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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154385
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】発声ユニット
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/00 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
H04R9/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199019
(22)【出願日】2022-12-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】202220769149.6
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】楊虎虎
(72)【発明者】
【氏名】魏威
(72)【発明者】
【氏名】印兆宇
(72)【発明者】
【氏名】陳志竹
【テーマコード(参考)】
5D012
【Fターム(参考)】
5D012AA02
5D012BA02
5D012BB01
5D012BB02
5D012BB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フレキシブル回路基板とボイスコイルとの間の結合強度が高く、脱離し難く、振動安定性が高い発声ユニットを提供する。
【解決手段】発声ユニットは、振動板、ボイスコイル及びフレキシブル回路基板23を備える。振動板は、ドーム及びエッジを備え、ドームには、ボイスコイルに向かって凹んで形成される凸部が設けられる。フレキシブル回路基板は、ボイスコイルに固定される内固定部231、フレームに固定される外固定部232及びそれらを接続する弾性部233を備える。内固定部は、弾性部に接続される第1固定部2311、第1固定部より振動板から離れる方向に屈曲して延伸する第2固定部2312及び第2固定部の第1固定部から離れる一端よりボイスコイルに向かって屈曲して延伸する第3固定部2313を備える。ボイスコイルは、振動板に向かう上端面及び振動板から離れる下端面を備え、上端面は凸部に、下端面は第3固定部に固定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発声ユニットであって、
前記発声ユニットは、フレーム、前記フレームに固定される振動システム及び磁気ギャップを有する磁気回路システムを備え、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定される磁気ヨーク及び前記磁気ヨークに固定される磁性鋼を備え、前記振動システムは、前記フレームに固定される振動板及び前記振動板に固定され且つ前記磁気ギャップ内に插入されて前記振動板を振動して発声させるボイスコイルを備え、
前記振動板は、中央に位置するドーム及び前記ドームを取り囲むエッジを備え、前記ドームは、前記ドームの前記ボイスコイルから離れる表面より前記ボイスコイルに向かって凹んで形成される凸部を備え、
前記振動システムは、前記ボイスコイルの前記振動板から離れる一端に固定されるフレキシブル回路基板を更に備え、前記フレキシブル回路基板は、前記ボイスコイルに固定される内固定部、前記フレームに固定される外固定部及び前記内固定部と前記外固定部とを接続する弾性部を備え、前記内固定部は、前記弾性部に接続される第1固定部、前記第1固定部より前記振動板から離れる方向に屈曲して延伸する第2固定部及び前記第2固定部の前記第1固定部から離れる一端より前記ボイスコイルに向かって屈曲して延伸する第3固定部を備え、前記ボイスコイルは、前記振動板に向かう上端面及び前記振動板から離れる下端面を備え、前記上端面は、前記凸部に固定され、前記下端面は、前記第3固定部に固定される、ことを特徴とする発声ユニット。
【請求項2】
前記下端面は、前記第3固定部の前記ボイスコイルに向かう表面に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の発声ユニット。
