(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154629
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】物品箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/36 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
B65D5/36 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064079
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000106715
【氏名又は名称】ザ・パック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】清水 大気
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB18
3E060BA06
3E060BA08
3E060BB01
3E060BC02
3E060CE05
3E060CE07
3E060CE14
3E060CE16
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE30
3E060DA01
3E060DA30
3E060EA06
3E060EA20
(57)【要約】
【課題】配送コストを左右する厚み寸法を抑えることができる物品箱を提供する。
【解決手段】物品箱1が、底壁11と、一対の第1側壁12と、外壁部131及び内壁部132を有する二重壁構造の第2側壁13と、第1側壁12及び第2側壁13の外壁部131を繋ぎ第1側壁12の起立に連動して第2側壁13を起立させる一対のコーナー連結部16と、上記の内壁部132から舌片状に延出して底壁11に面着する一対の面着舌片と、これら一対の面着舌片それぞれにおいて一対の第1側壁12それぞれと対向する対向縁から突出し、一対の第1側壁12それぞれに係止する一対の係止部18と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して延びる一対の第1側辺、及び当該一対の第1側辺の延在方向に対する交差方向に延びる第2側辺、を有する底壁と、
前記一対の第1側辺それぞれから折り起こされる一対の第1側壁と、
前記第2側辺から折り起こされる外壁部、及び当該外壁部において前記第2側辺に沿った外壁端辺を山折り目として前記外壁部に重なるように山折りに折り畳まれる内壁部、を有し、前記底壁及び前記一対の第1側壁とともに物品の収容空間を区画する二重壁であって、前記交差方向の両端部における非接着部分を残して前記外壁部及び前記内壁部が互いに接着された第2側壁と、
前記一対の第1側壁それぞれにおいて前記第2側壁の側に位置する第1側縁、及び、前記外壁部において前記一対の第1側壁それぞれの側に位置する第2側縁を繋ぐコーナー部をなし、一対の前記非接着部分それぞれにおいて前記外壁部及び前記内壁部で挟まれるように設けられ、前記一対の第1側壁の起立に連動して前記第2側壁を起立させる一対のコーナー連結部と、
前記内壁部において前記底壁と対向する内壁端辺の両端それぞれの辺部分から舌片状に延出し、各前記辺部分を谷折り目として谷折りに折り曲げられて前記底壁に面着する一対の面着舌片と、
前記一対の面着舌片それぞれにおいて前記一対の第1側壁それぞれと対向する対向縁から突出し、前記一対の第1側壁それぞれに係止する一対の係止部と、
を備えたことを特徴とする物品箱。
【請求項2】
一対の前記非接着部分それぞれにおける前記内壁部には、前記交差方向に前記一対の第1側壁それぞれから離れるにつれて前記山折り目から離れて前記内壁端辺へと向かうように斜行する谷折り状の斜行折り目が設けられており、
前記一対の係止部の前記一対の第1側壁への係止時に、前記非接着部分における前記内壁部が前記斜行折り目で一時的に谷折りに折り返されることで、前記一対の面着舌片及び前記一対の係止部が、前記一対の第1側壁との干渉を回避しつつ前記一対の第1側壁の内側に回り込んで当該内側から前記一対の第1側壁に係止することを特徴とする請求項1に記載の物品箱。
【請求項3】
前記一対の面着舌片は、前記内壁端辺の両端それぞれから一対の前記斜行折り目それぞれの端部に至る範囲の少なくとも一部を前記辺部分とし、当該辺部分から延出していることを特徴とする請求項2に記載の物品箱。
【請求項4】
前記一対のコーナー連結部それぞれは、前記一対の第1側辺それぞれにおける前記第2側壁の側の端部、及び、前記第2側辺の両端部それぞれ、の少なくとも一方を角部とした形状を有するとともに前記角部から延出した谷折り線が設けられ、当該谷折り線で谷折りに折り畳まれた状態で前記外壁部及び前記内壁部で挟まれるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の物品箱。
【請求項5】
前記一対の第1側壁それぞれには、前記一対の係止部それぞれに対応した前記底壁寄りの位置にスリットが形成されており、
