(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154336
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】容器間移載装置及び容器間移載方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/90 20060101AFI20231012BHJP
B65G 57/03 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
B65G47/90 D
B65G57/03 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063608
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】浮須 賢一
(72)【発明者】
【氏名】味生 淳
(72)【発明者】
【氏名】杉本 健
【テーマコード(参考)】
3F029
3F072
【Fターム(参考)】
3F029AA05
3F029BA09
3F029CA21
3F029CA58
3F029CA60
3F029DA21
3F072AA06
3F072GA05
3F072GB01
3F072GC03
3F072GD01
3F072GD03
3F072GD05
3F072GF03
3F072GG11
3F072JA03
3F072KA01
3F072KD01
3F072KD18
3F072KD27
3F072KE13
(57)【要約】
【課題】異なる容器間での物品の移載を適切に行えると共に移載効率を向上させる。
【解決手段】反転機構3は、保持機構により第1開口部81Aが上側を向いた状態で保持された第1容器81を反転させて第1開口部81Aを下側に向ける。移動機構は、下側を向いた第1開口部81Aが第2開口部82Aに対して上側から対向するように保持機構を移動させる。開閉駆動機構4mは、反転機構3による保持機構の反転中及び移動機構による保持機構の移動中は開閉体4を閉塞状態とし、第1開口部81Aが第2開口部82Aに対向した状態で開閉体4を開放状態とする。
【選択図】
図9B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1容器に収容された物品を第2容器に移載する容器間移載装置であって、
前記第1容器及び前記第2容器は、それぞれ、底部が閉塞されていると共に天部が開口部となっており、
前記第1容器の前記開口部を第1開口部とし、前記第2容器の前記開口部を第2開口部として、
前記第1容器を保持する保持機構と、
前記保持機構を移動させる移動機構と、
前記保持機構により保持された前記第1容器の前記底部と前記天部との上下関係を反転させる反転機構と、
前記第1容器の前記第1開口部に配置されて前記第1開口部を閉塞する閉塞状態と、前記第1開口部を開放する開放状態と、に状態変更する開閉体と、
前記開閉体を開閉動作させる開閉駆動機構と、を備え、
前記反転機構は、前記保持機構により前記第1開口部が上側を向いた状態で保持された前記第1容器を反転させて前記第1開口部を下側に向け、
前記移動機構は、前記第1容器が前記第2容器の上側であって上下方向に沿う上下方向視で前記第1容器と前記第2容器とが重複するように、前記保持機構を移動させ、
前記開閉駆動機構は、前記反転機構による前記保持機構の反転中及び前記移動機構による前記保持機構の移動中は前記開閉体を前記閉塞状態とし、下側を向いた前記第1開口部が前記第2開口部に対して上側から対向した状態で前記開閉体を前記開放状態とする、容器間移載装置。
【請求項2】
前記第1容器の前記底部と前記天部とを結ぶ方向を容器高さ方向として、
前記第1容器の前記底部に対する前記開閉体の前記容器高さ方向の位置を調整する調整機構を備える、請求項1に記載の容器間移載装置。
【請求項3】
前記調整機構は、少なくとも前記反転機構による前記保持機構の反転中に、前記閉塞状態の前記開閉体により前記第1容器内の前記物品を前記容器高さ方向に押さえ付ける押圧動作を行う、請求項2に記載の容器間移載装置。
【請求項4】
前記第1容器は、当該第1容器の前記底部の周縁から前記容器高さ方向に沿って立設された側壁部を備え、
前記開閉体は、前記閉塞状態で前記第1容器の前記底部と平行状に配置されて前記第1容器内の前記物品と対向する対向部と、前記閉塞状態で前記対向部から前記容器高さ方向に延在する延在部と、前記延在部と前記調整機構とを連結する連結部と、を備え、
前記延在部は、前記対向部が前記第1容器の内部に配置された状態で、前記第1容器の前記側壁部の内面に沿うように配置される、請求項2に記載の容器間移載装置。
【請求項5】
前記保持機構、前記開閉体、及び前記調整機構が支持された枠体を備え、
前記枠体は、前記保持機構が前記第1容器を保持した状態で、上下方向に沿う上下方向視で前記第1容器を囲むように配置され、
前記移動機構は、前記枠体を少なくとも上下方向に移動させるように構成され、
前記反転機構は、前記枠体を回転させるように構成されている、請求項2に記載の容器間移載装置。
【請求項6】
前記第2容器は、前記第2開口部を閉塞するフラップを有するカートン容器であり、
前記開閉体は、第1軸心回りに揺動する第1扉部と第2軸心回りに揺動する第2扉部とを備え、
前記第1軸心と前記第2軸心とは、前記保持機構が前記第1容器を保持した状態で、前記第1容器を挟んで両側に分かれて配置されると共に互いに平行状に配置され、
前記第1開口部と前記第2開口部とが対向した状態において、前記第1軸心回りに前記閉塞状態から前記開放状態に揺動する前記第1扉部と、前記第2軸心回りに前記閉塞状態から前記開放状態に揺動する前記第2扉部とが、前記第2開口部を開放させる方向に前記フラップを押すように構成されている、請求項1に記載の容器間移載装置。
【請求項7】
前記保持機構、前記移動機構、前記反転機構、前記開閉体、及び前記開閉駆動機構の組を移載ユニットとして、第1移載ユニットと第2移載ユニットとの2つの前記移載ユニットを備えると共に、
第1方向に沿って前記第1容器を搬送する第1搬送装置と、前記第1搬送装置と並列配置され、前記第1方向に沿って前記第2容器を搬送する第2搬送装置と、を備え、
上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に交差する方向を第2方向として、
前記第1移載ユニットと前記第2移載ユニットとは前記第1方向の異なる位置に配置され、
前記第1移載ユニットと前記第2移載ユニットとのそれぞれの前記移動機構は、前記保持機構を上下方向及び前記第2方向に移動させるように構成され、
前記第1搬送装置上において、第1の前記第1容器と第2の前記第1容器とが前記第1方向の異なる位置に配置されていると共に前記第2容器が前記第1の第1容器と前記第2方向に並んで配置された状態で、前記第1移載ユニットが前記第1の第1容器から前記第2容器に前記物品を移載し、
前記第2搬送装置が前記第2容器を前記第2の第1容器と前記第2方向に並んで配置される位置に移動させ、
前記第2移載ユニットが前記第2の第1容器から前記第2容器に前記物品を移載する、請求項1から6のいずれか一項に記載の容器間移載装置。
【請求項8】
前記保持機構、前記移動機構、前記反転機構、及び前記開閉駆動機構を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、複数の前記第1容器に収容された前記物品を少なくとも1つの前記第2容器に移載する場合に、前記第1容器から、対象とする前記第2容器である対象第2容器に前記物品を移載する毎に、前記対象第2容器における前記物品を収容可能な容積の残りである残容積を推定し、
前記対象第2容器に前記物品を移載予定の前記第1容器である予定第1容器に収容された前記物品の体積である物品体積と、前記対象第2容器の前記残容積とを比較して、前記物品体積が前記残容積よりも小さい場合には、前記予定第1容器から前記対象第2容器への前記物品の移載を行い、前記物品体積が前記残容積よりも大きい場合には、前記予定第1容器から別の前記第2容器への前記物品の移載を行う、請求項1から6のいずれか一項に記載の容器間移載装置。
【請求項9】
前記保持機構、前記移動機構、前記反転機構、及び前記開閉駆動機構を制御する制御装置と、
前記第2容器内における前記物品が存在しない空間である不存在空間の上下方向の寸法を、前記第2容器内における水平方向の複数箇所において検出する空間寸法検出部と、を備え、
前記第2開口部は前記第1開口部よりも大きく、
前記移動機構は、前記保持機構を水平方向に移動させるように構成され、
前記制御装置は、前記空間寸法検出部によって検出された、前記不存在空間における上下方向の寸法が最も大きい箇所と前記第1開口部とが上下方向に沿う上下方向視で重複する状態で、前記開閉体を前記開放状態とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の容器間移載装置。
【請求項10】
第1容器に収容された物品を第2容器に移載する容器間移載方法であって、
前記第1容器及び前記第2容器は、それぞれ、底部が閉塞されていると共に天部が開口部となっており、
前記第1容器の前記開口部を第1開口部とし、前記第2容器の前記開口部を第2開口部として、
前記第1容器を保持する保持機構と、前記保持機構を移動させる移動機構と、前記保持機構により保持された前記第1容器の前記底部と前記天部との上下関係を反転させる反転機構と、前記保持機構に保持された前記第1容器の前記第1開口部に配置されて前記第1開口部を閉塞する閉塞状態と、前記第1開口部を開放する開放状態と、に状態変更する開閉体と、前記開閉体を開閉動作させる開閉駆動機構と、を備えた容器間移載装置を用い、
前記第1開口部が上側を向いていると共に前記物品が収容された状態の前記第1容器を前記保持機構により保持する第1容器保持工程と、
前記第1容器の前記第1開口部に前記閉塞状態とした前記開閉体を配置する開閉体配置工程と、
前記第1容器保持工程及び前記開閉体配置工程の後、前記保持機構により前記第1開口部が上側を向いた状態で保持された前記第1容器を、前記反転機構により反転させて前記第1開口部を下側に向ける反転工程と、
前記第1容器が前記第2容器の上側であって上下方向に沿う上下方向視で前記第1容器と前記第2容器とが重複するように前記保持機構を移動させる移動工程と、
