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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154398
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20231012BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20231012BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20231012BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
H01F27/29 P
H01F27/29 F
H01F27/32 103
H01F17/04 F
H01F17/04 A
H01F37/00 A
H01F37/00 C
H01F37/00 F
H01F37/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024512
(22)【出願日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0042981
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ フン
(72)【発明者】
【氏名】カン、イン ヨウン
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070BA11
5E070BB03
5E070CA03
5E070DA13
5E070DB02
5E070EA01
5E070EA06
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】本発明は、コイル部品に関する。
【解決手段】本発明の一態様によるコイル部品は、一面に突出したコアを有するモールド部、及び上記モールド部の一面に配置されたカバー部を含み、互いに向かい合う第1面及び第2面、上記第1面及び上記第2面を連結し、互いに向かい合う第3面及び第4面、上記第1面~上記第4面を連結し、互いに向かい合う第5面及び第6面を有する本体と、上記モールド部と上記カバー部との間に配置され、上記コアを中心に巻き取られた巻き取り部、上記モールド部の側面に配置され、上記本体の上記第6面に露出する引き出し部、及び上記巻き取り部と上記引き出し部を連結する連結部を有する巻線コイルと、上記本体の上記第6面に配置され、上記引き出し部と連結される外部電極と、を含み、上記引き出し部は、上記巻き取り部の巻軸と並んで配置されることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に突出したコアを有するモールド部、及び前記モールド部の一面に配置されたカバー部を含み、第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面を連結し、第2方向に互いに向かい合う第3面及び第4面、前記第1面~前記第4面を連結し、互いに向かい合う第5面及び第6面を有する本体と、
前記モールド部と前記カバー部との間に配置され、前記コアを中心に巻き取られた巻き取り部、前記モールド部の側面に配置され、前記本体の前記第6面に露出する引き出し部、及び前記巻き取り部と前記引き出し部を連結する連結部を有する巻線コイルと、
前記本体の前記第6面に配置され、前記引き出し部と連結される外部電極と、を含み、
前記引き出し部は、前記巻き取り部の巻軸と並んで配置される、コイル部品。
【請求項2】
前記連結部は、前記本体の前記第6面に垂直な方向に配置され、前記引き出し部は、前記巻き取り部の巻軸方向に配置されて前記外部電極と接続される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記外部電極は、前記引き出し部及び前記カバー部の側面と接する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記外部電極は、前記巻き取り部の巻軸に垂直な前記本体の前記第3面から離隔する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1方向に垂直な断面上において、前記本体の前記第2方向に沿った幅に対する前記巻き取り部の前記第2方向に沿った幅の比は1/3以上である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記本体の前記第3面と前記第4面との間の幅に対する、前記引き出し部の長さの比が1/7以上1/4以下である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記外部電極は、前記本体の前記第3面及び前記第4面からそれぞれ離隔する、請求項6に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記外部電極は、前記本体の前記第1面及び前記第2面からそれぞれ離隔する、請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記外部電極は、前記本体の前記第6面に互いに離隔して配置された第1外部電極及び第2外部電極を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記モールド部の側面に前記引き出し部を収容する溝部が形成される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記溝部は、前記巻き取り部の巻軸に並ぶ方向に形成される、請求項10に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記溝部と前記外部電極との間に前記引き出し部が配置される、請求項10に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記本体の前記第6面は、前記モールド部の側面及び前記カバー部の側面を含む、請求項10に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