前記一対の係止部それぞれは、一対の前記スリットに挿入係止することで前記一対の第1側壁それぞれに係止することを特徴とする請求項1に記載の物品箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通信販売における物品の配送箱として利用可能な物品箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、段ボール箱等といった物品箱として、扁平に畳まれた状態から胴体部を筒状に広げると、その広げる動作に連動して複数のフラップが組み合わされて底壁が形成される物品箱が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような物品箱は、胴体部を筒状に広げるというワンタッチ動作で、筒状の胴体部と底壁で物品の収容空間が形成されるため、広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のワンタッチ式の物品箱の多くは、フラップの組合せで底壁を形成するために、フラップどうしの組合せ部分に係合爪が設けられ、各フラップの係合部が重なり合うように組み合わされることから、底壁が厚くなりがちである。ここで、通信販売等で利用されることが多い薄型の配送箱は、箱の僅かな厚みの差によって配送コストが変動するためシビアな寸法設定が要求されることが多い。このとき、上述のワンタッチ式の物品箱では、厚くなった底壁が配送箱の厚み寸法に影響を及ぼし、その結果、配送コストの増大を招いてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、配送コストを左右する厚み寸法を抑えることができる物品箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の物品箱は、互いに対向して延びる一対の第1側辺、及び当該一対の第1側辺の延在方向に対する交差方向に延びる第2側辺、を有する底壁と、前記一対の第1側辺それぞれから折り起こされる一対の第1側壁と、前記第2側辺から折り起こされる外壁部、及び当該外壁部において前記第2側辺に沿った外壁端辺を山折り目として前記外壁部に重なるように山折りに折り畳まれる内壁部、を有し、前記底壁及び前記一対の第1側壁とともに物品の収容空間を区画する二重壁であって、前記交差方向の両端部における非接着部分を残して前記外壁部及び前記内壁部が互いに接着された第2側壁と、前記一対の第1側壁それぞれにおいて前記第2側壁の側に位置する第1側縁、及び、前記外壁部において前記一対の第1側壁それぞれの側に位置する第2側縁を繋ぐコーナー部をなし、一対の前記非接着部分それぞれにおいて前記外壁部及び前記内壁部で挟まれるように設けられ、前記一対の第1側壁の起立に連動して前記第2側壁を起立させる一対のコーナー連結部と、前記内壁部において前記底壁と対向する内壁端辺の両端それぞれの辺部分から舌片状に延出し、各前記辺部分を谷折り目として谷折りに折り曲げられて前記底壁に面着する一対の面着舌片と、前記一対の面着舌片それぞれにおいて前記一対の第1側壁それぞれと対向する対向縁から突出し、前記一対の第1側壁それぞれに係止する一対の係止部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上述の物品箱によれば、一対の第1側壁の起立というワンタッチ動作によって第2側壁も連動して起立し、これによって物品の収容空間が区画される。そして、二重壁構造の第2側壁に連なる一対の面着舌片それぞれから突出する係止部が第1側壁に係止されることで、上記のようにワンタッチ動作で区画された収容空間が維持されることとなる。このとき、収容空間を維持するための係止部による係止が第1側壁に対して行われるため、底壁の厚み、つまりは、物品箱の厚み寸法に上記の係止が何ら影響を与えることがない。つまり、上述の物品箱によれば、配送コストを左右する厚み寸法を抑えることができる。
【0008】
ここで、一対の前記非接着部分それぞれにおける前記内壁部には、前記交差方向に前記一対の第1側壁それぞれから離れるにつれて前記山折り目から離れて前記内壁端辺へと向かうように斜行する谷折り状の斜行折り目が設けられており、前記一対の係止部の前記一対の第1側壁への係止時に、前記非接着部分における前記内壁部が前記斜行折り目で一時的に谷折りに折り返されることで、前記一対の面着舌片及び前記一対の係止部が、前記一対の第1側壁との干渉を回避しつつ前記一対の第1側壁の内側に回り込んで当該内側から前記一対の第1側壁に係止することが好適である。
【0009】
この構成によれば、面着舌片が設けられている非接着部分の内壁部が、斜行折り目で一時的に谷折りに折り返されることで、第1側壁との干渉を回避しつつ良好な作業性の下で第1側壁の内側から係止部を係止させることができる。
【0010】
また、前記一対の面着舌片は、前記内壁端辺の両端それぞれから一対の前記斜行折り目それぞれの端部に至る範囲の少なくとも一部を前記辺部分とし、当該辺部分から延出していることが好適である。
【0011】
この構成によれば、面着舌片は、非接着部分の内壁部の、斜行折り目で折り返される部分のみに繋がっているため、この面着舌片が内壁部の折返しの邪魔になることがなく、一層良好な作業性の下で係止部を係止させることができる。
【0012】
また、前記一対のコーナー連結部それぞれは、前記一対の第1側辺それぞれにおける前記第2側壁の側の端部、及び、前記第2側辺の両端部それぞれ、の少なくとも一方を角部とした形状を有するとともに前記角部から延出した谷折り線が設けられ、当該谷折り線で谷折りに折り畳まれた状態で前記外壁部及び前記内壁部で挟まれるように形成されていることが好適である。
【0013】
この構成によれば、コーナー連結部が上記の谷折り線で折り畳まれることで、一対の第1側壁の起立に第2側壁を効果的に連動させて起立させることができる。
【0014】
