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特開2023-154357判定システム、判定方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154357
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】判定システム、判定方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/32 20120101AFI20231012BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G06Q50/32
H04M11/00 302
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063651
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】593197271
【氏名又は名称】株式会社ジンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100181788
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 実華
(72)【発明者】
【氏名】比留間 茂晴
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201BA04
5K201CB05
5K201CC01
5K201ED09
5L049CC46
(57)【要約】
【課題】ユーザーから提示された電話番号に関して不正利用されている可能性の高いものでないか判定すること。
【解決手段】電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、電話番号が不正利用されている可能性の高いものか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の電話番号について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性の高いものか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、を備える判定システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、
電話番号が不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の電話番号について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、
を備える判定システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号について不正利用されている可能性が高いと判定する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記注意条件とは異なる基準で不正利用されている可能性が高いと判定された電話番号を不正情報として記憶し、
前記制御部は、前記注意条件及び前記不正情報に基づいて、問い合わせ対象の電話番号について不正利用されている可能性が高いか否か判定する、請求項2に記載の判定システム。
【請求項4】
コンピューターが、電話番号が不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報を受信するステップと、
コンピューターが、問い合わせ対象の電話番号について、電話番号に関する情報を記憶する記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定するステップと、
コンピューターが、問い合わせ元に判定結果を送信するステップと、
を有する判定方法。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の判定システムとしてコンピューターを動作させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話番号に関する不正を抑制するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な業種において個人情報の確認の重要性が増している。例えば、新たな口座を開設する場合や、新規の会員登録を行う場合等に、本人確認の一環として提示された個人情報が正しいか否か確認することが行われている。このような流れを受けて、本人確認をより正確に行うための技術も提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-038443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現状では、ユーザーから提示された個人情報に関して不正利用されている可能性の高いものか否か必ずしも精度よく判定できていない。特に、電話番号については、その後の連絡手段ともなり得るため、不正利用されている可能性の高いものでないか精度良く判定する必要がある。上記事情に鑑み、本発明は、ユーザーから提示された電話番号に関して不正利用されている可能性の高いものでないか判定することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、電話番号が不正利用されている可能性の高いものか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の電話番号について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性の高いものか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、を備える判定システムである。
