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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154191
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/245 20180101AFI20231012BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20231012BHJP
   F21S 43/241 20180101ALI20231012BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20231012BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20231012BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20231012BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20231012BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231012BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20231012BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20231012BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20231012BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20231012BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20231012BHJP
【FI】
F21S43/245
F21S43/237
F21S43/241
F21S43/249
F21V8/00 350
F21V8/00 330
F21S43/14
F21V8/00 100
G09F13/18 D
F21Y115:10
F21Y115:30
F21W103:00
F21W103:35
F21W103:20
F21W105:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063342
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】高本 毅
【テーマコード(参考)】
3K244
5C096
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244AA09
3K244BA31
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA16
3K244EA08
3K244EA13
3K244EA34
3K244EB01
3K244LA01
5C096AA01
5C096BA02
5C096CA06
5C096CB02
5C096CC06
5C096CD10
5C096FA11
5C096FA19
(57)【要約】
【課題】発光の立体感や浮遊感を演出することを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】光源2a,2bと、光源2a,2bから出射された光Lを一端側から他端側に向けて導光させる導光体3とを備え、導光体3は、光源2a,2bの前方に位置する第1の導光部3aと、一端側と他端側との間で一の方向に延在する第2の導光部3bとが接続された形状を有し、第2の導光部3bは、一の方向に複数並んで配置されて、光Lを拡散させることにより発光する発光部8と、発光部8の互いに隣り合う間に配置されて、光Lを透過させる透過部10とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光を一端側から他端側に向けて導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源の前方に位置する第1の導光部と、前記一端側と前記他端側との間で一の方向に延在する第2の導光部とが接続された形状を有し、
前記第2の導光部は、前記一の方向に複数並んで配置されて、前記光を拡散させることにより発光する発光部と、前記発光部の互いに隣り合う間に配置されて、前記光を透過させる透過部とを有することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記光源は、前記導光体の両端に各々対向して配置され、
前記導光体は、一方の光源から出射された一方の光を一端側から他端側に向けて導光させ、他方の光源から出射された他方の光を他端側から一端側に向けて導光させることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記発光部は、前記導光体を構成する光透過性部材の一部に光拡散材を配置することによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記導光体は、前記光透過性部材と前記光拡散材との二色成形により形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記光拡散材は、前記発光部の隣り合うもの同士を連結した第1の連結部を含み、
