、疎水性相のASTM法D127に従って測定した氷点、融点、若しくは滴点、又はASTM法D938に従って測定した凝固点、又はASTM D97に従って測定した流動点が低すぎる場合、多相口腔ケア組成物は、適用中若しくは使用中に歯を直接染色せず、歯を伝い流れるか、若しくは送達支持材料から流れ出る場合があるか、又は多相口腔ケア組成物は、本明細書に記載されるように、消費者による使用前に経験される温度及び条件で、多相口腔ケア組成物の構成成分のうちの1つ以上の肉眼で見える分離を呈し得る。対照的に、疎水性相のASTM法D127に従って測定した氷点、融点、若しくは滴点、又はASTM法D938に従って測定した凝固点、又はASTM D97に従って測定した流動点が高すぎる場合、多相口腔ケア組成物は、使用中に有効量の漂白剤又は活性剤を放出しない場合がある。
【0120】
疎水性相のASTM法D127に従って測定した氷点、融点、若しくは滴点、又はASTM法D938に従って測定した凝固点、又はASTM D97に従って測定した流動点は、約-100℃~約100℃、-50℃~約23℃、又は好ましくは約-50℃~約0℃であり得る。疎水性相のASTM法D127に従って測定した氷点、融点、若しくは滴点、又はASTM法D938に従って測定した凝固点、又はASTM D97に従って測定した流動点は、約40℃、30℃、23℃、10℃、0℃、-10℃、-20℃、-30℃、40℃、-50℃、若しくは-100℃未満、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。
【0121】
理論によって制限されるものではないが、疎水性相単独又は総合した多相口腔ケア組成物の円錐貫入稠度値、動粘度、Brookfield粘度、降伏応力、剪断保管弾性率、剪断損失弾性率、剪断保管弾性率対剪断損失弾性率の比率、又は滑動流動距離は、多相口腔ケア組成物が、1)適用中若しくは使用中に歯を直接染色し、歯を伝い流れないか、若しくは送達支持材料から流れ出ないか、2)消費者による使用前に、例えば4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、若しくは60℃などの、特定の操作、取り扱い、保管、若しくは製造温度で、例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、若しくは24ヶ月などの特定の期間の間、多相口腔ケア組成物の構成成分のうちの1つ以上の肉眼で見える分離を阻害するか、又は3)使用中に有効量の漂白剤若しくは活性剤を放出することを確実にする要因であり得る。
【0122】
具体的には、疎水性相又は多相口腔ケア組成物の円錐貫入稠度値若しくは滑動流動距離が高すぎる場合、又は動粘度、Brookfield粘度、降伏応力、剪断保管弾性率、剪断損失弾性率、若しくは剪断保管弾性率対剪断損失弾性率の比率が低すぎる場合、多相口腔ケア組成物は、適用中若しくは使用中に歯を直接染色せず、歯を伝い流れるか、若しくは送達支持材料から流れ出る場合があるか、又は多相口腔ケア組成物は、本明細書に記載されるように、消費者による使用前に経験される温度及び条件で、多相口腔ケア組成物の構成成分のうちの1つ以上の肉眼で見える分離を呈し得る。対照的に、疎水性相若しくは多相口腔ケア組成物の円錐貫入稠度値若しくは滑動流動距離が低すぎる場合、又は疎水性相若しくは多相口腔ケア組成物の動粘度、Brookfield粘度、降伏応力、剪断保管弾性率、剪断損失弾性率、若しくは剪断保管弾性率対剪断損失弾性率の比率が高すぎる場合、多相口腔ケア組成物は、使用中に有効量の漂白剤又は活性剤を放出しない場合がある。
【0123】
一般に、1)低い円錐貫入稠度値を有する疎水性相は、特に、例えば微細化によって粒径を最小化するために粉砕又は製造される活性剤又は漂白剤を含む粉末成分と組み合わせると、スティック型製品を形成する傾向があり、2)ワックスが豊富な疎水性相は、低い円錐貫入稠度値を有する傾向があり、3)スティック型製品は、低い円錐貫入稠度値を有する傾向があり、4)(スティック型製品を形成する傾向がある)低い円錐貫入稠度値を有する疎水性相はまた、漂白剤又は活性剤の放出を阻害する場合があり、5)(低い円錐貫入稠度値を有する傾向がある)スティック型製品はまた、漂白剤又は活性剤の放出を阻害し得ることは注目に値する。また、低い円錐貫入稠度値を有する多相口腔組成物、又は疎水性相が低い円錐貫入稠度値を有する多相口腔組成物は、チューブから好適な用量の多相口腔組成物を手動で分注することを困難にし得るか又は実現不可能にし得ることも注目に値する。
【0124】
したがって、特定の態様では、疎水性相又は多相口腔組成物の円錐貫入稠度値は、ASTM法D937に従って測定して、約600超、約500超、又は約400超の円錐貫入稠度値を有し得る。
【0125】
疎水性相又は多相口腔ケア組成物のBrookfield粘度は、本明細書で指定された方法に従って23℃で測定して、約10cPs~約5,000,000cPs、約1,000cPs~約500,000cPs、約1,000cPs~約100,000cPs、又は好ましくは約1,000cPs~約50,000cPsであり得る。多相口腔ケア組成物のBrookfield粘度は、水相及び/又は疎水性相の初期粘度よりも少なくとも2、5、10、25、50、100、200、及び/又は250倍高い場合がある。
【0126】
疎水性相又は多相口腔ケア組成物の動粘度は、40℃でASTM D 445によって測定して、約1mm/s~約10,000mm/s、約1mm/s~約1,000mm/s、又は好ましくは約5mm/s~約500mm/sであり得る。
【0127】
多相口腔ケア組成物の剪断保管弾性率対剪断損失弾性率の比率は、約0.01~約2、約0.5~2、又は好ましくは約1~約2であり得る。
【0128】
多相口腔ケア組成物又は疎水性相の滑動流動距離は、本明細書で指定された方法に従って測定して、最大約30mm、最大約20mm、最大約10mm、又は好ましくは約0mm~約10mmであり得る。
【0129】
多相口腔ケア組成物の降伏応力は、本明細書で指定された方法に従って23℃で測定して、約2Pa~約2000Pa、約2Pa~約500Pa、又は好ましくは約2Pa~約250Paであり得る。
【0130】
活性剤
本多相口腔ケア組成物又は高内相エマルション、好ましくは本明細書に記載の密集水中油型エマルションは、安全かつ有効な量の1つ以上の活性剤、好ましくは口腔ケア活性剤を含む。
【0131】
1つ以上の活性剤は、水相、疎水性相、又はそれらの組み合わせに溶解、少なくとも部分的に溶解、又は分散させることができる。1つ以上の活性剤は水相中にあってもよく、活性剤が水相又は疎水性相中でより可溶性であるかどうかに応じて、1つ以上の活性剤は疎水性相中に存在してもよい。
【0132】
口腔ケア活性剤は、抗虫歯剤、抗歯石剤、再石灰化剤、創傷治癒剤、抗炎症剤、抗菌剤、金属イオン源、抗解糖剤、アミノ酸、プロバイオティクス、プレバイオティクス、ポストバイオティクス、ポリホスフェート、緩衝剤、抗過敏剤、漂白剤、又はそれらの組み合わせなどの1つ以上の活性剤を含み得る。
【0133】
口腔ケア活性剤のうちの多くは、2つ以上の使用を有することができ、これにより、特定の口腔ケア有効物質が2つ以上のカテゴリー内に収まることを可能にすることができる。例えば、フッ化第一スズなどのフッ化物塩は、抗虫歯剤、金属イオン源、及び抗菌剤であり得る。フッ化第一スズ、及び他の同様の化合物は、その使用に関連する特定の効果を全て達成するために1回のみ含まれる必要がある。好ましい口腔ケア活性剤は、漂白剤である。便宜上、本明細書全体にわたって、多くの場合、漂白剤について特に言及し得るが、しかしながら、漂白剤の代わりに任意の他の口腔ケア活性剤を使用してもよい。
【0134】
口腔ケア活性剤は、抗虫歯剤を含み得る。好適な抗虫歯剤としては、抗虫歯活性を有する任意の化合物が挙げられる。いくつかの例としては、フッ化物イオン源、金属イオン源、糖アルコール、バイオガラス含有化合物、及び/又はアミノ酸が挙げられる。フッ化物イオン源としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化チタン、フッ化水素酸、フッ化アミン、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ、及び/又は他の好適なフッ化物イオン源を挙げることができる。
【0135】
本組成物は、第一スズイオン、亜鉛イオン、銅イオン、又はそれらの混合物を提供する、金属イオン源を含んでもよい。金属イオン供給源は、無機若しくは有機対イオンを有する、第一スズ、亜鉛、又は銅の可溶性又は難溶性化合物であり得る。例としては、第一スズ、亜鉛、及び銅のフッ化物、塩化物、塩化フッ化物、アセテート、ヘキサフルオロジルコニウム酸、サルフェート、タルタレート、グルコネート、シトレート、マレート、グリシナート、ピロホスフェート、メタホスフェート、オキサレート、ホスフェート、カーボネート、及び酸化物が挙げられる。第一スズ、亜鉛及び銅イオンは金属イオン源由来であり、多相口腔ケア組成物中に、口腔ケア効果又は他の効果を提供するのに有効な量で含まれ得る。第一スズ、亜鉛及び銅イオンは、歯肉炎、歯垢、過敏性の低減、及び改善された口臭効果に役立つことが示されている。有効量は、総組成物の少なくとも約500ppm~約20,000ppm、好ましくは約2,000ppm~約15,000ppmの金属イオンとして定義される。より好ましくは、金属イオンは、約3,000ppm~約13,000ppm、更により好ましくは約5,000ppm~約10,000ppmの量で存在し得る。これは、歯の表面への送達のために組成物中に存在する金属イオン(第一スズ、亜鉛、銅、及びそれらの混合物)の総量である。
【0136】
他の金属イオン源としては、再石灰化を起こすことができるミネラル及び/又はカルシウム含有化合物、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、非晶質リン酸カルシウム、結晶質リン酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、シュウ酸、シュウ酸二カリウム、シュウ酸一ナトリウム一カリウム、カゼインホスホペプチド、及び/又はカゼインホスホペプチドでコーティングしたヒドロキシアパタイトなどを挙げることができる。
【0137】
糖アルコールとしては、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、グリセリン、又は抗虫歯効果を提供することができる任意の他の糖アルコールを挙げることができる。
【0138】
バイオガラス含有化合物は、米国特許第5,735,942号に記載されているように、SiO、CaO、NaO、P、CaF、B、KO、MgOのうちの1つ以上を含む。
【0139】
好適なアミノ酸としては、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、及びグルタミン酸、アルギニン、システイン、グルタミン、チロシン、グリシン、オルニチン、プロリン、及びセリン、ペプチド、アミノ酸のカルシウム塩、及び/又はペプチドが挙げられる。
【0140】
口腔ケア活性剤は、治癒又は再生プロセスを促進又は増強する、治癒剤を含み得る。そのような治癒剤は、ヒアルロン酸又はその塩、グルコサミン又はその塩、アラントイン、クルクミン、Dパンテノール、ナイアシンアミド、エラグ酸、フラボノイド(フィセチン、ケルセチン、ルテオリン、アピゲニンを含む)、ビタミンE、ユビキノン又はそれらの混合物を含み得る。また、治癒剤としては、エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid、EPA)及びドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid、DHA)、並びにドコサペンタエン酸(docosapentaenoic acid、DPA)クルパノドン酸、Resolvin DのRvD1(7S,8R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD2(7S,16R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD3(4S,7R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD4(4S,5,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD5(7S,17S-ジヒドロキシ-DHA)、並びにRvD6(4S,17S-ジヒドロキシ-DHA)及びResolvin EのRvE1(5S,12R,18R-トリヒドロキシ-EPA)、18S-Rv1(5S,12R,18S-トリヒドロキシ-EPA)、RvE2(5S,18R-ジヒドロキシ-EPA)、及びRvE3(17R,18R/S-ジヒドロキシ-EPA)などのレゾルビン、レチノール、トラネキサム酸、グリシン、レチノール、アミノ酸、ナイアシンアミド、及び/又はヒト成長因子を挙げることができる。
【0141】
口腔ケア活性剤は、Lactobacillus reuteri ATCC 55730、Lactobacillus salivarius strain TI12711(LS 1)、Lactobacillus paracasei ADP-1、Streptococcus salivarius K12、Bifidobacterium DN-173 010、L.paracasei株(pro-t-action(商標))の濾液、S.Oralis KJ3,S.rattus JH145,S.uberis KJ2、Lactobacillus,reuteri Prodentis、Lactobacillus salivarius LS1、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus paracasei ADP1、Streptococcus salivarius M18、K12、又はBLIS K12及びBLIS M18、Bacillus Amyloliquefaciens、Bacillus Clausii、Bacillus Coagulans、Bacillus Subtilis、Bacillus subtilis:E-300、Bifidobacterium Animalis、Bifidobacterium B6、Bifidobacterium Bifidum、Bifidobacterium Breve(Bb-03)、Bifidobacterium DN-173 010、Bifidobacterium GBI30 6068、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium Lactis、Bifidobacterium lactis Bb-12、Bifidobacterium Longum、Bifidobacterium Thermophilum、Enterococcus Faecalis、Enterococcus Faecium、Enterococcus Faecium NCIMB10415、Enterococcus LAB SF 68、Lactobacilli reuteri ATCC55730及びATCC PTA5289、Lactobacilli reuteri ATCC55730及びATCC PTA5289(10:1)、Lactobacillus Acidophilus、Lactobacillus acidophilus ATCC4356及びBifidobacterium bifidum ATCC29521、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium lactis、Lactobacillus Brevis、Lactobacillus Casei(亜種、Casi)、Lactobacillus casei Shirota、Lactobacillus Confusus、Lactobacillus crispatus YIT12319、Lactobacillus Curvatus、Lactobacillus Delbrueckii Ssp.Bulgaricus PXN39、Lactobacillus Fermentum、Lactobacillus fermentum YIT12320、Lactobacillus Gasseri、Lactobacillus gasseri YIT12321、Lactobacillus Helveticus、Lactobacillus Johnsonii、Lactobacillus Kimchii、Lactobacillus Lactis L1A、Lactobacillus Paracasei(Lpc37)、Lactobacillus paracasei GMNL-33、Lactobacillus Pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus Plantarum、Lactobacillus Protectus、Lactobacillus Reuteri、Lactobacillus reuteri ATCC55730、Lactobacillus reuteri SD2112(ATCC55730)、Lactobacillus Rhamnosus(GG)、Lactobacillus rhamnosus GG、Lactobacillus rhamnosus GG、L.rhamnosus LC705、Propionibacterium freudenreichii ssp、shermanii JS、Lactobacillus rhamnosus L8020、Lactobacillus rhamnosus LB21、Lactobacillus Salivarius、Lactobacillus salivarius WB21、Lactobacillus Sporogenes、Lactococcus Lactis Ssp Diacetylactis、Lactococcus Lactis Ssp.Lactis、Pediococcus Acidilactici、Pediococcus Pentosaceus、Saccharomyces Boulardii、Saccharomyces Cerevisiae、Strep.uberis KJ2sm、Strep.oralis KJ3sm、trep.rattus JH145、Streptococcus mitis YIT12322、Streptococcus Oralis KJ3、Streptococcus Rattus JH145、Streptococcus Salivarius(BLIS K12、又はBLIS M18)、Streptococcus salivarius K12、Streptococcus Thermophilus、Streptococcus Uberis KJ2、Thermus thermophiles、Weissella cibaria CMS2、Weissella cibaria CMS3、及びWeissella cibaria CMU、から選択される、1つ以上のプロバイオティクスを含み得る。
【0142】
本発明の多相口腔ケア組成物にプロバイオティクスを使用して、虫歯及び歯垢の低減、歯茎の健康の促進、口臭の改善、及びホワイトニングの促進などの、肯定的な口腔内の健康効果を促進することができる。多相口腔ケア組成物におけるプロバイオティクスの有効性は、以下の1つ以上の項目、唾液のmutans streptococciレベルの低減、歯肉溝液の減少、歯肉下の歯垢による歯周病(C.直筋、及びP.歯肉炎)の減少、酵母数の減少、口腔カンジダ有病率の減少、口腔の揮発性硫黄化合物(volatile sulfur compound、VSC)レベルの低減、並びにTNF-α及びIL-8の生成の低減、を測定することによって、決定することができる。理論によって制限されるものではないが、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、口腔内の特定の種類の細菌を除去する又は減少させる細菌毒素の生成を介して達成されてよい、と考えられており、更に、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、衛生問題をもたらし得る生物膜又は粘着性の堆積物の生成若しくは溶解/緩みを抑制する、1種以上の酵素の細菌生成を介して、達成されてよい。
【0143】
本多相口腔ケア組成物は、歯の表面の漂白及び歯に付着した着色の除去又は減少を対象とし、安全かつ有効な量の少なくとも1つの抗結石剤が本明細書に開示の組成物に添加され得る。多相口腔ケア組成物は、多相口腔ケア組成物の約0.01重量%~約40重量%、約0.1重量%~約25重量%、約4.5重量%~約20重量%、若しくは約5重量%~約15重量%、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る抗結石剤を含み得る。抗結石剤はまた、多相口腔ケア組成物の他の構成成分、好ましい実施形態ではホワイトニング剤と相溶性であり得る。抗結石剤はまた、ポリホスフェート及びその塩、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)及びその塩、ポリオレフィンスルホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ジホスホン酸及びその塩、ホスホノアルカンカルボン酸及びその塩、ポリホスホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ポリペプチド、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができ、前述の塩が、アルカリ金属塩であり得る。特定の態様では、本多相口腔ケア組成物において使用される抗結石剤はまた、ピロホスフェート、ポリホスフェート、ポリホスホネート、及びそれらの混合物などの漂白剤に対する、安定化効果を示す。
【0144】
例えば、抗結石剤は、ポリホスフェートであってもよい。ポリホスフェートは一般に、主に直鎖構造に配置された2つ以上のホスフェート分子を含むと理解されているが、いくつかの環状誘導体が存在する場合もある。直鎖ポリホスフェートは(X POに対応し、式中、nが、約2~約125であり、好ましくは、nが、4超であり、Xが、例えば、ナトリウム、カリウムなどである。(X POに関して、nが少なくとも3である場合、ポリホスフェートは、特徴的にガラス質であり得る。これらのホスフェートに関する対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、C~Cアルカノールアンモニウム及びその塩混合物であってもよい。ポリホスフェートは、一般に、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びそれらの混合物などの、全体的に又は部分的に中和された水溶性アルカリ金属塩として用いられる。無機ポリホスフェート塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)トリポリホスフェート、テトラポリホスフェート、二酸ジアルキル金属(例えば、二ナトリウム)、一酸トリアルキル金属(例えば、三ナトリウム)、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)ヘキサメタホスフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。テトラポリホスフェートよりも大きいポリホスフェートは、通常、商業的にSodaphos(n≒6)、Hexaphos(n≒13)、ガラスH(n≒21)、及びそれらの混合物として知られている、FMC Corporationにより製造されるものなどの、非晶質ガラス質材料として生じる。存在する場合、本組成物は、典型的には、組成物の約0.5重量%~約20重量%、約4重量%~約15重量%、又はより好ましくは約6重量%~約12重量%のポリホスフェートを含むであろう。
【0145】
本組成物に有用なピロホスフェートとしては、アルカリ金属ピロホスフェート、ジ-、トリ-及びモノ-ピロリン酸カリウム又はピロリン酸ナトリウム、ジアルカリ金属ピロホスフェート、テトラアルカリ金属ピロホスフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。例えば、ピロホスフェートは、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na)、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、ピロリン酸カリウム(K)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ピロリン酸四ナトリウムが好ましい。ピロリン酸四ナトリウムは、無水塩形態若しくは十水和物形態、又は本発明の組成物中、固形形態で安定している任意の他の種であってもよい。本塩は固体粒子形態であり、これは、塩の粒径が、好ましくは、審美的に許容可能であり、かつ使用中速やかに可溶するのに十分に小さい結晶状態及び/又は非晶質状態であってもよい。本組成物におけるピロホスフェートのレベルは、組成物の約1.5重量%~約15重量%、rticular約2重量%~約10重量%、より具体的には約3重量%~約8重量%であり得る。
