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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015417
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】走査型眼底撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20230125BHJP
   G02B 21/24 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
A61B3/10 300
G02B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019238625
(22)【出願日】2019-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(74)【代理人】
【識別番号】100171848
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 裕美
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝佳
(72)【発明者】
【氏名】角谷 佳洋
【テーマコード(参考)】
2H052
4C316
【Fターム(参考)】
2H052AA07
2H052AA09
2H052AC14
2H052AC15
2H052AC18
2H052AC34
2H052AD02
2H052AF02
2H052AF14
4C316AA09
4C316AB07
4C316AB12
4C316AB16
4C316FY02
4C316FY05
4C316FY06
4C316FY10
(57)【要約】
【課題】明るく良好な眼底画像を取得可能な走査型眼底撮影装置を提供すること。
【解決手段】走査型眼底撮影装置100は、眼底共役面ECを境に前群Gr1と後群Gr2とを有する対物レンズ系60と、光源部10からの投光MLを被検眼EYの眼底EB上に2次元的に走査する走査部である第1及び第2走査デバイス30,50とを備え、第2走査デバイス50と被検眼EYの瞳面PSとの間において、異なる走査角を持つ各投光束の主光線が光軸AX2上で交差せず、前群Gr1は2枚の正レンズを有し、後群Gr2は少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズとを有し、前群Gr1のうち少なくとも1枚の正レンズは非球面形状を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼底共役面を境に前群と後群とを有する対物レンズ系と、光源からの光を被検眼の眼底上に2次元的に走査する走査部とを備え、
前記走査部と前記被検眼の瞳面との間において、異なる走査角を持つ投光束の主光線が光軸上で交差せず、
前記前群は2枚の正レンズを有し、
前記後群は少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズとを有し、
前記前群のうち少なくとも1枚の正レンズは非球面形状を有することを特徴とする走査型眼底撮影装置。
【請求項2】
前記後群の光線有効径は、前記前群の光線有効径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の走査型眼底撮影装置。
【請求項3】
前記前群において、前記後群に最も近いレンズ面は非球面形状を有することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の走査型眼底撮影装置。
【請求項4】
前記前群において、前記2枚の正レンズのレンズ面は前記後群側に凸形状をそれぞれ有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の走査型眼底撮影装置。
【請求項5】
前記後群は、前記負レンズと前記正レンズによる接合レンズと、前記正レンズとの組み合わせであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の走査型眼底撮影装置。
【請求項6】
前記走査部と前記被検眼の前記瞳面との間において、異なる走査角を持つ投光束の主光線が互いに離間することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の走査型眼底撮影装置。
【請求項7】
瞳面上において、前記走査部を経た全投光束を重畳した断面形状の直径は3mm以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の走査型眼底撮影装置。
【請求項8】
前記前群と前記後群のレンズ間距離は、前記前群と前記後群の各合成焦点距離の和の0.5倍以上であることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の走査型眼底撮影装置。
【請求項9】
被検眼の視度補正範囲が-25ジオプターから+25ジオプターのいずれにおいても、前記眼底共役面が前記前群と前記後群の各レンズ面に近接しないように、前記前群と前記後群の焦点距離と、レンズ間距離とが設定されることを特徴とする請求項8に記載の走査型眼底撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検眼の眼底画像を撮影する走査型眼底撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガルバノミラー及びポリゴンミラーを駆動させることにより2次元的にレーザー光を走査して眼底に対してレーザー光を照射し、眼底からの反射光を受光することにより眼底画像を得る眼底撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の眼底撮影装置において、瞳面を基準にレーザー光を走査する場合、使用条件にもよるが、走査角の変化に応じて瞳面上における投光束の位置が移動する現象が発生する。そのため、投光束の位置が大きく移動すると、投光束が被検眼の虹彩でけられてしまい、眼底画像の周辺部が暗くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-59399号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、明るく良好な眼底画像を取得可能な走査型眼底撮影装置を提供することを目的とする。
【0006】
上記課題を達成するため、本発明に係る走査型眼底撮影装置は、眼底共役面を境に前群と後群とを有する対物レンズ系と、光源からの光を被検眼の眼底上に2次元的に走査する走査部とを備え、走査部と被検眼の瞳面との間において、異なる走査角を持つ投光束の主光線が光軸上で交差せず、前群は2枚の正レンズを有し、後群は少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズとを有し、前群のうち少なくとも1枚の正レンズは非球面形状を有する。
【0007】
