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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154320
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】空間調整システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/172 20220101AFI20231012BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20231012BHJP
   F24H 15/176 20220101ALI20231012BHJP
   F24H 15/265 20220101ALI20231012BHJP
   F24H 15/30 20220101ALI20231012BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231012BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231012BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
F24H15/172
F24H15/196 301Z
F24H15/176
F24H15/265
F24H15/30
F21V23/00 115
F21S2/00 600
F21V33/00 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063577
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】西島 奈央
【テーマコード(参考)】
3K014
3L024
【Fターム(参考)】
3K014AA00
3L024CC30
3L024DD42
3L024DD50
3L024EE16
3L024GG42
3L024HH60
(57)【要約】
【課題】入浴完了後に浴室とは別の部屋等の空間に移動する場合にその空間の環境を調整できる空間調整システムを提供する。
【解決手段】空間調整システムが、利用者による浴室での入浴が完了したか否かを判定する入浴完了判定部11と、浴室とは別の調整対象空間の環境を調整できる空間調整装置Dと、入浴完了判定部11によって浴室での入浴が完了したと判定された場合、空間調整装置Dの動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる制御装置10とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による浴室での入浴が完了したか否かを判定する入浴完了判定部と、
前記浴室とは別の調整対象空間の環境を調整できる空間調整装置と、
前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定された場合、前記空間調整装置の動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる制御装置とを備える空間調整システム。
【請求項2】
前記利用者から前記空間調整装置の前記入浴後動作状態の入力を受け付ける入力受付部を備える請求項1に記載の空間調整システム。
【請求項3】
前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことを検知する侵入検知部を備え、
前記制御装置は、前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定され、且つ、前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知された場合、前記空間調整装置の動作状態を前記入浴後動作状態にさせる請求項1に記載の空間調整システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定され、且つ、予め設定された時刻になった場合、前記空間調整装置の動作状態を前記入浴後動作状態にさせる請求項1に記載の空間調整システム。
【請求項5】
前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことを検知する侵入検知部を備え、
前記制御装置は、前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定され、且つ、前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知されてから設定時間が経過した場合、前記空間調整装置の動作状態を前記入浴後動作状態にさせる請求項1に記載の空間調整システム。
【請求項6】
前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことを検知する侵入検知部を備え、
前記制御装置は、
前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定され、且つ、前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知された場合、前記空間調整装置の動作状態を一つの前記入浴後動作状態にさせ、
前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知されてから設定時間が経過した場合、又は、前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知された後に予め設定された時刻になった場合、前記空間調整装置の動作状態を別の一つの前記入浴後動作状態にさせる請求項1に記載の空間調整システム。
【請求項7】