また、前記一対の第1側壁それぞれには、前記一対の係止部それぞれに対応した前記底壁寄りの位置にスリットが形成されており、前記一対の係止部それぞれは、一対の前記スリットに挿入係止することで前記一対の第1側壁それぞれに係止することが好適である。
【0015】
この構成によれば、スリットへの挿入係止により係止部を第1側壁に強固に係止させることができ、つまりは、物品箱における収容空間を強固に維持させることができる。
【発明の効果】
【0016】
上記の物品箱によれば、配送コストを左右する厚み寸法を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態にかかる物品箱を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示されている物品箱を展開した一枚シートを示す平面図である。
【
図3】
図2に示されている一枚シートから作成された展開体を示す平面図である。
【
図4】
図3に示されている展開体か
図1に示されている物品箱を作成する製函作業の初期段階で行われる一対の第1側壁及び第2側壁の折り起こし作業の途中状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示されている折り起こし作業を経て一対の第1側壁及び第2側壁が起立した状態を示す斜視図である。
【
図6】一対の第1側壁が開かれるときに第2側壁を連動させて起立させる一対のコーナー連結部の働きを示す模式図である。
【
図7】第2実施形態の物品箱における特徴部分を示す図である。
【
図8】第3実施形態の物品箱における箱本体を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示されている箱本体を展開した一枚シートを示す平面図である。
【
図10】第3実施形態の物品箱における箱状の蓋を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示されている箱状の蓋を展開した一枚シートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、配送コストを左右する厚み寸法を抑えることができる物品箱の一実施形態について説明する。まず、第1実施形態について説明する。
【0019】
図1は、第1実施形態にかかる物品箱を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示されている物品箱を展開した一枚シートを示す平面図である。
【0020】
この
図1に示されている物品箱1は、通信販売等で配送箱として利用されることが多い薄型の段ボール箱である。この物品箱1は、まず、底壁11、一対の第1側壁12、第2側壁13、第3側壁14、及び蓋壁15、を備え、これら6面の壁で構成される薄型の矩形箱となっている。物品箱1は、これら6面の壁が展開された一枚シート1aから作成された後述の展開体1b(
図3)に対する製函作業によって箱形状に構成されたものである。
【0021】
底壁11は、互いに対向して延びる一対の第1側辺111、これら一対の第1側辺111の延在方向D11に対する交差方向D12に延びる第2側辺112、及び、この第2側辺112に対向して延びる第3側辺113を有する矩形板状の壁である。この底壁11の外周を構成する一対の第1側辺111、第2側辺112、及び第3側辺113は、何れも各辺に連なる壁が折り起こされる折り目となっており、この折り起こしを助けるために複数のスリットが断続的に形成されて折れ易くなっている。
【0022】
一対の第1側壁12は、一対の第1側辺111それぞれから折り起こされる、各第1側辺111の延在方向D11を長辺方向とした長方形帯板状の壁である。
【0023】
第2側壁13は、外壁部131及び内壁部132を有し、上記の延在方向D11に対する交差方向D12を長辺方向とした長方形帯板状の二重壁である。この第2側壁13は、底壁11、一対の第1側壁12、及び後述の第3側壁14とともに物品の収容空間A11を区画する。外壁部131は、第2側辺から折り起こされる長方形帯板状の壁である。また、内壁部132は、外壁部131において第2側辺112に沿った外壁端辺133を山折り目として外壁部131に重なるように山折りに折り畳まれる、外壁部131と略同形状の壁である。そして、交差方向D12の両端部における非接着部分13aを残して外壁部131及び内壁部132が互いに接着されて第2側壁13が構成されている。
【0024】
第3側壁14は、底壁11の第3側辺113から折り起こされて第2側壁13と対向する、この第2側壁13と略同形状の長方形帯板状の壁である。
【0025】
蓋壁15は、第3側壁14において第3側辺113に沿うとともに、第2側壁13における外壁端辺133に対向して延びる第3側壁端辺141から延出した、底壁11と略同形状の矩形板状の壁である。蓋壁15は、上記の第3側壁端辺141をヒンジとして、底壁11と対向するように収容空間A11を閉塞する閉塞姿勢と、底壁11から離れて収容空間A11を開放する開放姿勢と、の間で開閉方向D13に開閉可能に設けられている。
【0026】
ここで、本実施形態の物品箱1には、一対の第1側壁12それぞれと第2側壁13を物品箱1におけるコーナー部をなすように連結する一対のコーナー連結部16が設けられている。一対のコーナー連結部16は、一対の第1側壁12それぞれにおいて第2側壁13の側に位置する第1側縁121、及び、第2側壁13の外壁部131において一対の第1側壁12それぞれの側に位置する第2側縁134を繋いでコーナー部をなす。そして、一対のコーナー連結部16は、第2側壁13における一対の非接着部分13aそれぞれにおいて外壁部131及び内壁部132で挟まれるように設けられ、一対の第1側壁12の起立に連動して第2側壁13を起立させる。