【請求項3】
前記ボイスコイルの厚さは、前記第3固定部の幅よりも小さい、ことを特徴とする請求項2に記載の発声ユニット。
【請求項4】
前記第2固定部と前記ボイスコイルの前記磁性鋼から離れる表面とが間隔をおいて設けられることで、接着剤を収容する接着剤収容溝が形成される、ことを特徴とする請求項3に記載の発声ユニット。
【請求項5】
前記第1固定部、前記第2固定部及び前記第3固定部は、一体成型される、ことを特徴とする請求項4に記載の発声ユニット。
【請求項6】
前記フレキシブル回路基板は、前記第1固定部の前記振動板から離れる表面に固定される第4固定部を更に備え、前記第2固定部、前記第3固定部及び前記第4固定部は、一体成型され、前記第4固定部は、前記第1固定部に接着される、ことを特徴とする請求項4に記載の発声ユニット。
【請求項7】
前記ボイスコイルはサーキット形を呈し、前記凸部は複数であり、複数の前記凸部はそれぞれ前記ボイスコイルの長軸方向及び短軸方向に沿って延伸して分布される、ことを特徴とする請求項4に記載の発声ユニット。
【請求項8】
前記第3固定部は、前記ボイスコイルの角位置に固定される、ことを特徴とする請求項7に記載の発声ユニット。
【請求項9】
前記磁性鋼は、前記磁気ヨークの中央に位置するメイン磁性鋼及び前記メイン磁性鋼の外周側に設けられ且前記メイン磁性鋼と前記磁気ギャップを形成するサブ磁性鋼を備え、
前記サブ磁性鋼は、前記ボイスコイルの長軸方向に沿った第1サブ磁性鋼及び前記ボイスコイルの短軸方向に沿った第2サブ磁性鋼を備え、前記第1サブ磁性鋼と前記第2サブ磁性鋼とは間隔をおいて設けられて収容隙間を形成し、前記第3固定部は前記収容隙間に収容されるように延伸する、ことを特徴とする請求項8に記載の発声ユニット。
【請求項10】
前記発声ユニットは、導電端子を更に備え、前記第1固定部の前記振動板に向かう表面上にははんだパッドが設けられ、前記ボイスコイルは前記導電端子により前記はんだパッドに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の発声ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響装置に関し、特に携帯型電子製品分野で使用される発声ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、携帯電話、携帯型ゲーム機、ナビゲーション機器、携帯型マルチメディアエンタテインメント機器等のポータブル家電製品がますます求められており、発声ユニットはこれらのポータブル家電製品に広く使用されている。このような幅広い用途には、発声ユニットの優れた性能と長い耐用年数が求められる。
【0003】
関連技術の発声ユニットは、外殻、振動システム及び磁気回路システムを備える。磁気回路システムは、通常磁気ヨーク及び磁性鋼を備える。振動システムは、通常ボイスコイル、ボイスコイルボビン、振動板及びフレキシブル回路基板を備える。ボイスコイルは、ボイスコイルボビンにより磁気回路システムの磁気ギャップ内に固定され、フレキシブル回路基板は、ボイスコイルに電気的に接続されるとともに、ボイスコイルを支持するものである。
【0004】
しかし、関連技術におけるボイスコイルボビンの使用は、振動システムの重量を増加させるため、振動板の振動発音性能に悪影響を与え、且つフレキシブル回路基板は通常ボイスコイルの側面に接着され、フレキシブル回路基板とボイスコイルとが分離するリスクが高く、発声ユニットの発声性能及び安定性に影響する。
【0005】
