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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154639
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/04 20060101AFI20231013BHJP
   B65D 25/06 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
B65D25/04 Z
B65D25/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064096
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山内 寿敏
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AC02
3E062EA02
3E062EA07
3E062EB02
3E062EB05
3E062EC05
(57)【要約】
【課題】従来よりも仕切りの設置し易さに優れた容器を提供する。
【解決手段】本発明の一態様の容器は、相対する第1側壁部(21,22)を含む容器本体(2)に、仕切り(3)が設置可能であり、第1の端部(31)を一方の第1側壁部(21)の下凸部(211)に載せて回動中心として回動させると、第2の端部(32)が、他方の第1側壁部(22)の下凸部(211)よりも高い位置にある上凸部(212,213)に接触せず、または当該上凸部に接触しても乗り越えて、当該下凸部(211)に載置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁構成部および相対する第1側壁部を含む容器本体と、当該容器本体に設置可能な仕切りとを備え、
一方の前記第1側壁部と他方の前記第1側壁部には、内方に突出し、上下方向に間隔をもって設けられた複数個の凸部があり、
前記仕切りは、前記一方の第1側壁部の前記凸部に載置可能な第1の端部と、前記他方の第1側壁部の前記凸部に載置可能な第2の端部とを含み、前記第1の端部を前記凸部のうちの下方に位置する下凸部に載せて前記仕切りを回動させると、当該第2の端部が、前記他方の第1側壁部の前記凸部のうちの下方に位置する下凸部よりも高い位置にある上凸部に接触せず、または当該上凸部に接触しても乗り越えて、当該下凸部に載置可能とされる構成であり、
前記一方の第1側壁部の前記下凸部と、前記他方の第1側壁部の前記下凸部とは同じ高さに位置している、
容器。
【請求項2】
前記仕切りは、前記第1の端部と前記第2の端部との間の位置に設けられたヒンジ部によって連結された構造となっており、当該ヒンジ部から前記第2の端部までの領域が、当該ヒンジ部を回動中心として回動可能である、
請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記容器本体は、前記相対する第1側壁部のそれぞれに隣接する相対する第2側壁部を更に含み、
前記相対する第2側壁部のぞれぞれには、内方に突出して設けられた補助凸部が、前記第1側壁部の少なくとも一つの前記下凸部と同じ高さに設けられ、
前記補助凸部が前記ヒンジ部あるいは当該ヒンジ部の近傍を支持可能である、
請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記補助凸部は、上下方向に間隔をもって複数個設けられ、
前記複数個の補助凸部は、前記第1側壁部の前記凸部とそれぞれ同じ高さに設けられ、
前記仕切りは、前記回動において、前記第2側壁部の前記補助凸部のうちの前記下凸部と同じ高さの補助凸部が前記ヒンジ部あるいは当該ヒンジ部の近傍を支持することによって、当該ヒンジ部を回動中心として、当該ヒンジ部から当該第2の端部までの領域が、回動可能である、
請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記仕切りにおける、前記回動の軌跡上の前記他方の第1側壁部の前記上凸部に対応する領域に、切り欠き部が設けられている、
請求項1から4の何れか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記切り欠き部は、前記仕切りにおける前記第1の端部と前記第2の端部とにおける点対称位置、または、線対称位置にそれぞれ設けられ、
前記一方の第1側壁部および前記他方の第1側壁部のそれぞれには、前記下凸部よりも上方に上下方向に間隔をもって2個以上の上凸部が設けられ、前記上凸部のうちの下側に位置する第2の凸部は、上側に位置する第3の凸部に対して水平方向にずれた位置に配置され、
前記仕切りを回動させると、当該第2の端部が、前記他方の第1側壁部における前記第3の凸部には接触せず、当該第2の端部の前記切り欠き部が、前記第2の凸部を通過可能である、
請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記一方の第1側壁部および前記他方の第1側壁部には、前記凸部が上下方向に間隔をもって3個以上設けられており、前記底壁構成部に最も近い位置にあって前記下凸部である第1の前記凸部と、前記底壁構成部から最も遠い位置にある第3の前記凸部と、当該第1の凸部と当該第3の凸部との間に位置して前記下凸部になり得る1個以上の第2の前記凸部とを含み、
