IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特開2023-154361搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法
<>
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図1
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図2
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図3
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図4
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図5
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図6
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図7
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図8
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図9
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図10
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図11
  • 特開-搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154361
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20231012BHJP
   G05D 1/08 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G05D1/02 E
G05D1/02 A
G05D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063674
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 英明
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC08
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD17
5H301EE06
5H301EE08
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG17
5H301KK04
5H301KK08
5H301KK18
5H301KK19
(57)【要約】
【課題】搬送対象が搬送ロボットに対して傾いて配置されている場合でも、搬送対象を把持しやすい搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法を提供する。
【解決手段】搬送ロボット制御システム100は、傾き検出部160と、姿勢変更部175と、移動制御部171と、を備える。傾き検出部160は、搬送ロボット1が搬送する搬送対象の少なくとも一部の傾きを検出する。姿勢変更部175は、傾き検出部160の検出結果に基づいて、搬送ロボット1の移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する。移動制御部171は、搬送ロボット1を、第2姿勢を維持した状態で搬送対象まで移動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ロボットが搬送する搬送対象の少なくとも一部の傾きを検出する傾き検出部と、
前記傾き検出部の検出結果に基づいて、前記搬送ロボットの移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する姿勢変更部と、
前記搬送ロボットを、前記第2姿勢を維持した状態で前記搬送対象まで移動させる移動制御部と、を備える
搬送ロボット制御システム。
【請求項2】
前記搬送ロボットは、前記第2姿勢で前記搬送対象と対向した状態で、前記搬送対象を把持する
請求項1に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項3】
前記移動制御部が前記搬送ロボットを誘導する誘導方式は、誘導路に沿って前記搬送ロボットを移動させる第1誘導方式を含み、
前記搬送対象は、前記誘導路の端点に配置され、
前記傾き検出部は、前記誘導路に対する前記搬送対象の少なくとも一部の傾きを検出する
請求項1又は2に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項4】
前記傾き検出部は、前記搬送ロボットが前記第1誘導方式によって移動しているときに、前記搬送対象の少なくとも一部の傾きを検出する
請求項3に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項5】
前記誘導方式は、前記搬送ロボットの現在位置の検出結果に基づいて前記搬送ロボットを移動させる第2誘導方式を含み、
前記誘導方式を、前記第1誘導方式及び前記第2誘導方式のいずれかに切り替える設定部を更に有する
請求項3に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項6】
前記移動制御部は、前記搬送ロボットが前記搬送対象を把持した後に、前記搬送ロボットを、前記第2姿勢を維持した状態で、前記第1誘導方式によって移動させる
請求項3に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項7】
前記姿勢変更部は、前記搬送ロボットが前記搬送対象を把持した後に、前記搬送ロボットを、前記第2姿勢から前記第1姿勢に変更し、
前記移動制御部は、前記搬送ロボットを、前記第1姿勢で、前記第1誘導方式によって移動させる
請求項3に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項8】
前記搬送対象は、一対の車輪を備え、
前記傾き検出部は、前記一対の車輪を結ぶ直線の方向と前記移動方向とが為す角度を前記傾きとして検出する
請求項1又は2に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項9】
誘導路に対する前記搬送ロボットの傾きを検出する一対の傾きセンサを有し、
前記一対の傾きセンサは、前記搬送ロボットの基準点を基準として対称に配置されている
請求項1又は2に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項10】
前記搬送対象は、一対の被把持部を備え、
前記搬送ロボットは、前記一対の被把持部と各々対応して設けられる一対の把持部を備え、
前記搬送ロボットは、前記一対の被把持部の間に前記一対の把持部が挿入される位置に移動した状態で、前記一対の把持部の間隔を広げて、前記一対の把持部を前記一対の被把持部に各々接触させることによって前記搬送対象を把持する
