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特開2023-154349モジュール管理装置、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154349
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】モジュール管理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/38 20190101AFI20231012BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20231012BHJP
   G06F 9/445 20180101ALI20231012BHJP
【FI】
G06F16/38
G06Q50/04
G06F9/445 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063634
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠司
(72)【発明者】
【氏名】荻野 利基
【テーマコード(参考)】
5B175
5B376
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175FB03
5B376AC12
5B376BC14
5B376GA13
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】管理されているプログラムのモジュールの再利用時に、適切なモジュールの検索を容易にすることができるモジュール管理装置を提供する。
【解決手段】検索部32が、装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶された管理DB40を参照して、設計対象の装置で利用するモジュールを検索し、表示制御部34が、検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション画像を表示装置に表示するように制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、前記装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶された記憶部を参照して、設計対象の装置で利用するモジュールを検索する検索部と、
前記検索部により検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション結果を出力する出力部と、
を含むモジュール管理装置。
【請求項2】
前記検索部は、装置の情報と、前記装置が有する機構の情報と、前記機構の制御に利用される制御機器と、前記制御機器を制御するためのモジュールの情報とが対応付けて複数記憶されている前記記憶部を参照する請求項1に記載のモジュール管理装置。
【請求項3】
前記検索部は、検索されたモジュールの情報と、前記モジュールに対応する制御機器の情報と、前記制御機器に対応する機構の情報と、前記機構を有する装置の情報とを含む検索結果を前記出力部へ受け渡す請求項2に記載のモジュール管理装置。
【請求項4】
前記検索部は、前記記憶部に記憶された機構から、前記設計対象の装置が有する機構と類似する機構を検索し、検索された機構に対応付けて記憶されているモジュールを検索する請求項2又は請求項3に記載のモジュール管理装置。
【請求項5】
前記記憶部には、前記装置に対応付けて、前記装置で組み立てられる製品の部品表、及び前記製品を組み立てる際の部品毎のプロセスフロー表がさらに記憶されており、
前記検索部は、前記設計対象の装置で組み立てられる製品の部品表及び前記製品のプロセスフロー表と類似する前記部品表及び前記プロセスフロー表に対応付けて記憶されているモジュールを検索する
請求項2又は請求項3に記載のモジュール管理装置。
【請求項6】
検索部が、装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、前記装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶された記憶部を参照して、設計対象の装置で利用するモジュールを検索し、
出力部が、前記検索部により検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション結果を出力する
モジュール管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、前記装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶された記憶部を参照して、設計対象の装置で利用するモジュールを検索する検索部、及び、
前記検索部により検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション結果を出力する出力部
として機能させるためのモジュール管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール管理装置、モジュール管理方法、及びモジュール管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プログラムの構成部品であるモジュールをデータベース化して管理することが行われている。このようなモジュールの管理に関する技術として、例えば、利用度が低いプログラム部品をデータベースから削除してデータベースの容量を適正に保ってその有用度を高め、データベースの検索時間の無駄を削減するプログラム部品再利用管理装置が提案されている。この装置は、管理情報メモリに、その利用回数データを含むプログラム部品の管理情報を格納しておき、部品が利用される都度、利用回数データを含む管理情報を更新する。そして、この装置は、削除対象のプログラム部品の検索条件をもとに利用回数が少ないプログラム部品を検索し、プログラム部品及びその概要情報、管理情報を削除する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-95861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新たな装置を設計する際に、その装置を制御するためのプログラムの作成に、既に管理されているモジュールを再利用したい場合がある。