(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154304
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/02 20060101AFI20231012BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20231012BHJP
【FI】
G09B5/02
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063552
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】榊原 昌輝
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA01
2C028BA01
2C028BA02
2C028BB01
2C028BC05
2C028BD01
5L049CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】学習の対象が予め用意されている情報の範囲内に限られることなく、ユーザが興味のある情報に基づき効果的に学習することが可能な学習支援装置を提供すること。
【解決手段】ユーザ任意のSNS投稿者のアカウントを学習対象アカウントデータ記憶領域に記憶させて設定する。またユーザの学習状況に応じて学習対象となる単語、熟語などの語句またはユーザ任意の学習対象の語句を、学習対象設定語句データ記憶領域に記憶させて設定する。制御部は、設定されたSNS投稿者の投稿データであって、設定された語句を文中に含む投稿データを、SNSサーバ20A~20Cへ要求して取得し、取得された投稿データを、当該投稿データに含まれる設定された語句を識別可能な態様にして表示部17に表示させる。ユーザは、表示された投稿データの投稿文を学習対象として、識別された語句を確認しつつ辞書検索して訳すなどの学習をしたり例文として学習したりする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと通信する通信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザの学習状況に応じて検索対象とする語句を設定し、
前記サーバに投稿された投稿文のうち、前記設定された語句を含む投稿文を、前記通信部を介して前記サーバから学習対象文として取得し、
前記学習対象文を表示部に表示させる、
学習支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記学習対象文を、前記表示部の画面サイズに応じた表示の態様で、前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記学習対象文を、前記学習対象文に含まれる、少なくとも前記設定された語句を識別可能にして、前記表示部に表示させる、
請求項1または請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、
第1機能を使用する際に、前記サーバから複数の前記学習対象文を取得している場合において、
前記表示部の画面サイズが予め設定されたサイズ以下である場合は、前記複数の前記学習対象文のうち、1つの前記学習対象文を前記表示部に表示させると共に、他の前記学習対象文を前記ユーザの指定に応じて前記表示部に表示させ、
前記表示部の画面サイズが前記予め設定されたサイズより大きい場合は、前記複数の前記学習対象文のうち、1つの前記学習対象文を前記表示部に表示させると共に、他の前記学習対象文の一部を前記表示部に表示させる、
請求項1または請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記サーバから複数の前記学習対象文を取得した場合、所定の条件に応じて設定された前記複数の前記学習対象文それぞれの優先順位に基づいて、前記複数の前記学習対象文を前記表示部に表示させる、
請求項4に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記複数の前記学習対象文毎に、前記ユーザの語学レベルに応じた語句の含まれる割合に応じて優先順位を設定する第1条件と、前記学習対象文における口語表現度に応じて優先順位を設定する第2条件と、前記ユーザが予め設定した地域に応じて優先順位を設定する第3条件と、の少なくとも1つの条件に基づき前記複数の前記学習対象文の優先順位を設定する、
請求項5に記載の学習支援装置。
【請求項7】
前記制御部は、
第2機能を使用する際に、前記サーバから複数の前記学習対象文を取得している場合において、
前記表示部の画面サイズが予め設定されたサイズ以下である場合は、前記複数の前記学習対象文の一部を前記表示部に表示させ、
前記表示部の画面サイズが前記予め設定されたサイズより大きい場合は、前記複数の前記学習対象文のうち、1つの前記学習対象文を前記表示部に表示させると共に、他の前記学習対象文の一部を前記表示部に表示させる、
請求項1または請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記サーバから複数の前記学習対象文を取得した場合、所定の条件に応じて設定された前記複数の前記学習対象文それぞれの優先順位に基づいて、前記複数の前記学習対象文を前記表示部に表示させる、
請求項7に記載の学習支援装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記複数の前記学習対象文毎に、前記ユーザの語学レベルに応じた語句の含まれる割合に応じて優先順位を設定する第1条件と、前記学習対象文における口語表現度に応じて優先順位を設定する第2条件と、前記ユーザが予め設定した地域に応じて優先順位を設定する第3条件と、の少なくとも1つの条件に基づき前記複数の前記学習対象文の優先順位を設定する、
請求項8に記載の学習支援装置。
【請求項10】
前記ユーザの学習情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された前記学習情報に基づき、前記ユーザの学習状況に応じた語句を設定する、
請求項1または請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記ユーザが入力したテキストを前記表示部に表示させ、
前記表示部に表示させたテキストに含まれる語句を、前記ユーザの学習状況に応じた語句に設定する、
請求項1または請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項12】
サーバと通信する通信部と、
制御部と、を備えた学習支援装置の前記制御部により、
ユーザの学習状況に応じて検索対象とする語句を設定し、
前記サーバに投稿された投稿文のうち、前記設定された語句を含む投稿文を、前記通信部を介して前記サーバから学習対象文として取得し、
前記学習対象文を表示部に表示させる、
ようにした学習支援方法。
【請求項13】
サーバと通信する通信部と、
制御部と、を備えた学習支援装置の前記制御部を、
ユーザの学習状況に応じて検索対象とする語句を設定し、
前記サーバに投稿された投稿文のうち、前記設定された語句を含む投稿文を、前記通信部を介して前記サーバから学習対象文として取得し、
前記学習対象文を表示部に表示させる、
ように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの学習を効果的に支援する学習支援装置、学習支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、学生が学習を行なう過程において、単語の訳、語義、例文などの説明情報を調べる場合に、電子辞書が広く利用されている。
【0003】
電子辞書は、英和辞典、和英辞典などの各種の辞書データをROMなどの内蔵の記憶装置に記憶しており、ユーザにより入力された単語の見出し語を辞書データから検索し、検索した見出し語に対応付けられた訳、語義、例文などの説明情報を読み出して表示画面に表示させることで、ユーザに単語の学習を行わせるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子辞書では、ユーザが学習対象として入力した単語に関する情報の取得先は、内蔵の辞書データあるいは別途購入して記憶装置に記憶させた追加の辞書データに依存するため、ユーザは、学習のために予め用意されている辞書データに集録された範囲内の情報しか学習の対象とすることができない。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、学習の対象が予め用意されている情報の範囲内に限られることなく、ユーザが興味のある情報に基づき効果的に学習することが可能になる学習支援装置、学習支援方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る学習支援装置は、