請求項1又は2に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項11】
前記第2姿勢では、前記移動方向に対する前記搬送対象の傾きと、前記移動方向に対する前記搬送ロボットの傾きが同じである
請求項1又は2に記載の搬送ロボット制御システム。
【請求項12】
搬送ロボットが搬送する搬送対象の少なくとも一部の傾きを検出する傾き検出ステップと、
前記傾き検出ステップにおける検出結果に基づいて、前記搬送ロボットの移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する姿勢変更ステップと、
前記搬送ロボットを、前記第2姿勢を維持した状態で前記搬送対象まで移動させる移動制御ステップと、を含む
搬送ロボット制御方法。
【請求項13】
前記搬送ロボットは、前記第2姿勢で前記搬送対象と対向した状態で、前記搬送対象を把持する
請求項12に記載の搬送ロボット制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法に関し、より詳細には、搬送ロボットの姿勢を制御する搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の無人搬送車は、車体の左右に設置された駆動輪と、左右の駆動輪の速度差、若しくは回転量を制御して車体の向きを変える操舵手段とを具備している。無人搬送車は、駆動輪と操舵手段とによって走行し、所定の停止位置で停止する。無人搬送車は、位置合わせセンサと、第1の補正手段とを具備している。位置合わせセンサは、車体の左右所定位置に取り付けられ、地上に設置された位置合わせマークとの車体前後方向のズレを検出する。第1の補正手段は、車体が所定の停止位置に停止した状態で、左右の位置合わせセンサによって検出された車体前後方向のズレを小さくするように左右の駆動輪の回転を個々に制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-171535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような無人搬送車(搬送ロボット)において、搬送ロボットの搬送対象が、搬送ロボットに対して傾いて配置されていた場合に、搬送ロボットが搬送対象を正常に把持できない可能性があった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、搬送対象が搬送ロボットに対して傾いて配置されている場合でも、搬送対象を把持しやすい搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る搬送ロボット制御システムは、傾き検出部と、姿勢変更部と、移動制御部と、を備える。前記傾き検出部は、搬送ロボットが搬送する搬送対象の少なくとも一部の傾きを検出する。前記姿勢変更部は、前記傾き検出部の検出結果に基づいて、前記搬送ロボットの移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する。前記移動制御部は、前記搬送ロボットを、前記第2姿勢を維持した状態で前記搬送対象まで移動させる。
【0007】
本開示の一態様に係る搬送ロボット制御方法は、傾き検出ステップと、姿勢変更ステップと、移動制御ステップと、を含む。前記傾き検出ステップでは、搬送ロボットが搬送する搬送対象の少なくとも一部の傾きを検出する。前記姿勢変更ステップでは、前記傾き検出ステップにおける検出結果に基づいて、前記搬送ロボットの移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する。前記移動制御ステップでは、前記搬送ロボットを、前記第2姿勢を維持した状態で前記搬送対象まで移動させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、搬送対象が搬送ロボットに対して傾いて配置されている場合でも、搬送対象を把持しやすい搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る搬送ロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の搬送ロボット制御システムに含まれる搬送ロボットの、通常状態にある搬送対象の把持動作を説明するための平面図である。
図3図3は、同上の搬送ロボットの第1誘導方式及び第2誘導方式での移動動作を説明するための平面図である。
図4図4は、同上の搬送ロボットによる搬送対象の傾き検知動作を説明するための平面図である。
図5図5は、同上の搬送ロボットの姿勢変更動作を説明するための平面図である。
図6図6は、同上の搬送ロボットの姿勢変更動作を説明するための平面図である。
図7図7は、第2姿勢にある同上の搬送ロボットの第1誘導方式での移動動作を説明するための平面図である。
図8図8は、同上の搬送ロボットが有する一対の把持部による搬送対象の把持動作を説明するための平面図である。
図9図9は、同上の搬送ロボットが有する一対の把持部による搬送対象の把持動作を説明するための平面図である。
図10図10は、同上の搬送ロボット制御システムの搬送ロボットの制御方法を説明するフローチャートである。
図11図11は、同上の搬送ロボットの、搬送対象の搬送動作を説明するための平面図である。
図12図12は、変形例の搬送ロボット制御システムに含まれる搬送ロボットの、搬送対象の搬送動作を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る搬送ロボット制御システム100について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において参照する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)概要
まず、本実施形態の搬送ロボット制御システム100の概要について、図1図7を参照して説明する。
【0012】
搬送ロボット制御システム100は、搬送対象2を搬送するための搬送ロボット1に適用される。以下の説明では、図2等において、搬送対象2の近傍において搬送ロボット1を搬送対象2まで誘導するための誘導路M1の延伸方向をY軸方向、Y軸方向と直交する方向をX軸方向と規定する。またX軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向と規定し、X軸方向の正の向きを右側、Y軸方向の正の向きを前側とする。なお、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0013】
搬送ロボット1は、例えば工場、物流センター(配送センターを含む)、オフィス、店舗、学校、及び病院等の施設における搬送作業に利用される。搬送ロボット1は、1つ以上の車輪で移動面G1の上を走行することによって移動する。移動面G1は、その上を搬送ロボット1が移動する面であり、搬送ロボット1が施設内を移動する場合は施設の床面等が移動面G1となり、搬送ロボット1が屋外を移動する場合は地面等が移動面G1となる。なお、搬送ロボット1は、移動面G1の上を車輪で移動(走行)する車両タイプのロボットに限定されない。搬送ロボット1は、空中を飛行する飛行ドローン、水上を航行する水上ドローン、又は水中を航行する水中ドローン等でもよいが、以下の実施形態では、搬送ロボット1が、移動面G1の上を走行する車両タイプのロボットである場合について説明する。