前記入浴完了判定部は、浴槽に湯張りが行われた状態であるか否かを検知する湯張状態検知部と、前記利用者が前記浴槽に入っている状態であるか否かを検知する入浴状態検知部と、前記利用者が前記浴室に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部との検知結果に基づいて、湯張りが行われた前記浴槽に入った前記利用者が前記浴槽から出た後、前記利用者が前記浴室から退室したと判定した場合、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したと判定する請求項1~6の何れか一項に記載の空間調整システム。
【請求項8】
前記入浴完了判定部は、前記利用者が前記浴室に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に前記利用者が前記浴室から退室したと判定した場合、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したと判定する請求項1~6の何れか一項に記載の空間調整システム。
【請求項9】
前記入浴完了判定部は、浴槽に湯張りが行われた状態であるか否かを検知する湯張状態検知部と、前記利用者が前記浴室に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に前記利用者が前記浴槽に湯張りが行われた状態にある前記浴室から退室したと判定した場合、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したと判定する請求項1~6の何れか一項に記載の空間調整システム。
【請求項10】
前記入浴完了判定部は、前記浴室での湯張り以外の湯の使用状態を検知する給湯状態検知部と、前記利用者が前記浴室に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に前記利用者が前記浴室で湯を使用した後、前記浴室から退室したと判定した場合、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したと判定する請求項1~6の何れか一項に記載の空間調整システム。
【請求項11】
前記入浴完了判定部は、
前記利用者が入浴した際の入浴開始時刻及び入浴終了時刻と、前記入浴開始時刻及び前記入浴終了時刻の間に前記浴室に設置される給湯栓から出湯された湯の給湯温度との組み合わせで構成される訓練データの機械学習を実行し、
蓄積された前記訓練データの機械学習の実行結果と、時刻情報と、前記給湯栓からの出湯の事実と、出湯された湯の前記給湯温度とに基づいて、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したか否かを判定する請求項1~6の何れか一項に記載の空間調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が入浴完了後に移動する部屋等の空間の環境を調整する空間調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が移動する部屋等の空間の環境を調整する装置として、特許文献1(特開2005-100200号公報)に記載のシステムがある。このシステムは、複数の再生装置と、複数の再生装置のそれぞれの一定のエリア内にユーザが居るか否かを検出する複数の検出装置とを備えている。そして、複数の検出装置中の特定の検出装置で、再生装置の一定のエリア内にユーザが居ることが検出されたときには、その再生装置でコンテンツが再生される。これにより、ユーザが部屋を移動したとしても、移動先の部屋に設置された再生装置でコンテンツが再生される。
【0003】
他には、特許文献2(特開2017-116226号公報)には、人の動きに応じて浴室及び脱衣室の照明を調整する風呂制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-100200号公報
【特許文献2】特開2017-116226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入浴完了後、一定時間を何処かの部屋で過ごした後で就寝することを前提とすると、入浴が終わり、リビングルームや寝室などに移動してリラックスのために音楽を再生する際、デバイスの操作が必要になる。例えば、リビングルームや寝室に移動した後、スマートフォン等を操作して音楽再生することや、スマートスピーカーに音楽再生するように話かけることなどが必要である。
【0006】
特許文献1に記載のシステムでは、部屋間の移動を感知して音楽を一続きに聴くことができるが、最初の再生操作はユーザ自身で行う必要がある。
【0007】
特許文献2に記載の装置では、浴室への入退室を感知して、浴室及び脱衣室の照明を調整することなどができるが、入浴行為が終わった後、浴室及び脱衣室以外の他の部屋等の空間に設置される照明を調整することなどについては記されていない。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、入浴完了後に浴室とは別の部屋等の空間に移動する場合にその空間の環境を調整できる空間調整システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る空間調整システムの特徴構成は、利用者による浴室での入浴が完了したか否かを判定する入浴完了判定部と、
前記浴室とは別の調整対象空間の環境を調整できる空間調整装置と、
前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定された場合、前記空間調整装置の動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる制御装置とを備える点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、入浴完了判定部が、利用者による浴室での入浴が完了したか否かを判定し、制御装置が、入浴完了判定部によって浴室での入浴が完了したと判定された場合、空間調整装置の動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる。つまり、利用者が浴室とは別の調整対象空間の空間調整装置を操作しなくても、空間調整装置の動作状態は利用者の入浴完了後に、その利用者の好みの状態になる。
従って、入浴完了後に浴室とは別の部屋等の空間に移動する場合にその空間の環境を調整できる空間調整システムを提供できる。