【0027】
そして、物品箱1には、一対の第1側壁12及び第2側壁13の起立状態を維持する構造として、第2側壁13の内壁部132に繋がった一対の面着舌片17、及び、これら一対の面着舌片17それぞれから突出する一対の係止部18、が設けられている。
【0028】
また、物品箱1には、物品が収容されて蓋壁15が閉じられたときの閉塞姿勢を維持する構造として、次のような構造が設けられている。即ち、蓋壁15の閉塞姿勢を維持する構造として、一対の第1側壁12に繋がった一対のフラップ19、蓋壁15に繋がった蓋側被覆壁21、この蓋側被覆壁21から突出した蓋側係止部22、及び、蓋壁15に繋がった一対のフラップ係止部23、が設けられている。
【0029】
図3は、
図2に示されている一枚シートから作成された展開体を示す平面図である。また、
図4は、
図3に示されている展開体か
図1に示されている物品箱を作成する製函作業の初期段階で行われる一対の第1側壁及び第2側壁の折り起こし作業の途中状態を示す斜視図である。そして、
図5は、
図4に示されている折り起こし作業を経て一対の第1側壁及び第2側壁が起立した状態を示す斜視図である。
【0030】
まず、
図3に示されているように、展開体1bでは、外壁部131及び内壁部132が折り畳まれて両端部の非接着部分13aを残して互いに接着された第2側壁13が、第2側辺112から底壁11と面一の状態で延出している。また、一対の第1側壁12が、一対のフラップ19が開かれた状態で折り畳まれている。このときに、一対のコーナー連結部16が一対の非接着部分13aそれぞれに差し入れられ、一対の係止部18を各先端に有する一対の面着舌片17が、一対の第1側壁12及び一対のフラップ19の一部の上に重ねられている。
【0031】
一対の面着舌片17及び一対の係止部18について説明する。一対の面着舌片17は、内壁部132において底壁11と対向する内壁端辺135の両端それぞれの辺部分135aから舌片状に延出し、各辺部分135aを谷折り目として谷折りに折り曲げられて底壁11に面着する部位である。また、一対の係止部18は、一対の面着舌片17それぞれにおいて一対の第1側壁12それぞれと対向する対向縁から突出し、一対の第1側壁12それぞれに係止する。ここで、一対の非接着部分13aそれぞれにおける内壁部132には斜行折り目136が設けられている。各斜行折り目136は、上記の交差方向D12に一対の第1側壁12それぞれから離れるにつれて外壁端辺133の山折り目から離れて内壁端辺135へと向かうように斜行する谷折り状の折り目である。一対の面着舌片17は、内壁端辺135の両端それぞれから一対の斜行折り目136それぞれの内壁端辺135側の端部に至る範囲の略全部を辺部分135aとし、当該辺部分135aから延出している。
【0032】
展開体1bから物品箱1への変形時には、
図4に示されているように一対の第1側壁12が展開方向D14開かれる。このとき、一対のコーナー連結部16の働きにより、第2側壁13が連動して起立方向D15に起立する。
【0033】
図6は、一対の第1側壁が開かれるときに第2側壁を連動させて起立させる一対のコーナー連結部の働きを示す模式図である。
【0034】
一対のコーナー連結部16の働きの前に、各コーナー連結部16の形状について、
図2を参照してもう少し詳細に説明する。一対のコーナー連結部16それぞれは、一対の第1側辺111それぞれにおける第2側壁の112側の端部、及び、第2側辺112の両端部それぞれの一致部を角部とした略矩形状を有する。そして、この角部から対角線状に延出した谷折り線161が設けられている。また、各谷折り線161は対角線の途中で止まっており、その終点から谷折り線161に直交して外側方へと向かうように切れ込み162が形成されている。
【0035】
さて、このような一対のコーナー連結部16の、展開体1bから物品箱1への変形時の働きについて
図6を参照しながら説明する。一対の第1側壁12が開かれるときの初期段階では、平板状に延びたコーナー連結部16が第2側壁13における非接着部分13aの内壁部132を内側から押上げつつ第2側壁13を起立させる。このとき、コーナー連結部16を内側へと押して谷折り線161で谷折りに折り曲げるように、第2側壁13を押圧して更に起立させる。また、この谷折り線161での谷折りは、コーナー連結部16における切れ込み162の先端側を非接着部分13aの外壁部131側に残しつつ行われる。そして、最終的に、コーナー連結部16は、外壁部131側がフック形状となった状態で、谷折り線161で谷折りに折り畳まれた状態で外壁部131及び内壁部132で挟まれることとなる。
【0036】
このようにして一対の第1側壁12及び第2側壁13の起立が行われた後に、一対の面着舌片17の折り込みと、一対の係止部18の一対の第1側壁12への係止が行われる。上述したように、展開体1bの状態では、一対の面着舌片17及び一対の係止部18は、一対の第1側壁12及び一対のフラップ19の上に重なっている。
図6に示されているように、一対の第1側壁12が開かれるときの初期段階において、非接着部分13aにおける内壁部132が斜行折り目136で一時的に谷折りに折り返される。これにより、一対の面着舌片17及び一対の係止部18が、一対の第1側壁12及び一対のフラップ19との干渉を回避しつつ一対の第1側壁12及び一対のフラップ19の内側に回り込まされる。内側への回り込みの後、内壁部132が斜行折り目136で折り戻され、上記のように折畳み状態となったコーナー連結部16を外壁部131及び内壁部132で挟みつつ、一対の面着舌片17が、底壁11に面着するように根本の辺部分135aで谷折りに折られる。そして、この面着舌片17の谷折りとともに、一対の係止部18の一対の第1側壁12への係止が行われる。