前記第1の連結部は、互いに隣り合う前記発光部の間のうち、前記発光部の少なくとも正面側を除く一部の間を連結していることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記光透過性部材は、前記透過部の隣り合うもの同士を連結した第2の連結部を含み、
前記第2の連結部は、互いに隣り合う前記透過部の間のうち、前記透過部の少なくとも一部の間を連結していることを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記導光体の前記第1の連結部と正面視で重なる範囲と、前記導光体の上面側の全面とを覆うように配置された遮光部材を備えることを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記第2の導光部は、前記第2の連結部及び前記透過部に配置されて、前記発光部に向けて光を反射する複数の反射カットを有することを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード(LED)などの光源と、インナーレンズなどの導光体とを組み合わせたものが知られている(例えば、下記特許文献1を参照。)。このような車両用灯具では、デザインの多様化によって、様々な形態のものが開発されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、棒状部が第1樹脂材料で形成され、板状部が光拡散材を含有する第2樹脂材料で形成された多色成形品からなる導光体と、光源とを備え、光源から出射された光を棒状部の光入射面から入射し、棒状部から接続凸部を介して板状部に入射した光を光拡散材によって板状部の主表面から出射する車両用灯具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-033044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に記載の発明では、光拡散材により拡散された光を板状部の主表面から出射することによって、この板状部の発光面を均一に発光させることが可能となっている。
【0006】
しかしながら、このような特許文献1に記載の発明では、発光面の発光により発光の立体感や浮遊感を演出することは困難である。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、発光の立体感や浮遊感を演出することを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 光源と、
前記光源から出射された光を一端側から他端側に向けて導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源の前方に位置する第1の導光部と、前記一端側と前記他端側との間で一の方向に延在する第2の導光部とが接続された形状を有し、
前記第2の導光部は、前記一の方向に複数並んで配置されて、前記光を拡散させることにより発光する発光部と、前記発光部の互いに隣り合う間に配置されて、前記光を透過させる透過部とを有することを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記光源は、前記導光体の両端に各々対向して配置され、
前記導光体は、一方の光源から出射された一方の光を一端側から他端側に向けて導光させ、他方の光源から出射された他方の光を他端側から一端側に向けて導光させることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記発光部は、前記導光体を構成する光透過性部材の一部に光拡散材を配置することによって構成されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記導光体は、前記光透過性部材と前記光拡散材との二色成形により形成されていることを特徴とする前記〔3〕に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記光拡散材は、前記発光部の隣り合うもの同士を連結した第1の連結部を含み、
前記第1の連結部は、互いに隣り合う前記発光部の間のうち、前記発光部の少なくとも正面側を除く一部の間を連結していることを特徴とする前記〔3〕に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記光透過性部材は、前記透過部の隣り合うもの同士を連結した第2の連結部を含み、
前記第2の連結部は、互いに隣り合う前記透過部の間のうち、前記透過部の少なくとも一部の間を連結していることを特徴とする前記〔5〕に記載の車両用灯具。
〔7〕 前記導光体の前記第1の連結部と正面視で重なる範囲と、前記導光体の上面側の全面とを覆うように配置された遮光部材を備えることを特徴とする前記〔5〕に記載の車両用灯具。
