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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154289
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/46 20060101AFI20231012BHJP
   G06F 1/30 20060101ALI20231012BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231012BHJP
   G06F 1/28 20060101ALI20231012BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
B41J29/46 G
G06F1/30
H04N1/00 885
G06F1/28
B41J29/38 104
B41J29/38 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063526
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】本橋 宗之
【テーマコード(参考)】
2C061
5B011
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061HJ10
2C061HV04
2C061HV19
2C061HV23
2C061HV37
2C061HV45
5B011DA01
5B011DB02
5B011EA10
5B011EB08
5B011GG03
5B011JA04
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB40
5C062AB42
5C062AB49
5C062AC22
5C062AC58
(57)【要約】
【課題】電源スローダウン時に負荷の動作の状態にかかわらずデータのメモリ退避に必要な期間を確保する。
【解決手段】電源からの電圧を第1直流電圧に変換して出力する第1安定化回路と、電源からの電圧を第1直流電圧より小さい第2直流電圧に変換して出力する第2安定化回路と、第1安定化回路を電源として画像形成に係る動作を行う負荷と、第1安定化回路の出力電圧を取得する監視電圧取得回路と、第2安定化回路を電源としてデータの読み書きを行う不揮発性メモリと、第2安定化回路を電源とし、負荷の動作を制御すると共に監視電圧取得回路が取得した出力電圧が閾値以下の電圧であると判定した場合に制御に係るデータを不揮発性メモリに書き込む制御部と、を備え、制御部は、画像形成に係る動作の状態に応じて異なる閾値を用いて判定を行う画像形成装置。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源からの電圧を第1直流電圧に変換して出力する第1安定化回路と、
前記電源からの電圧を前記第1直流電圧より小さい第2直流電圧に変換して出力する第2安定化回路と、
前記第1安定化回路を電源として画像形成に係る動作を行う負荷と、
前記第1安定化回路の出力電圧を取得する監視電圧取得回路と、
前記第2安定化回路を電源としてデータの読み書きを行う不揮発性メモリと、
前記第2安定化回路を電源とし、前記負荷の動作を制御すると共に前記監視電圧取得回路が取得した出力電圧が閾値以下の電圧であると判定した場合に制御に係るデータを前記不揮発性メモリに書き込む制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1安定化回路の負荷の大きさに応じて異なる閾値を用いて判定を行う画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像形成に係る動作の状態に応じて前記第1安定化回路の負荷の大きさを決定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電源の電圧から安定化前の直流電圧を得る直流電圧回路をさらに備え、
前記第1安定化回路は前記直流電圧回路の出力を第1直流電圧に変換し、
前記第2安定化回路は前記直流電圧回路の出力を第2直流電圧に変換する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記監視電圧取得回路は、前記第1安定化回路の出力電圧に代えて前記直流電圧回路の直流電圧の大きさを閾値の電圧と比較する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記電源の電圧の有無を示す電源入力信号を生成する電源入力信号生成回路をさらに備え、
