(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154550
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】温室効果ガス削減支援システム、温室効果ガス削減支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20231013BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G06Q50/04 ZAB
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063936
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 博一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 孝平
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA05
3C100AA16
3C100AA18
3C100AA22
3C100AA56
3C100BB05
3C100BB13
3C100BB15
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】製品の製造に関する温室効果ガス排出量が目標値に対応するための製造要件を提案できるようにする。
【解決手段】製造に使用される材料と、対象製品の製造に採用される工程と、製造される対象製品の製造数量とを製造要件として含む製造要件情報に含まれる材料の材料対応排出量情報と、取得された製造要件情報に含まれる変動工程の変動工程対応排出量情報と、取得された製造要件情報に含まれる固定工程の固定工程対応排出量情報とに基づいて、対象製品の単位数量あたりの温室効果ガス排出量である製品対応排出量を算出し、製品対応排出量が指定された目標排出量に応じた値となるように、製造要件情報における製造数量を変更対象として変更し、製造要件の変更結果を出力するようにして温室効果ガス削減支援システムを構成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の製造に使用する材料ごとの単位数量あたりの温室効果ガス排出量を示す材料対応排出量情報を記憶する材料対応排出量情報記憶部と、
製品の製造において使用される工程のうち、工程に係る材料の数量に応じて温室効果ガス排出量が異なる変動工程ごとに対応して、材料の単位数量ごとの温室効果ガス排出量を示す変動工程対応排出量情報を記憶する変動工程対応排出量情報記憶部と、
製品の製造において行われる工程のうち、工程に係る材料の数量に係わらず温室効果ガス排出量が固定の固定工程ごとに対応して、固定工程対応排出量情報を記憶する固定工程対応排出量情報記憶部と、
対象製品の製造に使用される材料と、前記対象製品の製造に採用される工程と、製造される前記対象製品の製造数量とを製造要件として含む製造要件情報を取得する製造要件情報取得部と、
前記製造要件情報取得部により取得された製造要件情報に含まれる材料の材料対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる変動工程の変動工程対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる固定工程の固定工程対応排出量情報とに基づいて、前記対象製品の単位数量あたりの温室効果ガス排出量である製品対応排出量を算出する排出量算出部と、
対象製品について目標とする単位数量あたりの温室効果ガス排出量である目標排出量を取得する目標排出量取得部と、
前記排出量算出部により算出される製品対応排出量が前記目標排出量に応じた値となるように、前記製造要件情報における製造数量を変更対象として変更する変更部と、
前記変更部による製造要件の変更結果を出力する出力部と
を備える温室効果ガス削減支援システム。
【請求項2】
前記変更部は、
前記排出量算出部により算出される製品対応排出量が前記目標排出量に応じた値となるように、前記製造要件情報における製造数量と、材料に関する所定項目のうちの少なくともいずれか1つとを変更対象として変更する
請求項1に記載の温室効果ガス削減支援システム。
【請求項3】
前記変更対象としての前記製造数量と前記材料に関する1以上の所定項目とについて、優先順位が設定され、
前記変更部は、前記目標排出量に応じた値となるまで、前記優先順位に従って前記製造要件情報における変更対象を変更する
請求項2に記載の温室効果ガス削減支援システム。
【請求項4】
前記製造要件情報における前記変更対象の少なくともいずれか1つについて前記変更部が変更することが許容される可変範囲が設定される
請求項1から3のいずれか一項に記載の温室効果ガス削減支援システム。
【請求項5】
製品の製造に使用する材料ごとの単位数量あたりの温室効果ガス排出量を示す材料対応排出量情報を記憶する材料対応排出量情報記憶部と、
