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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154534
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】接客支援システム、接客支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231013BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063899
(22)【出願日】2022-04-07
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521331489
【氏名又は名称】株式会社ココロトヒナタ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】松本 健一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 ▲祥▼布
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】施設に訪問した顧客に対する接客をより好適に支援する接客支援システム、接客支援方法を提供すること。
【解決手段】接客支援システムにおいて、接客支援装置2は、施設および当該施設における接客者に関する施設関連情報と、訪問者の顔情報を含む顧客情報と、に関する登録を受け付ける登録受付部21と、訪問者の顔を撮像した顔画像を、顔情報に基づき認証処理した結果により顧客情報を特定する顧客特定部22と、特定した顧客情報を、施設関連情報により特定される接客者のそれぞれにより操作される1または複数の端末装置に対して提供する情報提供部24と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設への訪問者に対する接客を支援する接客支援システムであって、
登録受付部と、顧客特定部と、情報提供部と、を備える接客支援装置と、
施設における接客者により操作される端末装置と、を備え、
前記登録受付部は、施設および当該施設における接客者に関する施設関連情報と、訪問者の顔情報を含む顧客情報と、に関する登録を受け付け、記憶部に格納し、
前記顧客特定部は、訪問者の顔を撮像した顔画像を、前記顔情報に基づき認証処理した結果により前記顧客情報を特定し、
前記情報提供部は、特定した前記顧客情報を、前記施設関連情報により特定される接客者のそれぞれにより操作される1または複数の前記端末装置に対して提供する、接客支援システム。
【請求項2】
前記端末装置を介して、前記顧客情報における詳細フィールドの登録および/または更新に関する情報入力を受け付ける情報更新部を備え、
前記情報提供部は、前記詳細フィールドの登録および/または更新された情報について、前記施設関連情報により特定される1または複数の前記端末装置のそれぞれに通知および/または提供する、請求項1に記載の接客支援システム。
【請求項3】
前記情報更新部は、前記詳細フィールドにおける前記施設別、前記接客者別の共有権限を付与し、
前記情報提供部は、前記共有権限を有する前記端末装置に対して前記詳細フィールドを提供する、請求項2に記載の接客支援システム。
【請求項4】
前記施設関連情報は、複数の施設を含むグループ施設に関する情報を有し、
前記情報更新部は、前記詳細フィールドにおけるグループ施設別の共有権限を付与し、
前記情報提供部は、前記グループ施設の共有権限を有する前記端末装置に対して前記詳細フィールドを提供する、請求項2または請求項3に記載の接客支援システム。
【請求項5】
前記施設関連情報は、複数の施設を含むグループ施設に関する情報を有し、
前記顧客情報は、前記施設の訪問に関する履歴情報と、前記グループ施設の訪問に関する履歴情報と、を有し、
前記情報提供部は、前記施設と前記グループ施設の履歴情報を区別可能に表示処理し提供する、請求項1に記載の接客支援システム。
【請求項6】
前記履歴情報は、前記訪問者の訪問に関する訪問履歴と、当該施設における購買に関する購買履歴と、を有し、
前記情報提供部は、前記訪問履歴および/または前記購買履歴に基づく前記顧客情報における優良顧客と判断される優良フラグを付与し、提供する、請求項5に記載の接客支援システム。
【請求項7】
前記登録受付部は、接客者の顔情報を含む接客者情報の登録を受け付け、
前記顧客特定部は、前記接客者の顔を撮像した顔画像を、前記顔情報に基づき認証処理した結果により前記接客者を特定し、
前記情報提供部は、前記特定された接客者の操作する端末装置に対する顧客情報の提供を許可する、請求項1に記載の接客支援システム。
【請求項8】