前記制御部は、前記電源入力信号生成回路からの電源入力信号が途絶えたことにより前記電源が遮断されたことを検出するかまたは前記監視電圧取得回路が取得した出力電圧が閾値以下の電圧であると判定した場合に制御に係るデータを前記不揮発性メモリに格納して退避させる請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電源電圧を安定化された第1直流電圧および第1直流電圧より小さい第2直流電圧を電源として動作する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置は、電力系統から電力の供給を受けて動作する。電力系統は、通常交流電圧を供給する。一方、プロセッサやメモリ等、画像形成装置の制御を行う回路素子は、5Vあるいは3Vの安定化された直流電圧を電源として動作する。一方、画像形成に係る機構を駆動して動作させるモータやソレノイド等の負荷は、5Vあるいは3Vよりも高い電圧、例えば24Vや12Vの電圧を供給する電源で動作するものが多い。5Vあるいは3Vといったより低い電圧で負荷を駆動すると、供給すべき電流が大きくなって太い配線が必要になり、また、配線の抵抗による電力ロスの影響を受け易くなるからである。
【0003】
従って、画像形成装置は通常、電力系統の交流電圧を、負荷を駆動する直流電圧(例えば、上述の24V、この明細書で第1直流電圧と呼ぶ)に変換する安定化電源回路を備える。さらに、制御回路の回路素子の電源として前記交流電圧を直流電圧(例えば、上述の5V、この明細書で第2直流電圧と呼ぶ)に変換する安定化電源回路を備える。第1直流電圧と第2直流電圧とは、電圧の大きさは異なるが電力系統から電力を得る点で共通する。そこで、第1直流電圧を出力する安定化電源回路(以下、第1安定化回路と呼ぶ)と、第2直流電圧を出力する安定化電源回路(以下、第2安定化回路と呼ぶ)の一部が共通化された構成とすることが多い。
【0004】
例えば、以下の画像形成装置が知られている。交流電源から直流電圧を生成する第1の電源と、その出力から直流電圧を生成する第2の電源がある。また、第2の電源の出力で動作する記憶装置がある。データ退避手段は、交流電源の停電(遮断)を検知すると、第2の電源の出力電圧を低い電圧に切り替えるとともに、記憶装置に作業途中のデータなどを記録する。停電を検知すると第2の電源の出力電圧を低い電圧に切替えることで、一次平滑コンデンサの容量を大きくすることなくデータの記録時間を確保する。
特許文献1のように、一般に画像形成装置は、電源スイッチがオフされた際や瞬時停電など停電が起こった際に、所定のデータをワークメモリから不揮発性メモリに書き込んでバックアップしておく。その後、電源がオンされたり停電から復旧したりした際に、不揮発性メモリにバックアップされていたデータをワークメモリに読み出して処理を続ける。画像形成装置は、そのようにして、データのメモリ退避を行っている。不揮発性メモリに格納するデータの一例は、課金に係るカウンタのデータや、ユーザーやサービスエンジニアなどにより変更可能な操作設定のデータである。
【0005】
しかし、電力系統の電圧変動は、瞬時停電や停電のような瞬時の遮断に限らず、電源電圧が緩やかに落ち込む場合がある(以下、電源スローダウンと呼ぶ)。
電源スローダウンが生じると、特許文献1のように交流電圧の遮断が検出されたことを契機にデータのメモリ退避を行うものでは、交流電圧の遮断が検出された時点で電源電圧が通常よりかなり小さくなっていることがある。すると、一次平滑コンデンサに蓄えられているエネルギーも、通常の電源スイッチオフや停電による遮断検出時よりもかなり小さい。従って、メモリ退避の処理期間中の動作が保証できないといった事態が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-004136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような電源スローダウンに対する対応策として、第1安定化回路の出力電圧が所定の第1直流電圧を維持できずに降下したことを検出する監視電圧取得回路を設けることが考えられる。データのメモリ退避に係る制御回路の回路素子は第2安定化回路が出力する第2直流電圧で動作するが、第2直流電圧の降下を検出してからデータのメモリ退避を行ったのでは、メモリ退避が完了するまでの期間、制御回路の正常動作を保証することが容易でない。従って、通常、第2安定化回路よりも出力電圧が高く出力される電力も大きい第2安定化回路の出力電圧の降下を検出し、第2直流電圧が降下するよりも早い段階でデータのメモリ退避を開始するのである。
【0008】
しかし、画像形成装置の動作の状態によって第1安定化回路の負荷の大きさは変動する。例えば、多くの負荷が動作する画像形成中に電源スローダウンが生じた場合、電源スローダウンにより電力系統から供給される電力が小さくなると、第1安定化回路が第1直流電圧を維持できなくなり出力電圧が降下する。
