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特開2023-154416血液分離手順の様々なバージョンを実装するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154416
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】血液分離手順の様々なバージョンを実装するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
A61M1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】76
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023060551
(22)【出願日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】63/327,869
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/348,839
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】308020283
【氏名又は名称】フェンウォール、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100060368
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 迪夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】プラナス,サマンサ,エム
(72)【発明者】
【氏名】ミン,キュンヨーン
(72)【発明者】
【氏名】ペイテル,エイミット,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】グニアデック,トマス
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA12
4C077BB02
4C077CC04
4C077EE01
4C077KK25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】血液分離手順の様々なバージョンを実装するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】血液分離装置は、血液分離手順の第1のバージョンおよび第2のバージョンを実行するように構成された制御部を有する。血液源に関する情報が分析されて、手順の第1のバージョンを実行するか、第2のバージョンを実行するかを判断する。これには、血液源が以前に血液分離手順の対象となったかどうかに加えて、血液源の年齢、体重、および/または性別の分析が含まれる場合がある。第2のバージョンでは、手順中の任意の時点において、血液源の血液または赤血球のより多くのパーセンテージが血液源の体の外部(装置に取り付けられた流体流回路内)に存在することが可能になり得る。第2のバージョンは、さらに、またはその代わりに、より大きな血液分離室内で血液を分離するとともに、第1のバージョンよりも高い血球分離効率を可能にし得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液分離手順を実施する方法であって、
前記血液分離手順の第1のバージョンを実行するように構成された第1の血液分離装置と、前記血液分離手順の第2のバージョンを実行するように構成された第2の血液分離装置と、または、前記血液分離手順の第1のバージョンおよび第2のバージョンを実行するように構成された単一の血液分離装置を選択することと、
血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することと、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンに適していると判断した場合、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適していないと判断した場合に、前記血液源に対する前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することと、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適していると判断した場合、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンに適していないと判断した場合に、前記血液源に対する前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することとを含む、方法。
【請求項2】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液源の年齢を評価することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液源の重量を評価することを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液源の性別を評価することを含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することを含む、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたことがない場合に、前記血液源を「新規」血液源として分類することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して最後に実施されてから所定の時間が経過している場合に、前記血液源を「失効」血液源として分類することを含む、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して所定の時間よりも最近に実施されている場合に、前記血液源を「定期」血液源として分類することを含む、請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかに少なくとも部分的に基づいて、前記血液源に複数のステータスのうちの1つを割り当てることを含み、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、前記複数のステータスのそれぞれが異なる値または重みを与えられる、
請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液源から血液が吸引された回数を評価することを含む、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記血液源から血液が吸引された回数を評価することは、ある期間内に前記血液源から血液が吸引された回数を評価することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記血液源から血液が吸引された回数を評価することは、前記期間内に前記血液源から血液が吸引された平均回数を評価することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記血液源から血液が吸引された回数を評価することは、前記血液源から血液が吸引された間に前記血液源に対して実施された以前の血液吸引手順のタイプを判断することを含む、請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記以前の血液吸引手順のタイプを判断することは、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するときに、血液吸引手順の複数のタイプから選択することと、少なくとも2つの異なるタイプの血液吸引手順に異なる値または重みを与えることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
血液吸引手順の前記タイプの第1のタイプは、前記血液源に対して実施される前記血液分離手順であり、
血液吸引手順の前記タイプの第2のタイプは、前記血液源に対して実施される前記血液分離手順ではなく、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、血液吸引手順の前記第2のタイプよりも血液吸引手順の前記第1のタイプにより大きい値または重みが与えられる、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記血液分離手順は、
前記血液源からの血液を細胞血液成分と血漿とに分離することと、
前記細胞血液成分の少なくとも一部をレシピエントに搬送することとを含む、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記血液源は前記レシピエントである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンの血球分離効率は、前記血液分離手順の前記第2のバージョンの血球分離効率と異なる、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記血液源の手順前の赤血球の体積を判断することをさらに含み、
前記血液分離手順の実施は、流体流回路内の前記血液源から血液を分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施するときは任意の時点において、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積よりも少ない赤血球の体積が前記流体流回路内に存在することが許容され、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施するときに、少なくとも1回、手順前の赤血球の体積の前記選択されたパーセンテージまたは最大体積とは異なる赤血球の体積が前記流体流回路内に存在することが許容される、請求項16から請求項18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記血液源の総血液体積を判断することをさらに含み、
前記血液分離手順の実施は、前記流体流回路内の前記血液源からの血液を分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施する任意の時点において、前記総血液体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積よりも少ない体積の血液が前記流体流回路内に存在することが許容され、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施するとき、少なくとも1回、前記総血液体積の前記選択されたパーセンテージまたは最大体積とは異なる体積の血液が前記流体流回路内に存在することが許容される、請求項16から請求項18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、前記血液源からの血液を第1の血液分離室内で分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記血液源からの血液を前記第1の血液分離室とは異なる容積を有する第2の血液分離室内で分離することを含む、請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある血液吸引速度、および、ある血液吸引体積を有する第1の血液吸引段階を実行することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記第1の血液吸引段階とは異なる持続時間、血液吸引速度、および/または、血液吸引体積を有する第2の血液吸引段階を実行することを含む、請求項1から請求項21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある返送速度、および、ある流体返送体積を有する第1の流体返送段階を実行することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記第1の流体返送段階とは異なる持続時間、返送速度、および/または、流体返送体積を有する第2の流体返送段階を実行することを含む、請求項1から請求項22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
血液分離装置であって、
ポンプシステムと、
クランプシステムと、
分離アクチュエータと、
前記ポンプシステム、前記クランプシステム、および前記分離アクチュエータが作動して血液源から血液を吸引し、血液を少なくとも2つの血液成分に分離し、前記血液成分のうちの1つの少なくとも一部をレシピエントに搬送する血液分離手順の第1のバージョンおよび第2のバージョンでプログラムされた制御部とを備え、
前記制御部は、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であると判断し、または、指示され、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないと判断し、または、指示され、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンに適していると判断し、または、指示された場合、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適していないと判断し、または、指示された場合に、前記血液源に対する前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施し、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適していると判断し、または、指示された場合、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンに適していないと判断し、または、指示された場合に、前記血液源に対する前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施するように構成されている、血液分離装置。