上下方向に間隔をもって設けられた各前記凸部のうち、1つの凸部を上下方向に挟んだ2つの凸部は、当該2つの凸部の各々が有する水平方向における両端部のうち一方が前記1つの凸部が有する水平方向における両端部のうち一方の端部に対して水平方向に所定の距離ずれた位置に配置され、前記2つの凸部は、当該2つの凸部の少なくとも一部分が上方からみて重なっている、
請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関し、内部に仕切りを設置可能な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、容器本体と、容器本体の収容部を高さ方向に区切る仕切りと、を備える容器が開示されている。容器本体の内面には、上下に複数の突起が設けられているが、上側の突起と下側の突起とは、水平方向に異なる位置に設けられている。仕切りには、容器本体に設けられた上側の突起に対応する位置に切欠きが設けられ、表裏反転させることで上側の突起または下側の突起に載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国実公昭60-001060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の容器の態様は、仕切りの設置が困難となる場合があり、仕切りの設置し易さの向上が望まれている。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、従来よりも仕切りの設置し易さに優れた容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る容器は、底壁構成部および相対する第1側壁部を含む容器本体と、当該容器本体に設置可能な仕切りとを備え、一方の前記第1側壁部と他方の前記第1側壁部には、内方に突出し、上下方向に間隔をもって設けられた複数個の凸部があり、前記仕切りは、前記一方の第1側壁部の前記凸部に載置可能な第1の端部と、前記他方の第1側壁部の前記凸部に載置可能な第2の端部とを含み、前記第1の端部を前記凸部のうちの下方に位置する下凸部に載せて前記仕切りを回動させると、当該第2の端部が、前記他方の第1側壁部の前記凸部のうちの下方に位置する下凸部よりも高い位置にある上凸部に接触せず、または当該上凸部に接触しても乗り越えて、当該下凸部に載置可能とされる構成であり、前記一方の第1側壁部の前記下凸部と、前記他方の第1側壁部の前記下凸部とは同じ高さに位置している。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、従来よりも仕切りの設置し易さに優れた容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る容器の分解図と、容器本体が折り畳み可能であることを示す斜視図である。
図2図1に示す容器本体の切断線A-A´における矢視断面図である。
図3図1に示す容器本体に仕切りを配置した状態を、図1に示す切断線B-B´における矢視断面図として見た断面図である。
図4図3に示す断面図において、仕切りを容器本体に設置する初期段階の状態を示す断面図である。
図5図3に示す断面図において、仕切りを容器本体に設置する際の図4よりも更に設置過程が進んだ状態を示す断面図である。
図6図1に示す容器において、仕切りの設置位置のバリエーションを説明する図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る容器の容器本体と仕切りの斜視図であり、容器本体は一部の側壁部を説明の便宜上除いた状態で示した図である。
図8図7に示す容器の切断線C-C´における矢視断面図であり、容器本体に仕切りを設置する過程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態に係る容器について、図面を用いて説明する。なお、図面には、XYZ系の三次元座標を併せて示しており、XY平面は水平面を規定し、Z軸は鉛直方向(Z軸負方向が重力方向)を規定している。
【0010】
本実施形態の容器1は、図1に示すように、容器本体2と、容器本体2に設置可能な仕切り3とを備える。容器本体2は、上に開口部が設けられた箱型の構造物である。容器本体2は、図1の下側に示すように折り畳むことができる構成となっているが、本発明はこれに限らない。すなわち、容器本体2は、折り畳むことができない構成であってもよい。仕切り3は、板状の構造物であり、容器本体2の収容空間に設置することによって、収容空間を、仕切り3と容器本体2の底壁構成部20との間の空間と、仕切り3を底とする空間とに仕切ることができる。
【0011】
