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特開2023-154018ユーザ間のTCGの対戦を支援するために端末で実行される方法、システム、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154018
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】ユーザ間のTCGの対戦を支援するために端末で実行される方法、システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20231011BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20231011BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20231011BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231011BHJP
   A63F 13/75 20140101ALI20231011BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20231011BHJP
【FI】
A63F13/80 B
A63F13/213
A63F13/30
A63F13/53
A63F13/75
A63F13/795
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130563
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2020058638の分割
【原出願日】2019-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 貴行
(72)【発明者】
【氏名】小川 慧
(72)【発明者】
【氏名】寺田 佑貴
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より簡易な構成で、TCGの進行を支援することができるシステムを提供する。
【解決手段】第1のユーザ(5A)の情報が対応付けられる第1の端末(10A)と、第1のユーザの対戦相手となる第2のユーザ(5B)の情報が対応付けられる第2の端末(10B)とが、互いを関連付ける第1のステップ(S653、S605A、S605B)を含む。前記第1の端末が、前記TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品(30)に対し、前記カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置される。前記方法は、前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングする前記範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する情報を前記第1のユーザおよび前記第2のユーザに報知する第2のステップ(S609B)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ間のTCG(Trading Card Game)の対戦を支援するために端末で実行される方法であって、
第1のユーザの情報が対応付けられる第1の端末と、第1のユーザの対戦相手となる第2のユーザの情報が対応付けられる第2の端末とが、互いを関連付ける第1のステップを含み、
前記第1の端末が、前記TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品に対し、前記カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置され、 前記方法は、
前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングする前記範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する第1の情報を表示する第2のステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記第1の端末は、撮影機能を有しており、前記範囲を撮影することによりセンシングを行うように構成されており、
前記第2のステップにおいて、前記第2の端末は、前記第1の端末が撮影した撮影画像を表示することなく、前記第1の情報を表示する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のステップにおいて、前記第2の端末は、前記センシングされたデータの解析結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する特定の事象が発生したことが検知されたことに応答して、前記第1の端末が撮影した撮影画像を表示する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のステップにおいて、前記第2の端末は、前記特定の事象として、各ユーザが、前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を行ったことが検知されたことに応答して、前記撮影画像を表示する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のステップにおいて、前記第2の端末は、前記第1の端末が撮影した撮影画像を受信することなく、前記撮影画像の解析結果を受信することにより、前記第1の情報を表示する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記TCGは、前記TCG用品に対し、各ユーザがカードを配置し、前記TCG用品の所定の範囲に配置された各ユーザのカードの向きにかかわらず、当該カードのパラメータに基づいてカード同士の対戦の勝敗が定まるものである、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の端末は、前記第1の端末がセンシングする範囲内であって、前記TCG用品に載置される位置に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記第1の端末または前記第2の端末に、
前記TCG用品に対して予め定められた位置に前記第1の端末を配置する配置例を表示させる第3のステップと、
前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記第1の端末が前記配置例に従って配置されていること、および、前記第2の端末が前記TCG用品の所定の位置に配置されていることを検出し、当該検出されたことに応答して、前記第1の端末および前記第2の端末に、前記TCGの開始が可能であることを通知する第4のステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ間のTCG(Trading Card Game)の対戦を支援するために端末で実行される方法であって、
第1のユーザの情報が対応付けられる第1の端末と、前記第1のユーザおよび第2のユーザのいずれでもない第三者の端末である第3の端末とが、互いを関連付けるステップと、
前記第2のユーザの端末である第2の端末と、前記第1の端末または前記第3の端末との少なくともいずれかとを互いに関連付けるステップと、を含み、
前記第1の端末が、前記TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品に対し、前記カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置され、 前記方法は、
前記第3の端末が、前記第1の端末がセンシングする前記範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する第1の情報を表示するステップとを含む、方法。
【請求項10】
前記第1の端末および前記第2の端末は、前記TCG用品の前記カードが配置される範囲の外部に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のステップにおいて、
前記第1のユーザに設定される第1の言語の情報と、前記第2のユーザに設定される第2の言語の情報とを読みだして、前記第1のユーザに対しては前記第1の言語の情報に応じた言語で報知を行い、前記第2のユーザに対しては前記第2の言語の情報に応じた言語で報知を行う、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
複数のユーザの前記TCGの対戦を管理する管理装置と、前記第1の端末と、前記第2の端末とが通信可能に構成されており、
前記管理装置は、前記TCGの対戦が行われる会場の複数の対戦スペースの情報を記憶するように構成されており、
前記方法は、さらに、
前記管理装置が、前記第1のユーザと、前記第2のユーザとをマッチングさせる場合に、前記第1の端末と、前記第2の端末とに、前記対戦会場における前記対戦スペースを特定する情報を送信する第5のステップとを含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記TCGの対戦は、複数のユーザが交互に行動を行うターン制のゲームであり、
前記第2のステップにおいて、
前記第2の端末に、ターンを進行させるための入力操作を各ユーザから受け付けさせ、各ユーザがターンを開始してから一定時間内に前記入力操作を検出しないことに応答してターンを進行させ、各前記ユーザが前記入力操作を行ったことに関する情報を前記管理装置へ送信する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、前記第1の端末または前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングした結果に基づいて、各ユーザが、前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を行ったことを検知する第6のステップを含み、
前記第2のステップにおいて、
前記前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を検知したことに応答して、当該行為が行われたことを報知する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記TCGの対戦は、複数のユーザが交互に行動を行うターン制のゲームであり、
前記第2のステップにおいて、
前記第2の端末に、ターンを進行させるための入力操作を各ユーザから受け付けさせ、各ユーザがターンを開始してから一定時間内に前記入力操作を検出しないことに応答してターンを進行させ、各前記ユーザが前記入力操作を行ったことに関する情報を前記管理装置へ送信し、
前記方法は、前記第1の端末または前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングした結果に基づいて、各ユーザが、前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を行ったことを検知する第6のステップを含み、
前記第2のステップにおいて、
前記前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を検知したことに応答して、当該行為が行われたことを報知し、当該行為が行われたことに関する情報を前記管理装置へ送信し、 前記管理装置は、各ユーザについての前記ターンを進行させるのに要する所要時間、または、前記対戦ルールに適合しない行為が行われた履歴の少なくともいずれかに基づいて、前記TCGの対戦をマッチングさせるユーザを決定する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
ユーザ間のTCG(Trading Card Game)の対戦を支援するために端末に実行させる方法であって、
前記TCGの対戦は、当該TCGに登場するキャラクタの情報と関連付けられるカード部材と、当該カード部材を対戦時に各ユーザが設置するためのTCG用品とを用いて行われるものであり、
第1の端末は、撮像部を備え、前記カード部材が前記TCG用品に設置されたことを撮影可能な位置に設置されるものであり、
前記TCGの対戦を行う際に、前記第1の端末と、第2の端末とを関連付けるステップと、
前記第1の端末が、前記対戦が進行する間、前記撮像部により前記TCG用品の撮影を行うことにより動画像データを生成するステップと、
前記第2の端末が、前記第1の端末で生成される前記動画像データに示される動画像を前記第2の端末において表示することなく、前記動画像データの解析結果に基づいて、前記対戦の進行に関する第1の情報を表示するステップと、を含む、方法。
【請求項17】
ユーザ間のTCG(Trading Card Game)の対戦を支援するためのシステムであって、 第1のユーザの情報が対応付けられる第1の端末と、第1のユーザの対戦相手となる第2のユーザの情報が対応付けられる第2の端末とが、互いを関連付け、
前記第1の端末が、前記TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品に対し、前記カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置され、 前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングする前記範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する第1の情報を表示する、システム。
【請求項18】
ユーザ間のTCG(Trading Card Game)の対戦を支援するためのシステムにおいてユーザが使用する端末を動作させるためのプログラムであって、
前記システムにおいて、前記前記第1のユーザの情報が対応付けられる第1の端末と、前記第1ユーザの対戦相手となる第2のユーザの情報が対応付けられる第2の端末とが通信可能に構成されており、