前記反転工程及び前記移動工程の後、下側を向いた前記第1開口部が前記第2開口部に対して上側から対向した状態で、前記開閉体を前記閉塞状態から前記開放状態として、前記第1容器に収容された前記物品を前記第2容器の内部に移載する移載工程と、を含む、容器間移載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1容器に収容された物品を第2容器に移載する容器間移載装置及び容器間移載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2019-104571号公報(特許文献1)には、異なる容器間で物品の移載を行う移載装置を備えた物品搬送設備が開示されている。以下、背景技術の説明の欄において括弧内に示される符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された移載装置(3)は、物品(W)が収容された容器(C2)から他の容器(C1)に対して物品(W)を移載するように構成されている。容器(C2)には複数の物品(W)が収容されている。容器(C2)から他の容器(C1)に収容すべき全ての物品(W)が移載されると、他の容器(C1)は目的の場所へ搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された移載装置(3)は、吸着パッド(17)を有するアーム(16)を用いて、容器(C2)から他の容器(C1)へ物品(W)を1つずつ移載している。そのため、容器(C2)に収容された全ての物品(W)を他の容器(C1)に移載する場合等に、移載効率を高めることが難しい。そこで、例えば、アームを用いらない他の構造による移載装置、或いは人手によって、容器(C2)を傾けるなどして、容器(C2)に収容された全ての物品(W)を他の容器(C1)に対してまとめて移載することが考えられる。しかしながら、この場合には、傾いた容器(C2)内で物品(W)が偏り易く、その結果、移載先の他の容器(C1)内においても物品(W)が偏って配置されることになり易い。そのため、物品(W)の移載を適切に行えない場合がある。
【0006】
上記実状に鑑みて、異なる容器間での物品の移載を適切に行えると共に移載効率を向上させることが可能な技術の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る容器間移載装置は、
第1容器に収容された物品を第2容器に移載する容器間移載装置であって、
前記第1容器及び前記第2容器は、それぞれ、底部が閉塞されていると共に天部が開口部となっており、
前記第1容器の前記開口部を第1開口部とし、前記第2容器の前記開口部を第2開口部として、
前記第1容器を保持する保持機構と、
前記保持機構を移動させる移動機構と、
前記保持機構により保持された前記第1容器の前記底部と前記天部との上下関係を反転させる反転機構と、
前記第1容器の前記第1開口部に配置されて前記第1開口部を閉塞する閉塞状態と、前記第1開口部を開放する開放状態と、に状態変更する開閉体と、
前記開閉体を開閉動作させる開閉駆動機構と、を備え、
前記反転機構は、前記保持機構により前記第1開口部が上側を向いた状態で保持された前記第1容器を反転させて前記第1開口部を下側に向け、
前記移動機構は、前記第1容器が前記第2容器の上側であって上下方向に沿う上下方向視で前記第1容器と前記第2容器とが重複するように、前記保持機構を移動させ、
前記開閉駆動機構は、前記反転機構による前記保持機構の反転中及び前記移動機構による前記保持機構の移動中は前記開閉体を前記閉塞状態とし、下側を向いた前記第1開口部が前記第2開口部に対して上側から対向した状態で前記開閉体を前記開放状態とする。
【0008】
本開示に係る容器間移載方法は、
第1容器に収容された物品を第2容器に移載する容器間移載方法であって、
前記第1容器及び前記第2容器は、それぞれ、底部が閉塞されていると共に天部が開口部となっており、
前記第1容器の前記開口部を第1開口部とし、前記第2容器の前記開口部を第2開口部として、
前記第1容器を保持する保持機構と、前記保持機構を移動させる移動機構と、前記保持機構により保持された前記第1容器の前記底部と前記天部との上下関係を反転させる反転機構と、前記保持機構に保持された前記第1容器の前記第1開口部に配置されて前記第1開口部を閉塞する閉塞状態と、前記第1開口部を開放する開放状態と、に状態変更する開閉体と、前記開閉体を開閉動作させる開閉駆動機構と、を備えた容器間移載装置を用い、
前記第1開口部が上側を向いていると共に前記物品が収容された状態の前記第1容器を前記保持機構により保持する第1容器保持工程と、
前記第1容器の前記第1開口部に前記閉塞状態とした前記開閉体を配置する開閉体配置工程と、
前記第1容器保持工程及び前記開閉体配置工程の後、前記保持機構により前記第1開口部が上側を向いた状態で保持された前記第1容器を、前記反転機構により反転させて前記第1開口部を下側に向ける反転工程と、
前記第1容器が前記第2容器の上側であって上下方向に沿う上下方向視で前記第1容器と前記第2容器とが重複するように前記保持機構を移動させる移動工程と、
前記反転工程及び前記移動工程の後、下側を向いた前記第1開口部が前記第2開口部に対して上側から対向した状態で、前記開閉体を前記閉塞状態から前記開放状態として、前記第1容器に収容された前記物品を前記第2容器の内部に移載する移載工程と、を含む、。
【0009】
本構成によれば、下側を向いた第1開口部が上側を向いた第2開口部に対向した状態となるように、物品が収容された第1容器を第2容器の上方に配置する。そして、この状態で開閉体を開放することにより、第1容器から第2容器へ物品を移載することができる。これにより、第1容器に複数の物品が収容されている場合には、複数の物品をまとめて第2容器へ移載することができる。従って、物品の移載効率を高くすることができる。また、本構成では、下側を向いた第1開口部が上側を向いた第2開口部に対向した状態とするために、反転機構により第1容器の底部と天部との上下関係を反転させるが、閉塞状態の開閉体を第1開口部に配置しておくことで、第1容器からの物品の落下を回避できると共に第1容器内における物品の偏りも少なく抑えることができる。従って、その後の第2容器への物品の移載を適切に行うことができる。以上のように、本構成によれば、異なる容器間での物品の移載を適切に行えると共に移載効率を向上させることが可能となる。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】容器間移載装置を備えた物品搬送設備の概略図
【
図4】保持機構、開閉駆動機構、及び調整機構を示す平面図
【
図11】目標投下位置に基づいた移動工程を行う場合の説明図
【
図12】容器間移載を行う際の処理手順を示すフローチャート
【
図13A】2つの移載ユニットによる移載動作を行う場合の説明図
【
図13B】2つの移載ユニットによる移載動作を行う場合の説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
容器間移載装置は、異なる容器間で物品の移載を行う装置であり、第1容器に収容された物品を第2容器に移載するように構成されている。以下では、容器間移載装置が、物品を保管及び搬送するための物品搬送設備に備えられている場合を例示して、容器間移載装置の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、物品搬送設備TFの概略図である。物品搬送設備TFは、オーダー情報に基づいて物品W(
図2参照)の出荷を行う設備であり、例えば物流倉庫に利用される。オーダー情報とは、出荷先毎に指定された物品種類及び物品数を示す情報である。出荷先とは、物品搬送設備TFから出荷される物品Wの受け入れ先であり、例えば物品Wを販売する店舗や物品Wを使用する工場等がこれに相当する。
【0014】
物品搬送設備TFは、物品Wを保管する物品保管部91と、空の容器を保管する空容器保管部92と、物品Wの荷合わせを行う荷合わせエリア93と、複数の出荷エリア94と、搬送系Tと、を備えている。
【0015】
物品保管部91は、物品Wが収容された第1容器81(
図3参照)を保管するように構成されている。これにより、物品保管部91は、物品Wを保管する。
図3に示すように、第1容器81は、同一種類の複数の物品Wを収容するように構成されている。
図3には、それぞれ異なる種類の物品Wを収容した3つの第1容器81が例示されている。
図3における「物品A」、「物品B」、「物品C」は、それぞれ異なる種類の物品Wを示している。
【0016】
空容器保管部92における保管対象とされる容器は、第2容器82である(
図3参照)。第2容器82は、物品Wを出荷するための出荷用容器とされる。複数の第2容器82が、空容器保管部92に保管されている。
【0017】
物品保管部91に保管されている物品Wは、オーダー情報に基づいて選択されて、荷合わせエリア93へ搬送される。物品Wを収容した第1容器81が、搬送系Tによって物品保管部91から荷合わせエリア93へ搬送される。
【0018】
空容器保管部92に保管されている第2容器82は、オーダー情報に基づいて選択されて、荷合わせエリア93へ搬送される。第2容器82は、搬送系Tによって空容器保管部92から荷合わせエリア93へ搬送される。なお、第2容器82は、後述するように、荷合わせエリア93における荷合わせ作業によって、その内部に出荷対象の物品Wが収容されるが、空容器保管部92に保管されている状態では空である。そのため、何れの第2容器82が搬送対象として選択されたとしても、その選択自体が荷合わせ作業に影響することはない(或いは少ない)。従って、空容器保管部92からの搬送対象とされる第2容器82は、オーター情報に基づくことなく任意に選択されても良い。
【0019】
図2に示すように、荷合わせエリア93には、搬送系Tによって、物品Wを収容した第1容器81と空の第2容器82とが搬送される。荷合わせエリア93では、第1容器81に収容された物品Wを第2容器82に移載する移載動作が、容器間移載装置100によって行われる。本実施形態では、容器間移載装置100は、荷合わせエリア93を含むエリアに設けられている。なお、
図2では、図面が煩雑となるのを避けるため、容器間移載装置100の主要部分を簡略的に示している。当該主要部分の構成については後述する。
【0020】
本実施形態では、容器間移載装置100は、第1方向Xに沿って第1容器81を搬送する第1搬送装置T1と、第1搬送装置T1と並列配置され、第1方向Xに沿って第2容器82を搬送する第2搬送装置T2と、を備えている。上下方向Zに沿う上下方向視で第1方向Xに交差する方向を第2方向Yとして、第1搬送装置T1と第2搬送装置T2とは、第2方向Yに間隔を空けて配置されている。第1方向X及び第2方向Yは、いずれも上下方向Zに交差する方向とされる。本実施形態では、第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交する2つの水平方向である。第1搬送装置T1と第2搬送装置T2とは、コンベヤを用いて構成されている。このようなコンベヤとしては、ローラコンベヤ、ベルトコンベヤ、又はチェーンコンベヤ等の、周知の構造のコンベヤであって良い。本実施形態では、第1搬送装置T1と第2搬送装置T2とは、搬送系Tの一部を構成している。なお、搬送系Tにおける第1搬送装置T1及び第2搬送装置T2以外の部分は、コンベヤの他、例えば無人搬送車などの他の搬送手段を用いて構成されていても良い。