【0146】
限定されないが、ポリホスフェート及びピロホスフェートを含むホスフェート源は、Kirk&Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Volume 18,Wiley-Interscience Publishers(1996)685~707頁により詳細に記載されている。
【0147】
ポリオレフィンホスホネートとしては、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するものが挙げられる。ポリビニルホスホネートとしては、ポリビニルホスホン酸が挙げられる。ジホスホネート及びその塩としては、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩のイオン(アルカン部分が、5、6、又は7個の炭素原子を有し、窒素原子が非置換であるか、又は、低アルキル置換基、例えばメチルを送達するようなものなど)、アザシクロヘキサン-2,2-ジホスホン酸、アザシクロペンタン-2,2-ジホスホン酸、N-メチル-アザシクロペンタン-2,3-ジホスホン酸、EHDP(ヒドロキシエタン-1,1、-ジホスホン酸)、AHP(アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸、a.k.a.1-アザシクロヘプチリデン-2,2-ジホスホン酸)、エタン-1-アミノ-1,1-ジホスホネート、ジクロロメタンジホスホネートなどが挙げられる。ホスホノアルカンカルボン酸、又はそのアルカリ金属塩としては、それぞれが酸、又はアルカリ金属塩である、PPTA(ホスホノプロパントリカルボン酸)、PBTA(ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸)が挙げられる。
【0148】
加えて、抗菌抗歯垢剤が、本発明の組成物中に存在してよい。そのような薬剤としては、限定されないが、トリクロサン、フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン(posthumulone)、プレフムロン(prehumulon)、及びそれらの組み合わせを含むホップアルファ酸、又はルプロン、アドルプロン、コルプロン、及びそれらの組み合わせを含むホップベータ酸などのホップ抽出物からのホップ酸、米国特許第3,506,720号及び欧州特許出願第0,251,591号のThe Merck Index,11th ed.(1989),pp.1529(entry no.9573)に記載の5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール、クロルヘキシジン(メルクインデックス、2090号)、アレキシジン(メルクインデックス、222号)、ヘキセチジン(Merck Index、4624号)、サンギナリン(Merck Index、8320号)、塩化ベンザルコニウム(Merck Index、1066号)、サリチルアニリド(Merck Index、8299号)、臭化ドミフェン(Merck Index、3411号)、塩化セチルピリジニウム(cetylpyridinium chloride、CPC)(Merck Index、2024号)、塩化テトラデシルピリジニウム(tetradecylpyridinium chloride、TPC)、N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム塩化物(N-tetradecyl-4-ethylpyridinium chloride、TDEPC)、オクテニジン、デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体;加えて、例えば、シトラール、ゲラニアール、並びにメントール、オイカリプトール、チモール、及びサリチル酸メチルの組み合わせなどの精油並びにそれらの組み合わせ、例えば、亜鉛イオン、スズイオン、銅イオン、及び/又はそれらの組み合わせを提供するようなものなどの、抗菌性金属及びその塩、ビスビグアニド、又はフェノール、オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾルなどの抗生物質、並びに上記の抗菌抗歯垢剤並びに/又は鵞口瘡カンジダ処置のためのようなものなどの抗真菌剤の類縁体及びその塩、の有効な抗菌量を挙げることができる。存在する場合、これらの剤は、一般に、例えば、本発明の組成物の約0.1量%~約5重量%の、安全かつ有効な量にて存在する。
【0149】
口腔ケア活性剤は、1つ以上の抗炎症剤を含み得る。そのような抗炎症剤としては、限定されないが、アスピリン、ケトロラック、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム及びメクロフェナム酸などの非ステロイド系抗炎症剤、バルデコキシブ、セレコキシブ及びロフェコキシブなどのCOX-2阻害剤、並びにそれらの混合物を挙げることができる。存在する場合、抗炎症剤は、一般に、組成物の約0.001重量%~約5重量%を含む。
【0150】
口腔ケア活性剤は、1つ以上のミネラルを含み得る。ミネラルは、歯及び歯の表面を改善することができ、したがって、本明細書に開示の組成物と共に含まれ得る。好適なミネラルとしては、例えば、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。これらのミネラルは、例えば、Drug Facts and Comparisons(loose leaf drug information service),Wolters Kluer Company(St.Louis,Mo.)、(著作権)1997,pp10-17に開示されている。
【0151】
好適な漂白剤は、歯の色を変えるか又は明るくする、漂白効果、着色漂白効果、着色除去効果、着色色換え効果、又は任意の他の効果を提供する薬剤を含み得る。例えば、漂白剤は、過酸化物ラジカル源を含み得る。加えて、漂白剤としては、過酸化物、金属塩化物、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、過硫酸塩、その場で前述の化合物を形成する化合物、及びそれらの組み合わせが挙げられてよい。過酸化化合物としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びそれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、漂白剤は、過酸化水素(H)であってもよい。好適な金属塩化物としては、塩化カルシウム、亜塩素酸バリウム、塩化マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。追加の漂白剤はまた、次亜塩素酸塩(次亜塩素酸金属など)をも含む。過硫酸塩としては、ペルオキシモノサルフェート、ペルオキシジサルフェート、及びそれらの混合物の塩が挙げられる。漂白剤などの口腔ケア活性剤は、多相口腔ケア組成物又は水中油型エマルションに水溶液として、固体として、又は液体として導入することができる。好ましくは、活性剤は、多相口腔ケア組成物に水溶液として導入される。
【0152】
多相口腔ケア組成物、又は高内相エマルション、好ましくは密集水中油型エマルションは、多相口腔ケア組成物又は密集水中油型エマルションの約0.01重量%~約10重量%、約0.05重量%~約5重量%、約0.01重量%~約1重量%、0.01重量%~1重量%未満、約1重量%~約10重量%、1重量%超~約10重量%、約3重量%~約20重量%、又は好ましくは約0.5重量%~約5重量%の漂白剤などの活性剤を含み得る。
【0153】
の水相は、水相の約5重量%~約67重量%、約10重量%~約50重量%、又は好ましくは約15重量%~約50重量%の漂白剤などの活性剤を含み得る。
【0154】
驚くべきことに、密集油中水型エマルションの形態であり得る、本明細書に開示の多相口腔ケア組成物中で、低いレベルで使用した場合でさえも、漂白剤は有意に効果的である。
【0155】
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物又は密集水中油型エマルションは、それらが、多相口腔ケア組成物中全体に比較的低い濃度の重量パーセントで存在する漂白剤と組み合わせて、水相中に高い濃度の重量パーセントで存在する漂白剤を有するので、水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度対多相口腔ケア組成物中全体に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率を高く送達することができる。理論によって制限されるものではないが、本発明における見かけ上矛盾したパラメータの驚くべき組み合わせは、たとえ、歯の表面に送達された漂白剤の全体の濃度又は量が低い場合であっても、高推進力を伴い、漂白剤を歯の表面に送達する。結果として、高い推進力が、驚くほど高いレベルの漂白有効性及び/又は漂白速度を送達し、一方で、歯の表面に送達される低い全体濃度又は低量の漂白剤は、歯の刺激敏感性を低減させるのに役立ち得る。
【0156】
水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度対多相口腔ケア組成物中全体に存在する漂白剤の重量パーセントの濃度比率は、約67000、50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、111、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5~約67000、50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、111、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。
【0157】
本発明の漂白剤は、疎水性相の保護効果により、分解に対して安定化され得る。例えば、配合に続く、30℃での180日間の保管後、本発明の多相口腔ケア組成物は、それらが共に配合された少なくとも約10%の過酸化水素の初期量を含み得る。加えて、少なくとも約25%の過酸化水素の初期量、少なくとも約50%の過酸化水素の初期量、又は少なくとも約75%の過酸化水素の初期量が、30℃での180日間の組成物の保管後に存在し得る。
【0158】
多相口腔ケア組成物は、多相口腔ケア組成物が、消費者による使用前に製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、又は24ヶ月)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の初期レベルの漂白剤を含み得る。
【0159】
安定化剤は、多相口腔ケア組成物、密集水中油型エマルション、又は水相の約0.0000001重量%~約0.1重量%、約0.000001重量%~約0.01重量%、最大約0.1重量%、又は好ましくは最大約1重量%の量で、本発明の多相口腔ケア組成物中に存在し得る。
【0160】
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物又は密集水中油型エマルションは、漂白剤のための安定化剤を含み得る。多相口腔ケア組成物によって、漂白剤を、劣化に対して更に安定化させることができる。安定化剤は、水相中などで多相口腔ケア組成物に添加され得る。好適な安定化剤としては、例えば、オルト-リン酸、リン酸水素ナトリウムなどのホスフェート、ピロホスフェート、オルガノホスホネート、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウム、第一スズ塩、亜鉛塩、サリチル酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適な安定剤はまた、ピロホスフェート又はオルガノホスホネートにより生じる抗歯石効果などの、追加の口腔ケア効果を示すことができる。
【0161】
安定化剤はまた、キレート剤を含み得る。キレート剤は、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤、又はそれらの混合物であり得る。好適なキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエタンジ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの任意の組み合わせから選択され得る。好適なキレート剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸(ethylene diamine-N'N'-disuccinic acid、EDDS)及び/又はヒドロキシエタンジホスホン酸(hydroxyethane diphosphonic acid、HEDP)、又はそれらの混合物から選択され得る。安定化剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、又はその塩を含み得る。エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸は、S,Sエナンチオマー形態であり得る。安定剤は、4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、グルタミン酸-N,N-二酢酸(glutamic acid-N,N-diacetic acid、GLDA)及び/又はその塩、2-ヒドロキシピリジン-1-オキシド、Trilon P(商標)(BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能)を含み得る。好適なキレート剤はまた、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤であり得る。好適な炭酸カルシウム結晶成長阻害剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(1-hydroxyethanediphosphonic acid、HEDP)及びその塩、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸及びその塩、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸及びその塩、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0162】
安定剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、及びその塩、並びにそれらの任意の組み合わせなどの、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤を含み得る。
【0163】
安定剤は、ヒドロキサム酸塩キレート剤を含み得る。本発明における「ヒドロキサム酸塩」は、ヒドロキサム酸、又は対応する塩、例えば、ココヒドロキサム酸塩(Axis House RK 853)を意味する。
【0164】
乳化剤
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物、又は高内相エマルション、好ましくは密集水中油型エマルションは、1つ以上の乳化剤を含む。多相口腔ケア組成物の設計に応じて、疎水性相は、乳化特性を有し得る。したがって、乳化剤及び疎水性相は、同じ化合物を含み得る。
【0165】
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物、又は高内相エマルション、好ましくは密集水中油型エマルションは、多相口腔ケア組成物又は密集水中油型エマルションの約0.001重量%~約20重量%、約0.01重量%~約10重量%、最大約10重量%、最大約5重量%、又は好ましくは約0.1重量%~約10重量%の乳化剤を含み得る。
【0166】
乳化剤として有用な界面活性剤の部類としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性、ポリマー性、合成の乳化剤、及びそれらの混合物が挙げられる。多くの好適な非イオン性及び両性界面活性剤は、米国特許第3,988,433号、米国特許第4,051,234号に開示されており、多くの好適な非イオン性界面活性剤もまた、米国特許第3,959,458号に開示されている。
【0167】
乳化剤は、ポリソルベート、アルキルサルフェート、Lipowax(登録商標)D、又はそれらの組み合わせを含み得る。好適なポリソルベート化合物としては、Tween(登録商標)20、40、60、80、又はそれらの組み合わせなどのポリソルベート20、40、60、80、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0168】
乳化剤は、アカシア、ゼラチン、レシチン、及びコレステロールなどの天然乳化剤、コロイド粘土、ベントナイト、ビーガム(ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの微細分散固体、及び脂肪酸の塩、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、サッカロースジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノステアレート、プロピレングリコールモノラウレート、モノステアリン酸ソルビタン、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン-4-ラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウムなどのサルフェート、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセリルエステル、ポリオキシエチレングリコールエステル及びエーテル、ジエチレングリコールモノステアレート、PEG 200ジステアレートなどのスルホネート、並びにソルビタンモノパルミテート、及びそれらのポリオキシエチレン誘導体、モノステアレートなどのポリオキシエチレングリコールエステル、Polysorbate 80(エトキシ化ソルビタンモノオレエート)(Spectrumなどから供給される)などのソルビタン脂肪酸エステル、などの合成乳化剤、並びにそれらの組み合わせを含み得る。
【0169】
乳化剤は、漂白剤と非反応性である界面活性剤であってもよい。例えば、漂白剤と非反応性である界面活性剤は、ヒドロキシ基、窒素基、及び結合部、隣接する炭素原子間の二重若しくは三重共有結合、Znなどの金属、又はそれらの組み合わせを実質的に含まなくてもよい。
【0170】
多相口腔ケア組成物は、成分、例えば反応性乳化剤を実質的に含まなくてもよく、多相口腔ケア組成物が消費者による使用前に製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、又は24ヶ月)に曝露され得る温度(例えば-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、それらの成分は、1)有効性、快適性、使用経験、歯の表面における有効物質若しくは漂白剤の経時的な濃度、有効性若しくは漂白効率、若しくは成分間の相溶性を損なう場合があるか、又は2)多相口腔ケア組成物が保管されるパッケージ若しくは容器内で他の成分と反応し得るか若しくは他の成分を劣化させ得るか、若しくは泡沫若しくは圧力の蓄積を生じ得る。本明細書で使用する場合、「反応性乳化剤を実質的に含まない」は、組成物が、0.001重量%未満の反応性乳化剤を含むことを意味する。
【0171】
乳化剤は、非イオン性の界面活性剤であってもよい。非イオン性の界面活性剤は、商標Tweenにて販売されている材料などの、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含む。続く節における「ポリオキシエチレン」部分に追従する数は、分子中に見出されたオキシエチレン-(CHCHO)-基の総数を意味する。「ポリソルベート」部分に追従する数は、分子のポリオキシエチレンソルビタン部分に付随する、脂肪酸の種類に関連する。モノラウレートは20により示され、モノパルミテートは40により示され、モノステアレートは60により示され、モノオレエートは80により示される。そのような材料の例は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween 20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween 40)、ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸ソルビタン(Tween 60)、ポリオキシエチレン(4)モノステアリン酸ソルビタン(Tween 61)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート(Tween 65)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween 80)、ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレエート(Tween 81)、及びポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート(Tween 85)、及びそれらの混合物。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルもまた好適であり、例として、ポリオキシエチレン(8)ステアレート(Myrj45)及びポリオキシエチレン(40)ステアレート(Myrj52)並びにそれらの混合物などの、商標Myrjにて販売されているこれらの材料が挙げられる。更に、非イオン性としては、ポロキサマー及びプルロニックなどの、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーが挙げられる。
【0172】
乳化剤中で使用することができる別の好適な部類の非イオン性界面活性剤は、商標Brijで販売されている材料などの、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。そのような材料の例は、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(Brij 30)、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(Brij 35)、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(Brij 52)、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル(Brij 56)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(Brij 58)、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(Brij 72)、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル(Brij 76)、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(Brij 78)、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル(Brij 93)、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、及びポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(Brij 99)、及びそれらの混合物である。
【0173】
非イオン性界面活性剤の一部は、商標Arlacelにて販売されている材料などのソルビタン脂肪酸エステルなどの、親脂性界面活性剤により置換されてよい。好適な親脂性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート(Arlacel 20)、ソルビタンモノパルミテート(Arlacel 40)、ソルビタンモノステアレート(Arlacel 60)、ソルビタンモノオレエート(Arlacel 80)、ソルビタンセスキオレエート(Arlacel 83)、ソルビタントリオレエート(Arlacel 85)、及びそれらの混合物が挙げられる。典型的には、約2%~約90%、又は約25%~約50%のレベルの非イオン性界面活性剤が、親脂性界面活性剤により置換されてよい。
【0174】
