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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154678
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20231013BHJP
   H04N 23/52 20230101ALI20231013BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20231013BHJP
   H01L 23/373 20060101ALI20231013BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H05K7/20 F
H04N5/225 430
G03B17/55
H05K7/20 N
H01L23/36 M
H01L23/36 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064177
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】山田 悠太
【テーマコード(参考)】
2H104
5C122
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
2H104CC00
5C122EA03
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE19
5E322AA03
5E322AA07
5E322AA11
5E322AB06
5E322FA04
5F136BC06
5F136DA33
5F136EA02
5F136FA01
5F136FA03
5F136FA23
5F136FA53
5F136GA35
(57)【要約】
【課題】電子部品が発生した熱を効率良く放熱し、可動ユニットの固定ユニットに対する移動の抵抗を減らす。
【解決手段】電子機器10は、第1ユニット200bと、該第1ユニットに対して移動が可能な第2ユニット200aと、第1ユニットおよび第2ユニットのうち一方に含まれる電子部品230と、第1ユニットに設けられた第1伝熱部材280bと第2ユニットに設けられた第2伝熱部材280aとを伝熱可能に接続する熱接続構造200cとを有する。熱接続構造は、第1伝熱部材と第2伝熱部材との間に配置され、第2ユニットの移動に伴って変形可能な可撓性を有する中空部材290cと、該中空部材の内部に配置された流動性を有する熱伝導材料600とを有する
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユニットと、
前記第1ユニットに対して移動が可能な第2ユニットと、
前記第1ユニットおよび前記第2ユニットのうち一方に含まれる電子部品と、
前記第1ユニットに設けられた第1伝熱部材と前記第2ユニットに設けられた第2伝熱部材とを伝熱可能に接続する熱接続構造とを有し、
前記熱接続構造は、
前記第1伝熱部材と前記第2伝熱部材との間に配置され、前記第2ユニットの移動に伴って変形可能な可撓性を有する中空部材と、
前記中空部材の内部に配置された流動性を有する熱伝導材料とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記熱伝導材料が、前記第1伝熱部材と前記第2伝熱部材に接触していることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記熱接続構造は、前記中空部材を保持する第1固定部材および第2固定部材を有し、
前記第1固定部材が前記第1伝熱部材に固定され、前記第2固定部材が前記第2伝熱部材に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1および第2固定部材は、前記熱伝導材料を前記第1および第2伝熱部材に接触させるための開口を有することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記中空部材は、シリコーンゴムにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1および第2固定部材は、インサート成形により前記中空部材と一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2ユニットは、前記第1ユニットに対して第1方向に位置し、該第1方向に直交する第2方向への移動が可能であり、
前記中空部材は、前記熱伝導材料を囲む周壁部を有し、
前記周壁部は、前記第2ユニットの未移動状態において、前記第2方向における外側に凸の曲面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1伝熱部材の前記熱接続構造との接続面と前記第2伝熱部材の前記熱接続構造との接続面との間の前記第1方向での距離をX、前記第2ユニットの前記第2方向での最大可動距離をY、前記中空部材の前記周壁部おける前記接続面間での母線の長さをLとするとき、
L≧√(X+Y
なる条件を満足することを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記熱伝導材料は液体金属であり、