画像形成を開始すべき指示を待っている待機中は、画像形成中に比べて動作する負荷が少なく、第1安定化回路の負荷は画像形成中よりも小さい。その待機中に電源スローダウンが生じると、画像形成中に比べて第1直流電圧が長く維持される。従って、第1安定化回路の出力電圧の降下は、画像形成中よりも遅く検出される。
【0009】
動作の状態は、前述の待機中、画像形成中の他、電源オフあるいは省電力モードの状態から待機中に至るウォームアップ中に大別されるものとする。ウォームアップ中の第1安定化回路の負荷は、一般に待機中より大きいが画像形成中より小さい。それらの関係は、動作する負荷の多少による。なお、ここでいう動作の状態に省電力モードは含まないものとする。
一方、第1安定化回路に比べると、制御回路の電源である第2安定化回路は、動作の状態による負荷の変動が小さい。制御回路は、待機中、画像形成中、ウォームアップ中の状態によらず処理を行い電力を消費するからである。
【0010】
電源スローダウンが生じて電力系統から供給される電力が小さくなった場合、第1安定化回路の出力が降下するタイミングは、上述のように動作の状態、即ち負荷の大きさによって変わる。それに比べると第2安定化回路の出力が降下するタイミングは変動が小さい。
従って、待機中など、第1安定化回路の負荷が小さい場合、第1安定化回路の出力電圧の降下を検出してからデータのメモリ退避を開始しても、メモリ退避が完了するまでの期間、制御回路の正常動作を保証することが難しいことがある。言い換えると、第1安定化回路の負荷の大きさによらず、電源スローダウン時にデータのメモリ退避が完了する迄の動作を保証できるように大容量の1次平滑コンデンサを用意するのは、冗長な設計につながる。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、電源スローダウン時に負荷の動作の状態にかかわらずデータのメモリ退避に必要な期間を確保する手法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、電源からの電圧を第1直流電圧に変換して出力する第1安定化回路と、前記電源からの電圧を前記第1直流電圧より小さい第2直流電圧に変換して出力する第2安定化回路と、前記第1安定化回路を電源として画像形成に係る動作を行う負荷と、前記第1安定化回路の出力電圧を取得する監視電圧取得回路と、前記第2安定化回路を電源としてデータの読み書きを行う不揮発性メモリと、前記第2安定化回路を電源とし、前記負荷の動作を制御すると共に前記監視電圧取得回路が取得した出力電圧が閾値以下の電圧であると判定した場合に制御に係るデータを前記不揮発性メモリに書き込む制御部と、を備え、前記制御部は、前記画像形成に係る動作の状態に応じて異なる閾値を用いて判定を行う画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
この発明による画像形成装置は、第1安定化回路から画像形成に係る動作を行う負荷へ出力される電圧を閾値と比較する監視電圧取得回路と、前記監視電圧取得回路が取得した出力電圧が閾値以下の電圧であると判定した場合に制御に係るデータを前記不揮発性メモリに書き込む制御部と、を備え、制御部は、画像形成に係る動作の状態に応じて異なる閾値を用いて判定を行うので、電源スローダウン時に負荷の動作の状態に応じてデータのメモリ退避を開始するタイミングを変えて、メモリ退避に必要な期間を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の画像形成装置の一実施形態である複合機の構成を示す説明図である。
図2図1に示す電源ユニットおよび制御ユニットのより詳細な構成を示す説明図である。
図3】通常の電源入力遮断時に、遮断検出回路によって確保されるデータのメモリ退避の期間を示す説明図である。
図4】電源スローダウン時に、遮断検出回路および24V出力の電圧降下判定によって確保されるメモリ退避期間の差を示す説明図である。
図5】第1安定化回路の負荷の大きさが異なる場合に、一つの閾値で出力降下を判定することで確保されるメモリ退避期間の差を示す説明図である。(比較例)
図6】第1安定化回路の負荷の大きさに応じて異なる閾値を用いた場合に、出力降下の判定によって確保されるメモリ退避期間の例を示す説明図である。
図7】データのメモリ退避に関して制御部が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
≪画像形成装置、制御ユニットおよび電源ユニットの構成例≫
図1は、この発明の画像形成装置の一実施形態である複合機の構成を示す説明図である。図1に示すように、複合機100は、制御ユニット10、電源ユニット20、負荷40を備える。この実施形態において、電源ユニット20は、電力系統からの交流電圧を入力として制御ユニット10および負荷40に安定化された直流電圧を供給する。制御ユニット10は、電源ユニット20から電力の供給を受け、負荷40を制御する。
