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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154493
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】走行体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20231013BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063819
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000198330
【氏名又は名称】株式会社IHIアグリテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 歩
(72)【発明者】
【氏名】高橋 泰貴
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB01
5H301BB13
5H301CC03
5H301CC06
5H301LL01
5H301LL02
5H301LL06
5H301LL08
5H301LL14
5H301QQ08
5H301QQ09
(57)【要約】
【課題】特段の操縦機器を要せず人の移動に追随して動く走行体を提供すること。
【解決手段】本発明は、検出部と制御部を備え、前記検出部は、追随対象物の位置を検出し、前記制御部は、前記追随対象物の位置に基づいて、走行部を制御するものであり、前記追随対象物との間隔が第2の範囲内となるように追随する追随走行モードで前記走行部を制御し、前記追随対象物が第2の範囲内から出ることで、停止するように前記走行部を制御することを特徴とする走行体とすることで課題を解決した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出部と制御部を備え、
前記検出部は、追随対象物の位置を検出し、
前記制御部は、
前記追随対象物の位置に基づいて、走行部を制御するものであり、
前記追随対象物との間隔が第2の範囲内となるように追随する追随走行モードで前記走行部を制御し、
前記追随対象物が第2の範囲内から出ることで、停止するように前記走行部を制御することを特徴とする走行体。
【請求項2】
前記制御部は、
前記追随対象物が、近づく方向に動くとき、前記走行部を停止する接近停止モードになるよう前記走行部を制御する請求項1記載の走行体。
【請求項3】
前記制御部は、
前記走行体が、走行を開始する場合、前記追随対象物との距離が所定の距離離れるまで、前記追随対象物の速度より低速で走行する低速走行モードなるよう前記走行部を制御する請求項1記載の走行体。
【請求項4】
近接センサを具備し、
前記近接センサは、進行方向前方に向けて設けられており、障害物を検出するものであり、
前記制御部は、前記追随対象物が直進したとしても、前記近接センサが障害物を検出した場合、障害物から所定の距離離れて迂回するよう前記走行部を制御する請求項1記載の走行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人などの追随対象物の背後を追随する追随機能を備えた走行体に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、自律走行する走行体は、特許文献1に記載のように知られていた。特許文献1の走行体には、後追モードボタン、先行モードボタン、停止ボタンが設けられており、ユーザはこれらのボタンを操作することにより自律移動装置10の動作モードを切り替えるものであった(特許文献1段落[0043])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-77144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の発明は、自律走行とはいえ、後追モードボタン、停止ボタンなどの手動操作を要するため不便であった。
特段の操縦を要さず、追随や停止を行える自律走行車両が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、検出部と制御部を備え、前記検出部は、追随対象物の位置を検出し、前記制御部は、前記追随対象物の位置に基づいて、走行部を制御するものであり、前記追随対象物との間隔が第2の範囲内となるように追随する追随走行モードで前記走行部を制御し、前記追随対象物が第2の範囲内から出ることで、停止するように前記走行部を制御することを特徴とする走行体とすることで課題を解決した。
【発明の効果】
【0006】
本発明の走行体は、特段の操縦機器を要せず人の移動に追随して動くことができた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】走行体(コンテナ運搬車両)の概念図。
図2】第1の範囲と第2の範囲の説明図。
図3】実施例1の制御部の制御モード説明図。
図4】走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)の概念図。
図5】追随走行モードがなされている走行体(ゴルフバック搬送車両1A)における制御内容を表す概念図。