【0011】
本発明に係る空間調整システムの別の特徴構成は、前記利用者から前記空間調整装置の前記入浴後動作状態の入力を受け付ける入力受付部を備える点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、入力受付部によって、空間調整装置の入浴後動作状態の入力を利用者から受け付けることができる。
【0013】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことを検知する侵入検知部を備え、
前記制御装置は、前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定され、且つ、前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知された場合、前記空間調整装置の動作状態を前記入浴後動作状態にさせる点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、利用者が入浴を完了し、且つ、所定の調整対象空間に侵入したタイミングで、空間調整装置の動作状態を入浴後動作状態にできる。
【0015】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記制御装置は、前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定され、且つ、予め設定された時刻になった場合、前記空間調整装置の動作状態を前記入浴後動作状態にさせる点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、利用者が入浴を完了し、且つ、予め設定された、空間調整装置の動作状態を入浴後動作状態にさせるのに的確なタイミングで、空間調整装置の動作状態を入浴後動作状態にできる。
【0017】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことを検知する侵入検知部を備え、
前記制御装置は、前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定され、且つ、前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知されてから設定時間が経過した場合、前記空間調整装置の動作状態を前記入浴後動作状態にさせる点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、利用者が入浴を完了し、且つ、所定の調整対象空間に侵入した後の的確なタイミングで、空間調整装置の動作状態を入浴後動作状態にできる。
【0019】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことを検知する侵入検知部を備え、
前記制御装置は、
前記入浴完了判定部によって前記浴室での入浴が完了したと判定され、且つ、前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知された場合、前記空間調整装置の動作状態を一つの前記入浴後動作状態にさせ、
前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知されてから設定時間が経過した場合、又は、前記侵入検知部によって前記利用者が前記調整対象空間に侵入したことが検知された後に予め設定された時刻になった場合、前記空間調整装置の動作状態を別の一つの前記入浴後動作状態にさせる点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、利用者が入浴を完了し、且つ、所定の調整対象空間に侵入したタイミングで、空間調整装置の動作状態を一つの入浴後動作状態にできる。更に、利用者が調整対象空間に侵入してから設定時間が経過した後の的確なタイミング、又は、予め設定された時刻になった後の的確なタイミングで、空間調整装置の動作状態を別の一つの入浴後動作状態にできる。
【0021】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記入浴完了判定部は、浴槽に湯張りが行われた状態であるか否かを検知する湯張状態検知部と、前記利用者が前記浴槽に入っている状態であるか否かを検知する入浴状態検知部と、前記利用者が前記浴室に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部との検知結果に基づいて、湯張りが行われた前記浴槽に入った前記利用者が前記浴槽から出た後、前記利用者が前記浴室から退室したと判定した場合、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したと判定する点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、湯張状態検知部と入浴状態検知部と入室状態検知部とを用いれば、浴槽に湯張りが行われた状態であるか否か、利用者が浴槽に入っている状態であるか否か、及び、利用者が浴室に入っている状態であるか否かを検知できる。そして、入浴完了判定部は、湯張りが行われた浴槽に入った利用者が浴槽から出た後、利用者が浴室から退室したと判定した場合、利用者による浴室での入浴が完了したと判定できる。
【0023】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記入浴完了判定部は、前記利用者が前記浴室に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に前記利用者が前記浴室から退室したと判定した場合、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したと判定する点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、入室状態検知部を用いれば、利用者が浴室に入っている状態であるか否かを検知できる。そして、入浴完了判定部は、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴室から退室したと判定した場合、利用者による浴室での入浴が完了したと判定できる。
