(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154094
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】貯蔵部を備えた多目的の非接触型塗布器
(51)【国際特許分類】
A61M 35/00 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
A61M35/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134056
(22)【出願日】2023-08-21
(62)【分割の表示】P 2022077327の分割
【原出願日】2017-06-12
(31)【優先権主張番号】62/514,042
(32)【優先日】2017-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519416864
【氏名又は名称】ケースメッド エンジニアリング,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】CASEMED ENGINEERING
【住所又は居所原語表記】38535 North Chicago Avenue, Wadsworth, Illinois 60083, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー サマングーイー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】汚染及び副作用の可能性を取り除くことができる携帯用液体塗布器を提供する。
【解決手段】上部であって、複数の貯蔵部22の内容積によって規定され、複数の貯蔵部のそれぞれの近位端における開口を有する筐体と、上部の外縁にある外周部28と、複数の貯蔵部のそれぞれの周りの内周部と、を有する、上部と、第1のフィルム24であって、第1のフィルムは複数の貯蔵部のそれぞれの周りの内周部に沿って固定して取り付けられ、第1のフィルムは内周部のそれぞれの内側で第1のフィルムを通り抜けて設けられた少なくとも1つの穴を有する、第1のフィルムと、外周部を超えて延在し、内周部のそれぞれの内側で第1のフィルムを通り抜けて設けられた少なくとも1つの穴を覆う少なくとも1つのプルタブと、第1のフィルムに固定して取り付けられる、塗布層とを含む、塗布装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部であって、複数の貯蔵部の内容積によって規定され、前記複数の貯蔵部のそれぞれの近位端における開口を有する筐体と、前記上部の外縁にある外周部と、前記複数の貯蔵部のそれぞれの周りの内周部と、を有する、上部と、
第1のフィルムであって、前記第1のフィルムは前記複数の貯蔵部のそれぞれの周りの前記内周部に沿って固定して取り付けられ、前記第1のフィルムは前記内周部のそれぞれの内側で前記第1のフィルムを通り抜けて設けられた少なくとも1つの穴を有する、第1のフィルムと、
前記外周部を超えて延在し、前記内周部のそれぞれの内側で前記第1のフィルムを通り抜けて設けられた前記少なくとも1つの穴を覆う少なくとも1つのプルタブと、
前記第1のフィルムに固定して取り付けられる、塗布層とを含む、塗布装置。
【請求項2】
前記筐体の外面上に設けられた少なくとも1つの係合点を更に含む、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記筐体を作る材料の厚さは0.0508~0.3048mmの全厚さを有する、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記第1のフィルムは0.0254mm~0.1016mmの全厚さを有する、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプルタブは、複数のプルタブであり、前記複数のプルタブのそれぞれは、前記第1のフィルムを通り抜けて前記複数の貯蔵部のそれぞれへと設けられた前記少なくとも1つの穴を覆う、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記塗布層は乾燥構成要素又は液体構成要素の少なくとも1つを含浸する、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項7】
カバーを更に含み、前記塗布層は前記カバーによって覆われる、請求項1に記載の塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は「貯蔵部を備えた塗布器」の名称で2017年6月2日に出願された米国仮特許出願第62/514,042号明細書の非仮特許出願であり、米国仮特許出願第62/514,042号明細書に対する優先権を主張する。
【0002】
開示された塗布器は携帯用液体塗布器の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
クリーム、研磨剤、剥離剤、防虫剤、又は薬品の塗布は、通常使用者が容器から物質を綿球若しくは綿棒の上に置く、又は塗布する表面に直接物質を置く必要がある。そうすることにより、物質を表面上又は綿球若しくは綿棒上に多く置き過ぎることがある。更に使用者がこのように直接接触すると、物質が使用者の皮膚又は他の器官に接触する場合に物質の汚染又は副作用を引き起こすことがある。汚染及び副作用の可能性を取り除くことができるデバイスは、このような物質の塗布に有益であるはずである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示された塗布器は、貯蔵部を備えた多目的の非接触型塗布器である。開示された塗布器は、少なくとも1つの貯蔵部、第1のフィルム、少なくとも1つの貯蔵部内に全体が含有された少なくとも1つの第2のフィルム、及びパッドを含む。少なくとも1つの貯蔵部は筐体によって画定され、筐体は少なくとも1つの貯蔵部の近位端に開口を有する。更に開口の境界は貯蔵部の外周を画定する。その上、開示された塗布器は、筐体の外周に固定して取り付けられ、少なくとも1つの貯蔵部の外周内に少なくとも1つの脆弱な孔を有する、第1のフィルムを含有する。又開示された塗布器は、貯蔵部内に全体が含有された少なくとも1つの第2のフィルムも有する。少なくとも1つの第2のフィルムは、貯蔵部の内容積内に複数の別個の容積を生成するために貯蔵部の内容積を分割する。少なくとも1つの第2のフィルムは、少なくとも1つの脆弱な孔を更に有する。
【0005】