【0006】
本発明の一態様は、上記の判定システムであって、前記制御部は、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号について不正利用されている可能性が高いと判定する。
【0007】
本発明の一態様は、上記の判定システムであって、前記記憶部は、前記注意条件とは異なる基準で不正利用されている可能性が高いと判定された電話番号を不正情報として記憶し、前記制御部は、前記注意条件及び前記不正情報に基づいて、問い合わせ対象の電話番号について不正利用されている可能性が高いか否か判定する。
【0008】
本発明の一態様は、コンピューターが、電話番号が不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報を受信するステップと、コンピューターが、問い合わせ対象の電話番号について、電話番号に関する情報を記憶する記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定するステップと、コンピューターが、問い合わせ元に判定結果を送信するステップと、を有する判定方法である。
【0009】
本発明の一態様は、上記の判定システムとしてコンピューターを動作させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ユーザーから提示された電話番号に関して不正利用されている可能性が高いものでないか判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の判定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】判定装置20の機能構成を示す概略ブロック図である。
図3】電話番号情報記憶部241が記憶する情報の具体例を示す図である。
図4】不正情報記憶部242が記憶する情報の具体例を示す図である。
図5】注意条件判定部252の処理の具体例を示すフローチャートである。
図6】応答部254の処理の具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において電話番号は固定電話の電話番号であってもよいし、移動体(例えば携帯電話、PHS、タブレット等の通信機器)に割り当てられる電話番号であっても良い。
図1は、本発明の判定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。判定システム100は、1又は複数の端末装置10(10_1~10_n:nは1以上の整数)と、判定装置20とを含む。端末装置10と判定装置20とは、ネットワーク30を介して通信する。ネットワーク30は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク30は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0013】
端末装置10は、他者から電話番号の提示を受ける者によって使用される情報機器である。端末装置10は、例えばパーソナルコンピューターや、サーバー機器や、専用システムなどの装置を用いて構成されてもよい。端末装置10の利用者は、例えば金融機関、クレジットカード会社、である。端末装置10の利用者は、上記の者に限定される必要はなく、顧客などの人物について電話番号の提示を受ける者であればどのような者であってもよい。
【0014】
判定装置20は、パーソナルコンピューターやサーバー機器などの情報機器である。図2は、判定装置20の機能構成を示す概略ブロック図である。判定装置20は、通信部21、入力部22、出力部23、記憶部24及び制御部25を備える。
【0015】
通信部21は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部21は、ネットワーク30を介して他の装置(端末装置10)とデータ通信する。
【0016】
入力部22は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部22は、判定装置20の管理者の指示を判定装置20に入力する際に管理者によって操作される。入力部22は、入力装置を判定装置20に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部22は、入力装置において管理者の入力に応じ生成された入力信号を判定装置20に入力する。入力部22は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部22は管理者によって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を判定装置20に入力する。入力部22は、管理者の指示を判定装置20に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0017】
出力部23は、判定装置20に接続された不図示の出力装置を介し、判定装置20の管理者に対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。
