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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154607
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】小動物捕獲器
(51)【国際特許分類】
   A01M 23/18 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
A01M23/18
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064043
(22)【出願日】2022-04-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】592205632
【氏名又は名称】有限会社栄工業
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】山村 九吉
(72)【発明者】
【氏名】山村 則子
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA02
2B121BA12
2B121BA17
2B121BA22
2B121EA21
(57)【要約】
【課題】小動物が踏板部材の前部に乗り上がることにより踏板部材の前部下向き傾動が開始され、小動物の進入がさらに進んでから踏板部材の前部下向き傾動がなされ、小動物のさらなる進行により踏板部材の前部下向き傾動が継続され、小動物の進行に伴う前のめりの体勢が維持され、小動物を進入口部に向かって後退することを抑制することができ、小動物の捕獲効率を向上させることができる。
【解決手段】かご状本体1内に踏板部材5が支点部6により傾動自在に配設され、閉込扉体3を進入口部2が開口する水平開口状態に保持すると共に小動物の踏圧により踏板部材が傾動したとき閉込扉体を垂直閉口状態3Hに閉口作動させる連動機構7が設けられてなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご状本体の前面に小動物が進入可能な進入口部が形成され、該進入口部を開閉可能な閉込扉体が設けられ、閉込扉体を閉口動作させるバネ部材が配設され、該かご状本体内に踏板部材が支点部により傾動自在に配設され、該閉込扉体を該進入口部が開口する水平開口状態に保持すると共に小動物の踏圧により踏板部材が傾動したとき該閉込扉体を垂直閉口状態に閉口作動させる連動機構が設けられてなり、上記連動機構として、上記かご状本体の上面にトリガー杆を軸受部材により進退移動自在に配設し、上記踏板部材の支点部を該踏板部材の後部に配設し、該支点部により該踏板部材を前部下向き傾動自在に配設し、上記踏板部材にトリガー片を配設し、該トリガー杆の前端部を該トリガー片に連結部により枢着連結し、上記閉込扉体に係止杆部を配設し、該トリガー杆の後部を該係止杆部に係脱可能な係脱部に形成し、該トリガー杆の係脱部に該係止杆部を係止して該閉込扉体を進入口部が開口する水平開口状態に保持し、小動物の踏圧により踏板部材が前部下向き傾動し、該踏板部材の前部下向き傾動によりトリガー片及びトリガー杆が前進移動し、トリガー杆の前進移動によりトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除され、上記バネ部材により該閉込扉体を水平開口状態から垂直閉口状態に閉口動作させるように構成したことを特徴とする小動物捕獲器。
【請求項2】
上記踏板部材は網目板状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の小動物捕獲器。
【請求項3】
上記係止杆部は上記トリガー杆の移動方向に位置調節自在に設けられ、該係止杆部の位置調節により該係止杆部と上記係脱部との係合長さが変更自在に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の小動物捕獲器。
【請求項4】
上記閉込扉体の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の小動物捕獲器。
【請求項5】
上記かご状本体の上記進入口部と反対側の後面に取出口部が形成され、該取出口部を覆う取出扉体が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の小動物捕獲器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ハクビシン、タヌキ、アライグマ、キツネ、イタチなどの小動物を捕獲する際に用いられる小動物捕獲器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の小動物捕獲器として、かご状本体の前面に小動物が進入可能な進入口部が形成され、進入口部を開閉可能な閉込扉体が設けられ、閉込扉体を閉口動作させるバネ部材が配設され、かご状本体内に踏板部材が支点部により傾動自在に配設され、閉込扉体を進入口部が開口する水平開口状態に保持すると共に小動物の踏圧により踏板部材が傾動したとき閉込扉体を垂直閉口状態に閉口作動させる連動機構が設けられた構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3180310号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、上記踏板部材の上記支点部は上記踏板部材の前部に設けられ、踏板部材の前部の支点部により踏板部材は後部下向き傾動自在に配設され、踏板部材の後部下向き傾動によりトリガー片及びトリガー杆が上記かご状本体の後面から前面に向かって後退移動し、トリガー杆の後退移動によりU状フック状のトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除され、バネ部材により閉込扉体を閉口動作させる構造のため、小動物が踏板部材の後部に少しでも乗り上がると直ちに踏板部材の後部下向き傾動が開始され、この後部下向き傾動により進入口部から進入した小動物を踏ん反り返らせて進入口部に向かって