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特開2023-154683表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第一表、第二表及び書類作成支援装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154683
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第一表、第二表及び書類作成支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/18 20200101AFI20231013BHJP
【FI】
G06F40/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064182
(22)【出願日】2022-04-07
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VISUAL BASIC
(71)【出願人】
【識別番号】722003509
【氏名又は名称】土屋 多紀子
(72)【発明者】
【氏名】土屋 敦義
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109QB11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な操作で表を含む所定様式書類を作成できる書類作成支援装置及び表を提供する。
【解決手段】第一表は、セルの高さ及び幅を変更不可能にあらかじめ設定されており、固定情報及び変動情報が記載されてシートが印刷されると、所定の様式に沿った書類になるように、固定部及び変動部のセルの高さ及び幅が調整されており、個人によって変動する情報である第二表変動情報を有する第二表を用いて書類を作成することが可能であり、第二表に記載された第二表変動情報が第一表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態でペーストされることにより、第一表の変動部における変動情報が第二表に記載された第二表変動情報によって上書きされるように設定されており、かつ、第二表変動情報が正しくペーストされたかどうかを確認する確認手段を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第一表であって、
第一表は、行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
個人によって変動しない情報である、固定情報が記載される前記セルの集合体である固定部と、
前記個人によって変動する情報である変動情報が記載される、前記セルの集合体である変動部と、
前記固定部と前記変動部が表示される作業画面であるシートと、
を備えるとともに、
第一表は、前記セルの高さ及び幅を変更不可能とする、書式変更禁止情報を有し、
前記書式変更禁止情報は、前記固定部及び前記変動部の前記セルの高さ及び幅を変更不可能にあらかじめ設定されており、
第一表は、前記固定情報及び前記変動情報が記載されて前記シートが印刷されると、所定の様式に沿った書類になるように、前記固定部及び前記変動部の前記セルの高さ及び幅が調整されており、
第一表は、前記個人によって変動する情報である第二表変動情報を有する第二表を用いて前記書類を作成することが可能であり、
前記第二表は、表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルであり、
第一表は、前記第二表に記載された前記第二表変動情報が第一表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態でペーストされることにより、第一表の前記変動部における前記変動情報が前記第二表に記載された前記第二表変動情報によって上書きされるように設定されており、かつ、前記第二表変動情報が正しくペーストされたかどうかを確認する確認手段を有する、
ことを特徴とする第一表。
【請求項2】
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第一表であって、
第一表は、前記第二表に対応する整理番号を記載する整理番号記載部を有し、
前記整理番号は、貼り付けるべき前記第二表の識別に使われることを特徴とする、
請求項1に記載の第一表。
【請求項3】
前記固定部と前記変動部とを備える領域である、主領域を有し、
前記主領域は第1行目から始まり、
前記主領域は第1列目から始まり、
前記主領域の右端の外側に、前記右端の全部に接しながら、縦方向に連結された縦結合セルと、
前記主領域の上端の内側に、横方向に連結された横結合セルと、
を有し、
前記縦結合セルは、前記主領域の上部の右角で前記横結合セルとぶつかることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の第一表。
【請求項4】
前記縦結合セルは、列全体を選択して結合されたものであることを特徴とする、
請求項3に記載の第一表。
【請求項5】
前記表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルであり、
請求項1に記載の第一表に用いられて、前記書類を作成することが可能であることを特徴とする、第二表。
【請求項6】
サーバから作成表を受け取る第一受信手段と、
前記作成表を記憶する記憶手段と、
前記変動情報を作成するための情報である作成情報を専門員連絡手段に連絡する連絡手段と、
前記変動情報が記載された前記第二表を専門員端末から受け取る第二受信手段と、
前記作成表を読み込み、表計算を行う前記表計算ソフトと、を備え、
前記表計算ソフトによって、前記作成表と前記第二表を用いて前記書類を作成する書類作成支援装置であって、
前記作成表は、請求項1に記載の第一表であることを特徴とする書類作成支援装置。
【請求項7】
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第二表であって、
第二表は、
行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
空白の前記セルで構成される第二表固定部と、
個人によって変動する情報である第二表変動情報が記載される、前記セルの集合体である第二表変動部と、
前記第二表固定部と前記第二表変動部が表示される作業画面であるシートと、
前記シートの一部の範囲だけを選択することを阻害する、部分選択阻害手段と、
前記第二表変動情報を含む前記シートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、前記第二表変動部が、正しくペーストされたかどうかを確認するために用いられる情報である、第二表確認情報を有することを特徴とする、第二表。
【請求項8】
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第二表であって、
第二表は、
行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
空白の前記セルで構成される第二表固定部と、
個人によって変動する情報である第二表変動情報が記載される、前記セルの集合体である第二表変動部と、
前記第二表固定部と前記第二表変動部が表示される作業画面であるシートと、
前記シートの一部の範囲だけを選択することを阻害する、部分選択阻害手段と、前記第二表変動情報を含む前記シートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態で、予定された位置にペーストされたか否かを判別するために用いられる情報である、第二表確認情報を有することを特徴とする第二表。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第一表、第二表及び書類作成支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(様式とは、文書などで、既定の書き方や見本があることである。書式が定められているものも含む。書類などについて書式という場合は、規則などで定められた形式や項目、要件を満たす文書の体裁などのことを指し、証書・願書・届書などのきまった書き方を言う。)
特許出願、商標登録出願、実用新案登録出願、意匠登録出願の願書など、国や、省庁、地方自治体、裁判所などに提出する書類については、書式が決まっており、専門知識が必要な場合も多い。これらの専門知識が必要な書類について専門家等に書類作成を依頼すると高額になることが多い。(なお、所定の様式には企業内で使用されるものも含む。)
従来技術では、web上で願書等の必要項目を入力して、電子出願用のファイルを作成するものがある。
https://sakutto.pcinfo.jpo.go.jp/trademark/A463/0/0
しかし、このような願書の作成支援システムでは、利用者が分からない点や独自で解決できない事項があった場合は、自力で願書の作成をすることを断念せざるを得ない。
【0003】
例えば、特許文献1には、アプリケーション・ソフトウェアにおけるデータ処理作業を自動化できる自動化支援プログラムという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-192013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
所定の様式に沿った書類(本明細書中で所定様式書類と呼ぶこともある)について、専門知識が必要な書類については、専門員(専門員とは所定様式書類について知識のあるものであり、例えば、商標の願書であれば、弁理士や知財部員が相当する、本明細書中で同じ)に書類の全てについて作成を依頼すると高額な費用がかかる。
そのため、自分で記載できる項目については、自分で記載し、自分でわからない真に必要な項目のみアドバイスをもらいたい場合がある。