サーバと通信する通信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザの学習状況に応じて検索対象とする語句を設定し、
前記サーバに投稿された投稿文のうち、前記設定された語句を含む投稿文を、前記通信部を介して前記サーバから学習対象文として取得し、
前記学習対象文を表示部に表示させる、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが興味のある情報に基づき効果的に学習することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の学習支援装置、学習支援方法およびプログラムの実施形態に係る学習支援システム1の全体の構成を示す図。
【
図2】電子辞書(学習支援装置)10の電子回路の構成を示すブロック図。
【
図3】電子辞書(学習支援装置)10の辞書制御プログラム12aに従った学習対象文取得処理を示すフローチャート。
【
図4】電子辞書(学習支援装置)10の学習対象文取得処理に含まれる学習対象文表示処理(その1)を示すフローチャート。
【
図5】電子辞書(学習支援装置)10の学習対象文取得処理に含まれる学習対象文表示処理(その2)を示すフローチャート。
【
図6】電子辞書(学習支援装置)10の学習対象文取得処理での<SNS和訳学習機能>に従い複数の投稿データが取得された場合の表示動作の一例を示す図。
【
図7】電子辞書(学習支援装置:画面サイズ(小))10による学習対象文取得処理での<SNS例文検索機能>に従い複数の投稿データが取得された場合の表示動作の一例を示す図。
【
図8】PC(学習支援装置:画面サイズ(大))50による学習対象文取得処理での<SNS例文検索機能>に従い複数の投稿データが取得された場合の表示動作の一例を示す図。
【
図9】PC(学習支援装置)50に表示させたデジタルノート画面G6において<SNS例文検索機能>を起動させた場合の他の実施例を示す図。
【
図10】学習対象文取得中間サーバ60を設けた場合の学習支援システム1の全体の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(実施形態の構成)
図1は、本発明の学習支援装置、学習支援方法およびプログラムの実施形態に係る学習支援システム1の全体の構成を示す図である。
【0012】
学習支援システム1は、
図1(A)に示すように、電子辞書(学習支援装置)10と、インターネットなどの通信ネットワークN上に設けられているSNS(Social Network Service)サーバ20A,20B,20C(外部サーバ)とを含んで構成される。なおSNSサーバは1つであってもよい。
【0013】
電子辞書(学習支援装置)10は、以下に説明する専用の電子辞書10以外に、辞書アプリやデジタルノートアプリを含む学習支援アプリケーションをインストールしたPC(personal computer)50、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとして構成され得る。
【0014】
電子辞書(学習支援装置)10は、Wi-Fi(登録商標)などの通信機能を有し、A社SNSサーバ20A、B社SNSサーバ20B、C社SNSサーバ20Cの各々を利用するためのSNSアプリがインストールされる。
【0015】
電子辞書(学習支援装置)10は、少なくとも以下(1)~(4)の機能を有する。
(1)ユーザによって、複数のSNS投稿者の中から任意のSNS投稿者のアカウント(投稿者識別情報)を選択して設定する機能。
(2)ユーザの学習状況に応じて学習対象となる単語、熟語などの語句、または、SNS投稿者の投稿データ(投稿文)や辞書データに含まれる例文等から、ユーザによって任意に選択された語句を検索対象として設定する機能。(ユーザの学習状況に応じて設定された語句と、上記投稿データや上記例文の中からユーザによって選択された語句とを、以降では、ユーザの学習状況に応じて設定された語句とする。)
(3)設定されたSNS投稿者の投稿データであって、設定された語句を文中に含む投稿データを、SNSサーバ20A,20B,20Cへ要求Rして取得Dする機能。
(4)取得Dされた投稿データを、当該投稿データに含まれる設定された語句を識別可能な態様にして表示部17に表示させる機能。
【0016】
ここで、
図1(B1)は、電子辞書10において、ユーザによって予め設定されたSNS投稿者“President ABC”がSNSサーバに投稿した複数の投稿データの中から、ユーザの学習状況に応じて設定された語句“as”を含む投稿データConを取得し、任意の見出し語を検索するための辞書検索画面G1に学習対象ウインドウW1を表示させた実施例を示している。設定された語句“as”は、例えば太字により識別表示Bdさせる。電子辞書10は、学習対象ウインドウW1の投稿データConに、当該投稿データConの取得先であるSNS社名NS(ここでは「A社SNS」)を付加して表示させる。
【0017】
この場合、投稿データConを取得する処理は、ユーザが電子辞書10を使用していない、例えば電源オフの操作をした後のスリープ状態において実行してよい。
【0018】
辞書検索画面G1において、学習対象ウインドウW1の投稿データConに含まれる任意の単語(ここでは“democracy”)をタッチペンPにより指定して反転表示Hさせ、簡易検索メニューMNの[見出し語ジャンプ]ボタンMJを操作すると、電子辞書10は、内蔵の英和辞典から検索した見出し語“democracy”とその主要な語義のみを抽出し、簡易検索ウインドウWmに表示させる。
【0019】
ユーザは、ユーザ自身の学習状況に応じて設定された語句“as”を含むユーザ任意のSNS投稿者の投稿データ(投稿文)を学習対象文とし、高い興味を持ちつつ和訳学習を行なうことができる。
【0020】
なお、ユーザが指定した任意の見出し語とその主要な語義のみを抽出して表示させる簡易検索機能は、電子辞書10の既存の機能であり詳細な説明は省略する。
【0021】
また、
図1(B2)は、電子辞書10において、ユーザ任意の語句“as”を含む例文の検索(例文検索)を実行した場合に、ユーザによって予め設定されたSNS投稿者がSNSサーバに投稿した複数の投稿データの中から、例えばユーザ操作によって任意に設定された語句“as”を含む投稿データConを取得し、取得した投稿データConを投稿例文Lとして、内蔵の英和辞典から“as”を含む例文を検索した一覧画面である例文一覧画面G2に、取得した投稿データCon(投稿例文L)を追加して表示させた実施例を示している。
図1(B1)で示した学習対象ウインドウW1に表示させる投稿データConの場合と同様に、設定された語句“as”は例えば太字により識別表示Bdさせる。電子辞書10は、投稿例文Lに、その投稿データConの取得先であるSNS社名NS(ここでは「B社SNS」)を付加して表示させる。また、
図1(B1)では、設定された語句“as”のみが太字により識別表示されているが、本実施形態ではこれに限定されない。例えば、設定された語句“as”を含む一文(文の先頭からピリオドまで)を太字、文字色の変更、文字の背景色変更等で識別してもよい。例えば、
図1(B1)の投稿データConが三文(文の先頭からピリオドまでの組が3つある)であり、“as”を含む文が一文である場合、例えば”as”を含む一文を太字にし、他の二文は太字にしない。
【0022】
ユーザは、ユーザ任意に設定した語句“as”を含むユーザ任意のSNS投稿者の投稿データ(投稿文)を、英和辞典から検索された例文の一覧に加えた学習対象の投稿例文Lとし、高い興味を持ちつつ例文の学習を行なうことができる。
【0023】
なお、取得した投稿データConのうち、ユーザ任意の語句を含む一文(ピリオド単位)を表示させるか全ての文を表示させるかの条件は、ユーザにより予め設定する構成としてよい。
【0024】
図2は、電子辞書(学習支援装置)10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0025】
なお、PC(学習支援装置)50などの電子回路も略同様であり、個別の説明は省略する。
【0026】
電子辞書(学習支援装置)10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:central processing unit)11を備える。制御部11は、フラッシュROMなどの記憶部12に記憶された辞書制御プログラム(学習支援プログラム)12aおよびSNSアプリケーションプログラム12b(以下、SNSアプリ12b)に従って回路各部の動作を制御する。CPU等のプロセッサは1つでも2つ以上でもよい。
【0027】
