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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154227
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】コミュニケーションシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20231012BHJP
   H04M 11/08 20060101ALI20231012BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04M11/08
H04N7/18 D
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063416
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000223182
【氏名又は名称】TOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】山下 晋広
(72)【発明者】
【氏名】矢原 弘敬
【テーマコード(参考)】
5C054
5K201
【Fターム(参考)】
5C054DA01
5C054DA09
5C054FE11
5C054HA18
5C054HA24
5K201BA02
5K201CA02
5K201CA06
5K201CB06
5K201CD09
5K201EC06
5K201ED02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】IP通話システムや監視カメラシステムを融合してより付加価値の高いコミュニケーションシステムを提供する。
【解決手段】コミュニケーションシステム1は、複数の通話端末を含み、IPネットワークを介して通話端末間で通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を行うIP通話システム10と、音声データ及び映像データの送受信処理を制御するシステムマネージャーと、監視カメラ41を含む監視カメラシステム40と、を備える。通話端末のディプレイに監視カメラの撮像する映像を表示可能であり、IP通話システムに属する1の通話端末から、他の通話端末又は通話用プロトコルを用いた音声データの受信可能なIPスピーカーを選択して呼び出すとき、システムマネージャーが他の通話端末又はIPスピーカーの周辺に配置される1の監視カメラを特定し、特定した監視カメラの取得する映像を1の通話端末のディスプレイに表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがIPネットワークに接続され、それぞれがマイクとスピーカーとディスプレイとを有する複数の通話端末を含み、IPネットワークを介して通話端末間で通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を行う、IP通話システムと、
IPネットワークに通話端末とは別個に接続され、通話端末間の前記通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を制御するシステムマネージャーと、
IPネットワークに接続された監視カメラを含む監視カメラシステムと、
を備え、
通話端末のディスプレイに、監視カメラの撮像する映像を表示可能であり、
前記IP通話システムに属する1の通話端末から、他の通話端末、又は前記通話用プロトコルを用いた音声データの受信可能なIPスピーカーを選択して呼び出すとき、前記システムマネージャーは、前記他の通話端末、又は前記IPスピーカーの周辺に配置される、1の監視カメラを特定し、特定した監視カメラの取得する映像を、前記1の通話端末のディスプレイに表示する、
コミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記システムマネージャーが1の監視カメラを特定するとき、前記1の通話端末において入力された他の通話端末又はIPスピーカーの名称と、同一又は類似の名称を有する監視カメラを特定する、
請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項3】
前記システムマネージャーが1の監視カメラを特定するとき、前記1の通話端末において入力された他の通話端末又はIPスピーカーのIPアドレスと、IPアドレスのネットワーク部が共通のIPアドレスを有する監視カメラを特定する、
請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項4】
それぞれがIPネットワークに接続され、それぞれがマイクとスピーカーとディスプレイとを有する複数の通話端末を含み、IPネットワークを介して通話端末間で、通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を行う、IP通話システムと、
IPネットワークに通話端末とは別個に接続され、通話端末間の前記通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を制御するシステムマネージャーと、
IPネットワークに接続された監視カメラを含む監視カメラシステムと、
を備え、
通話端末のディスプレイに、監視カメラの撮像する映像を表示可能であり、
前記IP通話システムに属する1の通話端末のディスプレイに、監視カメラの撮像中の映像を表示しているときに、前記1の通話端末において通話又は放送が選択されると、前記システムマネージャーは、前記1の監視カメラの周辺に配置され、かつ、前記IP通話システムに属する他の通話端末、又は前記通話用プロトコルを用いた音声データの受信可能なIPスピーカーを特定し、特定した通話端末、又は前記IPスピーカーに呼び出しする、
コミュニケーションシステム。
【請求項5】
さらに、前記通話端末から送信された音声データを受信して拡声放送する複数のIPスピーカーを含む拡声放送システムを備えた、
請求項1又は4に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項6】
前記通話用プロトコルは、SIPプロトコルである、
