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  • 特開-弾性肩掛けベルト 図1
  • 特開-弾性肩掛けベルト 図2
  • 特開-弾性肩掛けベルト 図3
  • 特開-弾性肩掛けベルト 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015441
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】弾性肩掛けベルト
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/30 20060101AFI20230125BHJP
   A45F 3/02 20060101ALI20230125BHJP
   A45F 3/04 20060101ALN20230125BHJP
【FI】
A45C13/30 Z
A45F3/02
A45F3/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119223
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】521320623
【氏名又は名称】李 岳峰
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 岳峰
【テーマコード(参考)】
2E181
3B045
【Fターム(参考)】
2E181BD00
3B045CB01
3B045CE04
3B045GD08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】緩衝効果及び破損防止効果を有する弾性外部バンド及び補強バンドを備える、弾性肩掛けベルトを提供する。
【解決手段】弾性肩掛けベルトであって、弾性外部バンド10と二つの連結バンド20と補強バンド30を備え、弾性外部バンドは伸縮性を有する長尺状の中空帯体を呈すると共に内部空間と該内部空間と連通する上方開口11及び下方開口12を有し、二つの連結バンドは伸縮性のない帯体であって、各連結バンドはそれぞれ弾性外部バンドの上方開口及び下方開口に挿設固定され、補強バンドは弾性外部バンド内部に配置され、補強バンドの両端はそれぞれ対応する連結バンドに固定され、弾性外部バンドが伸ばされていない場合において、補強バンドの長さは伸ばされていない弾性外部バンドの長さよりも長く、弾性外部バンドが伸ばされている場合において、限界まで伸ばされた補強バンドの長さは限界まで伸ばされた弾性外部バンドの長さよりも短い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性肩掛けベルトであって、弾性外部バンドと、二つの連結バンドと、補強バンドとを備え、
前記弾性外部バンドは、伸縮性を有する長尺状の中空帯体を呈すると共に、内部空間と、該内部空間と連通する上方開口及び下方開口を有し、
前記二つの連結バンドは、伸縮性のない帯体であって、各連結バンドはそれぞれ、前記弾性外部バンドの上方開口及び下方開口に挿設固定され、
前記補強バンドは、前記弾性外部バンド内部に配置され、該補強バンドの両端はそれぞれ、対応する前記連結バンドに固定され、
前記弾性外部バンドが伸ばされていない場合において、該補強バンドの長さは、当該伸ばされていない弾性外部バンドの長さよりも長く、該弾性外部バンドが伸ばされている場合において、限界まで伸ばされた該補強バンドの長さは、限界まで伸ばされた該弾性外部バンドの長さよりも短いことを特徴とする弾性肩掛けベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肩掛けベルトに関し、特に、複数種の連結バンドから組み合わせて形成された弾性肩掛けベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存の肩に掛ける運搬具には、リュックサックや、サイドバック、ベビースリングなど様々な種類があり、そのうち、リュックサックは、袋体と、袋体の一方の側面に取り付けられる二本の肩掛けベルトとを備え、使用時には、使用者が袋体を両肩に掛けて使用する。
【0003】
しかしながら、従来の肩掛けベルトの多くは、伸縮性のない生地から製造されるため、使用者が徒歩で移動する際、袋体の上下の揺れにつれ、肩掛けベルトが肩や首まわりに断続的に圧迫し、この断続的な圧迫は肩や首まわりの筋肉に不快感を与え、また、袋体が一定の重さを有する場合には、使用者が余計に圧迫を受けることになり、走行安定性に影響を与えてしまう。また、例えば山登りの場合には、荷重が重いことから、断続的な衝撃が肩掛けベルトと袋体との連結部分にかかりやすいので、リュックサックの使用寿命が短くなってしまう。また、一部の既存のリュックサックは、伸縮性を有する肩掛けベルトを使用しているが、既存の伸縮性を有する肩掛けベルトは長時間使用すると、伸縮性が落ちやすく、使用時に断続的に力が加わると、過度に伸びたり、肩掛けベルトを破損したりする虞があった。故に、従来の肩掛けベルトの全体的な構造には改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾実用新案登録第M516884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来技術における欠点に鑑み、緩衝効果及び破損防止効果を有する弾性外部バンド及び補強バンドを備える、弾性肩掛けベルトを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、弾性肩掛けベルトであって、弾性外部バンドと、二つの連結バンドと、補強バンドとを備え、
前記弾性外部バンドは、伸縮性を有する長尺状の中空帯体を呈すると共に、内部空間と、該内部空間と連通する上方開口及び下方開口を有し、
前記二つの連結バンドは、伸縮性のない帯体であって、各連結バンドはそれぞれ、前記弾性外部バンドの上方開口及び下方開口に挿設固定され、
前記補強バンドは、前記弾性外部バンド内部に配置され、該補強バンドの両端はそれぞれ、対応する前記連結バンドに固定され、