【0037】
ここで、本実施形態では、一対の第1側壁12それぞれには、一対の係止部18それぞれに対応した底壁11寄りの位置にスリット123が形成されている。一対の係止部18それぞれは、一対のスリット123に挿入係止することで一対の第1側壁12それぞれに係止する。この係止部18のスリット123への挿入係止により、展開体1bにおける
図5に示されているように蓋壁15以外の壁が起立状態となる。この後、第3側壁14が折り起こされて物品箱1が完成する。尚、物品の収容は、
図5に示されている3つの壁の起立状態の段階で行われてもよく、あるいは、
図1に示されている物品箱1の完成状態で行われてもよい。
【0038】
図5の展開体1bから
図1の物品箱1への変形について説明する。まず、第3側壁14が、蓋壁15とともに底壁11の第3側辺113から折り起される。このとき、一対の第1側壁12の第3側壁14側の端部には、第3側壁14に内側から面着する内側舌片24が設けられている。第3側壁14の折り起こしは、これら一対の内側舌片24が内側から面着するように行われる。その後、物品が収容空間A11に収容されるとともに、一対のフラップ19の折り曲げ、及び蓋壁15の閉塞が行われる。一対のフラップ19は、一対の第1側壁12それぞれにおける一対の第1側辺111それぞれに沿った側壁端辺122から収容空間A11の内側へと延出するように各側壁端辺122で折り曲げられる。この後、蓋壁15の閉塞が行われるが、この蓋壁15の閉塞は、蓋側被覆壁21、蓋側係止部22、及び一対のフラップ係止部23の変形とともに行われる。
【0039】
まず、蓋側被覆壁21は、蓋壁15において、第3側壁14の第3側壁端辺141に対向して延び、閉塞姿勢の際に第2側壁13の外壁端辺133に接する外壁側蓋端辺151から延出している。そして、蓋側被覆壁21は、閉塞姿勢の際に第2側壁13の外壁部131の外面に重ねられて当該外面を覆うように、外壁側蓋端辺151で折り曲げられる。
【0040】
蓋側係止部22は、蓋側被覆壁21における閉塞姿勢の際に底壁11の側となる先端辺211から両側に張出し部221を張り出させたT字形の舌片状に延出した部位である。蓋側係止部22は、閉塞時に先端辺211を山折り目として山折りに折り曲げられるとともに第2側壁13の外側から収容空間A11に進入するように第2側壁13に係止する。第2側壁13の外壁部131には、蓋側係止部22に対応した底壁11寄りの位置に外壁スリット131aが形成されている。蓋側係止部22は、第2側壁13における外壁部131側から外壁スリット131aに挿入係止する。外壁スリット131aにおける交差方向D12のスリット幅は、蓋側係止部22の交差方向D12に沿った係止幅よりも短くなっており、挿入係止時には、蓋側係止部22の両側の張出し部221が外壁スリット131aの収容空間A11側から交差方向D12に張り出した状態となる。また、外壁スリット131aにおける上辺部分からはロック爪131bが突出しており、蓋側係止部22が外壁スリット131aに挿入係止したときには、蓋側係止部22に設けられたロック孔222にロック爪131bが進入してロックされる。また、底壁11における外壁スリット131aの隣接箇所には、ミシン目で囲まれ、このミシン目を破って開いて蓋側係止部22の係止を解除することが可能な係止解除部分114(
図2)が設けられている。
【0041】
一対のフラップ係止部23は、蓋壁15において、第3側壁端辺141及び外壁側蓋端辺151それぞれの延在方向に対して交差して延びる一対の蓋側辺152それぞれから舌片状に延出する。一対のフラップ係止部23は、閉塞姿勢の際に収容空間A11に進入するとともに一対のフラップ19それぞれに係止する。このとき、一対のフラップ19それぞれには、一対のフラップ係止部23それぞれに対応した位置にフラップスリット191が形成されている。一対のフラップ係止部23それぞれは、一対の前記フラップスリット191に挿入係止することで一対のフラップ19それぞれに係止する。
【0042】
以上に説明した第1実施形態の物品箱1によれば、一対の第1側壁12の起立というワンタッチ動作によって第2側壁13も連動して起立し、これによって物品の収容空間A11が区画される。そして、二重壁構造の第2側壁13に連なる一対の面着舌片17それぞれから突出する係止部18が第1側壁12に係止されることで、上記のようにワンタッチ動作で区画された収容空間A11が維持されることとなる。このとき、収容空間A11を維持するための係止部18による係止が第1側壁12に対して行われるため、底壁11の厚み、つまりは、物品箱1の厚み寸法に上記の係止が何ら影響を与えることがない。つまり、上述の物品箱1によれば、配送コストを左右する厚み寸法を抑えることができる。
【0043】
