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  • 特開-吹付け方法および吹付けシステム 図1
  • 特開-吹付け方法および吹付けシステム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154306
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】吹付け方法および吹付けシステム
(51)【国際特許分類】
   E04F 21/08 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
E04F21/08 A
E04F21/08 B
E04F21/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063554
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 豊
(57)【要約】
【課題】簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現することができる吹付け方法および吹付けシステムを提供する。
【解決手段】吹付け装置12に備わるノズル14から出射した吹付け材料20を被吹付け体16に吹付ける方法であって、被吹付け体16の表面形状を示す形状パラメータを設定するステップと、設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体16に対する前記ノズル14の位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定するステップと、設定した動作パラメータに従って前記ノズル14を動作させるとともに、前記ノズル14から出射した吹付け材料20を被吹付け体16に吹付けるステップとを有するようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹付け装置に備わるノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付ける方法であって、
被吹付け体の表面形状を示す形状パラメータを設定するステップと、
設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体に対する前記ノズルの位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定するステップと、
設定した動作パラメータに従って前記ノズルを動作させるとともに、前記ノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付けるステップとを有することを特徴とする吹付け方法。
【請求項2】
被吹付け体がH形断面の鉄骨部材であり、吹付け材料が耐火被覆材であることを特徴とする請求項1に記載の吹付け方法。
【請求項3】
吹付け装置に備わるノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付けるシステムであって、
被吹付け体の表面形状を示す形状パラメータを設定するとともに、設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体に対する前記ノズルの位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定する設定手段と、
設定された動作パラメータに従って前記ノズルを動作させるとともに、前記ノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付ける制御手段とを有することを特徴とする吹付けシステム。
【請求項4】
被吹付け体がH形断面の鉄骨部材であり、吹付け材料が耐火被覆材であることを特徴とする請求項3に記載の吹付けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建物の梁、柱等の鉄骨部材への耐火被覆材の吹付け作業を行うための吹付け方法および吹付けシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の梁、柱等の鉄骨部材へ耐火被覆材を吹付ける吹付け装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1の吹付け装置は、台車上に設置された複数の運動関節部からなるマニピュレータと、この先端に設けられたノズル部材と、ノズル部材から被吹付け体までの距離を測定するセンサとを備えており、センサの検知信号に基づいてマニピュレータを操作してノズル部材の位置および向きを制御し、ノズル部材から噴射した耐火被覆材を鉄骨梁などの被吹付け体に吹付けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-302429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の従来の吹付け装置を用いて梁への吹付け作業を全自動的に行う場合、梁の断面形状および梁の各面(例えば、H形鋼梁の場合、上フランジ上面、上フランジ小口面、ウェブ面、下フランジ上面、下フランジ下面、下フランジ小口面)において、ノズル部材を適切に動作させるためのパラメータ設定が必要である。しかし、何をどのように設定すれば、均一に吹付け作業を行えるかが不明であった。
【0005】