前記弾性外部バンドが伸ばされていない場合において、該補強バンドの長さは、当該伸ばされていない弾性外部バンドの長さよりも長く、該弾性外部バンドが伸ばされている場合において、限界まで伸ばされた該補強バンドの長さは、限界まで伸ばされた該弾性外部バンドの長さよりも短いことを特徴とする。
【0007】
前記補強バンドがナイロン製ウェビングであること特徴とする。
【0008】
前記弾性外部バンドの材料がゴム発泡材を含有すること特徴とする。
【0009】
前記連結バンドがナイロン製ウェビングであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、弾性外部バンド内に補強バンドを配置することにより、使用者が本考案を利用した運搬具を肩に掛けて、歩いたり、走ったり、山登りをしたりして揺れが発生した時、弾性外部バンドが、揺れの程度によって、適度に伸縮して、肩に加わる断続的な圧迫を分散させることができることから、使い心地が向上すると共に、補強バンドにより、限界荷重状態下による弾性外部バンドの伸び量を制限することができることから、弾性外部バンドが過度に伸びて、破れたり切れたりする状況を防ぐことができるので、弾性外部バンドの使用寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の外観斜視図である。
図2】本発明の分解斜視図である。
図3】本発明が限界まで伸ばされた状態を示す模式図である。
図4】本発明の使用状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面及び本発明の好適な実施例を参照しながら、本発明が意図する発明の目的を達成するために講じた技術的手段を詳述する。
【0013】
図1に示すように、本発明に係る弾性肩掛けベルトは、弾性外部バンド10と、二つの連結バンド20と、補強バンド30とを備える。
【0014】
図1及び図2に示すように、該弾性外部バンド10は、伸縮性を有する長尺状の中空帯体を呈し、具体的に述べると、管状の帯体であり、該弾性外部バンド10は、内部空間と、該内部空間と連通する上方開口11及び下方開口12を有する。尚、本実施例において、該弾性外部バンド10の材料はゴム発泡材(Neoprene)を含有するが、これに限定されるものではなく、弾性を有する材料から形成されるものであれば如何なるものでもよい。
【0015】
前記各連結バンド20は、伸縮性のない帯体であって、それぞれが該弾性外部バンド10の両端に固定連結される。具体的に述べると、前記一方の連結バンド20の片端は、該弾性外部バンド10の上方開口11から挿入し、該弾性外部バンド10と面接触するように、且つ該上方開口11を塞ぐように縫合固定され、前記他方の連結バンド20の片端は、該弾性外部バンド10の下方開口12から挿入し、該弾性外部バンド10と面接触するように、且つ該下方開口12を塞ぐように縫合固定される。
本実施例において、該連結バンド20は、ナイロン製のウェビングとしているが、これに限定されるものではなく、即ち、伸縮性のないものであればよく、また、該連結バンド20の固定方法は必要に応じて任意に変更することができる。
【0016】
前記補強バンド30は、前記弾性外部バンド10内に配置され、かつ該補強バンド30の両端はそれぞれ、該各連結バンド20に連結固定される。前記補強バンド30の構造について詳しく述べると、該補強バンド30は、該弾性外部バンド10の内部空間内に湾曲する弛緩状態で収容されており、該弾性外部バンド10が伸ばされていない場合において、該補強バンド30の長さは、当該弾性外部バンド10の長さよりも長く、一方、図3に示すように、該弾性外部バンド10が伸ばされている場合において、限界まで伸ばされた補強バンド30の長さは、限界まで伸ばされた弾性外部バンド10の長さよりも短い。尚、ここでの限界まで伸ばされた長さとは、帯体が切れる寸前の臨界状態での長さを指す。本実施例において、該連結バンド20は、ナイロン製のウェビングとしているが、これに限定されるものではなく、伸縮性のないものであれば如何なるものでもよい。また、該連結バンド20の固定方法は、必要に応じて任意に変更することができ、該補強バンド30は、伸縮性のないナイロン製のウェビングであることが好ましいが、これに限定されるものではなく、該弾性外部バンドの伸び量を制限する効果を奏するものであれば、伸縮性を有する生地から作られたものであってもよい。
【0017】
本発明の使用状態については、サイドバッグに適用される実施態様を例として、図4を参照しながら説明するが、実施態様はサイドバッグに限定されるものではない。本発明における弾性肩掛けベルトの両端に位置する連結バンド20はそれぞれ、袋体40の相対する両側辺に縫合固定され、それによりサイドバッグの肩掛けベルトを構成する。このサイドバッグを肩に掛けて、歩いたり、走ったり、山登りをしたりする時に、袋体40に荷物が入っていて、一定の重量を有する場合は、使用者の動きにつれて、袋体40が揺れ動く。この時、弾性外部バンド10は、袋体40の揺れ動きの程度に応じて、サスペンションのように適度に伸縮することにより、肩に与える断続的な圧迫を分散する。一方、補強バンド30は、限界荷重状態下において、完全な伸長状態となるように引き伸ばされるが、この完全に引き伸ばされた補強バンド30の長さは、完全に引き伸ばされた弾性外部バンド10の長さよりも若干短いことから、当該弾性外部バンド10の伸び量を制限し、これにより、弾性外部バンド10が過度に伸びて破れたり、切れたりするのを防ぐことができるので、弾性外部バンドの使用寿命を向上させることができる。
【0018】
尚、本発明の連結バンド20と弾性外部バンド10とが面接触で固定連結されることから、局部的に力が集中しないので、連結部分の破損を防止することができる。
【0019】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明に対して何ら限定を行うものではない。本発明について、比較的好適な実施形態をもって上記のとおり開示したが、これは本発明を限定するものではなく、すべての当業者が、本発明の技術構想を逸脱しない範囲において、本発明の技術の本質に基づいて上記の実施形態に対して行ういかなる簡単な修正、変更及び修飾も、すべて本発明の技術構想の範囲内にある。
【符号の説明】
【0020】
10 弾性外部バンド
11 上方開口
12 下方開口
20 連結バンド
30 補強バンド
40 袋体

図1
図2
図3
図4