上記走査型眼底撮影装置では、対物レンズ系が眼底共役面を境に前群と後群とに分かれており、前群が2枚の正レンズを有し、少なくとも1面の非球面を有し、後群が少なくとも1枚の負レンズ及び少なくとも1枚の正レンズを有することにより、収差を抑えることができ、広角走査であっても、瞳面上で投光束を絞り込むことができる。これにより、異なる走査角を持つ投光束を瞳面上に重畳した全投光束の断面形状を比較的小さくすることができ、投光束が被検眼の瞳孔を効率良く通過して、虹彩でけられることを防ぐことができる。また、少なくとも前群のレンズが非球面形状を有することにより、異なる走査角を持つ投光束の主光線の結像状態を改善することができる。
【0008】
本発明の具体的な側面によれば、上述の走査型眼底撮影装置において、後群の光線有効径は、前群の光線有効径よりも大きい。この場合、対物レンズ系を縮小投影系として光束径を絞り込むとともに走査角を大きくすることが容易になり、投光束を瞳位置で効率良く集光することができ、眼底上で広範囲を走査することができる。
【0009】
本発明の別の側面によれば、前群において、後群に最も近いレンズ面は非球面形状を有する。この場合、光線有効径が広がる側を非球面にすることにより、非球面による補正効果を生じやすくすることができる。
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、前群において、2枚の正レンズのレンズ面は後群側に凸形状をそれぞれ有する。特に、瞳面に最も近いレンズを後群側に凸形状を有する平凸レンズとすることにより、瞳面に最も近いレンズ面から瞳面までの距離を比較的大きくとることができる。さらに、2枚の正レンズの合成主点が、両凸レンズの組み合わせの場合に比べて後群側に配置されることで、前群と後群との間にある眼底共役面に最も近い前群のレンズ面から眼底共役面までの距離を比較的大きくとることができる。これにより、対物レンズ面の反射によって発生する有害光が、眼底の撮影画像に映り込むことを防ぐことができる。
【0011】
本発明のさらに別の側面によれば、後群は、負レンズと正レンズによる接合レンズと、正レンズとの組み合わせである。後群が色収差補正に適した接合レンズを有することにより、瞳面上の投光束の色収差を最小限に抑えることができる。また、後群には、上記の接合レンズの他に、正レンズも加えてレンズパワーを確保している。
【0012】
本発明のさらに別の側面によれば、走査部と被検眼の瞳面との間において、異なる走査角を持つ投光束の主光線が互いに離間する。
【0013】
本発明のさらに別の側面によれば、瞳面上において、走査部を経た全投光束を重畳した断面形状の直径は3mm以下である。瞳面上の投光束の直径が例えば1mm以下である場合、投光束の主光線が走査によって瞳面上で移動する際の最大移動量は、光軸を中心として例えば1mmである。この投光束の最大直径1mmと最大移動量1mmとの結果として、全投光束の断面形状の直径が3mmとなる。この場合、直径3mmの瞳孔径の範囲内に投光束が収まるので、投光束が虹彩でけられにくくなり、効率良く投光束を眼底に導くことが可能になる。結果として、走査角によらず均一な照明をすることができる。
【0014】
本発明のさらに別の側面によれば、前群と後群のレンズ間距離は、前群と後群の各合成焦点距離の和の0.5倍以上である。この場合、両群の内側のレンズ面から眼底共役面までの距離を大きく確保してレンズ面で発生する有害な反射光の発生を防ぐ。
【0015】
本発明のさらに別の側面によれば、被検眼の視度補正範囲が-25ジオプターから+25ジオプターのいずれにおいても、眼底共役面が前群と後群の各レンズ面に近接しないように、前群と後群の焦点距離と、レンズ間距離とが設定される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の走査型眼底撮影装置を説明する構成図である。
図2図1の走査型眼底撮影装置の対物レンズ系付近を説明する断面図である。
図3】(A)及び(B)は、図1の走査型眼底撮影装置の走査部を経た瞳面上における全投光束の状態を説明する概念図であり、(C)は、比較例の走査型眼底撮影装置の走査部を経た瞳面上における全投光束の状態を説明する概念図である。
図4】走査型眼底撮影装置を用いて眼底画像を得る方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である眼底撮影装置100について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態である眼底撮影装置100を示す構成図である。眼底撮影装置100は、走査型眼底撮影装置であり、投光光学系100aと、受光光学系100bとを有する。また、眼底撮影装置100は、装置の各部に接続されて通信を行う制御部80を有し、当該制御部80によって眼底撮影装置100の各種制御が行われる。眼底撮影装置100は、投光ML(照明光)であるレーザー光で眼底EBを走査し、眼底EBからの反射光RLに基づいて眼底画像を撮影する。本実施形態の眼底撮影装置100は、画角90°程度の広角用の撮影を行う。ここで、画角90°は、眼底を撮影できる最大画角を意味しており、被検眼EYの瞳面PSで回旋する投光の最大走査角に相当する。眼底撮影装置100は、アライメント用に動画像にて撮影するアライメントモードと、カラー画像を1枚撮影するカラー画像撮影モードと、可視自発蛍光画像を1枚撮影する可視自発蛍光画像撮影モードと、可視蛍光画像を1枚ないし動画像で撮影する可視蛍光画像撮影モードと、近赤外蛍光画像を1枚ないし動画像で撮影する近赤外蛍光画像撮影モードとにより、5種類の撮影が可能となっている。なお、眼底撮影装置100は、光干渉断層計、視野計等の他の眼科装置と一体化された構成でもよい。
【0019】
眼底撮影装置100のうち投光光学系100aは、光源部10と、中央反射ミラー20と、第1走査デバイス30と、走査リレーレンズ系40と、第2走査デバイス50と、対物レンズ系60とを有する。受光光学系100bは、対物レンズ系60と、第2走査デバイス50と、走査リレーレンズ系40と、第1走査デバイス30と、中央反射ミラー20と、受光部70とを備える。対物レンズ系60、第1走査デバイス30、走査リレーレンズ系40、第2走査デバイス50、及び中央反射ミラー20は、投光光学系100aの一部としても受光光学系100bの一部としても機能する。
【0020】