そのため、上記の問題を解決するために新しい発声ユニットを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題に基づき、本発明は、発声性能が優れ、安定性が高い発声ユニットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明は、発声ユニットであって、前記発声ユニットは、フレーム、前記フレームに固定される振動システム及び磁気ギャップを有する磁気回路システムを備え、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定される磁気ヨーク及び前記磁気ヨークに固定される磁性鋼を備え、前記振動システムは、前記フレームに固定される振動板及び前記振動板に固定され且つ前記磁気ギャップ内に插入されて前記振動板を振動して発声させるボイスコイルを備え、前記振動板は、中央に位置するドーム及び前記ドームを取り囲むエッジを備え、前記ドームは、前記ドームの前記ボイスコイルから離れる表面より前記ボイスコイルに向かって凹んで形成される凸部を備え、前記振動システムは、前記ボイスコイルの前記振動板から離れる一端に固定されるフレキシブル回路基板を更に備え、前記フレキシブル回路基板は、前記ボイスコイルに固定される内固定部、前記フレームに固定される外固定部及び前記内固定部と前記外固定部とを接続する弾性部を備え、前記内固定部は、前記弾性部に接続される第1固定部、前記第1固定部より前記振動板から離れる方向に屈曲して延伸する第2固定部及び前記第2固定部の前記第1固定部から離れる一端より前記ボイスコイルに向かって屈曲して延伸する第3固定部を備え、前記ボイスコイルは、前記振動板に向かう上端面及び前記振動板から離れる下端面を備え、前記上端面は、前記凸部に固定され、前記下端面は、前記第3固定部に固定される、ことを特徴とする発声ユニットを提供する。
【0008】
好ましくは、前記下端面は、前記第3固定部の前記ボイスコイルに向かう表面に固定される。
【0009】
好ましくは、前記ボイスコイルの厚さは、前記第3固定部の幅よりも小さい。
【0010】
好ましくは、前記第2固定部と前記ボイスコイルの前記磁性鋼から離れる表面とが間隔をおいて設けられることで、接着剤を収容する接着剤収容溝が形成される。
【0011】
好ましくは、前記第1固定部、前記第2固定部及び前記第3固定部は、一体成型される。
【0012】
好ましくは、前記フレキシブル回路基板は、前記第1固定部の前記振動板から離れる表面に固定される第4固定部を更に備え、前記第2固定部、前記第3固定部及び前記第4固定部は、一体成型され、前記第4固定部は、前記第1固定部に接着される。
【0013】
好ましくは、前記ボイスコイルはサーキット形を呈し、前記凸部は複数であり、複数の前記凸部はそれぞれ前記ボイスコイルの長軸方向及び短軸方向に沿って延伸して分布される。
【0014】
好ましくは、前記第3固定部は、前記ボイスコイルの角位置に固定される
【0015】
好ましくは、前記磁性鋼は、前記磁気ヨークの中央に位置するメイン磁性鋼及び前記メイン磁性鋼の外周側に設けられ且前記メイン磁性鋼と前記磁気ギャップを形成するサブ磁性鋼を備え、前記サブ磁性鋼は、前記ボイスコイルの長軸方向に沿った第1サブ磁性鋼及び前記ボイスコイルの短軸方向に沿った第2サブ磁性鋼を備え、前記第1サブ磁性鋼と前記第2サブ磁性鋼とは間隔をおいて設けられて収容隙間を形成し、前記第3固定部は前記収容隙間に収容されるように延伸する。
【0016】
好ましくは、前記発声ユニットは、導電端子を更に備え、前記第1固定部の前記振動板に向かう表面上にははんだパッドが設けられ、前記ボイスコイルは前記導電端子により前記はんだパッドに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の発声ユニット。
【0017】
従来技術に比較して本発明に係る発声ユニットでは、ボイスコイルを固定的に支持するために、振動板のドームに凹んで形成される凸部を設けることで、ボイスコイルボビンの使用を回避し、振動システム全体の重量を減少し、発声ユニットの発声性能を向上させる。また、フレキシブル回路基板とボイスコイルとを固定する位置に屈曲して延伸する第2固定部及び第3固定部を設け、第2固定部とボイスコイルの側面とを間隔をおいて設けて接着剤を収容するための接着剤収容溝を形成し、第3固定部がボイスコイルの底部を支持することで、ボイスコイルとフレキシブル回路基板との間の結合強度を有効に向上させ、フレキシブル回路基板とボイスコイルとが分離するリスクを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る発声ユニットの斜視図である。
図2】本発明に係る発声ユニットの分解図である。
図3】本発明に係る発声ユニットのフレキシブル回路基板の斜視図である。