【0014】
搬送ロボット制御システム100は、図1に示すように、傾き検出部160と、姿勢変更部175と、移動制御部171と、を備える。
【0015】
傾き検出部160は、搬送ロボット1の搬送対象2の少なくとも一部の傾きを検出する。
【0016】
姿勢変更部175は、傾き検出部160の検出結果に基づいて、搬送ロボット1の移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する。
【0017】
移動制御部171は、搬送ロボット1を、第2姿勢を維持した状態で搬送対象2まで移動させる。
【0018】
搬送対象2は、例えば、一対の車輪22及び一対の車輪23を含む荷物搬送用のパレットである。なお、搬送対象2は車輪を含む荷物搬送用のパレットに限定されず、例えば一括交換台車等の種々の搬送対象を含んでもよい。
【0019】
一対の車輪22と一対の車輪23とは、例えば互いに対向して設けられる。また搬送対象2は、一対の車輪22を結ぶ直線L1と略平行な前面201に一対の被把持部21を有する。傾き検出部160は、搬送ロボット1が搬送対象2を把持するために搬送対象2に接近する際に、移動面G1に置かれている搬送対象2の傾きを検出する。
【0020】
搬送ロボット1は直方体状に形成された本体10を有する。ここで本体10の長手方向を第1方向DR1、短手方向を第2方向DR2とする。また、搬送ロボット1は、本体10の下面に例えば一対の駆動輪12と、本体10の後面101に一対の把持部11を有し、一対の把持部11を搬送対象2の一対の被把持部21に各々接触させることによって搬送対象2を把持する。
【0021】
まず、図2に示すように、搬送対象2の少なくとも一部(例えば一対の車輪22を結ぶ直線L1)のX軸方向に対する傾きが基準値未満であり、搬送対象2が、直線L1がX軸方向と略平行な場合(通常状態)で配置されている場合を考える。ここで、X軸方向は、誘導路M1の延伸方向と直交する方向であり、搬送ロボット1が誘導路M1に沿って搬送対象2に接近する場合の移動方向と直交する方向である。したがって、搬送対象2は、搬送ロボット1の移動方向と直交する方向に対して直線L1が略平行な状態で配置されている。
【0022】
この場合には、搬送ロボット1は、Y軸方向に対して第2方向DR2が傾いていない第1姿勢で、誘導路M1に沿って搬送対象2まで移動する。この場合、搬送対象2まで移動した搬送ロボット1は、後面101が搬送対象2の前面201に対して略平行な状態で、搬送対象2を把持する。
【0023】
次に、図3図7に示すように、直線L1がX軸方向に対して、例えば角度θだけ傾いている場合を考える。この場合、搬送対象2は、搬送ロボット1の移動方向と直交する方向に対して直線L1が傾いた状態で配置されている。
【0024】
この場合に、第1姿勢にある搬送ロボット1が、誘導路M1に沿って搬送対象2まで移動して搬送対象2を把持しようとすると、搬送ロボット1の後面101に対して搬送対象2の前面201が傾いているために、搬送ロボット1が搬送対象2を正常に把持できない可能性がある。
【0025】
ここで、本実施形態の搬送ロボット制御システム100は、直線L1がX軸方向に対して、例えば角度θだけ傾いている場合に以下の処理を行う。
【0026】
まず、傾き検出部160が搬送対象2の直線L1のX軸方向に対する傾きθ(角度θ)を検出する。姿勢変更部175は、傾き検出部160が検出した角度θに基づいて、搬送ロボット1のY軸方向に対する姿勢を第2姿勢に変更する。ここで、第2姿勢は、例えば、本体10の第2方向DR2がY軸方向に対して角度θだけ傾いている姿勢である。言い換えると、第2姿勢では、搬送ロボット1の移動方向に対する搬送対象2の傾きと、搬送ロボット1の移動方向に対する搬送ロボット1の傾きが同じである。
【0027】
次に、移動制御部171は、搬送ロボット1を、第2姿勢を維持した状態で、誘導路M1に沿ってY軸方向に搬送対象2まで移動させる。
【0028】
搬送対象2まで移動した搬送ロボット1は、搬送対象2に対して、略平行な状態で対向した状態となる。
【0029】
これによって、搬送対象2が搬送ロボット1の移動方向に対して傾いて配置されている場合でも、搬送ロボット1は搬送対象2を確実に把持することができる。
【0030】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る搬送ロボット1及び搬送ロボット1を含む搬送ロボット制御システム100について図面を参照して詳しく説明する。
【0031】
(2.1)全体構成
搬送ロボット制御システム100は、図1に示すように、搬送ロボット1と、搬送ロボット1による搬送作業を制御する群制御システム4と、を備えている。搬送ロボット1と群制御システム4とは互いに通信可能に構成されている。なお本開示における「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1若しくは中継装置6等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。本実施形態では、群制御システム4と搬送ロボット1とは双方向に通信可能であり、群制御システム4から搬送ロボット1への情報の送信、及び搬送ロボット1から群制御システム4への情報の送信の両方が可能である。なお、図1では搬送ロボット1の数が1台であるが、搬送ロボット1の数は2台以上でもよい。つまり、群制御システム4は、複数台の搬送ロボット1の各々による搬送作業を制御してもよい。
【0032】
(2.2)搬送ロボット
搬送ロボット1は、例えば施設の床面等からなる平坦な移動面G1の上を自律走行する。搬送ロボット1は、例えばリチウムイオン電池又はニッケル水素電池等の蓄電池を備え、蓄電池に蓄積された電気エネルギを利用して動作する。
【0033】
搬送ロボット1は、図8及び図9に示すように、一対の把持部11と、一対の駆動輪12(12R、12L)と、本体10と、を備える。また、複数(本実施形態では例えば2つ)の補助輪13と、を備えている。
【0034】
一対の把持部11は、本体10の後面101に設けられる。一対の把持部11は、搬送対象2が備える一対の被把持部21と各々対応して設けられる。
【0035】
搬送ロボット1は、一対の把持部11によって搬送対象2の一対の被把持部21を保持することによって、搬送対象2を保持する。搬送ロボット1は、当該搬送ロボット1に保持された搬送対象2と共に移動する。
【0036】
搬送ロボット1が搬送対象2を搬送する場合、搬送ロボット1が先頭になって搬送対象2をけん引する走行形態と、搬送対象2を先頭にして搬送ロボット1が搬送対象2を押していく走行形態とがある。一般的に、搬送対象2を後側から押す走行形態に比べて、搬送対象2をけん引する走行形態の方が、走行状態が安定するので、搬送ロボット1は通常は搬送対象2をけん引して移動する。
【0037】
搬送対象2は、平面視の形状が矩形状の本体20を有している。本体20の下面には2組の一対の車輪(一対の車輪22及び一対の車輪23)が設けられており、搬送対象2は移動面G1の上を一対の車輪22及び一対の車輪23で走行可能に構成されている。一対の車輪22は、本体20の前面201側に設けられ、一対の車輪23は、前面201と対向する後面202側に設けられる。
【0038】
本体20の前面201には、一対の被把持部21が設けられている。一対の被把持部21の各々には、把持部11が有するローラー部111が嵌まる凹部211が設けられている。