請求項1又は4に記載のコミュニケーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インターカムやIPスピーカーを用いた構内通話、拡声放送や、監視カメラシステムを用いた映像監視、映像記録等を統合して運用することができるコミュニケーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターカムシステム(IP通話システム)は、主として構内通話を行うシステムである。典型的には、インターカムシステムは、1つ以上の通話端末と、1つ以上のスピーカーのような拡声機器を含む。各通話端末は、マイクやスピーカーを備え、ネットワークを介して相互に接続されている。各通話端末は、SIPプロトコル等所定のプロトコルに従って、入力された音声を別の通話先の通話端末に伝送することで、構内通話を行う。また、各通話端末は、入力された音声を拡声機器に送信することで、拡声機器からの拡声方法を行う。
【0003】
監視カメラシステムは、主として防犯用途で用いられるシステムである。典型的には、監視カメラシステムは、1つ以上の監視カメラと、各監視カメラが接続されるレコーダーを含む。各監視カメラは、天井や壁面等の所定の場所に据え付けられるカメラや、ドローンや自動車等の移動体に備え付けられるカメラを含む。レコーダーは、監視カメラの撮影映像を受信し、内蔵や外付けの記録媒体に保存することで録画することや、リアルアイムで外部のディスプレイに対して撮影映像を出力することでライブ視聴することができる。
【0004】
インターカムシステムの一例が特許文献1に開示されている。監視カメラシステムの一例が特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2006-114951号
【特許文献2】特開2009-296207号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、IP通話システムや監視カメラシステムを融合して、より付加価値の高いコミュニケーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1観点のコミュニケーションシステムは、それぞれがIPネットワークに接続され、それぞれがマイクとスピーカーとディスプレイとを有する複数の通話端末を含み、IPネットワークを介して通話端末間で、通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を行う、IP通話システムと、
IPネットワークに通話端末とは別個に接続され、通話端末間の前記通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を制御するシステムマネージャーと、
IPネットワークに接続された監視カメラを含む監視カメラシステムと、
を備え、
通話端末のディスプレイに、監視カメラの撮像する映像を表示可能であり、
前記IP通話システムに属する1の通話端末から、他の通話端末、又は前記通話用プロトコルを用いた音声データの受信可能なIPスピーカーを選択して呼び出すとき、前記システムマネージャーは、前記他の通話端末、又は前記IPスピーカーの周辺に配置される、1の監視カメラを特定し、特定した監視カメラの取得する映像を、前記1の通話端末のディスプレイに表示する。
【0007】
本開示の第2観点のコミュニケーションシステムは、
それぞれがIPネットワークに接続され、それぞれがマイクとスピーカーとディスプレイとを有する複数の通話端末を含み、IPネットワークを介して通話端末間で、通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を行う、IP通話システムと、
IPネットワークに通話端末とは別個に接続され、通話端末間の前記通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を制御するシステムマネージャーと、
IPネットワークに接続された監視カメラを含む監視カメラシステムと、
を備え、
通話端末のディスプレイに、監視カメラの撮像する映像を表示可能であり、
前記IP通話システムに属する1の通話端末のディスプレイに、監視カメラの撮像中の映像を表示しているときに、前記1の通話端末において通話又は放送が選択されると、前記システムマネージャーは、前記1の監視カメラの周辺に配置され、かつ、前記IP通話システムに属する他の通話端末、又は前記通話用プロトコルを用いた音声データの受信可能なIPスピーカーを特定し、特定した通話端末、又は前記IPスピーカーに呼び出しする。
【発明の効果】
【0008】
本開示のコミュニケーションシステムは、監視カメラの映像を通話端末で利用できるので、ユーザは、より便利に、かつ、効率よく、IP通話システムを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係るコミュニケーションシステム1の概略構成を示す図である。
図2図2は、LANとWANを含むネットワークNの概略構成図である。
図3図3は、通話端末11の構成例を示す図である。
図4図4は、通話端末11の外観を示す図である。
図5A図5Aは、第1実施形態のシステムマネージャー20が管理している各端末の管理情報テーブルの例である。
図5B図5Bは、第1実施形態のシステムマネージャー20が管理している各端末の管理情報テーブルの別の例である。
図6図6は、第2実施形態のシステムマネージャー20が管理している各端末の管理情報テーブルの例である。
図7図7は、IP通話システム10を利用した基本的な通話フローを示すフローチャートである。
図8図8は、通話端末11のディスプレイ113の一表示例を示す図である。
図9A図9Aは、第1実施形態において、第1通話端末11aから第2通話端末11bに通話を行う際に、第2通話端末11bの周囲に位置する監視カメラ41aのカメラ映像を利用する方法の一例を示す、フローチャートである。
図9B図9Bは、変形実施形態1Aにおいて、第1通話端末11aから第2通話端末11bに通話を行う際に、第2通話端末11bの周囲に位置する監視カメラ41aのカメラ映像を利用する方法の一例を示す、フローチャートである。
図10図10は、通話端末11のディスプレイ113の一表示例を示す図である。
図11図11は、通話端末11のディスプレイ113の一表示例を示す図である。
図12A図12Aは、通話端末11のディスプレイ113の一表示例を示す図である。
図12B図12Bは、通話端末11のディスプレイ113の一表示例を示す図である。
図13図13は、第2実施形態に係るコミュニケーションシステム1aの概略構成を示す図である。
図14図14は、第2実施形態において、第1通話端末11aからIPスピーカー51に拡声放送を行う際に、IPスピーカー51aの周囲に位置する監視カメラ41aのカメラ映像を利用する方法の一例を示す、フローチャートである。
図15図15は、第2実施形態において、第1通話端末11aからIPスピーカー51aに拡声放送を行う際に、IPスピーカー51aの周囲に位置する監視カメラ41aのカメラ映像を利用する方法の一例を示す、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1実施形態