前記第1の端末が、前記TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品に対し、前記カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置され、 前記プログラムは、前記第2の端末のプロセッサに、
第1の端末と、第2の端末とを関連付けるステップと、
前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングする前記範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する第1の情報を表示するステップとを実行させる、プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザ間のTCG(Trading Card Game)の対戦を支援するために端末で実行される方法、システム、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがカードを用いてデッキを組み、ユーザ間で行うTCGが普及している。TCGは、現実のカードを用いて、予め定められたルールのもと、ユーザ間で対戦を進行させるものである。
【0003】
ユーザがデッキを編成するにあたり様々な制約条件を設けることにより、制約のもとでデッキを編成しようとユーザが動機づけられることになり、TCGの興趣性が高まることとなる。制約条件としては様々なものがあるが、例えば、カードそれぞれにコストという数値の概念が設けられている場合、デッキを構築するカードそれぞれのコストの合計値が所定値を超えないように、カードを編成していくこととなる。
【0004】
また、デッキに編成できるカードの枚数が、所定枚数に制限されていることもある。また、TCGの大会の規定によっては、所定のカードを使用してはならないとされていることもあるし、大会の趣旨によっては、特定の属性のカードのみを使用するよう定められていることもある。
【0005】
このようなTCGによる遊びの体験をユーザによりいっそう提供できるよう、様々な技術が用いられている。例えば、据え置き型ゲームハード機向けのゲーム(下記の特許文献1を参照)として、カードを置くための盤面と、盤面を撮影するためのカメラ装置とをユーザが用意して、カメラ装置と据え置き型ゲームハード機とを接続することでゲームを進行させるものがある。特許文献1の技術では、ユーザがカードを載置する対象である盤面を撮影するように、カメラを設置する。カードには、それぞれカードを特定するための二次元コードが印刷されている。カメラの撮影画像をゲーム画面に表示するとともに、盤面にカードが載置された場合に、カードの位置に重畳させて、カードにより特定されるゲームオブジェクトの3Dモデルを表示させる。
【0006】
特許文献1によると、現実のカードが盤面に載置されることにより、ゲーム空間に、カードが載置された位置に応じてゲームオブジェクトが配置され、攻撃により体力ゲージを減少させるなどのゲーム進行を行わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-079815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示されるゲームの場合は、据え置き型ゲームハード機の他に、当該ゲームハード機に接続することができる専用のカメラを用意したうえでゲームを進行させることとなるため、ゲームの開始にあたりユーザの準備が大掛かりになる。
【0009】
したがって、より簡易な構成で、TCGの進行を支援することができる技術が必要とされている。
【0010】
そこで、本開示は、より簡易な構成で、TCGの進行を支援することができるシステムを提供することを以下に示す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態によると、ユーザ間のTCGの対戦を支援するために端末で実行される方法が提供される。この方法は、第1のユーザの情報が対応付けられる第1の端末と、第1のユーザの対戦相手となる第2のユーザの情報が対応付けられる第2の端末とが、互いを関連付ける第1のステップを含む。第1の端末が、TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品に対し、カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置される。方法は、第2の端末が、第1の端末がセンシングする範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、第1の端末のセンシング結果に基づいて、TCGの対戦の進行に関する情報を表示する第2のステップとを含む。
【0012】
一実施形態によると、ユーザ間のTCGの対戦を支援するために端末に実行させる方法が提供される。TCGの対戦は、当該TCGに登場するキャラクタの情報と関連付けられるカード部材と、当該カード部材を対戦時に各ユーザが設置するためのTCG(Trading Card Game)用品とを用いて行われるものである。第1の端末は、撮像部を備え、カード部材がTCG用品に設置されたことを撮影可能な位置に設置される。この方法は、TCGの対戦を行う際に、第1の端末と、第2の端末とを関連付けるステップと、第1の端末が、対戦が進行する間、撮像部によりTCG用品の撮影を行うことにより動画像データを生成するステップと、第2の端末が、第1の端末で生成される動画像データに示される動画像を第2の端末において表示することなく、動画像データの解析結果に基づいて、対戦の進行に関する情報を表示するステップと、を含む。
【0013】
一実施形態によると、ユーザ間のTCGの対戦を支援するためのシステムが提供される。このシステムにおいて、第1のユーザの情報が対応付けられる第1の端末と、第1のユーザの対戦相手となる第2のユーザの情報が対応付けられる第2の端末とが、互いを関連付ける。第1の端末が、TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品に対し、カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置される。第2の端末が、第1の端末がセンシングする範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、第1の端末のセンシング結果に基づいて、TCGの対戦の進行に関する情報を表示する。
【0014】
一実施形態によると、ユーザ間のTCGの対戦を支援するためのシステムにおいてユーザが使用する端末を動作させるためのプログラムが提供される。システムにおいて、第1のユーザの情報が対応付けられる第1の端末と、第1ユーザの対戦相手となる第2のユーザの情報が対応付けられる第2の端末とが通信可能に構成されている。第1の端末が、TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品に対し、カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置される。プログラムは、第2の端末のプロセッサに、第1の端末と、第2の端末とを関連付けるステップと、第2の端末が、第1の端末がセンシングする範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、第1の端末のセンシング結果に基づいて、TCGの対戦の進行に関する情報を表示するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、より簡易な構成で、TCGの対戦の進行を支援することができるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1の支援システム1の構成を示す図である。
図2】各ユーザが支援システム1を用いてTCGの対戦を進行させている局面を示す図である。
図3】支援システム1の全体の構成を示す図である。
図4】実施の形態1の支援システム1を構成する端末装置10のブロック図である。
図5】サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図6】サーバ20が記憶するユーザ情報データベース281、マッチング履歴データベース282、および対戦履歴データベース283のデータ構造を示す図である。
図7】ユーザ同士の対戦を端末で解析し、解析結果に応じてTCGの対戦の進行を支援するための通知を行う処理を示すフローチャートである。
図8】端末装置10Bが、対戦中にルールに適合しない行為が行われたことをユーザに通知する局面を示す図である。
図9】TCGの対戦の進行を支援するために、TCG用品30に対して端末装置10を配置する他の配置例を示す図である。
図10】各ユーザが端末を用いてTCGの対戦を進行させる処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0018】
以下の実施形態では、ユーザがTCG(Trading Card Game)の対戦を行う際、システム1がTCGの対戦の進行を支援する技術について説明する。また、このようにユーザ間のTCGの対戦を支援することにより、多数のユーザでTCGの対戦を行う対戦会(大会など)の運営を容易にする技術を説明する。このように対戦の進行を支援するために、以下の実施形態では、ユーザが保持する携帯端末を使用してTCG用品をセンシングすることにより、ユーザ間のTCGの対戦で起きている事象を特定すること、特定した内容に基づいてユーザに所定の情報を通知すること等を説明する。
【0019】
TCGの対戦の進行を支援することとしては、具体的には以下の内容が含まれる。
【0020】
(1)対戦前の準備段階として、例えば、(i)対戦するユーザのマッチングを行うこと、(ii)各ユーザに、対戦相手と、対戦を行う場所を案内すること、(iii)システムを利用して対戦を行う際、カードを配置するためのTCG用品(例えば、マット、シート状のものが使用される)に対しユーザの端末でセンシングを行うにあたり、センシングに適したユーザ端末の位置をユーザに通知すること、等が含まれる。
【0021】
(2)対戦中の段階として、例えば、(i)TCG用品においてカードを配置すべき位置をユーザに通知すること、(ii)TCGで対戦を行う際のルールをユーザに通知すること、(iii)ユーザが各カードを配置して、相手方のカードを攻撃したり、攻撃を受けたり、パラメータをアップさせる等の効果を発動させた場合に、カードのパラメータの変動を計算してユーザに通知すること、(iv)TCGの対戦の進行状況(各ユーザが勝利条件にどれだけ近づいているか等)をユーザに通知すること、(v)各ユーザが、TCGのルールに適合しない行為(例えば、特定のカードが使用できないタイミングでカードを使用したこと、対戦会等のルールで禁止されているカードを使用したこと、対戦会で事前に使用するカードを登録するルールであるにも関わらず登録申請していないカードを使用したこと等)を行ったことを通知すること、(vi)TCGのルールに適合しない行為とまでは言えないがTCGの対戦を行うための規範を守るよう促すこと(例えば、TCG用品において、カードを配置すべき位置にユーザが乱雑に配置しないようユーザに促すこと等がある。例えば、カードを配置すべき位置がTCG用品において枠などで示されているとする。この場合に、端末が、TCG用品の撮影画像を解析することで、これら枠を無視してユーザがカードを配置していることを検出すると、ユーザに対し、カードを乱雑に配置しないよう注意を促す通知をすることとしてもよい。このとき、規範を守ってTCGの対戦を行うことで、当該行為を評価することをユーザに通知してもよい。)等が含まれる。
【0022】
(3)対戦終了後の段階として、例えば、(i)ユーザが次に対戦する対戦相手をマッチングすること、(ii)対戦中の各ユーザのプレイ内容を評価して、ユーザの熟練度を評価する(ユーザがターンを進行させるまでの時間、ルールの熟知度合い等に基づき評価する)こと、(iii)ユーザが登録するデッキ(TCGの対戦に使用するカードの組み合わせ)の内容、ユーザの熟練度の評価結果などに基づいて、ユーザの対戦相手をレコメンドすること、当該対戦相手との対戦をマッチングさせること、(iv)ユーザがTCGの対戦を行うための規範を守ってプレイしたことを評価してユーザに通知すること(例えば、TCG用品においてカードを配置するための枠などに対し、ユーザが枠に従ってカードを適切に配置したことを、端末が、TCG用品の撮影画像を解析すること等により評価する。端末が、ユーザに対し、当該評価結果を、例えばフェアプレーポイント等として通知する)、等が含まれる。
【0023】
<1 構成>
図1は、実施の形態1の支援システム1の構成を示す図である。図2は、各ユーザが支援システム1を用いてTCGの対戦を進行させている局面を示す図である。
【0024】
図1の状態(A)は、ユーザがシステム1を利用してTCGの対戦を準備する局面を示す図である。図1の状態(B)は、ユーザがTCG用品に対してユーザの端末とユーザのカードとを配置して、TCGの対戦を開始しようとする局面を示す。
【0025】
図2の状態(A)は、ユーザが山札から手札を加えつつTCGの対戦を進行させている局面を示す。図2の状態(B)は、TCGの対戦の進行状況を、端末装置10Bによりユーザに通知する局面を示す図である。図2の状態(C)は、ユーザがTCGの対戦を終えることにより、ユーザの端末が次の対戦相手と対戦場所とをユーザに通知する局面を示す図である。
【0026】
<1.1 TCG用品30の構成>
まず図1を参照して、各ユーザがTCGの対戦で使用する各種用品について説明する。図1の状態(A)に示すように、第1のユーザ(ユーザ5A)と、第2のユーザ(ユーザ5B)とが、TCGの対戦を開始するにあたり、ユーザ5Aとユーザ5Bとの間にTCG用品30を配置する。TCG用品30は、各ユーザがTCGの対戦で使用するカードを配置するためのものである。
【0027】
各ユーザは、TCG用品にカードを配置して、カードを山札から手札に加えつつTCGの対戦を進行させる。まず、TCG用品30の構成について説明すると、TCG用品30は、山札配置部31Aおよび山札配置部31B(以下、「山札配置部31」と総称することもある)と、準備カード配置部32Aとおよび準備カード配置部32B(以下、「準備カード配置部32」と総称することもある)と、勝敗条件カード配置部33Aおよび勝敗条件カード配置部33B(以下、「勝敗条件カード配置部33」と総称することもある)と、バトルカード配置部34Aおよびバトルカード配置部34B(以下、「バトルカード配置部34」と総称することもある)と、消費カード配置部35Aおよび消費カード配置部35B(以下、「消費カード配置部35」と総称することもある)と、二次元コード36とを含む。
