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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154466
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】水位センサ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/521 20060101AFI20231013BHJP
   G01S 15/08 20060101ALI20231013BHJP
   G01F 23/2962 20220101ALI20231013BHJP
   H04R 1/30 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G01S7/521 A
G01S15/08
G01F23/2962
H04R1/30 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063759
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】出来 信久
(72)【発明者】
【氏名】高木 一誠
(72)【発明者】
【氏名】岸本 崇
【テーマコード(参考)】
2F014
5D019
5J083
【Fターム(参考)】
2F014FB01
5D019AA26
5D019GG08
5J083AA02
5J083AB20
5J083AC40
5J083AD04
5J083AD05
5J083AE06
5J083AF01
5J083BA01
5J083CA01
5J083CA15
(57)【要約】
【課題】筐体とホーンとを接着剤で接着する際、十分な接合強度を確保しつつ、その確認が容易になされる水位センサを提供する。
【解決手段】超音波を送受波する送受波部11と、送受波部11が収納され超音波が通過する開口Rが下面部21に形成された筐体20と、筐体20の開口R付近に取付けられたホーン30と、を備え、ホーン30は、上部が小径で下部が大径であって、上部が開口R内に挿入されるホーン本体31と、ホーン本体31から上方に向けて延設された環状の外壁部34と、ホーン本体31と外壁部34との間に形成された環状の空間部35と、を備え、開口R付近に取付けられたホーン30において、下面部21と空間部35によって形成される隙間S1に接着剤Tが充填され、外壁部34は、その上端34aに空間部35側から外部に通じる溝部37を有し、該外壁部34の下部に空間部35側から外部に通じる貫通孔36を有するように構成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に超音波を送波し、前記送波した超音波の反射波を受波する送受波部と、
前記送受波部が収納されるとともに超音波が通過する開口が下面部に形成された筐体と、
接着剤により前記筐体の開口付近に取付けられたホーンと、を備え、
前記ホーンは、上部が小径で下部が大径であって、上部が前記開口内に挿入されるホーン本体と、前記ホーン本体の上下方向の中間部から上方に向けて延設された環状の外壁部と、前記ホーン本体と前記外壁部との間に形成された環状の空間部と、を備え、
前記開口付近に取付けられたホーンにおいて、前記下面部と前記空間部によって形成される隙間に前記接着剤が充填され、
前記外壁部は、その上端に前記空間部側から外部に通じる溝部を有し、かつ、該外壁部の下部に前記空間部側から外部に通じる貫通孔を有している
ことを特徴とする水位センサ。
【請求項2】
前記ホーン本体と、該ホーン本体が挿入された開口との間には隙間が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の水位センサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して水位を測量する水位センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、河川の水位の変化や道路の冠水を観測する測量装置が利用されている。装置としては、主に実際に水位を測量するセンサと、測量したデータを管理者等に通信するための通信部とから構成されている。センサとしては、水位を直接感知する直接方式と、水位を間接的に測量する間接方式とが挙げられる。