投光光学系100aのうち光源部10は、赤色光を発する赤色レーザー11と、緑色光を発する緑色レーザー12と、青色光を発する青色レーザー13と、近赤外光を発する近赤外レーザー14と、第1ダイクロイックミラー15と、第2ダイクロイックミラー16と、第3ダイクロイックミラー17と、投光レンズ18と、投光フォーカスレンズ19と、投光ピンホールP1とを有する。赤色レーザー11から発せられた赤色光は、第1ダイクロイックミラー15、第2ダイクロイックミラー16、及び第3ダイクロイックミラー17を通過し、投光レンズ18及び投光フォーカスレンズ19を経て中央反射ミラー20に入射する。緑色レーザー12から発せられた緑色光は、第1ダイクロイックミラー15で反射された後、第2ダイクロイックミラー16及び第3ダイクロイックミラー17を通過し、投光レンズ18及び投光フォーカスレンズ19を経て中央反射ミラー20に入射する。青色レーザー13から発せられた青色光は、第2ダイクロイックミラー16で反射された後、第3ダイクロイックミラー17を通過し、投光レンズ18及び投光フォーカスレンズ19を経て中央反射ミラー20に入射する。近赤外レーザー14から発せられた近赤外光は、第3ダイクロイックミラー17で反射され、投光レンズ18及び投光フォーカスレンズ19を経て中央反射ミラー20に入射する。近赤外光は後述するアライメントモード、近赤外蛍光画像撮影モード、及び連続撮影を行う可視蛍光画像撮影モードで用いられ、可視光に含まれる赤色光はカラー画像撮影モードで用いられ、可視光に含まれる緑色光はカラー画像撮影モード及び可視自発蛍光画像撮影モードで用いられ、可視光に含まれる青色光はカラー画像撮影モード、可視自発蛍光画像撮影モード、及び可視蛍光画像撮影モードで用いられる。
【0021】
本実施形態において、赤色レーザー11から発せられる赤色光のピーク波長は650nmであるが、好ましくは650nm±10nmの範囲内のいずれかに設定される。緑色レーザー12から発せられる緑色光のピーク波長は561nmであるが、好ましくは560nm±10nmの範囲内のいずれかに設定される。青色レーザー13から発せられる青色光のピーク波長は488nmであるが、好ましくは490nm±10nmの範囲内のいずれかに設定される。近赤外レーザー14から発せられる近赤外光のピーク波長は785nmであるが、好ましくは780nm±10nmの範囲内のいずれかに設定される。
【0022】
投光フォーカスレンズ19は、光源部10の光軸AX1方向に沿って移動可能となっており、各レーザー11~14から出射する投光MLとしてのレーザー光のピントを被検眼EYの眼底EBに対して調整する。つまり、投光フォーカスレンズ19の位置を調整することにより、被検眼EYの視度に合わせて眼底EBに投光束を集光させる。これにより、投光MLが集光する位置を眼底EBの観察部位(例えば、網膜表面等)に調節することができる。投光ピンホールP1は、投光レンズ18と投光フォーカスレンズ19との間であり、かつ眼底EBと共役な位置に設けられており、共焦点絞りとして投光MLから不要な光を除去する。投光レンズ18を経た投光MLは、投光ピンホールP1の開口に焦点を結び、投光フォーカスレンズ19に入射する。
【0023】
中央反射ミラー20は、中央部分に反射部を有し、投光光学系100aにおいて、反射部によって光源部10から出射された投光MLを測定対象となる被検眼EY方向に折り曲げる。中央反射ミラー20で方向を変えられた投光MLは、第1走査デバイス30に入射する。なお、中央反射ミラー20の周辺部は透過部となっており、詳細は後述するが、受光光学系100bにおいて、被検眼EYの眼底EBで反射された反射光RLは中央反射ミラー20の周辺部を通過し、受光部70に入射する。
【0024】
第1走査デバイス30は、走査部であり、投光MLを眼底EB上で走査するため、投光MLの進行方向を主走査に対応する水平の横方向に関して変化させる。第1走査デバイス30は、例えばポリゴンミラーによって構成される。第1走査デバイス30は、制御部80の駆動部82によって所定回転数で回転駆動され、投光MLを横方向又は水平方向(X方向)に高速で主走査する。第1走査デバイス30によって走査された投光MLは、走査リレーレンズ系40に入射する。第1走査デバイス30であるポリゴンミラーは、例えば1秒間に7700回の連続走査を行う。
【0025】
走査リレーレンズ系40は、第1走査デバイス30によって水平の横方向に走査された投光MLを第2走査デバイス50へとリレーする。走査リレーレンズ系40を経た投光MLは、第2走査デバイス50に集光される。走査リレーレンズ系40の中間部には、眼底共役面ECが配置される。
【0026】
第2走査デバイス50は、走査部であり、投光MLを眼底EB上で走査するため、投光MLの進行方向を副走査に対応する鉛直の縦方向に関して変化させる。第2走査デバイス50は、例えばガルバノミラーによって構成される。第2走査デバイス50は、制御部80の駆動部82によって所定周期で往復駆動され、投光MLを縦方向又は第1走査デバイス30の主走査方向と直交する方向(Y方向)に低速で副走査する。第2走査デバイス50によって走査された投光MLは、対物レンズ系60に入射する。第2走査デバイス50から出射した異なる光路(異なる走査角によって発生した異なる光路)の投光MLの主光線は、対物レンズ系60の中の光軸AX2上で交差することなく被検眼EYの瞳面PSで収束する。つまり、第2走査デバイス50と被検眼EYの瞳面PSとの間において、異なる走査角から成る各投光束の主光線が光軸AX2上で交差しない。言い換えると、第2走査デバイス50と被検眼EYの瞳面PSとの間において、異なる走査角を持つ投光束の主光線が互いに離間している。これにより、簡単なレンズ構成で結像精度を高めることができる。第2走査デバイス50であるガルバノミラーは、例えば近赤外光によるアライメントモードでは、1秒間に13回の走査を連続して行う。赤色光と緑色光と青色光とによるカラー画像撮影モードないし、緑色光もしくは青色光による可視自発蛍光画像撮影モードないし、青色光による可視蛍光画像撮影モードの1枚画像撮影時ないし、近赤外光による近赤外蛍光画像撮影モードの1枚画像撮影時では、0.4秒間で1回の走査を行う。また、青色光による可視蛍光画像撮影モードの動画像撮影時ないし、近赤外光による近赤外蛍光画像撮影モードの動画像撮影時では、1秒間に10回の走査を連続して行う。
【0027】
第1走査デバイス30及び第2走査デバイス50の2つの走査デバイスを用いて投光MLを走査することにより、投光MLは被検眼EYの眼底EBをXY方向に2次元的に走査することができる。
【0028】
対物レンズ系60は、第1及び第2走査デバイス30,50によって横方向及び縦方向(XY方向)に走査された投光MLを被検眼EYの瞳面PSへとリレーする。対物レンズ系60を経た投光MLは、被検眼EYの瞳面PSに集光され、眼底EBへと投光される。投光MLは、水晶体等の被検眼EYの要素を経て眼底EBへとピントが合う状態となる。
【0029】
図2に対物レンズ系60の具体的な構成例を示す。対物レンズ系60は、被検眼EYの瞳面PS側から順に、眼底共役面ECを境に前群Gr1と後群Gr2とを有する。対物レンズ系60を眼底共役面ECで挟んで前群Gr1及び後群Gr2の2群に分けることにより、眼底共役面ECから隣接するレンズ(本実施形態では、第2及び第3レンズL2,L3)までの距離を離す構成とすることができる。詳細は後述するが、前群Gr1と後群Gr2のレンズ間距離D1は、前群Gr1と後群Gr2の各合成焦点距離の和の0.5倍以上であることが良い。最も良い例としては、前群Gr1の焦点距離が36mmとし、後群Gr2の焦点距離が84mmとしたとき、これらの合成焦点距離の和は120mmである。一方、前群Gr1と後群Gr2のレンズ間距離D1は88mmである。この場合、前群Gr1と後群Gr2のレンズ間距離D1は、前群Gr1と後群Gr2の各合成焦点距離の和に対して約0.73倍である。眼底撮影装置100では、患者によって視度が異なるため、ピントを合わせる際に対物レンズ系60内で眼底共役面ECが移動する。ここで、上述のように対物レンズ系60を2群のレンズ構成とし、眼底共役面ECが移動しても各群Gr1,Gr2の眼底共役面EC側に位置するレンズ面S2,S3に近接しない構成とすることにより、対物レンズ系60のレンズ面による不要な反射光RL等が図1に示す受光ピンホールP2を通過することを防ぐことができる。なお、詳細は後述するが、対物レンズ系60のレンズ面による不要な反射光RLの遮光には、受光ピンホールP2を挟んで配置された第1遮光部材91と第2遮光部材92とが、より効果的に働く。
