IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ いすゞ自動車株式会社の特許一覧

特開2023-154105車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法
<>
  • 特開-車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法 図1
  • 特開-車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法 図2
  • 特開-車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法 図3
  • 特開-車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法 図4
  • 特開-車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法 図5
  • 特開-車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法 図6
  • 特開-車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法 図7
  • 特開-車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154105
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/28 20220101AFI20231012BHJP
   B60R 1/24 20220101ALI20231012BHJP
   B60R 1/25 20220101ALI20231012BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20231012BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
B60R1/28 200
B60R1/24
B60R1/25
B60R1/26 100
B60R1/26 200
B60R1/28 100
G08G1/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045004
(22)【出願日】2022-03-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】津田 隆太
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】車両の運転手が特定の方向に視線を向けたり特定の姿勢を取ったりした際に、その意図に沿った視界を提供できる間接視界提供システムの提供。
【解決手段】トラック100の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席105から見えない場所を含む間接視界画像を撮像する、トラック100の外周に設けられた間接視界画像撮像装置3と、トラック100のキャブ101内に設けられ、間接視界画像を表示する表示部5を備える車両の間接視界提供システム1であって、キャブ101内に設けられ、運転手の視線と姿勢を検出するドライバーモニタ4と、検出した運転手の視線と姿勢から、運転手がトラック100の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っていると判断した場合、運転手が行っている安全確認行動に対応した間接視界画像を選択して予め定められた所定の時間、表示部5に表示させる間接視界画像選択部7を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席から見えない場所を含む画像である複数の間接視界画像を撮像する、前記車両の外周に設けられた間接視界画像撮像装置と、前記車両の運転室内に設けられ、前記間接視界画像撮像装置が撮像した前記間接視界画像を表示して前記車両の運転手に知得させる表示部を備える車両の間接視界提供システムであって、
前記運転室内に設けられ、前記運転手の視線と姿勢を検出するドライバーモニタと、
前記ドライバーモニタが検出した前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記車両の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っているか否かを判断し、前記安全確認行動を行っていると判断した場合、前記運転手が行っている前記安全確認行動に対応した前記間接視界画像を選択して予め定められた所定の時間、前記表示部に表示させる間接視界画像選択部と、
を備えることを特徴とする車両の間接視界提供システム。
【請求項2】
前記安全確認行動は、前記車両の左右の一方のサイドミラーを前記運転手が視認している側方確認行動を含み、
前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の左右の一方の側方及び前方の画像である側方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する装置を含み、
前記間接視界画像選択部は、
前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合、前記車両の左右のうち、前記運転手が視認している側の前記側方画像を選択して前記表示部に表示させる、請求項1に記載の車両の間接視界提供システム。
【請求項3】
前記車両の速度を検出する車速センサを備え、
前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の左右の一方の側方及び後方の画像である側方後方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する装置を含み、
前記間接視界画像選択部は、
前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合で、かつ前記車速センサが検出した前記車両の速度が予め定められた所定の速度以上の場合、前記車両の左右のうち、前記運転手が視認している側の前記側方後方画像を選択して前記表示部に表示させる、請求項2に記載の車両の間接視界提供システム。
【請求項4】
前記車両の周囲の物体を検出するブラインドスポットモニターを備え、
