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2023-154568データ伝送システム、送信装置、受信装置、それらの制御方法、及びプログラム
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  • -データ伝送システム、送信装置、受信装置、それらの制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154568
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】データ伝送システム、送信装置、受信装置、それらの制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20231013BHJP
   H04N 21/4788 20110101ALI20231013BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20231013BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G06K7/10 464
H04N21/4788
G06K19/06 037
G06K19/06 112
G06K7/14 017
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063976
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】500011528
【氏名又は名称】株式会社岩手銀行
(71)【出願人】
【識別番号】522141102
【氏名又は名称】株式会社Olivier
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恒輔
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】石渡 千枝子
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164TA07S
5C164UA04S
5C164UB10S
5C164UB71S
5C164UD63P
(57)【要約】
【課題】ネットワーク接続を介することなく、より高い伝送速度でデータを送信装置から受信装置へ伝送する技術を提供する。
【解決手段】送信端末100(送信装置)は、受信端末200(受信装置)への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換し、当該画像を、表示部における所定サイズの表示領域内において第1方向にスクロール表示する。受信端末200は、送信端末100の表示部の表示領域内に画像が第1方向にスクロール表示されている間に、カメラを用いて、当該表示領域を連続的に撮影する。受信端末200は更に、得られた撮影画像を解析することで、送信端末100において画像への変換前のデータを復元する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置と、前記送信装置とネットワーク接続されていない受信装置とを備えるデータ伝送システムであって、
前記送信装置は、
前記受信装置への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換手段と、
前記変換手段によって得られた前記画像を、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内において前記第1方向にスクロール表示する表示制御手段と、を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置の前記表示部の前記表示領域内に前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に、前記表示領域を連続的に撮影する撮影手段と、
前記撮影手段による撮影で得られた撮影画像を解析することで、前記画像への変換前のデータを復元する解析手段と、を備える
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示領域内に前記画像の全ての行が繰り返し表示されるように、前記第1方向における前記画像の最後の行の次に最初の行を表示して前記画像を周期的にスクロール表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送システム。
【請求項3】
前記変換手段は、前記複数の行のそれぞれが、送信対象のデータを示す第1部分と、前記第1部分が示すデータに対応するチェックデジットを示す第2部分と、前記第1方向における前記画像の最初の行を基準とした行番号を示す第3部分とで構成されるように、前記画像を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ伝送システム。
【請求項4】
前記送信対象のデータは、バイナリ形式のデータであり、
前記変換手段は、前記画像を構成する各画素に対して前記送信対象のデータからそれぞれ1ビット以上を割り当て、2色以上の色のうちで、割り当てられたビットに対応する色の画素として各画素を生成することで、前記送信対象のデータを前記画像に変換する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ伝送システム。
【請求項5】
前記撮影手段は、前記表示領域内に前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記表示領域を繰り返し撮影することで、複数の撮影画像を取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ伝送システム。
【請求項6】
前記画像に含まれる前記複数の行のそれぞれは、送信対象のデータを示す第1部分と、前記第1部分が示すデータに対応するチェックデジットを示す第2部分と、前記第1方向における前記画像の最初の行を基準とした行番号を示す第3部分とで構成されており、
前記解析手段は、前記複数の撮影画像のそれぞれについて行単位で解析処理を行い、
前記解析処理は、処理対象の撮影画像における各行について、前記第3部分の画素から行番号を特定し、前記第1部分の画素から得られたデータ系列における誤りの有無を、前記第2部分の画素から得られたチェックデジットを用いて検査し、当該検査で誤りが検出されなかったデータ系列を、前記特定された行番号と対応付けて保存することを含む