後退させてしまうことがあり、小動物の捕獲効率を低下させることがあり、さらに、U状フック状のトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除される構造であるから、U状フック状のトリガー杆と係止杆部との係合長さがU状フック状の形状により長く必要となり、踏板部材の傾動角度も多く必要となり、このU状フック状の形状に伴う長い係合長さによりトリガー杆の係脱部と上記係止杆部との相互の離脱が直ちに行われず、小動物の捕獲効率を一層低下させるおそれがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、かご状本体の前面に小動物が進入可能な進入口部が形成され、該進入口部を開閉可能な閉込扉体が設けられ、閉込扉体を閉口動作させるバネ部材が配設され、該かご状本体内に踏板部材が支点部により傾動自在に配設され、該閉込扉体を該進入口部が開口する水平開口状態に保持すると共に小動物の踏圧により踏板部材が傾動したとき該閉込扉体を垂直閉口状態に閉口作動させる連動機構が設けられてなり、上記連動機構として、上記かご状本体の上面にトリガー杆を軸受部材により進退移動自在に配設し、上記踏板部材の支点部を該踏板部材の後部に配設し、該支点部により該踏板部材を前部下向き傾動自在に配設し、上記踏板部材にトリガー片を配設し、該トリガー杆の前端部を該トリガー片に連結部により枢着連結し、上記閉込扉体に係止杆部を配設し、該トリガー杆の後部を該係止杆部に係脱可能な係脱部に形成し、該トリガー杆の係脱部に該係止杆部を係止して該閉込扉体を進入口部が開口する水平開口状態に保持し、小動物の踏圧により踏板部材が前部下向き傾動し、該踏板部材の前部下向き傾動によりトリガー片及びトリガー杆が前進移動し、トリガー杆の前進移動によりトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除され、上記バネ部材により該閉込扉体を水平開口状態から垂直閉口状態に閉口動作させるように構成したことを特徴とする小動物捕獲器にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記踏板部材は網目板状に形成されていることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記係止杆部は上記トリガー杆の移動方向に位置調節自在に設けられ、該係止杆部の位置調節により該係止杆部と上記係脱部との係合長さが変更自在に設けられていることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記閉込扉体の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構が設けられていることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記かご状本体の上記進入口部と反対側の後面に取出口部が形成され、該取出口部を覆う取出扉体が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、連動機構として、上記かご状本体の上面にトリガー杆を軸受部材により進退移動自在に配設し、上記踏板部材の支点部を踏板部材の後部に配設し、支点部により踏板部材を前部下向き傾動自在に配設し、上記踏板部材にトリガー片を配設し、トリガー杆の前端部をトリガー片に連結部により枢着連結し、上記閉込扉体に係止杆部を配設し、トリガー杆の後部を係止杆部に係脱可能な係脱部に形成し、踏板部材の前部下向き傾動によりトリガー片及びトリガー杆が前進移動し、トリガー杆の前進移動によりトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除され、バネ部材により閉込扉体を閉口動作させる構造であるから、小動物が踏板部材の前部に乗り上がることにより踏板部材の前部下向き傾動が開始され、小動物の進入がさらに進んでから踏板部材の前部下向き傾動がなされ、小動物のさらなる進行により踏板部材の前部下向き傾動が継続され、小動物の進行に伴う前のめりの体勢が維持され、小動物を踏ん反り返らせて進入口部に向かって後退させることを抑制することができ、小動物の捕獲効率を向上させることができ、さらに、トリガー杆の係脱部が係止杆部を上方から押圧係止して閉込扉体の閉口動作を阻止し、トリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除される構造であるから、トリガー杆の係脱部と上記係止杆部との相互の離脱を直ちに行うこともでき、小動物の捕獲効率を一層向上させることができる。
【0008】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記踏板部材は網目板状に形成されているから、踏板部材の掃除を水圧洗浄等により容易に行うことができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記係止杆部は上記トリガー杆の移動方向に位置調節自在に設けられ、係止杆部の位置調節により係止杆部と上記係脱部との係合長さが変更自在に設けられているから、踏板部材を少し踏み込むだけで閉込扉体の閉口動作が開始されたり、踏板部材を充分に踏み込まなければ閉込扉体の閉口動作が開始しないなどの閉込扉体の閉口動作開始時期を変更することができ、それだけ、使用条件や捕獲すべき小動物の特性に対応することができ、小動物の捕獲効率を向上することができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記閉込扉体の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構が設けられているから、上記閉込扉体の閉口動作に伴い上記閉口保持機構により閉込扉体の不測の上向き開口動作を阻止することができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記かご状本体の上記進入口部と反対側の後面に取出口部が形成され、取出口部を覆う取出扉体が設けられているから、小動物が騒いでも小動物の状況を把握しながら徐々に開口することができ、捕獲した小動物を取り逃がすことなく、確実に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
