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特開2023-154303起伏ロープ架台及び起伏ロープ架台の使用方法
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  • 特開-起伏ロープ架台及び起伏ロープ架台の使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154303
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】起伏ロープ架台及び起伏ロープ架台の使用方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 13/00 20060101AFI20231012BHJP
   B66C 23/26 20060101ALI20231012BHJP
   B66C 23/82 20060101ALI20231012BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
E02D13/00 Z
B66C23/26 C
B66C23/82 C
E02F9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063551
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】武藤 啓志
【テーマコード(参考)】
2D015
2D050
3F205
【Fターム(参考)】
2D015AA00
2D050EE25
3F205AA05
3F205AA20
3F205DA03
3F205JA10
(57)【要約】
【課題】安全かつ簡単に起伏ロープを輸送状態にすることができる起伏ロープ架台及び起伏ロープ架台の使用方法を提供する。
【解決手段】旋回体に起伏可能かつ着脱可能に設けられたガントリ22と、起伏ロープ24を巻回する起伏ウインチとを備えた建設機械の輸送治具として用いられ、ガントリ22に起伏ロープ24を配備した状態で、起伏ウインチから繰り出された起伏ロープ24の部分を収納して搬送する起伏ロープ架台39において、起伏ロープ24の部分を複数回周回して束ねた集束体40として収納する有底枠状の収納部41と、吊り上げ用の吊り部42と、ガントリ22に着脱可能な取付部43,44とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回体に起伏可能かつ着脱可能に設けられたガントリと、起伏ロープを巻回する起伏ウインチとを備えた建設機械の輸送治具として用いられ、前記ガントリに前記起伏ロープを配備した状態で、前記起伏ウインチから繰り出された前記起伏ロープの部分を収納して搬送する起伏ロープ架台において、
前記起伏ロープの部分を複数回周回して束ねた集束体として収納する有底枠状の収納部と、
吊り上げ用の吊り部と、
前記ガントリに着脱可能な取付部と、
を備えていることを特徴とする起伏ロープ架台。
【請求項2】
請求項1記載の起伏ロープ架台の使用方法であって、
前記ガントリを倒伏させた状態で、
前記起伏ロープ架台を前記起伏ウインチの起伏ロープを繰り出す方向に整合させて地面に載置する段階と、
前記起伏ロープを繰り出しながら、前記集束体を平面視で8の字状をなして前記収納部に収納する段階と、
前記起伏ウインチのドラムから前記起伏ロープの末端を取り外す段階と、
前記吊り部及び前記取付部を使用して前記起伏ロープ架台を前記ガントリに取り付ける段階と、
を順に行うことを特徴とする起伏ロープ架台の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起伏ロープ架台及び起伏ロープ架台の使用方法に関し、詳しくは、建設機械の分解・輸送の際に用いられる起伏ロープ架台及び起伏ロープ架台の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の建設機械、例えば3点式杭打機では、輸送時における質量制限のため、上部旋回体からガントリと付属のミドルシーブブロックとを一体で取り外して輸送し、現場でこれらを組み立てて使用している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-131364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガントリの着脱を行うための準備として、起伏ロープを輸送に適した形にまとめる処理が施される。起伏ロープは、長さが100mを超えるワイヤロープであって、上部旋回体に搭載した起伏ウインチから繰り出された後、ガントリシーブブロックを経由してミドルシーブブロックの複数のシーブに巻き掛けられ、ロープ末端がガントリシーブブロックに接続されている。
【0005】
起伏ロープのまとめ処理は、通常、ガントリに配備した状態で行われ、起伏ウインチのドラムから抜き取った部分をガントリに縛り付けて固定する方法が用いられている。しかしながら、こうした作業は、ガントリに上って行う高所作業となり、番線(比較的柔らかい鉄線)などを用いて固定する手間も生じることから、作業者にとって負担が大きいものであった。