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ伝送システム。
【請求項7】
前記解析処理は、前記複数の撮影画像に基づいて、1つの行番号と対応付けて複数のデータ系列が保存された場合に、当該複数のデータ系列において出現頻度が最大のデータ系列を、当該1つの行番号に対応する正当なデータ系列として保存することを更に含む
ことを特徴とする請求項6に記載のデータ伝送システム。
【請求項8】
前記解析処理は、複数の行番号にそれぞれ対応付けて保存された複数のデータ系列を、行番号に従って連結することで、前記変換前のデータを復元することを更に含む
ことを特徴とする請求項6に記載のデータ伝送システム。
【請求項9】
前記解析手段は、前記撮影手段による撮影で得られた前記撮影画像に対して歪み補正処理を行い、歪みが補正された撮影画像を解析することで、前記変換前のデータを復元する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ伝送システム。
【請求項10】
前記送信装置は、暗号化されたデータを前記送信対象のデータとして取得し、
前記受信装置は、前記解析手段によって復元されたデータを復号せずにネットワークを介して外部装置へ送信し、前記外部装置において前記データが復号される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ伝送システム。
【請求項11】
送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための送信装置であって、
前記受信装置への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換手段と、
前記変換手段によって得られた前記画像を、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内において前記第1方向にスクロール表示する表示制御手段と、を備え、前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記受信装置によって前記表示領域内が連続的に撮影され、得られた撮影画像が解析されることで前記画像への変換前のデータが前記受信装置において復元される
ことを特徴とする送信装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記表示領域内に前記画像の全ての行が繰り返し表示されるように、前記第1方向における前記画像の最後の行の次に最初の行を表示して前記画像を周期的にスクロール表示する
ことを特徴とする請求項11に記載の送信装置。
【請求項13】
前記変換手段は、前記複数の行のそれぞれが、送信対象のデータを示す第1部分と、前記第1部分が示すデータに対応するチェックデジットを示す第2部分と、前記第1方向における前記画像の最初の行を基準とした行番号を示す第3部分とで構成されるように、前記画像を生成する
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の送信装置。
【請求項14】
前記送信対象のデータは、バイナリ形式のデータであり、
前記変換手段は、前記画像を構成する各画素に対して前記送信対象のデータからそれぞれ1ビット以上を割り当て、2色以上の色のうちで、割り当てられたビットに対応する色の画素として各画素を生成することで、前記送信対象のデータを前記画像に変換する
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の送信装置。
【請求項15】
送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための受信装置であって、
前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内に、送信対象のデータから変換された画像であって、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記画像が、前記第1方向にスクロール表示されている間に、前記表示領域を連続的に撮影する撮影手段と、
前記撮影手段による撮影で得られた撮影画像を解析することで、前記画像への変換前のデータを復元する解析手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項16】
前記撮影手段は、前記表示領域内に前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記表示領域を繰り返し撮影することで、複数の撮影画像を取得する
ことを特徴とする請求項15に記載の受信装置。
【請求項17】
前記画像に含まれる前記複数の行のそれぞれは、送信対象のデータを示す第1部分と、前記第1部分が示すデータに対応するチェックデジットを示す第2部分と、前記第1方向における前記画像の最初の行を基準とした行番号を示す第3部分とで構成されており、
前記解析手段は、前記複数の撮影画像のそれぞれについて行単位で解析処理を行い、
前記解析処理は、処理対象の撮影画像における各行について、前記第3部分の画素から行番号を特定し、前記第1部分の画素から得られたデータ系列における誤りの有無を、前記第2部分の画素から得られたチェックデジットを用いて検査し、当該検査で誤りが検出されなかったデータ系列を、前記特定された行番号と対応付けて保存することを含む
ことを特徴とする請求項16に記載の受信装置。
【請求項18】
前記解析処理は、前記複数の撮影画像に基づいて、1つの行番号と対応付けて複数のデータ系列が保存された場合に、当該複数のデータ系列において出現頻度が最大のデータ系列を、当該1つの行番号に対応する正当なデータ系列として保存することを更に含む
ことを特徴とする請求項17に記載の受信装置。
【請求項19】
前記解析処理は、複数の行番号にそれぞれ対応付けて保存された複数のデータ系列を、行番号に従って連結することで、前記変換前のデータを復元することを更に含む
ことを特徴とする請求項17又は18に記載の受信装置。
【請求項20】
前記解析手段は、前記撮影手段による撮影で得られた前記撮影画像に対して歪み補正処理を行い、歪みが補正された撮影画像を解析することで、前記変換前のデータを復元する