製品の製造において使用される工程のうち、工程に係る材料の数量に応じて温室効果ガス排出量が異なる変動工程ごとに対応して、材料の単位数量ごとの温室効果ガス排出量を示す変動工程対応排出量情報を記憶する変動工程対応排出量情報記憶部と、
製品の製造において行われる工程のうち、工程に係る材料の数量に係わらず温室効果ガス排出量が固定の固定工程ごとに対応して、固定工程対応排出量情報を記憶する固定工程対応排出量情報記憶部と
を備える温室効果ガス削減支援システムにおける温室効果ガス削減支援方法であって、
対象製品の製造に使用される材料と、前記対象製品の製造に採用される工程と、製造される前記対象製品の製造数量とを製造要件として含む製造要件情報を取得する製造要件情報取得ステップと、
前記製造要件情報取得ステップにより取得された製造要件情報に含まれる材料の材料対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる変動工程の変動工程対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる固定工程の固定工程対応排出量情報とに基づいて、前記対象製品の単位数量あたりの温室効果ガス排出量である製品対応排出量を算出する排出量算出ステップと、
対象製品について目標とする単位数量あたりの温室効果ガス排出量である目標排出量を取得する目標排出量取得ステップと、
前記排出量算出ステップにより算出される製品対応排出量が前記目標排出量に応じた値となるように、前記製造要件情報における製造数量を変更対象として変更する変更ステップと、
前記変更ステップによる製造要件の変更結果を出力する出力ステップと
を備える温室効果ガス削減支援方法。
【請求項6】
製品の製造に使用する材料ごとの単位数量あたりの温室効果ガス排出量を示す材料対応排出量情報を記憶する材料対応排出量情報記憶部と、
製品の製造において使用される工程のうち、工程に係る材料の数量に応じて温室効果ガス排出量が異なる変動工程ごとに対応して、材料の単位数量ごとの温室効果ガス排出量を示す変動工程対応排出量情報を記憶する変動工程対応排出量情報記憶部と、
製品の製造において行われる工程のうち、工程に係る材料の数量に係わらず温室効果ガス排出量が固定の固定工程ごとに対応して、固定工程対応排出量情報を記憶する固定工程対応排出量情報記憶部と
を備える温室効果ガス削減支援システムにおけるコンピュータを、
対象製品の製造に使用される材料と、前記対象製品の製造に採用される工程と、製造される前記対象製品の製造数量とを製造要件として含む製造要件情報を取得する製造要件情報取得部、
前記製造要件情報取得部により取得された製造要件情報に含まれる材料の材料対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる変動工程の変動工程対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる固定工程の固定工程対応排出量情報とに基づいて、前記対象製品の単位数量あたりの温室効果ガス排出量である製品対応排出量を算出する排出量算出部、
対象製品について目標とする単位数量あたりの温室効果ガス排出量である目標排出量を取得する目標排出量取得部、
前記排出量算出部により算出される製品対応排出量が前記目標排出量に応じた値となるように、前記製造要件情報における製造数量を変更対象として変更する変更部、
前記変更部による製造要件の変更結果を出力する出力部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室効果ガス削減支援システム、温室効果ガス削減支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの排出の削減が求められている状況にある。二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン等の温室効果ガスは二酸化炭素に換算することができる。このようなことを背景として、生産設備及び用役設備の運転情報に基づいて、工場設備の二酸化炭素排出量を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品の製造に対応して算出した温室効果ガス排出量が目標値に到達していない場合がある。このような場合には、目標値に応じた温室効果ガス排出量が得られるような製造要件の把握が求められる。
【0005】