記外部電極は、前記モールド部及び前記カバー部と接する、請求項10に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記モールド部は、前記コアが中央部に配置され、前記カバー部と接するベース部をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記ベース部は、前記カバー部と接する一面に傾斜が形成され、前記ベース部の互いに向かい合う一面と他面との間の距離が、前記ベース部の中央部から外側に行くに従って増加する、請求項15に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記連結部は、前記巻き取り部から前記ベース部の一面の傾斜に沿って延びる、請求項16に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記巻線コイルは導電性金属で形成され、前記外部電極と接する部分を除いた残りの部分は、表面が絶縁性コーティング層でコーティングされる、請求項1から17のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品を製造するために、磁性モールドと巻線型コイルを用いる場合がある。
【0003】
コイル部品は、限定された空間に設けられるために、小型化及び薄型化(low-profile)が求められている。
【0004】
小型化及び薄型化されたコイル部品を用いながらも、高容量特性を有し、隣接する部品とのショートを防止して集積化に有利なコイル部品が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-121013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態による目的の1つは、小型化及び薄型化が可能でありながらも、有効体積を確保し、高容量特性を実現することができるコイル部品を提供することにある。
【0007】
本発明の実施形態による目的の他の1つは、プリント回路基板に実装時に隣接した部品とのショートが防止され、集積化に有利なコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、一面に突出したコアを有するモールド部、及び上記モールド部の一面に配置されたカバー部を含み、互いに向かい合う第1面及び第2面、上記第1面及び上記第2面を連結し、互いに向かい合う第3面及び第4面、上記第1面~上記第4面を連結し、互いに向かい合う第5面及び第6面を有する本体と、上記モールド部と上記カバー部との間に配置され、上記コアを中心に巻き取られた巻き取り部、上記モールド部の側面に配置され、上記本体の上記第6面に露出する引き出し部、及び上記巻き取り部と上記引き出し部を連結する連結部を有する巻線コイルと、上記本体の上記第6面に配置され、上記引き出し部と連結される外部電極と、を含み、上記引き出し部は、上記巻き取り部の巻軸と並んで配置されている、コイル部品が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によると、小型化及び薄型化が可能でありながらも、有効体積を確保し、高容量特性を有するコイル部品を提供することができる。
【0010】
本発明の他の実施形態によると、プリント回路基板に実装時に隣接した部品とのショートが防止され、集積化に有利なコイル部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
図2図1の下部斜視図である。
図3図1の分解斜視図である。
図4図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。
図5図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
図6図1のA方向から見た側面図である。
図7図1のB方向から見た底面図である。
図8】本発明の第2実施形態によるコイル部品のモールド部を示した図である。
図9】本発明の第2実施形態によるコイル部品を示す図であって、図5に対応する図である。
図10】本発明の第3実施形態によるコイル部品を示す図であって、図4に対応する図である。
図11】U字状の外部電極を有するコイル部品の実装時の間隔を示した図である。
図12】L字状の外部電極を有するコイル部品の実装時の間隔を示した図である。
図13】本発明のように実装面にのみ外部電極が配置されたコイル部品の実装時の間隔を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願で用いられた用語は、特定の実施形態を説明するために用いられたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性をあらかじめ排除するものではないと理解されるべきである。そして、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0013】
また、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触される場合のみを意味するのではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触されている場合も包括する概念で用いられる。
【0014】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであるため、本発明が必ずしも示されたものに限定されるものではない。
【0015】
図面において、L方向は第1方向または長さ方向、W方向は第2方向または幅方向、T方向は第3方向または厚さ方向と定義されることができる。
【0016】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素には同一の図面番号を付け、これについての重複説明は省略する。
【0017】
電子機器には種々の電子部品が用いられるが、かかる電子部品の間には、ノイズの除去などを目的として種々のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0018】
