(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154370
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】送風装置付き溶接保護面
(51)【国際特許分類】
A61F 9/06 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
A61F9/06 340A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022071944
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】522165315
【氏名又は名称】有限会社北園鉄工
(72)【発明者】
【氏名】北ノ園 博文
(57)【要約】
【課題】 この発明は、溶接保護面に設けた送風装置で防塵マスク付近にきれいな空気を送り溶接保護面内に入り込む溶接ヒュームを減少させる、送風装置付き溶接保護面を提供する。
【解決手段】(ィ) 溶接保護面の本体(1)に送風装置(3)と小型携帯電池(5)を装着した事を特徴とする。
(ロ) 溶接保護面(1)の内面上部に送風装置(3)に固定する。回動によって、自由に風向を変化させる事を特徴とする。
(ハ) 溶接保護面(1)の内面に送風装置(3)を固定する。風力を変化する装置を設け、最適な風力に設定できる事を特徴とする。
(二) 溶接保護面(1)の内部に送風装置(3)を設け、風を下向きにすることによって、溶接ヒューム(9)の侵入を防ぐ事を特徴とする。
本発明は、以上の構成よりなる送風機付き溶接保護面である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接保護面本体(1)の内面上部に送風装置(3)と小型携帯電池(5)を設けた事を特徴とする送風装置付き溶接保護面である。
【請求項2】
溶接保護面の本体(1)の内面上部に送風装置(3)を固定し、回動することによって、最適な風向を変化させることができる[請求項1]に記載する送風装置付き溶接保護面である。
【請求項3】
送風装置(3)にフィルター(6)を設け、きれいな空気を吹き出す[請求項1]に記載する送風装置付き溶接保護面である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、溶接保護面の内面に風の流れをつくる送風装置を設けた、溶接保護面に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の溶接保護面は溶接時に発生する有害な光、紫外線や赤外線を目や皮膚から守るための溶接保護具である。
溶接作業時に発生する溶接ヒュームは工場の天井付近に設置されている全体換気装置や作業場の一角にある局部換気装置、作業者の呼吸を守る防塵マスクで対策している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(ィ) 溶接作業時に発生する溶接ヒュームは、空気中に微粒子となって浮遊する。この溶接ヒュームは有害性があり、長期渡り吸引すると神経障害や健康に関わる疾病が現れる。この溶接ヒュームは溶接時に上昇気流で溶接保護面内には入り込む事が課題である。
(ロ) 現在、溶接ヒューム対策は、工場内の全体換気、局所換気、集塵機、防塵マスクを使用し、健康被害の対策をしてきた。これらの対策では全体換気や集塵機は機械装置の換気口付近の溶接ヒュームは除去できるが、溶接作業者の防塵マスク付近の高濃度な溶接ヒュームの除去は困難である。局部換気でも、換気口の近くでは有効であるが、溶接材料が長尺になると、溶接場所が換気口から遠ざかり効果が薄まる。
高濃度の溶接ヒュームを防塵マスクのみで対処する事が課題である。
(ハ) 工場溶接の主流はシールドガスを用いた溶接法であり、強風時の溶接は内部に欠陥が入り、溶接不良を起こす場合がある。溶接作業場付近での工場用扇風機を作動させると同様に溶接の内部欠陥が発生することがある。よって溶接作業時の溶接個所への送風は厳禁であるため、風対策が課題である。
(二)溶接作業時は防塵マスク、溶接保護面、火傷や皮膚を守るための綿製の作業着、保護手袋と多くの装備を着用し作業をする。そのため夏場は暑さ対策が求められる。溶接作業時は顔や頭付近が高温になり、熱中症になりやすい。
本発明は、以上のような欠点を軽減するために考案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(ィ) 溶接保護面(1)内面上部に送風装置(3)と小型携帯電池(5)を装着した事を特徴とする送風装置付き溶接保護面である。
(ロ) 溶接保護面(1)の内面上部に送風装置(3)に固定する。回動によって、自由に風向を変化させることができる。
(ハ) 送風装置(3)に風力を変化する装置を設け、最適な風力に設定できる。
(二) 溶接保護面(1)の内部の送風装置(3)にフィルター(6)を設け、きれいな空気の流れを下向きにつくり、溶接ヒューム(9)の侵入を防ぐ。
本発明は、以上の構成よりなる送風機付き溶接保護面である。
【発明の効果】
【0006】
(ィ) 溶接保護面の内部に送風装置を装着し、溶接作業時の上昇気流で上がる溶接ヒュームが溶接保護面内の侵入を下向きの送風で軽減する。
(ロ) 送風装置にフィルターを設けたことによって、防塵マスク付近にきれいな空気を送り、防塵マスクの効果を高め、溶接作業者の健康被害対策をする。
(ハ) 溶接作業者が工場内外を問わず、また、溶接の種類に関わらず、手軽に使用でき、溶接ヒューム対策に適している。
(二) 夏場の暑い時期の溶接作業は頭や顔付近が高温になり、作業性に大きな影響を与える、顔付近の送風によって冷却効果が生まれ作業性の効果化が期待できる。
本発明は、以上のような効果を高めるために考案しました。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施をするための形態について説明する。
(ィ) 溶接保護面の本体(1)の内面上部に送風装置(3)と小型携帯電池(5)を設ける。
(ハ)送風装置(3)の固定を回動でき、最適な風向を設定できる形態である。
(二)溶接保護面の内面にあるスイッチ(8)を入れる。送風装置(3)にはフィルター(6)が設けてあり、きれいな空気を下向きに流す形態である。
本発明は、以上のような構造である。
本発明を使用するときは、溶接保護面の使用時に、溶接保護面(1)内面に装着さている送風装置(3)のスイッチ(8)を入れる。
溶接保護面内を送風装置(3)からきれいな空気を下向きに流す。
よって、防塵マスク(7)付近にきれいな空気を送風される。
溶接作業者は顔と溶接保護面(1)の角度や距離が同じではない為、最適な風向き角度、風量の調整できる。
【符号の説明】
【0009】
1 溶接保護面本体
2 遮光ガラス
3 送風装置(小型ブロアファン)
4 保持柄
5 小型携帯電池(モバイルバッテリー)
6 フィルター
7 防塵マスク
8 送風スイッチ
9 溶接ヒューム