この実施形態において、電源ユニット20は、電源スイッチSWを介して電力系統から入力を受け、入力された交流電圧を24Vの安定化された直流電圧(第1直流電圧)を出力する第1安定化回路22を備える。第1安定化回路22は、前記交流電圧を24Vの直流電圧に変換して出力する安定化電源回路である。さらに、電源ユニット20は、5Vの安定化された直流電圧(第2直流電圧)を出力する第2安定化回路24を備える。第2安定化回路24は、前記交流電圧を5Vの直流電圧に変換して出力する安定化電源回路である。
【0015】
また、電源ユニット20は、交流電圧の入力の有無を示すゼロクロスパルス信号(電源入力信号)を生成する電源入力信号生成回路26を備える。生成されたゼロクロスパルス信号は、後述するように制御ユニット10が備えるプロセッサ12に提供される。
第1安定化回路は、交流電源からの入力を整流した直流電圧および直流電流を得る直流電圧回路30と、得られた直流電圧を一定24V電圧に変換するDC-DC変換回路とで構成されてもよい。直流電圧回路30が整流された電圧を平滑化する1次平滑コンデンサを含んでいてもよい。同様に、第2安定化回路が直流電圧回路とDC-DC変換回路で構成され、その平滑回路が第1安定化回路22と共通の直流電圧回路30であってもよい。
【0016】
図1に示すように、この実施形態において制御ユニット10は、プロセッサ12、駆動回路15、不揮発性メモリ16および監視電圧取得回路18を備える。プロセッサ12は、ワークメモリ14を含む。
ワークメモリ14は、プロセッサ12が処理を実行する際に一時的に使用する記憶領域を提供する。駆動回路15は、プロセッサ12が負荷40に含まれるそれぞれの負荷を制御する信号を受けて、各負荷を駆動する。不揮発性メモリ16は、プロセッサ12が処理に用いるデータを格納する。第2安定化回路からの5V電圧が遮断される前に、プロセッサ12は必要なデータを不揮発性メモリ16に格納して退避させる。不揮発性メモリ16は、格納されたデータを保持する。5V電圧の供給が再開されてプロセッサ12が処理を始めると、不揮発性メモリ16に格納されていたデータを読み出す。監視電圧取得回路18は、第1安定化回路22の出力電圧を取得する。
【0017】
プロセッサ12は、駆動回路15を介して負荷40を制御し、それによって複合機100を動作させる。また、電源入力信号生成回路26から電源入力信号を受けて交流電圧の遮断を検出する。さらに、監視電圧取得回路18を介して第1安定化回路22の出力電圧を監視する。また、電源スイッチSWがプロセッサ12の1つの負荷として動作するリレーであって、図示しない操作パネル上のスイッチの操作をプロセッサ12が認識し、その操作に応じてプロセッサ12が電源スイッチSWをオンおよびオフさせてもよい。
なお、この実施形態において、プロセッサ12は、電源入力信号生成回路26からの電源入力信号を受ける入力インターフェース回路、監視電圧取得回路18を介して第1安定化回路22の出力電圧を受ける入力インターフェース回路を備えているものとする。即ち、プロセッサ12は、ワークメモリ14や入力インターフェース回路が集積されたマイクロコンピューターである。
【0018】
異なる態様として、プロセッサ12が、プロセッサ単体であってメモリやインターフェース回路が集積されていない構成もあり得る。その場合、ワークメモリ14はプロセッサ12とは別素子としてプロセッサ12の外に配置される。さらに、制御ユニット10は、電源入力信号生成回路26とプロセッサ12との間にインターフェース回路を備える。そのインターフェース回路は、例えば電源入力信号生成回路26から電源入力信号であるゼロクロスパルス信号を受けて、例えば信号ありに対応するHi/信号なしに対応するLoの2値信号に変換してプロセッサ12に提供するインターフェース回路であってもよい。また、例えば監視電圧取得回路18は、取得した電圧を0V乃至5Vの範囲のアナログレベルでプロセッサ12に提供するものでなく、第1安定化回路22の出力電圧をA/D変換してデジタルデータとしてプロセッサ12に提供するものであってもよい。
【0019】
この実施形態において、負荷40は、少なくとも複数のモータ42、複数のクラッチ44、複数のソレノイド46を含むものとしている。それらは、第1安定化回路22の出力電圧で動作する。
図2は、図1に示す電源ユニット20および制御ユニット10のより詳細な構成を示す説明図である。図2に示すように、電源ユニット20は、2出力のスイッチング電源である。図2に示すように、直流電圧回路30は、交流電源を整流するブリッジダイオードBD1および整流された電圧を平滑する1次平滑コンデンサC1を備える。直流電圧回路30は、第1安定化回路22および第2安定化回路24に共通の回路である。
【0020】