ことを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項21】
送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための送信装置の制御方法であって、
前記受信装置への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換工程と、
前記変換工程で得られた前記画像を、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内において前記第1方向にスクロール表示する表示制御工程と、を含み、前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記受信装置によって前記表示領域内が連続的に撮影され、得られた撮影画像が解析されることで前記画像への変換前のデータが前記受信装置において復元される
ことを特徴とする送信装置の制御方法。
【請求項22】
送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための受信装置の制御方法であって、
前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内に、送信対象のデータから変換された画像であって、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記画像が、前記第1方向にスクロール表示されている間に、前記表示領域を連続的に撮影する撮影工程と、
前記撮影工程における撮影で得られた撮影画像を解析することで、前記画像への変換前のデータを復元する解析工程と、
を備えることを特徴とする受信装置の制御方法。
【請求項23】
請求項21又は22に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク接続されていない装置間でデータを伝送するためのデータ伝送技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1つの装置(送信装置)から別の装置(受信装置)へデータの伝送を行う場合に、ネットワークを介さずにデータ伝送を行うことを求められることがある。例えば、自治体又は学校と銀行との間でのデータの伝送では、セキュリティの問題から、データの送信側の装置をインターネットに接続できず、ネットワークを介したデータ伝送を行えないことがある。
【0003】
送信装置と受信装置との間をネットワークを介して接続せずに、装置間でデータ伝送を行う方法として、QRコード(登録商標)等の二次元コードを利用した方法がある。この方法では、例えば、受信装置は、送信装置が表示した二次元コードをカメラを用いて読み取ってWebサーバへのリンクを取得し、当該Webサーバから送信対象のデータを取得する。また、特許文献1では、送信側の表示装置が、転送対象のデータを符号化した複数の二次元コードを所定の間隔で連続表示し、受信側の携帯電話が、順に表示される複数の二次元コードをカメラで撮影して解析することで元の情報を取得することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-156969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のようにWebサーバを用いる方法では、送信装置からWebサーバへデータを伝送することが必要になるとともに、送信装置をネットワークに接続せずに受信装置へデータ伝送を行うことはできない。また、Webサーバの構築及びセキュリティ対策にコストがかかる。更に、静止画像として順に表示される複数の二次元コードを受信装置が連続して撮影する方法では、受信装置が、静止画像単位で撮影画像の解析処理を行う必要があり、データの伝送速度の高速化には限りがありうる。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、ネットワーク接続を介することなく、より高い伝送速度でデータを送信装置から受信装置へ伝送する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るデータ伝送システムは、送信装置と、前記送信装置とネットワーク接続されていない受信装置とを備えるデータ伝送システムであって、前記送信装置は、前記受信装置への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換手段と、前記変換手段によって得られた前記画像を、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内において前記第1方向にスクロール表示する表示制御手段と、を備え、前記受信装置は、前記送信装置の前記表示部の前記表示領域内に前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に、前記表示領域を連続的に撮影する撮影手段と、前記撮影手段による撮影で得られた撮影画像を解析することで、前記画像への変換前のデータを復元する解析手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る送信装置は、送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための送信装置であって、前記受信装置への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換手段と、前記変換手段によって得られた前記画像を、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内において前記第1方向にスクロール表示する表示制御手段と、を備え、前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記受信装置によって前記表示領域内が連続的に撮影され、得られた撮影画像が解析されることで前記画像への変換前のデータが前記受信装置において復元されることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る受信装置は、送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための受信装置であって、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内に、送信対象のデータから変換された画像であって、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記画像が、前記第1方向にスクロール表示されている間に、前記表示領域を連続的に撮影する撮影手段と、前記撮影手段による撮影で得られた撮影画像を解析することで、前記画像への変換前のデータを復元する解析手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ネットワーク接続を介することなく、より高い伝送速度でデータを送信装置から受信装置へ伝送することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】データ伝送システムの概要を説明するための概略図