(1)第1実施形態のコミュニケーションシステム1の構成
本実施形態のコミュニケーションシステム1は、図1に示すように、IP通話システム10と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40と、を備えている。IP通話システム10と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40とは、ネットワークNを介して相互に接続されている。
【0011】
IP通話システム10は、複数の通話端末11を含む。通話端末11は、音声通話を行う端末であって、ネットワークNを介して他の通話端末11と音声データの送受信を行うことで音声通話を行う機能を有する。各通話端末11には、ネットワークN上で自己を固有に識別する識別子(例えば、IPアドレス)が割り当てられている。通話端末11は、音声通話時、IP通話用のプロトコルに準拠して音声データや映像データの送受信を行う。IP通話用のプロトコルの一例は、IETF(Internet Engineering Task Force:インターネット技術タスクフォース)により標準化されRFC3261にて規定されているSIP(Session Initiation Protocol)である。
【0012】
システムマネージャー20は、通話端末11がIP通話用プロトコルに従って音声データや映像データの送受信処理を行うための制御装置である。送受信処理は、発呼等の呼制御を含む。例えば、システムマネージャー20は、SIPに準拠して呼制御を行うSIPサーバーである。システムマネージャー20には、ネットワーク上で自己を固有に識別する識別子(例えば、IPアドレス)が割り当てられている。
【0013】
監視カメラシステム40は、防犯用途等で所定のエリア(監視エリア)を監視するためのシステムであり、1つ以上の監視カメラ41とレコーダー42を含む。各監視カメラ41は、CCDやCMOS等の画像センサーで取得した映像信号から映像データを生成し、外部に送信する機能を有する。監視カメラ41は、監視カメラシステム用の伝送プロトコルに準拠して映像をストリーミング送信する。監視カメラシステム用伝送プロトコルの一例は、ONVIF(Open Network Video Interface Forum)規格に準拠したプロトコルである。各監視カメラ41には、ネットワーク上で自己を固有に識別する識別子(例えば、IPアドレス)が割り当てられている。監視カメラ41は、レコーダー42は、HDDやSSD等の記録媒体を備える録画装置であり、接続された監視カメラ41から送信される映像データを録画する機能を有する。レコーダー42は、監視カメラ41と同様に監視カメラシステム用伝送プロトコルに準拠して映像データを受信して録画する。レコーダー42には、ネットワーク上の固有の識別情報(例えば、IPアドレス)が割り当てられている。レコーダー42は、マイクを介した音声入力機能を有し、マイクから入力された音声から音声データを生成し、外部に送信する機能を有する。レコーダー42は、監視カメラシステム用伝送プロトコルに準拠して音声データを送信する。監視カメラシステム40は、VMS(Video Management System)によって統合管理されてもよい。VMSによって統合管理される場合、PC(Personal Computer)にインストールされたVMSソフトウェアによって、監視カメラ41及びレコーダー42が制御され管理される。VMSによって統合管理される場合、レコーダー42は、VMSソフトウェアがインストールされ、HDDやSSD等の記録媒体を備えるPCであってもよく、この場合、PCに備わるマイクから入力された音声の音声データを外部に送信する。
【0014】
監視カメラ41は、CPUやMPU等を含む処理部と、処理部が実行可能なコンピュータープログラムを保持するメモリーとを備える。処理部がメモリーに保持されたコンピュータープログラムを実行することにより、監視カメラ41の各種機能が実現される。メモリーに保持されるコンピュータープログラムには、イベント検知機能等、各種機能を実行するプログラム命令が含まれる。
【0015】
レコーダー42は、CPUやMPU等を含む処理部と、処理部が実行可能なコンピュータープログラムを保持するメモリーとを備える。処理部がメモリーに保持されたコンピュータープログラムを実行することにより、レコーダー42の各種機能が実現される。メモリーに保持されるコンピュータープログラムには、録画機能、イベント検知機能等、各種機能を実行するプログラム命令が含まれる。
【0016】
ネットワークNは、図2に示すように、複数のLAN(Local Area Network)と、これらを相互接続するインターネット等のWAN(Wide Area Network)を介して構成されてもよい。IP通話システム10と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40とのそれぞれがLAN上に構成され、相互接続される。このような構成において、複数のLANを跨いで、異なるIP通話システム10間で通話端末11同士の音声通話を行うなど、多様なコミュニケーションを行うことができる。IP通話システム10がLAN上で構成される場合、通話端末11は、LANを構成するルーターにイーサネットケーブルで接続され、イーサネットケーブルを介して音声データを送信するとともに、イーサネットケーブルを介してPoE(Power over Ethernet)給電されるとよい。監視カメラシステム40がLAN上で構成される場合、監視カメラ41やレコーダー42は、LANを構成するルーターにイーサネットケーブルで接続され、イーサネットケーブルを介して映像データを送受信するとともに、イーサネットケーブルを介してPoE給電されるとよい。
【0017】
以下、IP通話用プロトコルとしてSIPを用い、監視カメラシステム用伝送プロトコルとしてONVIFプロトコルを用いる例で説明する。
【0018】
通話端末11は、図3に示すように、マイク110と、スピーカー111と、カメラ112と、ディスプレイ113と、入力部114と、処理部116と、メモリー117とを備える。マイク110は、通話端末11の筐体から外側に収音方向が向けられた電気音響変換器であり、通話端末11に対して話しかける話者の音声を収音して音声信号を出力する。スピーカー111は、通話端末11の筐体から外側に放音方向が向けられた電気音響変換器であり、音声データが再生されて得た音声を出力する。カメラ112は、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサー等の撮像素子を含む撮像装置であり、通話端末11の筐体から外側であって通話端末11に対して話しかける話者の姿が映る方向に撮像方向が向けられている。カメラ112は、撮影して得て映像信号から静止画又は動画の映像データを生成して出力する。ディスプレイ113は、LCDや有機EL等の表示素子を含むディスプレイであり、その通話端末11や他の通話端末11のカメラ112で撮影した映像や、その他GUI等に係る画像を表示する。入力部114は、ボタンやスイッチ等、ユーザの操作を受け付ける入力デバイスである。入力部114とディスプレイ113とは統合されてタッチパネルを構成してもよい。通話端末11は、机上や卓上に置くタイプのものや壁掛け、壁埋め込みタイプのものなど、種々の態様を取りうる。通話端末11は、いわば、スピーカーフォン、インターフォン、インターカムと呼ばれる通話装置である。