【請求項25】
前記血液分離手順の前記第1のバージョン、対、前記第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に前記血液源の年齢に基づく、請求項24に記載の血液分離装置。
【請求項26】
前記血液分離手順の前記第1のバージョン、対、前記第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に前記血液源の重量に基づく、請求項24または請求項25に記載の血液分離装置。
【請求項27】
前記血液分離手順の前記第1のバージョン、対、前記第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に前記血液源の性別に基づく、請求項24から請求項26までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項28】
前記血液分離手順の前記第1のバージョン、対、前記第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかに基づく、請求項24から請求項27までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項29】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたことがない場合に、前記血液源を「新規」血液源として分類することを含む、請求項28に記載の血液分離装置。
【請求項30】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して最後に実施されてから所定の時間が経過している場合に、前記血液源を「失効」血液源として分類することを含む、請求項28または請求項29に記載の血液分離装置。
【請求項31】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して所定の時間よりも最近に実施されている場合に、前記血液源を「定期」血液源として分類することを含む、請求項28から請求項30までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項32】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかに少なくとも部分的に基づいて、前記血液源に複数のステータスのうちの1つを割り当てることを含み、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、前記複数のステータスのそれぞれが異なる値または重みを与えられる、
請求項28から請求項31までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項33】
前記血液分離手順の前記第1のバージョン、対、前記第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に、前記血液源から血液が吸引された回数に基づく、請求項24から請求項32までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項34】
前記血液源から血液が吸引された前記回数は、ある期間内に前記血液源から血液が吸引された回数を含む、請求項33に記載の血液分離装置。
【請求項35】
前記血液源から血液が吸引された前記回数は、前記期間内に前記血液源から血液が吸引された平均回数を含む、請求項34に記載の血液分離装置。
【請求項36】
前記血液源から血液が吸引された回数を評価することは、前記血液源から血液が吸引された間に前記血液源に対して実施された以前の血液吸引手順のタイプを判断することを含む、請求項33から請求項35までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項37】
前記以前の血液吸引手順のタイプを判断することは、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するときに、血液吸引手順の複数のタイプから選択することと、少なくとも2つの異なるタイプの血液吸引手順に異なる値または重みを与えることを含む、請求項36に記載の血液分離装置。
【請求項38】
血液吸引手順の前記タイプの第1のタイプは、前記血液源に対して実施される前記血液分離手順であり、
血液吸引手順の前記タイプの第2のタイプは、前記血液源に対して実施される前記血液分離手順ではなく、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、血液吸引手順の前記第2のタイプよりも血液吸引手順の前記第1のタイプにより大きい値または重みが与えられる、
請求項37に記載の血液分離装置。
【請求項39】
前記血液分離手順は、
前記血液源からの血液を細胞血液成分と血漿とに分離することと、
前記細胞血液成分の少なくとも一部をレシピエントに搬送することとを含む、請求項24から請求項38までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項40】
前記血液源は前記レシピエントである、請求項39に記載の血液分離装置。
【請求項41】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンの血球分離効率は、前記血液分離手順の前記第2のバージョンの血球分離効率と異なる、請求項39または請求項40に記載の血液分離装置。
【請求項42】
前記制御部は、さらに、前記血液源の手順前の赤血球の体積を判断する、または、前記血液源の手順前の赤血球の体積が提供されるように構成され、
前記血液分離手順の実施は、流体流回路内の前記血液源から血液を分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施するときは任意の時点において、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージよりも少ない赤血球の体積が前記流体流回路内に存在することが許容され、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施するときに、少なくとも1回、手順前の赤血球の体積の前記選択されたパーセンテージとは異なる赤血球の体積が前記流体流回路内に存在することが許容される、請求項39から請求項41までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項43】
前記制御部はさらに、前記血液源の総血液体積を判断する、または、前記血液源の総血液体積が提供されるように構成され、
前記血液分離手順の実施は、前記流体流回路内の前記血液源からの血液を分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施するときは任意の時点において、前記総血液体積の選択されたパーセンテージよりも少ない体積の血液が前記流体流回路内に存在することが許容され、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施するとき、少なくとも1回、前記総血液体積の前記選択されたパーセンテージとは異なる体積の血液が前記流体流回路内に存在することが許容される、請求項39から請求項41までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項44】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、前記血液源からの血液を第1の血液分離室内で分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記血液源からの血液を前記第1の血液分離室とは異なる容積を有する第2の血液分離室内で分離することを含む、請求項24から請求項43までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項45】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある血液吸引速度、および、ある血液吸引体積を有する第1の血液吸引段階を実行することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記第1の血液吸引段階とは異なる持続時間、血液吸引速度、および/または、血液吸引体積を有する第2の血液吸引段階を実行することを含む、請求項24から請求項44までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項46】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある返送速度、および、ある流体返送体積を有する第1の流体返送段階を実行することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記第1の流体返送段階とは異なる持続時間、返送速度、および/または、流体返送体積を有する第2の流体返送段階を実行することを含む、請求項24から請求項45までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項47】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施するように前記制御部に指示するために操作者によって操作されるように構成されたボタンまたはアイコンを含むデータ入力装置をさらに備える、請求項24から請求項46までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項48】
血液源に関して入力されたデータを受信するように構成されたデータ入力装置をさらに備え、前記制御部は、少なくとも部分的に前記入力されたデータに基づいて、前記血液分離手順の前記第1のバージョン、対、前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施するかどうか判断するように構成されている、請求項24から請求項46までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項49】
血液分離装置であって、
ポンプシステムと、
クランプシステムと、
分離アクチュエータと、
ある体積の赤血球を有するある体積の血液が流体流回路内に存在する血液分離手順を実行するために、前記ポンプシステムと前記クランプシステムと前記分離アクチュエータを作動させるように構成された制御部とを備え、
前記制御部はさらに、前記血液分離手順中の任意の時点において前記流体流回路内に存在し得る、血液源の総血液体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積、および/または、前記血液分離手順中の任意の時点において前記流体流回路内に存在し得る、前記血液源の手順前の赤血球体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積を指示されるように構成されている、血液分離装置。
【請求項50】
前記血液分離手順中の任意の時点において前記流体流回路内に存在し得る前記血液源の前記総血液体積の前記最大パーセンテージおよび/または最大体積は、予め定められた範囲に制限される、請求項49に記載の血液分離装置。
【請求項51】
前記制御部と通信するように構成されたデータ入力装置をさらに備え、前記制御部は、操作者が前記データ入力装置を操作して、前記予め定められた範囲から、前記血液分離手順中の任意の時点において流体流回路内に存在し得る、前記血液源の総血液体積の前記最大パーセンテージおよび/または前記最大体積を選択できるようにさらに構成されている、請求項50に記載の血液分離装置。
【請求項52】
前記血液分離手順中の任意の時点において前記流体流回路内に存在し得る前記血液源の手順前の赤血球体積の前記最大パーセンテージおよび/または最大体積は、予め定められた範囲内に限定されている、請求項49から請求項51までのいずれか1項に記載の血液分離装置。
【請求項53】
前記制御部と通信するように構成されたデータ入力装置をさらに備え、前記制御部は、操作者が前記データ入力装置を操作して、前記血液分離手順中の任意の時点において前記流体流回路内に存在し得る前記血液源の前記手順前の赤血球体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積を前記予め定められた範囲から選択できるようにさらに構成されている、請求項52に記載の血液分離装置。
【請求項54】
血液分離手順の第1のバージョンを実行するように構成された第1の血液分離装置と前記血液分離手順の第2のバージョンを実行するように構成された第2の血液分離装置、または、前記血液分離手順の前記第1のバージョンと前記第2のバーションを実行するように構成された単一の血液分離装置を用いて血液分離手順を実行するコンピュータに実装された方法であって、
前記方法は、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することと、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンに適していると判断した場合、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適していないと判断した場合に、前記血液源に対する前記血液分離手順の前記第1のバージョンを開始するか、または、開始するように操作者を促すことと、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適していると判断した場合、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンに適していないと判断した場合に、前記血液源に対する前記血液分離手順の前記第2のバージョンを開始するか、または、開始するように操作者を促すこととを含む、方法。