【0003】
直接方式の場合は、水圧センサが多く用いられており、そのセンサの先端側が通常の水位箇所にある。センサは水位が上昇しても水没しない箇所に設置されるので、装置自体が大掛かりになりやすい。また、水位を計測するためには、設置現場で原点位置の設定する作業が必要であり、専門知識を有する技術者でなれれば施工が困難であった。
【0004】
間接方式の場合は、例えば、超音波発信器より超音波を送波し、対象物、例えば、水面や地面等で反射する反射波を受波する時間から距離を算出する超音波センサが用いられている。
【0005】
前述の間接方式の場合、筐体内に超音波発信器を含むセンサや通信部が収納されており、超音波が送波される箇所、一般には筐体の下面には、超音波発信器から対象物に向けて超音波が通過する開口が形成されており、更に、貫通孔の外周部には、超音波の送波、受波をより効率的におこなうためにホーンが取付けられている。
【0006】
本出願人においては、引用文献1に所定の方向に超音波を送波し、前記送波した超音波の反射波を受波する送受波器と、前記送受波部が収納されるとともに、少なくとも1つの開口を有する筐体と、前記筐体の開口に取付けられるホーンと、前記ホーンの下部の開口を覆う通気性シートと、を備えた超音波センサを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2021-189128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、引用文献1に示された超音波センサにおいて、筐体とその開口に取付けられたホーンの材料としては、鋼材やアルミニウム合金等の金属製でもよく、合成樹脂製でもよいが、筐体とホーンとは通常は別体に形成されて接着剤を用いて接着される。これは、別体の方が筐体とホーンとで材料の選択の幅が拡がるし、ボルトやビスのような締結具では、超音波発信器付近での締結により筐体に歪み等が生じて超音波の照射軸がずれるおそれがあるためである。一方で、筐体とホーンとを接着剤で接着する場合は、十分な接合強度を確保しつつ、超音波が通過する開口を接着剤が塞がないようにする必要があった。
【0009】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、筐体とホーンとを接着剤で接着する際、十分な接合強度を確保しつつ、その確認が容易になされる水位センサを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。本発明に係る水位センサは、所定の方向に超音波を送波し、前記送波した超音波の反射波を受波する送受波部と、前記送受波部が収納されるとともに超音波が通過する開口が下面部に形成された筐体と、接着剤により前記筐体の開口付近に取付けられたホーンと、を備え、前記ホーンは、上部が小径で下部が大径であって、上部が前記開口内に挿入されるホーン本体と、前記ホーン本体の上下方向の中間部から上方に向けて延設された環状の外壁部と、前記ホーン本体と前記外壁部との間に形成された環状の空間部と、を備え、前記開口付近に取付けられたホーンにおいて、前記下面部と前記空間部によって形成される隙間に前記接着剤が充填され、前記外壁部は、その上端に前記空間部側から外部に通じる溝部を有し、かつ、該外壁部の下部に前記空間部側から外部に通じる貫通孔を有していることを特徴とするものである。
【0011】
本発明において、前記ホーン本体と、該ホーン本体が挿入された開口との間には隙間が形成されているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る水位センサによれば、開口付近にホーンを接着するための接着剤の充填量が十分かどうか溝部及び貫通孔を通じて確認することができるので、接着剤の充填状況の確認が容易になされ、接着不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る水位センサの実施の一形態を示す正面図である。
図2】本発明に係る水位センサのセンサ本体の模式図である。
図3図1において水位センサ付近の拡大正面図である。
図4図3の側面図である。
図5】ホーンの分解説明図である。
図6】筐体に対するホーンの取付構造の説明図である。
