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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154270
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】ランドリシステム
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/60 20200101AFI20231012BHJP
   D06F 34/04 20200101ALI20231012BHJP
   D06F 34/16 20200101ALI20231012BHJP
   D06F 34/18 20200101ALI20231012BHJP
【FI】
D06F33/60
D06F34/04
D06F34/16
D06F34/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063495
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(74)【代理人】
【識別番号】100129377
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 耕司
(72)【発明者】
【氏名】大橋 成幸
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA01
3B167AA02
3B167AA11
3B167AA12
3B167AC21
3B167AE01
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE11
3B167AE12
3B167AE13
3B167BA15
3B167BA91
3B167BA92
3B167JA31
3B167JB01
3B167KA02
3B167KA10
3B167KA52
3B167KA71
3B167KB01
3B167KB16
3B167LA23
3B167LA38
3B167LB15
3B167LC02
3B167LD03
3B167LD12
3B167LE02
3B167LF06
3B167LF07
3B167LG11
3B167MA01
3B167MA07
3B167MA13
(57)【要約】
【課題】ランドリ装置の運転がエラーとして途中で強制的に中止されるのを抑制する。
【解決手段】本発明のランドリシステムは、ランドリ装置と、ランドリ装置との間で互いに情報を通信可能に接続される情報記憶装置とを備え、情報記憶装置は、ランドリ装置に関する情報を記憶する情報記憶手段と、ランドリ装置から送信された問い合わせ情報を受信するとともに、その問い合わせ情報に対応する適正情報をランドリ装置に送信する送受信手段と、送受信手段によりランドリ装置からの問い合わせ情報を受信した場合に、その問い合わせ情報に対応する適正情報を情報記憶手段に記憶された情報のなかから抽出する情報抽出手段とを有し、ランドリ装置は、問い合わせ情報を情報記憶装置に送信するとともに、情報記憶装置から適正情報を受信する送受信手段と、送受信手段により情報記憶装置からの適正情報を受信した場合に、その適正情報に基づいてランドリ装置を制御する制御手段とを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドリ装置と、前記ランドリ装置との間で互いに情報を通信可能に接続される情報記憶装置とを備え、
前記情報記憶装置は、
前記ランドリ装置に関する情報を記憶する情報記憶手段と、
前記ランドリ装置から送信された問い合わせ情報を受信するとともに、その問い合わせ情報に対応する適正情報を前記ランドリ装置に送信する送受信手段と、
前記送受信手段により前記ランドリ装置からの問い合わせ情報を受信した場合に、その問い合わせ情報に対応する適正情報を前記情報記憶手段に記憶された情報のなかから抽出する情報抽出手段とを有し、
前記ランドリ装置は、
問い合わせ情報を前記情報記憶装置に送信するとともに、前記情報記憶装置から適正情報を受信する送受信手段と、
前記送受信手段により前記情報記憶装置からの適正情報を受信した場合に、その適正情報に基づいて前記ランドリ装置を制御する制御手段とを有していることを特徴とするランドリシステム。
【請求項2】
前記問い合わせ情報は、前記ランドリ装置の品番、運転コース、給水前の衣類の重量および容積、現在の給水運転時間、脱水前の衣類の重量および容積、現在の脱水運転時間、現在の脱水回転数の少なくとも1つの項目を含む情報であることを特徴とする請求項1に記載のランドリシステム。
【請求項3】
前記情報抽出手段が問い合わせ情報に対応する適正情報を前記情報記憶手段に記憶された情報のなかから抽出する際に、問い合わせ情報に含まれる複数の項目のなかで優先する項目が設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のランドリシステム。
【請求項4】
前記情報記憶手段は、前記送受信手段により前記ランドリ装置からの問い合わせ情報を受信した場合に、その問い合わせ情報を記憶することを特徴とする請求項1または2に記載のランドリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複数のランドリ装置が設置されるコインランドリ店舗において使用されるランドリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