そこで、本発明は、製品の製造に関する温室効果ガス排出量が目標値に対応するための製造要件を提案できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、製品の製造に使用する材料ごとの単位数量あたりの温室効果ガス排出量を示す材料対応排出量情報を記憶する材料対応排出量情報記憶部と、製品の製造において使用される工程のうち、工程に係る材料の数量に応じて温室効果ガス排出量が異なる変動工程ごとに対応して、材料の単位数量ごとの温室効果ガス排出量を示す変動工程対応排出量情報を記憶する変動工程対応排出量情報記憶部と、製品の製造において行われる工程のうち、工程に係る材料の数量に係わらず温室効果ガス排出量が固定の固定工程ごとに対応して、固定工程対応排出量情報を記憶する固定工程対応排出量情報記憶部と、対象製品の製造に使用される材料と、前記対象製品の製造に採用される工程と、製造される前記対象製品の製造数量とを製造要件として含む製造要件情報を取得する製造要件情報取得部と、前記製造要件情報取得部により取得された製造要件情報に含まれる材料の材料対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる変動工程の変動工程対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる固定工程の固定工程対応排出量情報とに基づいて、前記対象製品の単位数量あたりの温室効果ガス排出量である製品対応排出量を算出する排出量算出部と、対象製品について目標とする単位数量あたりの温室効果ガス排出量である目標排出量を取得する目標排出量取得部と、前記排出量算出部により算出される製品対応排出量が前記目標排出量に応じた値となるように、前記製造要件情報における製造数量を変更対象として変更する変更部と、前記変更部による製造要件の変更結果を出力する出力部とを備える温室効果ガス削減支援システムである。
【0007】
本発明の一態様は、製品の製造に使用する材料ごとの単位数量あたりの温室効果ガス排出量を示す材料対応排出量情報を記憶する材料対応排出量情報記憶部と、製品の製造において使用される工程のうち、工程に係る材料の数量に応じて温室効果ガス排出量が異なる変動工程ごとに対応して、材料の単位数量ごとの温室効果ガス排出量を示す変動工程対応排出量情報を記憶する変動工程対応排出量情報記憶部と、製品の製造において行われる工程のうち、工程に係る材料の数量に係わらず温室効果ガス排出量が固定の固定工程ごとに対応して、固定工程対応排出量情報を記憶する固定工程対応排出量情報記憶部とを備える温室効果ガス削減支援システムにおける温室効果ガス削減支援方法であって、対象製品の製造に使用される材料と、前記対象製品の製造に採用される工程と、製造される前記対象製品の製造数量とを製造要件として含む製造要件情報を取得する製造要件情報取得ステップと、前記製造要件情報取得ステップにより取得された製造要件情報に含まれる材料の材料対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる変動工程の変動工程対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる固定工程の固定工程対応排出量情報とに基づいて、前記対象製品の単位数量あたりの温室効果ガス排出量である製品対応排出量を算出する排出量算出ステップと、対象製品について目標とする単位数量あたりの温室効果ガス排出量である目標排出量を取得する目標排出量取得ステップと、前記排出量算出ステップにより算出される製品対応排出量が前記目標排出量に応じた値となるように、前記製造要件情報における製造数量を変更対象として変更する変更ステップと、前記変更ステップによる製造要件の変更結果を出力する出力ステップとを備える温室効果ガス削減支援システム。
【0008】
本発明の一態様は、製品の製造に使用する材料ごとの単位数量あたりの温室効果ガス排出量を示す材料対応排出量情報を記憶する材料対応排出量情報記憶部と、製品の製造において使用される工程のうち、工程に係る材料の数量に応じて温室効果ガス排出量が異なる変動工程ごとに対応して、材料の単位数量ごとの温室効果ガス排出量を示す変動工程対応排出量情報を記憶する変動工程対応排出量情報記憶部と、製品の製造において行われる工程のうち、工程に係る材料の数量に係わらず温室効果ガス排出量が固定の固定工程ごとに対応して、固定工程対応排出量情報を記憶する固定工程対応排出量情報記憶部とを備える温室効果ガス削減支援システムにおけるコンピュータを、対象製品の製造に使用される材料と、前記対象製品の製造に採用される工程と、製造される前記対象製品の製造数量とを製造要件として含む製造要件情報を取得する製造要件情報取得部、前記製造要件情報取得部により取得された製造要件情報に含まれる材料の材料対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる変動工程の変動工程対応排出量情報と、前記取得された製造要件情報に含まれる固定工程の固定工程対応排出量情報とに基づいて、前記対象製品の単位数量あたりの温室効果ガス排出量である製品対応排出量を算出する排出量算出部、対象製品について目標とする単位数量あたりの温室効果ガス排出量である目標排出量を取得する目標排出量取得部、前記排出量算出部により算出される製品対応排出量が前記目標排出量に応じた値となるように、前記製造要件情報における製造数量を変更対象として変更する変更部、前記変更部による製造要件の変更結果を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製品の製造に関する温室効果ガス排出量が目標値に対応するための製造要件を提案できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るGHG