また、自分でわからない所のみ専門員に書類を記載してもらおうとすると、願書のファイルの共有などが必要であり、PCの操作に慣れていない利用者にとっては、ハードルが高かった。
また、このようなしくみを専用のシステムとすると、利用者はまずは、その操作を覚える必要があった。
【0006】
電話や、チャット、電子メールで簡便に行う場合も考えられるが、電話等の音声で聞いた場合は、長い文章の時に対応が困難であり、チャットなどでは、書類のどこにチャットの内容を貼り付けてよいのか不安が残る。
もし、文章を共有して願書の支援をするシステムを作成しようとすると、システムが大掛かりになったり、文書を共有したりすることからセキュリティ上の問題がある場合があった。
【0007】
従来、所定様式書類の作成についてすべてを専門員等に依頼していた。しかし、発明者は、自分で記載できる項目については、自分で記載し、自分でわからない真に必要な項目のみを簡単な操作・システムで記載するという、新たな課題を発見した
【0008】
二つの文書を取捨選択して統合して、一つの文書にするなどの方法も考えられる。
これについては、マクロやプログラムを使う方法がある。しかし、操作に慣れていない使用者にとっては、マクロや、ブログラムの起動が難しい。また、無条件にプログラムを動かしたり、シートのマクロを有効にしたりするとセキュリティ上の不安が残った。
【0009】
また、例えば特許文献1記載の従来の技術では文書支援の手順の変更については柔軟に対応できるが、部分部分において、処理をマクロに頼っている、という問題があった。
PCの操作に慣れていない利用者では、マクロを有効にする方法を知らなかったり、マクロの起動の仕方を知らなかったりする場合もある。また無条件にマクロを有効にしてしまうとセキュリティ上の心配があった。
【0010】
表計算ソフトは、ブラウザ、文書作成ソフトと同様、PCに標準的にインストールされている場合が多い(以下、ブラウザ、メーラー、表計算ソフト、及び文書作成ソフトを標準ソフトという)。
なお、メーラーとは「メールソフト、Webメールを包括した表現」で、メールの送受信を行うためのツールという広い意味を持つ言葉である。
【0011】
専門員の支援を受け、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明では、
----
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第一表であって、
第一表は、行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
個人によって変動しない情報である、固定情報が記載される前記セルの集合体である固定部と、
前記個人によって変動する情報である変動情報が記載される、前記セルの集合体である変動部と、
前記固定部と前記変動部が表示される作業画面であるシートと、
を備えるとともに、
第一表は、前記セルの高さ及び幅を変更不可能とする、書式変更禁止情報を有し、
前記書式変更禁止情報は、前記固定部及び前記変動部の前記セルの高さ及び幅を変更不可能にあらかじめ設定されており、
第一表は、前記固定情報及び前記変動情報が記載されて前記シートが印刷されると、所定の様式に沿った書類になるように、前記固定部及び前記変動部の前記セルの高さ及び幅が調整されており、
第一表は、前記個人によって変動する情報である第二表変動情報を有する第二表を用いて前記書類を作成することが可能であり、
前記第二表は、表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルであり、
第一表は、前記第二表に記載された前記第二表変動情報が第一表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態でペーストされることにより、第一表の前記変動部における前記変動情報が前記第二表に記載された前記第二表変動情報によって上書きされるように設定されており、かつ、前記第二表変動情報が正しくペーストされたかどうかを確認する確認手段を有する、
ことを特徴とする第一表
----
を提供する。
【0013】
請求項2に係る発明では、
-----
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第一表であって、
第一表は、前記第二表に対応する整理番号を記載する整理番号記載部を有し、
前記整理番号は、貼り付けるべき前記第二表の識別に使われることを特徴とする、
請求項1に記載の第一表
-----
を提供する。
このように構成すると整理番号があるので、第一表に、別の第二表の情報をペーストしてしまうことを防止できる効果がある。
【0014】
請求項3に係る発明では、
-----
前記固定部と前記変動部とを備える領域である、主領域を有し、
前記主領域は第1行目から始まり、
前記主領域は第1列目から始まり、
前記主領域の右端の外側に、前記右端の全部に接しながら、縦方向に連結された縦結合セルと、
前記主領域の上端からその内側に、横方向に連結された横結合セルと、
を有し、
前記縦結合セルは、前記主領域の上部の右角で前記横結合セルとぶつかることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の第一表
------
を提供する。

第一表の結合セルと第二表の結合セルが合わさるようにペーストしないとエラーがでてペーストできない。そのため、誤った位置に第二表の情報をペーストしてしまうことを防止できる効果がある。
【0015】
請求項4に係る発明では、
----
前記縦結合セルは、列全体を選択して結合されたものであることを特徴とする、
請求項3に記載の第一表
----
を提供する。

列全体を選択して結合した結合セルを設けることにより、第二表の情報を下方向にずれてペーストしてしまうことを強力に防止できる効果がある。
【0016】
請求項5に係る発明では、
----
前記表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルであり、
請求項1に記載の第一表に用いられて、前記書類を作成することが可能であることを特徴とする、第二表
----
を提供する。
第二表と第一表を組み合わせて、所定様式書類を作成できる。
【0017】
請求項6に係る発明では、
----
サーバから作成表を受け取る第一受信手段と、
前記作成表を記憶する記憶手段と、
前記変動情報を作成するための情報である作成情報を専門員連絡手段に連絡する連絡手段と、
前記変動情報が記載された前記第二表を専門員端末から受け取る第二受信手段と、
前記作成表を読み込み、表計算を行う前記表計算ソフトと、を備え、
前記表計算ソフトによって、前記作成表と前記第二表を用いて書類を作成する書類作成支援装置であって、
前記作成表は、請求項1に記載の第一表であることを特徴とする書類作成支援装置
----
を提供する。
基本的なソフトで簡単に書類作成支援装置を構成できる効果がある。
【0018】
請求項7に係る発明では、
-----
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第二表であって、
第二表は、
行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
空白の前記セルで構成される第二表固定部と、
個人によって変動する情報である第二表変動情報が記載される、前記セルの集合体である第二表変動部と、
前記第二表固定部と前記第二表変動部が表示される作業画面であるシートと、
前記シートの一部の範囲だけを選択することを阻害する、部分選択阻害手段と、
前記第二表変動情報を含む前記シートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、前記第二表変動部が、正しくペーストされたかどうかを確認するために用いられる情報である、第二表確認情報を有することを特徴とする第二表
----
を提供する。
部分選択阻害手段があるので、不適切な操作を防止できる。
【0019】
請求項8に係る発明では、
----
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第二表であって、
第二表は、
行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
空白の前記セルで構成される第二表固定部と、
個人によって変動する情報である第二表変動情報が記載される、前記セルの集合体である第二表変動部と、
前記第二表固定部と前記第二表変動部が表示される作業画面であるシートと、
前記シートの一部の範囲だけを選択することを阻害する、部分選択阻害手段と、前記第二表変動情報を含む前記シートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態で、予定された位置にペーストされたか否かを判別するために用いられる情報である、第二表確認情報を有することを特徴とする第二表
----
を提供する。
空白を除いてペーストするという設定が選択された状態でペーストされたか否かを判別するので、より好適に不適切な操作を防止できる。
第一表の誤った位置にペーストすることをより好適に防止できる効果がある。
【発明の効果】
【0020】
第一表は表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである。
そのため、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単に操作できる。

第一表は、第二表に記載された第二表変動情報が第一表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態でペーストされることにより、第一表の変動部における変動情報が第二表に記載された第二表変動情報によって上書きされるように設定されており、かつ、第二表変動情報が正しくペーストされたかどうかを確認する確認手段を有する。

第二表のシートをコピーし、空白を除いて第一表の所定の位置にペーストすると、個人によって変動する情報である第二表変動情報が所定の位置にペーストされる。第一表には個人により変動しない固定情報が記載されているので、固定情報と、第二表変動情報を合わせることによって必要な情報がそろい、願書が作成できる。

そのため、利用者が第二表をコピーし、第一表に空白を除いてペーストするという簡単な操作で、操作を完了できる。(なお、以下、Aをクリップボードにコピーして、クリップボードの内容をBにペーストすることをAをBにペーストすると呼ぶこともある)

第一表は、固定情報及び変動情報が記載されて印刷されると、所定の様式に沿った書類になるように、固定部及び変動部のセルの高さ及び幅が調整されている。

そのため、第一表をそのまま印刷すれば、願書が作成でき、専門員の支援を受け、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成できる。