図6】各種制御モードの説明図
図7】各種制御モードが働く範囲を示す説明図である
図8】実施例3の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0009】
以下で、実施例1~実施例3を説明する。
特に、実施例1は、動くものを何でも追随対象物4として認識する態様である。そのため、実施例1の走行体1は、人であれ、動物であれ動くものであれば何でも追随してしまう。実施例1は以下で説明するように果樹園で収穫作業を行う農作業者42を追随対象物4としている。果樹園内に、多数の動物や農作業者42が移動していることは想定されないため、一人で収穫作業を行う農作業者42の周囲には、他の農作業者42や動物などが存在しないという状況が生まれる。実施例1の走行体1は、検出機器などを省くことで、安価な走行体1を提供できる。
また、実施例2は、特定の追随対象物4を認識し、特定の追随対象物4だけに追随する走行体1の例である。
【0010】
(実施例1)
図1は、走行体1(コンテナ運搬車両1B)の概念図である。実施例1のコンテナ運搬車両1Bは、コンテナ5Bに、傷が付く、過度に大きくなるなどして、そのまま出荷できなくなった果実を入れて運搬するものである。果実はジュース用として収穫される。追随対象物4は、農作業者42であり、農作業者42は、果樹から果樹へと移動しながら果実を収穫し次々と果実をコンテナ5Bに入れる。
【0011】
コンテナ運搬車両1Bは、走行部11と本体部12と荷台13を備えている。コンテナ運搬車両1Bは、傾斜地で使われることもあるため、走行部11はクローラーで構成されている。
本体部12には、検出部3や制御部2のような各種機器類が設けられている。制御部2の設置位置は、適宜であり、本体部12の外に露出している必要はないが、説明のため、露出する位置に図示している。また、検出部3は、農作業者42に追随するために必要な各種の情報を取得するものであり、設置位置は、農作業者42の進行方向側に設けられている。
【0012】
実施例1の走行部11を駆動する駆動源は、環境にやさしい電気で駆動するモータであることが好ましいが、ガソリンエンジンなどを駆動源とすることを妨げるものではない。
【0013】
(検出部)
検出部3は、制御部2による制御に必要な追随対象物4の位置を取得するものであり、近接センサ33、距離センサ34、追随対象物方向センサ35などで構成されている。検出部3は、複数のセンサを組み合わせることで、追随対象物4の位置を取得してもよい。また、検出部3は、後述する制御モードによって、近接センサ33だけを使うことがあり、制御モードにより異なる検出部3が使われたりする。近接センサ33は、農作業者42以外の者や物が近づいても検知するようになっており、コンテナ運搬車両1Bが人や物と衝突することを防ぐために用いられる。近接センサ33の検知範囲を第1の範囲36とすると、第1の範囲36の上限361の内側に何らかの動く障害物(人、物など)が入ると、制御部2は近距離停止モード22に移行し、直ちに停止する。
【0014】
[近距離停止モード(緊急停止モード)・迂回制御モード]
図2は、第1の範囲36と第2の範囲38の説明図である。また、図3は、実施例1の制御部2の制御モードの説明図である。
図2に図示されているように、近接センサ33は、コンテナ運搬車両1Bの進行方向前方に向けて設けられており、その検知範囲は扇形に広がる第1の範囲36となっている。第1の範囲36は、コンテナ運搬車両1Bの少なくとも前方に設定された範囲である。
コンテナ運搬車両1Bは、農作業者42の歩いたルート通りに追随して走行する。歩いたルート上をコンテナ運搬車両1Bが走行する限り、障害物に衝突することはない。なぜなら、農作業者42は、障害物等があれば回避するルートを歩くはずであり、コンテナ運搬車両1Bも農作業者42が歩いた通り、回避するように歩いたルートを追随するからである。他の農作業者42などの動く物体が歩いたルートを横切るように通過しようとする場合がある。このとき、コンテナ運搬車両1Bの近接センサ33は、動く物体を検知し第1の範囲36に入ると停止するようになっている。近距離停止モード22は、第1の範囲36内に何らかの動く物体が入ると停止するモードとなっている。
【0015】
近距離停止モード22は、走行中のコンテナ運搬車両1Bに人や物が衝突しないことを目的としている。安全性の確保が目的なので、近距離停止モード22は、何より優先され、後述する他のモード、例えば、追随走行モード21などの他のモードより優先して作動するモードとなっている。第1の範囲36の上限361は、上限361を超えて入ってくる人や物体と走行中のコンテナ運搬車両1Bが衝突せずに停止できる距離を基準として定められている。近接センサ33の検知範囲は左右方向にも広い方が好ましい。
【0016】
農作業者42が、立木などの障害物を避けようと迂回する場合、コンテナ運搬車両1Bは、所定の距離離れて迂回するように制御されている。障害物周囲には、立木周辺には根が露出しているなど、コンテナ運搬車両1Bの走行の妨げとなるものが存在することもある。また、農作業者42が立ち止まっている人の近傍をそのまま直進して通過することは、危険な行為ではない。しかし、コンテナ運搬車両1Bが立ち止まっている人のごく近くをすり抜けるように通過することは、危険な場合がある。例えば、コンテナ運搬車両1Bの接近に気づかぬ人が、驚いて動きコンテナ運搬車両1Bと接触する、接触せずとも驚いて動き足をくじくなど怪我をすることもある。コンテナ運搬車両1Bは、このような事態を避けるため、近接センサ33が立木などの障害物を検出すると、所定の距離障害物から離れて迂回するように制御されている。コンテナ運搬車両1Bの制御部2は、近傍に障害物があることを近接センサ33が検知すると、農作業者42が障害物をすり抜けるように直進した場合であっても、障害物から所定の距離離れて迂回するよう走行部11を制御する迂回制御モード28を備えている。