【0019】
図4は、通話端末11の一構成を示す外観図である。通話端末11は、カメラ12、ディスプレイ113、入力部114、受話器115を有している。受話器115は、マイク110とスピーカー111とを含む。図4の通話端末11は、受話器115とは別にマイク110とスピーカー111とを含み、受話器115を本体に置いた状態であっても集音、発音が可能であり、例えば、受話器115を使わないハンズフリー通話に用いられる。
【0020】
通話端末11において、処理部116は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等を含む。メモリー117は、処理部116が実行可能なコンピュータープログラムを保持する。処理部116がメモリー117に保持されたコンピュータープログラムを実行することにより、通話端末11の各種機能が実現される。メモリー117に保持されるコンピュータープログラムには、通話機能、録画機能、イベント検知機能、AIを用いた判定機能、拡声機能、リアルタイム放送機能、録音放送機能、ダウンロード放送機能、一斉放送機能等、上述した各種機能を実行するプログラム命令が含まれる。
【0021】
(2)IP通話システム10による基本的な通話方法
基本的なSIP通話の方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0022】
システムマネージャー20は、SIPサーバー機能を有しており、呼制御を行う。システムマネージャー20は、図5A、5Bに示すように、コミュニケーションシステム1内の各端末(通話端末11、監視カメラ41等)の情報をテーブル管理している。ここで、各端末の情報とは、「IPアドレス」、及び、各端末の配置されている場所の「名称」である。
【0023】
各端末の名称は、各通話端末11の入力部114からユーザが任意に入力してもよい。
【0024】
各端末の名称は、図5Aに示すように、通話端末11とカメラ41で共通していてもよいし、図5Bに示すように、通話端末11とカメラ41とで異なっていてもよい。
【0025】
以降、「2階北」名称が付された通話端末(第1通話端末11a)を発呼元とし、「1階ロビー」名称が付された通話端末(第2通話端末11b)を発呼先とする例に基づき説明する。
【0026】
ユーザは、最初に、発呼元である「2階北」の第1通話端末11aから、「1階ロビー」の第2通話端末11bに発呼しようとして、第1通話端末11aのディスプレイ113の表示画面(図8参照)において、「1階ロビー」を選択する。ユーザの選択を受けて、第1通話端末11aは、システムマネージャー20に呼び出しを行う(S101)。第1通話端末11aの呼び出しに対して、システムマネージャー20は中継をして、「1階ロビー」にある第2通話端末11bの呼び出しを行う(S102)。第2通話端末11bが呼び出しに応じると、第1通話端末11aと第2通話端末11bの間で通話セッションが開始される(S103)。通話セッションとは、第1通話端末11aのユーザと第2通話端末11bのユーザとの間で通話を可能にするIP通話システム10の状態をいう。
【0027】
(3)IP通話システム10と監視カメラシステム40を連携利用した通信方法
本実施形態のコミュニケーションシステム1において、IP通話システム10と監視カメラシステム40を連携して利用した通信方法について、図9Aのフローチャートを用いて説明する。
【0028】
コミュニケーションシステム1の通話端末11あるいはカメラ41は、建物の複数の場所に配置されている。ここでは、通話端末11あるいはカメラ41の設置されている場所として、1階ロビーと2階北を想定する。そして、本通信方法は、「2階北」に設置されている第1通話端末11aから「1階ロビー」に設置されている第2通話端末11bに通話を行う際に、「1階ロビー」通話端末の周囲に位置する監視カメラのカメラ映像を利用する場合である。
【0029】
ユーザは、最初に、発呼元である「2階北」の第1通話端末11aから、「1階ロビー」の第2通話端末11bに発呼しようとして、第1通話端末11aのディスプレイ113の表示画面(図8参照)において、「1階ロビー」を選択する。ユーザの入力を受けて、第1通話端末11aは、システムマネージャー20に問い合わせを行う(S201)。通知を受けたシステムマネージャー20は、選択された「1階ロビー」の第2通話端末11bの周囲にありそうな監視カメラを特定し、そのカメラ41aのアドレスを第1通話端末11aに通知する(S202)。通知を受けた第1通話端末11aは、「1階ロビー」のカメラ41aに映像要求を送る(S203)。第1通話端末11aから映像を要求されたカメラ41aは、撮像中のカメラ映像を、ONVIFプロトコルを用いて、第1通話端末11aに送る(S204)。送信されたカメラ41aのオンタイムの映像は、第1通話端末11aのディスプレイ113に表示される(図10)。
【0030】
「2階北」にいるユーザは、「1階ロビー」のカメラ映像を見ながら、「1Fロビー」にいるユーザと第1、第2通話端末11a、11bを用いて通話を行う。具体的には、ユーザは、第1通話端末11aにおいて、「1階ロビー」との通話を選択する。ユーザの入力を受けて、第1通話端末11aは、システムマネージャー20に呼び出しを行う(S205)。第1通話端末11aの呼び出しに対して、システムマネージャー20は中継をして、「1階ロビー」にある第2通話端末11bの呼び出しを行う(S206)。第2通話端末11bが呼び出しに応じると、第1通話端末11aと第2通話端末11bの間で通話セッションが開始される(S207)。
【0031】
また、図5Aのように、各端末の情報を管理するテーブルにおいて、名称が「1階ロビー」のカメラ41が複数存在する場合が考えられる。この場合は、システムマネージャー20は、「1階ロビー」にある複数のカメラ41の内、1のカメラを選択しても、複数のカメラを選択してもよい。複数のカメラを選択した場合に、第1通話端末11aのディスプレイ113に表示される画像は、複数の画像を表示するために、ディスプレイ113の表示を分割したものであってもよい。
【0032】