なお、辞書制御プログラム12a、SNSアプリ12b、後述する辞書データ(12c)および学習データ(12f)のうち少なくとも何れかは、メモリカードなどの外部記録媒体13から記録媒体読取部14により読み取られて記憶部12に記憶されてもよいし、通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30からWi-Fiなどの通信部15を介してダウンロードされ記憶部12に記憶されてもよい。
【0028】
実施形態の通信ネットワークN上のWebサーバとしては、
図1で示したA社SNSサーバ20A、B社SNSサーバ20B、C社SNSサーバ20Cを含む。
【0029】
制御部11には、データおよび制御バスを介して、記憶部12、記録媒体読取部14、通信部15を接続するほか、キー入力部16、タッチパネル式表示部17、音声入力部18および音声出力部19を接続する。
【0030】
記憶部12は、電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部15を介して外部の電子機器と通信接続するための通信プログラムのほか、後述する辞書データ(12c)に基づいた辞書検索処理プログラム、後述する学習データ(12f)に基づいた学習処理プログラムを含む辞書制御プログラム12aを記憶する。
【0031】
また記憶部12は、A社SNSサーバ20A、B社SNSサーバ20B、C社SNSサーバ20Cの各々を利用するためのSNSアプリ12bを記憶する。
【0032】
記憶部12には、辞書データ記憶領域12c、検索履歴データ記憶領域12d、単語帳データ記憶領域12e、学習データ記憶領域12f、学習対象アカウントデータ記憶領域12g、学習対象設定語句データ記憶領域12h、優先表示モード記憶領域12i、投稿データ記憶領域12jおよび作業データ記憶領域12kなど、電子辞書10により各種の機能を実行するためのデータを記憶する記憶領域が確保される。
【0033】
辞書データ記憶領域12cには、見出し語と当該見出し語に対応する語義、例文、解説などの説明情報とを対応付けて集録した各種の辞書コンテンツ(英和辞典/和英辞典/国語辞典/…)が辞書データ(12c)として記憶される。
【0034】
検索履歴データ記憶領域12dには、ユーザ操作に応じた辞書データ(12c)の検索(辞書検索)に従い、見出し語とその説明情報が検索結果として表示される毎に、検索対象とされた見出し語が検索履歴として辞書データの種類別に時系列に記憶される。
【0035】
単語帳データ記憶領域12eには、辞書検索により検索されタッチパネル式表示部17に表示されている見出し語である単語が、例えばキー入力部16の[単語帳]キーに対するユーザ操作に応じて、当該単語とユーザの操作履歴が対応付けて記憶される。
【0036】
学習データ記憶領域12fには、例えば英単語の練習問題、発音やヒアリングのテキストなど、各種の学習コンテンツが学習データ(12f)として記憶される。学習データ(12f)の各学習コンテンツには、ユーザの学習した履歴が記録される。
【0037】
検索履歴データ(12d)、単語帳データ(12e)、学習データ(12f)は、何れもユーザの学習履歴であって学習状況に応じた学習情報である。また、検索履歴データ(12d)、単語帳データ(12e)、学習データ(12f)は、ユーザの学習状況である。
【0038】
学習対象アカウントデータ記憶領域12gには、ユーザが興味のある人物、組織、団体などのSNS投稿者のアカウント(投稿者識別情報)が、ユーザ操作に応じて選択(設定)されて記憶される。
【0039】
学習対象設定語句データ記憶領域12hには、ユーザが学習対象とした例えば最新の単語、熟語などの語句が、検索履歴データ(12d)、単語帳データ(12e)、学習データ(12f)に基づき、学習対象語句として設定されて記憶される。また、任意の語句を対象に例文検索を実行する場合には、検索の対象としてユーザ操作に応じて入力された単語、熟語などの語句が、学習対象語句として設定されて記憶される。
【0040】
優先表示モード記憶領域12iには、学習対象アカウントデータ記憶領域12gに登録されたSNS投稿者のアカウントおよび学習対象設定語句データ記憶領域12hに設定された語句に基づいて、SNSサーバ20A,20B,20Cから複数の投稿データが取得された場合に、取得された複数の投稿データを、ユーザの語学レベルに応じた優先順位で表示させる「語学レベル優先モード(第1条件)」か、口語表現度の高い優先順位で表示させる「口語表現優先モード(第2条件)」か、ユーザが設定した投稿地域に近い優先順位で表示させる「投稿地域優先モード(第3条件)」か、の何れかの優先表示モード(優先順位の条件)(12i)がユーザにより設定されて記憶される。
【0041】
なお、複数の投稿データ毎にユーザの語学レベルに応じた語句の割合を算出する手法、複数の投稿データ毎に口語表現度を算出する手法については、後述の動作説明において詳述する。
【0042】
投稿データ記憶領域12jには、SNSサーバ20A,20B,20Cから取得された投稿データConが記憶される。投稿データConは、投稿者、投稿日、投稿文、投稿地域(例えば、緯度/経度)、SNS社名のデータを含む。
【0043】
作業データ記憶領域12kには、制御部11による辞書制御プログラム12aおよびSNSアプリ12bに従った回路各部の動作の制御に伴い、ユーザ操作に応じて入力されたデータや制御部11により取得あるいは生成されるなどした各種のデータが必要に応じて一時記憶(保持)される。
【0044】
このように構成された電子辞書(学習支援装置)10は、制御部11が、記憶部12に記憶された辞書制御プログラム12aおよびSNSアプリ12bの命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
【0045】
(実施形態の動作)
実施形態の電子辞書(学習支援装置)10の動作について説明する。
【0046】
図3は、電子辞書(学習支援装置)10の辞書制御プログラム12aに従った学習対象文取得処理を示すフローチャートである。
【0047】
図4は、電子辞書(学習支援装置)10の学習対象文取得処理に含まれる学習対象文表示処理(その1)を示すフローチャートである。
【0048】
図5は、電子辞書(学習支援装置)10の学習対象文取得処理に含まれる学習対象文表示処理(その2)を示すフローチャートである。
【0049】
実施形態の学習対象文取得処理では、SNSの投稿データを利用してユーザに和訳の学習を行なわせる<SNS和訳学習機能(第1機能)>と、SNSの投稿データを利用してユーザに例文の学習を行わせる<SNS例文検索機能(第2機能)>と、について説明する。
【0050】
<SNS和訳学習機能(第1機能)>
SNS和訳学習機能は、電子辞書10が、例えば電源オフの操作に応じてスリープ状態に移行したときに制御部11により起動される。なお電源オンの操作に応じて起動されてもよい。
【0051】
制御部11は、学習対象アカウントデータ記憶領域12gに設定されているSNS投稿者のアカウントを読み出して取得する(ステップS1)。また制御部11は、学習対象設定語句データ記憶領域12hに設定されている語句を読み出して取得する(ステップS2)。
【0052】
ここで、学習対象設定語句データ記憶領域12hに設定されている語句は、検索履歴データ(12d)、単語帳データ(12e)、学習データ(12f)に基づきユーザが学習対象として設定した語句である。
【0053】
制御部11は、SNSアプリ12bを起動してA社SNSサーバ20A、B社SNSサーバ20B、C社SNSサーバ20Cと通信接続し(ステップS3)、ステップS1にて取得したユーザが設定したSNS投稿者およびステップS2にて取得したユーザにより設定された学習対象の語句を検索条件として、各SNSサーバ20A~20Cに投稿データを要求する(ステップS4)。
【0054】
SNSサーバ20A~20Cから、ユーザが設定したSNS投稿者の投稿データであって、ユーザにより設定された学習対象の語句を含む投稿データが受信され、制御部11に取得されると、制御部11は、取得した投稿データを投稿データ記憶領域12jに記憶させる(ステップS5)。ここで、受信した学習対象の語句を含む投稿データ(投稿文)を、学習対象文とする。
【0055】
制御部11は、電子辞書10のスリープ状態を解除して電源を遮断した後に、例えば電源オンの操作に応じたタイミングか、または電源を投入した後のSNS和訳学習を指示する操作([SNS和訳トレーニング]アイコンIcの操作:
図6(A)参照)に応じたタイミングで、学習対象文表示処理に移行する(ステップST)。
【0056】
図4に示すように、制御部11は、ステップS5において投稿データ記憶領域12jに記憶された投稿データが複数あるか否かを判定する(ステップT1)。
【0057】
投稿データは複数無い(1つ)と判定すると(ステップT1(No))、制御部11は、ステップT9の処理に移行し、また、投稿データは複数あると判定すると(ステップT1(Yes))、制御部11は、優先表示モード記憶領域12iに設定された優先表示モードを示す情報(データ)に応じて、複数の投稿データを表示させる優先順位を設定する(ステップT2~T8)。
【0058】