【0028】
また、図2に示すように、TCGの対戦において、各ユーザは、山札から手札を補充しつつカード同士のバトルを進行させる。図2の例では、第1のユーザ(ユーザ5A)は、手札93A(図2の例では2枚の手札)を有している。第2のユーザ(ユーザ5B)は、手札93B(図2の例では3枚の手札)有している。
【0029】
山札配置部31は、各ユーザがデッキとして編成したカードのうち、山札を配置するための領域である。山札配置部31Aは、ユーザ5Aが山札を置くための領域である。山札配置部31Bは、ユーザ5Bが山札を置くための領域である。
【0030】
図1の状態(B)に示すように、各ユーザがTCGの対戦を開始するにあたり、まず、山札配置部31に、各ユーザのカードを山札として配置する。山札配置部31は、ユーザが山札を配置するための領域である。各ユーザは、デッキを構成する各カードを混ぜて、カードを裏向きにして山札配置部31に配置する。ユーザ5Aは、山札配置部31Aに山札91Aを配置する。ユーザ5Bは、山札配置部31Bに山札91Bを配置する。
【0031】
準備カード配置部32は、対戦相手のカードとバトルをすることができるカードを配置するための領域である。各ユーザは、準備カード配置部32に配置されているカードと、バトルカード配置部34に配置されているカードとを入れ替えつつ、バトルカード配置部34に配置されているカード同士で、攻撃力・体力・カードの属性・弱点等に応じたダメージ量の補正などを行わせることで対戦を進行させる。図1の状態(B)に示すように、TCGの対戦を開始する前においては、準備カード配置部32、バトルカード配置部34にはカードは配置されていない。一方、図2の状態(A)に示すように、TCGの対戦が進行すると、各ユーザが準備カード配置部32、バトルカード配置部34にカードを配置しつつカード同士のバトルを行う。各ユーザは山札から手札を補充しつつ、手札の中からバトルに使用するカードを準備カード配置部32、バトルカード配置部34に配置する。ユーザ5Aは、準備カード配置部32Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、準備カード配置部32Bにカードを配置する。
【0032】
勝敗条件カード配置部33は、各プレイヤーが勝利条件をどの程度満たしているかを示す領域である。本実施形態では、勝敗条件カード配置部33に、各プレイヤーが山札から所定枚数のカードを裏向きにして勝敗条件カード配置部33に配置する。図1の状態(B)に示すように、ユーザ5Aは、勝敗条件カード配置部33Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、勝敗条件カード配置部33Bにカードを配置する。
【0033】
バトルカード配置部34は、対戦相手のカードとバトルを行うカードを配置するための領域である。ユーザ5Aは、バトルカード配置部34Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、バトルカード配置部34Bにカードを配置する。本実施形態では、基本的には、バトルカード配置部34Aに配置されるカードと、バトルカード配置部34Bに配置されるカードとで、各カードに設定される体力、攻撃力、カードに示されるキャラクタの属性、弱点の属性、その他のパラメータに基づきバトルを行う。攻撃を受ける等によりカードに設定される体力を失うと、カードに示されるキャラクタが気絶したとしてバトルから退場させ、後述する消費カード配置部35に配置する。
【0034】
消費カード配置部35は、TCGの対戦で消費したカードを配置するための領域である。例えば、バトルに敗北して体力を失ったカード、効果を発動させたカード等を消費カード配置部35に配置する。図2の状態(A)に示すように、ユーザ5Aは、消費カード配置部35Aに、カード92Aを配置する。ユーザ5Bは、消費カード配置部35Bに、カード92Bを配置する。
【0035】
二次元コード36は、対戦が行われる場所を特定するための情報であり、例えば端末装置10のカメラ等により光学読み取り可能な二次元コードである。二次元コード36は、例えば、対戦会などで各ユーザが対戦を行うための卓が複数配置されている場合に、任意の卓を特定するための情報を含む。二次元コード36は、例えば、卓を特定する情報を含むURLを表す文字列である。ユーザの端末で二次元コード36に示されるURLを読み込み、当該URLにアクセスする際、ユーザの端末に保持されるユーザの識別情報をアクセス先の装置(例えばサーバ)に送信する。そして、事前に卓に対応付けられたユーザの識別情報と照合することにより、当該ユーザの識別情報に示されるユーザが正しい卓に到着していること、対戦の準備が可能であることを判定し得る。例えば、ユーザ5Aの端末である端末装置10A、または、ユーザ5Bの端末である端末装置10Bがカメラにより二次元コード36を撮影することにより、二次元コード36に示される情報を端末装置10Aまたは端末装置10Bで読み込むことができる。なお、例えば対戦会などで予め各ユーザが対戦を行う卓をユーザに提示する場合に限らず、ユーザ同士でTCGの対戦を行うにあたり、各ユーザの端末装置のカメラにより二次元コード36を撮影することとしてもよい。これにより、ユーザが対戦を行った卓、対戦を行ったタイミング(日時)を特定することができるため、例えばサーバ等でユーザ間の対戦の記録を行うことができる。
【0036】
<1.2 TCGで使用するカードの種類>
本実施形態のTCGでは、カードの種類として、(i)バトルに使用することができるキャラクタカードと、(ii)キャラクタカードに関連付けて使用する行動力カード(エネルギーカード)と、(iii)対戦中に特定の効果を発揮させる効果カードとがある。
【0037】
(i)キャラクタカードには、ユーザが山札からカードを引いて手札に加えたのち、バトルカード配置部34に配置してバトルに使用することができるカード(「無条件カード」とも言う)と、特定の条件を満たすことによりバトルで使用することができるカード(「条件付きカード」とも言う)とが含まれる。
【0038】
(iA)例えば、条件付きカードは、条件付きカードに関連する無条件カードを使用することを条件として、バトルに参加させることができる。例えば、キャラクタの進化になぞらえて、まず無条件カードをTCG用品30に配置すること等により対戦相手のユーザに提示したうえで、当該無条件カードに関連する条件付きカードをTCG用品30に配置することにより、条件付きカードをバトルに参加させることができる。このような条件付きカードは、無条件カードから進化させたものとして「進化キャラクタ」とも称されることがある。また、無条件カードは、「進化キャラクタ」をバトルに参戦させるための元となるキャラクタともいえるため、「たねキャラクタ」とも称されることがある。
【0039】
(iB)例えば、条件付きカードは、特定のカードを消費して消費カード配置部35に移動させることにより、バトルに参加させることができる。具体的には、特定のカードとして、TCG用品30に配置されている無条件カードを消費して(消費カード配置部35に移動させて)、条件付きカードをバトルに参加させることができる、としてもよい。
【0040】
例えば、条件付きカードは、TCG用品30にユーザが配置した単数又は複数のキャラクタカードと引き換えに、バトルに参加させることができる。例えば、各キャラクタカードに、カードに示されるキャラクタの攻撃力等の個々のパラメータとは別に、キャラクタの総合的な性能を示すパラメータ(例えば、進化レベルなど)が付されている場合に、ユーザが配置したキャラクタカードの進化レベルの値に対応した進化レベルを有する条件付きカードをバトルに参加させられることとしてもよい。例えば、進化レベル1のキャラクタと進化レベル2のキャラクタとをTCG用品30に配置した状態で、これらキャラクタのカードに重ねて(または、これらのキャラクタカードと引き換えに)、進化レベル3の条件付きカードを配置することができる。
【0041】
この他にも、条件付きカードにより定められる複数のキャラクタカードと引き換えに、当該条件付きカードをバトルに参加させることができる、としてもよい。このとき、キャラクタカードとは異なる後述する補助カードを消費して、条件付きカードをバトルに参加させることとしてもよい。例えば、補助カードに示される効果として、TCG用品30のバトルカード配置部34、消費カード配置部35等にある特定の無条件カードと引き換えに、特定の条件付きカードをバトルに参加させられることが定められている。
【0042】
(iC)これらカードには、上記キャラクタカード、後述する行動力カード、補助カードのうち複数を兼ねるものも含まれる。例えば、キャラクタカードとしても使用でき、補助カードとしても使用できる特殊なカードが含まれることとしてもよい。ユーザは、当該特殊なカードを、キャラクタカードを配置すべき位置(例えば準備カード配置部32、バトルカード配置部34)に配置した場合は、キャラクタカードとして使用することができる。
【0043】
(ii)行動力カード(エネルギーカード)は、ユーザが山札からカードを引いて手札に加えたのち、キャラクタカードと関連付けてTCG用品30に配置することにより、キャラクタカードに示される所定の行動を行うことを可能とするものである。行動力カードをキャラクタカードに関連付ける操作は、例えば、ユーザのターン中に行えることとしてもよい。例えば、TCG用品30に配置されるキャラクタカードの近傍に行動力カードを配置することで、キャラクタカードに行動力カードを関連付けたとしてもよい。また、ターン中に行動力カードをキャラクタカードに関連付けられる回数は制限があってもよい。例えば、ユーザのターン中に1回、TCG用品30に配置されるキャラクタカードのいずれかに、手札中の行動力カードを関連付けるよう配置することができる。例えば、キャラクタカードに、第1の攻撃アクションと、第2の攻撃アクションとが設定されているとする。第1の攻撃アクションは、キャラクタカードに1枚の行動力カードが関連付けられている場合に使用可能であり、第2の攻撃アクションは、1枚の行動力カードでは足りず2枚の行動力カードがキャラクタカードに関連付けられている場合に使用可能であるとしてもよい。
【0044】
キャラクタカードがバトルにより体力値が尽きる等により退場することとなった場合、当該キャラクタカードに関連付けられている行動力カードも当該対戦中で使用不可とすることとしてもよい。
【0045】
(iii)対戦を補助する補助カードには、ユーザの手札にある限り、ユーザがターン中に何枚でも使用できるカード種と、ターン中に1枚だけ使用できるカード種とが含まれる。これら補助カードには、ユーザが補助カードの効果を使用することを宣言することで効果を発揮させるものも含まれる。
【0046】
なお、補助カードとして、予めTCG用品30の所定の位置(本実施形態では、当該所定の位置については図示していない)に、裏向きにするなどして配置したうえで、ユーザが補助カードの使用を発声等により宣言することで補助カードの効果を発揮させるものも含まれる。
【0047】
<1.3 TCGの対戦ルールの概要>
以上のように、TCGの対戦で使用するTCG用品30と、カードの種類とについて説明した。次に、TCGの対戦ルールについて詳細に説明する。
【0048】
本実施形態に示すTCGでは、上記のように、各ユーザがバトルカード配置部34A、バトルカード配置部34Bに配置したカードに基づき攻撃または防御(バトル)を行ってTCGの対戦を進行させるものとする。TCGの対戦は、ユーザがターンごとに交互に行動を行って進行させるものとする。例えば、第1のユーザがターンの行動を終えると、第2のユーザのターンとなる。第2のユーザが当該ターンで行動を行い、行動を終了させると、第1のユーザのターンとなる。
【0049】
各ユーザは、ターンが到来するごとに、山札から所定枚数のカードを引いて手札に加える。
【0050】
各ユーザは、手札にあるカードのうち、対戦相手のユーザのカードへの攻撃または防御に使用するカード(キャラクタカード)の候補を準備カード配置部32に配置する。
【0051】
ユーザ5Aは、準備カード配置部32Aに並べられたカードと、バトルカード配置部34Aに並べられたカードとを、ユーザ5Aのターン中に入れ替えることができる。また、ユーザ5Bは、準備カード配置部32Aに並べられたカードと、バトルカード配置部34Aに並べられたカードとを、ユーザ5Bのターン中に入れ替えることができる。
【0052】
勝敗条件カード配置部33Aと勝敗条件カード配置部33Bとは、上記のように、それぞれのユーザが対戦に勝利する条件に対してどの程度の進捗があるかを各ユーザに通知するための領域である。ここで、ユーザが対戦に勝利する条件としては、例えば、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードが全て回収されることとしてもよい。すなわち、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bのいずれかにおいて、全てのカードが回収されたことにより、勝敗が決することとしてもよい。
【0053】
例えば、各ユーザが、TCGの対戦に先立ち、山札から勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに所定枚数のカードを配置する。すなわち、ユーザ5Aは、山札から所定枚数のカードを抜き出して勝敗条件カード配置部33Aに配置する。ユーザ5Bは、山札から所定枚数のカードを抜き出して勝敗条件カード配置部33Bに配置する。ユーザ5Aがバトルカード配置部34Aに配置したキャラクタカードと、ユーザ5bがバトルカード配置部34Bに配置したキャラクタカードとを対戦させ、キャラクタカードに設定される退場条件が満たされると(例えば、キャラクタカードに設定される体力値が、対戦相手のキャラクタカードに設定される攻撃力に基づき減算され、尽きた場合)、当該キャラクタカードのキャラクタが気絶したものとして、消費カード配置部35(「トラッシュ」ともいう)へ移動させる。