【0039】
搬送ロボット1の本体10は、直方体状に形成されている。本体10の下部には一対の駆動輪12と2つの補助輪13とが配置されている。本実施形態では、本体10に対して、一対の駆動輪12が本体10の長手方向(第1方向DR1)に並ぶように配置されている。本体10には、本体の短手方向(第2方向DR2)に、2つの補助輪13が並ぶように配置されている。以下の説明において、一対の駆動輪12のうち、左側に位置する駆動輪12を左駆動輪12L、右側に位置する駆動輪12を右駆動輪12Rと表記する場合もある。
【0040】
本実施形態では、左駆動輪12L及び右駆動輪12Rの各々が操向輪を兼ねている。つまり左駆動輪12Lを駆動する駆動機構と、左駆動輪12Lの向きを変える操向機構とが一体化されている。また、右駆動輪12Rを駆動する駆動機構と、右駆動輪12Rの向きを変える操向機構とが一体化されている。
【0041】
2つの補助輪13は、搬送ロボット1の移動方向に追従して向きが変わる従動輪である。
【0042】
搬送ロボット1は、図1に示すように、把持駆動部14と、移動部15と、検知部16と、制御部17と、通信部18と、記憶部19と、を備える。
【0043】
把持駆動部14は、把持部11を駆動する。把持駆動部14は、本体10に設けられたケース102の内部に収容されている。把持駆動部14は、例えば、第1方向DR1に沿って配置された送りねじと、送りねじを回転させるモータと、モータの回転を送りねじに伝達する減速機と、を備えている。
【0044】
上述したように、本体10の後面101には、搬送対象2が有する一対の被把持部21をそれぞれ保持する一対の把持部11が、本体10に対して移動可能な状態で設けられている。
【0045】
把持駆動部14は、一対の把持部11の各々を第1方向DR1に沿って移動させる。具体的には、把持駆動部14は、一対の把持部11の第1方向DR1に沿った間隔が広がる又は狭まるように、一対の把持部11を移動させる。
【0046】
以下に、一対の把持部11による搬送対象2の把持動作について説明する。
【0047】
まず、搬送ロボット1は、図8に示すように、一対の把持部11の間隔が一対の被把持部21の間隔よりも狭くなった状態で、一対の把持部11が一対の被把持部21の間に挿入される位置に移動する。
【0048】
次に、搬送ロボット1は、図9に示すように、把持駆動部14を制御して、一対の把持部11を、互いの間隔が広がる向きに移動させることによって、一対の把持部11をそれぞれ対応する一対の被把持部21に接触させる。ローラー部111が被把持部21の凹部211に嵌まると、把持部11はそれ以上外向きに移動できなくなる。これにより、一対の把持部11の各々が対応する被把持部21を外向きに押すことによって、搬送ロボット1は搬送対象2を保持することができる。
【0049】
移動部15は、左駆動輪12L及び右駆動輪12Rの回転と舵角とを個別に制御する。移動部15は、本体10に内蔵されている。移動部15は、例えば、電動機(モータ)を含み、ギアボックス及びベルト等を介して、電動機で発生する駆動力を間接的に左駆動輪12L及び右駆動輪12Rに与える。また、移動部15は、インホイールモータのように、左駆動輪12L及び右駆動輪12Rに対して直接的に駆動力を与える構成であってもよい。
【0050】
これにより、搬送ロボット1は移動面G1上を任意の方向に移動することができる。また、搬送ロボット1は、本体10を一定の姿勢に保ったまま、移動面G1上を任意の方向に移動することができる。
【0051】
検知部16は、本体10の挙動、及び本体10の周辺状況等を検知する。本開示でいう「挙動」は、動作及び様子等を意味する。つまり、本体10の挙動は、本体10が走行中/停止中を表す本体10の動作状態、本体10の移動距離及び走行時間、本体10の速度(及び速度変化)、本体10に作用する加速度、及び本体10の姿勢等を含む。
【0052】
検知部16は、搬送ロボット1の周辺状況を検知する測域センサ161、162と、移動面G1に設けられた誘導路M1を検知する誘導路検知部163と、を少なくとも含む。
【0053】
測域センサ161、162は、例えば、本体10の周囲に存在する物体を検知するためのLiDAR(Light Detection and Ranging)である。
【0054】
測域センサ161は、後面101の第1方向DR1における中心部に設けられる。また測域センサ162は、前面103の第1方向DR1における中心部に設けられる。
【0055】
なお、測域センサ161、162は、LiDARに限定されない。この種のセンサとしては、音波、光、及び電波のうちの少なくとも一つを利用して物体を検知するセンサでもよい。
【0056】
測域センサ161によって、傾き検出部160(図1参照)が実現される。
【0057】
傾き検出部160は、搬送対象2の一対の車輪22の傾きを検出する。詳細には、傾き検出部160は、図3図7に示すように、一対の車輪22を結ぶ直線L1のX軸方向に対する方向を傾きとして検出する。なお、ここで言う「一対の車輪22を結ぶ直線」とは、例えば一対の車輪22の各々の回転中心を結ぶ直線のことを示す。
【0058】
ここで、上述したように、X軸方向は、誘導路M1の延伸方向(Y軸方向)と直交する方向である。つまり、換言すると、傾き検出部160は、誘導路M1に対する直線L1の傾きを検出する。
【0059】
誘導路検知部163は、移動面G1に設けられた誘導路M1を検知するための一対の傾きセンサ164及び一対の傾きセンサ165を備える。また、一対の傾きセンサ164及び一対の傾きセンサ165は、誘導路M1に対する本体10の傾き(姿勢)を検出する。
【0060】
一対の傾きセンサ164及び一対の傾きセンサ165は例えば、光学センサ等のセンサを含む。一対の傾きセンサ164の各々は、例えば第1方向DR1を長手方向とする長尺状である。また、一対の傾きセンサ165の各々は、例えば第2方向DR2を長手方向とする長尺状である。一対の傾きセンサ164及び一対の傾きセンサ165は、搬送ロボット1の移動中は定期的に誘導路M1の検知動作を行っている。
【0061】
一対の傾きセンサ164は、本体10の下面において、基準点P1を基準として対称に配置されている。なおここでいう基準点P1は、例えば、本体10の長手方向(第1方向DR1)の対称線と短手方向(第2方向DR2)の対称線が交差する本体10の中心点である。なお、図2等では、本体10の長手方向の対称線及び短手方向の対称線については記載を省略している。なお、基準点P1は本体10の中心点に限定されず、本体10の任意の点であってよい。例えば、基準点P1は、搬送ロボット1の本体10の重心位置、又は、搬送ロボット1が超信地回転する場合の回転中心の位置でもよい。
【0062】
また、一対の傾きセンサ164は、本体10の中心点を通る第2方向DR2の対称線を基準として、非対称な位置に設けられてもよい。つまり、一方の傾きセンサ164と第2方向DR2の対称線との距離と、他方の傾きセンサ164と第2方向DR2の対称線との距離とが異なっていてもよい。換言すると、一対の傾きセンサ164は、本体10の中心点とは異なる基準点P1を基準として対称に配置されてもよい。
【0063】
本実施形態では、一対の傾きセンサ164は、本体10の下面において、基準点P1を基準として、本体10の前面103側と、後面101側に配置されている。一対の傾きセンサ164は、互いに平行に設けられている。なお、一対の傾きセンサ164は、互いに傾いていてもよい。
