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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154401
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】照明システム及び投影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20231012BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20231012BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G03B21/14 A
H04N5/74 A
H04N9/31 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035151
(22)【出願日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】63/327801
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202210717654.0
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】林 孟萱
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲彦▼霖
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C060
【Fターム(参考)】
2K203FA24
2K203FA25
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA54
2K203GA22
2K203GA25
2K203GA36
2K203HA04
2K203HA66
2K203HA74
2K203HA82
2K203MA05
5C058AA18
5C058BA06
5C058EA12
5C060HC01
5C060HC09
5C060HD07
5C060JA19
(57)【要約】
【課題】本発明は、照明システム及び投影装置を提供する。
【解決手段】照明システムは光源モジュール、第一レンズアレイ、集光素子、第二レンズアレイ及びプリズム素子を含む。光源モジュールは照明光束を提供する。第一レンズアレイは照明光束の伝播径路に配置される。集光素子は照明光束の伝播径路に配置される。第一レンズアレイは光源モジュールと集光素子との間に位置する。第二レンズアレイは照明光束の伝播径路に配置される。プリズム素子は照明光束の伝播径路に配置される。第二レンズアレイは集光素子とプリズム素子との間に位置する。第二レンズアレイの表面積は第一レンズアレイの表面積よりも大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明システムであって、
光源モジュール、第一レンズアレイ、集光素子、第二レンズアレイ及びプリズム素子を含み、
前記光源モジュールは照明光束を提供するために用いられ、
前記第一レンズアレイは前記照明光束の伝播径路に配置され、
前記集光素子は前記照明光束の伝播径路に配置され、前記第一レンズアレイは前記光源モジュールと前記集光素子との間に位置し、
前記第二レンズアレイは前記照明光束の伝播径路に配置され、
前記プリズム素子は前記照明光束の伝播径路に配置され、前記第二レンズアレイは前記集光素子と前記プリズム素子との間に位置し、前記第二レンズアレイの表面積は前記第一レンズアレイの表面積よりも大きい、照明システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記第二レンズアレイは、前記第二レンズアレイの相対する2つの表面に位置する複数のマイクロレンズを含む、照明システム。
【請求項3】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記第二レンズアレイは複数のマイクロレンズを含み、前記複数のマイクロレンズは六角状配列、矩形状配列又は螺旋状配列を有する、照明システム。
【請求項4】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記第二レンズアレイの延伸方向と、前記プリズム素子の出光面の延伸方向との間には夾角がある、照明システム。
【請求項5】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記光源モジュールは発光素子及びコリメートレンズ組を含み、前記発光素子は赤色の光、緑色の光及び緑色の光を提供する、照明システム。
【請求項6】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記発光素子は赤色光、緑色光、緑色光及び青色光の発光ダイオードによって配列されることで形成される、照明システム。
【請求項7】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記コリメートレンズ組は少なくとも1つの光学レンズを含む、照明システム。
【請求項8】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記コリメートレンズ組は複合放物面型集光器を含む、照明システム。