図2】本発明の実施の形態例の前面図である。
図3】本発明の実施の形態例の後面図である。
図4】本発明の実施の形態例の全体側断面図である。
図5】本発明の実施の形態例の拡大後部側断面図である。
図6】本発明の実施の形態例の拡大前部側面図である。
図7】本発明の実施の形態例の拡大前部平面図である。
図8】本発明の実施の形態例の拡大前部側断面図である。
図9】本発明の実施の形態例の拡大前部平断面図である。
図10】本発明の実施の形態例の説明斜視図である。
図11】本発明の実施の形態例の拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図11は本発明の実施の形態例を示し、大別して、かご状本体1の前面1aに小動物Qが進入可能な進入口部2が形成され、進入口部2を開閉可能な閉込扉体3が設けられ、閉込扉体3を閉口動作させるバネ部材4・4が配設され、かご状本体1内に踏板部材5が支点部6により傾動自在に配設され、閉込扉体3を進入口部2が開口する水平開口状態3Kに保持すると共に小動物Qの踏圧により踏板部材5が傾動したとき閉込扉体3を垂直閉口状態3Hに閉口作動させる連動機構7が設けられている。
【0011】
この場合、図1図4図7の如く、上記かご状本体1は線材Wにより前面1a、上面1b、左右の側面1c・1c、後面1d及び底面1eからなる四角かご状に形成され、前面1aに小動物Qが進入可能な上記進入口部2が形成されている。
【0012】
さらに、上記連動機構7として、図1図4図5図10の如く、上記かご状本体1の上面1bにトリガー杆8を軸受部材1fによりかご状本体1の前後方向に進退移動自在に配設し、上記踏板部材5の支点部6を踏板部材5の後部に配設し、支点部6により踏板部材5を前部下向き傾動P自在に配設し、上記踏板部材5にトリガー片9を配設し、トリガー杆8の前端部をトリガー片9に連結部10により枢着連結し、上記閉込扉体3に係止杆部11を配設し、トリガー杆8の後部を係止杆部11に係脱可能な係脱部8aに形成し、トリガー杆8の係脱部8aに係止杆部11を係止して閉込扉体3を進入口部2が開口する水平開口状態3Kに保持し、小動物Qの踏圧により踏板部材5が前部下向き傾動Pし、踏板部材5の前部下向き傾動Pによりトリガー片9及びトリガー杆8が後面1dに向かって前進移動Jし、トリガー杆8の前進移動Jによりトリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11から離脱して係止杆部11の係止が解除され、上記バネ部材4・4により閉込扉体3を水平開口状態3Kから垂直閉口状態3Hに閉口動作させるように構成している。
【0013】
この場合、上記閉込扉体3にあっては、図1図2図8の如く、上記進入口部2を開閉可能な大きさに形成され、閉込扉体3の上辺杆部3aを進入口部2の開口上辺杆部2aにリング状の枢着部Mにより連結し、枢着部Mを支点として上下開閉揺動自在に設け、かご状本体1の上面1bにバネ掛け杆1gを固定すると共に閉込扉体3の下辺杆部にバネ掛け杆3cを固定し、これらバネ掛け杆1g・3cの左右両端部間に開閉用のバネ部材4・4を掛架し、バネ部材4・4により閉込扉体3の垂直閉口状態3Hを保持するように構成している。
【0014】
かつ、上記閉込扉体3の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構Dが設けられ、この場合、図1図2の如く、かご状本体1に進入口部2の開口左右辺部に沿って左右一対のガイド杆G・Gを縦設し、ガイド杆G・G間に押さえ杆Fを上下動自在に係合し、図6図7の如く、押さえ杆Fを下方位置から上方位置に移動させることにより閉込扉体3を枢着部Mを中心とする上向き開口揺動を許容し、上記閉込扉体3の閉口動作に伴い押さえ杆Fが自重により上方位置から下方位置に移動することにより閉込扉体3の前面を押さえて閉込扉体3の枢着部Mを中心とする不測の上向き開口揺動を阻止するように構成している。
【0015】
この場合、上記踏板部材5にあっては、図5図10図11の如く、かご状本体1の左右の側面1c・1cの下部に軸受片1h・1hを取り付け、軸受片1h・1h間に支点軸1iを架設し、支点軸1iに四角枠状の踏板枠5aの後部を固着し、踏板枠5aに左右一対の三角枠5b・5bを立設し、左右一対の三角枠5b・5bの上部間に連結杆5cを架設し、連結杆5cに上記トリガー片9を立設し、四角枠状の踏板枠5aの上面に網目板5dを複数個の枢着環5eにより連結し、踏板枠5aを支点軸1iに溶接固着し、踏板部材5の後部の支点部6を中心として前部下向き傾動P自在に設けて構成している。
【0016】
この場合、上記係止杆部11は、図1図2図8図9の如く、左右の側辺杆部11a・11a及び前部の取手Tを兼ねた上部杆11bからなり、閉込扉体3の左右両側に軸受筒3b・3bを固着し、軸受筒3b・3bに係止杆部11の左右の側辺杆部11a・11aを遊挿通して係止杆部11を上記トリガー杆8の移動方向に引出位置調節自在に設けられ、係止杆部11の位置調節により係止杆部11の上部杆11bと上記係脱部8aとの係合長さLが変更調節自在に設けられている。
【0017】
又、この場合、上記連結部10として、図5の如く、上記トリガー片9に連結穴部9aを形成し、上記トリガー杆8の前端部を連結穴部9aに挿通すると共に前方に折り返してU状フック部8bに形成し、トリガー杆8にU状フック部8bをトリガー片9に止着する止着部材10aを設けて構成している。
【0018】
12は取出口部であって、図3図5の如く、上記かご状本体1の上記進入口部2と反対側の後面1dに形成され、この取出口部12を覆う取出扉体13が枢着部Nを支点として開閉揺動自在に設けられ、かご状本体1の後面1dに取出扉体13を閉口状態に保持可能な後部の取手Tを兼ねた保持体14を上下動自在に形成し、保持体14の下部に上記かご状本体1を構成する線材Wに係止可能な係止部14a・14aを形成し、両係止部14a・14aを線材Wに係止させる係止用引張バネ14cを掛架して構成している。
【0019】