〔8〕 前記第2の導光部は、前記第2の連結部及び前記透過部に配置されて、前記発光部に向けて光を反射する複数の反射カットを有することを特徴とする前記〔6〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、発光の立体感や浮遊感を演出することを可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具を備える車両用灯具ユニットの構成を示す正面図である。
図2図1に示す車両用灯具の構成を示す斜視図である。
図3図2に示す車両用灯具の構成のうちカバーレンズを省略した状態を示す斜視図である。
図4図3に示す車両用灯具の構成を示す正面図である。
図5図4中に示す線分A-Aによる車両用灯具の断面図である。
図6図4中に示す線分B-Bによる車両用灯具の断面図である。
図7図2に示す車両用灯具による発光の仕組みを説明するための斜視図である。
図8】発光部に拡散部が設けられた構成を示す断面図である。
図9】第1の連結部の変形例を示す斜視図である。
図10】発光部の変形例を示す斜視図である。
図11】導光体の第1の変形例を示す断面図である。
図12】導光体の第2の変形例を示す断面図である。
図13】導光体の第3の変形例を示す断面図である。
図14】導光体の第4の変形例を示す断面図である。
図15】導光体の第5の変形例を示す断面図である。
図16】導光体の第6の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0012】
本発明の一実施形態として、例えば図1図7に示す車両用灯具1について説明する。
なお、図1は、車両用灯具1を備える車両用灯具ユニット100の構成を示す正面図である。図2は、車両用灯具1の構成を示す斜視図である。図3は、車両用灯具1の構成のうちカバーレンズ4を省略した状態を示す斜視図である。図4は、図3に示す車両用灯具1の構成を示す正面図である。図5は、図4中に示す線分A-Aによる車両用灯具1の断面図である。図6は、図4中に示す線分B-Bによる車両用灯具1の断面図である。図7は、車両用灯具1による発光の仕組みを説明するための斜視図である。
【0013】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0014】
本実施形態の車両用灯具1は、例えば図1に示すような車両(図示せず。)の後端側の両コーナー部に搭載されるリアコンビネーションランプRCLと、車両のバックゲート又はトランクリッドの両側に搭載されるリッドランプLDLとを備える車両用灯具ユニット100のうち、機能ランプとして赤色発光するテールランプTLL1,TLL2に本発明を適用したものである。
【0015】
リアコンビネーションランプRCLとリッドランプLDLとは、車両の幅方向(Y軸方向)に並んで設けられている。
【0016】
リアコンビネーションランプRCLは、機能ランプとして、赤色発光する第1のテールランプTLL1と、赤色発光するブレーキランプBRLと、橙色発光するターンランプTRLとを有している。第1のテールランプTLL1とブレーキランプBRLとターンランプTRLとは、車両の上下方向(Z軸方向)に並んで設けられている。
【0017】
リッドランプLDLは、機能ランプとして、赤色発光する第2のテールランプTLL2と、白色発光するバックランプBCLとを有している。第2のテールランプTLL2とバックランプBCLとは、車両の上下方向に並んで設けられている。
【0018】
また、第1のテールランプTLL1と第2のテールランプTLL2とは、リアコンビネーションランプRCLとリッドランプLDLとの間で車両の幅方向に並んで設けられている。
【0019】
本実施形態の車両用灯具1は、上記車両用灯具ユニット100(リアコンビネーションランプRCL及びリッドランプLDL)が備える第1のテールランプTLL1及び第2のテールランプTLL2に適用されるものである。
【0020】
具体的に、この車両用灯具1は、図2図6に示すように、第1の光源2a及び第2の光源2bと、導光体3と、カバーレンズ4とを備え、これらがリアコンビネーションランプRCL及びリッドランプLDLを構成する灯体(図示せず。)の内側に配置された構造を有している。
【0021】
なお、灯体は、前面が開口したハウジングと、このハウジングの開口を覆う透明なアウターレンズとにより構成される。また、灯体の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0022】
第1の光源2aと第2の光源2bとは、導光体3の一の方向(本実施形態では左右方向)とは直交する他の方向(本実施形態では上下方向)の中心軸AXを挟んだ両側に対称に配置されている。
【0023】
第1の光源2a及び第2の光源2bは、例えば赤色光を発するLEDからなり、このLEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板5の一面(本実施形態では正面)側に実装されている。これにより、第1の光源2a及び第2の光源2bは、それぞれ前方に向けて光Lを放射状に出射する。
【0024】
