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特開2023-154358判定システム、判定方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154358
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】判定システム、判定方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20231012BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
H04M11/00 302
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063654
(22)【出願日】2022-04-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】593197271
【氏名又は名称】株式会社ジンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100181788
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 実華
(72)【発明者】
【氏名】比留間 茂晴
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201BA04
5K201CB05
5K201CC01
5K201ED09
5L049CC28
(57)【要約】
【課題】ユーザーから提示された住所に関して空き家である可能性又は不正利用である可能性の高いものでないか判定すること。
【解決手段】電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、住所が空き家である可能性又は不正利用されている可能性の高いものか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の住所について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて空き家である可能性又は不正利用されている可能性の高いものか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、を備える判定システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、
住所が空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の住所について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、
を備える判定システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号に対応する住所について空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いと判定する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記注意条件とは異なる基準で空き家である可能性が高いと判定された住所を空き家情報として記憶し、
前記制御部は、前記注意条件及び前記空き家情報に基づいて、問い合わせ対象の住所について空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否か判定する、請求項2に記載の判定システム。
【請求項4】
前記記憶部は、住所とその住所におけるライフラインの情報とを対応付けて供給情報として記憶し、
前記制御部は、前記注意条件及び前記供給情報に基づいて、問い合わせ対象の住所について空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否か判定する、請求項2又は請求項3に記載の判定システム。
【請求項5】
コンピューターが、住所が空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報を受信するステップと、
コンピューターが、問い合わせ対象の住所について、電話番号に関する情報を記憶する記憶部に記憶されている情報に基づいて空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否か判定するステップと、
コンピューターが、問い合わせ元に判定結果を送信するステップと、