前記間接視界画像選択部は、前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合で、かつ前記ブラインドスポットモニターが、前記運転手の視認している側に前記物体を検出している場合、前記物体が映っている前記間接視界画像を選択して前記表示部に表示させる、請求項2又は3に記載の車両の間接視界提供システム。
【請求項5】
地図の情報である地図情報を記憶している記憶部を備え、
前記安全確認行動は、前記車両の前方に、前記車両の走行している道路と交差する道路がある場所や、前記運転手の視界を遮る建築物や地形のある場所である見通しの悪い場所を前記運転手が視認している前方確認行動を含み、
前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の前方の広角画像である前方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する広角カメラを含み、
前記間接視界画像選択部は、
前記車両の走行している前方の前記地図を前記地図情報から取得して、取得した前記地図から、前記車両の前方の見通しの悪い場所を抽出し、
前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線及び姿勢から、前記地図から抽出した見通しの悪い場所を前記運転手が視認する、前記前方確認行動を前記運転手が行っていると判断した場合、見通しの悪い場所が映っている前記前方画像を選択して前記表示部に表示させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両の間接視界提供システム。
【請求項6】
車両の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席から見えない場所を含む画像である複数の間接視界画像を撮像する、前記車両の外周に設けられた間接視界画像撮像装置と、前記車両の運転室内に設けられ、前記間接視界画像撮像装置が撮像した前記間接視界画像を表示して前記車両の運転手に知得させる表示部を備える車両の間接視界提供システムを用いた車両の間接視界提供方法であって、
前記運転手の視線と姿勢を検出する視線/姿勢検出工程と、
前記視線/姿勢検出工程で検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記車両の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っているか否かを判断し、前記安全確認行動を行っていると判断した場合、前記間接視界画像撮像装置が撮像した画像のうち、前記運転手が行っている前記安全確認行動に対応した前記間接視界画像を選択して前記表示部に表示させる間接視界画像選択工程と、
を備えることを特徴とする車両の間接視界提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の間接視界提供システム及び車両の間接視界提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には運転席から見えない車両の周囲の視覚情報である間接視界を運転手に知得させる車両用ミラーが設けられる。また、俯瞰画像のように、運転席から見難い車両の周囲の画像を運転室内の表示装置に表示する技術も知られている(特許文献1)。一方で、このような表示装置は運転手が車両の周囲の特定の範囲が映っている画像を見たい場合、その画像を表示させる操作をするか、表示された複数の画像から、特定の範囲が映っている画像を運転手が選択する必要があり、操作や視線の移動が煩雑であった。そこで、運転手の視線を検出して、検出した視線が車両用ミラーを向いている場合にミラーの角度を補正することで、運転手の操作や視線の移動なしで運転手の見たい間接視界を提供する技術が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-23870号公報
【特許文献2】特開2015-168361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転手が運転中に視線を移動させる理由は、運転中の車両付近を走行中の他の車両や歩行者等との衝突を防ぐため等の何らかの意図がある。しかしながら特許文献2に記載の技術は運転手の視線に応じて車両用ミラーの角度を調整するだけなので、サイドミラーとルームミラーに映すことができる範囲の車両の側方と後方の間接視界しか知得できず、運転手の意図に沿った視界を提供できないという問題があった。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされたもので、車両を運転中の運転手が特定の方向に視線を向けたり特定の姿勢を取ったりした際に、その意図に沿った視界を提供できる間接視界提供システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の一態様は、車両の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席から見えない場所を含む画像である複数の間接視界画像を撮像する、前記車両の外周に設けられた間接視界画像撮像装置と、前記車両の運転室内に設けられ、前記間接視界画像撮像装置が撮像した前記間接視界画像を表示して前記車両の運転手に知得させる表示部を備える車両の間接視界提供システムであって、前記運転室内に設けられ、前記運転手の視線と姿勢を検出するドライバーモニタと、前記ドライバーモニタが検出した前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記車両の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っているか否かを判断し、前記安全確認行動を行っていると判断した場合、前記運転手が行っている前記安全確認行動に対応した前記間接視界画像を選択して予め定められた所定の時間、前記表示部に表示させる間接視界画像選択部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本開示の他の態様は、車両の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席から見えない場所を含む画像である複数の間接視界画像を撮像する、前記車両の外周に設けられた間接視界画像撮像装置と、前記車両の運転室内に設けられ、前記間接視界画像撮像装置が撮像した