複数の投稿データがある場合とは、学習対象アカウントデータ記憶領域12gに設定されたSNS投稿者が1つであって、当該1つのSNS投稿者の複数の投稿データから、設定されている語句を含む複数の投稿データが取得された場合と、設定されたSNS投稿者が複数あって、当該複数のSNS投稿者の複数の投稿データから、設定されている語句を含む複数の投稿データが取得された場合と、の何れも含む。
【0059】
なお、複数の投稿データが取得された場合に優先順位を設定する処理(ステップT2~T8)については、後述にて説明する。
【0060】
投稿データは複数無い(1つ)と判定すると(ステップT1(No))、制御部11は、<SNS例文検索機能>の実行中ではないこと、またはSNS和訳学習を指示する操作が行なわれたことに基づいて、<SNS和訳学習機能>の実行中であると判定し(ステップT9(SNS和訳学習))、ユーザが使用している端末(PC50やタブレット端末)の画面(液晶や有機EL等の表示部やタッチパネル式表示部17)の画面サイズが、予め設定された画面サイズ(表示インチや解像度など)より大きいか小さいかを判定する(ステップT9A)。
【0061】
ここで、予め設定された画面サイズとは、電子辞書10の画面サイズ(表示インチや解像度など)とし、それ以下の画面サイズを“小さい”、それより大きいPC50、タブレット端末などの画面サイズを“大きい”と判定する。例えば、電子辞書10の画面サイズが5.2インチである場合、5.2インチ以下の画面サイズを“小さい”、5.2インチより大きい画面サイズを“大きい”と判定する。
【0062】
なお、以下のステップT9A、T10、T14に従い実行する処理は、<SNS和訳学習機能>の実行に伴い取得された複数の投稿データを、優先表示モード(12i)に応じて設定される優先順位に基づき、ユーザが使用している端末の画面サイズが比較的小さい場合と大きい場合とで、その表示の態様を異ならせて表示させるための処理であるが、取得された投稿データが1つである場合も、ステップT9A、T10、T14において、当該1つの投稿データを優先順位が1位の投稿データとして扱い表示させる処理を行なう。説明理解の便宜上、ステップT9A、T10、T14では、優先順位が設定された複数の投稿データを表示させる場合を一旦先に仮定して説明する。
【0063】
ユーザが使用している端末の画面の画面サイズが小さいと判定した場合(ステップT9A(小))、制御部11は、後述するステップT2~T8に従い設定された優先順位の高い投稿データの順に、順位を示すタブを付加して重ねた態様にして表示部17に表示させる(ステップT10)(例えば、
図6(B)参照)。
【0064】
ユーザが使用している端末の画面の画面サイズが大きいと判定した場合(ステップT9A(大))、制御部11は、ステップT2~T8に従い設定された優先順位が1位の投稿データを開いて表示部17に表示させると共に、2位以下の投稿データはその投稿文の先頭の一部(予め設定された単語数)を一覧にして表示部17の余白に割当てて表示させる(ステップT14)(例えば、
図8(B)参照)。
【0065】
投稿データが1つの場合、ステップT10とT14の表示処理では、その何れにおいても、当該投稿データは優先順位1位の投稿データとして処理されるので、当該投稿データConは、表示部17の画面サイズが小さい場合であっても大きい場合であっても、例えば
図1(B1)で示したように、表示部17の画面上に開いた状態で表示されることになる(ステップT10/T14)。
【0066】
制御部11は、投稿データConに含まれる設定された語句を識別表示Bdさせ、また投稿データConの取得先であるSNS社名NSを付加して表示させる。
【0067】
ここで(
図1(B1)参照)、表示された投稿データConに含まれる任意の単語“democracy”をタッチペンPにより指定して反転表示Hさせ、辞書検索を指示する操作を行なうと(ステップT12(Yes))、制御部11は、内蔵の辞書データ(12c)から検索した見出し語“democracy”とその主要な語義のみを抽出し、簡易検索ウインドウWmに表示させる(ステップT13)。
【0068】
ユーザは、ユーザ自身の学習状況に応じて設定された語句を含む、ユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者の投稿データ(投稿文)を学習対象文とし、高い興味を持ちつつ和訳学習を行なうことができる。
【0069】
一方、ステップT1において、投稿データが複数あると判定すると(ステップT1(Yes))、制御部11は、優先表示モード記憶領域12iに設定された優先表示モードを示す情報(データ)に応じて、複数の投稿データを表示させる優先順位を設定する(ステップT2~T8)。
【0070】
優先表示モードを示す情報(優先順位の条件)が「語学レベル優先モード(第1条件)」に設定されている場合(ステップT2(語学レベル優先))、制御部11は、投稿データ記憶領域12jに記憶されている複数の投稿データ毎に、ユーザの語学レベルに応じた語句が含まれる割合を算出し(ステップT3)、その割合が多い順に優先順位を設定する(ステップT4)。この場合、ユーザの語学レベルに応じた投稿データ(投稿文)を優先して学習対象とすることができる。
【0071】
ここで、ユーザの語学レベルとは、例えば、検索履歴データ(12d)、単語帳データ(12e)、学習データ(12f)から得られるユーザが学習対象とした語句の平均的な難易度に応じたレベルであり、難易度の高い語句が多く含まれる場合は語学レベル(高)、普通の難易度の語句が多くまれる場合は語学レベル(中)、難易度の低い語句が多く含まれる場合は語学レベル(低)となる。そして、ユーザの語学レベルに応じた語句は、語学レベル(高)(中)(低)に対応する一定数の語句を予め記憶していてもよいし、ユーザが学習対象とした語句そのものであってもよい。
【0072】
優先表示モードを示す情報(優先順位の条件)が「口語表現優先モード(第2条件)」に設定されている場合(ステップT2(口語表現優先))、制御部11は、投稿データ記憶領域12jに記憶されている複数の投稿データ毎に、口語表現度(口語で表現された文が含まれる割合)を算出し(ステップT5)、口語表現度が高い順に優先順位を設定する(ステップT6)。この場合、口語表現度の高い投稿データ(投稿文)を優先して学習対象とすることができる。
【0073】
なお、ユーザ操作に応じて予め設定した口語表現度に近い順に、投稿データ(投稿文)の優先順位を設定してもよい。
【0074】
ここで、投稿データの口語表現度(%)は、例えば、対象となる投稿データの文の長さを“100”とし、文語で表現された文の長さを引いた残りの割合とする。
【0075】
口語表現度(%)=100-文語表現度(%)
文語で表現された文とは、例えば英語の場合、主語+動詞、主語+動詞+補語、主語+動詞+目的語などの一般的な語順でなる文章や、疑問文・命令文、助動詞、不定詞、動名詞、比較、関係詞等を用いて表現された文章となる。そして、文語表現度(%)は、文の先頭からピリオドまでの単語で構成される文章が、文語表現に全て当てはまれば100%となる。
【0076】
例えば5つの単語から成る文章で1つの単語のみ、文語表現に当てはまらなければ文語表現度は80%となる。
【0077】
従って、対象となる投稿データの文が、例えば3つの文章(ピリオドが3つある)からなる場合、それぞれの文章の口語表現度(%)を求め、その平均値を、対象となる投稿データの口語表現度(%)と定義する。
【0078】
優先表示モードを示す情報(優先順位の条件)が「投稿地域優先モード(第3条件)」に設定されている場合(ステップT2(投稿地域優先))、制御部11は、投稿データ記憶領域12jに記憶されている複数の投稿データ毎に、当該投稿データに含まれる投稿地域(緯度/経度)を抽出し(ステップT7)、ユーザ操作に応じて予め設定した地域(緯度/経度)に近い順に優先順位を設定する(ステップT8)。この場合、ユーザの任意の国や都市などに対応する地域にて投稿された投稿データ(投稿文)を優先して学習対象とすることができる。
【0079】
図6は、電子辞書(学習支援装置)10の学習対象文取得処理での<SNS和訳学習機能>に従い複数の投稿データが取得された場合の表示動作の一例を示す図である。
【0080】
図6では、タッチパネル式表示部17に表示させるコンテンツ一覧画面G3に、[SNS和訳トレーニング]アイコンIcを設けた場合を示している。
【0081】
例えば、電源オフの操作後のスリープ状態において、<SNS和訳学習機能>(学習対象文取得)に従い投稿データが取得されている場合、
図6(A)に示すように、電源オンの操作後にコンテンツ一覧画面G3を表示させた際に、制御部11は、ステップS5にて投稿データ記憶領域12jに新たに記憶された投稿データの数を示す投稿取得数Cn(ここでは“3”)を、[SNS和訳トレーニング]アイコンIcに付加して表示させる。
【0082】