削減支援装置の構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る材料対応排出量情報の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る変動工程対応排出量情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る固定工程対応排出量情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る変更範囲情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るGHG削減支援装置が実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る製造要件情報の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る優先順位情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、本実施形態のGHG(温室効果ガス:greenhouse gas)削減支援装置について図面を参照して説明する。本実施形態のGHG削減支援装置は、各種商材の製造により発生するGHG排出量の削減を支援する装置である。
【0012】
本実施形態における商材は、包装体(パウチ等の軟包材や紙箱等の紙器、容器等の射出成型品など)や包装体用材料(バリアフィルム等の積層フィルムなど)や建装材(床材、化粧紙、壁紙、インテリア用装飾材など)を含み、工場にて製造される製品である。
商材としての製品の製造にあたっては、材料、工程、製造数量等の要件(製造要件)が定められる。本実施形態のGHG削減支援装置は、商材の製造により発生するGHG排出量が目標値に応じて削減するための製造要件を提案することでGHG排出量の削減を支援するようにされる。
【0013】
GHGには、例えば二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)等のガスが含まれる。以降の説明において、本実施形態の温室効果ガス排出量算出装置は、GHG排出量として、地球温暖化係数を利用して換算した二酸化炭素相当量を算出するようにされた場合を例に挙げる。
【0014】
図1は、本実施形態のGHG削減支援装置100の構成例を示している。同図のGHG削減支援装置100は、入出力インターフェース(I/F)部101、制御部102、及び記憶部103を備える。
【0015】
入出力インターフェース部101は、外部との通信を行う通信部、データインターフェース、UIにおける入力デバイス、UIにおける出力デバイス等が対応する部位である。
入出力インターフェース部101は、UIに対応する入力デバイスとして、例えばマウス、キーボード等を含んでよい。また、入出力インターフェース部101は、UIに対応する出力デバイスとして、表示部、音声出力部、プリンタ等を含んでよい。また、入出力インターフェース部101は、UIに対応する入出力デバイスとして、接触式または非接触式のタッチパネルが備えられてよい。
【0016】
制御部102は、GHG削減支援装置100における各種制御を実行する。制御部102は、製造要件情報取得部121、排出量算出部122、目標排出量取得部123、変更部124、及び出力部125を備える。
製造要件情報取得部121は、ユーザの操作により入力される基準の製造要件を示す製造要件情報を取得する。製造要件は、対象の製品の製造に対応する要件である。具体的に、製造要件は、対象の製品の製造に用いられる材料、対象の製品の製造に使用される工程、対象の製品の製造数量を要件として含んでよい。
【0017】
排出量算出部122は、製造要件情報取得部121により取得された製造要件情報が示す製造要件により対象の製品を製造した場合のGHG排出量(基準排出量:製品対応排出量の一例)を算出する。排出量算出部122は、GHG排出量の算出にあたり、取得された製造要件情報に含まれる材料の材料対応排出量情報と、取得された製造要件情報に含まれる変動工程の変動工程対応排出量情報と、取得された製造要件情報に含まれる固定工程の固定工程対応排出量情報とを利用する。
また、排出量算出部122は、製造される製品の単位数量あたりのGHG排出量を算出してよい。
【0018】
目標排出量取得部123は、目標排出量を算出する。目標排出量は、対象製品について目標とする単位数量あたりのGHG排出量である。目標排出量は、例えば基準排出量に対して設定された削減率に応じた値とされてよい。
【0019】
変更部124は、対象の製品を製造する際の単位数量あたりのGHG排出量について、基準排出量から目標排出量に応じた値となるように、製造要件情報取得部121が取得した製造要件情報における製造要件の変更を行う。ここで、「目標排出量に応じた値」とは、目標排出量以下の値であってもよいし、目標排出量に可能な限り近づけた値であってもよい。
【0020】