しかし、利用者の操作の誤りにより、前記第二表変動情報が、正しい位置、正しい方法で第一表にペーストされない場合がある。この対策として、第一表に確認手段を設けている。

本発明の第二表については、
前記シートの一部の範囲だけを選択することを阻害する、部分選択阻害手段を有する。

シートの全範囲を選択してコピーすると、ペーストする際には、第一表の全範囲を選択するか、最初のセル(A1)を指定してペーストする必要がある。
そのため、利用者が第一表の不適切な位置にペーストをしてしまうことを防止できる。

第二表は、前記第二表変動情報を含む前記シートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、前記第二表変動部が、正しくペーストされたかどうかを確認するために用いられる情報である第二表確認情報を有する。
そのため、第一表に正しくペーストしたか確認できる。

第二表は、前記第二表変動情報を含む前記シートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態で、予定された位置にペーストされたか否かを判別するために用いられる情報である、第二表確認情報を有する。
そのため、正しい操作で予定された位置にペーストしたか確認できる。

よって、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成できる。

また、書類作成支援装置については、
第一受信手段及び第二受信手段をメーラーとすることにより、標準ソフトのみで、書類作成支援装置を構成でき、専門員の支援を受け、書類作成支援装置を用いて、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定の様式に沿った書類を作成できる。