【0006】
そこで本発明は、安全かつ簡単に起伏ロープを輸送状態にすることができる起伏ロープ架台及び起伏ロープ架台の使用方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の起伏ロープ架台は、旋回体に起伏可能かつ着脱可能に設けられたガントリと、起伏ロープを巻回する起伏ウインチとを備えた建設機械の輸送治具として用いられ、前記ガントリに前記起伏ロープを配備した状態で、前記起伏ウインチから繰り出された前記起伏ロープの部分を収納して搬送する起伏ロープ架台において、前記起伏ロープの部分を複数回周回して束ねた集束体として収納する有底枠状の収納部と、吊り上げ用の吊り部と、前記ガントリに着脱可能な取付部とを備えていることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の起伏ロープ架台の使用方法は、前記起伏ロープ架台の使用方法であって、前記ガントリを倒伏させた状態で、前記起伏ロープ架台を前記起伏ウインチの起伏ロープを繰り出す方向に整合させて地面に載置する段階と、前記起伏ロープを繰り出しながら、前記集束体を平面視で8の字状をなして前記収納部に収納する段階と、前記起伏ウインチのドラムから前記起伏ロープの末端を取り外す段階と、前記吊り部及び前記取付部を使用して前記起伏ロープ架台を前記ガントリに取り付ける段階とを順に行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、起伏ロープ架台が、起伏ロープの部分を集束体として収納する有底枠状の収納部と、吊り上げ用の吊り部と、ガントリに着脱可能な取付部とを備えているので、従来では高所作業を強いられていた起伏ロープのまとめ処理を地上で行うことが可能となり、その後のクレーン搬送やガントリへの取付け、ガントリの分離・積載といった一連の作業を効率良く進めることができる。すなわち、安全かつ簡単に起伏ロープを輸送状態にすることができる。しかも、起伏ロープの集束体を平面視で8の字状をなして収納する手順を実施するので、ロープ末端が両方固定された状態、すなわち、一方のロープ末端がガントリに、他方のロープ末端が起伏ウインチにそれぞれ固定された状態であっても起伏ロープに無理な力が加わることがなく、安定した収納状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一形態例を示す起伏ロープ架台を搭載したガントリの側面図である。
図2図1のII-II矢視図である。
図3図1のIII-III断面図である。
図4図1のIV-IV断面図である。
図5】同じく起伏ロープを起伏ロープ架台に収納する作業工程を示す図である。
図6】同じく起伏ロープ架台をガントリと一体で上部旋回体から分離する作業工程を示す図である。
図7図6のVII-VII断面図である。
図8図6のVIII-VIII断面図である。
図9図6のIX-IX断面図である。
図10】同じく起伏ロープ架台が適用される杭打機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図10は、本発明の一形態例における起伏ロープ架台を建設機械の一例である杭打機に適用した図である。杭打機11は、図10に示すように、下部走行体12及び該下部走行体12の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体13からなるベースマシン14と、上部旋回体13の前部に着脱可能に設けられたリーダブラケット15と、該リーダブラケット15の前端部に起伏可能に設けられたリーダ16と、リーダブラケット15の両側面に設けられた左右一対のフロントジャッキ17と、上部旋回体13の後部に設けられた左右一対のアウトリガジャッキ18と、リーダ16を上部旋回体13の後部から支持する左右一対のバックステー19とを備えている。
【0012】
また、上部旋回体13の後端下部には、アウトリガジャッキ18が取り付けられるアウトリガボックス20と、該アウトリガボックス20上に載置されるカウンタウエイト21とが設けられている。さらに、上部旋回体13の後部上方には、ガントリ22が起伏可能かつ着脱可能に設けられている。
【0013】
ガントリ22は、図5にも示すように、上部旋回体13の中央後部に設けられた起伏ウインチ23から繰り出される起伏ロープ24をガイドするためのガントリシーブ25を備えている。また、起伏ロープ24は、ガントリ22を起立させた状態(図10)で、起伏ウインチ23から上方に立ち上がってガントリシーブ25の滑車25aを経て前方のミドルシーブブロック26の複数の滑車26aとガントリシーブ25の複数の滑車25aとに掛け回されてロープ末端24aがガントリシーブ25の支軸25bに固定されている(図2)。さらに、ミドルシーブブロック26には、一端がリーダ16に接続されたペンダントロープ27の他端が接続されている。こうして、ガントリ22に起伏ロープ24を配備した状態では、起伏ウインチ23で起伏ロープ24を巻き取ったり、繰り出したりすることによりリーダ16を起伏させることができる。
【0014】