施設への訪問者に対する接客を支援する接客支援方法であって、
登録受付工程と、顧客特定工程と、情報提供工程と、をコンピュータが実行し、
前記登録受付工程は、施設および当該施設における接客者に関する施設関連情報と、訪問者の顔情報を含む顧客情報と、に関する登録を受け付け、記憶部に格納し、
前記顧客特定工程は、訪問者の顔を撮像した顔画像を、前記顔情報に基づき認証処理した結果により前記顧客情報を特定し、
前記情報提供工程は、特定した前記顧客情報を、前記施設関連情報により特定される接客者のそれぞれにより操作される1または複数の端末装置に対して提供する、接客支援方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接客支援システム、接客支援方法に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
製品やサービスを提供する店舗などの施設における接客では、訪問した顧客(以下、訪問者とする)の過去の訪問履歴の有無は、施設における従業員(以下、接客者)の全員に共有することは困難であった。例えば、過去に訪問履歴のある訪問者に対する接客の仕方は、リピーターを獲得するうえで重要な要素となり得るが、直接接客していない接客者が当該訪問者の情報を当該施設の他の接客者にて共有できないことが課題であった。
【0003】
係る実状に鑑みて、特許文献1では、来店者を顔情報により識別させることにより、来店者から顔情報以外のその他個人情報の提供の承諾がなくても来店者との対応履歴を管理できると共に、顔情報以外のその他の個人情報の提供の承諾があった場合には、その他個人情報を参照してより適切に対応管理ができる対応支援システムおよび広域対応支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-082167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
施設における接客では、接客者それぞれが訪問者に接近しながらコミュニケーションを図るため、接客者それぞれに対して訪問者の情報が共有される必要があった。
しかしながら、特許文献1では、接客者のそれぞれに対して好適に情報共有するための仕組みが開示されない点で、改善の余地があるものと把握される。
【0006】
本発明は、係る実状に鑑みてなされたものであり、施設に訪問した顧客に対する接客をより好適に支援する接客支援システム、接客支援方法を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、接客支援システムであって、登録受付部と、顧客特定部と、情報提供部と、を備える接客支援装置と、施設における接客者により操作される端末装置と、を備え、前記登録受付部は、施設および当該施設における接客者に関する施設関連情報と、訪問者の顔情報を含む顧客情報と、に関する登録を受け付け、記憶部に格納し、前記顧客特定部は、訪問者の顔を撮像した顔画像を、前記顔情報に基づき認証処理した結果により前記顧客情報を特定し、前記情報提供部は、特定した前記顧客情報を、前記施設関連情報により特定される接客者のそれぞれにより操作される1または複数の前記端末装置に対して提供する。
【0008】
また、本発明は、接客支援方法であって、登録受付工程と、顧客特定工程と、情報提供工程と、をコンピュータが実行し、前記登録受付工程は、施設および当該施設における接客者に関する施設関連情報と、訪問者の顔情報を含む顧客情報と、に関する登録を受け付け、記憶部に格納し、前記顧客特定工程は、訪問者の顔を撮像した顔画像を、前記顔情報に基づき認証処理した結果により前記顧客情報を特定し、前記情報提供工程は、特定した前記顧客情報を、前記施設関連情報により特定される接客者のそれぞれにより操作される1または複数の端末装置に対して提供する。
【0009】
このような構成とすることで、接客者のそれぞれに対して訪問している顧客情報を提供することができ、顧客情報に基づく接客やコミュニケーションを好適に実現することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記端末装置を介して、前記顧客情報における詳細フィールドの登録および/または更新に関する情報入力を受け付ける情報更新部を備え、前記情報提供部は、前記詳細フィールドの登録および/または更新された情報について、前記施設関連情報により特定される1または複数の前記端末装置のそれぞれに通知および/または提供する。
このような構成とすることで、施設における接客者間においてリアルタイムに顧客情報の共有し、接客者と訪問者の好適なコミュニケーションを支援することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記情報更新部は、前記詳細フィールドにおける前記施設別、前記接客者別の共有権限を付与し、前記情報提供部は、前記共有権限を有する前記端末装置に対して前記詳細フィールドを提供する。