【0054】
これにより、バトルに勝利して対戦相手のキャラクタカードを退場させたユーザは、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに配置されたカードを手札に加える。例えば、ユーザ5Bが、自身のターンでユーザ5Aのキャラクタカードに攻撃をすることによりバトルカード配置部34Aに配置されるカードを退場させた場合、勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードから所定枚数のカードを取って手札に加える。一方、ユーザ5Aが、自身のターンでユーザ5Bのキャラクタカードに攻撃をすることによりバトルカード配置部34Bに配置されるカードを退場させた場合、勝敗条件カード配置部33Aに配置されるカードから所定枚数のカードを取って手札に加える。これら操作を繰り返し、ユーザ5Bが勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードを全て回収したとき、または、ユーザ5Aが勝敗条件カード配置部33Aに配置されるカードを全て回収したときに、回収しきったユーザを、TCGの対戦に勝利したユーザと決定することとしてもよい。なお、対戦の勝利条件としては、この他に、バトルカード配置部34と準備カード配置部32のいずれにもキャラクタカードがない場合に敗北する、としてもよい。また、対戦の勝利条件としては、各ユーザが自分のターンで山札配置部31から山札を引けない場合に敗北する、としてもよい。
【0055】
<1.4 TCGの対戦を支援するシステムの概要>
図1の状態(B)に示すように、ユーザ5Aとユーザ5BとがTCGの対戦を開始する際に、ユーザ5Aの端末である端末装置10Aと、ユーザ5Bの端末である端末装置10Bとで通信接続を確立することにより、互いの端末を関連付ける。図示するように、端末装置10Aは、TCG用品30の外部に配置する。端末装置10Aは、端末装置10Aのカメラにより、TCG用品30においてカードが配置される範囲の全てをセンシングできるように配置される。
【0056】
<1.4.1 ユーザの行動を判別する方法>
(i) 画像解析による、ユーザの行動の判別
端末装置10Aは、端末装置10Aのカメラの撮影画像を解析することにより、各ユーザの指または手の動き、ユーザの視線、TCG用品30に配置されるカードを特定する。端末装置10Aは、各ユーザの発話内容を音声認識し、TCGの対戦における所定の行動を抽出する。これにより、端末装置10Aは、例えば、ユーザ5Aおよびユーザ5BがカードをTCG用品30に配置する操作を行ったこと、当該操作の内容を特定すること(カードの効果を発動させる等)、ユーザ5Aまたはユーザ5Bの発話内容を音声認識することにより各ユーザがカードの効果を発動させたこと、等のTCGの進行に関する情報を判別する。
【0057】
具体的には、端末装置10Aは、例えば距離を検出できる深度カメラ等を搭載している。端末装置10Aは、撮影画像に基づいて、TCG用品30が配置されるテーブルなどの面を認識する。端末装置10Aは、撮影画像の画像解析により、テーブルなどに設置されるTCG用品30を特定し、面状のオブジェクトとして認識する。端末装置10Aは、画像解析により、TCG用品30を構成する山札配置部31、準備カード配置部32、勝敗条件カード配置部33、バトルカード配置部34、消費カード配置部35の範囲を特定する。
【0058】
(ii) TCG用品30の各領域にカードが載置されていることの検出
端末装置10Aは、撮影画像の画像解析により、TCGで使用されるカードを検出する。端末装置10Aは、カードの図柄、またはカードに埋め込まれた識別コード等と、カードのデータベースとに基づいて、TCGの対戦で使用されている個々のカードを特定する(どのキャラクタカードであるか等を特定する)。カードの図柄は、通常、カードごとにそれぞれ異なるため、端末装置10Aは、撮影画像に含まれるカードの図柄に基づいて、いずれのカードが使用されているかを検出することができる。また、例えば、カードの裏面がカードごとに異なる場合(例えばカードの裏面に識別コードが付与されている場合)、端末装置10Aは、撮影画像に含まれるカードの裏面に基づいて、いずれのカードであるかを検出する。なお、後述するように、各ユーザがTCGの対戦で使用するカードの情報をデッキとして登録している場合、これらデッキに登録されているカードの中からいずれのカードがTCG用品30に載置されているかを検出する。TCGの対戦に多数の種類のカードを使用できる状況で、このように予め各ユーザのデッキの内容を登録しておき、当該デッキを構成するカードの中から上記の検出を行うことにより、カードの検出の精度をよりいっそう向上させることができる。
【0059】
(iii) ユーザが指定しているカードの検出
端末装置10Aは、撮影画像にユーザの身体が含まれる場合に、特定の動作、行為、姿勢を検出する。例えば、TCG用品30は、撮影画像中のユーザの身体を検出すると、身体を構成する点を検出することに基づいて骨格情報(ボーン)を設定する。例えば、端末装置10Aは、撮影画像中のユーザの手の範囲を検出すると、指先の位置と、指関節の位置と、手首の位置とを特定して、これらを連結する骨格情報を設定する。これにより、端末装置10Aは、ユーザが手を動かしてTCG用品30に配置されたカードに触っていること、TCG用品30に配置されたカードを指さしていること等を検出する。
【0060】
<1.4.2 判別する内容>
端末装置10AがTCGの進行に関する情報を判別することには、例えば以下のように(1)対戦の進行に関する情報を判別することと、(2)TCGのルールに適合しない行為が行われたことを判別すること等が含まれる。
【0061】
(1)対戦の進行に関する情報の判別
(1-1)バトルの準備に関するユーザの行為の判別
(i)手札の補充と消費 端末装置10Aは、ユーザの手が山札配置部31に触れたこと、ユーザが山札からカードを取って保持していることを検出する。これにより、端末装置10Aは、ユーザの山札からカードが取られたことを検出し、各ユーザの山札にあるカードの枚数を管理する。また、ユーザがカードを消費カード配置部35に置いた場合(カードをトラッシュに移動させた場合)、端末装置10Aは、消費カード配置部35にカードが配置されたこと、配置されたカードの種別を特定することで、各ユーザが消費カード配置部35に配置したカード(対戦で消費したカード)の枚数を管理する。これら端末装置10Aにより管理される情報は、TCGの対戦中においてユーザに通知することとしてもよい。例えば、端末装置10Bが、各ユーザからの入力操作に応答して、各ユーザの山札のカードの枚数、対戦中に消費したカードの枚数等をディスプレイに表示する。
【0062】
また、端末装置10Aは、各ユーザの手札(例えば、カードの背面)を撮影することにより、各ユーザの手札の内容(すなわち、各ユーザが、デッキのカードのうち、どのカードを手札として保持しているか)を判別する。
【0063】
(ii)キャラクタカード同士のバトルの準備 端末装置10Aは、TCG用品30のバトルカード配置部34または準備カード配置部32にカードが配置されていること、当該配置されているカードがキャラクタカードであること、どのキャラクタカードがバトルカード配置部34または準備カード配置部32に配置されているかを特定する。これにより、端末装置10Aは、各プレイヤーがバトルカード配置部34または準備カード配置部32に配置しているキャラクタカードの情報を更新する。
【0064】
(iii)行動力カードの関連付け 端末装置10Aは、ユーザが当該キャラクタカードの近傍にカードを配置すること、配置されたカードが行動力カードであることを検出すると、当該キャラクタカードのキャラクタに関連付けられている行動力カードの枚数の情報を更新する。なお、キャラクタカードに重ねて行動力カードをTCG用品30に配置してもよい。すなわち、端末装置10Aは、行動力カードの図柄等に基づいて、行動力カードの全ての範囲が撮影画像に含まれていなくとも、カードが行動力カードであることを検出する。
【0065】
(iv)キャラクタカードの進化 端末装置10Aは、キャラクタカードのうち、条件付きカードがバトルで使用できる状態になったこと(進化)を検出する。端末装置10Aは、バトルカード配置部34または準備カード配置部32に配置されているカードが、キャラクタカードのうち無条件カード(たねキャラクタ)であることを特定する。端末装置10Aは、ユーザが、当該無条件カードに関連付けてTCG用品30に配置したカードが、条件付きカード(進化キャラクタ)であることを特定すると、ユーザが使用しているキャラクタカードの情報を、無条件カードのキャラクタから条件付きカードのキャラクタに更新する。このとき、端末装置10Aは、無条件カードのキャラクタに関連付けられている行動力カード(エネルギーカード)の数、無条件カードのキャラクタのパラメータ変化(相手側のユーザのキャラクタから受けたダメージ量など)も、条件付きカードのキャラクタに引き継いでデータを更新することとしてもよい。
【0066】
なお、無条件カードに関連付けて条件付きカードを配置する方法としては、例えば、無条件カードに重ねて条件付きカードを配置することとしてもよい。端末装置10Aは、TCG用品30に無条件カードが配置されている領域に、新たに配置されるカードを検出し、当該カードが条件付きカードである場合に、無条件カードに代えて条件付きカードがバトルで使用できる状態になった(たねキャラクタが進化キャラクタへ進化した)と判別する。
【0067】
(1-2)バトル中の行動の判別
例えば、端末装置10Aが、バトルカード配置部34Aに配置されたカードを特定することにより、ユーザ5Aがバトルに使用するキャラクタカードを特定する。端末装置10Aは、ユーザ5Aの発話内容を音声認識すること、および、バトルカード配置部34Aに配置されるカードをユーザ5Aが指等で指定したことを検出すること等により、バトルカード配置部34Aに配置されるキャラクタカードに、どのような行動を行わせたか(例えば、キャラクタカードに攻撃手段が複数ある場合、どの攻撃手段を行ったか)を特定する。これにより、キャラクタカードの攻撃力、体力等のパラメータに基づいて、キャラクタカードのパラメータを計算する。
【0068】
(1-3)補助カードを使用したことの判別
端末装置10Aは、ユーザの発話内容を音声認識することと、ユーザがTCG用品30に配置した補助カードを指定すること等により、ユーザが補助カードを使用したことを検出する。例えば、ユーザが補助カードを手に取り、対戦相手のユーザに提示して、補助カードを使用することを宣言した場合に、端末装置10Aが補助カードの使用を検出する。端末装置10Aは、補助カードの効果に従って、各キャラクタカードのパラメータを補正する等の処理を行う。
【0069】
(1-4)勝利条件を満たしていることの判別
端末装置10Aは、勝敗条件カード配置部33に配置されているカードの枚数を特定することにより、いずれのユーザが勝利したかを判別する。上記のように、バトルに勝利して、対戦相手のバトルカード配置部34に配置されるキャラクタカードの体力値を尽きさせるたびに、勝敗条件カード配置部33に配置されるカードをユーザが入手できることとしているため、端末装置10Aは、勝敗条件カード配置部33に配置されるカードがなくなったことを検出することにより、勝利したユーザを判別する。
【0070】
以上のように、端末装置10Aが対戦の進行に関する情報を判別することにより、ターンごとに各ユーザが行った行動を端末装置10Aが記録する。端末装置10Aは、各ユーザについて、山札の枚数、バトルに参戦できるキャラクタ(準備カード配置部32またはバトルカード配置部34に配置されるキャラクタカード)、各キャラクタの攻撃等により増減する各キャラクタのパラメータ、発揮されている補助カードの効果、勝敗条件カード配置部33に配置されているカードの総数などの情報を記録する。
【0071】
(2)TCGのルールに適合しない行為の判別
端末装置10Aは、上記のようにユーザが行った行為を判別することにより、ユーザの行為がルールに適合するものか否かを判別することができる。
【0072】
(2-1)使用できる枚数の不適合: 例えば、端末装置10Aが、ユーザが行動できるターン中でユーザが使用したカードの履歴を保持することにより、ターン中で使用できるカード数の上限に違反していることを判別する。端末装置10Aは、例えば、補助カードのうちターン中で使用できる枚数が1枚に限られるカード種のカードが、ターン中に2枚使用された場合に、ルールに適合しない行為であることを判別する。
【0073】
(2-2)使用できる行動の不適合: (i)端末装置10Aは、各ユーザがキャラクタカードのキャラクタに特定の行動を行わせるための条件を満たしたうえで、当該行動を行っているか否かを判別する。例えば、キャラクタカードに複数の攻撃アクションが設定されており、それぞれの攻撃アクションを実行するのに必要な行動力カードの数が設定されているとする。TCG用品30には、キャラクタカードと、キャラクタカードに関連付けて行動力カードが配置されている。端末装置10Aは、キャラクタカードに設定される攻撃アクションのうち、ユーザが指定した攻撃アクションを行うのに必要な行動力カードが足りない場合に、ルールに適合しない行為であることを判別する。
【0074】
(ii)端末装置10Aは、キャラクタカードのうち条件付きカードをバトルで使用できる条件を満たしたうえで、当該条件付きカードを使用しているか否かを判別する。すなわち、端末装置10Aは、条件付きカードをバトルで使用できる条件を満たしていないにもかかわらず条件付きカードをバトルで使用できるようにしていることを判別した場合に、ユーザに警告等を通知する。
【0075】
また、上記のように、条件付きカードは、特定のカードを消費して消費カード配置部35に移動させることでバトルに参加させられるものもある。端末装置10は、このような条件付きカードがバトルに参加する場合に、当該特定カードが消費されていること(消費カード配置部35に移動させたこと)を検出する。端末装置10Aは、ユーザが条件付きカードをバトルに参加させようとしているにもかかわらず当該特定カードが消費カード配置部35に移動していない場合に、ルールに適合しない行為であることを判別する。この場合、端末装置10Aは、条件付きカードをバトルに参加させる際のルールとして、当該特定カードを消費カード配置部35に移動させるようユーザに通知する。