衣類脱水装置などのランドリ装置において衣類を脱水する場合、水分を含んだ衣類を投入した脱水槽を回転させて行うが、脱水にかかる時間を短くするために脱水槽が高速で回転させることが一般的である。その際、ランドリ装置では、脱水槽の回転数を段階的に上昇させるものが多い。そのため、このようなランドリ装置では、脱水工程を開始した後、どの程度の時間が経過したときに脱水槽の回転数をどのように上昇させるかが設定されたプログラムが予め記憶されている。
【0003】
例えば特許文献1には、ドラム式洗濯機の脱水工程におけるドラムの回転数の変化例(図14参照)が説明されている。まず、ドラム式洗濯機の中央制御部は、ドラムの共振点である約300rpmよりも低い180rpmまでドラムの回転数を上昇させる。引き続き、中央制御部は、ドラムの回転数が400rpmに至るまで毎秒20rpmずつドラムの回転数を上昇させた後、ドラムの回転数が600rpmに至るまで毎秒5rpmずつドラムの回転数を上昇させる。その後、中央制御部は、ドラムの回転数が800rpmに至るまで回転数を毎秒20rpmずつ上昇させて、ドラムの回転数が脱水定常回転数である800rpmまで到達すると、そのまま脱水工程を継続し、予め定められた時間が経過したことを確認した後に脱水を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-23625
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脱水時に脱水槽内で衣類が偏った場合には、振動や騒音が発生するとともに、回転軸に負荷がかかり回転軸が変形、破壊する可能性がある。そのため、脱水工程において衣類の偏りを検知して脱水槽の回転数を増減させることが必要であるが、衣類の偏りが発生する条件は、衣類の組み合わせ及び量などに応じて無数である。
【0006】
これに対して、コインランドリ店舗に設置されるランドリ装置において、脱水槽の回転数は、脱水槽内の衣類の組み合わせ及び量などが考慮されることなく、そのランドリ装置に対して予め設定されたプログラムにしたがって、脱水工程における脱水槽の回転数が制御される。そのため、脱水槽内で衣類の偏りが発生して、予め設定されたプログラムにより脱水工程を継続できない場合、ランドリ装置は、エラーとして脱水途中で強制的に停止するようになっている。
【0007】
ランドリ装置がエラーとして強制的に停止された場合、手動により脱水槽内の衣類をほぐした後で脱水運転を再開する必要がある。しかしながら、コインランドリ店舗に設置されたランドリ装置を使用するユーザには、運転を開始した後、店舗を離れて運転終了予定時刻に戻ってくるユーザが多い。仮に、ユーザが店舗に戻ってきたときに、ランドリ装置がエラーで停止していると、ユーザの予定に狂いが生じて不便をかけることになる。
【0008】
このような問題は、ランドリ装置において脱水運転が途中で中止される場合に限らず、ランドリ装置において脱水運転以外の運転が途中で中止される場合にも同様に発生する。そのため、ランドリ装置が運転を開始した後、その運転が途中で中止されることなく最後まで実施されることが望ましい。
【0009】
そこで、本発明は、ランドリ装置での運転が途中で中止されるのを抑制可能なランドリシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明のランドリシステムは、ランドリ装置と、前記ランドリ装置との間で互いに情報を通信可能に接続される情報記憶装置とを備え、前記情報記憶装置は、前記ランドリ装置に関する情報を記憶する情報記憶手段と、前記ランドリ装置から送信された問い合わせ情報を受信するとともに、その問い合わせ情報に対応する適正情報を前記ランドリ装置に送信する送受信手段と、前記送受信手段により前記ランドリ装置からの問い合わせ情報を受信した場合に、その問い合わせ情報に対応する適正情報を前記情報記憶手段に記憶された情報のなかから抽出する情報抽出手段とを有し、前記ランドリ装置は、問い合わせ情報を前記情報記憶装置に送信するとともに、前記情報記憶装置から適正情報を受信する送受信手段と、前記送受信手段により前記情報記憶装置からの適正情報を受信した場合に、その適正情報に基づいて前記ランドリ装置を制御する制御手段とを有していることを特徴とする。
【0011】
本発明のランドリシステムにおいて、前記問い合わせ情報は、前記ランドリ装置の品番、運転コース、給水前の衣類の重量および容積、現在の給水運転時間、脱水前の衣類の重量および容積、現在の脱水運転時間、現在の脱水回転数の少なくとも1つの項目を含む情報であることが好適である。
【0012】
本発明のランドリシステムにおいて、前記情報抽出手段が問い合わせ情報に対応する適正情報を前記情報記憶手段に記憶された情報のなかから抽出する際に、問い合わせ情報に含まれる複数の項目のなかで優先する項目が設定されていることが好適である。
【0013】
本発明のランドリシステムにおいて、前記情報記憶手段は、前記送受信手段により前記ランドリ装置からの問い合わせ情報を受信した場合に、その問い合わせ情報を記憶することが好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のランドリシステムでは、ランドリ装置から情報記憶装置に問い合わせ情報を送信すると、その問い合わせ情報に対応する適正情報が情報記憶装置において情報記憶手段に記憶された情報のなかから抽出されて、その適正情報がランドリ装置に送信される。その適正情報は、それぞれの条件において運転を継続可能なパラメータの情報であり、その適正情報によりランドリ装置を制御することにより、ランドリ装置の運転がエラーとして途中で強制的に中止されるのを抑制することができる。
【0015】
本発明のランドリシステムでは、問い合わせ情報がランドリ装置の品番などの項目を含んでいるため、ランドリ装置の運転条件などに基づいて適正情報を正確に抽出することができる。