しかして、図3図5の如く、保持体14により取出扉体13を閉口状態に保持することができ、又、図5の想像線の如く、係止用引張バネ14cに抗して左右の側辺杆部14b・14bをそれぞれ外方に向けて開き動作させて両係止部14a・14aを線材Wから離脱し、この離脱状態において、保持体14を上昇退避させて取出扉体13の開口動作を許容し、取出扉体13を閉口位置から開口位置へと枢着部Nを中心として下向き揺動させて取出口部12を開口するように構成している。
【0020】
この実施の形態例は上記構成であるから、図4図6図7の如く、閉込扉体3を枢着部Mを中心として上向き開口揺動し、連動機構7により閉込扉体3を水平開口状態3Kに保持して進入口部2を開口すると共にかご状本体1内に小動物Qの好物である餌Eを置き、この待機状態において、図5の想像線の如く、小動物Qが進入口部2から進入し、小動物Qが踏板部材5を踏圧すると踏板部材5は支点部6を中心として前部下向き傾動Pし、この踏板部材5の前部下向き傾動Pにより連動機構7及びバネ部材4・4により閉込扉体3は図6の水平開口状態3Kから垂直閉口状態3Hに下向きに閉口作動し、閉込扉体3はばね部材4・4により垂直閉口状態3Hに保持され、かご状本体1内に小動物Qが閉じ込められて捕獲されることになり、捕獲後、小動物Qをかご状本体1内から取り出すことになる。
【0021】
この際、上記連動機構7として、図1図4図5図10の如く、上記かご状本体1の上面1bにトリガー杆8を軸受部材1fによりかご状本体1の前後方向に進退移動自在に配設し、上記踏板部材5の支点部6を踏板部材5の後部に配設し、支点部6により踏板部材5を前部下向き傾動P自在に配設し、上記踏板部材5にトリガー片9を配設し、トリガー杆8の前端部をトリガー片9に連結部10により枢着連結し、上記閉込扉体3に係止杆部11を配設し、トリガー杆8の後部を係止杆部11に係脱可能な係脱部8aに形成しているから、図4図7の実線位置及び図8図9の想像線位置の如く、トリガー杆8を軸受筒3bにより引出位置調節し、トリガー杆8の後部の係脱部8aに係止杆部11を係止して閉込扉体3を進入口部2が開口する水平開口状態3Kに保持し、小動物Qの踏圧により後部の支点部6を中心として踏板部材5が前部下向き傾動Pし、踏板部材5の前部下向き傾動Pによりトリガー片9及びトリガー杆8が後面1dに向かって図8に示す矢印方向に前進移動Jし、図8及び図9の実線位置の如く、トリガー杆8の前進移動Jによりトリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11から離脱して係止杆部11の係止が解除され、上記バネ部材4・4により閉込扉体3を枢着部Mにより水平開口状態3Kから垂直閉口状態3Hに閉口動作させることができ、閉込扉体3の開閉作動を確実に行うことができる。
【0022】
このように、踏板部材5の後部の支点部6により踏板部材5は前部下向き傾動P自在に配設され、踏板部材5の前部下向き傾動Pによりトリガー片9及びトリガー杆8が上記かご状本体1の後面1dに向かって前進移動Jし、トリガー杆8の前進移動Jによりトリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11から離脱して係止杆部11の係止が解除され、バネ部材4・4により閉込扉体3を閉口動作させる構造であるから、小動物Qが踏板部材5の前部に乗り上がることにより踏板部材5の前部下向き傾動Pが開始され、小動物Qの進入がさらに進んでから踏板部材5の前部下向き傾動Pがなされ、小動物Qのさらなる進行により踏板部材5の前部下向き傾動Pが継続され、小動物Qの進行に伴う前のめりの体勢が維持され、小動物Qを踏ん反り返らせて進入口部2に向かって後退させることを抑制することができ、小動物Qの捕獲効率を向上させることができ、さらに、トリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11を上方から押圧係止して閉込扉体3の閉口動作を阻止し、トリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11から離脱して係止杆部11の係止が解除される構造であるから、トリガー杆8の係脱部8aと上記係止杆部11との相互の離脱を直ちに行うこともでき、小動物Qの捕獲効率を一層向上させることができる。
【0023】
この場合、図10図11の如く、上記踏板部材5は網目板5d状に形成されているから、踏板部材5の掃除を水圧洗浄等により容易に行うことができ、又、この場合、図4図8図9の如く、上記係止杆部11は上記トリガー杆8の移動方向に位置調節自在に設けられ、係止杆部11の位置調節により係止杆部11と上記係脱部8aとの係合長さLが変更自在に設けられているから、踏板部材5を少し踏み込むだけで閉込扉体3の閉口動作が開始されたり、踏板部材5を充分に踏み込まなければ閉込扉体3の閉口動作が開始しないなどの閉込扉体3の閉口動作開始時期を変更することができ、それだけ、使用条件や捕獲すべき小動物Qの特性に対応することができ、小動物Qの捕獲効率を向上することができ、又、この場合、上記閉込扉体3の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構Dが設けられているから、上記閉込扉体3の閉口動作に伴い上記閉口保持機構Dとしての上記押さえ杆Fはガイド枠G・Gにより上方位置から下方位置へと自重で追従して下降落下移動し、押さえ杆Fの下方移動により閉込扉体3の前面を押さえ杆Fが押さえて閉込扉体3の枢着部Mを中心とする不測の上向き開口動作を阻止することができ、又、この場合、図3の如く、上記かご状本体1の上記進入口部2と反対側の後面1dに取出口部12が形成され、取出口部12を覆う取出扉体13が設けられているから、小動物Qが騒いでも小動物Qの状況を把握しながら徐々に開口することができ、捕獲した小動物Qを取り逃がすことなく、確実に取り出すことができる。
【0024】
なお、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、閉口保持機構D、かご状本体1、進入口部2、閉込扉体3、バネ部材4、踏板部材5、網目板5d、連動機構7、トリガー杆8、係脱部8a、トリガー片9の形状や構造等は適宜変更して設計されるものである。