【請求項55】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液源の年齢を評価することを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液源の重量を評価することを含む、請求項54または請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液源の性別を評価することを含む、請求項54から請求項56までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することを含む、請求項54から請求項57までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたことがない場合に、前記血液源を「新規」血液源として分類することを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して最後に実施されてから所定の時間が経過している場合に、前記血液源を「失効」血液源として分類することを含む、請求項58または請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して所定の時間よりも最近に実施されている場合に、前記血液源を「定期」血液源として分類することを含む、請求項58から請求項60までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、前記血液分離手順が前記血液源に対して以前に実施されたかどうかに少なくとも部分的に基づいて、前記血液源に複数のステータスのうちの1つを割り当てることを含み、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、前記複数のステータスのそれぞれが異なる値または重みを与えられる、
請求項58から請求項61までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、前記血液源から血液が吸引された回数を評価することを含む、請求項54から請求項62までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記血液源から血液が吸引された回数を評価することは、ある期間内に前記血液源から血液が吸引された回数を評価することを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記血液源から血液が吸引された回数を評価することは、前記期間内に前記血液源から血液が吸引された平均回数を評価することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記血液源から血液が吸引された回数を評価することは、前記血液源から血液が吸引された間に前記血液源に対して実施された以前の血液吸引手順のタイプを判断することを含む、請求項63から請求項65までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記以前の血液吸引手順のタイプを判断することは、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するときに、血液吸引手順の複数のタイプから選択することと、少なくとも2つの異なるタイプの血液吸引手順に異なる値または重みを与えることを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
血液吸引手順の前記タイプの第1のタイプは、前記血液源に対して実施される前記血液分離手順であり、
血液吸引手順の前記タイプの第2のタイプは、前記血液源に対して実施される前記血液分離手順ではなく、
前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、前記血液源が前記血液分離手順の前記第1のバージョンまたは前記血液分離手順の前記第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、血液吸引手順の前記第2のタイプよりも血液吸引手順の前記第1のタイプにより大きい値または重みが与えられる、
請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記血液分離手順は、
前記血液源からの血液を細胞血液成分と血漿とに分離することと、
前記細胞血液成分の少なくとも一部をレシピエントに搬送することとを含む、請求項54から請求項68までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記血液源は前記レシピエントである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンの血球分離効率は、前記血液分離手順の前記第2のバージョンの血球分離効率と異なる、請求項69または請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記血液源の手順前の赤血球の体積を判断することをさらに含み、
前記血液分離手順の実施は、流体流回路内の前記血液源から血液を分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施するときは任意の時点において、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積よりも少ない赤血球の体積が前記流体流回路内に存在することが許容され、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施するときに、少なくとも1回、手順前の赤血球の体積の前記選択されたパーセンテージまたは最大体積とは異なる赤血球の体積が前記流体流回路内に存在することが許容される、請求項69から請求項71までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記血液源の総血液体積を判断することをさらに含み、
前記血液分離手順の実施は、前記流体流回路内の前記血液源からの血液を分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施する任意の時点において、前記総血液体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積よりも少ない体積の血液が前記流体流回路内に存在することが許容され、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施するとき、少なくとも1回、前記総血液体積の前記選択されたパーセンテージまたは最大体積とは異なる体積の血液が前記流体流回路内に存在することが許容される、請求項69から請求項71までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、前記血液源からの血液を第1の血液分離室内で分離することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記血液源からの血液を前記第1の血液分離室とは異なる容積を有する第2の血液分離室内で分離することを含む、請求項54から請求項73までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある血液吸引速度、および、ある血液吸引体積を有する第1の血液吸引段階を実行することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記第1の血液吸引段階とは異なる持続時間、血液吸引速度、および/または、血液吸引体積を有する第2の血液吸引段階を実行することを含む、請求項54から請求項74までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記血液分離手順の前記第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある返送速度、および、ある流体返送体積を有する第1の流体返送段階を実行することを含み、
前記血液分離手順の前記第2のバージョンを実施することは、前記第1の流体返送段階とは異なる持続時間、返送速度、および/または、流体返送体積を有する第2の流体返送段階を実行することを含む、請求項54から請求項75までのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年4月6日に出願された米国仮特許出願第63/327,869号および2022年6月3日に出願された米国仮特許出願第63/348,839号の利益および優先権を主張し、それぞれの内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、血液分離システムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、血液分離手順の異なるバージョンを実施するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、様々な血液処理システムにより、限定ではなく、以前に吸引された血液の容器、または他の生物源または非生物源などの血液源から、全血の代わりに、特定の血液成分を収集することが可能になっている。血液は通常、ドイツ、バート・ホンブルクのフレセニウス・カビ・アーゲーの関連会社であるイリノイ州レイク・ズーリックのフェンウォール社のAMICUS(登録商標)分離器などの遠心分離器または他の遠心分離装置、またはフェンウォール、インコーポレイテッドのAUTOPHERESIS-C(登録商標)およびAURORA(登録商標)装置などの回転膜タイプの分離器によって、その成分(赤血球、血小板、血漿など)に分離される。このようなシステムでは、血液源から全血が吸引され、特定の血液構成要素または成分が分離、除去、および収集され、残りの血液成分が血液源に戻される。
【0004】
特定の成分のみを除去することは、血液源がヒトのドナーである場合に有利である。なぜなら、ドナーの体が提供前のレベルに戻るまでに必要な時間が潜在的に短くなり、全血を吸引する場合よりもより頻繁な間隔で提供を行うことができるからである。これにより、移送および/または治療に利用できる血漿や血小板などの血液成分の全体的な供給が増加する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の主題にはいくつかの態様があり、これらは、以下に記載され特許請求される装置およびシステムにおいて個別にまたは一緒に具体化され得る。これらの態様は、単独で使用することも、本明細書に記載の主題の他の態様と組み合わせて使用することもでき、これらの態様を一緒に説明することは、これらの態様を個別に使用すること、またはそのような態様をは、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載されている個別にまたは設定された異なる組み合わせで特許請求することを排除することを意図するものではない。
【0006】
一態様では、血液分離手順を実施するための方法が提供される。この方法は、血液分離手順の第1のバージョンを実行するように構成された第1の血液分離装置と、血液分離手順の第2のバージョンを実行するように構成された第2の血液分離装置、または血液分離手順の第1のバージョンおよび第2のバージョンを実行するように構成された単一の血液分離装置を選択することを含む。血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうか、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかが判断される。血液分離手順の第1のバージョンは、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適していると判断された場合、および/または、血液源が血液の第2のバージョンに適していないと判断された場合に、その血液源に対して実施される。代わりに、血液分離手順の第2のバージョンは、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適格であると判断された場合、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適格でないと判断された場合に、その血液源に対して実施される。
【0007】
別の態様では、血液分離装置は、ポンプシステム、クランプシステム、分離アクチュエータ、および制御部を含む。制御部は、ポンプシステム、クランプシステム、および分離アクチュエータが作動して血液源から血液を吸引し、血液を少なくとも2つの血液成分に分離し、血液成分の1つの少なくとも一部をレシピエントに搬送する血液分離手順の第1のバージョンおよび第2のバージョンでプログラムされている。制御部は、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であると判断するかまたは指示され、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格ではないと判断するかまたは指示されるように構成される。制御部は、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに対して適格であると判断するか、または指示されたとき、および/または、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適格ではないと判断するか、または指示されたとき、血液源に対して血液分離手順の第1のバージョンを実施する。代わりに、制御部は、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適していると判断するか、または指示されたとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適格ではないと判断するか、または指示されたとき、血液源に対する血液分離手順の第2のバージョンを実施する。