図2】送信装置のハードウェア構成例を示すブロック図
図3】受信装置のハードウェア構成例を示すブロック図
図4】送信装置によって実行される処理の手順を示すフローチャート
図5】受信装置によって実行される処理の手順を示すフローチャート
図6】送信データの変換処理で生成される画像の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
<データ伝送システムの概要>
図1は、一実施形態に係るデータ伝送システムの概要を説明するための概略図である。図1に示すように、本実施形態に係るデータ伝送システムは、送信端末100(送信装置)と受信端末200(受信装置)とを備え、送信端末100から当該送信端末とネットワーク接続されていない受信端末200へデータの伝送を行う。データの伝送は、ネットワーク接続(有線接続又は無線接続)を介することなく、画像認識を利用して非同期に行われる。なお、本実施形態では、送信端末100がパーソナルコンピュータ(PC)で構成され、受信端末200は撮影機能(カメラ機能)を有するスマートフォンで構成される例について説明する。
【0014】
送信端末100は、受信端末200への送信対象のデータ(送信データ)を取得し、取得した送信データを画像に変換する変換処理を行う。この変換処理では、図1に示すように、送信データを、第1方向(縦方向)に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が、第1方向と直交する第2方向(横方向)に沿って配置された画像に変換することで、表示用画像を生成する。本例では、第1方向(縦方向)は、画像をスクロール表示する際のスクロール方向に相当する。表示用画像の横方向のサイズ(画素数)は、所定のサイズ(例えば、200ピクセル)でありうる。また、表示用画像の縦方向のサイズ(行数)は、送信データのデータ量に応じて変化しうる。
【0015】
送信対象のデータがバイナリ形式のデータである場合、上述の変換処理は以下のように行われうる。例えば、送信端末100は、表示用画像を構成する各画素に対して送信データから1ビットずつ割り当て、各画素を、割り当てられたビットに対応して第1色(例えば、黒色)又は第2色(例えば、青色)の画素として生成することで、送信データを表示用画像に変換する。また、送信端末100は、表示用画像を構成する行単位で、送信データに基づいて各行の画像(複数の画素)を生成する。
【0016】
送信端末100は、変換処理によって得られた表示用画像を、送信端末100の表示部(図2の表示部106)の表示領域内において縦方向にスクロール表示する。具体的には、図1に示すように、送信端末100は、表示用画像上で、表示領域に表示する表示範囲を縦方向に1行(1ピクセル)ずつ移動させることで、表示領域内において表示用画像を縦方向にスクロール表示する。このようにして、送信データに対応する表示用画像の全体(最初の行(第1行目)から最後の行までの画像)が表示領域内で動画として表示されることになる。
【0017】
受信端末200は、図1に示すように、送信端末100の表示部106の表示領域内に表示用画像が縦方向にスクロール表示されている間に、撮影部(図3のカメラ207)を用いて、当該表示領域を連続的に撮影する。受信端末200は、例えば撮影機能として備えられている連写機能を用いて、所定の時間間隔で表示領域を繰り返し撮影することで、複数の撮影画像を取得する。あるいは、受信端末200は、動画撮影機能により表示領域を撮影し、得られた動画像から所定の時間間隔で静止画像を抽出することで、複数の撮影画像を取得してもよい。
【0018】
表示用画像の撮影が完了すると、受信端末200は、撮影で得られた撮影画像を解析することで、表示用画像への変換前のデータを復元する。本実施形態では、受信端末200は、複数の撮影画像のそれぞれについて行単位で解析処理を行うことで、表示用画像おける複数の行にそれぞれ対応する複数のデータ系列を復元する。更に、受信端末200は、復元したこれらのデータ系列を連結することで、表示用画像への変換前のデータを復元する。
【0019】
このように、本実施形態のデータ伝送システムでは、ネットワーク接続を介することなく、画像認識を利用して送信端末100から受信端末200への非同期のデータ伝送を実現する。また、送信端末100が、変換処理によって得られた画像をスクロール表示し、受信端末200が、その画像を撮影して行単位で解析処理を行うことで、送信端末100から受信端末200へのデータ伝送の高速化を実現する。なお、送信端末100の表示部106に表示される画像の認識率を向上させるために、固定器具(スタンド)を使用して、表示部106に対向する位置に受信端末200を固定した状態で、カメラ207による撮影が行われるのが望ましい。
【0020】
<送信端末の構成>
送信端末100は、一例として、図2に示されるようなハードウェア構成を有する。具体的には、送信端末100は、CPU101、RAM102、操作部103、通信I/F(インタフェース)104、HDD(ハードディスクドライブ)等のストレージ(記憶装置)105、及び表示部106を備える。
【0021】
CPU101は、ストレージ105に格納されているプログラムをRAM102に読み出して実行することで、送信端末100内の各デバイスの動作を制御し、送信端末100の各機能を実現する。ストレージ105には、送信端末100の制御プログラム、OS(オペレーティングシステム)、アプリケーションプログラム等の各種プログラムが格納される。
【0022】