【0025】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0026】
Q 小動物
L 係合長さ
J 前進移動
P 前部下向き傾動
D 閉口保持機構
1 かご状本体
1a 前面
1b 上面
1d 後面
1f 軸受部材
2 進入口部
3 閉込扉体
3K 水平開口状態
3H 垂直閉口状態
4 バネ部材
5 踏板部材
5d 網目板
6 支点部
7 連動機構
8 トリガー杆
8a 係脱部
9 トリガー片
10 連結部
11 係止杆部
12 取出口部
13 取出扉体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご状本体の前面に小動物が進入可能な進入口部が形成され、該進入口部を開閉可能な閉込扉体が設けられ、閉込扉体を閉口動作させるバネ部材が配設され、該かご状本体内に踏板部材が支点部により傾動自在に配設され、該閉込扉体を該進入口部が開口する水平開口状態に保持すると共に小動物の踏圧により踏板部材が傾動したとき該閉込扉体を垂直閉口状態に閉口作動させる連動機構が設けられてなり、上記連動機構として、上記かご状本体の上面にトリガー杆を軸受部材により進退移動自在に配設し、上記踏板部材の支点部を該踏板部材の後部に配設し、該支点部により該踏板部材を前部下向き傾動自在に配設し、上記踏板部材にトリガー片を配設し、該トリガー杆の前端部を該トリガー片に連結部により枢着連結し、該連結部として、上記トリガー片に連結穴部を形成し、上記トリガー杆の前端部を該連結穴部に挿通すると共に前方に折り返してU状フック部に形成し、該トリガー杆にU状フック部をトリガー片に止着する止着部材を設け、上記閉込扉体に係止杆部を配設し、該トリガー杆の後部を該係止杆部に係脱可能な係脱部に形成し、該トリガー杆の係脱部に該係止杆部を係止して該閉込扉体を進入口部が開口する水平開口状態に保持し、小動物の踏圧により踏板部材が前部下向き傾動し、該踏板部材の前部下向き傾動によりトリガー片及びトリガー杆が前進移動し、トリガー杆の前進移動によりトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除され、上記バネ部材により該閉込扉体を水平開口状態から垂直閉口状態に閉口動作させ、さらに、上記トリガー杆の該係脱部が上記係止杆部を上方から押圧係止して該閉込扉体の閉口動作を阻止し、上記トリガー杆の係脱部が該係止杆部から離脱して該係止杆部の係止が解除されるように構成したことを特徴とする小動物捕獲器。
【請求項2】
上記踏板部材は網目板状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の小動物捕獲器。
【請求項3】
上記係止杆部は上記トリガー杆の移動方向に位置調節自在に設けられ、該係止杆部の位置調節により該係止杆部と上記係脱部との係合長さが変更自在に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の小動物捕獲器。
【請求項4】
上記閉込扉体の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の小動物捕獲器。
【請求項5】
上記かご状本体の上記進入口部と反対側の後面に取出口部が形成され、該取出口部を覆う取出扉体が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の小動物捕獲器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ハクビシン、タヌキ、アライグマ、キツネ、イタチなどの小動物を捕獲する際に用いられる小動物捕獲器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の小動物捕獲器として、かご状本体の前面に小動物が進入可能な進入口部が形成され、進入口部を開閉可能な閉込扉体が設けられ、閉込扉体を閉口動作させるバネ部材が配設され、かご状本体内に踏板部材が支点部により傾動自在に配設され、閉込扉体を進入口部が開口する水平開口状態に保持すると共に小動物の踏圧により踏板部材が傾動したとき閉込扉体を垂直閉口状態に閉口作動させる連動機構が設けられた構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3180310号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、上記踏板部材の上記支点部は上記踏板部材の前部に設けられ、踏板部材の前部の支点部により踏板部材は後部下向き傾動自在に配設され、踏板部材の後部下向き傾動によりトリガー片及びトリガー杆が上記かご状本体の後面から前面に向かって後退移動し、トリガー杆の後退移動によりU状フック状のトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除され、バネ部材により閉込扉体を閉口動作させる構造のため、小動物が踏板部材の後部に少しでも乗り上がると直ちに踏板部材の後部下向き傾動が開始され、この後部下向き傾動により進入口部から進入した小動物を踏ん反り返らせて進入口部に向かって後退させてしまうことがあり、小動物の捕獲効率を低下させることがあり、さらに、U状フック状のトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除される構造であるから、U状フック状のトリガー杆と係止杆部との係合長さがU状フック状の形状により長く必要となり、踏板部材の傾動角度も多く必要となり、このU状フック状の形状に伴う長い係合長さによりトリガー杆の係脱部と上記係止杆部との相互の離脱が直ちに行われず、小動物の捕獲効率を一層低下させるおそれがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、かご状本体の前面に小動物が進入可能な進入口部が形成され、該進入口部を開閉可能な閉込扉体が設けられ、閉込扉体を閉口動作させるバネ部材が配設され、該かご状本体内に踏板部材が支点部により傾動自在に配設され、該閉込扉体を該進入口部が開口する水平開口状態に保持すると共に小動物の踏圧により踏板部材が傾動したとき該閉込扉体を垂直閉口状態に閉