容器本体2は、底壁構成部20と、相対する第1側壁部21,22と、相対する第2側壁部23,24を含む。一方の第1側壁部21と他方の第1側壁部22は、それぞれが底壁構成部20に連結されている。また、第1側壁部21と第1側壁部22とは、図1の中央に示すように箱状になった容器本体2の側壁の一部分を構成しており、底壁構成部20を挟んで対向する位置にある。相対する第2側壁部23,24についても、一方の第2側壁部23と他方の第2側壁部24は、それぞれが底壁構成部20に連結されている。また、第2側壁部23と第2側壁部24とは、図1の中央に示すように箱状になった容器本体2の側壁の一部分を構成しており、底壁構成部20を挟んで対向する位置にある。一方の第2側壁部23と他方の第2側壁部24は、一方の第1側壁部21と他方の第1側壁部22のそれぞれに隣接している。
【0012】
第1側壁部21,22および第2側壁部23,24は何れも底壁構成部20にヒンジ連結されている。これにより、図1の下側に示すように容器本体2は各側壁部21~24を底壁構成部20の底壁部の上方に寝かすように回動させて折り畳むことができる。一方、第1側壁部21,22および第2側壁部23,24を図1の下側に示す折り畳み状態から、図1の中央に示すように立ち上げた場合には、隣接する側壁部同士が連結した状態を維持することができるように構成されている。例えば、隣接する側壁部同士は、ロック機能(不図示)によるロックにより、側壁部同士を立ち上げた状態を維持する。なお、図1の下側に示す折り畳んだ状態において、第2側壁部23,24は底壁構成部20と第1側壁部21,22とに挟まれた状態となっている。つまり、底壁構成部20を最下層として、第2側壁部23,24と第1側壁部21,22とが順に折り重なっている。なお、第2側壁部23,24と第1側壁部21,22とが折り重なる順番は逆であってもよい。
【0013】
容器本体2には、仕切り3を所定の箇所において支持するために複数の凸部が設けられている。具体的には、容器本体2には、一方の第1側壁部21に、内方(X軸負方向)に突出し、上下方向(Z軸方向)に間隔をもって設けられた複数個の凸部211~213があり、他方の第1側壁部22に、内方(X軸正方向)に突出し、上下方向(Z軸方向)に間隔をもって設けられた複数個の凸部211~213(図3)がある。これら凸部211~213は、その上面に仕切り3を載置させることができる。凸部211~213は、後述するように所定の箇所に突設されていることから、これら凸部によって仕切り3が支持されることによって、容器本体2の収納空間が仕切られる。以下、凸部211~213について、図2を用いて説明する。
【0014】
図2には、一方の第1側壁部21の内側面21aを正面に見た図である。内側面21aには、上下(Z軸方向)に沿って異なる3箇所に凸部211~213が設けられている。以下では、3箇所に設けられた凸部211~213のうち、底壁構成部20に最も近い位置にあって、最も下方(Z軸の最も負側)に位置する凸部を、第1の凸部211(下凸部、最下凸部)と称する。また、底壁構成部20に最も遠い位置にあって、最も上方(Z軸の最も正側)に位置する凸部を、第3の凸部213(上凸部、最上凸部)と称する。また、第1の凸部211と第3の凸部213との間に位置する凸部を、第2の凸部(下凸部、中間凸部)212と称する。なお、本発明は上下方向(Z軸方向)に沿った3箇所に限らず、2箇所に凸部が設けられても良く、4箇所以上に凸部が設けられても良い。
【0015】
第1の凸部211は、一方の第1側壁部21の内側面21aにおいて、図2に示すようにY軸に沿った4箇所に設けられている。ここで、本実施形態の例では、第2側壁部23,24に比べて第1側壁部21,22が水平方向に沿った長さが長く、容器本体2は略直方体の形状である。そのため、水平方向の長さが長い第1側壁部21においては、Y軸方向における中間部分にも複数の第1の凸部211が設けられていて、載置させた仕切り3を撓ませない。
【0016】
なお、第1の凸部211は、一方の第1側壁部21に限らず、他方の第1側壁部22の内側面22a(図3)にも設けられ、一方の第1側壁部21の第1の凸部211と、他方の第1側壁部22の第1の凸部211とは、同じ高さ(Z軸に沿った高さ)に設けられている。一方の第1側壁部21の内側面21aの第1の凸部211と、他方の第1側壁部22の内側面の第1の凸部211とは、容器本体2を上方からみたときに容器本体2の中心点を中心として点対称の位置に配設されている。しかしながら、これに限定されず、容器本体2を上方からみたときに容器本体2の中心点を通るY軸の線に対して線対称の位置に配設されていてもよい。
【0017】
第2の凸部212は、基本的な構成は第1の凸部211と同一であるが、図2に示すように、第2の凸部212の位置は、第1の凸部211の位置に対して水平方向に所定の距離ずれている。このずれは、後述する仕切り3の切り欠き部30の配設位置に関連して、仕切り3の向きを変えるだけで、第1の凸部211に仕切り3を載置させる場合と、第2の凸部212に仕切り3を載置させる場合とを実現できることに寄与する。なお、そのように仕切り3が構成されていることは本発明において必須ではなく、よって、上述のずれも必須ではない。すなわち、第1の凸部211の位置と第2の凸部212の位置とは、Z軸に沿って揃っていてもよい。なお、第2の凸部212は、一方の第1側壁部21の内側面21aに限らず、他方の第1側壁部22の内側面22a(図3)にも同じ高さ(Z軸に沿った高さ)に設けられている。また、第1の凸部211と同様に、一方の第1側壁部21に設けられている位置と、他方の第1側壁部22に設けられている位置とは、点対称または線対称となっている。
【0018】