【0021】
第1搬送装置T1は、少なくとも、荷合わせエリア93内において、第1容器81を第1方向Xに沿って搬送するように構成されている。本実施形態では、第1搬送装置T1は、第1容器81を荷合わせエリア93に搬入する搬入経路(荷合わせエリア93よりも上流側の経路)、及び、第1容器81を荷合わせエリア93から搬出する搬出経路(荷合わせエリア93よりも下流側の経路)においても、第1容器81を第1方向Xに沿って搬送するように構成されている。但し、これに限らず、第1搬送装置T1は、上記搬入経路及び上記搬出経路においては、何れの方向に沿って第1容器81を搬送するように構成されていても良い。
【0022】
同様に、第2搬送装置T2は、少なくとも、荷合わせエリア93内において、第2容器82を第1方向Xに沿って搬送するように構成されている。本実施形態では、第2搬送装置T2は、第2容器82を荷合わせエリア93に搬入する搬入経路(荷合わせエリア93よりも上流側の経路)、及び、第2容器82を荷合わせエリア93から搬出する搬出経路(荷合わせエリア93よりも下流側の経路)においても、第2容器82を第1方向Xに沿って搬送するように構成されている。但し、これに限らず、第2搬送装置T2は、上記搬入経路及び上記搬出経路においては、何れの方向に沿って第2容器82を搬送するように構成されていても良い。なお、本例では、第1搬送装置T1及び第2搬送装置T2は、荷合わせエリア93に隣接する上記搬入経路及び上記搬出経路において、同じ方向(第1方向X)に各容器を搬送するように構成されているが、互いに異なる方向(例えば第1方向Xにおける互いに反対側など。)に各容器を搬送するように構成されていても良い。
【0023】
本実施形態では、荷合わせエリア93で行われる移載動作は、オーダー情報に基づく複数の物品Wから成るオーダー物品群を作成する荷合わせ作業を行うための動作である。説明を加えると、
図3に示すように、荷合わせエリア93に搬送される複数の第1容器81のそれぞれは、オーダー物品群の一部を構成する複数の物品Wを収容している。そして、第2容器82に対して、複数の第1容器81に収容された物品Wの全てを移載することにより、第2容器82内にオーダー物品群を作成する。
図3に示す例では、第2容器82に収容されるべきオーダー物品群が、複数の物品Aと複数の物品Bと複数の物品Dとから構成されている。複数の物品Aと複数の物品Bと複数の物品Dとは、それぞれ別の第1容器81に収容されている。容器間移載装置100は、それぞれ異なる物品W(物品A、物品B、物品D)を収容した複数の第1容器81から、当該物品Wを第2容器82に移載する。その後、第2容器82は、オーダー情報に基づく出荷先に応じた出荷エリア94(
図1参照)へ向けて搬送される。
図3に示す例では、荷合わせ作業によって、店舗α向けのオーダー物品群が第2容器82に収容されている。当該第2容器82は、複数の出荷エリア94のうち、店舗αに向けた出荷準備や出荷作業が行われる出荷エリア94へ搬送される。
【0024】
以上のように、第1容器81に収容された物品Wが第2容器82に移載されることによって、物品Wが第2容器82に収容される。
【0025】
ここで、
図3に示すように、第1容器81及び第2容器82は、それぞれ、底部(81b,82b)が閉塞されていると共に天部(81a,82a)が開口部となっている。また、第1容器81は、当該第1容器81の底部81bの周縁から容器高さ方向Hに沿って立設された側壁部81cを備えている。同様に、第2容器82は、当該第2容器82の底部82bの周縁から容器高さ方向Hに沿って立設された側壁部82cを備えている。すなわち、第1容器81及び第2容器82は、天部(81a,82a)のみが開放された箱状に形成されている。以下では、第1容器81の開口部を第1開口部81Aとし、第2容器82の開口部を第2開口部82Aとする。なお、上述の「容器高さ方向H」は、第1容器81の底部81bと天部81aとを結ぶ方向である。また、第2容器82の底部82bと天部82aとを結ぶ方向でもある。すなわち、「容器高さ方向H」とは、各容器を基準に定められる方向である。
【0026】
図2に示すように、本実施形態では、第1容器81は平面視で矩形状に形成されている。同様に、第2容器82は平面視で矩形状に形成されている。但し、これに限らず、第1容器81の平面視での形状は、多角形状、正円状、或いは楕円状であっても良い。第2容器82についても同様である。
【0027】
本実施形態では、第1容器81は、樹脂製の容器である。本例では、第1容器81は、第2容器82よりも高い剛性を有しており、外力を受けた場合の影響が第2容器82よりも少ない。換言すれば、第1容器81は、第2容器82よりも変形し難い構成となっている。
【0028】
本実施形態では、第2容器82は、第2開口部82Aを閉塞するフラップ82fを有するカートン容器である。フラップ82fは、第2容器82がオーダー物品群を収容済みの状態で、出荷前に第2開口部82Aを閉塞するために用いられる。ここでは、第2容器82は、第1容器81から第2容器82への物品Wの移載を円滑にするために、フラップ82fが第2開口部82Aを閉塞していない状態で荷合わせエリア93に搬送される。また、本実施形態では、第2開口部82Aは第1開口部81Aよりも大きく形成されている。そして、第2容器82の容積は、第1容器81の容積よりも大きく形成されている。これにより、第2容器82は、第1容器81よりも多くの物品Wを収容可能となっており、オーダー物品群を収容して出荷する出荷用容器としての機能を十分に果たし得るものとなっている。
【0029】
図4~
図6に示すように、容器間移載装置100は、第1容器81を保持する保持機構1と、保持機構1に保持された第1容器81の第1開口部81Aに配置されて第1開口部81Aを閉塞する閉塞状態と、第1開口部81Aを開放する開放状態と、に状態変更する開閉体4と、開閉体4を開閉動作させる開閉駆動機構4mと、を備えている。本実施形態では、容器間移載装置100は、第1容器81の底部81bに対する開閉体4の容器高さ方向Hの位置を調整する調整機構5を備えている。
【0030】
本実施形態では、容器間移載装置100は、保持機構1、開閉体4、及び調整機構5が支持された枠体UFを備えている。枠体UFは、保持機構1が第1容器81を保持した状態で、上下方向Zに沿う上下方向視で第1容器81を囲むように配置される。本実施形態では、枠体UFは、内方が上下方向Zに開通した環状に形成されており、保持機構1が第1容器81を保持した状態で、上下方向視で第1容器81の全周を囲むように配置される。枠体UFの内周部に、保持機構1、開閉体4、及び調整機構5の主要部分が支持されている。
【0031】
図4及び
図5に示すように、保持機構1は、互いに水平方向(ここでは、第2方向Y)に対向する一対の保持部10を備えている。一対の保持部10のそれぞれは、枠体UFの内側に第1容器81が配置された状態で当該第1容器81の外周部に対して外側から対向するように配置される。一対の保持部10のそれぞれは、枠体UFの内側に配置された第1容器81に対して出退するように構成されており、突出状態で第1容器81を保持し、引退状態で第1容器81の保持を解除する。本実施形態では、一対の保持部10のそれぞれは、突出状態において、第1容器81の外縁に沿って形成されたフランジ部81dを上下方向Zの両側から挟むことにより、第1容器81を保持する。これにより、第1容器81の第1開口部81Aが上側を向いた状態及び下側を向いた状態(すなわち天部81aと底部81bとの上下方向Zが反転した状態)の何れの状態であっても、第1容器81が落下しないように、当該第1容器81を適切に保持することができる。
【0032】
図4及び
図6に示すように、開閉体4は、閉塞状態で第1容器81の底部81bと平行状に配置されて第1容器81内の物品Wと対向する対向部4aと、閉塞状態で対向部4aから容器高さ方向Hに延在する延在部4bと、延在部4bと調整機構5とを連結する連結部4cと、を備えている。そして、延在部4bは、対向部4aが第1容器81の内部に配置された状態で、第1容器81の側壁部81cの内面に沿うように配置される。
図6に示すように、本実施形態では、開閉体4は、第1軸心41A回りに揺動する第1扉部41と第2軸心42A回りに揺動する第2扉部42とを備えている。第1軸心41Aと第2軸心42Aとは、保持機構1が第1容器81を保持した状態で、第1容器81を挟んで両側に分かれて配置されると共に互いに平行状に配置されている。本例では、第1軸心41Aと第2軸心42Aとは、第2方向Yに沿って配置されている。第1扉部41と第2扉部42とは、同様の構造となっている。具体的には、第1扉部41と第2扉部42とは、全体として(細部については異なっていても良い)、水平方向(ここでは、第1方向X)に直交する面を対称面として、互いに鏡対称の関係となるように構成されている。第1扉部41と第2扉部42とが互いに近づくように揺動することで開閉体4が閉塞状態となり、第1扉部41と第2扉部42とが互いに離れるように揺動することで開閉体4が開放状態となる。なお、上述の対向部4a、延在部4b、及び連結部4cは、第1扉部41と第2扉部42とのそれぞれに設けられている。第1扉部41と第2扉部42とは同様の構造となっているため、以下では、第1扉部41について主に説明し、第2扉部42については説明を省略する。
【0033】
保持機構1が第1容器81を保持した状態で、第1扉部41の揺動基端部は、第1容器81の外側に配置される。そして、開閉体4の閉塞状態で、第1扉部41の揺動先端部は、第1容器81の内側に配置される。上記揺動基端部は、連結部4cの一部を構成している。上記揺動先端部は、対向部4aの一部を構成している。連結部4cにおける揺動先端側が延在部4bと連結されていると共に、対向部4aにおける揺動基端側が延在部4bと連結されている。換言すれば、延在部4bにおける揺動基端側が連結部4cに連結されていると共に、延在部4bにおける揺動先端側が対向部4aに連結されている。本実施形態では、開閉体4の閉塞状態で、延在部4bと連結部4cとは、第1容器81の側壁部81cを水平方向の両側及び上側から囲むように構成されている。
【0034】
本実施形態では、開閉駆動機構4mは、第1扉部41を開閉駆動する第1開閉駆動部41mと、第2扉部42を開閉駆動する第2開閉駆動部42mと、を備えている。第1開閉駆動部41mは、第1扉部41の揺動基端部に設けられており、第1扉部41を第1軸心41A回りに揺動させるように構成されている。また、第2開閉駆動部42mは、第2扉部42の揺動基端部に設けられており、第2扉部42を第2軸心42A回りに揺動させるように構成されている。第1開閉駆動部41mと第2開閉駆動部42mとは、例えば電動モータを用いて構成されている。