以上の説明では、ユーザが「1階ロビー」の第2通話端末11bを選択したとき、ステップS202で、システムマネージャー20は、名称が「1階ロビー」である、カメラ41aを特定した。各端末の情報を管理するテーブルが図5Aのような場合は、このように行われる。一方、各端末の情報を管理するテーブルが図5Bのような場合は、名称が「1階ロビー」と完全に一致するカメラ41がないために、システムマネージャー20は、類似した名称で登録するカメラ41、「1階ロビー受付」のカメラ41、又は/及び、「1階ロビー西」のカメラ41を選択してもよい。
【0033】
図5Bの場合において、システムマネージャー20は、複数のカメラ41、つまり、「1階ロビー受付」のカメラ41、及び、「1階ロビー西」のカメラ41を選択してもよい。この場合に、第1通話端末11aのディスプレイ113に表示される画像は、ディスプレイ113の表示を分割したものであってもよい。
【0034】
以上、説明した通り、本実施形態のコミュニケーションシステム1は、ユーザは、通話先の様子をカメラ映像で確認してから、通話することができる。そのため、通話先の映像により、どのように通話するか判断することができる。例えば、カメラ映像で通話先に通話相手がいないときは、後で発呼しなおすと判断することができる。あるいは、通話先に多くの人がいる場合には、大きな声で話すと、判断することができる。
【0035】
ステップS207で通話セッションが開始されると、第1通話端末11aのディスプレイ113には、図11に示すように、第2通話端末111bのカメラ112の撮影したオンタイムの映像が表示される。ディスプレイ113の表示画面には、映像だけでなく、図11に示すように、ディスプレイ113の表示画面の一部に操作用、又は操作の状態を示すためのアイコンが同時に表示されていてもよい。図11で示すアイコンは、上から3つについて順に、ビデオ映像のオンオフ又は切替、通話のオンオフ、通信場所の選択画面への切り替え、を示すアイコンである。
【0036】
図12Aに示すように、ステップS207で通話セッション中の第1通話端末11aのディスプレイ113には、第2通話端末11bのカメラ112の映像だけでなく、第1通話端末11aのカメラ112の撮像した映像を同時に表示してもよい。この場合は、図12Aに示すように、第1通話端末11aの映像は、第2通話端末11bの映像よりも小さく表示される。
【0037】
また、図12Bに示すように、ステップS207で通話セッション中の第1通話端末11aのディスプレイ113には、第2通話端末11bのカメラ112の映像とともに、「1階ロビー」のカメラ41aの撮像した映像を同時に表示してもよい。この場合は、図12Bに示すように、「1階ロビー」のカメラ41aの撮像した映像は、第2通話端末11bの映像よりも小さく表示してもよい。
【0038】
また、通話セッション(S207)が開始された後、ユーザの選択によって、監視カメラ41aの映像を第1通話端末11aのディスプレイ113に表示できるようにしてもよい。通話中に、図11の第1通話端末11aのディスプレイにおいて、右上のカメラアイコンを選択すると、図10に示す、第2通話端末11bのカメラ112の映像に代えて、「1階ロビー」の監視カメラ41aの撮影したオンタイムの映像が表示されるようにしてもよい。もしくは、図12Bに示すように、第2通話端末11bのカメラ112の映像とともに、「1階ロビー」の監視カメラ41aの撮影したオンタイムの映像が表示されるようにしてもよい。このように構成することで、「2階北」に居るユーザは、「1階ロビー」の様子を見ながら、通話することができる。
【0039】
(4)変形実施形態1A
上記(3)のIP通話システム10と監視カメラシステム40との連携方法においては、ステップS201において、第1通話端末11aは、システムマネージャー20に問い合わせを行い、通知を受けたシステムマネージャー20は、監視カメラ41を特定し、第1通話端末11aに通知し(S202)、第1通話端末11aから監視カメラ41aに映像要求を送る(S203)。
【0040】
ステップS201~S203は、図9Bに示すように、S211~S212で代替してもよい。つまり、ステップS211において、第1通話端末11aは、システムマネージャー20に問い合わせを行い、通知を受けたシステムマネージャー20は、監視カメラ41aを特定し、監視カメラ41aに映像要求を送る(S212)。その後のステップS204以降は、図9Aとまったく同様である。
【0041】
(5)変形実施形態1B
上記図9A又は9Bの通信方法においては、第1通話端末11aと第2通話端末11bとの間で通話をするときに、システムマネージャー20は、第2通話端末11bの周辺の監視カメラ41aを検索し、監視カメラ41aの映像を第1通話端末11aのディスプレイ113に表示する場合について説明した。
【0042】
変形実施形態1Bは、第1通話端末11aにおいて、監視カメラ41aのオンタイム映像を表示中に、ユーザが監視カメラ41a周辺との通話を選択し、実行される場合である。変形実施形態1Bの通信方法は、フローチャート上は、図9A又は9Bの場合と同様なので、ここでは、図9Bを用いて説明する。
【0043】
ユーザは、「2階北」において、「2階北」とは離れた位置にある「1階ロビー」の監視カメラ41aの映像を、第1通話端末11aのディスプレイ113に表示する(S211、S212、S204)。ユーザは、第1通話端末11aにおいて、監視カメラ41aの映像を見ながら、その状況に応じて、「通話」ボタンを押す。そうすると、第1通話端末11aは、システムマネージャー20を呼び出す(S205)。システムマネージャー20は、監視カメラ41aの周辺の通話端末11を特定し、特定された通話端末11である第2通話端末11bを呼び出す(S206)。第2通話端末11bの周辺にいる別のユーザが呼び出しに応答すると、第1通話端末11aと第2通話端末11bとの間で、通話セッションが開始する(S207)。
【0044】
変形実施形態1Bにおいては、監視カメラ41の映像を見たユーザの呼び出しにより、監視カメラ41a周辺の第2通話端末11bが特定され、通話が可能になる。例えば、ユーザが探している人が監視カメラ41aの周辺に居るかどうかを映像で確認した上で、その人と通話を行うことができる。
【0045】
(6)変形実施形態1C
上記(3)の説明では、ユーザが「1階ロビー」の第2通話端末11bを選択したとき、ステップS202で、システムマネージャー20は、名称が「1階ロビー」である、カメラ41aを特定した。各端末の情報を管理するテーブルが図5Aのような場合は、各端末の情報を管理するテーブルの「名称」を用いて、端末の検索が可能である。また、「名称」で検索しても、付近のカメラが特定できない場合も起こりうる。システムマネージャー20は、目的とするカメラを特定するために、「名称」以外の識別子を用いてもよい。
【0046】