各乳化剤及び/又は複数の乳化剤のブレンドは、親水性-親油性バランス(HLB)値を有し得る。特徴として親油性である乳化剤は、低HLB数(約9未満)が割り当てられ、親水性である乳化剤は、高いHLB数(約11超)が割り当てられる。特定の実施形態では、技術を有する配合業者は、高内相エマルション又は好ましくは密集エマルションの形成を促進するために、親水性特性と親油性特性との好適なバランスを有する乳化剤(又は複数の乳化剤のブレンド)を選択する重要性を認識するであろう。HLBは、以前に指定された手順に従って計算される。乳化剤及びHLB値に関する情報は、1)「Emulsion science and technology」(Tharwat F.Tadrosによる編集,Wiley VCH、ISBN:978-3-527-32525-2)、2)「Classification of surface-active agents by HLB」(Journal of Cosmetic Chemists 1949におけるAtlas Powder CompanyのW.C.Griffinによる)、3)「Calculation of HLB of non-ionic surfactants」(Journal of Cosmetic Chemists 1954におけるW.C.Griffinによる)、4)「Interfacial phenomena」Chapter 8「Disperse systems and adhesion」(J.T.Davies and E.K.Ridealによる、Academic Press,New York,1963)、5)「A quantitative kinetic theory of emulsion type I,physical chemistry of the emulsifying agent」(J.T.Davies J.H.Schulman(Ed.)による、Proceedings of the 2nd International Congress on Surface Activity,1,Academic Press,New York(1957))、6)「Span and Tween」パンフレット08/10 D1005/1(Croda Europe Ltd.(England)による)、7)「Food enrichment with Omega-3 fatty acids」,Chapter 5「Stabilization of omega-3 oils and enriched foods using emulsifiers」(C.Genot,T.-H.Kabri and A.Meynier(France,Woodhead Publishingによる)、及び8)「Health Care Prodoct Guide-North America」、パンフレット「Pharmaceuticals,Dermatology,Delivering your solution,Animal Health,Nutraceuticals」(Crodaによる)に見出すことができる。これらの文献に指定されたそれらのHLB値と共に、乳化剤及び複数の乳化剤のブレンドは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0175】
水中油型エマルションに好適なHLBを達成するために、多相口腔用エマルションを形成する傾向がある乳化剤、及び水中油型エマルションを形成する乳化剤をブレンドしてもよい。ブレンドの平均HLB数は、付加性から計算することができる。
ブレンドのHLB=(a)HLB+(b)HLB 式中、a及びbが、HLB及びHLBを有する2つの乳化剤の重量分率である。
【0176】
例えば、70%のTween 80(HLB=15)及び30%のSPAN 80(HLB=4.3)を含むブレンドのHLB値を決定するには、計算は、
Tween 80からの寄与が、70%×15.0=10.5である。
SPAN 80からの寄与は、30%×4.3=1.3である。
したがって、ブレンドのHLBは、11.8(即ち、10.5+1.3)であろう。
【0177】
様々な乳化剤及び/又は複数の乳化剤のブレンドのHLB値約は、約0~約60、11超、約11~約60、約11~約40、好ましくは約11~約20、又はより好ましくは約16~約18、又はそれらの組み合わせ、又は約20~約40、又は約30~約40であり得る。
【0178】
乳化剤又は複数の乳化剤のブレンドは、親水性、水と混和性、鉱油と不混和性、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0179】
各乳化剤は、少なくとも1つの疎水性末端基及び少なくとも1つの親水性頭部基を含み得る。約6~約20個、約8~約16個、又は約10~14個の炭素原子が、約1~約4個、約1~約3個、又は約1~約2個の疎水性尾部、又は1つの疎水性尾部に存在し得る。各疎水性尾部は、最大約4個、最大約3個、又は最大約1個の分岐、又は0個の分岐を有し得る。各疎水性尾部は、最大約3個、最大約2個、最大約1個、又は0個のアルケン官能基(又は炭素-炭素二重結合)を有し得る。各乳化剤分子の親水性頭部基は、ソルビタンに結合した約PEG-4~約PEG-40、約PEG-8~約PEG-30、又は好ましくは約PEG-16~約PEG-24を含み得る。乳化剤は、各乳化剤分子中に約4~約60モル、約8~約30モル、約16~約34モルのエチレンオキシドを含み得る。
【0180】
乳化剤又は複数の乳化剤のブレンドは、PEG-20ソルビタンモノラウレート(Tween 20)、PEG-20ソルビタンモノオレエート(Tween 80)、及び/又はラウリル硫酸ナトリウムを含み得る。好ましくは、乳化剤は、PEG-20ソルビタンモノラウレートを含み得る。
【0181】
乳化剤(及びHLB)は、以下の列挙のうちの1つ以上を含み得、複数の乳化剤のブレンドは、それらの任意の組み合わせのこれらのブレンドを含み得る。Span 20(8.6のHLB)、Span 40(6.7)、Span 60(4.7)、Span 80(4.3)、Span 83(3.7)、Span 85(1.8)、Span 120(4.7)、Tween 20(16.7)、Tween 21(13.3)、Tween 40(15.6)、Tween 60(14.9)、Tween 61(9.6)、Tween 65(105)、及びTween 80(15)。
【0182】
他の任意構成成分
本明細書に開示の多相口腔ケア組成物は、追加の任意の成分を含んでもよく、それらは、以下で更に詳細に説明されるであろう。
【0183】
本明細書における多相口腔ケア組成物は、安全かつ有効な量の増粘剤、粘度調整剤、又は微粒子状充填剤を含み得る。増粘剤は、組成物の許容可能なレオロジーを更に提供し得る。粘度調整剤は、構成成分の沈降及び分離を阻害するように、又は再分散を促進する方法にて沈降を制御して、組成物の流動特性を制御し得るように、更に作用してよい。加えて、増粘剤又は粘度調整剤は、ストリップ、フィルム、又は歯科用トレイなどの好適な適用装置を用いて、適用装置の表面上への保持を増加させることにより、本組成物の使用を促進し得る。増粘剤には、本明細書に記載されたように、接着剤として機能し得る。増粘剤が存在する場合、粘度調整剤又は微粒子状充填剤は、多相口腔ケア組成物の約0.1重量%~約50重量%、約1重量%~約25重量%、又は約1重量%~約10重量%存在し得る。
【0184】
本明細書において使用することができる好適な増粘剤、粘度調整剤、又は微粒子状充填剤としては、オルガノ変性粘土、シリカ、架橋シロキサンなどの合成ポリマー、セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル-セルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロースなど)、カルボマーポリマー(例えば、架橋ポリアクリル酸コポリマー、又はホモポリマー、及びポリアルケニルポリエステルで架橋されたアクリル酸のコポリマー)、天然及び合成ゴム、カラヤゴム、グアーゴム、ゼラチン、アルギン、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、キトサン、ポリエチレン酸化物、アクリルアミドポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリ四級化合物、酸化エチレンポリマー、ポリビニルピロリドン、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー、ワックス(パラフィンワックス及び微晶蝋を含む)、ポリエチレン、ヒュームドシリカ、ポリメタクリレート、オレフィンコポリマー、水素化スチレン-ジエンコポリマー、スチレンポリエステル、ゴム、ポリ塩化ビニル、ナイロン、フルオロカーボン、ポリウレタンプレポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン、アルキル化ポリスチレン、ポリプロピレン、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エラストマー、ポリ(n-ブチルビニルエーテル)、ポリ(スチレン共無水マレイン酸)、ポリ(フマル酸アルキル共酢酸ビニル)、ポリ(t-ブチルスチレン)、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0185】
ポリエチレンの例としては、ASTM D1321下で、それぞれ約98.5及び約90.0の透過値を有する、Honeywell Corp.(Morristown,NJ)により作製されたA-C 1702又はA-C 6702、Baker Hughesからの、ポリエチレンPerformaleneシリーズが挙げられ、これには、Baker Hughes Inc.(Houston,TX)からの、ポリエチレンPerformalene 400が挙げられる。微晶蝋の例としては、Sonneborn(Parsippany,NJ)、Crompton(Witco)からのMultiwaxシリーズが挙げられ、これらには、Multiwax835、Multiwax440、Multiwax180、及びそれらの混合物が含まれる。
【0186】
ポリメタクリレートの例としては、例えば、アクリレート-メタクリレート共重合体、メタクリレート-スチレン共重合体、又はそれらの組み合わせが挙げられる。エラストマーの例としては、例えば、水素化スチレン-ブタジエン共重合体、水素化スチレン-イソプレン共重合体、エチレン-エチレン-プロピレンポリマー、エチレン-プロピレンポリマー、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンポリマー、又はそれらの混合物が挙げられる。ゴムの例として、水素化ポリイソプレンが挙げられる。粘度調整剤の他の例は、Chapman and Hall(2nd Ed.1997)の「Chemistry and Technology of Lubricants」に見出すことができる。
【0187】
好適なカルボマーは、ペンタエリスリトールのアルキルエーテルにより、若しくはスクロースのアルキルエーテルで架橋された、アクリル酸のホモポリマーの部類を含む。カルボマーは、Carbopol 934、940、941、956、及びそれらの混合物などのCarbopol(登録商標)シリーズとして、B.F.Goodrichから市販されている。ポリアクリル酸のホモポリマーについては、例えば米国特許第2,798,053号に記載されている。有用なホモポリマーの他の例としては、B.F.Goodrich Company(Greenville,SC)から入手可能な、Ultrez 10 ETD 2050、及び974Pポリマーが挙げられる。そのようなポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの、不飽和の重合性カルボン酸モノマーのホモポリマーが挙げられる。
【0188】
本発明の組成物中の任意の成分として冷却剤、減感剤、及び麻酔剤を、組成物の約0.001重量%~約10重量%、又は好ましくは約0.1重量%~約1重量%のレベルなどで使用してもよい。冷却剤、減感剤、及び麻酔剤は、刺痛、灼熱痛などの、潜在的な負の知覚を減少させ得る。冷却剤は、任意の多種多様な材料であり得る。そのような物質には、カルボキサミド、メントール、ケタール、ジオール、及びそれらの混合物が含まれる。本組成物中の任意の冷却剤は、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(「WS-3」として知られている)、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタナミド(「WS-23」として知られている)、メントール、3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール(「TK-10」として知られている)、メントングリセロールアセタール(MGAとして知られている)、メンチルラクテート(フレスコラート(登録商標)として知られている)、及びそれらの混合物などの、パラメンタンカルボキシアミド剤であり得る。本明細書で使用する場合、用語メントール及び用語メンチルは、これらの化合物の右旋性及び左旋性の異性体、及びそれらのラセミ混合物を含む。減感剤又は抗疼痛剤としては、限定されないが、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、シュウ酸塩又はシュウ酸、ガルナッツ、アサルム、クベビン、ガランガ根、黄岑、リアングミアンゼン、白しなどの天然ハーブを挙げることができる。好適な麻酔剤としては、ベンゾカイン、リドカイン、クローブ芽油、及びエタノールが挙げられる。
【0189】
加えて、本明細書で開示された組成物は、所望により、安全かつ有効な量の香料添加剤を含み得る。好適な香料添加剤としては、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブバッド油、メントール、アネトール、メチルサリチレート、ユーカリプトール、1-メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、α-イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、桂皮、バニリン、チモール、リナロオール、ケイ皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGAとして知られている)、及びそれらの混合物が挙げられる。存在する場合、香料添加剤は、一般に、組成物の約0.01重量%~約30重量%、好ましくは約0.5重量%~約20重量%、より好ましくは約1.5重量%~約15重量%のレベルで使用される。
【0190】
加えて、本発明の組成物は、所望により、スクラロース、スクロース、グルコース、サッカリン、デキストロース、レブロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩類、タウマチン、アスパルテーム、D-トリプトファン、ジヒドロカルコン類、アセスルファム及びシクラメート塩類、特にシクラミン酸ナトリウム及びサッカリンナトリウム、並びにそれらの混合物を含む、甘味剤を含み得る。存在する場合、組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、又は好ましくは約0.1重量%~約1重量%のこれらの薬剤を含有する。
【0191】
加えて、本発明の組成物には、所望により、染料、顔料、着色剤、及びそれらの混合物が含まれて、本明細書の組成物に色の付いた外観を与え得る。顔料及び/又は着色剤を本明細書の組成物に添加する利点は、着色された組成物を用いて覆う範囲がより容易に確認されるので、組成物が患者の歯を均等かつ完全に覆っているかを患者が確認することを可能にすることである。加えて、着色剤は、漂白された歯の色と同様の色を提供し得る。本明細書で有用な着色剤は漂白剤に適しており、かつこれらは安全であると認識されている。本明細書で任意で使用される染料、顔料、及び着色剤のレベルは、組成物の約0.05重量%~約20重量%、好ましくは約0.10重量%~約15重量%、より好ましくは約0.25重量%~約5重量%の範囲である。
【0192】
過酸化物化合物を含む多相組成物
過酸化物を含む多相口腔ケア組成物に関しては、驚くべきことに、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差が、使用中の、口腔/局所刺激及び/又は歯の過敏性を低減させる要因であることが見出された。各過酸化物試験ストリップは、過酸化物に接触する領域又は斑点において色が変化する、(R値の輝度を弱めるよう推進する)2つの反応域を有する。したがって、理論によって制限されるものではないが、過酸化物の試験ストリップは、口腔/局所/歯の表面のための代用物として都合よく使用されて、口腔/局所刺激及び/又は歯の過敏性をもたらし得る高過酸化物濃度の斑点を識別し得る。
【0193】
更に、過酸化物との接触により、反応域においてR値の輝度が弱められるように推進されるので、未処置の過酸化物試験ストリップの平均基線R値輝度から減算される、多相口腔ケア組成物を塗抹される過酸化物試験ストリップの平均R値輝度は、平均過酸化物濃度の測定値として都合よく使用され得る。多相口腔ケア組成物が過酸化物試験ストリップ上に塗抹される場合、高過酸化物濃度の大きい斑点を有する多相口腔ケア組成物はまた、多相口腔ケア組成物が口腔/局所/歯の表面に適用される場合、高過酸化物濃度の大きい斑点をも有し得る。これは、ひいては口腔/局所刺激、及び/又は歯の過敏性をもたらす場合がある。対照的に、多相口腔ケア組成物が過酸化物試験ストリップ上に塗抹される場合、高過酸化物濃度の小さい斑点のみを有する多相口腔ケア組成物はまた、多相口腔ケア組成物が口腔/局所/歯の表面に適用される場合、高過酸化物濃度の小さい斑点のみを有し得、これは、ひいては口腔/局所刺激及び/又は歯の過敏性の低減をもたらすことができる。多相口腔ケア組成物が過酸化物試験ストリップ上に塗抹される場合の過酸化物濃縮の斑点は、本明細書で指定された方法を使用して測定された試験ストリップにおける、過酸化物濃度の標準的な偏差により、数量化することができる。多相口腔ケア組成物が過酸化物試験ストリップ上に塗抹される場合、高過酸化物濃度の大きい斑点を有する多相口腔ケア組成物は、試験ストリップにおいて、高い過酸化物濃度の標準偏差を有する。対照的に、多相口腔ケア組成物が過酸化物試験ストリップ上に塗抹される場合、高過酸化物濃度の小さい斑点のみを有する多相口腔ケア組成物は、低い試験ストリップにおいて、過酸化物濃度の標準偏差を有する。
【0194】
更に、水相の大きい液滴を有する多相口腔ケア組成物は、多相口腔ケア組成物が過酸化物試験ストリップ上に塗抹される場合、高過酸化物濃度の大きい斑点を生じる場合がある。これは、ひいては試験ストリップにおいて、過酸化物濃度の高い標準偏差をもたらし得る。対照的に、水相の小さい液滴を有する、又は大きい液滴を有さない、多相口腔ケア組成物は、多相口腔ケア組成物が過酸化物試験ストリップ上に塗抹される場合、高過酸化物濃度の小さい斑点のみを生じさせる場合があり、これは、ひいては試験ストリップにおいて、過酸化物濃度の低い標準偏差をもたらし得る。
【0195】
本明細書で指定された方法を使用して測定された過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の過酸化物濃度の標準偏差は、最大約50、最大約25、最大約10、約5~約15、又は好ましくは約1~約10であり得る。
【0196】
過酸化物を含む多相口腔ケア組成物に関して、驚くべきことに、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の平均過酸化物濃度が、漂白有効性を送達する要因であることが見出された。理論によって制限されるものではないが、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の平均過酸化物濃度が低い場合、使用中に歯の表面へと送達される平均過酸化物の濃度もまた低い場合があり、これが低い漂白有効性をもたらし得る。対照的に、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の平均過酸化物濃度が高い場合、使用中に歯の表面へと送達される平均過酸化物の濃度もまた高い場合があり、これが高い漂白有効性をもたらし得る。
【0197】
本明細書で指定された方法を使用して測定された過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の平均過酸化物濃度は、約10~約225、約25~約200、又は好ましくは約40~約100であり得る。
【0198】
対照的に、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の平均過酸化物濃度対過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の過酸化物濃度の標準偏差の比率が低い場合、組成物は、使用中に、高い口腔/局所刺激及び/又は歯の過敏性と組み合わせられて、送達される有効性が低くなり得る。本明細書で指定された方法を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の平均過酸化物濃度対本明細書で指定された方法を使用して測定された過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の過酸化物濃度の標準偏差の比率は、約0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7.8、9、10、15、20、25、50以上、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。本明細書で指定された方法を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の平均過酸化物濃度対本明細書で指定された方法を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の過酸化物濃度の標準偏差の比率は、約0.5以上、好ましくは約1以上、より好ましくは約2以上、最も好ましくは約3.5以上、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。
【0199】
驚くべきことに、本発明の多相口腔ケア組成物のBrookfield粘度は、本明細書で指定された方法に従って測定された過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の平均過酸化物濃度に影響を与えることが見出された。具体的には、驚くべきことに、より低いBrookfield粘度を有する本発明の多相口腔ケア組成物は、本明細書で指定された方法に従って測定された過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物のより高い平均過酸化物濃度を送達することが見出された。
【0200】
水相及び疎水性相の構成成分は、組成物から、水相にすぐに溶解する漂白剤であり得る口腔ケア有効物質を放出することを可能にするように選択される。
【0201】
理論によって制限されるものではないが、密集水中油型エマルションの形態であり得る本発明が歯の表面に接触する場合、水相及び水相の構成成分が歯の表面へと移動し得ると考えられる。可能な網効果は、歯のホワイトニング効果であり得る有効物質効果が、処置される歯の表面に接触した後のみに開始されるということである。これは、漂白剤であり得る有効物質は、環境的な影響から保護され、それにより多相口腔ケア組成物の疎水性相によって使用まで安定化され得ることを意味する。したがって、活性効果が歯の表面に適用され得、また活性剤、例えば、漂白剤が、使用中の口腔環境に対して潜在的に保護され得る。それにより、ホワイトニング多相口腔ケア組成物の有効性を増強及び/又は促進することができる。
【0202】
理論によって更に制限されるものではないが、本発明は、歯の表面へのホワイトニング剤の送達を改善させ得、またしたがって、組成物の部分的な疎水性特性及び部分的な親水性特性に起因して、ホワイトニング性能を向上させ得る。そこから生じる推進力に起因して、水相中に存在する漂白剤であり得る活性剤は、歯の表面に向かって推進され得る。それにより、驚くほど低い総レベルの漂白剤が使用され得る場合でさえも、ホワイトニング速度の増加及び漂白剤の有効性の増加を達成することができる。本発明の特定の実施形態は、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、若しくは10重量%、又はそれ以下の漂白剤などの、所与の全体の総濃度で、驚くほど高いレベルのホワイトニング有効性を送達し、同程度のホワイトニングを得るのに、より少ない適用量を必要とし得るか、又は同程度のホワイトニングを得るのに、より低いゲル充填量(単位面積当たりのゲルのミリグラム)を必要とし得る。
【0203】
加えて、疎水性相が、過酸化物を分解し得る唾液による希釈及び唾液の酵素に対抗するので、歯の表面上における多相口腔ケア組成物の保持力を改善することができる。なお更に、疎水性相は、歯の水分を欠乏させにくく、ポリカルボン酸などの親水性接着剤を含有する多くの親水性組成物により生成された水の、外方向への流動を発生させにくい。疎水性相が歯の水分を欠乏させにくいので、驚くほど高いレベルのホワイトニング有効性を送達しながら更に、驚くほど低い歯の過敏性を生じ得る。
【0204】