第3の凸部213は、基本的な構成は第1の凸部211と同一であり、図2に示すように、第1の凸部211の位置と第3の凸部213の位置とは、Z軸に沿って揃っている。これは換言すれば、第2の凸部212の位置は、第3の凸部213の位置に対して水平方向に所定の距離ずれている。なお、第3の凸部213は、一方の第1側壁部21の内側面21aに限らず、他方の第1側壁部22の内側面にも同じ高さ(Z軸に沿った高さ)に設けられている。また、第1の凸部211と同様に、一方の第1側壁部21に設けられている位置と、他方の第1側壁部22に設けられている位置とは、点対称または線対称となっている。
【0019】
ここで、図2に二点破線で囲んだ部分の拡大図を示しているが、以上の各凸部211~213は、上面を除いて、突出方向に沿った面51~53を含む。このうち、一方の第2側壁部23に対向する側方面51は、突出先端側に向かうに従って一方の第2側壁部23から徐々に離れるように傾斜している。また、他方の第2側壁部24に対向する側方面52は、突出先端側に向かうに従って他方の第2側壁部24から徐々に離れるように傾斜している。また、底壁構成部20に対向する下方面53は、突出先端側に向かうに従って底壁構成部20から徐々に離れるように傾斜している。
【0020】
このように面51~53が傾斜していることにより、容器本体2の収容空間に収容した物品を取り出す際に、各凸部211~213によって物品が傷つきにくい。また、特に第2側壁部23,24寄りの凸部211~213における側方面51,52は、図1に示すように容器本体2を折り畳んだり組み立てたりする際に第2側壁部23,24に干渉しにくい。さらに、第2側壁部23,24を回動させて折り畳んだり組み立てたりする際に第1側壁部21,22が外側(X軸方向)に開くようにガイドされるので、凸部211~213が設けられていても折り畳み、あるいは、組み立て作業がし易い。また、特に第2の凸部212および第3の凸部213のそれぞれの下方面53は、後述するように仕切り3の設置において挿入される仕切り3に干渉しない。
【0021】
図2に示す一方の第1側壁部21の内側面21aには、第1の凸部211の上側に、Y軸方向に沿って延設された凹溝である凹部21bが設けられている。この凹部21bと同一の凹溝は、他方の第1側壁部22にも、凹部21bと同じ高さに設けられている。凹部21bについては、後述する。
【0022】
本実施形態では、一方の第1側壁部21と他方の第1側壁部22とは、同一の部材が用いられている。この場合、一方の第1側壁部21と他方の第1側壁部22の共通化が図られ、容器本体2(第1側壁部21,22)の製造作業の向上、保管効率の向上、およびコスト削除等が可能である。
【0023】
仕切り3は、図1に示すように、容器本体2の収容空間の形状に合わせて長方形を有しており、長辺(Y軸)に沿った一対の端部である第1の端部31と第2の端部32には、切り欠き部30が設けられている。
【0024】
仕切り3が第1の凸部211の上面に載置された状態を図3に示す。図3は、図1に示す切断線B-B´における矢視断面図であるが、二点破線で囲んだ2箇所の領域の拡大断面図も併せて示している。拡大断面図からも分かるように、先述した第1の凸部211は、一方の第1側壁部21に設けられている位置と、他方の第1側壁部22に設けられている位置とが点対称または線対称となっている。そのため、図3の左下の拡大図に示す第1の凸部211は断面で示されているのに対し、図3の右下の拡大図に示す第1の凸部211は断面ではなく側方面52が図示されている。
【0025】
仕切り3のX軸方向に沿った長さは、一方の第1側壁部21の内側面21aと、他方の第1側壁部22の内側面22aとの間の幅とほぼ同じか、仕切り3のX軸方向に沿った長さのほうが僅かに短く構成されている。
【0026】
ここで、先述した凹部21bおよび凹部22bは、それぞれ、第1凹部内面410と、第2凹部内面420とを含む。第1凹部内面410は、第1の凸部211の上面に隣接する面であり、Z軸に対して斜め上方を向いた面である。第2凹部内面420は、第1凹部内面410の上方に位置している面であり、斜め下方を向いた面である。第1凹部内面410は、一方の第1側壁部21と他方の第1側壁部22との間の幅を外方に拡げた部分として構成されている。そのため、凹部21bおよび凹部22bにおいて、より具体的には第1凹部内面410における第2凹部内面420に近接した領域の部分において、一方の第1側壁部21と他方の第1側壁部22との間の幅は、内側面21aと内側面22aとの間の幅よりも広くなっている。このように、凹部21bおよび凹部22bにおいて一方の第1側壁部21と他方の第1側壁部22との第1凹部内面410間が上方(Z軸正方向)に向けて幅広になっており、第2凹部内面420がそれぞれ下方(Y軸負方向)に向けて外方(X軸方向)に広がるように第1凹部内面410に連接されていることにより、仕切り3を回動させながら第1の凸部211の上面に載置させ易い。
【0027】
なお、第1凹部内面410のZ軸に沿った幅は、仕切り3のZ軸に沿った厚さより長い。第1凹部内面410の斜め上方に傾いた角度、すなわちZ軸に対する傾斜角度は、仕切り3の設置にあたって仕切り3を後述するように傾斜させたときの仕切り3の端面33の傾斜角度と等しいか、それより大きい角度である。
【0028】
