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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154682
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23L 17/00 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
F23L17/00 601C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064181
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】林 金麗
(57)【要約】
【課題】ファン本体の収容室から燃焼排気の漏れが生じても装置外部へ排出可能とする燃焼装置を提供する。
【解決手段】燃焼装置は、燃焼排気を吸引して装置外部に排出させるファンが排気通路部に設けられる。排気通路部は、熱交換部からの燃焼排気が流入する流入口と、燃焼排気が装置外部に流出する流出口とを有し、流入口と流出口とを連通する排気通路を仕切り部品で画成する構成を備える。ファンは、羽根を有するファン本体と、ファン本体を回転させるファンモータと、燃焼排気を吸引する吸引口と燃焼排気を排出する排出口とを有し吸引口と排出口の間に設けられるファン本体の収容室を画成するファンケーシングとを備える。ファンケーシング5は、複数の部品が接合されて構成され、ファン本体31及びファンケーシング5の収容室を画成する複数の部品における接合部の少なくとも一部は、排気通路部2の排気通路20内に内包されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼部と、熱交換部と、排気通路部とを備え、燃焼排気を吸引して装置外部に排出させるファンが排気通路部に設けられる燃焼装置において、
前記排気通路部は、
熱交換部からの燃焼排気が流入する流入口と、
燃焼排気が装置外部に流出する流出口と、を有し、
流入口と流出口とを連通する排気通路を仕切り部品で画成する構成を備え、
前記ファンは、
羽根を有するファン本体と、
ファン本体を回転させるファンモータと、
燃焼排気を吸引する吸引口と燃焼排気を排出する排出口とを有し、吸引口と排出口の間に設けられるファン本体を収容する収容室を画成するファンケーシングと、を備え、
前記ファンケーシングは、複数の部品が接合されて構成され、
前記ファン本体及び前記ファンケーシングの収容室を画成する複数の部品における接合部の少なくとも一部は、排気通路部の排気通路内に内包されている構成とする、燃焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼装置において、
前記ファンケーシングの一部は、排気通路部の排気通路を画成する仕切り部品を共用する構成とする、燃焼装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃焼装置において、
前記ファンケーシングの排出口は、排気通路部の排気通路を画成する仕切り部品に設けられて排気通路部の流出口を共用する構成とする、燃焼装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の燃焼装置において、
前記ファンケーシングの吸引口は、排気通路部の排気通路内に開放する構成とする、燃焼装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンが排気通路部に設けられている燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼装置の一例である給湯装置では、燃焼排気を生成するバーナを備える燃焼部と、燃焼排気の熱で水を加熱する熱交換部と、熱交換部からの燃焼排気が流れる排気通路部とを備え、燃焼排気を吸引して装置外部に排出するためのファンが排気通路部に設けられた引張式の給湯装置が知られている(例えば、特許文献1、2)。前記ファンは、羽根を有するファン本体と、ファン本体を収容する収容室を画成するファンケーシングとを備え、ファンケーシングは、燃焼排気の吸引口と、燃焼排気の排出口とが設けられている。このファンケーシングは、吸引口が排気通路部の流出口に接続されて排気通路部に連結され、排気通路部の外部に配設されている。ファンケーシングの排出口は、燃焼排気を外界に放出する排気管が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-294861号公報