【請求項9】
請求項8に記載の照明システムであって、
前記第一レンズアレイは前記複合放物面型集光器に直接接続される、照明システム。
【請求項10】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記集光素子は、前記照明光束を反射して前記第二レンズアレイに伝播させるための反射面を有する、照明システム。
【請求項11】
投影装置であって、
照明システム、ライトバルブ及び投影レンズを含み、
前記照明システムは照明光束を提供するために用いられ、前記照明システムは光源モジュール、第一レンズアレイ、集光素子、第二レンズアレイ及びプリズム素子を含み、
前記光源モジュールは照明光束を提供するために用いられ、
前記第一レンズアレイは前記照明光束の伝播径路に配置され、
前記集光素子は前記照明光束の伝播径路に配置され、前記第一レンズアレイは前記光源モジュールと前記集光素子との間に位置し、
前記第二レンズアレイは前記照明光束の伝播径路に配置され、
前記プリズム素子は前記照明光束の伝播径路に配置され、前記第二レンズアレイは前記集光素子と前記プリズム素子との間に位置し、
前記ライトバルブは前記照明光束の伝播径路に配置され、前記照明光束を映像光束に変換するために用いられ、
前記投影レンズは前記映像光束の伝播径路に配置され、前記映像光束を前記投影装置の外へ投射するために用いられ、前記第二レンズアレイの表面積は前記第一レンズアレイの表面積よりも大きい、投影装置。
【請求項12】
請求項11に記載の投影装置であって、
前記第二レンズアレイは、前記第二レンズアレイの相対する2つの表面に位置する複数のマイクロレンズを有する、投影装置。
【請求項13】
請求項11に記載の投影装置であって、
前記第二レンズアレイは複数のマイクロレンズを含み、前記複数のマイクロレンズは六角状配列、矩形状配列又は螺旋状配列を有する、投影装置。
【請求項14】
請求項11に記載の投影装置であって、
前記第二レンズアレイの延伸方向と、前記プリズム素子の出光面の延伸方向との間には夾角がある、投影装置。
【請求項15】
請求項11に記載の投影装置であって、
前記光源モジュールは発光素子及びコリメートレンズ組を含み、前記発光素子は赤色の光、緑色の光及び緑色の光を提供する、装置装置。
【請求項16】
請求項11に記載の投影装置であって、
前記発光素子は赤色光、緑色光、緑色光、及び青色光の発光ダイオードによって配列されることで形成される、投影装置。
【請求項17】
請求項11に記載の投影装置であって、
前記コリメートレンズ組は少なくとも1つの光学レンズを含む、投影装置。
【請求項18】
請求項11に記載の投影装置であって、
前記コリメートレンズ組は複合抛物面型集光器を含む、投影装置。
【請求項19】
請求項18に記載の投影装置であって、
前記第一レンズアレイは前記複合抛物面型集光器に直接接続される、投影装置。
【請求項20】
請求項11に記載の投影装置であって、
前記集光素子は、前記照明光束を反射して前記第二レンズアレイに伝播させるための反射面を有する、投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学システム及び表示装置に関し、特に、照明システム及び前記照明システムを有する投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投影装置は、大面積の画面を生成するための表示装置であり、科学技術の進歩及び革新に伴って常に改善されている。投影装置の結像原理は、照明システムにより生成された照明光束をライトバルブによって映像光束に変換し、そして、映像光束を投影レンズによって投射目標(ターゲット)(例えば、スクリーン又は壁面)に投射することで、投影画面を形成することである。
【0003】
より小さい体積の投影装置を小型投影装置に適用したり、ヘッドマウントディスプレイに使用したりすることを達成するために、マイクロ小型投影装置の照明システムは、初期R/G/Bの3つのチャンネル(Red/Green/Blue LED light beams forming three pathways)から、現在のRB/Gの2つのチャンネル(Red and Blue/Green LED light beams forming two pathways)又はRGBの1つのチャンネル(Red and Blue and Green LED light beams forming one pathway)に次第に進化している。この3種類のアーキテクチャはすべて、コリメートレンズを利用して、発光ダイオードによって提供される光束をレンズアレイに平行に入射させ、そして、集光レンズによってレンズアレイにおける光束をライトバルブの結像素子にフォーカシングさせる。また、最小体積の設計を実現するために、最小数の光源を設計に使用することがある。しかし、一部の色の光の光源がそれぞれ1つの光源であり、かつ位置が互いに対角線になるため、投影された画面には明らかな色不均一の問題が存在する。
【0004】