前記第1および第2伝熱部材は、前記液体金属に対する耐腐食性を有する金属により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第1および第2伝熱部材のうち少なくとも一方における前記熱接続構造が接触する領域に環状の溝が形成されており、
該溝の内側に配置された接着剤により前記熱接続構造が前記第1および第2伝熱部材に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記中空部材における前記第1および第2固定部材側の端部がそれぞれ、前記第1および第2固定部材を前記中空部材側から前記第1および第2伝熱部材側に貫通して突出し、前記第1および第2伝熱部材に接触していることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記第1および第2伝熱部材のうち一方にビス穴が形成されており、
前記ビス穴を通して前記中空部材の内部に前記熱伝導材料が充填された後に該ビス穴がビスにより封止されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
前記第2ユニットは、前記電子部品としての撮像素子が実装された基板と、該基板を保持する可動保持部材とを有し、
前記可動保持部材に前記第2伝熱部材が伝熱可能に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器は、CPU(Central Processing Unit)等の発熱する電子部品を有し、該電子部品を放熱するための熱伝導部材も有する。また、被写体像を撮像する撮像素子を有する電子機器としての撮像装置には、撮像素子を撮像光軸に直交する方向にシフト駆動することで像振れを補正するセンサ防振機能を有するものがある。撮像素子も、発熱する電子部品である。
【0003】
特許文献1には、CPU基板に実装されたCPUチップと該CPUチップが発生した熱を吸熱する受熱部材との間に流動性を有する熱伝導材料が配置された電子機器が開示されている。CPU基板と受熱部材との間には、CPUチップと熱伝導材料の周囲を囲んで熱伝導材料が流れ出ることを防ぐための熱接続構造が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-88273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電子機器のように熱接続構造を有すると、CPU基板と受熱部材とが相対的に移動することができない。CPUチップを撮像素子に、CPU基板を撮像素子が実装されたセンサ基板に置き換えると、センサ基板が受熱部材に対してシフト駆動できず、センサ防振機能を実現することができない。
【0006】
本発明は、電子部品が発生した熱を効率良く放熱できるとともに、第2ユニットの第1ユニットに対する移動の抵抗を減らすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての電子機器は、第1ユニットと、該第1ユニットに対して移動が可能な第2ユニットと、第1ユニットおよび第2ユニットのうち一方に含まれる電子部品と、第1ユニットに設けられた第1伝熱部材と第2ユニットに設けられた第2伝熱部材とを伝熱可能に接続する熱接続構造とを有する。熱接続構造は、第1伝熱部材と第2伝熱部材との間に配置され、第2ユニットの移動に伴って変形可能な可撓性を有する中空部材と、該中空部材の内部に配置された流動性を有する熱伝導材料とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子部品が発生した熱を効率良く放熱することができるとともに、第2ユニットの第1ユニットに対する移動の抵抗を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の撮像装置の斜視図。
図2】実施例1の撮像装置の分解斜視図。
図3】実施例1の撮像装置の振れ補正ユニットの分解斜視図。
図4】上記振れ補正ユニットの別の分解斜視図。
図5】実施例1におけるフレキシブル基板の正面図。
図6】実施例1における熱接続構造の分解斜視図。
図7】上記熱接続構造の背面図および断面図。
図8】上記熱接続構造が組み込まれた振れ補正ユニットの背面図および断面図。
図9】上記熱接続構造が固定される伝熱部材の背面図、正面図および断面図。
図10】上記熱接続構造(熱伝導材料が未充填)の正面図および断面図。
図11】上記熱接続構造(熱伝導材料が充填済み)とこれが固定された伝熱部材の背面図および断面図。
図12】上記熱接続構造(熱伝導材料が未充填)において中空部材が樽形である場合の正面図および断面図。
図13】実施例2のノート型PCの斜視図。
図14】実施例2のノート型PCの分解斜視図。
図15】実施例2のノート型PCの正面図および断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例0011】
