(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154504
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
F03G 6/00 20060101AFI20231013BHJP
F03G 7/00 20060101ALI20231013BHJP
F03D 9/16 20160101ALI20231013BHJP
【FI】
F03G6/00 551
F03G7/00 B
F03D9/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063845
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】519231186
【氏名又は名称】松本 葉子
(74)【代理人】
【識別番号】719004108
【氏名又は名称】松本 和也
(72)【発明者】
【氏名】松本 和也
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA20
3H178AA40
3H178AA44
3H178AA46
3H178DD02X
3H178DD11X
3H178DD12Z
3H178DD21X
(57)【要約】
【課題】
本発明は風力エネルギーで上方に移動した球体の位置エネルギーを有効に利用できる発電システムを提供する。
【解決手段】
風力を利用して球体に位置エネルギーを蓄え、この球体の位置エネルギーを利用して電力を得る発電システムであって、球体の位置エネルギーを利用して発電する発電部と、発電部に球体を挿入する球体挿入部と、を備え、球体挿入部は風力で回転するタービンと、タービンに繋がる伝達軸と、水柱管の下端のピストン部と、水柱管の下端のゲート部と、伝達軸に接続され、伝達軸の回転力により、ピストン部を往復運動させる第一変換部と、伝達軸に接続され、伝達軸の回転力により、ゲート部を往復運動させる第二変換部と、を備え、各変換部により、ピストン部で球体を押し込むタイミングで、ゲート部が開き、ピストン部が後方に移動するタイミングでゲート部が閉じる発電システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力を利用して球体に位置エネルギーを蓄え、この球体の位置エネルギーを利用して電力を得る発電システムであって、球体の位置エネルギーを利用して発電する発電部と、発電部に球体を挿入する球体挿入部と、を備え、発電部は、上方から落下させた球体を受けることにより回転する回転装置と、回転装置の回転力により発電する発電機類と、上下方向に延び、球体が流通する水柱管と、水柱管の上部に一端が接続され、回転装置の上部に向って下り傾斜し、水柱管の上端から他端に向って球体が流通し、他端から球体が落下する横引下り勾配部と、を備え、水柱管の内部には、水が貯留されており、球体は水より比重が小さく、水柱管の下端から挿入された球体が、水柱管内を浮上することで、球体に位置エネルギーを蓄える、球体挿入部は風力を受けて回転するタービンと、タービンの回転力を伝達する伝達軸と、水柱管の下端側に球体を挿入するピストン部と、水柱管の下端側を開閉するゲート部と、伝達軸に接続され、伝達軸の回転力により、ピストン部を往復運動させる第一変換部と、伝達軸に接続され、伝達軸の回転力により、ゲート部を往復運動させる第二変換部と、を備え、第二変換部は、第一変換部により、ピストン部が球体を水柱管に押し込むタイミングで、ゲート部を開く方向に移動させ、第一変換部は、ピストン部が水柱管から離れる方向に移動するタイミングでゲート部を閉じる方向に移動させる発電システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自然エネルギーは気象環境等で発電量が不安定になるが、発電量の不足分を補うために蓄電システムが必要とされている。又、自然エネルギーの適地に建設することで多くの経費が必要となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は風力等による不安定な自然エネルギーを安定的な球体の位置エネルギーに変換しておき、この位置エネルギーを利用して、例えば、緊急時に発電することを目的とすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
風力を利用して球体に位置エネルギーを蓄え、この球体の位置エネルギーを利用して電力を得る発電システムであって、球体の位置エネルギーを利用して発電する発電部と、発電部に球体を挿入する球体挿入部と、を備え、発電部は、上方から落下させた球体を受けることにより回転する回転装置と、回転装置の回転力により発電する発電機類と、上下方向に延び、球体が流通する水柱管と、水柱管の上部に一端が接続され、回転装置の上部に向って下り傾斜し、水柱管の上端から他端に向って球体が流通し、他端から球体が落下する横引下り勾配部と、を備え、水柱管の内部には、水が貯留されており、球体は水より比重が小さく、水柱管の下端から挿入された球体が、水柱管内を浮上することで、球体に位置エネルギーを蓄える、球体挿入部は風力を受けて回転するタービンと、タービンの回転力を伝達する伝達軸と、水柱管の下端側に球体を挿入するピストン部と、水柱管の下端側を開閉するゲート部と、伝達軸に接続され、伝達軸の回転力により、ピストン部を往復運動させる第一変換部と、伝達軸に接続され、伝達軸の回転力により、ゲート部を往復運動させる第二変換部と、を備え、第二変換部は、第一変換部により、ピストン部が球体を水柱管に押し込むタイミングで、ゲート部を開く方向に移動させ、第一変換部は、ピストン部が水柱管から離れる方向に移動するタイミングでゲート部を閉じる方向に移動させる発電システム。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図2】本発明に係る球体挿入装置とナイフゲート装置の動作比較図である。
【
図3】本発明に係るクランク軸の回転位置図である。
【
図4】本発明に係る球体挿入装置とナイフゲート装置の開始動作図である。
【
図5】本発明に係る球体挿入装置とナイフゲート装置の中間動作図である。