なお、迂回制御モード28を使用する場合、近接センサ33の検出範囲は、比較的遠くまで検出できることが望ましい。検出範囲が遠くなることで、制御部2は、右に迂回することが好ましいのか、左に迂回することが好ましいのかを判断する時間的余裕を得ることができる。
【0017】
[追随走行モード]
追随走行モード21は、コンテナ運搬車両1Bが農作業者42に追随して走行するモードである。実施例1で使われている距離センサ34と追随対象物方向センサ35は、農作業者42と他の者を区別できず、第2の範囲38内に動く物体があれば追随するようになっている。これは、果樹園内で収穫作業をする場合、他の者が果樹園内に入ることが想定できないためであり、コスト削減のために、動く物体であれば追随するようにしている。特定の農作業者42だけに追随するようにするには、農作業者42の特定手段を追加することで達成できる。例えば、農作業者42の特定は、農作業者42に電波発信機を持たせ、当該電波を受信することでなされてもよい。このように構成すると、コンテナ運搬車両1Bは、電波発信機を所持する農作業者42だけに追随する。追随対象物方向センサ35としてカメラを採用する場合は、農作業者42の服の背に画像認識できるマーカーを付けて、マーカーを認識することで農作業者42を特定することも可能である。
【0018】
検出部3は、追随対象物4の位置を検出するのであるが、制御内容に応じて、複数種の検出部3を有していてもよい。検出部3は、農作業者42を距離センサ34と追随対象物方向センサ35など複数のセンサを用いて、追随対象物4の位置を検出してもよい。制御部2は、動く物体を追随対象物4とし、これに追随するよう制御を行う。第2の範囲38は上限381を有している。第1の範囲36に農作業者42が入ると、安全確保のため近距離停止モード22が働くため第2の範囲38の下限は、第1の範囲36の上限361でもある。
【0019】
農作業者42が第2の範囲38内に入ると、制御部2は追随走行モード21に切り替え、コンテナ運搬車両1Bは追随対象物4である農作業者42の動きに追随して走行するようになる。第2の範囲38の上限381から農作業者42が出てしまうと、追随走行モード21が働かなくなる。コンテナ運搬車両1Bを停止させるため、農作業者42は、第2の範囲38を意図的に出ることで、追随走行モード21を解除し、コンテナ運搬車両1Bをその場で停止させることができる。コンテナ運搬車両1Bをその場で停止させるのに、コントローラは不要であり、農作業者42の歩行速度だけで操作ができる。
また、第2の範囲38の上限381を意図せずに超えてしまうようなことが起きることは好ましくない。そこで、追随走行モード21は、第2の範囲38の中間部383に農作業者42が位置するように制御している。農作業者42は、枝を避けるために歩行速度や歩く方向を変えたとしても、意図せず第2の範囲38から出てしまうトラブルを減少できる。
【0020】
農作業者42は、追随走行モード21の特性を用いて、コンテナ運搬車両1Bを適宜な位置で停止さることができる。農作業者42は、急に歩行速度を上げて第2の範囲38の上限381を意図的に出る、または、方向を急に変え、扇形に広がった第2の範囲38の側方から出ることで、追随走行モード21は作動しなくなり、その場でコンテナ運搬車両1Bが停止する。
【0021】
[接近停止モード]
接近停止モード25は、コンテナ運搬車両1Bに接近する物体が第2の範囲38内に入っても、後退しない制御モードである。コンテナ運搬車両1Bは、果樹園内を農作業者42に追随し、そして、農作業者42は、収穫した果実をコンテナ運搬車両1Bに搭載されたコンテナ5Bに入れる作業を行う。農作業者42は、収穫した果実をコンテナ5Bに入れるべく、コンテナ運搬車両1Bに近づく動きをする。この時、コンテナ運搬車両1Bが近づく農作業者42の動きに追随して後退してしまうと、困ることとなる。
【0022】
接近停止モード25は、追随走行モード21に優先して働く制御モードである。接近停止モード25は、第2の範囲38内で、コンテナ運搬車両1Bに接近する動きをする追随対象物4を検出した場合、停止するモードである。
接近停止モード25は、農作業者42が、収穫した果実を抱え、コンテナ運搬車両1Bに向かって接近し第2の範囲38に入っても、コンテナ運搬車両1Bが後退しないよう停止を維持するように制御する。接近停止モード25があることで、農作業者はコンテナ運搬車両1Bに容易に近づくことができ、コンテナ5Bに収穫した果実を入れる、コンテナ5Bを載せるなどの作業がはかどる。
【0023】
また、接近停止モード25は、コンテナ運搬車両1Bが後退させず停止を維持する制御であるため、急にコンテナ運搬車両1Bが後退することがない。前述した [近距離停止モード(緊急停止モード)]で述べたように、コンテナ運搬車両1Bの後方に、近接センサ33を設けるなどして、安全性を確保する必要がない。接近停止モード25は、コスト削減に寄与できる。