図1(a)、(b)は、実施例1の撮像装置10の外観を示している。以下の説明では、被写体側を前側といい、その反対側を背面側または後側という。また正姿勢の撮像装置10の背面に正対するユーザから見たときの上下方向と左右方向をそれぞれ上下方向と左右方向という。図1(a)は斜め前側から見た撮像装置10を、図1(b)は斜め後側から見たときの撮像装置10をそれぞれ示している。なお、図には、不図示のレンズユニットが着脱可能なレンズ交換式撮像装置を示しているが、レンズユニットが一体に設けられたレンズ一体型撮像装置であってもよい。
【0012】
撮像装置10は、複数の部品により構成される外装部10cを有する。また、撮像装置10は、前面にマウント10aを備えている。マウント10aには、レンズユニットが着脱可能に装着される。マウント10aの中心を通る軸(一点鎖線で示す)は、レンズユニット内の撮像光学系の光軸Pである。撮像装置10の下部には、一部が外装を構成する電池10dが装着されている。撮像装置10の背面には、ライブビュー画像や撮像画像を表示する背面ディスプレイおよび電子ビューファインダや、ボタン、ダイヤル等の各種操作部材が配置されている。
【0013】
図2は、斜め後側から見た撮像装置10を分解して示している。図2以降の図では、外装部10cその他の説明に無関係な部材の図示を省略している。撮像装置10は、制御基板100、振れ補正ユニット200、シャッタユニット300およびベース部材400を有する。
【0014】
ベース部材400は、撮像装置10の本体(シャーシ)を構成し、その下部に電池10dの装着部の一部を構成する電池室上壁401を有する。
【0015】
振れ補正ユニット200は、手振れ等の撮像装置10の振れ(カメラ振れ)に伴う像振れを低減(補正)するために後述する撮像素子を光軸Pに直交する方向(面内)で移動(並進:以下、シフトという)させる。振れ補正ユニット200は、制御基板100に設けられた不図示の振れ補正制御部により制御される。シャッタユニット300は、開閉動作して撮像素子の露光量を制御する。シャッタユニット300は、制御基板100に設けられた不図示のシャッタ制御部により制御される。光軸Pが伸びる方向(以下、光軸方向という)が第1方向に、光軸Pに直交する方向が第2方向に相当する。
【0016】
振れ補正ユニット200とシャッタユニット300はいずれもベース部材400に固定される。振れ補正ユニット200は、3本のビス600a、600b、600cと3つのコイルばね500a、500b、500cとにより、ベース部材400に光軸方向にて変位可能に取り付けられる。ビス600a、600b、600cの締め込み量を調整することで、ベース部材400に対する撮像素子(撮像面)の傾きを調整することができる。撮像面の傾き調整が完了した後、ビス600a、600b、600cは振れ補正ユニット200における後述する固定ユニットに接着固定される。
【0017】
制御基板100とベース部材400は、外装部10cに固定される。制御基板100には、上述した振れ補正制御部、シャッタ制御部および撮像素子の動作を制御する撮像制御部等を含むCPU101や、チップ抵抗、セラミックコンデンサ、インダクタおよびトランジスタ等の不図示の様々な電子部品が実装されている。また、制御基板100には、コネクタ102、103が実装されている。
【0018】
振れ補正ユニット200とシャッタユニット300は、可撓性配線部材により制御基板100に接続される。振れ補正ユニット200には、可撓性配線部材としてのフレキシブル基板270が接続されている。フレキシブル基板270は、制御基板100のコネクタ102に接続される。シャッタユニット300には、可撓性配線部材としてのフレキシブル基板301が接続されている。フレキシブル基板301は、制御基板100のコネクタ103に接続される。
【0019】
図3および図4はそれぞれ、斜め前側および斜め後側から見た振れ補正ユニット200を分解して示している。振れ補正ユニット200は、固定ユニット(第1ユニット)200bと可動ユニット(第2ユニット)200aを有する。固定ユニット200bは、図2に示したベース部材400に対して光軸方向に変位可能に取り付けられる。固定ユニット200bに対して光軸方向前側に配置された可動ユニット200aは、撮像素子230を含み、固定ユニット200bに対して光軸Pに直交する面(以下、シフト面という)内でシフト可能に保持される。可動ユニット200aと固定ユニット200bは、熱接続構造200cによって熱的に、すなわち伝熱可能に接続されている。
【0020】
固定ユニット200bは、前側ヨーク210、ベースプレート250、後側ヨーク260a、260bおよび第1伝熱部材(以下、単に伝熱部材という)280bを有する。可動ユニット200aは、可動枠(可動保持部材)220、撮像素子基板231、フレキシブル基板240および第2伝熱部材(以下、単に伝熱部材という)280aを有する。可撓性を有するフレキシブル基板240は、前述したフレキシブル基板270を介して可動ユニット200aを制御基板100に接続する。
【0021】
可動ユニット200aは、図4に示す撮像素子基板231を有する。撮像素子基板231の前面には、発熱する電子部品としての撮像素子230が実装されている。撮像素子230は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサやCCD(電荷結合素子)センサであり、被写体の光学像を電気信号に変換する。可動枠220には、撮像素子基板231が接着により固定されている。撮像素子230の前側には、光学ローパスフィルタ221が配置されている。光学ローパスフィルタ221は、色モアレ等の発生を防止するための光学素子である。