加えて、疎水性相は、更なる利点を提供し得る。例えば、疎水性相は、疎水性相において可溶性であり得る成分のための、安定なマトリックスを提示する。例えば、通常、口腔組成物中で使用される多くの油溶性活性剤又は香料成分は、疎水性相に可溶性であり得る。即ち、香料成分は、活性剤、例えば口腔用組成物中の漂白剤の影響から、保護され得る。加えて、歯の表面における口腔組成物の使用中に、疎水性相の少なくとも一部が-理論によって制限されるものではないが、-粘膜などの口腔軟組織に向かって配置されることができ、それにより、香料化合物などの疎水性相中に存在し得る成分を、口腔へと提供する。加えて、疎水性相は、唾液による希釈などの、口腔からのいずれかの影響に対して、漂白剤などの活性剤を保護し得る。保護効果はまた、歯の表面それ自体に適用されてよく、疎水性相は、歯の表面により強い水和を提供する。
【0205】
本発明の多相口腔ケア組成物は、液体、強粘液、ゲル、半固体、固体、微粒子、粉末、粘弾性液体、粘弾性ゲル、ゾル、粘弾性固体、又はそれらの任意の組み合わせの形態であってもよい。
【0206】
理論によって制限されるものではないが、多相口腔ケア組成物の構成成分のうちの1つ以上の肉眼で見える分離は、多相口腔ケア組成物が消費者による使用前に製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、又は24ヶ月)に曝露され得る温度(例えば-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、有効性、快適性、使用経験、歯の表面における有効物質若しくは漂白剤の経時的な濃度、有効性若しくは漂白効率、又は成分間の相溶性を損なう場合がある。多相口腔ケア組成物は、23℃、40℃、及び/又は60℃で保管されている間、少なくとも2日間又は7日間の肉眼で見える分離が、本明細書に記載の方法に従って測定して、多相口腔ケア組成物の総体積の約1%、2%、又は5%以下である場合、安定であると見なすことができる。
【0207】
例えば、消費者による使用前に漂白剤又は漂白剤を含有する相の肉眼で見える分離を呈する組成物は、漂白剤の濃度を1回の用量から別の用量へ、及び/又は経時的な変化を生じ得る。これは、特定の用量での(例えば、口腔刺激又は歯の過敏性を介した)有効性、快適性、又は使用経験を損ない得、これは用量を、及び/又は経時的に変化させ得る。具体的には、例えば、漂白剤のかなりの部分が、複数の視覚的な相へと肉眼で見える分離を有する場合、この相に不釣り合いに富む用量では、口腔軟組織又は歯に接触すると口腔刺激又は歯の過敏性が引き起こされ得ながら、この相に不釣り合いに乏しい用量では、漂白有効性の送達を減少させ得る。これらの両方の条件は、一方でより高い不快感をもたらし得、他方でより低い有効性をもたらすので、望ましくない場合がある。
【0208】
23℃又は60℃で2日間後に本明細書で指定された方法に従って測定して、多相口腔ケア組成物の構成成分のうちの1つ以上の肉眼で見える分離は、多相口腔ケア組成物の約20重量若しくは体積%未満、約10重量若しくは体積%未満、約5重量若しくは体積%未満、又は好ましくは約2重量若しくは体積%未満であり得る。
【0209】
本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算される本発明の漂白有効性は、少なくとも約0.25、好ましくは少なくとも約0.5、より好ましくは少なくとも約1.0、更により好ましくは少なくとも約1.5、更により好ましくは少なくとも約2、更により好ましくは少なくとも約2.5、更により好ましくは少なくとも約3、更により好ましくは少なくとも約3.5、更により好ましくは少なくとも約4、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。一般に、本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、少なくとも0.25の黄色度の変化は、注目すべきものである。
【0210】
本発明は、本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、本発明の漂白有効性対多相口腔ケア組成物中全体に存在する漂白剤の重量パーセントの、驚くほど高い比率を送達することができる。例えば、3%の漂白剤を含有する組成物での1.5の-Δbは、0.5の、本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、漂白有効性対多相口腔ケア組成物中全体に存在する漂白剤の重量パーセントの比率を送達するであろう。
【0211】
本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、本発明の漂白有効性対多相口腔ケア組成物中全体に存在する漂白剤の重量パーセントの比率は、少なくとも約2.5、好ましくは少なくとも約5、より好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15であり得る。
【0212】
本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、本発明の漂白有効性は、水溶液又は水性ゲルの形態の比較口腔ケア組成物の漂白有効性よりも、少なくとも約10%、少なくとも約100%、少なくとも約1000%、又は少なくとも約10,000%高い場合がある。比較口腔ケア組成物は、水溶液又は水性ゲル中に溶解させた、同一濃度の同一の漂白剤を含む。
【0213】
本発明は、1)本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、可能性として若しくはたぶん試験した組成物に帰する口腔刺激を報告したか、若しくは口腔刺激を有することが観察された参加者の割合に対する漂白有効性の驚くほど高い比率、2)本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、可能性として若しくはたぶん試験した組成物に帰する歯の過敏性を報告した参加者の割合に対する本発明の漂白有効性の驚くほど高い比率、又は3)本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、可能性として若しくはたぶん試験した組成物に帰する歯の過敏性を報告したか、若しくは口腔刺激を報告したか、若しくは口腔刺激を有することが観察された参加者の割合に対する本発明の漂白有効性の驚くほど高い比率を送達する。
【0214】
本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、可能性として又はたぶん本発明に帰する歯の過敏性を報告した参加者の割合に対する本発明の漂白有効性の比率は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約5、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、更により好ましくは少なくとも約50、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。
【0215】
本明細書に開示の臨床プロトコルに従って測定しかつ-Δbとして計算した、可能性として又はたぶん本発明に帰する口腔刺激を報告したか、又は口腔刺激を有することが観察された参加者の割合に対する本発明の漂白有効性の比率は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約5、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、更により好ましくは少なくとも約50、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。
【0216】
本明細書に開示のようにかつ-Δbとして計算した、可能性として又はたぶん本発明に帰する歯の過敏性を報告したか、又は口腔刺激を報告したか、又は口腔刺激を有することが観察された参加者の割合に対する本発明の漂白有効性の比率は、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、更により好ましくは少なくとも約50、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲であり得る。
【0217】
本明細書に記載の多相口腔ケア組成物の残留過酸化物強度は、最大約200、最大約100、又は好ましくは最大約10であり得る。
【0218】
送達支持材料
本発明は更に、多相口腔ケア組成物及び/又は密集水中油型エマルションを、消費者の口腔又は口腔内の少なくとも1つの歯に直接送達するための送達システム又は方法に関し得る。多相組成物は、トレイ、マウスガード、固定器具、又はそれらの組み合わせなどの再使用可能な送達支持材料と組み合わせて使用することができる。送達支持材料が再使用可能であり得るので、本明細書に記載の多相口腔ケア組成物は、すすぎ可能又は水分散性であることが望ましい。多相組成物はまた、使い捨てストリップなどの、使い捨ての又は単回使用の送達支持材料と組み合わせて使用することができる。
【0219】
例えば、送達システムは、支持材料の第1の層及び本明細書に記載された多相口腔ケア組成物を含む第2の層を含み得、これにより、漂白剤が、放出可能に本組成物内に配置される。好適な第1の層は、材料のストリップ、歯科用トレイ、スポンジ材料、及びそれらの混合物を含む、送達支持材料を含み得る。送達支持材料は、恒久的に変形可能なストリップなどのストリップ状の材料であり得る。好適な材料のストリップ、又は恒久的に変形可能なストリップは、例えば、米国特許第6,136,297号、同第6,096,328号、同第5,894,017号、同5,891,453号、及び同5,879,691号、並びに米国特許第5,989,569号、及び第6,045,811号、並びに米国特許出願第2014/0178443(A1)号に詳細に記載されている。
【0220】
送達支持材料は、送達支持材料の一部である付着手段を介して歯に付着されてよく、例えば、送達支持材料は、一度適用されると、送達支持材料が内腔軟組織に重なって、漂白に可能な表面が大きくなるのに十分なサイズであってもよい。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に付着されてよい。
【0221】
送達支持材料は、約200nm~約1700nmの波長を有する電磁放射線に対して、透明又は半透明になり得る。送達支持材料は、約1nm~約750nm、400nm~約500nm、又は約250nm~約700nmの電磁放射線の約10%、20%、又は30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%を通過させることができる。
【0222】
送達支持材料は、口腔に接着され、それにより有効物質を放出することができる米国特許第6,709,671号に開示の溶解性フィルムストリップなどの溶解性フィルムを含んでもよく、溶解性フィルムが、水溶性ポリマー、1つ以上のポリアルコール、及び1つ以上の有効物質を含む。1種以上の有効物質に加えて、溶解性フィルムは、特定の可塑剤若しくは界面活性剤、着色剤、甘味剤、香味剤、風味増強剤又は口腔への適用を目的とする製剤の味を改変するために一般的に使用される他の賦形剤の組み合わせを含有してよい。得られた溶解性フィルムは、粘膜組織に適用した後すぐに溶解性フィルムの軟化を生じ、したがって患者が口内の不快感を長時間経験することを防止する即時濡れ性、及び通常のコーティング、切断、スリット、包装作業に好適な引張強度を特徴とする。
【0223】
溶解性フィルムは、水溶性ポリマー又は水溶性ポリマーの組み合わせ、1種以上の可塑剤又は界面活性剤、1種以上の多価アルコール、及び有効物質を含み得る。溶解性フィルムに用いられるポリマーは、親水性及び/又は水分散性であるポリマーを含む。使用できるポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体であるポリマー、単独又はそれらの混合物が挙げられる。他の任意のポリマーとしては、本発明を制限することなく、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカント、グアーガム、アカシアガム、アラビアガムなどの天然ガム、ポリアクリル酸などの水分散性ポリアクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルコポリマーが挙げられる。最終膜における水溶性ポリマーの濃度は、20~75%(w/w)の間、又は50~75%(w/w)の間で変化させることができる。
【0224】
材料のストリップは、浅いポケットを含んでもよい。多相口腔ケア組成物が材料のストリップ上に適用されると、漂白剤及び/又は口腔ケア有効物質が浅いポケットを充填して、追加の漂白剤及び/又は口腔ケア有効物質のリザーバを提供する。加えて、これらの浅いポケットは、送達系に質感を与えるのに役立つ。この材料のストリップは、浅いポケットの配列を有してもよい。一般に、浅いポケットは、およそ0.4mm幅及び約0.1mmの深さである。浅いポケットが材料のストリップ内に含まれる場合、本明細書の多相口腔ケア組成物は、約1mm未満、又は好ましくは約0.5mm未満の送達システムの全体的な厚さなどの様々な厚さでストリップに適用される。
【0225】
本明細書で使用する場合、送達システムは接着手段を含んでよく、これにより、送達システムは、口腔表面、特に歯への接着が可能である。本接着手段は、本明細書の本発明の組成物により提供されてよい、又は本接着手段は、本明細書の組成物から独立して提供されてよい(例えば、本接着手段は、本明細書の組成物から分離した相であり、組成物はまた、接着剤手段を有する)。材料のストリップは、本組成物によって提供される接着性の付着により、口腔表面上の所定の位置に保持することができる。表面を乾燥させる多相口腔ケア組成物の粘度及び通常の粘着性により、ストリップが、話し中、飲水中などに材料のストリップに対して摩擦する唇、歯、舌、及び他の口腔表面により発生する摩擦力から実質的にずれることなく、口腔表面への接着による付着を生じ得る。しかしながら、装着者が装着者の指を使用して材料のストリップを単純に剥がすことにより、材料のストリップが容易に取り外されることを可能にするのに十分なほど、口腔表面へのこの接着は低くてもよい。送達システムは、器具、化学溶媒若しくは薬品、又は過剰の摩擦を適用することなく、口腔表面から容易に取り除かれてよい。
【0226】
加えて、材料のストリップは、送達支持材料それ自体によって提供される接着手段及び付着によって、口腔表面上の所定の位置に保持され得る。例えば、材料のストリップを延伸させ、口腔軟組織へと付着、接着させることができる。加えて、送達システムを口腔軟組織へと付着させる材料のストリップの部分に、接着剤を適用してもよい。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に付着されてよい。加えて、材料のストリップは、国際公開番号第WO03/015656号に開示されるように、本明細書における本発明の組成物から独立した接着手段により、所定の位置に保持されてよい。
【0227】
好適な接着手段が、当業者に周知である。接着手段が存在する場合、これは、接着剤により提供され、接着剤は、材料を歯の表面又は口腔表面の表面に接着させるために使用される、任意の接着剤であってもよい。好適な接着剤としては、皮膚、歯茎及び粘膜接着剤が挙げられるが、これらに限定されず、これらは、口腔ケア有効物質及び/又は漂白剤が効果を発揮するために、口腔環境の湿気、化学物質、及び酵素に長い間耐え得るものでなければならないが、その後、水溶性及び/又は生物分解性でなければならない。好適な接着剤は、例えば、水溶性ポリマー、疎水性及び/又は非水溶性ポリマー、感圧性及び感湿性接着剤、例えば、口内の水分、化学物質、又は酵素などの影響の下で、口内環境に接触すると粘着性になる乾燥接着剤を含み得る。好適な接着剤としては、天然ゴム、合成樹脂、天然又は合成ゴム、上記で「増粘剤」として列挙されたこれらのゴム及びポリマー、及び既知の接着剤の種類で使用される種類の様々な他の粘着性物質が挙げられ、これらは、米国特許第2,835,628号から周知である。
【0228】
加えて、本送達システムは、任意の剥離ライナーを含み得る。剥離ライナーは、それ自体及び材料の第1の層のストリップに関して示す第2の層の組成物よりもより小さい、第2の層の組成物に関する親和性を示す、任意の材料から形成され得る。剥離ライナーは、ポリエチレン、紙、ポリエステル、又は他の材料などの、材料の剛性シートを含んでよく、その後、非粘着性材料で被覆される。剥離ライナーは、材料のストリップと実質的に同じ大きさ及び形状に切断されてよい、又は剥離ライナーは、材料をストリップから分離するための容易にアクセス可能な手段を提供するために、材料のストリップよりも大きく切断され得る。剥離ライナーは、ストリップが湾曲した場合に割れる脆性材料、又は材料の複数の部分若しくは材料の刻み目の付いた部分から形成され得る。あるいは、剥離ライナーは、典型的な接着性包帯設計などの、重なり合った2つの部分であってもよい。剥離剤として好適な材料に関する更なる説明は、Kirk-Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Volume 21,pp.207-218に見出される。
【0229】
送達支持材料は、装着者が、約1平方センチメートルの表面積を有する1つの指を使用して、各歯の上でストリップを押し得ることが見出されてきたので、材料のストリップが、約250,000パスカル未満の圧力下で恒久的な変形を介して、歯の形状へと実質的に適合するような、降伏点及び厚さを有する、恒久的に変形可能な材料のストリップであってもよい。これらは、典型的には、約100,000パスカル~約250,000パスカルの典型的な適用圧力範囲にて、各歯において、1秒又はそれ未満の間、力を加える。
【0230】
材料のストリップは、いくつかの歯に対して、及び装着者の口のアーチ周辺に適合させるために、材料のストリップを這わせ並びに曲げることを可能にする、粘弾性特性を有し得る。必要な恒久的変形が、装着者により適用される最小限の通常の力の下で発生する、ということが重要である。
【0231】
多相口腔ケア組成物はまた、歯の表面に適用することができ、それが形状付けされる前後に、変形可能なストリップによって覆うことができる。加えて、又はあるいは、多相口腔ケア組成物は、プレコーティングとして変形可能なストリップに適用されてもよく、変形可能なストリップが形状付けられた前後に、ストリップと一緒に歯の表面に適用されてもよく、ストリップは、送達システムが歯の表面上に位置付けられた場合、多相口腔ケア組成物が歯の表面に接触して、歯の表面上へと有効物質を提供するように適用される。加えて、又はあるいは、材料の変形可能なストリップは、送達支持材料を形状付けるのに十分な力により、歯へと適用されてよく、これにより、それが、少なくとも部分的に歯の形状に適合し、次いで、形状付けられた材料のストリップが歯の表面から取り外され、口腔ケア組成物が形状付けられた材料のストリップへと塗布され、また形状付けられた材料のストリップが歯の表面へと再付着し、これにより、それが、少なくとも部分的に歯の形状に適合し、かつ歯の表面に対して口腔ケア組成物を接触させる。変形可能なストリップが、多相口腔ケア組成物と共に歯の表面に適用される場合、多相口腔ケア組成物はまた、送達システムを所定の位置に十分な時間保持して、多相口腔ケア組成物の有効物質が表面において作用することを可能にする、接着剤を含んでもよい。変形可能なストリップと共に使用される場合、多相口腔ケア組成物は、材料の変形可能なストリップを形状付けるための通常の力に耐えるのに十分な押出抵抗を有してもよく、これにより、材料の変形可能なストリップの手動での形状付け中に、材料の変形可能なストリップと表面との間から、物質が実質的に押し出されない。「から実質的に押し出される」は、少なくとも50%以上の多相口腔ケア組成物が、材料の変形可能なストリップと歯と近接する軟組織表面の間から、押し出されることを意味する。
【0232】
材料の変形可能なストリップは、単一層又は積層体などの層(複数)若しくは材料の組み合わせとして、ワックス、パテ、スズ、又は箔などの、恒久的に変形可能な材料から作製されてよい。特定の実施形態では、変形可能なストリップは、Freeman Mfg&Supply Co.(Cleveland,Ohio)により配合及び製造される、#165シートワックスなどの、ワックスであってもよい。この特定のワックスは、約133,000パスカル圧力下で、歯の形状に容易に適合し、これは、装着者が、約1平方センチメートルの領域にわたって、約3ポンド(1.36kg)の通常の力を適用する場合発生する圧力である。材料の変形可能なストリップは、約0.8mmの通常のフィルム厚を有してよく、変形可能なストリップは、実質的に平坦であり、かつ丸みを帯びた角部を有する長方形の形状であってもよい。材料の変形可能なストリップは、装着者の口の湾曲及び隣接する歯の間の間隙に適合しつつ、隣接する複数の歯を覆うのに十分な長さを有してよい。材料の変形可能なストリップが、その上にコーティングされた多相口腔ケア組成物を含む場合、本明細書に開示の多相口腔ケア組成物は、約1.5mm未満の全体の厚さを有してもよい。本明細書に記載された変形可能なストリップはまた、図1図4で示す材料のストリップ12のための材料として、使用されてもよい。したがって、例えば、図1図4に関連した、上記のような材料のストリップの一般的な特徴もまた、材料の変形可能なストリップに適用されてよい。加えて、剥離ライナー及び/又は浅いポケットも同様に、材料の変形可能なストリップと組み合わされてよい。
【0233】
本組成物は、歯科用トレイ及び/又は発泡材料を含む送達支持材料と組み合わせて、使用することができる。歯科用トレイは、ホワイトニング技術において周知である。歯科用トレイ30を準備するための一般的なプロセスが、当該技術分野において周知である。歯科医は、ホワイトニングのために、伝統的に、3つの種類の歯科用器具を利用してきた。
【0234】
第1の種類は、患者の歯列弓に正確に適合する剛性器具である。例えば、全ての歯の表面及び歯肉縁に正しく合わさるアルギン酸印象材が作製され、かつ印象材から直ちに鋳型が作製される。リザーバが所望される場合、それらは、処置される特定の歯の表面上の鋳型上に剛性材料の層を確立させることにより、準備される。歯科用トレイは、次いで、従来技術を使用した修正鋳型から真空形成される。一度形成されると、トレイは、好ましくは、頬側表面及び舌側表面の両方上の歯肉縁のシャイでわずかにトリミングされる。トレイ周囲を仕上げかつ面取りする際に、全ての歯が、約1/4~約1/3mmの歯肉縁内へと覆われることを確実にするために、十分なトレイ材料が残されなければならない。仕上がったトレイがそれらを覆わないように、これをスカラップ形にして、歯間乳頭を丸み付けできる。好ましくは、唇及び舌が鋭い隆起を感じないようにするために、全てのトレイ縁が平滑にされる。得られたトレイは、患者の歯に、任意でリザーバと、又は合成材料が鋳型に置かれる場所に位置する空間との完全なフィットを提供することができる。歯科用トレイは、約0.1cm~約0.15cmの予備形成された厚さを有する、軟らかい透明なビニル材料を含み得る。軟らかい材料は、患者によって装着がより快適である。トレイを構築するために、より硬い材料(又は厚いプラスチック)を使用してもよい。
【0235】
第2の種類の剛性カスタム歯科用器具は、「大型」の剛性カスタム歯科用器具である。剛性の、カスタム歯科用器具の作製は、患者の歯列弓の印象材の鋳型模型を必要とし、また患者の歯列弓の鋳型模型に対応する熱可塑性シートの加熱及び真空形成を必要とする。熱可塑性フィルムは、剛性又は半剛性のシートとして販売され、様々なサイズ及び厚さで入手可能である。大型の剛性歯科器具のための歯科実験室製作技術は、鋳型模型上の歯の顔側表面を、ダイスペーサ又は光硬化アクリルなどの材料により、増強することを伴う。次に、熱可塑性シート材を加熱して、続いて歯列弓の増強された鋳型模型の周囲に真空形成する。本方法の純効果により、「大型」の剛性カスタム歯科用器具が実現する。
【0236】
それほど頻繁には使用されていないが、第3の種類の剛性カスタム歯科用器具は、軟質多孔質発泡体~剛性の非多孔質発泡フィルムまでの範囲の材料の積層体から作製された、剛性二重ラミネートカスタム歯科用器具である。これらの二重ラミネート歯科用器具の、非多孔質の、剛性の熱可逆性シェルは、軟質多孔質発泡体の内側層を覆いかつ支持する。
【0237】
第4の種類の歯科用トレイは、使い捨て可能なU形状の軟質多孔質発泡体を有する剛性カスタム歯科用器具に置き換わり、これは、個別に包装されてよく、かつ事前測定された量の本発明の組成物を深くしみ込ませていてよい。軟質発泡材は、一般に、開放気泡プラスチック材である。そのような装置は、Cadco Dental Products(Oxnard,Calif.)から、商標名VitalWhite(商標)にて市販されている。これらの軟質発泡体トレイは、装置からの漂白剤の、口腔内への溶出を最小にし、患者の摂取及び/又は口腔組織の刺激を最小にするためのバッキング材料(例えば、独立気泡プラスチックバッキング材料)を含み得る。あるいは、軟質発泡体トレイは、非多孔質の可撓性ポリマーにより覆われる、又は開放気泡発泡体は、歯科用器具の前面内壁に取り付けられる、及び/若しくは、開放気泡発泡体は、歯科用器具の後面内壁に取り付けられる。当業者は、本発明の組成物が、発泡体の開放気泡構造との間で単純に使い果たされないように十分に厚くなければならず、また時間の経過と共に、開放気泡発泡体を緩やかに通過するように、十分に薄くなければならない、ということを、容易に認識及び理解するであろう。換言すれば、開放気泡発泡体材料は、組成物の粘度に対して寸法付けられて、組成物を吸収し、かつ組成物がそこを通過することを可能にする、内部構造間隔を有する。