【特許文献2】特開2021-188605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記引張式の給湯装置では、例えば、ファンケーシングの排出口側は正圧傾向になるため、ファンケーシングの排出口側で接合に起因する隙間があると、この隙間からファン本体の収容室の燃焼排気が外に漏れやすくなる。また、装置外部に延設する排気管に強風が吹き込む等して閉塞を起こしファンケーシングにおける収容室内の圧力が高まった場合、ファンケーシングと排気通路部とを接続する接合部で接合に起因する隙間があると、この隙間からファン本体の収容室の燃焼排気が外に漏れやすくなってしまう。収容室から外に漏れ出した燃焼排気は、装置外部に排出されずに装置内部に溜まって燃焼部の燃焼性能を低下させるおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、ファン本体の収容室から燃焼排気の漏れが生じても、燃焼排気が装置外部に排出されるようにすることを可能とする燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る燃焼装置は、
燃焼部と、熱交換部と、排気通路部とを備え、燃焼排気を吸引して装置外部に排出させるファンが排気通路部に設けられる燃焼装置において、
前記排気通路部は、
熱交換部からの燃焼排気が流入する流入口と、
燃焼排気が装置外部に流出する流出口と、を有し、
流入口と流出口とを連通する排気通路を仕切り部品で画成する構成を備え、
前記ファンは、
羽根を有するファン本体と、
ファン本体を回転させるファンモータと、
燃焼排気を吸引する吸引口と燃焼排気を排出する排出口とを有し、吸引口と排出口の間に設けられるファン本体を収容する収容室を画成するファンケーシングと、を備え、
前記ファンケーシングは、複数の部品が接合されて構成され、
前記ファン本体及び前記ファンケーシングの収容室を画成する複数の部品における接合部の少なくとも一部は、排気通路部の排気通路内に内包されている構成とする。
【0007】
前記構成によれば、ファン本体の収容室が排気通路に内包されるため、ファン本体の収容室から燃焼排気の漏れが生じても、排気通路内に流出される。収容室から排気通路内に漏れ出した燃焼排気は、排気通路部の流出口から装置外部に排出されるため、排気通路部から外に漏れることがない。従って、ファン本体の収容室から燃焼排気の漏れが生じても、燃焼排気が装置内部に流出することがなく、装置外部に排出することができる。よって、ファン本体の収容室から漏れ出した燃焼排気が燃焼部の燃焼性能に影響を及ぼすことはない。
【0008】
前記燃焼装置において、
前記ファンケーシングの一部は、排気通路部の排気通路を画成する仕切り部品を共用する構成とすることができる。
【0009】
前記構成によれば、ファン及び排気通路部の部品点数を少なくすることができる。従って、ファン及び排気通路部の製作が容易となり、コストダウンにもなる。また、ファンケーシングと排気通路部との接合部分が減り、接合に起因した隙間を減らして燃焼排気がファン本体の収容室から外に漏れるリスクを低減することができる。
【0010】
前記燃焼装置において、
前記ファンケーシングの排出口は、排気通路部の排気通路を画成する仕切り部品に設けられて排気通路部の流出口を共用する構成とすることができる。
【0011】
前記構成によれば、正圧傾向になるファンケーシングの排出口側でファン本体の収容室から燃焼排気が外に漏れることを抑制することができる。また、ファン及び排気通路部の部品点数が少なくなるため、ファン及び排気通路部の製作が容易となり、コストダウンにもなる。
【0012】
前記燃焼装置において、
前記ファンケーシングの吸引口は、排気通路部の排気通路内に開放する構成とすることができる。
【0013】
前記構成によれば、従来のようなファンケーシングの吸引口と排気通路部の流出口との間の接合を無くすことができ、ファンケーシングの吸引口側でファン本体の収容室から燃焼排気が外に漏れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態による給湯装置の全体構成を示す構成図である。
図2】ファンを設けた排気通路部の外観を示す斜視図である。
図3】排気通路部の左右の側板及び天板を外した状態を示す斜視図である。
図4】排気通路部の前板を外した状態を示す斜視図である。
図5】排気通路部及びファンを分解した状態を示す斜視図である。
図6】ファンケーシングのケース体内を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、本発明に係る燃焼装置の一例としての給湯装置であり、この給湯装置1は、図1に示すように、外装ケース10内に、燃焼部11と、熱交換部14と、排気通路部2とがこの順に下から上に配設されている。本給湯装置1は、排気通路部2にファン3が設けられ、このファン3により燃焼排気を吸引して装置1外部に排出させる引張式の給湯装置1である。
【0016】