【0024】
[低速走行モード]
制御部2は、何らかの制御モードで、コンテナ運搬車両1Bが停止している状態から走行を開始する場合、追随対象物4の速度より低速で走行する制御が、低速走行モード26である。追随対象物4が所定距離離れるまで、低速で走行することが好ましい。
コンテナ運搬車両1Bが停止している状態から急に速い速度で発進することは危険なことであり、安全性を確保することが低速走行モード26の第1の目的である。
【0025】
第2の目的は、農作業者42が意図した位置でコンテナ運搬車両1Bを停止させることである。
追随走行モード21は、果樹園内を移動するときには便利な機能であるが、収穫作業を行う場合は、追随走行モード21を切り、コンテナ運搬車両1Bを停止させることが必要となる。コンテナ運搬車両1Bを停止させるには、次の3つの制御モードを使うことができる。
【0026】
一つ目はコンテナ運搬車両1Bを停止する接近停止モード25を利用し、農作業者42が第2の範囲38内でコンテナ運搬車両1Bに向かって歩くなどする。これにより、コンテナ運搬車両1Bは停止する。
二つ目は、近距離停止モード22(緊急停止モード24)を利用し、第1の範囲36内に、農作業者42が入るとコンテナ運搬車両1Bは停止する。
三つめは、第2の範囲38内にいる農作業者42が立ち止まることで、追随走行モード21が働き、コンテナ運搬車両1Bは停止する。
【0027】
制御部2は、これらの制御モードで、コンテナ運搬車両1Bが停止している状態から走行を開始する場合に働く。追随対象物4との距離が所定の距離離れるまで、追随対象物4の速度より低速で走行する制御モードが低速走行モード26である。
これにより、農作業者42が第2の範囲38の上限381を越えるよう、追随してくるコンテナ運搬車両1Bを振り切るように走り出さなくともよくなる。
例えば、追随走行モード21が機能する第2の範囲38内にいる農作業者42が立ち止まり、再び歩き出すだけで、簡単に第2の範囲38の上限381を越えることができる。
【0028】
[操縦の簡易性]
以上のように、農作業者42は、動きだけで、コンテナ運搬車両1Bの停止、追随などを操縦できる。
【0029】
(実施例2)
実施例2は、追随対象物4(ゴルファー4A)を特定する機能を有し、追随対象物4(ゴルファー4A)の動きだけに追随できる走行体1の例である。
走行体1としてゴルフバック5Aを積載して運ぶゴルフバック搬送車両1Aを例に採用し説明する。走行体1であるゴルフバック搬送車両1Aは、ゴルフ場でプレーする特定のゴルファー4Aを追随対象物4として、ゴルファー4Aの背後を追随して動く車両である。
【0030】
図4は走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)の概念図である。ゴルフバック搬送車両1Aは、走行部11と本体部12と荷台13を備えている。走行部11は車輪など適宜なものでよい。
【0031】
ゴルフバック搬送車両1Aの荷台13は、荷物5であるゴルフバック5Aを積載することができ、ゴルフクラブ51を選びやすいように、ゴルフバック5Aが傾くように設けられている。本体部12には、検出部3や制御部2のような各種機器類が設けられている。制御部2の設置位置は、適宜であり、本体部12の外に露出している必要はないが、説明のため、露出する位置に図示している。また、検出部3の設置位置は、何を検出するかによって適切な位置に設置される。
【0032】
(検出部)
検出部3は、様々な測定、検出、通信による情報交換などを行う装置群を言い、走行部11、本体部12、荷台13などに設けられる。
近接センサ33は、追随対象物4(ゴルファー4A)以外の他のゴルファーや物体が近接したことを検知するセンサであり、緊急停止モード24に入る時の判断に寄与する。
【0033】
本発明で使用されるGNSS測位装置は、GNSS(Global Navigation Satellite System)の略称であり、GPSが良く知られている。ゴルフバック搬送車両1Aは、GPSに加えてQZSS(愛称「みちびき」)などを受信できるGNSS受信機20を別途搭載してもよい。様々な方式の測位装置を増やすことは、より正確な追随対象物4や走行体1の測位を可能にする。
【0034】

第2のGNSS測位装置32は、走行体1であるゴルフバック搬送車両1Aの位置情報を得るためのものであり、得られた走行体位置情報321が様々な制御に用いられる。
【0035】
第1のGNSS測位装置461は、追随対象物4が所持するものである。実施例2では、追随対象物4(ゴルファー4A)が、第1のGNSS測位装置461を内蔵した携帯電話46を所持している。携帯電話46の第1のGNSS測位装置461は、測定された追随対象物位置情報322を常に、または、所定の間隔で検出し、ゴルフバック搬送車両1Aに向けて追随対象物位置情報322を送信している。この送信は、ネットワークを介して送信してもよく、直接的に走行体1に向けて送信してもよい。
第1のGNSS測位装置461の測定間隔は、追随性能に影響を与えない範囲で適宜決められる。
【0036】
走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)は、追随対象物4(ゴルファー4A)の位置を検出するために、携帯電話46の通信部462から送られてくる追随対象物位置情報322を受け取る走行体側通信部31を備えている。制御部2は、走行体位置情報321と追随対象物位置情報322に基づいて、ゴルフバック搬送車両1Aを後述する各種制御モードで制御する。