図7図6の(a)においてホーンの貫通孔付近の拡大図である。
図8図6の(a)においてホーンの溝部付近の拡大図である。
図9図4においての筐体の開口付近の拡大下面図である。
図10図4のホーンの拡大上面図である。
図11】筐体に対するホーンの取付手順の一例を示す説明図である。
図12】筐体に対するホーンの取付手順の一例を示す説明図である。
図13図1の固定部材付近の拡大図である。
図14図13のB-B線拡大断面図である。
図15図13のC-C線拡大断面図である。
図16図13のD矢視図である。
図17図13の受け部材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0015】
図面において、10は水位を計測するための超音波を受送信する送受波部11を備えたセンサ本体、20は送受波部11を備えたセンサ本体10が収納された筐体、30は筐体20に形成された開口R付近に取付けられるホーンであり、本発明に係る水位センサ100は主に、センサ本体10、筐体20及びホーン30から構成されている。
【0016】
図1は本発明に係る水位センサの実施の一形態を示す正面図である。水位センサ100は、河川の水位を計測するものであって、水面の上方に位置するように固定されている。本形態における固定構造は、河川の土手に設置された防護柵の支柱40に固定されて河川側に突出する支持材50の先端部付近に水位センサ100が取付けられたものである。本形態では、水位センサ100を並設しており、交互測定や、一方が故障した際に他方で継続計測可能なものである。ここで、特に説明しない限り、水位センサ100の前側とは図1の手前側、後側とは図1の奥側、左右方向とは図1の左右方向のことであって、これに基づき説明する。また、本形態においては、水位センサ100は、防護柵の支柱40に固定されているが、水位センサ100の設置場所は、これに限られるものではなく、本形態以外に、例えば、高欄、手すり、標識(柱)等の道路付帯設備を挙げることができる。更に、道路付帯設備に設置されるとは、道路付帯設備に対して、本形態のような支持材50を介して取付けられる場合、道路付帯設備に取付金具等によって直接的に取付けられる場合を含む。
【0017】
図2は、センサ本体10の模式図である。センサ本体10は、図1に示すように河川の水面側に向けて超音波を送波し、水面で反射した反射波を受波する送受波部11と、送受波部11での超音波の送波情報及び受波情報を通信する通信部12と、電力を供給するための電源部13と、センサ本体10の動作を制御するための制御部14を備えており、これが、筐体20内に収納されている。
【0018】
送受波部11は、内蔵された超音波素子から発生する超音波を所定の方向に送波するとともに、送波した超音波が測定対象で反射して、その反射波を受波するものである。本形態では、所定の方向とは河川の水面に向かう方向であって略鉛直下向きである。
【0019】
通信部12は、送波情報と受波情報を管理者に送信するものである。送波情報には、少なくとも送波した時刻及び送波した時の超音波の強度を含むものであり、受波情報とは、少なくとも反射波を受波した時刻及び受波した超音波の強度を含むものである。通信手段としては、本形態ではLPWA無線通信手段であって、設置場所に近接する箇所に新たに設置した受信基地局、又は設置場所に近接する既存の受信基地局で受信し、インターネットを通じて管理者の受信端末で各情報を受信するものである。
【0020】
電源部13は、本形態では電池が用いられている。これにより、センサ本体10が収納された筐体20の外部からの給電が不要となり、また、設置環境の天候には関係なく継続的に給電することができる。なお、図示しないが、設置環境や設置条件によっては、電源部13を筐体20内に配置する代わりに、商用電源や太陽電池パネルを利用した電源装置を用いて電力を供給するものとしても良い。
【0021】
図3図1において水位センサ100付近の拡大正面図、図4図3の側面図である。筐体20は、上方があいた箱型であって、センサ本体10が収納されている。筐体20の下面部21は開口Rを有しており、開口R付近にホーン30が取付けられ、上方に蓋22が取付けられて塞がれる。筐体20は、本形態では矩形状であるが、センサ本体10が収納されて、雨水等が内部に容易には浸入しない構造であれば、特に限定されるものではない。