第1安定化回路22および第2安定化回路24は、共通の直流電圧回路30に加えてDC-DCコンバータ回路を備える。DC-DCコンバータ回路のトランスT1は、それらに共通の1次巻線、第1安定化回路22の2次巻線、第2安定化回路24の2次巻線を有する。安定化制御は、第2安定化回路24の5V出力をフィードバックすることによって行われる。即ち、第2安定化回路24の出力電圧VO2が絶縁カプラーP1、ゲート駆動回路50を介してフィードバックされ、5V出力を安定化させるようにスイッチングトランジスタQ1のスイッチングが制御される。従って、完全に安定化されるのは第2安定化回路24の出力電圧VO2であるが、第1安定化回路22の出力電圧VO1は1次側のフィードバック回路を共有しているので、独立してレギュレーションされなくても第2安定化回路24の出力電圧VO2に比例した電圧になる。その電圧として24Vが出力されるようにトランスT1の2つの2次巻線の巻数が設定される。
【0021】
負荷40に供給される第1直流電圧は、制御回路に供給される第2直流電圧ほど高い制御精度が要求されない場合、このような簡易な構成が許容される。
勿論、第1安定化回路22と第2安定化回路24のそれぞれが独立したトランスを備え、それぞれ出力電圧をフィードバックして個別にスイッチングトランジスタのスイッチングを制御するようにしてもよい。その場合、直流電圧回路30は共通であってもよい。
【0022】
≪出力電圧監視の必要性≫
この実施形態において、プロセッサ12は、電源入力信号を用いて電力系統からの入力が遮断されたことを認識する。さらに、電源スローダウンに対応するために第1安定化回路22の出力電圧VO1を監視する。
ここでは、電源入力信号だけでは電源スローダウンの際にデータのメモリ退避に必要な期間が確保できないことがある理由について説明する。
【0023】
図3は、電源スローダウンでない通常の電源入力遮断時に、遮断検出回路によって確保されるデータのメモリ退避の期間を示す説明図である。横軸は時間である。図3に示す波形は、上から電力系統から入力される交流電源電圧(電源入力)の波形、電源入力信号としてのゼロクロスパルス信号、電源入力遮断判定、第1安定化回路22の出力電圧VO1、第2安定化回路24の出力電圧VO2である。なお、それらのうち、電源入力遮断判定は実際の波形でなく、プロセッサ12が電源入力信号に基づき電源入力ありと判定するか、電源入力なしと判定するかを疑似的に示したものである。
【0024】
図3に示す時刻tで停電が発生し、あるいは電源スイッチSWがオフされると、電源入力信号生成回路26からのゼロクロスパルス信号(電源入力信号)が途絶える。プロセッサ12は、電源入力信号が途絶えた時刻tから時刻tまでの所定の期間(例えば、50ミリ秒)は、電源入力が遮断されたと判定しない。図3に示す瞬時停電許容期間である。これは、瞬時停電があっても、その都度装置をオフさせずに動作を継続させるためである。1次平滑コンデンサC1は、瞬時停電の期間中は第1安定化回路22および第2安定化回路24が所定の出力電圧を維持するように容量が設定されている。
【0025】
瞬時停電許容期間のtが過ぎても電源入力信号が途絶えたままである場合、プロセッサ12は、データのメモリ退避を開始する。電源からの入力が途絶えているので、やがて第1安定化回路22の出力電圧VO1は24Vを維持できなくなりゼロボルトへ向けて降下する。その後、第2安定化回路24の出力電圧VO2も5Vを維持できなくなりゼロボルトへ向けて降下する。プロセッサ12が、データのメモリ退避を開始する時刻tから第2安定化回路24が5Vを維持できなくなる時刻tまでの期間がメモリ退避の処理を行う制御回路の動作が保証されている期間、即ちメモリ退避期間である。
【0026】
続いて電源スローダウンの場合について述べる。図4は、電源スローダウンが発生して、100%の交流電圧がゼロ%まで緩やかに落ち込んでいく場合に図3に対応する波形を示している。加えて、第1安定化回路22の出力電圧VO1を監視して電源スローダウンを検出する様子を示している。
図4に示すように、電源スローダウンが生じて交流電圧の振幅が減少しても電源入力信号はゼロクロスパルス信号であるために、その出力を維持するが、やがてあるところまで交流電圧の振幅が減少すると、電源入力信号が途絶える。
【0027】
時刻tで電源入力信号が途絶えてから瞬時停電許容期間だけ送れた時刻tで電源入力が遮断されたと判定するのは、図3と同様である。しかし、その時点で1次平滑コンデンサC1に蓄えられたエネルギーは図3に比べて減っており、時刻tから第2安定化回路24が5Vを維持できなくなる時刻tまでの期間は図3に比べて非常に少ない。
電源スローダウンに対して電源入力信号だけではデータのメモリ退避期間が確保できない理由は、図4に示すように、通常の電源遮断よりも電源入力信号が途絶えるのが遅くなるためである。
【0028】