出力部125は、排出量算出部122によるGHG排出量の算出結果に関する情報や、変更部124による製造要件の変更結果に関する情報を出力する。出力部125は、例えば入出力インターフェース部101における表示部にて製造要件の変更結果に関する情報を表示させるようにして出力を行ってよい。
【0021】
記憶部103は、GHG削減支援装置100に対応する各種の情報を記憶する。記憶部103は、材料対応排出量情報記憶部131、変動工程対応排出量情報記憶部132、固定工程対応排出量情報記憶部133、及び変更範囲情報記憶部134を備える。
なお、優先順位情報記憶部135は、変形例に対応することから、ここでの説明は省略する。
【0022】
材料対応排出量情報記憶部131は、材料対応排出量情報を記憶する。材料対応排出量情報は、製品の製造に用いられる各種の材料(材料種別)ごとに対応して発生するGHG排出量に関する情報である。
【0023】
変動工程対応排出量情報記憶部132は、変動工程対応排出量情報を記憶する。変動工程対応排出量情報は、製品の製造に用いられる工程のうちの変動工程ごとに対応して発生するGHG排出量に関する情報である。
製品を製造する工程は、発生するGHG排出量の側面から変動工程と固定工程とに分けることができる。変動工程は、発生するGHG排出量が製造数量に応じて増加するように変化する工程である。固定工程は、発生するGHG排出量が製造数量に係わらず固定となる工程である。
【0024】
固定工程対応排出量情報記憶部133は、固定工程対応排出量情報を記憶する。固定工程対応排出量情報は、製品の製造に用いられる工程のうちの固定工程ごとに対応して発生するGHG排出量に関する情報である。
【0025】
変更範囲情報記憶部134は、変更範囲情報を記憶する。変更範囲情報は、製品の製造要件に含められて変更部124が変更可能な項目のうちで、数値の変更が行われる項目ごとに、変更可能な数値範囲を示す情報である。
例えば、材料の厚さなどを削減すれば、製品の単位数量あたりに使用される材料の数量も削減されることから、製品の単位数量あたりのGHG排出量を削減できる。しかしながら製造される製品の品質について一定以上の水準を維持するには、上記の材料の厚さ等の削減には制限がある。また、ロット数等も無制限に増加させることは現実的ではなく、設定可能なロット数の増加率にも制限がある。そこで、本実施形態においては、このような制限を考慮して、製品の製造要件において変更可能な項目について変更範囲を設定するようにされる。変更範囲情報は、このような変更範囲の設定内容を示す。
【0026】
図2は、材料対応排出量情報記憶部131が記憶する材料対応排出量情報の一例を示している。同図における1レコード(1行)が1つの材料種別に対応する材料対応排出量情報となる。
同図においては、8つの材料種別ごとに対応する材料対応排出量情報が示されている。同図の例では、8つの材料種別は、大別して基材、シーラント、機能材(接着剤)を含むものとされている。基材は、基材1~4の4種類が示される。シーラントは、シーラント1、2の2種類が示される。機能材は、機能材1、2の2種類が示される。
1つの材料種別に対応する材料対応排出量情報は、材料ID、素材、標準単位数量、及び単位排出量の各領域を含む。
材料IDの領域は、対応の材料種別に付与された識別子である材料IDを格納する。
素材の領域は、対応の材料種別に用いられる素材を示す情報を格納する。
標準単位数量の領域は、標準単位数量を格納する。標準単位数量は、対応の単位排出量の領域に格納される単位排出量の算出に用いられる単位数量である。材料種別が基材である場合、標準単位数量は、対応の基材について標準として定められた幅、長さ、厚さにより表される。
単位排出量は、対応の材料種別による材料の単位量あたりに対応して発生するGHG排出量である。
【0027】
図3は、変動工程対応排出量情報記憶部132が記憶する変動工程対応排出量情報の一例を示している。
同図における1レコード(1行)が1つの変動工程に対応する変動工程対応排出量情報となる。1つの変動工程に対応する変動工程対応排出量情報は、工程ID、工程名、及び単位排出量の領域を含む。
工程IDの領域は、対応の変動工程に付与された識別子である工程IDを格納する。
工程名の領域は、対応の変動工程の名称(工程名)を格納する。
単位排出量の領域は、対応の変動工程についての単位排出量を格納する。単位排出量は、例えば工程において使用される材料の単位数量あたりの排出量である。例えばグラビア、フレキソ、ラミネート等の工程の単位排出量は、使用される材料の単位長あたりの排出量となる。また、例えば三方製袋、合掌製袋、梱包等の工程の単位排出量は、使用される材料の単位枚数あたりの排出量となる。
【0028】
図4は、固定工程対応排出量情報記憶部133が記憶する固定工程対応排出量情報の一例を示している。
同図における1レコード(1行)が1つの固定工程に対応する固定工程対応排出量情報となる。1つの固定工程に対応する固定工程対応排出量情報は、工程ID、工程名、及び排出量の領域を含む。
工程IDの領域は、対応の固定工程に付与された工程IDを格納する。
工程名の領域は、対応の固定工程の名称(工程名)を格納する。
排出量の領域は、対応の固定工程に対応する排出量を格納する。