燃焼部11は、筒形状のケース11a内にバーナ12を備えており、バーナ12には、ガス供給管13を通じて燃料ガスが供給される。この燃焼部11では、バーナ12の燃焼によって燃焼排気が生成される。熱交換部14は、筒形状のケース14a内に、多数枚並設したフィン15と、フィン15を貫通する伝熱管16とを備えている。熱交換部14は、ケース14aの下端の開口部が燃焼部11のケース11aの上端の開口部に連結されている。伝熱管16の上流端には給水管17が接続され、伝熱管16の下流端には出湯管18が接続されている。この熱交換部14では、燃焼部11で生成された燃焼排気から熱を吸熱して、給水管17から供給された水を加熱して湯とし、この湯を出湯管18に流出する。出湯管18に流出された湯は、出湯管18の下流部に設けるカランやシャワー等の出湯端末(不図示)に供給される。
【0017】
図2図5にも示すように、排気通路部2は、底面が開放された台形箱型を有する排気ダクトを構成し、下端の開口部が熱交換部14のケース14aの上端の開口部と連結されている。排気通路部2は、熱交換部14からの燃焼排気が流入する流入口21と、燃焼排気が外部に流出する流出口22と、流入口21と流出口22とを連通し、燃焼排気が流れる排気通路20とを備える。排気通路部2は、前板23及び後板24、左右の側板25,26、天板27により形成されている。流入口21は、排気通路部2の下端の開口部により構成される。流出口22は、天板27に設けられている。流出口22には、排気アダプタ41を介して燃焼排気を外界に排出させる排気管40が接続されている。排気通路20は、仕切り部品となる前板23及び後板24、左右の側板25,26、天板27により外部空間(外装ケース10内の空間)と画成された内部空間により形成されている。
【0018】
ファン3は、複数の羽根を有し、回転して気体を送風するファン本体31と、ファン本体31を回転させるファンモータ32と、ファン本体31を収容する収容室51を画成するファンケーシング5とを備えている。ファン本体31は、円筒形のシロッコファンにより構成されている。従って、ファン本体31が回転すると、ファン本体31の中央部から気体を吸い込み、ファン本体31の外周面から外側に気体を吹き出す気体の流れが生じる。ファンケーシング5は、燃焼排気を吸引する吸引口52と、燃焼排気を排出する排出口53とを有する。本実施形態では、ファンケーシング5の排出口53は、排気通路部2の流出口22を共用している。
【0019】
このファン3の作動により、燃焼部11で生成され熱交換部14を通過する燃焼排気を吸引して、熱交換部14を通過した後の燃焼排気が排気通路部2の流入口21から排気通路20に流入する。排気通路20に流入した燃焼排気は、ファンケーシング5の吸引口52からファンケーシング5内に流入してファンケーシング5内を通り、ファンケーシング5の排出口53でもある排気通路部2の流出口22から流出して、排気管40を通して装置1外部に排出される。この燃焼排気の排出に伴って燃焼部11の底部の空気取込口11b(図1を参照)から空気が取り込まれ、バーナ12に燃焼用空気が供給される。
【0020】
本実施形態では、ファン3のファンケーシング5が排気通路部2内に設けられており、ファン本体31及びファン本体31の収容室51が排気通路部2の排気通路20内に内包された構成を備えている。以下に、この構成を説明する。
【0021】
排気通路部2は、台形形状の前板23及び後板24と、四角形形状の左右の側板25,26と、四角形形状の天板27とで形成されている。これら前板23、後板24、左右の側板25,26、天板27は、板金で形成されており、排気通路20を外部空間と画成する仕切り部品となる。左右の側板25,26と天板27とは、一枚の板金を折り曲げて形成されている(図5を参照)。この左右の側板25,26と天板27とは、前側の台形形状の開放端部に前板23が接合され、後側の台形形状の開放端部に後板24が接合されている。前板23と左右の側板25,26及び天板27との接合は、左右の側板25,26及び天板27の前側の側辺を折り曲げて前板23の側辺及び上辺を挟み込んで加締められており、隙間ができないように接合されている。後板24と左右の側板25,26及び天板27との接合も同様に、左右の側板25,26及び天板27の後側の側辺を折り曲げて後板24の側辺及び上辺を挟み込んで加締められており、隙間ができないように接合されている。
【0022】
排気通路部2の流入口21は、前板23及び後板24の下端と、左右の側板25,26の下端とで形成される開口部によって構成される。排気通路部2の流出口22は、天板27の前寄り位置に貫通形成する円形孔及び円形孔の周縁から突設する円筒部によって構成される。排気通路部2の排気通路20は、前板23、後板24、左右の側板25,26及び天板27によって囲まれて外部空間と画成された内部空間によって構成される。
【0023】