すなわち、電子機器において、コイル部品は、パワーインダクター(Power Inductor)、高周波インダクター(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本発明の一実施形態によるコイル部品1000を概略的に示す斜視図であり、図2図1の下部斜視図であり、図3図1の分解斜視図であり、図4図1のI-I'線に沿った断面を示す図であり、図5図1のII-II'線に沿った断面を示す図であり、図6図1のA方向から見た側面図であり、図7図1のB方向から見た底面図である。
【0020】
図1から図7を参照すると、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000は、モールド部100とカバー部200を有する本体10と、巻き取り部310、引き出し部331、332、及び連結部321、322を有する巻線コイル300と、外部電極400、500と、を含むことができる。
【0021】
本体10は、モールド部100及びカバー部200を含む。モールド部100は、ベース部110及びコア120を含むことができる。
【0022】
本体10は、本実施形態によるコイル部品1000の外観を成すものであって、内部に巻線コイル300を埋設する。
【0023】
本体10は、全体的に六面体形状を有することができる。
【0024】
本体10は、図1の方向を基準として、長さ方向(L)に互いに向かい合う第1面101及び第2面102、幅方向(W)に互いに向かい合う第3面103及び第4面104、厚さ方向(T)に互いに向かい合う第5面105及び第6面106を含む。本体10の第1面~第4面101、102、103、104はそれぞれ、本体10の第5面105及び第6面106を連結する本体10の壁面に該当する。以下で、本体10の両端面は本体10の第1面101及び第2面102を意味し、本体10の両側面は本体10の第3面103及び第4面104を意味し、本体10の一面及び他面は本体10の第6面106及び第5面105を意味し得る。
【0025】
本体10は、例示的に、後述の外部電極400、500が形成された本実施形態によるコイル部品1000が、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、及び0.8mmの厚さを有するように形成されるか、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されるか、1.0mmの長さ、0.7mmの幅、及び0.8mmの厚さを有するように形成されるか、1.0mmの長さ、0.6mmの幅、及び0.8mmの厚さを有するように形成されるか、1.0mmの長さ、0.5mmの幅、及び0.8mmの厚さを有するように形成されるか、1.0mmの長さ、0.5mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されるか、1.0mmの長さ、0.5mmの幅、及び0.6mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。一方、コイル部品1000の長さ、幅、及び厚さについての前述の例示的な数値は、工程誤差を反映していない数値であるため、工程誤差と認められる範囲の数値は、上述の例示的な数値に該当するとすべきである。
【0026】
上述のコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部から取った長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡画像またはSEM(Scanning Electron Microscope)画像を基準に、上記画像に示されたコイル部品1000の長さ方向(L)に向かい合う2本の最外側境界線を長さ方向(L)に平行に連結し、厚さ方向(T)に互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味し得る。または、コイル部品1000の長さは、上述の複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味し得る。または、コイル部品1000の長さは、上述の複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3個以上の算術平均値を意味し得る。ここで、長さ方向(L)に平行な複数の線分は、厚さ方向(T)に互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0027】
上述のコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部から取った長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡画像またはSEM(Scanning Electron Microscope)画像を基準に、上記画像に示されたコイル部品1000の厚さ方向(T)に向かい合う2本の最外側境界線を厚さ方向(T)に平行に連結し、長さ方向(L)に互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味し得る。または、コイル部品1000の厚さは、上述の複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味し得る。または、コイル部品1000の厚さは、上述の複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3個以上の算術平均値を意味し得る。ここで、厚さ方向(T)に平行な複数の線分は、長さ方向(L)に互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0028】