【0037】
実施例2は、追随対象物4であるゴルファー4Aが所持する携帯電話46により追随対象物位置情報322を取得するため、パーティ内の他のゴルファーと区別して追随対象物4を特定できる。そのため、実施例1と異なりゴルフバック搬送車両1Aは追随対象物4となるゴルファー4A以外の動きには影響されず追随する。
【0038】
第1のGNSS測位装置461や第2のGNSS測位装置32は、追随対象物4(ゴルファー4A)やゴルフバック搬送車両1Aの位置を、緯度と経度の情報として特定できる点で優れた装置である。しかし、トンネルなどに追随対象物4(ゴルファー4A)や走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)が入ると、衛星からの電波が届かなくなるため位置情報を検出できない虞がある。それを補完するために、実施例2では追随対象物4を見失わないための距離センサ34や追随対象物方向センサ35が設けられている。
【0039】
また、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)は、第2のGNSS測位装置32が位置情報を取得できない場合に備えて、方位センサ(ジャイロセンサー)、移動距離を知る車速センサ(スピードセンサー)や地図情報をもとに位置を割り出す計算手段などを有していてもよい。
いずれにせよ方式の異なる多重な手段で測定を行うことにより、制御の安定性を保つことは好ましい態様である。
【0040】
検出部3は、制御部2による制御に必要な追随対象物4の位置を検出するものであり、特定の箇所にまとまって設置されている必要はない。各種センサは、それぞれ検出するのに適した位置に設けられ、制御部2へ情報を送る。
検出部3は、追随対象物4(ゴルファー4A)が身に付けている携帯電話46に内蔵された第1のGNSS測位装置461で測定された追随対象物位置情報322を受け取る走行体側通信部31を備えている。
なお、走行体側通信部31を検出部3の一部としたのは、説明のためであって、走行体側通信部31が検出部3に必ず含まれている必要はない。
【0041】
また、検出部3は、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)自身の走行体位置情報321を測定する第2のGNSS測位装置32を備えている。
さらに、周囲の障害物や他のゴルファー等を認識するための距離センサ34を有し、衝突を防ぐための近接センサ33、追随対象物方向センサ35など、様々な検出部3を設けることは好ましい態様である。
検出部3は、追随性能を向上するため、安全を確保するため、危険を回避するため、利便性を上げるため等、あらゆる目的の検出センサを含むものである。検出部3は、その目的に応じ、適切な位置に配置され、制御部2へ情報を送る。
【0042】
図5は、追随走行モード21がなされている走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)における制御内容を表す概念図である。
追随対象物4であるゴルファー4Aは、携帯電話46を持ち歩いている。携帯電話46に内蔵された第1のGNSS測位装置461は、追随対象物位置情報322を計測する。追随対象物位置情報322は、携帯電話46に内蔵された通信部462によって走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)の走行体側通信部31へ送られる。通信部462は、ブルートゥース(登録商標)などの直接的な送信手段でもよいし、携帯電話回線でもよい。
【0043】
その一方、ゴルフバック搬送車両1A側にも第2のGNSS測位装置32が備わっており、走行体位置情報321が検出される。
そして、追随対象物位置情報322と走行体位置情報321を用いて追随対象物4(ゴルファー4A)と走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)との位置関係が算出される。算出され得た距離や方向などの位置関係は制御部2へと送られる。
【0044】
(制御部)
制御部2は、マイクロコンピュータ等の制御装置で構成され走行体1に搭載される。しかし、制御機能を果たすことができるのであれば、ネットワーク上に存在してもよいし、プログラム上のモジュールでもよく、有体物として存在する必要はないし、分散して配置されていてもよい。
【0045】
第1の範囲36と第2の範囲38については、後でより詳細な説明をするが、第1の範囲36は、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)に極めて近い範囲である。ゴルファー4Aがゴルフクラブ51を選んでいるとき、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)は停止していないとならない。第1の範囲36は、このようにゴルフバック搬送車両1Aに対して停止が求められる極めて近い範囲に設定される。第2の範囲38は、第1の範囲36の外側にあり、第1の範囲36より大きい範囲である。第2の範囲38内にゴルファー4Aがいるとき、制御部2は、追随走行モード21を選択し、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)が追随対象物4(ゴルファー4A)の動きに追随するように、制御する。