ここで、[SNS和訳トレーニング]アイコンIcが操作されると、制御部11は、ステップT9にて、<SNS和訳学習機能>の実行中であると判定し(ステップT9(SNS和訳学習))、ステップT9Aにて、ユーザが使用している端末の画面の画面サイズが小さいと判定する(ステップT9A(小))。
【0083】
制御部11は、
図6(B)に示すように、取得された3つの投稿データCon1,Con2,Con3を、ステップT2~T8に従って設定された優先順位の順位毎にタブ形式で、投稿データCon1~Con3の表示を切り替える態様にして、タッチパネル式表示部17にSNS和訳トレーニング画面G4として表示させる(ステップT10)。
図6(B)の例では、投稿(1)の優先順位が一番高く、その次に投稿(2)、投稿(3)と続く。優先順位を示すタブが指定された場合、制御部11が、指定されたタブの優先順位に設定されている投稿データConを開いて表示させるのは言うまでもない。
【0084】
また、
図6(B)では各タブの名称が投稿(1)~(3)となっているが、タブの名称はこれに限られない。例えば、SNS投稿者の名前(名前の一部でも可)でもいいし、名前に続けて、SNSを提供する社名(例えばA社)、A社のSNSであることを示す「A社SNS」やA社のSNSサービスの名称の何れか1つをタブの名称として表示してもよい。また、上記取得された学習対象の語句を含む3つの投稿データ(投稿文)Con1~Con3は、それぞれ学習対象文である。
【0085】
そして、SNS和訳トレーニング画面G4に表示された投稿データCon1に含まれる任意の単語“champion”をタッチペンPにより指定して反転表示Hさせ、辞書検索を指示する操作を行なうと(ステップT12(Yes))、制御部11は、内蔵の辞書データ(12c)から検索した見出し語“champion”とその主要な語義のみを抽出し、簡易検索ウインドウWmに表示させる(ステップT13)。
【0086】
ユーザは、ユーザ自身の学習状況に応じて設定された語句を含む、ユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者の複数の投稿データ(投稿文)を、優先表示モード(12i)に設定した「語学レベル優先」または「口語表現優先」または「投稿地域優先」の優先順位で表示部17に表示させて学習対象文とし、より高い興味を持ちつつ効果的な和訳学習を行なうことができる。
【0087】
一方、学習支援装置が、PC50、タブレット端末などである場合、制御部11は、ステップT9Aにおいて、表示部17の画面サイズは大きいと判定する(ステップT9A(大))。
【0088】
制御部11は、ステップT2~T8に従い設定された優先順位が1位の投稿データを開いて表示部17に表示させると共に、2位以下の投稿データはその投稿文の先頭の一部を一覧にして表示部17の余白に割当てて表示させる(ステップT14)(例えば、
図8(B)参照)。
【0089】
なお、
図8(B)は、辞書アプリおよびデジタルノートアプリを含む学習支援アプリケーションをインストールしたPC50におけるデジタルノート画面G6での表示動作の一例を示している。ここでは、デジタルノート画面G6内の余白に対応して開いた学習対象ウインドウW1に、優先順位が1位の投稿データCon1を開いて表示させると共に、2位以下の投稿データCon2,Con3,…をその投稿文の先頭の一部を一覧にして表示させた後に、一覧にある優先順位が2位の投稿データCon2をタッチペンPにより指定し開いて表示させた状態を示している。
【0090】
そして、学習対象ウインドウW1内に開いて表示された投稿データCon2に含まれる任意の単語をタッチペンPにより指定して反転表示Hさせ、辞書検索を指示する操作を行なうと(ステップT12(Yes))、前述の
図6(B)で示した電子辞書10での場合と同様に、制御部11は、辞書アプリに従い検索した指定の単語を見出し語とする主要な語義のみを抽出し、簡易検索ウインドウWmに表示させる(ステップT13)。
【0091】
<SNS例文検索機能(第2機能)>
SNS例文検索機能は、例文検索の対象とする語句の入力エリアを有する例文検索画面(図示せず)において、ユーザ操作に応じて対象の語句を入力し、例文検索の実行を指示したときに、制御部11により、辞書データ(12c)を対象とする通常の例文検索処理と並行して起動される。例文検索の対象の語句は、前述したように学習対象設定語句データ記憶領域12hに記憶される。
【0092】
SNS例文検索機能が起動されると、制御部11は、前述したSNS和訳学習機能と同様に、学習対象アカウントデータ記憶領域12gに設定されているSNS投稿者のアカウントおよび学習対象設定語句データ記憶領域12hに設定されている例文検索の対象の語句を取得する(ステップS1,S2)。
【0093】
制御部11は、SNSアプリ12bを起動してA社SNSサーバ20A、B社SNSサーバ20B、C社SNSサーバ20Cと通信接続し(ステップS3)、ユーザが登録したSNS投稿者および例文検索の対象の語句を検索条件として、各SNSサーバ20A~20Cに投稿データを要求する(ステップS4)。
【0094】
SNSサーバ20A~20Cから、ユーザが登録したSNS投稿者の投稿データであって、例文検索の対象の語句を含む投稿データが受信され、制御部11に取得されると、制御部11は、取得した投稿データを投稿データ記憶領域12jに記憶させ(ステップS5)、学習対象文表示処理に移行する(ステップST)。
【0095】
投稿データ記憶領域12jに記憶された投稿データが複数無い(1つ)と判定すると(ステップT1(No))、制御部11は、<SNS例文検索機能>の実行中であると判定し(ステップT9(SNS例文検索))、ユーザが使用している端末の画面の画面サイズが予め設定された画面サイズより大きいか小さいかを判定する(ステップT9B)。
【0096】
なお、以下のステップT9B、T11、T15に従い実行する処理は、<SNS例文検索機能>の実行に伴い取得された複数の投稿データを、優先表示モード(12i)に応じて設定される優先順位に基づき、ユーザが使用している端末の画面サイズが比較的小さい場合と大きい場合とで、その表示の態様を異ならせて表示させるための処理であるが、取得された投稿データが1つである場合も、ステップT9B、T11、T15において、当該1つの投稿データを優先順位が1位の投稿データとして扱い表示させる処理を行なう。説明理解の便宜上、ステップT9B、T11、T15では、優先順位が設定された複数の投稿データを表示させる場合を一旦先に仮定して説明する。
【0097】
ユーザが使用している端末の画面の画面サイズが小さいと判定した場合(ステップT9B(小))、制御部11は、ステップT2~T8に従い設定された優先順位の高い投稿データの順に、その投稿文の先頭の一部(予め設定された単語数)を一覧にして表示部17に表示させる(ステップT11)(例えば、
図7(A)参照)。
【0098】
ユーザが使用している端末の画面の画面サイズが大きいと判定した場合(ステップT9B(大))、制御部11は、前述した<SNS和訳学習機能>での画面サイズが大きい場合と同様に、優先順位が1位の投稿データを開いて表示部17に表示させると共に、2位以下の投稿データはその投稿文の先頭の一部(予め設定された単語数)を一覧にして表示部17の余白に割当てて表示させる(ステップT15)(例えば、
図8(B)参照)。
【0099】
<SNS例文検索機能>でも、投稿データが1つの場合、ステップT11とT15の表示処理では、その何れにおいても、当該投稿データは優先順位1位の投稿データとして処理されるので、当該投稿データConは、表示部17の画面サイズが小さい場合であっても大きい場合であっても、例えば
図1(B2)で示したように、辞書データ(12c)から検索した例文の例文一覧画面G2に投稿例文Lとして追加した状態で表示されることになる(ステップT11/T15)。
【0100】
ここで(
図1(B2)参照)、表示された投稿例文Lを指定すると、制御部11は、指定された投稿例文Lの投稿データConを学習対象ウインドウW1(
図1(B1)参照)に表示させる。学習対象ウインドウW1に表示させた投稿データConに含まれる任意の単語を指定して辞書検索を指示すると(ステップT12(Yes))、制御部11は、前述した<SNS和訳学習機能>での辞書検索と同様に、辞書データ(12c)から検索した指定の単語の見出し語とその主要な語義のみを抽出し、簡易検索ウインドウWmに表示させる(ステップT13)。
【0101】
ユーザは、ユーザによる任意に設定された語句を含む、ユーザによって予め設定した任意のSNS投稿者の投稿データ(投稿文)を、辞書データ(12c)から検索された例文の一覧に加えた学習対象の投稿例文Lとし、高い興味を持ちつつ例文の学習を行なうことができる。
【0102】
一方、ステップT1において、投稿データが複数あると判定すると(ステップT1(Yes))、制御部11は、前述同様に、優先表示モード記憶領域12iに設定された優先表示モードを示す情報(データ)に応じて、複数の投稿データを表示させる優先順位を設定する(ステップT2~T8)。
【0103】