しかし、管理されているモジュールの数が多い場合などには、設計対象の装置にとってどれが適切なモジュールであるかを判断することが困難な場合がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、管理されているプログラムのモジュールの再利用時に、適切なモジュールの検索を容易にすることができるモジュール管理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係るモジュール管理装置は、装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、前記装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶された記憶部を参照して、設計対象の装置で利用するモジュールを検索する検索部と、前記検索部により検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション結果を出力する出力部と、を含んで構成される。これにより、管理されているプログラムのモジュールの再利用時に、適切なモジュールの検索を容易にすることができる。
【0007】
また、前記検索部は、装置の情報と、前記装置が有する機構の情報と、前記機構の制御に利用される制御機器と、前記制御機器を制御するためのモジュールの情報とが対応付けて複数記憶されている前記記憶部を参照してもよい。
【0008】
また、前記検索部は、検索されたモジュールの情報と、前記モジュールに対応する制御機器の情報と、前記制御機器に対応する機構の情報と、前記機構を有する装置の情報とを含む検索結果を前記出力部へ受け渡してもよい。
【0009】
また、前記検索部は、前記記憶部に記憶された機構から、前記設計対象の装置が有する機構と類似する機構を検索し、検索された機構に対応付けて記憶されているモジュールを検索してもよい。
【0010】
また、前記記憶部には、前記装置に対応付けて、前記装置で組み立てられる製品の部品表、及び前記製品を組み立てる際の部品毎のプロセスフロー表がさらに記憶されていてもよく、前記検索部は、前記設計対象の装置で組み立てられる製品の部品表及び前記製品のプロセスフロー表と類似する前記部品表及び前記プロセスフロー表に対応付けて記憶されているモジュールを検索してもよい。
【0011】
また、第2態様に係るモジュール管理方法は、検索部が、装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、前記装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶された記憶部を参照して、設計対象の装置で利用するモジュールを検索し、出力部が、前記検索部により検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション結果を出力する方法である。
【0012】
また、第3態様に係るモジュール管理プログラムは、コンピュータを、装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、前記装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶された記憶部を参照して、設計対象の装置で利用するモジュールを検索する検索部、及び、前記検索部により検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション結果を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るモジュール管理装置、方法、及びプログラムによれば、管理されているプログラムのモジュールの再利用時に、適切なモジュールの検索を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】プログラムの階層モデルによる構造化を説明するための図である。
図2】モジュール管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】モジュール管理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図4】管理DBに記憶される情報の概念図である。
図5】シミュレーション画面の一例を示す図である。
図6】モジュール管理処理の流れを示すフローチャートである。
図7】管理DBに記憶される情報の他の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法及び比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0016】
本実施形態において、モジュールは、生産設備等の装置が有する各機構を制御するためのプログラムの構成要素である。本実施形態に係るモジュール管理装置は、そのモジュールを管理する装置である。
【0017】
ここで、本実施形態において、装置を制御するためのプログラムは、例えば、ISA-S88やPackMLといった規格にしたがい、図1に示すような階層モデルで構造化されているものとする。また、装置を制御するためのプログラムは、階層モデルの最下層である機構制御毎にモジュール化されているものとする。例えば、IEC61131-3の規格にしたがったプログラムでは、POU(Program Organization Unit)がモジュールに相当し、このモジュール単位でプログラムを管理することが可能である。したがって、新たな装置設計におけるプログラムの作成時に、管理されているモジュールを再利用することが可能である。
【0018】
まず、本実施形態に係るモジュール管理装置の構成について説明する。
【0019】
図2は、本実施形態に係るモジュール管理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、モジュール管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)12、メモリ14、記憶装置16、入力装置18、出力装置20、記憶媒体読取装置22、及び通信I/F(Interface)24を有する。各構成は、バス26を介して相互に通信可能に接続されている。
【0020】
記憶装置16には、モジュール管理処理を実行するためのモジュール管理プログラムが格納されている。CPU12は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU12は、記憶装置16からプログラムを読み出し、メモリ14を作業領域としてプログラムを実行する。CPU12は、記憶装置16に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0021】