ファン3において、ファン本体31は、一方の側板25の内側面に取り付けられて排気通路部2内に配設されている。この一方の側板25には、円形の窓孔25a(図5を参照)が設けられており、この窓孔25aの大きさは、円筒形のファン本体31の外径と略同径に形成されている。これにより、窓孔25aを通して排気通路部2内へのファン本体31の組み付けが容易に行える。窓孔25aは、側板25の外側面にモータ固定板33がビス孔を通してビスb1(図2を参照)で取り付けられて塞がれている。このモータ固定板33によってファン3を取り付ける側板25の強度を確保することができる。
【0024】
ファンモータ32は、モータ固定板33に支持されて排気通路部2の外側に配設されている。モータ固定板33には、外周部に複数の支持台34が設けられ、中心部にモータ軸35を挿通する挿通孔36が設けられている。ファンモータ32は、モータ軸35を突出させた端面の外周部に径方向外側に張り出した支持片37が複数設けられ、この支持片37をモータ固定板33の支持台34にビス孔を通してビスb2(図2を参照)で固定される。これにより、ファンモータ32がモータ固定板33に取り付けられる。モータ固定板33の挿通孔36から延出されたモータ軸35は、ファン本体31の中心部に設けるシャフト連結部38に接続される。ファンモータ32とモータ固定板33との間のモータ軸35には、複数の羽根が設けられた回転翼39が取り付けられており、この回転翼39は、モータ軸35の回転に伴って回転して気流を発生させてファンモータ32を冷却する。
【0025】
ファンケーシング5は、板金で凹形状に形成されたU型のケース体6と、このケース体6の開放部分に蓋をするように排気通路部2における一方の側板25及び天板27とを接合して形成される。すなわち、ファンケーシング5は、ケース体6と、排気通路部2の側板25及び天板27とで構成されており、ファンケーシング5の一部は、排気通路20を形成する仕切り部品である側板25及び天板27を共用している。
【0026】
ケース体6は、内側の凹状空間がファン本体31を収容する収容室51を形成する。このケース体6は、排気通路部2内に配設するファン本体31を覆うようにして排気通路部2内に設置される。ケース体6は、図5を参照して、U型の被覆面61と、被覆面61の外周のU字をかたどる周縁部から立設する周面62とを有する。このケース体6を周面62の円弧状の曲面部分を下にした場合、周面62のU字状の側端部には、外側に張り出したU字状の側面フランジ63が形成されており、また、周面62及び被覆面61の上部のコ字状の上端部には、外側に張り出したコ字状の上面フランジ64が形成されている。側面フランジ63と上面フランジ64とは、連続して形成されている。周面62の側面フランジ63を排気通路部2の側板25の内側面に対してビス孔を通してビスb3(図2を参照)で固定し、また、被覆面61及び周面62の上部の上面フランジ64を排気通路部2の天板27の内側面に対してビス孔を通してビスb4(図2を参照)で固定することで、ケース体6がファン本体31を覆って排気通路部2内に取り付けられる。
【0027】
ケース体6の被覆面61には、ファン本体31の中央部と対向する位置に燃焼排気の吸引口52が貫通形成されている。この吸引口52は、ファン本体31に向かうに従って口径が縮径するテーパ形状に形成されており、燃焼排気が円滑に吸引されるようになっている。
【0028】
図6にも示すように、ケース体6内には、遮蔽板7が配設されている。遮蔽板7は、ファン本体31の外周形状にほぼ沿った円弧状に湾曲した湾曲部71と、湾曲部71の一端から折れ曲って排気通路部2の流出口22に向けて延設する折れ曲り部72とを有する。湾曲部71には、幅方向の両端のそれぞれに取付片73が形成されており、これら取付片73を排気通路部2の側板25とケース体6のそれぞれに対してビス孔を通してビスb5(図2及び図4を参照)で固定される。折れ曲り部72には、先端部を折り曲げることで取付面74が形成されており、この取付面74を排気通路部2の天板27にビス孔を通してビスb6(図2を参照)で固定される。この遮蔽板7は、排気通路部2の側板25に接合されたケース体6との関係において、湾曲部71は、ケース体6の周面62の円弧状の曲面部分との間にファン本体31の収容室51を画成し、折れ曲り部72は、ケース体6の上側コーナ部との間に燃焼排気を流出口22へと向かわせる排出風路54を画成している。排出風路54を形成するケース体6の被覆面61の上部は、口広となるように凹部65が形成されている。
【0029】