又開示された塗布器は、少なくとも1つの貯蔵部、第1のフィルム、少なくとも1つの第2のフィルム、及びパッドを含む塗布器も指す。少なくとも1つの貯蔵部は筐体によって画定され、筐体は少なくとも1つ貯蔵部の近位端に開口を有する。更に開口の境界は貯蔵部の外周を画定する。その上、開示された塗布器は、筐体の外周に固定して取り付けられ、少なくとも1つの貯蔵部の外周内に少なくとも1つの脆弱な孔を有する、第1のフィルムを含有する。又開示された塗布器は少なくとも1つの第2のフィルムも有する。少なくとも1つの第2のフィルムは、貯蔵部の内容積内に複数の別個の容積を生成するために貯蔵部の内容積を分割する。少なくとも1つの第2のフィルムは、少なくとも1つの脆弱な孔を更に有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】上から見た塗布器の上部の例示的実施形態を示す。
【
図2】下から見た塗布器の上部の例示的実施形態を示す。
【
図3】分解図における塗布器の例示的実施形態を示す。
【
図4】上から見た複数の貯蔵部を備えた塗布器の上部の例示的実施形態を示す。
【
図5】下から見た複数の貯蔵部を備えた塗布器の上部の例示的実施形態を示す。
【
図6】分解図における複数の貯蔵部を備えた塗布器の例示的実施形態を示す。
【
図7A-7E】貯蔵部内に少なくとも1つの分割フィルムを備えた塗布器の例示的実施形態を示す。
【
図8A-8C】第1のフィルム内の少なくとも1つの脆弱な孔の例示的実施形態を示す。
【
図9】横から見た貯蔵部内に内容物を備えた塗布器の例示的実施形態を示す。
【
図10】上から見た貯蔵部内に内容物を備えた塗布器の例示的実施形態を示す。
【
図11】横から見た貯蔵部内に内容物を備えた塗布器の例示的実施形態を示す。
【
図12】横から見た貯蔵部内に内容物を備えた塗布器の例示的実施形態を示す。
【
図13】横から見た貯蔵部内に内容物を備えた塗布の例示的実施形態を示す。
【
図14】2つの封止されたパッドの間に内容物を備えた塗布装置の例示的実施形態の分解図を示す。
【
図15】
図14に示されたような塗布装置の例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に提示された以下の詳細な実施形態は例示のためである。すなわちこれらの詳細な実施形態は、当業者が開示された塗布器の作成方法及び使用方法を容易に理解するために提供し支援するための開示された塗布器の例示であることを意図する。
【0008】
従って1つ又は複数の実施形態の本明細書における詳細な検討は、開示された塗布器に与えられる特許保護の境界を限定することを意図せず、又は限定すると解釈するべきではなく、特許保護の範囲は特許請求の範囲及びその等価物によって画定されることを意図する。従って適応形態、変形形態、修正形態及び等配置などの本明細書に具体的に扱っていない実施形態は、本明細書に記載された例示的実施形態及び特許請求の範囲によって開示されたことを示唆し、従って開示された塗布器の範囲内に収まると考えられる。
【0009】
更に様々な主張された方法のステップがある配列又は時間的な順序であるように示され説明されていることがあるが、このようないかなる方法のステップも、そうではないと表示がない限り、いかなる具体的な配列又は順序で実行するように限定されないことを理解されたい。すなわちあらゆる主張された方法ステップは、あらゆる配列の組合せ又は置換順序で実行することができる一方で、開示された塗布器の範囲に依然として収まると考えられる。
【0010】
追加として、本明細書で使用する各用語は、当業者がこのような用語が本明細書においてこのような用語を使用する状況に基づいて意味すると理解するはずである用語を指すことに留意することが重要である。このような用語を使用する状況に基づいて当業者に理解されような、本明細書で使用する用語の意味が、このような用語のある特定の辞書の定義と何らかの点で異なる場合に限り、当業者に理解されるような用語の意味が優先されるべきであることが意図される。
【0011】
更に開示された塗布器の特許請求の範囲を読む当業者は、「a(1つ)」及び「an(1つ)」はそれぞれが概して「at least one(少なくとも1つ)」を意味するが、使用する状況がそうではないと指示しない限り複数を排除しないと理解するべきである。又用語「or(又は)」は「at least one of the items(品目の少なくとも1つ)」を意味するが、一覧の複数の品目を排除しない。
【0012】
開示された塗布器は、内容物が表面に塗布されるまで内容物を別個に保持できるデバイスである。又塗布器は、塗布器の内容物と使用者との間で緩衝材としても作用する。更に塗布器は、塗布器の別個の内容物の組合せを制御することができる。その上ある特定の内容物は使用者の皮膚と反応を起こすことがあり、更に内容物の梱包量は使用する内容物の適切な量を確実にする。塗布器は、まず貯蔵部に力又は圧力を加えることによって作動される。貯蔵部に付与した力又は圧力は、貯蔵部の内側の圧力を増加させることにより、内容物が貯蔵部の分注端部を覆うフィルム内の少なくとも1つの脆弱な孔の上に力を掛ける。一旦十分な力が少なくとも1つの脆弱な孔の上に掛けられると、孔は破裂し、貯蔵部の内容物は吸収パッドに流れることができる。一旦内容物がパッド上に吸収されると、内容物は次いで所望の表面に塗布され得る。
【0013】
次に
図1を参照する。
図1は上から見た塗布器20の上部の例示的実施形態を示す。手短に言えば、図は貯蔵部22、係合点26、保護フィルム24、及び外周28を描く。塗布装置21は、まず塗布器20の上部を第1のフィルム34に固定して付着することによって組み立てられる。上部20及び第1のフィルム34は加熱圧力封止を通して保護フィルム24の外周28で一緒に付着される。加熱圧力封止は、塗布器が使用されていない間又は輸送中に確実に内容物を貯蔵部22内に封止されたままにする。次にパッド36は、第1のフィルム34がパッド36と貯蔵部22との間にあるように貯蔵部22に付着される。又パッド36は、保護フィルム24の外周28で加熱圧力封止を介して貯蔵部22にも付着される。同様にこの加熱圧力封止は、貯蔵部22の内容物がパッド36によって吸収され、塗布器の側面から漏れないことを確実にするように作用する。更にパッド36及び貯蔵部22は、内容物が貯蔵部22から出るときに、内容物が少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52を介して第1のフィルム34を通り吸収パッド36の上に流れるように流体連通する。次いで吸収パッド36は貯蔵部22の内容物56が浸潤し、次いで表面に塗布することができる。