【0238】
独立気泡材料の例は、Sekisui America CorporationのVoltek部門(Lawrence,Mass)により、商標名Voloraで販売されている、1/32”~1/8”の厚さの独立気泡ポリオレフィン発泡体である。独立気泡材料はまた、可撓性ポリマー材料を含み得る。開放気泡材料の例は、Packaging Industries Group,Inc.のSentinel発泡体製品部門(Hyannis,Mass.)により、商標名Opcellで販売されている、1/16”~3/8”の厚さの開放気泡ポリエチレン発泡体である。本明細書において有用な他の開放気泡発泡体としては、ヒドロゲルポリマー(例えば、Hydromer,Inc.(Branchburg,J.J.)からのMedicell(商標)発泡体)などの、開放発泡体材料が挙げられる。開放気泡発泡体はまた、種々の有効成分を化学的に吸収するポリウレタン又はポリビニルピロリドンなどの、有効成分を吸収して流体の高い吸収性を付与する親水性の開放発泡体であってもよい。
【0239】
特定の態様では、トレイは、1つ以上の歯を覆うか又はそれに接触する表面に組み込まれたポケットを有してもよい。そのようなポケットは、口腔組成物を歯に接触させて保持するのに役立ち得る。ポケットは、深さ約0.05~約5mm、好ましくは深さ約0.1~約3mm、より好ましくは深さ約0.3~約3mm、又は最も好ましくは深さ約0.5~約1.5mmであり得る。そのようなトレイの例としては、臨床プロトコルの段で指定されたものが挙げられる。
【0240】
加えて、又はあるいは、トレイの歯へのフィットは、1つ以上の歯に組み込まれた許容差又は間隙を有し得る。許容差又は間隙などは、口腔組成物を歯に接触させて保持するのに役立ち得る。許容差又は間隙は、約0.01mm~約2mm、好ましくは約0.05mm~約1mm、より好ましくは約0.1mm~約1mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約0.5mmであり得る。
【0241】
臨床プロトコル
組成物の漂白有効性は、以下の臨床プロトコルに従って測定される。約1%未満の漂白剤を有する組成物を試験する場合、臨床実験を完了させるために、処置グループ当たり17~25人の参加者を必要とし、また少なくとも約1%の漂白剤を有する組成物を試験する場合、8~25人の参加者を必要とする。必要とされる参加者は、全ての測定可能な面部位を有する、4つの天然の上顎部門歯を有していなければならない。参加者のグループの平均基線Lは、71~76でなければならず、また、参加者のグループの平均基線bは、13~18でなければならない。加えて、上顎前歯の不正咬合、テトラサイクリン、フッ素沈着、若しくは低石灰化により引き起こされる重篤又は異型の内因性着色、上顎前歯の顔側表面上の歯冠又は再建のある参加者、メラノーマの病歴を自身で報告している参加者、現在喫煙又はタバコの使用がある参加者、軽度の刺激感応性又は色素沈着皮膚疾患を有する参加者、歯の刺激敏感性を自身で報告している参加者、又は以前に専門の処置を用いて、薬局窓口での処方箋なしのキット若しくは治験製品により歯のホワイトニングを行ったことのある参加者は、本試験から除外される。参加者は、Crest Cavity Protectionno練り歯磨き及びOral-Bの軟性手動式歯ブラシ(両方とも、Proctor & Gamble(Cincinnati,OH,USA)からのもの)を提供されて、慣習的な様式にて、日に2回、使用する。
【0242】
参加者は歯ブラシ(Team Technolosies,Ind.(Morristown,TN,USA)からの「Anchor 41房束白色歯ブラシ」)を使用して、組成物で処置される前に、水で30秒間自分の歯を磨く。
【0243】
参加者の上顎前歯を、送達支持材料としてポケットを有するトレイを使用して、組成物で日に1回60分間処置する。具体的には、シリンジ(VWR(Batavia,IL)から購入したSlip-Tip REF309659を備えたBD 1ml TBシリンジ)を使用して、トレイの8つの上顎前歯の顔側表面上の各ポケットに約0.1mlの組成物を適用する(一般に、これは、適用当たり約0.7グラムの総用量を意味する)。次いで、訓練を受けた衛生医が、トレイを傾けることによって組成物がポケットから出ないように慎重に、1分以内に、トレイを上顎歯に注意深くフィットさせる。
【0244】
ポケットを備えるトレイは、以下の手順を使用して作製される。
・上顎歯列弓の型を取る。型に、歯科用石膏を注ぐ。約1~1.5mm厚のブロックアウト材料層(Premier Perfecta Blocout)を、正中面寄りの縁部から約0.5mmを残して、石膏モデルの前歯の顔側表面に適用する。2つおきに歯に適用した後、ブロックアウト材料を少なくとも5秒間硬化させる。これを、全ての前歯に対して繰り返す。
・Pro-formトレイ材料(Keystone Vacuum Forming Material Pro-form,Soft EVA 1mm,Clear)を真空形成器で加熱する。材料が約1インチに垂れ下がったら、それを石膏モデルの上部に引き下げ、真空下で少なくとも15秒間保持し、冷却し、石膏モデルを慎重に取り出す。次いで、トレイを所望の形状にトリミングする。
【0245】
合計3×20分の適用として各60分間の処置内では、組成物を20分毎にトレイに再適用する。1日1回処置当たり合計60分間として、20分を3回の適用をそれぞれ適用する。
【0246】
電磁放射線は、以下のように適用される。
1)各20分の適用内では、訓練された衛生医が、最後の10分の間に上顎前歯の顔側表面に向かって電磁放射線を適用する。
2)電磁放射線を、トレイを通しかつ組成物を通して上顎前歯に向け、
3)トレイは、400nm~500nmの電磁放射線を少なくとも約90%通過させる必要があり、
4)図6にて示すように、455nmのピーク強度波長を有する4つの高電力LED(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号M455F1)に接続した4本の光ファイバーケーブル(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号M71L01)を介して、電磁放射線を送達する。4つのLEDは、1000mAにて作動し、それぞれLEDドライバ及びハブ(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号DC4104及びDC4100-ハブ)を使用している。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、透明なマウスピースの後方に取り付けられて、ストリップの外側表面に対して電磁放射線を再現可能に位置付けるのに役立つ。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、マウスピースの出口表面から約7mm離れており、電磁放射線が透明のマウスピースを通過する。マウスピースの咬合棚部は、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明の窓部が7.4mmの高さとなるようにオフセットされている。また、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部は、端から端(湾曲を含まない)まで直線的に測定して、40mmの長さである。光ファイバーケーブルの出口端部は、光ファイバーケーブルから出る電磁放射線の円錐体が、図6で示すように、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部内で中央となるように、位置付けられかつ角度付けられている。また、4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、電磁放射線の円錐体が、図6で示すように、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部の長さに対して離間配置されるように、離間配置される。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400nm~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書で開示した方法により測定された際に、約175mW/cm~約225mW/cmとなる必要がある。
【0247】
60分間の組成物による処置が完了したら、トレイを取り外す。この処置は、1%未満の漂白剤を有する組成物に関して最小7日間、また少なくとも約1%の漂白剤を有する組成物に関して最小3日間、日に1回適用される。
【0248】
約1%未満の漂白剤を含む組成物では7回目の処置の翌日、少なくとも約1%の漂白剤を含む組成物では3回目の処置の翌日に、以下に記載の手順を使用して、組成物による処置に起因する歯の色の変化を測定する。
【0249】
偏光フィルタを装着したレンズを有するデジタルカメラ(アダプタ付きNIKON55mmマイクロNIKKORレンズ搭載、Canon Inc.,(Melville,NY)からの、カメラモデル番号CANON EOS 70D)を使用して、歯の色を測定する。ライト系は、(それを通して光が外部へと出る、ガラスレンズのうち1つの外側円形表面の中央から測定して)約30cm離れて配置された、150ワット、24V電球モデル番号(Wenophotモデル番号HL X64640)を装着し、45度にて照準される、Dedoライト(モデル番号DLH2)により提供され、これにより、光路が、カメラの焦点面の前面において、約36cmの頤レストの垂直平面で交差する。各ライトは、偏光フィルタ(Lee 201フィルタ)、及び遮断フィルタ(Rosco(Stamford,CT,USA)からの、Rosco 7 mil、Thermashieldフィルタ)を有する。
【0250】
光路の交差点において、光照射野における再現可能な再位置決めのための、固定された頤レストが取り付けられる。カメラは2つのライトの間に位置付けられ、これにより、その焦点面が、頤レストの垂直面から約36cmとなる。歯の色の測定を開始することに先立って、色基準を撮影して較正設定点を確立する。最初に、マンセルN8グレー基準を撮影する。グレーのRGB値が200となるように、カメラの白バランスを調節する。色基準が撮影されて、色チップの標準RGB値を得る。色基準及びグレー基準(Munsell Color、X-riteの部門(Grand Rapids,MI,USA)から)を、以下に列挙する。各色基準を、マンセル命名法にて標識した。色基準の格子を作成するために、それらを次の様式にて配置させることができる。これにより、複数の色基準を、色基準の格子により撮影された単一の画像に含めることが可能になる。
【0251】
【表1】
【0252】
【表2】
【0253】
【表3】
【0254】
基線の歯の色に関して、参加者は、歯ブラシ(Team Technologies,Inc.(Morristown,TN,USA)からの「Anchor 41」剛毛白歯ブラシ)を使用して、水により自分の歯を磨いて、自分の歯から食物の破片を取り除く。次いで、各参加者は、(Washington Scientific Camera Company(Sumner,WA,USA)からの、A&B Deburring Company(Cincinnati,OH,USA)の艶消しマット仕上げで処理された)口角鉤を使用して頬を引き広げ、参加者の歯の顔側表面を照射する。各参加者は、上顎部門歯の切歯端が下顎部門歯の切歯端に接触するように、自分の歯を一緒に噛み合わせるように指示される。参加者は、次いで、カメラ視野の中央において、光路の交差点にて、頤レスト上に位置付けられて、歯の画像が捕捉される。全ての参加者が撮像された後、画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics,Inc.(Silver Spring,MD)により製造されたOptimas)を使用して画像が処理される。中央の4つの門歯が隔離されて、歯の平均RGB値が抽出される。
【0255】
参加者がホワイトニング製品を使用した後であるが、参加者の歯の画像を捕捉することに先立って、システムを基線構成に設定して、前述したように較正する。較正後、各参加者は、以前、参加者が同一の物理的位置にいることを確実にしたように、歯の配向を含む事前処理画像として、同一の手順を使用して第2回目の撮像をされる。画像解析ソフトウェアを用いて画像を処理して、中央の4つの上顎切開体の平均RGB値を得る。全ての画像のRGB値は、次いで、RGB値及び色標準における色チップのL値を使用して、CIE L色空間内へとマッピングされる。色標準における色チップのL値は、Photo Research Inc.(LA)からのPhoto ResearchScan PR650を使用して、前面歯列のデジタル画像を捕獲するために記載された同一の照明条件を使用して測定される。PR650は、カメラとして、色標準格子からの同一の距離に位置付けられる。各先端部は、製造者取扱説明書による較正後に、Lに関して、個別に測定される。次いで、回帰方程式を使用して、以下のように、RGB値がL値へと変換される。
=25.16+12.02(R/100)+11.75(G/100)-2.75(B/100)+1.95(G/100)=-2.65+59.22(R/100)-50.52(G/100)+0.20(B/100)-29.87(R/100)+20.73(G/100)+8.14(R/100)-9.17(G/100)+3.64[(B/100)[R/100]
=-0.70+37.04(R/100)+12.65(G/100)-53.81(B/100)-18.14(R/100)+23.16(G/100)(B/100)+4.70(R/100)-6.45(B/100)、a、及びbのためのRは、>0.95でなければならない。各研究は、その独自の方程式を有するべきである。
【0256】
これらの方程式は、一般に、歯の色領域(60<L<95、0<a<14、6<b<25)における有効な変換である。各参加者の画像セットからのデータは、次いで、ホワイトニング効果の評価に使用されるL、a、及びb、-aの標準法における変化の観点から、ホワイトニングの性能を評価するために使用される。約1%未満の漂白剤を有する組成物の評価の場合は、Lにおける変化は、ΔL=L 7回の処置翌日-L 基線として定義され、正の変化は明るさにおける改善を示し、aにおける変化(赤-緑のバランス)は、Δa=a 7回の処置翌日-a 基線として定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、bにおける変化(黄-青のバランス)は、Δb=b 7回の処置翌日-b 基線として定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。少なくとも約1%の漂白剤を含む組成物を評価する場合は、Lにおける変化は、ΔL=L 3回の処置翌日-L 基線として定義され、正の変化は明るさにおける改善を示し、aにおける変化(赤-緑のバランス)は、Δa=a 3回の処置翌日-a 基線として定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、bにおける変化(黄-青のバランス)は、Δb=b 3回の処置翌日-b 基線として定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。-Δbは、漂白有効性の主要な測定値として使用される。全体の色の変化は、方程式ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2/2により計算される。
【0257】
ホワイトニング製品を使用した後、CIEラボ色空間における色の変化を、所与の方程式に基づいて、各参加者に関して計算することができる。
【0258】
上記の臨床プロトコルを検証するために、(ポケットを有するトレイに送達され、かつ本明細書に開示の電磁放射線と共に使用される)実施例I-Bの本明細書で指定された手順に従って行った(-Δbとして計算された)漂白有効性を、3回目の処置翌日に測定し、>3であることが実証される必要がある。
【0259】
本多相口腔ケア組成物の調製
エマルションの調製は当該技術分野において周知であり、任意の好適な製造プロセスを使用して、エマルションの形態であり得る多相口腔ケア組成物を作製することができ、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19thed.,Vol.II,Chapters 20,80,86などを参照されたい。一般に、構成成分は油溶性のものと水溶性のものとに分離される。これらを、必要に応じて加熱して、それぞれの溶媒に溶解させる。次いで、2つの相を混合して、生成物を撹拌し、かつ冷却する。相を組み合わせた後、エマルションの形態であり得る本発明の多相口腔ケア組成物は、振盪、断続的振盪、高剪断撹拌を含む様々な方法により、又は高速度ミキサ、ブレンダ、コロイドミル、ホモジェナイザ、若しくは超音波技術を使用することにより、撹拌又は剪断されてもよい。特定の成分に応じて、成分の特定の特性に対応するように、特定の修正を製造プロセスに行う必要があり得ることを当業者は認識し得る。調製された多相口腔ケア組成物の種類は、顕微鏡を使用して観察することができる。試験方法の更なる記載が、Remmingtion:the Science and Practice of Pharmacy、第19版、第1巻、1995年、282~283頁に開示されている。
【0260】
特定の態様では、本明細書に開示の密集水中油型エマルションの形態であり得る多相口腔ケア組成物は、以下のように作製され得る。
1)水溶性成分を水相に溶解させ、疎水性相中の油溶性構成成分を溶解させる。
2)疎水性相を、添加するたびに(例えば、バッチのサイズに応じて約1~2分間ゴムスパチュラを用いて)しっかりと混合しながら、SpeedMixer容器内で少しずつ水相に添加する。理想的には、1)初回のサイズは、水相の量の20%未満の量であり、2)その後の1回のサイズは、水相の量に対して徐々に増加させてもよく、3)各回のサイズは、水相の量よりも少ない。密集濃度に到達したら、この工程中に水中油型エマルションが形成され、組成物は、ローション様の半固体稠度を展開する-これは、疎水性相の液滴が互いに密集し、互いに変形されることの証明である(注目すべきこととして、それらは依然として水相の領域によって分離されている)。この密集は、組成物のローション様の稠度の展開によって証明される。
3)全ての疎水性相が組み込まれたら、Speedmixer容器の内容物を、Speedmixerで各々2分間800RPMで3回混合する。
【0261】
注目すべきこととして、特定の態様では、1)上記の工程-2での同時混合により、好適に低速であるが連続的に又はパルス速度で疎水性相を水相に添加することが可能であり得、2)上記の工程-3における混合は、静的ミキサ、動静翼ミキサ、又はIndustrial Mixingのハンドブックに記載のものなどの他のミキサ装置を通じて循環ループなどの様々な時間の長さにわたり他の種類の混合を用いて完了することができる。
【0262】
SpeedMixer(商標)シリーズの混合手順は、二重非対称遠心混合を使用した、混合カップの二回の回転に基づく。このように異なるレベルにおいて作用する遠心力の組み合わせにより、カップ全体を極めて迅速に混合することができる。任意で、必要に応じて組成物を加熱して、混合を促進してもよい。有効物質が固形の微粒子形態で含まれる場合、組成物内での微粒子の分散及び懸濁状態を維持するために、任意の粘度調整剤を添加することが適切であり得る。また、所望により、組成物の相のうち1つへと、風味剤又は甘味料を添加してよい。その後、所望により、送達支持材料へと組成物を添加してよい。
【0263】
組成物及び/又は送達システムを使用する方法
本発明は、歯科専門家によって歯科オフィスで消費者の歯に適用されてもよいか、又は本発明は、消費者によって自宅で適用されてもよい。一般に、推奨処置期間は、ホワイトニングを達成するのに十分な期間である。
【0264】
本発明の実施では、患者は、漂白剤を含有してホワイトニングなどの所望の効果を得る、本明細書に記載の多相口腔ケア組成物又は密集水中油型エマルションを1つ以上の歯に適用する。本組成物は、ペイント-オン装置、シリンジ、若しくは単位用量シリンジ、押し潰し可能なチューブ、ブラシ、ペン若しくはブラシチップ塗布具、ドウズフット塗布具、スワッブ、リップグロス塗布具、適用後に取り外されるストリップ、適用後に取り外されるトレイなど、又は指さえも使用して塗布することができる。組成物はまた、材料のストリップ、歯科用トレイ、又はスポンジ材料などの送達支持材料と組み合わせることができ、またその後に歯に塗布することができる。特定の態様では、本明細書の組成物又は送達システムは、歯に適用される場合、ほとんど目立たない。所望の時間が経過した後に、歯の表面の布ぶき、ブラッシング、又はすすぎにより、任意の残留組成物を容易に除去してよい。
【0265】
一般に、本発明の組成物を適用する前に歯を準備する必要はない。例えば、本発明の組成物を適用する前に、患者は歯磨き又は口のすすぎを選択してもよいが、適用前に洗浄、口腔表面の乾燥、又は唾液若しくは水で過度に湿潤させることを必要としない。しかしながら、適用前に歯が乾燥している場合、歯エナメル面への接着性を改善することができると考えられる。
【0266】
歯科用トレイ器具は、次のようにして使用することができる。患者又は歯科専門医は、本組成物を軟性又は剛性の歯科用器具内へと分注して、次いで、参加者は、器具を参加者の歯列弓に被せて置く(又は、自分の歯の周辺に装置をフィットさせて、トレイを所定の位置に維持する)。一般に、推奨処理期間は、上で開示したように、ホワイトニングを達成するのに十分な時間である。処置期間の終了時に、歯科用器具を取り外し、水で洗浄して残りの組成物を除去した後、次の適用まで保管する。
【0267】
記載の組成物及び本明細書に記載の送達システムは、1.本組成物、及び2.使用説明書、を含むか、又は、1.本発明の組成物、2.使用説明書、及び3.送達支持材料を含むキットにおいて組み合わされてよい。加えて、歯が電磁放射線により照射され得る場合、キットは、適切な波長の電磁放射線源及び使用のための説明書を更に含んでよく、これにより、キットは、都合の良い様式にて消費者に使用され得る。
【0268】
任意の電磁放射線処理
本明細書に開示の多相口腔ケア組成物は、歯のホワイトニング及び/又は歯の表面から着色を除去するのに使用することができる。加えて、ホワイトニング有効性は、好適な波長の電磁放射線を少なくとも1つの歯に向かって方向付けることにより、更に増大してよい。好適な波長は、歯の最大吸収帯及び/又は漂白される歯の着色に対応する、全ての波長であってもよい。例えば、多相口腔ケア組成物は、約200nm~約1200nmの範囲の1つ以上の波長を有する電磁放射線で放射されてもよい。電磁放射線は、少なくとも1つの歯に向けられてよい。加えて、2つ以上の歯が照射されてもよい。例えば、電磁放射線は、約1nm~約750nm、約200nm~約700nm、約300nm~約700nm、約400nm~約600nm、約400nm~約500nm、又は最大約750nmの範囲の1つ以上の波長でピーク強度を有し得る。加えて、電磁放射線は、約400、405、410、415、420、425、430、435、440、若しくは445、446nm~約450、455、460、465、470、475、480、481、485、490、495の範囲、若しくは500nm、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲の1つ以上の波長でピーク強度を有し得る。電磁放射線は、約425nm~約475nm、約445nm~約465nmの範囲の波長でピーク強度を有し得るか、又は電磁放射線のピーク強度波長が、着色がほとんどの電磁放射線を吸収する波長と同様である。電磁放射線は、組成物の一部又は全体的な着用時間の間、又は組成物が歯から除去された後、少なくとも1つの歯に向けられてもよい。電磁放射線は、少なくともホワイトニングのための十分な時間、例えば、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、又は少なくとも約10分間にて適用されてよい。米国特許第2013/0295525号に開示された手順を使用して、電磁放射線を適用してよい。本明細書に開示の多相口腔ケア組成物は、好ましくは、少なくとも1つの歯に適用され、第1の期間の間少なくとも1つの歯上に維持され、第1の期間の後、電磁放射線は、第2の期間の間少なくとも1つの歯に向かって向けられてもよく、第1の期間は、第1及び第2の期間の総持続期間の50%超、好ましくは80%の持続期間を有し、最終的に、多相口腔ケア組成物は、少なくとも1つの歯から取り除かれる。電磁放射線の好適な供給源としては、本明細書に記載の光源が挙げられる。