【0022】
図5はホーンの分解説明図である。ホーン30は、上部が小径で下部が大径であって、上部が開口R内に挿入されるホーン本体31と、ホーン本体31の下部に嵌合されるリング状のキャップ32と、ホーン本体31とキャップ32との間に配置されてホーン本体31の下部側の開口を塞ぐとともに通気性を有するシート材33と、を備えている。これにより、外部からホーン本体31の内部への雨水、蜘蛛や昆虫のような生物の侵入を防ぎつつ、超音波の通過も可能となる。
【0023】
図6図9は筐体20に対するホーン30の取付構造の説明図であって、図6の(a)は図4のA-A線拡大端面図、(b)は(a)の分解説明図である。また、図7図6の(a)においてホーンの貫通孔付近の拡大図、図8図6の(a)においてホーンの溝部付近の拡大図、図9図4においての筐体の開口付近の拡大下面図、図10図4のホーンの拡大上面図である。筐体20の下面部21は、一部が上下方向に貫通する開口Rが形成されており、開口Rの上方に送受信部11が配置されている。送受波部11から送波される超音波は、開口R付近に取付けられたホーン30内を通過して下方の水面付近で反射して再びホーン30内を通過した超音波が開口Rを通って送受波部11で受波される。
【0024】
ホーン30は、ホーン本体31の上下方向中間部から上方に向けて延設された外壁部34を備えている。外壁部34は、図5及び図9に示すように横断面形状は閉じた環状であって、ホーン本体31と外壁部34との間に環状の空間部35が形成されている。
【0025】
外壁部34の下部は、空間部35から外部に通じる貫通孔36を有している。また、外壁部34は、その上端34aに空間部35側から外部に通じており断面U字状の溝部37を有している。
【0026】
外壁部34の上端34aは、ホーン本体31の上端31aよりも低くなっているので、ホーン本体31の上端31aを開口R内に挿入すると、図6の(a)、図7及び図8に示すように、外壁部34の上端34aが筐体20の下面部21に当接し、筐体20とホーン本体31との間に環状の空間部35に相当する隙間が形成されるところ、本形態では、図6及び図10に示すように、下面部21において開口Rの周縁部から下方に向けて、環状の突出部23が形成されているため、前記隙間の一部に突出部23が配置された状態となっており、突出部23を含む筐体20の下面部21とホーン本体31との間に隙間S1が形成される。
【0027】
次に、図11及び図12は筐体に対するホーンの取付手順の一例を示す説明図である。図11に示すように、ホーン30の空間部35に接着剤Tを入れる。この際、貫通孔36から接着剤Tが流出する可能性があるので、接着剤Tとしては適度な粘度を有するものを使用することが好ましい。次に、ホーン本体31の上端31aを筐体20の開口R内に挿入する。すると、図6に示す筐体20とホーン30との間の隙間S1に接着剤Tが充填されることになる。
【0028】
隙間S1に充填された接着剤Tのうち、過剰の接着剤Tは、貫通孔36及び溝部37を通って外部に流出する。そして、図12に示すように、上下の位置関係として、上側の溝部37と下側の貫通孔36の双方から接着剤Tの流出が確認できれば、隙間S1全体に接着剤Tが充填されていると判断することができる。なお、流出した接着剤Tはへら等を用いて除去すればよい。
【0029】
なお、貫通孔36及び溝部37の少なくとも一方から接着剤Tの流出が確認されない場合は、接着剤Tの充填量が不足している可能性があり、ホーン30を筐体20から外して接着剤Tを空間部35内に追加で入れて、再び前述の作業を繰り返せばよい。
【0030】
本形態では、貫通孔36と溝部37とはホーン本体31を挟んで反対側に配置されている。これにより、隙間S1全体にわたって接着剤Tが充填されやすくなる。
【0031】
更に、本形態では、図7に示すように、ホーン本体31の外壁部34を筐体20の下面部21に当接した際、筐体20の開口R内に挿入されたホーン本体31と開口Rの内周面との間は離間されて隙間S2が形成されている。
【0032】
これにより、隙間S1に充填される接着剤Tにおいて、余剰分は、貫通孔36、溝部37に加えて、隙間S2を通ってホーン本体31の上端31a側にも流出しうるので、ホーン本体31と開口Rの内周面とが接着するため、筐体20とホーン30とがより強固に接着する。
【0033】