上述のコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の厚さ方向(T)の中央部から取った長さ方向(L)-幅方向(W)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡画像またはSEM(Scanning Electron Microscope)画像を基準に、上記画像に示されたコイル部品1000の幅方向(W)に向かい合う2本の最外側境界線を幅方向(W)に平行に連結し、長さ方向(L)に互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味し得る。または、コイル部品1000の幅は、上述の複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味し得る。または、コイル部品1000の幅は、上述の複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3個以上の算術平均値を意味し得る。ここで、幅方向(W)に平行な複数の線分は、長さ方向(L)に互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0029】
または、コイル部品1000の長さ、幅、及び厚さはそれぞれ、マイクロメータ測定法により測定されてもよい。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータで零点を設定し、マイクロメータのチップ(tip)の間に本実施形態によるコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法によりコイル部品1000の長さを測定するにあたり、コイル部品1000の長さは、1回測定された値を意味してもよく、複数回測定された値の算術平均を意味してもよい。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用可能である。
【0030】
本体10は、モールド部100と、モールド部100の一面上に配置されたカバー部200と、を含むことができる。
【0031】
図1から図3を参照すると、カバー部200は、モールド部100の一面に配置され、モールド部100の他面を除いた全表面を囲む。したがって、本体10の第1面101、第2面102、第4面104、第5面105、第6面106はカバー部200により形成され、本体10の第3面103はモールド部100とカバー部200により形成されることができる。
【0032】
すなわち、カバー部200の側面は、本体10の第1面101、第2面102、第5面105、及び第6面106を構成することができる。例えば、本体10の第6面106は、カバー部200の側面を含むことができる。
【0033】
また、カバー部200の一面(図1の方向を基準としてカバー部200の上面)は本体10の第4面104を構成し、モールド部100の他面(図1の方向を基準としてモールド部100の下面)は本体10の第3面103を構成する。以下では、モールド部100の他面及び本体10の第3面103を同一の意味で用いる。
【0034】
モールド部100は、互いに向かい合う一面及び他面と、一面及び他面を連結する複数の側面とを有する。
【0035】
モールド部100は、ベース部110及びコア120を含むことができる。
【0036】
ベース部110は巻線コイル300を支持する。
【0037】
コア120は、巻線コイル300を貫通する形態で、ベース部110の一面の中央部に突出した形態で配置される。上記の理由から、本明細書において、モールド部100の一面及び他面は、それぞれベース部110の一面及び他面と同一の意味で用いられる。
【0038】
ベース部110の厚さ(W方向のサイズ)は200μm以上であることができる。ベース部110の厚さが200μm未満である場合、剛性を確保することが困難である恐れがある。コア120の厚さは150μm以上であることができるが、これに制限されるものではない。
【0039】
カバー部200はモールド部100及び後述の巻線コイル300を覆う。カバー部200は、モールド部100のベース部110及びコア120と、巻線コイル300との上に配置された後加圧され、モールド部100に結合されることができる。
【0040】
モールド部100及びカバー部200のうち少なくとも1つは磁性物質を含むことができる。本実施形態では、モールド部100及びカバー部200が両方とも磁性物質を含む。モールド部100は、モールド部100を形成するための金型に磁性物質を充填して形成されることができる。または、モールド部100は、金型に磁性物質と絶縁樹脂を含む複合物質を充填することで形成されることができる。金型内の磁性物質または複合物質に高温及び高圧を加える成形工程をさらに行うことができるが、これに制限されるものではない。
【0041】
モールド部100またはカバー部200に含まれている磁性物質は、フェライトまたは金属磁性粉末であることができる。
【0042】
フェライト粉末は、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトのうち少なくとも1つ以上であることができる。
【0043】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される何れか1つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも1つ以上であることができる。
【0044】
金属磁性粉末は非晶質または結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末はFe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0045】
フェライト及び金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が約0.1μm~30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0046】
モールド部100とカバー部200はそれぞれ、2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類であるということは、磁性物質が、平均直径、組成、結晶性、及び形状のうち何れか1つによって互いに区別されることを意味する。
【0047】
絶縁樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独でまたは混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0048】