【0269】
本明細書に開示の多相口腔ケア組成物は、約400nm~約500nmの波長を有する電磁放射線に対して透明又は半透明になり得る。特定の態様では、本明細書に開示の多相口腔ケア組成物は、約0.0001、0.001、又は0.01cm~約0.01、0.1、又は0.5cmの厚さで適用される場合、分光光度計によって測定して、約1nm~約750nm、約200nm~約700nm、約300nm~約700nm、約400nm~約600nm、約400nm~約500nm、又は最大約750nmの範囲の1つ以上の波長の電磁放射線の約10%、20%、又は30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%を通過させる。多相口腔ケア組成物が約0.1cmの厚さで適用される場合、分光計によって測定して、約400nm~約500nmの電磁放射線の約80%~約100%を通過させることができる。本明細書に開示の多相口腔ケア組成物が、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、1、若しくは5グラムの量で、約5cm~約20cmの表面積で送達支持材料又はトレイ上に適用される場合、約400nm~約500nmの電磁放射線の約10%、20%、又は30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%を通過させることができる。
【0270】
歯の表面又はストリップ若しくはトレイであり得る支持材料の外側表面上に衝突する、約1nm~約750nm、約200nm~約700nm、約300nm~約700nm、約400nm~約600nm、約400nm~約500nm、又は最大約750nmの範囲の1つ以上の波長の電磁放射線は、約5、10、25、50、75、若しくは100mW/cm~約10000、5000、2000、1000、500、250、225、205、200、175、150、125、100、75、50、25、10、若しくは5mW/cm、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に収まる任意の他の数値範囲の強度範囲であり得る。
【0271】
先端において余弦修正器(Ocean OpticsからのOP 200-2-UV-VIS)を有するUV-VIS200マイクロメートル光ファイバーケーブルに接続された分光計(Ocean OpticsからのUSB2000+)を使用して、電磁放射線の強度を測定することができる。分光計は、ソフトウェア(Ocean OpticsからのOceanview 1.3.4)を実行するコンピュータに接続されている。光ファイバーケーブルの先端部は、光強度が測定される位置における光源に向かって指し示すように、保持される。検出器の表面において収集された光子は、光ファイバーケーブルを介して電荷結合デバイス(charge-coupled device in the spectrometer、CCD)へと案内される。CCDは、200nm~1100nmの各波長にて、事前決定された期間の間にCCDに到着する光子の数を数え、かつソフトウェアアルゴリズムを使用して、これらの光子の数を分光放射照度(mW/cm/nm)へと変換する。分光放射照度は、ソフトウェアにより、200nm~1100nmにて統合されて、吸収射照度(mW/cm)を得るが、これは、200nm~1100nmの電磁放射線の強度である。ソフトウェアにより、分光放射照度は、400nm~500nmに統合されて、ソフトウェアにより、吸収射照度(mW/cm)を得るが、これは、400nm~500nmの電磁放射線の強度である。
【0272】
消費者の便宜のために、本明細書に開示の多相口腔ケア組成物は、本明細書に開示の漂白組成物、より容易な適用のための送達支持材料、好適な波長で電気放射線を放射する電磁放射線源、及び使用説明書を含むキットとして提供されてもよい。
【0273】
電磁放射線を好適な波長で放射する電磁放射線源は、米国特許第10,099,064号に記載の装置、又は歯科オフィスで使用される硬化光、又は本明細書で指定された臨床プロトコルの段に記載されているものと同様の装置などの電磁放射線を生成することが可能な装置であってもよい。
【0274】
本発明の組成物は、ヒト及び他の動物(例えば、ペット、動物若しくは家畜)の適用の両方に有用である。
【0275】
方法
多相口腔ケア組成物の水相の液滴の二次元密度又は疎水性相の領域の二次元密度を測定する方法
1.小さいスパチュラを使用し、組成物の小さい試料をガラスの顕微鏡スライド(VWR Micro Slides,Super Frost Plus,25×75×1mm、VWR International(Radnor,PA)製、VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号48311-703)上に置く。試料の量は、工程2に従って、試料を押し付けた後に、スライドの少なくとも約100平方ミリメートルが組成物によって完全に覆われ、測定することができるようなものでなければならない。試料を単一の粒として接着性格子ステッカ上に定置させることに注意し、これは、カバースリップがその上に置かれた場合に、空気の閉じ込めを最小化させるのに役立つ。
2.(必要に応じて)カバースリップ(VWR Microscope Cover Glasses,22×22mm、VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号16004-094)を試料組成物を覆って置き、試料組成物が約120マイクロメートルの厚さになるまで押し付ける。スペーサー(Electron Microscopy Sciences(Hatfield PA、カタログ70327-20S又は70327-13S)を使用して厚さを制御してもよい。
3.顕微鏡上に顕微鏡用スライドを定置させて、試料を貫通して透過する光を使用して、試料に焦点を合わせる。指定の値よりも大きい水相の液滴又は疎水性相の領域の断面積の測定を可能にする顕微鏡及び倍率レベルを使用する。
4.二次元焦点面における断面積が指定の値よりも大きい、水相の液滴又は疎水性相の領域の数を数える。残留気泡を数えないように注意する(水相の液滴又は疎水性相の領域とは異なり、気泡は、視野内の色の濃い壁によって同定することができる)。
5.このスライドの、(平方センチメートル当たりの水相の液滴の数又は平方センチメートル当たりの疎水性相の領域の数として表される)指定の値よりも大きい断面積を有する、「水相の液滴の二次元密度」又は「疎水性相の領域の二次元密度」は、二次元焦点面での断面積が、このスライドで測定された指定の値よりも大きい水相の液滴の数又は疎水性相の領域の数を、平方センチメートルで表される組成物によって覆われたスライドの総面積で除算して、計算する。
6.全部で少なくとも12個のスライドに、工程1~5を繰り返す。測定した全てのスライドの、工程5からの計算を平均化する。これは、(平方センチメートル当たりの水相の液滴の数又は平方センチメートル当たりの疎水性相の領域の数として表される)指定の値よりも大きい断面積を有する、最終的な「水相の液滴の二次元密度」又は「疎水性相の領域の二次元密度」である。
【0276】
多相口腔ケア組成物の疎水性相の領域のDv50、D[4,3]及びD[3,2]を測定する方法
1.0.20g(+/-0.02g)の試験される試料を20mlのHDPEシンチレーションバイアル(VWR 66021-690)に計り入れる。
2.水(例えば、WFI Quality OmniPur Sterile Filtered CAS#7732-18-5)19.80g(+/-0.02g)をバイアル瓶に添加し、しっかりと蓋をする。
3.試験される試料が水に完全に分散するまで、カウンタートップ上でバイアルを穏やかに回転させる。激しい振盪又は混合を避ける。
4.Mastersizer 3000(MalvernPalytical Inc.(Westborough,MA))及びHydroユニット(モデル#MAZ3210)を設定し、ホースがしっかりと取り付けられているかを確認する。
5.水(例えば、MilliporeSigma Ultrapure Lab水システム)を銀の縁の最も低い縁まで添加し、システムを初期化する(これはバックグラウンドを測定する)。
6.システムの準備が整ったら、バイアルを約4又は5回穏やかに回転させて内容物を混合し、次いで、光遮蔽が測定範囲(1~10%)になるまで1.7mlのピペット(VWR#414004-031)を使用して、バイアルの内容物をHydoroユニットにゆっくりとピペットで取る(一般に約0.1グラム~約5グラム)。光遮蔽%が>10%である場合、容器から試料溶液の一部を除去し、光遮蔽が10%未満になるまで水(例えば、MilliporeSigma Ultrapure Lab水システム)を添加する。
7.試験を開始する。試験は、10回の測定で行い、試料は完了時に洗い流す。撹拌速度を500rpmに設定する。
8.試料間でシステムをすすぐように表示された場合、水を添加する(水は、一般に約5~6回添加する)。
9.間ですすぎを用いて試験を更に2回繰り返す。
10.各データセットの平均Dv50、D[4,3]、及びD[3,2]を記録する(10回の測定値×3回の反復)。
【0277】
Mastersizer 3000の使用に関する追加情報は、使用者マニュアル(ウェブサイトmalvernpanalytical.comのMAN0474 MRK1953-0)に見出すことができる。
【0278】
上記の方法を検証するために、本明細書で指定された手順に従って作製した実施例I-BのD[4,3]を測定し、15マイクロメートル~30マイクロメートルであることが実証されるはずである。
【0279】
多相口腔ケア組成物の水分散性を測定する方法
1. 多相口腔ケア組成物及び滅菌濾過水(EMD Millipore Corporation(Billerica,Massachusetts)からのCalbiochemカタログ番号4.86505.1000)を、所望の温度で少なくとも12時間平衡化させる。
2. ペトリ皿(VWR、ポリスチレン、100mm×15mm、カタログ番号25384-342、VWR(Batavia,IL)から購入)の底部部分の風袋重量を記録する。
3. 0.30~0.35グラムの多相口腔ケア組成物を、1つの単一の滴でペトリ皿の中心に計り入れる。試料の初期重量を記録する。
4. シリンジ(Luer Lok tipを備えた30ml BD Syringe、品番302832)を用いて、ペトリ皿の縁周囲に行き届くように注意しながら、流れを試料から離れる方向に向けて、試料に外乱を起こすことなく、30mlの滅菌濾過水をペトリ皿に添加する。
5. 10分後、ペトリ皿の内容物をデカントし、60Cに設定されたオーブンで少なくとも60分間乾燥させ、それを冷却し、ペトリ皿+残留試料の重量を記録する。
6.
残留試料の重量=(工程-5からのペトリ皿+残留試料の重量)-(工程-2からのペトリ皿の風袋重量)を計算する
7.
水分散性%=100-[100×(工程-6からの残留試料の重量)/(工程-3からの試料の初期重量)]を計算する
8. 全部で少なくとも3回の測定に、工程1~7を繰り返す。平均を計算する。これは、多相口腔ケア組成物の水分散性である。
【0280】
上記の方法を検証するために、1)本明細書で指定された手順に従って作製した実施例I-Bの水分散性を測定し、60~100%であることが実証されるはずであり、2)本明細書で指定された手順に従って作製した比較例VI及び比較例VIIの水分散性を測定し、0~10%であることが実証されるはずである。
【0281】
過酸化物試験ストリップ上に塗抹される多相口腔ケア組成物の過酸化物濃度の、平均及び標準偏差を測定する方法
1. 0.60~0.80gの組成物を、きれいな硬質ゴム製スパチュラ(ブレードの長さ4インチ、VWR(Batavia,IL 60510,USA)からのカタログ番号57930-025のもの)の端部に量り取る。
2. 未使用の過酸化物試験ストリップ(EMD Millipore Corporation(Billerica,MA)、供給者番号1.16974.0001;VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号EM1.16974.0001)を容器から取り出し、タイマーを開始する。
3. 過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書で明記される。清浄なペーパータオル上に、過酸化物試験ストリップを置く。
4. スパチュラ及び過酸化物試験ストリップを保持する。組成物(工程1において事前検量済み)を、常時圧力を用いて左から右へと、試験ストリップ上の反応域の両方上へと塗抹する。へら上へと既に事前検量されている組成物の同一の試料を用いて、左から右へと、全部で3回の塗り付けの塗抹運動を繰り返す。
5. ペーパータオルの清浄な領域へと、過酸化物試験ストリップを移動させる。濾紙(WhatmanGrade 1 Qualitative FilterPaper Standard Grade、丸型、90mm供給者番号1001-090;VWR(Batavia,IL 60510,USA)からのカタログ番号28450-081)を、試験ストリップの上部に置く。濾紙の上部に指圧を加える。単一の塗り付けにおいて、(濾紙上の指圧力を維持しつつ)過酸化物試験ストリップを濾紙の下から引き抜き、これにより、濾紙及びペーパータオル上へと余分なゲルを拭き取る。過酸化物試験ストリップから反応域が外れないことを確実にする。
6. 過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書で明記される。
7. 工程2~6を、タイマーにて90分以内に完了させなければならない。
8. 全部で少なくとも18個の過酸化物試験ストリップに関して、工程1~7を繰り返す。
9. 本明細書で指定された手順を用いてAdobe Photoshop CS4を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準として機能する、保持具に取り付けられたマンセルN8マット色シートのストリップの、Red輝度の平均及び標準偏差を測定する。各画像内に内蔵されたマンセルN8基準の平均R値輝度は、204~212でなければならず、標準偏差は3以下でなければならない。
10. 本明細書で指定された手順を用いてAdobe Photoshop CS4を使用して、(組成物を塗抹する前に)基線で、全ての過酸化物試験ストリップ上の各反応域のRed輝度の平均及び標準偏差を測定する。
11. 本明細書で指定された手順を用いてAdobe Photoshop CS4を使用して、組成物を塗抹した後に、全ての過酸化物試験ストリップ上の各反応域のRed輝度の平均及び標準偏差を測定する。
12. 過酸化物試験ストリップ上へ塗抹した組成物の平均過酸化物濃度は、以下のように計算する。まず、工程-10からの各反応域の平均基線R値輝度から、工程-11からの組成物を塗抹した後の同じ反応域の平均R値輝度を引く。この計算を全ての反応域に関して繰り返し、また全ての過酸化物試験ストリップ上の全ての反応域に対する結果を平均化する。これは、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される組成物の、平均過酸化物濃度である。
13. 過酸化物試験ストリップ上に塗抹した組成物の過酸化物濃度の標準偏差は、工程-11からの組成物を塗抹した後に、全ての過酸化物試験ストリップ上の全ての反応域にわたるRed輝度の標準偏差を平均化して、計算する。これは、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される組成物の、過酸化物濃度の標準偏差である。
【0282】
機器、システム構成、及び本明細書で指定された手順を検証にするために、(Munsell Color、X-riteの部門(Grand Rapids,MI,USA)からの)マンセルN8マット色シートのRed輝度の平均及び標準偏差を測定し、平均が204~212であり、標準偏差が3以下であることを実証する必要がある。
【0283】
過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影するための機器
1-1800万画素(5184×3456)の分解能のjpg画像にて画像を捕捉することが可能であり、かつ1/250秒のシャッター速度が可能であるデジタルカメラ(Canon USA Inc.(Lake Success,NY11042)からの、キャノン60Dカメラなど)
1-メモリカード
1-必要な場合、レンズアダプタ(本体がキャノン製、レンズアダプタがニコン製など)
1-105mmのレンズ(Nikon USA Inc.(Melville,NY 11747)からの、105mmのマイクロNikkorレンズなど)
1-52mmのフラッシュアダプタリング
1-偏光フィルタ付きマクロリングライト(Canon USA Inc.(Lake Success,NY 11042)からの、キャノンMR-14EX偏光フィルタ付きマクロリングライトなど)
1-52mmの回転型円形偏光子
1-三脚
1-(Munsell Color、X-riteの部門(Grand Rapids,MI,USA)からの)マンセルN8マット色シート
1-背景部としてのDGKプラスチック製グレーカードXL(Amazon.comにおけるDGKカラーツール)を使用して作製された、過酸化物試験ストリップ用保持具、及び各画像内に内蔵のマンセルN8基準として機能するように取り付けられた、マンセルN8マット色シートのストリップ
1-試験片のブランクストリップへと取り付けられたmmスケール
【0284】
過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影するためのシステム構成
1. 三脚は、テーブルに向かって下向きに向いたカメラを伴い、三脚の下側に取り付けられた三脚取付台と共に、マクロ写真撮影に適合するように構成される。被検体平面は、センサ平面から317mmである。
2. キャノンからニコンへのアダプタ取付台を使用して、キャノン60Dカメラ本体へと、105mmのNikorrレンズを取り付ける。
3. 回転型偏光子は、105mmのマイクロNikkorレンズに取り付けられている。
4. 52mmのフラッシュアダプタリングは、105mmのレンズの前面に取り付けられている。
5. キャノンMR-14EX偏光フィルタ付きマクロリングライトは、フラッシュアダプタリングへのレンズの前面に取り付けられている。
6. レンズ上の回転型円形偏光子は、最大光沢/眩輝が除去されて交差偏光が完了するまで、回転する。
7. フラッシュは、八分の一の電力に設定された電力設定にて、「手動」モードに設定される。
8. キャノン60Dカメラは、100まで設定されるISO設定により「手動」モードに設定される。
9. シャッターは、1/250秒に設定される。
10. レンズの口径は、105mmのマイクロNikkorレンズにおいて、f=8に設定される。
11. 105mmのマイクロNikkorレンズにおいて、センサ平面から被検体平面までの距離317mmに対する焦点距離を有する、手動での焦点合わせが使用される。
12. 較正されたマンセルN8材料の取り付けシートを使用して、画像の白バランスを達成する。
13. 1800万画素(5184×3456)の分解能のjpg画像にて、画像を捕捉するように、カメラを設定する。
14. カメラ及びフラッシュのための全体の露光設定は、マンセルN8マット色シートの捕捉画像が、本明細書で指定された手順を使用して測定して、204~212の平均R値輝度及び3以下の標準偏差を有するように構成される必要がある。
【0285】
Red輝度の平均及び標準偏差を測定するための、Adobe Photoshop CS4における手順
1. Adobe Photoshop CS4を開く。
2. 画面の上端において、「ウィンドウ」を選択し、続いて「ヒストグラム」を選択する。これは、画像のヒストグラムを表示する。ヒストグラムウィンドウにおいて、「拡張ビュー」及び「統計値を表示する」を選択する。これは、統計値を有するヒストグラムを表示する。「チャネル」が「Red」に設定されていることを確認する。Adobe Photoshop CS4では、ヒストグラムパネルは画像範囲全体を表示する。これは、選択された目的の領域において、0~255の、それぞれの256の輝度レベルでの多数の画素を図示することにより、画素がどのように分布しているかを示す。同一の輝度レベルを有する画素が、垂直軸に沿ったバーに積み重ねられる。バーが高いほど、その輝度レベルにおける画素の数が多い。ヒストグラムの右側に向かう垂直バーは、より高い輝度の画素を示し、ヒストグラムの左側に向かうバーは、より低い輝度の画素を示す。
3. マンセルN8マット色シートのRed輝度の平均及び標準偏差を、以下ように測定する。Adobe CS4を使用して、マンセルN8マット色シートの捕捉画像を開く。画面の左端において、「長方形のマーキーツール」を選択する。画面の上端において、「行間調整」を0pxに設定し、「スタイル」を固定サイズに設定し、「幅」を5000pxに設定し、かつ「高さ」を3300pxに設定する。これにより、マンセルN8マット色シートの画像のサイズ及び形状に適合するサイズ及び形状の、16500000画素を含む長方形が定義される。「長方形のマーキーツール」を使用して、マンセルN8マット色シートの画像を選択する。長方形の端部が、マンセルN8マット色シートの画像の端部内にあることを確認する。ヒストグラムパネル上の円形の記号をクリックして、ヒストグラムパネルにおいて、「キャッシュレベル」が1を読み取っていることを確認する。これは、マンセルN8マット色シートのRed輝度の平均及び標準偏差を測定し、表示する。これらの値を記録する。
4. 各画像内に内蔵のマンセルN8基準のRed輝度の平均及び標準偏差を、以下のように測定する。Adobe CS4を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準の捕捉画像を開く。画面の左端において、「長方形のマーキーツール」を選択する。画面の上端において、「行間調整」を0pxに設定し、「スタイル」を固定サイズに設定し、「幅」を5000pxに設定し、かつ「高さ」を800pxに設定する。これにより、各画像内に内蔵のマンセルN8基準のサイズ及び形状に適合するサイズ及び形状の、4000000画素を含む長方形が定義される。「長方形のマーキーツール」を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準を選択する。長方形の端部が、各画像内に内蔵のマンセルN8基準の端部内にあることを確認する。ヒストグラムパネル上の円形の記号をクリックして、ヒストグラムパネルにおいて、「キャッシュレベル」が1を読み取っていることを確認する。これは、各画像内に内蔵のマンセルN8基準のRed輝度の平均及び標準偏差を測定し、表示する。これらの値を記録する。
5. 過酸化物試験スリップ上の各反応域のRed輝度の平均及び標準偏差を、以下のように測定する。Adobe CS4を使用して、過酸化物試験スリップの捕捉画像を開く。画面の左端において、「長方形のマーキーツール」を選択する。画面の上端において、「行間調整」を0pxに設定し、「スタイル」を固定サイズに設定し、「幅」を1300pxに設定し、かつ「高さ」を1750pxに設定する。これにより、過酸化物試験スリップにおける各反応域の画像のサイズ及び形状に適合するサイズ及び形状の、2275000画素を含む長方形が定義される。「長方形のマーキーツール」を使用して、過酸化物試験ストリップにおける2つの反応域のうち1つを選択する。長方形の端部が、反応域の端部内にあることを確認する。ヒストグラムパネル上の円形の記号をクリックして、ヒストグラムパネルにおいて、「キャッシュレベル」が1を読み取っていることを確認する。これは、過酸化物試験ストリップ上の2つの反応域のうち1つのRed輝度の平均及び標準偏差を測定し、表示する。これらの値を記録する。
【0286】
多相口腔ケア組成物又は疎水性相のBrookfield粘度を測定する方法
1. 40~50mlの多相口腔ケア組成物又は疎水性相を、50mlポリプロピレンコニカルチューブ(Falconブランドカタログ番号REF 352098、Corning Science(Tamaulipas,Mexico))に移す。多相口腔ケア組成物又は疎水性相が、コニカルチューブに移す前に1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を呈する場合、Speedmixer(例えば、800RPMで2分間)で多相口腔ケア組成物又は疎水性相を混合し、1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を呈する前に、コニカルチューブに移す。多相口腔ケア組成物又は疎水性相が、肉眼で見える気泡又は空隙を有する場合、1)肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないようになるまで、コニカルチューブを硬質表面上でタップするか、若しくはコニカルチューブをボルテックスミキサ(例えば、Scientific Industries Inc.(Bohemia,NY)からのVortex Genie 2、又はVWR Scientific ProductsからのMini Vortexer)で混合するか、又は2)異なる方法を使用して、肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないように、多相口腔ケア組成物をコニカルチューブに移す。