【0064】
一対の傾きセンサ165は、本体10の下面において、基準点P1を基準として点対称に配置されている。
【0065】
本実施形態では、一対の傾きセンサ165は、本体10の下面において、基準点P1を基準として、左駆動輪12L側と、右駆動輪12R側に配置されている。一対の傾きセンサ165は、互いに平行に設けられている。なお、一対の傾きセンサ165は、互いに傾いていてもよい。
【0066】
誘導路M1は、例えば、蛍光テープ等からなるライン状の誘導指標である。誘導路検知部163は、蛍光テープからの出射光を検出することによって誘導路M1を検出する。なお、誘導路検知部163は、例えば磁気センサを含み、磁気センサを用いて移動面G1に設置された誘導路M1を検知してもよい。この場合、誘導路M1は、例えば磁気テープからなるライン状の誘導指標である。
【0067】
誘導路M1は端点E1及び移動開始点E2(図3参照)を含む。端点E1には、搬送対象2が配置されている。なおここで言う「端点E1に配置される」とは、例えば搬送対象2の前面201と端点E1との距離が所定値以下となる位置に搬送対象2が存在する状態を示す。
【0068】
搬送ロボット1は、誘導路M1に沿って、移動開始点E2から端点E1に向かって移動する。
【0069】
一対の傾きセンサ164の各々が誘導路M1を検出している場合に、一対の傾きセンサ164は、誘導路M1に対する搬送ロボット1の本体10の傾きを検出する。具体的には、一対の傾きセンサ164は、一対の傾きセンサ164の各々に対する誘導路M1の第1方向DR1に沿った位置を検出することで、誘導路M1に対する本体10の傾きを検出する。
【0070】
また、一対の傾きセンサ165の各々が誘導路M1を検出している場合に、一対の傾きセンサ165は、誘導路M1に対する搬送ロボット1の本体10の傾きを検出する。具体的には、一対の傾きセンサ165は、一対の傾きセンサ165の各々に対する誘導路M1の第2方向DR2に沿った位置を検出することで、誘導路M1に対する本体10の傾きを検出する。
【0071】
制御部17は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部17の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0072】
制御部17は、図1に示すように、移動制御部171、把持制御部172、位置検出部173、設定部174、姿勢変更部175、等の機能を有する。なお、これらは、制御部17によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0073】
移動制御部171は、群制御システム4から通信部18が受信した制御指令と、検知部16の検知結果とに基づいて移動部15を制御して、本体10を移動面G1上において搬送対象2まで移動させる。つまり、移動制御部171は、群制御システム4から通信部18が受信した制御指令と、検知部16の検知結果とに基づいて、本体10を搬送対象2まで誘導する。
【0074】
移動制御部171が本体10を誘導する誘導方式は、誘導路M1に沿って本体10を移動させる第1誘導方式を含む。また誘導方式は、本体10の現在位置の検出結果に基づいて本体10を移動させる第2誘導方式を含む。
【0075】
把持制御部172は、群制御システム4から通信部18が受信した制御指令と、検知部16の検知結果とに基づいて把持駆動部14を制御して、一対の把持部11を駆動させる。
【0076】
位置検出部173は、本体10の現在位置を検出する。位置検出部173は、一例として、例えば、測域センサ161、162による周囲の物体の検出情報と、施設内の移動面G1の電子的なマップ情報とに基づいて、移動面G1における本体10の現在位置を推定する。なお、位置検出部173は、電波ビーコンを用いたLPS(Local Positioning System)を利用して、移動面G1における現在位置を推定してもよい。すなわち、位置検出部173は、施設内に設置された複数の送信機からそれぞれ送信されるビーコン信号を、搬送ロボット1に設けられた受信機で受信したときの電波強度と、各送信機の設置位置とに基づいて現在位置を推定してもよい。また、位置検出部173は、例えばGPS(Global Positioning System)等の全球衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して、本体10の現在位置を推定するものでもよい。位置検出部173により検出される本体10の位置座標は、移動面G1に設定された二次元直交座標系での位置座標でもよいし、三次元直交座標系での位置座標でもよい。
【0077】
設定部174は、移動制御部171が搬送ロボット1を誘導する誘導方式を第1誘導方式及び第2誘導方式のいずれかに設定する。
【0078】
設定部174は、誘導路検知部163が誘導路M1を検知していない場合、本体10の誘導方式を第2誘導方式に設定する。設定部174は、誘導路検知部163が誘導路M1を検知している場合に、本体10の誘導方式を第1誘導方式に設定する。
【0079】
姿勢変更部175は、傾き検出部160(測域センサ161)の検出結果に基づいて、搬送ロボット1の移動方向に対する姿勢を第1姿勢及び第2姿勢のいずれかに設定する。姿勢変更部175による搬送ロボット1の姿勢の変更動作については、「(2.4)動作説明」において詳細に説明する。
【0080】
通信部18は、群制御システム4と通信可能に構成されている。本実施形態では、通信部18は、搬送ロボット1を運用するエリア内に設置された1以上の中継装置6のいずれかと、電波を媒体とする無線通信によって通信を行う。そのため、通信部18と群制御システム4とは、少なくともネットワークNT1及び中継装置6を介して、間接的に通信を行うことになる。
【0081】
つまり、各中継装置6は、通信部18と群制御システム4との間の通信を中継する機器(アクセスポイント)である。中継装置6は、ネットワークNT1を介して、群制御システム4と通信する。本実施形態では一例として、中継装置6と通信部18との間の通信には、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した、無線通信を採用する。また、ネットワークNT1は、インターネットに限らず、例えば、搬送ロボット1を運用するエリア内又はこのエリアの運営会社内のローカルな通信ネットワークが適用されてもよい。
【0082】
記憶部19には、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)などの書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶部19には、搬送ロボット1が移動する移動面G1の電子的なマップ情報等が予め記憶されている。移動面G1の電子的なマップ情報には、移動面G1に配置される物体の位置情報等が含まれている。
【0083】
また、搬送ロボット1は、上記以外の構成、例えば、蓄電池の充電回路等を適宜備えている。
【0084】
(2.3)群制御システム
群制御システム4は、例えば、コンピュータシステムにより実現されている。群制御システム4は、搬送ロボット1による搬送作業を制御する。なお、群制御システム4は搬送ロボット1が搬送作業を行う施設の内部にあってもよいし、施設の外部にあってもよい。