【0022】
また、可動枠220における3か所には、開口部223a、223b、223cが形成されている。図4に示すように、フレキシブル基板240には、3つのコイル241a、241b、241cが搭載されている。フレキシブル基板240は、可動枠220に前側から組み込まれて接着固定され、開口部223a、223b、223c内にコイル241a、241b、241cが収容される。さらに図4に示すように、可動枠220の背面の3か所には、球受け部222a、222b、222cが形成されている。また図3に示すように、ベースプレート250の前面における可動枠220の球受け部222a、222b、222cに対向する3か所には、球受け面(符号なし)が形成されている。可動枠220とベースプレート250は、それぞれ対向する球受け部と球受け面の間に図3に示す球体215a、215b、215cを挟持する。これにより、可動枠220は、ベースプレート250に対して球体215a、215b、215cの転動によりシフト面内でシフト方向にガイドされる。
【0023】
前側ヨーク210には、ベースプレート250に向かって延びる支柱211a、211b、211cが固定される。支柱211a、211b、211cの一端は、ベースプレート250に圧入される。これにより、前側ヨーク210とベースプレート250が可動枠220を挟み込むように接合される。
【0024】
図3に示すように、ベースプレート250における可動枠220の開口部223a、223b、223cに対向する3か所には、開口部251a、251b、251cが形成されている。開口部251a、251b、251cには、磁石261a、261b、261cがそれぞれ組み込まれている。これにより、磁石261a、261b、261cとコイル241a、241b、241cが対向するように配置される。
【0025】
ベースプレート250には、後側から後側ヨーク260a、260bが装着される。後側ヨーク260a、260bとベースプレート250はいずれも強磁性材料で形成されている。磁石261a、261b、261cが取り付けられたベースプレート250に対して位置合わせした後側ヨーク260a、260bを磁石261a、261b、261cに接触させるだけで、後側ヨーク260a、260bをベースプレート250に装着することができる。
【0026】
また、ベースプレート250には、開口部252が形成されている。可動枠220が前側ヨーク210とベースプレート250との間に挟持された状態で、開口部252から撮像素子基板231が後側に露出する。
【0027】
図4に示すように、撮像素子基板231には、コネクタ232が実装されている。一方、図3に示すように、フレキシブル基板270にはコネクタ271aが実装されている。フレキシブル基板270を撮像素子基板231に対して後側から開口部252を通過させて組み込み、コネクタ232とコネクタ271aとを嵌合させる。コネクタ232とコネクタ271aは、互いに嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係を有する。フレキシブル基板270は、帯状に長い形状を有し、その一端にはコネクタ271aが実装されている。フレキシブル基板270の他端にはコネクタ271bが実装されている。コネクタ271bは、制御基板100に実装されたコネクタ102と嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係になっている。コネクタ271aとコネクタ232が嵌合し、コネクタ271bがコネクタ102と嵌合することで、フレキシブル基板270を介して撮像素子基板231と制御基板100が電気的に接続される。
【0028】
図4に示すように、可動枠220には、後側から伝熱部材280aがビス281a、281b、281cによって固定される。これにより、可動枠220の熱が伝熱部材280aに伝わる。
【0029】
また、ベースプレート250の熱は後側ヨーク260a、260bに伝わる。後側ヨーク260a、260bには、後側から伝熱部材280bがビス282a、282b、282cによって固定される。これにより、後側ヨーク260a、260bの熱が伝熱部材280bに伝わる。さらにベースプレート250の熱はビス600a、600b、600cを介してベース部材400に伝わる。これにより、伝熱部材280bからベース部材400への伝熱が可能となる。
【0030】
図5は、前側から見たフレキシブル基板240を示している。フレキシブル基板240にはコイル241a、241b、241cが接着により固定されている。また、フレキシブル基板240には、コイル241a、241b、241cの巻き線と電気的に接続するための半田付けランド243a、243b、243c、243d、243e、243fが形成されている。半田付けランド243a、243bに対してコイル241aの一端と他端が半田付けされ、半田付けランド243c、243dに対してコイル241bの一端と他端が半田付けされる。同様に半田付けランド243e、243fに対してコイル241cの一端と他端が半田付けされる。これにより、コイル241a、241b、241cがフレキシブル基板240に電気的に接続される。