【0014】
例示的実施形態では、貯蔵部22は係合点26も含有してもよい。係合点26は貯蔵部22上に置かれ、ある特定の実施形態ではリッジ、窪み、又は刻みの形を取ってもよい。これらの係合点26は人間工学的快適性を提供してもよく、別の実施形態では、貯蔵部22内のカプセル56、貯蔵部22内の分割フィルム40、又は貯蔵部22とパッド36との間の第1のフィルム34内の脆弱な孔48、50、52のいずれかを破裂させるために必要な圧力をどのようにどこに付与するかについての指示を提供してもよく、それらの全てはパッド36に接近するために少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52を利用する。
【0015】
例示的実施形態では、第1のフィルム34は、貯蔵部22の内容物56がパッド36に接近できる少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52を含む。パッド36に接近するために、少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は断裂又は破裂しなければならない。少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52を断裂又は破裂させるために、貯蔵部22に力又は圧力を付与しなければならない。このような力又は圧力の付与は、一実施形態では貯蔵部22上の係合点26に直接付与してもよい。別の実施形態では、力又は圧力は貯蔵部22上のどこかに付与されてもよい。一旦力又は圧力が貯蔵部22に付与されると、貯蔵部22内に内圧の蓄積が存在し、次いで脆弱な孔48、50、52が断裂又は破裂する。
【0016】
一実施形態では、脆弱な孔は
図8Aに見られる複数の微穿孔48である。このような実施形態では、微穿孔48は1~3ミリメートル離間しており、好ましくは0.5~1psiの断裂又は破裂強度を有する。一実施形態では、複数の微穿孔48はX型を形成する。X型は、破れたときに大きい開口を生成し、それを通って流体は流れることができる。しかし一部の実施形態では、他の幾何形状が使用されてもよい。更に他の実施形態では、脆弱な孔は複数の微穿孔である。
【0017】
別の実施形態では、脆弱な孔50は、
図8Bに見られるように1組の封止50である。このような実施形態では、第1のフィルム34は微穿孔を持たない。むしろ異なる封止の1対のU字形線が存在する。このような例示的実施形態を生成するために、1枚の第1のフィルム34は、塗布器20の上部の対応する端部に対して位置合わせされ、2つのステップで封止される。形成/充填/封止装置は、外周28のおよそ7/8の周りの2層を第1の圧力で封止する。次いで装置は、外周28の残りの1/8をより弱い封止でU字形線に封止する。貯蔵部に力又は圧力を付与することにより、貯蔵部22の内容物56又は貯蔵部22内の空気は、より弱い封止を断裂又は破裂させる。一旦より弱い封止が断裂又は破裂すると、貯蔵部22の内容物56はパッド36に流れてもよい。例示的実施形態では、0.5~1psiの力又は圧力により、より弱い封止は断裂又は破裂する。他の実施形態では、第2のより弱い封止は、これに限定されないが、三角形又は楕円形などの異なる形状の形を取ってもよい。更に別の実施形態では、第2のより弱い封止は、第1の封止の形状と連続した流体であってもよい。このような実施形態では、より弱い封止の場所を示すために塗布器20の上部に同定する印が存在してもよい。
【0018】
更に別の実施形態では、脆弱な孔は、
図8Cに見られるようにプルタブ54によって覆われた穴52である。プルタブ54は外周28を超えて延在し、一旦引かれると貯蔵部22の内容物が吸収パッド36に流れることができる開口52を生成する。プルタブ54は脆弱な孔48、50、52の任意の実施形態と共に使用することができ、使用中に位置が変わると貯蔵部22の内容物とパッド36との間で流体連通が可能になるように構成される。別の実施形態では、脆弱な孔は、プルタブ54によって覆われない穴52である。このような実施形態では、穴52は、必要な量の圧力又は力が塗布器20の上部に付与された後だけだが、内容物が穴52を通って移動できる片を含有してもよい。又別の実施形態では、このような片は、内容物を一方向のみ、すなわち貯蔵部22からパッド36に移動させることができてもよい。このような実施形態では、一方向のみに移動できる片は貯蔵部22を逆流及び汚染の可能性から防ぐ状態にする。
【0019】
貯蔵部22の大きさ及び形状は、貯蔵部22内の内容物56並びに塗布器の使用意図に依存して異なってもよい。一実施形態では、貯蔵部22は円の形を取ってもよい。別の実施形態では、貯蔵部22は正方形又は長方形の形を取ってもよい。更に別の実施形態では、貯蔵部22は、角錐台又は円錐台の形を取ってもよい。別の実施形態では、貯蔵部22は、「T」の形を取ってもよい。一部の例示的実施形態では、塗布器20の上部の形状は丸みのある縁部を有する。このような丸みのある縁部を備えた塗布装置21は使用者の手により優しい。別の例示的実施形態では、塗布器の上部は正方形で傾斜した縁部を有する。このような正方形又は傾斜した縁部を備えた塗布装置21は製造廃棄物が最小になる。塗布装置21の全体寸法は塗布装置21の使用に依存して異なる。一例示的実施形態では、塗布装置21は、使用者の手に納まるために50.8mm四方である。これらは例示的実施形態に過ぎず、従って貯蔵部22の形状及び大きさは塗布器内の内容物及び使用意図に依存して異なるので、本開示の範囲を限定すると解釈するべきではない。
【0020】
次に
図2を参照する。図は下から見た少なくとも1つの貯蔵部22を備えた例示的塗布器20の上部の例示的実施形態を示す。手短に言えば、図は貯蔵部22、分注端部30、保護フィルム24、保護フィルム24の外周28、及び封止領域32を描く。上に論じたように、第1のフィルム34は塗布器20の上部に固定して取り付けられる。第1のフィルム34は、加熱圧力封止によって塗布器20の上部に取り付けられる。第1のフィルム34は、保護フィルム24の外周28に沿って塗布器20の上部に加熱圧力封止されて封止領域32を生成する。封止領域32は、使用するまで及び輸送又は保管中に貯蔵部22内の内容物を確実に貯蔵部22内に留める。別の実施形態では、第1のフィルム34及び少なくとも1つの第2のフィルム40は、これに限定されないが、熱風溶接、ホットウェッジ溶接、押出溶接、熱板溶接、赤外線溶接、及びレーザ溶接を含む他の熱溶接技法を使用して塗布器20の上部に封止されてもよい。別の実施形態では、第1のフィルム34及び少なくとも1つの第2のフィルム40は、これに限定されないが、スピン溶接、撹拌溶接、振動溶接、及び超音波溶接を含む機械的溶接技法を使用して塗布器20の上部に封止されてもよい。更に別の実施形態では、第1のフィルム34及び少なくとも1つの第2のフィルムは、これに限定されないが、抵抗/インプラント/電気融合溶接、誘導溶接、誘電加熱溶接、及びマイクロ波溶接を含む電磁溶接技法を使用して塗布器20の上部に封止されてもよい。