【0076】
また、上記のように、条件付きカードは、特定のカードをTCG用品30に配置したうえで、これら特定のカードを消費せず(すなわち、消費カード配置部35に移動させず)にバトルに参加させられるものも含まれる。端末装置10Aは、ユーザが条件付きカードをバトルに参加させようとし、特定のカードを消費する必要がないにもかかわらず、これら特定のカードをユーザが消費している(すなわち、消費カード配置部35に移動させている)ことを判別する。この場合、端末装置10Aは、条件付きカードをバトルに参加させる際のルールとして、当該特定カードを消費カード配置部35に移動させる必要がないことをユーザに通知する。
【0077】
(2-3)対戦の進行手順の不適合: (i)端末装置10Aは、各ユーザがターン中に行うことができる行動の手順が定められている場合に、手順に従わず行動が行われたことを検出する。例えば、各ユーザがターンの開始時に山札から所定枚数のカードを入手してから、その他の行為を行うものとする。この場合、端末装置10Aは、ユーザのターンが開始してから山札配置部31の山札のカードが入手されるのを検出することなく、バトルカード配置部34に配置されるキャラクタカードに攻撃を行わせる、補助カードを使用する等の行為が行われたことを検出した場合に、当該行為がルールに適合しない行為であることを判別する。
【0078】
(ii)端末装置10Aは、各ユーザの勝利条件にかかわる操作が不適切に行われたことを検出する。例えば、バトルカード配置部34に配置されるカードのキャラクタが通常のキャラクタではなく特殊なキャラクタであり、当該特殊なキャラクタがバトルで体力値が尽きて退場する場合に、ユーザが勝敗条件カード配置部33から取るカードの枚数が、通常のキャラクタの場合と比べて多いとする。この場合、端末装置10Aは、キャラクタカードのバトルで退場したキャラクタが通常のキャラクタであるか特殊なキャラクタであるかを特定し、その後、勝敗条件カード配置部33から取られるカードの枚数が適切でないことを検出することにより、ルールに適合しない行為を判別する。例えば、端末装置10Aは、バトルで退場するキャラクタが特殊なキャラクタであることを特定し、勝敗条件カード配置部33に配置されるカードの枚数が、通常のキャラクタが退場した場合の変化量に留まっていることを検出することで、ルールに適合しない行為であることを判別する。
【0079】
<1.5 TCGの対戦を支援する情報をユーザに通知する方法>
以上のように、端末装置10Aがユーザ間のTCG対戦の内容、ルールに適合しない行為を検出する。端末装置10Bは、端末装置10Aと通信することにより、端末装置10Aが画像解析の結果に基づいて判別した内容を、ユーザに通知する。
【0080】
図1の状態(B)に示すように、端末装置10Bは、操作受付部130(タッチスクリーン)において、対戦の進行状況を、進行状況表示部132Aに表示する。端末装置10Bは、対戦の進行状況として、例えば、バトルを行っている各キャラクタの体力の情報、各キャラクタに関連付けられている行動力カード(エネルギーカード)の数をユーザに通知する。これらのパラメータは、ユーザが対戦中に行う行為(攻撃の指示など)に応じて端末装置10Aがこれら行為を特定し、特定した結果に基づいて計算される(攻撃を受けたキャラクタの体力値を、攻撃力に応じて減算する等)。端末装置10Bは、各ユーザがターンを進行させるための入力操作を受け付けるためのボタンを、ターン進行ボタン132Bに表示する。端末装置10Bは、ターン進行ボタン132Bへの入力操作をユーザから受け付けると、当該ユーザのターンが終了したことを示す信号を端末装置10Aへ送信する。
【0081】
端末装置10Aがユーザ同士の対戦の終了を検出すると、その旨を後述するサーバおよび端末装置10Bへ送信する。端末装置10Bは、対戦の勝敗結果の情報を端末装置10Aまたはサーバから受信する。また、対戦会や大会などでTCGの対戦を行う場合、後述するサーバが、ユーザ同士の対戦のマッチングを行い、その対戦を行う場所(会場にある卓など)を決定する。端末装置10Aまたは端末装置10Bは、サーバと通信し、ユーザごとに、次の対戦相手の情報と、対戦の場所の情報とを取得する。
【0082】
図2の状態(C)に示すように、端末装置10Bは、操作受付部130において、対戦の勝敗結果の情報と、次に対戦する対戦相手の情報(対戦相手の強さを示すレーティング値など)と、対戦場所の情報とを、対戦会情報表示部132Cに表示する。端末装置10Bは、ユーザが次に対戦を行う場所への地図を、地図表示部132Dに表示する。地図表示部132Dは、例えば、対戦会場内で、ユーザの現在地から、対戦を行う卓への移動経路の情報を表示する。
【0083】
以上のようにして、本実施形態によると、対戦会などの運営を支援しつつ、ユーザ同士がTCGで対戦を行うのを支援する情報を各ユーザに通知することができる。
【0084】
<1.6 システム全体の構成図>
図3は、支援システム1の全体の構成を示す図である。
図3に示すように、支援システム1は、TCGの対戦を行うユーザが使用する端末装置10Aおよび端末装置10B(以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、TCGの対戦を運営する運営者側のユーザが使用する端末装置11と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0085】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他に、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。図3に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入出力IF13と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0086】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、LTEなどの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE802.11などの無線LAN規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0087】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)とのインタフェースとして機能する。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0088】
端末装置11は、TCGの対戦の運営者が操作する装置である。運営者は、例えば、対戦会の情報をサーバ20にアップロードする。対戦会の情報としては、対戦会を開催する日時、対戦会の場所(例えば、店舗や展示場など)、対戦会のルール(例えば、新規に発売するTCG対戦用のカードをデッキに含めるか否か、特定のカードの使用を認めるか否か等)、参加できるユーザの条件(例えば、特定の対戦会で上位に入賞する等)、などがある。運営者は、これら対戦会の情報を入力して、地図データなどとともにサーバ20にアップロードする。
【0089】
また、対戦会として、(i)ユーザが対戦を行う卓を複数用意して、各ユーザに対し卓を指定したうえで対戦会を進行させるものがある。例えば、リーグ戦やトーナメント戦などを行う場合、どのユーザを対戦させるかを運営者側で管理しながら対戦会を進行させることがあり得る。この他に、対戦会として、(ii)対戦を行う卓は運営者が用意するが、各ユーザが対戦を行う卓は特に指定しないで対戦会を進行させるもの、がある。例えば、対戦会の会場にいるユーザ同士で、対面で対戦を行ってもらいつつ、一定数の勝利を収めたユーザを選出する場合などがあり得る。端末装置11は、運営者から、対戦会をいずれの形式で運営するか(すなわち、各ユーザが対戦を行う卓を指定して対戦会を行うか、卓を指定しないで対戦会を行うか、あるいはこれらの両方か)の指定を受け付ける。端末装置11は、ユーザから受け付けた対戦会の情報をサーバ20へ送信する。
【0090】
サーバ20は、各ユーザの情報を管理する。サーバ20は、ユーザ間のTCGの対戦を支援するため、ユーザ同士のマッチング等を行う。サーバ20は、端末装置10とネットワーク80を介して通信し、端末装置10Aが判別するTCG対戦の内容を、対戦の履歴として保持する。
【0091】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0092】
<1.7 端末装置10の構成>
図4は、実施の形態1の支援システム1を構成する端末装置10のブロック図である。図4に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチセンシティブデバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部180と、制御部190と、を含む。端末装置10は、図4では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図4に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0093】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0094】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0095】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0096】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチセンシティブデバイス131と、ディスプレイ132とを含む。タッチセンシティブデバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチセンシティブデバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチセンシティブデバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。
【0097】
ディスプレイ132は、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0098】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0099】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。このGPSモジュールが検出する位置は、例えば、端末装置10がセンサ装置50の検知結果に基づいて、予め定められた報知処理を行った時の端末装置10の位置情報をメモリに保存する際等に利用され得る。例えば、TCGの対戦会場において、ユーザがいる位置を位置情報センサ150により取得することができる。
【0100】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0101】
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部180は、ユーザ情報181と、対戦会エントリー情報182と、会場マップ情報183とを記憶する。
【0102】
ユーザ情報181は、TCGの対戦を行うユーザの情報である。ユーザの情報としては、ユーザを識別する情報、ユーザが対戦を行うにあたり登録しているデッキの情報(デッキを識別する情報、および、デッキを構成するカードの情報)、ユーザが使用する言語の設定、ユーザが対戦会や大会などに参加した履歴の情報等が含まれる。
【0103】
対戦会エントリー情報182は、端末装置10のユーザがエントリーしている対戦会の情報である。対戦会エントリー情報182は、例えば、対戦会を識別する情報、対戦会の日時の情報等を含む。
【0104】
会場マップ情報183は、対戦会などTCGの対戦が行われる会場のマップの情報である。会場マップ情報183は、会場に配置されTCGの対戦が行われる卓を識別する情報と、卓が配置される位置の情報とを含む。
【0105】
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、表示制御部194としての機能を発揮する。
【0106】
入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0107】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0108】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部193は、端末装置10と、他のユーザの端末とを関連付ける処理を行う。データ処理部193は、カメラ160のセンシング結果(撮影画像)を解析することにより、TCGの対戦の進行状況を判別する。データ処理部193は、対戦の進行に関する情報をユーザに通知ための、通知の内容を決定する。
【0109】
報知制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理を行う。
【0110】
<1.8 サーバ20の機能的な構成>
図5は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図5に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0111】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0112】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース281と、マッチング履歴データベース282と、対戦履歴データベース283と、対戦会場マップ情報284とを記憶する。
【0113】
ユーザ情報データベース281は、TCGの対戦を行う各ユーザの情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0114】
マッチング履歴データベース282は、サーバ20がユーザ間の対戦のマッチングを行った履歴を示すデータベースである。詳細は後述する。