前記間接視界画像を表示して前記車両の運転手に知得させる表示部を備える車両の間接視界提供システムを用いた車両の間接視界提供方法であって、前記運転手の視線と姿勢を検出する視線/姿勢検出工程と、前記視線/姿勢検出工程で検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記車両の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っているか否かを判断し、前記安全確認行動を行っていると判断した場合、前記間接視界画像撮像装置が撮像した画像のうち、前記運転手が行っている前記安全確認行動に対応した前記間接視界画像を選択して前記表示部に表示させる間接視界画像選択工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、車両を運転中の運転手が特定の方向に視線を向けたり特定の姿勢を取ったりした際に、その意図に沿った視界を提供できる間接視界提供システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に係る間接視界提供システムを備える車両であるトラックを模式的に示す上面図である。
図2図1のトラックのキャブ内の斜視図である。
図3】本開示の実施形態に係る間接視界提供システムの機能ブロック図である。
図4】(a)はトラックに設けられたミラーが映す間接視界の、キャブ内の運転席から視認できる範囲を示す平面図であり、(b)は間接視界提供システムが提供する間接視界画像の撮像範囲を示す平面図である。
図5】間接視界画像としての側方画像を説明するための図であって、(a)はトラック及びトラックの周囲の平面図、(b)は(a)における側方画像を示す。
図6】間接視界画像としての側方後方画像を説明するための図であって、(a)はトラック及びトラックの周囲の平面図、(b)は(a)における側方後方画像を示す。
図7】間接視界画像として前方画像を説明するための図であって、(a)はトラック及びトラックの周囲の平面図、(b)は(a)におけるトラック100の前方の前方画像を示す。
図8】間接視界提供システムを用いた間接視界提供方法の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示に好適な実施形態を詳細に説明する。ここでは間接視界提供システム1を備える車両として、バンボディ型の荷台103を備える貨物車両であるトラック100を例示している。また、以下の図ではX方向をトラック100の前後方向、Y方向をトラック100の車幅方向、Z方向を鉛直方向として図示している。
【0011】
まず、図1及び図2を参照してトラック100の構成の概要を説明する。図1に示すトラック100は、キャブ101、荷台103、及び間接視界提供システム1を備える。キャブ101は運転室であり、図2に示すように運転手が運転の際に座る席である運転席105が設けらる。図2では運転席105が車幅方向の右側寄りに配置されており、運転の際に運転手が操作するハンドル106等の操作機器も車幅方向の右側寄りに配置された、いわゆる右ハンドル車のキャブ101を例示している。荷台103は貨物を搭載する構造物であり、キャブ101の後方に設けられる。図1では貨物を箱型の構造物内に搭載するバンボディ型の荷台103を例示している。間接視界提供システム1は、運転手が安全確認行動を行っている場合に、行っている安全確認行動に対応した間接視界画像を選択して運転手に知得させる装置である。以上がトラック100の構成の概要の説明である。
【0012】
次に図1図7を参照して間接視界提供システム1の詳細について説明する。図1図3に示すように間接視界提供システム1は間接視界画像撮像装置3、表示部5、ドライバーモニタ4、及び間接視界画像選択部7を備える。間接視界画像撮像装置3は間接視界画像を撮像する装置であり、トラック100の外周に設けられた撮像装置である。
【0013】
ここで、本実施形態における間接視界画像の意味について説明する。本実施形態における間接視界画像とは、キャブ101の運転席105に座った運転手が見えない場所を含む画像を意味する。運転席105に座った運転手が見えない場所とは、運転席105に座った運転手が直接視認できない場所を意味する。例えば公知のトラック100ではキャブ101の左右両側面にサイドミラー、サイドアンダーミラー、及びフロントアンダーミラーの3種のミラーを備える。サイドミラーはトラック100の側方及び後方を映す鏡であり、運転席105に座った運転手が見たサイドミラーに映る像の範囲は図4(a)に示すR1―1、R1-2に示す範囲になる。サイドアンダーミラーはサイドミラーの下方に設けられ、キャブ101の側方の下方を映す鏡であり、運転席105に座った運転手が見たサイドアンダーミラーに映る像の範囲はR3―1、R3-2に示す範囲になる。フロントアンダーミラーはキャブ101の前方の下方を映す鏡であり、運転席105に座った運転手が見たフロントアンダーミラーに映る像の範囲はR2に示す範囲となる。これらの範囲R1―1、R1-2、R3―1、R3-2、R2の像はサイドミラー、サイドアンダーミラー、及びフロントアンダーミラーを運転席105に座った運転手が直視すれば見えるため、ここでいう間接視界画像には含まれない。
【0014】
本実施形態における間接視界画像の撮像範囲は図4(b)に示す、トラック100の周囲の互いに異なる範囲である複数の撮像範囲D1、D2、D3を例示できる。撮像範囲D1はトラック100の左右の一方の側方及び前方の撮像範囲である。撮像範囲D1は、ここではトラック100の左側の側方及び車幅方向外側に延びる斜め前方の撮像範囲であり、範囲R1―1、R1-2、R3―1、R3-2、R2の範囲外の部分を含む範囲である。
【0015】
撮像範囲D1は主に運転手が側方の安全確認をする際に安全確認に寄与する画像を撮像する範囲である。例えば図5(a)に示すように屋根付き駐車場121がトラック100の左側にある場合に、屋根付き駐車場121の入口122側にトラック100が左折しようとしたとする。この場合、トラック100の運転手は左折の際に左側の車輪に歩行者を巻き込まないようにするため、左側を見ながら運転する。また駐車場の入口122から駐車中の車両が発進してきた場合に衝突しないようにするため、左前方も見る必要がある。このような場合に間接視界画像撮像装置3として広角カメラで撮像範囲D1を撮像した間接視界画像の1つである、図5(b)に示す側方画像G1を見れば、左側の車輪の近傍に歩行者がいるか否かがわかる。また、駐車場の入口122から駐車中の車両が発進してくるか否かを視認できる。なお、図5(b)に示す側方画像G1は広角カメラが撮像した画像を模式的に示したものであるため、本来は直線であるキャブ101や屋根付き駐車場121が円形に歪んでいる。