を有する判定方法。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の判定システムとしてコンピューターを動作させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住所について空き家又は不正利用を判定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な業種において個人情報の確認の重要性が増している。例えば、新たな口座を開設する場合や、新規の会員登録を行う場合等に、本人確認の一環として提示された個人情報が正しいか否か確認することが行われている。このような流れを受けて、本人確認をより正確に行うための技術も提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-038443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現状では、ユーザーから提示された個人情報に関して不正利用されている可能性の高いものか否か必ずしも精度よく判定できていない。特に、住所については、商品等の届け先としても使用される情報であるため、不正利用されている可能性の高いものでないか精度良く判定する必要がある。例えば、実際には空き家である住所(利用者や居住者がいない住所)であるにもかかわらず、ユーザーによってあたかも自身の住所であるかのように不正に提示されることがある。また、不正利用か否かに関わらず、そもそも空き家であるか否かの情報に対する要求もある。上記事情に鑑み、本発明は、ユーザーから提示された住所に関して空き家である可能性又は不正利用である可能性の高いものでないか判定することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、電話番号に関する情報を記憶する記憶部と、住所が空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報が受信された場合に、問い合わせ対象の住所について、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否か判定し、問い合わせ元に判定結果を送信する制御部と、を備える判定システムである。
【0006】
本発明の一態様は、上記の判定システムであって、前記制御部は、前記電話番号に関する情報について所定の注意条件を満たしたか否か判定し、前記注意条件を満たした場合には前記電話番号に対応する住所について空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いと判定する。
【0007】
本発明の一態様は、上記の判定システムであって、前記記憶部は、前記注意条件とは異なる基準で空き家である可能性が高いと判定された住所を空き家情報として記憶し、前記制御部は、前記注意条件及び前記空き家情報に基づいて、問い合わせ対象の住所について空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否か判定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の判定システムであって、前記記憶部は、住所とその住所におけるライフラインの情報とを対応付けて供給情報として記憶し、前記制御部は、前記注意条件及び前記供給情報に基づいて、問い合わせ対象の住所について空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否か判定する。
【0009】
本発明の一態様は、コンピューターが、住所が空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否かについての問い合わせを示す問い合わせ情報を受信するステップと、コンピューターが、問い合わせ対象の住所について、電話番号に関する情報を記憶する記憶部に記憶されている情報に基づいて空き家である可能性又は不正利用されている可能性が高いか否か判定するステップと、コンピューターが、問い合わせ元に判定結果を送信するステップと、を有する判定方法である。
【0010】
本発明の一態様は、上記の判定システムとしてコンピューターを動作させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ユーザーから提示された住所に関して空き家である可能性又は不正利用である可能性が高いものでないか判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の判定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】判定装置20の機能構成を示す概略ブロック図である。
図3】電話番号情報記憶部241が記憶する情報の具体例を示す図である。
図4】空き家情報記憶部242が記憶する情報の具体例を示す図である。
図5】提供情報記憶部243が記憶する情報の具体例を示す図である。
図6】対応情報記憶部244が記憶する情報の具体例を示す図である。
図7】注意条件判定部252の処理の具体例を示すフローチャートである。
図8】応答部254の処理の具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の判定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。判定システム100は、1又は複数の端末装置10(10_1~10_n:nは1以上の整数)と、判定装置20とを含む。端末装置10と判定装置20とは、ネットワーク30を介して通信する。ネットワーク30は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク30は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0014】