図7は、電子辞書(学習支援装置:画面サイズ(小))10による学習対象文取得処理での<SNS例文検索機能>に従い複数の投稿データが取得された場合の表示動作の一例を示す図である。
【0104】
なお、
図7では、取得された複数の投稿データCon1,Con2,…を、辞書データ(12c)から検索した例文の一覧に追加して表示させる態様(
図1(B2)参照)ではなく、別途に設けるSNS例文検索画面G5の検索語句入力エリアAEに例文検索の対象の語句(ここでは“business”)を入力し、[検索]ボタンKSを操作して検索を実行した場合に、取得された複数の投稿データCon1,Con2,…を一覧にして表示させる態様を示している。
【0105】
学習支援装置が、電子辞書(画面サイズ(小))10である場合に、ステップT2~T8の処理に従い、複数の投稿データを表示させる優先順位を設定すると、制御部11は、ステップT9にて、<SNS例文検索機能>の実行中であると判定し(ステップT9(SNS例文検索))、ステップT9Bにて、タッチパネル式表示部17の画面サイズが小さいと判定する(ステップT9B(小))。
【0106】
制御部11は、
図7(A)に示すように、ステップT2~T8に従い設定された優先順位の高い投稿データCon1,Con2,…の順に、その投稿文の先頭の一部を一覧にして表示部17のSNS例文検索画面G5に表示させる(ステップT11)。この際、一覧表示の初期は、優先順位が1位の投稿データCon1を2位以下の投稿データCon2,Con3,…よりも広い領域に開いて表示させる。そして2位以下の投稿データCon2,Con3,…がユーザに指定された場合、例えば
図7(B)に示すように、制御部11が、指定された投稿データ(ここではCon3)を広い領域に開いて表示させるのは言うまでもない。
【0107】
そして、SNS例文検索画面G5に開いて表示された投稿データConに含まれる任意の単語を指定して辞書検索を指示すると(ステップT12(Yes))、制御部11は、辞書データ(12c)から検索した指定の単語の見出し語とその主要な語義のみを抽出し、簡易検索ウインドウWm(例えば
図6(B)参照)に表示させる(ステップT13)。
【0108】
ユーザは、ユーザによる任意に設定された語句を含む例文として、ユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者の複数の投稿データ(投稿文)を、優先表示モードに設定した情報である「語学レベル優先」または「口語表現優先」または「投稿地域優先」の優先順位で表示部17に表示させて学習対象文とし、より高い興味を持ちつつ例文の学習を行なうことができる。
【0109】
図8は、PC(学習支援装置:画面サイズ(大))50による学習対象文取得処理での<SNS例文検索機能>に従い複数の投稿データが取得された場合の表示動作の一例を示す図である。
【0110】
なお、
図8では、取得された複数の投稿データCon1,Con2,…を、辞書データ(12c)から検索した例文の一覧に追加して表示させる態様(
図1(B2)参照)ではなく、例えばデジタルノートアプリに従ったデジタルノート画面G6での英語の学習において、任意の単語(ここでは“borrow”)を辞書検索して簡易検索ウインドウWmに表示させた場合に、制御部11が、辞書検索した単語を例文検索の対象の語句に設定し、取得された複数の投稿データCon1,Con2,…をデジタルノート画面G6に表示させる態様を示している。
【0111】
図8のデジタルノート画面G6において、例えば、[テキスト]アイコンIctは、テキストの入力を行なうためのテキスト入力機能を起動させる際に操作され、[辞書ツール]アイコンIcdは、辞書検索を行なうための辞書検索機能を起動させる際に操作され、[SNS投稿検索]アイコンIcsは、辞書検索した単語やテキストで入力された文章の中でユーザによって選択された単語を例文検索の対象の語句に設定し、<SNS例文検索機能>を起動させる際に操作される。
【0112】
学習支援装置が、PC50、タブレット端末などである場合、制御部11は、ステップT9Bにおいて、表示部17の画面サイズは大きいと判定する(ステップT9B(大))。
【0113】
制御部11は、
図8(B)に示すように、ステップT2~T8に従い設定された優先順位が1位の投稿データを開いて表示部17に表示させると共に、2位以下の投稿データはその投稿文の先頭の一部を一覧にして表示部17の余白に割当てて表示させる(ステップT15)。
【0114】
なお、
図8(B)は、デジタルノート画面G6内の余白に対応して開いた学習対象ウインドウW1に、優先順位が1位の投稿データCon1を開いて表示させると共に、2位以下の投稿データCon2,Con3,…をその投稿文の先頭の一部を一覧にして表示させた後に、一覧にある優先順位が2位の投稿データCon2をタッチペンPにより指定し開いて表示させた状態を示している。
【0115】
そして、学習対象ウインドウW1内に開いて表示された投稿データCon2に含まれる任意の単語を指定して辞書検索を指示すると(ステップT12(Yes))、制御部11は、辞書検索機能に従い検索した指定の単語を見出し語とする主要な語義のみを抽出し、簡易検索ウインドウWm(例えば
図6(B)参照)に表示させる(ステップT13)。
【0116】
図9は、PC(学習支援装置)50に表示させたデジタルノート画面G6において<SNS例文検索機能>を起動させた場合の他の実施例を示す図である。
【0117】
例えば、[辞書ツール]アイコンIcdにより起動される辞書検索機能に従ったコンテンツ一覧ウインドウLcから英和辞典を選択し、任意の単語(ここでは“temperature”)を見出し語とする辞書検索ウインドウWdを表示させ、また[テキスト]アイコンIctにより起動されるテキスト入力機能により任意のメモ“ There is temperature … ”を入力したテキスト付箋Wtを表示させた状態で、[SNS投稿検索]アイコンIcsにより<SNS例文検索機能>を起動させる。
【0118】
制御部11は、デジタルノート画面G6において複数の学習支援アプリに従い各々表示された表示の内容に共通の単語(ここでは“temperature”)が含まれた場合、当該異なるアプリを利用した共通の単語を、ユーザが未だ習得していない単語と判定して自動的に例文検索の対象の語句に設定し、実施形態の<SNS例文検索機能>に従い取得された複数の投稿データCon1,Con2,…を学習対象ウインドウW1に表示させる。
【0119】
ユーザは、SNS例文検索のための検索対象の語句を効率的に取得することができ、ユーザ自身の現在の学習に必要な語句を含む、ユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者の投稿データConを、学習対象の例文として効率的に学習できる。
【0120】
(実施形態のまとめ)
実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)によれば、ユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者のアカウント(投稿者識別情報)を、学習対象アカウントデータ記憶領域12gに記憶させる。また、ユーザの学習状況に応じて学習対象となる単語、熟語などの語句またはユーザによって任意に設定された学習対象とする語句を、学習対象設定語句データ記憶領域12hに記憶させる。制御部11は、予め設定されたSNS投稿者の投稿データであって、設定された語句を文中に含む投稿データを、SNSサーバ20A,20B,20Cへ要求して取得し、取得された投稿データを、当該投稿データに含まれる設定された語句を識別可能な態様にして表示部17に表示させる。
【0121】
ユーザは、ユーザによって任意のSNS投稿者の投稿データであって、ユーザの学習対象の語句を含む投稿データの投稿文を学習対象として、識別された当該語句を確認しつつ、辞書検索して訳すなどの学習をしたり、例文として学習したりすることができる。
【0122】
よって、学習の対象が記憶部に記憶された学習コンテンツなどの予め用意されている情報の範囲内に限られることなく、ユーザが興味のある情報に基づき効果的に学習することが可能になる。
【0123】
また、実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)によれば、予め設定されたSNS投稿者の投稿データであって、設定された語句を文中に含む投稿データが複数取得された場合、表示部17の画面サイズ(表示インチや解像度など)がPC50やタブレット端末などと比較して小さい電子辞書10の場合には、取得された複数の投稿データの各投稿文にタブを付加し、そのうち1つの投稿文を開いて表示させ、他の投稿文はタブの指定により開くように表示させたり、各投稿文の先頭の一部(予め設定された単語数)を一覧にして表示させ、何れか1つの投稿文の先頭の指定により開くように表示させたりする。
【0124】