【0016】
図4(b)に示す撮像範囲D2は撮像範囲D1と同様に主に運転手が側方の安全確認をする際に安全確認に寄与する画像を撮像する範囲であり、撮像範囲D1と重なる部分も多いが、撮像範囲D1よりも後方を撮像している。つまり撮像範囲D2はトラック100の左右の一方の側方及び後方、ここでは左側及び左後方の画像である側方後方画像G2を間接視界画像の1つとして撮像する際の撮像範囲である。撮像範囲D2も、範囲R1―1、R1-2、R3―1、R3-2、R2の範囲外の部分を含む範囲である。
【0017】
例えば図6(a)に示すように、直進中のトラック100の側方及び後方を他のトラック100aが走行していたとする。また、他のトラック100aが走行している範囲は撮像範囲D2と一部が重なるとする。この場合には図6(b)に示す側方後方画像G2を見れば、トラック100の側方及び後方を他のトラック100aが走行していることが分かる。なお、図6に示す側方後方画像G2は広角カメラが撮像した画像を模式的に示したものであるため、本来は直線である荷台103や他のトラック100aが円形に歪んでいる。
【0018】
図4(b)に示す撮像範囲D3は運転手が前方の安全確認をする際に安全確認に寄与する画像を撮像する範囲である。撮像範囲D3も、範囲R1―1、R1-2、R3―1、R3-2、R2の範囲外の部分を含む範囲である。例えば図7(a)に示すように道路111を走行中のトラック100の前方にT字路113があったとする。この場合、T字路113は対向車やT字の交差部に建てられた建築物に視界を遮られるので前方の見通しが悪い。このような場合に間接視界画像撮像装置3として広角カメラで図4(b)に示す撮像範囲D3を撮像した、間接視界画像の1つである、図7(b)に示す前方画像G3をトラック100の運転手が見れば、対向車や、交差部に建てられた建築物を視認しやすくなる。なお前方画像G3も広角カメラが撮像した広角画像を模式的に示したものであるため、本来は直線である道路111やT字路113が円形に歪んでいる。
【0019】
なお、撮像範囲D1~D3は例示であり、間接視界画像の撮像範囲は範囲R1―1、R1-2、R3―1、R3-2、R2の範囲外の部分を含み、かつトラック100の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であれば、撮像範囲D1~D3以外の撮像範囲でもよい。例えばトラック100の真後ろを撮像範囲としても良い。また、図4(b)ではトラック100の右側に間接視界画像の撮像範囲を図示していない。これはトラック100が右ハンドル車であり、運転席105に座った運転手が右側を視認できる範囲が左側よりも広いため、必ずしも間接視界画像を提供する必要がないためである。
【0020】
図1では間接視界画像撮像装置3が、左側カメラ3b、右側カメラ3c、前方カメラ3aを含む。図1では、間接視界画像撮像装置3は、荷台103の後方に設けられた後方カメラ3dも含む。
【0021】
左側カメラ3bは間接視界画像として側方画像G1及び側方後方画像G2を撮像するカメラであり、トラック100のキャブ101の左側面に設けられる。具体的には、図4(b)に示す撮像範囲D1、D2を撮像するカメラであり、例えば広角カメラが用いられる。
【0022】
図1に示す右側カメラ3cは間接視界画像として右側の側方画像及び側方後方画像を撮像するカメラであり、必要に応じてキャブ101の右側面に設けられる。トラック100が右ハンドル車で、図4(b)に示すように右側の側方画像及び側方後方画像を撮像しない場合、右側カメラ3cは設けなくてもよい。右側カメラ3cの具体的な構造は左側カメラ3bと同じである。
【0023】
図1に示す前方カメラ3aは間接視界画像として前方画像G3を撮像するカメラである。具体的には前方カメラ3aは図4(b)に示す撮像範囲D3を撮像するカメラであり、キャブ101の上面の前端に設けられる。前方カメラ3aの具体的な構造は左側カメラ3bと同様であり、例えば広角カメラが用いられる。後方カメラ3dは間接視界画像としてトラック100の真後ろの画像を撮像するカメラであり、必要に応じて設けられる。後方カメラ3dの具体的な構造は左側カメラ3bと同様である。
【0024】
なお、間接視界画像は予め定められた時間間隔で間接視界画像撮像装置3が撮像し続けていてもよいし、撮像を指示する信号を受信した場合のみ撮像を行ってもよい。以下の説明では特に断りが無い限り、間接視界画像を予め定められた時間間隔で間接視界画像撮像装置3が撮像し続けている場合を例に説明する。
【0025】
図1図3に示す表示部5は間接視界画像撮像装置3が撮像した間接視界画像を表示してトラック100の運転手に知得させる表示するモニタであり、図2では運転室であるキャブ101の車幅方向中央付近の前面に設けられる。表示部5は間接視界画像を表示する専用のモニタでもよいが、トラック100がアラウンドビューモニタのように、トラック100の周囲の映像を表示する機能を備えている場合、アラウンドビューモニタを表示部5として用いてもよい。
【0026】
図1図3に示すドライバーモニタ4は運転室であるキャブ101内に設けられ、運転手の視線と姿勢を検出する撮像装置であり、図2ではキャブ101の助手席の前方のフロントガラスの近傍に設けられたものを例示している。より具体的にはドライバーモニタ4は運転席105に座っている運転手を撮像し、画像解析で運転手の視線と姿勢を検出する装置である。
【0027】
図1及び図3に示す間接視界画像選択部7は、ドライバーモニタ4が検出した運転手の視線と姿勢から、運転手が安全確認行動を行っているか否かを判断するコンピュータである。間接視界画像選択部7は、運転手が安全確認行動を行っていると判断した場合、運転手が行っている安全確認行動に対応した間接視界画像を選択して表示部5に表示させるコンピュータでもあり、例えばキャブ101内に設けられる。
【0028】
ここでいう安全確認行動とは、トラック100の運転手が、トラック100の周囲の安全確認を目視で行っている行動を意味する。安全確認とは、周囲の構造物や、他の車両や歩行者等の移動体とトラック100が衝突しないように、トラック100の周囲を目視で確認していることを意味する。
【0029】