ここで、本実施形態では、係止部18の係止時には非接着部分13aの内壁部132が斜行折り目136で一時的に谷折りに折り返され、面着舌片17及び係止部18が第1側壁12の内側に回り込んで当該内側から係止するように構成されている。この構成によれば、第1側壁12との干渉を回避しつつ良好な作業性の下で第1側壁12の内側から係止部18を係止させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、面着舌片17は、内壁端辺135の両端それぞれから斜行折り目136の端部に至る範囲の略全部に当たる辺部分135aから延出している。この構成によれば、面着舌片17は、非接着部分13aの内壁部132において、斜行折り目136で折り返される部分のみに繋がっていることとなる。このため、面着舌片17が内壁部132の折返しの邪魔になることがなく、一層良好な作業性の下で係止部18を係止させることができる。
【0045】
また、本実施形態では、略矩形状のコーナー連結部16に対角線状の谷折り線161が設けられ、非接着部分13aでは谷折り線161で谷折りに折り畳まれた状態で外壁部131及び内壁部132で挟まれる。この構成によれば、コーナー連結部16が上記の谷折り線161で折り畳まれることで、第1側壁12の起立に第2側壁13を効果的に連動させて起立させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、係止部18は、第1側壁12に設けられたスリット123に挿入係止することで第1側壁12に係止するように構成されている。この構成によれば、スリット123への挿入係止により係止部18を第1側壁12に強固に係止させることができ、つまりは、物品箱1における収容空間A11を強固に維持させることができる。
【0047】
また、本実施形態では、第1側壁12から内側へとフラップ19が延出している。この構成によれば、収容空間A11に収容された物品をフラップ19で押えて安定させることができる。
【0048】
また、本実施形態では、第2側壁13と対向する第3側壁14が設けられている。この構成によれば、物品の収容空間A11を、底壁11、一対の第1側壁12、及び第2側壁13に、第3側壁14を加えて強固に区画することができる。
【0049】
また、本実施形態では、第3側壁14に開閉可能な蓋壁15が設けられている。この構成によれば、蓋壁15が物品の収容空間A11を区画する部位と一体的に設けられているので、例えば別体の蓋部材を設ける場合等と比較して、部品点数を減らして、物品箱1を扱い易くすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、閉塞姿勢の際に第2側壁13の外壁部131の外面に重ねられて当該外面を覆う蓋側被覆壁21と、その先端辺211から舌片状に延出した蓋側係止部22と、が設けられている。この構成によれば、蓋側係止部22を第2側壁13に係止させることで、蓋壁15の閉塞姿勢を効果的に維持させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、蓋側係止部22は、第2側壁13の外壁部131に設けられた外壁スリット131aに挿入係止するように構成されている。この構成によれば、外壁スリット131aへの挿入係止により蓋側係止部22を第2側壁13に強固に係止させることができ、つまりは、蓋壁15の閉塞姿勢を強固に維持させることができる。
【0052】
また、本実施形態では、蓋壁15に一対のフラップ係止部23が設けられ、一対のフラップ19それぞれに設けられたフラップスリット191に挿入係止するように構成されている。この構成によれば、フラップスリット191への挿入係止によりフラップ係止部23をフラップ19に係止させることで、蓋壁15の閉塞姿勢を一層強固に維持させることができる。
【0053】
以上で第1実施形態の説明を終了し、次に、第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、第2側壁13の両端部の係止部18の係止形態のみが第1実施形態と異なっている。以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点に注目して説明し、全体構成等といった同一点については図示や説明を割愛する。
【0054】
図7は、第2実施形態の物品箱における特徴部分を示す図である。尚、この
図7では、
図1~
図6に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図1~
図6と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を省略する。
【0055】
第2実施形態の物品箱3では、第2側壁13の内壁部132における両端部の面着舌片17から突出した係止部18は、摩擦によって第1側壁32に係止している。本実施形態では、第1側壁32にスリットが設けられていない。係止部18は、面着舌片17が底壁11に面着するように内側へと折り込まれるにつれて、上方へとL字型に変形しつつ第1側壁32の内面を摺擦しつつ底壁11に向かってスライドする。そして、係止部18は、この摺擦の摩擦によって第1側壁32に係止する。尚、係止部18の摩擦による係止は、上記のようにL字型に変形する係止に限るものではなく、例えば、係止部18の先端が圧縮されつつ第1側壁32の内面を摺擦して第1側壁32に係止するものであってもよい。
【0056】
以上に説明した第2実施形態の物品箱3によっても、上述の第1実施係形態の物品箱1と同様に、配送コストを左右する厚み寸法を抑えることができることは言うまでもない。
【0057】
次に、第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、箱本体とは別体に箱状の蓋が設けられている点が第1実施形態と異なっている。
【0058】
図8は、第3実施形態の物品箱における箱本体を示す斜視図であり、
図9は、