以上の構成より、ファン本体31及びファンケーシング5のケース体6が排気通路部2の排気通路20内に内包された構成を有し、ファン本体31の収容室51が排気通路20に内包されるように設置される。これにより、ケース体6と側板25及び天板27との接合に起因した隙間が生じてファン本体31の収容室51から燃焼排気の漏れが生じても、排気通路20内に流出される。収容室51から排気通路20内に漏れ出した燃焼排気は、ファンケーシング5の吸引口52から収容室51内に吸込まれて排気通路部2の流出口22から装置1外部に排出されるため、排気通路部2から外に漏れることがない。従って、ファン本体31の収容室51から燃焼排気の漏れが生じても、燃焼排気が装置1内部である外装ケース10内の空間に流出することがない。よって、ファン本体31の収容室51から漏れ出した燃焼排気が燃焼部11の燃焼性能に影響を及ぼすことがない。また、本給湯装置1を屋内設置する場合、燃焼排気が屋内に漏れ出ないようにすることができる。
【0030】
ファンケーシング5は、その構成部品として排気通路部2の排気通路20を画成する仕切り部品である側板25及び天板27を共用するので、ファン3及び排気通路部2の部品点数を少なくすることができる。従って、ファン3及び排気通路部2の製作が容易となり、コストダウンにもなる。
【0031】
ファンケーシング5の構成部品に排気通路部2の側板25及び天板27を共用することで、ファンケーシング5と排気通路部2との接合部分が減り、接合に起因した隙間を減らして燃焼排気がファン本体31の収容室51から外に漏れるリスクを低減することができる。
【0032】
ファンケーシング5の排出口53は、排気通路部2の排気通路20を画成する仕切り部品である天板27に設けられている。すなわち、ファンケーシング5の排出口53は、天板27に設けられた排気通路部2の流出口22を共用する。これにより、正圧傾向になるファンケーシング5の排出口53側でファン本体31の収容室51から燃焼排気が外に漏れることを抑制することができる。
【0033】
ファンケーシング5の吸引口52は、排気通路部2の排気通路20内に開放する構成とすることで、従来のようなファンケーシングの吸引口と排気通路部の流出口との間の接合を無くすことができ、ファンケーシング5の吸引口52側でファン本体31の収容室51から燃焼排気が外に漏れることを防止することができる。
【0034】
ケース体6と側板25及び天板27との接合は、ケース体6の側面フランジ63及び上面フランジ64を側板25及び天板27の平面に面接触させて接合するので、この接合部の気密性が高まり隙間を生じ難くすることができる。従って、ファン本体31の収容室51から燃焼排気が外に漏れ難くすることができ、また、万一この接合部で燃焼排気の漏れが生じても、燃焼排気は、排気通路20内に流出されて流出口22から装置1外部に排出することができる。
【0035】
ファン本体31の収容室51内で燃焼排気によるドレンが発生しても、収容室51を画成するケース体6が排気通路20内に配設されているため、熱交換部14から排気通路20内に流入する燃焼排気の熱によって収容室51内のドレンを蒸発させ、ケース体6がドレンによって腐蝕しないようにすることができる。
【0036】
排気通路部2は、ファン3を設置する側板25を斜めに設置して台形箱型に形成するので、排気通路部2を矩形箱型に形成する場合よりも高さを低くすることができ、その分、給湯装置1の高さを低くしてコンパクトに形成することができる。
【0037】
また、斜めに設置する側板25にファン3を設置して、ファン本体31を斜めに配置してケース体6に設ける吸引口52を斜め下方に向けているので、下方の熱交換部14から燃焼排気を効率よく吸引することができる。
【0038】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲内で様々な変更を行うことができる。例えば、排気通路部2は、台形箱型ではなく、矩形箱型に形成してもよい。また、ケース体6は、U型ではなく、ファン本体31を囲む円筒形の周面62から接線方向に狭幅の排出風路54を延設するカタツムリ型に形成し、遮蔽板7を有しない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 給湯装置
2 排気通路部
3 ファン
5 ファンケーシング
6 ケース体
7 遮蔽板
10 外装ケース
11 燃焼部
11a 筒状のケース
11b 空気取込口
12 バーナ
13 ガス供給管
14 熱交換部
14a 筒状のケース
15 フィン
16 伝熱管
17 給水管
18 出湯管
20 排気通路
21 流入口
22 流出口
23 前板
24 後板
25,26 側板
25a 窓孔
27 天板
31 ファン本体
32 ファンモータ
33 モータ固定板
34 支持台
35 モータ軸
36 挿通孔
37 支持片
38 シャフト連結部
39 回転翼
40 排気管
41 排気アダプタ
51 収容室
52 吸引口
53 排出口
54 排出風路
61 被覆面
62 周面
63 側面フランジ
64 上面フランジ
65 凹部
71 湾曲部
72 折れ曲り部
73 取付片
74 取付面
b1~b6 ビス


図1
図2
図3
図4
図5
図6