第1の凸部211の上面への仕切り3の設置について、図4および図5を用いて説明する。ここで、仕切り3は、一方の第1側壁部21の第1の凸部211(下凸部)に載置可能な第1の端部31(図1)と、第1の凸部211と同じ高さの他方の第1側壁部22の第1の凸部211(下凸部)に載置可能な第2の端部32とを含む。そして、図4に示すように、当該載置においては、第1の端部31を一方の第1側壁部21の第1の凸部211(下凸部)に載せて第1の端部31を回動中心として回動させると、当該第2の端部32が、他方の第1側壁部22の第1の凸部211(下凸部)よりも高い位置にある他方の第1側壁部22の第2の凸部212と第3の凸部213(上凸部、最上凸部)に接触せず、または接触しても乗り越えて、他方の第1側壁部22の第1の凸部211(下凸部)に載置される。
【0029】
図4は、仕切り3の第2の端部32が回動の遠位端として、仕切り3が、他方の第1側壁部22の第3の凸部213近傍を回動している状態を示している。この状態で、第2の端部32は、他方の第1側壁部22の第3の凸部213から離れており、第3の凸部213に接触しない。
【0030】
仕切り3の第1の端部31は、図4の左下に示す拡大断面図に示すように、一方の第1側壁部21の第1の凸部211に載った状態で、回動中心となる。先述のように、第1の端部31側の端面33は、この状態のとき、凹部21bに入り込んでおり、端面33の少なくとも一部が第1凹部内面410に当接している。換言すれば、端面33の少なくとも一部が第1凹部内面410に当接することにより、仕切り3を位置決めしている。
【0031】
図5は、図4から更に仕切り3の回動を進めた状態を示しており、第2の端部32が、他方の第1側壁部22の第2の凸部212近傍を回動している状態を示している。この状態で、第2の端部32は、他方の第1側壁部22の第2の凸部212に近接するが、図5の右下の拡大断面図に示すように、第2の端部32に設けられた切り欠き部30によって、第2の凸部212と接触しない、または接触しても乗り越える。換言すれば、第2の端部32に設けられた切り欠き部30が他方の第1側壁部22の第2の凸部212を通過する(通過可能である)。これにより、仕切り3は更に回動して、図3に示す状態となって、第1側壁部22の第1の凸部211の上面に、仕切り3の第2の端部32が載置された状態となる。
【0032】
切り欠き部30は、仕切り3の第2の端部32における、第1の端部31を回動中心とした回動の軌跡上の他方の第1側壁部22の第2の凸部212(上凸部)に対応する領域に設けられている。なお、本実施形態の容器1では、切り欠き部30は、一方の第1側壁部21および他方の第1側壁部22にそれぞれ設けられた第2の凸部212の位置に対応する領域に設けられている。すなわち、容器1は、仕切り3を第1の凸部211に載置する際に、他方の第1側壁部22の第1の凸部211に仕切り3の第2の端部32を先ず載置して、これを回動中心として、第1の端部31を遠位端として回動させる態様であってもよい。この態様であっても、切り欠き部30が、一方の第1側壁部21の第2の凸部212(上凸部)を通過可能である。第2の端部32を回動中心とする場合でも、図3に示すように他方の第1側壁部22の第1の凸部211の上側に設けられた凹部22bによって、仕切り3を他方の第1側壁部22の第1の凸部211に位置決めすることが可能である。
【0033】
仕切り3を第3の凸部213に載置する際には、仕切り3の第1の端部31または第2の端部32を持ち上げて傾斜させてどちらかの端部31,32を先に第3の凸部213に載置して回動中心として回動して載置する。あるいは、仕切り3を水平にした状態で下降させて第3の凸部213に載置してもよい。
【0034】
仕切り3を第2の凸部212に載置する際には、図3から図5に示した仕切り3を、Y軸を回転軸として上下反転した状態にして使用する。その状態の仕切り3を、容器本体2の開口側から水平にした状態で下降させることで、切り欠き部30が第3の凸部213を通過する。これにより、仕切り3は、第3の凸部213に干渉することなく、更に下降し、第3の凸部213とは水平方向に位置がずれている第2の凸部212に載置される。なお、仕切り3を水平とする代わりに、仕切り3の第1の端部31または第2の端部32を持ち上げて傾斜させてどちらかの端部31,32を先に第2の凸部212に載置して回動中心として回動して載置してもよい。なお、上下反転させて仕切り3の向きを変えるのではなく、水平方向に回転させてもよい。ここで、仕切り3の表と裏の一部または全体の色を変えて、どちらの向きで載置されているか一目でわかるようにしてもよい。これは、仕切り3を上下反転させる態様において目印となる。また、各凸部211~213にも色を付け、仕切りの色と対応させるようにすれば、ユーザが視覚的に仕切り3の上下の向きを判断することができる。
【0035】
