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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154225
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】コミュニケーションシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063413
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000223182
【氏名又は名称】TOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】山下 晋広
(72)【発明者】
【氏名】矢原 弘敬
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA02
5K201BA02
5K201CA02
5K201CB10
5K201CC07
5K201CD09
5K201DC02
5K201DC09
5K201EC06
5K201ED02
5K201FA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コミュニケーションシステムに含まれる機器の動作状況を短時間に監視する。
【解決手段】コミュニケーションシステム1は、第1ネットワークを構成する複数の機器11を含むIP通話システム10と、機器11間の音声データの送受信処理を制御するとともに、IP通話システム10内の機器11の動作状況を監視するシステムマネージャー20と、を備える。コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が所定の閾値以上である場合、複数の機器11のうち選択された1つの監視機器11aが、他の機器11の動作状況を監視し、監視結果をシステムマネージャー20に送信する。システムマネージャー20は、IP通話システム10の監視機器11aから受信した監視結果を集計することで、IP通話システム10に含まれる機器11の動作状況を監視する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続されて第1ネットワークを構成する複数の機器を含み、機器間で通話用プロトコルを用いた音声データの送受信処理を行うIP通話システムと、
第2ネットワークを介して前記IP通話システムに接続され、機器間の前記通話用プロトコルを用いた音声データの送受信処理を制御するとともに、前記IP通話システム内の機器の動作状況を監視するシステムマネージャーと、
を備えるコミュニケーションシステムであって、
前記コミュニケーションシステムに含まれる機器の台数が所定の閾値以上である場合、前記IP通話システムに含まれる複数の機器のうち選択された1つの監視機器が、他の機器に動作状況監視信号を送信し、前記動作状況監視信号に対する他の機器からの応答の有無に基づいて他の機器の動作状況を監視し、他の機器の動作状況と前記監視機器の動作状況とを含んだ監視結果を前記システムマネージャーに送信し、
前記システムマネージャーは、前記IP通話システムの監視機器から受信した監視結果を集計することで、前記IP通話システムに含まれる機器の動作状況を監視する、
コミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記IP通話システムに含まれる機器の台数が所定の閾値よりも小さい場合、前記システムマネージャーが、前記IP通話システムに含まれる機器に動作状況監視信号を送信し、前記動作状況監視信号に対する機器からの応答の有無に基づいて、前記IP通話システムに含まれる機器の動作状況を監視する、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項3】
前記監視機器は、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち、予め決められた機器である、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項4】
前記監視機器は、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち、前記システムマネージャーが決定した機器である、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項5】
前記監視機器は、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち、前記第1ネットワークにおいて機器を識別する識別番号が最小の機器である、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項6】
前記監視機器は、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち、処理負荷が最小の機器である、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項7】
前記動作状況監視信号は、ping信号である、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項8】