【0016】
本発明のランドリシステムでは、情報抽出手段が情報記憶手段に記憶された情報のなかから問い合わせ情報に対応する適正情報を抽出する際に、より適切な適正情報を抽出することができる。
【0017】
本発明のランドリシステムでは、ランドリ装置からの問い合わせ情報を記憶することにより、情報記憶装置において種々の運転条件における情報を記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態のランドリシステム100の構成を示す図である。
図2図1のランドリ装置1の斜視図である。
図3図1のランドリ装置1の構成を示す側面断面図である。
図4図1のランドリシステム100の制御ブロック図である。
図5図1の情報記憶装置Cに記憶されている情報を示す図である。
図6】ランドリシステム100で洗濯運転が行われる際の手順を示すフローチャートである。
図7】ランドリシステム100で脱水運転が行われる際の手順を示すフローチャートである。
図8】ランドリシステム100で脱水運転が行われる際の手順を示すフローチャートである。
図9】ランドリシステム100で脱水運転が行われる際の手順を示すフローチャートである。
図10】ランドリシステム100で脱水運転が行われる際の手順を示すフローチャートである。
図11】ランドリシステム100で脱水運転が行われる際の手順を示すフローチャートである。
図12】情報記憶装置Cにおいて適正情報の抽出方法を説明する図である。
図13】情報記憶装置Cにおいて適正情報の抽出方法を説明する図である。
図14】従来のドラム式洗濯機の脱水工程におけるドラムの回転数の変化例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態であるランドリシステム100について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態のランドリシステム100の構成を示す図である。図2は、図1のランドリ装置1の斜視図である。図3は、図1のランドリ装置1の構成を示す側面断面図である。
【0020】
本実施形態のランドリシステム100は、例えばコインランドリ店舗で使用されるものである。ランドリシステム100は、図1に示すように、複数のランドリ装置1と、複数のランドリ装置1との間で互いに情報を通信可能に接続される情報記憶装置Cとを有している。情報記憶装置Cは、上位機器60aと、データベース65とを有している。
【0021】
本実施形態のランドリ装置1は、例えばドラム式洗濯機、ドラム式洗濯乾燥機、ドラム式乾燥機、縦型洗濯機、縦型洗濯乾燥機など、機器の種類は問わないが、以下の説明では、ランドリ装置1が「ドラム式洗濯機」である場合について説明する。
【0022】
ランドリ装置1(以下、「ドラム式洗濯機1」と称する場合がある)は、洗い工程、濯ぎ工程及び脱水工程の順に運転が実施されるドラム式洗濯機である。ドラム式洗濯機1は、図2及び図3に示すように、箱形状の筐体1aを有しており、筐体1aの内部には、略円筒形状の内周面を有する外槽2が配置され、外槽2の内部には、洗濯物を収容するための略円筒形状の内周面を有するドラム3が前後方向に延伸する主軸5により軸支されている。ドラム3は、水平軸を回転軸として回転可能である。
【0023】
筐体1aの前面には、使用者が操作するための操作部1cと、ドラム3の前端に形成された開口3aと対向する衣類投入口6が形成される。筐体1aには、衣類投入口6を開閉するドア8が設けられており、衣類投入口6は、ドア8により開閉され、ドア8が開放された状態でドラム3内に洗濯物の出し入れが可能となっている。
【0024】
ドラム3の内周面には、ドラム3内に突出するように複数のバッフル3bが設けられている。バッフル3bは、ドラム3に収容された洗濯物を持ち上げるための中空形状の突起であり、例えば、洗い工程時において、ドラム3が後述するモータ11の駆動力によって回転されると、ドラム3内の水を含んだ洗濯物がバッフル3bにより持ち上げられ自然落下される、いわゆる叩き洗いが行われる。
【0025】
ドラム3の内周面(バッフル3bが設けられていない部分)には、多数の通水孔3cが穿設されており、洗浄や濯ぎ時において、外槽2内に供給された水は、通水孔3cを通してドラム3内へ流入するとともに通水孔3cを通して外槽2側へ流出する。また、遠心脱水時において、ドラム3内で洗濯物から吐き出された水は、この通水孔3cを通して外槽2側へと飛散する。
【0026】
主軸5は、外槽2の背面壁に装着された軸受5aによって回転自在に支承され、さらに後方に突出した主軸5の先端には、主プーリ10が取り付けられている。筐体2の底部には、モータ11が設置され、モータ11の回転軸には、モータプーリ12が取り付けられており、モータプーリ12の回転動力は、タイミングベルト16を介して主プーリ10に伝達される。これにより、モータ11が駆動されると、ドラム3が主軸5を中心に回転する。
【0027】
外槽2の背面壁の上部には、途中に給水バルブ20aが設けられた給水管20が接続されており、給水バルブ20aが開放されると、外部から供給される水が給水管20を介して外槽2へと供給される。外槽2の底部に設けられた排水口には、途中に排水バルブ21aが設けられた排水管21が接続されており、排水バルブ21aが開放されると、外槽2内の水が排水管21を通して機外へと排出される。
【0028】
図4は、ランドリシステム100の制御ブロック図である。ドラム式洗濯機1の制御部50は、図4に示すように、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、ドラム式洗濯機1の動作を制御するプログラムが格納されたROMと、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶されるRAMとを備えている。ドラム式洗濯機1の運転動作は、この制御部50によって制御される。