このような構成とすることで、施設や接客者個人単位での共有事項を整理して共有し、接客者による円滑なコミュニケーションを支援することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記施設関連情報は、複数の施設を含むグループ施設に関する情報を有し、前記情報更新部は、前記詳細フィールドにおけるグループ施設別の共有権限を付与し、前記情報提供部は、前記グループ施設の共有権限を有する前記端末装置に対して前記詳細フィールドを提供する。
このような構成とすることで、グループ施設の間で顧客情報を共有でき、接客者と訪問者の間でのコミュニケーションを好適に支援することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記施設関連情報は、複数の施設を含むグループ施設に関する情報を有し、前記顧客情報は、前記施設の訪問に関する履歴情報と、前記グループ施設の訪問に関する履歴情報と、を有し、前記情報提供部は、前記施設と前記グループ施設の履歴情報を区別可能に表示処理し提供する。
このような構成とすることで、接客者がグループ施設における訪問者の訪問履歴を把握し、適切なコミュニケーションを支援することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記履歴情報は、前記訪問者の訪問に関する訪問履歴と、当該施設における購買に関する購買履歴と、を有し、前記情報提供部は、前記訪問履歴および/または前記購買履歴に基づく前記顧客情報における優良顧客と判断される優良フラグを付与し、提供する
このような構成とすることで、接客者は常連を正確に把握し、適切なコミュニケーションを支援することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記登録受付部は、接客者の顔情報を含む接客者情報の登録を受け付け、前記顧客特定部は、前記接客者の顔を撮像した顔画像を、前記顔情報に基づき認証処理した結果により前記接客者を特定し、前記情報提供部は、前記特定された接客者の操作する端末装置に対する顧客情報の提供を許可する。
このような構成とすることで、接客者の勤務状況に応じて顧客情報を提供することができ、不要な情報処理負荷を削減するとともに、顧客情報の閲覧および更新にかかる処理について勤務している接客者によるものに制限することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、施設に訪問した顧客に対する接客をより好適に支援する接客支援システム、接客支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態における接客支援の概要説明図を示す。
図2】本実施形態における接客支援システムのブロック図を示す。
図3】本実施形態における顧客特定ステップの処理フローチャートを示す。
図4】本実施形態における情報提供ステップの処理フローチャートを示す。
図5】本実施形態における情報提供画面の画面表示例を示す。
図6】本実施形態における情報提供画面の画面表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する接客支援システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0019】
本実施形態では、接客支援装置、接客者端末および、撮像装置を含む接客支援システムの構成および動作等について説明するが、同様の構成の接客支援方法、接客支援プログラム、当該プログラムを記録し、コンピュータにより可読な記録媒体等も、同様の作用効果を奏することができる。以下で説明する本実施形態にかかる一連の処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD-ROMやフレキシブルディスクなどの非一過性コンピュータ可読記録媒体、更には通信回線を経て提供可能である。
【0020】
接客支援システムの各機能構成部と、接客支援方法の各工程とは対応し、同様の作用効果を奏する。接客支援システムおよび接客支援プログラムのそれぞれにおける各機能構成部は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置により実現される。接客支援方法の各工程は、演算装置により各機能構成部が処理を実行することで実現される。
【0021】
本実施形態において、接客支援システムは、飲食店、アパレルショップ、小売店、美容院やサロン、病院などの医療機関、ホテルなどの宿泊施設、スポーツジムや各種娯楽施設など商品やサービスを提供する施設において導入される。施設は、顧客とのコミュニケーション行動を伴う業態であれば特に限定されない。