よって、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成できる。

上記の効果以外にも、各請求項に記載の発明によれば、
1.ソフトウエアに関していえば、ブラウザ、メーラーと表計算ソフトという基本的なソフトだけで書類作成支援装置が実現できる、
2.また、固定情報と専門員から得た固定情報を統合すればよいが、その作業は1回のコピー、ペーストで終了する、
3.この操作は、表計算ソフトの基本的な機能であるから、PCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成することができる、
4.利用者が第二表の不適切な場所にペーストしてしまう可能性を極力排除している、
5.もし、間違ったところにペーストした場合は確認手段で、簡単に確認できる、
6.よって、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定の様式に沿った書類を作成することができる、
7.利用者が自分で記載できる項目については、自分で記載し、自分でわからない真に必要な項目のみ専門員に補助をもらい、それを所定の様式に沿った書類に反映でき、しかも簡単な操作・システムで実現できる、
という優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態での第一表及び第二表の概念図
図2】第一表主シート
図3】第一表の副シートの貼り付けの前の状態
図4】第二表主シート(その1)
図5】第二表主シート(その2)
図6】第二表副シート
図7】貼り付け手順(その1)全選択
図8】貼り付け手順(その2)コピー
図9】貼り付け手順(その3)形式を選択して貼り付け
図10】貼り付け手順(その4)空白セルを無視する
図11】貼り付け手順(その5)貼り付け完了
図12】貼り付け手順(その6)主シートでの確認
図13】貼り付け場所を間違えた場合
図14】シート全体を選択しなかった場合
図15】シート全体を選択しなかった場合(その1)貼り付け結果
図16】シート全体を選択しなかった場合(その2)B2に張りつけようとした場合
図17】シート全体を選択しなかった場合(その3)A1に張りつけた場合
図18】選択範囲を誤った場合
図19図18の場合の第一表副シートの状況
図20】Cの列を選択して、A8に張りつけようとした場合である。
図21】第二表主シートの範囲の設定
図22】第二表主シートのセルの書式設定の選択
図23】第二表主シートのセルの書式設定ダイアログ
図24】第二表主シートの保護
図25】第二表主シートの保護のチェック
図26】第二表主シートの範囲を選択した場合
図27】適切な場所にペーストした場合
図28】不適切な場所にペーストした場合
図29】マクロの記載例
図30】シートの一部をマウスの左クリックで選択した例
図31】クリックを離した状態
図32】第二表主シートの一部をマウスの右クリックで選択した例
図33】書類作成支援システム概要
図34】この発明の書類作成支援装置の内部機能を示す機能ブロック図
図35】利用者がこの書類作成支援装置を用いて書類を作成し提出するまでの流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
所定の様式に沿った書類とは、所定の様式が定められているものであり、国や地方自治体、行政主体、行政機関、行政庁さらには企業などに提出する書類で、書式等が定まったものである。たとえば、特許庁に提出される様式に沿った書類では、特許出願、実用新案登録出願、意匠登録出願、商標登録出願の願書などの願書等様式、申請人登録に関する変更様式、中間書類の様式、納付書等の様式、移転関係様式、審判関係等様式などがある。
【0023】
所定の様式に沿った書類として、本実施形態では、商標登録出願の願書(以下、願書とする)を例にとって説明する。
表計算ソフト304はマイクロソフト社のExcel(登録商標)を例にとって説明する。Excel(Excelは、エクセル、EXCELと表記することもある。)はMicrosoft Office Professional plus 2019(以下、現バージョンとする。なおMicrosoftは登録商標である) の物である。
【0024】
行はExcelで横並びのデータを示す1行目、2行目、3行目・・・と数字で管理されているものである。行番号が若い方向が上側と定義する。
列はExcelで縦並びのデータを示すA列、B列、C列・・・とアルファベットで管理されているものである。なお、A列、B列、C列・・・のアルファベットについても便宜上行番号と呼ぶ。
上下方向を縦方向と定義し、左右方向を横方向と定義する。
行方向とは、選択する行を増やす方向、つまり、上下方向と定義する。
列方向とは、選択する列を増やす方向、つまり、左右方向と定義する。
【0025】
列番号のアルファベットの先頭側(A側)が左側と定義する。
以後2つ以上の表で、同じ行番号で指定される行を対応する行と呼ぶ。
以後2つ以上の表で、同じ列番号で指定される列を対応する列と呼ぶ。
以後2つ以上の表で、同じ列番号と同じ列番号で指定されるセルを対応するセルと呼ぶ。
以後2つ以上の表で、対応するセルで構成される領域を対応する領域とよぶ。
空白を除いてペーストする、また同義の記載については、現バージョンでは、ペーストする際に、形式を選択して貼り付けを選び、形式を選択して貼り付け、のダイアログボックス(ダイアログと呼ぶこともある)で、「空白セルを無視する」にチェックを入れて、OKのボタンを押し、ペーストすることである。本明細書中でこのように定義する。
【0026】
なお、貼り付けることと、ペーストすることは同義であるが、実際の操作については、ペーストするなどと、なるべく「ペースト」という文字を用いて記載してある。エクセルでのダイアログボックスでの表記で貼り付けの表現が使われている場合は、そのまま、「貼り付け」の表現としている。
【0027】
個人には自然人のほか法人も含まれる。個人の例は、所定の様式に沿った書類を提出する者や、申請人である。商標の願書においては、出願人等になる。
【0028】
以下、本発明の第一表100、第二表200、及び書類作成支援装置300の好適な実施の形態について、図1から図35を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本実施形態での第一表100及び第二表200の概念図を表したものである。
第一表100は、表計算ソフト304によって処理が可能なデータファイルである。
第一表100は、主シートと副シートを有する。
第一表主シート101は、主領域3、確認手段6、と縦結合セル33を有する。
第二表主シート201は、すべて空白の第一表主シート101をペーストし(もちろん、第一表主シート101をコピーし第二表主シート201にペーストして、その後、第二表主シート201の全ての文字等を削除してもよい)、その後、整理番号1記載用のテキストボックスを作成したものである(つまり、第一表100の書式の情報のみを第二表200にペーストしたということである)。
その後、セルの高さ、幅は、必要な情報を記載しやすいように調整してある(後述する図2参照)。第一表副シート102と第二表副シート202については後述する。
----
[請求項1]に記載のように
表計算ソフト304によって処理が可能なデータファイルである第一表100であって、
第一表100は、行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
個人によって変動しない情報である、固定情報41が記載される前記セルの集合体である固定部4と、
前記個人によって変動する情報である変動情報52が記載される、前記セルの集合体である変動部5と、
前記固定部4と前記変動部5が表示される作業画面であるシートと、
を備えるとともに、
第一表100は、前記セルの高さ21及び幅を変更不可能とする、書式変更禁止情報7を有し、
前記書式変更禁止情報7は、前記固定部4及び前記変動部5の前記セルの高さ21及び幅を変更不可能にあらかじめ設定されており、
第一表100は、前記固定情報41及び前記変動情報52が記載されて前記シートが印刷されると、所定の様式に沿った書類になるように、前記固定部4及び前記変動部5の前記セルの高さ21及び幅が調整されており、
第一表100は、前記個人によって変動する情報である第二表変動情報52Aを有する第二表200を用いて前記書類を作成することが可能であり、
前記第二表200は、表計算ソフト304によって処理が可能なデータファイルであり、
第一表100は、前記第二表200に記載された前記第二表変動情報52Aが第一表100にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態でペーストされることにより、第一表100の前記変動部5における前記変動情報52が前記第二表200に記載された前記第二表変動情報52Aによって上書きされるように設定されており、かつ、前記第二表変動情報52Aが正しくペーストされたかどうかを確認する確認手段6を有する、
ことを特徴とする第一表100
である。
【0030】
[請求項2]に記載のように
表計算ソフト304によって処理が可能なデータファイルである第一表100であって、
第一表100は、前記第二表200に対応する整理番号1を記載する整理番号記載部11を有し、
前記整理番号1は、貼り付けるべき前記第二表200の識別に使われることを特徴とする、
請求項1に記載の第一表100
である。
【0031】
[請求項3]に記載のように
前記固定部4と前記変動部5とを備える領域である、主領域3を有し、
前記主領域3は第1行目から始まり、
前記主領域3は第1列目から始まり、