【0025】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記入浴完了判定部は、浴槽に湯張りが行われた状態であるか否かを検知する湯張状態検知部と、前記利用者が前記浴室に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に前記利用者が前記浴槽に湯張りが行われた状態にある前記浴室から退室したと判定した場合、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したと判定する点にある。
【0026】
上記特徴構成によれば、湯張状態検知部と入室状態検知部とを用いれば、浴槽に湯張りが行われた状態であるか否か、及び、利用者が浴室に入っている状態であるか否かを検知できる。そして、入浴完了判定部は、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴槽に湯張りが行われた状態にある浴室から退室したと判定した場合、利用者による浴室での入浴が完了したと判定できる。
【0027】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記入浴完了判定部は、前記浴室での湯張り以外の湯の使用状態を検知する給湯状態検知部と、前記利用者が前記浴室に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に前記利用者が前記浴室で湯を使用した後、前記浴室から退室したと判定した場合、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したと判定する点にある。
【0028】
上記特徴構成によれば、給湯状態検知部と入室状態検知部とを用いれば、浴室での湯張り以外の湯の使用状態を検知することができ、利用者が浴室に入っている状態であるか否かを検知することができる。そして、入浴完了判定部は、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴室で湯を使用した後、浴室から退室したと判定した場合、利用者による浴室での入浴が完了したと判定できる。
【0029】
本発明に係る空間調整システムの更に別の特徴構成は、前記入浴完了判定部は、
前記利用者が入浴した際の入浴開始時刻及び入浴終了時刻と、前記入浴開始時刻及び前記入浴終了時刻の間に前記浴室に設置される給湯栓から出湯された湯の給湯温度との組み合わせで構成される訓練データの機械学習を実行し、
蓄積された前記訓練データの機械学習の実行結果と、時刻情報と、前記給湯栓からの出湯の事実と、出湯された湯の前記給湯温度とに基づいて、前記利用者による前記浴室での入浴が完了したか否かを判定する点にある。
【0030】
上記特徴構成によれば、蓄積された訓練データの機械学習の実行結果を用いることで、入浴完了判定部は、浴室での入浴が完了したか否かを高い確度で判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】空間調整システムが設けられる住戸の例を示す図である。
図2】第1実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。
図3】第2実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。
図4】第3実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。
図5】第4実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。
図6】第5実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の第1実施形態に係る空間調整システムについて説明する。
図1は、空間調整システムが設けられる住戸Hの例を示す図である。図示するように、住戸Hは、空間調整装置Dが設置される調整対象空間Rと、空間調整装置Dが設置されない非調整対象空間rとで構成される。調整対象空間Rとしては、空間調整装置D1(D)が設置される脱衣室R1と、空間調整装置D2(D)が設置される居室R2と、空間調整装置D3(D)が設置されるリビングルームR3とがある。非調整対象空間rとしては、浴室r1と、トイレr2と、廊下r3とがある。
【0033】
浴室r1と脱衣室R1との間には扉1が設けられる。脱衣室R1と廊下r3との間には扉2が設けられる。廊下r3と居室R2との間には扉3が設けられる。廊下r3とトイレr2との間には扉4が設けられる。廊下r3とリビングルームR3との間には扉5が設けられる。
【0034】
図2は、第1実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。図示するように、空間調整システムは、利用者による浴室r1での入浴が完了したか否かを判定する入浴完了判定部11と、浴室r1とは別の調整対象空間Rの環境を調整できる空間調整装置Dと、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定された場合、空間調整装置Dの動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる制御装置10とを備える。加えて、図2の空間調整システムは、利用者から空間調整装置Dの入浴後動作状態の入力を受け付ける入力受付部12を備える。また、空間調整システムは、情報を記憶する記憶部13を備える。
【0035】
制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定された場合、1台の空間調整装置Dの動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせてもよいし、複数台の空間調整装置Dの動作状態を予め各別に設定された入浴後動作状態にさせてもよい。後者の場合、制御装置10は、同じ調整対象空間R又は異なる調整対象空間Rに設置される複数の空間調整装置Dの動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせてもよい。