【0008】
さらに別の態様では、血液分離装置は、ポンプシステム、クランプシステム、分離アクチュエータ、および制御部を含む。制御部は、ポンプシステム、クランプシステム、および分離アクチュエータを作動させて、ある体積の赤血球を有するある体積の血液が流体流回路内に存在する血液分離手順を実行するように構成される。制御部はさらに、血液分離手順中の任意の時点で流体流回路内に存在し得る血液源の総血液体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積、および/または、血液分離手順中の任意の時点で流体流回路内に存在し得る血液源の手順前の赤血球体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積を指示されるように構成されている。
【0009】
別の態様では、血液分離手順の第1のバージョンを実行するように構成された第1の血液分離装置と血液分離手順の第2のバージョンを実行するように構成された第2の血液分離装置、または、血液分離手順の第1のバージョンと血液分離手順の第2のバージョンとを実行するように構成された単一の血液分離装置を使用して、血液分離手順を実行するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することを含む。血液分離手順の第1のバージョンは、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適格であると判断したとき、および/または、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適格でないと判断したとき、血液源に対して開始される(または操作者が手順の第1のバージョンを開始するように促される)。血液分離手順の第2のバージョンは、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適格であると判断したとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適格でないと判断したとき、血液源に対して開始される(または操作者が手順の第2のバージョンを開始するように促される)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本開示の一態様による例示的な血液分離装置の正面斜視図である。
【0011】
図2は、図1の血液分離装置の後方からの斜視図であり、後部ドアが開いた位置にある。
【0012】
図3は、血液分離システムを構成するためにそれに関連する流体流回路を備えた、図1の血液分離装置の正面斜視図である。
【0013】
図4は、図3の流体流回路の血液分離室の正面斜視図であり、説明のためにその一部が切り取られている。
【0014】
図5は、採血モードにおける図3の血液分離システムの概略図である。
【0015】
図6は、血液成分返送モードにおける図3の血液分離システムの概略図である。
【0016】
図7は、置換流体返送モードにおける図3の流体流回路および流体処理システムの概略図である。
【0017】
図8A,8B,9Aおよび9Bは、図1の血液分離装置の表示部またはデータ入力装置上に表示され得る例示的な画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に開示される実施形態は、本主題の例示的な説明を提供することを目的とする。しかしながら、それらは単なる例示であり、本発明の主題は様々な形態で具現化され得る。したがって、本明細書に開示される特定の詳細は、添付の特許請求の範囲に定義される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0019】
本開示の一態様によれば、耐久性の、または再利用可能な血液分離装置は、血液を2つ以上の成分に分離するために、別個の流体流回路(使い捨てであってもよい)と組み合わせて使用される。図1および図2は、例示的な血液分離装置10を示し、図3は、血液分離装置10(本明細書ではこの組み合わせを「血液分離システム」と呼ぶ)に取り付けられた例示的な流体流回路12を示す。図示された血液分離装置10および流体流回路12は、そのような装置および回路の単なる例示であり、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる構成の血液分離装置および流体流回路が提供され得ることを理解されたい。
【0020】
図1の装置10は、全血を処理するように構成されているが、他の血漿含有流体を処理して、濃縮流体(血漿含有流体が全血を構成する場合、血漿が濃縮されたときの赤血球濃縮物または濃厚赤血球であってもよい)から血漿を分離するために使用することもできる。血漿含有流体は、生体ドナーまたは患者(例えば、人間のドナー)または非生体供給源(例えば、血液バッグまたは流体容器)を含む任意の流体供給源に由来することができる。
【0021】
図示された装置10は、キャビネットまたはハウジング14を含み、いくつかの構成要素がキャビネット14の外側に配置され(例えば、キャビネット14の前壁または前面または前パネルに関連付けられる)、追加の構成要素(中央処理装置または制御部16)および相互接続部がキャビネット14の内部に配置されており、図2に示すように、装置10の後部ドア18を開けることによってアクセスすることができる。図示の構成要素および構成要素の位置は単なる例示であり、本開示の範囲から逸脱することなく追加のまたは異なる構成要素および異なる構成要素の配置を装置に組み込むことができることを理解されたい。
【0022】
キャビネット14の外側に配置された構成要素のうち、1つまたは複数のポンプまたはポンプステーション20a~20c(本明細書では集合的に「ポンプシステム」と呼ぶ)が設けられてもよく、ポンプ20a~20cは、流体流回路12の配管ラインを収容するように構成されている。ポンプのうちの1つポンプ20aは、供給源/レシピエントアクセスポンプとして提供されてもよく、このポンプは、流体流回路12の供給源/レシピエントアクセスライン22と関連付けられてもよく、流体供給源(図5)から流体を吸引し、流体を流体のレシピエントに戻す(図6および図7)。ポンプのうち別の1つポンプ20bは、抗凝固剤ポンプとして提供されてもよく、このポンプは、流体流回路12の抗凝固剤ライン24と関連付けられてもよく、流体流回路12の抗凝固剤源または容器26から、流体が流体流回路12の血液分離モジュールまたは室28に入る前に、供給源/レシピエントアクセスライン22内の流体源から引き出された流体に、抗凝固剤を添加するように動作する(図5)。第3のポンプ20cは、濃縮流体ポンプとして設けることができ、このポンプは、濃縮流体出口ライン30と関連付けることができ、流体が血液分離室28内で濃縮流体と分離血漿とに分離された後に、血液分離室28から濃縮流体を引き出し、濃縮流体を濃縮流体貯留部32に導くように動作する。
【0023】
図示の実施形態では、ポンプ20a~20cは蠕動ポンプであるが、ダイヤフラムポンプまたは他のポンプなどの異なる構成のポンプが提供されることも本開示の範囲内である。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、追加のまたは代替のポンプを提供することができる。例えば、血漿含有流体が濃縮流体と分離血漿とに分離された後、血液分離室28から分離血漿を引き出すために、ポンプを流体流回路12の血漿出口ライン34と関連付けることができる。また、本明細書でより詳細に説明するように、図示の実施形態は、断続的に実行される供給源からの血液の吸引とレシピエントへの流体の流動または返送の両方に単一の流体流管または流路を使用する。システム10は、本開示の範囲から逸脱することなく、別々の引き込み流路および戻り流路または管を使用することができる。
【0024】
ポンプ20a~20cに加えて、装置10の外部構成要素は、流体流回路12の配管ラインに関連付けられた1つまたは複数のクランプまたは弁36a~36d(本明細書では集合的に「クランプシステム」と呼ばれる)を含み得る。クランプまたは弁36a~36dは、関連する配管ラインを通る流体の流れを選択的に許可または阻止するように様々に構成および動作することができる。図示の実施形態では、1つのクランプまたは弁36aが流体源/レシピエントクランプとして提供され得、これは、流体流回路12の供給源/レシピエントアクセスライン22の引き込み分岐路22aと関連付けられ得、供給源/レシピエントアクセスライン22の吸引分岐路22aを通る流体の流れを可能にし(図5)、または阻止する(図6および図7)。クランプまたは弁36bのうちの別の1つは、再注入クランプまたは弁として提供されてもよく、これは、流体流回路12の濃縮流体貯留部32の下流で供給源/レシピエントアクセスライン22の再注入分岐路22bと関連付けられてもよく、これにより、再注入分岐路22bを通る濃縮流体の流れを可能にし(図6および7)、または阻止する(図5)。第3のクランプまたは弁36cは、血漿クランプまたは弁として提供され得、これは、血漿出口ライン34と関連付けられ得、血漿出口ライン34を通る分離血漿容器38内への分離血漿の流れを可能にし(図5)、または阻止する(図6および図7)。第4のクランプまたは弁36dは、置換流体クランプまたは弁として提供され得、これは、流体流回路12の置換流体ライン40と関連付けられ得、置換流体源42(例えば、少なくとも部分的に生理食塩水で満たされたバッグまたは容器)からの置換流体の流れを可能にし(図7)、または阻止する(図5および図6)。本開示の範囲から逸脱することなく、追加のまたは代替のクランプまたは弁を提供することもできる。
【0025】
図示の装置10は、ポンプ20a~20cおよびクランプまたは弁36a~36dの動作中に流体流回路12の1つまたは複数の配管ライン内の圧力を監視するために、流体流回路12に関連付けることができる1つまたは複数の圧力センサ43aおよび43bをさらに含む。一実施形態では、一方の圧力センサ43aは、流体源から流体を引き出す、および/または処理された流体を流体レシピエントに導く配管ラインに関連付けられ得、他方の圧力センサ43bは、血液分離室28内の圧力を評価するために、流体を血液分離室28内外に導く配管ラインに関連付けられ得るが、圧力センサ43aおよび43bは、本開示の範囲から逸脱することなく、他の配管ラインに関連付けられてもよい。圧力センサ43aおよび43bは、圧力センサ43a、43bによって監視されている1つまたは複数の配管ライン内の圧力を示す信号をシステム制御部16に送信することができる。制御部16が、流体流回路12内に不適切な圧力(例えば、配管ラインの1つの閉塞による高圧)が存在すると判断した場合、制御部16は、ポンプ20a~20cのうちの1つまたは複数に、および/または、クランプまたは弁36a~36dのうちの1つまたは複数に、(例えば、ポンプ20a~20cのうちの1つの動作方向を逆転させることによって、および/または、クランプまたは弁36a~36dのうちの1つを開閉することによって)不適切な圧力状態を軽減するように動作するように指示することができる。本開示の範囲から逸脱することなく、追加のまたは代替の圧力センサを提供することもできる。
【0026】
装置10は、血液分離室28を作動させるために血液分離室28の一部と相互作用する分離アクチュエータ44も含む。血液分離室28をキャビネット14に対して適所に保持し、分離アクチュエータ44と係合させるために、室ロック46を設けることもできる。分離アクチュエータ44の構成および動作は、血液分離室28の構成に依存する。図示の実施形態では、血液分離室28は、すべて参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,194,145号および第5,234,608号、またはPCT特許出願公開番号WO2012/125457A1に詳細に記載されているタイプの分離器などの、回転膜型分離器として提供される。回転膜型分離器として提供される場合、血液分離室28は、その中に微多孔膜50が配置された管状ハウジング48(図4)を含み得る。入口52は、流体がハウジング48内に(供給源/レシピエントアクセスライン22の吸引分岐路22aを介して)入ることを可能にし、一方、側部出口54は、濃縮流体が(濃縮流体出口ライン30を介して)ハウジング48から出ることを可能にし、そして、底部出口56は、流体が濃縮流体と血漿とに分離された後、分離された血漿がハウジング48から(血漿出口ライン34を介して)出ることを可能にする。
【0027】
図示の実施形態では、分離アクチュエータ44は、膜50が取り付けられるロータ58に磁気的に結合される駆動部として設けられ、分離アクチュエータ44は、ロータ58および膜50をハウジング48の中心軸を中心として回転させる。回転するロータ58および膜50は、ハウジング48と膜50との間のギャップ60内にテイラー渦を生成し、濃縮流体(細胞血液成分であり得る)を膜50から輸送して側面出口54を介して血液分離室28から排出する傾向があり、一方、分離された血漿は、ハウジング48の中心軸に向かって膜50を通過し、底部出口56を介して血液分離室28から出る。本開示は特定の血液分離室に限定されず、図示され説明された血液分離室28は単なる例示であることを理解されたい。例えば、他の実施形態では、サイズではなく密度に基づいて流体成分を分離する遠心装置を使用して、血漿含有流体を血漿と濃縮流体とに分離することができる。
【0028】
装置10は、本開示の範囲から逸脱することなく、代替および/または追加の構成要素を含むことができる。例えば、図示の装置10は、血漿出口ライン34に関連付けられたヘモグロビン検出器または光センサアセンブリ62、貯留部32に関連付けられた血球重量計、および流体流回路12の分離血漿容器38に関連付けられた血漿重量計を含む。図示の装置10は、制御部16に情報を入力し、入力情報または制御部16からの情報を表示するためのタッチスクリーンとして構成されたデータ入力装置64も含む。タッチスクリーンが図示されているが(図8Aおよび図8Bはタッチスクリーン上に表示され得る例示的な画像を示している)、異なる構成のデータ入力装置(例えば、バーコードリーダー)も本開示の範囲から逸脱することなく使用できることを理解されたい。