【0046】
従来、追随制御するため追随対象物4を画像認識する追随方式や、追随対象物4との距離や方向を検出するセンサを利用する追随方式があった。従来の追随方式では、追随対象物4と走行体1との間を他のゴルファーが横切る、追随対象物4が突然方向を変えるなどすると、センサが追随対象物4を見失うなどのことがあった。実施例2の走行体1では、走行体1の位置及び追随対象物4の位置は、共にGNSS測位装置で検出されるため、見失うことが無い。極端な例では、両者が互いに見えない位置にいても互いの位置を検出できる。
したがって、実施例2の制御部2は、妨害物(他のゴルファー等)に極めて強靭な制御を提供できる。
なお、本発明は、GNSS測位装置に加えて、追随を可能とする他の方式のセンサを併用することを排除するものではない。
【0047】
(各制御モードの説明)
図6は、各種制御モードの説明図である。本発明の制御モードは、図示されていない更なる制御モードが加えられてもよい。
図7は、各種制御モードが働く範囲を示す説明図である。
呼び寄せモード27を除き、追随対象物4(ゴルファー4A)の自然な動きで制御モードが変わるようになっている。そのため、ゴルファー4Aは、複雑な操縦装置を持つ必要はない。
【0048】
[追随制御モード]
追随走行モード21は、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)が追随対象物4(ゴルファー4A)に追随して走行するモードである。制御部2は、追随対象物4(ゴルファー4A)の位置を表す追随対象物位置情報322と走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)の位置を表す走行体位置情報321によって、追随するよう制御を行う。追随走行モード21は、図7で示す第2の範囲38の上限381と下限382の間に追随対象物4(ゴルファー4A)が常に位置するように制御するモードである。走行体1の周囲に設定された第2の範囲38は、第1の範囲36より大きく、第1の範囲36の上限361と第2の範囲38の下限382は一致している。
なお、第1の範囲36の上限361より第2の範囲38の下限382を大きくし、両者が一致しないようにしてもよい。
【0049】
走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)と追随対象物4(ゴルファー4A)の間の距離が、第2の範囲38の上限381と下限382の中間となる距離に維持されるよう制御すことが好ましい。追随対象物4(ゴルファー4A)が急に速度を上げたり、下げたりすると、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)の制御が対応できず、追随対象物4(ゴルファー4A)が第2の範囲38の範囲から出ることがあるからである。第2の範囲38の上限381と下限382の中間部383に追随対象物4(ゴルファー4A)があるよう制御を行うことが好ましい。追随対象物4に急な速度変化があっても、予期せず追随対象物4が第2の範囲38を出てしまうようなことが少なくなり、追随が維持できるようになる。
【0050】
実施例2では、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)の後方から追随対象物4(ゴルファー4A)が第2の範囲38に入り、後方に向かって歩き出すと、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)は旋回して追随するように構成されている。
旋回に若干の時間が掛かるため、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)が旋回する間、追随対象物4(ゴルファー4A)は第2の範囲38を出ないようにゆっくり歩くなどすればよい。
さらに、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)が旋回するのに時間がかかり、追随対象物4(ゴルファー4A)が第2の範囲38の上限381を出てしまう場合、上限381を出てもなお、追随走行モード21が行われるような例外を設けてもよい。
【0051】
[近距離停止モード]
実施例1は、追随対象物4を特定せず、動くものであれば何でも追随対象物4とする態様であった。実施例2は、携帯電話46から追随対象物位置情報322を送っているゴルファー4Aだけを追随対象物4としている。
実施例2では、前述した追随走行モード21に加え、ゴルファー4Aがゴルフバック搬送車両1Aに載せたゴルフバック5Aからゴルフクラブ51を取り出すときになどに役立つ近距離停止モード22を備えている。
制御部2は、ゴルファー4Aが第1の範囲36の上限361の内側に入ったときに近距離停止モード22になるよう制御する。その結果、ゴルフバック搬送車両1Aは停止し、ゴルファー4Aは容易にゴルフクラブ51の選択などができるようになる。
ゴルファー4Aは、ゴルフクラブ51に限らず、手袋やボールを交換するなど様々な状況で、近距離停止モード22を使うことができる。
ゴルファー4Aが第1の範囲36を出ない限り、近距離停止モード22は継続する。
【0052】
[接近停止モード]