このように、間接視界提供システム1はドライバーモニタ4が検出した運転手の視線や姿勢から安全確認行動を行っていると判断した場合、その安全確認行動に寄与する間接視界画像を選択して表示部5に表示する。そのためトラック100を運転中の運転手が特定の方向に視線を向けたり特定の姿勢を取ったりした際に、その意図に沿った視界を提供できる。
【0030】
具体的な安全確認行動としては、例えば以下の行動を例示できる。まず、運転手が左右いずれかの側方を見ている場合が挙げられる。運転手は通常、運転時は前方を見て運転しているため、敢えて側方を見る場合とは、トラック100に衝突する可能性がある構造物や移動体が側方にあるか否かを確認する意図があると考えられるためである。より具体的には、間接視界画像選択部7は、ドライバーモニタ4が検出した運転手の視線と姿勢から、運転手がサイドミラーを見ている場合に安全確認行動を行っていると判断する。この安全確認行動を以下の説明では側方確認行動と称す。
【0031】
間接視界画像選択部7はドライバーモニタ4が検出した運転手の視線と姿勢から運転手が側方確認行動を行っていると判断した場合、トラック100の左右のうち、運転手が視認している側の側方の間接視界画像を選択して表示部5に表示させる。例えば運転手が左のサイドミラーを見ている場合、間接視界画像撮像装置3が撮像した間接視界画像のうち、図4(b)の撮像範囲D1を撮像した側方画像G1を選択して表示部5に表示させる。
【0032】
このように、間接視界提供システム1では、トラック100の運転手が側方の安全確認のためにサイドミラーを視認すると、視認している側の側方の画像が表示部5に表示される。この構成では、運転手がサイドミラーで側方の安全確認をする際に、歩行者や他の車両等の、トラック100と衝突する可能性のある移動体を発見しやすくなる。
【0033】
間接視界画像選択部7は運転手が側方確認行動を行っていると判断した場合、常に同じ範囲を撮像した間接視界画像を表示部5に表示させる必要はない。つまり側方確認行動を行っていると判断した場合に、常に撮像範囲D1を撮像した側方画像G1を選択する必要はない。例えばトラック100が高速道路を走行中のように、車速が予め定められた所定の速度以上で走行中の場合に間接視界画像選択部7が、運転手が側方確認行動を行っていると判断したとする。この場合、間接視界画像選択部7はトラック100の左右のうち、運転手が視認している側の側方後方画像を選択して表示部5に表示させてもよい。例えばトラック100が所定の速度以上で走行中に運転手が左側の側方確認行動を行っていると間接視界画像選択部7が判断した場合、図6(a)に示す撮像範囲D2を撮像した図6(b)に示す側方後方画像G2を選択して表示部5に表示させてもよい。理由は以下の通りである。高速道路ではトラック100の走行速度が一般道よりも速いためブレーキをかけた場合の制動距離も長く、かつ車間距離が長いため、トラック100に衝突する可能性がある他の車両等の移動体が一般道よりも遠くにある。そのため、運転手が側方確認行動を取る意図も、一般道よりトラック100から遠くの側方かつ後方を走行中の他の車両の位置を特定することである。そのため、撮像範囲D1よりも後方の撮像範囲である撮像範囲D2を撮像した側方後方画像を表示する方が、運転手の安全確認の意図に合致するためである。なお、予め定められた所定の速度とは、例えば高速道路におけるトラック100の平均車速である。トラック100の車速は図3に示す車速センサ13から取得すればよい。車速センサ13は、間接視界提供システム1が備える装置の1つであり、トラック100の車速を検出するセンサである。
【0034】
このように、トラック100が高速走行中に運転手がサイドミラーを視認すると、視認している側の側方後方画像G2を表示部5に表示してもよい。高速走行時は車間距離が長くなり、衝突する可能性のある他の車両が遠くにあるため、側方後方画像G2を表示することで、遠くの車両の画像も間接視界として提供できる。
【0035】
さらに、運転手が側方確認行動を行っていると判断した場合で、かつ運転手の視認している側に物体を検出している場合、間接視界画像選択部7は、物体が映っている画像を選択して表示部5に表示させてもよい。例えばトラック100が一般道で所定の速度未満で走行中に、トラック100の運転手が左のサイドミラーを視認する側方確認行動を行っている場合、間接視界画像選択部7は、通常は撮像範囲D1を撮像した側方画像G1を表示部5に表示する。一方で、側方確認行動を行っている場合に、図6(a)に示すようにトラック100の左側方に設置したブラインドスポットモニター11が物体、ここでは他のトラック100aを検出したとする。この場合、撮像範囲D1を撮像した側方画像にトラック100aが映っておらず、撮像範囲D2を撮像した側方後方画像G2にトラック100aが映っている場合、間接視界画像選択部7は、撮像範囲D2を撮像した側方後方画像G2を表示部5に表示する。ブラインドスポットモニター11とは、間接視界提供システム1が備える装置の1つであり、周囲に電波を照射して、物体に反射した電波を検出することで物体の位置を特定するレーダーの一種である。図1ではトラック100の荷台103の左側の後端に設置したブラインドスポットモニター11を例示している。側方確認行動を行っている場合に物体を検出すると、物体が映っている間接視界画像を表示する理由は以下の通りである。運転手が側方確認行動を行う意図は、トラック100に衝突する可能性がある物体が側方にあるか否かを運転手が知るためである。そのため、トラック100に衝突する可能性がある物体が検出されている状態で運転手が側方確認行動を行っている場合、物体が映っていない間接視界画像を表示するよりも、物体が映っている間接視界画像を表示する方が、運転手の意図に合致する。
【0036】
このようにサイドミラーを見た側のブラインドスポットモニター11が物体を検出している場合は、間接視界画像選択部7が、物体が映っている画像を選択して表示部5に表示させることで、トラック100の周囲の物体を運転手が確実に視認できる。なお、間接視界画像に物体が映っているか否かは、間接視界画像の撮像範囲と、ブラインドスポットモニター11が検出した物体の位置が重なるか否かで判断すればよい。
【0037】
具体的な安全確認行動の他の例としては、トラック100の前方の見通しの悪い場所を運転手が視認している場合も挙げられる。このような安全確認行動を以下の説明では前方確認行動と称す。また、ここでいう見通しの悪い場所とは、トラック100の走行している道路と交差する道路がある場所や、トラック100の運転手の視界を遮る建築物や地形のある場所であり、具体的には走行路の前方に十字路やT字路のような交差点のある場所である。このような場所は対向車や、交差点に建てられた建築物等で運転手の視界が遮られやすいためである。