【0035】
図6に示すように、調整機構5は、開閉体4を支持する開閉体支持部50と、開閉体支持部50を上下方向Zに沿って案内するガイド部51と、を備えている。開閉体支持部50及びガイド部51は、第1扉部41と第2扉部42とのそれぞれに対応して設けられている。一対の開閉体支持部50のうち一方は、第1扉部41の揺動基端部を支持している。一対の開閉体支持部50のうち他方は、第2扉部42の揺動基端部を支持している。ガイド部51は、上下方向Zに沿うレール状に形成されており、枠体UFの内周部に設けられている。調整機構5は、不図示の駆動部によって、開閉体支持部50をガイド部51に沿って移動させるように構成されている。これにより、調整機構5は、開閉体4が開放状態であるか閉塞状態であるかにかかわらず、開閉体4の全体を上下方向Zに沿って移動させることができる。例えば、容器高さ方向Hが上下方向Zに沿う姿勢で第1容器81が保持機構1に保持された状態で、調整機構5が開閉体4を閉塞状態のまま上下方向Zに沿って移動させることで、開閉体4の対向部4aと第1容器81内の物品Wとを対向させた状態で、対向部4aの容器高さ方向Hの位置を調整する。従って、
図6において仮想線で示すように、調整機構5は、開閉体4(対向部4a)により第1容器81内の物品Wを容器高さ方向Hに押さえ付ける押圧動作が可能となっている。なお、押圧動作では、押圧によっても物品Wが破損しない程度の圧力となるように、開閉体4の位置が調整される。詳細な図示は省略するが、例えば、調整機構5は、物品Wに対する開閉体4の圧力を検出する圧力検出センサを備え、当該圧力検出センサによる検出結果に基づいて、開閉体4の容器高さ方向Hの位置を調整するようにしても良い。
【0036】
図7に示すように、容器間移載装置100は、保持機構1を移動させる移動機構2と、保持機構1により保持された第1容器81の底部81bと天部81aとの上下関係を反転させる反転機構3と、を備えている。なお、
図7では、容器間移載装置100の構造を簡略化して示しており、例えば、開閉体4を省略している。
【0037】
詳細は後述するが、反転機構3は、保持機構1により第1開口部81Aが上側を向いた状態で保持された第1容器81を反転させて第1開口部81Aを下側に向けるように構成されている。そして、移動機構2は、下側を向いた第1開口部81Aが第2容器82の第2開口部82Aに対して上側から対向するように保持機構1を移動させるように構成されている。
【0038】
移動機構2は、保持機構1を上下方向Zに移動させるように構成されている。本実施形態では、移動機構2は、保持機構1を水平方向に移動させるように構成されている。すなわち本実施形態では、移動機構2は、保持機構1を上下方向Z及び水平方向に移動させるように構成されている。本例では、第1搬送装置T1と第2搬送装置T2とは、第2方向Yに離間して配置されると共に、それぞれの搬送面が異なる高さに配置されている(
図7参照)。移動機構2は、保持機構1を上下方向Z及び水平方向(ここでは、第2方向Y)に移動させることで、第1搬送装置T1と第2搬送装置T2との間で保持機構1を適切に移動させることが可能となっている。
【0039】
本実施形態では、移動機構2は、枠体UFを保持する本体部2Bを備えている。移動機構2は、枠体UFを少なくとも上下方向Zに移動させるように構成されている。本例では、移動機構2は、枠体UFを水平方向に移動させるように構成されている。すなわち本例では、移動機構2は、枠体UFを上下方向Z及び水平方向(ここでは、第2方向Y)に移動させるように構成されている。
【0040】
本実施形態では、本体部2Bは、反転機構3を介して枠体UFを保持している。反転機構3は、枠体UFを回転させるように構成されている。本例では、反転機構3は、本体部2Bに対して回転自在に連結されると共に枠体UFを支持する支持軸30と、支持軸30を回転駆動する回転駆動部(不図示)と、を備えている。支持軸30は、水平方向に沿って配置されており、水平軸心回りに枠体UFを回転させるように構成されている。本例では、支持軸30は、第2方向Yに沿って配置されている。従って、枠体UFは、支持軸30が回転駆動されることにより、第2方向Yに沿う軸心回りに回転する。なお、
図7に示す例では、枠体UFに対して第2方向Yの両側に、支持軸30が設けられている。枠体UFは、一対の支持軸30によって、本体部2Bに対して回転自在に保持されている。
【0041】
本実施形態では、容器間移載装置100は、第1搬送装置T1及び第2搬送装置T2を囲む支持フレーム930を備えている。支持フレーム930は、荷合わせエリア93に設けられている。
【0042】
本実施形態では、移動機構2は、枠体UFを保持する本体部2Bと、枠体UFを昇降させる昇降部20と、枠体UFを第2方向Yに沿って走行させる走行部21と、を備えている。本例では、移動機構2は、本体部2Bから上方に立設された被支持部23と、支持フレーム930の上部に配置されると共に被支持部23を支持する支持部22と、を備えている。被支持部23は、支持部22に対して上下方向Zに移動自在に連結されている。
【0043】
詳細な図示は省略するが、昇降部20は、支持部22と被支持部23との連結部分に設けられたギヤ機構と、ギヤ機構を駆動するギヤ駆動部と、を備えている。ギヤ駆動部がギヤ機構を駆動することにより、被支持部23が支持部22に対して上下方向Zに移動する。昇降部20は、このような構成により、本体部2B及び枠体UFを上下方向Zに移動させることが可能となっている。なお、昇降部20は、上述のギヤ機構に代えて、ワイヤやベルトなどを備えていても良い。そして、昇降部20は、ギヤ駆動部に代えて、ワイヤやベルトを駆動するプーリなどを備えていても良い。
【0044】
本実施形態では、走行部21は、支持フレーム930の上部に配置された走行レール211と、走行レール211を転動する複数の車輪212と、複数の車輪212のうち少なくとも1つを駆動する走行駆動部(不図示)と、を備えている。本例では、走行レール211は、第2方向Yに沿って延在している。複数の車輪212は、支持部22に設けられている。これにより、支持部22は、第2方向Yに沿って移動可能となっている。上述のように、支持部22は、本体部2Bに立設された被支持部23を支持している。従って、走行部21が支持部22を第2方向Yに沿って移動させることにより、本体部2B及び枠体UFも第2方向Yに沿って移動する。走行部21は、このような構成により、本体部2B及び枠体UFを第2方向Yに沿って移動させることが可能となっている。
【0045】
なお、本実施形態では、容器間移載装置100は、保持機構1、移動機構2、反転機構3、開閉体4、及び開閉駆動機構4mの組を移載ユニットUとして、第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2との2つの移載ユニットUを備えている(
図2も参照)。
図2に示すように、第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2とは、第1方向Xの異なる位置に配置されている。第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2とのそれぞれは、第1方向Xの異なる位置において、第1搬送装置T1に載置された第1容器81から第2搬送装置T2に載置された第2容器82へ、物品Wを移載するように構成されている。第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2とを用いた物品Wの移載動作については後述する。
【0046】
次に、容器間移載装置100の制御構成について説明する。
【0047】
図8に示すように、容器間移載装置100は、保持機構1、移動機構2、反転機構3、及び開閉駆動機構4mを制御する制御装置7を備えている。本実施形態では、制御装置7は、これらに加えて、調整機構5を制御する。本実施形態では、制御装置7は、第1移載ユニットU1及び第2移載ユニットU2のそれぞれが備える上記の各機構を制御する。また、制御装置7は、第1搬送装置T1及び第2搬送装置T2を制御するように構成されている。制御装置7は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各処理または各機能が実現される。
【0048】
本実施形態では、制御装置7は、第2容器82における物品Wを収容可能な容積の残りである残容積を推定する残容積推定部71と、第1容器81に収容された物品Wの体積である物品体積を推定する体積推定部72と、残容積推定部71により推定された推定値と体積推定部72により推定された推定値とを比較して第1容器81から第2容器82への物品Wの移載可否を判定する移載可否判定部73と、を備えている。なお、「第1容器81に収容された物品Wの体積」とは、第1容器81に収容された全ての物品Wの体積を合算した体積である。
【0049】
本実施形態では、制御装置7は、第2容器82内において、第1容器81から物品Wを移載するための目標の位置を決定する目標位置決定部74を備えている。後述するように、第1容器81から第2容器82への物品Wの移載は、第1容器81から第2容器82に向けて物品Wを投下することにより行われる。従って、目標位置決定部74は、第2容器82内において物品Wを投下する目標となる目標投下位置Pt(
図10及び
図11参照)を決定するように構成されている。
【0050】
本実施形態では、容器間移載装置100は、第2容器82内における物品Wが存在しない空間である不存在空間Sの上下方向Zの寸法Lh(
図10参照)を、第2容器82内における水平方向の複数箇所において検出する空間寸法検出部6を備えている。
図10に示すように、本例では、空間寸法検出部6は、目標までの距離を検出可能なステレオカメラ60を用いて構成されている。但し、空間寸法検出部6は、光センサを用いて構成されていても良い。この場合、水平方向の複数箇所に光センサを配置しても良いし、第2容器82の内部全体を走査する単一の光センサを用いても良い。
【0051】
本実施形態では、残容積推定部71は、空間寸法検出部6による検出結果に基づいて、第2容器82の残容積を推定する。具体的には、残容積推定部71は、空間寸法検出部6によって水平方向の複数箇所で検出された不存在空間Sの上下方向寸法Lhから不存在空間Sの体積を推定する。例えば、複数箇所で検出された上下方向寸法Lhの平均値と、第2容器82(具体的には、第2容器82内の収容空間)の上下方向視での面積との積を、不存在空間Sの体積として推定することができる。第2容器82内における不存在空間Sの体積は、第2容器82における物品Wを収容可能な残容積と考えることができる。すなわち、残容積推定部71は、不存在空間Sの体積から第2容器82の残容積を推定する。