【0022】
図1は、接客支援システム1のシステム構成の概要図を示す。接客支援システム1は、接客支援にかかる情報処理を実行する接客支援装置2と、施設Sにおける接客者Eが操作する接客者端末3と、施設Sへの訪問者Cの顔を撮像する撮像装置4と、データベースとしての記憶部DBと、を備え、これら各種構成部は通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。本実施形態において、接客者端末3および撮像装置4は、施設Sに配置される。施設Sは、接客支援システム1において複数存在する。接客者端末3は、施設Sにおいて少なくとも1以上存在し、接客者Eのそれぞれによって所有され、操作される。
【0023】
本実施形態において、系列店などに属する複数の施設(S1,S2,・・・)をグループとしたグループ施設Gが定義される。グループ施設Gは、接客支援システム1において複数存在することができる。また、複数のグループ施設Gを含む更に広いグループが定義されてもよい。なお、グループの範囲に制限はなく、各グループにそれぞれに異なるグループ名やグループIDを付与することによって、各グループが区別される。
【0024】
接客支援装置2は、接客者端末3、撮像装置4、記憶部DBとデータ通信可能に構成される。接客支援装置2は、1または複数のサーバ装置などのコンピュータ装置で構成され、例えば、クラウドサーバやシンクライアントサーバなどを用いることができる。
【0025】
接客者端末3は、施設Sにおける従業員である接客者Eにより所有され、操作される端末装置である。端末装置は、携帯可能なデバイスであることが好ましく、例えば、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができる。
【0026】
撮像装置4は、訪問者Cや接客者Eの顔画像を撮像するためのカメラなどを含むデバイスとして構成される。撮像装置4は、撮像した顔画像を顔認証サーバに伝送し、当該顔認証サーバに登録される顔情報と認証する顔認証処理を実行可能に構成されている。なお、顔認証処理は、接客支援装置2により実行される態様であってもよい。また、撮像装置4は、内部または外部に接続された記憶装置に顔情報を記憶し、顔認証処理を実行する構成としてもよい。
【0027】
記憶部DBは、各種データを格納するデータベースであって、通信ネットワークNWを介して少なくとも接客支援装置2と通信可能に構成される。なお、記憶部DBは、設置場所に制限はなく、例えば、接客支援装置2の内部または外部に設置され、接客支援装置2とデータ通信可能に構成されてもよい。
【0028】
接客支援装置2は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、通信ネットワークNWとの通信制御のための通信装置などと、をハードウェア構成要素として備える。接客支援装置2の補助記憶装置は、OS(Operating System)と、OSと協働して各種機能構成要素を実現する接客支援プログラムと、を格納し、接客支援装置2の演算装置は、当該接客支援プログラムを実行することで、接客支援装置2において各種機能構成要素を実現することができる。
【0029】
接客者端末3は、スマートフォンなどの携帯可能なコンピュータ装置を用いることができ、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、通信装置、タッチパネルディスプレイなどの入出力装置などをハードウェア構成要素として備える。接客者端末3の補助記憶装置は、接客支援装置2との各種情報の入出力および送受信するためのアプリケーションプログラムや、接客支援システム1によるサービスを提供するウェブサイトにアクセスするためのブラウザアプリケーションなどを格納し、接客者端末3の演算装置は、当該アプリケーションを実行することで、接客者端末3において各種機能構成要素を実現することができる。
【0030】
図2は、接客支援システム1のブロック図を示す。接客支援装置2は、各種情報登録を受け付け、記憶部DBに格納する登録受付部21と、訪問者Cの顔画像と、登録されている顔情報に基づく顔認証処理の結果により訪問者Cを特定する顧客特定部22と、接客者端末3を介して接客に応じて更新された訪問者Cの顧客情報を更新する情報更新部23と、訪問者Cの顧客情報を提供する情報提供部24と、接客者Eの顔画像と、登録されている顔情報に基づく顔認証処理の結果により接客者Eを特定する接客者特定部25と、顧客の訪問履歴および購買履歴を含む履歴情報を取得する履歴情報取得部26と、を備える。
【0031】