端末装置10は、空き家の問い合わせをしようとする者によって使用される情報機器である。端末装置10は、例えばパーソナルコンピューターや、サーバー機器や、専用システムなどの装置を用いて構成されてもよい。また、端末装置10は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、ゲーム機器、テレビ等の情報機器を用いて構成されてもよい。端末装置10の利用者は、例えば金融機関、クレジットカード会社、のように顧客から個人情報を受ける主体であってもよいし、単に空き家に関する情報を取得しようとする法人又は個人であってもよい。端末装置10の利用者は、上記の者に限定される必要はない。
【0015】
判定装置20は、パーソナルコンピューターやサーバー機器などの情報機器である。図2は、判定装置20の機能構成を示す概略ブロック図である。判定装置20は、通信部21、入力部22、出力部23、記憶部24及び制御部25を備える。
【0016】
通信部21は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部21は、ネットワーク30を介して他の装置(端末装置10)とデータ通信する。
【0017】
入力部22は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部22は、判定装置20の管理者の指示を判定装置20に入力する際に管理者によって操作される。入力部22は、入力装置を判定装置20に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部22は、入力装置において管理者の入力に応じ生成された入力信号を判定装置20に入力する。入力部22は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部22は管理者によって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を判定装置20に入力する。入力部22は、管理者の指示を判定装置20に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0018】
出力部23は、判定装置20に接続された不図示の出力装置を介し、判定装置20の管理者に対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。
【0019】
記憶部24は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部24は、電話番号情報記憶部241、空き家情報記憶部242、供給情報記憶部243及び対応情報記憶部244として機能する。
【0020】
電話番号情報記憶部241は、複数の電話番号に関する情報を記憶する。電話番号情報記憶部241は、少なくとも電話番号と、その電話番号の状態を示す情報(例えば、後述する状態情報及び他人名義判定結果)とを対応付けて記憶する。電話番号情報記憶部241に登録される電話番号は、不特定の電話番号であってもよいし、特定の電話番号であってもよい。
【0021】
図3は、電話番号情報記憶部241が記憶する情報の具体例を示す図である。電話番号情報記憶部241は、例えば電話番号情報テーブルを記憶する。電話番号情報テーブルは、複数の電話番号情報レコードを有する。電話番号情報レコードは、例えば電話番号、更新日時、状態情報、他人名義判定結果、注意フラグ及びフラグ登録日時の値を含む。電話番号は、少なくとも電話番号情報レコードが登録された時点で有効に実在し、特定の人物(以下「想定使用者」という。)によって使用されていると想定されていた電話番号である。更新日時は、その電話番号情報レコードが新規に登録された日時か、その電話番号情報レコードの状態情報又は他人名義判定結果の値が更新された日時を示す。
【0022】
状態情報は、電話番号の利用状況を表す情報である。状態情報は、例えば所定のタイミングにおける電話番号の利用状況を表す情報(以下「第一状態情報」という。)や、所定のタイミングまでの利用状況の履歴に基づいて得られる情報(以下「第二状態情報」という。)を含んでもよい。
【0023】
第一状態情報は、例えば、有効、無効、移転、局預又は都合停止の5つの状態のいずれかとして表されてもよい。例えば、有効の場合“1”、無効の場合“2”、移転の場合“3”、局預の場合“4”、都合停止の場合“5”の値が保持されてもよい。有効は、対象となる電話番号を想定使用者である加入者が使用しており、発着信できる状態であることを表す。無効は、対象となる電話番号が使用されておらず発着信できない状態であることを表す。移転は、対象となる電話番号の想定使用者が他の電話番号を使用している状態であり、対象となる電話番号そのものでは想定使用者に対して連絡をとることができない状態にあることを表す。例えば、状態が移転である電話番号に発信が行われた場合、発信者の受話器には他の番号に変更されていることを示すアナウンス(移転アナウンス)が流れる。局預は、対象となる電話番号を想定使用者である加入者が使用しているが、発着信できない状態であることを表す。局預の場合、電話番号に発信をしても、発信者の受話器には移転アナウンスは流れない。都合停止は、対象となる電話番号が加入者の事情で発着信できない状態にされている状態を表す。なお、利用状況は上記の5つの状態に限定される必要は無く、他の状態が設けられていてもよいし、より少ない種類の状態で表されてもよい。所定のタイミングとは、例えば、1カ月毎でもよいし、2カ月毎でもよいし、どのようなタイミングであってもよい。