そこで、本発明者は、こうした問題を解決するために、吹付け装置の動作試験を通じて効率的な吹付手順、設定方法を見出し、梁断面の条件や、吹付け厚さ、吹付け材料の違いによっても、簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現することができる以下の本発明に至った。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現することができる吹付け方法および吹付けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る吹付け方法は、吹付け装置に備わるノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付ける方法であって、被吹付け体の表面形状を示す形状パラメータを設定するステップと、設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体に対する前記ノズルの位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定するステップと、設定した動作パラメータに従って前記ノズルを動作させるとともに、前記ノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付けるステップとを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る他の吹付け方法は、上述した発明において、被吹付け体がH形断面の鉄骨部材であり、吹付け材料が耐火被覆材であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る吹付けシステムは、吹付け装置に備わるノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付けるシステムであって、被吹付け体の表面形状を示す形状パラメータを設定するとともに、設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体に対する前記ノズルの位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定する設定手段と、設定された動作パラメータに従って前記ノズルを動作させるとともに、前記ノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付ける制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他の吹付けシステムは、上述した発明において、被吹付け体がH形断面の鉄骨部材であり、吹付け材料が耐火被覆材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る吹付け方法によれば、吹付け装置に備わるノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付ける方法であって、被吹付け体の表面形状を示す形状パラメータを設定するステップと、設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体に対する前記ノズルの位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定するステップと、設定した動作パラメータに従って前記ノズルを動作させるとともに、前記ノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付けるステップとを有するので、簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現することができるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明に係る他の吹付け方法によれば、被吹付け体がH形断面の鉄骨部材であり、吹付け材料が耐火被覆材であるので、鉄骨梁などへの耐火被覆材の自動的な吹付け作業を実現することができるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明に係る吹付けシステムによれば、吹付け装置に備わるノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付けるシステムであって、被吹付け体の表面形状を示す形状パラメータを設定するとともに、設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体に対する前記ノズルの位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定する設定手段と、設定された動作パラメータに従って前記ノズルを動作させるとともに、前記ノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付ける制御手段とを有するので、簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る他の吹付けシステムによれば、被吹付け体がH形断面の鉄骨部材であり、吹付け材料が耐火被覆材であるので、鉄骨梁などへの耐火被覆材の自動的な吹付け作業を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明に係る吹付け方法および吹付けシステムの実施の形態の説明図であり、(1)は吹付け面とノズルの位置関係の説明図、(2)は梁断面図、(3)は梁側面図、(4)はパスの説明図、(5)は精度の説明図である。
図2図2は、本実施の形態のパラメータの項目一覧図である。
図3図3は、本実施の形態によるウェブおよび下フランジ上面への吹付け作業の説明図であり、(1)は斜視図、(2)は断面図である。
図4図4は、本実施の形態による上フランジ下面および小口への吹付け作業の説明図であり、(1)は斜視図、(2)、(3)は断面図である。
図5図5は、本実施の形態による下フランジ下面および小口への吹付け作業の説明図であり、(1)は斜視図、(2)、(3)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る吹付け方法および吹付けシステムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