追随走行モード21においては、ゴルファー4Aが第2の範囲38内に存在し、かつゴルフバック搬送車両1Aのから離れる方向にゴルファー4Aが進む場合に限り、追随がなされることが好ましい。ゴルファー4Aがゴルフクラブ51を交換しようとゴルフバック搬送車両1Aに近づく方向に歩いてくる場合、第2の範囲38に入ることで追随走行モード21が働いてしまう。追随走行モード21は、所定距離を保ちゴルファー4Aに追随するモードなので、近づいてくるゴルファー4Aの動きに追随してゴルフバック搬送車両1Aは後退を開始する。このようなことが起きると、ゴルファー4Aはゴルフバック搬送車両1Aを追いかけることになる。
これを防ぐために、制御部2はゴルフバック搬送車両1Aに向かってゴルファー4Aが近づく場合、ゴルフバック搬送車両1Aを停止する接近停止モード25が起動する。
接近停止モード25は、追随走行モード21に優先して、走行体1を停止するモードである。
【0053】
[低速走行モード]
制御部2は、何らかの制御モードで、コンテナ運搬車両1Bが停止している状態から走行を開始する場合、追随対象物4が所定距離離れるまで、追随対象物4の速度より低速で走行する制御が、低速走行モード26である。
ゴルファー4Aが、ゴルフバック搬送車両1Aを停止させ遠くに離れたい場合は限られる。その例の一つは、ゴルフバック5Aにゴルフクラブ51などの物を取に行き、バンカーなどに向かってゴルフバック搬送車両1Aから離れたい場合である。追随走行モード21が働く第2の範囲38内にいるゴルファー4Aが立ち止まることで、追随走行モード21が働き、ゴルフバック搬送車両1Aは停止する。また、ゴルファー4Aは、ゴルフバック搬送車両1Aを停止する接近停止モード25を利用し、第2の範囲38内でゴルフバック搬送車両1Aに向かって歩くなどする。これにより、ゴルフバック搬送車両1Aは停止する。
制御部2は、何らかの制御モードで、ゴルフバック搬送車両1Aが停止している状態から、ゴルフバック搬送車両1Aが走行を開始する場合、追随対象物4が所定距離離れるまで、追随対象物4の速度より低速で走行する制御が、低速走行モード26である。ゴルファー4Aは、ゴルフバック搬送車両1Aが低速で走行している間に第2の範囲38の上限381を簡単に越えることができる。
【0054】
低速走行モードは、事故を防ぐ役割も果たす。停止状態にあるゴルフバック搬送車両1Aが急発進すると、他のゴルファーに衝突することもあり得る。低速走行モード26は、ゴルフバック搬送車両1Aがゆっくりと動き出す制御であるため、他のゴルファーはゴルフバック搬送車両1Aが動き出したことを知ることができ、衝突などの事故を事前に回避できる。
【0055】
[走行体の操縦の簡便性]
以上のように、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)の操縦は、追随対象物4(ゴルファー4A)の自然な動きで行うことができ、誰でも簡単に操縦を行うことができる。
手や音声による操縦は不要であり、操縦に不慣れな初心者でも走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)を簡単に操縦することが可能である。
【0056】
[緊急停止モード]
実施例2のゴルフバック搬送車両1Aは、実施例1と同様に、安全性を優先する近距離停止モード(緊急停止モード24)や迂回制御モード28などの機能を具備している。
実施例2は、携帯電話46から追随対象物位置情報322を送っているゴルファー4Aだけを追随対象物4としている。緊急停止モード24の目的は、追随対象物4だけでなく、他のゴルファーなどにゴルフバック搬送車両1Aが衝突することを防ぐことにある。近接センサ33は、あらゆる人や物を検出する。また、近接センサ33は、動く物体も検出する。
緊急停止モード24は、他の全てのモードより優先的に働くモードである。
【0057】
[呼び寄せモード]
呼び寄せモード27は走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)を呼び寄せる制御モードである。この制御モードに限っては、追随対象物4であるゴルファー4Aが携帯電話46等から命令をすることによって作動する。呼び寄せモード27では、地図情報を加えて制御を行うことが好ましい。通例、ゴルフバック搬送車両1Aは、追随対象物位置情報322と走行体位置情報321により最短距離を進むようにゴルファー4Aに呼び寄せられるが、ゴルファー4Aとの間にバンカーなどがある場合、避けて通る必要がある。制御部2は、地図情報によりゴルファー4Aとゴルフバック搬送車両1Aの間にバンカーなどの障害物があることを認識すると、障害物を避けるように走行ルートを変更する。
地図情報を利用することで、非常に遠い距離からでもゴルフバック搬送車両1Aを呼び寄せることができる。
【0058】
[立ち入り禁止エリア]
ゴルフ場管理者は、立ち入り禁止エリアを予め設定することができる。ゴルファー4Aが立ち入り禁止エリアに入った場合、制御部2は、走行体1(ゴルフバック搬送車両1A)を立ち入り禁止エリアの直前で停止するよう制御する。立ち入り禁止エリアの例は、グリーン、バンカー、林などである。
また、ゴルフ場管理者は、ゴルフ場外など、閉じられたエリア(領域)でなくとも、立ち入り禁止エリアとして設定できる。
【0059】