以上のように、仕切り3を第1の凸部211、第2の凸部212、および第3の凸部213の少なくとも何れかに載置することで、収納空間を仕切ることができる。図6には、2つのタイプの仕切り態様を示している。図6は、説明の便宜上、図1に示す他方の第1側壁部22および他方の第2側壁部24の図示を省略しており、仕切り3を仮想的に示している。図6の上側のタイプは、第1の凸部211に仕切り3を載置しており、更に別の仕切り3を第3の凸部213に載置している。このタイプによれば、収納空間を上段、中段、下段の3つに仕切ることができる。図6の下側のタイプは、第2の凸部212のみに仕切り3を載置して、収納空間を上段、下段の2つに仕切っている。また、図示していないが、仕切り3を第1の凸部211、第2の凸部212、および、第3の凸部213に載置して、上下方向(Z軸方向)に4つに仕切ることもできる。このように、共通の仕切り3を使用して載置位置を変えるだけで収納空間を異なる態様に仕切ることができる。すなわち、仕切り3の設置し易さに優れた容器を提供することができる。容器本体2および仕切り3は、樹脂製である。容器本体2は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等により構成される。仕切り3は、例えば、段ボールプラスチック(所謂、段プラ)、樹脂製シート材等により構成される。
【0036】
なお、本実施形態では、容器本体2の長辺に沿った内側面21a,22aに凸部211~213を配設しているが、これに代えて、または、加えて容器本体2の短辺に沿った第2側壁部23,24に凸部211~213を配設してもよい。
【0037】
なお、本実施形態では、凸部211~213はいずれも水平方向に同じ幅を有しているが、これに限らず、第1の凸部211が、他の凸部(第2の凸部212、第3の凸部213)の幅に比べて幅広になっていてもよい。この場合、上下方向に間隔をもって設けられた各前記凸部のうち、1つの凸部を上下方向に挟んだ2つの凸部は、当該2つの凸部の各々が有する水平方向における両端部のうち一方が前記1つの凸部が有する水平方向における両端部のうち一方の端部に対して水平方向に所定の距離ずれた位置に配置され、前記2つの凸部は、当該2つの凸部の少なくとも一部分が上方からみて重なっている。一例として、幅広の第1の凸部の幅は、第2の凸部212の幅と、第3の凸部213の幅とを足し合わせた長さとすることができ、この場合、容器を上方からみたときに、幅広の第1の凸部は、第2の凸部212および第3の凸部213の双方と重なっていている。すなわち、第3の凸部が、第2の凸部に対して水平方向に所定の距離ずれた位置に配置される一方、第1の凸部は、第2の凸部と上下方向に沿って揃っているとともに、第3の凸部と上下方向に沿って揃っている。ただし、この例に限らず、幅広の第1の凸部の幅は、第2の凸部212の幅と、第3の凸部213の幅とを足し合わせた長さよりも長くても良い。また、図2の例の変形例として、第1の凸部211の設置数を、第2の凸部212の設置数、および第3の凸部213の設置数よりも多くしても良い。これにより、多数の第1の凸部に仕切り3が配置される構成となり、仕切り3をバランス良く設置することができる。また、幅広の第1の凸部は、一方の第1側壁部21と他方の第1側壁部22との隣接箇所近傍、すなわち第1側壁部の外方端部、に設けられていても良い。これにより、最下凸部である第1の凸部に仕切り3を配置した場合に、外方端部において仕切り3を支えられるため、仕切り3をバランス良く設置することができる。
【0038】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
本実施形態2は、仕切り3の構成が上述の実施形態1の仕切り3と相違しており、更に、仕切り3の構成に併せて容器本体2の凸部の構成が上述の実施形態1と異なっている点において相違する。
【0040】
図7は、本実施形態の容器1の分解図であるが、説明の便宜上、容器本体2の側壁部の一部分を簡略化して図示している。本実施形態は、略直方体の容器本体2の短辺側の側壁部が第1側壁部21,22であり、長辺側の側壁部が第2側壁部23,24である。そして、実施形態1で説明した凸部211~213は、第1側壁部21,22に設けられている。すなわち、凸部211~213は、第1側壁部21,22のそれぞれの内側面21a,22a(図7では21aは不図示)においてY軸に沿って突出している。
【0041】
仕切り3は、図7に示すように、第1の端部31と第2の端部32との間に設けられたヒンジ部6によって連結された構造である。仕切り3は、ヒンジ部6を回動中心として、第1の端部31側の領域と、第2の端部32側の領域とが回動可能である。ヒンジ部6の延設方向は、仕切り3が第1の端部31を回動中心として回動する際の当該回動中心の延設方向、すなわち図7のX軸と平行となるように構成されている。
【0042】
容器本体2の第2側壁部23,24のぞれぞれには、内方に突出し、上下に3個の補助凸部230(補助凸部230a~230c)が設けられている。補助凸部230aは、第1側壁部21,22の第1の凸部211と同じ高さに設けられている。補助凸部230bは、第1側壁部21,22の第2の凸部212と同じ高さに設けられている。補助凸部230cは、第1側壁部21,22の第3の凸部213と同じ高さに設けられている。3つの補助凸部230a~230cは、上下方向(Z軸方向)に並んで配されている。補助凸部230a~230cのそれぞれの構造は、第1の凸部211~第3の凸部213の構造と同一(側方面51,52、下方面53に相当する構造も有する)である。
【0043】