【0036】
制御装置10は、情報の演算処理機能、他の装置との間での情報の通信機能を備える装置である。制御装置10及び入力受付部12は、住戸Hに設置されていてもよいし、住戸Hに設置される各装置との間で情報通信可能な状態で住戸Hとは別の施設に設置されていてもよい。制御装置10及び入力受付部12が住戸Hとは別の施設に設置される場合、利用者は、コンピュータ装置や携帯側端末などを用いて情報通信回線を介して入力受付部12にアクセスして、情報の入力を行ってもよい。
【0037】
空間調整装置Dは、制御装置10と情報通信可能な状態で接続される。空間調整装置Dは、どのような装置であってもよい。空間調整装置Dは、音データを含むコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を含んでも良い。また、空間調整装置Dは、照明装置、温度を調整する空調装置などを含んでもよい。また、空間調整装置Dは、芳香を放つ芳香拡散装置を含んでもよい。また、空間調整装置Dは、例えば無音映像を壁面などに映し出すプロジェクターを含んでもよい。どの調整対象空間Rに設置されたどの装置を、本実施形態の空間調整装置Dとして動作させるのかは、利用者が入力受付部12を用いて設定入力できる。空間調整装置Dの台数も自由に設定できる。また、入浴後動作状態の内容についても、利用者が入力受付部12を用いて設定入力できる。
【0038】
空間調整装置Dがコンテンツ再生装置を含む場合、音データを含むコンテンツを再生することで、コンテンツ再生装置が設置された調整対象空間Rの環境を調整することができる。どのようなコンテンツを再生するのかを示す入浴後動作状態についての設定情報は、利用者が入力受付部12を用いて予め入力することができる。そして、制御装置10は、入力された入浴後動作状態についての設定情報を記憶部13に記憶しておくことができる。
【0039】
空間調整装置Dが照明装置を含む場合、照明の光強度を調整する調光、及び、照明の色を調整する調色の少なくとも一方を行うことで、照明装置が設置された調整対象空間Rの環境を調整することができる。どのような調光及び調色を行うのかを示す入浴後動作状態についての設定情報は、利用者が入力受付部12を用いて予め入力することができる。そして、制御装置10は、入力された入浴後動作状態についての設定情報を記憶部13に記憶しておくことができる。
【0040】
空間調整装置Dが芳香拡散装置を含む場合、芳香を放つ匂い分子を拡散させることで、芳香拡散装置が設置された調整対象空間Rの環境を調整することができる。拡散させる匂い分子の種類及び量などを示す入浴後動作状態についての設定情報は、利用者が入力受付部12を用いて予め入力することができる。そして、制御装置10は、入力された入浴後動作状態についての設定情報を記憶部13に記憶しておくことができる。
【0041】
入浴完了判定部11は、浴槽6に湯張りが行われた状態であるか否かを検知する湯張状態検知部14と、利用者が浴槽6に入っている状態であるか否かを検知する入浴状態検知部15と、利用者が浴室r1に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部16との検知結果に基づいて、湯張りが行われた浴槽6に入った利用者が浴槽6から出た後、利用者が浴室r1から退室したと判定した場合、利用者による浴室r1での入浴が完了したと判定する。
【0042】
湯張状態検知部14は、例えば、浴槽6に設置される水位センサ及び水温センサの検出結果を監視し、浴槽6に貯えられている水の水位が設定水位以上であり、且つ、浴槽6に貯えられている水の温度が設定温度以上である場合に、浴槽6に湯張りが行われた状態であると判定できる。
【0043】
入浴状態検知部15は、例えば、浴槽6に設置される水位センサが検出する水位が所定期間内に設定値以上増加した場合に利用者が浴槽6に入ったと判定し、水位が所定期間内に設定値以上減少した場合に利用者が浴槽6から出たと判定できる。
【0044】
入室状態検知部16は、例えば、浴室r1に設置される人感センサの検出結果を監視し、浴室r1に人が存在する状態になった後で、浴室r1に人が存在しない状態になった場合に利用者が浴室r1から退室したと判定できる。
【0045】
このように、湯張状態検知部14と入浴状態検知部15と入室状態検知部16とを用いれば、浴槽6に湯張りが行われた状態であるか否か、利用者が浴槽6に入っている状態であるか否か、及び、利用者が浴室r1に入っている状態であるか否かを検知できる。そして、入浴完了判定部11は、湯張りが行われた浴槽6に入った利用者が浴槽6から出た後、利用者が浴室r1から退室したと判定した場合、利用者による浴室r1での入浴が完了したと判定できる。
【0046】
そして、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定された場合、空間調整装置Dの動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる。その結果、利用者が浴室r1とは別の調整対象空間Rの空間調整装置Dを操作しなくても、空間調整装置Dの動作状態は利用者の入浴完了後に、その利用者の好みの状態になる。
【0047】
<第2実施形態>
第2実施形態の空間調整システムは、入浴完了判定部11による浴室r1での入浴が完了したことの判定手法が上記実施形態と異なっている。以下に第2実施形態の空間調整システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0048】
図3は、第2実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。図示するように、本実施形態において、入浴完了判定部11は、利用者が浴室r1に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部16の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴室r1から退室したと判定した場合、利用者による浴室r1での入浴が完了したと判定する。