口作動させる連動機構が設けられてなり、上記連動機構として、上記かご状本体の上面にトリガー杆を軸受部材により進退移動自在に配設し、上記踏板部材の支点部を該踏板部材の後部に配設し、該支点部により該踏板部材を前部下向き傾動自在に配設し、上記踏板部材にトリガー片を配設し、該トリガー杆の前端部を該トリガー片に連結部により枢着連結し、該連結部として、上記トリガー片に連結穴部を形成し、上記トリガー杆の前端部を該連結穴部に挿通すると共に前方に折り返してU状フック部に形成し、該トリガー杆にU状フック部をトリガー片に止着する止着部材を設け、上記閉込扉体に係止杆部を配設し、該トリガー杆の後部を該係止杆部に係脱可能な係脱部に形成し、該トリガー杆の係脱部に該係止杆部を係止して該閉込扉体を進入口部が開口する水平開口状態に保持し、小動物の踏圧により踏板部材が前部下向き傾動し、該踏板部材の前部下向き傾動によりトリガー片及びトリガー杆が前進移動し、トリガー杆の前進移動によりトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除され、上記バネ部材により該閉込扉体を水平開口状態から垂直閉口状態に閉口動作させ、さらに、上記トリガー杆の該係脱部が上記係止杆部を上方から押圧係止して該閉込扉体の閉口動作を阻止し、上記トリガー杆の係脱部が該係止杆部から離脱して該係止杆部の係止が解除されるように構成したことを特徴とする小動物捕獲器にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記踏板部材は網目板状に形成されていることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記係止杆部は上記トリガー杆の移動方向に位置調節自在に設けられ、該係止杆部の位置調節により該係止杆部と上記係脱部との係合長さが変更自在に設けられていることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記閉込扉体の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構が設けられていることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記かご状本体の上記進入口部と反対側の後面に取出口部が形成され、該取出口部を覆う取出扉体が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、連動機構として、上記かご状本体の上面にトリガー杆を軸受部材により進退移動自在に配設し、上記踏板部材の支点部を踏板部材の後部に配設し、支点部により踏板部材を前部下向き傾動自在に配設し、上記踏板部材にトリガー片を配設し、トリガー杆の前端部をトリガー片に連結部により枢着連結し、連結部として、トリガー片に連結穴部を形成し、トリガー杆の前端部を連結穴部に挿通すると共に前方に折り返してU状フック部に形成し、トリガー杆にU状フック部をトリガー片に止着する止着部材を設け、上記閉込扉体に係止杆部を配設し、トリガー杆の後部を係止杆部に係脱可能な係脱部に形成し、踏板部材の前部下向き傾動によりトリガー片及びトリガー杆が前進移動し、トリガー杆の前進移動によりトリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除され、バネ部材により閉込扉体を閉口動作させる構造であるから、小動物が踏板部材の前部に乗り上がることにより踏板部材の前部下向き傾動が開始され、小動物の進入がさらに進んでから踏板部材の前部下向き傾動がなされ、小動物のさらなる進行により踏板部材の前部下向き傾動が継続され、小動物の進行に伴う前のめりの体勢が維持され、小動物を踏ん反り返らせて進入口部に向かって後退させることを抑制することができ、小動物の捕獲効率を向上させることができ、さらに、トリガー杆の係脱部が係止杆部を上方から押圧係止して閉込扉体の閉口動作を阻止し、トリガー杆の係脱部が係止杆部から離脱して係止杆部の係止が解除される構造であるから、トリガー杆の係脱部と上記係止杆部との相互の離脱を直ちに行うこともでき、小動物の捕獲効率を一層向上させることができる。
【0008】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記踏板部材は網目板状に形成されているから、踏板部材の掃除を水圧洗浄等により容易に行うことができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記係止杆部は上記トリガー杆の移動方向に位置調節自在に設けられ、係止杆部の位置調節により係止杆部と上記係脱部との係合長さが変更自在に設けられているから、踏板部材を少し踏み込むだけで閉込扉体の閉口動作が開始されたり、踏板部材を充分に踏み込まなければ閉込扉体の閉口動作が開始しないなどの閉込扉体の閉口動作開始時期を変更することができ、それだけ、使用条件や捕獲すべき小動物の特性に対応することができ、小動物の捕獲効率を向上することができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記閉込扉体の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構が設けられているから、上記閉込扉体の閉口動作に伴い上記閉口保持機構により閉込扉体の不測の上向き開口動作を阻止することができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記かご状本体の上記進入口部と反対側の後面に取出口部が形成され、取出口部を覆う取出扉体が設けられているから、小動物が騒いでも小動物の状況を把握しながら徐々に開口することができ、捕獲した小動物を取り逃がすことなく、確実に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
図2】本発明の実施の形態例の前面図である。
図3】本発明の実施の形態例の後面図である。
図4】本発明の実施の形態例の全体側断面図である。
図5】本発明の実施の形態例の拡大後部側断面図である。
図6】本発明の実施の形態例の拡大前部側面図である。