前記通話用プロトコルは、SIPである、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器を用いた構内通話等が可能なコミュニケーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターカムシステム(IP通話システム)は、主として構内通話を行うシステムである。典型的には、インターカムシステムは、1つ以上の通話端末と、1つ以上のスピーカーのような拡声機器を含む。各通話端末は、マイクやスピーカーを備え、ネットワークを介して相互に接続されている。各通話端末は、SIPプロトコル等所定のプロトコルに従って、入力された音声を別の通話先の通話端末に伝送することで、構内通話を行う。また、各通話端末は、入力された音声を拡声機器に送信することで、拡声機器からの拡声方法を行う。
【0003】
監視カメラシステムは、主として防犯用途で用いられるシステムである。典型的には、監視カメラシステムは、1つ以上の監視カメラと、各監視カメラが接続されるレコーダーを含む。各監視カメラは、天井や壁面等の所定の場所に据え付けられるカメラや、ドローンや自動車等の移動体に備え付けられるカメラを含む。レコーダーは、監視カメラの撮影映像を受信し、内蔵や外付けの記録媒体に保存することで録画することや、リアルアイムで外部のディスプレイに対して撮影映像を出力することでライブ視聴することができる。
【0004】
インターカムシステムの一例が特許文献1に開示されている。監視カメラシステムの一例が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-114951号公報
【特許文献2】特開2009-296207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コミュニケーションシステムに含まれるインターカム、IPスピーカー、監視カメラ等の機器は、システムマネージャーと呼ばれる装置により制御される。また、システムマネージャーは、コミュニケーションシステムに含まれる機器の動作状況を監視している。具体的には、システムマネージャーが、ping信号などの動作状況監視信号をコミュニケーションシステムに含まれる機器に送信し、動作状況監視信号に対する応答の有無に基づいて、機器の動作状況を確認する。
【0007】
上記のコミュニケーションシステムには、機器が数百台、数千台といった規模で含まれることもある。このようなシステムにおいて、システムマネージャーが全ての機器を監視すると、システム全体の動作状況の監視が完了するまでに時間がかかる。また、システムマネージャーの処理負荷が増加する。システムマネージャーの処理負荷が増加すると、システムマネージャーが実行する他の処理の速度が低下する可能性がある。
【0008】
本開示は、多数の機器を含む大規模なコミュニケーションシステムにおいて、コミュニケーションシステムに含まれる機器の動作状況を短時間に監視することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のコミュニケーションシステムは、IP通話システムと、システムマネージャーと、を備える。IP通話システムは、互いに接続されて第1ネットワークを構成する複数の機器を含み、機器間で通話用プロトコルを用いた音声データの送受信処理を行う。システムマネージャーは、第2ネットワークを介してIP通話システムに接続され、機器間の通話用プロトコルを用いた音声データの送受信処理を制御するとともに、IP通話システム内の機器の動作状況を監視する。
【0010】
本開示のコミュニケーションシステムにおいて、コミュニケーションシステムに含まれる機器の台数が所定の閾値以上である場合、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち選択された1つの監視機器が、他の機器に動作状況監視信号を送信し、動作状況監視信号に対する他の機器からの応答の有無に基づいて他の機器の動作状況を監視する。また、監視機器が、他の機器の動作状況と監視機器の動作状況とを含んだ監視結果をシステムマネージャーに送信する。システムマネージャーは、IP通話システムの監視機器から受信した監視結果を集計することで、IP通話システムに含まれる機器の動作状況を監視する。
【発明の効果】
【0011】
本開示のコミュニケーションシステムでは、コミュニケーションシステムに含まれる機器の台数が所定の閾値以上である場合に、IP通話システムに含まれる機器から選択された1つの監視機器が、他の機器の動作状況を監視し、監視結果をシステムマネージャーに送信している。これにより、コミュニケーションシステムに含まれる機器の台数が多いときに、システムマネージャーが全ての機器の動作状況の監視をする必要がなくなるので、コミュニケーションシステムに含まれる全ての機器を短時間に監視できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、コミュニケーションシステムの構成を示す図である。
図2図2は、IP通話システムの構成を示す図である。
図3図3は、機器の構成を示す図である。
図4図4は、システムマネージャーの構成を示す図である。
図5図5は、監視動作における機器の動作を示すフローチャートである。
図6図6は、監視機器の決定動作を示すフローチャートである。
図7図7は、システムマネージャーによる機器の監視動作を示すフローチャートである。
図8図8は、システムマネージャーが全ての機器を直接監視する場合を模式的に示した図である。
図9図9は、監視機器がシステムマネージャーに代わって機器を監視する場合を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1実施形態
(1)コミュニケーションシステムの構成