【0049】
入室状態検知部16は、例えば、浴室r1に設置される人感センサの検出結果を監視し、浴室r1に人が存在する状態になった後で、浴室r1に人が存在しない状態になった場合に利用者が浴室r1から退室したと判定できる。
【0050】
このように、入室状態検知部16を用いれば、利用者が浴室r1に入っている状態であるか否かを検知できる。そして、入浴完了判定部11は、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴室r1から退室したと判定した場合、利用者による浴室r1での入浴が完了したと判定できる。上記入浴時間帯は、例えば利用者が入力受付部12を用いて予め設定しておくことができる。
【0051】
そして、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定された場合、空間調整装置Dの動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる。その結果、利用者が浴室r1とは別の調整対象空間Rの空間調整装置Dを操作しなくても、空間調整装置Dの動作状態は利用者の入浴完了後に、その利用者の好みの状態になる。
【0052】
<第3実施形態>
第3実施形態の空間調整システムは、入浴完了判定部11による浴室r1での入浴が完了したことの判定手法が上記実施形態と異なっている。以下に第3実施形態の空間調整システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0053】
図4は、第3実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。図示するように、本実施形態において、入浴完了判定部11は、浴槽6に湯張りが行われた状態であるか否かを検知する湯張状態検知部14と、利用者が浴室r1に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部16の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴槽6に湯張りが行われた状態にある浴室r1から退室したと判定した場合、利用者による浴室r1での入浴が完了したと判定する。
【0054】
湯張状態検知部14は、例えば、浴槽6に設置される水位センサ及び水温センサの検出結果を監視し、浴槽6に貯えられている水の水位が設定水位以上であり、且つ、浴槽6に貯えられている水の温度が設定温度以上である場合に、浴槽6に湯張りが行われた状態であると判定できる。
【0055】
入室状態検知部16は、例えば、浴室r1に設置される人感センサの検出結果を監視し、浴室r1に人が存在する状態になった後で、浴室r1に人が存在しない状態になった場合に利用者が浴室r1から退室したと判定できる。
【0056】
このように、湯張状態検知部14と入室状態検知部16とを用いれば、浴槽6に湯張りが行われた状態であるか否か、及び、利用者が浴室r1に入っている状態であるか否かを検知できる。そして、入浴完了判定部11は、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴槽6に湯張りが行われた状態にある浴室r1から退室したと判定した場合、利用者による浴室r1での入浴が完了したと判定できる。
【0057】
そして、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定された場合、空間調整装置Dの動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる。その結果、利用者が浴室r1とは別の調整対象空間Rの空間調整装置Dを操作しなくても、空間調整装置Dの動作状態は利用者の入浴完了後に、その利用者の好みの状態になる。
【0058】
<第4実施形態>
第4実施形態の空間調整システムは、入浴完了判定部11による浴室r1での入浴が完了したことの判定手法が上記実施形態と異なっている。以下に第4実施形態の空間調整システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0059】
図5は、第4実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。図示するように、本実施形態において、入浴完了判定部11は、浴室r1での湯張り以外の湯の使用状態を検知する給湯状態検知部17と、利用者が浴室r1に入っている状態であるか否かを検知する入室状態検知部16の検知結果に基づいて、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴室r1で湯を使用した後、浴室r1から退室したと判定した場合、利用者による浴室r1での入浴が完了したと判定する。
【0060】
給湯状態検知部17は、浴室r1に設置されたカラン及びシャワーなどの給湯栓7からの湯の流出状態を流量センサ等を用いて監視し、湯の流出があった場合に利用者が湯を使用したと判定できる。
【0061】
入室状態検知部16は、例えば、浴室r1に設置される人感センサの検出結果を監視し、浴室r1に人が存在する状態になった後で、浴室r1に人が存在しない状態になった場合に利用者が浴室r1から退室したと判定できる。
【0062】
このように、給湯状態検知部17と入室状態検知部16とを用いれば、浴室r1での湯張り以外の湯の使用状態を検知することができ、利用者が浴室r1に入っている状態であるか否かを検知することができる。そして、入浴完了判定部11は、予め設定された入浴時間帯に利用者が浴室r1で湯を使用した後、浴室r1から退室したと判定した場合、利用者による浴室r1での入浴が完了したと判定できる。
【0063】
そして、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定された場合、空間調整装置Dの動作状態を予め設定された入浴後動作状態にさせる。その結果、利用者が浴室r1とは別の調整対象空間Rの空間調整装置Dを操作しなくても、空間調整装置Dの動作状態は利用者の入浴完了後に、その利用者の好みの状態になる。