なお、本実施形態では、第1の光源2a及び第2の光源2bの各々に対してLEDが1つずつ配置された構成となっているが、第1の光源2a及び第2の光源2bの各々に対して複数のLEDを配置した構成であってもよく、導光体3の大きさ等に合わせて適宜変更することが可能である。また、第1の光源2a及び第2の光源2bは、別々の回路基板5に実装された構成に限らず、同じ回路基板5の同一面上に実装された構成であってもよい。
【0025】
なお、本実施形態では、上述した第1の光源2a及び第2の光源2bを構成するLEDと、LEDを駆動する駆動回路とが回路基板5に実装された構成となっているが、LEDが実装された実装基板と、LEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板とを別々に配置し、これら実装基板と回路基板との間をハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続し、LEDが発する熱から駆動回路を保護する構成としてもよい。
【0026】
導光体3は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂からなる光透過性部材31と、例えば、シリカや炭酸カルシウムなどの無機系、又は、光透過性部材31とは屈折率の異なるシリコーンやアクリルなどの有機系の粒子Pが透明樹脂内に分散された光拡散材32との二色成形により一体に形成されている。また、光透過性部材31と光拡散材32とは、同じ屈折率となるように同じ透明樹脂を用いている。
【0027】
導光体3は、その前後方向に棒状に延在する一対の第1の導光部3aと、その左右方向に棒状に延在する第2の導光部3bとを有し、一対の第1の導光部3aの前端の間を第2の導光部3bが接続(連結)した形状を有している。また、導光体3は、その中心軸AXを挟んで対称となる形状を有している。
【0028】
また、導光体3は、各第1の導光部3aの後端に配置された入射部6と、各第1の導光部3aの前端と第2の導光部の両端との間に配置された反射部7と、第2の導光部の一端側と他端側との間で一の方向に並んで配置された複数の発光部8とを有している。
【0029】
入射部6は、第1の光源2a及び第2の光源2bの各々と対向して配置されて、それぞれの光源2a,2bから出射された光Lを各第1の導光部3aの内部へと入射する平坦(平面)な入射面6aにより構成されている。
【0030】
これにより、各入射面6aから第1の導光部3aの内部に入射した光Lは、各第1の導光部3aの内部で反射を繰り返しながら、各第1の導光部3aの前端側に向けて導光されることになる。
【0031】
なお、入射部6については、上述した入射面6aに限らず、例えば第1の光源2a及び第2の光源2bから出射された光Lを平行化又は集光しながら、各第1の導光部3aの内部へと入射するレンズ形状としてもよい。
【0032】
反射部7は、各第1の導光部3aの前端側を互いに向かい合う方向に向かって所定の角度(本実施形態では第1の導光部3aの中心軸に対して45°)で傾斜した反射面7aにより構成されている。
【0033】
これにより、各反射面7aにより反射された光Lは、第2の導光部3bの互いに向かい合う方向に向けて導光されることになる。すなわち、第1の光源2aから出射された一方の光Lは、第2の導光部3bの内部で反射を繰り返しながら、第2の導光部3bの一端側から他端側に向けて導光されることになる。一方、第2の光源2bから出射された他方の光Lは、第2の導光部3bの内部で反射を繰り返しながら、第2の導光部3bの他端側から一端側に向けて導光されることになる。
【0034】
複数の発光部8は、光拡散材32によりブロック状に形成されている。これにより、各発光部8は、光拡散材32内の粒子Pにより光Lを拡散(散乱)させることでブロック状に発光することが可能となっている。
【0035】
また、光拡散材32は、各発光部8の隣り合うもの同士を連結した第1の連結部9を有している。第1の連結部9は、互いに隣り合う発光部8の間のうち、発光部8の少なくとも正面側を除く一部(本実施形態では背面側)の間を連結している。
【0036】
第1の連結部9は、発光部8と同じ光拡散材32により形成されるものの、発光部8よりも十分小さく、発光部8の背面側に位置するため、発光部8の発光時に、この第1の連結部9が発光して視認されることを抑制する(目立たなくする)ことが可能である。
【0037】
一方、光透過性部材31は、互いに隣り合う発光部8の間に配置された透過部10と、透過部10の隣り合うもの同士を連結した第2の連結部11とを有している。
【0038】
透過部10は、光拡散材32によりブロック状に形成されて、第2の導光部3bの一端側と他端側との間で一の方向に複数並んで配置されている。これにより、発光部8と透過部10とは、第2の導光部3bの一の方向に交互に並んで配置されている。
【0039】
第2の連結部11は、互いに隣り合う透過部10の間のうち、透過部10の少なくとも一部(本実施形態では正面側)の間を連結している。
【0040】
カバーレンズ4は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂からなり、導光体3の上面、前面及び両側面を覆う形状を有している。なお、カバーレンズ4については、無色透明に限らず、赤色透明であってもよい。