一方、図4に示すように第1安定化回路22は、電源スローダウンが生じて1次平滑コンデンサC1に蓄えられたエネルギーが減ると、早い時点で出力電圧VO1が維持できなくなって降下する(図4に示す時刻t参照)。そこで、監視電圧取得回路18を用いて第1安定化回路22の出力電圧VO1を監視すれば、電源スローダウンに対してもデータのメモリ退避期間(図4に示す時刻tから時刻tの期間)を確保できる。
【0029】
≪第1安定化回路の負荷の大きさがメモリ退避期間に与える影響≫
続いて、電源スローダウン発生時に第1安定化回路22の負荷の大きさがデータのメモリ退避期間に与える影響について述べる。この実施形態によれば、負荷の大きさにかかわらずメモリ退避期間を確保できるが、その特徴を理解し易くするために従来手法による出力電圧の監視と比較しながら説明を行う。
図5は、比較例に係る図であり、負荷の大きさが異なる場合に、一つの閾値で出力降下を判定することで確保されるメモリ退避期間の差を示す説明図である。
それに対して図6は、第1安定化回路の負荷の大きさに応じて異なる閾値を用いた場合に、出力降下の判定によって確保されるメモリ退避期間の例を示す説明図である。
【0030】
図5および図6にそれぞれ示す波形は、図4に示す波形から電源入力信号および電源入力遮断判定を除いたものである。ここでは、電源スローダウンが生じた際に第1安定化回路22の出力電圧VO1を監視してデータのメモリ退避を開始する場合について述べるので、電源入力遮断判定に係る波形を省略している。
図5に示すように、プロセッサ12は、監視電圧取得回路18を介して第1安定化回路22の出力電圧VO1を監視し、その出力電圧VO1を予め定められた大きさの閾値Thと比較する。閾値Thは、一例として18Vの出力電圧に対応するものである。
【0031】
電源スローダウンが生じて第1安定化回路22が24Vの出力電圧を維持できなくなると出力電圧VO1が24VからゼロVへ向けて時間の経過とともに降下する。降下の傾き度合いは、負荷の大きさ、言い換えると出力電流の大きさによって変わる。図5に単純化して示すように大きい負荷では降下の傾き度合いが大きく、短時間でゼロVに達する。それに比べて小さい負荷では、効果の傾き度合いが小さく、長い時間をかけてゼロVに達する。
負荷の大きさによらず一定の閾値で出力電圧VO1の降下を判定すると、大きい負荷の場合は小さい負荷に比べてより早く出力電圧の降下があると判定する。図5において、プロセッサ12が第1安定化回路22の出力電圧VO1が降下したと判定するのは、大きい負荷の場合が時刻t0Lであり、小さい負荷の場合がそれよりも遅い時刻t0Sである。
【0032】
第1安定化回路は、動作の状態、即ちウォームアップ中、待機中、画像形成中の何れかによって負荷の大きさが大きく変わる。それに応じて出力電圧VO1の降下の傾き度合いが変わる。第1安定化回路22に比べると、第2安定化回路24は動作の状態による負荷の大きさの変化が小さい。図5は単純化した波形を示しており、第1安定化回路22は負荷の大きさによって出力電圧VO1の降下の傾き度合いが変わるのに対し、第2安定化回路24は出力電圧VO2の降下の傾き度合いが動作の状態によらず一定としている。理解し易くするための単純化であるが、その傾向は発明者が経験するところである。図5で、第2安定化回路24の出力電圧VO2が降下する時刻は負荷の大きさによらず時刻tとしている。
【0033】
データのメモリ退避期間は、大きな負荷の場合が時刻t0Lから時刻tまでの期間であり、小さな負荷の場合は時刻t0Sから時刻tまでの期間である。
図5に示すように、第1安定化回路22の負荷の大きさによってデータのメモリ退避期間が異なる。負荷の大きさは動作の状態に依存するところが大きく、従ってウォームアップ中や画像形成中に比べて負荷の小さい待機中に電源スローダウンが生じると、データのメモリ退避期間が他の状態よりも短い。言い換えると、待機中に電源スローダウンが生じてもメモリ退避期間が確保できるように1次平滑コンデンサC1の容量を設定すると、冗長な設計になってしまう。
そこで、この実施形態において、プロセッサ12は、第1安定化回路22の負荷の大きさに応じて出力電圧VO1の降下の判定に用いる閾値の大きさを変える。
【0034】
図6は、この実施形態による手法を示しており、プロセッサ12は、第1安定化回路の負荷の大きさに応じて異なる閾値を出力電圧VO1の降下の判定に用いる。図6に示すように、大きな負荷の場合は、閾値ThLを用いて判定を行う。それに対して小さな負荷の場合は、それよりも大きな閾値ThSを用いて判定を行う。一例で、閾値ThLは21Vであり、閾値ThSは18Vである。
図6は、単純化した例を示しているが、プロセッサ12が第1安定化回路22の出力電圧VO1が降下したと判定するのは、大きい負荷の場合が時刻t0Lであり、小さい負荷の場合がそれよりも遅い時刻t0Sである。図5に示す例と異なり、負荷の大きさに応じて閾値を変えることによって、時刻t0Lと時刻t0Sを略同じ時刻にできている。従って、負荷の大きさによらず略同じデータのメモリ退避期間が確保できている。