2. 多相口腔ケア組成物又は疎水性相を、所望の温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)で少なくとも12時間、コニカルチューブで平衡化させる。
3. 粘度計(Brookfield 1/2RV DVII+Pro粘度計)が水平であるか確認し、電源を入れ、取り扱いマニュアルに従って自動零点規正する。
4. 適切なスピンドル(例えば、対象の粘度範囲に応じてスピンドルD、E、又はF)を取り付け、測定されると予想されるBrookfield粘度に対して適切な速度(例えば0.5、1.0、2.0、2.5、4.0、5.0、10、20、50、及び100RPM)を設定する。
5. コニカルチューブをスピンドルの下に置き、Tバーが多相口腔ケア組成物の表面の数mm上になるまでスピンドルを下げ、スピンドル下の中心にコニカルチューブを置く。
6. 粘度計を3~5回転にスピンするように作動させて、コニカルチューブの壁に触れることなくスピンドルが自由にスピンすることを確認する。ヘリパススタンドを作動させる。ヘリパスによって多相口腔ケア組成物又は疎水性相の完全に下にTバーが下がったら、60秒に設定したタイマーを作動させる。60秒で、cPsでのBrookfield粘度を記録する。
7. 肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないようになるまで、コニカコニカルチューブを硬質表面上でタップするか、又はコニカルチューブをボルテックスミキサ(例えば、Scientific Industries Inc.(Bohemia,NY)からのVortex Genie 2、又はVWR Scientific ProductsからのMini Vortexer)で混合し、測定間隔を約10分間とり、最低3回測定するために工程-5~6を繰り返す。
8. 肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないようになるまで、コニカコニカルチューブを硬質表面上でタップするか、又はコニカルチューブをボルテックスミキサ(例えば、Scientific Industries Inc.(Bohemia,NY)からのVortex Genie 2、又はVWR Scientific ProductsからのMini Vortexer)で混合し、第2の組を3回測定するために工程2~7を繰り返す。全ての6回の測定値の平均を計算する。これは、多相口腔組成物又は疎水性相のBrookfield粘度である。
【0287】
上記の方法を検証するために、本明細書で指定された手順に従って作製した実施例I-BのBrookfield粘度は、23℃でスピンドルDを用いて2.5RPMで測定し、15,000~45,000cPsであることが実証されるはずである。
【0288】
多相口腔ケア組成物又は疎水性相の降伏応力を測定する方法
1. 40~50mlの多相口腔ケア組成物又は疎水性相を、50mlポリプロピレンコニカルチューブ(Falconブランドカタログ番号REF 352098、Corning Science(Tamaulipas,Mexico))に移す。多相口腔ケア組成物又は疎水性相が、コニカルチューブに移す前に1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を呈する場合、Speedmixer(例えば、800RPMで2分間)で多相口腔ケア組成物又は疎水性相を混合し、1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を呈する前に、コニカルチューブに移す。多相口腔ケア組成物又は疎水性相が、肉眼で見える気泡又は空隙を有する場合、1)肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないようになるまで、コニカルチューブを硬質表面上でタップするか、若しくはコニカルチューブをボルテックスミキサ(例えば、Scientific Industries Inc.(Bohemia,NY)からのVortex Genie 2、又はVWR Scientific ProductsからのMini Vortexer)で混合するか、又は2)異なる方法を使用して、肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないように、多相口腔ケア組成物をコニカルチューブに移す。
2. 多相口腔ケア組成物又は疎水性相を、所望の温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)で少なくとも12時間、コニカルチューブで平衡化させる。
3. レオメータ(Brookfield HAYR-1 Rheometer)が水平であるか確認し、電源を入れ、取り扱いマニュアルに従って自動零点規正する。
4. 適切なスピンドル翼(例えば、対象の粘度範囲に応じて、V72、V73、又はV75)を取り付け、使用される指定のスピンドル翼用にプログラムするように設定する。プログラムパラメータは、以下に指定する。
【0289】
【表4】
5. コニカルチューブをスピンドル翼の下に置き、試料に引き起こされ得る任意の外乱を最小限に抑えるように注意しながら、スピンドル翼を試料の中にゆっくりと下げる。試料の上面が、一次浸漬マーク(シャフト上の膨らみ)又は二次浸漬マーク(スピンドル翼上の切欠き)に存在するまで、スピンドル翼を下げ続ける。スピンドル翼を二次浸漬マークまで浸漬させる場合、この方法によって生成される値は、2を乗算する必要があるであろう。
6. 工程4で選択されたプログラムを実行する。スピンドル翼を取り外さずに、プログラムを合計3回実行する。3回の測定値を記録する。スピンドル翼を二次浸漬マークまで浸漬させた場合、各測定値に2を乗算し、スピンドル翼を一次浸漬マークまで浸漬させた場合、各測定値に1を乗算した。3つの計算値を記録する。
7. 肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないようになるまで、コニカコニカルチューブを硬質表面上でタップするか、又はコニカルチューブをボルテックスミキサ(例えば、Scientific Industries Inc.(Bohemia,NY)からのVortex Genie 2、又はVWR Scientific ProductsからのMini Vortexer)で混合し、第2の組の3つの値のために工程2~6を繰り返す。全ての6つの値の平均を計算する。これは、多相口腔組成物又は疎水性相の降伏応力である。
【0290】
上記の方法を検証するために、本明細書で指定された手順に従って作製した実施例I-Bの降伏応力は、23℃で二次浸漬マークまで浸漬させたスピンドル翼V72を用いて測定し、5~20Paであることが実証されるはずである。
【0291】
多相口腔ケア組成物又は疎水性相の滑動流動距離を測定する方法
1. 長さ9”、幅3”、及び厚さ1/8”のプレキシガラスの小片を調製する。これは、以下の工程で使用される顕微鏡スライドのホルダーである。
2. 顕微鏡スライド(VWR Micro Slides,Super Frost Plus,25×75×1mm、VWR International(Radnor,PA)製、VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号48311-703)を、艶消しされた面を下に向けてスライドホルダー上に置く。顕微鏡スライドの最長の縁がホルダーの3”の長い縁に平行になるように、顕微鏡スライドを配向し、ホルダーの上部9”の長い縁に対して顕微鏡スライドをまっすぐにする。3枚の顕微鏡スライドを同じホルダー上に並べて、これを繰り返す。注目すべきこととして、ホルダーは、最大9枚のスライドを保持する空間を有し、3つの多相組成物又は疎水性相の滑動流動距離を同時に測定することが可能である。顕微鏡スライドの上縁を、幅1”のテープを使用してホルダーに固定する(図13を参照されたい)。
3. スライド及びホルダーを水平にしながら、シリンジ(Luer Lok tipを備えた3ml BD Syringe、REF309657、VWR(Batavia,IL)から購入)を使用して、スライドの艶消し部分の底縁部の5mm以内でスライドの幅にわたって約20~25mmの長さのビーズの各スライドの透明な部分に、0.10~0.12グラムの多相口腔ケア組成物又は疎水性相を提供する(図13を参照されたい)。顕微鏡スライド上の各ビーズの初期最低点をマークする。
4. スライドが45度の角度で傾くように(スライドと共に)ホルダーを慎重に傾斜させ、この位置で60秒間動かさずに保持する。これは、45度のスタンドを使用して行ってもよい(図14を参照されたい)。60秒で、(スライドと共に)ホルダーを水平位置に慎重に戻し、顕微鏡スライド上の各ビーズの最終最低点をマークする。
5. ビーズの初期最低点から最終最低点までの距離をmmで測定する。ビーズがスライドの底縁を過ぎて流れ落ちた場合、ビーズの初期最低点からの距離を記録し、ビーズの初期最低点からの距離「よりも大きい」として表記する。
6. 多相口腔ケア組成物又は疎水性相毎に最低2組3枚のスライド(最小合計6枚のスライド)について、工程-2~5を繰り返す。全てのスライドで測定された平均距離を計算する。これは、多相口腔ケア組成物又は疎水性相の「滑動流動距離」である。
【0292】
上記の方法を検証するために、1)本明細書で指定された手順に従って作製した実施例I-Bの滑動流動距離を測定し、0mm~15mmであることが実証されるはずであり、2)本明細書で指定された手順に従って作製した以下に指定された検証組成物の滑動流動距離を測定し、40mm超であることが実証されるはずである。
【0293】
【表5】
Solvay(Houston,Texas)からのultra Cosmetic Grade
EMD Millipore Corporation(Billerica,Massachusetts)からのCalbiochemカタログ番号4.86505.1000
Cytec Industries(Princeton,NJ)からのAerosol OT-100
Sonneborn LLC(Petrolia,Pennsylvania)からのKaydolグレード
【0294】
滑動流動距離を測定する方法用の検証組成物を作製する手順
50グラムバッチの検証組成物を、以下の手順に従って作製する。
a)Aerosol OT及び鉱油を、Speedmixer容器(「Max 40 Long Cup Translucent」、品番501 223Lt(Flacktek Inc.(Landrum,SC)から)に計り入れる。混合物を60Cの対流式オーブンで加熱し、旋回させて、鉱油中のAerosol OTを溶解させる。
b)別個のプラスチック容器内で、42.4グラムの滅菌濾過水及びH2O2の35%水溶液14.3グラムを計量し、旋回させて、H2O2を水に溶解させる。このH2O2の希釈溶液を、60Cの対流式オーブンで約10分間加熱する。水中のH2O2のこの希釈溶液2.84グラムを、Speedmixer容器に計り入れる。
c)Speedmixer容器の内容物を、800RPMで5秒間、1200RPMで5秒間、1950RPMで2分間混合する。次いで、ゴムスパチュラで容器の壁をこそぎ、内容物を2回目に800RPMで5秒間、1200RPMで5秒間、1950RPMで2分間混合する。次いで、ゴムスパチュラで容器の壁をこそぎ、内容物を3回目に800RPMで5秒間、1200RPMで5秒間、1950RPMで2分間混合する。
【0295】
多相口腔ケア組成物の1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離率を測定する方法
1. 50mlの多相口腔組成物を、50mlポリプロピレンコニカルチューブ(Falconブランドカタログ番号REF 352098、Corning Science(Tamaulipas,Mexico))に移す。多相口腔組成物が、コニカルチューブに移す前に1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を呈する場合、Speedmixer(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、品番501 218t)(例えば、800RPMで2分間)で多相口腔組成物を混合し、1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離を呈する前に、コニカルチューブに移す。多相口腔組成物が、肉眼で見える気泡又は空隙を有する場合、1)肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないようになるまで、コニカルチューブを硬質表面上でタップするか、又は2)異なる方法を使用して、肉眼で見える気泡又は空隙を実質的に含まないように、多相口腔組成物をコニカルチューブに移す。コニカルチューブのキャップを締める。合計3つのコニカルチューブに繰り返す。
2. 垂直方向(例えば試験チューブラック内)で円錐端部を底に、キャップを上にして3つ全てのコニカルチューブを置く。
3. 静置後に肉眼で見える分離が測定されるであろう期間の間、空気を温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)で維持した室内又はチャンバ内で垂直位置に3つ全てのコニカルチューブを静置する。
4. 垂直位置で、肉眼で見える分離が測定されるであろう期間(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、又は24ヶ月)の終了時に、コニカルチューブの底に肉眼で見えるように分離した材料の体積を測定する(コニカルチューブ上の目盛によって補助される)。コニカルチューブの底に肉眼で見えるように分離した材料の体積が25ml超の場合、コニカルチューブの頂部に肉眼で見えるように分離した材料の体積を測定する。
・3つ全てのチューブの肉眼で見えるように分離した材料の平均体積を計算する。
・チューブを、以下のように肉眼で見えるように分離した材料の体積のチューブ変動を評価する。各チューブ及び全てのチューブに分離した材料の体積は、平均+/-2.5mlの範囲内でなければならない。チューブのうちの任意の1つ以上で分離した材料の体積が、平均+/-2.5mlの範囲外である場合、これは、コニカルチューブへ移す前に1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離に潜在的に起因する試料毎の変動の指標であり、試料毎の変動を最小限に抑えるために、工程-1から開始して、方法を繰り返す必要がある。
5.肉眼で見える分離率を、100×(肉眼で見えるように分離した材料の、工程-4で測定し計算した平均体積を50mlで除算したもの)として計算する。
【0296】
上記の方法を検証するために、以下に指定された検証組成物の1つ以上の構成成分の肉眼で見える分離率を測定し、6%~10%であることが実証されるはずである。
【0297】
【表6】
Solvay(Houston,Texas)からのultra Cosmetic Grade
EMD Millipore Corporation(Billerica,Massachusetts)からのCalbiochemカタログ番号4.86505.1000
Cytec Industries(Princeton,NJ)からのAerosol OT-100
Sonneborn LLC(Petrolia,Pennsylvania)からのKaydolグレード
【0298】
肉眼で見える分離率を測定する方法用の検証組成物を作製する手順
50グラムバッチの3つの検証組成物を、以下の手順に従って作製する。
d)Aerosol OT及び鉱油を、Speedmixer容器(「Max 40 Long Cup Translucent」、品番501 223Lt(Flacktek Inc.(Landrum,SC)から)に計り入れる。混合物を60Cの対流式オーブンで加熱し、旋回させて、鉱油中のAerosol OTを溶解させる。
e)別個のプラスチック容器内で、42.4グラムの滅菌濾過水及びH2O2の35%水溶液14.3グラムを計量し、旋回させて、H2O2を水に溶解させる。このH2O2の希釈溶液を、60Cの対流式オーブンで約10分間加熱する。水中のH2O2のこの希釈溶液2.84グラムを、Speedmixer容器に計り入れる。
f)Speedmixer容器の内容物を、800RPMで5秒間、1200RPMで5秒間、1950RPMで2分間混合する。次いで、ゴムスパチュラで容器の壁をこそぎ、内容物を2回目に800RPMで5秒間、1200RPMで5秒間、1950RPMで2分間混合する。次いで、ゴムスパチュラで容器の壁をこそぎ、内容物を3回目に800RPMで5秒間、1200RPMで5秒間、1950RPMで2分間混合する。
【0299】
歯の上に塗抹された組成物の平均残留過酸化物濃度を測定する方法
1. ヒトの門歯の前面から、円形盤(直径7.5~7.8mm×厚さ1.2~1.3mm)を切り取る。歯の前面は無傷のまま残すが、切り取られた後面は、サンドペーパーを使用して平坦にする。ガラス瓶において、USP規格条件を満たす15~20mlの水中に、少なくとも24時間、歯盤を浸漬させる。歯盤を水から取り出して、前面を上向きにして、清浄なペーパータオル上に置く。
2. USP規格条件を満たす290~310グラムの水を、直径82~107mm x 高さ106~108mm(Flacktek(Landrum,SC)からの、アイテム番号501 220t、「Max 200 Long Cup Translucent」)のねじ蓋を有する円筒形のプラスチック容器内へと押し込む。熱対流炉内において、33C~35Cの空気温度にて、少なくとも12時間、堅くねじ込まれた蓋を有する容器内の水に予熱を与える。
3. 0.04~0.06グラムの組成物を、使い捨て式リップグロス塗布具(Qosmedix Inc.(Ronkonkoma,NY)から購入される、カタログ番号74111、ナイロン及びポリスチレン製の「Flocked Doe Foot Lip Gloss Applicator」)上へと圧迫する。
4. 第1に、歯盤の前面上に組成物と共に配置されたリップグロス塗布具の先端部を回転させて、歯盤上へと組成物を移動させ、次いで円形の端部に向かって扇型に広げることにより、湿った歯盤の前面上へと組成物を塗抹する、
5. ピンセットを用いて、歯盤を拾い上げる。ピンセットが、歯盤の円形の端部のみに接触し、かつ組成物により塗抹された歯盤の表面に接触しないことを確認する。プラスチック容器を傾斜させ、かつ円筒壁と平底とが接する容器の円筒壁上において、水の中に歯盤を緩やかに定置させる。歯盤の処理表面が、容器の円筒壁から上向きに離れて面していることを確認する。
6. 円筒状容器をローラーミキサ(VWR(Batavia,IL)から購入したTechneによるモデル番号TSRT9、カタログ番号89132-186;又はCole-Parmer Inc.(Vernon Hills,IL)からの品番04750-30)に置く。ミキサを作動させる-これは、12~14RPMにて容器を緩やかに回転させる。歯盤を水に浸漬し続けなければならず、また処理表面は、回転する円筒壁から離れて面していなければならない。この回転運動により、口腔内における、歯にわたる唾液及び他の液体の緩やかな移動と同様に、歯盤にわたって水が緩やかに流れる。
7. 58~62分後に、ローラーミキサを停止させ、未使用の過酸化物試験ストリップ(EMD Millipore Corporation(Billerica,MA)供給者番号1.16974.0001によって供給、VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号EM1.16974.0001)を容器から取り出し、タイマーを開始する。
8. 過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書で明記される。
9. ピンセットを用いて、水から歯盤を取り除く。従来どおり、ピンセットが、歯盤の円形の端部のみに接触し、かつ組成物により塗抹された歯盤の表面に接触しないことを確認する。手袋をはめた指先に、歯盤を載置させる。組成物が塗抹された歯盤の表面が、手袋をはめた指先から離れて上向きに面していることを確認する。
10. 反応域のうち1つが、残留組成物を有する歯盤の表面に接触するように、過酸化物試験ストリップを歯盤に対して定置させる。親指と人差し指との間で、過酸化物試験ストリップを歯盤に接触させてつまみ、親指と人差し指との間で、2~3秒の間、指圧をしっかりと加える。
11. ペーパータオルの清浄な領域へと、過酸化物試験ストリップを移動させる。濾紙(WhatmanGrade 1 Qualitative FilterPaper Standard Grade、丸型、90mm供給者番号1001-090;VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号28450-081)を、試験ストリップの上部に置く。濾紙の上部に指圧を加える。単一の塗り付けにおいて、(濾紙上の指圧力を維持しつつ)過酸化物試験ストリップを濾紙の下から引き抜き、これにより、濾紙及びペーパータオル上へと余分なゲルを拭き取る。過酸化物試験ストリップから反応域が外れないことを確実にする。
12. 過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書で明記される。
13. 工程7~12を、タイマーで3分以内に完了させなければならない。
14. 工程1~13を、最小12個の歯に関して繰り返す。
15. 本明細書で指定された手順を用いてAdobe Photoshop CS4を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準として機能する、保持具に取り付けられたマンセルN8マット色シートのストリップの、Red輝度の平均及び標準偏差を測定する。各画像内に内蔵されたマンセルN8基準の平均R値輝度は、204~212でなければならず、標準偏差は3以下でなければならない。
16. 本明細書で指定された手順を用いてAdobe Photoshop CS4を使用して、(歯盤に押し付ける前に)基線で、全ての過酸化物試験ストリップ上の反応域のRed輝度の平均を測定する。
17. 本明細書で指定された手順を用いてAdobe Photoshop CS4を使用して、歯盤に押し付けた後に、全ての過酸化物試験ストリップ上の同じの反応域のRed輝度の平均を測定する。
18. 歯の上へ塗抹した組成物の平均残留過酸化物濃度は、以下のように計算する。まず、工程-16からの各反応域の平均基線R値輝度から、工程-17からの歯盤上に残留組成物を押し付けた後の同じ反応域の平均R値輝度を引く。歯盤と接触させて押圧される全ての反応域に関して、この計算を繰り返し、かつ結果を平均化する。これは、歯の上に塗抹された組成物の、平均残留過酸化物濃度である。
【0300】
組成物がチューブから手動で分注されやすいかどうかを決定する方法
1.以下の寸法を有する箔積層チューブを選択する。
a.ノズルの先端から筒底までの全長:約112mm
b.筒の内径:約28mm
c.ノズルの長さ:約21mm
d.ノズルの内径:筒に取り付けられたノズルの長さの半分として約9.7mm、及びノズルの出口オリフィスにつながるノズルの他方の半分として約4.2mm
2.約35~約40グラムの組成物を、筒の底を通して工程-1からのチューブに充填する。超音波密封器を使用して、筒の底を密封する。
3.静置後に分注の容易さが測定されるであろう期間の間、空気を温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)で維持した室内又はチャンバ内に、チューブを静置する。
4.少なくとも1日約23℃で、チューブを平衡化させる。
5.片手の親指と他の指との間でチューブを摘まみ上げる。チューブを空気中に保持しながら、チューブを親指と他の指との間に約10秒間しっかりと握る。チューブのノズルから分注される組成物のビーズの長さを測定する。
6.少なくとも1インチの製品が工程-5で分注される場合、指定された温度で指定された期間後に、組成物は、チューブから手動で分注することが容易であると見なされる。
【実施例0301】
以下の非限定的な実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態を更に記載する。これらの実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。全ての実験は、特に指示がない限り、室温(room temperature、RT)及び大気圧にて実施された。
【0302】
【表7】
Solvay(Houston,Texas)からの35%Ultra cosmetic grade