【0029】
図示の血液分離システムを使用する一方法によれば、血漿含有流体は、吸引段階または吸引モード中に流体源から血液分離室28内に吸引され(図5)、そこで血漿含有流体は濃縮された流体と分離血漿に分離される。分離された血漿は装置10によって(例えば、流体流回路12の分離血漿容器38内に)保持される一方、濃縮された流体は、返送または再注入段階またはモード中に流体レシピエントに戻される(図6)。一実施形態では、吸引段階と返送段階は、目標(例えば、分離された血漿の収集量)が達成されるまで繰り返し交互に行われる(流体源から吸引し、流体を血漿と濃縮流体に分離し、次いで濃縮流体を流体レシピエントに戻す)。すべての吸引段階およびすべての返送段階は同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。例えば、最後の吸引段階では、前の吸引段階よりも少ない流体を流体源から吸引することができ、最後の返送段階では、濃縮された流体と置換流体の組み合わせを流体レシピエントに注入することができるが、これまでの返送段階では濃縮された流体のみを流体レシピエントに戻すことができる。
【0030】
図7は、置換流体(例えば、生理食塩水)が単独で、またはある量の濃縮流体とともに流体レシピエントに送られる例示的な段階またはモードを示す。図7の段階では、置換流体ライン40に関連付けられたクランプまたは弁36dが開かれて、置換流体が置換流体源42から流出できるようにする。供給源/レシピエントアクセスライン22の吸引分岐路22aに関連付けられたクランプまたは弁36aは、置換流体が血液分離室28内に導かれるように、そこを通る流体の流れを防ぐために閉鎖状態にあってもよい。置換流体は、濃縮流体出口ライン30に関連付けられたポンプ20cの動作によって、血液分離室28から引き出され、濃縮流体貯留部32内に入れられる。濃縮流体貯留部32内に濃縮流体が存在する場合、置換流体は、供給源/レシピエントアクセスライン22に関連付けられたポンプ20aによって流体レシピエントに圧送される前に、濃縮流体と混合するか、そうでなければ、置換流体は単独で流体レシピエントにポンプで送られ得る。一実施形態では、図7の置換流体返送モードは、最終返送段階(例えば、濃縮流体貯留部32内の濃縮流体の量が十分に低いレベルにあるとき)として1回だけ実行され、そこで、濃縮流体と置換流体が流体レシピエントに返される。これは、濃縮流体貯留部32内のすべての濃縮流体が(血液分離室28内に残っているものとともに)濃縮流体貯留部32から洗い流され、流体レシピエントにポンプで送られることを確実にするために有利であり得る。
【0031】
他の実施形態では、図7の置換流体返送モードは、手順の初期などの他の時点、手順中の複数の予定された時間、および/または、操作者からの要求に応じた任意の時点で実行され得、および/または、置換流体源42と流体レシピエントとの間の異なる経路を使用し得る。例えば、手順の早い段階で置換流体が流体レシピエントにポンプで送られる場合、置換流体が血液分離室28および濃縮流体貯留部32をバイパスすることが有利である可能性がある。この場合、置換流体ライン40に関連付けられたクランプまたは弁36dと、供給源/レシピエントアクセスライン22の吸引分岐路22aに関連付けられたクランプまたは弁36aを開放して流体がそこを通って流れるようにされ得、再注入分岐炉22bに関連付けられたクランプまたは弁36bを流体が流れないように閉鎖状態にし得る。供給源/レシピエントアクセスライン22に関連付けられたポンプ20aは、置換流体源42から置換流体ライン40、吸引分岐路22aを通して置換流体を引き出し、そして最後に、供給源/レシピエントアクセスライン22を通って流体レシピエントに流すように、(他の2つのポンプ20bおよび20cが停止した状態で)作動され得る。
【0032】
図示された流体流回路12および手順は、「単一針」変形であり、血液源からの血液の吸引と血液源への流体の返送の両方に同じ血液源アクセス(例えば、針)が使用される。他の実施形態では、2つの血液源/レシピエントアクセスが流体流回路に組み込まれ、(第1の針または血液源アクセスを介して)血液源から血液を抜き取り、同時に、(第2の針またはレシピエントアクセスを介して)流体が血液源または他のレシピエントに搬送されることができる、手順の「二本針」変形を可能にする。本開示は、単一針手順または二本針手順のいずれか、または任意の特定の血液分離方法(例えば、遠心分離器または回転膜型分離器による)、または任意の特定の分離手順(例えば、血液を血漿および細胞性血液成分に分離すること、または血液を血漿、バフィーコート、および赤血球に分離すること)に限定されるものではないことが理解されるべきである。
【0033】
制御部16による血液分離手順の実行は、制御部16によって受信されるデータに依存し、このデータは、通常、データ管理システムから受信されるか、またはデータ入力装置64を使用して操作者によって入力される。図8Aおよび図8Bは、データ入力装置64の画面に表示される画像例を示し、図8Aは、操作者に様々な情報を要求する前処理画像を示す。図8Aの例示的な画面は、操作者によって入力されたデータを受信および表示するための様々なフィールド66a~66iを含み、以下を含む。手順IDを提供するための第1フィールド66a、献血設定IDを提供するための第2フィールド66b、血液源IDを提供するための第3フィールド66c、ヒト血液源の性別を提供するための第4フィールド66d、ヒト血液源の身長を提供するための第5フィールド66e、ヒト血液源の体重を提供するための第6フィールド66f、血液源の血液に関する情報(例えば、ヘモグロビンまたはヘマトクリットレベルまたは血小板前計数)を提供するための第7フィールド66g、手順パラメータ(目標生理食塩水体積など)を提供するための第8フィールド66h、および、追加の手順パラメータ(目標血漿収集体積または収集された血漿と抗凝固剤の目標組み合わせ体積など)を提供するための第9フィールド66i。図8Aの画面で要求されるデータは単に例示的なものであり、データ入力装置64は操作者に追加の情報または異なる情報を要求する可能性があることを理解されたい。
【0034】
図8Bの画像は、図8Aの画面を使用して操作者によってすべて入力された後に、様々なデータ入力を表示する概要または確認画面として考えることができる。9つのフィールド66a~66i(それぞれ)に対応する9つのフィールド68a~68iに加えて、図8Bの画面は、操作者によって入力されたデータを表示せず、センターまたは管理者が設定した値を表示する追加のフィールド68jを含む。これは、図示された例では抗凝固剤と全血の比率である。代わりに、フィールド68jは、データ入力装置64を使用して操作者によって提供された1つ以上の入力から導き出された計算値を表示してもよいし、画面には、それぞれが異なる計算値を示す1つ以上の追加フィールドを設けてもよい。この計算値は、全血に対する抗凝固剤の比率、ヒト供給源の体格指数(血液供給源の身長と体重を使用して計算できる)、供給源の総血液体積(レンメンス・バーンスタイン・ブロツキー方程式の使用などの既知のアプローチまたは新しいアプローチに従って、ヒト血液供給源の身長と体重を使用して推定できる)、供給源の総赤血球または血漿体積、供給源の細胞外流体の体積、および、手順を完了するのに必要な推定時間を含むがこれらに限定されない、多くの可能な値のいずれであってもよい。複数の計算値を表示する要約画面または確認画面、および/または(それぞれ1つまたは複数の計算値を表示する)複数の要約画面または確認画面が提示されることは、本開示の範囲内である。
【0035】
制御部16は、データ管理システムからデータを受信するか、またはデータ入力装置64を使用して操作者によって入力されたデータを受信するとともに、計算値を計算するか、または計算値が提供される。次いで、制御部16は、装置10の他の構成要素を制御して、選択された血液分離手順を実行する。
【0036】
本開示の一態様によれば、制御部16は、同じ血液分離手順の2つの異なるバージョンを実施するように構成されており、これらのバージョンは、本明細書では「導入」または「穏やか」バージョン、および「標準」バージョンと呼ばれる。所与の手順の「導入」バージョンは、様々な理由で「標準」バージョンに適さない血液源に対して実施されることを目的としており、「導入」バージョンは軽度/中程度の反応を軽減することで手順に対するドナーの耐性を向上させることを目的としている。本開示の別の態様によれば、血液源は、「標準」バージョンの準備ができていることを確立するために、手順の「導入」バージョンを1回以上首尾よく経験することによって、手順の「導入」バージョンから「卒業」することが可能である。そのような血液源が、手順の「標準」バージョンの準備ができていることを確立すると、そのバージョンは、手順の将来の反復のためにその血液源に対して実装され得る。
【0037】
血液分離手順の「導入」バージョンは、多くの点で「標準」バージョンとは異なる場合がある。例えば、血液分離装置10の分離効率は、「導入」バージョンよりも「標準」バージョンの方が高い場合がある。上述の手順(血漿から細胞血液成分を分離する手順)では、この違いは、「標準」バージョンの手順を実行する場合は比較的高い血球分離効率が得られ、「導入」バージョンの手順を実行する場合はより低い血球分離効率という形で現れる。
【0038】
別の考えられる差異によれば、「標準」バージョンの手順の実施中の任意の特定の時点においても、「導入」バージョンの実施中よりも大きなパーセンテージの血液源の血液および/または赤血球が流体流回路12内に存在する可能性がある。例えば、上述のように、血液源の総血液体積または手順前の赤血球体積を計算することが可能である。手順の「導入」バージョンを実施するとき、制御部16は、任意の特定の時点においても、血液源の計算された総血液体積および/または手順前の赤血球体積の14%以下が流体流回路12内に存在することを許容するように、血液分離装置10の他の構成要素を作動させてもよい。同じ手順の「標準」バージョンを実施する場合、制御部16は、血液分離装置10の他の構成要素を作動させて、計算された血液源の総血液体積および/または手順前の赤血球体積のより大きな割合(例えば16%以下)が任意の特定の時点において流体流回路12内に存在することを可能にすることができる。あるいは、手順の実施中の任意の特定の時点で流体流回路12内に存在し得る血液源の血液または赤血球の体積に異なる制限を設けてもよく、手順の「導入」バージョン(例えば、200mLの赤血球または500mLの血液)よりも手順の「標準」バージョンではより大きな制限(例えば、250mLの赤血球または600mLの血液)が存在し得る。
【0039】
14%および16%は単なる例示であり、手順の「導入」バージョンおよび「標準」バージョンの制限として他のパーセンテージを使用できることを理解されたい。本開示の一態様によれば、採血センターまたは採血施設は、手順中に使用され得る割合の範囲を設定できるようにすることができる。たとえば、採血センターは、血液源の計算された総血液および/または手順前の赤血球体積の12~16%の範囲を、手順中の任意の特定の時点において流体流回路12内に存在し得る血液および/または赤血球の最大許容体積として設定し得る。次いで、操作者は、図9Aのアイコン66jに示すように、血液分離手順のバージョンのうちの1つを実行するときに、所定の範囲内のどのパーセンテージを採用するかを制御部16に(例えば、データ入力装置64を使用して)指示することができる。
【0040】
同様に、200mLおよび250mLの赤血球、および500mLおよび600mLの血液は単なる例示であり、他の体積が手順の「導入」バージョンおよび「標準」バージョンの制限として使用され得ることを理解されたい。本開示の一態様によれば、採血センターまたは採血施設は、手順中に使用できる最大体積の範囲を設定できるようにすることができる。例えば、採血センターは、手順中の任意の特定の時点において流体流回路12内に存在し得る、赤血球の最大許容体積を150~250mLの範囲、および/または、血液の最大許容体積を450~600mLの範囲に設定することができる。次いで、操作者は、図9Bのアイコン66kに示すように、血液分離手順のバージョンのうちの1つを実行するときに、所定の範囲内のどの体積を使用するかを制御部16に(例えば、データ入力装置64を使用して)指示することができる。
【0041】
さらに別の考えられる差異によれば、血液分離手順の「標準」バージョンを実施する場合、比較的大きな血液分離室28(より大きな体外流体体積を可能にする)が使用され得、同じ手順の「導入」バージョンを実施するときに(より少ない体外流体体積を考慮して)比較的小さな血液分離室28が使用され得る。このような「標準」および「導入」血液分離室の特定のサイズおよび構成は、本開示の範囲から逸脱することなく変更することができる。しかしながら、例示的な実施形態では、「標準」血液分離室および「導入」血液分離室のサイズは、関連付けられたバージョンの手順に対する許容される体外流体の体積に基づいて選択され得る(例えば、「導入」血液分離室は、「導入」バージョンの手順を実施するとき、任意の時点において流体流回路12内に血液源の血液の14%以下の体積が存在し得、「標準」血液分離室は、「標準」バージョンの手順を実施するとき、任意の時点において流体流回路12内に血液源の血液の16%以下の体積が存在し得る)。
【0042】
別の考えられる差異によれば、血液分離手順の「標準」バージョンを実施する場合、手順の1つまたは複数の段階を強化することができる。たとえば、血液分離手順の「標準」バージョンで実行される採血段階(図5に示す)は、同じ手順の「導入」バージョンでの同じ段階とは異なる期間を有し得る。制御部16はまた(または代わりに)ポンプシステムを作動させて、「標準」バージョンの採血段階中、「導入」中の採血速度と比較して異なる(典型的には、より高い)速度で血液源から血液を採血してもよい。これには、手順の各バージョンで異なる最小および/または最大の吸引速度が含まれる場合がある。一般に、手順の「標準」バージョンの採血段階の方が、同じ手順の「導入」バージョンの採血段階よりも、血液源からより多くの血液が吸引される可能性がある。複数の採血段階が実行される実施形態(典型的には「単一針」手順)では、手順の「導入」バージョンの第1の採血段階では、(ドナーの快適さのために)特に低い採血速度を有し、その後の1つ以上の採血段階で採血速度が増加することが有利である可能性がある。