なお、この「背景技術」の部分が、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、照明光束の均一度及び異なる色の均一度を向上させることができる照明システム及び投影装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示される技術的特徴よりさらに理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的の1つ又は一部又は全部の目的あるいは他の目的を達成するために、本発明は照明システムを提供し、それは光源モジュール、第一レンズアレイ、集光素子、第二レンズアレイ及びプリズム素子を含む。光源モジュールは照明光束を提供するために用いられる。第一レンズアレイは照明光束の伝播径路に配置される。集光素子は照明光束の伝播径路に配置される。第一レンズアレイは光源モジュールと集光素子との間に位置する。第二レンズアレイは照明光束の伝播径路に配置される。プリズム素子は照明光束の伝播径路に配置される。第二レンズアレイは集光素子とプリズム素子との間に位置し、そのうち、第二レンズアレイの表面の面積は第一レンズアレイの表面の面積よりも大きい。
【0008】
上述の目的の1つ又は一部又は全部の目的あるいは他の目的を達成するために、本発明はさらに投影装置を提供し、それは照明システム、ライトバルブ及び投影レンズを含む。照明システムは照明光束を提供するために用いられる。照明システムは光源モジュール、第一レンズアレイ、集光素子、第二レンズアレイ及びプリズム素子を含む。光源モジュールは照明光束を提供するために用いられる。第一レンズアレイは照明光束の伝播径路に配置される。集光素子は照明光束の伝播径路に配置される。第一レンズアレイは光源モジュールと集光素子との間に位置する。第二レンズアレイは照明光束の伝播径路に配置される。プリズム素子は照明光束の伝播径路に配置される。第二レンズアレイは集光素子とプリズム素子との間に位置する。ライトバルブは照明光束の伝播径路に配置され、照明光束を映像光束に変換するために用いられる。投影レンズは映像光束の伝播径路に配置され、映像光束を投影装置の外へ投射(投影)するために用いられ、そのうち、第二レンズアレイの表面の面積(表面積)は第一レンズアレイの表面の面積(表面積)よりも大きい。
【発明の効果】
【0009】
上述により、本発明の実施例は次のような利点又は効果のうちの少なくとも1つを有する。本発明の照明システム及び投影装置では、照明システムは光源モジュール、第一レンズアレイ、集光素子、第二レンズアレイ及びプリズム素子を含む。そのうち、第一レンズアレイは光源モジュールと集光素子との間に配置され、光源モジュールにより提供される照明光束の光束断面積(サイズ)が照明光束を受け取るライトバルブの表面のサイズ(表面積)とマッチするように制御するために用いられ、第二レンズアレイは集光素子とプリズム素子との間に配置され、照明光束のうちの各色の光の形状を変更して均一化させるために用いられる。このようにして、照明光束の均一度及び異なる色の均一度を向上させることで、発光素子から発した色光が均一でないという現象が人の目に見えることを回避できる。
【0010】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて図面とともに詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例における投影装置を示す図である。
図2】本発明の一実施例における照明システムを示す図である。
図3】本発明の一実施例における光源モジュールを示す図である。
図4A】異なる実施例の一部のレンズアレイを示す図(その1)である。
図4B】異なる実施例の一部のレンズアレイを示す図(その2)である。
図4C】異なる実施例の一部のレンズアレイを示す図(その3)である。
図5図2における照明システムの部分拡大図である。
図6】本発明のもう1つの実施例における照明システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上述した及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく次のような好適な実施例の詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及びされている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前又は後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0013】
図1は本発明の一実施例における投影装置を示す図である。図1を参照する。一実施例において、投影装置10はヘッドマウントディスプレイ(head mounted display)に適用できる。本実施例により提供される投影装置10は照明システム100、ライトバルブ60及び投影レンズ70を含む。そのうち、照明システム100は照明光束LBを提供するために用いられる。ライトバルブ60は照明光束LBの伝播径路に配置され、照明光束LBを映像光束LIに変換するために用いられる。投影レンズ70は映像光束LIの伝播径路に配置され、映像光束LIを投影装置10の外の投影目標(図示せず)、例えば、スクリーン、墻面又はヘッドマウントデバイスの導波素子に投射するために用いられる。
【0014】