図8に示されている箱本体を展開した一枚シートを示す平面図である。また、
図10は、第3実施形態の物品箱における箱状の蓋を示す斜視図であり、
図11は、
図10に示されている箱状の蓋を展開した一枚シートを示す平面図である。尚、これらの
図8~
図10では、
図1~
図6に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図1~
図6と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を省略する。
【0059】
まず、
図8に示されている箱本体4は、
図1に示されている物品箱1から蓋壁15を除いたものと略同等な形態となっている。ただし、本実施係形態では、外壁部431と内壁部432が重ねられた二重壁状の第2側壁43の外壁部431に外壁スリットは設けられていない。また、本実施係形態では、第2側壁43と対向する第3側壁44も、第2側壁43と同様に、外壁部441と内壁部442が重ねられた二重壁となっている。そして、第2側壁43の内壁部432に係止部18が設けられているのと同様に、第3側壁44の内壁部442に係止部18が設けられている。そして、フラップ19が設けられた第1側壁12と底壁11との境界部には、第2側壁43の係止部18用と、第3側壁44の係止部18用と、の二箇所にスリット123が形成されている。そして、
図9に一枚シート4aとして示されているように、箱本体4には、第1実施形態と同様のコーナー連結部16及び面着舌片17が、四隅に設けられている。
【0060】
他方、
図10に示されている箱状の蓋5、及び、
図11に示されている一枚シート5aは、フラップ19が設けられていない点を除けば、
図8に示されている箱本体4、及び、
図9に示されている一枚シート4aと同じ構造を有している。ただし、蓋5及び一枚シート5aは、箱本体4を内側に収めるように被せられることから、箱本体4及び一枚シート4aよりも若干大き目に形成されている。
【0061】
以上に説明した第3実施形態の物品箱では、これを構成する箱本体4及び箱状の蓋5が何れも上述の第1実施係形態の物品箱1と同様の形態を有していることから、配送コストを左右する厚み寸法を抑えることができることは言うまでもない。ここで、図示等は割愛したが、上述の第3実施形態においても、箱本体4及び箱状の蓋5について、各一枚シート4a,5aから、
図3に示されている第1実施形態の展開体1bと同様の展開体を作成しておき、適宜に箱本体4や蓋5へと変形して使用することとしてもよい。
【0062】
尚、前述した第1~第3実施形態は代表的な形態を示したに過ぎず、物品箱は、これらの実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、種々変形して実施することができる。
【0063】
例えば、前述した第1~第3実施形態では、物品箱の一例として、通信販売等で配送箱として利用されることが多い薄型矩形状の段ボール箱である物品箱1,3、及び、箱本体4及び箱状の蓋5からなる物品箱が例示されている。しかしながら、物品箱は、これに限るものではなく、通信販売以外の店頭販売はもちろん、販売以外の目的で使用される箱であってもよく、その使用形態を問うものではない。また、その形状は、薄型矩形状に限るものではなく、厚みのある矩形ブロック箱状に形成されてもよく、また、矩形以外の多角形箱や、側壁の一部が円弧状に湾曲したもの等であってもよい。具体的な形状は、使用目的等に応じて適宜に設定し得るものである。更に、箱の材質は、段ボール紙に限るものではなく、段ボール以外の厚紙、折り曲げ可能に形成された薄手のプラスチックや金属の板や、蝶番等でヒンジ連結された厚みのあるプラスチックや金属の板であってもよい。
【0064】
また、前述した第1~第3実施形態では、物品箱の一例として、非接着部分13aの内壁部132、432、442に斜行折り目136が形成された物品箱1,3、及び、箱本体4及び箱状の蓋5からなる物品箱、が例示されている。しかしながら、物品箱は、これらに限るものではなく、内壁部にこのような斜行折り目が形成されていないものであってもよい。ただし、内壁部132、432、442に斜行折り目136が形成されていることで、良好な作業性の下で係止部18の係止を行うことができる点は上述した通りである。
【0065】
また、前述した第1~第3実施形態では、面着舌片の一例として、内壁端辺135の端部から斜行折り目136の端部に至る範囲の略全部に当たる辺部分135aから延出した面着舌片17が例示されている。しかしながら、面着舌片17は、これに限るものではなく、内壁端辺135の端部から斜行折り目136の内壁端辺135側の端部に至る範囲よりも長い辺部分から延出するように構成してもよい。ただし、上記の範囲に収まる辺部分135aから面着舌片17を延出させることで、一層良好な作業性の下で係止部18を係止させることができる点は上述した通りである。尚、上記の範囲に収まる辺部分から延出させるのであれば、当該範囲の略全部に当たる辺部分135aから延出させなくとも、その一部から面着舌片を延出させることとしてもよい。
【0066】