【0041】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具1では、図7に示すように、上述した第2の導光部3bの内部で導光される光Lが透過部10と発光部8との間を順次透過しながら、光拡散材32により形成された発光部8をブロック状に赤色発光させる。
【0042】
これにより、本実施形態の車両用灯具1では、発光の立体感を演出することが可能である。さらに、複数の発光部8をブロック状に赤色発光させることで、複数の光源が点灯したような見栄えとすることが可能である。
【0043】
また、本実施形態の車両用灯具1では、上述した発光部8と透過部10とが交互に並ぶ第2の導光部3bが一対の第1の導光部3aを介して前方に突出した状態で配置されることによって、複数の発光部8が浮遊するような発光の浮遊感を演出することが可能である。
【0044】
さらに、本実施形態の車両用灯具1では、上述したカバーレンズ4が導光体3を覆うことで、非点灯時に導光体3の形状を目立たなくし、非点灯時の見栄えを良くすることが可能である。
【0045】
以上のように、本実施形態の車両用灯具1では、上述した第2の導光部3b(導光体3)を構成する光透過性部材31の一部に光拡散材32によりブロック状に形成された発光部8を配置することによって、発光の立体感や浮遊感を演出することが可能である。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記発光部8については、例えば図8に示すように、この発光部8から外部に向けて出射される光Lを拡散させるための拡散部12を設けた構成としてもよい。拡散部12は、発光部8の表面に微細な凹凸カットやシボ加工等を施すことによって形成されている。これにより、発光部8の発光時にブロック状に形成された発光部8の輪郭をより強調させることが可能である。
【0047】
また、上記第1の連結部9については、上述した互いに隣り合う発光部8の背面側の間を連結した構成に限らず、例えば図9(A),(B)に示すような構成としてもよい。このうち、図9(A)に示す第1の連結部9は、互いに隣り合う発光部8の下面側の間を連結した構成である。一方、図9(B)に示す第1の連結部9は、互いに隣り合う発光部8の下面側の一部の間を連結した構成である。
【0048】
このように、上記第1の連結部9については、上述した光透過性部材31と光拡散材32とを二色成形する際に必要となるものの、その形状や配置等を工夫することで、発光部8の発光時に、この第1の連結部9が発光して視認されることを抑制する(目立たなくする)ことが可能である。
【0049】
なお、上記導光体3については、上述した光透過性部材31と光拡散材32とを二色成形したものに必ずしも限定されるものではなく、例えば光透過性部材31からなる透過部10と、光拡散材32からなる発光部8とを別々に形成し、組み合わせたものであってもよい。
【0050】
また、上記発光部8の形状についても、実際の車両のデザイン等に合わせて適宜変更することが可能であり、例えば図10(A),(B)に示すような形状とすることも可能である。このうち、図10(A)に示す発光部8は、半円柱状に形成された構成である。一方、図10(B)に示す発光部8は、三角柱状に形成された構成である。
【0051】
また、上記導光体3の形状については、実際の車両のデザイン等に合わせて適宜変更することが可能である。例えば、第1の変形例として、図11に示す導光体3Aのように、上述した一対の第1の導光部3aと第2の導光部3bとの間に配置された反射面7a(反射部7)を省略し、一対の第1の導光部3aと第2の導光部3bとが直線状に接続された構成としてもよい。
【0052】
また、第2の変形例として、図12に示す導光体3Bのように、上述した一対の第1の導光部3aと第2の導光部3bとの間に配置された反射面7a(反射部7)を省略し、第1の導光部3aが湾曲しながら第2の導光部3bに向かって接続される構成としてもよい。
【0053】
また、第3の変形例として、図13に示す導光体3Cのように、上述した一対の第1の導光部3aのうち何れかの一方を省略し、光源2から出射された光Lを入射面6a(入射部6)から第1の導光部3aの内部に入射した後、第2の導光部3bの一端側から他端側に向けて光Lを導光させる構成であってもよい。
【0054】
この構成の場合、第2の導光部3bの一端側から他端に向かって導光される光Lの光路長の違いによって、複数の発光部8から拡散されて出射される光Lの光量(明るさ)に差が生じないように、第2の導光部3bの一端側から他端側に向けて導光される光Lの光源2からの距離に応じて、発光部8の大きさを異ならせることが好ましい。
【0055】
具体的には、光源2からの距離が長くなるほど、発光部8の幅を漸次大きくすることが好ましい。これにより、複数の発光部8から拡散されて出射される光Lの光量(明るさ)を第2の導光部3bの一端側と他端側との間で均一化することが可能である。
【0056】
また、第4の変形例として、図14に示す導光体3Dのように、第2の連結部11及び透過部10に、第2の導光部3bの一端側から他端側に向けて導光される光Lを発光部8に向けて反射する複数の反射カット13を設けた構成としてもよい。
【0057】