【0029】
ドラム式洗濯機1の制御部50は、送受信部51を有している。そのため、ドラム式洗濯機1の送受信部51は、情報記憶装置Cに対して情報を送信可能であるとともに、情報記憶装置Cから情報を受信可能である。また、制御部50には、操作部1cと、給水バルブ20aと、排水バルブ21aと、モータ11と、圧力センサ31と、光センサ32と、加速度センサ33とが接続されている。
【0030】
圧力センサ31は、ドラム式洗濯機1においてドラム3内にある衣類の重量を測定するためのセンサである。光センサ32は、ドラム式洗濯機1においてドラム3内にある衣類の容積を測定するためのセンサである。加速度センサ33、ドラム式洗濯機1においてドラム3内にある衣類の偏りを測定するためのセンサである。
【0031】
情報記憶装置Cに含まれる上位機器60aの制御部60は、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、情報記憶装置Cの動作を制御するプログラムが格納されたROMと、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶されるRAMとを備えている。情報記憶装置Cの動作は、この制御部60によって制御される。
【0032】
制御部60は、送受信部61と、情報抽出部62と有し、情報記憶手段としてのデータベース65に接続されている。そのため、情報記憶装置Cの送受信部61は、ドラム式洗濯機1から情報を受信可能であるとともに、ドラム式洗濯機1に対して情報を送信可能である。
【0033】
情報抽出部62は、ドラム式洗濯機1から問い合わせ情報を受信した場合に、その問い合わせ情報に対応する適正情報をデータベース65に記憶された情報のなかから抽出する。本実施形態において、情報抽出部62は、問い合わせ情報に含まれる運転状態において適正に運転されていた際の情報(例えば、ドラム3の最適回転数など)が、データベース65に記憶された情報のなかから抽出する。
【0034】
データベース65は、ドラム式洗濯機1の運転状態についての種々の情報を記憶している。データベース65に記憶されている情報としては、図5に示すように、例えばドラム式洗濯機の品番、その槽容量、運転コース、洗濯運転について給水前の衣類重量、衣類容積、給水時間、脱水運転について脱水前の衣類重量、衣類容積、脱水中について現在の脱水時間、現在の脱水回転数、最適回転数、偏り検知(偏り無しまたは偏り有り)、データベース65に登録された登録日時などの情報が含まれている。
【0035】
(洗濯運転)
ドラム式洗濯機1において洗濯運転を行う際の手順について、図6に基づいて説明する。
【0036】
<ステップS1>
ステップS1において、制御部50は、洗濯運転を開始する。
【0037】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部50は、ドラム3が回転していない状態でドラム3内に投入された給水前の衣類の重量と容積を計測して記録する。
【0038】
<ステップS3>
ステップS3において、制御部50は、給水時間の計測を開始する。
【0039】
<ステップS4>
ステップS4において、制御部50は、給水バルブ21aを開いて給水を開始する。
【0040】
<ステップS5>
ステップS5において、制御部50は、給水量が設定水位に到達したか否かを判定する。なお、設定水位としては、ドラム3内に投入された衣類の重量と容積に応じた設定水位が予め設定されている。
【0041】
<ステップS6>
ステップS6において、制御部50により給水量が設定水位に到達したと判定すると、制御部50は、給水バルブ21aを閉じて給水を停止する。
【0042】
<ステップS7>
ステップS7において、制御部50は、現在の給水運転時間を取得する。
【0043】
<ステップS8>
ステップS8において、制御部50は、洗濯運転を実施する。
【0044】
なお、ドラム式洗濯機1の上位機器である情報記録装置Cは、ドラム式洗濯機1において洗濯運転が行われている間、常に稼働状態にある。
【0045】
(脱水運転)
ドラム式洗濯機1において脱水運転を行う際の手順について、図7図11に基づいて説明する。なお、ドラム式洗濯機1において脱水運転が行われている間、情報記録装置Cは、常に稼働状態にある。
【0046】
<ステップS11>
ステップS11において、制御部50は、脱水運転を開始する。
【0047】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部50は、脱水運転時間の計測を開始する。
【0048】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部50は、ドラム3が回転していない状態で、ドラム3内に投入された脱水前の衣類の重量と容積を計測して記録する。
【0049】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部50は、現在の脱水運転時間を取得する。
【0050】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部50は、本機器で洗濯運転を実施した後の脱水か否かを判定する。制御部50により本機器で洗濯運転を実施した後の脱水でないと判定されると、ステップS16に進む。制御部50により本機器で洗濯運転を実施した後の脱水であると判定されると、ステップS17に進む。