【0021】
一旦塗布装置21を使用する準備が整うと、少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は上に論じたように断裂又は破裂する。一旦少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52が断裂又は破裂すると、貯蔵部22の内容物56は分注端部30を通ってパッド36に流れてもよい。少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は、塗布器20の上部の外周28内のどこに置かれてもよい。一部の実施形態では、少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は、内容物56の目標とする量を貯蔵部22からパッド36の特定の部分に送達するために、他の脆弱な孔48、50、52と共に集中した領域に置かれる。一部の他の実施形態では、少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は、パッド36によって貯蔵部22の内容物56を均等に吸収できるように、保護フィルム24の外周28内で第1のフィルム34全体に均等に間隔を空ける。このような実施形態は、例えば手術前の殺菌工程などの医学的用途に有益であることがある。一実施形態では、例えば消毒剤が貯蔵部22内に置かれてもよい。同じ実施形態では、均等に間隔を空けた少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は、パッド36を消毒剤で均等に覆うことができるはずであり、手術前に清浄にするべき領域が確実に消毒剤で均等に覆われる。
【0022】
次に
図3及び6を参照する。図は分解図における塗布装置21の例示的実施形態を示す。図は塗布器20の上部、第1のフィルム34、及びパッド36を示す。これらの3つの要素は、それぞれが当技術分野で公知の形成/充填/封止装置の異なるステーションで生成され、次いで1つの設備として一緒に加熱及び真空封止される。具体的には、塗布器20の上部は成膜ロールから形状される。共押出複合材である成膜は、液体を通さず、それ自体の形状を保持するように十分に堅固であり、それでも使用者の指の圧力で凹むように十分に可撓性であるものとする。一例では、塗布器20の上部は熱可塑性材料から押し出される。例えば一部の実施形態では、熱可塑性材料はポリプロピレン含有のポリエチレン、ポリアミド含有のポリエチレン、ポリアミド含有のポリプロピレン、及びポリビニルカーボネートのいずれかであってもよい。一部の例示的実施形態では、これらの材料は、ある特定の基準が確実に塗布装置の医学的及び薬学的用途に適合するために医療用であってもよい。一部の実施形態では、塗布器20の上部を生成するために選択された材料は、微生物汚染、酸化、蒸発、又は湿気から確実に保護するために必要であることがある。更に一部の医学的用途に対して、塗布装置21の内容物は日光から防ぐ状態を維持することが重要である。従って一部の例示的実施形態では、塗布器の上部を作成するために選択された熱可塑性材料は、日光又は光が貯蔵部22の内容物56に接触しないことを確保するために薄く色付けされ、又は完全に暗色にされる。例示的実施形態では、塗布器20の上部は5milの厚さである。別の実施形態では、塗布器20の上部は2~12milの厚さである。更に別の例示的実施形態では、塗布器20の上部の厚さは当業者により貯蔵部22の特定の内容物56に対して決定される。
【0023】
塗布装置21を生成するための方法の例示的実施形態は以下の通りである。塗布器20の上部用の材料のロールは、形成/充填/封止装置の1つのステーションに載せられる。材料はシートの形に広げられ、次いで所望の三次元形状に圧入される。単一シートから、装置の形成部分は塗布器20の上部の複数の行及び列を押圧する。このシートは第2のステーションに連動され、そこでそれぞれの貯蔵部は所定量の内容物56を充填される。次いでこのシートは第3のステーションに連動され、そこで第1のフィルムに使用する材料のロールは待機する。第1のフィルム用の材料のロールは充填された貯蔵部のシートの上に置かれ、加熱圧力封止される。それによって内容物56は塗布器20の上部内に包囲される。次いで塗布器20の包囲された上部は第4のステーションに移動し、そこでパッド36の材料のロールは待機する。装置はパッドをシートに広げ、それを塗布器20の上部の分注端部30の上に置く。次いで3層は単一シートとして第5のステーションに移動し、そこでパッド36は第1のフィルム34の側面に加熱圧力封止される。最後に塗布装置21のシートは第6のステーションに連動され、そこでシートは切り目を入れて個々のユニットに切断される。
【0024】
更に第1のフィルム34及び分割フィルム40は熱可塑性材料から押し出される。例えば一部の実施形態では、熱可塑性材料は二軸延伸ポリプロピレン含有のポリエチレン、ポリエステル含有のポリエチレン、二軸延伸ナイロン含有のポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン含有のポリプロピレン、ポリエステル含有のポリプロピレン、及び二軸延伸ナイロン含有のポリプロピレンのいずれかであってもよい。一部の実施形態では、これらの材料は、ある特定の基準が確実に塗布装置の医学的及び薬学的用途に適合するために医療用であってもよい。ポリエチレン及びポリプロピレンの厚さは、塗布装置21を使用する特定の構成に有効であると当技術分野で理解された任意の厚さであってもよい。例えば一部の実施形態では、厚さは約1mil~4milの厚さであり、他の実施形態では、およそ2milの厚さである。厚さは、貯蔵部22の特定の内容物56の保管及び断裂要件を最適化するために当業者によって変えることができる。一部の実施形態では、二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ナイロン及びポリエステルは理想的には50ゲージであるが、他のゲージを使用して貯蔵部22の内容物56の保管及び断裂要件を最適化することができる。
【0025】
