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▶ 松尾 悠の特許一覧

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  • 特開-オーバーヘッドターンモア 図1
  • 特開-オーバーヘッドターンモア 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154286
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】オーバーヘッドターンモア
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/64 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
A01D34/64 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063522
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】721008187
【氏名又は名称】松尾 悠
(72)【発明者】
【氏名】松尾 悠
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA11
2B083BA15
2B083BA16
2B083BA20
2B083HA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】狭小な農地、農道、畦道において、旋回作業を必要としないラジコン式小型自走式草刈機を提供する。
【解決手段】ベアリングユニット7および8を介して草刈機本体3とハンマーナイフ式草刈部4を接続するスイングアーム6と、ベアリングユニット9および10を介して草刈機本体3とハンマーナイフ式草刈部4を接続するコントロールリンク5によって、コントロールリンクとスイングアームによるハンマーナイフ式草刈部の動き11のような軌跡を描きながらハンマーナイフ式草刈部4を進行方向とは反対へ移動することにより、旋回作業を必要とせずに反対方向へと作業を継続することが可能なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローラー部または車輪による装輪部で構成された走行体と、エンジンや制御装置によって構成されたパワーユニットを搭載したラジコン式小型自走式草刈機において、進行方向に対して、左右それぞれの走行体中心に固定されたベアリングユニットと、前記ベアリングユニットを介して一端が接続されたスイングアームと、前記スイングアームと前記ベアリングユニット接続部より垂直上部であり、かつ、パワーユニット側面部から左右方向に伸びたブラケット上に固定されたベアリングユニットと、前記ブラケット上に固定されたベアリングユニットに一端が接続されたコントロールリンクと、進行方向に対してハンマーナイフ式草刈部の左右側面部に固定されたベアリングユニットと、ハンマーナイフ式草刈部を左右から挟む形で前記ベアリングユニットを介して接続された前記スイングアームと、前記スイングアームとハンマーナイフ式草刈部に固定された前記ベアリングユニットの接続部より垂直上部であり、かつ、ハンマーナイフ式草刈部左右上端部に固定されたベアリングユニットと、前記ハンマーナイフ式草刈部上部に固定されたベアリングユニットに一端が接続された前記コントロールリンクを有することを特徴とするオーバーヘッドターンモア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本の狭小で急傾斜が多い農地、農道、畦道の雑草処理を効率的に行うために、必要な刈り取り部稼働機構を確保する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
海外の自走式草刈機に比べ、日本の自走式草刈機は狭小な農地、農道、畦道に対応するため、小型のものが多い。そのため、多く普及している自走式草刈機は乗用タイプではなく、手押しタイプのものである。また、急傾斜地も多いため、安全性を考慮し、乗用タイプより手押しタイプが採用されている例も多い。このような手押しタイプの自走式草刈機は、日本の狭小な農地、農道、畦道において、突き当りまで進むと、旋回するスペースが多々あり、製品の発売当初から問題となっていた。解決手段としては、手押し用ハンドル部分が旋回し、逆方向へと進行方向を変換できるものなどが現在でも存在する。
【0003】
しかし、前述したような進行方向の変換方法には危険性が存在する。まず、手押し用ハンドル部分が旋回し、逆方向へと進行方向を変換できるタイプも、手押し用ハンドルを旋回させるスペースの問題、傾斜地での操作の複雑性などがあり、長時間の作業では疲労へとつながり、事故が起きやすくなってしまう。このように、日本の地形に対応した自走式草刈機の問題点を解決するために、近年ではラジコン式自走式草刈機が普及しはじめている。しかし、手押しタイプのようにハンドル部分の旋回によって、人力で進行方向を変えることはできない。そのため、草刈機本体がターンなどの旋回作業を行う必要がある。