【0038】
また、見通しの悪い場所を運転手が視認していると間接視界画像選択部7が判断するためには、見通しの悪い場所の位置を間接視界画像選択部7が取得する必要がある。そのため安全確認行動が前方確認行動を含む場合、間接視界提供システム1は図3に示すように、地図の情報である地図情報9aを記憶しているストレージ等である記憶部9を備える。
【0039】
この場合、間接視界画像選択部7は、トラック100の走行している前方の地図を地図情報9aから取得して、取得した地図から、トラック100の前方の見通しの悪い場所を抽出する。さらに間接視界画像選択部7は、ドライバーモニタ4が検出した、運転手の視線及び姿勢から、地図から抽出した見通しの悪い場所を運転手が視認する前方確認行動を行っているか否かを判断する。前方確認行動を行っていると判断した場合、トラック100の前方の撮像範囲D3の広角画像である前方画像G3を選択して表示部5に表示させる。なお、前方画像G3には見通しの悪い場所が映っている。
【0040】
なお、運転手が前方確認行動を行っている場合の具体例としては、運転手の姿勢が前傾姿勢で視線が前方の見通しの悪い場所を向いている場合が挙げられる。また、トラック100の前方が見通しの悪い場所で、運転手の視線がフロントアンダーミラーを向いている場合も挙げられる。
【0041】
このように間接視界画像選択部7は、運転手がトラック100の前方の見通しの悪い場所を視認している場合に間接視界画像として前方の広角映像である前方画像G3を選択して表示部5に表示してもよい。この構成では、見通しの悪い場所がトラック100の走行方向の前方にある場合に、運転手の視界を遮る建築物や地形の背後に存在する人や他の車両等の衝突する可能性のある移動体を発見しやすくなる。
【0042】
なお、安全確認行動を行っていると間接視界画像選択部7が判定する基準は、運転手の視線や姿勢が特定の視線や姿勢であるか否かだけでなく、予め定められた所定の時間、特定の視線や姿勢であるか否かも含まれる。例えば予め定められた所定の時間の間、運転手が特定の視線や姿勢の場合に安全確認行動を行っていると判断すればよい。予め定められた所定の時間とは、例えば数秒程度である。あるいは、予め定められた所定の時間内に所定の回数以上、特定の視線や姿勢であった場合に安全確認行動を行っていると判断すればよい。このように、所定の時間、運転手が特定の視線や姿勢の場合に安全確認行動を行っていると判断することで、間接視界画像選択部7が脇見等を安全確認行動であると誤認することがない。
【0043】
また、間接視界画像を表示部5に表示させる時間も、予め定められた所定の時間とすればよい。ここでいう所定の時間も数秒程度である。ただし、運転手が安全確認行動を取り続けている間は間接視界画像を運転手が必要としているため、間接視界画像を表示部5に表示させ続けるのが好ましい。また、ブラインドスポットモニター11が物体を検出している間は、間接視界画像を表示部5に表示させ続けるのが好ましい。検出した物体とトラック100の衝突を防止するためである。また、運転手が表示部5から視線を外した場合は、視線を外してから予め定められた所定の時間、例えば数秒程度は間接視界画像を表示部5に表示させ続けるのが好ましい。このように、間接視界画像を表示部5に表示させる時間を、安全の確認に必要な数秒程度の時間として、所定の時間経過後に表示部5の表示を元の画面に戻す、つまり間接視界画像を消すことで、運転手が自らの操作で表示を戻す等の煩わしい操作が不要になる。なお間接視界画像を表示部5に表示する時間はメータ等の設定で任意に変えられる構成としてもよい。以上が間接視界提供システム1の詳細についての説明である。
【0044】
次に、間接視界提供システム1を用いた間接視界提供方法の手順について、図8を参照して簡単に説明する。まず図3に示すドライバーモニタ4はトラック100の運転手の視線と姿勢を検出して間接視界画像選択部7に送信する(図8のS1、視線/姿勢検出工程)。なお、ドライバーモニタ4がトラック100の運転手の視線と姿勢を検出するタイミングは、間接視界画像選択部7が指示してもよいし、予め定められた所定の時間間隔で、ドライバーモニタ4が自動で視線と姿勢を検出して間接視界画像選択部7に送信してもよい。
【0045】
次に、図3に示す間接視界画像選択部7は運転手の視線と姿勢、及び必要に応じて地図情報9aを参照して、運転手が何らかの安全確認行動を行っているか否かを判断する。その結果、運転手が安全確認行動を行っていると判断した場合はS3に進み、安全確認行動を行っていないと判断した場合はリターンする(図8のS2)。
【0046】
S2で運転手が安全確認行動を行っていると判断した場合、図3に示す間接視界画像選択部7は前方確認行動と側方確認行動のどちらの安全確認行動を運転手が行っているかを判断する。その結果、前方確認行動を行っていると判断した場合はS4に進み、側方確認行動を行っている判断した場合はS5に進む(図8のS3)。S3で運転手が前方確認行動を行っていると判断した場合、図3に示す間接視界画像選択部7は前方画像G3を間接視界画像として選択して表示部5に表示させる(図8のS4)。
【0047】
S3で運転手が側方確認行動を行っていると判断した場合、図3に示す間接視界画像選択部7は、トラック100の左右のうち、運転手が安全確認行動を行った側のブラインドスポットモニター11が周囲に物体を検出しているか否かを判断する。その結果、物体を検出していると判断した場合はS6に進み、物体を検出していないと判断した場合はS7に進む(図8のS5)。
【0048】
S5でブラインドスポットモニター11が周囲に物体を検出していると判断した場合、図3に示す間接視界画像選択部7は側方画像G1と側方後方画像G2のうち、検出した物体が映っている画像を選択して表示部5に表示する(図8のS6)。
【0049】
S5でブラインドスポットモニター11が周囲に物体を検出していないと判断した場合、図3に示す間接視界画像選択部7は車速センサ13を参照して車速を取得し、取得した車速が予め定められた所定の速度以上か否かを判断する。その結果、取得した車速が予め定められた所定の速度以上の場合はS8に進み、所定の速度未満の場合はS9に進む(図8のS7)。
【0050】
S7で車速が予め定められた所定の速度以上と判断した場合、図3に示す間接視界画像選択部7は側方後方画像G2を間接視界画像として選択して表示部5に表示させる(図8のS8)。S7で車速が予め定められた所定の速度未満と判断した場合、図3に示す間接視界画像選択部7は側方画像G1を間接視界画像として選択して表示部5に表示させる(図8のS9)。