接客者端末3は、接客者Eにより各種情報入力を受け付ける入力部31と、各種情報を画面表示などとして出力する出力部32と、を備える。接客者端末3は、接客支援装置2との情報の入出力インターフェイスとしての機能を提供することができる。
【0032】
撮像装置4は、訪問者Cの顔画像を撮像する撮像部41と、撮像した顔画像を含む情報通信のための通信部42と、を備える。撮像部41は、サーマルカメラとして構成され、訪問者Cや接客者Eの検温処理を更に実行してもよい。また、撮像装置4は、顔情報を記憶し、撮像した顔画像に基づく顔認証処理を実行する構成であってもよい。
【0033】
上述した機能構成要素(21―25、31-32、41-42)は、接客支援システム1の全体により実現されればよく、機能構成の一部が異なる装置構成が備える態様であってもよい。
【0034】
以下、図2図7を参酌しながら、接客支援システム1の各種機能構成要素により実現する具体的な処理について説明する。
【0035】
登録受付部21は、施設に関する施設情報と、グループ施設に関するグループ施設情報と、接客者に関する接客者情報と、を含む施設関連情報を登録するための情報入力を受け付け、それぞれ記憶部DBに格納する。
【0036】
施設情報は、施設ID、施設名、施設住所を有する。また、施設情報は、当該施設に設置する撮像装置4を特定するための装置IDを有してもよい。また、施設情報は、施設に所属する接客者の接客者IDと、施設が所属するグループ施設のグループ施設IDと、を有してもよい。また、施設情報は、訪問者の顧客情報または当該顧客情報を特定するための顧客IDを有してもよい。
【0037】
グループ施設情報は、グループ施設ID、グループ名、および、グループ施設に所属する施設の施設IDを有する。
【0038】
接客者情報は、接客者ID、接客者名、および、接客者が所属する施設の施設IDを有する。接客者情報は、接客者の顔画像および当該顔画像から抽出される接客者の顔の特徴を示す顔情報を更に有する。
【0039】
これら施設関連情報は、接客者端末3または施設またはグループ施設における管理者により操作される管理者端末を介して入力される。接客者の顔画像は、撮像装置4を介して入力されてもよい。
【0040】
登録受付部21は、訪問者(顧客)に関する顧客情報の登録を受け付け、記憶部DBに格納する。顧客情報は、顧客ID、顧客(訪問者)の顔画像および当該顔画像から抽出される顧客の顔の特徴を示す顔情報、訪問履歴や購買履歴などを含む履歴情報、顧客の詳細な情報に関する共有事項を示す詳細フィールド、などを有する。なお、登録受付部21は、顔画像を含む顧客情報を、訪問者の操作する訪問者端末を介して登録を受け付けてもよい。
【0041】
詳細フィールドは、訪問者の氏名またはニックネーム、生年月日、性別などの個人情報を含む個人情報フィールドと、いつもの注文、出身地、趣味、趣向、訪問頻度、自由記述可能なメモなどを含む属性フィールドと、を有する。属性フィールドは、項目名と、当該項目名に対応する入力情報と、により構成され、接客者と訪問者の会話などのコミュニケーションを通じて接客者端末3を介して入力される情報を示す。属性フィールドの項目名は、接客者により自由に追加可能に構成されている。
【0042】
情報更新部23は、接客者端末3を介して詳細フィールドの登録および更新に関する情報入力を受け付け、記憶部DBに格納する。なお、個人情報フィールドなどの一部の情報は、通信ネットワークNWに接続される訪問者が操作する端末装置を介して、情報入力を受け付ける構成であってもよい。
【0043】
図3は、本実施形態における訪問者を特定する処理に関するフローチャートを示す。
【0044】
撮像装置4は、施設の入り口などに設置され、訪問者の顔画像を撮像する(ステップS11)。撮像装置4は、顔画像を含む顧客特定要求を接客支援装置2に伝送する。顧客特定要求は、撮像装置4の装置IDまたは撮像装置4が設置された施設の施設ID、タイムスタンプなどを更に含む。なお、撮像装置4が、顔認証処理を実行する場合、顧客特定要求は、顔認証処理の結果として認証した退店者の顧客IDを含んでもよい。
顧客特定部22は、撮像装置4により訪問者の顔画像を含む顧客特定要求を取得し、当該顔画像が登録済みの顔情報に合致するか否か、顔認証処理の結果を判定する(ステップS12)。
顧客特定部22は、顔画像と顔情報が合致しない場合(ステップS12でYES)、当該訪問者の情報を新規登録するための顧客登録要求を当該施設の接客者端末3に送信する(ステップS13)。
接客者端末3は、顧客登録要求を受信すると、顧客情報登録画面を介して顧客情報を入力し、入力結果を接客支援装置2に対して伝送する(ステップS14)。顧客情報は、例えば、訪問者本人が接客者端末3により入力することができる。
登録受付部21は、接客者端末3を介して、顧客情報の入力を受け付け、ステップS11において受信した顔画像と対応付けて、記憶部DBに格納する(ステップS15)。