【0031】
フレキシブル基板240におけるコイル241a、241b、241cの巻き線の内側にはホール素子242a、242b、242cがそれぞれ実装されている。各ホール素子は、対応するコイルの巻き線の内側において対をなす複数の半田付けランドの中間位置に配置されている。フレキシブル基板240は、その長手方向の一端にコネクタ端子部244が形成されている。各半田付けランドや各ホール素子からの複数の配線パターンがフレキシブル基板240の内部に展開されて、コネクタ端子部244へと接続されている。コネクタ端子部244は、制御基板100に実装された不図示のコネクタに接続される。
【0032】
こうしてベースプレート250に固定された磁石261a、261b、261cが形成する磁界内にコイル241a、241b、241cが配置される。制御基板100内の振れ補正制御部は、これら241a、241b、241cに通電して各コイルにローレンツ力を発生させる。可動枠220は、ローレンツ力を推力としてシフト面内でシフト駆動される。この際、ホール素子242a、242b、242cは、これらに対して可動枠220の261a、261b、261cが移動することによる磁力の変化を検出する。振れ補正制御部は、各ホール素子からの検出信号に基づいて、固定ユニット200bに対する可動ユニット200aのシフト面内での変位量を検出する。
【0033】
カメラ振れの方向には、ピッチ方向、ヨー方向およびロール方向がある。ピッチ方向とヨー方向はそれぞれ、光軸Pに直交し、かつ互いに直交する左右方向の軸と上下方向の軸回りの方向であり、ロール方向は光軸P回りの方向である。ピッチ方向の像振れを補正する場合、可動ユニット200aは上下方向にシフトする。ヨー方向の像振れを補正する場合、可動ユニット200aは左右方向にシフトする。さらにロール方向の像振れを補正する場合、可動ユニット200aは光軸Pに平行な軸回りで回転する。
【0034】
図6は、伝熱部材280aと伝熱部材280bとを熱接続構造200cにより伝熱可能に接続する構成を分解して示している。図7(a)は前側から見た同構成を示し、図7(b)は図7(a)中のB-B線での断面を示している。
【0035】
熱接続構造200cは、第1固定部材290b、第2固定部材290aおよび中空部材290cにより構成されている。以下では、第1および第2固定部材290b、290aを単に固定部材という。中空部材290cは、その周壁部の内側に内部空間を有する。中空部材290cは、固定部材290a、290bの間に配置され、その両端部において固定部材290a、290bに固定される。これにより、中空部材290cは固定部材290a、290によって保持される。固定部材290a、290bにおける中空部材290cの内部空間に面する部分には、円形開口が形成されている。
【0036】
伝熱部材280aには、後側から固定部材290aがビス291a、291b、291cによって固定される。伝熱部材280bには、前側から固定部材290bがビス292a、292b、292c、292dによって固定される。こうして、伝熱部材280a、280bの間に配置された熱接続構造200cが、伝熱部材280a、280bに接続される。
【0037】
中空部材290cは、シリコーンゴム(厚み0.3mm、ゴム硬度30)等の可撓性を有する部材であり、可動ユニット200aの固定ユニット200bに対するシフトに伴って変形可能である。
【0038】
中空部材290cにおいて周壁部に囲まれた内部空間には、伝熱部材280aに形成されたビス穴283aから流動性を有する熱伝導材料600が充填される。熱伝導材料600の充填後、ビス293aをビス穴283aに締め込むことによって、熱伝導材料600が熱接続構造200c内に封止され、熱伝導材料600の熱接続構造200c外への漏出が防止される。中空部材290c内に充填された熱伝導材料600は、固定部材290a、290bの円形開口を通して伝熱部材280a、280bに直接接触する。このため、熱伝導材料600を介して伝熱部材280aと伝熱部材280bとの間での効率良い伝熱が可能となる。ただし、熱伝導材料600と伝熱部材280a、280bとの間にグラファイトシート等の伝熱効率が高い中間部材を配置してもよい。
【0039】
図4に示すように、伝熱部材280aは可動枠220にビス281a、281b、281cによって固定され、伝熱部材280bは後側ヨーク260a、260bにビス282a、282b、282cによって固定される。この際、熱接続構造200cは、ベースプレート250の開口部252内を通される。
【0040】
熱伝導材料600は、流動性を有する熱伝導材料であり、例えば液体金属が用いられる。液体金属は、電子部品とそこからの熱が伝わる伝熱部材との間の熱伝達率を高めるために一般に用いられており、スズ等を基材とした液状または半固体状の金属である。熱伝導材料600が液体金属である場合、液体金属はアルミを腐食する特性を有するため、伝熱部材280a、280bは液体金属に対する耐腐食性を有する金属(例えば銅)等で形成するのが好ましい。
【0041】
中空部材290cが可撓性を有し、熱伝導材料600が流動性を有することで、可動ユニット200aが固定ユニット200bに対してシフト方向に少ない抵抗でシフトすることができる。