【0030】
眼底撮影装置100において、後群Gr2の光線有効径は、前群Gr1の光線有効径よりも大きくなっている。これにより、対物レンズ系60を縮小投影系として光束径を絞り込むとともに走査角θを大きくすることが容易になり、投光束FLを瞳位置(瞳面PS)で効率良く集光することができ、眼底EB上で広範囲を走査することができる。また、後群Gr2の焦点距離は、前群Gr1の焦点距離よりも長くなっている。後群Gr2の焦点距離は、前群Gr1の2倍程度の倍率又は比率を有する。具体例としては、前群Gr1の最大光線有効径は60mm、後群Gr2の最大光線有効径は84mmである。また、前群Gr1の合成焦点距離は36mm、後群Gr2の合成焦点距離は84mmであり、前群Gr1に対する後群Gr2の焦点距離の比率は2.3である。
【0031】
対物レンズ系60は前群Gr1と後群Gr2の2群の構成としており、レンズのパワー配分を前群Gr1と後群Gr2とで分散させることで、異なる走査角θ1,θ2による瞳面PSでの投光束FLの移動量を最小限に抑えている。対物レンズ系60のうち前群Gr1は2枚の正レンズを有する。本実施形態において、前群Gr1は、正の屈折力を有する第1レンズL1と、正の屈折力を有する第2レンズL2とで構成される。前群Gr1のうち少なくとも1枚の正レンズは非球面形状を有する。非球面形状は、正レンズの両面又は片面に形成される。前群Gr1において、2枚の正レンズのレンズ面は後群Gr2側に凸形状を有する。具体的には、第1レンズL1は、平凸レンズとなっており、第2レンズL2は、平凸レンズ又は後群Gr2側に凸のメニスカスレンズとなっている。特に、第1レンズL1を後群Gr2側に凸形状を有する平凸レンズとすることにより、第1レンズL1のレンズ面S1から瞳面PSまでの距離D2を比較的大きくとることができる。第1レンズL1から瞳面PSまでの距離D2が長いほど、被検眼EYが第1レンズL1に接触する危険を回避できるため、安全性の担保の点で望ましい。さらに、第1レンズL1と第2レンズL2の合成主点が、両凸レンズの組み合わせの場合と比べて後群Gr2側に配置されることで、前群Gr1と後群Gr2との間にある眼底共役面ECに最も近い第2レンズL2の後群Gr2側のレンズ面S2から眼底共役面ECまでの距離を比較的大きくとることができる。これにより、投光MLがレンズ面S2で反射することで発生する有害光が、眼底EBの撮影画像に映り込むことを防止できる。眼底撮影装置100は、被検眼EYの視度に応じてピントを合わせるために、眼底共役面ECを光軸AX2上に沿って移動させる必要がある。例えば視度が-20ジオプターのとき、眼底共役面ECが前群Gr1の第2レンズL2の内側のレンズ面S2に重なってしまう場合、そのレンズ面S2で発生する有害な反射光を光学的に除去することが非常に困難になる。従って、前群Gr1の内側のレンズ面S2から眼底共役面ECまでの距離を出来るだけ大きくとる設計が求められる。これは、後群Gr2の内側のレンズ面S3から眼底共役面ECまでの距離においても同様なことがいえる。このことから、前群Gr1の内側のレンズ面S2と後群Gr2の内側のレンズ面S3との間の距離、つまり前群Gr1と後群Gr2との間の距離D1は、既述のように、前群Gr1と後群Gr2の焦点距離の和の0.5倍以上は必要で、好ましくは0.7倍であることが望ましい。実施例として、第1レンズL1は正レンズで焦点距離は59mm、第2レンズL2も正レンズで焦点距離は86mmである。
【0032】
対物レンズ系60において、前群Gr1のうち後群Gr2に最も近い第2レンズL2の後群Gr2側のレンズ面S2に非球面形状を設けることが好ましい。光線有効径が広がる側を非球面にすることにより、非球面による収差補正効果を生じやすくすることができる。つまり、走査角θを大きくすることに伴って発生する投光束FLの移動量を、被検眼EYの瞳面PSにて最小限に抑えることができる。なお、非球面形状を設けるレンズ面は、第2レンズL2のレンズ面S2以外、例えば第1レンズL1のレンズ面に設けてもよい。具体例としては、前群Gr1の合成焦点距離は36m、前群Gr1の最大光線有効径は60mmである。第1レンズL1から瞳面PSまでの距離D2は、22mmであり、合成焦点距離36mmの0.6倍に相当する。
【0033】
後群Gr2は少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズとを有する。本実施形態において、後群Gr2は、負の屈折力を有する第3レンズL3と、正の屈折力を有する第4レンズL4と、正の屈折力を有する第5レンズL5とで構成される。なお、後群Gr2は、2枚のレンズで構成してもよいし、4枚以上のレンズで構成してもよい。後群Gr2を負レンズ及び正レンズの組み合わせにすることにより、被検眼EYの瞳面PSにおいて、走査角θを大きくすることに伴って発生する投光束FLの移動量を、被検眼EYの瞳面PSにて抑えることができる。さらに、3枚のレンズの組み合わせにすることで、投光束FLの移動量を最小限に抑えることができる。この場合、負レンズ及び2枚の正レンズの組み合わせの順番は、瞳面PS側から順に、負正正でも正正負でもよい。後群Gr2において、負レンズと正レンズとは接合レンズCSであることが好ましい。後群Gr2が色収差補正に適した接合レンズCSを有することにより、瞳面PS上の投光束FLの色収差を最小限に抑えることができる。つまり、後群Gr2が接合レンズCSを有することにより、単色の結像収差だけでなく、色収差の補正にも効果的な構成となっている。また、接合レンズCSにおいて、負レンズに高屈折率ガラス、正レンズに低屈折率ガラスを選択し、互いの屈折率の差が0.24以上とすることで、球面収差を好適に補正することができる。また、後群Gr2では、接合レンズCSの他に、正レンズである第5レンズL5を設けることにより、後群Gr2のレンズパワーを確保している。具体的には、第3レンズL3は、第2走査デバイス50側に凹のメニスカスレンズとなっており、第4レンズL4は、両凸レンズとなっている。第3及び第4レンズL3,L4は、接合レンズCSとなっている。また、第5レンズL5は、瞳面PS側に凸のメニスカスレンズとなっている。実施例として、第3レンズL3は負レンズで焦点距離は-76mm、第4レンズL4は正レンズで焦点距離は70mm、接合後の接合レンズCSの焦点距離は正レンズで470mmである。第5レンズL5は正レンズで焦点距離は107mmである。なお、接合レンズCSの焦点距離が470mmとレンズパワーが低くても、接合レンズCSと焦点距離107mmの正レンズである第5レンズL5とを組み合わせることで必要とする後群Gr2のレンズパワー(合成焦点距離84mm)を確保することができる。