【0024】
第二状態情報は、例えば、長期利用、直近加入、都合停止あり、変更過多又は該当無しの5つの状態のいずれかとして表されてもよい。例えば、長期利用の場合“11”、直近加入の場合“12”、都合停止ありの場合“13”、変更過多の場合“14”、該当なしの場合“15”の値が保持されてもよい。長期利用は、所定の長い期間にわたって継続的に利用が続いている状態であることを示す。例えば、第一状態情報が“有効”である状態の継続期間が所定の閾値(例えば30日、1ヶ月、60日、1年など)を超えたことに応じて第二状態情報が長期利用であると判定されてもよい。直近加入は、その時点から遡って所定の期間内に加入がなされた状態であることを示す。例えば、第一状態情報が“有効”になってから経過した期間が所定の閾値(例えば30日、1ヶ月、60日、1年など)を超えていないことに応じて第二状態情報が直近加入であると判定されてもよい。都合停止ありは、その時点から遡って所定の期間内に都合停止があった状態であることを示す。例えば、第一状態情報が“都合停止”から他の状態に変化してから経過した期間が所定の閾値(例えば30日、1ヶ月、60日、1年など)を超えていないことに応じて第二状態情報が都合停止ありであると判定されてもよい。変更過多は、その時点から遡って所定の期間内に所定の回数以上、利用状況が変更された状態であることを示す。例えば、ある時点から遡って所定の期間内(例えば30日、1ヶ月、60日、1年、2年など)に、“有効”から“無効”への変更と“無効”から“有効”への変更との回数が所定の回数(例えば、2回、5回など)を超えていることに応じて第二状態情報が変更過多であると判定されてもよい。このような第二状態情報の判定は、例えば電話番号情報取得部251によって行われても良い。
【0025】
他人名義判定結果は、電話番号の所有者が想定使用者ではなくなっているか否かを表す。例えば、電話番号の所有者が想定使用者ではなくなっている場合(登録日時の時から所有者が変わっている場合)、他人名義判定結果には“X”が保持される。例えば、電話番号の所有者が想定使用者のままである場合(登録日時の時から所有者が変わっていない場合)、他人名義判定結果には“Y”が保持される。他人名義判定については後述する。
【0026】
注意フラグは、その電話番号情報レコードの電話番号について、正常な利用とは異なる態様で利用されている可能性が高いことを示す。例えば、注意フラグは、その電話番号が想定使用者とは異なる者によって利用されている可能性や、不正な目的で利用されている可能性が高いことを示す。以下の説明では、これらのことをまとめて「不正利用」という。このような不正利用の可能性が高い電話番号に対応付けられている住所は、電話番号と同様に不正利用されている可能性が高い。また、このような不正利用の状況では、実際にはその住所は空き家であるにもかかわらず住所の情報のみが不正に利用されていることも想定される。そのため、注意フラグが不正利用の可能性の高さを示す場合には、その電話番号に対応する住所は空き家である可能性が高いと判定できる。
【0027】
例えば、注意フラグは値が“0”の場合は不正利用されていない可能性が高い(すなわち不正利用されている可能性が低い)ことを示し、値が“1”の場合は不正利用されている可能性が高いことを示してもよい。注意フラグは、電話番号情報レコードの情報(注意フラグを除く値)に基づいて判定される。例えば、電話番号情報レコードの情報が所定の注意条件を満たした場合に、その電話番号情報レコードの電話番号が不正利用されている可能性が高いと判定されてもよい。
【0028】
例えば、電話番号の第一状態情報が無効であることが条件として注意条件が設定されてもよいし、電話番号の第一状態情報が無効又は都合停止であることが条件として注意条件が設定されてもよい。この場合、注意フラグの値の判定タイミングにおいて、第一状態情報が無効又は都合停止であれば、注意フラグの値が“1”であると判定される。さらに、電話番号が他人名義になっていることも注意条件として設定されてもよい。すなわち、例えば電話番号の第一状態情報が無効であること、第一状態情報が都合停止であること、又は他人名義判定結果が他人名義を示す値になっていること、のいずれか一つでも満たす場合には条件が満たされるとして注意条件が設定されてもよい。この場合、注意フラグの値の判定タイミングにおいて、第一状態情報が無効であること、第一状態情報が都合停止であること、又は、他人名義判定結果が“X”であること、に応じて、注意フラグの値が“1”であると判定される。例えば、電話番号の第二状態情報の値が特定の値であることが条件として注意条件が設定されてもよい。例えば、第二状態情報の値が変更過多であることが条件として注意条件が設定されてもよい。この場合、注意フラグの値の判定タイミングにおいて、第二状態情報が変更過多であれば、注意フラグの値が“1”であると判定される。また、第二状態情報が直近加入であることに応じて注意フラグの値が“1”であると判定されてもよいし、第二状態情報が都合停止ありであることに応じて注意フラグの値が“1”であると判定されてもよい。フラグ登録日時は、その電話番号情報レコードの注意フラグの値が登録された日時を示す。例えば、フラグ登録日時は、注意フラグの値が不正利用されていない可能性が高いことを示している場合には登録されてなくてもよい。