【0051】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部50は、脱水運転を実施している機器の品番、運転コース、ステップS13で得られた衣類の重量と容積、および、ステップS14で得られた現在の脱水運転時間を含む問い合わせ情報を情報記憶装置Cに送信する。その後、ステップS18に進む。
【0052】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部50は、脱水運転を実施している機器の品番、運転コース、ステップS2で得られた衣類の重量と容積、ステップS7で得られた現在の給水運転時間、ステップS13で得られた衣類の重量と容積、および、ステップS14で得られた現在の脱水運転時間を含む問い合わせ情報を情報記憶装置Cに送信する。その後、ステップS18に進む。
【0053】
<ステップS18>
ステップS18において、情報記録装置Cの制御部60は、ドラム式洗濯機1から送信された問い合わせ情報を受信する。
【0054】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部60は、データベース65に記憶された情報のなかから、ドラム式洗濯機1から送信された問い合わせ情報に対応した最適値があるか否かを判定する。制御部60により問い合わせ情報に対応した最適値があると判定されると、ステップS20に進む。制御部60により問い合わせ情報に対応した最適値がないと判定されると、ステップS21に進む。
【0055】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部60は、問い合わせ情報に対応した最適値を含む適正情報をドラム式洗濯機1に送信する。その後、ステップS22に進む。
【0056】
<ステップS21>
ステップS21において、制御部60は、問い合わせ情報に対応した最適値がないことを含む適正情報をドラム式洗濯機1に送信する。その後、ステップS22に進む。
【0057】
<ステップS22>
ステップS22において、ドラム式洗濯機1の制御部50は、情報記憶装置Cから送信された適正情報を受信する。
【0058】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部50は、問い合わせ情報に対応した最適値が情報記憶装置Cから送信された否かを判定する。制御部50により問い合わせ情報に対応した最適値が送信されていないと判定されると、ステップS24に進む。制御部50により問い合わせ情報に対応した最適値が送信されたと判定されると、ステップS25に進む。
【0059】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部50は、予め設定されているプログラムに基づいてドラム3の目標回転数を設定する。その後、ステップS26に進む。なお、制御部50には、脱水工程においてドラム3の回転数を段階的に上昇させるプログラム(図14参照)が予め記憶されている。
【0060】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部50は、情報記憶装置Cから受信した最適値に基づいてドラム3の目標回転数を設定する。その後、ステップS26に進む。
【0061】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部50は、ステップS24またはS25で設定した目標回転数に基づいて、ドラム3の回転を開始する。その後、ステップS27に進む。
【0062】
<ステップS27>
ステップS27において、制御部50は、脱水運転終了時間に到達したか否かを判定する。制御部50により脱水運転終了時間に到達していないと判定されると、ステップS28に進む。制御部50により脱水運転終了時間に到達したと判定されると、ステップS50に進む。
【0063】
<ステップS28>
ステップS28において、制御部50は、ドラム3内の衣類の偏りを検知したか否かを判定する。制御部50によりドラム3内の衣類の偏りを検知していないと判定されると、ステップS29に進む。制御部50によりドラム3内の衣類の偏りを検知したと判定されると、ステップS30に進む。
【0064】
<ステップS29>
ステップS29において、制御部50は、所定の時間が経過したか否かを判定する。制御部50により所定の時間が経過したと判定されると、ステップS30に進む。制御部50により所定の時間が経過していないと判定されると、ステップS27に進む。
【0065】
<ステップS30>
ステップS30において、制御部50は、現在の脱水運転時間と、現在の脱水回転数を取得する。
【0066】
<ステップS31>
ステップS31において、制御部50は、本機器で洗濯運転を実施した後の脱水か否かを判定する。制御部50により本機器で洗濯運転を実施した後の脱水でないと判定されると、ステップS32に進む。制御部50により本機器で洗濯運転を実施した後の脱水であると判定されると、ステップS33に進む。
【0067】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部50は、脱水運転を実施している機器の品番、運転コース、ドラム3内の衣類の偏り有無、ステップS13で得られた衣類の重量と容積、および、ステップS30で得られた現在の脱水運転時間と現在の脱水回転数を含む問い合わせ情報を情報記憶装置Cに送信する。その後、ステップS34に進む。