一方、電子辞書10より画面サイズが比較的大きいPC50やタブレット端末などの場合には、取得された複数の投稿データのうち1つの投稿文を開いて表示させ、他の投稿文は先頭の一部を一覧にして表示させ、何れか1つの投稿文の先頭の指定により開くように表示させる。
【0125】
これにより、表示部17の画面サイズが比較的小さい電子辞書10の場合と、画面サイズが比較的大きいPC50やタブレット端末などである場合と、の何れであっても、学習対象として取得した複数の投稿文を見易く且つ操作性よく表示させ効率的に学習できる。
【0126】
また、実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)によれば、予め設定されたSNS投稿者の投稿データであって、設定された語句を文中に含む投稿データが複数取得された場合、「語学レベル優先モード」で、投稿データに含まれる文の中でユーザの語学レベルに応じた語句の割合が多い順に優先順位を設定したり、「口語表現優先モード」で、投稿データの口語表現度が高い順に優先順位を設定したり、「投稿地域優先モード」で、投稿データの投稿地域がユーザによる任意に選択された地域に近い順に優先順位を設定したりして、設定した優先順位に従って各投稿データの投稿文を表示させる。
【0127】
これにより、ユーザは、学習対象として取得した複数の投稿文をユーザの希望する条件に応じた優先順位で表示させ、より高い学習意欲を得て効果的に学習できる。
【0128】
また、実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)によれば、ユーザの学習状況に応じて学習対象となる単語、熟語などの語句としては、検索履歴データ(12d)、単語帳データ(12e)、学習データ(12f)に基づいて設定される語句、あるいはデジタルノート画面G6上でのユーザの学習に伴い辞書検索した語句やテキスト付箋Wtに入力した語句を、自動的に学習対象設定語句データ記憶領域12hに記憶させて設定し、予め設定されたSNS投稿者の投稿データであって、設定された語句を文中に含む投稿データを学習対象として取得する。
【0129】
これにより、ユーザは、投稿データを検索するための検索対象の語句を効率的に取得することができ、ユーザ自身の現在の学習に必要な語句を含むユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者の投稿文を、学習対象として効率的に学習できる。
【0130】
なお、前記実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)では、ユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者の投稿データであって、ユーザの学習状況に応じて設定された語句またはユーザ操作によって任意に設定された語句を含む投稿データを、SNSアプリ12bに従いSNSサーバ20A,20B,20Cから取得する構成としたが、ユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者の投稿データをSNSアプリ12bに従い取得し、投稿データ記憶領域12jに一旦記憶させた後に、当該記憶されたユーザによって予め設定された任意のSNS投稿者の投稿データの中から、設定された語句を含む投稿データを検索して表示させる構成としてもよい。
【0131】
また、前記実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)では、複数の投稿データが取得された場合に、その表示の優先順位を設定する条件として、投稿データに含まれるユーザの語学レベルに応じた語句の割合が多い順に設定する「語学レベル優先モード」と、投稿データの口語表現度が高い順に設定する「口語表現優先モード」と、投稿データの投稿地域がユーザによって任意に選択された地域に近い順に設定する「投稿地域優先モード」との、3つの条件を設けて説明したが、これに限らず、表示部17の画面サイズに応じた投稿データの文字数を設定し、設定した文字数を超える投稿データの優先順位を低く設定する「投稿文字数優先モード」を設けてもよい。また、これらの表示の優先順位を設定する複数の条件は、そのうち2以上の条件を組合せて設定してもよい。
【0132】
また、前記実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)の学習対象文取得処理には、SNSサーバ20A,20B,20Cから取得した投稿データのうち、不適切な内容の投稿が含まれる投稿データを削除する処理を加えてよい。
【0133】
また、前記実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)において、SNSサーバ20A,20B,20Cから取得された投稿データを、画像化して投稿データ記憶領域12jに記憶させ、学習対象文表示処理での各処理ステップの必要に応じた投稿データの範囲だけ文字列に変換して処理する構成としてもよい。この場合、表示部17には画面サイズに関わらず、取得された投稿データを拡大/縮小可能に表示できる。
【0134】
また、前記実施形態の学習支援装置(電子辞書10、PC50など)では、
図3および
図4で示した学習対象文取得処理に係る全ての処理を、ユーザの電子辞書10、PC50などにて行なう構成としたが、次の
図10を参照して説明するように、SNSサーバ20A,20B,20Cとの間に、学習対象文取得処理に含まれる一部の処理を分担して行なう学習対象文取得中間サーバ60を設けて構成してもよい。
【0135】
図10は、学習対象文取得中間サーバ60を設けた場合の学習支援システム1の全体の構成を示す図である。
【0136】
学習対象文取得中間サーバ60には、例えば、
図3および
図4で示した学習対象文取得処理のうち、複数の投稿データが取得された場合の表示の優先順位を設定する処理(ステップT2~T8)を分担して行なわせる。
【0137】
すなわち、電子辞書10(PC50など)は、予め設定されたSNS投稿者の投稿データであって、設定された語句を文中に含む投稿データを、学習対象文取得中間サーバ60を介してSNSサーバ20A,20B,20Cへ要求Rする。
【0138】
学習対象文取得中間サーバ60は、SNSサーバ20A,20B,20Cから取得D1した投稿データを対象に優先順位を設定する処理(ステップT2~T8)を実行し、優先順位を設定した投稿データを電子辞書10(PC50など)に取得D2させる。なお、学習対象文取得中間サーバ60には、SNSサーバ20A,20B,20Cから取得D1した投稿データうち、前述したように、不適切な内容の投稿が含まれる投稿データを削除する処理を行なわせてよい。
【0139】
上記の実施形態では、電子辞書10の記憶部12に記憶されたSNSアプリ12bを使用して、SNSサーバ20A、20B、20Cと接続し、予め設定されたSNS投稿者の複数の投稿文(投稿データ)の中から、例えばユーザ操作によって設定された語句を文中に含む投稿文(投稿データ)を、各サーバの図示しない記憶部等から取得していたが、本発明はこれに限定されない。
【0140】
例えば、電子辞書10のSNSアプリ12bに代えて又は加えて、API(Application Programming Interface)を使用してもよい。APIは、ソフトウェア、プログラムやWebサービスの間をつなぐインターフェースである。本実施例では、具体的にWeb APIを使用する。電子辞書10は、予め設定されたSNS投稿者の複数の投稿文(投稿データ)の中から、設定された語句を文中に含む投稿文(投稿データ)を、Web APIを使用することによりSNSサーバ20A等にリクエストし、SNSサーバ20A等はリクエストに応じた投稿文(投稿データ)を電子辞書10に送信する。
【0141】
また、電子辞書10には、A社SNSサーバ20A、B社SNSサーバ20B、C社SNSサーバ20Cの各々のサーバを利用する個別のSNSアプリではなく、複数種類のSNSサーバ(SNSサービス)を利用できる1つのSNSアプリ(共通SNSアプリ)をインストールしてもよい。この場合、共通SNSアプリは、ユーザの要求に応じて適切なWeb APIを選択し、選択されたWeb APIを使用して必要な情報を取得する。具体的には、ユーザがA社SNSサーバ20Aの情報を取得したい場合、共通SNSアプリは、A社SNS用Web APIを選択して所望する投稿文(投稿データ)を取得する。同様にユーザがB社SNSサーバ20Bの情報を取得したい場合、B社SNS用Web APIを選択すればよい。即ち、共通SNSアプリは、ユーザが要求するSNSサーバ(SNSサービス)の種類に対応する専用Web APIを選択して利用することで必要な情報を取得することができる。
【0142】
電子辞書10は、SNSアプリ12bがインストールされていない状態でも、任意のSNS投稿文(投稿データ)を取得できるため、記憶部12の容量を削減することができる。したがって、上記の実施形態の説明において、「SNSアプリ12b」と記載されている部分を、「Web API12b」(SNSアプリ12bが記憶されていた領域にWeb APIを格納するとしてWeb API12bとする)に置き換えてもよい。