【0042】
ここで、本実施例の場合と、可動ユニット200aと固定ユニット200bがグラファイトシートを用いて伝熱可能に構成された場合とを比較する。可動ユニット200aから固定ユニット200bへ伝わる熱流量は、可動ユニット200aと固定ユニット200bを伝熱可能に接続する熱伝導材料の断面積に比例する。グラファイトシートを用いた構成では、グラファイトシートの厚みが一般に25μmm程度と薄く、この厚みを大きく変更することは困難である。一方、本実施例の構成では、熱伝導材料600の断面積は中空部材290cの大きさを変更することで容易に変更することができる。これにより、可動ユニット200aから固定ユニット200bへ伝わる熱流量を容易に(高い設計自由度で)大きくすることができる。
【0043】
図8(a)は、前述したフレキシブル基板270、伝熱部材280a、280bおよび熱接続構造200cが組み付けられた振れ補正ユニットを背面から見て示している。図8(b)は、図8(a)におけるA-A線での断面を示している。
【0044】
図8(b)中の矢印は、撮像素子230で発せられた熱の伝わりを示している。撮像素子230で発せられた熱は、撮像素子230がダイボンディングによって固定された撮像素子基板231へと伝わる。撮像素子基板231の一部は可動枠220と面接触する領域を有し、撮像素子基板231に伝わった熱は、該面接触領域から可動枠220に伝わる。可動枠220に伝わった熱は、可動枠220における伝熱部材280aの3か所のビス固定部を介して伝熱部材280aに伝わり、さらに熱伝導材料600を介して固定ユニット200bの伝熱部材280bに伝わる。
【0045】
伝熱部材280bに伝わった熱は、後側ヨーク260a、260bへの3か所のビス固定部を介して後側ヨーク260a、260bに熱を伝わる。後側ヨーク260a、260bに伝わった熱は、ベースプレート250に伝わる。ベースプレート250に伝わった熱は、ベース部材400に伝わり、さらに外装部10cに伝わって外気へと放熱される。
【0046】
本実施例では、中空部材290c内に充填された熱伝導材料600が外部に漏出するおそれを低減するため、以下の構成を有する。図9(a)に示すように、伝熱部材280aにおける背面のうち熱接続構造200c(固定部材290a)が接触する領域には、2重の環状溝284a、284bが形成されている。図9(b)は、図9(a)に示した伝熱部材280aのD-D線での断面を示している。また図9(c)に示すように、伝熱部材280bにおける前面のうち熱接続構造200c(固定部材290b)が接触する領域には、2重の環状溝284c、284dが形成されている。図9(d)は、図9(c)に示した伝熱部材280bのE-E線での断面を示している。
【0047】
伝熱部材280aには、環状溝284a、284b内に塗布された接着剤によって固定部材290aが固定される。伝熱部材280bには、環状溝284c、284d内に塗布された接着剤によって固定部材290bが固定される。このような構成により、中空部材290c内に充填された熱伝導材料600が熱接続構造200cと伝熱部材280a、280bの間から漏出するおそれを低減することができる。
【0048】
この場合において、図10(a)、(b)に示すように、熱接続構造200cを、固定部材290a、290bを中空部材290cにインサート成形してこれらを一体化したものとしてもよい。図10(a)は前側から見た熱接続構造200cを示し、図10(b)は図10(a)に示した熱接続構造200cのF-F線での断面を示している。熱接続構造200cにおいて、中空部材290cは、その前端側(第1固定部材側)と後端側(第2固定部材側)の突出部294a、294bが固定部材290a、290bに形成された円形開口を中空部材側から伝熱部材側に貫通して突出するように形成されている。そして、これら突出部294a、294bが固定部材290a、290bのうち円形開口の周囲部分を挟み込むように形成されている。このような構成によれば、伝熱部材280a、280bに固定部材290a、290bを固定した際に、中空部材290cの突出部294a、294bが固定部材290a、290bと伝熱部材280a、280bとの間で潰れることでシーリング効果が得られる。これにより、熱伝導材料600が漏出するおそれをより低減することができる。
【0049】
また、本実施例では、可動ユニット200aが固定ユニット200bに対してシフト方向に移動する際の中空部材290cによる負荷を軽減する構成を有する。図11(a)は、中空部材290c内に熱伝導材料600が充填された熱接続構造200cにより伝熱可能に接続された伝熱部材280a、280bを前側から見て示している。図11(b)は、図11(a)に示した構成のB-B線であの断面を示している。
【0050】
図11(b)に示すように、伝熱部材280aにおける熱伝導材料600との接触面(伝熱面であり、熱接続構造との接続面)と伝熱部材280bにおける熱伝導材料600との接触面との間の距離(間隔)をXとする。また、可動ユニット200aのシフト方向での最大可動距離をYとする。さらに、中空部材290cの周壁部における上記接触面間(接続面間)での母線の長さをLとする。このとき、以下の条件を満足することが好ましい。
【0051】
L≧√(X+Y