本実施形態では、第2の連結部11及び透過部10の背面側に、第2の導光部3bの一端側から他端側に向けて導光される光Lを第2の導光部3bの正面側にある発光部8に向けて反射する複数の反射カット13が設けられている。
【0058】
複数の反射カット13は、第2の導光部3bの他の方向(上下方向)に亘って切り欠かれた断面略V字状の溝部が、第2の導光部3bの一の方向(左右方向)に周期的に並ぶことによって構成されている。
【0059】
導光体3Dは、このような複数の反射カット13を光透過性部材31に配置するため、互いに隣り合う透過部10の間のうち、透過部10の背面側の間を第2の連結部11が連結した構成とっている。一方、第1の連結部9は、上述した図9(A)に示すように、互いに隣り合う発光部8の下面側の間を連結している。
【0060】
なお、第2の連結部11については、上述した互いに隣り合う透過部10の背面側の間を連結した構成に必ずしも限定されるものではなく、互いに隣り合う透過部10の間のうち、透過部10の正面側以外の間を連結した構成であればよい。したがって、複数の反射カット13については、第2の連結部11及び透過部10の正面以外の面側に設けることが可能である。
【0061】
この構成の場合、第2の導光部3bの一端側から他端に向かって導光される光Lの光路長の違いによって、複数の発光部8から拡散されて出射される光Lの光量(明るさ)に差が生じないように、第2の導光部3bの一端側から他端側に向けて導光される光Lの光源2からの距離に応じて、複数の反射カット13の大きさを異ならせることが好ましい。
【0062】
具体的には、光源2からの距離が長くなるほど、複数の反射カット13を構成する溝部の深さを漸次大きくすることが好ましい。これにより、複数の発光部8から拡散されて出射される光Lの光量(明るさ)を第2の導光部3bの一端側と他端側との間で均一化することが可能である。
【0063】
また、第5の変形例として、図15(A),(B)に示す導光体3Eのように、少なくとも第1の連結部9を覆う遮光部材33を備えた構成としてもよい。
【0064】
遮光部材33は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の樹脂に遮光性(例えば黒色)の顔料を含有したものからなる。導光体3Eは、これら光透過性部材31と光拡散材32と遮光部材33との三色成形により一体に形成されている。なお、遮光部材33は、上述した光透過性部材31及び光拡散材32と一体に形成されたものに限らず、別体に形成されたものであってもよい。
【0065】
第1の連結部9は、互いに隣り合う発光部8の上面側の間を連結している。遮光部材33は、導光体3Eの第1の連結部9と正面視で重なる範囲と、導光体3Eの上面側の全面とを覆うように配置されている。
【0066】
これにより、発光部8の発光時に、遮光部材33により第1の連結部9が視認されることを防止し、複数の発光部8による発光の浮遊感を演出することが可能である。
【0067】
また、本発明の導光体は、上述した一の方向(左右方向)に延在する棒状の導光体(導光棒)3,3A~3Eの構成に限らず、第6の変形例として、例えば図16に示す導光体3Fのように、一の方向(左右方向)に延在し、且つ、一の方向とは直交する他の方向(上下方向)に延在する板状の導光体(導光板)であってもよい。
【0068】
具体的に、この導光体3Fは、上述した棒状の導光体3を上下方向に延在した板状を有している。この構成の場合、第1の光源2a及び第2の光源2bを上下方向に複数並べて配置する。
【0069】
これにより、板状の導光体3Fにおいて、上下方向に延在する複数の発光部8を発光させながら、発光の立体感や浮遊感を演出することが可能である。
【0070】
なお、上記実施形態では、上述したテールランプTLL1,TLL2に本発明を適用した場合を例示しているが、本発明が適用される車両用灯具については、上述したテールランプに限らず、例えば、車両用前照灯(ヘッドランプ)、車幅灯(ポジションランプ)、補助前照灯(サブヘッドランプ)、前部(後部)霧灯(フォグランプ)、昼間点灯用(デイタイム・ランニング)ランプ、ブレーキランプ(ストップランプ)、バックランプ、方向指示器(ウィンカーランプ)など、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0071】
また、上記第1の光源2a及び第2の光源2bについては、上述したLED以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることも可能である。また、光源が発する光の色についても、上述した赤色光に限らず、白色光や橙色光など、その車両用灯具の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1…車両用灯具 2…光源 2a…第1の光源 2b…第2の光源 3,3A~3F…導光体 3a…第1の導光部 3b…第2の導光部 4…カバーレンズ 5…回路基板 6…入射部 7…反射部 8…発光部 9…第1の連結部 10…透過部 11…第2の連結部 12…拡散部 13…反射カット 31…光透過性部材 32…光拡散材 33…遮光部材 L…光
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