また、前述した第1~第3実施形態では、コーナー連結部の一例として、略矩形状に形成され、対角線状の谷折り線161が設けられて折り畳まれた状態で外壁部131及び内壁部132で挟まれるコーナー連結部16が例示されている。しかしながら、コーナー連結部は、これに限るものではなく、第1側壁の起立に第2側壁を連動させて起立させることが可能であれば、矩形状でなくとも三角形状や扇状等であってもよく、また、谷折り線が設けられていなくともよい。ただし、略矩形状のコーナー連結部16に対角線状の谷折り線161が設けられた形状を採用することで、第1側壁12の起立に第2側壁13を効果的に連動させて起立させることができる点は上述した通りである。尚、上述の実施形態では、谷折り線161の起点が、矩形状の底壁11における第1側辺111の端部と第2側辺112の端部の一致部である角部となった形態が例示されている。しかしながら、底壁の形状が、矩形以外で第1側辺の端部と第2側辺の端部が離れた形状である場合には、一方の端部を角部とした形状にコーナー連結部を形成し、当該角部を起点に斜行折り目を形成することとしてもよい。また、角部の一部を落丁させることで、折り重なる紙の厚みを低減させてもよい。
【0067】
また、前述した第1~第3実施形態では、物品箱の一例として、係止部18がスリット123に挿入係止する物品箱1、箱本体4及び箱状の蓋5からなる物品箱、及び、係止部18が摩擦のみで係止する物品箱3が例示されている。しかしながら、物品箱は、これらに限るものではなく、係止部の係止形態は任意の形態を採用し得るものである。ただし、係止部18をスリット123に挿入係止する構成によれば、物品箱1における収容空間A11を強固に維持させることができる点は上述した通りである。
【0068】
また、前述した第1~第3実施形態では、物品箱の一例として、フラップ19が設けられた物品箱1,3、及び、箱本体4及び箱状の蓋5からなる物品箱が例示されている。しかしながら、物品箱は、これらに限るものではなく、上記のようなフラップを設けないこととしてもよい。ただし、フラップ19を設けることで、収容空間A11に収容された物品をフラップ19で押えて安定させることができる点は上述した通りである。
【0069】
また、前述した第1~第3実施形態では、物品箱の一例として、第2側壁13と対向する第3側壁14が設けられた物品箱1,3、及び、箱本体4及び箱状の蓋5からなる物品箱が例示されている。しかしながら、物品箱は、これらに限るものではなく、例えば第2側壁の対向側に特には壁を設けず、底壁と三面の側壁で囲まれた収容空間に収容された物品をラップシートで包む等といった構成であってもよい。ただし、第3側壁14を設けることで、物品の収容空間A11を強固に区画することができる点は上述した通りである。
【0070】
また、前述した第1及び第2実施形態では、物品箱の一例として、第3側壁14に開閉可能な蓋壁15が設けられた物品箱1,3が例示されている。しかしながら、物品箱は、これらに限るものではなく、例えば第3実施形態に例示されているように箱本体4とは別体の蓋5を設けることとしてもよい。ただし、第3側壁14に蓋壁15を設けることで、部品点数を減らして、物品箱1を扱い易くすることができる点は上述した通りである。
【0071】
また、前述した第1及び第2実施形態では、物品箱の一例として、蓋壁15に蓋側被覆壁21及び蓋側係止部22が設けられた物品箱1,3が例示されている。しかしながら、物品箱は、これらに限るものではなく、例えば蓋側被覆壁21を設けず蓋壁15の外壁側蓋端辺151に蓋側係止部22を設け、これに対応する外壁端辺133にスリットを設けて係止することとしてもよい。あるいは、例えば第3実施形態に例示されているように、蓋5を箱本体4に被せるだけの構造を採用してもよい。ただし、蓋側係止部22を第2側壁13に係止させることで、蓋壁15の閉塞姿勢を効果的に維持させることができる点は上述した通りである。
【0072】
また、前述した第1及び第2実施形態では、物品箱の一例として、蓋側係止部22が外壁スリット131aに挿入係止する物品箱1,3が例示されている。しかしながら、物品箱は、これらに限るものではなく、例えば第3実施形態に例示されているように、蓋5について如何なる係止構造も設けないこととしてもよい。ただし、蓋側係止部22が外壁スリット131aに挿入係止する構成によれば、蓋壁15の閉塞姿勢を強固に維持させることができる点は上述した通りである。
【0073】
また、前述した第1及び第3実施形態では、物品箱の一例として、蓋壁15のフラップ係止部23がフラップスリット191に挿入係止する物品箱1,3が例示されている。しかしながら、物品箱は、これらに限るものではなく、例えば第3実施形態に例示されているように、フラップ19についても係止構造を設けないこととしてもよい。ただし、フラップ係止部23がフラップスリット191に挿入係止することで、蓋壁15の閉塞姿勢を一層強固に維持させることができる点は上述した通りである。
【符号の説明】
【0074】
1,3 物品箱
1a,4a,5a 一枚シート
1b 展開体
4 箱本体
5 蓋
11 底壁
12,32 第1側壁
13,43 第2側壁
13a 非接着部分
14,44 第3側壁
15 蓋壁
16 コーナー連結部
17 面着舌片
18 係止部
19 フラップ
21 蓋側被覆壁
22 蓋側係止部
23 フラップ係止部
24 内側舌片
111 第1側辺
112 第2側辺
113 第3側辺
114 係止解除部分
121 第1側縁
122 側壁端辺
123 スリット
131,431,441 外壁部
131a 外壁スリット
131b ロック爪
132,432,442 内壁部
133 外壁端辺
134 第2側縁
135 内壁端辺
135a 辺部分
136 斜行折り目
141 第3側壁端辺
151 外壁側蓋端辺
152 蓋側辺
161 谷折り線
162 切れ込み
191 フラップスリット
211 先端辺
221 張出し部
222 ロック孔
D11 延在方向
D12 交差方向
D13 開閉方向
D14 展開方向
D15 起立方向