Croda Inc(Edison,NJ)からのTween 20-LQ-(AP)
Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からのKaydol grade
特に指示がない限り、総多相組成物の重量%
【0303】
【表8】
水で希釈された35%のSolvay(Houston,TX)からのUltra cosmetic grade(1:1、17.5%のHSolvay(Houston,Texas)からの35%Ultra cosmetic grade
Croda Inc(Edison,NJ)からのTween20-LQ-(AP) Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からのKaydol grade
Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からのHydrobrite HV grade
Sonneborn,LLC.(Parsippany,NJ)からのG-2218 Grade
Penreco Inc.(Karns City,PA)からのVersagel grade M 750
【0304】
実施例I、II、及びIIIのバッチを、以下の手順に従って作製した。
1. Tween 20及びH2O2の水溶液を、Speedmixer容器(150-グラム及び250グラムバッチではMax 300 Long Cup Translucent、品番501 218t又はMax 300 X Long Cup Translucent、品番501 217t、並びに50グラムバッチではMax 200 Long Cup Translucent、品番501 220t、全ての容器はFlacktek Inc.(Landrum,SC)から)に計り入れ、溶解するまで容器を手動で旋回させることによって混合した。
2. 鉱油を少しずつ添加し(以下の表を参照し、一般に、少量から開始し、より多く増加させながら)、添加するたびに約1~2分間ゴムスパチュラを用いて混合した。水中油型エマルションがこの工程中に形成され、組成物は、ローション様の半固体稠度を展開した。
3. 全ての鉱油を添加したら、Speedmixerで、Speedmixer容器の内容物を各々2分間800RPMで3回混合した。
【0305】
実施例IVのバッチを、以下の手順に従って作製した。
1. Tween 20及びH2O2の水溶液をSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からのMax 300 Long Cup Translucent、品番501 218t)に量り入れ、溶解するまで容器を手動で旋回させることによって混合した。
2. 30グラムの鉱油を各々約15グラムの2回に分けて添加し、添加するたびに約1~2分間ゴムスパチュラを用いて混合した。別個に、44.61グラムの鉱油及び80グラムのワセリンを、対流式オーブン内で約80Cまで加熱した後に一緒にブレンドした。次いで、105.44グラムのこのブレンドを少しずつ(約13グラム~約33グラムに少しずつ増加させながら)添加し、添加するたびにゴムスパチュラを用いて約1~2分間混合した。混合中、スピードミキサ容器を60Cの水に浸漬させ、最初の2回分の後に、ブレンドを75C~80Cに再加熱した。
3. Speedmixerで、Speedmixer容器の内容物を各々2分間800RPMで2回混合した。
【0306】
実施例Vのバッチを、以下の手順に従って作製した。
1. Tween 20及びH2O2の水溶液をSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からのMax 300 Long Cup Translucent、品番501 218t)に量り入れ、溶解するまで容器を手動で旋回させることによって混合した。
2. Versagelを少しずつ添加し(以下の表を参照し、一般に、少量から開始し、より多く増加させながら)、添加するたびに少なくとも2分間ゴムスパチュラを用いて混合した。
全てのVersagelを添加したら、Speedmixerで、Speedmixer容器の内容物を各々2分間800RPMで3回混合した。
【0307】
【表9】
【0308】
比較例
【0309】
【表10】
Solvay(Houston,TX)からのUltra cosmetic gradeの35%水溶液
Croda Inc(Edison,NJ)からのTween20-LQ-(AP) Croda Inc(Edison,NJ)からのTween60-LQ-(AP) Croda Inc(Edison,NJ)からのTween40-LQ-(AP) Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からのKaydol grade
【0310】
【表11】
Solvay(Houston,Texas)からの35%Ultra cosmetic grade
Croda Inc(Edison,NJ)からのSpan20-LQ-(AP) Croda Inc.(Edison,NJ,USA)からのSpan 40 Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からのHydrobrite HV grade
Sonneborn,LLC.(Parsippany,NJ)からのG-2218 Grade
Croda Inc(Edison,NJ)からのTween20-LQ-(AP)
【0311】
比較例I、II、及びIIIのバッチを、以下の手順に従って作製した:
1.Tween 20、Tween 40、又はTween 60、続いてHの水溶液を、Speedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からのMax 300 Long Cup Translucent、品番501 218t)に量り入れ入れた。比較例I及びIIのバッチを、溶解するまで手動で容器を旋回させることによって混合した。比較例IIIのバッチを、溶解するまでゴムスパチュラを用いて激しく混合した。
2.鉱油を少しずつ添加し(以下の表を参照されたい)、添加するたびに約1~2分間ゴムスパチュラを用いて混合した。
3.全ての鉱油を添加したら、Speedmixerで、Speedmixer容器の内容物を各々2分間800RPMで3回混合した。
【0312】
【表12】
【0313】
比較例IVのバッチを、以下の手順に従って作製した:
1. Tween 20、続いてH2O2の水溶液をSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からのMax 200 Long Cup Translucent、品番501 220t)に量り入れ、溶解するまで容器を手動で旋回させることによって混合した。
2. 1つの単一回で全ての鉱油をSpeedmixer容器に量り入れた。
3. 鉱油を添加したら、Speedmixerで、Speedmixer容器の内容物を2分間800RPMで1回、続いて2分間2600RPMで1回混合した。
【0314】
比較例Vのバッチを、以下の手順に従って作製した。
1. Span 20、続いて鉱油をSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からのMax 300 Long Cup Translucent、品番501 218t)に計り入れ、溶解するまでSpeedmixerで2分間800RPMで混合した。
2. Hの水溶液をSpeedmixer容器に量り入れた。
3. Speedmixerで、Speedmixer容器の内容物を各々2分間800RPMで3回混合した。
【0315】
比較例VIのバッチを、以下の手順に従って作製した。
1. Span 40及びワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からのMax 300 Long Cup Translucent、品番501 218t)に量り入れた。次いで、内容物の温度が>58Cになるまで、この容器を60Cに設定された対流式オーブンに入れた。次いで、speedmixerで、容器の内容物を30秒間2350RPMで混合して、Span 40をワセリンに溶解させた。
2. 次いで、内容物の温度が<38Cになるまで、容器を34Cに設定された対流式オーブンに入れた。H2O2の水溶液をSpeedmixer容器に量り入れた。
3. Speedmixerで、Speedmixer容器の内容物を各々2分間800RPMで3回混合した。
【0316】
比較例VIIのバッチを、以下に従って作製した。
1. ワセリン及びH2O2の35%水溶液をMax 300 Long Speedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC))に添加し、SpeedMixer(Flacktek Inc.(Landrum,SC))で30秒間1600RPMで混合した。
2. この混合物を、12.8ozの空のCaulk Cartridge(McMaster Carr(Robbinsville,NJ))へと移して、生成物温度が8℃と測定されるまで、冷蔵庫内に保管した。
3. Caulk Cartridgeを、Caulk Gun(McMaster Carr(Robbinsville,NJ))内へと挿入して、マイクロフルイダイザーモデルM-110Y(Microfluidics(Westwood,MA 02090))の入口に接続した。生成物が、F20Yのインタラクションチャンバ及び数cmの前後管のみを通過するように、マイクロフルイダイザーの出口管を配置した。Microfludizerへの入口圧力を40psigに調節し、Caulk Cartridgeへの入口圧力を94psigに調節した。最終生成物を、プラスチック容器内に収集した。
【0317】
比較例VIIIのバッチを、以下の手順に従って作製した:
1 鉱油をSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からのMax 300 Long Cup Translucent、品番501 218t)に量り入れた。
2. Tween 20、続いてH2O2の水溶液を別個のSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 40 Long Cup Translucent」、品番501 223Lt)に量り入れ、溶解するまで容器を手動で旋回させることによって混合した。次いで、工程-1からの鉱油にこの混合物を複数回で添加し(上記の表を参照されたい)、添加するたびに約1~2分間ゴムスパチュラを用いて混合した。組成物は液体のままであり、この工程中に、ローション様の半固体稠度を展開しなかった。
3. Tween 20とH2O2の水溶液との全ての混合物を添加したら、Speedmixerで、Speedmixer容器の内容物を各々2分間800RPMで3回混合した。
【0318】
【表13】
【0319】
【表14】
【0320】
【表15】
【0321】
【表16】
【0322】
【表17】
【0323】
【表18】
【0324】
【表19】
スピンドルD、2.5RPMを使用
スピンドルDを100RPMで使用して測定した、2.5RPMでのスピンドルDの検出限界未満
【0325】
【表20】
【0326】
【表21】
【0327】
【表22】
【0328】
図1A図1Eは、実施例IA~IEの安定な密集水中油型エマルションを示す。これらの組成物を、表1に示す。対照的に、図2は、肉眼で見える分離を示した高内相水中油型エマルションを示す。重要かつ予想外なことに、実施例1A~1E(≧84%の疎水性相)は全て、比較例I(74%の疎水性相)よりも高い割合の疎水性相を有した。
【0329】
図3A図3Eは、安定な密集水中油型エマルションの顕微鏡画像である(実施例IA~IE)。これらの画像では、疎水性相は、過酸化水素を含む連続的な水相の薄い領域を有する大きい領域として見える。疎水性領域が移動する能力は、疎水性相の濃度が密集濃度を超えるにつれて、疎水性領域が隣接する又は隣り合う領域の形状に影響を及ぼすので、移動がより少なくなる。これは、領域が互いに押し付けられて、球状液滴の代わりに多面体形状を生じた、図3A図3Eに見られる。画像に見られるように、60℃で2日後に、実施例I-Aは最小限の肉眼で見える分離を有し、実施例I-B~I-Eは肉眼で見える分離を有さなかった。
【0330】
図4A(比較例II)は、3.43%のTween 60を乳化剤として使用した場合の高内相水中油型エマルションの、肉眼で見える分離を示す。図5(比較例III)は、Tween 40を乳化剤として使用した場合の高内相水中油型エマルションの、肉眼で見える分離を示す。対照的に、図4B(実施例IF)は、Tween 20を乳化剤として使用した場合の安定な密集水中油型エマルションを示す。
【0331】
図6A(比較例IV)が、高内相水中油型エマルションの肉眼で見える分離を示す一方で、図6B(実施例IF)は、安定な密集水中油型エマルションを示す。表1及び表3に示されるように、比較例IV及び実施例IFは、作製方法を除いて同一である。比較例IVでは、1つの単一回で疎水性相を水相に添加した。対照的に、実施例IFは、疎水性相を1回添加する毎に混合して、複数回で添加することによって作製した。
【0332】
図7は、実施例IIが、調製時に安定な密集水中油型エマルションであることを示す。これは、チューブから分注される場合、凝集性半固体ビーズとして見える。
【0333】
図8Aは、Span 20を乳化剤として使用した場合の比較例Vの肉眼で見える分離を示す一方で、図8Bは、Tween 20を乳化剤として使用した場合の実施例IIIの安定な密集水中油型エマルションを示す。実施例IIIは、23℃で7ヶ月後に肉眼で見える分離を示さなかった。
【0334】
図9Aは、油中水型エマルションを含む比較例VIの顕微鏡画像を示す。図9Aは、疎水性相中に分散した水相の離散液滴を示す。対照的に、図9Bは、実施例IBの安定な密集水中油型エマルションを示す。図9Bは、過酸化水素である口腔ケア有効物質を含む薄い連続的な水相を有する疎水性相の離散領域を示す。
【0335】
図10Aは、疎水性相中に分散した水相の離散液滴を有する油中水型エマルションである比較例VIIの顕微鏡画像を示す。対照的に、図10Bは、水相中に分散した油の領域を有する密集水中油型エマルションとしての実施例IBを示す。実施例IB及び比較例VIIは、実施例IBが1%のTween 20乳化剤を含むという点でのみ異なるが、比較例VIIは乳化剤を有さない。
【0336】
図11は、40℃で90日後の、安定な密集水中油型エマルションとしての実施例IBを示す。表7は、40℃で90日間にわたってHが実質的に失われないことを示しており、これは、実施例IBが反応性及び肉眼で見える分離に対して非常に安定であることを示す。
【0337】
図12A及び図12Bは、(トレイ上に送達され、本明細書で指定された電磁放射線と組み合わせた)実施例I-Bで1回の単回処置後の黄色度の驚くべく高い減少を示す。
【0338】
図13は、1)顕微鏡スライド用ホルダー、2)9枚の顕微鏡スライド、3)スライドをホルダーに固定するテープ、及び4)スライドのうちの1つに適用された多相口腔ケア組成物又は疎水性相のビーズの試料スケッチを示す。
【0339】
図14は、45度で60秒間傾けられた後の、本明細書で指定された滑動流動方法の、実施例I-Bの2つのバッチの3つのビーズ及び検証組成物の3つのビーズを示す。この画像は、実施例IBではビーズがスライドをほとんど流れ下がっていないが、本明細書で指定された滑動流動方法の検証用組成物ではスライドの底部まで流れ下がったことを示している。これは、安定な密集水中油型エマルションが送達支持材料中の所定の位置に留まることを示す。
【0340】
図15は、顕微鏡下で観察するために、本発明の多相組成物を充填するために使用することができるテンプレート及びカバースリップを示す。
【0341】
図16Aは、比較例VIIIを示し、図16Bは、実施例I-Bを示す。重要なことに、表1及び表4に示されるように、作製方法を除いて組成物は同一である。比較例VIIIでは、水相を疎水性相に添加し、これにより、添加後1時間未満の肉眼で見える分離がもたらされた。対照的に、実施例I-Bでは、疎水性相を1回添加する毎に混合しながら、疎水性相を少しずつ水相に添加した。実施例I-Bは、室温(~23℃)で7ヶ月間保管した後に肉眼で見える分離を示していない、密集水中油型エマルションとして図16Bに示されている。
【0342】
表1及び表2は、本発明の実施例を示し、表3及び表4は、本明細書に記載の比較例を示す。
【0343】
表5は、過酸化水素を含む2つの試料の平均過酸化物を示す。両方の組成物が同じレベルのHを有した場合でさえも、安定な密集水中油型エマルションであった実施例IBは、油中水型エマルションであった比較例VIよりも、試験ストリップ上に塗抹されるより高い平均過酸化物濃度を送達した。
【0344】
表6は、いくつかの組成物のホワイトニング有効性を示す。具体的には、この表は、1)両方の組成物が、同じレベルのH(3%)を有し、2)実施例I-Bの処置時間が短く(60分対90分)、水中油型エマルションを含む実施例I-Bが、油中水型エマルションを含む比較例VIIよりも黄色度においてより高い平均減少を送達したことを示している。
【0345】
表8は、全ての実施例が同じレベルのH2O2を有した場合でさえも、最も低いBrookfield粘度を有する実施例I-Bが、試験ストリップ上に塗抹される最高平均過酸化物濃度を送達したことを示す。表9は、実施例IBの降伏応力を示す。
【0346】
表10は、安定な密集水中油型エマルションを含む実施例I-Bが、より高い水分散性を有した場合でさえも、油中水型エマルションを含む比較例VIIよりも黄色度においてもより高い平均減少を送達したことを示す。
【0347】
表11は、安定な密集水中油型エマルションを含む実施例I-Bが、疎水性相及びそれが作製された水相よりもはるかに高いBrookfield粘度を有することを示す。
【0348】
表12は、安定な密集水中油型エマルションを含む実施例I-Bが、疎水性相及びそれが作製された水相よりもはるかに高い降伏応力を有することを示す。
【0349】
表13は、疎水性相の割合を増加させ、水相の割合を増加させるにつれて、疎水性相の領域のD[4,3]等価直径が減少することを示す。
【0350】
表14は、乳化剤の割合を増加させるにつれて、疎水性相の領域のD[4,3]等価直径が減少することを示す。
【0351】
顕微鏡画像は、本明細書に記載されるように、顕微鏡スライド上に多相口腔ケア組成物を充填するために、以下の手順を使用して捕捉した。一般に、試料が100マイクロメートル以下の厚さであるように、試料を顕微鏡スライドとカバースリップとの間に挟んだ。これは、以下の手順によって行った:
1.顕微鏡スライド(VWR Micro Slides,Super Frost Plus,25×75×1mm、VWR International(Radnor,PA)製、VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号48311-703)を、艶消しされた面を上に向けて清潔な作業面上に置く。
2.ピペットに組成物を吸引しないように注意しながら、微細な先端(VWR(Batavia,IL)から購入した5.8mLのポリエチレン、カタログ番号414004-020)を有する使い捨て移送ピペットで慎重に多相口腔ケア組成物をつつく。
3.約5mgの組成物を、移送ピペットの先端から顕微鏡スライドの表面に移す。これは、顕微鏡スライド上で移送ピペットの先端を穏やかにタッピングすることによって行ってもよい。
4.試料を覆い、試料を中心にして、顕微鏡カバースリップ(VWR(Batavia,IL)から購入したVWR Micro Cover Glass、22mm×22mm×一般に約130マイクロメートルの厚さ、カタログ番号48366 067)を保持する。カバースリップを試料上に穏やかに落下させる。
5.カバースリップに触れないように注意しながら、正方形に切り取ったテンプレート(厚さ約230マイクロメートル、図15)の中央の穴を、カバースリップを取り囲んで置く。第2の顕微鏡スライドをカバースリップの上部に置き、テンプレートに対して押し付ける。これは、試料が厚さ100マイクロメートル以下であることを確実にするであろう。注目すべきこととして、特定の場合では、試料の厚さは、試料の粘度及び表面張力に応じて、100マイクロメートル未満であってもよい。
6.ここで、試料は、約10分以内に顕微鏡下で観察する準備ができた。
【0352】
本明細書に開示の臨床プロトコルに従って、実施例I-Bの漂白有効性を測定した。具体的には、過去に専門家の歯の漂白処置、薬局窓口での処方箋なしの歯の漂白処置、又は治験的な歯の漂白処置を受けたことがない10人の大人での単一施設、単回処置臨床研究において、実施例I-Bの漂白有効性を測定した。全ての参加者は、少なくとも18歳であり、4つの全ての測定可能な上顎部門歯を有しており、かつ歯の刺激敏感性の自己報告を有さなかった。参加者は、次の処置グループに割り当てられた。
・実施例I-B(参加者10人、平均L73.848、及び平均b15.172) 参加者は、本明細書に記載されるように、1日1回、3日間処置された。
【0353】
参加者は、全ての試験時間点において、基線に対して、統計的に有意な(p<0.0001)黄色度の減少を示した。
【0354】
過去に専門家の歯の漂白処置、薬局窓口での処方箋なしの歯の漂白処置、又は治験的な歯の漂白処置を受けたことがない11人の大人での、制御された、単一施設での臨床研究において、比較例VIIの漂白有効性を測定した。全ての参加者は、少なくとも18歳であり、4つの全ての測定可能な上顎部門歯を有しており、かつ歯の刺激敏感性の自己報告を有さなかった。参加者は、次の処置グループに割り当てられた。
・比較例VII(参加者11人、平均L73.667、及び平均b15.138) 以下の変更を用いて、本明細書に開示の臨床プロトコルに従って、実施例VIIの漂白有効性を測定した。
・送達支持材料として使い捨てポリエチレンストリップを使用して、多相口腔ケア組成物を用いて、日に1回(60分の代わりに)90分間、参加者の上顎前歯を処置した。比較例VIIは、トレイからのすすぎが実施例I-Bほど容易ではないので、トレイの代わりに使い捨てストリップを使用した。ポリエチレンストリップは、サイズ66mm×15mm及び厚さ0.0178mmであった。上顎前歯に適用する前に、0.6g~0.8gの多相口腔ケア組成物を、ポリエチレンの各ストリップ全体に適用した。30分毎に新しいストリップを使用して、合計3×30分の適用としてこれらの90分以内に組成物を歯に再適用した。
・各30分間の適用内では、訓練を受けた衛生医が、最後の10分間に上顎前歯の顔側表面に向かって電磁放射線を適用した。1日1回処置当たり合計90分間として、30分を3回の適用をそれぞれ適用した。電磁放射線を、ストリップ及び口腔用組成物を介して歯に向けた。
・ベースライン及び1及び2回の処置翌日に、臨床プロトコルに従ってデジタル画像を収集した。
【0355】
本明細書の表題「臨床プロトコル」の段に記載の電磁放射線源を使用して、電磁放射線を送達した。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面で出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線で測定した、400nm~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書に開示の方法によって測定して、約175mW/cm~約225mW/cmであると測定された。90分の処置が完了したら、ストリップを除去した。参加者を1日1回、3日間処置した。
【0356】
参加者は、全ての試験時間点において、基線に対して、統計的に有意な(p<0.0001)黄色度の減少を示した。表6に結果を示す。
【0357】
表6の結果は、1)両方の組成物が同じレベルのHを有し、2)実施例の水中油型エマルションの処置時間が短い(60分対90分)場合でさえも、比較例の油中水型エマルションよりも黄色度のより高い平均減少を送達したことを示す。具体的には、1)1×60分の処置後、比較例VIIは、2.185の黄色度の平均減少を送達した一方で、実施例I-B(水中油型エマルション)は、2.908-の黄色度の平均減少を送達した-これは、33%短い時間で約33%高い有効性であり、2)比較例VIIは、2×60分の処置後、3.333の黄色度の平均減少を送達した一方で、実施例I-B(水中油型エマルション)は、4.214の黄色度の平均減少を送達した-これは、33%短い時間で約26%高い有効性である。1)両方の組成物が、同じレベルのH2O2(3%)を有し、2)歯を、組成物と共に3×10分の電磁放射線で処置し、3)実施例の水中油型エマルションの処置時間が、比較例の油中水型エマルションよりも33%短い(60分対90分)ので、これらの結果は驚くべきことである。
【0358】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に等価な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16A
図16B
【外国語明細書】