【0068】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部50は、脱水運転を実施している機器の品番、運転コース、ドラム3内の衣類の偏り有無、ステップS2で得られた衣類の重量と容積、ステップS7で得られた現在の給水運転時間、ステップS13で得られた衣類の重量と容積、および、ステップS30で得られた現在の脱水運転時間と現在の脱水回転数を含む問い合わせ情報を情報記憶装置Cに送信する。その後、ステップS34に進む。
【0069】
<ステップS34>
ステップS34において、情報記録装置Cの制御部60は、ドラム式洗濯機1から送信された問い合わせ情報を受信して、データベース65に記憶する。すなわち、情報記録装置Cは、ドラム式洗濯機1からの問い合わせ情報として衣類の偏り有りを検知したデータを受信した場合、その問い合わせ情報を衣類の偏り有りの情報としてデータベース65に記憶された情報に追加する。また、情報記録装置Cは、ドラム式洗濯機1からの問い合わせ情報として衣類の偏り無しを検知したデータを受信した場合、その問い合わせ情報を衣類の偏り無しの情報としてデータベース65に記憶された情報に追加する。
【0070】
<ステップS35>
ステップS35において、制御部60は、ドラム式洗濯機1から送信された問い合わせ情報が衣類の偏り有りの情報であったか否かを判定する。制御部60により問い合わせ情報が衣類の偏り有りの情報であったと判定されると、ステップS36に進む。制御部60により問い合わせ情報が衣類の偏り無しの情報であったと判定されると、ステップS37に進む。
【0071】
<ステップS36>
ステップS36において、制御部60は、データベース65に記憶された情報のなかから、ドラム式洗濯機1から送信された問い合わせ情報に対応した最適値があるか否かを判定する。制御部60により問い合わせ情報に対応した最適値があると判定された場合、問い合わせ情報に対応した最適値を含む適正情報をドラム式洗濯機1に送信する。制御部60により問い合わせ情報に対応した最適値がないと判定されると、問い合わせ情報に対応した最適値がないことを含む適正情報をドラム式洗濯機1に送信する。その後、ステップS38に進む。
【0072】
<ステップS37>
ステップS37において、中央制御部60は、衣類の偏り無しの情報をデータベース65に記憶された情報に追加したことを通知する情報をドラム式洗濯機1に送信する。その後、ステップS38に進む。
【0073】
<ステップS38>
ステップS38において、ドラム式洗濯機1の制御部50は、情報記憶装置Cから送信された適正情報を受信する。
【0074】
<ステップS39>
ステップS39において、制御部50は、情報記憶装置Cから送信された情報が、衣類の偏り無しの情報をデータベース65に記憶したことの通知であるか否かを判定する。制御部50により衣類の偏り無しの情報をデータベース65に記憶したことの通知であると判定されると、ステップS43に進む。制御部50により情報記憶装置Cから送信された情報が、衣類の偏り有りの情報であった(衣類の偏り無しの情報をデータベース65に記憶したことの通知でなかった)と判定されると、ステップS40に進む。
【0075】
<ステップS40>
ステップS40において、制御部50は、問い合わせ情報に対応した最適値が情報記憶装置Cから送信された否かを判定する。制御部50により問い合わせ情報に対応した最適値が送信されていないと判定されると、ステップS41に進む。制御部50により問い合わせ情報に対応した最適値が送信されたと判定されると、ステップS42に進む。
【0076】
<ステップS41>
ステップS41において、制御部50は、予め設定されているプログラムに基づいてドラム3の目標回転数を設定する。その後、ステップS43に進む。
【0077】
なお、制御部50には、「偏り」が有った場合、定められた回転数まで減少させるプログラムが予め記憶されている。例えば、400rpmまで回転数を上げるプログラムにおいて、350rpm時点で偏りを検知した場合、一旦、300rpmに下げる。その状態でも偏りを検知した場合、200rpmへと下げる。その後、一定期間、偏りを検知しなければ、再度400rpmまで回転数を上げるようにしていく。どこまで下げても偏りを検知する場合は、エラーとして運転を停止する。この300rpmや200rpmという値は、予めプログラムに記述されており、従来においては状況に応じて可変させることは出来ない。
【0078】
<ステップS42>
ステップS42において、制御部50は、情報記憶装置Cから受信した最適値に基づいてドラム3の目標回転数を設定する。その後、ステップS43に進む。
【0079】
<ステップS43>
ステップS43において、制御部50は、ステップS41またはS42で設定した目標回転数に基づいて、ドラム3の回転を継続する。その後、ステップS27に進む。
【0080】
<ステップS50>
ステップS50において、制御部50は、目標回転数を0に設定する。
【0081】
<ステップS51>
ステップS51において、制御部50は、ドラム3の回転数が0になったか否かを繰り返し判定する。制御部50によりドラム3の回転数が0になったと判定されると、ステップS52に進む。
【0082】
<ステップS52>
ステップS52において、制御部50は、脱水運転を終了する。
【0083】
(適正情報の抽出例1)
例えばステップS17~S20において、ドラム式洗濯機1からの問い合わせ情報が情報記憶装置Cに送信された場合に、情報記憶装置Cにおいて、問い合わせ情報に対応した適正情報がデータベース65から抽出される方法について、図12に基づいて説明する。
【0084】
ドラム式洗濯機1からの問い合わせ情報として、機器の品番(ABC)、運転コース(標準コース)、給水前の衣類の重量および容積(10kg、16L)、現在の給水運転時間(25sec)、脱水前の衣類の重量および容積(12kg、12L)、現在の脱水運転時間(30sec)の情報が、情報記憶装置Cに送信された場合を説明する。