【0085】
群制御システム4は、図1に示すように、制御部40と、通信部41と、操作受付部42と、表示部43と、記憶部44と、を備える。
【0086】
通信部41は、ネットワークNT1及び中継装置6を介して、搬送ロボット1と通信する。通信部41と中継装置6との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。
【0087】
操作受付部42は、群制御システム4を利用するユーザの操作を受け付ける機能を有している。本実施形態では、操作受付部42は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、又はこれらの組み合わせにて実現される。また、操作受付部42は、ユーザが発する音声で操作を受け付ける音声認識部にて実現されてもよい。なお、操作受付部42は、ユーザが使用するタブレット端末等の端末に入力した情報を、通信部41を介して受け付けてもよい。
【0088】
表示部43は、群制御システム4を利用するユーザに対して情報を提示するために用いられる。表示部43は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置にて実現される。なお、群制御システム4がタッチパネルディスプレイを有している場合、タッチパネルディスプレイが操作受付部42及び表示部43として機能してもよい。
【0089】
記憶部44は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)などの書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶部44は、例えば、群制御システム4のユーザ等によって入力された、搬送対象2の位置及び当該搬送対象2に対応する誘導路M1の位置に関する情報等を記憶する。
【0090】
制御部40は、例えば、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、制御部40の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0091】
制御部40は、通信部41を介して搬送ロボット1に搬送対象2の搬送指示を与える。制御部40は、例えば移動面G1内のある場所(誘導路M1の端点E1)に配置されている搬送対象2を目標位置に搬送する搬送指示を搬送ロボット1に与えることで、搬送ロボット1により搬送対象2を目標位置まで搬送させる。例えば、制御部40は、搬送対象2が存在する位置の情報、目標位置の情報等を含む搬送指示を搬送ロボット1に送信することによって、搬送ロボット1に、搬送対象2を把持する把持作業、及び把持した搬送対象2を目標位置まで搬送する搬送作業を実行させる。
【0092】
(2.4)動作説明
以下に、搬送ロボット1による搬送対象2の把持作業、及び、搬送対象2の搬送作業の動作について図3図7図10及び図11に基づいて詳細に説明する。なお、図10に示すフローチャートは、搬送ロボット1の制御方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0093】
群制御システム4の制御部40は、例えば待機場所等で待機をしている搬送ロボット1に対して、搬送対象2を目標位置まで搬送する搬送指示を与える。このとき、群制御システム4から、搬送ロボット1に対して、搬送対象2の位置の情報、搬送対象2に対応する誘導路M1の情報(移動開始点E2の位置の情報等)及び目標位置の情報が送信される。
【0094】
搬送ロボット1が待機場所で待機している場合は、誘導路検知部163が誘導路M1を検知していないため、設定部174は本体20の誘導方式を第2誘導方式に設定しており、移動制御部171は、本体20を第2誘導方式で誘導する。
【0095】
搬送ロボット1が群制御システム4から搬送指示を受信(ST1)すると、図3に示すように、移動制御部171は、第2誘導方式で、本体10に誘導路M1への移動を開始させる(ST2)。このとき、本体10の移動の目的地は、例えば、誘導路M1上の移動開始点E2に設定される。
【0096】
本体10が移動開始点E2に接近し、誘導路検知部163(例えば本体10の後面101側の傾きセンサ164)が誘導路M1を検出すると(ST3:YES)、設定部174は誘導方式を第2誘導方式から第1誘導方式に変更する(ST4)。このとき、設定部174が誘導方式を第1誘導方式に変更すると、移動制御部171は、誘導路検知部163の検知結果に基づきながら、本体10の短手方向(第2方向DR2)が誘導路M1の延伸方向(Y軸方向)に沿うように、本体10を移動させる。つまり、移動制御部171は、第2方向DR2がY軸方向に対して傾いていない第1姿勢で目的地(移動開始点E2)に到達するように本体10の移動を制御する。また、図4に示すように、移動制御部171は、本体10が移動開始点E2に到達した状態において、後面101の中心点A1及び前面103の中心点B1が、誘導路M1の延伸方向(Y軸方向)に沿った中心線C1上に位置するように本体10の移動を制御する。ここで、中心点A1は後面101の第1方向DR1に沿った中心点であり、中心点B1は前面103の第1方向DR1に沿った中心点である。
【0097】
本体10が移動開始点E2に到達すると(ST5:YES)、図4に示すように、傾き検出部160(測域センサ161)は、搬送対象2の一対の車輪22を結ぶ直線L1のX軸方向(つまりは第1方向DR1)に対する傾きθを検出する(ST6)。つまり、傾き検出部160は、本体10が第1誘導方式によって移動しているときに、直線L1の傾きを検出する。ここで、「本体10が移動開始点E2に到達する」とは、例えば、図3に示すように、本体10の基準点P1が移動開始点E2上にある状態である。
【0098】
傾き検出部160が検出した傾きθが基準値以上である場合(ST7:YES)、姿勢変更部175は、誘導路検知部163(一対の傾きセンサ164)の検知結果に基づきながら、本体10の姿勢を第1姿勢から、第2方向DR2がY軸方向に対して角度θだけ傾いた第2姿勢に変更する(ST8)。なお、傾きの基準値は、搬送ロボット制御システム100のユーザによって任意に変更可能である。
【0099】
以下に第2姿勢について図5及び図6を参照して詳細に説明する。
【0100】
第2姿勢においては、中心線C1上に、後面101上の点A2及び前面103上の点B2が位置している。ここで、基準点P1と中心点A1との距離を距離m1とすると、点A2は、中心点A1から第1方向DR1に沿って右駆動輪12R側に距離d1=m1tanθだけ離れた点である。また、本体の基準点P1と中心点B1との距離を距離m2とすると、点B2は、中心点B1から第1方向DR1に沿って左駆動輪12L側に距離d2=m2tanθだけ離れた点である。
【0101】
つまり、姿勢変更部175は、中心点A1及び中心点B1が中心線C1上に位置している状態から、点A2及び点B2が中心線C1上に位置するように本体10を制御することで、本体10の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変更する。
【0102】
なお、姿勢変更部175は、図6に示すように、第2姿勢に変更した後に、中心線C1上に、後面101の中心点A1及び前面103上の点B3が重なるように本体10の姿勢を更に変更してもよい。ここで、点B3は、中心点B1から第1方向DR1に沿って左駆動輪12L側に距離d3=m2tanθ+m1tanθだけ離れた点である。