【0034】
対物レンズ系60は、対物レンズ系60の光軸AX2上に図1に示す第1及び第2走査デバイス30,50を経た投光MLが走査によって旋回される基点となる旋回点Qを形成する。旋回点Qは、瞳面PSに対応し、対物レンズ系60の光軸AX2上であって、第1及び第2走査デバイス30,50と光学的に共役な位置に形成される。第1及び第2走査デバイス30,50を経た投光MLは、対物レンズ系60を通過することにより、旋回点Qを経て眼底EBに照射される。つまり、対物レンズ系60を通過した投光MLの主光線PRは、第1及び第2走査デバイス30,50の動作に伴って旋回点Qを中心に旋回される。その結果、眼底EB上で投光MLが2次元的に走査される。
【0035】
図3(A)は、本実施形態における眼底撮影装置100による投光MLの走査によって被検眼EYの瞳面PS上に入射する投光束(又はビーム領域)を説明する概念図であり、図3(B)は、本実施形態において最良な結果を説明する図であり、図3(C)は、図3(A)又は図3(B)の比較例を説明する図である。ここで、瞳面PSにおいて、走査角は光軸AX2を0度としたときの投光束の入射傾き角度であり、瞳面PS上における光軸AX2を基準としている。図3(A)等において、中央の投光束FL1は、走査角が0度のときの光軸AX2に垂直な光束断面(以降の他の走査角でも同様)を示す。また、周囲の投光束FL2は、走査角が上方向に45度のときの光束断面を示し、投光束FL3は、走査角が右上方向に45度のときの光束断面を示し、投光束FL4は、走査角が右方向に45度のときの光束断面を示し、投光束FL5は、走査角が右下方向に45度のときの光束断面を示し、投光束FL6は、走査角が下方向に45度のときの光束断面を示し、投光束FL7は、走査角が左下方向に45度のときの光束断面を示し、投光束FL8は、走査角が左方向に45度のときの光束断面を示し、投光束FL9は、走査角が左上方向に45度のときの光束断面を示す。上記のような対物レンズ系60により、被検眼EYの瞳面PS上において、走査系を経た各投光MLに対応する投光束FL1~FL9は、図3(A)に示すように、所定範囲の1か所に収束する。具体的には、瞳面PS上において、走査系を経た全波長による全投光束FL1~FL9の断面形状の直径が3mm以下に収まる。ここで、瞳面PS上の投光束の直径は、例えば1mm以下である。投光束の主光線が走査によって瞳面PS上で移動する際の最大移動量は、光軸AX2を中心として例えば1mmである。この投光束の最大直径1mmと最大移動量1mmとの結果として、全投光束の断面形状の直径が3mmとなる。より詳細に説明すると、円CIは、全投光束の断面形状に対応し、旋回点Qに相当する。図3(A)では、瞳面PS上の投光束の光束断面形状が直径3mmであり、光軸AX2に対して上方向に45度傾斜した光路の主光線は、瞳面PS上で光軸AX2から上方向に1mm離れたところを通過し、光軸AX2に対して走査角が下方向に45度傾斜した光路の主光線は瞳面PS上で光軸AX2から下方向に1mm離れたところを通過する。投光MLであるレーザー光のビーム幅は直径1mmであり、ビーム幅は半値全幅、1/e幅等を基準としている。これにより、瞳面PS上で光軸AX2を中心とする直径3mmの円CIの中に投光束FL1~FL9が収まると、瞳孔径3mmでも投光束FL1~FL9が全て瞳孔を通過するので、虹彩で投光束がけられないため全投光束が虹彩で遮光されず、走査角によらず均一な照明をすることができる。図3(B)は最良の例であり、走査系を経た全波長による全投光束FL1~FL9の瞳面PS上における断面形状の直径は2mmの円CIに収まっている。光軸AX2に対して上方向に45度傾斜した光路の主光線は、瞳面PS上で光軸AX2から上方向に0.5mm離れたところを通過する。光軸AX2に対して走査角が下方向に45度傾斜した光路の主光線は、瞳面PS上で光軸AX2から下方向に0.5mm離れたところを通過する。投光MLであるレーザー光のビーム幅は直径1mmである。これにより瞳面PS上で光軸AX2を中心とする直径2mmの円CIの中に投光束FL1~FL9が収まると、瞳孔径が3mm以下であっても、投光束FL1~FL9が瞳孔を通過するので虹彩で投光束がけられないため、全投光束が虹彩で遮光されず、走査角によらず均一な照明をすることができる。
【0036】
対物レンズ系60を上記のような構成としない場合、図3(C)に示すように、全走査で投光束FL1~FL9を重ねたときに、収差の影響により投光束FL1~FL9がばらける又は分散してしまい直径3mmの円CIに収まらない。例えば、レーザー光のビーム幅は直径1mmであるが、光軸AX2に対して8方向に45度傾斜した位置から入射する光線が、瞳面PS上の光軸AX2から1.5mm離れたところを通過するため、全光束の断面形状は直径4mmとなってしまい直径3mm円CIの中央に入射しない。この場合、瞳孔径が3mm以下であると、投光束FL1~FL9が虹彩で大きくけられて、例えば周辺部が暗くなるという問題が生じる。
【0037】
以下、図1に戻って、受光光学系100bについて説明する。受光光学系100bでは、眼底EBで反射された反射光RLが中央反射ミラー20まで投光光学系100aと同じ光路を逆方向に進み、対物レンズ系60、第2走査デバイス50、走査リレーレンズ系40、第1走査デバイス30を経て中央反射ミラー20に入射し、中央反射ミラー20の透過部を通過して受光部70に入射する。つまり、受光光学系100bでは、眼底EBからの反射光RLは、対物レンズ系60によって水晶体等の被検眼EYの要素と協働してコリメートされつつ、投光光学系100aと同じ光路を逆行して受光部70に入射する。
【0038】
受光光学系100bのうち受光部70は、反射光RLに含まれる赤色光を受光する受光素子を有する赤色受光センサ71と、反射光RLに含まれる緑色光を受光する受光素子を有する緑色受光センサ72と、反射光RLに含まれる青色光を受光する受光素子を有する青色受光センサ73と、反射光RLに含まれる近赤外光を受光する受光素子を有する近赤外受光センサ74と、第4ダイクロイックミラー75と、第5ダイクロイックミラー76と、第6ダイクロイックミラー77と、受光フォーカスレンズ78と、受光レンズ79と、受光ピンホールP2とを有する。受光ピンホールP2は、眼底EBと共役な関係にあり共焦点となる。赤色受光センサ71、緑色受光センサ72、青色受光センサ73、及び近赤外受光センサ74の光路上には、集光レンズ71a~74a及び受光ピンホール71b~74bがそれぞれ配置されている。また、受光フォーカスレンズ78と受光ピンホールP2との間には第1遮光部材91が配置され、受光ピンホールP2と受光レンズ79との間には第2遮光部材92が配置されている。
【0039】