その上一部の実施形態では、パッド36はポリエステル、再生セルロース繊維を混紡したポリエステル、セルロースパルプを混紡したポリプロピレン、及び綿から形成される。一部の例示的実施形態では、これらの材料は、ある特定の基準が確実に塗布装置の医学的及び薬学的用途に適合するために医療用であってもよい。更にパッド36は、一例示的実施形態では手術用スポンジから作成されてもよい。別の例示的実施形態では、パッド36は、塗布装置21の使用意図に依存して摩損性が異なってもよい。一部の実施形態では、パッド36は、塗布器20の上部の外周28に切断される。更にパッド36の厚さは、特定の塗布装置21に有益であるように当業者によって理解された任意の厚さであることが可能である。例えば一部の実施形態では、厚さは約0.2~2.5mmすなわち30~65gsmである。
【0026】
パッド36は貯蔵部22の内容物を吸収する作用をするだけでなく、一部の実施形態では、貯蔵部22内に含有された内容物56に反応するために内容物56を含浸してもよい。一実施形態では、パッド36は粉末などの乾燥物質を含浸し、後に貯蔵部22内の液体内容物に反応してもよい。別の実施形態では、パッド36は液体に浸されてもよく、液体は次いで乾燥し、塗布器を使用する際に貯蔵部22の内容物56と組み合わされる。その上一実施形態では、パッド36はそれを覆うカバーを有する。パッド36の上のカバーは、パッド36の汚染を防止する作用をする。更に一部の実施形態では、カバーは、パッド36に含浸したいかなる乾燥内容物も環境又はあらゆる他の試薬と反応しないようにする作用をする。カバーは塗布装置21上にいくつかの方法で取り外し可能に置かれてもよい。一実施形態では、カバーはパッド36を覆うために塗布装置21の上にスナップ留めされる。カバーが上にスナップ留めされた一実施形態でカバーを維持するために、保護フィルム24は外周28の周りにリッジを含有し、それによりカバーを取り外し可能に維持することができる。又外周28の周りに延在するリッジは、別の実施形態では溝及びリップ方法を使用してカバーをパッド36の上に置くことができるために使用されてもよい。このような実施形態では、外周28の周りに延在するリッジは、カバーを解除可能に係合するためにリップ又は溝のいずれかを有してもよい。別の実施形態では、リッジは1つの連続した構造では外周28の周りに延在しない。むしろリッジはリッジの切れ目を通して置くことができるように空間を有し、次いで係止位置に捻じって置かれる。
【0027】
別の実施形態では、カバーはネジ山付きカバーを使用してパッドの上に取り外し可能に維持される。このような実施形態では、塗布装置21の外周28は、ネジ山付きカバーをパッド36の上に置くためのガイドとして作用するはずである。塗布装置21の外周28がネジ山付きカバーのネジ山を係合するのに十分に丈夫であることを確保するために、封止領域32は一実施形態ではより厚く作成されてもよい。別の実施形態では、パッド36はカバーの内側のネジ山によって係合されるネジ山を含有する。更に別の実施形態では、カバーは湿ったパッド36の上に置かれてもよいフィルムである。このような実施形態では、カバーはその外周の周りに弾性材料を有してもよい。例示的実施形態では、外周の周りの弾性材料は、カバーを塗布装置21の外周28の上に伸ばし、次いで塗布装置21の外周28より小さいその元の大きさに戻すことができるはずである。別の実施形態では、カバーは湿ったパッド36に解除可能に適用するフィルムである。このような実施形態では、パッドの上に吸い付くカバーは親水性性質のフィルムに作用するので、カバーはパッド36から剥がされてもよい。例示的実施形態では、カバーは湿ったパッド36を解除可能に係合する一側面を有し、他方の側面は湿ったパッドのあらゆる内容物が流れることができないように封止される。従って塗布装置21は、パッド36が湿っている場合であっても依然として保管して取り扱うことができる。このようなカバーの例示的実施形態は、パッド36を固体の乾燥物質より、むしろ液体又はゲルの内容物で含浸することができ、塗布装置21の使用及び適用性を更に広げる。その上カバーは、ヒンジなどの当技術分野でよく理解されたあらゆる手段によって保持することができ、それによって使い捨ての塗布装置を後で使用するために覆うことができる。
【0028】
更に別の実施形態では、カバーはパッド36を密閉する。パッド36の上を密閉することにより、塗布装置21を気密にすることができ、塗布装置21の内容物並びにパッド36を汚染する可能性を制限する。密閉カバーを備えた例示的実施形態は、塗布装置21を薬学的及び医学的に応用することができる。密閉カバーの例示的実施形態では、カバーは貯蔵部22の外周28に沿って封止した箔であってもよい。このような密閉カバーは、塗布装置21が医学的又は薬学的状況で使用されるときに、内容物56並びにパッド36を確実に汚染されないまま維持し、清潔な状態を確保する。その上、箔であるこのような封止はパッド上のあらゆる内容物を光に曝されない暗闇に維持することができる。
【0029】
次に
図4を参照する。図は上から見た複数の貯蔵部22を備えた塗布器20の上部の例示的実施形態を示す。手短に言えば、複数の貯蔵部22、保護フィルム24、外周28、及び係合点26が描かれている。
図1と同様に一例示的実施形態では、複数の貯蔵部22は保護フィルム24から押し出される。従って保護フィルム24はパッド36と接触するのを防ぎ、塗布装置21と共に使いやすくすることができる。更に第1のフィルム34は、加熱圧力封止を介して保護フィルム24に固定して取り付けられる。パッド36は、次いで加熱圧力封止により保護フィルム24に固定して取り付けられる。
【0030】
一実施形態では、複数の貯蔵部22は同じ内容物56を保持するために使用される。別の実施形態では、複数の貯蔵部22は2つの別個の内容物56を保持するために使用される。更に別の実施形態では、複数の貯蔵部22は、塗布器の内容物56が使用されるまで組み合わせることができない2つの別個の内容物56を保持するために使用される。一部の実施形態では、複数の貯蔵部22は内容物56の組合せ及び分注をより大きく制御できる。一部の実施形態では、圧力又は力が複数の貯蔵部22に同時に又は1回に1つずつ付与されてもよい。圧力又は力を1度に1つの貯蔵部22に付与することにより、内容物56は選択された貯蔵部22からパッド36上に制御可能に解除されてもよい。例えば一実施形態では、パッド36は複数の貯蔵部22の1つの内容物56によって係合される乾燥物質を含浸してもよい。このような制御により、貯蔵部22及びパッド36内で物質の反応及び相互作用を制御することができる。別の実施形態では、複数の貯蔵部22の内容物56は塗布器を使用するまで分離を保持しなければならない。このような実施形態では、複数の貯蔵部22内の内容物56は、所望の効果を達成するために付与する前に組み合わせなければならない2つの別個の物質である。