顧客特定部22は、顧客情報が登録されることで、施設への訪問者として特定することができる(ステップS16)。
ステップS12において、顧客特定部22は、顔画像と顔情報が合致する場合(ステップS12でNO)、顔情報に対応する顧客IDを取得することで、訪問者を特定することができる(ステップS16)。
履歴情報取得部26は、訪問者を特定すると、当該施設への訪問履歴を履歴情報として顧客情報に対応付けて記憶する(ステップS17)。訪問履歴は、施設名または施設IDと、訪問時のタイムスタンプと、を少なくとも有する。訪問履歴は、施設別、グループ施設別に記録され、それらの訪問回数の集計結果を有してもよい。履歴情報取得部26は、訪問者を特定すると、顧客の訪問ステータスを訪問中に更新する。
【0045】
顔情報は、顔画像から抽出される顔の特徴であって、顔認証処理を実行するための情報として顧客情報に対応付けて記憶される。顔の特徴は、顔全体の大きさや形、髪、目、鼻、耳、口等の顔の部位の大きさや形、1または複数の顔の部位の配置などの特徴的な要素を特徴量として記憶した情報である。
【0046】
本実施形態において、顔認証処理は、機械学習モデルに顔画像を入力することで、顔の特徴量を抽出し、抽出された顔画像における特徴量が、顧客情報として登録された顔情報の特徴量に合致すると判定される場合、過去に訪問履歴のある顧客であることを特定することができる。
【0047】
本実施形態における、機械学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークモデルを採用することができるが、モデルの種類や学習手法はこれに限定されるものではない。また、訪問者の顔画像から登録済みの顧客の顔を判定することで訪問者を特定できるものであれば、機械学習モデルを用いた手法にも限定されず、既知の技術を採用することができる。
【0048】
顧客情報に含まれる顔情報は、所定期間毎に更新可能に構成されている。所定期間は、例えば、1年など任意の期間を設定できる。顧客特定部22は、特定した訪問者の顔情報が所定期間以前のものである場合、撮像装置4により撮像された新たな顔画像に基づき顔情報を更新し、記憶することができる。これにより、加齢による来訪者の顔の特徴の変化を定期的に更新することができ、顔認証処理の精度を維持することができる。
【0049】
顔認証処理は、撮像装置4、撮像装置4が顔画像を伝送する顔認証処理サーバ、または、接客支援装置2の何れかにおいて実行可能である。撮像装置4は、少なくとも顔画像、撮像装置4の装置ID、および、タイムスタンプを含む顧客特定要求を、顔認証処理サーバまたは接客支援装置2に伝送する。顔認証処理サーバまたは接客支援装置2は、顧客特定要求に含まれる顔画像を、顔情報に基づき顔認証処理することにより顧客IDを取得し、訪問者を特定することができる。或いは、撮像装置4は、撮像した顔画像を、顔情報に基づき顔認証処理することにより顧客IDを取得し、当該顧客IDを含む顔認証結果を顧客特定要求として、接客支援装置2に伝送する構成であってもよい。
【0050】
顧客特定部22は、訪問者の顔画像を、顧客情報に登録された顔情報に基づき認証処理した結果により訪問者の顧客情報を特定する。顧客特定部22は、訪問者の顔画像を、顔情報に基づき認証処理できない場合、当該訪問者が初めて訪問したものとして、新規の顧客情報として登録することで、登録された顧客情報を特定する。
【0051】
図4は、本実施形態において特定された訪問者の顧客情報の表示、更新、提供に関する処理フローチャートを示す。
【0052】
顧客特定部22は、図3に示す処理フローによって、施設への訪問者の顧客IDを特定する(ステップS21)。
情報提供部24は、特定された顧客IDに対応する顧客情報を、施設におけるそれぞれの接客者端末3に対して提供する(ステップS22)。情報提供部24は、顧客特定要求に含まれる装置IDまたは施設IDに基づき、訪問者の訪問した施設を特定し、当該施設の施設情報に含まれる接客者IDを取得することで、提供先となる接客者端末3を決定する。
接客者端末3は、提供された顧客情報に基づき訪問者画面を表示する(ステップS23)。
接客者端末3は、訪問者画面を介して、顧客情報を登録または更新するための情報入力を受け付ける(ステップS24)。
情報更新部23は、接客者端末3を介して、顧客情報の登録または更新に関する情報入力を受け付け、顧客情報を登録または更新して記憶部DBに格納する(ステップS25)。
情報提供部24は、更新した顧客情報を、施設におけるそれぞれの接客者端末3に対して提供する(ステップS26)。情報提供部24は、顧客情報が更新された場合、接客者端末3に対して更新が生じたことを通知により提示してもよい。