【0052】
本実施形態では、目標位置決定部74は、空間寸法検出部6による検出結果に基づいて、目標投下位置Ptを決定する。具体的には、目標位置決定部74は、空間寸法検出部6によって検出された、不存在空間Sにおける上下方向寸法Lhが最も大きい箇所を、目標投下位置Ptとして決定する。不存在空間Sにおける上下方向寸法Lhが大きい箇所ほど、第2容器82内において移載後の物品Wが積み上がっていない箇所、或いは、物品Wが配置されていない箇所と推定することができる。このような箇所には、追加的に物品Wを移載する余地がある。目標位置決定部74は、このような箇所を、次に物品Wを投下するための目標投下位置Ptとして決定する。
【0053】
図9A及び
図9Bは、第1容器81から第2容器82への物品Wの移載動作を示している。
図9A及び
図9Bにおいて、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の順に移載動作が行われる。なお、
図9Aにおける(a)、(b)は、第1方向X視での移載動作を示している。
図9Aにおける(c)、及び
図9Bにおける(d)、(e)は、第2方向Y視での移載動作を示している。
【0054】
図9Aに示すように、移動機構2は、第1搬送装置T1に載置された第1容器81に対して保持機構1を上方から接近させ(a)、保持機構1を第1容器81に対向させると共に開閉体4(ここでは、閉塞状態とした開閉体4)を第1開口部81Aに配置する(b)。保持機構1は、第1開口部81Aが上側を向いていると共に物品Wが収容された状態の第1容器81を保持機構1により保持する(b)。保持機構1は、突出させた保持部10によって第1容器81のフランジ部81dを保持する(b)。調整機構5は、閉塞状態の開閉体4により第1容器81内の物品Wを容器高さ方向Hに押さえ付ける押圧動作を行う(c)。そして、移動機構2は、保持機構1を第2搬送装置T2に向けて移動させる。
【0055】
図9Bに示すように、反転機構3は、移動機構2による保持機構1の移動中に、保持機構1により第1開口部81Aが上側を向いた状態で保持された第1容器81を、第1開口部81Aが下側に向くように反転させる(d)。これにより、第1容器81内の物品Wは、第1容器81の底部81bによって下方から支持された状態から、開閉体4によって下方から支持された状態となる。開閉駆動機構4mは、反転機構3による保持機構1の反転中及び移動機構2による保持機構1の移動中は開閉体4を閉塞状態とする(d)。調整機構5は、少なくとも反転機構3による保持機構1の反転中に、閉塞状態の開閉体4により第1容器81内の物品Wを容器高さ方向Hに押さえ付ける押圧動作を行う。換言すれば、調整機構5は、少なくとも反転機構3による保持機構1の反転中は、第1容器81内の物品Wを容器高さ方向Hに押さえ付けた状態を維持する。これにより、反転機構3によって第1容器81を反転させる際に、第1容器81内での物品Wの移動を少なく抑えることができる。
【0056】
移動機構2は、下側を向いた第1容器81の第1開口部81Aが第2容器82の第2開口部82Aに対して上側から対向するように、保持機構1を移動させる(e)。開閉駆動機構4mは、第1容器81の第1開口部81Aが第2容器82の第2開口部82Aに対向した状態で開閉体4を開放状態とする(e)。開閉体4によって下方から支持されていた物品Wは、開閉体4が開放状態となることによって、第2容器82内へ投下される。本実施形態では、第1容器81の第1開口部81Aと第2容器82の第2開口部82Aとが対向した状態において、第1軸心41A回りに閉塞状態から開放状態に揺動する第1扉部41と、第2軸心42A回りに閉塞状態から開放状態に揺動する第2扉部42とが、第2開口部82Aを開放させる方向にフラップ82fを押すように構成されている(e)。これにより、物品Wの落下経路から退避させるようにフラップ82fを押すことができる。従って、フラップ82fが物品Wの移載の妨げとなることを回避できる。以上のようにして、容器間移載装置100は、第1容器81内の全ての物品Wを第2容器82へ移載する。なお、詳細は省略するが、第1容器81からの物品Wのはみ出しを検出するセンサ(例えば、光センサ)を枠体UFに設けることもできる。例えば、第1容器81から第2容器82への物品Wの移載動作を開始してから開閉体4を閉塞状態から開放状態とするまでの間に、第1容器81からの物品Wのはみ出しが当該センサにより検出された場合に、制御装置7が、第1容器81から第2容器82への物品Wの移載動作を中断して異常報知(例えば、音や光等による作業者への異常報知)を行う構成とすることができる。
【0057】
ここで、オーダー情報によっては、1つの第2容器82に対して、複数の第1容器81から物品W(物品群)の移載を行う場合がある。すなわち、1つの第2容器82に対して上記移載動作を繰り返し行う場合がある。
【0058】
図10に示すように、本実施形態では、制御装置7は、複数の第1容器81に収容された物品Wを少なくとも1つの第2容器82に移載する場合に、第1容器81から、対象とする第2容器82である対象第2容器820に物品Wを移載する毎に、対象第2容器820における物品Wを収容可能な容積の残りである残容積を推定する。そして、制御装置7は、対象第2容器820に物品Wを移載予定の第1容器81である予定第1容器810に収容された物品Wの体積である物品体積と、対象第2容器820の残容積とを比較して、物品体積が残容積よりも小さい場合には、予定第1容器810から対象第2容器820への物品Wの移載を行い、物品体積が残容積よりも大きい場合には、予定第1容器810から別の第2容器82への物品Wの移載を行う。これにより、第2容器82の容積を効率良く利用して当該第2容器82に物品Wを移載できる。また、第2容器82への過度の移載を抑制でき、その結果、移載済みの物品Wが第2容器82からはみ出す事態が生じることを回避できる。
【0059】
本実施形態では、制御装置7は、残容積推定部71(
図8参照)によって、第2容器82の残容積を推定する。上述のように、残容積推定部71は、空間寸法検出部6によって水平方向の複数箇所で検出された不存在空間Sの上下方向寸法Lhから不存在空間Sの体積を推定する。第2容器82内における不存在空間Sの体積は、第2容器82における物品Wを収容可能な残容積と考えることができる。すなわち、残容積推定部71は、不存在空間Sの体積から第2容器82の残容積を推定する。
【0060】
本実施形態では、制御装置7は、移載可否判定部73(
図8参照)によって、予定第1容器810に収容された物品Wの物品体積と対象第2容器820の残容積とを比較して、予定第1容器810から対象第2容器820への物品Wの移載の可否を判定する。移載可否判定部73は、物品体積が残容積よりも小さい場合に移載可能と判定し、物品体積が残容積よりも大きい場合に移載不可能と判定する。
【0061】
図10及び
図11に示すように、本実施形態では、制御装置7は、複数の第1容器81に収容された物品Wを少なくとも1つの第2容器82に移載する場合に、予定第1容器810から対象第2容器820に物品Wを移載する毎に、対象第2容器820内において次に物品Wを投下するための目標投下位置Ptを決定する。
【0062】
本実施形態では、制御装置7は、目標位置決定部74(
図8参照)によって、目標投下位置Ptを決定する。上述のように、目標位置決定部74は、空間寸法検出部6によって検出された、不存在空間Sにおける上下方向寸法Lhが最も大きい箇所を、目標投下位置Ptとして決定する。不存在空間Sにおける上下方向寸法Lhが大きい箇所ほど、第2容器82内において移載後の物品Wが積み上がっていない箇所、或いは、物品Wが配置されていない箇所と推定することができる。このような箇所には、追加的に物品Wを移載する余地がある。目標位置決定部74は、このような箇所を、次に物品Wを投下するための目標投下位置Ptとして決定する。なお、「目標投下位置Pt」は、ある一点を示すものであっても良いが、一定の領域を示すものであっても良い。
図11に示す例では、一定の領域が目標投下位置Ptとして決定されている。
【0063】
図11に示すように、本実施形態では、制御装置7は、移動機構2を制御して、目標投下位置Ptと第1開口部81Aとが上下方向視で重複するように、第1容器81を第2容器82の上側に配置する。そして、制御装置7は、目標投下位置Ptと第1開口部81Aとが上下方向視で重複した状態で、開閉駆動機構4mを制御して、開閉体4を開放状態とする。すなわち本実施形態では、制御装置7は、空間寸法検出部6によって検出された、不存在空間Sにおける上下方向Zの寸法Lhが最も大きい箇所(目標投下位置Pt)と第1開口部81Aとが上下方向視で重複する状態で、開閉体4を開放状態とする。これにより、不存在空間Sにおける上下方向Zの寸法Lhが最も大きい箇所である目標投下位置Pt又はその周辺に、第1容器81から投下される物品Wを配置することができる。従って、複数の第1容器81に収容された物品Wを少なくとも1つの第2容器82に移載する場合に、第2容器82内において複数の物品Wを偏りなく配置し易い。なお、第2容器82内において複数の物品Wを偏りなく配置し易くするために、第2搬送装置T2が第2容器82を振動させる振動機構を備え、第2容器82を振動させて第2容器82に収容された物品Wを均す構成としても良い。例えば、第2容器82に物品Wを移載する毎に、或いは、第2容器82内における予め定められた基準を超える物品Wの偏りが検出された場合に、第2容器82を上記振動機構により振動させる構成とすることができる。
【0064】
次に、第1容器81に収容された物品Wを第2容器82に移載する容器間移載方法について説明する。
【0065】
容器間移載方法は、第1容器81に収容された物品Wを第2容器82に移載する方法である。容器間移載方法では、第1容器81を保持する保持機構1と、保持機構1を移動させる移動機構2と、保持機構1により保持された第1容器81の底部81bと天部81aとの上下関係を反転させる反転機構3と、保持機構1に保持された第1容器81の第1開口部81Aに配置されて第1開口部81Aを閉塞する閉塞状態と、第1開口部81Aを開放する開放状態と、に状態変更する開閉体4と、開閉体4を開閉動作させる開閉駆動機構4mと、を備えた容器間移載装置100を用いる。
【0066】
容器間移載方法は、第1開口部81Aが上側を向いていると共に物品Wが収容された状態の第1容器81を保持機構1により保持する第1容器保持工程と、第1容器81の第1開口部81Aに閉塞状態とした開閉体4を配置する開閉体配置工程と、第1容器保持工程及び開閉体配置工程の後、保持機構1により第1開口部81Aが上側を向いた状態で保持された第1容器81を、反転機構3により反転させて第1開口部81Aを下側に向ける反転工程と、第1容器81が第2容器82の上側であって上下方向Zに沿う上下方向Z視で第1容器81と第2容器82とが重複するように保持機構1を移動させる移動工程と、反転工程及び移動工程の後、下側を向いた第1開口部81Aが第2開口部82Aに対して上側から対向した状態で、開閉体4を閉塞状態から開放状態として、第1容器81に収容された物品Wを第2容器82の内部に移載する移載工程と、を含む。