【0031】
次に
図5を参照する。図は下から見た複数の貯蔵部22を備えた塗布器20の上部の例示的実施形態を示す。手短に言えば、分注端部30、保護フィルム24、貯蔵部22、外周28、及び封止領域32が描かれている。
図2と同様に、第1のフィルム34は、封止領域32を生成する保護フィルム24の外周28に加熱圧力封止される。封止領域32は、使用するまで、及び輸送又は保管中に貯蔵部22内の内容物56が確実に含有される。一実施形態では、保護フィルム24の外周28に沿って1つの加熱圧力封止のみが存在する。このような実施形態では、貯蔵部22の内容物56は同じであってもよい。別の実施形態では、内容物56は別個の内容物であってもよいが、使用前に組み合わせることができる。更に別の実施形態では、それぞれの貯蔵部22に対して1つずつ、2つの別個の容積を生成するために2つの貯蔵部22を分離する別の加熱圧力封止が存在する。このような実施形態では、塗布装置21は、塗布装置21を使用するまで分離を保持しなければならない2つの別個の内容物56を含有してもよい。一実施形態では、保護フィルム24に加熱圧力封止された第1のフィルム34は、少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52を有し、少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は内容物56が貯蔵部22から第1のフィルム34を通って吸収パッド36に流れることができるために破裂又は断裂してもよい。一部の実施形態では、少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は、複数の微穿孔48(
図8A)又は穴52を覆うプルタブ54(
図8)を備えた穴52である。一実施形態では、2つの別個の内容物56は吸収パッド36内で一緒に混合する。更に別の実施形態では、パッド36は乾燥物質を含浸する。複数の貯蔵部22は、パッド36に含浸する乾燥物質と混合される内容物56を有する。
【0032】
次に
図7A~Eを参照する。図は横から見た貯蔵部22内に少なくとも1つの分割フィルム40を備えた塗布器の例示的実施形態を示す。分割フィルム40は、貯蔵部22の容積内に少なくとも1つの容積42、44、46を生成する作用をする。例示的実施形態では、2つ以上の容積42、44、46の生成は、塗布器を使用するまで組み合わせることができない別個の内容物56を分離するために使用されてもよい。別の例示的実施形態では、少なくとも1つの分割フィルム40は、選択された表面上に置く溶液を調合するために内容物56の組合せを制御するために使用される。
【0033】
図7A及び7Bは、垂直分割フィルム40及び水平分割フィルム40のそれぞれの例示的実施形態を描く。例示的実施形態では、分割フィルム40は、1つの容積42、44、46の内容物を別の容積42、44、46の内容物56と組み合わせることができるために少なくとも1つの脆弱な孔48、50を含有する。このような例示的実施形態では、分割フィルム40の少なくとも1つの脆弱な孔48、50を断裂又は破裂するために必要な圧力は、内容物56が吸収パッド36に流れる前に分割フィルム40により確実に内容物56を混合できるために、第1のフィルム34の少なくとも1つの脆弱な孔48、50を断裂又は破裂するために必要な圧力より小さくてもよい。しかし別の例示的実施形態では、第1のフィルム34内の少なくとも1つの脆弱な孔48、50は、断裂又は破裂するために分割フィルム40の少なくとも1つの脆弱な孔48、50より小さい圧力を必要とすることがある。このような実施形態では、貯蔵部22の1つの内容物56が表面に塗布され、続いて第2の内容物56が若干後に塗布されてもよい。例えばワニスの数層の被覆を床に塗布するとき、又は数層の洗顔料を塗布するとき。別の例の使用は、異なる型の薬品を異なる時に塗布する必要がある複数のステップの座瘡薬の塗布の場合であってもよい。貯蔵部22内に複数の別個の容積42、44、46を備えて、塗布器は少なくとも1つの脆弱な孔48、50を破裂又は断裂するために必要な圧力を変えることにより、複数の異なる薬品を1つずつ塗布するように保持してもよい。
【0034】
図7C、7D、及び7Eは、少なくとも1つの分割フィルム40によって生成された複数の容積42、44、46を含有する貯蔵部22のいくつかの例示的実施形態を描く。
図7A及び7Bと同様に、分割フィルム40により貯蔵部22は塗布装置21を使用する前に混合できない、又は直前に混合しなければならない複数の内容物56を保持できる。更に例示的実施形態では、少なくとも1つの分割フィルム40は、パッド36によって吸収される前に複数の容積42、44、46内の内容物56を一緒に混合することができるために少なくとも1つの脆弱な孔48、50を有する。
【0035】
次に
図9、10、11、及び12を参照する。図は貯蔵部22内に可能な内容物56を示す塗布装置21の例示的実施形態を示す。手短に言えば、塗布器20の上部の実施形態、内容物56の例示的実施形態、及び貯蔵部22が描かれている。図はカプセル56である貯蔵部22内の内容物56の一実施形態を示す。しかし一部の実施形態では、貯蔵部22内の内容物56は液体、ゲル、粉末、カプセル、アンプル、プレスピル、結晶質固体、又はそれらの組合せであってもよい。
図9及び10は、内容物56を含有する少なくとも1つのカプセルを備えた塗布器20の上部の例示的実施形態の多視図を示す。
図11及び12は、内容物56を含有する複数のカプセルを備えた塗布器20の上部の例示的実施形態の多視図を示す。
【0036】
一部の実施形態では、カプセル56は液体、ゲル、結晶質固体又は粉末を含有する。更にカプセル56は、一部の実施形態ではゼラチン材料から作成したソフトシェルのカプセルであってもよい。別の実施形態では、カプセルは非ゼラチン材料から作成されてもよい。一部の実施形態では、カプセル56は貯蔵部22を絞ることによって飛び出す必要があることがある。別の実施形態では、カプセル56は溶解可能であってもよい。このような実施形態では、溶解可能なカプセルは、一旦貯蔵部22内の溶解剤と接触すると溶解を開始するはずである。従って塗布装置21の実施形態における内容物56としてのカプセル56の例示的応用は、カプセルの内側に粉末を備え、カプセル56を備えた貯蔵部内に液体を備えたカプセル56であってもよい。一旦カプセル56が飛び出すと、次いで粉末が液体と相互作用し反応して物質を生成し、選択された表面に塗布される。別の例示的実施形態では、逆が当てはまることがある、すなわちカプセル56は液体を含有してもよい一方で、粉末は貯蔵部22の容積内にあってもよい。このような実施形態では、カプセル56が飛び出すはずであり、次いで液体は選択された表面に塗布する前に粉末と反応して相互作用することができる。しかし前の例示的実施形態は、貯蔵部22内の内容物56としてカプセル56の応用を限定すると解釈されるべきではない。先に述べた例示的内容物56のいずれも、前の例示的実施形態に代用してもよい。更にカプセル56の内容物56及び貯蔵部22の容積内の内容物56は、特定の塗布装置21の目的を最良に果たすためにカプセル56の材料及び整合性を決定付ける。