以上の処理によって、施設における接客者のそれぞれにおいて、訪問者の情報をリアルタイムに共有することが可能となり、接客者と来客者の適切なコミュニケーションを支援することができる。
【0053】
接客支援システム1は、施設におけるPOS(Point of Sale)システムと連携可能に構成されてもよい。POSシステムは、通信ネットワークNWを介して、接客支援装置2とデータ通信可能に構成される。
【0054】
POSシステムは、顧客IDと紐づく施設における購買履歴を、接客支援装置2に提供する。履歴情報取得部26は、POSシステムを介して顧客の購買履歴を履歴情報として取得し、顧客情報に対応付けて記憶部DBに格納する。情報提供部24は、取得した購買履歴を含む顧客情報を接客者端末3に提供できる。これによって、接客者は、訪問者の購買履歴から過去の購買品や、購買の傾向を把握し、好適に接客することができる。
【0055】
また、訪問者が退店する際に、POSシステムを介した会計処理を実行することで、当該顧客の訪問ステータスを訪問中から退店に更新してもよい。顧客の訪問ステータスが退店となることで、訪問者画面から当該顧客の顧客情報を表示しないよう制御することができる。
【0056】
履歴情報取得部26は、退店時に撮像された顧客の顔画像に基づく顔認証処理によって、訪問ステータスを退店に更新してもよい。また、履歴情報取得部26は、訪問中と退店を含む訪問ステータスを、訪問者の位置情報に基づいて更新してもよい。訪問者の位置情報は、訪問者が所有する訪問者端末におけるGPS機能により取得され、接客支援装置2に提供される。また、訪問者端末は、近距離無線通信機能により施設内に設置されるビーコンより発信される識別信号を取得し、該識別信号を接客支援装置2に提供することで、訪問者の位置情報を取得してもよい。履歴情報取得部26は、GPS機能による位置情報が施設の内部に相当するとき訪問ステータスを訪問中とし、近距離無線通信によりビーコンの識別信号を取得できる範囲であるとき訪問ステータスを訪問中とすることができる。なお、施設の位置情報は施設情報に予め対応付けて記憶部DBに格納され、施設に設置されるビーコンの識別信号は施設情報に予め対応付けて記憶部DBに格納されるものとする。
【0057】
図5(a)は、訪問者画面W1の画面表示例を示す。訪問者画面W1は、情報提供部24により提供された顧客情報に基づき、接客者端末3のディスプレイなどに表示される。
【0058】
訪問者画面W1は、顧客情報に基づき訪問者の顧客情報を表示する顧客情報表示部W10A~Cを有する。顧客情報表示部W10は、訪問者の訪問したタイムスタンプに応じて順にそれぞれ表示される。
【0059】
顧客情報表示部W10は、訪問者の顔画像を表示する顔表示部W11と、施設および/またはグループ施設への訪問履歴を表示する訪問履歴表示部W12と、顧客の詳細情報を表示する詳細フィールドW13と、顧客情報の登録または更新をする際に押下される更新ボタンW14と、を備える。
【0060】
顔表示部W11は、顧客情報として登録された画像、または、訪問時に撮像装置4により撮像された画像の何れかを表示する。なお、訪問者端末を介して登録された顔画像が登録される場合、当該顔画像を優先的に表示する構成が好ましい。
【0061】
訪問履歴表示部W12は、訪問者が前回訪問した施設名、訪問日時、および当該施設への訪問回数を含む施設訪問履歴と、訪問者が前回訪問したグループ施設の施設名、訪問日時、および当該グループ施設への訪問回数を含むグループ施設訪問履歴と、をそれぞれ区別可能に表示する。
【0062】
情報提供部24は、訪問履歴および/または購買履歴に基づき、優良顧客と判断される顧客情報に対して優良フラグを付与し、当該優良フラグが付与された顧客情報を判別可能に提示することができる。優良フラグは、訪問履歴の訪問回数、訪問頻度、前回訪問日から所定日数以下であること、購買履歴の購買金額、購買した商品またはサービスの総数、購買した商品またはサービスの種類の総数、購買頻度、前回購買日から所定日数以下であること、などに基づき判断される。これらの履歴情報には、重みを設定可能であって、重みに応じて優良顧客であるかを示す指標として優良度を算出した結果、優良フラグを付与する構成とすることができる。優良度や履歴情報の種別に応じて異なる優良フラグを付与できてよい。これにより、接客者によるリピーターや常連向けのコミュニケーション行動を支援することができる。
【0063】
また、情報提供部24は、対応に注意が必要な訪問者に注意フラグを付与し、注意フラグが付された顧客情報を判別可能に提示することができる。注意フラグは、接客者端末3を介して、接客者の意思決定に基づき付与される。
【0064】