また、ガントリ22は、図8及び図9にも示すように、下端が上部旋回体13のメインフレーム前部に設けられた左右一対の前側ブラケット28,28に油圧式のピン連結装置29で前後方向に回動可能かつ着脱可能に装着された左右一対の前脚30,30と、上端が前脚30,30の上端部にガントリシーブ25の支軸25bを介して回動可能に装着されるとともに、下端が上部旋回体13のメインフレーム後部に設けられた左右一対の後側ブラケット31,31に油圧式のピン連結装置32で回動可能かつ着脱可能に装着された左右一対の後脚33,33とを備え、例えば、クレーンの吊り動作によって、上部旋回体13の後部に起伏可能に設けられている。さらに、前脚30と後脚33との間には、前脚30と後脚33とがなす相対角度を設定角度に保持する周知の後脚吊下げリンク34が設けられている(図1,特許文献1参照)。
【0015】
図2に示されるように、左右一対の前脚30,30の上面には、左右一対のガントリ昇降梯子35,35や複数の吊り部(吊り耳)36、ミドルシーブブロック26の取付部37がそれぞれ設けられている。ガントリ昇降梯子35は、図3及び図4にも示すように、前脚30の上面側長手方向に沿って互いに平行に設けられた一対の縦桟35a,35aと、該一対の縦桟35a,35a同士を繋ぐ複数の横桟35bと、内側の縦桟35aの複数個所に設けられた内側取付腕35cと、外側の縦桟35aにおける内側取付腕35cに対応した位置に設けられた外側取付腕35dとを有し、両取付腕35c,35dを介して前脚30の周壁に設けられたブラケットまたはネジ座にボルト止めされている。
【0016】
このような杭打機11を輸送する際には、質量や大きさに応じて複数に分解されてトレーラなどの輸送車にそれぞれ積載される。まず、上部旋回体13からは、リーダ16、バックステー19、カウンタウエイト21などの大型部品が取り外される。そして、ガントリ22を後方に倒伏して前脚30,30を略水平にした状態で、取付部37に対してミドルシーブブロック26を固定ピン38で固定する。これにより、ミドルシーブブロック26は、左右前脚30,30間の下端部(倒伏状態において前端部)に止着した状態となり(図2)、このとき、ペンダントロープ27は、適宜巻き取られてガントリ22に弛みの少ない状態で保持される。
【0017】
ここで、ガントリ22の着脱を行うための準備として、起伏ロープ24を輸送に適した形にまとめる処理が施される。起伏ロープ24のまとめ処理は、ガントリ22に配備された状態で行われることから、組立性を考慮すると、起伏ウインチ23のドラムから抜き取ってしまうのが効率的である。しかしながら、ドラムから抜き取った起伏ロープ24をまとめるには、ガントリ22に上る必要があるだけでなく、番線などで固定する手間も生じてしまう。そこで、こうした起伏ロープ24のまとめ処理には、安全かつ簡単に起伏ロープ24を輸送状態にすることが可能な起伏ロープ架台39が使用される。
【0018】
起伏ロープ架台39は、図1乃至図4に示すように、起伏ウインチ23から繰り出された起伏ロープ24の部分(ミドルシーブブロック26の複数の滑車26aとガントリシーブ25の複数の滑車25aとに掛け回されていない部分)を収納して搬送し、ガントリ22と一体的に取り扱える輸送治具であって、起伏ロープ24の部分を複数回周回して束ねた集束体(平面視で略8の字状にまとめた束)40として収納する収納部41と、吊り上げ用の吊り部42と、ガントリ22に着脱可能な前部側取付部43及び後部側取付部44と、架台足場用の手摺45とを備えている。
【0019】
収納部41は、集束体40が程よく収まる大きさの有底枠状に形成され、ガントリ22の長手方向に対応した略矩形の底板41aと前後左右一対の側板41bとを有している。底板41aの下面側には4箇所の支持脚41cが設けられるとともに、底板41aの上面側には起伏ロープ24の集束体40を側板41bの内側面に保持するための複数(例えば6つ)のガイド板が設けられ、これらの板片に前後左右4箇所の吊り孔42aを備えることで吊り部(吊り耳)42が形成されている。
【0020】
前部側及び後部側の各取付部43,44は、左右一対のガントリ昇降梯子35,35に係合可能な左右で対をなす対称形状を有し、収納部41の側板41bの外側面にそれぞれ固着されている。前部側取付部43は、側面視で略逆Jの字状をなす板体であって、先端突部43aがガントリ昇降梯子35の内側の縦桟35aに設けられたブラケットの上部に凹設された係合溝部35eに対して係合可能に形成されている。一方、後部側取付部44は、側面視で略逆Uの字状をなす二股状のブラケットであって、ガントリ昇降梯子35の横桟35bを挟み込む前後2枚の板体の先端下部44a,44aにおいて、固定ピン46が挿通されるピン孔44b,44bが設けられている。
【0021】
以下では、起伏ロープ架台39を使用して起伏ロープ24を輸送状態にする方法を、図5乃至図9を参照しながら説明する。まず、図5に示すように、上部旋回体13において、ガントリ22を後方に倒伏して前脚30,30を略水平にした状態とする。このとき、ミドルシーブブロック26は、あらかじめガントリ22の前端部に止着しておき、これに従って起伏ロープ24は、その余長分が所定量巻き取られた状態でガントリ22に配備される。