【0043】
同様に、血液分離手順の「標準」バージョン中に実行される流体返送段階(図6および図7に示す)は、同じ手順の「導入」バージョン中の同じ段階とは異なる期間を有する場合がある。制御部16はまた(または代わりに)、ポンプシステムを作動させて、「標準」バージョンの流体返送段階中、「導入」バージョンにおける流体返送速度と比較して、異なる速度で流体をレシピエント(例えば、血液源)に搬送することができる。これには、手順の各バージョンで異なる最小および/または最大返送速度が含まれる場合がある。一般に、手順の「標準」バージョンの流体返送段階の間、同じ手順の「導入」バージョンの流体返送段階よりも、より多くの流体がレシピエントに搬送され得る(「標準」バージョンの間、供給源からより多くの血液が吸引され得るため)。複数の流体返送段階が実行される実施形態(典型的には「単一針」手順)では、手順の「導入」バージョンの最初の流体返送段階が特に低い返送速度を有し、後続の1つまたは複数の流体返送段階で返送速度が増加するすることが(ドナーの快適さのために)有利である可能性がある。
【0044】
本開示の一態様によれば、手順の一方または両方のバージョンのパラメータは、装置10が設置されセットアップされるときに構成されてもよく、および/または、手順の開始前または開始時に操作者によって調整されてもよい。これには、操作者が選択できるパラメータの範囲または制限が含まれる場合がある(たとえば、操作者が値の範囲から最大体外血液体積を選択するように制限されている場合)。
【0045】
血液分離手順の「導入」バージョンまたは「標準」バージョンに対して血液源を指定する基準は、本開示の範囲から逸脱することなく変更することができる。このスクリーニングプロセスには、「導入」バージョンに適格である、「標準」バージョンに適格である、「導入」バージョンに適格ではない、または「標準」バージョンに適格でないとして指定される血液源が含まれる場合がある。例として、血液源の年齢は、どのバージョンの血液分離手順を実施するかを判断する要因となる可能性があり、特に若い血液源および特に古い血液源には「導入」バージョンがより適している傾向がある。追加または代替の要因は血液源の重量である可能性があり、「導入」バージョンはより軽量の血液源により適している傾向がある。血液源の性別は別の要因である可能性があり(他の要因と一緒に、または独立して考慮される場合がある)、「導入」バージョンは女性の血液源に適していることがよくある。さらに別の要因は、血液源の当日の状態である可能性がある(たとえば、より穏やかなバージョンが推奨される可能性があることを示唆する、手順当日の血液源の状態について何かがあるかどうか)。
【0046】
さらに別の考慮事項は、血液分離手順(または同等の手順)が血液源に対して以前に実施されたかどうかである。血液源がこの手順(または同等の手順)を受けたことがない場合、「標準」バージョンよりも「導入」バージョンの手順の方が適している可能性がある。血液源が以前にその手順(または同等の手順)を受けている場合、血液源から血液が吸引された回数を考慮することが有利である可能性がある。これは、ある期間内に血液源から血液が吸引された回数(例えば、血液源が活発で常連の参加者であるかどうか、または最近参加が終了したかどうかを評価するため)、および/または、関連する期間内に血液源から血液が吸引された平均頻度または回数を含み得る。
【0047】
血液源の採血履歴は、多くの方法のうちのいずれかの要因として実装され得る。一実施形態では、「履歴」要素はステータスとして扱われ、例えば、血液源は「新規」、「失効」、または「定期」に分類される。特定の手順(または同等の手順)を受けたことがない血液源は、「新規」血液源として分類され得る。過去に特定の手順(または同等の手順)を受けたことがあるが、最近になってからではない(または最近十分に定期的に受けていない)血液源は、「失効した」血液源として分類され得る。最近、定期的に特定の手順(または同等の手順)を受けた血液源は、「定期」血液源として分類され得る。異なるステータスには、手順のどのバージョンを実施するべきかを判断する際に、制御部16によって異なる数値または「ポイント」が与えられ得る(例えば、「新規」血液源については0、「失効」血液源については1、「定期」血液源については2)。「定期」ステータスの血液源は、「失効」または「新規」血液源よりも「標準」バージョンの実施に適しているとみなされる可能性が高い(より多くの「ポイント」を有しているため)。
【0048】
別の実施形態では、「履歴」因子は、過去に血液源から血液が吸引された回数、または血液源が特定の手順(または同等の手順)を受けた回数に等しい数として扱われ得る。異なるタイプの手順がカウントに含まれる場合、特定の手順(たとえば、実装される特定の手順と同じ手順)には、他の手順(たとえば、実装される手順と類似しているが異なる手順)よりもより大きな数値または重みが与えられ得る。「履歴」要因がステータスとして扱われる実施形態と同様に、特定の手順(または同等の手順)をより頻繁に受けた血液源は、血液分離手順の「標準」バージョンの適格を得る可能性がより高い可能性がある。経験の浅い血液源よりも、より多くの「ポイント」を持っているか、適格の閾値に向かって進んでいるためである。
【0049】
どのバージョンの手順を実施するかを判断する際に複数の要因(例えば、血液源の年齢、性別、採血歴)が考慮される場合、それらに同じまたは異なる重みが与えられてもよい。例えば、血液源の採血履歴の方が、血液源の年齢や性別よりも重要である(したがって、より重要視される)場合があるかもしれない。血液源の年齢と性別が典型的に「導入」バージョンの手順に適している場合、「標準」バージョンの手順を成功裡に受けた経歴を持つ(または類似の血液分離手順を成功裡に受けたことがある)血液源の方が、それらの要因により重みが与えられ得る。
【0050】
上記の要因のいくつかは血液源の生涯中に変化する可能性があるため、それらは定期的に再評価されて、その後の血液分離手順が「導入」バージョンに従って実行されるべきか、または「標準」バージョンに従って実行されるべきかを判断することができる。実際、血液源にとっては、手順の「導入」バージョンから「標準」バージョンに「卒業」するのがより一般的かもしれないが(例えば、手順の「導入」バージョンを一定回数受けることで)、また、血液源を「標準」バージョンから「導入」バージョンに移行することも可能である(たとえば、血液源が大幅に減量した場合)。
【0051】
血液分離手順のどのバージョンを実施するかに関する判断(血液源をあるバージョンから別のバージョンに変更するかどうかを含む)は、多くの方法のうちのいずれかで行うことができる。例えば、制御部16は、(例えば、データ入力装置64を介して、またはデータ管理システムを介して操作者によって)提供された情報に基づいて、どのバージョンの手順を実行するかを判断し、その後、操作者からの入力なしで、そのバージョンの手順の実行に進むことができる。別の実施形態では、制御部16は、操作者に手順の推奨バージョンを提供することができ、操作者は、推奨バージョンまたは異なるバージョンのいずれかを実施する選択肢を有する。これには、操作者にアイコン70(図8B)またはボタンが提供され、適切なパラメータ(例えば、吸引速度および返送速度、各サイクルで処理される血液の体積、最大許容体外血液体積、最大許容体外赤血球体積など)は、制御部16によって自動的に実装される。さらに別の実施形態では、制御部16から入力を受信せずに、操作者が(例えば、アイコン70またはボタンなどを使用して)実行する手順のバージョンを選択できるようにすることができる。さらに別の実施形態では、他の権限(例えば、「フロントデスク」操作者または中央制御部)が、どのバージョンの手順を実施するかを判断できるようにすることができる。手順のあるバージョンまたは別のバージョンを実行するように制御部16に指示することは、手順設定ファイル内に単一のフラグ値を設定するのと同じくらい簡単であってもよく、または本開示の範囲から逸脱することなく他の方法で実装されてもよい。
【0052】
血液分離手順の「導入」および「標準」バージョンが本明細書に記載されているが、本開示は手順の「導入」または「穏やかな」バージョンおよび同じ手順の「標準」バージョンの実行に限定されないことを理解されたい。例えば、血液分離手順の2つの「標準」バージョンが利用可能であり、1つのバージョンが手順の「穏やかな」バージョンとして提示されるのではなく、2つのバージョンは何らかの点で異なる実質的に同等の代替案である。実際、特定の血液分離手順の2つのバージョンが異なる方法は、本開示の範囲から逸脱することなく変更することができる。
【0053】
所与の血液分離手順の「導入」バージョンおよび「標準」バージョンの実施は、単一の血液分離装置10によって実行されるものとして上に説明されているが、代わりに、複数の血液分離装置(同様または異なるものであってもよい)が使用され得ることを理解されたい。このアプローチによれば、第1の装置は手順の第1のバージョン(例えば、「導入」バージョン)を実行するように構成され、第2の装置は手順の第2のバージョン(例えば、「標準」バージョン)を実行するように構成され得る。したがって、血液源は、第1の装置の使用から第2の装置の使用に移行することによって、手順の第1または「導入」バージョンから第2または「標準」バージョンに「卒業」することができる。
【0054】
さらに、所与の血液分離手順の「導入」バージョンおよび「標準」バージョンが上で説明されているが、単一の血液分離装置が、特定の手順の3つ以上の異なるバージョン(例えば、「導入」バージョン、「中級」バージョン、「標準」バージョン)を実施するように構成され得ることを理解されたい。同様に、特定の手順の3つ以上の異なるバージョンが利用可能な場合、同数の同様または異なる構成の血液分離装置が提供され、それぞれが手順のバージョンのうちの1つを実施するように構成され得る。
【0055】
態様
態様1
血液分離手順を実施する方法であって、血液分離手順の第1のバージョンを実行するように構成された第1の血液分離装置と、血液分離手順の第2のバージョンを実行するように構成された第2の血液分離装置と、または、血液分離手順の第1のバージョンおよび第2のバージョンを実行するように構成された単一の血液分離装置を選択することと、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することと、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適していると判断した場合、および/または、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適していないと判断した場合に、血液源に対する血液分離手順の第1のバージョンを実施することと、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適していると判断した場合、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適していないと判断した場合に、血液源に対する血液分離手順の第2のバージョンを実施することとを含む、方法。
【0056】
態様2
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液源の年齢を評価することを含む、態様1に記載の方法。
【0057】
態様3
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液源の重量を評価することを含む、態様1または態様2に記載の方法。
【0058】
態様4
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液源の性別を評価することを含む、態様1から態様3までのいずれか1つに記載の方法。
【0059】
態様5
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することを含む、態様1から態様4までのいずれか1つに記載の方法。
【0060】
態様6
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたことがない場合に、血液源を「新規」血液源として分類することを含む、態様5に記載の方法。
【0061】
態様7
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して最後に実施されてから所定の時間が経過している場合に、血液源を「失効」血液源として分類することを含む、態様5または態様6に記載の方法。
【0062】
態様8
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して所定の時間よりも最近に実施されている場合に、血液源を「定期」血液源として分類することを含む、態様5から態様7までのいずれか1つに記載の方法。
【0063】
態様9
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかに少なくとも部分的に基づいて、血液源に複数のステータスのうちの1つを割り当てることを含み、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、複数のステータスのそれぞれが異なる値または重みを与えられる、態様5から態様8までのいずれか1つに記載の方法。
【0064】
態様10
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液源から血液が吸引された回数を評価することを含む、態様1から態様9までのいずれか1つに記載の方法。
【0065】
態様11
血液源から血液が吸引された回数を評価することは、ある期間内に血液源から血液が吸引された回数を評価することを含む、態様10に記載の方法。
【0066】
態様12
血液源から血液が吸引された回数を評価することは、期間内に血液源から血液が吸引された平均回数を評価することを含む、態様11に記載の方法。