図1及び図2を用いて、コミュニケーションシステム1の構成を説明する。図1は、コミュニケーションシステム1の構成を示す図である。図2は、IP通話システム10の構成を示す図である。コミュニケーションシステム1は、複数のIP通話システム10と、システムマネージャー20と、を備える。
【0014】
IP通話システム10は、図2に示すように、複数の機器11を含み、当該複数の機器11間で通話用プロトコルを用いた音声データの送受信処理を行うためのシステムである。なお、図1に示すように、IP通話システム10には、他のIP通話システム10がネットワークを介して接続されていてもよい。
【0015】
機器11は、他の機器11との間で音声データ及び/又は映像データを送受信可能な装置である。機器11は、例えば、通話端末である。通話端末である機器11は、音声通話時、IP通話用のプロトコルに準拠して音声データや映像データの送受信を行う。IP通話用のプロトコルの一例は、IETF(Internet Engineering Task Force:インターネット技術タスクフォース)により標準化されRFC3261にて規定されているSIP(Session Initiation Protocol)である。
【0016】
その他、複数の機器11の一部は、CCDやCMOS等の画像センサーで取得した映像信号から映像データを生成し、外部に送信する監視カメラであってもよい。監視カメラである機器11は、監視カメラ用の伝送プロトコルに準拠して映像をストリーミング送信する。監視カメラ用伝送プロトコルの一例は、ONVIF(Open Network Video Interface Forum)規格に準拠したプロトコルである。
【0017】
さらに、複数の機器11の一部は、所定のプロトコルを用いて音声データを受信して再生し拡声するIPスピーカーであってもよい。また、IPスピーカーである機器11は、例えば、災害時の避難誘導やBGM等の音楽を再生することもできる。IPスピーカーである機器11は、内部に拡声するための音声データを記憶していてもよい。また、IPスピーカーである機器11は、所定の言語の音声データを、他の言語の音声データに変換して再生してもよい。
【0018】
IP通話システム10は、ルーター13を有する。ルーター13は、複数の機器11を互いに通信可能に接続する装置である。ルーター13は、接続された複数の機器11のそれぞれに、IP通話システム10内で機器11を識別する識別子(例えば、IPアドレス)を割り当てる。これにより、複数の機器11は、第1ネットワークN1を構成する。ルーター13も、第1ネットワークN1内で自身を識別する識別子(例えば、IPアドレス)を割り当てられる。第1ネットワークN1は、例えば、LANである。
【0019】
ルーター13は、第2ネットワークN2を介して、システムマネージャー20に接続される。すなわち、ルーター13に接続された機器11は、第2ネットワークN2を介して、システムマネージャー20に接続される。第2ネットワークN2は、例えば、WANなどの広域ネットワークである。その他、第2ネットワークN2は、大規模なLANであってもよい。また、ルーター13には、他のIP通話システム10のルーター13が接続されていてもよい。
【0020】
1つのIP通話システム10は、例えば、数百台単位の機器11で構成できる。後述するように、コミュニケーションシステムに含まれる機器11の台数が所定の閾値を超えると、IP通話システム10の含まれる1つの機器11(監視機器11a)が、システムマネージャー20に代わって他の機器11を監視する。この場合、コミュニケーションシステム1に1つのIP通話システム10が追加され、コミュニケーションシステムに含まれる機器11の台数が数百台増加すると、監視機器11aが1台増加する。
【0021】
ルーター13は、第1ネットワークN1内での識別子に加えて、第2ネットワークN2内で自身を識別する識別子(例えば、IPアドレス)も割り当てられる。
【0022】
システムマネージャー20は、IP通話システム10の機器11がIP通話用プロトコルに従って音声データや映像データの送受信処理を行うための制御装置である。送受信処理は、発呼等の呼制御を含む。IP通話システム10の機器11が使用するIP通話用プロトコルがSIPである場合、システムマネージャー20は、例えば、SIPに準拠して呼制御を行うSIPサーバーである。
【0023】
システムマネージャー20は、IP通話システム10の各機器11の識別情報(機器識別情報と呼ぶ)をテーブル管理している。機器識別情報は、機器11間で通信を行うために用いられる。機器識別情報は、例えば、各機器11が接続されたルーター13の第2ネットワークN2内での識別子と、当該機器11の第1ネットワークN1内での識別子と、を含むことができる。その他、機器識別情報は、例えば、各機器11が接続されたルーター13の第2ネットワークN2内での識別子と、ルーター13が当該機器11に対して割り当てたポート番号と、を含むものであってもよい。
【0024】
システムマネージャー20は、IP通話システム10内の機器11の動作状況を監視する。機器11の動作状況の監視は、複数のIP通話システムに含まれる全ての機器11に対して動作状況監視信号(例えば、ping信号)を送信し、動作状況監視信号に対する応答の有無に基づいて行われる。動作状況監視信号に対して応答があった機器11は、正常動作していると判断できる。一方、動作状況監視信号に対して応答がなかった機器11は、停止しているか、異常が発生していると判断できる。
【0025】