操作部103は、マウス、キーボード、及びタッチパネル等の、ユーザが情報を入力するための入力デバイスで構成される。表示部106は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスで構成される。通信I/F104は、ネットワークを介して外部装置との通信を行うネットワークI/Fで構成される。ただし、本実施形態では、送信端末100は受信端末200とはネットワーク接続されず、通信I/F104は、例えば自治体又は学校内の専用ネットワークにのみ接続される。
【0023】
<受信端末の構成>
受信端末200は、一例として、図3に示されるようなハードウェア構成を有する。上述のように、受信端末200はスマートフォンで構成されるが、タブレット端末等の、他のタイプの端末装置で構成されてもよい。受信端末200は、CPU201、RAM202、操作部203、通信I/F204、ストレージ205、表示部206、及びカメラ207を備える。
【0024】
CPU201は、ストレージ205に格納されているプログラムをRAM202に読み出して実行することで、受信端末200内の各デバイスの動作を制御し、受信端末200の各機能を実現する。ストレージ205には、受信端末200の制御プログラム、OS、アプリケーションプログラム等の各種プログラムが格納される。
【0025】
操作部203及び表示部206は、例えば、タッチパネル機能を有する液晶ディスプレイで構成される。通信I/F204は、LTE又は5G等のモバイル通信用のネットワークI/F、及び無線LAN通信用のネットワークI/F等で構成される。カメラ207は、被写体を撮影して得られた撮影画像を出力する撮影デバイスである。
【0026】
<送信端末における処理>
図4は、送信端末100によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図4の各ステップの処理は、例えば、送信端末100にインストールされたアプリケーションプログラムを、CPU101がストレージ105からRAM102に読み出して実行することによって実現される。
【0027】
S401で、CPU101は、受信端末200への送信対象のデータを取得する。例えば、ストレージ105に格納されているデータのうち、表示部106に表示されたアプリケーションプログラムの操作画面を介してユーザによって指定されたデータが、送信対象のデータとして取得される。
【0028】
次にS402で、CPU101は、送信対象のデータを画像に変換する変換処理を行う。上述のように、送信対象のデータは、画像をスクロール表示する際のスクロール方向に相当する第1方向(縦方向)に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が、第1方向と直交する第2方向(横方向)に沿って配置された画像に変換される。
【0029】
図6は、送信対象のデータの変換処理で生成される画像(表示用画像)の構成例を示す。図6に示すように、表示用画像は、複数の行のそれぞれが以下の3つの部分で構成されるように生成される。
●送信対象のデータを示すデータ部(第1部分)。
●データ部が示すデータに対応するチェックデジット(CD)を示すCD部(第2部分)。
●縦方向(スクロール方向)における表示用画像の最初の行を基準とした行番号を示す行番号部(第3部分)。
【0030】
CD部から得られるチェックデジットは、同じ行のデータ部から得られるデータ系列における誤りの有無を検査するために用いられる。行番号部から得られる行番号は、受信端末200において、撮影画像から復元された行単位のデータ系列を連結して、変換処理による変換前のデータを復元するために用いられる。なお、データ部、CD部及び行番号部の位置は、図6に示す位置に限定されない。例えば、行番号部が、横方向においてCD部の後ろではなく、データ部よりも前に配置されてもよい。
【0031】
本実施形態で、CPU101は、変換処理において、表示用画像を構成する各画素に対して送信データから1ビットずつ割り当て、各画素を、割り当てられたビットに対応して第1色(例えば、黒色)又は第2色(例えば、青色)の画素として生成する。この場合、表示用画素の1つの画素は1ビットを表現する。なお、例えば、1つの画素に用いる色の数をより多くすることで、1つの画素でより多くのビットを表現してもよい。例えば、4色(例えば、黒色、赤色、緑色、及び青色)を使用可能な場合、1つの画素で2ビットを表現することが可能である。このように、CPU101は、表示用画像を構成する各画素に対して送信データからそれぞれ1ビット以上を割り当て、2色以上の色のうちで、割り当てられたビットに対応する色の画素として各画素を生成すればよい。
【0032】
変換処理が完了すると、次にS403で、CPU101は、表示用画像を、表示部106の所定サイズの表示領域内において、縦方向(表示用画像の複数の行が配置された方向)にスクロール表示する。表示領域は、表示部106の画面領域全体のうちの、所定サイズ(例えば、横100ピクセル、縦200ピクセルのサイズ)の一部の領域であり、表示用画像の各行の全体が当該表示領域内に表示されるように構成される。このスクロール表示により、送信対象のデータに対応する表示用画像の全体(最初の行(第1行目)から最後の行までの画像)が、表示領域内で動画として表示されることになる。
【0033】
S403において、CPU101は、表示領域内に表示用画像の全ての行が繰り返し表示されるように、縦方向における表示用画像の最後の行の次に行を表示して当該画像を周期的にスクロール表示(即ち、ループ表示)してもよい。これにより、受信端末200側で、表示用画像の全ての行について複数回にわたって撮影することが可能になる。
【0034】
その後、S404で、CPU101は、表示用画像のスクロール表示を終了するか否かを判定する。CPU101は、例えば、所定のスクロール速度で所定の時間にわたってスクロール表示を継続したタイミングに、スクロール表示を終了してもよいし、表示用画像の全体について所定回数のループ表示が完了したことに応じて、スクロール表示を終了してもよい。CPU101は、スクロール表示を終了した場合、図4の手順による処理を終了し、スクロール表示を終了しない場合、S403に処理を戻し、スクロール表示を継続する。
【0035】
<受信端末における処理>
図5は、受信端末200によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図5の各ステップの処理は、例えば、受信端末200にインストールされたアプリケーションプログラムを、CPU201がストレージ205からRAM202に読み出して実行することによって実現される。