「名称」以外の端末の特定に用いる識別子の例としては、IPアドレスがある。IPアドレスを利用して、共通のネットワーク部を持つカメラ、又は、同じルーターに接続されているカメラを特定してもよい。
【0047】
さらに、別の例としては、システムマネージャー20は、目的とするカメラを特定するために、複数の識別子を組み合わせて用いてもよい。たとえば、「名称」と「IPアドレス」を組み合わせて用いてもよい。このようにすることによって、例えば、同一の名称「1階ロビー」として登録されているが、別のビルディングの別のロビーを指している場合、IPアドレスを組み合わせて用いることによって、より適切に、カメラ41を特定することができる。
【0048】
2.第2実施形態
(1)第2実施形態のコミュニケーションシステム1aの構成
本実施形態のコミュニケーションシステム1aは、図13に示すように、第1実施形態のコミュニケーションシステム1に加えて、拡声放送システム50を備えている。IP通話システム10と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40と、ネットワークNは、第1実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。コミュニケーションシステム1aにおいては、IP通話システム10と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40と、拡声放送システム50とは、ネットワークNを介して相互に接続されている。
【0049】
拡声放送システム50は、災害時の避難誘導やBGM等の音楽再生等の用途のため所定のエリア(拡声エリア)に設けられたシステムであり、1つ以上のIPスピーカー51を含む。各IPスピーカー51にはネットワーク上の固有の識別情報(例えば、IPアドレス)が割り当てられている。IPスピーカー51は、通話端末11と同様のIP通話用プロトコルと、レコーダー42と同様の監視カメラシステム用伝送プロトコルとに準拠して、音声データを受信して再生し拡声する機能を有する。また、拡声放送システム50は、IPスピーカー51と同一のネットワークに接続されたページングゲートウェイ52を含む。ページングゲートウェイ52には、ネットワーク上の固有の識別情報(例えば、IPアドレス)が割り当てられている。ページングゲートウェイ52は、通話端末11と同様のIP通話用プロトコルと、レコーダー42と同様の監視カメラシステム用伝送プロトコルとに準拠して、ネットワークを介して音声データを受信し、ネットワークを介してIPスピーカー51に音声データを転送する機能を有する。すなわち、ページングゲートウェイ52は、IPスピーカー51向けの音声データをいったん受け取り、IPスピーカー51に音声データを転送することで一斉同報させることができる。ページングゲートウェイ52は、マルチキャストやブロードキャストにより音声データをIPスピーカー51に転送する。IPスピーカー51は、イーサネットケーブやセルラー通信等の無線通信媒体を介してデジタル化された音声データを受信し、再生する。
【0050】
このように、コミュニケーションシステム1aにおいて、IP通話システム10と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40と、拡声放送システム50とはネットワークを介して相互接続されており、IP通話システム10の通話端末11同士で音声通話を行ったり、IP通話システム10の通話端末11から拡声放送システム50のIPスピーカー51に音声放送を行ったり、監視カメラシステム40のレコーダー42から拡声放送システムのIPスピーカー51に音声放送を行ったりすることができる。
【0051】
ネットワークNは、図2に示すように、複数のLAN(Local Area Network)と、これらを相互接続するインターネット等のWAN(Wide Area Network)を介して構成されてもよい。IP通話システム10と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40とのそれぞれがLAN上に構成され、相互接続される。このような構成において、複数のLANを跨いで、異なるIP通話システム10間で通話端末11同士の音声通話を行ったり、一方のLAN内のIP通話システム10の通話端末11から他方のLAN内の拡声放送システム50のIPスピーカーに音声放送を行ったり、一方のLAN内の監視カメラシステム40のレコーダー42から他方のLAN内の拡声放送システム50のIPスピーカー51に音声放送を行ったり、多様なコミュニケーションを行うことができる。IP通話システム10がLAN上で構成される場合、通話端末11は、LANを構成するルーターにイーサネットケーブルで接続され、イーサネットケーブルを介して音声データを送信するとともに、イーサネットケーブルを介してPoE(Power over Ethernet)給電されるとよい。監視カメラシステム40がLAN上で構成される場合、監視カメラ41やレコーダー42は、LANを構成するルーターにイーサネットケーブルで接続され、イーサネットケーブルを介して映像データを送受信するとともに、イーサネットケーブルを介してPoE給電されるとよい。拡声放送システム50がLAN上で構成される場合、IPスピーカー51やページングゲートウェイ52は、LANを構成するルーターにイーサネットケーブルで接続され、イーサネットケーブルを介して音声データを受信するとともに、イーサネットケーブルを介してPoE給電されるとよい。
【0052】
また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、システムマネージャー20は、SIPサーバー機能を有しており、呼制御を行う。システムマネージャー20は、図6に示すように、コミュニケーションシステム1内の各端末(通話端末11、IPスピーカー51、監視カメラ41等)の情報をテーブル管理している。ここで、各端末の情報とは、「IPアドレス」、及び、各端末の配置されている場所の「名称」である。
【0053】
また、第2実施形態のコミュニケーションシステム1aにおいても、拡声放送システム50を用いない通信方法については、第1実施形態のコミュニケーションシステム1と同じである。つまり、上記「1.第1実施形態」の「(2)IP通話システム10による基本的な通話方法」、「(3)IP通話システム10と監視カメラシステム40を連携利用した通信方法」、「(4)変形実施形態1A」、「(5)変形実施形態1B」、「(6)変形実施形態1C」と同じであるので、説明を省略する。
【0054】
(2)IP通話システム10と拡声放送システム50と監視カメラシステム40を連携利用した通信方法