【0051】
S2~S9は、S1で検出した運転手の視線と姿勢から、運転手が安全確認行動を行っていると判断した場合、間接視界画像撮像装置3が撮像した画像のうち、運転手が行っている安全確認行動に対応した間接視界画像を選択して表示部5に表示させる工程である。S2~S9は間接視界画像選択工程ともいう。以上が本実施形態に係る間接視界提供システム1を用いた間接視界提供方法の手順の説明である。
【0052】
このように本実施形態によれば、間接視界提供システム1は間接視界画像撮像装置3、表示部5、ドライバーモニタ4、及び間接視界画像選択部7を備える。この構成ではドライバーモニタ4が取得した運転手の視線から運転手が安全確認行動を行っていると間接視界画像選択部7が判断した場合、その安全確認行動に寄与する間接視界画像が選択されて表示部5に表示される。そのため、トラック100を運転中の運転手が特定の方向に視線を向けたり特定の姿勢を取ったりした際に、その意図に沿った視界を提供できる。
【0053】
以上、実施形態に基づき本開示を説明したが本開示は実施形態に限定されない。当業者であれば本開示の技術思想の範囲内において各種変形例及び改良例に想到するのは当然のことであり、これらも当然に本開示に含まれる。
【0054】
例えば上記した実施形態では撮像範囲D1と撮像範囲D2を左側カメラ3bで撮像しているが、撮像範囲D1と撮像範囲D2を別のカメラで撮像してもよい。あるいは後方カメラ3dに撮像範囲D2の一部を撮像させてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 :間接視界提供システム
3 :間接視界画像撮像装置
3a :前方カメラ
3b :左側カメラ
3c :右側カメラ
3d :後方カメラ
4 :ドライバーモニタ
5 :表示部
7 :間接視界画像選択部
9 :記憶部
9a :地図情報
11 :ブラインドスポットモニター
13 :車速センサ
100、100a :トラック
101 :キャブ
103 :荷台
105 :運転席
106 :ハンドル
111 :道路
113 :T字路
121 :屋根付き駐車場
122 :入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席から見えない場所を含む画像である複数の間接視界画像を撮像する、前記車両の外周に設けられた間接視界画像撮像装置と、前記車両の運転室内の車幅方向中央付近の前面に設けられ、前記間接視界画像撮像装置が撮像した前記間接視界画像を表示して前記車両の運転手に知得させる表示部を備える車両の間接視界提供システムであって、
前記運転室内に設けられ、前記運転席に座っている前記運転手を撮像し、画像解析で前記運転手の視線と姿勢を検出するドライバーモニタと、
前記ドライバーモニタが検出した前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記車両の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っているか否かを判断し、前記安全確認行動を行っていると判断した場合、前記運転手が行っている前記安全確認行動に対応した前記間接視界画像を選択して前記表示部に表示させ、前記運転手が前記表示部から視線を外してから予め定められた所定の時間が経過した後に前記表示部に表示させた前記間接視界画像を消す間接視界画像選択部と、
を備え
前記安全確認行動は、前記車両の左右の一方のサイドミラーを前記運転手が視認している側方確認行動を含み、
前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の左右の一方の側方及び前方の画像である側方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する装置を含み、
前記間接視界画像選択部は、
前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合、前記車両の左右のうち、前記運転手が視認している側の前記側方画像を選択して前記表示部に表示させる、ことを特徴とする車両の間接視界提供システム。
【請求項2】
前記車両の速度を検出する車速センサを備え、
前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の左右の一方の側方及び後方の画像である側方後方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する装置を含み、
前記間接視界画像選択部は、
前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合で、かつ前記車速センサが検出した前記車両の速度が予め定められた所定の速度以上の場合、前記車両の左右のうち、前記運転手が視認している側の前記側方後方画像を選択して前記表示部に表示させる、請求項に記載の車両の間接視界提供システム。
【請求項3】
前記車両の周囲に電波を照射して、前記車両の周囲の物体に反射した前記電波を検出することで前記車両の周囲の物体を検出するブラインドスポットモニターを備え、
前記間接視界画像選択部は、前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合で、かつ前記ブラインドスポットモニターが、前記運転手の視認している側に前記物体を検出している場合、前記物体が映っている前記間接視界画像を選択し、選択した前記間接視界画像を前記ブラインドスポットモニターが前記物体を検出している間、前記表示部に表示させる、請求項1又は2に記載の車両の間接視界提供システム。
【請求項4】
地図の情報である地図情報を記憶している記憶部を備え、
前記安全確認行動は、前記車両の前方に前記車両の走行している道路と交差する道路がある場所と前記車両の前方に前記運転手の視界を遮る建築物や地形のある場所見通しの悪い場所として前記運転手が視認している前方確認行動を含み、
前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の前方の広角画像である前方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する広角カメラを含み、
前記間接視界画像選択部は、
前記車両の走行している前方の前記地図を前記地図情報から取得して、取得した前記地図から、前記車両の前方の前記見通しの悪い場所を抽出し、