【0064】
<第5実施形態>
第5実施形態の空間調整システムは、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせるタイミングが上記実施形態と異なっている。以下に第5実施形態の空間調整システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0065】
図6は、第5実施形態の空間調整システムの構成を示す図である。図示するように、空間調整システムは、上記実施形態で説明したのと同様の入浴完了判定部11、空間調整装置D、及び制御装置10に加えて、利用者が調整対象空間Rに侵入したことを検知する侵入検知部18を備える。そして、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定され、且つ、侵入検知部18によって利用者が調整対象空間Rに侵入したことが検知された場合、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせる。
【0066】
侵入検知部18は、例えば、調整対象空間Rに設置される人感センサの検出結果を監視し、調整対象空間Rに人が存在しない状態から人が存在する状態になった場合に利用者が調整対象空間Rに侵入したと判定できる。脱衣室R1、居室R2、リビングルームR3のうちのどの空間を調整対象空間Rにするのかについての設定情報は、利用者が入力受付部12を用いて予め入力することができる。そして、制御装置10は、入力された調整対象空間Rについての設定情報を記憶部13に記憶しておくことができる。
【0067】
そして、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定され、且つ、利用者が所定の調整対象空間Rに侵入したタイミングで、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にできる。その結果、利用者が浴室r1とは別の調整対象空間Rの空間調整装置Dを操作しなくても、空間調整装置Dの動作状態は利用者の入浴完了後に、その利用者の好みの状態になる。
【0068】
<第6実施形態>
第6実施形態の空間調整システムは、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせるタイミングが上記実施形態と異なっている。以下に第6実施形態の空間調整システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0069】
本実施形態において、制御装置10は、上記実施形態で説明したのと同様の入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定され、且つ、予め設定された時刻になった場合、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせる。この時刻は、例えば利用者が入力受付部12を用いて予め設定しておくことができる。つまり、利用者が入浴を完了し、且つ、予め設定された、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせるのに的確なタイミングで、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にできる。
【0070】
<第7実施形態>
第7実施形態の空間調整システムは、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせるタイミングが上記実施形態と異なっている。以下に第7実施形態の空間調整システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0071】
本実施形態の空間調整システムは、図6に示した第5実施形態と同様に、利用者が調整対象空間Rに侵入したことを検知する侵入検知部18を備える。
【0072】
そして、本実施形態において、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定され、且つ、侵入検知部18によって利用者が調整対象空間Rに侵入したことが検知されてから設定時間が経過した場合、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせる。つまり、利用者が入浴を完了し、且つ、所定の調整対象空間Rに侵入した後の的確なタイミングで、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にできる。
【0073】
<第8実施形態>
第8実施形態の空間調整システムは、空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせるタイミングが上記実施形態と異なっている。以下に第8実施形態の空間調整システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0074】
本実施形態の空間調整システムは、図6に示した第5実施形態と同様に、利用者が調整対象空間Rに侵入したことを検知する侵入検知部18を備える。
【0075】
そして、本実施形態において、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定され、且つ、侵入検知部18によって利用者が調整対象空間Rに侵入したことが検知された場合、その調整対象空間Rに設けられる空間調整装置Dの動作状態を一つの入浴後動作状態にさせる。例えば、制御装置10は、利用者が入浴後に居室R2に侵入した場合、居室R2に設けられるコンテンツ再生装置(空間調整装置D)で音楽などの音データを再生させる(即ち、一つの入浴後動作状態にさせる)。それにより、利用者は入浴後に居室R2で例えば寛ぐことができる。
【0076】