前記主領域3の右端の外側に、前記右端の全部に接しながら、縦方向に連結された縦結合セル33と、
前記主領域3の上端からその内側に、横方向に連結された横結合セル32と、
を有し、
前記縦結合セル33は、前記主領域3の上部の右角31で前記横結合セル32とぶつかることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の第一表100
である
【0032】
[請求項4]に記載のように
前記縦結合セル33は、列全体を選択して結合されたものであることを特徴とする、
請求項3に記載の第一表100
である。
【0033】
[請求項5]に記載のように
前記表計算ソフト304によって処理が可能なデータファイルであり、
請求項1に記載の第一表100に用いられて、前記書類を作成することが可能であることを特徴とする、第二表200
である。
------
〔表計算ソフト304〕
表計算ソフト304は、数値データの集計・分析に用いられるアプリケーション・ソフトウェアである。マイクロソフト社のエクセルなどがある。
〔セル2〕
セル2は行と列で指定され、データを入力できる部分であり、枠線で囲まれた部分である。
まず、第一表100の構成について説明する。特定のセル、例えば、1行目のA列のセルについては、A1と表すこともある。(なお、セル2については、符号を付することを適宜省略している場合がある)
〔シート8〕
シート8は表計算ソフト304の作業画面である。集計用紙のように縦横に並んだマス目(セル2)に文字や数値を入力して、そのデータを元に数値計算や集計、グラフ作成などの作業を行うことができる。(なお、シート8については、符号を付することを適宜省略している場合がある)
【0034】
〔第一表100〕
本実施形態では、第一表100は、第一表主シート101と第一表副シート102の2つのシートを備える。
確認手段6の構成によっては副シートを省くことができる。
〔第一表主シート101〕
第一表主シート101は固定情報41及び変動情報52が記載されて印刷されると、所定の様式に沿った書類になるように、固定部4及び変動部5のセルの高さ及び幅が調整されているシートである。第一表100の主要な情報がここに記載される。第一表主シート101は、主領域3、縦結合セル33、確認手段6を有する。
〔第一表副シート102〕
第一表副シート102は、確認情報61の計算をしたり、確認手段6を表示するシートである。図1には表示されていない。詳細は後程説明する。第一表副シート102は第一表100のSheet1である。
〔主領域3〕
主領域3は、主シートにもうけられ、所定様式書類の内容が記載される部分である。
主領域3は、整理番号記載部11、固定部4、変動部5、と横結合セル32を有する。
〔整理番号記載部11〕
整理番号記載部11は、整理番号1が記載される部分である。整理番号1は識別符号であり、数字、アルファベット、記号等が使われる。
本実施形態では、整理番号1は第一表100にあらかじめ記載されているが、利用者が記載し、識別番号を第二表200の作成者である、専門員に伝えてもよい。整理番号1は、貼り付けるべき第二表200の識別に使われる。
これによって、作成すべき願書が複数ある場合に、貼り付け間違いが防止できる。
出願人が任意な整理番号1を記載する場合には、整理番号1は固定情報41でなくなる。そのため、整理番号記載部11は、固定部4及び変動部5以外のその他の領域になる。
【0035】
〔固定部4〕
固定部4は、固定情報41が記載される領域である。固定部4は、主領域3の上部、横結合セル32の下側に設けられている。固定部4は所定の貼り付け操作(第二表主シート201の全体を選択してコピーし、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態で第一表主シート101にペーストする操作)により、影響を受けない部分と考えてもよい。
固定部4には、固定情報41以外の情報が記載されていてもよい。本実施形態では、「提出日 令和XX年 XX月XX日」、「整理番号 001」が記載されている。固定部4の配置は、所定様式書類によって異なる。
〔固定情報41〕
固定情報41とは、個人によって変動しない情報である。例えば、「商標登録願」の文字等である。言い換えれば誰によっても同じになる定型の情報ということになる。
別人はもとより、たとえ、同一の個人であっても、所定様式書類の作成ごとに考慮する。
従って、所定様式書類の作成ごとに異なる可能性のある情報は固定情報41には含まれないものとする。
〔変動部5〕
変動部5は変動する情報である変動情報52が記載される。図では、変動部5は、固定部4の下側に設けられているが、所定様式書類の構成によって固定部4、変動部5の配置は異なる。
【0036】
〔変動情報52〕
変動情報52は、個人によって変動する情報である。変動情報52の例は、例えば、「指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分」である。同一の個人であっても、所定様式書類の作成ごとに異なる可能性のある情報は、変動情報52に含まれるものとする。
〔横結合セル32〕
横結合セル32は、2以上のセルを横方向、すなわち列方向に結合した結合セルである。
横結合セル32は主領域3の上端に配置されており、横結合セル32の上端は、主領域3の上端に全て重なっている。
本実施形態では、横結合セル32は1行にあるセルを横方向に結合しているが、2行以上の構成としてもよい。例えば、2行の場合は、2行×複数列を結合した、結合セルになる。
【0037】
〔縦結合セル33〕
縦結合セル33は少なくとも主領域3の右端をすべて覆うように、複数のセルが縦方向結合された結合セルである。縦結合セル33は主領域3の右端に接している。
主領域3の行数をnとすると、少なくともn行×1列を結合したセルになる。
本実施形態では、列全体を選択して結合されている。
つまり、まず列を選択して、その列全体を結合セルにしているので、一行目から最終行までのセルが結合されている。
このようにするとコピーした領域を、下方向にあやまってペーストすることを防止できる効果がある。そのようにするとエラーが出て貼り付けができない(後述)。
また2列以上の行を1つの行にする結合セルにしてもよい。
【0038】
第一表100は、
固定部4と変動部5とを備える領域である、主領域3を有し、
前記主領域3は第1行目から始まり、
前記主領域3は第1列目から始まり、
主領域3の右端の外側に、右端の全部に接しながら、縦方向に連結された縦結合セル33と、
主領域3の内側の上端に、横方向に連結された横結合セル32と、
を有し、
縦結合セル33は、主領域3の上部の右角31で横結合セル32とぶつかる(接する)ことを特徴とする。
【0039】
もし、縦結合セル33が縦に長い長方形であり、横結合セル32が横に長い長方形の場合は、横結合セル32の右短辺が縦結合セル33長辺の上端の左側に接するということである。
【0040】
現バージョンでは、縦結合セル33と横結合セル32が重なる部分をもうけて、例えば、Γ型のような結合セルを作成することができない。したがって、現在、縦結合セル33と横結合セル32が重なる部分を設けることはソフトウエアの仕様上できないが、将来これが可能になる場合は、当然に縦結合セル33と横結合セル32が重なる部分をもうけた、Γを左右逆にしたような結合セルも本発明に含む。
【0041】
すなわち、縦結合セル33が、主領域3の上部の右角31で横結合セル32とぶつかることについては、縦結合セル33の右端が横結合セル32の上端に交わることも含む。
なお、縦結合セル33は少なくとも縦方向に結合されていればよく、横結合セル32は少なくとも横方向に結合されていれば良い。そのため縦結合セル33は2行以上が結合されていてもよく、横結合セル32は2列以上が結合されていてもよい。また必ずしも、これらの結合セルは四角形である必要はない。縦結合セル33の上端が主領域3の上端に重なっていればよく、縦結合セル33の下端(境界線)の形状は任意である。また。縦結合セル33の左端が主領域3の右端に重なっていればよく、縦結合セル33の右端(境界線)の形状は任意である。現バージョンではこのような結合セルは仕様上作成できないが、将来は可能となる可能性がある。
【0042】
本実施形態では、縦結合セル33は列全体を結合した結合セルとしたが、逆に、横結合セル32を行全体を結合したセルとしてもよい。その場合は、縦結合セル33は横結合セル32にTの字で交わることになる。そのT文字の縦棒は少なくとも主領域3の最下端まで伸びるように、縦結合セル33を設けることが望ましい。また主領域3はTの横棒の下の側でかつ、縦棒の左側の領域であり、縦棒と横棒を含まない部分と考えてもよい。本実施形態でも主領域3は、Γの左右入れ替えた図形で、その横棒の下の側でかつ、縦棒の左側の領域であり、縦棒と横棒を含まない部分と考えてもよい。そうすると横結合セル32は主領域3に含まれなくなる。
【0043】
しかし、請求項の発明で、横結合セル32が主領域3に含まれるという記載にしている理由は、縦結合セル33と横結合セル32の交差を表現するためにそのように表現したほうが理解しやすかったからである。そのため、主領域3の外側に横結合セル32が配置され、主領域3の上辺と、右辺が、横結合セル32または、縦結合セル33に覆われているという表現としても構わない。本実施形態では、横結合セル32はシートの上端から始まっているが、上端から、1行以上開けたところに設けることもできる。また主領域の上端以外に設けることもできる。横結合セル32を主領域の上端に設けると、横結合セル32によって主領域が分断されないので、主領域の使い勝手が良いという効果がある。縦結合セル33についても同様である。