メモリ14は、RAM(Random Access Memory)により構成され、作業領域として一時的にプログラム及びデータを記憶する。記憶装置16は、ROM(Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0022】
入力装置18は、例えば、キーボードやマウス等の、各種の入力を行うための装置である。出力装置20は、例えば、ディスプレイやプリンタ等の、各種の情報を出力するための装置である。出力装置20として、タッチパネルディスプレイを採用することにより、入力装置18として機能させてもよい。
【0023】
記憶媒体読取装置22は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、ブルーレイディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の各種記憶媒体に記憶されたデータの読み込みや、記憶媒体に対するデータの書き込み等を行う。通信I/F24は、他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0024】
次に、本実施形態に係るモジュール管理装置10の機能構成について説明する。
【0025】
図3は、モジュール管理装置10の機能構成の例を示すブロック図である。図3に示すように、モジュール管理装置10は、機能構成として、検索部32と、表示制御部34とを含む。表示制御部34は、本発明の出力部の一例である。また、モジュール管理装置10の所定の記憶領域には、管理DB(database)40が記憶される。各機能構成は、CPU12が記憶装置16に記憶されたモジュール管理プログラムを読み出し、メモリ14に展開して実行することにより実現される。
【0026】
管理DB40には、装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶されている。上述したように、本実施形態において、プログラムは、図1に示すような階層モデルで構造化されている。そこで、管理DB40においても、モジュールを階層構造で管理する。すなわち、管理DB40には、装置と、その装置が有する機構と、機構を制御するためのモジュールとが対応付けて記憶されている。
【0027】
図4に、管理DB40に記憶される情報の概念図を示す。図4の例では、管理DB40には、複数の装置の情報と、複数の機構の情報と、複数の制御機器の情報と、複数のモジュールの情報とがそれぞれ記憶されている。装置の情報は、装置の識別情報、型番、その装置の機能による分類(ネジ締め、箱詰め等)、三次元CADデータ等を含む。機構の情報は、機構の識別情報、型番、その機構の機能による分類(コンベア、XYテーブル等)、三次元CADデータ等を含む。制御機器は、PLC(Programmable Logic Controller)、センサ機器等である。制御機器の情報は、機器の識別情報、型番、メーカの情報等を含む。また、モジュールの情報として、モジュールの識別情報やプログラムコード等を含む。なお、モジュールは、例えば、XMLファイル形式で記憶される。
【0028】
また、管理DB40には、装置と、機構と、制御機器と、モジュールとの対応関係を示す情報も記憶されている。図4では、装置とその装置が有する機構との対応関係を実線の接続線、機構とその機構の制御に利用される制御機器との対応関係を破線の接続線、制御機器とその制御機器を動作させるためのモジュールとの対応関係を一点破線の接続線で表している。これらの対応関係は、過去に組み合わされて装置が設計された実績等に基づく情報としてよい。なお、管理DB40は、モジュール管理装置10の所定の記憶領域に記憶される場合に限定されず、外部の記憶装置等に記憶されていてもよい。
【0029】
検索部32は、ユーザから、設計対象の装置で利用するモジュールを検索するための検索条件を受け付けると、管理DB40に記憶されたモジュールの中から、検索条件に対応するモジュールを検索する。検索条件は、例えば、モジュール自体を指定するものであってもよいし、検索対象のモジュールにより制御される機構を指定するものであってもよい。さらに、検索条件は、設計対象の装置で組み立てられる製品の組立手順(部品情報、及び嵌合、ネジ締め等の組立方法)であってもよい。検索部32は、検索条件として機構が指定された場合、管理DB40に記憶された機構から、指定された機構と類似する機構を検索し、検索された機構に対応付けて記憶されているモジュールを検索する。機構が類似するか否かは、検索条件として、機構の識別情報、型番、機能、三次元CADデータ等のいずれかの情報を受け付け、管理DB40に記憶されている機構に関する情報と受け付けた情報と比較して判定するようにすればよい。
【0030】
検索部32は、管理DB40に記憶されている、装置と機構と制御機器とモジュールとの対応関係に基づいて、検索されたモジュールの情報と、そのモジュールに対応する制御機器及び機構の情報と、その機構を有する装置の情報とを抽出する。検索部32は、抽出した情報を検索結果として表示制御部34へ受け渡す。検索されたモジュールに対応する装置、機構、及び制御機器の組み合わせが複数存在する場合には、検索部32は、各組み合わせに対応する検索結果を表示制御部34へ受け渡す。
【0031】
表示制御部34は、検索部32から受け渡された情報に基づいて、検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション結果を出力装置20の一例であるディスプレイに表示するように制御する。具体的には、表示制御部34は、検索部32から受け渡された情報に含まれる装置及び機構の三次元CADデータから、その機構を含む装置の三次元モデルを作成する。そして、表示制御部34は、装置の三次元モデルを、検索されたモジュールにより仮想空間上で制御することにより、装置の三次元モデルを動作させたシミュレーション画像を生成する。シミュレーション画像は、シミュレーション結果の一例である。なお、表示制御部34は、装置、機構、制御機器、及びモジュールの組み合わせ毎に予めシミュレーション画像を生成して記憶しておき、検索結果と合致するシミュレーション画像を選択するようにしてもよい。
【0032】