【0035】
第1安定化回路22は、電源の遮断や電源スローダウンがなければ出力電圧VO1は一定の24Vである。従って、負荷の大きさは負荷電流の大きさで決まる。負荷の大きさを正確に検出するには、第1安定化回路22の負荷電流を検出してプロセッサ12に提供すればよい。しかし、負荷電流の検出を行わなくても、プロセッサ12は、負荷40を制御するのであるから、各負荷のオンオフの状態に基づいて負荷の大きさの程度を判定することが可能である。
さらに、プロセッサ12が個別の負荷のオンオフの状態を判定するのではなく、動作の状態が待機中かウォームアップ中かが像形成中かによって、大まかに負荷の大きさの程度を判定してもよい。
【0036】
≪フローチャート≫
図7は、データのメモリ退避処理に関してプロセッサ12が実行する処理の例を示すフローチャートである。フローチャートを参照しつつ、プロセッサ12の処理について述べる。
プロセッサ12は、負荷40を制御して画像形成に係る動作やその準備に係るウォームアップの動作を行う処理と並行して処理を行うマルチタスク環境下で、データのメモリ退避に係る処理を実行する。
【0037】
プロセッサ12は、電源入力信号生成回路26からの電源入力信号を取得して、電源入力が遮断されたか否かを判定する(ステップS11)。この判定は、図4に示す電源入力遮断判定に相当するものである。ここで、電源入力が遮断されたと判定する条件として、瞬時停電許容期間を超える期間、継続して電源入力信号が途絶えているか否かを判定する(図4参照)。
電源入力が遮断されたと判定した場合(ステップS11のYes)、プロセッサ12は、処理をステップS31へ進めてデータのメモリ退避に係る処理を開始する。以降の処理については、後述する。通常の電源スイッチオフや停電はこの判定によってデータのメモリ退避を開始する。
【0038】
電源入力が遮断されていないと判定した場合(ステップS11のNo)、プロセッサは監視電圧取得回路18から第1安定化回路22の出力電圧VO1を取得する(ステップS13)。そのうえでプロセッサ12は、動作の状態が待機中か否かを判定する(ステップS15)。なお、図7に示すフローチャートでは、第1安定化回路22の負荷の大きさの判定を、動作の状態が待機中かそれ以外かで判定してそれに応じた閾値を適用するものとしている。勿論、待機中以外の場合にウォームアップ中か画像形成中かでさらに異なる閾値を適用してもよい。
【0039】
あるいは、プロセッサ12は、動作の状態で負荷の大きさを判定することに代えて、個々の負荷のオンおよびオフの状態から負荷の大きさを判定しそれに応じた閾値を適用してもよい(実施の形態2)。あるいはまた、制御ユニット10または電源ユニット20が第1安定化回路22の負荷電流を検出する回路を備えており、検出された負荷電流の大きさに基づいて負荷の大きさを判定してもよい(実施の形態3)。
このように、第1安定化回路の負荷の大きさを判定する手法として複数の実施形態が考えられる。
【0040】
図7の説明に戻る。
プロセッサ12は、動作の状態が待機中であると判定した場合(ステップS15のYes)、小負荷用に予め定められた閾値を出力電圧VO1の判定に用いると決定する(ステップS17)。小負荷用の閾値は、一例で図6に示す閾値ThSに相当するものである。そして処理を後述するステップS21へ進める。一方、動作の状態が待機中以外であると判定した場合(ステップS15のNo)、大負荷用に予め定められた閾値を出力電圧VO1の判定に用いると決定する(ステップS19)。大負荷用の閾値は、一例で図6に示す閾値ThLに相当するものである。そして、処理をステップS21へ進める。
【0041】
ステップS21で、プロセッサ12は、第1安定化回路22の出力電圧VO1をステップS17またはS19の何れかで述べた閾値と比較する。そして、出力電圧VO1が閾値以下か否かを判定する。出力電圧VO1が閾値を超えている場合(ステップS21のNo)、プロセッサ12は、電源スローダウンが生じていないものと判定し、処理を前述のステップS11へ戻す。このようにして、繰り返し電源入力の遮断と電源スローダウンを監視する。
一方、出力電圧VO1が閾値以下の場合(ステップS21のYes)、プロセッサ12は、電源スローダウンが生じているものと判定し、データのメモリ退避を開始する(ステップS31)。そして、必要なデータを不揮発性メモリ16へ書き込む。
メモリ退避の処理が完了したら(ステップS33のYes)。プロセッサ12は、装置の動作を停止させて、他の電源オフ時の処理を行う(ステップS35)。例えば、不図示の表示部の表示を消す。そして処理を終了する。
やがて、第2安定化回路24の出力電圧が降下してプロセッサ12は動作を停止する。
以上が、データのメモリ退避の処理に関してプロセッサ12が実行する処理の例である。
【0042】
(実施の形態4)