【0037】
別の例示的実施形態では、内容物56を含有するカプセル又はアンプルは、貯蔵部22の内容積内の第2の容積内に置いてもよい。このような例示的実施形態では、貯蔵部22の残りの容積は冷凍される液体で充填されてもよい。一旦冷凍されると、液体は使用するまでカプセル又はアンプルを冷えた状態に保つ作用をする。冷凍液は1つの用途に使用する直前に解けてもよく、又は冷凍液はカプセル若しくはアンプル内の内容物を保護するために時間を掛けて、例えば別の用途に輸送中に解けてもよい。上の実施形態は内容物56を備えたカプセル又はアンプルを冷えた状態に保つための冷凍液の用途について論じているが、貯蔵部22内の冷凍液の使用を限定するとみなすべきではない。別の例では、貯蔵部22は複数の容積に分けてもよく、複数の容積の間の容積は複数の容積の間の緩衝材として使用する冷凍液又はゲルである。又このような例では、冷凍液は貯蔵部22内の複数の容積を冷やす作用もしてもよい。
【0038】
更に別の例示的実施形態では、貯蔵部22内の内容物56は、別の例示的実施形態において貯蔵部の内容積に置かれるアンプル内に保管されてもよい。アンプルはガラス又はプラスチックから作成されてもよい。従来アンプルの内容物は、アンプルを壊すことによって入手される。しかしアンプルが壊れたときに、ガラスの破片が使用者を傷つける、又はアンプルの内容物を使用する領域に入り込む可能性がある。従ってある特定の実施形態は、このような問題から守るために対策を取る。
【0039】
一実施形態では、例えばアンプルはスポンジ内に置かれる。内側にアンプルを備えたスポンジは貯蔵部22内に置かれる。スポンジはアンプルの内容物56が通過できる一方で、スポンジ内にガラスの破片を安全に維持する多孔からなる。アンプルを壊すために、力又は圧力が一実施形態では貯蔵部22の両側からスポンジ上に掛けられてアンプルを砕く。別の例示的実施形態では、アンプルを備えたスポンジは、アンプルを折り、内容物を貯蔵部22の中に流すことができるために、力又は圧力が貯蔵部22の片側から掛ける必要しかないように、貯蔵部22内に傾斜して置かれる。更に一部の実施形態では、アンプルを備えたスポンジは貯蔵部22内の他の型の内容物を有してもよい。可能な内容物56の例は上に論じている。
【0040】
別の実施形態では、少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52は、第1のフィルム34を留めるために、剥ぎ取って大きい穴をもたらすより、むしろ最小の内容物のみが通過できる大きさからなる。内容物の大きさを少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52を通過する大きさに制限することにより、一部の実施形態では、アンプルがスポンジ内にある必要がないことがある。少なくとも1つの脆弱な孔48、50、52の大きさが小さいことにより、アンプルの全ての破片を貯蔵部22内に留める一方で、アンプルの内容物は第1のフィルム34を通ってパッド36に流入することができる。又このような実施形態は、内容物56が貯蔵部22内の残りの内容物と完全に混合するまで、貯蔵部22の内容物56がパッド36の中に染み込まないことを確保する利点も有する。
【0041】
更に別の実施形態では、アンプルは、少なくとも1つの分割フィルム40のために貯蔵部22内に傾斜して固定して置かれる。少なくとも1つの分割フィルム40は、貯蔵部22に付与する力又は圧力により確実にアンプルの脆弱な首が壊れて内容物が流れ出すことができるように、アンプルをある特定の角度に留めることを確実にすることができる。別の実施形態では、アンプルは傾斜して置かれ、少なくとも1つの分割フィルム40で適所に保持され、堅い鈍的物体は貯蔵部の内側に取り付けられ、堅い鈍的物体をアンプルの脆弱な首の上に置くように位置付けられる。従って堅い鈍的物体が取り付けられた貯蔵部の点に軽い力又は圧力を付与することにより、アンプルの脆弱な首と接触させて脆弱な首が折れ、内容物を流出することができる。又一部の実施形態では、アンプルは先端を分注端部30に向けて貯蔵部22内に垂直に置き、少なくとも1つの分割フィルム40で適所に堅固に保持されてもよい。
【0042】
内容物56を貯蔵部22内に分割して保持する働きをするためにアンプルを使うことは、医学的又は薬学的状況において塗布装置21の例示的実施形態の使用に重要である。場合によっては、医学的又は薬学的状況では、溶液の塗布は使用前に2つの溶液を混合する必要がある。アンプルは物質を同じ容器内に留めることができ、それでも物質が混合するのを防ぐので、これらの状況ではアンプルは有益であることがしばしばある。塗布装置21の貯蔵部22内にアンプルを使うことにより、複数の内容物を貯蔵部の内容積内に一緒に保持するが、内容物を使用するまで分離して保持することができる。例えば例示的実施形態では、アンプルは、貯蔵部22の内容積内に含有された液体で戻す粉末を含有してもよい。アンプルが壊れた後、粉末は液体と混合し、一旦溶液が相互作用するために十分な時間を有すると、溶液は所望の表面に塗布されてもよい。別の例示的実施形態では、複数のアンプルは貯蔵部22の内容積内に含有されてもよく、その中でそれぞれの複数のアンプルは別個の内容物を含有する。これらの例示的実施形態は、例えば手術前に身体の一部を殺菌する、手術中に使用する器具を殺菌する、又は研究室内の作業台を殺菌することにさえも、医学的応用に使用してもよい。更に例示的実施形態は、病院又は実験室で行う手術又は処置の前に、アンプルの内容物を貯蔵部の内容積内の内容物と組み合わせることによって生成される局所麻酔溶液を付与するために使用してもよい。総合的にアンプルを備えた塗布装置21を使用することは、一部の実施形態ではある特定の医学的又は薬学的応用で内容物56の多くの保管の不安定な課題に対処し得る。
【0043】
次に