上記構成のコミュニケーションシステム1において、音声データ及び/又は映像データを送受信可能な複数の機器11を有するIP通話システム10が、第2ネットワークN2を介して相互接続されていることで、例えば、通話端末である機器11間で音声通話を行ったり、通話端末である機器11からIPスピーカーである機器11に音声放送を行ったり、監視カメラである機器11から通話端末である機器11に映像データを送信して通話端末である機器11に当該映像データを映し出すことができたりできる。詳細には、例えば、以下のようにして上記の機能を実現できる。
【0026】
通信端末である機器11間での音声通話は、例えば、SIPを用いて実現できる。詳細には、発呼元の機器11が、システムマネージャー20に呼び出しを行う。この呼び出しには、発呼先の機器11の機器識別情報が含まれる。システムマネージャー20は、呼び出しに含まれる機器識別情報を指定して、発呼先の機器11の呼び出しを行う。発呼先の機器11が呼び出しに応じると、発呼元の機器11と発呼先の機器11との間で通信セッションが確立される。これにより、発呼元の機器11と発呼先の機器11は、確立された通話セッションを用いて、互いに音声通話が可能となる。
【0027】
通話端末である機器11からIPスピーカーである機器11への音声放送は、例えば、SIPを用いて実現できる。詳細には、まず、通話端末である機器11が、システムマネージャー20に呼び出しを行う。この呼び出しには、音声放送を行いたいIPスピーカーである機器11の機器識別情報が含まれる。システムマネージャー20は、呼び出しに含まれる機器識別情報を指定して、音声放送を行いたいIPスピーカーである機器11の呼び出しを行う。IPスピーカーである機器11が呼び出しに応じると、通話端末である機器11とIPスピーカーである機器11との間で通信セッションが確立される。これにより、通話端末である機器11は、ユーザの音声を取得し、取得した音声データを、確立された通信セッションを用いて、IPスピーカーである機器11に送信する。これにより、通話端末である機器11により取得されたユーザの音声が、IPスピーカーである機器11から拡声される。
【0028】
監視カメラである機器11から通話端末である機器11への映像データの送信は、
ONVIF規格に準拠したプロトコルを用いて実現できる。詳細には、まず、通話端末である機器11が、システムマネージャー20から、映像データを取得したい監視カメラである機器11の機器識別情報を取得する。次に、通話端末である機器11が、機器識別情報に示された機器11に映像データの取得を要求する。これにより、監視カメラである機器11が取得した映像データが、通話端末である機器11へと送信される。
【0029】
その他、以下のようにしても映像データの送信を実現できる。まず、通話端末である機器11が、システムマネージャー20に対して、監視カメラである機器11を指定して映像データの取得を要求する。次に、システムマネージャー20が、指定された監視カメラである機器11に対して、映像データの取得を要求する。この要求には、要求元の通信端末である機器11の機器識別情報が含まれる。この要求に対して、監視カメラである機器11が、映像データを取得し、取得した映像データを、機器識別情報に示された機器11に送信する。
【0030】
(2)機器の構成
図3を用いて、機器11の構成を説明する。図3は、機器11の構成を示す図である。機器11は、処理部111と、記憶部113と、ネットワークインタフェース115と、機能部117と、を有する。
【0031】
処理部111は、CPUやMPU等を含み、記憶部113に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、機器11に関する各種機能を実行する。記憶部113は、メモリー(RAM、ROM)と記憶装置(HDD、SSDなど)により構成され、データの記憶領域を構成する。
【0032】
記憶部113には、コンピュータープログラム以外にも、機器11の機能を実現するために必要なデータ等が記憶されている。記憶部113は、ステータス情報を記憶する。ステータス情報は、機器11が監視機器11aであるか否かを示す情報である。例えば、ステータス情報は、デフォルトでは監視機器11aでないことを示してもよい。この場合、後述するように、システムマネージャー20から監視機器11aとして決定された旨の通知を受けたことに応答して、ステータス情報を監視機器11aであることを示す情報に書き換えることができる。
【0033】
ネットワークインタフェース115は、機器11とルーター13とをネットワークで接続する。ネットワークインタフェース115は、例えば、イーサーネット(登録商標)カードである。
【0034】
(3)システムマネージャーの構成
図4を用いて、システムマネージャー20の構成を説明する。図4は、システムマネージャー20の構成を示す図である。システムマネージャー20は、処理部201と、記憶部203と、ネットワークインタフェース205と、を有する。
【0035】
処理部201は、CPUやMPU等を含み、記憶部203に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、SIPサーバー、機器11の監視機能等のシステムマネージャー20に関する各種機能を実行する。
【0036】
記憶部203は、メモリー(RAM、ROM)と記憶装置(HDD、SSDなど)により構成され、データの記憶領域を構成する。記憶部203には、コンピュータープログラム以外にも、上記の機器識別情報のテーブル等、システムマネージャー20の機能を実現するために必要なデータ等が記憶されている。ネットワークインタフェース205は、システムマネージャー20を第2ネットワークN2に接続する。ネットワークインタフェース205は、例えば、イーサーネット(登録商標)カードである。
【0037】
(4)コミュニケーションシステムにおける機器の監視動作