本実施例では、ライトバルブ60は例えば、LCoSパネル(Liquid Crystal On Silicon panel、LCoS panel)、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro-mirror Device、DMD)などの反射型光変調器である。なお、本発明はライトバルブ60の形態及びその種類について制限しない。ライトバルブ60が照明システム100からの照明光束LBを映像光束LIに変換する方法については、その詳細なステップ及び実施態様は、本発明の属する分野における技術常識から十分な教示、アドバンス及び実施の説明を得ることができるため、ここではその詳しい説明を省略する。本実施例では、ライトバルブ60の数は1つであり、例えば、シングルデジタルマイクロミラーデバイスを使用する投影装置10である。ライトバルブ60はLCoSパネルを用いても良い。本実施例では、投影装置10はさらに防護蓋80(図2参照)を含み、それは、灰塵がライトバルブ60に接触して光学効果に悪影響を及ぼすことを防止するために用いられる。防護蓋80の材質(材料)は例えば、ガラス又はプラスチックである。
【0015】
投影レンズ70は例えば、屈折力を有する1つ又は複数の光学レンズの組み合わせを含み、例えば、両凹レンズ、両凸レンズ、凹凸レンズ、凸凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどの非平面レンズの様々な組み合わせを含む。一実施例において、投影レンズ70はさらに、平面光学レンズを、反射方式でライトバルブ60からの映像光束LIを投影目標に投射するように含む。なお、本発明では投影レンズ70の態様及びその種類について限定しない。
【0016】
図2は本発明の一実施例における照明システムを示す図である。図3は本発明の一実施例における光源モジュールを示す図である。図2及び図3を参照する。本実施例に係る照明システム100は少なくとも、図1に示すような投影装置10に適用できる。よって、以下、これを例にして説明を行う。本実施例では、照明システム100は光源モジュール110、第一レンズアレイ120、集光素子130、第二レンズアレイ140及びプリズム素子150を含む。光源モジュール110は照明光束LBを提供するために用いられる。本実施例では、光源モジュール110は発光素子112及びコリメートレンズ組(collimating lens set)114を含み、そのうち、発光素子112は例えば、統合型発光ダイオードであり、赤色の光、緑色の光及び緑色の光を提供する。具体的に言えば、図3に示すように、発光素子112は赤色、緑色、緑色及び青色光の発光ダイオードによって配列されることで形成され、かつ赤色及び青色光の発光ダイオードは互いに対角線になり、2つの緑色光発光ダイオードは互いに対角線になる。よって、発光素子112の最小体積の設計を実現できる。なお、本発明はこれに限定されない。本実施例では、コリメートレンズ組114は少なくとも1つの光学レンズを含み、コリメートレンズ組114は平行な照明光束LBを第一レンズアレイ120に提供するために用いられるが、本発明はこれも限定されない。
【0017】
第一レンズアレイ120は照明光束LBの伝播径路に配置され、光源モジュール110によって提供される照明光束LBの光束断面積(サイズ)が照明光束LBを受け取るライトバルブ60の表面のサイズ(表面積)とマッチするように制御するために用いられる。例を挙げて言えば、第一レンズアレイ120を通過した照明光束LBの光束の断面積(サイズ)は、照明光束LBを受け取るライトバルブ60の表面積に等しく、又は、近似している。
【0018】
第一レンズアレイ120は複数のマイクロレンズを含み、それらは第一レンズアレイ120の1つの表面に位置しも良く、又は、第一レンズアレイ120の相対する2つの表面に位置しても良いが、本発明はこれらに限定されない。
【0019】
集光素子130は照明光束LBの伝播径路に配置され、かつ第一レンズアレイ120は光源モジュール110と集光素子130との間に位置する。本実施例では、集光素子130は反射面132を有し、例えば、1層の反射膜がメッキ加工され、この反射膜は照明光束LBを反射して第二レンズアレイ140に伝播させるために用いられる。
【0020】
第二レンズアレイ140は照明光束LBの伝播径路に配置され、照明光束LBのうちの各色(赤色、緑色及び青色)の光の形状を変更して均一化させることで、照明光束LBの均一度及び異なる色の均一度を向上させることができる。このようにして、発光素子112から発した色光が不均一であるという現象が人の目に見えることを回避できる。第二レンズアレイ140は複数のマイクロレンズを含み、それらは第二レンズアレイ140の相対する2つの表面に位置する。本実施例では、物理上、第二レンズアレイ140の表面積は第一レンズアレイ120の表面積よりも大きい。また、第二レンズアレイ140の入光面が受け取った照明光束LBの光束面積も、第一レンズアレイ120の入光面が照明光束LBを受け取った光束面積よりも大きくなり得る。
【0021】
図4A乃至図4Cはそれぞれ、異なる実施例の一部のレンズアレイを示す図である。図2図4A乃至図4Cを参照する。異なる実施例において、第一レンズアレイ120及び第二レンズアレイ140のマイクロレンズMは異なるシーンに応じて異なる配列設計を有しても良い。例を挙げて言えば、図4Aに示すように、第一レンズアレイ120及び第二レンズアレイ140のマイクロレンズMは六角状配列(又は、円形状配列ともいう)であっても良い。あるいは、図4Bに示すように、第一レンズアレイ120及び第二レンズアレイ140のマイクロレンズM1は矩形状配列であっても良い。あるいは、図4Cに示すように、第一レンズアレイ120及び第二レンズアレイ140のマイクロレンズM2は螺旋状配列であっても良い(図示の便宜のため、図4Cでは配列位置のみが示されている)。なお、本発明はこれらに限られない。