第4ダイクロイックミラー75と集光レンズ74aとの間には、近赤外蛍光画像撮影用の蛍光波長のみを透過させるバンドパスフィルタF1を設けることができる。バンドパスフィルタF1は、近赤外蛍光画像撮影モードにおいて、光路上に挿入可能となっている。また、第4ダイクロイックミラー75と第5ダイクロイックミラー76との間には、可視自発蛍光画像撮影用の蛍光波長のみを透過させるバンドパスフィルタF2、又は可視蛍光画像撮影用の蛍光波長のみを透過させるバンドパスフィルタF3を設けることができる。バンドパスフィルタF2又はバンドパスフィルタF3は、可視自発蛍光画像撮影モード又は可視蛍光画像撮影モードにおいて、光路上に挿入可能となっている。つまり、第4ダイクロイックミラー75と第5ダイクロイックミラー76との間には、緑色光用のバンドパスフィルタF2又は青色光用のバンドパスフィルタF3の2種類のバンドパスフィルタを挿入可能になっている。具体的には、緑色光による自発蛍光画像撮影モードにおいて、緑色光用のバンドパスフィルタF2を挿入し、青色光による自発蛍光画像撮影モード又は可視蛍光画像撮影モードにおいて、青色光用のバンドパスフィルタF3を挿入する。図示を省略するが、バンドパスフィルタF1~F3は、不図示の切替機構にセットされており、制御部80の駆動部82によって切り替え制御される。
【0040】
赤色受光センサ71、緑色受光センサ72、及び青色受光センサ73は、例えば反射光RLのうち受光対象光以外の波長をカットするバンドパスフィルタと受光素子とで構成される。受光素子としては、例えば高感度フォトダイオード等が用いられる。各受光センサ71,72,73により眼底EBの各点について可視域で輝度情報を得ることができる。得られた輝度情報(具体的には、各受光センサ71,72,73の出力強度)と、第1走査デバイス30及び第2走査デバイス50の走査位置情報とに基づいて、眼底EBの撮影像を形成することができ、赤色受光センサ71によって得られた赤色撮影画像データ、緑色受光センサ72によって得られた緑色撮影画像データ、及び青色受光センサ73によって得られた青色撮影画像データを合成し、ガンマ処理等を施してカラー眼底画像データを生成することができる。また、緑色光を用いた可視自発蛍光画像撮影モードでは、赤色受光センサ71によって得られた赤色撮影画像データ、及び緑色受光センサ72によって得られた緑色撮影画像データを合成し、ガンマ処理等を施して可視自発蛍光画像データを生成することができる。青色光を用いた可視自発蛍光画像撮影モードでは、緑色受光センサ72によって得られた緑色撮影画像データにガンマ処理等を施して可視自発蛍光画像データを生成することができる。青色光を用いた可視蛍光画像撮影モードでは、緑色受光センサ72によって得られた緑色撮影画像データにガンマ処理等を施して可視蛍光画像データを生成することができる。なお、ダイクロイックミラーの特性によっては、波長帯域をカットするバンドパスフィルタを設けずに、各受光センサを構成することもできる。
【0041】
近赤外受光センサ74は、例えば反射光RLのうち近赤外光以外の波長帯域をカットするバンドパスフィルタと受光素子とで構成される。受光素子としては、例えば高感度フォトダイオード等が用いられる。近赤外受光センサ74により眼底EBの各点について近赤外域で輝度情報を得ることができる。得られた輝度情報(具体的には、近赤外受光センサ74の出力強度)と、第1走査デバイス30及び第2走査デバイス50の走査位置情報とに基づいて、眼底EBの撮影像を形成することができる。なお、ダイクロイックミラーの特性によっては、波長帯域をカットするバンドパスフィルタを設けずに受光センサを構成することもできる。撮影された眼底EBの撮影画像データは、制御部80の記憶部83に格納されたり、モニタ86に表示されたり、不図示のプリンタにより印刷される。
【0042】
受光フォーカスレンズ78は、受光部70の光軸AX3方向に沿って移動可能となっており、眼底EBからの反射光RLのピントを調整する。つまり受光フォーカスレンズ78の位置を調整することにより、被検眼EYの視度による眼底像のピントズレを補償する。これにより、反射光RLが集光する位置を各受光センサ71~74上に調節することができる。受光ピンホールP2は、受光フォーカスレンズ78と受光レンズ79との間、かつ眼底EBと共役な位置に設けられており、共焦点絞りとして反射光RLから不要な光を除去する。受光フォーカスレンズ78を経た反射光RLは、受光ピンホールP2の開口に焦点を結び、受光レンズ79に入射する。また、受光ピンホールP2を挟んで配置された第1遮光部材91と第2遮光部材92とは、対物レンズ系60の前群Gr1又は後群Gr2のレンズ面の反射で発生する不要光の除去の役割として必要な部材である。受光ピンホールP2に対して被検眼EY側に位置する第1遮光部材91は主に前群Gr1で発生する不要光の遮光に役立ち、受光ピンホールP2に対して被検眼EYと逆側に位置する第2遮光部材92は主に後群Gr2で発生する不要光の遮光に役立つ。本実施形態では、眼底撮影装置100は、患者の被検眼EYの視度の補正範囲を±25ジオプターとした場合に眼底共役面ECが前群Gr1及び後群Gr2の内側のレンズ面S2,S3に近接しないように設計されている。よって、視度補正範囲±25ジオプターの範囲において、上記した不要光の遮光が実施できる構成となる。ここで、第1及び第2遮光部材91,92はレンズ面S2,S3の反射による不要光の遮光に対して効果的であるが、一方で眼底EBからの反射光RLの一部も同時に遮光する犠牲を伴う。そのため、第1及び第2遮光部材91,92の遮光サイズに関しては、不要光の遮光効果と、眼底EBからの反射光RLの遮光(犠牲)とのバランスを考慮したうえで決める。本実施形態では、不要光を完全に遮光することは選ばず、眼底EBからの反射光RLの遮光による犠牲を最小限に留めている。また、中心点だけでなく穴のエッジも含めた受光ピンホールP2の穴部を物点として、第1遮光部材91や中央反射ミラー20で遮光されて被検眼EY側に逆投影した際の受光束と、同じ走査デバイス30,50を経由した投光束とが、例えば前群Gr1のレンズ面S2において、光束同士が出来るだけ重ならないように第1遮光部材91の位置、つまり受光ピンホールP2からの距離と、サイズ、つまり遮光点の直径とを決めるのが望ましい。
【0043】
受光部70に入射した眼底EBからの反射光RLの一部(具体的には、近赤外光)は、第4ダイクロイックミラー75で反射され、集光レンズ74aにより受光ピンホール74bへと導かれ、受光ピンホール74bを通過した反射光RLが近赤外受光センサ74に入射する。また、反射光RLの一部(具体的には、青色光)は、第4ダイクロイックミラー75を通過した後、第5ダイクロイックミラー76で反射され、集光レンズ73aにより受光ピンホール73bへと導かれ、受光ピンホール73bを通過した反射光RLが青色受光センサ73に入射する。また、反射光RLの一部(具体的には、緑色光)は、第4ダイクロイックミラー75及び第5ダイクロイックミラー76を通過した後、第6ダイクロイックミラー77で反射され、集光レンズ72aにより受光ピンホール72bへと導かれ、受光ピンホール72bを通過した反射光RLが緑色受光センサ72に入射する。また、反射光RLの一部(具体的には、赤色光)は、第4ダイクロイックミラー75、第5ダイクロイックミラー76、及び第6ダイクロイックミラー77を通過し、集光レンズ71aにより受光ピンホール71bへと導かれ、受光ピンホール71bを通過した反射光RLが赤色受光センサ71に入射する。受光ピンホール71b,72b,73b,74bは受光センサ71,72,73,74の前にそれぞれ配置するが、共焦点ピンホールである受光ピンホールP2と共役な位置であるため、受光ピンホールP2よりも光学的に大きいサイズが好ましい。