【0067】
本実施形態では、容器間移載方法は、開閉体4により第1容器81内の物品Wを容器高さ方向Hに押圧する押圧工程を含み、移載工程は、開閉体4による物品Wの押圧を解除する押圧解除工程と、開閉体4を開放状態として下側を向いた第1開口部81Aを開放する開放工程と、を含む。さらに、容器間移載方法は、予定第1容器810から対象第2容器820への物品Wの移載の可否を判定する移載可否判定工程と、物品Wが収容された対象第2容器820を空の第2容器82と入れ替える第2容器入替工程と、を含む。
【0068】
以下、
図12のフローチャートを参照して、容器間移載方法で実行する処理手順について説明する。なお、容器間移載方法の各工程は、制御装置7が容器間移載装置100の各部を制御することにより実行される。
【0069】
容器間移載方法では、まず、移載可否判定工程を実行し(ステップ#1)、予定第1容器810から対象第2容器820への物品Wの移載の可否を判定する(ステップ#2)。上述のように、移載可否判定工程では、予定第1容器810に収容された物品Wの体積である物品体積と、対象第2容器820の残容積とを比較することにより、移載の可否を判定する。そして、物品体積が残容積よりも小さい場合に、移載可能と判定する(ステップ#2:Yes)。一方、物品体積が残容積よりも大きい場合には、予定第1容器810から別の第2容器82への物品Wの移載を行うために、第2容器入替工程を実行し(ステップ#10)、ステップ#1の工程に戻る。
【0070】
予定第1容器810から対象第2容器820への物品Wの移載が可能であると判定した場合には(ステップ#2:Yes)、第1容器保持工程を実行する(ステップ#3)。その後、開閉体配置工程を実行して、第1容器81の第1開口部81Aに閉塞状態の開閉体4を配置する(ステップ#4)。そして、押圧工程を実行して、開閉体4により第1容器81内の物品Wを容器高さ方向Hに押圧する(ステップ#5)。この押圧工程は、調整機構5によって、第1容器81に対する開閉体4の位置を調整することにより行う。
【0071】
その後、反転工程を実行して、第1開口部81Aを下側に向ける(ステップ#6)。この際、押圧工程は実行されたままであるので、第1容器81内の物品Wは、開閉体4によって第1容器81の底部81bに押さえ付けられている。従って、反転工程が実行されても、物品Wは第1容器81内で移動し難くなっている。
【0072】
その後、移動工程を実行して、下側を向いた第1開口部81Aを第2開口部82Aに対して上側から対向させる(ステップ#7)。移動工程では、上述のように、目標投下位置Ptと第1開口部81Aとが上下方向視で重複するように、第1容器81を第2容器82の上側に配置する。
【0073】
その後、押圧解除工程を実行して、開閉体4による物品Wの押圧を解除する(ステップ#8)。最後に、開放工程を実行して、第1開口部81Aを開放する(ステップ#9)。これにより、予定第1容器810から対象第2容器820へ物品Wが投下され、容器間移載が完了する。本実施形態では、押圧解除工程と開放工程とは、移載工程の一部を構成している。なお、第1容器81と開閉体4とが干渉しない場合には、押圧解除工程を実行することなく、開放工程を実行しても良い。
【0074】
ところで、
図12では、第1容器保持工程の後に開閉体配置工程を実行する場合を例示しているが、第1容器保持工程と開閉体配置工程とを並行して実行してもよい。例えば、閉塞状態とした開閉体4を第1開口部81Aに配置する動作と、保持機構1により第1容器81を保持する動作とを並行して行う構成としても好適である。この際、動作の開始と終了のそれぞれの前後関係は自由に設定されてよい。また、開閉体配置工程の後に第1容器保持工程を実行してもよい。例えば、閉塞状態とした開閉体4を第1開口部81Aに対して上方から接近させて第1開口部81Aに配置した後、保持機構1により第1容器81を保持する構成としても好適である。同様に、
図12では、反転工程の後に移動工程を実行する場合を例示しているが、反転工程と移動工程とを並行して実行してもよい。例えば、第1容器81の第1開口部81Aを下側に向ける反転動作と、第1容器81を移動させて第1開口部81Aを第2開口部82Aに対向させる移動動作とを並行して行う構成としても好適である。この際、動作の開始と終了のそれぞれの前後関係は自由に設定されてよい。また、移動工程の後に反転工程を実行してもよい。
【0075】
ここで、上述のように、容器間移載装置100は、保持機構1、移動機構2、反転機構3、開閉体4、及び開閉駆動機構4mの組を移載ユニットUとして、第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2との2つの移載ユニットUを備えている。第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2とのそれぞれの移動機構2は、保持機構1を上下方向Z及び第2方向Yに移動させるように構成されている。すなわち、第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2とのそれぞれは、第2方向Yに離間して配置された第1搬送装置T1と第2搬送装置T2との間で第1容器81を移動させて、第1容器81に収容された物品Wを第2容器82に移載することが可能となっている。本実施形態では、容器間移載装置100は、第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2とにより、第1容器81から第2容器82への物品Wの移載を行う。
【0076】
図13A及び
図13Bは、第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2とによって物品Wの移載を行う場合の説明図である。図中、容器(第1容器81又は第2容器82)内に示されたアルファベットは、物品Wの種類である。但し、容器内には、同一種類の複数の物品Wが収容されているものとする。ここでは、物品A、B、C、Dが、1つのオーダー物品群を構成するものとし、当該オーダー物品群を第2容器82へ移載する場合の移載動作について説明する。
【0077】
第1搬送装置T1は、複数の第1容器81を第1方向Xに沿って順次搬送する。また、第2搬送装置T2は、複数の第2容器82を第1方向Xに沿って順次搬送する。以下では、説明の便宜上、複数の第1容器81を、下流側から上流側に向けて順番に第1の第1容器811~第N(Nは自然数)の第1容器81Nと称する。また、複数の第2容器82を、下流側から上流側に向けて順番に第1の第2容器821~第N(Nは自然数)の第2容器82Nと称する。
【0078】
図13A(a)に示すように、第1搬送装置T1は、荷合わせエリア93に、第1の第1容器811と第2の第1容器812とを配置する。図示の例では、第1の第1容器811には物品Aが複数個収容されており、第2の第1容器812には物品Bが複数個収容されている。また、第2搬送装置T2は、荷合わせエリア93に、第1の第2容器821を配置する。これにより、第1搬送装置T1上において、第1の第1容器811と第2の第1容器812とが第1方向Xの異なる位置に配置されていると共に第1の第2容器821が第1の第1容器811と第2方向Yに並んで配置された状態となる。
【0079】
図13A(b)に示すように、本実施形態では、第1搬送装置T1上において、第1の第1容器811と第2の第1容器812とが第1方向Xの異なる位置に配置されていると共に第1の第2容器821が第1の第1容器811と第2方向Yに並んで配置された状態で、第1移載ユニットU1が第1の第1容器811から第1の第2容器821に物品Aを移載する。これにより、第1の第2容器821に複数個の物品Aが収容される。そして、第2搬送装置T2が第1の第2容器821を第2の第1容器812と第2方向Yに並んで配置される位置に移動させる。
【0080】
そして、
図13A(c)に示すように、第2移載ユニットU2が第2の第1容器812から第1の第2容器821に物品Bを移載する。これにより、第1の第2容器821に、複数個の物品Aと複数個の物品Bが収容された状態となる。このように、2つの移載ユニットUを交互に動作させることにより、複数の第1容器81から1つの第2容器82に効率的に物品W(物品A、物品B)を移載することができる。また、この際、2つの第1容器81の位置に合わせた第2容器82の移動を、第2搬送装置T2により行うことができる。そのため、容器間移載装置100の構成の簡略化を図り易い。更に、例えば、第1移載ユニットU1が第1の第1容器811から第1の第2容器821に物品Aを移載している間に、第2移載ユニットU2による物品Bの移載の準備動作(例えば、第2の第1容器812に対する
図12の反転工程までの動作、又は移動工程の途中までの動作)を行っておくことで、物品Wのより効率的な移載が可能となる。
【0081】
ここで、1つの第2容器82でオーダー物品群の全てを収容することが望ましいが、オーダー物品群を構成する物品Wの個数が多くて、オーダー物品群の全てを1つの第2容器82に収容できない場合がある。その場合には、容器間移載装置100は、物品Wで満杯となった第2容器82を荷合わせエリア93から搬出すると共に新たな第2容器82を荷合わせエリア93に搬入する第2容器入替工程を実行する。そして、容器間移載装置100は、第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2とにより、新たな第2容器82に対して上記の移載動作を行う。これにより、新たな第2容器82に、オーダー物品群の残りを移載する。
【0082】
例えば、
図13A(c)に示すように、第1の第2容器821が物品A及び物品Bで満杯になった場合には、第1の第2容器821にこれ以上の物品Wを移載することはできない。第1の第2容器821への物品Wの移載可否は、上述の移載可否判定工程によって行われる。
【0083】
図13B(d)に示すように、第2搬送装置T2は、物品W(物品A及び物品B)で満杯になった第1の第2容器821を荷合わせエリア93から排出すると共に、第2の第2容器822を荷合わせエリア93に配置する。また、第1搬送装置T1は、荷合わせエリア93に、第3の第1容器813と第4の第1容器814とを配置する。図示の例では、第3の第1容器813には物品Cが複数個収容されており、第4の第1容器814には物品Dが複数個収容されている。これにより、第1搬送装置T1上において、第3の第1容器813と第4の第1容器814とが第1方向Xの異なる位置に配置されていると共に第2の第2容器822が第3の第1容器813と第2方向Yに並んで配置された状態となる。