【0044】
なお、第二表200の第二表横結合セル32Aも、横結合セル32と同様であり、第二表縦結合セル33Aも、縦結合セル33と同様である。
【0045】
第二表200にも同じ位置に、結合セル(第二表横結合セル32A、第二表縦結合セル33A)を設けている。
このように構成すると、第二表200を第一表100にペーストした時、対応する結合セルが重なるようにペーストしないと、ほとんどの場合は、エラーがでてペーストすることができない。
すなわち、第二表横結合セル32Aが横結合セル32に重なり、かつ第二表縦結合セル33Aが縦結合セル33に重なるようにペーストしないと、ほとんどの場合エラーが出る。このことにより、利用者が誤った所に第二表200の情報をペーストしてしまうことを防止できる効果がある。
【0046】
〔確認手段6〕、〔確認情報61〕、〔第二表確認情報61A〕
確認手段6は、第二表200の情報が正しく、第一表100にペーストできたか確認するものである。
確認情報61は確認手段6によって、確認のために用いられる情報である。
例えば、第二表確認情報61Aとして願書が正しく記載できた時の主領域3内の予想総文字数を計算しておく。また確認情報61として第一表100の主領域3内の総文字数を数式により計算して表示する。第二表200全体をコピーして、ペーストすると第二表確認情報61Aの値が第一表100の確認情報61付近にペーストされる。確認情報61は縦結合セル33の右側の領域に表示される。
【0047】
正しく、ペーストできた場合は、確認情報61と、第二表200から第一表100にペーストされた第二表確認情報61Aの値が同じになる。利用者は確認情報61と第二表確認情報61Aの値を見比べて、第二表200の内容が意図通りに正しくペーストされたかどうかを確認できる。
第二表確認情報61Aは、第二表主シート201の全体を選択してコピーし、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態で第一表主シート101にペーストする操作(本明細書中で、所定の貼り付け操作と呼ぶこともある)で、確認情報61と対比しやすい場所にペーストされる。
【0048】
第二表確認手段6Aの一部には、所定の貼り付け操作により、第一表100にペーストされたときに、確認手段6として動作するものがある。
【0049】
なお、テキストボックス等のオブジェクトは、「空白セルを無視する」を選択した場合コピーできないので、整理番号1が記載された、テキストボックスが第一表100はペーストされない。
【0050】
第一表100と第二表200を比べると、対応する領域に横方向に結合されたセルがある(横結合セル32、第二表横結合セル32A)。また、対応する領域に縦方向に結合されたセルがある(縦結合セル33、第二表縦結合セル33A)。このように構成すると、第二表横結合セル32Aが横結合セル32に、第二表縦結合セル33Aが、縦結合セル33に、ちょうど重なるようにペーストしないとほとんどの場合エラーが出る。そのため、貼り付け位置の間違いを防止できる。
【0051】
所定の貼り付け操作をすると、第二表変動部5Aの情報が、変動部5にペーストされる。これにより、変動部5の記載が完了する。第一表100の固定部4にはすでに固定情報41が記載されているので所定の貼り付け操作によって願書の記載が完成する。
【0052】
第一表100は、固定情報41及び変動情報52が記載されて印刷されると、所定の様式に沿った書類になるように、固定部4及び変動部5のセルの高さ及び幅が調整されているので、第一表100を印刷することにより、願書の作成が完成する。
【0053】
次に第二表200の構成について説明する。
〔第二表200〕
本実施形態では、第二表200は、第二表主シート201と第二表副シート202の2つのシートを備える。確認手段6の構成によっては副シートを省くことができる。
〔第二表主シート201〕
第二表主シート201は、専門員が記載する。専門員とは所定様式書類について知識のあるもの(この明細書中、同じ)であり、例えば、商標の願書であれば、弁理士や知財部員が相当する。
第二表主シート201は第二表主領域3A、第二表縦結合セル33A、第二表確認手段6Aを有する。
第二表200の主要な情報がここに記載される。
〔第二表副シート202〕
第二表確認情報61Aの計算をするシートである。図1には表示されていない。詳細は後程説明する。第二表副シート202は第二表200のSheet1である。
〔第二表横結合セル32A〕
横結合セル32と対応する領域に第二表横結合セル32Aが設けられている。
第二表横結合セル32Aは実施例では、1Aと1Bを結合したセルである。この上部の右角31の部分が、第二表右角31Aである。
〔第二表主領域3A〕
第二表主領域3Aは第二表主シート201に設けられている。主領域3と対応する領域に第二表主領域3Aが設けられている。第一表100の主領域3はセルの高さ、幅は変更ができないように設定されていたが、第二表主領域3Aについては特にそのような制限を設けなくともよい。第二表主領域3Aは、第二表固定部4A、第二表変動部5A、第二表横結合セル32Aを有する。
第二表主領域3Aは専門員が主に記載する部分である。なお特段の事情がない場合は、専門員は第二表副シート202を変更する必要はない。
〔第二表整理番号1A〕
第二表整理番号1Aは識別符号である。本実施形態では、第一表100の整理番号1と同一の番号が振られている。番号は数字だけでなく、アルファベット、記号も含む。第二表整理番号1Aは図形(オブジェクト)に記載されている。そのため、第二表整理番号1Aは所定の張りつけ操作によっては第一表100に転記されない。
【0054】
〔第二表固定部4A〕
固定部4に対応する領域に第二表固定部4Aが設けられている。第二表固定部4Aは基本的には空白セルで構成されているが、専門員が第一表100の固定部4に付け加えたいことなどがあれば、ここに記載できる。所定の貼り付け操作をすることにより、その情報が第一表100の固定部4にペーストできる。第二表固定部4Aの配置は、所定様式書類によって異なる。
〔第二表変動部5A〕
変動部5と対応する領域に第二表変動部5Aが設けられている。
第二表変動部5Aは、第二表変動情報52Aが記載される。第二表変動部5Aは、主に第二表固定部4Aの下側に設けられている。第二表変動部5Aの配置は、所定様式書類によって異なる。
【0055】
〔第二表変動情報52A〕
第二表変動情報52Aは、個人によって変動する情報である。変動情報52の例は、例えば、「指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分」である。同一の個人であっても、所定様式書類の作成ごとに異なる可能性のある情報は、変動情報52に含まれるものとする。
第二表変動情報52Aは、専門員が記載することを想定している。
【0056】
〔第二表縦結合セル33A〕
縦結合セル33と対応する列に第二表縦結合セル33Aが設けられている。C列全体が第二表縦結合セル33Aである。
〔第二表確認手段6A〕
第二表確認手段6Aは確認手段6と合わせて、第二表200の情報が正しく、第一表100にペーストできたか確認するものである。本実施形態では、第二表確認手段6Aは第二表主シート201と第二表副シート202に設けられている。第二表確認手段6Aには貼付け位置確認情報611Aも含まれる。なお、詳細は後述する。
〔第二表確認情報61A〕
第二表確認情報61Aは第二表200の情報が正しく、第一表100にペーストできたか確認するための情報である。第二表副シート202に設けられた数式で計算されるものもある。さらに詳細に説明する。
【0057】
図2は第一表主シート101である。
〔第一表100〕
第一表100は所定様式書類の作成に用いられるものである。エクセルで処理が可能なデータファイルである。
本実施形態では、第一表100は、第一表主シート101と第一表副シート102の2つのシートを備える。
確認手段6の構成によっては副シートを省くことができる。
【0058】
〔整理番号記載部11〕
整理番号記載部11は、整理番号1が記載される部分である。整理番号1は識別符号であり、数字、アルファベット、記号等が使われる。
本実施形態では、整理番号1は第一表100にあらかじめ記載されているが、利用者が記載し、識別番号を第二表200の作成者である、専門員に伝えてもよい。整理番号1は、貼り付けるべき第二表200の識別に使われる。
これによって、作成すべき願書が複数ある場合に、使用する表の間違いが防止できる。
出願人が記載する場合には、整理番号1は固定情報41でないため、整理番号記載部11は、固定部4及び変動部5以外のその他の領域になる。
【0059】
整理番号記載部11は、整理番号1を記載する部分である。本実施形態では固定部4内に含まれるとして説明するが、整理番号記載部11や出願日を記載する部分等、利用者が自分の判断で変更する部分については、固定部4に属すると考えてもよいし、主領域3の固定部4及び変動部5以外のその他の部分と考えてもよい。これらは単に定義の仕方の違いに過ぎない。
言い換えれば、固定部4には例えばテンプレートとして記載でき、通常専門員等のアドバイスが必要ない情報を記載してもよい。そして、これらについては固定部4に属すると考えてもよいし、主領域3の固定部4及び変動部5以外のその他の部分と考えてもよい。
本実施形態では、整理番号1はあらかじめ記載されている。後述する文書作成システムで、サーバ400があらかじめ整理番号1を記載することを想定している。
【0060】
〔シート8〕