以上各種制御モードについて「モード」という用語で説明したが、技術内容を理解しやすくするためである。制御モードという区分けが存在しなくとも、各種制御モードと実質的に同じ機能を奏するのであれば、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0060】
(実施例3)
本発明は、追随対象物4が人である必要はない。図8は、実施例3の説明図である。実施例3は、追随対象物4を車両であるゴルフカート4Bとした例である。ゴルフカート4Bに追随する走行体1は、第1ゴルフバック搬送車両1A1としている。さらに、第1ゴルフバック搬送車両1A1を追随対象物4として、第2ゴルフバック搬送車両1A2が追随する。同様に、直前のゴルフバック搬送車両1Aを追随対象物4として、第3ゴルフバック搬送車両1A3、第4ゴルフバック搬送車両1A4が追随する。第1ゴルフバック搬送車両1A1~第4ゴルフバック搬送車両1A4は、それぞれ4名のパーティを組む第1のゴルファー4A1~第4のゴルファー4A4を追随対象物4とするように指定されている。
ゴルフバック搬送車両1Aは、自身が追随対象物4となり、また、追随対象物4に追随する走行体1にもなる。実施例3の符号は、追随対象物4となるゴルフバック搬送車両1Aに対して、(4C)という符号を図8に付けて両者を区別した。
【0061】
パーティに属する各ゴルファーは、自身のゴルフバック5Aを搬送するゴルフバック搬送車両1Aの追随対象物4を次のように設定変更する。
【0062】
第1のゴルファー4A1に追随していた第1ゴルフバック搬送車両1A1は、追随対象物4がゴルフカート4Bとなるように設定変更される。
次の、第2のゴルファー4A2に追随していた第2ゴルフバック搬送車両1A2は、追随対象物4が第1ゴルフバック搬送車両1A1となるように設定変更される。第2のゴルファー4A2の指定により、第1ゴルフバック搬送車両1A1は、追随対象物4となるため、走行体1でもあり、後続する第2ゴルフバック搬送車両1A2の追随対象物4にもなる。そこで、図8の表記は、符号(4C)を新たに付記して第1ゴルフバック搬送車両1A1(4C)とした。
第3のゴルファー4A3に追随していた第3ゴルフバック搬送車両1A3(4C)は、追随対象物4が第2ゴルフバック搬送車両1A2(4C)となるように設定変更される。
第4のゴルファー4A4に追随していた第4ゴルフバック搬送車両1A4は、追随対象物4が第3ゴルフバック搬送車両1A3(4C)となるように設定変更される。
このように追随対象物4が変更された第1ゴルフバック搬送車両1A1~第4ゴルフバック搬送車両1A4は、ゴルフカート4Bの後方に列になって追随するようになる。
【0063】
実施例3では、ゴルフカート4Bの後方を、複数のゴルフバック搬送車両1Aが列になって追随させることができ、その操作は、追随対象物4を変更させるだけである。
【0064】
(SDGsへの貢献)
実施例1によれば、農作業者42が、重いコンテナ5Bを長距離持ち運ぶなどの作業を無くすことができ、高齢者でも収穫作業ができるようになる。また、実施例2によれば、ゴルフバック5Aやコンテナ5Bなどを持ち歩く必要はなくなり、スポーツを楽しむことができる。また、実施例3では、ゴルフカート4Bに重いゴルフバック5Aを載せたり降ろしたりする作業も不要となる。本発明は、健常者に限らず誰でも、スポーツや農作業ができるようになる。このように本発明は、「すべての人に健康と福祉を」というSDGsの目標3に寄与できる。
【0065】
また、本発明の走行体1は、高齢者用の購入した商品を家まで搬送する車両を走行体1としてもよい。高齢者などが、第2の範囲38を出ることで、スーパーマーケットの駐車スペースに走行体1を停止させておくことができる。高齢者は、家まで重い荷物5を持ち歩く必要が無くなる。そして、買い物という日常的な行為の中で、運動不足がちな高齢者を運動させることができる。
本発明の走行体1は、極めて簡単に操縦できるよう構成されているので、高齢者の生活の質を上げ、健康的な生活を確保するため、重い荷物5を持つことなく運動する機会を提供できる。
【0066】
随所で変更し得る例を説明してきたが、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 走行体
1A ゴルフバック搬送車両
1A1 第1ゴルフバック搬送車両
1A2 第2ゴルフバック搬送車両
1A3 第3ゴルフバック搬送車両
1A4 第4ゴルフバック搬送車両
1B コンテナ運搬車両
11 走行部
12 本体部
13 荷台
2 制御部
21 追随走行モード
22 近距離停止モード
24 緊急停止モード
25 接近停止モード
26 低速走行モード
27 呼び寄せモード
28 迂回制御モード
3 検出部
31 走行体側通信部
32 第2のGNSS測位装置
321 走行体位置情報
322 追随対象物位置情報
33 近接センサ
34 距離センサ
35 追随対象物方向センサ
36 第1の範囲
361 上限
38 第2の範囲
381 上限
382 下限
383 中間距離
4 追随対象物
4A ゴルファー
4A1 第1のゴルファー
4A2 第2のゴルファー
4A3 第3のゴルファー
4A4 第4のゴルファー
4B ゴルフカート
4C 追随対象物となるゴルフバック搬送車両
42 農作業者
46 携帯電話
461 第1のGNSS測位装置
462 通信部
5 荷物
5A ゴルフバック
51 ゴルフクラブ
5B コンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8