図4図1におけるA-A線に沿った断面図である。
図5図4におけるB部分の拡大図である。
図6】本発明に係る発声ユニットのドーム及びボイスコイルの斜視図である。
図7】本発明に係る発声ユニットの部分構造斜視図である。
図8】本発明の他の実施例に係る発声ユニットの斜視図である。
図9図8における発声ユニットのフレキシブル回路基板の斜視図である。
図10図8におけるC-Cに沿った断面図である。
図11図10におけるD部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面及び具体的な実施形態を参照して本発明の技術手段について詳細に説明する。
【0020】
図1図7に示すように、本発明は、発声ユニット100を提供する。前記発声ユニット100は、フレーム1、前記フレーム1に固定される振動システム2及び磁気回路システム3を備える。
【0021】
前記振動システム2は、前記フレーム1に固定される振動板21及び前記振動板21に固定されるボイスコイル22を備える。前記ボイスコイル22は、前記振動板21を振動して発声するものであり、且つ前記ボイスコイル22は、サーキット状を呈する。
【0022】
前記磁気回路システム3は、前記フレーム1に固定される磁気ヨーク31及び前記磁気ヨーク31に固定される磁性鋼32を備える。具体的に、前記磁性鋼32は、前記磁気ヨーク31の中央に位置するメイン磁性鋼321及び前記メイン磁性鋼321の外周側に設けられ且つ前記メイン磁性鋼321と磁気ギャップを形成するサブ磁性鋼323を備える。具体的に、前記サブ磁性鋼323は、前記ボイスコイル22の長軸方向に沿った第1サブ磁性鋼3231及び前記ボイスコイル22の短軸方向に沿った第2サブ磁性鋼3232を備え、前記第1サブ磁性鋼3231と前記第2サブ磁性鋼3232とを間隔をおいて設けることで、収容隙間3233が設けられる。前記磁気回路システム3は、前記メイン磁性鋼321の前記振動板21に向かう表面に固定されるメインポーラーコア33及び前記フレーム1に固定的に接続されるサブポーラーコア34を更に備える。前記サブポーラーコア34は、前記第1サブ磁性鋼3231に固定される第1サブポーラーコア341、前記第2サブ磁性鋼3232に固定される第2サブポーラーコア342及び前記第1サブポーラーコア341と前記第2サブポーラーコア342とを接続する環状の接続部材343を備え、前記接続部材343は、前記フレーム1に固定される。
【0023】
前記発声ユニット100は、前記磁気ヨーク31の外側に固定される鋼板4を更に備える。
【0024】
前記振動システム2において、前記ボイスコイル22は、磁気ギャップ内に插設され、通電すると前記磁性鋼32と作用して前記振動板21を振動して発声する。更に、前記振動板21は、中央に位置するドーム211及び前記ドーム211を取り囲むエッジ212を備え、前記エッジ212の外縁は、前記フレーム1に固定される。なお、前記ボイスコイル22は、前記振動板21に向かう上端面221及び前記振動板21から離れる下端面222を備える。前記ボイスコイル22をより良く支持するために、前記ドーム211上には、前記ドーム211の前記ボイスコイル22から離れる表面より前記ボイスコイル22に向かって凹んで形成される凸部2111が設けられ、前記ボイスコイル22の前記上端面221は、前記凸部2111に固定される。本発明では、ドーム211において直接凹んでボイスコイル22を固定するための凸部2111を形成することで、従来のボイスコイルボビンの使用を回避することができ、素子の使用を削減するとともに、製造コストを削減し、振動システム2の重量を減少し、振動システム2の発声性能の向上させることができる。
【0025】
具体的に、図6に示すように、本実施例において、前記凸部2111は4つであり、1つの前記凸部2111に前記ボイスコイル22の各長軸方向が固定され、1つの前記凸部2111に各短軸方向が固定される。その他の実施例において、前記凸部2111は、環状であってもよく、前記ボイスコイル22の長軸方向及び短軸方向に沿って間隔をおいて分布される複数であっても良いが、これに限定されるものではない。
【0026】