シート8は表計算ソフト304の作業画面である。集計用紙のように縦横に並んだマス目(セル2)に文字や数値を入力して、そのデータを元に数値計算や集計、グラフ作成などの作業を行うことができる。ワークシートと呼ばれることもある。Sheet1 Sheet2 Sheet3は表計算ソフト304にもとから用意されているシート8であり、実施例ではそのシート8をそのまま使用している。第一表100では「願書」と、第二表200では「必要項目」と名付けられているシート8が主シートであり、「Sheet1」は副シートである。
なお、表計算ソフトでは、シート8の行や列などの一部を非表示にする機能がある場合がある。
固定部4と前記変動部5が表示される作業画面であるシート8の意味は、シート8の一部を非表示にする設定を解除した場合に、表示されるという意味で、一部を非表示にしている場合でも、非表示を解除した時に、固定部4と変動部5が表示されるならば、一部を非表示にしている場合も、表示される、に含まれる(本明細書中においておなじ)。
【0061】
〔セル2〕、〔書式変更禁止情報7〕
セル2は行と列で指定され、データを入力できる部分であり、枠線で囲まれた部分である。図ではE13のセル2を代表として示している。セル2には高さ21と幅22がある。固定情報41及び変動情報52が記載されて印刷されると、所定の様式に沿った書類になるように、固定部4及び変動部5のセル2の高さ21及び幅22が調整されており、幅22、高さ21が変更できないようにシート8の全てのセル2はロックがされ、シート8の保護がされている。
【0062】
セル2のロックおよびシート8の保護の情報が、書式変更禁止情報7であり、ブックのデータファイル内に保存されている。また、書式変更禁止情報7は、固定部4及び変動部5のセル2の高さ21及び幅22を変更不可能にあらかじめ設定されている。
【0063】
〔図形〕
特許印紙と書かれている四角形はエクセルで言うところの図形である。図形はオブジェクトの一種である。図形の中に「特許印紙」の文字がかかれているが、この文字は、第二表200をペーストすることにより影響を受けない。変動情報52、固定情報41に加えて、さらなる特別な情報や使用上の説明などを図形などのオブジェクト内に記載することにより階層的に、第一表100を使用することができる。
固定部4の位置にテキストボックスをもうけ、その中に固定情報41を記載してもよい。これにより、第二表200をペーストする際に、誤って、固定情報41の内容を失ってしまうことを防止できる。
また、シートの保護のメニューの中から、オブジェクトの編集のチェックを外してから、シートの保護を有効にすることにより、オブジェクト内のテキストを編集できなくすることもできる。説明書きなどに利用する場合は、有利である。
【0064】
〔主領域3〕
主領域3は、主シートにもうけられ、所定様式書類の内容が記載される部分である。
主領域3は、整理番号記載部11、固定部4、変動部5と横結合セル32を有する。
主領域3は本実施形態ではA及びB列の1列~38行である。本実施形態では、主領域3はA及びB列の2列としている。しかし、3列以上の複数列を含んでいてもよい。複数列とした場合は、書式の自由度が増す。
またA列の幅22を大きくしてA列のみの1列としてもよい。この場合は、横結合セル32は省略できる。これにより、主領域を簡便に構成できる。
【0065】
〔固定部4〕、〔変動部5〕
固定部4は、固定情報41が記載される領域である。固定部4は、主領域3の上部、横結合セル32の下側に設けられている。固定部4は所定の貼り付け操作により、影響を受けない部分と考えてもよい。
固定部4には、固定情報41以外の情報が記載されていてもよい。本実施形態では、「提出日 令和XX年 XX月XX日」、「整理番号 001」が記載されている。
【0066】
固定部4は、1~12列のうち、5列を除いた列であり、実施例では、変動部5は、固定部4以外の部分である。
変動部5は変動する情報である変動情報52が記載される。変動部5は、主に固定部4の下側に設けられている。
〔固定情報41〕
固定情報41とは、個人によって変動しない情報である。例えば、「商標登録願」の文字等である。言い換えれば誰によっても同じになる定型の情報ということになる。
同一の個人であっても、所定様式書類の作成ごとに違う者であるとして考える。
従って、本実施形態では、所定様式書類の作成ごとに異なる可能性のある情報は固定情報41には含まれないものとしている。
【0067】
〔変動情報52〕
変動情報52は、個人によって変動する情報である。変動情報52の例は、例えば、「指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分」である。同一の個人であっても、所定様式書類の作成ごとに異なる可能性のある情報は、変動情報52に含まれるものとする。
【0068】
図では、変動情報52として出願料の「(12000円)」が記載されている。もし第二表主シート201のA5に変動情報52があれば、所定の貼り付け操作により、第一表主シート101の変動部5における変動情報52が第二表200に記載された変動情報52によって上書きされる。
【0069】
〔横結合セル32〕
横結合セル32は、2以上のセルを横方向に結合した結合セルである。
横結合セル32は主領域3の上端に配置されており、横結合セル32の上端は、主領域3の上端の全てに重なっている。
本実施形態では、横結合セル32は1行にあるセルを横方向に結合しているが、2行以上の構成としてもよい。例えば、2行の場合は、2行×複数列を結合した、結合セルになる。
【0070】
図形の後ろに隠れて、A1とB1のセルを結合した横結合セル32がある。もし、主領域3を1列とした場合は、横結合セル32は省略できる。横結合セル32の上部の右角31が主領域3の上部の右角31になる。
横結合セル32は、第二表200をペーストする際に、誤って二列目にペーストしてしまうことを防止するために設けている。後で説明するように、誤って二列目にペーストするとエラーが出る。
〔確認手段6〕、〔第一表副シート102〕、〔確認情報61〕
第一表副シート102は確認情報61の計算や、確認手段6を表示するシートである(後程説明する)。第一表副シート102は第一表100のSheet1である。
【0071】
確認手段6の一つはD39に表示される確認情報61と、所定の貼り付け操作により、ペーストされる第二表確認情報61Aから構成される。
利用者は確認情報61とペーストされる第二表確認情報61Aの値が等しいかによって、所定の貼り付け操作がなされたかを確認する。
確認情報61は確認手段6によって、確認のために用いられる情報である。
現在はD39には46が表示されている。
A列~B列の1行~38行のセルに記載されている文字の文字数をsheet1(第一表副シート102はsheet1である)にある数式で計算し表示している。D39のセルは、sheet1のC40の値を参照している。
もし、数式を「願書」のシートに記載しておくと、利用者が誤って式のある場所に文字を書き込んでしまって、式を消してしまうことがある。数式を別のシートに記載し、その結果のみを参照して表示させることにより、利用者の誤操作により確認手段6の構成が影響を受けることを防止できる効果がある。
【0072】
sheet1には利用者が書き込む必要がないので、利用者がセルの内容を変更できないように、セルのロックと、シートの保護がされている。
本実施形態では、確認手段6は何種類かあるが、そのうち「願書」のシート(第一表主シート101は「願書」のシートである)ですぐに確認できるものを「願書」のシートに設けている。このようにすることにより簡易に確認できる効果がある。
sheet1に確認手段6の照合結果一覧表を作成し、すべての確認手段6の照合結果を一目で確認できるようにしている。このようにすることにより確認漏れが防止できる効果がある。
【0073】
〔縦結合セル33〕
縦結合セル33は少なくとも主領域3の右端をすべて覆うように、複数のセルが縦方向に結合された結合セルである。主領域3の行数をnとすると、少なくともn行×1列を結合したセルになる。また、1列以上を結合してもよい。
本実施形態では、列全体を選択して結合されている。
つまり、まず列を選択して、その列全体を結合セルにしているので、一行目から最終行までのセルが結合されている。また2列以上の行を1つの行にする結合セルにしてもよい。
このようにすると、適切な位置より、下方向にあやまってペーストすることを防止できる効果がある。
【0074】
〔書式変更禁止情報7〕
書式変更禁止情報7はセルのロック及びシートの保護の情報である。
幅、高さが変更できないようにシートの全てのセルはロックがされ、シートの保護がされている。これらの情報は、セルの情報などとともに、第一表100のデータファイル内に保存されている。セルのロック、シートの保護の手順については、図22図23を参照されたい。
書式変更禁止情報7は、固定部4及び変動部5のセルの高さ及び幅を変更不可能にあらかじめ設定されている。
【0075】
図3は第一表100の副シートの貼り付けの前の状態である。
C1~C40は確認手段6である。C1には=SUM(LEN(願書!A1),LEN(願書!B1))の式が記載されており、A1とB1の文字数の和、つまり主領域3の1行目の総文字数を計算する。
C2~C7そしてC10~C39も同様に、主領域3の対応する行の総文字数を計算する式が記載されている。C40には=SUM(C1:C39)の式が記載されており、主領域3の1~7行と10~39行の文字数の総和を計算する。(以下、例えばA1のセルに式が記載されていることをA1=式と記載する。)
【0076】
8~9行が計算対象から除かれている理由は、8行は「整理番号1」であり、9行は「提出日」であるので、利用者が願書作成後に8~9行を変更しても、確認情報61の値が変わらないようにするためである。
【0077】