【0036】
S501で、CPU201は、送信端末100の表示部106の表示領域内に表示用画像が縦方向にスクロール表示されている間に、カメラ207を用いて、当該表示領域を連続的に撮影する。一例として、CPU101は、表示領域内に表示用画像が縦方向にスクロール表示されている間に当該表示領域を繰り返し(例えば所定の時間間隔で)撮影することで、複数の撮影画像を取得する。
【0037】
その後、S502で、CPU201は、カメラ207による撮影を終了するか否かを判定する。CPU201は、例えば、撮影を開始して所定の時間が経過したことに応じて、撮影を終了してもよい。CPU201は、撮影を終了した場合、S503へ処理を進め、撮影を終了しない場合、S501に処理を戻し、カメラ207による撮影を継続する。
【0038】
S503で、CPU201は、撮影で得られた撮影画像を解析することで、表示用画像への変換前のデータを復元する。一例として、図6に示す構成を有する表示用画像を撮影して得られた複数の表示画像のそれぞれについて、行単位で解析処理が行われる。具体的には、この解析処理において、CPU201は、処理対象の撮影画像における各行について、行番号部(第3部分)の画素から行番号を特定し、データ部(第1部分)の画素から得られたデータ系列における誤りの有無を、CD部(第2部分)の画素から得られたチェックデジットを用いて検査する。CPU201は更に、当該検査で誤りが検出されなかったデータ系列を、特定された行番号と対応付けて、RAM202又はストレージ205に保存する。CPU201は、このように保存した、表示用画像の各行に対応する1つ以上のデータ系列を用いて、表示用画像への変換前のデータを復元する。
【0039】
ここで、例えば、表示用画像が横100ピクセル、縦6000ピクセルのサイズを有し、送信端末100の表示領域が横100ピクセル、縦200ピクセルのサイズを有する場合を想定する。この場合に、送信端末100が、表示領域内で表示用画像を12秒の周期で周期的にスクロール表示(ループ表示)し、受信端末200が、カメラ207を用いて毎秒25枚の撮影を行うと、スクロール表示の1周期において表示用画像の第1行目が含まれる撮影画像の枚数は、10枚(=200[ピクセル]/(6000[ピクセル]/12[秒])×25[枚/秒])となる。
【0040】
上記の例では、表示用画像の第1行目が10枚の撮影画像に含まれることから、上述の処理により、10枚の撮影画像における、表示用画像の第1行目に対応する行のデータ部の画素から、10個のデータ系列が得られる。これら10個のデータ系列についてのチェックデジットを用いた検査の結果、7個のデータ系列で誤りが検出されなかった場合、当該7個のデータ系列が保存される。
【0041】
S503の解析処理では、CPU201は、複数の撮影画像に基づいて、1つの行番号と対応付けて複数のデータ系列が保存された場合、当該複数のデータ系列において出現頻度が最大のデータ系列を、当該1つの行番号に対応する正当なデータ系列として保存する。上述の例では、7個のデータ系列を相互に比較し、出現頻度が最大のデータ系列を、第1行目に対応する正当なデータ系列として保存する。例えば、7個のデータ系列のうち、4つのデータ系列が「172」(16進数)であり、3つのデータ系列が「18B」(16進数)であった場合、「172」が、行番号1に対応する正当なデータ系列として保存される。
【0042】
CPU201は、このような処理を、表示用画像を構成する複数の行の行番号に対応付けて保存された複数のデータ系列を、行番号に従って連結することで、表示用画像への変換前のデータを復元する。S503における解析処理が完了すると、CPU201は図5の手順による処理を終了する。
【0043】
なお、CPU201は、カメラ207による撮影で得られた撮影画像に歪みが生じている場合、撮影画像に対して歪み補正処理を行い、歪みが補正された撮影画像を解析してもよい。これにより、解析処理による画像の認識率を向上させることが可能になる。また、受信端末200が、解析処理により復元したデータを、ネットワークを介して外部装置へ送信する場合には、送信端末100が、暗号化されたデータを送信対象のデータとして取得して、画像への変換及び画像のスクロール表示を行ってもよい。この場合に、受信端末200は、解析処理(S503)によって復元されたデータを復号せずに外部装置へ送信し、外部装置が、受信したデータの復号を行う。これにより、受信端末200から外部装置へデータを転送する際のセキュリティを維持することが可能になる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態のデータ伝送システムは、送信端末100と、当該送信端末とネットワーク接続されていない受信端末200との間でデータ伝送を行う。送信端末100は、受信端末200への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換処理を行う。送信端末100は更に、変換処理によって得られた画像(表示用画像)を、表示部106における所定サイズの表示領域内において第1方向にスクロール表示する。受信端末200は、送信端末100の表示部106の表示領域内に画像が第1方向にスクロール表示されている間に、カメラ207を用いて、当該表示領域を連続的に撮影する。受信端末200は更に、得られた撮影画像を解析することで、表示用画像への変換前のデータを復元する。
【0045】
このように、本実施形態によれば、ネットワーク接続を介することなく、画像認識を利用して、送信端末100から受信端末200へ非同期にデータ伝送を行うことが可能になる。また、送信端末100が、送信対象のデータから変換した画像をスクロール表示し、受信端末200が、その画像を繰り返し撮影して撮影画像を解析することで、大量のデータを一度に伝送することが可能になる。
【0046】
また本実施形態では、送信端末100が、変換処理により得られた画像をスクロール表示し、受信端末200が、スクロール表示される画像を撮影して、当該画像を構成する行単位で解析処理を行うことが可能である。これにより、例えば、送信端末100が複数の二次元コードを静止画像として順に表示し、受信端末200が、複数の二次元コードを連続して撮影し、静止画像(二次元コード)単位で撮影画像の解析処理を行うような場合、そもそも、どれとどれが同一画像かを認識すること自体が困難となる可能性が高いが、本実施形態によれば、一部の行において行番号部分を正確に認識できなかったとしても、行番号の前後関係からかなりの確率で正確に行番号を特定できるため、同一行の比較、分析が極めて容易となる。したがって、本実施形態によれば、ネットワーク接続を介することなく、より高い伝送速度でデータを送信装置(送信端末100)から受信装置(受信端末200)へ伝送することが可能になる。