【0029】
空き家情報記憶部242は、各住所が示す空間について利用者の登録があるか否かを示す情報(以下「空き家情報」という。)を記憶する。空き家情報記憶部242に記憶される空き家情報は、後述する応答部254の処理とは異なる基準で判定される。空き家情報記憶部242に記憶される空き家情報は、例えば電話番号とは異なる1又は複数の情報に基づいて判定されてもよい。
【0030】
図4は、空き家情報記憶部242が記憶する情報の具体例を示す図である。空き家情報記憶部242は、例えば空き家情報テーブルを記憶する。空き家情報テーブルは、複数の空き家情報レコードを有する。空き家情報レコードは、例えば住所及び空き家フラグの各値を有する。住所は、建物の住所を示す。複数の部屋が存在してそれぞれ異なる者によって利用される場合には、部屋番号が住所に付与されてもよい。例えば、賃貸の住居や賃貸の事務所(オフィス)や、所有されている建物等の物件の住所が示される。空き家フラグは、その住所が示す物件(建物、部屋など)が空き家である可能性が高いか否かを示す。例えば、空き家フラグは値が“0”の場合は空き家ではない可能性が高い(すなわち利用者が存在している可能性が高い)ことを示し、値が“1”の場合は空き家である可能性が高い(すなわち利用者が存在していない可能性が高い)ことを示してもよい。
空き家情報テーブルに登録される住所の“空き家である可能性”は、所定の基準に基づいて判定される。例えば、空き家である可能性が高いと特定の者によって判定された住所については、空き家情報テーブルに登録されてもよい。例えば、空き家である可能性が高いと特定の者のうち所定の数以上の者によって判定された電話番号については、空き家情報テーブルに登録されてもよい。特定の者とは、例えば不動産業者や企業に関する情報を取り扱う事業者などである。所定の基準は、例えばインターネットや特定のネットワークや雑誌等において公開されている不動産の情報において、空き家であるとして公開されていることであってもよい。
【0031】
供給情報記憶部243は、各住所が示す空間において提供されているライフラインの一部又は全部に関する情報(以下「提供情報」という。)を記憶する。図5は、提供情報記憶部243が記憶する情報の具体例を示す図である。提供情報記憶部243は、例えば提供情報テーブルを記憶する。提供情報テーブルは、複数の提供情報レコードを有する。提供情報レコードは、例えば住所と、1又は複数のライフラインに関する情報の各値を有する。ライフラインに関する情報の各値は、同じ提供情報レコードに含まれる住所において所定の期間に使用に関する情報を示す。図5の具体例では、ライフラインに関する情報として、電気の直近の1ヶ月の使用量、水道の直近の1ヶ月の使用量、ガスの直近の1ヶ月の使用量の各値が定義されている。電気、水道、ガスはライフラインの一具体例にすぎない。ライフラインに関する情報として他の情報(例えば通信使用量)が用いられてもよい。
【0032】
対応情報記憶部244は、各住所が示す空間において利用されている電話番号に関する情報(以下「対応情報」という。)を記憶する。図6は、対応情報記憶部244が記憶する情報の具体例を示す図である。対応情報記憶部244は、例えば対応情報テーブルを記憶する。対応情報テーブルは、複数の対応情報レコードを有する。対応情報レコードは、例えば住所と電話番号との各値を有する。住所は、同じ対応情報レコードに含まれる電話番号の契約者の住所として登録されている住所を示す。電話番号は、固定電話の電話番号であってもよいし、移動体(例えば携帯電話、PHS、タブレット等の通信機器)に割り当てられる電話番号であっても良い。
【0033】
図2に戻って判定装置20の説明を行う。制御部25は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部25は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、電話番号情報取得部251、注意条件判定部252、空き家情報取得部253、供給情報取得部254、対応情報取得部255及び応答部256として機能する。なお、制御部25の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0034】