【0044】
受光部70において、各受光ピンホール71b,72b,73b,74bは、被検眼EYの眼底EBと共役となる位置に配置される。被検眼EYと共役関係にある受光ピンホール71b,72b,73b,74bに反射光RLを導くことにより、眼底EBから離れた部位で発生した、測定に不要な光である迷光が受光ピンホール71b,72b,73b,74bで除去され、コントラストの高い眼底像を撮影することができる。
【0045】
制御部80は、眼底撮影装置100の各部の制御処理と、演算処理とを行う電子回路等を有する。制御部80は、処理部(CPU:Central Processing Unit)81と、駆動部82と、記憶部83と、画像生成部84とを有する。また、制御部80には、入力部85、モニタ86等が付随して設けられている。
【0046】
処理部81は、駆動部82、記憶部83、画像生成部84等を統括的に制御する。駆動部82は、レーザー11~14、受光センサ71~74、第1及び第2走査デバイス30,50の動作を制御し、投光MLの進行方向を変化させる。また、駆動部82は、投光レンズ18及び投光フォーカスレンズ19や受光フォーカスレンズ78及び受光レンズ79の配置調整の動作を制御し、投光光学系100a及び受光光学系100bのピントをユーザーの操作又は自動の焦点検出に基づいてそれぞれ調整する。記憶部83は、各部の制御プログラム、固定データ、一時データ等を格納する。また、記憶部83は、受光センサ71~74で取得した画像データやこれらの合成データを格納する。画像生成部84は、受光センサ71~74から出力される受光信号から眼底画像データを生成する。また、画像生成部84は、可視光に対応する受光センサ71~73で取得した各色の画像データを合成することによりカラー眼底画像データ、及び可視自発蛍光画像データを生成する。モニタ86は、ユーザーに提示すべき情報、生成された眼底画像データ等を表示する。入力部85は、ユーザーによって眼底撮影装置100の各部の設定を行ったり、撮影モードの切り替えを行ったりする撮影ボタン等の操作部を有する。
【0047】
以下、図4を参照しつつ、図1に示す眼底撮影装置100を用いて眼底画像を得る方法について説明する。既述のように、眼底撮影装置100は、近赤外光によってアライメント用に眼底画像を動画像にて撮影するアライメントモードと、可視光である赤色光、緑色光、及び青色光によってカラーの眼底画像を1枚撮影するカラー画像撮影モードと、緑色光ないし青色光によって自発蛍光眼底画像を1枚撮影する可視自発蛍光画像撮影モードと、青色光によって蛍光眼底画像を1枚ないし動画像で撮影する可視蛍光画像撮影モードと、近赤外光によって蛍光眼底画像を1枚ないし動画像で撮影する近赤外蛍光画像撮影モードとを切り替え可能な構成となっている。
【0048】
<モード選択>
まず、撮影モードを選択する(ステップS11)。モード選択では、カラー画像撮影モード、可視自発蛍光画像撮影モード、可視蛍光画像撮影モード、近赤外蛍光画像撮影モードの中から所望するモードを選択する。可視自発蛍光画像撮影モードでは、さらに緑色光ないし青色光から撮影に使用する光源を選択する。可視蛍光画像撮影モードと近赤外蛍光画像撮影モードでは、さらに1枚撮影ないし動画像撮影から選択する。
【0049】
可視自発蛍光画像撮影モードを選択し、使用光源として緑色光を選択すると、緑色光用のバンドパスフィルタF2が第4ダイクロイックミラー75と第5ダイクロイックミラー76の間に挿入される。また、使用光源として青色光を選択すると、青色光用のバンドパスフィルタF3が挿入される。可視蛍光画像撮影モードを選択すると、青色光用のバンドパスフィルタF3が第4ダイクロイックミラー75と第5ダイクロイックミラー76の間に挿入される。
【0050】
<アライメントモード>
次に、眼底像のアライメントを行う(ステップS21)。アライメントモードでは、第1走査デバイス30及び第2走査デバイス50が連続走査している状態で近赤外レーザー14から近赤外が照射され、近赤外の眼底観察画像が制御部80のモニタ86にライブ表示される。このアライメントモードを用いて眼底像のアライメント及びフォーカス調整を行う。なお、アライメントモードは、各画像撮影モードと同時に行われてもよいし、アライメントモードが省略されてもよい。
【0051】
アライメント状態を確認した後、制御部80の入力部85に設けられた撮影ボタン(不図示)を押すことによりアライメントモードから上述のモード選択で選択した撮影モードに切り替える。
【0052】
<カラー画像撮影モード>
カラー画像撮影モードでは、赤色光、緑色光、及び青色光が同時に眼底EBに照射され、各色の反射光RLを同時に受光して撮影する。得られた赤色撮影画像データ、緑色撮影画像データ、及び青色撮影画像データを画像合成することにより、カラー眼底画像データが生成される。
【0053】
撮影モード切り替えに際して入力部85の撮影ボタンが押されると、第2走査デバイス50の連続走査が一時的に停止し、第2走査デバイス50が撮影開始位置に移動する。次に、近赤外レーザー14が消灯し、赤色レーザー11、緑色レーザー12、及び青色レーザー13が同時に点灯し、第2走査デバイス50が再び動作し、カラー眼底画像の撮影が開始される(ステップS31)。カラー眼底画像の1回の撮影は、例えば0.4秒の縦方向走査により3000×3000の画像データを赤色光、緑色光、及び青色光のそれぞれについて同時に取得する。制御部80の画像生成部84によって、得られた赤色眼底画像データ、緑色眼底画像データ、及び青色眼底画像データを合成し、ガンマ処理等を施してカラー眼底画像データが生成される(ステップS32)。生成されたカラー眼底画像データは、記憶部83に格納され(ステップS71)、モニタ86に表示される(ステップS81)。
【0054】
カラー眼底画像の撮影が終了すると、赤色レーザー11、緑色レーザー12、及び青色レーザー13が消灯し、第1走査デバイス30、第2走査デバイス50の駆動が停止する(ステップS91)。
【0055】
<可視自発蛍光画像撮影モード>
可視自発蛍光画像撮影モードでは、緑色光ないし青色光の内、モード選択で選択した光源の光が眼底EBに照射され、反射光RLを受光して撮影する。緑色光の場合は、得られた赤色撮影画像データ、緑色撮影画像データを画像合成することにより、可視自発蛍光画像データが生成される。青色光の場合は、得られた緑色撮影画像データから可視自発蛍光画像データが生成される。
【0056】
撮影モード切り替えに際して入力部85の撮影ボタンが押されると、第2走査デバイス50の連続走査が一時的に停止し、第2走査デバイス50が撮影開始位置に移動する。次に、近赤外レーザー14が消灯し、選択した緑色レーザー12ないし青色レーザー13が点灯し、第2走査デバイス50が再び動作し、自発蛍光眼底画像の撮影が開始される(ステップS41)。自発蛍光眼底画像の1回の撮影は、例えば0.4秒の縦方向走査により3000×3000の画像データを取得する。制御部80の画像生成部84によって、緑色光の場合は得られた赤色眼底画像データ、及び緑色眼底画像データを合成し、ガンマ処理等を施して自発蛍光眼底画像データが生成される(ステップS42)。青色光の場合は、得られた緑色眼底画像データにガンマ処理等を施して自発蛍光眼底画像データが生成される(ステップS42)。生成された自発蛍光眼底画像データは、記憶部83に格納され(ステップS71)、モニタ86に表示される(ステップS81)。