詳細フィールドW13は、顧客情報に含まれる個人情報フィールド、属性フィールドに基づく情報を表示する。詳細フィールドW13は、項目別に共有権限が付与され、共有権限により許可された項目のみを表示する。共有権限は、グループ施設ID、施設ID、接客者IDから選択される1以上を付与可能である。例えば、グループ施設IDを共有権限に設定した項目は、グループ施設全体において共有を許可され、接客者IDを共有権限に設定した項目は、接客者個人においてのみ共有を許可される。
【0065】
更新ボタンW14は、押下されることで顧客情報の更新のための更新画面(図示せず)に遷移させる。
【0066】
図5(b)は、顧客詳細画面W2の画面表示例を示す。顧客詳細画面W2は、顧客情報表示部W10を選択することで表示される。顧客詳細画面W2は、後に詳述する項目設定画面W3を介して設定された項目に対応する情報表示や情報入力のための詳細フィールドW21を有する。
【0067】
詳細フィールドW21は、項目別に設定された共有権限に応じて表示/非表示が制御される。グループ施設に共有権限を付与した詳細フィールドW13は、グループ施設IDにより特定されるグループ施設に属するすべての接客者端末3に表示される。施設に共有権限を付与した詳細フィールドW13は、施設IDにより特定される施設における接客者端末3に表示される。接客者に共有権限を付与した詳細フィールドW13は、接客者IDにより特定される接客者端末3に表示される。
これによって、施設における「いつもの」に該当するメニューを施設内においてのみ共有可能とし、接客者個人における訪問者との趣味などの会話記録を接客者個人においてのみ確認可能とするなど、好適な範囲での顧客情報の管理が可能となる。
【0068】
詳細フィールドW13は、登録、更新、削除にかかる処理を指示入力した接客者の氏名や、それら処理の実行日時を表示してもよい。
【0069】
図6は、項目設定画面W3の画面表示例を示す。項目設定画面W3は、詳細フィールドにおける項目の設定入力を受け付ける項目入力部W31と、当該項目の入力形式の設定入力を受け付ける入力形式設定部W32と、項目および入力形式の編集を受け付ける編集ボタンW33と、を備える。項目入力部W31は、任意の項目を詳細フィールドW13、W21に追加するための設定入力を受け付ける。入力形式設定部W32は、項目をテキスト形式またはプルダウンタブなどの選択形式とするかなどの入力形式について設定を受け付ける。選択形式では、更に選択可能な選択タブの設定入力を受け付ける。各項目の共有権限は、編集ボタンW33を押下することで更に設定可能に構成されている。なお、項目設定画面W3において設定できる項目は、詳細フィールドにおける属性フィールドに制限されてもよい。
【0070】
入力形式設定部W32は、画像データを入力形式として設定を受け付けてもよい。例えば、項目がペットである場合、顧客のペットの画像データを入力することができる。
【0071】
接客支援システム1は、接客者特定部25を更に備えることができる。接客者特定部20は、施設に出勤した接客者と、施設から退勤した接客者を顔認証により特定し、当該接客者の勤怠記録を記憶部DBに格納することができる。
【0072】
登録受付部21は、接客者の顔情報を接客者IDに対応付けて接客者情報として記憶部DBに格納する。
【0073】
接客者特定部20は、撮像装置4により撮像された接客者の顔画像と、顔情報と、を認証処理した結果により接客者を特定する。接客者特定部20は、特定した時刻を当該接客者の出勤時刻として接客者の勤怠記録として記憶する。このとき、接客者情報における接客者のステータスが「出勤」に更新される。接客者特定部20は、「出勤」のステータスである接客者を特定したとき、当該時刻を接客者の退勤時刻として勤怠記録を記憶する。このとき、接客者情報における接客者のステータスが「退勤」に更新される。なお、撮像装置4は、検温手段を更に備え、検温手段により検温した当該接客者の体温を併せて勤怠記録として記憶してもよい。
【0074】
情報提供部24は、ステータスが「出勤」である接客者の操作する接客者端末3に対して、訪問者の顧客情報を提供することができる。情報提供部24は、出勤していない接客者端末3に対する顧客情報の提供の可否を設定可能であってもよい。
【0075】
以上に説明したように、本発明により、施設におけるそれぞれの接客者に対して好適に訪問者の情報を共有可能な接客支援システム、接客支援方法を提供することができる。本発明は、適用される施設の業種により制限されず、多様な施設における接客支援に適用される。
【符号の説明】
【0076】
1 接客支援システム
2 支援装置
21 登録受付部
22 顧客特定部
23 情報更新部
24 情報提供部
25 接客者特定部
26 履歴情報取得部
3 接客者端末
4 撮像装置
DB 記憶部
NW 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6