【0103】
つまり、姿勢変更部175は、本体10の姿勢を第2姿勢に変更した後に、第2方向DR2のY軸方向に対する傾きを角度θに保ったまま、中心点A1が中心線C1上に位置するように本体10の姿勢を制御してもよい。これにより、X軸方向において、一対の把持部11を、一対の被把持部21の中心部により近づけることができ、搬送対象2をより確実に把持することができる。
【0104】
次に、図7に示すように、移動制御部171は、本体10を、第2姿勢を維持した状態で誘導路M1に沿って搬送対象2まで移動させる(ST9)。詳細には、移動制御部171は、一対の把持部11が一対の被把持部21の間に挿入される位置まで本体10を移動させる。このとき、一対の把持部11の間隔は一対の被把持部21の間隔よりも狭くなった状態となっている。
【0105】
本体10が搬送対象2に到達すると、第2姿勢にある本体10と搬送対象2とが対向した状態で、搬送ロボット1は搬送対象2を把持する(ST10)。具体的には、一対の把持部11が一対の被把持部21の間に挿入されると、把持制御部172は一対の把持部11を互いの間隔が広がる向きに移動させることによって、一対の把持部11をそれぞれ対応する一対の被把持部21に接触させる。これにより、一対の把持部11は搬送対象2を把持する。
【0106】
一対の把持部11が搬送対象2を把持すると、搬送ロボット1は搬送対象2を目標位置まで搬送する(ST11)。詳細には、姿勢変更部175は、図11に示すように、搬送ロボット1が搬送対象2を把持した後に、搬送ロボット1の本体10を、第2姿勢から第1姿勢に変更する。本体10が第1姿勢に変更されると、搬送ロボット1に把持されている搬送対象2は、直線L1がX軸方向に対して角度θだけ傾いている状態から、直線L1がX軸方向に対して傾いていない状態となる。これにより、搬送ロボット1は、搬送対象2が安定な姿勢で、搬送対象2を目標位置まで搬送することができる。
【0107】
本体10の姿勢が第1姿勢に変更されると、移動制御部171は、本体10を、第1姿勢で、第1誘導方式によって例えば前方に移動させる。
【0108】
その後、例えば、誘導路検知部163が誘導路M1を検出しなくなると、設定部174は誘導方式を第1誘導方式から第2誘導方式に変更し、移動制御部171は、第2誘導方式で、本体10に目標位置への移動を開始させる。
【0109】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、搬送ロボット制御システム100と同様の機能は、搬送ロボット制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。実施形態に係る搬送ロボット制御方法は、傾き検出ステップと、姿勢変更ステップと、移動制御ステップと、を含む。傾き検出ステップでは、搬送ロボット1の搬送対象2の少なくとも一部の傾きを検出する。姿勢変更ステップでは、傾き検出ステップにおける検出結果に基づいて、搬送ロボット1の移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する。移動制御ステップでは、搬送ロボット1を、第2姿勢を維持した状態で搬送対象2まで移動させる。また、搬送ロボット制御方法において、搬送ロボット1は、第2姿勢で搬送対象2と対向した状態で、搬送対象2を把持する。
【0110】
また、上記実施形態に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、上述の搬送ロボット制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0111】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0112】
姿勢変更部175は、図12に示すように、第2姿勢にある搬送ロボット1が搬送対象2を把持した後に、搬送ロボット1の本体10を第2姿勢に維持してもよい。この場合、移動制御部171は、本体10を、第2姿勢を維持した状態で、第1誘導方式によって例えば前方に移動させる。これにより、搬送対象2を把持した後に、本体10及び搬送対象2の姿勢を変更する時間を無くすことで、搬送対象2を目標位置まで搬送する時間を短縮できる。
【0113】
傾き検出部160が傾きを検出する搬送対象2の少なくとも一部は、一対の車輪22を結ぶ直線L1に限定されず、搬送対象2の本体10の一部、本体10に設けられる反射板等でもよい。
【0114】
また、傾き検出部160は、測域センサを備えるものに限定されず、例えば可視光カメラで撮影した画像をもとに搬送対象2の傾きを検出してもよいし、距離画像センサを用いて取得した距離画像をもとに搬送対象2の傾きを検出してもよい。
【0115】
本開示における搬送ロボット制御システム100は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における搬送ロボット制御システム100としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0116】
また、搬送ロボット制御システム100における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは搬送ロボット制御システム100に必須の構成ではなく、搬送ロボット制御システム100の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、搬送ロボット制御システム100の少なくとも一部の機能、例えば、制御部17の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0117】
上記の実施形態において、搬送対象2の少なくとも一部の傾きの基準値との比較等において、「未満」としているところは「以下」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「未満」か「以下」かに技術上の差異はない。同様に、「以上」としているところは「より大きい」であってもよい。
【0118】
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様の搬送ロボット制御システム(100)は、傾き検出部(160)と、姿勢変更部(175)と、移動制御部(171)と、を備える。傾き検出部(160)は、搬送ロボット(1)が搬送する搬送対象(2)の少なくとも一部の傾きを検出する。姿勢変更部(175)は、傾き検出部(160)の検出結果に基づいて、搬送ロボット(1)の移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する。移動制御部(171)は、搬送ロボット(1)を、第2姿勢を維持した状態で搬送対象(2)まで移動させる。
【0119】
この態様によれば、搬送対象(2)が搬送ロボット(1)の移動方向に対して傾いて配置されている場合でも、搬送ロボット(1)の姿勢を第2姿勢に変更することで搬送対象(2)を把持しやすくなるという利点がある。
【0120】
第2の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第1の態様において、搬送ロボット(1)は、第2姿勢で搬送対象(2)と対向した状態で、搬送対象(2)を把持する。