【0115】
対戦履歴データベース283は、TCGの対戦内容の履歴を保持するためのデータベースである。対戦履歴データベース283は、端末装置10Aおよび端末装置10BがTCGの対戦の進行を支援する過程で、ユーザの行動内容を解析した結果を保持している。よって、例えば端末装置10等が対戦履歴データベース283の情報を取得することにより、対戦履歴データベース283に保持される対戦内容の履歴に基づいて、各ユーザが行った行動をリプレイとして再現することができる。詳細は後述する。
【0116】
対戦会場マップ情報284は、対戦会などTCGの対戦が行われる会場のマップの情報である。会場マップ情報183は、会場に配置されTCGの対戦が行われる卓を識別する情報と、卓が配置される位置の情報とを含む。サーバ20は、端末装置10の要求に応答して、対戦会場マップ情報284を送信する。
【0117】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0118】
操作内容取得モジュール2041は、サーバ20が端末装置10に対し大会への参加などの情報の入力を受け付ける場合に、ユーザの操作内容を取得する。
【0119】
受信制御モジュール2042は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0120】
送信制御モジュール2043は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0121】
マッチングモジュール2044は、TCGで対戦するユーザをマッチングさせる。
マッチングモジュール2044は、例えば、対戦履歴データベース283に保持される各ユーザの対戦履歴の情報に基づいて、対戦させるユーザをマッチングさせてもよい。各ユーザの対戦履歴の情報には、各ユーザの勝敗の情報が記録されるため、各ユーザについてTCGの対戦の習熟度合いを示す評価値を算出することができる。このような評価値の算出方法としては、レーティング(例えば、イロレーティング)によることとしてもよい。
【0122】
また、マッチングモジュール2044は、対戦履歴データベース283に基づいて、各ユーザがターンを進行させるのに要する時間に基づいて、ユーザのマッチングを行うこととしてもよい。ユーザがターンを進行させるのに、制限時間いっぱいまで要する場合は、ユーザが対戦に慣れていない可能性がある。一方、ユーザがターンを進行させる時間が短い場合や、ユーザがターン中に複数の行動を途切れなく行う場合(例えば、複数のカードを次々と使用する)は、ユーザが対戦に慣れている可能性がある。よって、マッチングモジュール2044は、対戦履歴データベース283に基づいて、対戦に慣れているユーザ同士をマッチングさせる、あるいは、対戦に慣れていないユーザ同士をマッチングさせることができる。
【0123】
また、マッチングモジュール2044は、対戦履歴データベース283に基づいて、各ユーザが対戦中にルールに適合しない行為を行った履歴を参照してユーザのマッチングを行う。ルールに適合しない行為を行うユーザは、対戦ルールに慣れていない可能性がある。一方、ルールに適合しない行為をほとんど行わないユーザは、対戦ルールに慣れているといえる。よって、マッチングモジュール2044は、対戦ルールに慣れているユーザ同士をマッチングさせる、あるいは、対戦に慣れていないユーザ同士をマッチングさせることができる。
【0124】
また、マッチングモジュール2044が、対戦会の参加者同士のマッチングを行う場合、各参加者が対戦を行っている卓の位置に基づいてマッチングを行うこととしてもよい。卓での対戦を終えたユーザに対し、次に対戦する対戦相手を決定する際、卓の位置が近いユーザ同士をマッチングさせ、新たな対戦場所の卓をユーザに通知することで、ユーザの移動時間が短くなるため、対戦の開始までの時間をより短くすることができる。
【0125】
対戦行動解析モジュール2045は、対戦履歴データベース283に保持される、各ユーザが対戦を進行させた履歴に基づいて、ユーザごとの行動の傾向を解析する。例えば、各ユーザのデッキの傾向、対戦相手のデッキに対する相性のよさ(勝率)等を解析することで、ユーザに対し、デッキを構築する際の参考となる情報を提供し得る。
【0126】
<2 データ構造>
図6は、サーバ20が記憶するユーザ情報データベース281、マッチング履歴データベース282、および対戦履歴データベース283のデータ構造を示す図である。
【0127】
図6に示すように、ユーザ情報データベース281のレコードのそれぞれは、ユーザを識別する情報それぞれについて、項目「登録デッキ識別情報(ID)」と、項目「登録デッキ内容」と、項目「言語設定」と、項目「対戦会参加履歴」とを含む。
【0128】
項目「登録デッキ識別情報(ID)」は、ユーザが登録するデッキそれぞれを識別するための情報である。
項目「登録デッキ内容」は、ユーザがデッキに登録するカードの内容を示す情報である。
項目「言語設定」は、ユーザが使用する言語の設定を示す情報である。
項目「対戦会参加履歴」は、ユーザが大会にエントリーして参加した実績を示す情報である。本実施形態では、対戦会に参加するにあたり、対戦開始より前に、対戦に使用するデッキを大会運営に届け出ることとしている。項目「対戦会参加履歴」は、ユーザが参加した対戦会それぞれについて、ユーザが各ユーザの端末装置10の操作によって登録したデッキの情報を含む。
【0129】
マッチング履歴データベース282のレコードのそれぞれは、項目「マッチング識別情報(ID)」と、項目「マッチング日時」と、項目「対象ユーザ」と、項目「対戦会種別情報」とを含む。
【0130】
項目「マッチング識別情報(ID)」は、サーバ20が行ったマッチングそれぞれを識別するための情報である。なお、本実施形態では、サーバ20がマッチングを行ったからといって、必ずしもマッチングされたユーザ同士が対戦をするとは限らないものとしているが、ユーザ同士が対戦を行うに至ったマッチングのみをマッチング履歴データベース282において保持することとしてもよい。
項目「マッチング日時」は、サーバ20がマッチングを行ったタイミング(日時)を示す。
項目「対象ユーザ」は、マッチングされたユーザの情報を含む。サーバ20は、ユーザ同士をマッチングさせると、対戦をするよう各ユーザの端末装置10に通知する。
項目「対戦会種別情報」は、マッチングを行った対戦会を特定するための情報を含む。サーバ20は、対戦会などを運営する運営者のオペレーションを支援するために、対戦会の参加者の中からマッチングを行うこととしてもよい。図示するように、項目「対戦会種別情報」は、対戦会を特定するための情報として、対戦会の名称、対戦会のルールの内容、対戦会の日時その他の情報を含む。
【0131】
対戦履歴データベース283のレコードのそれぞれは、項目「対戦識別情報(ID)」と、項目「対戦日時」と、項目「対象ユーザ」と、項目「マッチングID」と、項目「対戦進行履歴」と、項目「ルール不適合履歴」とを含む。
【0132】
項目「マッチング識別情報(ID)」と、項目「マッチング日時」と、項目「対象ユーザ」と、項目「対戦会種別情報」とを含む。
項目「対戦識別情報(ID)」は、ユーザが対戦を行ったそれぞれを識別するための情報である。サーバ20は、支援システム1を使用して端末装置10がユーザ同士の対戦を解析した結果を受け付けることにより、対戦履歴データベース283のレコードを更新する。
項目「対戦日時」は、ユーザ同士の対戦が行われたタイミングを示す。ここで、対戦が行われたタイミングには、サーバ20がマッチングを行ったタイミング(日時)、各ユーザが対戦を開始した時刻(後述するようにサーバ20がユーザ同士の対戦開始を受け付けた時刻)、各ユーザが対戦を終了した時刻(後述するように対戦を行ったユーザのいずれかが勝利条件を満たしたと判定された時刻)が含まれることとしてもよい。
項目「対象ユーザ」は、対戦を行ったユーザそれぞれを識別する情報である。
項目「マッチングID」は、サーバ20がマッチングを行い、このマッチングに基づいてユーザ同士の対戦が行われた場合のマッチングIDを示す。
項目「対戦進行履歴」は、端末装置10がTCG用品をセンシングすることにより解析される各ユーザの行動の手順を含む。これら行動の手順の情報には、各ユーザがターンを進行させるのに要した時間の情報が含まれる。例えば、端末装置10Bで「ターン進行ボタン」をユーザが操作することでターンを進行させるため、これにより各ユーザがターンを進行させるのに要した時間を計測することができる。この他に、端末装置10Bで、各ユーザがターン中に行える各種行動に対応してボタンを表示することとしてもよい。この場合に、これらボタンに対する操作がなされることで、各ユーザがターンを進行させるのに要した時間を計測してもよい。例えば、端末装置10Bは、操作受付部130に、ターン中に所定枚数しか使用できないカードを使用したことをユーザから受け付けるボタン(例えば、ターン中に使用できる枚数の上限がある補助カードを使用したことをユーザから受け付ける)を表示する。また、例えば、端末装置10Bは、行動力カードをキャラクタカードに関連付けたことをユーザから受け付けるボタンを操作受付部130に表示する。これにより、各ユーザがターンを進行させることを支援することができる。例えば、ターン中に既に行動力カードをキャラクタカードに所定枚数まで関連付けており、これ以上は当該ターン中で行動力カードを関連付けられないことを各ユーザに通知することができる。
各ユーザが行う行動については、それぞれ固有の行動IDが設定されている。項目「対戦進行履歴」は、これらの情報を含んでいるため、各ユーザが自身のデッキを用いてどのように対戦を進行させたかを、項目「対戦進行履歴」の情報に基づいて再現することができる。
項目「ルール不適合履歴」は、端末装置10Aがユーザの対戦中にルールに適合しない行為があったことを判別した履歴を示す。
【0133】
<3 動作>
以下、ユーザが行うTCGの対戦を、端末装置10A、端末装置10Bが支援する処理を説明する。
【0134】
図7は、ユーザ同士の対戦を端末で解析し、解析結果に応じてTCGの対戦の進行を支援するための通知を行う処理を示すフローチャートである。以下の例では、対戦会などで各ユーザが対戦場所の通知を受けながら対戦を繰り返していく局面を説明する。
【0135】
ステップS651において、サーバ20は、対戦でマッチングさせるユーザを決定すると、各ユーザの端末に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場(卓の情報)とを送信する。
【0136】
ステップS601Aにおいて、第1のユーザ(ユーザ5A)が操作する端末装置10Aは、ディスプレイ132に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場の情報とを表示する。
【0137】
ステップS601Bにおいて、第2のユーザ(ユーザ5B)が操作する端末装置10Bは、ディスプレイ132に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場の情報とを表示する。
【0138】
ステップS603Aにおいて、ユーザ5Aが端末装置10Aの撮影機能により、TCG用品30の二次元コード36を読み取る。二次元コード36は、対戦を行う卓を識別する情報を含み、例えばURLである。端末装置10Aは、二次元コード36の読み取り結果に基づいて、サーバ20に、対戦を行う卓を識別する情報を送信する。
【0139】
ステップS603Bにおいて、ユーザ5Bが端末装置10Bの撮影機能により、TCG用品30の二次元コード36を読み取る。端末装置10Bは、二次元コード36の読み取り結果に基づいて、サーバ20に、対戦を行う卓を識別する情報を送信する。
【0140】
なお、ユーザが端末装置10の撮影機能により二次元コード36を読み取った場合に、端末装置10は、当該ユーザが対戦を行うべき卓と、二次元コード36の読み取り結果に示される卓とを比較することで、ユーザが対戦を行う卓にいるか否かを検出する。すなわち、端末装置10は、ユーザが、対戦を行うべき卓とは異なる卓で対戦を行おうとしていることを検出する。端末装置10は、ユーザが対戦を行うべき卓と、二次元コード36の読み取り結果に示される卓とが一致しない場合に、エラーを通知するとともに、ユーザに対し、対戦を行うべき卓の位置の案内を通知する。このような案内としては、例えば、二次元コード36に示される卓の位置から、対戦を行うべき卓の位置までの経路を端末装置10に表示すること、または、対戦を行うべき卓の位置の周囲にある目印となるものを端末装置10に表示すること等が含まれる。例えば、端末装置10は、対戦会場の入り口や対戦会場の設置物等の目印と、これら目印に対する卓の位置の情報を表示する(「対戦を行う卓は、入り口から2つめの席です」といった表示をする)。
【0141】
ステップS653において、サーバ20は、対戦を行うユーザの端末それぞれから、二次元コード36の読み取り結果に基づいて信号を受信することにより、マッチングを行ったユーザが対戦を開始したものとして受け付ける。サーバ20は、ユーザが対戦を開始したことを受け付けたことを、端末装置10A、端末装置10Bに送信する。サーバ20は、各ユーザが登録しているデッキの情報を、端末装置10Aと端末装置10Bに送信する。各ユーザの端末は、対戦を行うユーザのデッキの情報を受信する。
【0142】
ステップS605AおよびステップS605Bにおいて、端末装置10Aと端末装置10Bとは、互いに通信接続を確立する。例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi等の近距離無線通信により、通信接続を確立する。
【0143】
ステップS607Bにおいて、端末装置10Bは、ユーザ5Bに、TCG用品30の盤面上に端末装置10Bを配置するよう通知する(図1の状態(A))。図1の状態(B)に示すように、端末装置10Bは、対戦の進行状況をユーザに通知しつつ、ターン進行ボタン132Bを表示して各ユーザがターンを進行させる操作を受け付ける。よって、図1の状態(A)の配置例に限らず、端末装置10Bは、例えば、ユーザ5Aとユーザ5Bとがともに情報の通知を受けられる位置に配置することとしてもよい。
【0144】