巻線コイル300は本体10に埋設され、コイル部品の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル部品1000がパワーインダクターとして活用される場合、巻線コイル300は、電場を磁場として貯蔵して出力電圧を維持することで、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0049】
巻線コイル300は本体10の内部に配置され、第1引き出し部331及び第2引き出し部332が本体10の表面に露出する。
【0050】
図1から図3を参照すると、巻線コイル300は、モールド部100とカバー部200との間に配置されており、コア120を中心に巻き取られた巻き取り部310と、モールド部100の側面に配置されて本体10の第6面106に露出する引き出し部331、332と、巻き取り部310及び引き出し部331、332を互いに連結する連結部321、322と、を含むことができる。
【0051】
図1から図5を参照すると、巻線コイル300は空芯コイルであり、断面が円形である金属ワイヤMWから構成されることができ、平角コイルから構成されてもよいが、これに制限されるものではない。
【0052】
巻線コイル300は、導電性金属が巻線されて形成され、後述の外部電極400、500と接する部分を除いた残りの部分が絶縁性コーティング層CLでコーティングされる。具体的に、巻線コイル300は、金属線及び金属線の表面を被覆する絶縁性コーティング層CLを含む銅ワイヤ(Cu-wire)などの金属ワイヤMWをスパイラル(spiral)状に巻いて形成されることができる。したがって、巻線コイル300の複数のターン(turn)のそれぞれの表面全体は絶縁性コーティング層CLでコーティングされる。
【0053】
図4を参照すると、金属ワイヤMWは、断面が円形である導線であることができるが、これに制限されるものではない。一方、平角線で巻線コイル300を形成した場合、巻線コイル300は各ターン(turn)の断面が長方形の形態であることができる。
【0054】
巻き取り部310は、コア120から、本体10の幅方向(W方向)または本体10の厚さ方向(T方向)に沿った本体10の外側に向かって、複数のターン(turn)を形成する。
【0055】
図1及び図2を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000は、巻き取り部310が実装面、すなわち、本体の第6面106に垂直に配置されることができる。換言すれば、巻き取り部310の各ターン(turn)の中心である巻軸CAが、幅方向(W方向)に並んで形成されることができる。
【0056】
巻き取り部310の巻軸CAは、本体10の第3面103及び第4面104に垂直であり、本体10の第1面101、第2面102、第5面105、及び第6面106に並んで配置されることができる。
【0057】
図1から図4を参照すると、巻き取り部310は、全体的にリング状または楕円状にワインディングされ、中央部に円筒形または楕円形の中空部が形成された円筒形または楕円形の形状を有することができる。巻き取り部310は空芯コイルであるが、巻き取り部310の空芯にコア120が配置される。
【0058】
本実施形態によるコイル部品1000は、巻線コイル300が内側及び外側に二重で巻き取られているため、巻き取り部310のターン数を増加させるとともに、巻き取り部310の両端の連結部321、322及び引き出し部331、332が何れもベース部110と隣接するように配置されることができる構造であるが、これに制限されるものではない。
【0059】
第1連結部321及び第2連結部322は、それぞれ巻き取り部310の両端から延びて第1引き出し部331及び第2引き出し部332と連結されることができる。第1連結部321及び第2連結部322はモールド部100のベース部110の一面に沿って延びることができるが、これに制限されるものではない。
【0060】
連結部321、322は、本体10の第6面106に垂直な方向に配置されることができる。すなわち、図1の方向を基準として、巻き取り部310から厚さ方向(T方向)に、本体10の第6面106に向かって延びることができる。
【0061】
連結部321、322は、表面が絶縁性コーティング層CLで被覆された金属ワイヤMWなどの金属線のうち、巻き取り部310及び引き出し部331、332を除いた残りの部分であることができる。したがって、連結部321、322及び巻き取り部310、並びに連結部321、322及び引き出し部331、332の間には境界が形成されないことができるが、これに制限されるものではない。
【0062】
図1から図4を参照すると、引き出し部331、332は、モールド部100の側面に配置され、本体10の第6面106に露出することができる。具体的に、第1引き出し部331及び第2引き出し部332は、第1連結部321及び第2連結部322からそれぞれ延びて、巻き取り部310の巻軸CAに並ぶ面である本体10の第6面106に互いに離隔して露出することができる。
【0063】
すなわち、第1引き出し部331及び第2引き出し部332は、モールド部100のうちベース部110の一側面に配置され、本体10の第6面106に離隔して露出して、後述の第1外部電極400及び第2外部電極500とそれぞれ連結されることができる。
【0064】
図4及び図7を参照すると、第1引き出し部331及び第2引き出し部332は、長さ方向(L方向)に互いに離隔して配置され、それぞれ巻き取り部310の巻軸CA方向である幅方向(W方向)に並ぶ直線形態で配置されることができるが、これに制限されるものではない。
【0065】
本体10の第3面103と第4面104との間の幅Wbに対する、後述の外部電極400、500と接する引き出し部331、332の長さL1の比(L1/Wb)は、1/7以上1/4以下であることができる。
【0066】
ここで、引き出し部331、332の長さL1は、図1の方向を基準として、引き出し部331、332の幅方向(W方向)の数値(dimension)を意味する。また、本実施形態によるコイル部品1000は、本体10の第6面106にのみ外部電極400、500が配置されるため、本体10の幅はコイル部品1000の全幅と同一であることができる。