図1(1)に示すように、本発明の実施の形態に係る吹付けシステム10は、吹付け装置12に備わるノズル14から、鉄骨梁16(被吹付け体)の吹付け面18に耐火被覆材20(吹付け材料)を吹付けるものである。なお、本実施の形態では、鉄骨梁がH形断面のH形鋼であり、吹付け材料が吹付けロックウールなどの耐火被覆材である場合を例にとり説明するが、本発明はこれらに限るものではない。また、図1(1)、(4)に示すように、梁軸方向(水平方向)をX軸方向、X軸に直交する水平方向をY軸方向、X軸に直交する高さ方向をZ軸方向とする。
【0018】
吹付け装置12は、図示しない台車上に設置されたマニピュレータと、自身の動作を制御するための制御部22と、パラメータデータを設定入力するための設定部24を備える。台車は、鉄骨梁16の近傍の床上に対して移動可能に配置され、マニピュレータは、複数の運動関節部とアームとこれらを駆動するためのアクチュエータとを有しており、台車に対して上下、前後、左右方向に移動可能に設けられる。アームは、任意の姿勢をとることができる。ノズル14は、アームの先端に対して首振り可能に設けられる。ノズル14の近傍には、図示しない距離センサと、角度センサと、速度センサが設けられる。吹付け装置12としては、例えば特許文献1に記載の装置を利用することができる。
【0019】
距離センサは、ノズル14と吹付け面18との間の距離を測定するセンサであり、例えばノズル14の筒先軸線を挟むように一対配置される。距離センサは、例えばレーザ光を用いた非接触式のセンサを用いることができる。この場合、距離センサは、前方へ向かってレーザ光を照射し、吹付け面18で反射したレーザ光を受信することで、吹付け面18との距離を測定する。角度センサは、基準方向(例えば水平方向)に対するノズル14の筒先角度を検出するセンサであり、例えばジャイロセンサなどによって構成することができる。速度センサは、ノズル14が移動する速度を検出するセンサであり、例えば三軸の加速度センサなどによって構成することができる。この速度センサは、検出された加速度に基づいて演算を行うことで速度を検出可能である。
【0020】
制御部22は、距離センサ、角度センサ、速度センサなどによる検知信号と、設定部24で設定されたパラメータデータに基づいてマニピュレータの動作を制御する制御手段であり、例えば、吹付け装置12の台車上に配置される。この制御部22は、パラメータデータから制御データを生成し、各センサの検知信号と制御データを用いてマニピュレータの動作を制御する。この動作制御を通じてノズル14の位置、向き、移動経路、移動速度、耐火被覆材20の噴射タイミングなどを操作し、ノズル14から耐火被覆材20を噴射し、吹付け面18に吹付ける。
【0021】
設定部24は、パラメータデータを設定入力するための設定手段であり、例えば、吹付け装置12の台車上に配置される。設定部24は、例えば、図2に示すように、コンピュータなどの画面上に表示された表形式の設定入力欄26と、この設定入力欄26に設定値を入力するための図示しないキーボード、マウスなどで構成することができる。パラメータデータは、梁情報パラメータの項目と、吹付けパラメータ(動作パラメータ)の項目である。
【0022】
梁情報パラメータの項目は、図2に示すように、梁せいh、フランジ幅b、フランジ厚t、床から梁天端までの梁天端高さH、梁軸方向の吹付け範囲Lなど、鉄骨梁16の表面形状に関する形状パラメータの項目を含んでおり、ノズル14の軌跡を生成するために設定する。各項目の長さを図1(2)、(3)に示す。
【0023】
吹付けパラメータの項目は、図2に示すように、基本設定項目と、パス(移動経路)に関するパス設定項目からなる。基本設定項目は、鉄骨梁16に対するノズル14の角度a(向き)、距離b(位置)、内速度c1、間速度c2、加速度d1、減速度d2である。パス設定項目は、ピッチe、パス数f、パス長さg1~g4、精度iである。なお、図2に示していないが、初パスの位置および開始点(ノード)についてもパス設定項目として設定する。
【0024】
図1(1)に示すように、角度aは、吹付け面18とノズル14のなす角度である。距離bは、吹付け面18とノズル14の距離である。内速度c1は、パス内のノズル速度である。間速度c2は、パス間のノズル移動速度である。加速度d1および減速度d2は、パス内の加速度調整用に用いる加速度および減速度であり、アームの動作で吹付け装置12に生じる振動をコントロールするために設定する。図1(4)に示すように、ピッチeは、パス間の距離である。パス数fは、パスの数量である。パス長さg1~g4は、ノード0~4間のノズル移動の長さである。具体的には、パス長さg1はノード1,2間の長さ、パス長さg2はノード2,3間の長さ、パス長さg3はノード3,4間の長さ、パス長さg4はノード0,1間の長さである。図1(5)に示すように、精度iは、パス折り返し点付近の滑らかさに関する指標である。
【0025】
パス設定項目は、梁情報パラメータに基づいて算出された値が初期値として設定されてもよいし、ユーザが適宜変更可能または任意入力可能としてもよい。また、パス長さg1、g3は、初期値を所定値に固定してもよい。この場合、パス長さg2は、梁情報パラメータと、事前に設定した算定式等から算出可能としてもよい。
【0026】
吹付けパラメータの各項目は、吹付け対象となる鉄骨梁16の各面について設定する。本実施の形態の吹付け対象は、上フランジ下面および小口、ウェブ面、下フランジ上面、小口および下面を想定しており、各項目はこれらについて設定する。図2の例では、ノズル14の位置に応じて吹付け対象を上段と下段に区分しており、上段は、ウェブ面、下フランジ上面、上フランジ下面および小口について各項目を設定する。下段は、下フランジ下面について各項目を設定する。なお、ウェブ面の「初」は最初のパス、「連続」は最初のパスに連続するパスに関するものである。下フランジ下面の「初」は最初のパス、「連続」は最初のパスに連続するパス、「小口」は小口のパスに関するものである。
【0027】