【0022】
次いで、用意した起伏ロープ架台39を起伏ウインチ23の起伏ロープ24を繰り出す方向に整合させて地面に載置する。具体的には、ガントリシーブ25の真下位置に対して収納部41の前端位置が揃うように前後間隔をあけて地面に載置する。この状態で、起伏ロープ24を後方へ繰り出しながら、起伏ロープ24の部分を手扱いによって起伏ロープ架台39に載せていく。このとき、収納部41の底板41a上において、起伏ロープ24の束状部分が複数のガイド板(吊り部42)と側板41bとの間に挟まり、略8の字形状を保ちながら集束体40として収納部41に収納される。
【0023】
起伏ウインチ23に巻回されていた起伏ロープ24がなくなると、図示は省略するが、起伏ウインチ23のドラムから起伏ロープ24の末端を取り外し、起伏ロープ24の部分を起伏ロープ架台39に収納した状態とする。そして、吊り部42を使用したクレーンの吊り動作で、ガントリ22上に起伏ロープ架台39を運び込み、前部側取付部43及び後部側取付部44を使用して、ガントリ22の前脚30,30間の定位置に取り付ける。これにより、ガントリ22上において、ミドルシーブブロック26と起伏ロープ架台39とが前後に並んで安定状態で保持される(図2)。
【0024】
ここで、上部旋回体13に対してガントリ22を分離させるには、図7などに示すように、吊り位置を起伏ロープ架台39の吊り部42からガントリ22の吊り部36に変更し、図8及び図9に示すように、前脚30,30及び後脚33,33の各ピン連結装置29,32に対して、油圧供給のためのホース47,48を接続した状態で、圧油を得てそれぞれピン抜取り方向に作動させる。これにより、各脚30,32と上部旋回体13との間で連結状態が解除される。また、連結解除時には、前脚30と後脚33との間において後脚吊下げリンク34が取り付けられ、前脚30に対して後脚33が設定角度に保持される。
【0025】
こうして、ガントリ22と一体で搬送することが可能になった起伏ロープ架台39は、図6に示すように、クレーンの吊り動作によって、例えば、ベースマシン14の近傍地面に搬送され、ガントリ22の後脚33に輸送台座49を取り付けた後、その状態のまま輸送車の荷台に積載される。そして、輸送先の現場に搬入されると、杭打機11を組み立てる過程において、上述と逆の手順が行われる。つまり、起伏ロープ24は、再び起伏ウインチ23に取り込まれ、一方で、空状態の起伏ロープ架台39は、現場に設けられた置き場所に移動される。
【0026】
このように、本発明によれば、起伏ロープ架台39が、起伏ロープ24の部分を集束体40として収納する有底枠状の収納部41と、吊り上げ用の吊り部42と、ガントリ22に着脱可能な取付部43,44とを備えているので、従来では高所作業を強いられていた起伏ロープ24のまとめ処理を地上で行うことが可能となり、その後のクレーン搬送やガントリ22への取付け、ガントリ22の分離・積載といった一連の作業を効率良く進めることができる。すなわち、安全かつ簡単に起伏ロープ24を輸送状態にすることができる。しかも、起伏ロープ24の集束体40を平面視で8の字状をなして収納する手順を実施するので、ロープ末端が両方固定された状態、すなわち、一方のロープ末端がガントリ22に、他方のロープ末端が起伏ウインチ23にそれぞれ固定された状態であっても起伏ロープ24に無理な力が加わることがなく、安定した収納状態を得ることができる。
【0027】
なお、本発明は、前記形態例に限定されるものではなく、起伏ロープ架台の各部の構成は、搬送性を考慮して種々の構成が考えられ、ガントリの仕様や起伏ロープの長さに応じて適宜変更を加えることができる。また、実施例では杭打機を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、ガントリを備えた他の大型建設機械にも適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
11…杭打機、12…下部走行体、13…上部旋回体、14…ベースマシン、15…リーダブラケット、16…リーダ、17…フロントジャッキ、18…アウトリガジャッキ、19…バックステー、20…アウトリガボックス、21…カウンタウエイト、22…ガントリ、23…起伏ウインチ、24…起伏ロープ、24a…ロープ末端、25…ガントリシーブ、25a…滑車、25b…支軸、26…ミドルシーブブロック、26a…滑車、27…ペンダントロープ、28…前側ブラケット、29…ピン連結装置、30…前脚、31…後側ブラケット、32…ピン連結装置、33…後脚、34…後脚吊下げリンク、35…ガントリ昇降梯子、35a…縦桟、35b…横桟、35c…内側取付腕、35d…外側取付腕、35e…係合溝部、36…吊り部、37…取付部、38…固定ピン、39…起伏ロープ架台、40…集束体、41…収納部、41a…底板、41b…側板、41c…支持脚、42…吊り部、42a…吊り孔、43…前部側取付部、43a…先端突部、44…後部側取付部、44a…先端下部、44b…ピン孔、45…手摺、46…固定ピン、47,48…ホース、49…輸送台座
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10