前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線及び姿勢から、前記地図から抽出した前記見通しの悪い場所を前記運転手が視認する、前記前方確認行動を前記運転手が行っていると判断した場合、前記見通しの悪い場所が映っている前記前方画像を選択して前記表示部に表示させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両の間接視界提供システム。
【請求項5】
車両の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席から見えない場所を含む画像である複数の間接視界画像を撮像する、前記車両の外周に設けられた間接視界画像撮像装置と、前記車両の運転室内に設けられ、前記間接視界画像撮像装置が撮像した前記間接視界画像を表示して前記車両の運転手に知得させる表示部を備える車両の間接視界提供システムを用いた車両の間接視界提供方法であって、
前記運転席に座っている前記運転手を撮像し、画像解析で前記運転手の視線と姿勢を検出する視線/姿勢検出工程と、
前記視線/姿勢検出工程で検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記車両の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っているか否かを判断し、前記安全確認行動を行っていると判断した場合、前記間接視界画像撮像装置が撮像した画像のうち、前記運転手が行っている前記安全確認行動に対応した前記間接視界画像を選択して前記表示部に表示させ、前記運転手が前記表示部から視線を外してから予め定められた所定の時間が経過した後に前記表示部に表示させた前記間接視界画像を消す間接視界画像選択工程と、
を備え
前記安全確認行動は、前記車両の左右の一方のサイドミラーを前記運転手が視認している側方確認行動を含み、
前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の左右の一方の側方及び前方の画像である側方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する装置を含み、
前記間接視界画像選択工程では、
前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合、前記車両の左右のうち、前記運転手が視認している側の前記側方画像を選択して前記表示部に表示させる、ことを特徴とする車両の間接視界提供方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の一態様は、車両の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席から見えない場所を含む画像である複数の間接視界画像を撮像する、前記車両の外周に設けられた間接視界画像撮像装置と、前記車両の運転室内の車幅方向中央付近の前面に設けられ、前記間接視界画像撮像装置が撮像した前記間接視界画像を表示して前記車両の運転手に知得させる表示部を備える車両の間接視界提供システムであって、前記運転室内に設けられ、前記運転席に座っている前記運転手を撮像し、画像解析で前記運転手の視線と姿勢を検出するドライバーモニタと、前記ドライバーモニタが検出した前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記車両の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っているか否かを判断し、前記安全確認行動を行っていると判断した場合、前記運転手が行っている前記安全確認行動に対応した前記間接視界画像を選択して前記表示部に表示させ、前記運転手が前記表示部から視線を外してから予め定められた所定の時間が経過した後に前記表示部に表示させた前記間接視界画像を消す間接視界画像選択部と、を備え、前記安全確認行動は、前記車両の左右の一方のサイドミラーを前記運転手が視認している側方確認行動を含み、前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の左右の一方の側方及び前方の画像である側方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する装置を含み、前記間接視界画像選択部は、前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合、前記車両の左右のうち、前記運転手が視認している側の前記側方画像を選択して前記表示部に表示させる、ことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示の他の態様は、車両の周囲の互いに異なる範囲を含む画像であって、運転席から見えない場所を含む画像である複数の間接視界画像を撮像する、前記車両の外周に設けられた間接視界画像撮像装置と、前記車両の運転室内に設けられ、前記間接視界画像撮像装置が撮像した前記間接視界画像を表示して前記車両の運転手に知得させる表示部を備える車両の間接視界提供システムを用いた車両の間接視界提供方法であって、前記運転席に座っている前記運転手を撮像し、画像解析で前記運転手の視線と姿勢を検出する視線/姿勢検出工程と、前記視線/姿勢検出工程で検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記車両の周囲の安全確認を目視で行う安全確認行動を行っているか否かを判断し、前記安全確認行動を行っていると判断した場合、前記間接視界画像撮像装置が撮像した画像のうち、前記運転手が行っている前記安全確認行動に対応した前記間接視界画像を選択して前記表示部に表示させ、前記運転手が前記表示部から視線を外してから予め定められた所定の時間が経過した後に前記表示部に表示させた前記間接視界画像を消す間接視界画像選択工程と、を備え、前記安全確認行動は、前記車両の左右の一方のサイドミラーを前記運転手が視認している側方確認行動を含み、前記間接視界画像撮像装置は、前記車両の左右の一方の側方及び前方の画像である側方画像を前記間接視界画像の1つとして撮像する装置を含み、前記間接視界画像選択工程では、前記ドライバーモニタが検出した、前記運転手の視線と姿勢から、前記運転手が前記側方確認行動を行っていると判断した場合、前記車両の左右のうち、前記運転手が視認している側の前記側方画像を選択して前記表示部に表示させる、ことを特徴とする。