【0018】
記憶部24は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部24は、電話番号情報記憶部241及び不正情報記憶部242として機能する。
【0019】
電話番号情報記憶部241は、複数の電話番号に関する情報を記憶する。電話番号情報記憶部241は、少なくとも電話番号と、その電話番号の状態を示す情報(例えば、後述する状態情報及び他人名義判定結果)とを対応付けて記憶する。電話番号情報記憶部241に登録される電話番号は、不特定の電話番号であってもよいし、特定の電話番号であってもよい。
【0020】
図3は、電話番号情報記憶部241が記憶する情報の具体例を示す図である。電話番号情報記憶部241は、例えば電話番号情報テーブルを記憶する。電話番号情報テーブルは、複数の電話番号情報レコードを有する。電話番号情報レコードは、例えば電話番号、更新日時、状態情報、他人名義判定結果、注意フラグ及びフラグ登録日時の値を含む。電話番号は、少なくとも電話番号情報レコードが登録された時点で有効に実在し、特定の人物(以下「想定使用者」という。)によって使用されていると想定されていた電話番号である。更新日時は、その電話番号情報レコードが新規に登録された日時か、その電話番号情報レコードの状態情報又は他人名義判定結果の値が更新された日時を示す。
【0021】
状態情報は、電話番号の利用状況を表す情報である。状態情報は、例えば所定のタイミングにおける電話番号の利用状況を表す情報(以下「第一状態情報」という。)や、所定のタイミングまでの利用状況の履歴に基づいて得られる情報(以下「第二状態情報」という。)を含んでもよい。
【0022】
第一状態情報は、例えば、有効、無効、移転、局預又は都合停止の5つの状態のいずれかとして表されてもよい。例えば、有効の場合“1”、無効の場合“2”、移転の場合“3”、局預の場合“4”、都合停止の場合“5”の値が保持されてもよい。有効は、対象となる電話番号を想定使用者である加入者が使用しており、発着信できる状態であることを表す。無効は、対象となる電話番号が使用されておらず発着信できない状態であることを表す。移転は、対象となる電話番号の想定使用者が他の電話番号を使用している状態であり、対象となる電話番号そのものでは想定使用者に対して連絡をとることができない状態にあることを表す。例えば、状態が移転である電話番号に発信が行われた場合、発信者の受話器には他の番号に変更されていることを示すアナウンス(移転アナウンス)が流れる。局預は、対象となる電話番号を想定使用者である加入者が使用しているが、発着信できない状態であることを表す。局預の場合、電話番号に発信をしても、発信者の受話器には移転アナウンスは流れない。都合停止は、対象となる電話番号が加入者の事情で発着信できない状態にされている状態を表す。なお、利用状況は上記の5つの状態に限定される必要は無く、他の状態が設けられていてもよいし、より少ない種類の状態で表されてもよい。所定のタイミングとは、例えば、1カ月毎でもよいし、2カ月毎でもよいし、どのようなタイミングであってもよい。
【0023】
第二状態情報は、例えば、長期利用、直近加入、都合停止あり、変更過多又は該当無しの5つの状態のいずれかとして表されてもよい。例えば、長期利用の場合“11”、直近加入の場合“12”、都合停止ありの場合“13”、変更過多の場合“14”、該当なしの場合“15”の値が保持されてもよい。長期利用は、所定の長い期間にわたって継続的に利用が続いている状態であることを示す。例えば、第一状態情報が“有効”である状態の継続期間が所定の閾値(例えば30日、1ヶ月、60日、1年など)を超えたことに応じて第二状態情報が長期利用であると判定されてもよい。直近加入は、その時点から遡って所定の期間内に加入がなされた状態であることを示す。例えば、第一状態情報が“有効”になってから経過した期間が所定の閾値(例えば30日、1ヶ月、60日、1年など)を超えていないことに応じて第二状態情報が直近加入であると判定されてもよい。都合停止ありは、その時点から遡って所定の期間内に都合停止があった状態であることを示す。例えば、第一状態情報が“都合停止”から他の状態に変化してから経過した期間が所定の閾値(例えば30日、1ヶ月、60日、1年など)を超えていないことに応じて第二状態情報が都合停止ありであると判定されてもよい。変更過多は、その時点から遡って所定の期間内に所定の回数以上、利用状況が変更された状態であることを示す。例えば、ある時点から遡って所定の期間内(例えば30日、1ヶ月、60日、1年、2年など)に、“有効”から“無効”への変更と“無効”から“有効”への変更との回数が所定の回数(例えば、2回、5回など)を超えていることに応じて第二状態情報が変更過多であると判定されてもよい。このような第二状態情報の判定は、例えば電話番号情報取得部251によって行われても良い。
【0024】
他人名義判定結果は、電話番号の所有者が想定使用者ではなくなっているか否かを表す。例えば、電話番号の所有者が想定使用者ではなくなっている場合(登録日時の時から所有者が変わっている場合)、他人名義判定結果には“X”が保持される。例えば、電話番号の所有者が想定使用者のままである場合(登録日時の時から所有者が変わっていない場合)、他人名義判定結果には“Y”が保持される。他人名義判定については後述する。
【0025】