本実施形態における仕切り3の設置について図8を用いて説明する。図8の上側の容器本体2(i)に示すように、仕切り3を第1の端部31から容器本体2の収容空間にZ軸負方向に挿し込み、第1の端部31が第1側壁部21の第1の凸部211へと向かうように水平方向に仕切り3を進める。次に、第1の端部31を一方の第1側壁部21の第1の凸部211に載置させた状態で第1の端部31を回動中心として回動させる。この回動により、第1の凸部211と同じ高さの補助凸部230aに、ヒンジ部6が載置される。なお、回動させずに第1の端部31およびヒンジ部6を第1の凸部211および補助凸部230aに載置してもよい。これを、図8の容器本体2(ii)に示す。
【0044】
図8の容器本体2(ii)に示すように、ヒンジ部6が補助凸部230aに載置されると、回動中心がヒンジ部6に変わる。そして、図8の容器本体2(iii)に示すように、補助凸部230aにヒンジ部6が載置された状態においてヒンジ部6を回動中心として第2の端部32側の領域が回動して、第2の端部32が他方の第1側壁部22の第1の凸部211に載置される。この回動の間、他方の第1側壁部22の第3の凸部213に第2の端部32は接触しない、または接触しても乗り越え、回動が進んで他方の第1側壁部22の第2の凸部212に近接した状態では切り欠き部30が当該第2の凸部212を通過することで接触しないまたは接触しても乗り越える構成となっている。回動が完了することにより、図8の下側の容器1に示すように、仕切り3が容器本体2の第1の凸部211上に設置される。
【0045】
本実施形態によれば、仕切り3の回動半径を実施形態1の態様よりも小さくすることができる。なお、図8では、補助凸部230(230a)は、ヒンジ部6の直下に位置するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、補助凸部230(230a)は、仕切り3を載置した状態において、ヒンジ部6の近傍となるように設けられてもよい。例えば、補助凸部230(230a)は、ヒンジ部6を挟んでY軸方向における左右に設けられてもよい。
【0046】
本実施形態では、3つの補助凸部230a~230cは上下(Z軸に沿って)に並んで配設されているため、第2の凸部212に仕切り3を載置する場合にも、図8に示したように仕切り3(ヒンジ部6から端部までの部位や仕切り3自体)を回動させて設置する。
【0047】
なお、補助凸部230は、第1の凸部211~第3の凸部213とそれぞれ同じ高さに設けられていることから、仕切り3が第1の凸部211~第3の凸部213の何れかに載置された状態となると、それと同じ高さに位置する補助凸部230は、仕切り3が撓んだり折れ曲がらないように支持する支持部材として機能する。
【0048】
なお、本実施形態では、ヒンジ部6を仕切りの中間位置に設けているが、ヒンジ部の位置を仕切り3の端部寄りに設けてもよい。また、ヒンジ部は、複数設けてもよい。
【0049】
なお、本実施形態で説明したヒンジ部6を備えた仕切り3は、実施形態1の仕切り3として適用可能である。
【0050】
また、実施形態1あるいは本実施形態で説明した仕切り3と異なる仕切りを組み合わせて(各段に載置される仕切りを変えて)使用してもよい(例えば、実施形態1と本実施形態の仕切り3を組み合わせてもよいし、これらの形態とは別の仕切りを組み合わせてもよい)。
【0051】
また、各凸部の位置、個数は限定されない。また、実施形態1と実施形態2との各凸部を組み合わせてもよいし、兼用(各凸部と補助凸部とを兼用)させてもよい(各凸部は短辺、長辺の何れか一方または両方に設けられていてもよい)。
【0052】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る容器は、底壁構成部および相対する第1側壁部を含む容器本体と、当該容器本体に設置可能な仕切りとを備え、一方の前記第1側壁部と他方の前記第1側壁部には、内方に突出し、上下方向に間隔をもって設けられた複数個の凸部があり、前記仕切りは、前記一方の第1側壁部の前記凸部に載置可能な第1の端部と、前記他方の第1側壁部の前記凸部に載置可能な第2の端部とを含み、前記第1の端部を前記凸部のうちの下方に位置する下凸部に載せて前記仕切りを回動させると、当該第2の端部が、前記他方の第1側壁部の前記凸部のうちの下方に位置する下凸部よりも高い位置にある上凸部に接触せず、または当該上凸部に接触しても乗り越えて、当該下凸部に載置可能とされる構成であり、前記一方の第1側壁部の前記下凸部と、前記他方の第1側壁部の前記下凸部とは同じ高さに位置している。
【0053】
前記態様1の構成によれば、従来よりも仕切りの設置し易さに優れた容器を提供することができる。
【0054】
本発明の態様2に係る容器は、前記態様1において、前記仕切りは、前記第1の端部と前記第2の端部との間の位置に設けられたヒンジ部によって連結された構造となっており、当該ヒンジ部から前記第2の端部までの領域が、当該ヒンジ部を回動中心として回動可能である。
【0055】
前記態様2の構成によれば、ヒンジ部を折り曲げて仕切りを下凸部に載置し易い。回動半径を小さくできるので、回動させた時、他方の第1側壁部の上凸部に接触し難い。
【0056】