更に、制御装置10は、侵入検知部18によって利用者が調整対象空間Rに侵入したことが検知されてから設定時間が経過した場合、又は、侵入検知部18によって利用者がその調整対象空間Rに侵入したことが検知された後に予め設定された時刻になった場合、その調整対象空間Rに設けられる空間調整装置Dの動作状態を別の一つの入浴後動作状態にさせる。例えば、制御装置10は、利用者が入浴後に居室R2に侵入してから設定時間が経過した場合、又は、利用者が入浴後に居室R2に侵入した後に予め設定された時刻になった場合、居室R2に設けられる照明装置(空間調整装置D)の照射光強度を小さくする(即ち、別の一つの入浴後動作状態にさせる)。これにより、利用者の夜更かしが防止され、適切なタイミングで眠りにつくことができる。
【0077】
尚、上述した例では、複数の空間調整装置Dを別々のタイミングで入浴後動作状態にさせたが、同一の空間調整装置Dを、別々のタイミングで別々の入浴後動作状態にさせてもよい。例えば、制御装置10は、利用者が入浴後に居室R2に侵入した場合、照明装置(空間調整装置D)を所定の電球色に調色制御し且つ所定の照射光強度に調光制御し(即ち、一つの入浴後動作状態にさせ)、その後、設定時間が経過した場合又は予め設定された時刻になった場合、照明装置(空間調整装置D)を更に小さな照射光強度に調光制御して(即ち、別の一つの入浴後動作状態にさせて)もよい。この場合、利用者は、照明装置(空間調整装置D)の動作状態を何度も調整する必要が無くなる点で好ましい。
【0078】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、空間調整システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、入室状態検知部16が人感センサを用いて実現される例を説明したが、入室状態検知部16が例えば扉1の開閉状態検知センサを用いて実現されてもよい。
【0079】
<2>
上記実施形態において、どの空間を調整対象空間Rにするか、どの装置を空間調整装置Dとして用いるかは適宜設定可能である。
【0080】
<3>
上記実施形態において、入浴完了判定部11は、蓄積された訓練データの機械学習の実行結果を用いて、利用者による浴室r1での入浴が完了したか否かを判定してもよい。具体的には、入浴完了判定部11は、利用者が入浴した際の入浴開始時刻及び入浴終了時刻と、入浴開始時刻及び入浴終了時刻の間に浴室r1に設置される給湯栓7から出湯された湯の給湯温度との組み合わせで構成される訓練データの機械学習を実行し、蓄積された訓練データの機械学習の実行結果と、時刻情報と、給湯栓7からの出湯の事実と、出湯された湯の給湯温度とに基づいて、利用者による浴室r1での入浴が完了したか否かを判定してもよい。
【0081】
例えば、制御装置10は、利用者が入浴する場合、利用者に対して入浴開始と入浴終了とを入力受付部12などを用いて入力させ、その入浴開始時刻及び入浴終了時刻とを記憶部13に記憶する。また、制御装置10は、入浴開始時刻と入浴終了時刻との間に浴室r1に設置された給湯栓7から出湯される湯の温度(給湯温度)を例えば給湯状態検知部17から取得して、入浴完了判定部11に伝達する。そして、入浴完了判定部11は、利用者が入浴した際の入浴開始時刻及び入浴終了時刻と、入浴開始時刻及び入浴終了時刻の間に浴室r1に設置される給湯栓7から出湯された湯の給湯温度との組み合わせで構成される訓練データの機械学習を実行する。そして、入浴完了判定部11は、時刻情報及び給湯状態検知部17が検知する給湯栓7からの出湯の事実及び給湯温度の情報が入力されると、上述したように蓄積された訓練データの機械学習の実行結果を用いて、利用者の入浴が完了したか否かに関する情報を出力する。
【0082】
<4>
上記実施形態において、例えば居室R2の寝具に人が存在しているか否かを検知できる人感センサを設けておき、制御装置10が、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定され、且つ、寝具に人が存在することが検知された場合、その寝具が設けられる居室R2(調整対象空間R)の空間調整装置Dの動作状態を入浴後動作状態にさせてもよい。
【0083】
<5>
上記実施形態において、例えば人が睡眠状態にあるか否かを判定するための睡眠センサを居室R2の寝具に設けてもよい。そして、制御装置10が、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定された場合、所定の空間調整装置Dの動作状態を予め設定された一つの入浴後動作状態にさせ、更に、睡眠センサによって利用者が睡眠状態になったと判定された場合、居室R2の空間調整装置Dの動作状態を別の一つの入浴後動作状態にさせてもよい。
【0084】
例えば、制御装置10は、入浴完了判定部11によって浴室r1での入浴が完了したと判定された場合、居室R2のコンテンツ再生装置や照明装置などの一つ又は複数の空間調整装置Dの動作状態を予め設定された一つの入浴後動作状態にさせ、更に、睡眠センサによって利用者が睡眠状態になったと判定された場合、その居室R2のコンテンツ再生装置や照明装置などの一つ又は複数の空間調整装置Dの動作状態を別の一つの入浴後動作状態(例えば、コンテンツの再生を停止状態にする、照明装置を常夜灯の点灯状態にする等)にさせてもよい。このように、利用者が眠りについた後で自動で居室R2の空間の環境が調整されることで、利用者はリラックスした状態のまま眠りにつくことができ、利用者が寝た後に空間調整装置Dの電力を無駄に使わずに済む。
【0085】
<6>
センサ記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、入浴完了後に浴室とは別の部屋等の空間に移動する場合にその空間の環境を調整できる空間調整システムに利用できる。
【符号の説明】
【0087】
1 扉
2 扉
3 扉
4 扉
5 扉
6 浴槽
7 給湯栓
10 制御装置
11 入浴完了判定部
12 入力受付部
13 記憶部
14 湯張状態検知部
15 入浴状態検知部
16 入室状態検知部
17 給湯状態検知部
18 侵入検知部
D 空間調整装置
H 住戸
r 非調整対象空間
r1 浴室
r2 トイレ
r3 廊下
R 調整対象空間
R1 脱衣室
R2 居室
R3 リビングルーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6