【0084】
図13B(e)に示すように、本実施形態では、第1搬送装置T1上において、第3の第1容器813と第4の第1容器814とが第1方向Xの異なる位置に配置されていると共に第2の第2容器822が第3の第1容器813と第2方向Yに並んで配置された状態で、第1移載ユニットU1が第3の第1容器813から第2の第2容器822に物品Cを移載する。これにより、第2の第2容器822に複数個の物品Cが収容される。そして、第2搬送装置T2が第2の第2容器822を第4の第1容器814と第2方向Yに並んで配置される位置に移動させる。
【0085】
そして、
図13B(f)に示すように、第2移載ユニットU2が第4の第1容器814から第2の第2容器822に物品Dを移載する。これにより、新たに搬入した第2の第2容器822に、オーダー物品群の残りが移載される。その後、第2の第2容器822は、第2搬送装置T2によって荷合わせエリア93から搬出され、目的の出荷エリア94(
図1参照)に向けて搬送される。
【0086】
以上説明した容器間移載装置及び容器間移載方法によれば、下側を向いた第1開口部81Aが上側を向いた第2開口部82Aに対向した状態となるように、物品Wが収容された第1容器81を第2容器82の上方に配置する。そして、この状態で開閉体4を開放することにより、第1容器81から第2容器82へ物品Wを移載することができる。これにより、第1容器81に複数の物品Wが収容されている場合には、複数の物品Wをまとめて第2容器82へ移載することができる。従って、物品Wの移載効率を高くすることができる。また、容器間移載装置及び容器間移載方法では、下側を向いた第1開口部81Aが上側を向いた第2開口部82Aに対向した状態とするために、反転機構3により第1容器81の底部81bと天部81aとの上下関係を反転させるが、閉塞状態の開閉体4を第1開口部81Aに配置しておくことで、第1容器81からの物品Wの落下を回避できると共に第1容器81内における物品Wの偏りも少なく抑えることができる。従って、その後の第2容器82への物品Wの移載を適切に行うことができる。
【0087】
また、以上説明した容器間移載装置及び容器間移載方法によれば、物品Wを直接保持することなく、当該物品Wが収容された第1容器81を保持し反転させることによって容器間で物品Wを移載する。従って、例えば、ロボットハンドでは保持し難い形状の物品や、カメラなどで認識し難い物品など、単体として直接保持するのが難しい特性を持つ物品が移載対象であっても、容器間で適切に物品を移載することができる。すなわち、汎用性の高い容器間移載装置及び容器間移載方法を実現することができる。
【0088】
〔その他の実施形態〕
次に、容器間移載装置及び容器間移載方法のその他の実施形態について説明する。
【0089】
(1)上記の実施形態では、容器間移載装置100が、第1移載ユニットU1と第2移載ユニットU2との2つの移載ユニットUを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、容器間移載装置100は、移載ユニットUを1つのみ備えていても良く、或いは、3つ以上の移載ユニットUを備えていても良い。
【0090】
(2)上記の実施形態では、反転機構3が、移動機構2による保持機構1の移動中(第1搬送装置T1から第2搬送装置T2への移動中)に、第1開口部81Aが下側に向くように第1容器81を反転させる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、反転機構3は、移動機構2による保持機構1の移動前あるいは移動後に、第1容器81を反転させても良い。すなわち、反転工程と移動工程とは、並行して実行しても、いずれか一方の完了後に他方を実行しても良い。
【0091】
(3)上記の実施形態では、予定第1容器810に収容された物品Wの物品体積と対象第2容器820の残容積とを比較して、予定第1容器810から対象第2容器820への物品Wの移載の可否を判定する例について説明した。この移載可否判定は、上記の物品体積と残容積との比較に加えて、或いは、これに代えて、第2容器82からの物品Wのはみ出しを検出するはみ出しセンサを用いて行っても良い。はみ出しセンサが対象第2容器820からの物品Wのはみ出しを検出した場合には、予定第1容器810から対象第2容器820への物品Wの移載が不可能と判定する。すなわち、容器間移載装置100は、第2容器82からの物品Wのはみ出しを検出するはみ出しセンサを備え、制御装置7は、はみ出しセンサが第2容器82からの物品Wのはみ出しを検出した場合に第1容器81から第2容器82への物品Wの移載が不可能であると判定し、はみ出しセンサが第2容器82からの物品Wのはみ出しを検出しない場合に第1容器81から第2容器82への物品Wの移載が可能であると判定する。なお、はみ出しセンサとしては公知のセンサを用いることができ、例えば、光センサを用いてはみ出しセンサを構成することができる。
【0092】
(4)上記の実施形態では、残容積推定部71が、空間寸法検出部6によって水平方向の複数箇所で検出された不存在空間Sの上下方向寸法Lhから不存在空間Sの体積を推定し、これにより第2容器82の残容積を推定する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、空間寸法検出部6が上下方向寸法Lhの検出を1箇所(例えば、第2容器82の上下方向視での中央部)で行い、残容積推定部71が、当該1箇所で検出された上下方向寸法Lhから不存在空間Sの体積を推定しても良い。また、残容積推定部71は、カメラとしての空間寸法検出部6によって撮影された画像に基づいて、画像認識により第2容器82の残容積を推定しても良い。或いは、残容積推定部71は、既知である第2容器82の容積から、第2容器82に既に収容されている物品Wの物品体積を減算することによって、第2容器82の残容積を推定するようにしても良い。
【0093】
(5)上記の実施形態では、移動機構2は、保持機構1を、上下方向Zに加えて、水平方向にも移動させるように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、移動機構2は、保持機構1を上下方向Zにのみ移動させるように構成されていても良い。例えば、第1容器81と、当該第1容器81に収容された物品Wの移載先となる第2容器82とが、同一の搬送経路上を順次搬送される場合には、当該搬送経路に対して上下方向視で重複するように保持機構1を配置する。移動機構2は、当該保持機構1を上下方向Zにのみ移動させることによって、第1容器81を第2容器82の上側に配置することができる。その後は、上記実施形態と同様に、第1容器81を反転させたり、開閉体4を開放させたりすることによって、第1容器81から第2容器82への物品Wの移載を行うことができる。また、上記の考え方とは反対に、移動機構2が保持機構1を移動させる方向は、上下方向Zや第2方向Yだけでなくても良く、例えば、移動機構2は、保持機構1を第1方向Xにも移動させることが可能であっても良い。
【0094】
(6)上記の実施形態では、容器間移載装置100が、第1容器81の底部81bに対する開閉体4の容器高さ方向Hの位置を調整する調整機構5を備えている例について説明した。しかし、調整機構5は必須の構成ではなく、容器間移載装置100は、このような調整機構5を備えていなくても良い。
【0095】
(7)上記の実施形態では、開閉体4が、閉塞状態で第1容器81の底部81bと平行状に配置されて第1容器81内の物品Wと対向する対向部4aと、閉塞状態で対向部4aから容器高さ方向Hに延在する延在部4bと、延在部4bと調整機構5とを連結する連結部4cと、を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、開閉体4は、対向部4aを備えていれば良く、延在部4bや連結部4cは備えていなくても良い。また、開閉体4としては、様々な形状のものを採用することができる。
【0096】
(8)上記の実施形態では、開閉体4が、一対の扉部、すなわち第1軸心41A回りに揺動する第1扉部41と第2軸心42A回りに揺動する第2扉部42とを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、開閉体4は、揺動する1つの扉部を備えていても良い。また、開閉体4が、1つの扉部または一対の扉部を備える場合において、1つの扉部または一対の扉部が水平方向にスライド移動するように構成されていても良い。
【0097】
(9)上記の実施形態では、第2容器82が、第2開口部82Aを閉塞するフラップ82fを有するカートン容器である例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、第2容器82は、第1容器81と同様に樹脂製の容器などであって良い。反対に、第1容器81としてカートン容器を用いることもできる。
【0098】
(10)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0099】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した容器間移載装置及び容器間移載方法について説明する。
【0100】
本開示に係る容器間移載装置は、
第1容器に収容された物品を第2容器に移載する容器間移載装置であって、
前記第1容器及び前記第2容器は、それぞれ、底部が閉塞されていると共に天部が開口部となっており、
前記第1容器の前記開口部を第1開口部とし、前記第2容器の前記開口部を第2開口部として、
前記第1容器を保持する保持機構と、
前記保持機構を移動させる移動機構と、
前記保持機構により保持された前記第1容器の前記底部と前記天部との上下関係を反転させる反転機構と、
前記第1容器の前記第1開口部に配置されて前記第1開口部を閉塞する閉塞状態と、前記第1開口部を開放する開放状態と、に状態変更する開閉体と、
前記開閉体を開閉動作させる開閉駆動機構と、を備え、
前記反転機構は、前記保持機構により前記第1開口部が上側を向いた状態で保持された前記第1容器を反転させて前記第1開口部を下側に向け、
前記移動機構は、前記第1容器が前記第2容器の上側であって上下方向に沿う上下方向視で前記第1容器と前記第2容器とが重複するように、前記保持機構を移動させ、
前記開閉駆動機構は、前記反転機構による前記保持機構の反転中及び前記移動機構による前記保持機構の移動中は前記開閉体を前記閉塞状態とし、下側を向いた前記第1開口部が前記第2開口部に対して上側から対向した状態で前記開閉体を前記開放状態とする。
【0101】