注意フラグは、その電話番号情報レコードの電話番号について、不正利用されている可能性が高いことを示す。例えば、注意フラグは値が“0”の場合は不正利用されていない可能性が高い(すなわち不正利用されている可能性が低い)ことを示し、値が“1”の場合は不正利用されている可能性が高いことを示してもよい。注意フラグは、電話番号情報レコードの情報(注意フラグを除く値)に基づいて判定される。例えば、電話番号情報レコードの情報が所定の注意条件を満たした場合に、その電話番号情報レコードの電話番号が不正利用されている可能性が高いと判定されてもよい。
【0026】
例えば、電話番号の第一状態情報が無効であることが条件として注意条件が設定されてもよいし、電話番号の第一状態情報が無効又は都合停止であることが条件として注意条件が設定されてもよい。この場合、注意フラグの値の判定タイミングにおいて、第一状態情報が無効又は都合停止であれば、注意フラグの値が“1”であると判定される。さらに、電話番号が他人名義になっていることも注意条件として設定されてもよい。すなわち、例えば電話番号の第一状態情報が無効であること、第一状態情報が都合停止であること、又は他人名義判定結果が他人名義を示す値になっていること、のいずれか一つでも満たす場合には条件が満たされるとして注意条件が設定されてもよい。この場合、注意フラグの値の判定タイミングにおいて、第一状態情報が無効であること、第一状態情報が都合停止であること、又は、他人名義判定結果が“X”であること、に応じて、注意フラグの値が“1”であると判定される。例えば、電話番号の第二状態情報の値が特定の値であることが条件として注意条件が設定されてもよい。例えば、第二状態情報の値が変更過多であることが条件として注意条件が設定されてもよい。この場合、注意フラグの値の判定タイミングにおいて、第二状態情報が変更過多であれば、注意フラグの値が“1”であると判定される。また、第二状態情報が直近加入であることに応じて注意フラグの値が“1”であると判定されてもよいし、第二状態情報が都合停止ありであることに応じて注意フラグの値が“1”であると判定されてもよい。フラグ登録日時は、その電話番号情報レコードの注意フラグの値が登録された日時を示す。例えば、フラグ登録日時は、注意フラグの値が不正利用されていない可能性が高いことを示している場合には登録されてなくてもよい。
【0027】
不正情報記憶部242は、不正利用されている可能性の高い1又は複数の電話番号に関する情報を記憶する。不正情報記憶部242に登録される電話番号は、電話番号情報レコードに登録された情報とは異なる基準で不正利用されている可能性の高さが判定される。
【0028】
図4は、不正情報記憶部242が記憶する情報の具体例を示す図である。不正情報記憶部242は、例えば不正情報テーブルを記憶する。不正情報テーブルは、複数の不正情報レコードを有する。不正情報レコードは、例えば電話番号及び登録日時の各値を有する。電話番号は、不正利用されている可能性の高い電話番号を示す。不正情報テーブルに登録される電話番号の“不正利用されている可能性”は、所定の基準に基づいて判定される。例えば、不正利用されている可能性が高いと特定の者によって判定された電話番号については、不正情報テーブルに登録されてもよい。例えば、不正利用されている可能性が高いと特定の者のうち所定の数以上の者によって判定された電話番号については、不正情報テーブルに登録されてもよい。特定の者とは、例えば保険業者、電子商取引業者、金融業者のいずれかであってもよい。登録日時は、その不正情報レコードが登録された日時を示す。
【0029】
図2に戻って判定装置20の説明を行う。制御部25は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部25は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、電話番号情報取得部251、注意条件判定部252、不正情報取得部253及び応答部254として機能する。なお、制御部25の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0030】
電話番号情報取得部251は、電話番号情報テーブルに未登録の電話番号に関する情報を取得すると、取得された情報に基づいて電話番号情報レコードを生成し、電話番号情報テーブルに登録する。電話番号情報取得部251は、電話番号情報記憶部241に記憶される各電話番号について、状態情報と他人名義判定結果とを取得する。状態情報の取得と他人名義判定結果の取得とでは、どのようなアルゴリズムが適用されてもよい。例えば、他人名義判定において、所定期間連続して電話番号の状態情報として「無効」が保持された後に、無効以外が保持された場合には、他人名義になったと判定されてもよい。また、状態情報の取得は、人の手によって取得された状態情報が入力部22を介して判定装置20に入力されることに応じて行われても良い。また、他人名義判定結果の取得は、人の手によって取得された他人名義判定結果が入力部22を介して判定装置20に入力されることに応じて行われても良い。
【0031】
注意条件判定部252は、電話番号情報テーブルに登録されている各電話番号情報レコードについて、注意条件を満たすか否か判定する。注意条件を満たすと判定した電話番号情報レコードに関しては、注意条件判定部252は、注意フラグの値を更新し、フラグ登録日時を登録する。
【0032】
不正情報取得部253は、不正利用されている可能性の高い電話番号に関する情報を取得すると、取得された情報に基づいて不正情報レコードを生成し、不正情報記憶部242に登録する。
【0033】