【0067】
例えば、本実施形態によるコイル部品1000は、モールド部100の側面の幅を最も薄く形成する場合、100μmに近く形成されることができる。ここで、巻線コイル300が垂直構造(実装面と巻軸が並ぶ構造)を有することが、水平構造(実装面と巻軸が垂直な構造)に比べてインダクタンス特性において有利な効果を有するためには、コイル部品の幅に対する長さの比が1以上、幅に対する厚さの比が1超過、厚さが0.8mm以下であることが好ましい。
【0068】
下記の表1を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000の基準スペック上、上記条件下で部品の全体積が最も大きい場合は、1.0mmの長さ、0.7mmの幅、及び0.8mmの厚さを有するように形成される場合であるが、モールド部100の側面の幅は100μmに形成されることができるため、コイル部品1000の幅Wbに対する引き出し部331、332の長さL1の比(L1/Wb)は1/7となることができる。
【0069】
また、上記条件下で部品の全体積が最も小さい場合は、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成される場合であるが、モールド部100の側面の幅は100μmに形成されることができるため、コイル部品1000の幅Wbに対する引き出し部331、332の長さL1の比(L1/Wb)は1/4となることができる。
【0070】
したがって、コイル部品1000の幅Wb、すなわち、本体10の第3面103と第4面104との間の幅に対する、外部電極400、500と接する引き出し部331、332の長さL1の比(L1/Wb)は、1/7以上1/4以下であることができるが、これに制限されるものではない。
【0071】
【表1】
【0072】
ここで、本体10の第3面103と第4面104との間の幅Wbとは、本体10の長さ方向(L)の中央部から取った幅方向(W)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡画像またはSEM(Scanning Electron Microscope)画像を基準に、上記画像に示された本体10の幅方向(W)に向かい合う2本の最外側境界線を幅方向(W)に平行に連結し、厚さ方向(T)に互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味し得る。または、本体10の幅は、上述の複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味し得る。または、本体10の幅は、上述の複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3個以上の算術平均値を意味し得る。ここで、幅方向(W)に平行な複数の線分は、厚さ方向(T)に互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0073】
また、引き出し部331、332の長さL1とは、コイル部品1000の長さ方向(L)のうち、引き出し部331、332の断面が現れる領域から取った幅方向(W)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡画像またはSEM(Scanning Electron Microscope)画像を基準に、上記画像に示された引き出し部331、332のうち外部電極400、500と接する領域で幅方向(W)に向かい合う2本の最外側境界線を幅方向(W)に平行に連結し、厚さ方向(T)に互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3個以上の算術平均値を意味し得る。ここで、幅方向(W)に平行な複数の線分は、厚さ方向(T)に互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0074】
第1引き出し部331及び第2引き出し部332は、表面が絶縁性コーティング層CLで被覆された銅ワイヤ(Cu-wire)などの金属線のうち、巻き取り部310及び連結部321、322を形成した後に残存する残りの部分であることができる。したがって、引き出し部331、332と連結部321、322との間にはそれぞれ境界が形成されないことができるが、これに制限されるものではない。
【0075】
また、巻き取り部310と同様に、第1引き出し部331及び第2引き出し部332の表面には絶縁性コーティング層CLが形成されることができるが、第1引き出し部331及び第2引き出し部332のうち本体10の第6面106に露出する部分は、外部電極400、500との通電のために絶縁性コーティング層CLが除去されることができる。
【0076】
絶縁性コーティング層CLは、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独でまたは混合して含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0077】
外部電極400、500は、本体10の第6面106に配置され、巻線コイル300の引き出し部331、332と連結されることができる。具体的に、第1外部電極400及び第2外部電極500は、本体10の第6面106に互いに離隔して配置され、巻線コイル300の第1引き出し部331及び第2引き出し部332とそれぞれ連結されることができる。
【0078】
図6及び図7を参照すると、本体10の第6面106はカバー部200の側面で構成されるため、外部電極400、500は引き出し部331、332及びカバー部200と接するように配置されることができる。
【0079】
第1外部電極400及び第2外部電極500は、それぞれ幅方向(W方向)に長い長方形状に形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0080】
第1外部電極400及び第2外部電極500は、巻き取り部310の巻軸CAに並ぶ方向に配置されることができ、第1外部電極400及び第2外部電極500は、互いに長さ方向(L方向)に離隔して配置されることができる。
【0081】