【0047】
また本実施形態では、変換処理により得られた画像の同じ行が、当該画像のスクロール表示により、送信端末100の表示領域内の異なる複数の場所で表示及び認識される。これにより、変換処理により得られた画像を静止画像として表示する場合と比較して、送信端末100の表示部106の画面への映り込みに起因した、受信端末200による認識不良を回避できる可能性を高めることが可能になる。したがって、本実施形態によれば、送信端末100から受信端末200へのデータの伝送速度と、受信端末200における解析処理による画像の認識率とを大幅に向上させることが可能になる。
【0048】
なお、上述の実施形態は、例えば、コンテンツの配信に適用することも可能である。例えば、テレビ画像又は動画像の一部の領域において、コンテンツデータを変換して得られた画像をスクロール表示し、それを受信側でカメラを用いて撮影してもよい。これにより、Webサーバを用意することなく、安価にすばやくコンテンツを配信することが可能となる。また、このようなコンテンツ配信を行う場合、データ伝送を非同期とすることができるため、不特定の端末と不用意にネットワーク接続を行うリスクを避け、安全にコンテンツを配信することが可能となる。
【0049】
本明細書の開示は、以下のデータ伝送システム、送信装置、受信装置、それらの制御方法、及びプログラムを含む。
(項目1)
送信装置と、前記送信装置とネットワーク接続されていない受信装置とを備えるデータ伝送システムであって、
前記送信装置は、
前記受信装置への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換手段と、
前記変換手段によって得られた前記画像を、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内において前記第1方向にスクロール表示する表示制御手段と、を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置の前記表示部の前記表示領域内に前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に、前記表示領域を連続的に撮影する撮影手段と、
前記撮影手段による撮影で得られた撮影画像を解析することで、前記画像への変換前のデータを復元する解析手段と、を備える
ことを特徴とするデータ伝送システム。
(項目2)
前記表示制御手段は、前記表示領域内に前記画像の全ての行が繰り返し表示されるように、前記第1方向における前記画像の最後の行の次に最初の行を表示して前記画像を周期的にスクロール表示する
ことを特徴とする項目1に記載のデータ伝送システム。
(項目3)
前記変換手段は、前記複数の行のそれぞれが、送信対象のデータを示す第1部分と、前記第1部分が示すデータに対応するチェックデジットを示す第2部分と、前記第1方向における前記画像の最初の行を基準とした行番号を示す第3部分とで構成されるように、前記画像を生成する
ことを特徴とする項目1又は2に記載のデータ伝送システム。
(項目4)
前記送信対象のデータは、バイナリ形式のデータであり、
前記変換手段は、前記画像を構成する各画素に対して前記送信対象のデータからそれぞれ1ビット以上を割り当て、2色以上の色のうちで、割り当てられたビットに対応する色の画素として各画素を生成することで、前記送信対象のデータを前記画像に変換する
ことを特徴とする項目1乃至3のいずれか1項に記載のデータ伝送システム。
(項目5)
前記撮影手段は、前記表示領域内に前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記表示領域を繰り返し撮影することで、複数の撮影画像を取得する
ことを特徴とする項目1乃至4のいずれか1項に記載のデータ伝送システム。
(項目6)
前記画像に含まれる前記複数の行のそれぞれは、送信対象のデータを示す第1部分と、前記第1部分が示すデータに対応するチェックデジットを示す第2部分と、前記第1方向における前記画像の最初の行を基準とした行番号を示す第3部分とで構成されており、
前記解析手段は、前記複数の撮影画像のそれぞれについて行単位で解析処理を行い、
前記解析処理は、処理対象の撮影画像における各行について、前記第3部分の画素から行番号を特定し、前記第1部分の画素から得られたデータ系列における誤りの有無を、前記第2部分の画素から得られたチェックデジットを用いて検査し、当該検査で誤りが検出されなかったデータ系列を、前記特定された行番号と対応付けて保存することを含む
ことを特徴とする項目5に記載のデータ伝送システム。
(項目7)
前記解析処理は、前記複数の撮影画像に基づいて、1つの行番号と対応付けて複数のデータ系列が保存された場合に、当該複数のデータ系列において出現頻度が最大のデータ系列を、当該1つの行番号に対応する正当なデータ系列として保存することを更に含む
ことを特徴とする項目6に記載のデータ伝送システム。
(項目8)
前記解析処理は、複数の行番号にそれぞれ対応付けて保存された複数のデータ系列を、行番号に従って連結することで、前記変換前のデータを復元することを更に含む
ことを特徴とする項目6又は7に記載のデータ伝送システム。
(項目9)
前記解析手段は、前記撮影手段による撮影で得られた前記撮影画像に対して歪み補正処理を行い、歪みが補正された撮影画像を解析することで、前記変換前のデータを復元する
ことを特徴とする項目1乃至8のいずれか1項に記載のデータ伝送システム。
(項目10)
前記送信装置は、暗号化されたデータを前記送信対象のデータとして取得し、
前記受信装置は、前記解析手段によって復元されたデータを復号せずにネットワークを介して外部装置へ送信し、前記外部装置において前記データが復号される
ことを特徴とする項目1乃至9のいずれか1項に記載のデータ伝送システム。
(項目11)
送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための送信装置であって、
前記受信装置への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換手段と、