この条件を満足する場合、伝熱部材280a、280b間の間隔Xは決まっているため、可動ユニット200aの未シフト状態(未移動状態)での中空部材290cの周壁部は図12(b)に示すように光軸Pに直交する方向の外側に凸の曲面形状を有する樽形となる。図12(b)は、図12(a)に示した前側から見た熱接続構造200cのG-G線での断面を示している。これにより、可動ユニット200aが最大可動距離Yまで移動するまでに中空部材290cから受ける負荷を軽減することが可能になり、可動ユニット200aを低負荷で固定ユニット200bに対してシフトさせることができる。
【0052】
可動ユニット200aがシフトする際の負荷の増加や制御の複雑化は、磁石やコイルの大型化の原因となり、結果的に撮像装置10の大型化につながる。したがって、負荷の増加を抑えつつ制御を簡単にすることは、撮像装置10の小型化や消費電力の低減に寄与する。
【0053】
以上説明した本実施例によれば、可動ユニット200aがシフトする際の負荷を軽減しつつ、撮像素子230の効率良い放熱が可能な撮像装置10を提供することができる。
【実施例0054】
図13(a)、(b)、図14および図15(a)、(b)は、実施例2の電子機器であるノート型PCを示している。図13(a)、(b)はそれぞれ、斜め前側と斜め後側から見たノート型PCを示している。ノート型PCは、固定ユニット(第1ユニット)700b、可動ユニット(第2ユニット)700aおよび熱接続構造700cを有する。図では、固定ユニット700bに対して可動ユニット700aの開閉(移動)を可能とするヒンジ機構の図示は省略している。本実施例では、ノート型PC内において発熱する電子部品としての半導体チップで発生した熱を流動性を有する熱伝導材料を介してディスプレイ800を保持する可動ユニット700aから放熱する。
【0055】
図15(b)は、図15(a)に前側から見たノート型PCのA-A線での断面を示している。固定ユニット700b内には、半導体チップ711が実装された基板710が収容されている。
【0056】
図14は、斜め後側から見た熱接続構造700cを分解して示している。固定ユニット700bには、第1伝熱部材(以下、単に伝熱部材という)702bがビス703a、703b、703c、703dによって固定されている。これにより、固定ユニット700bから伝熱部材702bに熱が伝わる。一方、可動ユニット700aには、第2伝熱部材(以下、単に伝熱部材という)702aがビス704a、704b、704c、704dによって固定されている。これにより、伝熱部材702aから可動ユニット700aに熱が伝わる。
【0057】
熱接続構造700cは、伝熱部材702aと伝熱部材702bを伝熱可能に接続する。熱接続構造700cは、第1固定部材701b、第2固定部材701aおよび中空部材701cを有する。以下では、第1および第2固定部材701b、701aを単に固定部材という。中空部材701cは、固定部材701a、701bの間に配置され、その両端部において固定部材701a、701bに固定される。これにより、中空部材701cは固定部材701a、701bによって保持される。固定部材701a、701bにおける中空部材701cの内部空間に面する部分には、スリット形状の開口が形成されている。
【0058】
伝熱部材702aには、後側から固定部材701aがビス705a、705b、705c、705dによって固定される。また、伝熱部材702bには、後側から固定部材701bがビス706a、706b、706c、706dによって固定される。こうして、伝熱部材702a、702bの間に配置された熱接続構造700cが、伝熱部材702a、702bに接続される。中空部材701cは、シリコーンゴム等の可撓性を有する部材であり、可動ユニット700aの固定ユニット700bに対する開閉に伴って変形可能である。
【0059】
中空部材701c内の内部空間には、伝熱部材702aに形成されたビス穴730aから図15(b)に示すように流動性を有する熱伝導材料900が充填される。熱伝導材料900の充填後、ビス720aをビス穴730aに締め込むことによって、熱伝導材料900が熱接続構造700c内に封止され、熱伝導材料900の熱接続構造700c外への漏出が防止される。中空部材701c内に充填された熱伝導材料900は、固定部材701a、701bのスリット形状の開口を通して伝熱部材702a、702bに直接接触する。このため、熱伝導材料900を介して伝熱部材702aと伝熱部材702bとの間での効率良い伝熱が可能となる。
【0060】
図15(b)中の矢印は、固定ユニット700b内の半導体チップ711で発せられた熱の伝わりを示している。半導体チップ711からの熱は基板710に伝わる。基板710は不図示のビスで固定ユニット700bに固定されているため、基板710の熱は該ビスを通して固定ユニット700bに伝わる。固定ユニット700bに伝わった熱は、図14に示したビス703a、703b、703c、703dを介して伝熱部材702bに伝われ。さらに熱伝導材料900を介して伝熱部材702aに伝わる。伝熱部材702aに伝わった熱は、図14に示したビス704a、704b、704c、704dを介して可動ユニット700aに伝わって外気へと放熱される。
【0061】