図2及び図7を参照すると、外部電極400、500は、本体10の第6面106の領域内で本体10の4個の側面、すなわち、第1面~第4面101、102、103、104からそれぞれ所定の間隔だけ離隔して配置されることができるが、これに制限されるものではない。
【0082】
これにより、コイル部品をプリント回路基板(PCB)に実装時に必要な面積を減少させることができ、隣接したコイル部品間の間隔を近くし、実装時のショートの危険を低減することができる。
【0083】
外部電極400、500は、単層または複数層の構造で形成されることができる。例えば、外部電極400、500は、銅(Cu)を含む第1導電層と、第1導電層に配置され、ニッケル(Ni)を含む第2導電層と、第2導電層に配置され、スズ(Sn)を含む第3導電層と、を含むことができる。第2導電層及び第3導電層のうち少なくとも1つは、第1導電層を覆う形態で形成されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。第1導電層は、めっき層であるか、銅(Cu)及び銀(Ag)のうち少なくとも1つを含む導電性粉末と樹脂を含む導電性樹脂を塗布及び硬化することで形成された導電性樹脂層であることができる。第2導電層及び第3導電層はめっき層であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0084】
外部電極400、500は、スパッタリングなどの気相蒸着及び/または電解めっきにより形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0085】
外部電極400、500は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0086】
一方、図面に示していないが、本実施形態によるコイル部品1000は、本体10の第6面106のうち外部電極400、500が配置された領域を除いた領域に配置される絶縁層をさらに含むことができる。絶縁層は、電解めっきにより外部電極400、500を形成する際にめっきレジストとして用いられることができるが、これに制限されるものではない。また、絶縁層は、本体10の第1面~第5面101、102、103、104、105のうち少なくとも一部にも配置されることができる。
【0087】
(第2及び第3実施形態)
図8は本発明の第2実施形態によるコイル部品2000のモールド部100'を示した図である。図9は本発明の第2実施形態によるコイル部品2000を示す図であって、図5に対応する図である。
【0088】
図8及び図9を参照すると、本実施形態によるコイル部品2000は、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000と比較して、モールド部100'の形状及びカバー部200の配置が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と異なるモールド部100'及びカバー部200についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態での説明がそのまま適用できる。
【0089】
モールド部100'の側面のうち引き出し部331、332が配置される部分に、引き出し部331、332を収容する溝部131、132が形成されることができる。
【0090】
溝部131、132は、モールド部100'に巻線コイル300を配置する時に、引き出し部331、332の引き出し方向をガイドすることができる。また、引き出し部331、332の厚さのうち一部領域が溝部131、132に収容されるようにすることで、コイル部品2000の厚さ方向(T方向)のサイズを減少させることができる。
【0091】
溝部131、132はモールド部100'の側面に形成され、モールド部100'の一面と他面に延びることができる。すなわち、溝部131、132は、幅方向(W方向)に形成される直線形態を有することができる。
【0092】
溝部131、132は、引き出し部331、332に対応する形状に形成されることができる。引き出し部331、332の一部が溝部131、132より突出するように形成される必要があるため、溝部131、132の深さが、引き出し部331、332の断面上の直径より小さく形成されることができる。
【0093】
図9を参照すると、本体10の第6面106は、モールド部100'の側面及びカバー部200の側面を含むことができる。溝部131、132に引き出し部331、332が収容されてからカバー部200が配置され、モールド部100'の側面とカバー部200の側面とが共面(coplanar)を成しながら本体10の第6面106を構成することができる。すなわち、溝部131、132に引き出し部331、332が収容されることで、モールド部100'の側面と、隣接したカバー部200の側面との間の一定間隔が必須構成ではないため、モールド部100'の側面と、隣接したカバー部200の側面とが共面(coplanar)を成すことができる。
【0094】
この場合、外部電極400、500は、本体10の第6面106でモールド部100'及びカバー部200と接することができるが、これに制限されるものではない。
【0095】
図10は本発明の第3実施形態によるコイル部品3000を示す図であって、図4に対応する図である。
【0096】
図4図10を比較すると、本実施形態によるコイル部品3000は、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000と比較して、モールド部100のベース部110の形状、巻き取り部310のターン数、及び引き出し部332の長さL2が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と異なるベース部110の形状、巻き取り部310のターン数、及び引き出し部332の長さL2についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態での説明がそのまま適用できる。
【0097】
図10を参照すると、ベース部110は、カバー部200と接する一面に傾斜が形成され、ベース部110の互いに向かい合う一面と他面の間の距離が、ベース部110の中央部から外側に行くに従って増加する形態を有することができる。