【0029】
図5は、変更範囲情報記憶部134が記憶する変更範囲情報の一例を示している。変更範囲情報は、製造要件を構成する要素について変更可能な項目(変更対象項目)ごとに変更範囲を対応付けた構造である。同図における1レコード(1行)が1つの変更対象項目に対応する変更範囲情報である。
例えば同図の1行目の変更範囲情報は、基材1の厚さについて変更可能な数値範囲を示すものとなる。
【0030】
図6のフローチャートを参照して、GHG削減支援装置100が実行する処理手順例について説明する。
ステップS100:工場にて製造する製品の単位数量あたりのGHG排出量の削減を検討するにあたり、ユーザは、GHG削減支援装置100の入出力インターフェース部101における入力デバイスを用いて製造要件情報を入力する操作(製造要件入力操作)を行う。製造要件入力操作として、ユーザは、対象の製品を製造するのに使用する材料、対象の製品を製造するのに採用する工程、ロット数等を製造要件として入力(指定)する操作を行う。製造要件情報取得部121は、製造要件情報入力操作を受け付ける。
【0031】
ステップS102:製造要件情報取得部121は、ステップS100により受け付けた製造要件入力操作により入力された製造要件を示す製造要件情報を取得する。
図7は、ステップS102により製造要件情報取得部121が取得した製造要件情報の一例を示している。製造要件情報は、使用材料と採用工程とロット数の情報を含む。
使用材料の情報は、製造要件として入力された材料ごとの材料IDを格納する。
採用工程の情報は、製造要件として入力された工程ごとの工程IDを格納する。採用工程には変動工程と固定工程とが含まれる。
ロット数の情報は、製造要件として入力されたロット数を格納する。
【0032】
説明を
図6に戻す。
ステップS104:排出量算出部122は、基準排出量として、ステップS102により取得された製造要件情報が示す製造要件に対応する、製品の単位数量あたりのGHG排出量を算出する。
【0033】
排出量算出部122は、基準排出量の算出にあたり、ステップS102により取得した製造要件情報において示される使用材料ごとの製品の単位数量あたりの排出量を、対応の材料対応排出量情報の標準単位数量と単位排出量を利用して算出する。また、排出量算出部122は、ステップS102により取得した製造要件情報において示される変動工程ごとの製品の単位数量あたりの排出量を、対応の変動工程対応排出量情報における単位排出量を利用して算出する。また、排出量算出部122は、ステップS102により取得した製造要件情報において示される固定工程ごとの製品の単位数量あたりの排出量を、対応の固定工程対応排出量情報における単位排出量を利用して算出する。
【0034】
排出量算出部122は、上記のように算出した使用材料ごとの排出量と、変動工程ごとの排出量と、固定工程ごとの排出量とを用いて、ステップS102により取得した製造要件情報において示されるロット数に対応するGHG排出量の総量を算出する。排出量算出部122は、算出したGHG排出量の総量から、単位ロット数(例えば1ロット)あたりのGHG排出量を算出する。このように算出される単位ロット数あたりのGHG排出量が、製品の単位数量あたりのGHG排出量に相当するものであり、基準排出量となる。
【0035】
ステップS106:出力部125は、ステップS104により算出した基準排出量を、入出力インターフェース部101における表示部に表示させる。なお、出力部125は、例えば印刷やユーザが利用する他の端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等)への送信等により基準排出量を出力してもよい。
【0036】
ステップS108:ユーザは、ステップS106により出力された基準排出量を確認したうえで、入出力インターフェース部101における入力デバイスを操作して、目標排出量を入力する操作(目標排出量入力操作)を行う。目標排出量取得部123は、目標排出量入力操作を受け付ける。
目標排出量入力操作は、目標排出量としての数値を入力する操作であってもよいし、基準排出量に対する削減率であってもよい。
ユーザは、例えば目標排出量入力操作を行ったうえで、目標排出量に応じた製造要件パターンの提案を指示する操作(製造要件提案指示操作)を行ってよい。
【0037】
ステップS110:目標排出量取得部123は、ステップS108により受け付けた目標排出量入力操作により入力された目標排出量を取得する。目標排出量入力操作により削減率が入力された場合、目標排出量取得部123は、ステップS104により算出した基準排出量に対して入力された削減率を乗算することにより、目標排出量としての数値を取得してよい。
【0038】
ステップS112:変更部124は、ステップS110により取得された目標排出量となるように、ステップS102により取得した製造要件情報が示す製造要件を変更する。
具体的に、変更部124は、製造要件を構成する要素を異ならせた複数の製造要件パターンを生成する。
【0039】