図7】本発明の実施の形態例の拡大前部平面図である。
図8】本発明の実施の形態例の拡大前部側断面図である。
図9】本発明の実施の形態例の拡大前部平断面図である。
図10】本発明の実施の形態例の説明斜視図である。
図11】本発明の実施の形態例の拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図11は本発明の実施の形態例を示し、大別して、かご状本体1の前面1aに小動物Qが進入可能な進入口部2が形成され、進入口部2を開閉可能な閉込扉体3が設けられ、閉込扉体3を閉口動作させるバネ部材4・4が配設され、かご状本体1内に踏板部材5が支点部6により傾動自在に配設され、閉込扉体3を進入口部2が開口する水平開口状態3Kに保持すると共に小動物Qの踏圧により踏板部材5が傾動したとき閉込扉体3を垂直閉口状態3Hに閉口作動させる連動機構7が設けられている。
【0011】
この場合、図1図4図7の如く、上記かご状本体1は線材Wにより前面1a、上面1b、左右の側面1c・1c、後面1d及び底面1eからなる四角かご状に形成され、前面1aに小動物Qが進入可能な上記進入口部2が形成されている。
【0012】
さらに、上記連動機構7として、図1図4図5図10の如く、上記かご状本体1の上面1bにトリガー杆8を軸受部材1fによりかご状本体1の前後方向に進退移動自在に配設し、上記踏板部材5の支点部6を踏板部材5の後部に配設し、支点部6により踏板部材5を前部下向き傾動P自在に配設し、上記踏板部材5にトリガー片9を配設し、トリガー杆8の前端部をトリガー片9に連結部10により枢着連結し、上記閉込扉体3に係止杆部11を配設し、トリガー杆8の後部を係止杆部11に係脱可能な係脱部8aに形成し、トリガー杆8の係脱部8aに係止杆部11を係止して閉込扉体3を進入口部2が開口する水平開口状態3Kに保持し、小動物Qの踏圧により踏板部材5が前部下向き傾動Pし、踏板部材5の前部下向き傾動Pによりトリガー片9及びトリガー杆8が後面1dに向かって前進移動Jし、トリガー杆8の前進移動Jによりトリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11から離脱して係止杆部11の係止が解除され、上記バネ部材4・4により閉込扉体3を水平開口状態3Kから垂直閉口状態3Hに閉口動作させるように構成している。
【0013】
この場合、上記閉込扉体3にあっては、図1図2図8の如く、上記進入口部2を開閉可能な大きさに形成され、閉込扉体3の上辺杆部3aを進入口部2の開口上辺杆部2aにリング状の枢着部Mにより連結し、枢着部Mを支点として上下開閉揺動自在に設け、かご状本体1の上面1bにバネ掛け杆1gを固定すると共に閉込扉体3の下辺杆部にバネ掛け杆3cを固定し、これらバネ掛け杆1g・3cの左右両端部間に開閉用のバネ部材4・4を掛架し、バネ部材4・4により閉込扉体3の垂直閉口状態3Hを保持するように構成している。
【0014】
かつ、上記閉込扉体3の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構Dが設けられ、この場合、図1図2の如く、かご状本体1に進入口部2の開口左右辺部に沿って左右一対のガイド杆G・Gを縦設し、ガイド杆G・G間に押さえ杆Fを上下動自在に係合し、図6図7の如く、押さえ杆Fを下方位置から上方位置に移動させることにより閉込扉体3を枢着部Mを中心とする上向き開口揺動を許容し、上記閉込扉体3の閉口動作に伴い押さえ杆Fが自重により上方位置から下方位置に移動することにより閉込扉体3の前面を押さえて閉込扉体3の枢着部Mを中心とする不測の上向き開口揺動を阻止するように構成している。
【0015】
この場合、上記踏板部材5にあっては、図5図10図11の如く、かご状本体1の左右の側面1c・1cの下部に軸受片1h・1hを取り付け、軸受片1h・1h間に支点軸1iを架設し、支点軸1iに四角枠状の踏板枠5aの後部を固着し、踏板枠5aに左右一対の三角枠5b・5bを立設し、左右一対の三角枠5b・5bの上部間に連結杆5cを架設し、連結杆5cに上記トリガー片9を立設し、四角枠状の踏板枠5aの上面に網目板5dを複数個の枢着環5eにより連結し、踏板枠5aを支点軸1iに溶接固着し、踏板部材5の後部の支点部6を中心として前部下向き傾動P自在に設けて構成している。
【0016】
この場合、上記係止杆部11は、図1図2図8図9の如く、左右の側辺杆部11a・11a及び前部の取手Tを兼ねた上部杆11bからなり、閉込扉体3の左右両側に軸受筒3b・3bを固着し、軸受筒3b・3bに係止杆部11の左右の側辺杆部11a・11aを遊挿通して係止杆部11を上記トリガー杆8の移動方向に引出位置調節自在に設けられ、係止杆部11の位置調節により係止杆部11の上部杆11bと上記係脱部8aとの係合長さLが変更調節自在に設けられている。
【0017】
又、この場合、上記連結部10として、図5の如く、上記トリガー片9に連結穴部9aを形成し、上記トリガー杆8の前端部を連結穴部9aに挿通すると共に前方に折り返してU状フック部8bに形成し、トリガー杆8にU状フック部8bをトリガー片9に止着する止着部材10aを設けて構成している。
【0018】
12は取出口部であって、図3図5の如く、上記かご状本体1の上記進入口部2と反対側の後面1dに形成され、この取出口部12を覆う取出扉体13が枢着部Nを支点として開閉揺動自在に設けられ、かご状本体1の後面1dに取出扉体13を閉口状態に保持可能な後部の取手Tを兼ねた保持体14を上下動自在に形成し、保持体14の下部に上記かご状本体1を構成する線材Wに係止可能な係止部14a・14aを形成し、両係止部14a・14aを線材Wに係止させる係止用引張バネ14cを掛架して構成している。
【0019】
しかして、図3図5の如く、保持体14により取出扉体13を閉口状態に保持することができ、又、図5の想像線の如く、係止用引張バネ14cに抗して左右の側辺杆部14b・14bをそれぞれ外方に向けて開き動作させて両係止部14a・14aを線材Wから離脱し、この離脱状態において、保持体14を上昇退避させて取出扉体13の開口動作を許容し、取出扉体13を閉口位置から開口位置へと枢着部Nを中心として下向き揺動させて取出口部12を開口するように構成している。
【0020】