【0085】
この場合、問い合わせ情報に含まれる、機器の品番、運転コース、給水前の衣類の重量および容積、現在の給水運転時間、脱水前の衣類の重量および容積、現在の脱水運転時間が、データベース65に記憶されている番号(a2)の数値と一致している。さらに、番号(a2)のデータでは、「最適回転数500rpm」、「衣類の偏り無し」データとして記憶されている。すなわち、過去に同一の品番、運転コースで番号(a2)の数値により運転していた際に、衣類の偏りが検知されなかったことを意味している。そのため、情報記憶装置Cでは、ドラム式洗濯機1からの問い合わせ情報に対応する適正情報として、データベース65に記憶されている番号(a2)のデータが抽出されて、「最適回転数が500rpmである」ことを含む適正情報が、情報記憶装置Cに送信される。
【0086】
(適正情報の抽出例2)
例えばステップS32~S35において、ドラム式洗濯機1からの問い合わせ情報が情報記憶装置Cに送信された場合に、情報記憶装置Cにおいて、問い合わせ情報に対応した適正情報がデータベース65から抽出される方法について、図13に基づいて説明する。
【0087】
ドラム式洗濯機1からの問い合わせ情報として、機器の品番(DEF)、運転コース(敷布団コース)、給水前の衣類の重量および容積(20kg、12L)、現在の給水運転時間(34sec)、脱水前の衣類の重量および容積(24kg、13L)、現在の脱水運転時間(60sec)、現在の脱水回転数(450rpm)の情報が、情報記憶装置Cに送信された場合を説明する。
【0088】
この場合、問い合わせ情報に含まれる、機器の品番、運転コース、給水前の衣類の重量および容積、現在の給水運転時間、脱水前の衣類の重量および容積、現在の脱水運転時間、現在の脱水回転数が、データベース65に記憶されている番号(b3)の数値と一致している。ただし、番号(b3)のデータでは、「最適回転数無し」、「衣類の偏り有り」データとして記憶されている。すなわち、過去に同一の品番、運転コースで番号(b3)の数値により運転していた際に、衣類の偏りが検知されたことを意味し、その際において、回転数を変えて「衣類の偏り無し」になるような最適回転数は記憶されていない。
【0089】
また、データベース65に記憶されている番号(b2)の数値からは、ドラム3の回転数を400rpmにすると、「衣類の偏り無し」になることが分かる。そのため、情報記憶装置Cでは、ドラム式洗濯機1からの問い合わせ情報に対応する適正情報として、データベース65に記憶されている番号(b3),(b2)のデータが抽出されて、「ドラム3の回転数が450rpmである場合の「衣類の偏り無し」になるような最適回転数は記憶されていないが、ドラム3の回転数を400rpmにすると「衣類の偏り無し」になる」ことを含む適正情報が、情報記憶装置Cに送信される。
【0090】
以上説明したように本実施形態のランドリシステム100は、ランドリ装置1と、ランドリ装置1との間で互いに情報を通信可能に接続される情報記憶装置Cとを備え、情報記憶装置Cは、ランドリ装置1に関する情報を記憶する情報記憶手段であるデータベース65と、ランドリ装置1から送信された問い合わせ情報を受信するとともに、その問い合わせ情報に対応する適正情報をランドリ装置1に送信する送受信手段である送受信部61と、送受信部51によりランドリ装置1からの問い合わせ情報を受信した場合に、その問い合わせ情報に対応する適正情報をデータベース65に記憶された情報のなかから抽出する情報抽出手段である情報抽出部62とを有し、ランドリ装置1は、問い合わせ情報を情報記憶装置Cに送信するとともに、情報記憶装置Cから適正情報を受信する送受信手段である送受信部51と、送受信部51により情報記憶装置Cからの適正情報を受信した場合に、その適正情報に基づいてランドリ装置1を制御する制御手段である制御部50とを有している。
【0091】
これにより、本実施形態のランドリシステム100では、ランドリ装置1から情報記憶装置Cに問い合わせ情報を送信すると、その問い合わせ情報に対応する適正情報が情報記憶装置Cにおいてデータベース65に記憶された情報のなかから抽出されて、その適正情報がランドリ装置1に送信される。その適正情報は、それぞれの条件において運転を継続可能なパラメータの情報であり、その適正情報によりランドリ装置1を制御することにより、ランドリ装置1の運転がエラーとして途中で強制的に中止されるのを抑制することができる。
【0092】
本実施形態のランドリシステム100において、問い合わせ情報は、ランドリ装置の品番、運転コース、給水前の衣類の重量および容積、現在の給水運転時間、脱水前の衣類の重量および容積、現在の脱水運転時間、現在の脱水回転数の少なくとも1つの項目を含む情報である。
【0093】
これにより、本実施形態のランドリシステム100では、問い合わせ情報がランドリ装置1の品番などの項目を含んでいるため、ランドリ装置1の運転条件などに基づいて適正情報を正確に抽出することができる。
【0094】
本実施形態のランドリシステム100において、情報抽出部62が問い合わせ情報に対応する適正情報をデータベース65に記憶された情報のなかから抽出する際に、問い合わせ情報に含まれる複数の項目のなかで優先する項目が設定されている。
【0095】
これにより、本実施形態のランドリシステム100では、情報抽出部62がデータベース65に記憶された情報のなかから問い合わせ情報に対応する適正情報を抽出する際に、より適切な適正情報を抽出することができる。
【0096】
本実施形態のランドリシステム100において、データベース65は、送受信部61によりランドリ装置1からの問い合わせ情報を受信した場合に、その問い合わせ情報を記憶する。