【0067】
態様13
血液源から血液が吸引された回数を評価することは、血液源から血液が吸引された間に血液源に対して実施された以前の血液吸引手順のタイプを判断することを含む、態様10から態様12までのいずれか1つに記載の方法。
【0068】
態様14
以前の血液吸引手順のタイプを判断することは、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するときに、血液吸引手順の複数のタイプから選択することと、少なくとも2つの異なるタイプの血液吸引手順に異なる値または重みを与えることを含む、態様13に記載の方法。
【0069】
態様15
血液吸引手順のタイプの第1のタイプは、血液源に対して実施される血液分離手順であり、血液吸引手順のタイプの第2のタイプは、血液源に対して実施される血液分離手順ではなく、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、血液吸引手順の第2のタイプよりも血液吸引手順の第1のタイプにより大きい値または重みが与えられる、態様14に記載の方法。
【0070】
態様16
血液分離手順は、血液源からの血液を細胞血液成分と血漿とに分離することと、細胞血液成分の少なくとも一部をレシピエントに搬送することとを含む、態様1から態様15までのいずれか1つに記載の方法。
【0071】
態様17
血液源はレシピエントである、態様16に記載の方法。
【0072】
態様18
血液分離手順の第1のバージョンの血球分離効率は、血液分離手順の第2のバージョンの血球分離効率と異なる、態様16または態様17に記載の方法。
【0073】
態様19
血液源の手順前の赤血球の体積を判断することをさらに含み、血液分離手順の実施は、流体流回路内の血液源から血液を分離することを含み、血液分離手順の第1のバージョンを実施するときは任意の時点において、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積よりも少ない赤血球の体積が流体流回路内に存在することが許容され、血液分離手順の第2のバージョンを実施するときに、少なくとも1回、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積とは異なる赤血球の体積が流体流回路内に存在することが許容される、態様16から態様18までのいずれか1つに記載の方法。
【0074】
態様20
血液源の総血液体積を判断することをさらに含み、血液分離手順の実施は、流体流回路内の血液源からの血液を分離することを含み、血液分離手順の第1のバージョンを実施する任意の時点において、総血液体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積よりも少ない体積の血液が流体流回路内に存在することが許容され、血液分離手順の第2のバージョンを実施するとき、少なくとも1回、総血液体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積とは異なる体積の血液が流体流回路内に存在することが許容される、態様16から態様18までのいずれか1つに記載の方法。
【0075】
態様21
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、血液源からの血液を第1の血液分離室内で分離することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、血液源からの血液を第1の血液分離室とは異なる容積を有する第2の血液分離室内で分離することを含む、態様1から態様20までのいずれか1つに記載の方法。
【0076】
態様22
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある血液吸引速度、および、ある血液吸引体積を有する第1の血液吸引段階を実行することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、第1の血液吸引段階とは異なる持続時間、血液吸引速度、および/または、血液吸引体積を有する第2の血液吸引段階を実行することを含む、態様1から態様21までのいずれか1つに記載の方法。
【0077】
態様23
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある返送速度、および、ある流体返送体積を有する第1の流体返送段階を実行することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、第1の流体返送段階とは異なる持続時間、返送速度、および/または、流体返送体積を有する第2の流体返送段階を実行することを含む、態様1から態様22までのいずれか1つに記載の方法。
【0078】
態様24
血液分離装置であって、ポンプシステムと、クランプシステムと、分離アクチュエータと、ポンプシステム、クランプシステム、および分離アクチュエータが作動して血液源から血液を吸引し、血液を少なくとも2つの血液成分に分離し、血液成分のうちの1つの少なくとも一部をレシピエントに搬送する血液分離手順の第1のバージョンおよび第2のバージョンでプログラムされた制御部とを備え、制御部は、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であると判断し、または、指示され、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないと判断し、または、指示され、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適していると判断し、または、指示された場合、および/または、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適していないと判断し、または、指示された場合に、血液源に対する血液分離手順の第1のバージョンを実施し、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適していると判断し、または、指示された場合、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適していないと判断し、または、指示された場合に、血液源に対する血液分離手順の第2のバージョンを実施するように構成されている、血液分離装置。
【0079】
態様25
血液分離手順の第1のバージョン、対、第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に血液源の年齢に基づく、態様24に記載の血液分離装置。
【0080】
態様26
血液分離手順の第1のバージョン、対、第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に血液源の重量に基づく、態様24または態様25に記載の血液分離装置。
【0081】
態様27
血液分離手順の第1のバージョン、対、第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に血液源の性別に基づく、態様24から態様26までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0082】
態様28
血液分離手順の第1のバージョン、対、第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかに基づく、態様24から態様27までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0083】
態様29
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたことがない場合に、血液源を「新規」血液源として分類することを含む、態様28に記載の血液分離装置。
【0084】
態様30
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して最後に実施されてから所定の時間が経過している場合に、血液源を「失効」血液源として分類することを含む、態様28または態様29に記載の血液分離装置。
【0085】
態様31
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して所定の時間よりも最近に実施されている場合に、血液源を「定期」血液源として分類することを含む、態様28から態様30までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0086】
態様32
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかに少なくとも部分的に基づいて、血液源に複数のステータスのうちの1つを割り当てることを含み、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、複数のステータスのそれぞれが異なる値または重みを与えられる、態様28から態様31までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0087】
態様33
血液分離手順の第1のバージョン、対、第2のバージョンの実施は、少なくとも部分的に、血液源から血液が吸引された回数に基づく、態様24から態様32までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0088】
態様34
血液源から血液が吸引された回数は、ある期間内に血液源から血液が吸引された回数を含む、態様33に記載の血液分離装置。
【0089】
態様35
血液源から血液が吸引された回数は、期間内に血液源から血液が吸引された平均回数を含む、態様34に記載の血液分離装置。
【0090】
態様36
血液源から血液が吸引された回数を評価することは、血液源から血液が吸引された間に血液源に対して実施された以前の血液吸引手順のタイプを判断することを含む、態様33から態様35までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0091】
態様37
以前の血液吸引手順のタイプを判断することは、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するときに、血液吸引手順の複数のタイプから選択することと、少なくとも2つの異なるタイプの血液吸引手順に異なる値または重みを与えることを含む、態様36に記載の血液分離装置。
【0092】
態様38
血液吸引手順のタイプの第1のタイプは、血液源に対して実施される血液分離手順であり、血液吸引手順のタイプの第2のタイプは、血液源に対して実施される血液分離手順ではなく、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、血液吸引手順の第2のタイプよりも血液吸引手順の第1のタイプにより大きい値または重みが与えられる、
態様37に記載の血液分離装置。
【0093】
態様39
血液分離手順は、血液源からの血液を細胞血液成分と血漿とに分離することと、細胞血液成分の少なくとも一部をレシピエントに搬送することとを含む、態様24から態様38までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0094】
態様40
血液源はレシピエントである、態様39に記載の血液分離装置。
【0095】
態様41
血液分離手順の第1のバージョンの血球分離効率は、血液分離手順の第2のバージョンの血球分離効率と異なる、態様39または態様40に記載の血液分離装置。
【0096】
態様42
制御部は、さらに、血液源の手順前の赤血球の体積を判断する、または、血液源の手順前の赤血球の体積が提供されるように構成され、血液分離手順の実施は、流体流回路内の血液源から血液を分離することを含み、血液分離手順の第1のバージョンを実施するときは任意の時点において、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージよりも少ない赤血球の体積が流体流回路内に存在することが許容され、血液分離手順の第2のバージョンを実施するときに、少なくとも1回、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージとは異なる赤血球の体積が流体流回路内に存在することが許容される、態様39から態様41までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0097】
態様43
制御部はさらに、血液源の総血液体積を判断する、または、血液源の総血液体積が提供されるように構成され、血液分離手順の実施は、流体流回路内の血液源からの血液を分離することを含み、血液分離手順の第1のバージョンを実施するときは任意の時点において、総血液体積の選択されたパーセンテージよりも少ない体積の血液が流体流回路内に存在することが許容され、血液分離手順の第2のバージョンを実施するとき、少なくとも1回、総血液体積の選択されたパーセンテージとは異なる体積の血液が流体流回路内に存在することが許容される、態様39から態様41までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0098】
態様44
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、血液源からの血液を第1の血液分離室内で分離することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、血液源からの血液を第1の血液分離室とは異なる容積を有する第2の血液分離室内で分離することを含む、態様24から態様43までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0099】
態様45