電話番号情報取得部251は、電話番号情報テーブルに未登録の電話番号に関する情報を取得すると、取得された情報に基づいて電話番号情報レコードを生成し、電話番号情報テーブルに登録する。電話番号情報取得部251は、電話番号情報記憶部241に記憶される各電話番号について、状態情報と他人名義判定結果とを取得する。状態情報の取得と他人名義判定結果の取得とでは、どのようなアルゴリズムが適用されてもよい。例えば、他人名義判定において、所定期間連続して電話番号の状態情報として「無効」が保持された後に、無効以外が保持された場合には、他人名義になったと判定されてもよい。また、状態情報の取得は、人の手によって取得された状態情報が入力部22を介して判定装置20に入力されることに応じて行われても良い。また、他人名義判定結果の取得は、人の手によって取得された他人名義判定結果が入力部22を介して判定装置20に入力されることに応じて行われても良い。
【0035】
注意条件判定部252は、電話番号情報テーブルに登録されている各電話番号情報レコードについて、注意条件を満たすか否か判定する。注意条件を満たすと判定した電話番号情報レコードに関しては、注意条件判定部252は、注意フラグの値を更新し、フラグ登録日時を登録する。
【0036】
空き家情報取得部253は、新たな住所の空き家に関する情報を取得すると、取得された情報に基づいて空き家情報レコードを生成し、空き家情報記憶部242に登録する。空き家情報取得部253は、既に登録されている住所の空き家に関する情報を取得すると、取得された情報に基づいて空き家情報レコードを更新し、空き家情報記憶部242に登録する。空き家情報取得部253は、インターネット等のネットワークを介して空き家に関する情報を取得してもよいし、人の手によって入力部22を介して入力された情報を取得してもよい。
【0037】
供給情報取得部254は、新たな住所におけるライフラインに関する情報を取得すると、取得された情報に基づいて供給情報レコードを生成し、供給情報記憶部243に登録する。供給情報取得部254は、既に登録されている住所のライフラインに関する情報を取得すると、取得された情報に基づいて供給情報レコードを更新し、供給情報記憶部243に登録する。供給情報取得部254は、インターネット等のネットワークを介してライフラインに関する情報を取得してもよいし、人の手によって入力部22を介して入力された情報を取得してもよい。供給情報取得部254は、例えば電力会社、水道局、ガス会社や情報提供会社等からライフラインに関する情報を取得しても良いし、住所が示す場所に設置されているスマートメーター等の機器からネットワークを介して情報を取得しても良い。供給情報取得部254は、所定のタイミング(例えば1日毎、1週間毎、1ヶ月毎)で各供給情報レコードを更新するためにライフラインに関する情報を取得してもよい。
【0038】
対応情報取得部255は、新たな住所と電話番号との対応関係を示す情報を取得すると、取得された情報に基づいて対応情報レコードを生成し、対応情報記憶部244に登録する。このとき、新たに取得された住所と電話番号との対応関係が示す住所又は電話番号と同じ値を有する対応情報レコードが既に対応情報記憶部244に登録されている場合には、対応情報取得部255は、既に登録されている対応情報レコードを削除する。対応情報取得部254は、インターネット等のネットワークを介して住所と電話番号との対応関係を示す情報を取得してもよいし、人の手によって入力部22を介して入力された情報を取得してもよい。
【0039】
応答部254は、端末装置10から特定の住所について空き家である可能性が高いか否か問い合わせる情報(以下「問い合わせ情報」という。)を受信する。応答部254は、問い合わせを受信すると、問い合わせの対象となっている住所について、空き家である可能性が高いか否か判定する。応答部254は、判定結果を示す情報(以下「応答情報」という。)を、問い合わせ元の端末装置10に送信する。
【0040】
応答部254は、例えば問い合わせの対象となっている住所について、対応情報テーブルにおいて対応付けて登録されている電話番号を取得し、その電話番号に基づいて空き家の可能性が高いか否か判定してもよい。例えば、応答部254は、電話番号情報テーブルにおいて注意フラグが“1”として登録されているか否かに基づいて判定してもよい。例えば、注意フラグが“1”として登録されている場合には、空き家である可能性が高いことを示す応答情報を送信してもよい。応答部254は、例えば問い合わせの対象となっている住所について、空き家情報テーブルの情報に基づいて判定してもよい。
【0041】
応答部254は、例えば問い合わせの対象となっている住所について、供給情報テーブルの情報に基づいて判定してもよい。この場合、応答部254は、例えば供給情報テーブルにおいて、ライフラインの情報が所定の条件(その場所で人が活動していることや機器が動作していることを示す条件)を満たしている場合には、空き家である可能性が低いと判定してもよい。所定の条件は、例えば電力の使用量が所定の閾値を超えていることであってもよいし、例えば水道の使用量が所定の閾値を超えていることであってもよいし、例えばガスの使用量が所定の閾値を超えていることであってもよい。所定の条件は、複数の値の組合せに応じた条件であってもよい。
【0042】