隙間S2は、ホーン本体31の外周面全体にわたって形成されていてもよく、ホーン本体31と開口Rとの内周面とが部分的に当接された状態であってもよい。いずれも場合であっても隙間S2に接着剤Tが充填されることによって、筐体20とホーン30とがより強固に接着する。
【0034】
次に、水位センサユニット200は、図3図4に示すように、2個の水位センサ100が連結部材60に取付けられて一体化したものであって、連結部材60を介して支持材50に固定されている。連結部材60は、底板部61と側板部62とを備えた断面L型であり、側板部62は支持材50に固定されている。また、底板部61の下面側に2個の水位センサ100が配置され、締結具を介して固定されている。締結具は、本形態では、筐体20及び底板部61を下から上に貫通するボルト部材63と、ボルト部材63に締結されているナット部材64とからなる。
【0035】
ボルト部材63の頭部63aが下方にあり、ナット部材64が底板部61の上側に配置されている。頭部63aと筐体20の下面部21と間には円盤形状の座金65が配置されている。一方、図5及び図9に示すように、ホーン本体31において外壁部34の外周部には、座金65の一部と嵌合するために切り欠かれた嵌合凹部38が形成されている。
【0036】
本形態では、2個の水位センサ100を連結部材60に取付けて、その後、筐体20にホーン30を取付ける手順であるところ、嵌合凹部38を座金65の方向に配置することで、ホーン30の向き、すなわち、本形態では、ホーン本体31の外観は横断面楕円形状であるので、筐体20に対して楕円形状の長軸側を所定の向きとなるように配置することができる。
【0037】
また、ホーン本体31の外壁部34は、内周部に所定の間隔をあけて凹部34bが形成されている。本形態では、凹部34bは3個形成されている。一方、筐体20の突出部23は、凹部34bと対応する位置に凸部23aが形成されている。これにより、ホーン30を筐体20に取付ける際、嵌合凹部38に気付かない場合であっても、凸部23aと凹部34bとの位置関係がずれていると、取付作業がうまくいかずに、筐体20に対してホーン30が傾いて配置されたり、必要以上に大きな隙間が生じたりすることとなるので、不具合状態に気付きやすく、ホーン30を所定の向きに戻して取付作業をやり直すことができる。
【0038】
次に、水位センサ100の設置方法の一例を説明する。設置場所は、本形態では河川の土手であるが、その他の箇所としては河川の橋も想定される。土手や橋に設置される防護柵や手すりの支柱40に支持材50を取付ける。支持材50は、固定部材70を介して支持材50の長手方向の一端部を支柱40に固定して、他端側に水位センサユニット200を取付ける。
【0039】
図13図1の固定部材付近の拡大図、図14図13のB-B線拡大断面図、図15図13のC-C線拡大断面図、図16図13のD矢視図である。固定部材70は、支柱40の外周部に沿って配置される押さえ部材71と、支持材50に取付けられる受け部材80とを有しており、押さえ部材71と受け部材80と間に支柱40が固定されている。押さえ部材71は、横断面U字状の支柱嵌合部72と、支柱嵌合部72の両端部から外方に向けて形成され厚さ方向に貫通する貫通孔73aを有する固定部73とを備えた横断面ハット状に形成されている。支柱嵌合部72の内側に支柱40が配置されて、概ね支柱40の半周分にわたって支柱嵌合部72の内周部が当接される。
【0040】
図17図13の受け部材の説明図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。受け部材80は、左右方向に長い縦板部81と、縦板部81の上下両端から同方向に延設された上板部82及び下板部83とを備えており、縦断面コ字状に形成されている。上板部82及び下板部83の長手方向中央部には、先端側から縦板部81側に向けて凹んだ凹部84、85を有している。また縦板部81の両端部には、押さえ部材71の固定部73の貫通孔73aに対応する位置に貫通孔81a、81aが形成されている。
【0041】