生成される製造要件パターンにおける要素の変更のうちには、ロット数の変更が含まれてよい。対象の製品を製造する工程のうち、固定工程についてはロット数にかかわらず工程により発生するGHG排出量は変化することなく固定である。このため、ロット数と固定工程との関係においては、ロット数が増加することに応じて対象の製品の単位数量あたりのGHG排出量が減少する。
また、生成される製造要件パターンにおける要素の変更のうちには、製品の製造に使用する材料の種別の変更が含まれてよい。具体的に、取得した製造要件情報において基材として使用されていた基材1のPETフィルムを、基材4の紙に変更するといった事例が含まれる。
また、製造要件パターンにおける要素の変更のうちには、製品の製造に使用する材料の仕様における所定の寸法の変更が含まれてよい。具体的に、製造要件に含まれる基材やシーラント等については厚さの寸法を変更することができる。
また、生成される製造要件パターンにおける要素の変更のうちには、例えば機能材(接着剤)等についての単位工程回数あたりに用いる材料の使用量(単位使用量)の変更が含まれてよい。
変更部124は、上記のように変更した要素の組み合わせによる複数の製造要件パターンを生成する。
【0040】
変更部124は、上記のように製造要件パターンの生成のために要素の値を変更するにあたって、変更範囲情報記憶部134が記憶する変更範囲情報のうちから変更対象の要素に対応する変更対象項目の変更範囲情報を参照し、変更範囲情報が示す変更範囲内で変更するようされる。これにより、生成される製造要件パターンのいずれについても、製造される製品の品質の水準を一定以上に保つことができる。
【0041】
排出量算出部122(変更部124でもよい)は、上記のように生成した製造要件パターンごとに対応させて、製品の単位数量あたりのGHG排出量(変更排出量)を算出する。
排出量算出部122は、変更排出量の算出にあたり、算出対象の製造要件パターンに含まれる使用材料ごとの製品の単位数量あたりの排出量を、対応の材料対応排出量情報を利用して算出する。この際、排出量算出部122は、対応の材料対応排出量情報の標準単位数量からの寸法、数量等の変更率に応じた単位排出量を再計算し、再計算した単位排出量を用いるようにされる。
また、排出量算出部122は、算出対象の製造要件パターンに含まれる変動工程ごとの製品の単位数量あたりの排出量を、対応の変動工程対応排出量情報における単位排出量を利用して算出する。この際、排出量算出部122は、対応の変動工程対応排出量情報における単位排出量について、厚さ等の変更による材料の単位数量の変更に応じて再計算し、再計算した単位排出量を用いるようにされる。
また、排出量算出部122は、算出対象の製造要件パターンに含まれる固定工程ごとの製品の単位数量あたりの排出量を、対応の固定工程対応排出量情報における排出量を利用して算出する。固定工程の排出量は、製造要件パターンにおける他の要素の変更にかかわらず固定である。
排出量算出部122は、上記のように算出した使用材料ごとの排出量と、変動工程ごとの排出量と、固定工程ごとの排出量と、算出対象の製造要件パターンに要素として含まれるロット数とを用いて当該ロット数に対応するGHG排出量の総量を算出する。排出量算出部122は、算出したGHG排出量の総量から、単位ロット数(例えば1ロット)あたりのGHG排出量を算出する。このように算出される単位ロット数あたりのGHG排出量が、製品の単位数量あたりのGHG排出量に相当するものであり、変更排出量となる。
【0042】
変更部124は、算出した変更排出量のうちで、例えば目標排出量と同じであると見做される一定の数値範囲(目標範囲)に含まれるGHG排出量に対応する製造要件パターンを特定する。このように特定された製造要件パターンが、製造要件の変更結果となる。
なお、目標範囲に含まれるGHG排出量に対応する製造要件パターンが複数である場合、変更部124は、複数の製造要件パターンの全てを製造要件の変更結果として扱ってよい。あるいは、変更部124は、複数の製造要件パターンのうちから、目標排出量に近いものから所定数を選択し、選択した製造要件パターンを製造要件の変更結果として扱ってよい。
また、目標範囲に含まれる変更排出量に対応する製造要件パターンがなかった場合には、変更部124は、該当の製造要件パターンがなかったことを示すエラーを出力してよい。あるいは、この場合の変更部124は、目標排出量に最も近い製造要件パターンを製造要件の変更結果として扱ってよい。
【0043】
ステップS114:出力部125は、ステップS112により得られた製造要件の変更結果を表示部に表示する。
製造要件の変更結果の表示にあたっては、変更後の製造要件を構成する要素のそれぞれが示されてよい。具体的には、対象の製品の製造に使用する材料、材料ごとの単位数量(単位(寸法)、単位使用量)、ロット数等が示されてよい。また、製造要件の変更結果の表示にあたっては、変更前と変更後とでどのように変更されたのかの確認が可能なように、変更前の製造要件からの変更内容が示されてよい。
また、製造要件の変更結果の表示にあたっては、変更後の製造要件に応じて算出されるGHG排出量に関する情報が表示されてよい。
【0044】
<変形例>