本発明の態様3に係る容器は、前記態様2において、前記容器本体は、前記相対する第1側壁部のそれぞれに隣接する相対する第2側壁部を更に含み、前記相対する第2側壁部のぞれぞれには、内方に突出して設けられた補助凸部が、前記第1側壁部の少なくとも一つの前記下凸部と同じ高さに設けられ、前記補助凸部が前記ヒンジ部あるいは当該ヒンジ部の近傍を支持可能である。
【0057】
前記態様3の構成によれば、仕切りを支持することができるため、仕切りの強度低下を軽減することができる。
【0058】
本発明の態様4に係る容器は、前記態様3において、前記補助凸部は、上下方向に間隔をもって複数個設けられ、前記複数個の補助凸部は、前記第1側壁部の前記凸部とそれぞれ同じ高さに設けられ、前記仕切りは、前記回動において、前記第2側壁部の前記補助凸部のうちの前記下凸部と同じ高さの補助凸部が前記ヒンジ部あるいは当該ヒンジ部の近傍を支持することによって、当該ヒンジ部を回動中心として、当該ヒンジ部から当該第2の端部までの領域が、回動可能である。
【0059】
前記態様4の構成によれば、仕切りを回動させ易い。
【0060】
本発明の態様5に係る容器は、前記態様1から4において、前記仕切りにおける、前記回動の軌跡上の前記他方の第1側壁部の前記上凸部に対応する領域に、切り欠き部が設けられている。
【0061】
前記態様5の構成によれば、仕切りを上凸部に干渉させずに回動させることができ、仕切りの設置が容易である。
【0062】
本発明の態様6に係る容器は、前記態様5において、前記切り欠き部は、前記仕切りにおける前記第1の端部と前記第2の端部とにおける点対称位置、または、線対称位置にそれぞれ設けられ、前記一方の第1側壁部および前記他方の第1側壁部のそれぞれには、前記下凸部よりも上方に上下方向に間隔をもって2個以上の上凸部が設けられ、前記上凸部のうちの下側に位置する第2の凸部は、上側に位置する第3の凸部に対して水平方向にずれた位置に配置され、前記仕切りを回動させると、当該第2の端部が、前記他方の第1側壁部における前記第3の凸部には接触せず、当該第2の端部の前記切り欠き部が、前記第2の凸部を通過可能である。
【0063】
前記態様6の構成によれば、上下方向に3個以上の凸部を設けて容器本体の収容空間を4段以上に区切ることが可能であり、収容空間の大きさや使用用途に応じて2段または3段に区切るなど適宜段数を設定することが可能である。仕切りを水平方向に回転させるか、上下(表裏)反転させる(向きを変える)ことによって、任意の凸部に載置する、または、任意の凸部を通り抜けるように通過可能である。上下方向に3個以上の凸部がある場合に、仕切りを回動させることと、仕切りの向きを変えることとを組み合わせることによって、1つの、または、少数の仕切りによって、任意の段数の空間に収納空間を区画することができる。
【0064】
本発明の態様7に係る容器は、前記態様1において、前記一方の第1側壁部および前記他方の第1側壁部には、前記凸部が上下方向に間隔をもって3個以上設けられており、前記底壁構成部に最も近い位置にあって前記下凸部である第1の前記凸部と、前記底壁構成部から最も遠い位置にある第3の前記凸部と、当該第1の凸部と当該第3の凸部との間に位置して前記下凸部になり得る1個以上の第2の前記凸部とを含み、上下方向に間隔をもって設けられた各前記凸部のうち、1つの凸部を上下方向に挟んだ2つの凸部は、当該2つの凸部の各々が有する水平方向における両端部のうち一方が前記1つの凸部が有する水平方向における両端部のうち一方の端部に対して水平方向に所定の距離ずれた位置に配置され、前記2つの凸部は、当該2つの凸部の少なくとも一部分が上方からみて重なっている。
【0065】
前記態様7の構成によれば、容器本体の収容空間を3段以上に区切ることができる。また、前記態様7の構成によれば、上下方向に間隔をもって設けられた各前記凸部のうち、1つの凸部を上下方向に挟んだ2つの凸部は、前記1つの凸部に対して水平方向に所定の距離ずれた位置に配置され、前記2つの凸部は、当該2つの凸部の各々が有する水平方向における両端部のうち一方が前記1つの凸部が有する水平方向における両端部のうち一方の端部に対して水平方向に所定の距離ずれた位置に配置されている。そのため、上下方向に間隔をもって設けられた各凸部の全てが、例えば階段状のように、水平方向に所定の距離ずれた位置に配置される場合に比べて、各凸部に仕切りを載置する場合に、仕切りを比較的バランスよく載置できる。なお、態様7の構成は、前記2つの凸部の各々が有する水平方向における両端部のうち少なくとも一方が上述の構成を満たし当該一方とともに当該両端部のうちの他方についても上述の構成を満たして良いが、当該一方のみが上述の構成を満たし当該他方は上述の構成を満たさなくても良い。
【0066】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1 容器
2 容器本体
3 仕切り
6 ヒンジ部
20 底壁構成部
21 一方の第1側壁部
22 他方の第1側壁部
21a,22a 内側面
21b,22b 凹部
23,24 第2側壁部
31 第1の端部
32 第2の端部
33 端面
51,52 側方面
53 下方面
211 第1の凸部(凸部、下凸部)
212 第2の凸部(凸部、下凸部、上凸部)
213 第3の凸部(凸部、上凸部)
230、230a、230b、230c 補助凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8