図14図16に示すように、支持材50は、長手方向である左右方向に沿って形成され受け部材80側に開口する蟻溝51を有している。支柱40に支持材50を固定するには、支持材50の蟻溝51にボルト部材52の頭部53を挿入して、開口から雄ねじ部54を突出させる。続いて受け部材80の縦板部81の貫通孔81a、81a及び押さえ部材71の固定部73の貫通孔73aに雄ねじ部54を通してナット部材55を螺合する。押さえ部材71と受け部材80との間に支柱40を配置されているので、ナット部材55を締め付けると、支柱40の外周部は押さえ部材71の支柱嵌合部72の内周部と、受け部材80の凹部84、85の開口における左右両側の角部84a、85aに当接される。この際、凹部84、85の奥部と支柱40とは離間されている。ナット部材55を更に締め付けると、支柱40は支柱嵌合部72と左右両側の角部84a、85aとによって圧設されるので、支柱40に対して支持材50が固定される。
【0042】
本形態では、凹部84、85は、凹部84、85を形成する両側壁部84b、85bと奥部84c、85cとからなる矩形状であって、両側壁部84b、85bの開口端側の角部84a、85aに支柱40が圧設されるものである。
【0043】
ここで、支柱40周りを固定部材70が相対的に回転する可能性があるところ、支持材50と受け部材80とが接触する箇所において、接触箇所が角部84a、85aであることによって、食い込みの効果により接触箇所で相対的に大きな荷重の発生が期待できるので、支柱40に対する支持材50の回転を効果的に抑制することができる。これにより、支柱40に対して支持材50が回転しにくくなるので、測定位置のずれを効果的に抑えることができる。
【0044】
前述の通り、本発明に係る水位センサ100は、所定の方向に超音波を送波し、前記送波した超音波の反射波を受波する送受波部11と、送受波部11が収納されるとともに超音波が通過する開口Rが下面部21に形成された筐体20と、接着剤Tにより筐体20の開口R付近に取付けられたホーン30と、を備え、ホーン30は、上部が小径で下部が大径であって、上部が開口R内に挿入されるホーン本体31と、ホーン本体31の上下方向の中間部から上方に向けて延設された環状の外壁部34と、ホーン本体31と外壁部34との間に形成された環状の空間部35と、を備え、開口R付近に取付けられたホーン30において、下面部21と間部35によって形成される隙間S1に接着剤Tが充填され、外壁部34は、その上端34aに空間部35側から外部に通じる溝部37を有し、かつ、該外壁部34の下部に空間部35側から外部に通じる貫通孔36を有していることを特徴とするものである。
【0045】
これにより、空間部35内に接着剤Tを入れて、筐体20の開口R付近にホーン30を取り付けると、隙間S1内に接着剤Tが充填されて、溢れた接着剤Tが上方の溝部37及び下方の貫通孔36からの流出が確認できれば、隙間S1内の全体に接着剤Tが充填されたものと判断することができる。
【0046】
前記ホーン本体31と、該ホーン本体31が挿入された開口Rとの間には隙間S2が形成されたものとしてもよい。
【0047】
これにより、隙間S1に充填されて余剰の接着剤Tの一部は前記隙間S2にも充填されるので、ホーン本体31と開口Rとの間の接着力が高まり、筐体20に対してホーン30がより強固に接着される。
【符号の説明】
【0048】
10 センサ本体
11 送受波部
12 通信部
13 電源部
14 制御部
20 筐体
21 下面部
22 蓋
23 突出部
23a 凸部
30 ホーン
31 ホーン本体
31a 上端
32 キャップ
33 シート材
34 外壁部
34a 上端
34b 凹部
35 空間部
36 貫通孔
37 溝部
38 嵌合凹部
40 支柱
50 支持材
51 蟻溝
52 ボルト部材
53 頭部
54 雄ねじ部
55 ナット部材
60 連結部材
61 底板部
62 側板部
63 ボルト部材
63a 頭部
64 ナット部材
65 座金
70 固定部材
71 押さえ部材
72 支柱嵌合部
73 固定部
73a 貫通孔
80 受け部材
81 縦板部
81a 貫通孔
82 上板部
83 下板部
84、85 凹部
84a、85a 角部
84b、85b 側壁部
84c、85c 奥部
100 水位センサ
200 水位センサユニット
R 開口
S1、S2 隙間
T 接着剤

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15
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図17