熱伝導材料900は、実施例1で説明した熱伝導材料600と同様な材料であり、熱伝導材料900が金属液体である場合の伝熱部材702a、702bの材料についても実施例1と同様である。
【0062】
このように可撓性を有する中空部材701cと流動性を有する熱伝導材料900を用いることで、可動ユニット700aが固定ユニット700bに対して低負荷で移動(開閉)することができる。
【0063】
従来のヒンジ機構は単に固定ユニットに対して可動ユニットを回転可能に結合するものであり、固定ユニット内の電子部品の放熱のための可動ユニットへの熱伝導を考慮していない。これに対して、本実施例によれば、固定ユニット700b内の半導体チップ711が発生した熱を熱伝導材料900を介して可動ユニット700aに伝熱して効率良く放熱させることができる。
【0064】
以上説明した本実施例によれば、可動ユニット700aが開閉する際の負荷を軽減しつつ、半導体チップ711の効率良い放熱が可能なノート型PCを提供することができる。
【0065】
上記実施例の開示は、以下の構成を含む。
【0066】
(構成1)
第1ユニットと、
前記第1ユニットに対して移動が可能な第2ユニットと、
前記第1ユニットおよび前記第2ユニットのうち一方に含まれる電子部品と、
前記第1ユニットに設けられた第1伝熱部材と前記第2ユニットに設けられた第2伝熱部材とを伝熱可能に接続する熱接続構造とを有し、
前記熱接続構造は、
前記第1伝熱部材と前記第2伝熱部材との間に配置され、前記第2ユニットの移動に伴って変形可能な可撓性を有する中空部材と、
前記中空部材の内部に配置された流動性を有する熱伝導材料とを有することを特徴とする電子機器。
【0067】
(構成2)
前記熱伝導材料が、前記第1伝熱部材と前記第2伝熱部材に接触していることを特徴とする構成1に記載の電子機器。
【0068】
(構成3)
前記熱接続構造は、前記中空部材を保持する第1固定部材および第2固定部材を有し、
前記第1固定部材が前記第1伝熱部材に固定され、前記第2固定部材が前記第2伝熱部材に固定されていることを特徴とする構成1または2に記載の電子機器。
(構成4)
前記第1および第2固定部材は、前記熱伝導材料を前記第1および第2伝熱部材に接触させるための開口を有することを特徴とする構成3に記載の電子機器。
(構成5)
前記中空部材は、シリコーンゴムにより形成されていることを特徴とする構成1から4のいずれか1つに記載の電子機器。
(構成6)
前記第1および第2固定部材は、インサート成形により前記中空部材と一体化されていることを特徴とする構成4または5に記載の電子機器。
(構成7)
前記第2ユニットは、前記第1ユニットに対して第1方向に位置し、該第1方向に直交する第2方向への移動が可能であり、
前記中空部材は、前記熱伝導材料を囲む周壁部を有し、
前記周壁部は、前記第2ユニットの未移動状態において、前記第2方向における外側に凸の曲面形状を有することを特徴とする構成1から6のいずれか1つに記載の電子機器。
(構成8)
前記第1伝熱部材の前記熱接続構造との接続面と前記第2伝熱部材の前記熱接続構造との接続面との間の前記第1方向での距離をX、前記第2ユニットの前記第2方向での最大可動距離をY、前記中空部材の前記周壁部おける前記接続面間での母線の長さをLとするとき、
L≧√(X+Y
なる条件を満足することを特徴とする構成7に記載の電子機器。
(構成9)
前記熱伝導材料は液体金属であり、
前記第1および第2伝熱部材は、前記液体金属に対する耐腐食性を有する金属により形成されていることを特徴とする構成2に記載の電子機器。
(構成10)
前記第1および第2伝熱部材のうち少なくとも一方における前記熱接続構造が接触する領域に環状の溝が形成されており、
該溝の内側に配置された接着剤により前記熱接続構造が前記第1および第2伝熱部材に固定されていることを特徴とする構成1から9のいずれか1つに記載の電子機器。
(構成11)
前記中空部材における前記第1および第2固定部材側の端部がそれぞれ、前記第1および第2固定部材を前記中空部材側から前記第1および第2伝熱部材側に貫通して突出し、前記第1および第2伝熱部材に接触していることを特徴とする構成1から10のいずれか1つに記載の電子機器。
【0069】
(構成12)
前記第1および第2伝熱部材のうち一方にビス穴が形成されており、
前記ビス穴を通して前記中空部材の内部に前記熱伝導材料が充填された後に該ビス穴がビスにより封止されていることを特徴とする構成1から11のいずれか1つに記載の電子機器。
【0070】
(構成13)
前記第2ユニットは、前記電子部品としての撮像素子が実装された基板と、該基板を保持する可動保持部材とを有し、
前記可動保持部材に前記第2伝熱部材が伝熱可能に固定されていることを特徴とする構成1から12のいずれか1つに記載の電子機器。
【0071】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0072】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 撮像装置(電子機器)
200a,700a 可動ユニット
200c,700c 熱接続構造
280a,280b,702a,702b 伝熱部材
600,900 熱伝導材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15