図13を参照する。図は、横から見た貯蔵部22内の内容物56の例示的実施形態を備えた塗布装置21の例示的実施形態を示す。塗布装置21、貯蔵部22、カプセル56としての内容物56の例示的実施形態、及び結晶56としての内容物56の例示的実施形態が描かれている。結晶56は、一実施形態では例えば食塩結晶であってもよい。例示的実施形態では、結晶56は貯蔵部22の頂部に付着され、カプセル56は貯蔵部22内の結晶56の下に着座する。カプセル56は、例えばパッド36によって吸収される溶液を形成するために結晶56と反応する液体を含有し、次いで選択された表面に置かれてもよい。別の実施形態では、カプセル56は溶液を形成するために結晶と反応するゲル又は粉末を含有してもよい。
【0044】
次に
図14及び15を参照する。図は、外周28に沿って封止された2つのパッド36の間に内容物56を有する、貯蔵部22のない例示的実施形態の塗布装置21を示す。複数の封止されたパッド36、内容物56の例示的実施形態、封止された外周28、及びラベル58が描かれている。
図14及び15は、内容物56が、取り付けられた貯蔵部22を有する必要がないパッド36内に保存されてもよい例示的実施形態を示す。代替実施形態では、内容物56はカプセル内のパッド36内に、及び複数の貯蔵部22内にも保存されてもよい。このような例示的実施形態では、内容物56は2つのパッド36の間に保存される。従ってパッド36は、内容物56を使用する準備が整うまで内容物56を保持するために貯蔵部22と同じ機能を遂行する。このような例示的実施形態では、内容物56は少なくとも1つのカプセル内に置かれる。次いで少なくとも1つのカプセルは複数の封止されたパッド36の間に置かれる。内容物56が複数の封止されたパッド36の間にあると、一部の実施形態では複数の封止されたパッド36の両側を使用することが可能になる。一部の実施形態ではカプセルの内容物56を濾出するために、カプセルは破裂しなければならない。カプセルを破裂させるために一部の実施形態では、複数の封止されたパッド36を表面又は複数の封止されたパッド36内の内容物56を塗布する所望の表面に押し付けることにより、力又は圧力が複数の封止されたパッド36に付与されてもよい。別の実施形態では、カプセルは液体に遭遇することによって解ける。カプセルは、一部の実施形態では同じ内容物56を有してもよく、又は他の実施形態では塗布装置の使用によって決定付けられた異なる内容物56を有してもよい。又異なる内容物を備えたカプセルは、当業者による適切な使用及び理解によっても決定付けられた型に間隔を空けてもよい。一実施形態では、複数の封止されたパッド36は封止領域32を生成するために外周28に沿って封止される。封止領域32は、カプセルを使用する前にカプセルに遭遇する汚染物質がないことを確実にする。従ってカプセルが解けて先に内容物56を解放する危険はない。
【0045】
汚染から更に守るために、別の実施形態では複数の封止されたパッド36は、複数の封止されたパッド36の側面に沿って付着されたラベル58を有する。ラベルを備えた複数の封止されたパッド36の例示的実施形態は、
図15に描かれている。ラベル58は、当業者によって理解された任意のやり方で複数のパッド36の側面に置かれてもよい。例えば例示的実施形態では、ラベル58は複数のパッド36に固定して取り付けられてもよい。別の実施形態では、ラベル58は複数のパッド36に取り外し可能に取り付けられてもよい。更に別の例示的実施形態では、ラベル58は複数の封止されたパッド36の側面の一部を覆う。別の実施形態では、ラベル58は複数の封止されたパッド36の側面全体を覆う。更に別の実施形態では、ラベル58は複数の封止されたパッド36の少なくとも1側面上に置かれる。更にラベル58は、他の実施形態において当業者に公知のはずであるような異なる寸法及び幾何形状で他の場所に置かれてもよい。その上複数の封止されたパッド36の側面上に置かれたラベル58は、所望の用途に依存して、及び当業者の知識に基づいて多目的に使用されてもよい。例えば一実施形態では、ラベル58は、内容物56を確実に汚染から守るための追加の手段として役立つ。別の実施形態では、ラベル58は広告のために使用してもよい。更に別の実施形態では、ラベル58は複数のパッド36内の内容物56についての情報を表示するために使用してもよい。複数のパッド36内に2つ以上の内容物56が存在する一部の実施形態では、1つ又は複数のラベル58は、特定の内容物56を含有する特定のカプセルが置かれた場所をラベル58上の場所及び表示によって使用者に示すために使用することができる。
【0046】
塗布装置の好ましい実施形態が詳細に説明されたが、その修正形態及び変形形態が可能であることは明らかであり、それらの全ては開示された塗布装置の真の精神及び範囲内に収まる。次いで上の説明に関して、操作、組立、及び使用の大きさ、材料、形状、形、機能及び手法における変形を含むために、開示された塗布器の部品に対する最適な寸法関係は、当業者には容易に明らかになると考えられ、図面に示され本明細書に説明された最適な寸法に関連する全ての等価物は、開示された塗布装置によって網羅されることを意図することを認識されたい。
【0047】
本明細書を通して文脈がそうではない必要がない限り、単語「comprise(含む)」又は「comprises」若しくは「comprising」などの変形、或いは用語「include(含む)」又はその変形、或いは用語「having(有する)」又はその変形は、記載した要素若しくは整数又は要素若しくは整数の群を含むが、いかなる他の要素若しくは整数又は要素若しくは整数の群も排除しないことを示唆することが理解されよう。これについて特許請求の範囲を解釈する際に、1つ又は複数の特徴が任意の特許請求の範囲に追加された実施形態は、主張されたような開示された塗布装置の基本的な特徴がこのような実施形態に含まれると仮定すると、開示された塗布装置の範囲内であるとみなすべきである。
【0048】
本明細書に説明した塗布装置は、具体的に説明した塗布装置以外の変形形態及び修正形態を受け入れられることが当業者には認識されよう。開示された塗布装置は、その精神及び範囲内に収まる全てのこのような変形形態及び修正形態を含むことを理解されたい。又開示された塗布装置は、本明細書を指す、又は本明細書に示された全てのステップ、特徴、組成物及び化合物を別個に又は集合的に、並びに任意の2つ以上の前記ステップ若しくは特徴の任意の及び全ての組合せも含む。
【0049】
従って前述は塗布装置の原理のみを示すと考えられる。更に多数の修正形態及び変更形態が当業者には容易に思い付くので、示して説明したまさにその構成及び作動に塗布器を限定することは望ましくなく、従って開示された塗布装置の範囲内に収まる全ての適切な修正形態及び等価物が用いられてもよい。