また、ウェブ面および下フランジ上面のパス長さg1~g3は、ウェブ面においてZ方向に設定され、パス長さg4は、下フランジ上面においてY方向に設定され、パス数fおよびピッチeは、X方向に設定される。上フランジ下面および小口、下フランジ下面および小口のパス長さg1は、X方向に設定され、パス長さg2~g4は設定されない。パス数fおよびピッチeは、Y方向に設定される。
【0028】
上記構成の動作および作用を説明する。
まず、鉄骨梁16の近傍の床上に吹付け装置12を配置する。続いて、設定部24を使用して鉄骨梁16に関する梁情報パラメータの項目と、吹付けパラメータの項目を入力し、パラメータデータを設定する。これにより、自動的な吹付け作業のためのノズル14の移動経路を簡易に設定することができる。
【0029】
パラメータデータを設定すると、制御部22は制御データを生成し、各センサの検知信号と制御データに基づいて吹付け装置12のマニピュレータの動作を制御する。これにより、ノズル14が鉄骨梁16の吹付け面18から予め設定した開始位置(例えば、図3(1)の手前のノード0)に配置される。吹付け面18に対するノズル角度および距離を調整した後、ノズル14から耐火被覆材を噴射して吹付け動作を開始し、設定されたパスに沿ってノズル14を設定速度で移動させる。この吹付け動作は、設定された吹付けパラメータの項目に沿って、例えば鉄骨梁16の各面ごとに、以下のように実行される。
【0030】
(ウェブ面および下フランジ上面に対する吹付け動作)
図3に示すように、ウェブおよび下フランジ上面に対しては、各面に対するノズル14の角度を設定角度に保持し、ノズル14を図の矢印の軌跡(パス)に沿って矩形波状に移動させながら吹付け面18に対する吹付けを行う。
【0031】
(上フランジ下面および小口に対する吹付け動作)
図4(1)、(2)に示すように、上フランジ下面および小口に対しては、小口の吹付け動作は下面の吹付け動作の延長として考える。各面に対するノズル14の角度を設定角度に保持し、ノズル14を図の矢印の軌跡(パス)に沿って矩形波状に移動させながら吹付け面18に対する吹付けを行う。なお、小口のパス数が0の場合は、図4(2)のようにノズル14が移動し、小口のパス数が1の場合は、図4(3)のようにノズル14が移動する。
【0032】
(下フランジ下面および小口に対する吹付け動作)
図5(1)、(2)に示すように、下フランジ下面および小口に対しては、各面に対するノズル14の角度を設定角度に保持し、ノズル14を図の矢印の軌跡(パス)に沿って矩形波状に移動させながら吹付け面18に対する吹付けを行う。なお、初パスの設定角度が60°の場合は、図5(2)のようにノズル14が移動し、初パスの設定角度が90°の場合は、図5(3)のようにノズル14が移動する。
【0033】
このように、梁の断面形状や梁の高さ位置、吹付け厚さ、吹付け材料の性状の違いによっても、パラメータの数値を事前に設定することで、自動的な吹付け作業を実現することができる。したがって、本実施の形態によれば、簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現することができる。このため、作業省力化による生産性向上を図ることができる。
【0034】
以上説明したように、本発明に係る吹付け方法によれば、吹付け装置に備わるノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付ける方法であって、被吹付け体の表面形状を示す形状パラメータを設定するステップと、設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体に対する前記ノズルの位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定するステップと、設定した動作パラメータに従って前記ノズルを動作させるとともに、前記ノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付けるステップとを有するので、簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現することができる。
【0035】
また、本発明に係る他の吹付け方法によれば、被吹付け体がH形断面の鉄骨部材であり、吹付け材料が耐火被覆材であるので、鉄骨梁などへの耐火被覆材の自動的な吹付け作業を実現することができる。
【0036】
また、本発明に係る吹付けシステムによれば、吹付け装置に備わるノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付けるシステムであって、被吹付け体の表面形状を示す形状パラメータを設定するとともに、設定した形状パラメータに応じて、被吹付け体に対する前記ノズルの位置、向きおよび移動経路を示す動作パラメータを設定する設定手段と、設定された動作パラメータに従って前記ノズルを動作させるとともに、前記ノズルから出射した吹付け材料を被吹付け体に吹付ける制御手段とを有するので、簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現することができる。
【0037】
また、本発明に係る他の吹付けシステムによれば、被吹付け体がH形断面の鉄骨部材であり、吹付け材料が耐火被覆材であるので、鉄骨梁などへの耐火被覆材の自動的な吹付け作業を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明に係る吹付け方法および吹付けシステムは、建物の梁、柱等の鉄骨部材への耐火被覆材の吹付け作業に有用であり、特に、簡易な設定で自動的な吹付け作業を実現するのに適している。
【符号の説明】
【0039】
10 吹付けシステム
12 吹付け装置
14 ノズル
16 鉄骨梁(被吹付け体)
18 吹付け面
20 耐火被覆材(吹付け材料)
22 制御部(制御手段)
24 設定部(設定手段)
26 設定入力欄
図1
図2
図3
図4
図5