図5に、表示制御部34により表示されるシミュレーション画面50の一例を示す。図5のシミュレーション画面50には、シミュレーション画像を再生するための再生領域52と、シミュレーション画像の再生に関する操作を受け付けるための操作部54とが含まれる。また、シミュレーション画面50には、検索されたモジュールの情報が表示されるモジュール表示領域56と、そのモジュールに対応付けられている装置、機構、及び制御機器の情報が表示される適用装置表示領域58とが含まれる。また、シミュレーション画面50には、検索部32から複数の検索結果が受け渡された場合に、検索されたモジュールが適用された他の装置を選択するための選択領域60が含まれる。選択領域60で他の装置、すなわち他の検索結果が選択された場合、表示制御部34は、再生領域52、モジュール表示領域56、及び適用装置表示領域58の表示を切り替える。また、シミュレーション画面50において、例えばモジュールの初期値変更等、モジュールが外部公開しているパラメータの調整も可能としてもよい。パラメータは、例えば、コンベアの動作を制御するモジュールであれば、その速度等である。
【0033】
次に、本実施形態に係るモジュール管理装置10の作用について説明する。
【0034】
図6は、モジュール管理装置10のCPU12により実行されるモジュール管理処理の流れを示すフローチャートである。CPU12が記憶装置16からモジュール管理プログラムを読み出して、メモリ14に展開して実行することにより、CPU12がモジュール管理装置10の各機能構成として機能し、図6に示すモジュール管理処理が実行される。
【0035】
ステップS10で、検索部32が、ユーザから、設計対象の装置で利用するモジュールを検索するための検索条件を受け付ける。次に、ステップS12で、検索部32が、受け付けた検索条件に対応するモジュールを管理DB40から検索する。例えば、検索条件がモジュール自体を指定するものであれば、検索部32は、管理DB40に記憶されたモジュールの情報に基づいて、指定されたモジュールに合致するモジュールを検索する。また例えば、検索条件が検索対象のモジュールにより制御される機構を指定するものであれば、検索部32は、管理DB40に記憶された機構から、指定された機構と類似する機構を検索し、検索された機構に対応付けて記憶されているモジュールを検索する。
【0036】
次に、ステップS14で、検索部32が、管理DB40に記憶されている、装置と機構と制御機器とモジュールとの対応関係に基づいて、検索されたモジュールの情報と、そのモジュールに対応する機構及び制御機器の情報と、その機構を有する装置の情報とを抽出する。そして、検索部32が、抽出した情報を検索結果として表示制御部34へ受け渡す。
【0037】
次に、ステップS16で、表示制御部34が、検索部32から受け渡された情報に含まれる装置及び機構の三次元CADデータから、その機構を含む装置の三次元モデルを作成する。そして、表示制御部34が、装置の三次元モデルを、検索されたモジュールにより仮想空間上で制御することにより、装置の三次元モデルを動作させたシミュレーション画像を生成する。
【0038】
次に、ステップS18で、表示制御部34が、生成したシミュレーション画像を含む、例えば図5に示すようなシミュレーション画面50をディスプレイに表示し、モジュール管理処理は終了する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係るモジュール管理装置は、装置を制御するためのプログラムの構成要素であり、装置が有する各機構を制御するためのモジュールが複数記憶された管理DBを参照して、設計対象の装置で利用するモジュールを検索する。また、モジュール管理装置は、検索されたモジュールにより制御される機構の動作のシミュレーション画像をディスプレイに表示するように制御する。これにより、選択したモジュールで制御した場合の機構の動作を、実機を動かすことなく確認することができる。すなわち、管理されているプログラムのモジュールの再利用時に、適切なモジュールの検索を容易にすることができる。
【0040】
なお、上記実施形態の管理DBで管理される情報に加え、管理DBに、装置で組み立てられる製品の部品表、及びその製品を組み立てる際の部品毎のプロセスフロー表を、装置に対応付けてさらに記憶しておいてもよい。図7に、この場合の管理DB40Aの概念図の一例を示す。図7において、BOM(Bill of Materials)は部品表の一例、BOP(Bill Of Process)はプロセスフロー表の一例である。図7に示すように、管理DB40Aには、装置と、その装置の部品表及びプロセスフロー表との対応関係(図7中の二点破線で示す接続線)も記憶される。この場合、検索部は、検索条件として、設計対象の装置で組み立てられる製品の部品表及びその製品のプロセスフロー表を受け付けてよい。そして、検索部は、設計対象の装置についての部品表及びプロセスフロー表と類似する部品表及びプロセスフロー表に対応付けて記憶されている装置、機構、制御機器、及びモジュールの情報を検索結果として抽出すればよい。例えば、装置で組み立てられる製品が、パーソナルコンピュータのマウスであるとする。一般的に製品の形状は似たようなものが多く、例えばマウスの場合も、同じメーカの製品であれば、大体似たような形状となる場合が多い。例えば、新しくマウスを組み立てる装置を作る際に、ネジ、ホイール等のマウスの部品表と、嵌合して、ネジ挿入、ネジ締め等の組立方とは事前に決まっている。そのため、過去製品で似たような部品及び組立方を検索し、それに紐付く機構、モジュール、及び装置が管理されていれば、それらを再利用することができる。
【0041】
なお、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行したモジュール管理処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、モジュール管理処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0042】
また、上記実施形態では、モジュール管理プログラムが記憶装置に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、USBメモリ等の記憶媒体に記憶された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 モジュール管理装置
12 CPU
14 メモリ
16 記憶装置
18 入力装置
20 出力装置
22 記憶媒体読取装置
24 通信I/F
26 バス
32 検索部
34 表示制御部
40、40A 管理DB
50 シミュレーション画面
52 再生領域
54 操作部
56 モジュール表示領域
58 適用装置表示領域
60 選択領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7