応答部254は、端末装置10から特定の電話番号について不正利用されている可能性が高いか否か問い合わせる情報(以下「問い合わせ情報」という。)を受信する。応答部254は、問い合わせを受信すると、問い合わせの対象となっている電話番号について、不正利用されている可能性が高いか否か判定する。応答部254は、判定結果を示す情報(以下「応答情報」という。)を、問い合わせ元の端末装置10に送信する。応答部254は、例えば問い合わせの対象となっている電話番号について、電話番号情報テーブルにおいて注意フラグが“1”として登録されているか否かに基づいて判定してもよい。例えば、注意フラグが“1”として登録されている場合には、不正利用されている可能性が高いことを示す応答情報を送信してもよい。応答部254は、例えば問い合わせの対象となっている電話番号について、不正情報テーブルに登録されているか否かに基づいて判定してもよい。例えば、不正情報テーブルに登録されている場合には、不正利用されている可能性が高いことを示す応答情報を送信してもよい。応答部254は、例えば問い合わせの対象となっている電話番号について、電話番号情報テーブル及び不正情報テーブルに基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定してもよい。例えば、注意フラグが“1”として登録されている場合には、不正利用されている可能性が高いことを示す応答情報を送信してもよい。例えば、不正情報テーブルに登録されている場合には、原則として、不正利用されている可能性が高いことを示す応答情報を送信してもよい。ただし、応答部254は、不正情報テーブルに登録されている場合であったとしても、同じ電話番号について注意フラグが“0”の電話番号情報レコードが存在し、その電話番号情報レコードの更新日時が不正情報レコードの登録日時よりも後の日時である場合には、不正利用されていない可能性が高い(即ち不正利用されている可能性が低い)ことを示す応答情報を送信してもよい。
【0034】
図5は、注意条件判定部252の処理の具体例を示すフローチャートである。所定のタイミングが到来すると、注意条件判定部252は、図5に示されるフローチャートの処理を実行する。以下、図5に示されるフローチャートについて説明する。
【0035】
まず、注意条件判定部252は、電話番号情報記憶部241に記憶されている電話番号情報レコードのうち、判定対象となる電話番号情報レコードを取得する(ステップS101)。注意条件判定部252は、読み出された電話番号情報レコードについて注意条件を満たすか否か判定する(ステップS102)。
【0036】
判定対象の電話番号情報レコードが注意条件を満たす場合(ステップS103-YES)、注意条件判定部252は、判定対象の電話番号情報レコードについて、注意条件を満たすことを記録する。例えば、注意条件判定部252は、判定対象となっている電話番号情報レコードのフラグとフラグ登録日時を更新する(ステップS104、S105)。注意条件判定部252は、このタイミングで判定対象となっている電話番号情報レコード全てについての判定が完了したか否か判定する(ステップS106)。判定がなされていない判定対象の情報がある場合には(ステップS106-NO)、注意条件判定部252は、判定がされていない判定対象の情報についてステップS101以降の処理を実行する。一方、判定がなされていない判定対象の情報がない場合には(ステップS106-YES)、注意条件判定部252は処理を終了する。
【0037】
図6は、応答部254の処理の具体例を示すフローチャートである。以下、図6に示されるフローチャートについて説明する。応答部254は、端末装置10から送信された問い合わせ情報を受信する(ステップS201)。応答部は、受信された問い合わせ情報において問い合わせ対象となっている電話番号について、不正利用されている可能性が高いか否か判定する(ステップS202)。不正利用されている可能性が高いと判定した場合、応答部254は、問い合わせ元の端末装置10に対し、不正利用されている可能性が高い電話番号であると通知する(ステップS203-YES、S204)。不正利用されていない可能性が高いと判定した場合、応答部254は、問い合わせ元の端末装置10に対し、不正利用されていない可能性が高い電話番号であると通知する(ステップS203-NO、S205)。
【0038】
このように構成された判定システム100によれば、電話番号について、不正利用されている可能性についてより精度よく判定することが可能となる。すなわち、不正情報として登録されている場合には原則として不正利用されている可能性が高いと判定可能である。また、たとえ不正情報として登録されていなかったとしても、その電話番号の状態情報や他人名義判定結果に応じて注意フラグが登録され、不正利用されている可能性が高いか否か判定することができる。さらに、たとえ不正情報として登録されていたとしても、その不正情報の登録よりも後にその電話番号について情報が更新されて不正利用されていない可能性が高いと判定できる条件を満たす場合には、不正利用されていない可能性が高いと判定できる。このように、より精度良く判定することが可能となる。
【0039】
(変形例)
判定装置20は、複数の情報処理装置を用いて判定システムとして構成されてもよい。例えば、記憶部24と、制御部25とがそれぞれ異なる情報処理装置において実装されてもよい。また、制御部25の機能である電話番号情報取得部251、注意条件判定部252、不正情報取得部253及び応答部254が、複数の情報処理装置において実装されてもよい。これらの場合、各情報処理装置は、通信ケーブルで直接的に接続されてもよいし、LAN等の構内ネットワークを用いて接続されてもよいし、広域網や公衆ネットワークを介して接続されてもよい。