本実施形態のコミュニケーションシステム1aにおいて、IP通話システム10と拡声放送システム50と監視カメラシステム40を連携利用した通信方法について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0055】
コミュニケーションシステム1aにおいて、ユーザが居る「2階北」には第1通話端末11aが配置され、「1Fロビー」にはIPスピーカー51aと監視カメラ41aが配置されている。そして、本通信方法は、「2階北」に設置されている第1通話端末11aから「1階ロビー」に設置されているIPスピーカー51bに拡声放送を行う際に、「1階ロビー」のIPスピーカー51aの周囲に位置する監視カメラ41aのカメラ映像を取得する場合である。
【0056】
ユーザは、最初に、発呼元である「2階北」の第1通話端末11aから、「1階ロビー」のIPスピーカー51aに拡声放送しようとして、第1通話端末11aのディスプレイ113の表示画面(図8参照)において、「1階ロビー」を選択する。ユーザの入力を受けて、第1通話端末11aは、システムマネージャー20に問い合わせを行う(S301)。通知を受けたシステムマネージャー20は、選択された「1階ロビー」IPスピーカー51aの周囲にありそうな監視カメラ41a(「1階ロビー」カメラ)を特定し、「1階ロビー」のカメラ41aのアドレスを「2階北」の第1通話端末11aに通知する。(S302)。これにより、「2階北」の第1通話端末11aから「1階ロビー」カメラに映像要求を送る(S303)。第1通話端末11aから要求されたカメラ41aは、撮像中のカメラ映像を、ONVIFプロトコルを用いて、第1通話端末11aに送る(S204)。送信されたカメラ41aの映像は第1通話端末11aのディスプレイ113に表示される。
【0057】
「2階北」にいるユーザは、「1階ロビー」のカメラ映像を見ながら、拡声放送を行う(S307)。
【0058】
以上に説明した通り、本実施形態のコミュニケーションシステムにおいては、ユーザは、通話先の様子をカメラ映像で確認してから、どのように拡声放送するか判断することができる。例えば、カメラ映像で通話先に通話相手がいないときは、拡声放送しないと判断することができる。あるいは、拡声放送先に多くの人がいる場合には、大きな音量で拡声放送するとの判断をすることができる。
【0059】
(3)変形実施形態2A
上記(2)のIP通話システム10と拡声放送システム50と監視カメラシステム40との連携方法においては、ステップS301において、第1通話端末11aは、システムマネージャー20に問い合わせを行い、通知を受けたシステムマネージャー20は、監視カメラ41を特定し、第1通話端末11aに通知し(S302)、第1通話端末11aから監視カメラ41aに映像要求を送る(S203)。
【0060】
変形実施形態2Aの通信方法においては、図15に示すように、ステップS311において、第1通話端末11aは、システムマネージャー20に問い合わせを行い、通知を受けたシステムマネージャー20は、監視カメラ41を特定し、監視カメラ41aに映像要求を送る(S312)。その後のステップS304以降は、図14の通信方法とまったく同様である。
【0061】
(4)変形実施形態2B
上記図14又は図15の通信方法においては、第1通話端末11aからIPスピーカー51aに拡声放送をするときに、システムマネージャー20は、IPスピーカー51aの周辺の監視カメラ41aを検索し、監視カメラ41aの映像を第1通話端末11aのディスプレイ113に表示する場合について説明した。
【0062】
変形実施形態2Bは、第1通話端末11aにおいて、監視カメラ41aのオンタイム映像を表示中に、ユーザが監視カメラ41a周辺への拡声放送を選択し、実行される場合である。変形実施形態2Bの通信方法は、フローチャート上は、図14、又は図15の場合と同様なので、ここでは、図15を用いて説明する。
【0063】
ユーザは、「2階北」において、「2階北」とは離れた位置にある「1階ロビー」の監視カメラ41aの映像を、第1通話端末11aのディスプレイ113に表示する(S311、S312、S304)。ユーザは、第1通話端末11aにおいて、監視カメラ41aの映像を見ながら、その状況に応じて、「放送」ボタンを押す。そうすると、第1通話端末11aは、システムマネージャー20を呼び出す(S305)。システムマネージャー20は、監視カメラ41aの周辺のIPスピーカー51aを特定し、特定されたIPスピーカーであるIPスピーカー51aを呼び出す(S306)。このように、第1通話端末11aから、IPスピーカー51aに対して拡声放送が可能になる。
【0064】
変形実施形態2Bにおいては、監視カメラ41の映像を見たユーザの指定により、監視カメラ41a周辺のIPスピーカー51aが特定され、拡声放送が可能になる。例えば、ユーザが探している人達が監視カメラ41aの周辺に居るかどうかを映像で確認した上で、その人達に拡声放送を行うことができる。
【0065】
なお、以上では、ユーザが「放送」ボタンを押したとき、システムマネージャー20が、IPスピーカー51aを指定して、放送を実行する場合について説明した。システムマネージャー20は、「1階ロビー」にある複数のIPスピーカー51を指定して、放送を実行してもよい。また、IPスピーカー51aの代わりに、「1階ロビー」にある第2通話端末11bを指定して、放送を実行してもよい。たとえば、「1階ロビー」に、IPスピーカー51が無い場合に有効である。また、システムマネージャー20が、「1階ロビー」にある単数又は複数のIPスピーカー51、及び、単数又は複数の通話端末11を指定して、放送を実行してもよい。
【0066】
3.第1、第2実施形態の特徴
(1)コミュニケーションシステム1は、IP通話システム10と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40と、を備えている。IP通話システム10は、複数の通話端末11を含んでいる。通話端末11は、IPネットワークNに接続される。通話端末11は、マイク110とスピーカー111とディスプレイ113とを有する。システムマネージャー20は、IPネットワークNに独立に接続されている。システムマネージャー20は、複数の通話端末11間の通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を制御する。監視カメラシステム40は、IPネットワークNに接続された監視カメラ41を含む。
【0067】
通話端末11は、監視カメラ41の撮像する映像を通話端末11のディスプレイ113に表示可能である。
【0068】
コミュニケーションシステム1の通話用プロトコルは、SIPプロトコルであってもよい。
【0069】