この実施の形態例は上記構成であるから、図4図6図7の如く、閉込扉体3を枢着部Mを中心として上向き開口揺動し、連動機構7により閉込扉体3を水平開口状態3Kに保持して進入口部2を開口すると共にかご状本体1内に小動物Qの好物である餌Eを置き、この待機状態において、図5の想像線の如く、小動物Qが進入口部2から進入し、小動物Qが踏板部材5を踏圧すると踏板部材5は支点部6を中心として前部下向き傾動Pし、この踏板部材5の前部下向き傾動Pにより連動機構7及びバネ部材4・4により閉込扉体3は図6の水平開口状態3Kから垂直閉口状態3Hに下向きに閉口作動し、閉込扉体3はばね部材4・4により垂直閉口状態3Hに保持され、かご状本体1内に小動物Qが閉じ込められて捕獲されることになり、捕獲後、小動物Qをかご状本体1内から取り出すことになる。
【0021】
この際、上記連動機構7として、図1図4図5図10の如く、上記かご状本体1の上面1bにトリガー杆8を軸受部材1fによりかご状本体1の前後方向に進退移動自在に配設し、上記踏板部材5の支点部6を踏板部材5の後部に配設し、支点部6により踏板部材5を前部下向き傾動P自在に配設し、上記踏板部材5にトリガー片9を配設し、トリガー杆8の前端部をトリガー片9に連結部10により枢着連結し、上記閉込扉体3に係止杆部11を配設し、トリガー杆8の後部を係止杆部11に係脱可能な係脱部8aに形成しているから、図4図7の実線位置及び図8図9の想像線位置の如く、トリガー杆8を軸受筒3bにより引出位置調節し、トリガー杆8の後部の係脱部8aに係止杆部11を係止して閉込扉体3を進入口部2が開口する水平開口状態3Kに保持し、小動物Qの踏圧により後部の支点部6を中心として踏板部材5が前部下向き傾動Pし、踏板部材5の前部下向き傾動Pによりトリガー片9及びトリガー杆8が後面1dに向かって図8に示す矢印方向に前進移動Jし、図8及び図9の実線位置の如く、トリガー杆8の前進移動Jによりトリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11から離脱して係止杆部11の係止が解除され、上記バネ部材4・4により閉込扉体3を枢着部Mにより水平開口状態3Kから垂直閉口状態3Hに閉口動作させることができ、閉込扉体3の開閉作動を確実に行うことができる。
【0022】
このように、踏板部材5の後部の支点部6により踏板部材5は前部下向き傾動P自在に配設され、踏板部材5の前部下向き傾動Pによりトリガー片9及びトリガー杆8が上記かご状本体1の後面1dに向かって前進移動Jし、トリガー杆8の前進移動Jによりトリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11から離脱して係止杆部11の係止が解除され、バネ部材4・4により閉込扉体3を閉口動作させる構造であるから、小動物Qが踏板部材5の前部に乗り上がることにより踏板部材5の前部下向き傾動Pが開始され、小動物Qの進入がさらに進んでから踏板部材5の前部下向き傾動Pがなされ、小動物Qのさらなる進行により踏板部材5の前部下向き傾動Pが継続され、小動物Qの進行に伴う前のめりの体勢が維持され、小動物Qを踏ん反り返らせて進入口部2に向かって後退させることを抑制することができ、小動物Qの捕獲効率を向上させることができ、さらに、トリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11を上方から押圧係止して閉込扉体3の閉口動作を阻止し、トリガー杆8の係脱部8aが係止杆部11から離脱して係止杆部11の係止が解除される構造であるから、トリガー杆8の係脱部8aと上記係止杆部11との相互の離脱を直ちに行うこともでき、小動物Qの捕獲効率を一層向上させることができる。
【0023】
この場合、図10図11の如く、上記踏板部材5は網目板5d状に形成されているから、踏板部材5の掃除を水圧洗浄等により容易に行うことができ、又、この場合、図4図8図9の如く、上記係止杆部11は上記トリガー杆8の移動方向に位置調節自在に設けられ、係止杆部11の位置調節により係止杆部11と上記係脱部8aとの係合長さLが変更自在に設けられているから、踏板部材5を少し踏み込むだけで閉込扉体3の閉口動作が開始されたり、踏板部材5を充分に踏み込まなければ閉込扉体3の閉口動作が開始しないなどの閉込扉体3の閉口動作開始時期を変更することができ、それだけ、使用条件や捕獲すべき小動物Qの特性に対応することができ、小動物Qの捕獲効率を向上することができ、又、この場合、上記閉込扉体3の開口動作を阻止又は許容可能な閉口保持機構Dが設けられているから、上記閉込扉体3の閉口動作に伴い上記閉口保持機構Dとしての上記押さえ杆Fはガイド枠G・Gにより上方位置から下方位置へと自重で追従して下降落下移動し、押さえ杆Fの下方移動により閉込扉体3の前面を押さえ杆Fが押さえて閉込扉体3の枢着部Mを中心とする不測の上向き開口動作を阻止することができ、又、この場合、図3の如く、上記かご状本体1の上記進入口部2と反対側の後面1dに取出口部12が形成され、取出口部12を覆う取出扉体13が設けられているから、小動物Qが騒いでも小動物Qの状況を把握しながら徐々に開口することができ、捕獲した小動物Qを取り逃がすことなく、確実に取り出すことができる。
【0024】
なお、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、閉口保持機構D、かご状本体1、進入口部2、閉込扉体3、バネ部材4、踏板部材5、網目板5d、連動機構7、トリガー杆8、係脱部8a、トリガー片9の形状や構造等は適宜変更して設計されるものである。
【0025】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0026】
Q 小動物
L 係合長さ
J 前進移動
P 前部下向き傾動
D 閉口保持機構
1 かご状本体
1a 前面
1b 上面
1d 後面
1f 軸受部材
2 進入口部
3 閉込扉体
3K 水平開口状態
3H 垂直閉口状態
4 バネ部材
5 踏板部材
5d 網目板
6 支点部
7 連動機構
8 トリガー杆
8a 係脱部
8b U状フック部
9 トリガー片
9a 連結穴部
10 連結部
10a 止着部材
11 係止杆部
12 取出口部
13 取出扉体