【0057】
可視自発蛍光眼底画像の撮影が終了すると、緑色レーザー12ないし青色レーザー13が消灯し、第1走査デバイス30、第2走査デバイス50の駆動が停止する(ステップS91)。
【0058】
<可視蛍光画像撮影モード>
可視蛍光画像撮影モードでは、青色光が眼底EBに照射され、反射光RLを受光して撮影する。得られた緑色撮影画像データから可視蛍光画像データが生成される。
【0059】
撮影モード切り替えに際して入力部85の撮影ボタンが押されると、第2走査デバイス50の連続走査が一時的に停止し、第2走査デバイス50が撮影開始位置に移動する。次に、可視蛍光眼底画像の1回の撮影の場合は、近赤外レーザー14が消灯し、青色レーザー13が点灯し、第2走査デバイス50が再び動作し、可視蛍光眼底画像の撮影が開始される(ステップS51)。例えば0.4秒の縦方向走査により3000×3000の画像データを取得する。連続撮影の場合は、近赤外レーザー14は点灯し続けたまま青色レーザー13が点灯し、第2走査デバイス50が再び動作し、アライメント用の近赤外眼底画像と可視蛍光眼底画像の撮影が開始される(ステップS51)。例えば1秒間に10回の縦方向走査を行い、1回につき700×700画素の画像データを取得する。制御部80の画像生成部84によって、得られた緑色眼底画像データにガンマ処理等を施して可視蛍光眼底画像データが生成される(ステップS52)。連続撮影の場合は、併せて近赤外眼底画像データも生成される(ステップS52)。生成された可視蛍光眼底画像データ及び近赤外眼底画像データは、記憶部83に格納され(ステップS71)、モニタ86に表示される(ステップS81)。
【0060】
可視蛍光眼底画像の撮影が終了すると、青色レーザー13が消灯する。連続撮影の場合は、近赤外レーザー14も消灯した後、第1走査デバイス30、第2走査デバイス50の駆動が停止する(ステップS91)。
【0061】
<近赤外蛍光画像撮影モード>
近赤外蛍光画像撮影モードでは、近赤外光が眼底EBに照射され、反射光RLを受光して撮影する。得られた近赤外撮影画像データから近赤外蛍光画像データが生成される。
【0062】
撮影モード切り替えに際して入力部85の撮影ボタンが押されると、近赤外蛍光画像撮影用のバンドパスフィルタF1が挿入され、第2走査デバイス50の連続走査が一時的に停止し、第2走査デバイス50が撮影開始位置に移動する。次に、近赤外レーザー14の出力が上がり、第2走査デバイス50が再び動作し、近赤外蛍光眼底画像の撮影が開始される(ステップS61)。近赤外蛍光眼底画像の1回の撮影の場合は、例えば0.4秒の縦方向走査により3000×3000の画像データを取得する。連続撮影の場合は、例えば1秒間に10回の縦方向走査を行い、1回につき700×700画素の画像データを取得する。制御部80の画像生成部84によって、得られた近赤外眼底画像データにガンマ処理等を施して近赤外蛍光眼底画像データが生成される(ステップS62)。生成された近赤外蛍光眼底画像データは、記憶部83に格納され(ステップS71)、モニタ86に表示される(ステップS81)。
【0063】
近赤外蛍光眼底画像の撮影が終了すると、近赤外レーザー14が消灯し、第1走査デバイス30、第2走査デバイス50の駆動が停止する(ステップS91)。
【0064】
以上説明した眼底撮影装置100では、対物レンズ系60が眼底共役面ECを境に前群Gr1と後群Gr2とに分かれており、前群Gr1が2枚の正レンズを有し、少なくとも1面の非球面を有し、後群Gr2が負レンズ及び2枚の正レンズを有することにより、瞳面PSへの結像収差を最小限に抑えることができ、異なる角度の走査による全投光束を被検眼EYの瞳面PS上の所望の範囲に照射することができる。これにより広い走査角であるにも関わらず、瞳面PS側で走査される光束を所定の範囲内に絞り込むことができるため、全投光束の断面形状を比較的小さくすることができ、投光束が被検眼EYの瞳孔を効率良く通過して、虹彩でけられることを防ぐことができる。また、少なくとも前群Gr1のレンズが非球面形状を有することにより、瞳面PSへの結像の収差を改善することができる。なお、本実施形態では瞳面PSでの異なる走査角の投光束の結像状態だけを記載したが、眼底EBでの投光束の結像状態、及び受光ピンホール71b~74bを物点としたときの逆光線の受光束の眼底EBでの結像状態を考慮して対物レンズ系60を作製する。
【0065】
以上、実施形態や実施例に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態等に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、光路分割デバイスである中央反射ミラー20は、ビームスプリッター等に変更してもよい。または光路分割デバイスは、中央部で投光を透過し、周辺部で受光を反射する、穴あきミラーの形状であっても良い。また、光源部10、第1走査デバイス30、第2走査デバイス50、及び受光部70等の構成も適宜変更することができる。
【0066】
上記実施形態において、眼底撮影装置100の光源部10を4波長のレーザーで構成したが、適宜変更することができる。例えば、眼底撮影装置100の光源部10を1波長とし、単色光での撮影を行う構成としてもよい。
【0067】
上記実施形態において、第1走査デバイス30にポリゴンミラーを用い、第2走査デバイス50にガルバノミラーを用いたが、レゾナントスキャナ、MEMSミラー等の他の走査デバイスを用いてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10…光源部、 11…赤色レーザー、 12…緑色レーザー、 13…青色レーザー、 14…近赤外レーザー、 15~17,75~77…ダイクロイックミラー、 18…投光レンズ、 19…投光フォーカスレンズ、 20…中央反射ミラー、 30,50…走査デバイス、 40…走査リレーレンズ系、 60…対物レンズ系、 70…受光部、 71…赤色受光センサ、 72…緑色受光センサ、 73…青色受光センサ、 74…近赤外受光センサ、 78…受光フォーカスレンズ、 79…受光レンズ、 80…制御部、 81…処理部、 82…駆動部、 83…記憶部、 84…画像生成部、 85…入力部、 86…モニタ、 91,92…遮光部材、 100…眼底撮影装置、 100a…投光光学系、 100b…受光光学系、 AX1,AX2,AX3…光軸、 CS…接合レンズ、 EB…眼底、 EC…眼底共役面、 EY…被検眼、 F1~F3…バンドパスフィルタ、 FL,FL1~FL9…投光束、 Gr1…前群、 Gr2…後群、 L1~L5…レンズ、 ML…投光、 P1…投光ピンホール、 P2…受光ピンホール、 PS…瞳面、 Q…旋回点、 RL…反射光
図1
図2
図3
図4