第1通話端末11aから、他の場所にある第2通話端末11bを選択して呼び出すとき(S201)、システムマネージャー20は、第2通話端末11bの周辺に配置され、かつ、監視カメラシステム40に属する1の監視カメラ41aを特定し(S202)、特定した監視カメラ41aの取得する映像を、第1通話端末11aのディスプレイに表示する(S203、S204)。この後、第1通話端末11aを利用するユーザは、第2通話端末11b周辺の監視カメラ41aの映像を見ながら、第2通話端末11bと通話を行うことができる(S205~S207)。
【0070】
コミュニケーションシステム1においては、ユーザは通話先の様子を監視カメラの映像で確認してから、どのように通話するか判断することができる。例えば、カメラ映像で通話先に通話相手がいないときは、後で発呼しなおすと判断することができる。あるいは、通話先に多くの人がいる場合には、大きな声で話すと、判断することができる。
【0071】
(2)コミュニケーションシステム1は、第1通話端末11aのディスプレイ113に、監視カメラ41aの撮像中の映像を表示しているときに、第1通話端末11aから呼び出しすると、システムマネージャー20は、監視カメラ41aの周辺に配置された、他の通話端末を特定し、特定した通話端末(第2通話端末11b)と第1通話端末とで通話できるようにしてもよい。
【0072】
コミュニケーションシステム1をこのように活用することにより、監視カメラ41aの映像を見たユーザの呼び出しにより、監視カメラ41a周辺の第2通話端末11bが特定され、通話が可能になる。例えば、ユーザは、ユーザが探している人が監視カメラ41aの周辺に居るかどうかを映像で確認した上で、その人と通話を行うことができる。
【0073】
(3)コミュニケーションシステム1aは、IP通話システム10と、拡声放送システム50と、システムマネージャー20と、監視カメラシステム40と、を備えている。IP通話システム10は、複数の通話端末11を含んでいる。通話端末11は、IPネットワークNに接続される。通話端末11は、マイク110とスピーカー111とディスプレイ113とを有する。システムマネージャー20は、IPネットワークNに独立に接続されている。拡声放送システム50は、IPスピーカー51を含む。IPスピーカー51は、ネットワークNに接続され、通話プロトコルを用いた音声データの受信が可能である。システムマネージャー20は、複数の通話端末11間の通話用プロトコルを用いた音声データ及び映像データの送受信処理を制御する。監視カメラシステム40は、IPネットワークNに接続された監視カメラ41を含む。
【0074】
通話端末11は、監視カメラ41の撮像する映像を通話端末11のディスプレイ113に表示可能である。
【0075】
コミュニケーションシステム1aの通話用プロトコルは、SIPプロトコルであってもよい。
【0076】
第1通話端末11aから、他の場所にあるIPスピーカー51aを選択して呼び出すとき(S301)、システムマネージャー20は、IPスピーカー51aの周辺に配置され、かつ、監視カメラシステム40に属する1の監視カメラ41aを特定し(S302)、特定した監視カメラ41aの取得する映像を、第1通話端末11aのディスプレイに表示する(S203、S204)。この後、第1通話端末11aを利用するユーザは、第2通話端末11b周辺の監視カメラ41aの映像を見ながら、IPスピーカー51aに拡声放送を行うことができる(S205~S207)。
【0077】
コミュニケーションシステム1aは、通話先の様子を監視カメラの映像で確認してから、どのように拡声放送するか判断することができる。例えば、カメラ映像で通話先に拡声放送対象の人がいないときは、後で拡声放送しなおすと判断することができる。あるいは、拡声放送先に多くの人がいる場合には、大きな声で話すと、判断することができる。
【0078】
(4)コミュニケーションシステム1aは、第1通話端末11aのディスプレイ113に、監視カメラ41aの撮像中の映像を表示しているときに、ユーザが第1通話端末11aにおいて放送を選択すると、第1通話端末11aは、システムマネージャー20を呼び出し、システムマネージャー20は、監視カメラ41aの周辺に配置された、IPスピーカー51aを特定し、特定したIPスピーカー51aに対して拡声放送してもよい。
【0079】
コミュニケーションシステム1aをこのように活用することにより、監視カメラ41aの映像を見たユーザの呼び出しにより、監視カメラ41a周辺のIPスピーカー51aが特定され、拡声放送が可能になる。例えば、ユーザが探している人が監視カメラ41aの周辺に居るかどうかを映像で確認した上で、ユーザはその人に拡声放送を行うことができる。
【0080】
4.その他の実施形態
以上は、ユーザが特定したカメラの名称が、システムマネージャー20が持つテーブルにおけるカメラの名称と、完全に同一である場合について説明した。両者は、完全に一致せずに、部分一致であってもよい。
【0081】
以上においては、ユーザの選択に応じて、システムマネージャー20は、1台のカメラを特定する例を示した。システムマネージャー20は、複数台のカメラを特定してもよい。
【0082】
以上においては、ユーザが入力部から入力して設定した名称に基づき、システムマネージャー20は、その名称に近そうなカメラを特定した。システムマネージャー20は、「名称」以外の識別子を用いて、カメラを特定してもよい。識別子としては、IPアドレスを用いてもよい。複数のルーターによって複数のLANに分けられている場合や、スイッチ(L2スイッチ、L3スイッチ)によって仮想的に複数のLANに分けられている場合、通話端末とカメラの機器識別子の共通度に基づき通話端末と同一のLANに接続されているカメラ(=近そうなカメラ)を特定してもよい。たとえば、各機器の識別子がIPアドレスである場合、各機器のIPアドレスのネットワーク部を見れば各機器の設置場所が推定できる。すなわち、同一のネットワーク部を持つ機器は、同じネットワークN1に属すると判断できる。例えば、IPアドレスが192.168.1.1と192.168.1.8は同じネットワーク、192.168.2.2と192.168.2.4とは同じネットワークと判断できる。
【0083】
さらに、ユーザが入力部から入力して設定した名称と、システムマネージャー20が持つテーブルにおけるカメラの名称との一致度に基づく特定と、機器識別子の共通度に基づく特定とを、組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1、1a コミュニケーションシステム
10 IP通話システム
11 通話端末
11a 第1通話端末
11b 第2通話端末
113 (通話端末の)ディスプレイ
20 システムマネージャー
40 監視カメラシステム
41 監視カメラ
42 レコーダー
50 拡声放送システム
51 IPスピーカー
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15