本実施形態の変形例について説明する。本変形例のGHG削減支援装置100は、記憶部103において優先順位情報記憶部135を備える。
優先順位情報記憶部135は、優先順位情報を記憶する。
図7は、優先順位情報記憶部135が記憶する優先順位情報の一例を示している。同図に示されるように、優先順位情報は、製造要件を構成する要素について変更可能な項目(変更対象項目)ごとに、変更にあたっての優先順位を示す情報である。
優先順位は、例えば変更対象項目ごとの変更によるGHG排出量の削減度合いや、変更対象項目ごとについての変更による製品の品質への影響の度合い等を考慮して定められてよい。
【0045】
本変形例のGHG削減支援装置100の変更部124は、
図6のステップS112にて製造要件を変更するにあたり、ステップS102にて取得した製造要件を構成する要件(変更対象項目)のうちで、優先順位情報が示す優先順位に従って要件を変更した製造要件パターンを生成する。
具体例として、ステップS102にて取得した製造要件を構成する要件(変更対象項目)のうちで、優先順位情報においてロット数の優先順位が最も高かった。この場合、変更部124は、ステップS102にて取得した製造要件を構成する要件のうちのロット数を、変更範囲情報が示す変更範囲において段階的に変更した複数の製造要件パターンを生成する。変更部124は、このようにロット数の変更により生成した製造要件パターンごとの製品の単位数量あたりのGHG排出量を算出する。
変更部124は、生成した製造要件パターンごとに、算出したGHG排出量が目標排出量と同じと見做される一定範囲(目標範囲)に収まっているか否かを判定する。算出したGHG排出量が一定範囲に収まっている製造要件パターンがあった場合、出力部125は、ステップS114にて、算出したGHG排出量が一定範囲に収まっている製造要件パターンを、製造要件の変更結果として出力してよい。
これに対して、算出したGHG排出量が一定範囲に収まっている製造要件パターンがなかった場合、変更部124は、例えば算出されたGFG排出量が最も少なかった製造要件パターンを次の変更対象として選択する。変更部124は、選択した製造要件パターンを構成する要件のうちで、優先順位情報により示される優先順位が2番目となる要件(変更対象項目)を、対応の変更範囲情報が示す変更範囲で段階的に変更した複数の製造用意見パターンを生成する。変更部124は、生成した製造要件パターンごとの製品の単位数量あたりのGHG排出量を算出する。
変更部124は、生成した製造要件パターンごとに、算出したGHG排出量が目標範囲に収まっているか否かを判定する。変更部124は、一定範囲に収まっている製造要件パターンがあれば、当該製造要件パターンを製造要件の変更結果として出力する。一方、変更部124は、一定範囲に収まっている製造要件パターンがなければ、算出されたGFG排出量が最も少ない製造要件パターンを対象として、次に優先順位が高い要件(変更対象項目)を変更する。
このように変更部124は、優先順位情報が示す優先順位に従って、目標範囲に収まるまで、製造要件における要件について順に変更していくようにされる。
このように優先順位に従って製造要件における要素を変更していくことで、例えばできるだけ少ない変更対象とする要素数を少なくしたり、できるだけ製品の品質を維持したりするようにして、GHG排出量を目標排出量に応じた値にまで削減していくことが可能となる。
【0046】
なお、
図6の処理手順例では、GHG削減支援装置100は、まず製造要件情報入力操作に応じて取得した製造要件に基づいて基準排出量を算出、表示し、その後において目標排出量入力操作により目標排出量が入力されたことに応じて、製造要件を変更し、表示するようにされていた。
しかしながら、例えばGHG削減支援装置100は、はじめに製造要件情報入力操作と目標排出量入力操作とを受け付けて製造要件を目標排出量とを取得したうえで、基準排出量の算出、製造要件の変更、製造要件変更結果の表示を実行するようにされてよい。
【0047】
なお、GHG削減支援装置100における機能が複数の装置に分散されたうえで、各装置が通信経由で連携することにより、GHG削減支援装置100としての機能が実現されるようにしてよい。一例として、記憶部103としての機能を有するデータベースがクラウド上に設けられ、GHG削減支援装置100がネットワーク経由でデータベースから情報を取得可能なようにされてよい。
【0048】
なお、上述のGHG削減支援装置100としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のGHG削減支援装置100としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
100 GHG削減支援装置、101 入出力インターフェース部、102 制御部、103 記憶部、121 製造要件情報取得部、122 排出量算出部、123 目標排出量取得部、124 変更部、125 出力部、131 材料対応排出量情報記憶部、132 変動工程対応排出量情報記憶部、133 固定工程対応排出量情報記憶部、134 変更範囲情報記憶部、135 優先順位情報記憶部