本構成によれば、下側を向いた第1開口部が上側を向いた第2開口部に対向した状態となるように、物品が収容された第1容器を第2容器の上方に配置する。そして、この状態で開閉体を開放することにより、第1容器から第2容器へ物品を移載することができる。これにより、第1容器に複数の物品が収容されている場合には、複数の物品をまとめて第2容器へ移載することができる。従って、物品の移載効率を高くすることができる。また、本構成では、下側を向いた第1開口部が上側を向いた第2開口部に対向した状態とするために、反転機構により第1容器の底部と天部との上下関係を反転させるが、閉塞状態の開閉体を第1開口部に配置しておくことで、第1容器からの物品の落下を回避できると共に第1容器内における物品の偏りも少なく抑えることができる。従って、その後の第2容器への物品の移載を適切に行うことができる。以上のように、本構成によれば、異なる容器間での物品の移載を適切に行えると共に移載効率を向上させることが可能となる。
【0102】
前記第1容器の前記底部と前記天部とを結ぶ方向を容器高さ方向として、
前記第1容器の前記底部に対する前記開閉体の前記容器高さ方向の位置を調整する調整機構を備える、と好適である。
【0103】
本構成によれば、第1容器に収容された物品の高さに応じて開閉体の位置を調整することができる。そのため、反転機構によって第1容器を反転させる際に、第1容器内での物品の移動を少なく抑え易く、その後の第2容器への物品の移載を適切に行い易い。
【0104】
前記調整機構は、少なくとも前記反転機構による前記保持機構の反転中に、前記閉塞状態の前記開閉体により前記第1容器内の前記物品を前記容器高さ方向に押さえ付ける押圧動作を行う、と好適である。
【0105】
本構成によれば、反転機構によって第1容器を反転させる際に、第1容器内での物品の移動を更に少なく抑え易い。
【0106】
前記第1容器は、当該第1容器の前記底部の周縁から前記容器高さ方向に沿って立設された側壁部を備え、
前記開閉体は、前記閉塞状態で前記第1容器の前記底部と平行状に配置されて前記第1容器内の前記物品と対向する対向部と、前記閉塞状態で前記対向部から前記容器高さ方向に延在する延在部と、前記延在部と前記調整機構とを連結する連結部と、を備え、前記延在部は、前記対向部が前記第1容器の内部に配置された状態で、前記第1容器の前記側壁部の内面に沿うように配置される、と好適である。
【0107】
本構成によれば、調整機構により第1容器に収容された物品の高さに応じて対向部の位置を容器高さ方向に調整した場合に、開閉体と第1容器の側壁部とが干渉することを回避し易い。従って、開閉体と第1容器との干渉を回避しつつ、対向部の位置を物品の高さに応じた適切な位置に調整し易い。
【0108】
前記保持機構、前記開閉体、及び前記調整機構が支持された枠体を備え、
前記枠体は、前記保持機構が前記第1容器を保持した状態で、上下方向に沿う上下方向視で前記第1容器を囲むように配置され、
前記移動機構は、前記枠体を少なくとも上下方向に移動させるように構成され、
前記反転機構は、前記枠体を回転させるように構成されている、と好適である。
【0109】
本構成によれば、枠体を昇降移動及び反転させることにより、保持機構の昇降移動と保持機構に保持された第1容器の反転とを行うことができる。従って、容器間移載装置の構成を簡略化し易い。
【0110】
前記第2容器は、前記第2開口部を閉塞するフラップを有するカートン容器であり、
前記開閉体は、第1軸心回りに揺動する第1扉部と第2軸心回りに揺動する第2扉部とを備え、
前記第1軸心と前記第2軸心とは、前記保持機構が前記第1容器を保持した状態で、前記第1容器を挟んで両側に分かれて配置されると共に互いに平行状に配置され、
前記第1開口部と前記第2開口部とが対向した状態において、前記第1軸心回りに前記閉塞状態から前記開放状態に揺動する前記第1扉部と、前記第2軸心回りに前記閉塞状態から前記開放状態に揺動する前記第2扉部とが、前記第2開口部を開放させる方向に前記フラップを押すように構成されている、と好適である。
【0111】
本構成によれば、第2容器がフラップを有するカートン容器である場合に、第1扉部および第2扉部を開放状態とすることにより、物品の落下経路から退避させるようにカートン容器のフラップを押すことができる。従って、フラップが物品の移載の妨げとなることを回避できる。
【0112】
前記保持機構、前記移動機構、前記反転機構、前記開閉体、及び前記開閉駆動機構の組を移載ユニットとして、第1移載ユニットと第2移載ユニットとの2つの前記移載ユニットを備えると共に、
第1方向に沿って前記第1容器を搬送する第1搬送装置と、前記第1搬送装置と並列配置され、前記第1方向に沿って前記第2容器を搬送する第2搬送装置と、を備え、
上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に交差する方向を第2方向として、
前記第1移載ユニットと前記第2移載ユニットとは前記第1方向の異なる位置に配置され、
前記第1移載ユニットと前記第2移載ユニットとのそれぞれの前記移動機構は、前記保持機構を上下方向及び前記第2方向に移動させるように構成され、
前記第1搬送装置上において、第1の前記第1容器と第2の前記第1容器とが前記第1方向の異なる位置に配置されていると共に前記第2容器が前記第1の第1容器と前記第2方向に並んで配置された状態で、前記第1移載ユニットが前記第1の第1容器から前記第2容器に前記物品を移載し、
前記第2搬送装置が前記第2容器を前記第2の第1容器と前記第2方向に並んで配置される位置に移動させ、
前記第2移載ユニットが前記第2の第1容器から前記第2容器に前記物品を移載する、と好適である。
【0113】
本構成によれば、2つの移載ユニットを交互に動作させることにより、複数の第1容器から1つの第2容器に効率的に物品を移載することができる。また、この際、2つの第1容器の位置に合わせた第2容器の移動を、第2容器の搬送を行う第2搬送装置により行うことができる。よって、容器間移載装置の構成の簡略化も図り易い。
【0114】
前記保持機構、前記移動機構、前記反転機構、及び前記開閉駆動機構を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、複数の前記第1容器に収容された前記物品を少なくとも1つの前記第2容器に移載する場合に、前記第1容器から、対象とする前記第2容器である対象第2容器に前記物品を移載する毎に、前記対象第2容器における前記物品を収容可能な容積の残りである残容積を推定し、
前記対象第2容器に前記物品を移載予定の前記第1容器である予定第1容器に収容された前記物品の体積である物品体積と、前記対象第2容器の前記残容積とを比較して、前記物品体積が前記残容積よりも小さい場合には、前記予定第1容器から前記対象第2容器への前記物品の移載を行い、前記物品体積が前記残容積よりも大きい場合には、前記予定第1容器から別の前記第2容器への前記物品の移載を行う、と好適である。
【0115】
本構成によれば、第2容器の容積を効率良く利用して当該第2容器に物品を移載できる。また、第2容器への過度の移載を抑制でき、その結果、移載済みの物品が第2容器からはみ出す事態が生じることを回避できる。
【0116】
前記保持機構、前記移動機構、前記反転機構、及び前記開閉駆動機構を制御する制御装置と、
前記第2容器内における前記物品が存在しない空間である不存在空間の上下方向の寸法を、前記第2容器内における水平方向の複数箇所において検出する空間寸法検出部と、を備え、
前記第2開口部は前記第1開口部よりも大きく、
前記移動機構は、前記保持機構を水平方向に移動させるように構成され、
前記制御装置は、前記空間寸法検出部によって検出された、前記不存在空間における上下方向の寸法が最も大きい箇所と前記第1開口部とが上下方向に沿う上下方向視で重複する状態で、前記開閉体を前記開放状態とする、と好適である。
【0117】
本構成によれば、第2容器内において複数の物品を偏りなく配置し易い。
【0118】
本開示に係る容器間移載方法は、
第1容器に収容された物品を第2容器に移載する容器間移載方法であって、
前記第1容器及び前記第2容器は、それぞれ、底部が閉塞されていると共に天部が開口部となっており、
前記第1容器の前記開口部を第1開口部とし、前記第2容器の前記開口部を第2開口部として、
前記第1容器を保持する保持機構と、前記保持機構を移動させる移動機構と、前記保持機構により保持された前記第1容器の前記底部と前記天部との上下関係を反転させる反転機構と、前記保持機構に保持された前記第1容器の前記第1開口部に配置されて前記第1開口部を閉塞する閉塞状態と、前記第1開口部を開放する開放状態と、に状態変更する開閉体と、前記開閉体を開閉動作させる開閉駆動機構と、を備えた容器間移載装置を用い、
前記第1開口部が上側を向いていると共に前記物品が収容された状態の前記第1容器を前記保持機構により保持する第1容器保持工程と、
前記第1容器の前記第1開口部に前記閉塞状態とした前記開閉体を配置する開閉体配置工程と、
前記第1容器保持工程及び前記開閉体配置工程の後、前記保持機構により前記第1開口部が上側を向いた状態で保持された前記第1容器を、前記反転機構により反転させて前記第1開口部を下側に向ける反転工程と、
前記第1容器が前記第2容器の上側であって上下方向に沿う上下方向視で前記第1容器と前記第2容器とが重複するように前記保持機構を移動させる移動工程と、
前記反転工程及び前記移動工程の後、下側を向いた前記第1開口部が前記第2開口部に対して上側から対向した状態で、前記開閉体を前記閉塞状態から前記開放状態として、前記第1容器に収容された前記物品を前記第2容器の内部に移載する移載工程と、を含む。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本開示に係る技術は、第1容器に収容された物品を第2容器に移載する容器間移載装置及び容器間移載方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0120】
100 :容器間移載装置
1 :保持機構
2 :移動機構
3 :反転機構
4 :開閉体
41 :第1扉部
41A :第1軸心
42 :第2扉部
42A :第2軸心
4a :対向部
4b :延在部
4c :連結部
4m :開閉駆動機構
5 :調整機構
6 :空間寸法検出部
7 :制御装置
81 :第1容器
810 :予定第1容器
81A :第1開口部
82 :第2容器
820 :対象第2容器
82A :第2開口部
81a,82a :天部
81b,82b :底部
81c,82c :側壁部
82f :フラップ
T1 :第1搬送装置
T2 :第2搬送装置
U :移載ユニット
U1 :第1移載ユニット
U2 :第2移載ユニット
UF :枠体
W :物品
S :不存在空間
Lh :不存在空間の上下方向寸法
X :第1方向
Y :第2方向
Z :上下方向
H :容器高さ方向