実施の形態1では、第1安定化回路の出力電圧を監視して電源スローダウンの際にデータのメモリ退避を開始している。異なる実施形態として、監視電圧取得回路18が、第1安定化回路22の出力電圧に代えて直流電圧回路30の安定化されていない直流電圧、例えば図2に示す1次平滑コンデンサC1の電圧を取得して監視してもよい。直流電圧回路30の電圧は安定化されていないが、監視電圧取得回路18またはプロセッサ12が、交流電源の周期性を考慮した波形処理を行って電源スローダウンとそれ以外の原因による直流電圧回路30の電圧の変動(例えば、負荷変動に起因する電圧変動)とをより正確に判別できるようにしてもよい。
【0043】
以上に述べたように、
(i)この発明による画像形成装置は、電源からの電圧を第1直流電圧に変換して出力する第1安定化回路と、前記電源からの電圧を前記第1直流電圧より小さい第2直流電圧に変換して出力する第2安定化回路と、前記第1安定化回路を電源として画像形成に係る動作を行う負荷と、前記第1安定化回路の出力電圧を取得する監視電圧取得回路と、前記第2安定化回路を電源としてデータの読み書きを行う不揮発性メモリと、前記第2安定化回路を電源とし、前記負荷の動作を制御すると共に前記監視電圧取得回路が取得した出力電圧が閾値以下の電圧であると判定した場合に制御に係るデータを前記不揮発性メモリに書き込む制御部と、を備え、前記制御部は、前記画像形成に係る動作の状態に応じて異なる閾値を用いて判定を行うことを特徴とする。
【0044】
この発明において、負荷は、第2安定化回路の負荷を指すものとしている。即ち、第2安定化回路から電力の供給を受けて動作するものである。その具体的な態様としては、前述の実施形態におけるモータ、クラッチ、ソレノイド等が挙げられるが、それに限らず、第2安定化回路を電源として動作するものであればその種類は問わない。
また、監視電圧取得回路は、電源スローダウンに対応するために監視する対象の電圧を制御部に提供する回路である。
さらにまた、制御部は、負荷の動作を制御すると共にデータのメモリ退避に係る処理を行うものである。その具体的な態様として、例えば、ハードウェア資源としてプロセッサを中心とする回路が挙げられる。プロセッサが処理プログラムを実行することにより制御部の機能が実現されるものである。前述の実施形態におけるプロセッサは、この発明に係る制御部の主要な要素である。
【0045】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(ii)前記制御部は、前記画像形成に係る動作の状態に応じて前記第1安定化回路の負荷の大きさを決定してもよい。
この態様によれば、第1安定化回路の負荷の大きさを検出するための回路を設けなくても、負荷のおおよその大きさを決定できる。
【0046】
(iii)前記電源の電圧から安定化前の直流電圧を得る直流電圧回路をさらに備え、前記第1安定化回路は前記直流電圧回路の出力を第1直流電圧に変換し、前記第2安定化回路は前記直流電圧回路の出力を第2直流電圧に変換してもよい。
この態様によれば、第1安定化回路と第2安定化回路とが共通の直流電圧回路の電圧をそれぞれ安定化する構成により、個別の直流電圧回路を有する構成よりも単純な構成の電源ユニットが実現できる。
【0047】
(iv)前記監視電圧取得回路は、前記第1安定化回路の出力電圧に代えて前記直流電圧回路の直流電圧の大きさを閾値の電圧と比較してもよい。
この態様によれば、第1安定化回路の出力よりも電源により近く、より電源の状態が直接的に反映される直流電圧回路の直流電圧を用いて電源スローダウンを監視できる。
【0048】
(v)前記電源の電圧の有無を示す電源入力信号を生成する電源入力信号生成回路をさらに備え、前記制御部は、前記電源入力信号生成回路からの電源入力信号が途絶えたことにより前記電源が遮断されたことを検出するかまたは前記監視電圧取得回路が取得した出力電圧が閾値以下の電圧であると判定した場合に制御に係るデータを前記不揮発性メモリに格納して退避させてもよい。
この態様によれば、電源スローダウン時以外に停電や電源スイッチの遮断により電源が遮断された場合は、電源入力信号を用いてそれを検出してデータのメモリ退避を開始できる。
【0049】
この発明の態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0050】
10:制御ユニット、 12:プロセッサ、 14:ワークメモリ、 15:駆動回路、 16:不揮発性メモリ、 18:監視電圧取得回路、 20:電源ユニット、 22:第1安定化回路、 24:第2安定化回路、 26:電源入力信号生成回路、 30:直流電圧回路、 40:負荷、 42:モータ、 44:クラッチ、 46:ソレノイド、 50:ゲート駆動回路、 100:複合機
O1,VO2:出力電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7