電話番号情報記憶部241は、注意フラグの値を記憶していなくてもよい。この場合、端末装置10から問い合わせ情報が受信されたタイミングで、問い合わせ対象の電話番号について注意条件判定部252が注意条件を満たすか否か判定してもよい。
【0040】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0041】
100…判定システム, 10…端末装置, 20…判定装置, 30…ネットワーク, 21…通信部, 22…入力部, 23…出力部, 24…記憶部, 241…電話番号情報記憶部, 242…不正情報記憶部, 25…制御部, 251…電話番号情報取得部, 252…注意条件判定部, 253…不正情報取得部, 254…応答部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、
電話番号が不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の電話番号について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号について不正利用されている可能性が高いと判定し、
前記注意条件は、電話番号の使用者が想定されている使用者から他人に変わっていると判定されたことである、判定システム。
【請求項2】
前記制御部は、電話番号について、所定期間連続して前記電話番号が使用されておらず発着信できない状態が継続された後に、他の状態となった場合には、他人名義になったと判定する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、
電話番号が不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の電話番号について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号について不正利用されている可能性が高いと判定し、
前記記憶部は、前記注意条件とは異なる基準で不正利用されている可能性が高いと判定された電話番号を不正情報として記憶し、
前記制御部は、前記注意条件及び前記不正情報に基づいて、問い合わせ対象の電話番号について不正利用されている可能性が高いか否か判定する、判定システム。
【請求項4】
コンピューターが、電話番号が不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報を受信するステップと、
コンピューターが、問い合わせ対象の電話番号について、電話番号に関する情報を記憶する記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定するステップと、
コンピューターが、問い合わせ元に判定結果を送信するステップと、
を有し、
前記判定するステップにおいて、前記コンピューターは、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号について不正利用されている可能性が高いと判定し、
前記注意条件は、電話番号の使用者が想定されている使用者から他人に変わっていると判定されたことである、判定方法。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の判定システムとしてコンピューターを動作させるためのコンピュータープログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、
電話番号が不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の電話番号について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号について不正利用されている可能性が高いと判定し、
前記注意条件は、電話番号の使用者が想定されている使用者から他人に変わっていると判定されたことである、判定システム。
【請求項2】
前記制御部は、電話番号について、所定期間連続して前記電話番号が使用されておらず発着信できない状態が継続された後に、他の状態となった場合には、他人名義になったと判定する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
コンピューターが、電話番号が不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報を受信するステップと、
コンピューターが、問い合わせ対象の電話番号について、電話番号に関する情報を記憶する記憶部に記憶されている情報に基づいて不正利用されている可能性が高いか否か判定するステップと、
コンピューターが、問い合わせ元に判定結果を送信するステップと、
を有し、
前記判定するステップにおいて、前記コンピューターは、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号について不正利用されている可能性が高いと判定し、
前記注意条件は、電話番号の使用者が想定されている使用者から他人に変わっていると判定されたことである、判定方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の判定システムとしてコンピューターを動作させるためのコンピュータープログラム。