【0098】
具体的に、ベース部110の一面は、コア120の中心部に向かって傾斜が形成された傾斜面を有することができる。これにより、ベース部110の一面と他面の間の距離、すなわち、ベース部110の厚さは、ベース部110の中央部から外側に行くに従って次第に増加する。
【0099】
幅-厚さ方向の断面(W-T断面)を基準として、ベース部110の一面は、他面との関係で所定の角度(θ)を形成することができる。
【0100】
一方、本実施形態によるコイル部品3000は、ベース部110に傾斜が形成されることで、巻線コイル300の安定的な配置が可能であり、巻き取り部310のターン数も増加するため、インダクタンス特性が改善されることができる。
図10を参照すると、本実施形態のコイル部品3000は、ベース部110の厚さが減少することで、巻き取り部310の第2方向(W方向)に沿った幅W2が増加することができるため、第1方向(L方向)に垂直であり本体10の中心を通るW-T断面上において、本体10の第2方向(W方向)に沿った幅Wbに対する巻き取り部310の第2方向(W方向)に沿った幅W2の比(W2/Wb)は、1/3以上である範囲内で第1実施形態に係るコイル部品1000よりも大きい値を有することができる。
【0101】
また、モールド部100の側面、すなわち、ベース部110の側面に沿って配置される引き出し部331、332の長さL2及び面積も増加するため、外部電極400、500との連結信頼性、または引き出し部331、332と外部電極400、500との固着強度が改善される効果を有することができる。
【0102】
(実装時の効果及び有効体積増加の効果)
図11から図13は、外部電極400の形態による実装間隔の差を示した図である。
【0103】
図11はU字状の外部電極400を有するコイル部品の実装時の間隔を示した図である。図12はL字状の外部電極400を有するコイル部品の実装時の間隔を示した図である。図13は、本発明のように、実装面にのみ外部電極400が配置されたコイル部品1000、2000、3000の実装時の間隔を示した図である。
【0104】
図11から図13を参照すると、プリント回路基板Pに2つのコイル部品が互いに隣接して実装されると仮定したときに、コイル部品の幅Wcが互いに同一である場合、外部電極400の形態によって、ショートの危険及び有効体積が異なる。
【0105】
図11は、U字状の外部電極400が本体10の3つの面にわたって配置された場合を示すが、隣接したコイル部品間の間隔d1を狭くする場合、各コイル部品に配置された外部電極400間の間隔が近くなるため、ショートの危険が増加する恐れがある。
【0106】
また、この場合、同一のサイズのコイル部品を基準として、両側面の外部電極400が占める体積だけ、本体10の有効体積が減少する。
【0107】
図12は、L字状の外部電極400が本体10の2つの面にわたって配置された場合を示すが、隣接したコイル部品の間に、外部電極400が何れか一方にのみ形成される。この場合、半田Sが占める面積自体も減少するようになり、外部電極400同士ではなく本体10の面及び外部電極400が向かい合うようになるため、ショートの危険も減少する。したがって、隣接したコイル部品間の間隔d2をより近くして実装可能である。
【0108】
また、この場合、同一のサイズのコイル部品を基準として、両側面にも外部電極400が配置されるU字状に比べて、一側面に配置された外部電極400が占める体積だけ、本体10の有効体積が増加することができる。
【0109】
図13は、本発明の実施形態によるコイル部品1000、2000、3000のように、外部電極400が本体10の下面にのみ配置された場合を示すが、隣接したコイル部品の間で外部電極400が対向する面積が最小になり、ショートの危険が減少するため、隣接間隔d3を最小化することができる。換言すれば、同一のサイズの実装面積内で、集積化に最も有利な構造である。
【0110】
また、この場合、同一のサイズのコイル部品を基準として、両側面にも外部電極400が配置されるU字状、または、一側面にも外部電極400が配置されるL字状に比べて、両側面または一側面の外部電極400が占める体積だけ、本体10の有効体積が増加することができる。
【0111】
図11から図13を参照すると、同一の実装面積で、隣接部品間の可能な離隔間隔はd1>d2>d3となる。したがって、本発明の実施形態によるコイル部品1000、2000、3000のように、外部電極400、500が本体10の下面にのみ配置される場合、隣接したコイル部品間のショートの危険は減少し、同一のサイズのコイル部品を基準として有効体積が増加して、インダクタンス特性が向上することができる。
【0112】
【表2】
【0113】
上記表2を参照すると、図11のように、U字状の外部電極400が本体10の3つの面にわたって形成された場合と比較して、本体10の一側面または両側面から外部電極400が除去される場合の有効体積増加分が確認できる。
【0114】
特に、本発明の実施形態のように、本体10の両側面の外部電極400が除去された構造、すなわち、外部電極400が本体10の下面にのみ配置された構造は、U字状の外部電極400と比較して、コイル部品のサイズによって2.57%~4.53%の有効体積を確保可能であることが分かる。
【0115】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想から外れない範囲内で、構成要素の付加、変更、または削除などによって本発明を多様に修正及び変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれるとすべきである。
【符号の説明】
【0116】
10 本体
100、100' モールド部
110 ベース部
120 コア
131、132 溝部
200 カバー部
300 巻線コイル
310 巻き取り部
321、322 連結部
331、332 引き出し部
400、500 外部電極
MW 金属ワイヤ
CL 絶縁性コーティング層
P プリント回路基板
S 半田
1000、2000、3000 コイル部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13