前記ボイスコイル22の振動安定性を更に確保するために、前記振動システム2は、前記ボイスコイル22の前記振動板21から離れる一端に固定されるフレキシブル回路基板23を更に備える。具体的に、図2図5に示すように、前記フレキシブル回路基板23は、前記ボイスコイル22に固定される内固定部231、前記フレーム1に固定される外固定部232及び前記内固定部231と前記外固定部232とを接続する弾性部233を備える。前記内固定部231は、前記弾性部233に接続される第1固定部2311、前記第1固定部2311より前記振動板21から離れる方向に屈曲して延伸する第2固定部2312及び前記第2固定部2312の前記第1固定部2311から離れる一端より前記ボイスコイル22に向かって屈曲して延伸する第3固定部2313を備える。従来技術のフレキシブル回路基板がボイスコイルの側面にのみ固定される形態とは異なり、本実施例において、前記ボイスコイル22の前記下端面222は、前記第3固定部2313の前記振動板21に向かう表面に固定される。即ち、前記フレキシブル回路基板23の前記第3固定部2313は、前記ボイスコイル22の底部を支持し、ボイスコイル22とフレキシブル回路基板23との間の結合強度を向上させ、脱離を回避し、振動システム2の振動安定性を向上させる。前記ボイスコイル22をより均等に支持するために、前記フレキシブル回路基板23は4つである。即ち、4つの前記第3固定部2313は、それぞれ前記ボイスコイル22の4つ角位置に固定される。前記第3固定部2313は、前記磁気回路システム3の前記収容隙間3233内に収容されるように延伸する。また、前記発声ユニット100は、導電端子5を更に備え、前記フレキシブル回路基板23における前記第1固定部2311の前記振動板21に向かう表面にははんだパッド23111が設けられ、前記ボイスコイル22は、前記導電端子5により前記はんだパッド23111に接続され、更に前記フレキシブル回路基板23により外部回路に電気的に接続される。
【0027】
好ましくは、前記ボイスコイル22の厚さは、前記第3固定部2313の幅よりも小さい。即ち、前記第3固定部2313は、前記ボイスコイル22の厚さ方向において前記ボイスコイル22の下端面222を完全に覆って支持可能である。なお、前記ボイスコイル22の厚さは図6のD2で示す通りであり、前記第3固定部2313の幅は図3のD1で示す通りである。これに基づき、前記第2固定部2312と前記ボイスコイル22の前記メイン磁性鋼321から離れる表面とは、間隔をおいて設けられることで、接着剤を収容するための接着剤収容溝を形成し、その中に填充接着剤を充填してボイスコイル22とフレキシブル回路基板23との間の結合強度を更に向上させる。
【0028】
本実施例において、前記第1固定部2311、前記第2固定部2312及び前記第3固定部2313は一体成型され、全体の前記フレキシブル回路基板23は均一な材質からなる。
【0029】
図8図11に示すように、他の実施例により提供される発声ユニット200において、下記相違点以外は、上記の実施例と同一である。当該相違点は、前記フレキシブル回路基板23が固定于前記第1固定部2311の前記振動板21から離れる表面に固定される第4固定部2314を更に備え、前記第2固定部2312、前記第3固定部2313及び前記第4固定部2314は一体成型され、前記第4固定部2314は前記第1固定部2311の前記振動板21から離れる表面に接着されるものである。なお、前記第2固定部2312、前記第3固定部2313及び前記第4固定部2314は鋼板から一体的に屈曲して成型され、前記第1固定部2311の材質とは異なる。
【0030】
従来技術に比較して本発明に係る発声ユニットでは、ボイスコイルを固定的に支持するために、振動板のドームに凹んで形成される凸部を設けることで、ボイスコイルボビンの使用を回避し、振動システム全体の重量を減少し、発声ユニットの発声性能を向上させる。また、フレキシブル回路基板とボイスコイルとを固定する位置に屈曲して延伸する第2固定部及び第3固定部を設け、第2固定部とボイスコイルの側面とを間隔をおいて設けて接着剤を収容するための接着剤収容溝を形成し、第3固定部がボイスコイルの底部を支持することで、ボイスコイルとフレキシブル回路基板との間の結合強度を有効に向上させ、フレキシブル回路基板とボイスコイルとが分離するリスクを回避することができる。