【0121】
この態様によれば、搬送ロボット(1)が搬送対象(2)を把持しやすくなるという利点がある。
【0122】
第3の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第1又は第2の態様において、移動制御部(171)が搬送ロボット(1)を誘導する誘導方式は、誘導路(M1)に沿って搬送ロボット(1)を移動させる第1誘導方式を含む。搬送対象(2)は、誘導路(M1)の端点(E1)に配置される。傾き検出部(160)は、誘導路(M1)に対する搬送対象(2)の少なくとも一部の傾きを検出する。
【0123】
この態様によれば、搬送ロボット(1)を搬送対象(2)まで正確に誘導することができる。
【0124】
第4の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第3の態様において、傾き検出部(160)は、搬送ロボット(1)が第1誘導方式によって移動しているときに、搬送対象(2)の少なくとも一部の傾きを検出する。
【0125】
この態様によれば、第1誘導方式での移動中は搬送ロボット(1)が誘導路(M1)に沿った状態であるため、誘導路(M1)に対する搬送対象(2)の少なくとも一部の傾きを、正確に検出することができる。
【0126】
第5の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第3又は第4の態様において、誘導方式は、搬送ロボット(1)の現在位置の検出結果に基づいて搬送ロボット(1)を移動させる第2誘導方式を含む。搬送ロボット制御システム(100)は、誘導方式を、第1誘導方式及び第2誘導方式のいずれかに切り替える設定部(174)を更に有する。
【0127】
この態様によれば、搬送ロボット(1)が誘導路(M1)から離れている場合は、第1誘導方式で移動する場合に比べて早い速度で搬送ロボット(1)を移動させることができる。また、搬送ロボット(1)が誘導路(M1)を検知した場合は、第2誘導方式で移動する場合に比べて高い精度で搬送ロボット(1)を移動させることができる。
【0128】
第6の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第3~第5のいずれかの態様において、移動制御部(171)は、搬送ロボット(1)が搬送対象(2)を把持した後に、搬送ロボット(1)を、第2姿勢を維持した状態で、第1誘導方式によって移動させる。
【0129】
この態様によれば、搬送対象(2)を把持した後に、搬送ロボット(1)の姿勢を変更する時間を削減できる。
【0130】
第7の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第3~第5のいずれかの態様において、姿勢変更部(175)は、搬送ロボット(1)が搬送対象(2)を把持した後に、搬送ロボット(1)を、第2姿勢から第1姿勢に変更する。移動制御部(171)は、搬送ロボット(1)を、第1姿勢で、第1誘導方式によって移動させる。
【0131】
この態様によれば、搬送対象(2)を把持した後に、搬送ロボット(1)が、安定な姿勢で、搬送対象(2)を搬送することができる。
【0132】
第8の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第1~第7のいずれかの態様において、搬送対象(2)は、一対の車輪(22)を備える。傾き検出部(160)は、一対の車輪(22)を結ぶ直線(L1)の方向と搬送ロボット(1)の移動方向とが為す角度を傾きとして検出する。
【0133】
この態様によれば、搬送対象(2)の移動機構の一部である一対の車輪(22)を、搬送対象(2)の傾きの検出に利用することができ、搬送対象(2)の前面(201)の方向を検出することができる。
【0134】
第9の態様の搬送ロボット制御システム(100)は、第1~第8のいずれかの態様において、誘導路(M1)に対する搬送ロボット(1)の傾きを検出する一対の傾きセンサ(164)を有する。一対の傾きセンサ(164)は、搬送ロボット(1)の基準点(P1)を基準として対称に配置されている。
【0135】
この態様によれば、誘導路(M1)に対する搬送ロボット(1)の傾きを精度良く検出することができる。
【0136】
第10の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第1~第9のいずれかの態様において、搬送対象(2)は、一対の被把持部(21)を備える。搬送ロボット(1)は、一対の被把持部(21)と各々対応して設けられる一対の把持部(11)を備える。搬送ロボット(1)は、一対の被把持部(21)の間に一対の把持部(11)が挿入される位置に移動した状態で、一対の把持部(11)の間隔を広げて、一対の把持部(11)を一対の被把持部(21)に各々接触させることによって搬送対象(2)を把持する。
【0137】
この態様によれば、搬送ロボット(1)と搬送対象(2)とが2箇所で接触することにより、搬送対象(2)を安定的に把持することができる。
【0138】
第11の態様の搬送ロボット制御システム(100)では、第1~第10のいずれかの態様において、第2姿勢では、搬送ロボット(1)の移動方向に対する搬送対象(2)の傾きと、搬送ロボット(1)の移動方向に対する搬送ロボット(1)の傾きが同じである。
【0139】
この態様によれば、搬送ロボット(1)は、搬送対象(2)と略平行な状態で搬送対象(2)を把持することができるため、搬送対象(2)を把持しやすくなる。
【0140】
第12の態様の搬送ロボット制御方法は、傾き検出ステップと、姿勢変更ステップと、移動制御ステップと、を含む。傾き検出ステップでは、搬送ロボット(1)の搬送対象(2)の少なくとも一部の傾きを検出する。姿勢変更ステップでは、傾き検出ステップにおける検出結果に基づいて、搬送ロボット(1)の移動方向に対する姿勢を第1姿勢から第1姿勢とは異なる第2姿勢に変更する。移動制御ステップでは、搬送ロボット(1)を、第2姿勢を維持した状態で搬送対象(2)まで移動させる。
【0141】
この態様によれば、搬送対象(2)が搬送ロボット(1)の移動方向に対して傾いて配置されている場合でも、搬送対象(2)を把持しやすくなるという利点がある。
【0142】
第13の態様の搬送ロボット制御方法では、第12の態様において、搬送ロボット(1)は、第2姿勢で搬送対象(2)と対向した状態で、搬送対象(2)を把持する。
【0143】
この態様によれば、搬送ロボット(1)が搬送対象(2)を把持しやすくなるという利点がある。
【0144】
なお、第2~第10の態様は、搬送ロボット制御システム(100)に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。また、第12の態様は、搬送ロボット制御方法に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【符号の説明】
【0145】
1 搬送ロボット
2 搬送対象
11 把持部
21 被把持部
22 車輪
100 搬送ロボット制御システム
160 傾き検出部
164 傾きセンサ
171 移動制御部
174 設定部
175 姿勢変更部
201 前面
E1 端点
L1 直線
M1 誘導路
P1 基準点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12