(4-1)機器の動作
以下、上記構成を有するコミュニケーションシステム1における機器11の動作状況の監視動作を説明する。この監視動作は、所定の周期で周期的に実行される。まず、図5を用いて、監視動作における機器11の動作を説明する。図5は、監視動作における機器11の動作を示すフローチャートである。以下で説明する動作は、コミュニケーションシステム1に含まれる全ての機器11で同様に実行される。
【0038】
まず、機器11は、自身が監視機器11aであるか否かを判断する(ステップS11)。監視機器11aは、システムマネージャー20に代わって、監視機器11aが含まれるIP通話システム10の他の機器11の動作状況を監視する機器である。機器11は、記憶部113に記憶されているステータス情報に基づいて、自身が監視機器11aであるか否かを判断できる。
【0039】
自身が監視機器11aではない場合(ステップS11で「No」)、当該機器11は、動作状況監視信号が受信されたか否かを判断する(ステップS12)。機器11は、動作状況監視信号を受信するまで(すなわち、ステップS12が「No」である間)待機し、動作状況監視信号を受信したら(ステップS12で「Yes」)、それに対する応答信号を、監視機器11a(監視機器11aによる機器11の監視の場合)又はシステムマネージャー20(システムマネージャー20により機器11の監視の場合)に送信する(ステップS13)。
【0040】
動作状況監視信号としては、例えば、ping信号を使用できる。また、応答信号は、例えば、ping信号に対する応答信号とできる。これにより、少ない信号量で機器11の生死を監視できる。その他、応答信号には、機器11の動作状況に関する情報が含まれていてもよい。例えば、機器11の動作ログ、エラー発生ログ、稼働時間、現在の処理負荷等に関する情報を、応答信号に含めることができる。これにより、より詳細に機器11の動作状況を監視できる。
【0041】
一方、自身が監視機器11aである場合(ステップS11で「Yes」)、当該監視機器11aは、自身が含まれるIP通話システム10の他の機器11の動作状況を監視する。詳細には、監視機器11aは、他の機器11に動作状況監視信号を送信し(ステップS14)、他の機器11からの応答の有無に基づいて他の機器11の動作状況の監視結果を生成する(ステップS15)。
【0042】
例えば、監視機器11aは、動作状況監視信号に対して応答があった(すなわち、応答信号を受信した)機器11は動作中であるとの監視結果を生成できる。一方、動作状況監視信号に対して応答がない機器11は停止中であるとの監視結果を生成できる。その他、動作状況監視信号に対して、動作状況に関する情報を含む応答信号を受信した場合には、機器11が動作中であるとの監視結果とともに、動作状況に関する情報に含まれる動作状況(動作ログ、エラー発生ログ、稼働時間、現在の処理負荷等)を監視結果として生成できる。
【0043】
他の機器11の全ての監視結果を生成後、監視機器11aは、他の機器11の全ての監視結果と、自身の監視結果(監視機器11aが動作中であるとの監視結果)と、を集約(合体)した最終結果を生成し、最終結果をシステムマネージャー20に送信する(ステップS16)。
【0044】
以上のようにして、監視機器11aとして選択されていない機器11は、動作状況監視信号に対して応答して、自身が動作中であること監視機器11a又はシステムマネージャー20に通知できる。また、動作状況監視信号に対して応答しない場合には、自身が停止中であることを監視機器11a又はシステムマネージャー20に通知できる。
【0045】
一方、監視機器11aとして選択された機器11は、他の機器11の動作状況を監視して、自身の動作状況(監視結果)と他の機器11の監視結果とを、システムマネージャー20に通知できる。
【0046】
(4-2)システムマネージャーの動作
(4-2-1)監視機器の決定動作
次に、システムマネージャー20の動作を説明する。まず、図6を用いて、監視機器11aの決定動作を説明する。図6は、監視機器11aの決定動作を示すフローチャートである。以下に説明する監視機器11aの決定動作は、システムマネージャー20により実行される。
【0047】
システムマネージャー20は、監視機器11aの決定動作を、コミュニケーションシステム1の運用開始時に一度だけ実行できる。その他、システムマネージャー20は、監視機器11aの決定動作を、所定の時間間隔で周期的に実行してもよい。これにより、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の状況変化に対応して随時最適な監視機器11aを決定できる。
【0048】
その他、システムマネージャー20は、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数がある閾値に達するごとに、所定台数(例えば1台)の監視機器11aを決定してもよい。例えば、この閾値が100台の場合、機器11が100台増加する毎に1台の監視機器11aを追加で決定できる。具体的には、例えば、機器11の台数が99台までは監視機器11aを決定せず(監視機器11aが0台)、100台となった時点で1台の監視機器11aを決定し、機器11の台数が200台となった時点でさらに1台の監視機器11aを決定できる。すなわち、機器11の台数が0台~99台のときには監視機器11aが0台(システムマネージャー20が機器11を監視する)であり、台数が100台~199台のときには監視機器11aが1台であり、台数が200台~299台のときには監視機器11aが2台であるというふうに、機器11の台数が100台増加する毎に監視機器11aを1台増加できる。