【0143】
上記の実施形態のSNS和訳学習機能(第1機能)では、ユーザが設定したSNS投稿者の投稿データであって、ユーザにより設定された学習対象の語句を含む投稿データを、SNSサーバ20A等から受信していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザが設定したSNS投稿者の投稿データを無条件に複数取得し、その中からユーザの語学レベルに応じた投稿データを選択して表示するようにしてもよい。
【0144】
また、SNS例文検索機能(第2機能)では、ユーザが設定したSNS投稿者の投稿データであって、学習対象設定語句データ記憶領域12hに設定されている学習対象の語句を含む投稿データを、SNSサーバ20A等から受信していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザが設定した学習対象の語句を含む投稿データを複数取得し、その中からユーザの語学レベルに応じた投稿データを選択して表示するようにしてもよい。
【0145】
上記の複数の投稿データの中からユーザの語学レベルに応じた投稿データを選択する具体的な方法として、例えば電子辞書10は、投稿データに含まれる単語の数、単語や熟語の難易度、語彙力、投稿データのジャンル(政治、経済、文化、スポーツ、情報処理(AIやコンピュータ関連)等)、文語表現と口語表現の割合等から、当該投稿データの語学レベルを取得し、ユーザの語学レベルと同じ又は近いレベルの投稿文を選択する。
【0146】
以上の実施形態において記載した学習支援システム1による各処理の手法、すなわち、
図3のフローチャートに示す学習支援装置(電子辞書10、PC50など)での学習対象文取得処理、
図4のフローチャートに示す学習対象文取得処理(その1)、
図5のフローチャートに示す学習対象文取得処理(その2)などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、学習支援装置(電子機器)の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0147】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを学習支援装置(電子機器)に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した各種の機能を実現することもできる。
【0148】
なお、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0149】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0150】
[付記1]
サーバと通信する通信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザの学習状況に応じて検索対象とする語句を設定し、
前記サーバに投稿された投稿文のうち、前記設定された語句を含む投稿文を、前記通信部を介して前記サーバから学習対象文として取得し、
前記学習対象文を表示部に表示させる、
学習支援装置。
【0151】
[付記2]
前記制御部は、
前記学習対象文を、前記表示部の画面サイズに応じた表示の態様で、前記表示部に表示させる、
付記1に記載の学習支援装置。
【0152】
[付記3]
前記学習対象文を、前記学習対象文に含まれる、少なくとも前記設定された語句を識別可能にして、前記表示部に表示させる、
付記項1または付記2に記載の学習支援装置。
【0153】
[付記4]
前記制御部は、
第1機能を使用する際に、前記サーバから複数の前記学習対象文を取得している場合において、
前記表示部の画面サイズが予め設定されたサイズ以下である場合は、前記複数の前記学習対象文のうち、1つの前記学習対象文を前記表示部に表示させると共に、他の前記学習対象文を前記ユーザの指定に応じて前記表示部に表示させ、
前記表示部の画面サイズが前記予め設定されたサイズより大きい場合は、前記複数の前記学習対象文のうち、1つの前記学習対象文を前記表示部に表示させると共に、他の前記学習対象文の一部を前記表示部に表示させる、
付記1または付記2に記載の学習支援装置。
【0154】
[付記5]
前記制御部は、
前記サーバから複数の前記学習対象文を取得した場合、所定の条件に応じて設定された前記複数の前記学習対象文それぞれの優先順位に基づいて、前記複数の前記学習対象文を前記表示部に表示させる、
付記4に記載の学習支援装置。
【0155】
[付記6]
前記制御部は、
前記複数の前記学習対象文毎に、前記ユーザの語学レベルに応じた語句の含まれる割合に応じて優先順位を設定する第1条件と、前記学習対象文における口語表現度に応じて優先順位を設定する第2条件と、前記ユーザが予め設定した地域に応じて優先順位を設定する第3条件と、の少なくとも1つの条件に基づき前記複数の前記学習対象文の優先順位を設定する、
付記5に記載の学習支援装置。
【0156】
[付記7]
前記制御部は、
第2機能を使用する際に、前記サーバから複数の前記学習対象文を取得している場合において、
前記表示部の画面サイズが予め設定されたサイズ以下である場合は、前記複数の前記学習対象文の一部を前記表示部に表示させ、
前記表示部の画面サイズが前記予め設定されたサイズより大きい場合は、前記複数の前記学習対象文のうち、1つの前記学習対象文を前記表示部に表示させると共に、他の前記学習対象文の一部を前記表示部に表示させる、
付記1または付記2に記載の学習支援装置。
【0157】
[付記8]
前記制御部は、
前記サーバから複数の前記学習対象文を取得した場合、所定の条件に応じて設定された前記複数の前記学習対象文それぞれの優先順位に基づいて、前記複数の前記学習対象文を前記表示部に表示させる、
付記7に記載の学習支援装置。
【0158】
[付記9]
前記制御部は、
前記複数の前記学習対象文毎に、前記ユーザの語学レベルに応じた語句の含まれる割合に応じて優先順位を設定する第1条件と、前記学習対象文における口語表現度に応じて優先順位を設定する第2条件と、前記ユーザが予め設定した地域に応じて優先順位を設定する第3条件と、の少なくとも1つの条件に基づき前記複数の前記学習対象文の優先順位を設定する、
付記8に記載の学習支援装置。
【0159】
[付記10]
前記ユーザの学習情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された前記学習情報に基づき、前記ユーザの学習状況に応じた語句を設定する、
付記1または付記2に記載の学習支援装置。
【0160】
[付記11]
前記制御部は、
前記ユーザが入力したテキストを前記表示部に表示させ、
前記表示部に表示させたテキストに含まれる語句を、前記ユーザの学習状況に応じた語句に設定する、
付記1または付記2に記載の学習支援装置。
【0161】
[付記12]
外部サーバと通信する通信部と、
制御部と、を備えた学習支援装置の前記制御部により、
ユーザの学習状況に応じて検索対象とする語句を設定し、
前記サーバに投稿された投稿文のうち、前記設定された語句を含む投稿文を、前記通信部を介して前記サーバから学習対象文として取得し、
前記学習対象文を表示部に表示させる、
ようにした学習支援方法。
【0162】
[付記13]
外部サーバと通信する通信部と、
制御部と、を備えた学習支援装置の前記制御部を、
ユーザの学習状況に応じて検索対象とする語句を設定し、
前記サーバに投稿された投稿文のうち、前記設定された語句を含む投稿文を、前記通信部を介して前記サーバから学習対象文として取得し、
前記学習対象文を表示部に表示させる、
ように機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0163】
1 …学習支援システム
10 …電子辞書(学習支援装置)
11 …制御部(CPU)
12 …記憶部
12a…辞書制御プログラム
12b…SNSアプリケーションプログラム
12c…辞書データ記憶領域
12d…検索履歴データ記憶領域
12e…単語帳データ記憶領域
12f…学習データ記憶領域
12g…学習対象アカウントデータ記憶領域
12h…学習対象設定語句データ記憶領域
12i…優先表示モード記憶領域
12j…投稿データ記憶領域
20A,20B,20C…SNSサーバ
30 …Webサーバ
50 …PC(学習支援装置)
60 …学習対象文取得中間サーバ
G1 …辞書検索画面
G2 …例文一覧画面
G3 …コンテンツ一覧画面
G4 …SNS和訳トレーニング画面
G5 …SNS例文検索画面
G6 …デジタルノート画面
W1 …学習対象ウインドウ
Wm …簡易検索ウインドウ
Wd …辞書検索ウインドウ
Wt …テキスト付箋
Con,Con1,Con2,…投稿データ
L …投稿例文
Bd …識別表示
NS …SNS社名