ステップS607Aにおいて、端末装置10Aは、TCG用品30に対して端末装置10Aを配置する個所を、画像または音声によりユーザ5Aに通知する。端末装置10Aは、カメラ160の撮影画像に基づいて、端末装置10Aが、TCG用品30においてユーザがカードを配置する範囲の全てを撮影可能な位置に配置されているか否かを判定し、端末装置10Aが適切な箇所に配置されるまで、ユーザ5Aに通知をする。また、端末装置10Aが撮影する範囲内に端末装置10Bを配置する場合、端末装置10Aは、撮影画像に基づいて、端末装置10Bが適切に配置されていることを検出し、端末装置10Bを検出しない場合に、端末装置10Bを適切な位置に配置するようユーザに通知する。端末装置10Aは、端末装置10A、端末装置10Bが適切な位置に配置されたことを検出すると、ユーザに対し、TCGの対戦が開始できることを音声でユーザに通知する。または、端末装置10Aは、TCGの対戦が開始できることを示す信号を端末装置10Bに送信し、端末装置10Bに、TCGの対戦が開始できることをユーザに通知させる。
【0145】
ステップS609Aにおいて、端末装置10Aは、ユーザがTCGの対戦を進行させている間、カメラ160の撮影画像に基づいて、対戦の進行状況を特定する。具体的には、端末装置10Aは、カメラ160がTCG用品30を撮影する撮影画像を解析することにより、キャラクタカードの戦闘内容、補助カードの効果発動等を特定する。端末装置10Aは、ユーザの音声を解析することにより、これら対戦中にユーザが行った行為を特定する。端末装置10Aは、撮影画像と音声の双方に基づいて、対戦中にユーザが行った行為を特定する。端末装置10Aは、このようにして特定された結果に基づいて、対戦の進行状況(例えば、キャラクタカードのキャラクタの体力値が変動した、補助カードの効果が発動された等)を判別し、判別した結果を、端末装置10Bへ送信する。また、端末装置10Aは、撮影画像を解析することにより、ユーザが対戦のルールに適合しない行為を行ったことを特定し、当該行為が行われたことを端末装置10Bへ送信する。なお、対戦の進行状況の特定や、ユーザが対戦のルールに適合しない行為を行ったことは、撮影画像を解析することに加えて、または、撮影画像の解析の代わりに、ユーザの音声を解析することや、端末装置10Bへの入力操作を受け付けること等によって特定してもよい。
【0146】
ステップS609Bにおいて、端末装置10Bは、端末装置10Aから、対戦の進行状況の判別結果を受信して、対戦の進行状況をユーザに通知する。端末装置10Bは、対戦が進行している間、ターンをユーザが進行させるための入力操作を受け付ける(例えば、図1の状態(B)のように通知する)。端末装置10Bは、ルールに適合しない行為が行われたことを端末装置10Aから受信した場合に、画像または音声によりユーザに通知する。端末装置10Bは、サーバ20にユーザ情報データベース281として保持される、ユーザの言語設定に応じて、ユーザに情報を通知する際の言語を決定する。端末装置10Bは、例えば、ターンで行動を行っているユーザの言語設定に応じて通知する。例えば、ターンが到来したユーザに対し、「あなたのターンです」といった音声を、ターンが到来したユーザの言語で通知する。または、端末装置10Bは、対戦に参加しているユーザの言語それぞれにより、対戦の進行状況をユーザに画像または音声により通知する。例えば、端末装置10BをTCG用品30に載置する場合、端末装置10Bのディスプレイ132において、ユーザ5Aから視認しやすい領域には、ユーザ5Aから視認しやすい向きでユーザ5Aの言語設定で情報を表示し、ユーザ5Bから視認しやすい領域には、ユーザ5Aから視認しやすい向き(ユーザ5Aの言語設定での情報とは異なる向き)でユーザ5Bの言語設定で情報を表示する。このように、端末装置10Aが撮影画像を解析することにより、TCG用品30における端末装置10Bの向きを特定し、端末装置10Bが、ディスプレイ132にそれぞれの言語で情報を表示する。端末装置10Bは、ユーザがターンを開始してから一定時間内にターンを進行させる操作を行わない場合に、ターンを進行させ、当該ユーザのターンを終了させる通知を行う。端末装置10Bは、ターン進行ボタン132Bへの入力操作に応答して、ユーザがターンを進行させたことをサーバ20、端末装置10Aへ送信する。これにより、端末装置10Aは、ユーザのターンが進行したことを検知することができる。
【0147】
図8は、端末装置10Bが、対戦中にルールに適合しない行為が行われたことをユーザに通知する局面を示す図である。端末装置10Bは、操作受付部130において、ルールに適合しない行為が行われたこと、および、その内容を示す情報を、エラー検出表示部132Eに表示する。端末装置10Bは、対戦会などで審判を行なう審判員(ジャッジ)を呼び出すための操作を受け付けるジャッジ呼出部132Fと、端末装置10Aの撮影画像をリプレイとして表示するための操作を受け付けるリプレイ再生部132Gとを操作受付部130に表示する。
【0148】
端末装置10Bは、ジャッジ呼出部132Fへのユーザの入力操作に応答して、サーバ20に信号を送信する。これにより、対戦会の運営者は、どの卓でルールに適合しない行為が行われたかを知ることができ、当該卓へ審判員を派遣することができる。
【0149】
端末装置10Bは、リプレイ再生部132Gへのユーザの入力操作に応じて、端末装置10Aまたはサーバ20へ信号を送信する。これにより、端末装置10Aが撮影し記録している動画を、端末装置10B、または、対戦会の運営者の端末等で表示することができる。
【0150】
図7の説明に戻ると、ステップS611Aにおいて、端末装置10Aは、対戦の終了条件を満たしたと判定すると、対戦中に判別した各ユーザの行動の履歴をサーバ20へ送信する。
【0151】
ステップS655において、サーバ20は、端末装置10から、対戦を進行させた履歴、および、ルールに適合しない行為が行われた履歴を受信して、対戦履歴データベース283に保持する。
【0152】
ステップS657において、サーバ20は、各ユーザが次に対戦する対戦相手のマッチングを行い、対戦相手の情報、対戦場所の情報を端末装置10A、端末装置10Bへ送信する。
【0153】
ステップS613Aにおいて、端末装置10Aは、ディスプレイ132に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場の情報とを表示する。
【0154】
ステップS613Bにおいて、端末装置10Bは、ディスプレイ132に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場の情報とを表示する(図2の状態(C))。
【0155】
<4 配置例>
図9は、TCGの対戦の進行を支援するために、TCG用品30に対して端末装置10を配置する他の配置例を示す図である。
【0156】
図9の例(A)では、対戦を行うユーザの両サイドに、TCG用品30を撮影するよう端末装置10Aと端末装置10Bを配置している。2台の端末でTCG用品30を撮影し、画像解析を行うことにより、対戦の進行状況を判別する精度をよりいっそう向上させることができる。
【0157】
例(B)では、対戦を行うユーザの手元に、それぞれの端末を配置している。ユーザの音声入力に基づいて対戦の進行状況を判別する場合に、話者に近い位置に端末を配置することにより、判別の精度をよりいっそう向上させることができる。
【0158】
例(C)では、3台の端末を配置している。ここで、端末装置10Aはユーザ5Aの端末であり、端末装置10Bはユーザ5Bの端末である。この他に、対戦会の運営者などの第三者が端末装置10Cを用意し、TCG用品30に載置する。端末装置10Cは、上記の図7の説明における端末装置10Bと同様の処理を行うことで、TCGの対戦の進行を支援することができる。また、端末装置10Cは、図1図2で説明した二次元コード36に代えて、卓を識別する情報(例えば、二次元コード)をディスプレイに表示することとしてもよい。各ユーザは、対戦場所が割り当てられた状態で、端末装置10Aと端末装置10Bで端末装置10Cに表示される情報を読み取ることで、対戦会などでの対戦を開始することができることとしてもよい。すなわち、対戦で組み合わせられた正しいユーザである場合に、その卓での対戦を開始することができる。このように、端末装置10Aと端末装置10Bとが、端末装置10Cに表示される二次元コードを読み取ることでTCGの対戦の開始をサーバ20で受け付けると(図7のステップS653)、サーバ20から端末装置10Cに対して、対戦が開始したことを通知する。以降、端末装置10Cは、図7で説明した端末装置10Bの役割を発揮して、TCGの対戦の進行を支援する情報を表示する(ステップS609Bと同様)。また、各ユーザの端末を用いて、2台でTCG用品30をセンシングし、各端末が、対戦の進行状況を判別してサーバ20へ送信することとしてもよい。これにより、対戦履歴データベース283に記録される対戦進行履歴の保持内容の整合性を高め、TCG対戦における不正を抑止する。
【0159】
<5 サーバ20によるマッチングを介さない場合>
図7の説明では、対戦会などでサーバ20が対戦相手をマッチングする例を説明したが、これに限らない。
【0160】
図10は、各ユーザが端末を用いてTCGの対戦を進行させる処理を示す図である。
まず、対戦の開始にあたり、各ユーザが互いの端末に表示される情報を読み取ることにより、対戦相手となるユーザを端末が識別するものとする。
【0161】
ステップS901Aにおいて、端末装置10Aは、端末装置10Aのユーザを識別するための情報(例えば、ユーザID)を、端末装置10Bが読み取り可能な態様(例えば、二次元コード)で表示する。
【0162】
ステップS901Bにおいて、端末装置10Bは、端末装置10Aに表示されるコードを読み取ることにより、対戦相手のユーザ(ユーザ5A)の情報を取得する。
【0163】
ステップS903Bにおいて、端末装置10Bは、端末装置10Bのユーザを識別するための情報を、端末装置10Aが読み取り可能な態様で表示する。
【0164】
ステップS903Aにおいて、端末装置10Aは、端末装置10Bに表示されるコードを読み取ることにより、対戦相手のユーザ(ユーザ5B)の情報を取得する。
【0165】
端末装置10Aと端末装置10Bは、それぞれが読み取った対戦相手の情報を、サーバ20へ送信する。
【0166】
ステップS653Aにおいて、サーバ20は、対戦を開始するユーザの情報を各端末から受信することにより、ユーザが対戦を開始したことを受け付ける。
【0167】
以降の処理は、図7で説明したものと同様であるため説明を繰り返さない。
【0168】
<6 変形例>
(1) 以上の実施形態の説明では、端末装置10Aが、対戦が終了したことを判定しているものとしているが、これに限らず、以下のようにしてもよい。例えば、端末装置10Aでは、対戦が終了したことを判定せず、対戦が終了したかどうかをユーザが判断し、ユーザが端末装置10Bに対戦を終了させる入力操作を行う等によりTCGの対戦を終了させることとしてもよい。これにより、ユーザ間で、対面でTCGの対戦を行いつつ、対戦の終了の際にコミュニケーションを促すことができる。
【0169】
(2) 図9で説明したような端末の配置例について、対戦ごとに個別に配置のパターンを指定してもよいし、対戦会などにおいては運営者が事前に設定しておいてもよい。
【0170】
(3) 以上の実施形態では、キャラクタカード同士の対戦において、バトルカード配置部34に配置するカードの向きにかかわらず、攻撃等により体力値などのパラメータを変動させることとしている。これに限らず、カードが配置された向きを考慮し、カードが配置された向きを端末装置10Aが検出することにより、TCGの対戦の進行に影響を与える(例えば、ダメージ量が異なる等)こととしてもよい。
【0171】
(4) 以上の実施形態の説明では、第1のユーザ(ユーザ5A)の端末装置10AによりTCG用品30を撮影し、第2のユーザ(ユーザ5B)の端末装置10BをTCG用品30に載置してTCGの対戦の進行を支援する情報を表示することとしている。ここで、各ユーザが使用する端末装置の性能は様々であり、カメラの性能、プロセッサの処理能力、ディスプレイの解像度等が異なり得る。よって、例えばサーバ20等が、各ユーザの端末の性能に関する情報を比較することにより、いずれの端末をTCG用品30の撮影に使用するか(上記の端末装置10Aの役割にするか)を決定することとしてもよい。例えば、TCG用品30等のセンシングの精度が一定以上である端末装置を、撮影に用いる端末装置としてもよい。具体的には、カメラの撮影画像に基づいてTCGの対戦における各ユーザの行動の内容等を判別することとしているため、一定以上の画素数を有するカメラを搭載し、かつ、プロセッサによる処理能力が高い端末装置(すなわち、各ユーザの行動内容の判別に要する時間が短い端末装置)を、撮影用の端末装置としてもよい。この他に、TCGの対戦中、端末装置が、各ユーザの行動内容を判別するためにセンシングを継続することとなるため、電池残量が十分にある端末装置をセンシングに用いることとしてもよい。
【0172】
(5) 以上の実施形態では、ルールに適合しない行為が行われた場合に、リプレイを端末装置10で表示することとして説明した。この他に、対戦会の審判員(ジャッジ)が操作する端末装置では、端末装置10A等で撮影された画像を、随時、審判員の入力操作に応答すること等により表示することとしてもよい。これにより、審判員は、各ユーザの対戦の進行状況を把握することがよりいっそう容易になる。
【0173】
(6) TCGの対戦において、カード以外の物品を使用してパラメータを変動させる場合に、端末装置10Aが、センシング結果に基づいて当該物品を検出することとしてもよい。端末装置10は、これら物品の検出結果に基づいて、各種パラメータを変動させて、その結果をユーザに通知する。例えば、キャラクタカードに体力値のパラメータが設定されており、バトルにより体力値が減少する、または回復等により体力値が増加する場合に、これら減少している値を示す物品を、キャラクタカードに関連付けて配置するものとする。例えば、キャラクタカードがダメージを受けている場合に、ダメージ量の分だけ、数字が印字された物品を、カードに重ねて配置するものとする。この場合、端末装置10Aは、当該物品を検出することで、体力値のパラメータの変動を認識することができる。なお、上記のように、ユーザがキャラクタカードを用いてバトルを行った場合に、各キャラクタカードのパラメータに基づいて、体力値などのパラメータを端末装置10A等で変動させて管理しているが、当該管理しているパラメータと、上記の物品に示されるダメージ量とが異なる場合に、端末装置10Bが、ユーザにその旨を通知することとしてもよい。