【0049】
まず、ステップS21において、システムマネージャー20は、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が所定の閾値以上であるか否かを判断する。この所定の閾値は、例えば、システムマネージャー20の処理能力、ネットワークの速度等に応じて適宜決定できる。
【0050】
コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が所定の閾値よりも少ない場合(ステップS21で「No」)、システムマネージャー20は、監視機器11aの決定が不要であると判断する。つまり、システムマネージャー20が、コミュニケーションシステムに含まれる機器11の監視をすると決定する。機器11の監視動作については、後ほど詳しく説明する。
【0051】
一方、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が所定の閾値異常である場合(ステップS21で「Yes」)、システムマネージャー20は、監視機器11aの決定が必要であると判断する。この場合、システムマネージャー20は、所定の条件に従って、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の中から監視機器11aを決定する(ステップS22)。具体的には、以下のようにして監視機器11aを決定できる。
【0052】
例えば、システムマネージャー20は、各IP通話システム10に含まれる機器11のうち、予め決められた特定の機器11を優先的に監視機器11aと決定できる。これにより、IP通話システム10毎に監視機器11aを決定できる。例えば、システムマネージャー20は、IP通話システム10に含まれる複数の機器11のうち、第1ネットワークN1において識別番号が最小である機器11を監視機器11aと決定できる。監視機器11aを選択するための識別番号は、例えば、IPアドレス、MACアドレス等とできる。
【0053】
識別番号としてIPアドレスを用いる場合、システムマネージャー20は、例えば、IP通話システム10に含まれる機器11のうち、IPアドレスのホスト部が最小である機器11を監視機器11aと決定できる。識別番号としてMACアドレスを用いる場合、システムマネージャー20は、例えば、IP通話システム10に含まれる機器11のうち、MACアドレスの下位の桁が最小である機器11を監視機器11aと決定できる。
【0054】
また、第1ネットワークN1が複数のネットワークで構成されている(例えば、1つのIP通話システム10の第1ネットワークN1に、他のIP通話システム10が接続されている)場合には、システムマネージャー20は、第1ネットワークN1ごとに1台の監視機器11aを決定してもよい。
【0055】
この場合、第1ネットワークN1に含まれる複数のネットワークは、それぞれ、例えば、「192.168.*.*(*:ワイルドカード)」とのIPアドレスを有している。つまり、複数のネットワークは、それぞれ、共通のネットワーク部を有している。従って、システムマネージャー20は、例えば、共通のネットワーク部を有する機器11のうち、ホスト部が最小の機器11を監視機器11aと決定できる。
【0056】
また、システムマネージャー20は、IP通話システム10に含まれる複数の機器11のうち、処理負荷が最小の機器を優先的に監視機器11aと決定できる。「処理負荷が最小の機器11」とは、例えば、処理部111の使用率が最小である機器11、動作状況監視信号に対する応答が最も速い機器11をいう。この場合、例えば、システムマネージャー20が、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11に対して動作状況を問い合わせ、この問い合わせに対する各機器11からの応答に基づいて、処理負荷が最小の機器11を特定できる。
【0057】
監視機器11aを処理負荷が最小の機器11とすることにより、他の機器11の監視を高速に実行できる監視機器11aを選択して、短時間に全ての機器11の監視を実行できる。
【0058】
その他、システムマネージャー20は、上記の監視機器11aを特定するための条件を複数組み合わせて、監視機器11aを決定してもよい。また、条件に合致する機器11が停止等しており、当該機器11を監視機器11aとして決定できない場合は、システムマネージャー20は、例えば、次に条件に合致する機器11を監視機器11aとして優先的に決定してもよい。例えば、識別番号が最小の機器11を監視機器11aとして決定できない場合には、2番目に識別番号が小さい機器11を優先的に監視機器11aとして決定できる。
【0059】
監視機器11aを決定後、システムマネージャー20は、監視機器11aとして決定した機器11に、監視機器11aとして決定された旨を通知する(ステップS23)。この通知を受信した機器11は、記憶部113に記憶しているステータス情報を、当該機器11が監視機器11aであることを示す情報に書き換える。
【0060】
(4-2-2)システムマネージャーによる機器の監視動作
以下、図7を用いて、システムマネージャー20による機器11の監視動作を説明する。図7は、システムマネージャー20による機器11の監視動作を示すフローチャートである。
【0061】
まず、ステップS31において、システムマネージャー20は、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が所定の閾値以上であるか否かを判断する。
【0062】
コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が所定の閾値よりも少ない場合(ステップS31で「No」)、図8に示すように、システムマネージャー20が、コミュニケーションシステム1に含まれる全ての機器11の動作状況を直接監視する。図8は、システムマネージャー20が全ての機器11を直接監視する場合を模式的に示した図である。
【0063】
詳細には、システムマネージャー20は、全てのIP通話システム10に含まれる全ての機器11に動作状況監視信号を送信し(ステップS32)、動作状況監視信号に対する機器11からの応答の有無に基づいて、全てのIP通話システム10に含まれる機器11の動作状況を監視する(ステップS33)。動作状況監視信号に対する機器11からの応答の有無に基づいた機器11の動作状況の監視は、上記で説明した監視機器11aによる動作状況の監視と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0064】
一方、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が所定の閾値以上である場合(ステップS31で「Yes」)、図9に示すように、システムマネージャー20に代わって監視機器11aに機器11を監視させ、システムマネージャー20が監視機器11aから監視結果を受信することで、コミュニケーションシステムに含まれる全ての機器11を監視する。図9は、監視機器11aがシステムマネージャー20に代わって機器11を監視する場合を模式的に示した図である。
【0065】
詳細には、システムマネージャー20は、各IP通話システム10の監視機器11aから監視結果(最終結果)を受信し(ステップS34)、受信した監視結果(最終結果)を集計することで、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の動作状況を監視する(ステップS35)。
【0066】
図8図9とを比較すると、システムマネージャー20が全ての機器11の動作状況を直接監視する場合(図8)と比較して、監視機器11aがシステムマネージャー20に代わって機器11の動作状況を監視する方(図9)が、機器11からシステムマネージャー20への通信量が少ない。従って、本開示のコミュニケーションシステム1では、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が所定の閾値以上である場合に、監視機器11aが他の機器11の動作状況を監視し、監視結果をシステムマネージャー20に送信するようにしている。これにより、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が多いときに、システムマネージャー20が全ての機器の動作状況の監視をする必要がなく、機器11とシステムマネージャー20との間の通信量を減少できる。その結果、コミュニケーションシステム1に含まれる全ての機器11を短時間に監視できる。
【0067】
また、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が多いときに、システムマネージャー20が全ての機器の動作状況の監視をする必要がなくなるので、システムマネージャー20が機器11の監視を実行する際の処理負荷を減少できる。その結果、機器11の監視のために、コミュニケーションシステム1の動作が遅くなることを防止できる。
【0068】
その一方、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の台数が多くない場合には、システムマネージャー20が、IP通話システム10に含まれる機器11に動作状況監視信号を送信し、動作状況監視信号に対する機器11からの応答の有無に基づいて、IP通話システム10に含まれる機器11の動作状況を監視している。すなわち、システムマネージャー20が、全ての機器11の動作状況を監視している。これにより、機器11の監視により大きな処理負荷が生じない場合には、システムマネージャー20が機器11を監視することで、コミュニケーションシステム1に含まれる機器11の動作状況を短時間に監視できる。
【0069】
(5)変形例
上記のIP通話システム10では、複数の機器11は、ルーター13に接続されていた。また、ルーター13が各機器11に識別子を割り当てることで、複数の機器11が第1ネットワークN1を構成していた。
【0070】
これに限られず、複数の機器11は、ハブなどのルーター機能を有しない機器に接続されてもよい。つまり、複数の機器11とシステムマネージャー20とが、全て第2ネットワークN2に属するようにしてもよい。この場合、例えば、システムマネージャー20が、コミュニケーションシステム1に含まれる複数の機器11を複数のグループにグループ分けし、1つのグループに属する機器11により1つのネットワーク(第1ネットワーク)を構成するように管理してもよい。
【0071】
第2ネットワークN2で機器11及びシステムマネージャー20を識別する識別子をIPアドレスとした場合、例えば、IPアドレスの「192.168.A.***(*:ワイルドカード)」の「A」の数字により、グループを識別するようにしてもよい。
【0072】
また、複数の機器11とシステムマネージャー20とを1つのルーターの支配下にある単一のネットワークに属するようにしてもよい。この場合、ネットワークスイッチ(例えば、L2スイッチ、L3スイッチ)でこのネットワークを複数のセグメントに分割してもよい。この場合、機器11を識別するための識別子は、機器11がどのセグメントに属するかを示すように決定される。識別子としてIPアドレスを用いる場合には、セグメント毎に共通のネットワーク部を有するように識別子を決定できる。