【0022】
図5図2における照明システムの部分拡大図である。図2及び図5を参照する。プリズム素子150は照明光束LBの伝播径路に配置され、かつ第二レンズアレイ140は集光素子130とプリズム素子150との間に位置する。プリズム素子150は例えば、内部全反射型プリズム(TIR prism)であり、それは、照明光束LBがライトバルブ60bに伝播するようにガイドし、及び、映像光束LIが投影レンズ70に至るようにガイドするために用いられる(例えば、図1参照)。さらに説明すると、プリズム素子150は第一表面及び出光面を有し、プリズム素子150の第一表面は第二レンズアレイ140に面し、プリズム素子150の出光面はライトバルブ60に面する。プリズム素子150の第一表面は照明光束LBを受け取るために用いられ、照明光束LBはプリズム素子150に進入してライトバルブ60に伝播する。ライトバルブ60が照明光束LBを映像光束LIに変換したときに、映像光束LIは再びプリズム素子150に進入し、かつ映像光束LIはプリズム素子150の第一表面によって反射されてプリズム素子150を離れ、そして、投影レンズ70に伝播する。
【0023】
また、本実施例では、第二レンズアレイ140の延伸方向(この延伸方向は第二レンズアレイ140の表面の法線方向に垂直である)と、プリズム素子150の出光面の延伸方向(この延伸方向はライトバルブ60の表面の法線方向に垂直である)とは夾角Aを有する。プリズム素子150の出光面はライトバルブ60の表面に平行である。具体的に言えば、照明システム100はさらに、仕切り部品160を含み、仕切り部品160と第二レンズアレイ140との間には所定の距離がある。
【0024】
仕切り部品160は第二レンズアレイ140とプリズム素子150との間に設置され、その目的は、照明光束LBがこの空気層で光路差を生じることによる投影画面の品質低下を避けることにある。なお、本実施例ではライトバルブ60の表面のサイズ及びその受光角度に従って第二レンズアレイ140のサイズ(即ち、光学面積)を決定できる。このようして、光の使用効率を向上させることができるため、図5に示すように、照明光束LBの均一度を向上させることができる。
【0025】
図6は本発明のもう1つの実施例における照明システムを示す図である。図6を参照する。本実施例に係る照明システム100Aは図2に示す照明システム100と類似している。両者の相違点は次のとおりである。本実施例では、光源モジュール110Aのコリメートレンズ組114Aが複合放物面型集光器(Compound Parabolic Concentrator、CPC)を含むことにあり、それは発光素子112から発した異なる角度の光を複合放物面型集光器の曲面によって平行光に変えるために用いられる。また、第一レンズアレイ120Aは複合放物面型集光器に直接接続される。よって、照明システム100Aの体積をさらに節約でき、かつ良好な光学効果を有する。もう1つの実施例において、第一レンズアレイ120Aを、集光素子130の入光面に直接接続されるように配置しても良い。このようにして、照明光束の均一度及び異なる色の均一度を向上させることで、発光素子112から発した色光が不均一であるという現象が人の目に見えることを回避できる。
【0026】
以上のことから、本発明による照明システム及び投影装置では、照明システムは光源モジュール、第一レンズアレイ、集光素子、第二レンズアレイ及びプリズム素子を含む。そのうち、第一レンズアレイは光源モジュールと集光素子との間に配置され、光源モジュールによって提供される照明光束の光束断面積(サイズ)が照明光束を受け取るライトバルブの表面積(サイズ)と一致するように制御するために用いられ、第二レンズアレイは集光素子とプリズム素子との間に配置され、照明光束のうちの色の光の形状を変えて均一化させるために用いられ、第二レンズアレイの表面積は前記第一レンズアレイの表面積よりも大きい。これにより、照明光束の均一度及び異なる色の均一度を向上させることで、発光素子から発した色光が不均一であるという現象が人の目に見えることを回避できる。
【0027】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及びされている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、異なる実施例又は範囲を区別するためのもののみであり、要素の数上の上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0028】
10:投影装置
60:ライトバルブ
70:投影レンズ
80:防護蓋
100、100A:照明システム
110、110A:光源モジュール
112:発光素子
114、114A:コリメートレンズ組
120、120A:第一レンズアレイ
130:集光素子
132:反射面
140:第二レンズアレイ
150:プリズム素子
160:仕切り部品
A:夾角(角度)
LB:照明光束
LI:映像光束
M、M1、M2:マイクロレンズ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6