【
図6】本発明に係る球体挿入装置とナイフゲート装置の終了動作図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本実施形態の発電システムは、風力を利用して球体20に位置エネルギーを蓄え、この球体20の位置エネルギーを利用して電力を得る発電システムであって、球体20の位置エネルギーを利用して発電する発電部100と、発電部100に球体20を挿入する球体挿入部200と、を備え、発電部100は、上方から落下させた球体20を受けることにより回転する回転装置24と、回転装置24の回転力により発電する発電機類と、上下方向に延び、球体20が流通する水柱管21と、水柱管21の上部に一端が接続され、回転装置24の上部に向って下り傾斜し、水柱管21の上端から他端に向って球体20が流通し、他端から球体20が落下する横引下り勾配部と、を備え、水柱管21の内部には、水が貯留されており、球体20は水より比重が小さく、水柱管21の下端から挿入された球体20が、水柱管21内を浮上することで、球体20に位置エネルギーを蓄える、球体挿入部200は風力を受けて回転する風力タービンブレード1と、風力タービンブレード1の回転力を伝達する伝達軸3と、水柱管21の下端側に球体20を挿入するピストン部と、水柱管21の下端側を開閉するゲート部と、伝達軸3に接続され、伝達軸3の回転力により、ピストン部を往復運動させる第一変換部6と、伝達軸3に接続され、伝達軸3の回転力により、ゲート部を往復運動させる第二変換部5と、を備え、第二変換部5は、第一変換部6により、ピストン部が球体20を水柱管21に押し込むタイミングで、ゲート部を開く方向に移動させ、第一変換部6は、ピストン部が水柱管21から離れる方向に移動するタイミングでゲート部を閉じる方向に移動させる発電システム。
【0006】
発電部100には、回転装置24の回転を発電機26が必要とする回転数まで上げる増速機26と、発電機26で発生した電力は電気盤27で調整され電気機器類に送られる。
【0007】
球体挿入部200には、都市部にある高層ビル等の屋上に、風力タービンブレード1を必要に応じて複数台設置して、高所に吹く強い風力エネルギーを利用する。尚、風力タービンブレード1は伝達能力、安全装置及び速度調整機能など基本仕様を装備するものとする。
【0008】
風力エネルギーをギヤ装置2、伝達軸3、速度調整ギヤ装置4、第二変換部5、及び第一変換部6により回転運動を往復運動に変換し、球体挿入装置7及びナイフゲート装置8を動かし球体20を水柱管21に挿入する。
【0009】
図2は球体挿入装置7とナイフゲート装置8のクランク軸10の回転を10分割した図で、球体挿入装置7の分割1の位置で球体が装置内に入り、分割2以降球体が移動して分割10の位置で終了する状態を表し、ナイフゲート装置8の弁体は通常閉止しているが、分割4~分割6では弁が開閉して球体20は水柱管21に移動する。尚、第二変換部5のクランク軸10に繋がる連結棒19のピンが溝18に沿ってスムーズに回転運動が出来るような緩和加工を施す。
【0010】
図3は速度調整ギヤ装置4の歯車位置とアイドラ歯車の歯先の有無を表している。ナイフゲート装置8の往復運動は閉止時と開閉時の速度が異なるため、速度調整ギヤ装置4を設ける。駆動軸9に取付けた速度調整ギヤ装置4により、クランク軸10の回転速度を変えることで、往復運動の速度を制御する。回転速度の遅い従動歯車A16が、アイドラ歯車A13の歯先の無い部分に到達すると駆動力は無くなるが、回転速度の速い従動歯車B17が、アイドラ歯車B14の歯先のある部分に到達して、駆動力を引き継いで伝えることで駆動力は継続する。
【0011】
図4~
図6は、球体挿入装置7のピストンとナイフゲート装置8の弁体の動きを表した図で、
図5はピストンが水と球体20を押出し、弁体が全開の状態を表し、
図4と
図6は開始時と終了時の位置を表している。
【0012】
水柱菅21の保有水に挿入された球体20は一定数以上になると、球体20の浮力と重力の差で浮力が大きいと、最上部の球体20は空間に押し出され位置エネルギーを保有する。球体20を水柱管21に多く挿入すると最下部の球体20に到達する時間が短縮され、最上部の球体20が空間に早く出ることは、早く位置エネルギーを保有する事になる。この時、球体20の水柱管21にある数量は位置エネルギーの潜在能力を保有する、又、一定量の保有水の水面を維持するために自動給水装置22設けるが給水量は運転中の自然蒸発量程度となる。
【0013】
位置エネルギーを保有した球体20は上部下り勾配部23の停止板の前で待機する。回転装置24の受け皿の動きと同期して停止板が開き球体20を回転装置24の受け皿に取り込み下方向に移動させる。
【0014】
球体20は最下部で受け皿を出ると下部下り勾配部28の停止板の前で待機する。球体挿入装置7の往復運動の動きと同期して停止板が開き、側面の球体入口部30より所定時間内に侵入して再び当該システムを循環する。尚、球体挿入装置7は球体20の出入口の他に、気密性のある球体挿入装置7の往復運動に支障が無いように吸排気装置29を設ける。又、残水は球体挿入装置7内に留まり外部に溢れ出ない水量とする。
【0015】
球体20は保有水より小さな比重とする。球体20は一般的な資材を選び建設コストの低廉化を図る。又、保有水は一般的な水道水、雨水、不凍液等で良いが、球体20,水柱管21が変質しないものとする。
【0016】
球体挿入装置7とナイフゲート装置8を直角に配置することで、ギヤ装置2の数は増えるが、作業スペースを広くとり作業性に余裕を持つことができる。
【符号の説明】
【0017】
1 風力タービンブレード
2 ギヤ装置
3 伝達軸
4 速度調整ギヤ装置
5 第二変換部
6 第一変換部
7 球体挿入装置
8 ナイフゲート装置
9 駆動軸
10 クランク軸
11 駆動歯車A
12 駆動歯車B
13 アイドラ歯車A
14 アイドラ歯車B
15 従動軸
16 従動歯車A
17 従動歯車B
18 溝
19 連結棒
20 球体
21 水柱管
22 自動給水装置
23 上部下り勾配部
24 回転装置
25 増速機
26 発電機
27 電気盤
28 下部下り勾配部
29 吸排気装置
30 球体入口部
100 発電部
200 球体挿入部