【0073】
ネットワークをセグメントに分割した場合には、システムマネージャー20は、セグメント毎に1台の監視機器11aを決定してもよい。
【0074】
上記では、システムマネージャー20が監視機器11aを決定していたが、機器11が、当該機器11の設定状態等に基づいて、監視機器11aであるか否かを判断してもよい。この場合、機器11は、図6のフローチャートのステップS21~S23と同様の処理を実行することで、監視機器11aであるか否かを決定できる。
【0075】
2.第1実施形態の特徴
(1)コミュニケーションシステムは、IP通話システムと、システムマネージャーと、を備える。IP通話システムは、互いに接続されて第1ネットワークを構成する複数の機器を含み、機器間で通話用プロトコルを用いた音声データの送受信処理を行う。システムマネージャーは、第2ネットワークを介してIP通話システムに接続され、機器間の通話用プロトコルを用いた音声データの送受信処理を制御するとともに、IP通話システム内の機器の動作状況を監視する。
【0076】
本開示のコミュニケーションシステムにおいて、コミュニケーションシステムに含まれる機器の台数が所定の閾値以上である場合、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち選択された1つの監視機器が、他の機器に動作状況監視信号を送信し、動作状況監視信号に対する他の機器からの応答の有無に基づいて他の機器の動作状況を監視する。また、監視機器が、他の機器の動作状況と監視機器の動作状況とを含んだ監視結果をシステムマネージャーに送信する。システムマネージャーは、IP通話システムの監視機器から受信した監視結果を集計することで、IP通話システムに含まれる機器の動作状況を監視する。
【0077】
本開示のコミュニケーションシステムでは、コミュニケーションシステムに含まれる機器の台数が所定の閾値以上である場合に、IP通話システムに含まれる機器から選択された1つの監視機器が、他の機器の動作状況を監視し、監視結果をシステムマネージャーに送信している。これにより、コミュニケーションシステムに含まれる機器の台数が多いときに、システムマネージャーが全ての機器の動作状況の監視をする必要がなくなるので、コミュニケーションシステムに含まれる全ての機器を短時間に監視できる。
【0078】
(2)上記(1)のコミュニケーションシステムにおいて、IP通話システムに含まれる機器の台数が所定の閾値よりも小さい場合、システムマネージャーが、IP通話システムに含まれる機器に動作状況監視信号を送信し、動作状況監視信号に対する機器からの応答の有無に基づいて、IP通話システムに含まれる機器の動作状況を監視してもよい。これにより、機器の監視により大きな処理負荷が生じない場合には、システムマネージャーが機器を監視することで、コミュニケーションシステムに含まれる機器の動作状況を短時間に監視できる。
【0079】
(3)上記(1)又は(2)のコミュニケーションシステムにおいて、監視機器は、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち、予め決められた機器であってもよい。これにより、監視機器を識別しやすくできる。
【0080】
(4)上記(1)~(3)のいずれかのコミュニケーションシステムにおいて、監視機器は、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち、システムマネージャーが決定した機器であってもよい。これにより、システムマネージャーは、どの機器が監視機器であるかを容易に認識できる。
【0081】
(5)上記(1)~(4)のいずれかのコミュニケーションシステムにおいて、監視機器は、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち、第1ネットワークにおいて機器を識別する識別番号が最小の機器であってもよい。これにより、明確で分かりやすい基準で監視機器を選択できる。
【0082】
(6)上記(1)~(4)のいずれかのコミュニケーションシステムにおいて、監視機器は、IP通話システムに含まれる複数の機器のうち、処理負荷が最小の機器であってもよい。これにより、他の機器の監視を高速に実行できる監視機器を選択して、短時間に全ての機器の監視を実行できる。
【0083】
(7)上記(1)~(6)のいずれかのコミュニケーションシステムにおいて、動作状況監視信号は、ping信号であってもよい。これにより、機器の動作状況の監視に使用する通信量を減少して、短時間に全ての機器の監視を実行できる。
【0084】
(8)上記(1)~(7)のいずれかのコミュニケーションシステムにおいて、コミュニケーションシステムの通話用プロトコルは、SIPであってもよい。これにより、IP通話に最適なプロトコルで機器間の通話を実行できる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示は、機器を用いた構内通話等が可能なコミュニケーションシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 :コミュニケーションシステム
10 :IP通話システム
11 :機器
111 :処理部
113 :記憶部
115 :ネットワークインタフェース
117 :機能部
11a :監視機器
13 :ルーター
20 :システムマネージャー
201 :処理部
203 :記憶部
205 :ネットワークインタフェース
N1 :第1ネットワーク
N2 :第2ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9