【0031】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、当業者であれば本発明の思想から逸脱することなく改良可能であるが、いずれも本発明の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発声ユニットであって、
前記発声ユニットは、フレーム、前記フレームに固定される振動システム及び磁気ギャップを有する磁気回路システムを備え、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定される磁気ヨーク及び前記磁気ヨークに固定される磁性鋼を備え、前記振動システムは、前記フレームに固定される振動板及び前記振動板に固定され且つ前記磁気ギャップ内に挿入されて前記振動板を振動して発声させるボイスコイルを備え、
前記振動板は、中央に位置するドーム及び前記ドームを取り囲むエッジを備え、前記ドームは、前記ドームの前記ボイスコイルから離れる表面より前記ボイスコイルに向かって凹んで形成される凸部を備え、
前記振動システムは、前記ボイスコイルの前記振動板から離れる一端に固定されるフレキシブル回路基板を更に備え、前記フレキシブル回路基板は、前記ボイスコイルに固定される内固定部、前記フレームに固定される外固定部及び前記内固定部と前記外固定部とを接続する弾性部を備え、前記内固定部は、前記弾性部に接続される第1固定部、前記第1固定部より前記振動板から離れる方向に屈曲して延伸する第2固定部及び前記第2固定部の前記第1固定部から離れる一端より前記ボイスコイルに向かって屈曲して延伸する第3固定部を備え、前記ボイスコイルは、前記振動板に向かう上端面及び前記振動板から離れる下端面を備え、前記上端面は、前記凸部に固定され、前記下端面は、前記第3固定部に固定される、ことを特徴とする発声ユニット。
【請求項2】
前記下端面は、前記第3固定部の前記ボイスコイルに向かう表面に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の発声ユニット。
【請求項3】
前記ボイスコイルの厚さは、前記第3固定部の幅よりも小さい、ことを特徴とする請求項2に記載の発声ユニット。
【請求項4】
前記第2固定部と前記ボイスコイルの前記磁性鋼から離れる表面とが間隔をおいて設けられることで、接着剤を収容する接着剤収容溝が形成される、ことを特徴とする請求項3に記載の発声ユニット。
【請求項5】
前記第1固定部、前記第2固定部及び前記第3固定部は、一体成型される、ことを特徴とする請求項4に記載の発声ユニット。
【請求項6】
前記フレキシブル回路基板は、前記第1固定部の前記振動板から離れる表面に固定される第4固定部を更に備え、前記第2固定部、前記第3固定部及び前記第4固定部は、一体成型され、前記第4固定部は、前記第1固定部に接着される、ことを特徴とする請求項4に記載の発声ユニット。
【請求項7】
前記ボイスコイルはサーキット形を呈し、前記凸部は複数であり、複数の前記凸部はそれぞれ前記ボイスコイルの長軸方向及び短軸方向に沿って延伸して分布される、ことを特徴とする請求項4に記載の発声ユニット。
【請求項8】
前記第3固定部は、前記ボイスコイルの角位置に固定される、ことを特徴とする請求項7に記載の発声ユニット。
【請求項9】
前記磁性鋼は、前記磁気ヨークの中央に位置するメイン磁性鋼及び前記メイン磁性鋼の外周側に設けられかつ前記メイン磁性鋼と前記磁気ギャップを形成するサブ磁性鋼を備え、
前記サブ磁性鋼は、前記ボイスコイルの長軸方向に沿った第1サブ磁性鋼及び前記ボイスコイルの短軸方向に沿った第2サブ磁性鋼を備え、前記第1サブ磁性鋼と前記第2サブ磁性鋼とは間隔をおいて設けられて収容隙間を形成し、前記第3固定部は前記収容隙間に収容されるように延伸する、ことを特徴とする請求項8に記載の発声ユニット。
【請求項10】
前記発声ユニットは、導電端子を更に備え、前記第1固定部の前記振動板に向かう表面上にははんだパッドが設けられ、前記ボイスコイルは前記導電端子により前記はんだパッドに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の発声ユニット。