【0097】
これにより、本実施形態のランドリシステム100では、ランドリ装置1からの問い合わせ情報を記憶することにより、情報記憶装置Cにおいて種々の運転条件における情報を記憶することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0099】
例えば上記実施形態では、ランドリ装置1から情報記憶装置Cに送信される問い合わせ情報の例を示したが、それに限られない。問い合わせ情報は、ランドリ装置の品番、運転コース、給水前の衣類の重量および容積、現在の給水運転時間、脱水前の衣類の重量および容積、現在の脱水運転時間、現在の脱水回転数の少なくとも1つの項目を含む情報であればよい。また、問い合わせ情報が、上記の情報以外の項目を含む情報でもよい。
【0100】
上記実施形態では、脱水運転時において、ランドリ装置1から情報記憶装置Cに問い合わせ情報が送信されると、その問い合わせ情報に対応した適正情報として、ドラム3の最適回転数が情報記憶装置Cからランドリ装置1に送信されるが、それに限られない。問い合わせ情報に対応した適正情報として、ドラム3の最適回転数以外の情報が情報記憶装置Cからランドリ装置1に送信されてもよい。
【0101】
上記実施形態では、問い合わせ情報に対応した適正情報を抽出する場合に、問い合わせ情報に含まれる項目およびその数値と一致する項目およびその数値を含むデータが、データベース65に記憶されているデータのなかから抽出されるが、それに限られない。
【0102】
例えば、「現在脱水時間」について説明すると、データベースに記録されているデータ数が少ない時点において、適正情報を抽出する際、「現在脱水時間」が完全に一致するデータがデータベース上に存在しない場合も考えられる。そういう場合も考慮して、現在脱水時間の10秒前後の範囲内のデータを抽出するなど、範囲指定としてもよい。また、現在脱水時間が小さい(脱水運転があまり進んでいない)時には、現在脱水時間の前10秒の範囲、現在脱水時間が大きい(脱水運転がかなり進んでいる)時には、現在脱水時間の後10秒の範囲など、範囲指定の方法を変化させてもよい。なお、適正情報を抽出する際に、範囲指定としてもよい点は、その他の項目についても同様である。
【0103】
また、適正情報として、複数の候補がある場合、現在脱水時間以下で、一番近いデータを適正情報として選択してもよい。また、上記データが複数存在する場合は、現在脱水回転数より小さく(現在脱水回転数と同じ回転数のデータは選択しない)、一番近いデータを適正情報として選択してもよい。また、上記データが複数存在する時は、データベースに登録された日時が一番新しいデータを適正情報として選択してもよい。データベースに登録された日時によるデータの選択は、各情報を使用して抽出した後、まだ候補が複数存在する場合の最終判断として使用する。
【0104】
また、問い合わせ情報に対応する適正情報をデータベース65に記憶された情報のなかから抽出する際に、問い合わせ情報に含まれる複数の項目のなかで優先する項目が設定されていてもよい。例えば、「現在脱水時間」及び「現在脱水回転数」の項目を「衣類の重量、容積」の項目よりも優先させる場合において、データベース上、現在脱水時間と現在脱水回転数から抽出するデータが複数存在する場合、衣類の重量、容積の情報が一番近いデータを選択してもよい。
【0105】
また、衣類の重量情報を活用する場合、現在の重量以上で、一番近い重量のデータを選択してもよい。また衣類の容積情報を活用する場合、現在の容積以上で、一番近い容積情報のデータを選択してもよい。
【0106】
上記実施形態では、脱水運転開始後にドラム3の回転数を上昇させる場合、衣類の偏りが検知された場合、及び、脱水運転中に、問い合わせ情報がドラム式洗濯機1から情報記憶装置Cに送信されるが、それに限られない。問い合わせ情報がドラム式洗濯機1から情報記憶装置Cに送信されるタイミングは任意である。
【0107】
例えば、脱水運転が、衣類の偏りを検知することなく、順調に進行している場合に、1分毎に「偏りが無い」情報として、データベース側へ送信することにより、データの蓄積が可能となる。また、脱水運転が完了した後に、まとめてデータベース側に送信することも考えられる。また、例えば、現在回転数が100rpmの時に、160rpmまで上げることが予定されている運転プログラムにおいて、現在の回転数の状態より、少し前の状態を「偏りが無い」データとして送信してもよい(例えば140rpmに到達している時に、120rpmの時の状態を「偏りが無い」情報として送信してもよい)。
【0108】
上記実施形態では、ランドリシステム100がコインランドリ店舗内に設置されているが、それに限られない。コインランドリ店舗に複数のランドリ装置1が設置されるとともに、情報記憶装置Cがコインランドリ店舗の外に設置されており、複数のランドリ装置1と情報記憶装置Cとが、ネットワークを介して通信可能に接続されてもよい。
【0109】
上記実施形態では、ランドリ装置1がドラム式洗濯機であるが、それに限られない。ランドリ装置1は、ドラム式洗濯機の他、例えばドラム式洗濯乾燥機、ドラム式乾燥機、縦型洗濯機、縦型洗濯乾燥機などでもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 ドラム式洗濯機(ランドリ装置)
50 制御部(制御手段)
51 送受信部
60 制御部
61 送受信部(送受信手段)
62 情報抽出部(情報抽出手段)
65 データベース(情報記憶手段)
100 ランドリシステム
C 情報記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14