【0174】
(7) 上記の実施形態の説明では、端末装置10Aのセンシング結果に基づいて、TCG用品30に配置されているカードやユーザの手札のカードがいずれであるかを特定している。この他に、センシング結果(端末装置10Aが判別したカードの種類)を端末装置10Bで表示して、ユーザに対し、正しいセンシング結果であるか確認する操作を促すこととしてもよい。例えば、カードごとに、カードの種類を特定できる精度が異なる場合(特定のカードについては端末装置10A等で判別し難い場合があり得る)、精度が一定以下のカードについては、ユーザから、いずれのカードであるか入力を端末装置10B等で受け付けることとしてもよい。
【0175】
<7 付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0176】
(付記1) ユーザ間のTCG(Trading Card Game)の対戦を支援するために端末で実行される方法が提供される。この方法は、第1のユーザ(5A)の情報が対応付けられる第1の端末(10A)と、第1のユーザの対戦相手となる第2のユーザ(5B)の情報が対応付けられる第2の端末(10B)とが、互いを関連付ける第1のステップ(S653、S605A、S605B)を含む。前記第1の端末が、前記TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品(30)に対し、前記カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置される。前記方法は、前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングする前記範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する第1の情報を表示する第2のステップ(S609B)とを含む。
【0177】
(付記2) (付記1)の方法において、前記第1の端末は、撮影機能(160)を有しており、前記範囲を撮影することによりセンシングを行うように構成されており、前記第2のステップにおいて、前記第2の端末は、前記第1の端末が撮影した撮影画像を表示することなく、前記第1の情報を表示する(132A)。
【0178】
(付記3) (付記2)の方法において、前記第2のステップにおいて、前記第2の端末は、前記センシングされたデータの解析結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する特定の事象が発生したことが検知されたことに応答して、前記第1の端末が撮影した撮影画像を表示する(S609A、132G)。
【0179】
(付記4) (付記3)の方法において、前記第2のステップにおいて、前記第2の端末は、前記特定の事象として、各ユーザが、前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を行ったことが検知されたことに応答して、前記撮影画像を表示する(S609A、132G)。
【0180】
(付記5) (付記2)の方法において、前記第2のステップにおいて、前記第2の端末は、前記第1の端末が撮影した撮影画像を受信することなく、前記撮影画像の解析結果を受信することにより、前記第1の情報を表示する(S609A、S609B)。
【0181】
(付記6) (付記2)の方法において、前記TCGは、前記TCG用品に対し、各ユーザがカードを配置し、前記TCG用品の所定の範囲に配置された各ユーザのカードの向きにかかわらず、当該カードのパラメータに基づいてカード同士の対戦の勝敗が定まるものである(34A、34B)。
【0182】
(付記7) (付記1)の方法において、前記第2の端末は、前記第1の端末がセンシングする範囲内であって、前記TCG用品に載置される位置(図1(A))に配置される。
【0183】
(付記8) (付記7)の方法において、前記方法は、前記第1の端末または前記第2の端末に、前記TCG用品に対して予め定められた位置に前記第1の端末を配置する配置例を表示させる第3のステップ(S607A、S607B)と、前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記第1の端末が前記配置例に従って配置されていること、および、前記第2の端末が前記TCG用品の所定の位置に配置されていることを検出し(S607A)、当該検出されたことに応答して、前記第1の端末および前記第2の端末に、前記TCGの開始が可能であることを通知する第4のステップ(S607A)とを含む。
【0184】
(付記9) ユーザ間のTCG(Trading Card Game)の対戦を支援するために端末で実行される方法であって、第1のユーザの情報が対応付けられる第1の端末と、前記第1のユーザおよび第2のユーザのいずれでもない第三者の端末である第3の端末(10C、図9(C))とが、互いを関連付けるステップと、前記第2のユーザの端末である第2の端末と、前記第1の端末または前記第3の端末との少なくともいずれかとを互いに関連付けるステップと、を含む。前記第1の端末が、前記TCGの対戦において使用されるカードを配置するためのTCG用品に対し、前記カードが配置される範囲の全てをセンシング可能な位置に配置される。前記方法は、前記第3の端末が、前記第1の端末がセンシングする前記範囲の全てのセンシングをすることを要することなく、前記第1の端末のセンシング結果に基づいて、前記TCGの対戦の進行に関する第1の情報を表示するステップとを含む。
【0185】
(付記10) (付記1)の方法であって、前記第1の端末および前記第2の端末は、前記TCG用品の前記カードが配置される範囲の外部に配置される(図8(A)、図8(B))。
【0186】
(付記11) (付記1)から(付記10)のいずれかの方法において、前記第2のステップにおいて、前記第1のユーザに設定される第1の言語の情報と、前記第2のユーザに設定される第2の言語の情報とを読みだして(281)、前記第1のユーザに対しては前記第1の言語の情報に応じた言語で報知を行い、前記第2のユーザに対しては前記第2の言語の情報に応じた言語で報知を行う(S609B)。
【0187】
(付記12) (付記1)から(付記11)のいずれかの方法において、複数のユーザの前記TCGの対戦を管理する管理装置(20)と、前記第1の端末と、前記第2の端末とが通信可能に構成されており、前記管理装置は、前記TCGの対戦が行われる会場の複数の対戦スペースの情報(284)を記憶するように構成されており、前記方法は、さらに、前記管理装置が、前記第1のユーザと、前記第2のユーザとをマッチングさせる場合に、前記第1の端末と、前記第2の端末とに、前記対戦会場における前記対戦スペースを特定する情報を送信する第5のステップ(S651、S657)とを含む。
【0188】
(付記13) (付記12)の方法であって、前記TCGの対戦は、複数のユーザが交互に行動を行うターン制のゲームであり、前記第2のステップにおいて、前記第2の端末に、ターンを進行させるための入力操作を各ユーザから受け付けさせ(132B)、各ユーザがターンを開始してから一定時間内に前記入力操作を検出しないことに応答してターンを進行させ、各前記ユーザが前記入力操作を行ったことに関する情報を前記管理装置へ送信する(S609B、283)。
【0189】
(付記14) (付記12)または(付記13)の方法であって、前記方法は、前記第1の端末または前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングした結果に基づいて、各ユーザが、前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を行ったことを検知する第6のステップ(S609A)を含み、前記第2のステップにおいて、前記前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を検知したことに応答して、当該行為が行われたことを報知する(S609B)。
【0190】
(付記15) (付記12)の方法であって、前記TCGの対戦は、複数のユーザが交互に行動を行うターン制のゲームであり、前記第2のステップにおいて、前記第2の端末に、ターンを進行させるための入力操作を各ユーザから受け付けさせ、各ユーザがターンを開始してから一定時間内に前記入力操作を検出しないことに応答してターンを進行させ、各前記ユーザが前記入力操作を行ったことに関する情報を前記管理装置へ送信し、前記方法は、前記第1の端末または前記第2の端末が、前記第1の端末がセンシングした結果に基づいて、各ユーザが、前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を行ったことを検知する第6のステップを含み、前記第2のステップにおいて、前記前記TCGの対戦ルールに適合しない行為を検知したことに応答して、当該行為が行われたことを報知し、当該行為が行われたことに関する情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、各ユーザについての前記ターンを進行させるのに要する所要時間、または、前記対戦ルールに適合しない行為が行われた履歴の少なくともいずれかに基づいて、前記TCGの対戦をマッチングさせるユーザを決定する(2044、S657)。
【0191】
(付記16) ユーザ間のTCGの対戦を支援するために端末(10A、10B)に実行させる方法が提供される。前記TCGの対戦は、当該TCGに登場するキャラクタの情報と関連付けられるカード部材と、当該カード部材を対戦時に各ユーザが設置するためのTCG用品(30)とを用いて行われるものである。第1の端末(10A)は、撮像部(160)を備え、前記カード部材が前記TCG用品に設置されたことを撮影可能な位置に設置されるものであり、前記TCGの対戦を行う際に、前記第1の端末と、第2の端末とを関連付けるステップと(S901A、S901B、S903A、S903B、S653A、S605A、S605B)、前記第1の端末が、前記対戦が進行する間、前記撮像部により前記TCG用品の撮影を行うことにより動画像データを生成するステップ(S607A)と、前記第2の端末が、前記第1の端末で生成される前記動画像データに示される動画像を前記第2の端末において表示することなく、前記動画像データの解析結果に基づいて、前記対戦の進行に関する情報を表示するステップ(S607B)と、を含む。
【符号の説明】
【0192】
5A,5B ユーザ、10A,10B 端末装置、12 通信IF、13 入出力IF、15 メモリ、16 ストレージ、19 プロセッサ、20 サーバ、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、30 TCG用品(マット)、31A,31B 山札配置部、32A,32B 準備カード配置部、33A,33B 勝敗条件カード配置部、34A,34B バトルカード配置部、35A,35B 消費カード配置部、36 二次元コード、80 ネットワーク、81 無線基地局、82 無線LAN基地局、130 操作受付部(タッチスクリーン)、132 ディスプレイ、132A 進行状況表示部、132B ターン進行ボタン、132C 対戦会情報表示部、132D 地図表示部、132E エラー検出表示部、132F ジャッジ呼出部、132G リプレイ再生部、281 ユーザ情報データベース、282 マッチング履歴データベース、283 対戦履歴データベース


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに、TCG(Trading Card Game)対戦を管理させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
複数の対戦場所の識別情報を管理するステップと、
ユーザが所持する端末により、前記複数の対戦場所のうち、任意の対戦場所に配置される前記識別情報が読み取られると、前記ユーザ、及び前記識別情報が読み取られた対戦場所を対応付けるステップと、
TCG対戦を行う2人のユーザ、及び前記識別情報が読み取られた対戦場所が対応付けられた後に、前記ユーザによって前記TCG対戦の終了が通知されると、前記対戦の履歴を記憶するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される、TCG(Trading Card Game)対戦を管理するための方法であって、前記プロセッサが、
複数の対戦場所の識別情報を管理するステップと、
ユーザが所持する端末により、前記複数の対戦場所のうち、任意の対戦場所に配置される前記識別情報が読み取られると、前記ユーザ、及び前記識別情報が読み取られた対戦場所を対応付けるステップと、
TCG対戦を行う2人のユーザ、及び前記識別情報が読み取られた対戦場所が対応付けられた後に、前記ユーザによって前記TCG対戦の終了が通知されると、前記対戦の履歴を記憶するステップと
を実行する方法。
【請求項3】
制御部と、記憶部とを備える、TCG(Trading Card Game)対戦を管理するための情報処理装置であって、前記制御部が、
複数の対戦場所の識別情報を管理するステップと、
ユーザが所持する端末により、前記複数の対戦場所のうち、任意の対戦場所に配置される前記識別情報が読み取られると、前記ユーザ、及び前記識別情報が読み取られた対戦場所を対応付けるステップと、
TCG対戦を行う2人のユーザ、及び前記識別情報が読み取られた対戦場所が対応付けられた後に、前記ユーザによって前記TCG対戦の終了が通知されると、前記対戦の履歴を記憶するステップと
を実行する情報処理装置。
【請求項4】
TCG(Trading Card Game)対戦を管理するためのシステムであって、
複数の対戦場所の識別情報を管理する手段と、
ユーザが所持する端末により、前記複数の対戦場所のうち、任意の対戦場所に配置される前記識別情報が読み取られると、前記ユーザ、及び前記識別情報が読み取られた対戦場所を対応付ける手段と、
TCG対戦を行う2人のユーザ、及び前記識別情報が読み取られた対戦場所が対応付けられた後に、前記ユーザによって前記TCG対戦の終了が通知されると、前記対戦の履歴を記憶する手段と
を有するシステム。