応答部254は、例えば問い合わせの対象となっている住所について、電話番号情報テーブル、空き家情報テーブル及び供給情報テーブルのうち複数に基づいて空き家の可能性が高いか否か判定してもよい。例えば、空き家情報記憶部242において空き家ではないと登録されていたとしても、問い合わせの住所に対応した電話番号の注意フラグが“1”として登録されている場合には、空き家である可能性が高いことを示す応答情報を送信してもよい。例えば、供給情報記憶部243に基づいて空き家ではないと判定されていたとしても、問い合わせの住所に対応した電話番号の注意フラグが“1”として登録されている場合には、空き家である可能性が高いことを示す応答情報を送信してもよい。
【0043】
図7は、注意条件判定部252の処理の具体例を示すフローチャートである。所定のタイミングが到来すると、注意条件判定部252は、図7に示されるフローチャートの処理を実行する。以下、図7に示されるフローチャートについて説明する。
【0044】
まず、注意条件判定部252は、電話番号情報記憶部241に記憶されている電話番号情報レコードのうち、判定対象となる電話番号情報レコードを取得する(ステップS101)。注意条件判定部252は、読み出された電話番号情報レコードについて注意条件を満たすか否か判定する(ステップS102)。
【0045】
判定対象の電話番号情報レコードが注意条件を満たす場合(ステップS103-YES)、注意条件判定部252は、判定対象の電話番号情報レコードについて、注意条件を満たすことを記録する。例えば、注意条件判定部252は、判定対象となっている電話番号情報レコードのフラグとフラグ登録日時を更新する(ステップS104、S105)。注意条件判定部252は、このタイミングで判定対象となっている電話番号情報レコード全てについての判定が完了したか否か判定する(ステップS106)。判定がなされていない判定対象の情報がある場合には(ステップS106-NO)、注意条件判定部252は、判定がされていない判定対象の情報についてステップS101以降の処理を実行する。一方、判定がなされていない判定対象の情報がない場合には(ステップS106-YES)、注意条件判定部252は処理を終了する。
【0046】
図8は、応答部254の処理の具体例を示すフローチャートである。以下、図8に示されるフローチャートについて説明する。応答部254は、端末装置10から送信された問い合わせ情報を受信する(ステップS201)。応答部は、受信された問い合わせ情報において問い合わせ対象となっている住所について、空き家である可能性が高いか否か判定する(ステップS202)。空き家である可能性が高いと判定した場合、応答部254は、問い合わせ元の端末装置10に対し、空き家である可能性が高い住所であると通知する(ステップS203-YES、S204)。空き家である可能性が高いと判定した場合、応答部254は、問い合わせ元の端末装置10に対し、空き家である可能性が高い住所であると通知する(ステップS203-NO、S205)。
【0047】
このように構成された判定システム100によれば、住所について、空き家である可能性についてより精度よく判定することが可能となる。すなわち、たとえ空き家情報テーブル又は供給情報テーブルに基づいて空き家ではない可能性が高いと判定されたとしてもその住所に対応する電話番号の状態情報や他人名義判定結果に応じて空き家か否か判定することができる。
【0048】
(変形例)
応答部256は、住所について空き家か否かではなく不正利用されている可能性が高いか否かを判定して応答してもよい。この場合の判定基準は、上述した空き家の可能性が高いか否かと同様である。
判定装置20は、複数の情報処理装置を用いて判定システムとして構成されてもよい。例えば、記憶部24と、制御部25とがそれぞれ異なる情報処理装置において実装されてもよい。また、制御部25の機能である電話番号情報取得部251、注意条件判定部252、空き家情報取得部253、供給情報取得部254、対応情報取得部255及び応答部256が、複数の情報処理装置において実装されてもよい。これらの場合、各情報処理装置は、通信ケーブルで直接的に接続されてもよいし、LAN等の構内ネットワークを用いて接続されてもよいし、広域網や公衆ネットワークを介して接続されてもよい。
電話番号情報記憶部241は、注意フラグの値を記憶していなくてもよい。この場合、端末装置10から問い合わせ情報が受信されたタイミングで、問い合わせ対象の住所に対応する電話番号について注意条件判定部252が注意条件を満たすか否か判定してもよい。
【0049】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0050】
100…判定システム, 10…端末装置, 20…判定装置, 30…ネットワーク, 21…通信部, 22…入力部, 23…出力部, 24…記憶部, 241…電話番号情報記憶部, 242…空き家情報記憶部, 243…供給情報記憶部, 244…対応情報記憶部, 25…制御部, 251…電話番号情報取得部, 252…注意条件判定部, 253…空き家情報取得部, 254…供給情報取得部, 255…対応情報取得部, 256…応答部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8