前記変換手段によって得られた前記画像を、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内において前記第1方向にスクロール表示する表示制御手段と、を備え、前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記受信装置によって前記表示領域内が連続的に撮影され、得られた撮影画像が解析されることで前記画像への変換前のデータが前記受信装置において復元される
ことを特徴とする送信装置。
(項目12)
前記表示制御手段は、前記表示領域内に前記画像の全ての行が繰り返し表示されるように、前記第1方向における前記画像の最後の行の次に最初の行を表示して前記画像を周期的にスクロール表示する
ことを特徴とする項目11に記載の送信装置。
(項目13)
前記変換手段は、前記複数の行のそれぞれが、送信対象のデータを示す第1部分と、前記第1部分が示すデータに対応するチェックデジットを示す第2部分と、前記第1方向における前記画像の最初の行を基準とした行番号を示す第3部分とで構成されるように、前記画像を生成する
ことを特徴とする項目11又は12に記載の送信装置。
(項目14)
前記送信対象のデータは、バイナリ形式のデータであり、
前記変換手段は、前記画像を構成する各画素に対して前記送信対象のデータからそれぞれ1ビット以上を割り当て、2色以上の色のうちで、割り当てられたビットに対応する色の画素として各画素を生成することで、前記送信対象のデータを前記画像に変換する
ことを特徴とする項目11乃至13のいずれか1項に記載の送信装置。
(項目15)
送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための受信装置であって、
前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内に、送信対象のデータから変換された画像であって、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記画像が、前記第1方向にスクロール表示されている間に、前記表示領域を連続的に撮影する撮影手段と、
前記撮影手段による撮影で得られた撮影画像を解析することで、前記画像への変換前のデータを復元する解析手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
(項目16)
前記撮影手段は、前記表示領域内に前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記表示領域を繰り返し撮影することで、複数の撮影画像を取得する
ことを特徴とする項目15に記載の受信装置。
(項目17)
前記画像に含まれる前記複数の行のそれぞれは、送信対象のデータを示す第1部分と、前記第1部分が示すデータに対応するチェックデジットを示す第2部分と、前記第1方向における前記画像の最初の行を基準とした行番号を示す第3部分とで構成されており、
前記解析手段は、前記複数の撮影画像のそれぞれについて行単位で解析処理を行い、
前記解析処理は、処理対象の撮影画像における各行について、前記第3部分の画素から行番号を特定し、前記第1部分の画素から得られたデータ系列における誤りの有無を、前記第2部分の画素から得られたチェックデジットを用いて検査し、当該検査で誤りが検出されなかったデータ系列を、前記特定された行番号と対応付けて保存することを含む
ことを特徴とする項目16に記載の受信装置。
(項目18)
前記解析処理は、前記複数の撮影画像に基づいて、1つの行番号と対応付けて複数のデータ系列が保存された場合に、当該複数のデータ系列において出現頻度が最大のデータ系列を、当該1つの行番号に対応する正当なデータ系列として保存することを更に含む
ことを特徴とする項目17に記載の受信装置。
(項目19)
前記解析処理は、複数の行番号にそれぞれ対応付けて保存された複数のデータ系列を、行番号に従って連結することで、前記変換前のデータを復元することを更に含む
ことを特徴とする項目17又は18に記載の受信装置。
(項目20)
前記解析手段は、前記撮影手段による撮影で得られた前記撮影画像に対して歪み補正処理を行い、歪みが補正された撮影画像を解析することで、前記変換前のデータを復元する
ことを特徴とする項目16乃至19のいずれか1項に記載の受信装置。
(項目21)
送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための送信装置の制御方法であって、
前記受信装置への送信対象のデータを、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された画像に変換する変換工程と、
前記変換工程で得られた前記画像を、前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内において前記第1方向にスクロール表示する表示制御工程と、を含み、前記画像が前記第1方向にスクロール表示されている間に前記受信装置によって前記表示領域内が連続的に撮影され、得られた撮影画像が解析されることで前記画像への変換前のデータが前記受信装置において復元される
ことを特徴とする送信装置の制御方法。
(項目22)
送信装置から当該送信装置とネットワーク接続されていない受信装置へのデータの伝送のための受信装置の制御方法であって、
前記送信装置の表示部における所定サイズの表示領域内に、送信対象のデータから変換された画像であって、第1方向に複数の行が配置され、かつ、各行を構成する複数の画素が前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記画像が、前記第1方向にスクロール表示されている間に、前記表示領域を連続的に撮影する撮影工程と、
前記撮影工程における撮影で得られた撮影画像を解析することで、前記画像への変換前のデータを復元する解析工程と、
を備えることを特徴とする受信装置の制御方法。
(項目23)
項目21又は22に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0050】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0051】
100:送信端末、200:受信端末、101:CPU、106:表示部、201:CPU、207:カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6