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある血液吸引速度、および、ある血液吸引体積を有する第1の血液吸引段階を実行することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、第1の血液吸引段階とは異なる持続時間、血液吸引速度、および/または、血液吸引体積を有する第2の血液吸引段階を実行することを含む、態様24から態様44までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0100】
態様46
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある返送速度、および、ある流体返送体積を有する第1の流体返送段階を実行することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、第1の流体返送段階とは異なる持続時間、返送速度、および/または、流体返送体積を有する第2の流体返送段階を実行することを含む、態様24から態様45までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0101】
態様47
血液分離手順の第1のバージョンを実施するように制御部に指示するために操作者によって操作されるように構成されたボタンまたはアイコンを含むデータ入力装置をさらに備える、態様24から態様46までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0102】
態様48
血液源に関して入力されたデータを受信するように構成されたデータ入力装置をさらに備え、制御部は、少なくとも部分的に入力されたデータに基づいて、血液分離手順の第1のバージョン、対、血液分離手順の第2のバージョンを実施するかどうか判断するように構成されている、態様24から態様46までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0103】
態様49
血液分離装置であって、ポンプシステムと、クランプシステムと、分離アクチュエータと、ある体積の赤血球を有するある体積の血液が流体流回路内に存在する血液分離手順を実行するために、ポンプシステムとクランプシステムと分離アクチュエータを作動させるように構成された制御部とを備え、制御部はさらに、血液分離手順中の任意の時点において流体流回路内に存在し得る、血液源の総血液体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積、および/または、血液分離手順中の任意の時点において流体流回路内に存在し得る、血液源の手順前の赤血球体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積を指示されるように構成されている、血液分離装置。
【0104】
態様50
血液分離手順中の任意の時点において流体流回路内に存在し得る血液源の総血液体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積は、予め定められた範囲に制限される、態様49に記載の血液分離装置。
【0105】
態様51
制御部と通信するように構成されたデータ入力装置をさらに備え、制御部は、操作者がデータ入力装置を操作して、予め定められた範囲から、血液分離手順中の任意の時点において流体流回路内に存在し得る、血液源の総血液体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積を選択できるようにさらに構成されている、態様50に記載の血液分離装置。
【0106】
態様52
血液分離手順中の任意の時点において流体流回路内に存在し得る血液源の手順前の赤血球体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積は、予め定められた範囲内に限定されている、態様49から態様51までのいずれか1つに記載の血液分離装置。
【0107】
態様53
制御部と通信するように構成されたデータ入力装置をさらに備え、制御部は、操作者がデータ入力装置を操作して、血液分離手順中の任意の時点において流体流回路内に存在し得る血液源の手順前の赤血球体積の最大パーセンテージおよび/または最大体積を予め定められた範囲から選択できるようにさらに構成されている、態様52に記載の血液分離装置。
【0108】
態様54
血液分離手順の第1のバージョンを実行するように構成された第1の血液分離装置と血液分離手順の第2のバージョンを実行するように構成された第2の血液分離装置、または、血液分離手順の第1のバージョンと第2のバーションを実行するように構成された単一の血液分離装置を用いて血液分離手順を実行するコンピュータに実装された方法であって、方法は、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することと、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適していると判断した場合、および/または、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適していないと判断した場合に、血液源に対する血液分離手順の第1のバージョンを開始するか、または、開始するように操作者を促すことと、血液源が血液分離手順の第2のバージョンに適していると判断した場合、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンに適していないと判断した場合に、血液源に対する血液分離手順の第2のバージョンを開始するか、または、開始するように操作者を促すこととを含む、方法。
【0109】
態様55
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液源の年齢を評価することを含む、態様54に記載の方法。
【0110】
態様56
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液源の重量を評価することを含む、態様54または態様55に記載の方法。
【0111】
態様57
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液源の性別を評価することを含む、態様54から態様56までのいずれか1つに記載の方法。
【0112】
態様58
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することを含む、態様54から態様57までのいずれか1つに記載の方法。
【0113】
態様59
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたことがない場合に、血液源を「新規」血液源として分類することを含む、態様58に記載の方法。
【0114】
態様60
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して最後に実施されてから所定の時間が経過している場合に、血液源を「失効」血液源として分類することを含む、態様58または態様59に記載の方法。
【0115】
態様61
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して所定の時間よりも最近に実施されている場合に、血液源を「定期」血液源として分類することを含む、態様58から態様60までのいずれか1つに記載の方法。
【0116】
態様62
血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかを評価することは、血液分離手順が血液源に対して以前に実施されたかどうかに少なくとも部分的に基づいて、血液源に複数のステータスのうちの1つを割り当てることを含み、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、複数のステータスのそれぞれが異なる値または重みを与えられる、態様58から態様61までのいずれか1つに記載の方法。
【0117】
態様63
血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断すること、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断することは、血液源から血液が吸引された回数を評価することを含む、態様54から態様62までのいずれか1つに記載の方法。
【0118】
態様64
血液源から血液が吸引された回数を評価することは、ある期間内に血液源から血液が吸引された回数を評価することを含む、態様63に記載の方法。
【0119】
態様65
血液源から血液が吸引された回数を評価することは、期間内に血液源から血液が吸引された平均回数を評価することを含む、態様64に記載の方法。
【0120】
態様66
血液源から血液が吸引された回数を評価することは、血液源から血液が吸引された間に血液源に対して実施された以前の血液吸引手順のタイプを判断することを含む、態様63から態様65までのいずれか1つに記載の方法。
【0121】
態様67
以前の血液吸引手順のタイプを判断することは、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するときに、血液吸引手順の複数のタイプから選択することと、少なくとも2つの異なるタイプの血液吸引手順に異なる値または重みを与えることを含む、態様66に記載の方法。
【0122】
態様68
血液吸引手順のタイプの第1のタイプは、血液源に対して実施される血液分離手順であり、血液吸引手順のタイプの第2のタイプは、血液源に対して実施される血液分離手順ではなく、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格であるかどうかを判断するとき、および/または、血液源が血液分離手順の第1のバージョンまたは血液分離手順の第2のバージョンに適格でないかどうかを判断するとき、血液吸引手順の第2のタイプよりも血液吸引手順の第1のタイプにより大きい値または重みが与えられる、
態様67に記載の方法。
【0123】
態様69
血液分離手順は、血液源からの血液を細胞血液成分と血漿とに分離することと、細胞血液成分の少なくとも一部をレシピエントに搬送することとを含む、態様54から態様68までのいずれか1つに記載の方法。
【0124】
態様70
血液源はレシピエントである、態様69に記載の方法。
【0125】
態様71
血液分離手順の第1のバージョンの血球分離効率は、血液分離手順の第2のバージョンの血球分離効率と異なる、態様69または態様70に記載の方法。
【0126】
態様72
血液源の手順前の赤血球の体積を判断することをさらに含み、血液分離手順の実施は、流体流回路内の血液源から血液を分離することを含み、血液分離手順の第1のバージョンを実施するときは任意の時点において、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積よりも少ない赤血球の体積が流体流回路内に存在することが許容され、血液分離手順の第2のバージョンを実施するときに、少なくとも1回、手順前の赤血球の体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積とは異なる赤血球の体積が流体流回路内に存在することが許容される、態様69から態様71までのいずれか1つに記載の方法。
【0127】
態様73
血液源の総血液体積を判断することをさらに含み、血液分離手順の実施は、流体流回路内の血液源からの血液を分離することを含み、血液分離手順の第1のバージョンを実施する任意の時点において、総血液体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積よりも少ない体積の血液が流体流回路内に存在することが許容され、血液分離手順の第2のバージョンを実施するとき、少なくとも1回、総血液体積の選択されたパーセンテージまたは最大体積とは異なる体積の血液が流体流回路内に存在することが許容される、態様69から態様71までのいずれか1つに記載の方法。
【0128】
態様74
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、血液源からの血液を第1の血液分離室内で分離することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、血液源からの血液を第1の血液分離室とは異なる容積を有する第2の血液分離室内で分離することを含む、態様54から態様73までのいずれか1つに記載の方法。
【0129】
態様75
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある血液吸引速度、および、ある血液吸引体積を有する第1の血液吸引段階を実行することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、第1の血液吸引段階とは異なる持続時間、血液吸引速度、および/または、血液吸引体積を有する第2の血液吸引段階を実行することを含む、態様54から態様74までのいずれか1つに記載の方法。
【0130】
態様76
血液分離手順の第1のバージョンを実施することは、ある持続時間、ある返送速度、および、ある流体返送体積を有する第1の流体返送段階を実行することを含み、血液分離手順の第2のバージョンを実施することは、第1の流体返送段階とは異なる持続時間、返送速度、および/または、流体返送体積を有する第2の流体返送段階を実行することを含む、態様54から態様75までのいずれか1つに記載の方法。
【0131】
上記の実施形態および例は、本主題の原理の応用のいくつかを例示するものであることが理解されよう。当業者であれば、本明細書で個別に開示または請求される特徴の組み合わせを含む、特許請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、数多くの修正を行うことができる。これらの理由により、本発明の範囲は、上記の説明に限定されず、特許請求の範囲に記載されており、特許請求の範囲は、本明細書で個別に開示または請求されている特徴の組み合わせを含む、本明細書の特徴に向けられ得ることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
【外国語明細書】