しかし、刈残しの発生や、旋回するスペースの問題などが発生しているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、狭小な農地、農道、畦道での雑草処理を効率的に行うため、刈り取り部であるハンマーナイフローターを、草刈機本体へと接続するスイングアームとコントロールリンクによって持ち上げ、進行方向反対側へとハンマーナイフローターを移動し、現在普及し始めているラジコン式小型自走式草刈機において、旋回作業を必要とせずに進行方向切り替えを円滑に行うことを可能とし、雑草処理の効率化を図るものとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明はなされたものであり、つまり、クローラー部または車輪で構成された装輪部を備えた走行体と、エンジン、制御装置などで構成されたパワーユニットを搭載したラジコン式小型自走式草刈機において、一端が走行体中心部へとベアリングユニットを介して接続されたスイングアームと、前記スイングアームのもう一端を、ベアリングユニットを介してハンマーナイフ式草刈部の左右側面部に接続した構造となす。また、前記ハンマーナイフ式草刈部の左右上端部それぞれに固定されたベアリングユニットを介して一端が接続されたコントロールリンクと、前記コントロールリンクのもう一端をパワーユニット側面部から左右方向に伸びたブラケット上部であり、かつ、走行体中心に固定されたベアリングユニットの垂直上部に当たる部分に固定されたベアリングユニットに接続した構造と成す。
【発明の効果】
【0006】
本発明はこのように構成させたことにより、下記の効果を有する。
【0007】
請求項1のようにラジコン式小型草刈機本体のハンマーナイフ式草刈部に対し、コントロールリンク、スイングアームを配置することにより、狭小な農地、農道、畦道での雑草処理を行う際、突き当りなどで方向転換を行う必要がある場合でも、草刈機本体を旋回させて、進行方向を逆転させる必要はなく、ハンマーナイフ式草刈部を、走行体に固定されたベアリングユニットを中心としてスイングアームを稼働し、弧を描くような形で、ラジコン式小型自走式草刈機本体上部を通して、ハンマーナイフ式草刈部を草刈機本体後部へと移動、配置する。この際、ハンマーナイフ式草刈部が裏返ってしまうなどの事態が発生しないよう、コントロールリンクによって適切な補助を与える。これにより、今までで草刈機本体後部であった部分にハンマーナイフ式草刈部が円滑に配置され、後退方向へと進むだけで、今まで通りの草刈機として稼働することができ、旋回の必要性がなくなり、効率的な草刈の実現が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明のオーバーヘッドターンモアを側面から示した説明図である。また、図2は本発明であるオーバーヘッドターンモアを上部から俯瞰した説明図である。本発明であるオーバーヘッドターンモアは、クローラー部または車輪で構成された走行体1とエンジン、制御装置で構成されたパワーユニット2を含むラジコン式小型自走式草刈機本体3にハンマーナイフ式草刈部4を擁する。図1のように走行体1の中心にかつ、図2のように左右それぞれにベアリングユニット8を固定する。前記ベアリングユニット8の垂直上部であり、かつ、パワーユニット2の左右に伸びたブラケット12の上部に、図2のようにベアリングユニット10は固定する。また、ハンマーナイフ式草刈部4を左右から挟み込む形でそれぞれにベアリングユニット7が固定されている。前記ベアリングユニット7の垂直上部であり、かつ、ハンマーナイフ式草刈部4の左右上端部に、図2のようにベアリングユニット9は固定されている。このハンマーナイフ式草刈部4はラジコン式小型自走式草刈機本体3にコントロールリンク5、およびスイングアーム6を介して接続されている。コントロールリンク5のそれぞれの端は、前記ベアリングユニット9、ベアリングユニット10を介して、接続されている。また、スイングアーム6のそれぞれの端は、前記ベアリングユニット7、ベアリングユニット8を介して接続されている。
【0009】
次に本発明の作用について説明する。先ず、狭小な農地、農道、畦道での雑草処理を行っている最中、突き当りなどに草刈機本体3が到達した際、その場での旋回を必要とせず、スイングアーム6を介して図1の矢印11のような軌道を描きながらハンマーナイフ式草刈部4を、草刈機本体3の反対側へ移動する。この際、ハンマーナイフ式草刈部4が、矢印11の軌道を移動中に裏返ってしまうなどの事態が発生せず、適切に反対側に移動できるよう、コントロールリンク5によって補助を行いながらの移動となる。これらの発明により、例え狭小な農地、農道、畦道での草刈り作業であっても、旋回作業を必要とせず、ハンマーナイフ式草刈部が円滑に移動することによって、そのまま、反対方向へと進行しながら草刈を継続でき、時間の節約、刈残しの無い丁寧な刈取りが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のオーバーヘッドターンモアを側面から示した説明図である。
図2】本発明であるオーバーヘッドターンモアを上部から俯瞰した説明図である
【符号の説明】
【0011】
1 クローラー部または車輪による装輪部で構成された走行体
2 エンジンや制御装置によって構成されたパワーユニット
3 草刈機本体
4 ハンマーナイフ式草刈部
5 コントロールリンク
6 スイングアーム
7 ベアリングユニット
8 ベアリングユニット
9 ベアリングユニット
10 ベアリングユニット
11 コントロールリンクとスイングアームによるハンマーナイフ式草刈部の動き
12 ブラケット
図1
図2