F~H列の1~5行目には他の確認手段6の結果の一覧が記載されている。式の内容は以下になる。
H2=IF(願書!A2="・",IF(願書!B2="・",IF(願書!A23="■",IF(願書!B23="■",1,0),0),0),0)
H3=IF(COUNTIF(願書!1:1048576,"異常")=0,0,1)
H4=IF(C40=願書!D40,1,0)
H5=H2*H3*H4
【0078】
H2の式は、・のマークがA2とB2に、かつ、■のマークがA23とB23の位置にあれば1となり、そうでない場合は0となる。
H3の式は願書のシート中に「異常」の文字があれば、0となり、そうでない場合は、1となる。1:1048576 についてはシート全体を検索対象とする意味である。
H3の式の代わりに、以下のようにしても実現できる。
【0079】
H3=IF(IFNA(MATCH("異常",願書!A:A,0),0)+IFNA(MATCH("異常",願書!B:B,0),0)+・・・=0,1,0)
この式については、まず、各列について「異常」の文字を探す。例えば、A列目に「異常」の文字があれば、IFNA(MATCH("異常",願書!A:A,0),0)=0となり、そうでない場合は、1となる。したがって各列の結果を行方向に加えたときに、総和が0でなければ、シートのどこかに「異常」の文字があることになる。このようにしてシート全体を判断するものである。
【0080】
また、以下のようにしてもよい。
H3=IF(IFNA(MATCH("異常",願書!1:1,0),0)+IFNA(MATCH("異常",願書!2:2,0),0)+・・・=0,1,0)
この式については、まず、各行についての「異常」の文字を探す。例えば、1行目に「異常」の文字があれば、IFNA(MATCH("異常",願書!1:1,0),0)=0となり、そうでない場合は、1となる。
したがって各行の結果を列方向に加えたときに、総和が0でなければ、シートのどこかに「異常」の文字があることになる。このようにしてシート全体を判断するものである。
他の構成例としてはSUM関数を用いて、各列、または各行の総和をとるように構成してもよい。
【0081】
H4の式は願書のシートのD40とsheet1のC40の値が一致する場合は1となり、そうでない場合は0となる。願書のシートのD40は第二表200からペーストされてくる願書完成時の予想総文字数の値が入る。
つまり、第二表確認手段6Aが計算し、D40にペーストされた願書完成時の予想総文字数と、第一表100のsheet1で計算されるC40の実際の総文字数が等しい場合は1となり、そうでない場合は0となる。
【0082】
H5でH2~H4の積をとっているので、もし、H2~H4のうちどれか一つでも0であればH5は0になる。利用者はH5の値をみて1であれば、適切に第二表200のペーストができたと判断できる。H2~H4の積をとらずに、論理積(and)をとっても良い。
【0083】
図4は第二表主シート201(その1)である。
〔第二表200〕
本実施形態では、第二表200は、第二表主シート201と第二表副シート202の2つのシートを備える。確認手段6の構成によっては副シートを省くことができる。
〔第二表主シート201〕
第二表主シート201は、専門員が記載する。専門員とは所定様式書類について知識のあるもの(この明細書中、同じ)であり、例えば、商標の願書であれば、弁理士や知財部員が相当する。
第二表主シート201は第二表主領域3A、第二表縦結合セル33A、第二表確認手段6Aを有する。
第二表200の主要な情報がここに記載される。
〔第二表主領域3A〕
第二表主領域3Aは第二表主シート201に設けられている。主領域3と対応する領域に第二表主領域3Aが設けられている。第一表100主領域3はセルの高さ、幅は変更ができないように設定されていたが、第二表主領域3Aについては特にそのような制限を設けなくともよい。第二表主領域3Aは、第二表固定部4A、第二表変動部5A、第二表横結合セル32Aを有する。
第二表主領域3Aは専門員が主に記載する部分である。なお特段の事情がない場合は、専門員は第二表副シート202を変更する必要はない。
【0084】
〔第二表横結合セル32A〕
横結合セル32と対応する領域に第二表横結合セル32Aが設けられている。
本実施形態では、A1とB1を結合したセルである。この上部の右角31の部分が、第二表右角31Aである。
【0085】
〔第二表整理番号1A〕
第二表整理番号1Aは識別符号である。本実施形態では、第一表100の整理番号1と同一の番号が振られている。番号は数字だけでなく、アルファベット、記号も含む。第二表整理番号1Aは図形(オブジェクト)内に記載されている。図形内に記載されているので第二表整理番号1Aは所定の張りつけ操作によっては第一表100に転記されない。
〔第二表固定部4A〕
固定部4に対応する領域に第二表固定部4Aが設けられている。第二表固定部に記載される情報が第二表固定情報41Aである。
本実施形態では第二表固定情報41Aはすべて「””」、つまり空白である。
第二表固定部4Aは基本的には空白であるが、専門員がなにか第一表100の固定部4に付け加えたいなどの特段の事情があれば、ここに記載することも可能である。所定の貼り付け操作をすることにより、その情報が第一表100の固定部4にペーストできる。第二表固定部4Aの配置は、所定様式書類によって異なることは言うまでもない。
【0086】
〔第二表変動部5A〕
変動部5と対応する領域に第二表変動部5Aが設けられている。
第二表変動部5Aは、第二表変動情報52Aが記載される。実施例では、第二表変動部5Aは、主に第二表固定部4Aの下側に設けられている。第二表変動部5Aの配置は、所定様式書類によって異なることは言うまでもない。
【0087】
〔第二表変動情報52A〕
第二表変動情報52Aは、個人によって変動する情報である。変動情報52の例は、例えば、「指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分」である。同一の個人であっても、所定様式書類の作成ごとに異なる可能性のある情報は、変動情報52に含まれるものとする。第二表変動情報52Aは専門員が記載することを想定している。
〔第二表縦結合セル33A〕
縦結合セル33と対応する列に第二表縦結合セル33Aが設けられている。本実施形態ではC列全体を結合したセルである。本実施形態では、第二表横結合セル32Aと第二表縦結合セル33A以外には結合セルは設けられていないが、第一表100と第二表200の対応するセル、領域を結合セルとすることもできる。
【0088】
〔第二表確認手段6A〕
第二表確認手段6Aは確認手段6と合わせて、第二表200の情報が正しく、第一表100にペーストできたか確認するものである。第二表確認手段6Aは第二表主シート201と第二表副シート202に設けられている。第二表確認手段6Aには貼付け位置確認情報611Aも含まれる。
【0089】
次に、第二表確認手段6A、第二表確認情報61A、貼付け位置確認情報611Aについて詳細に説明する。
【0090】
一行目のAとB列は結合され、第二表横結合セル32Aである。第二表横結合セル32Aの両端に「■」が記載されている。これは利用者が第一表100にペーストしたときに、どの場所に張りつけたかの目印にするためである。同様に、A2の左側とB2の右側に「・」が記載されている。こちらも目印のためである。これらは確認情報61のうち、貼付け位置確認情報611Aとなる。貼付け位置確認情報611Aはどの位置にペーストしたかを目視で確認できる情報である。
A3、B3、A22、B22には以下の式が記載されている。
A3=IF(AND(ROW()=3,COLUMN()=1),"","異常")
B3=IF(AND(ROW()=3,COLUMN()=2),"","異常")
A22=IF(AND(ROW()=22,COLUMN()=1),"","異常")
B22=IF(AND(ROW()=22,COLUMN()=2),"","異常")
【0091】
ROW()はセル自身の行番号を求める関数であり、COLUMN()はセル自身の列番号を求める関数である。行と列の結果の論理和をとって、目的のセルに張りつけられたか判断している。そのため、A3を例にとって説明すると、A3に書かれた式をA3以外のセルにペーストすると「異常」という文字が表示される。
【0092】
これにより、第二表主シート201のA3、B3、A22、B22のセルの内容が、第一表主シート101のA3、B3、A22、B22に確実にペーストされたかわかる。
【0093】
なお、第二表主領域3Aの左上のA1(セル)付近には「必ず全範囲を選択すること」と記された吹き出しが、見出し(行番号と列番号が記載された見出しである。スケールということもある)の行と列の交差する場所を示して設けられている(図示を省略している)。これにより利用者が不用意に、誤った範囲を選択することを防ぐ効果がある。図が煩雑になるために適宜、吹き出しの図示は省略している。吹き出しについては、図21図28を参照されたい。
【0094】
図5は第二表主シート201(その2)である。図4で示すことのできなかった、第二表200の続きである。
D40に第二表確認手段6Aが設けられており、第一表100の主領域3に記載される文字の予想総文字数が記載されている。予想総文字数は第二表主領域3Aの総文字数と固定部4の総文字数の和をとることにより計算できる。固定部4の固定情報41は個人によらず変わらない情報であるので固定の文字数である。D40はsheet1のC40を参照している。また、D40はセルの書式設定→保護のタグで、「表示しない」にチェックが入れられている。このようにすることにより、数式バーに数式が表示されないとともに、D40のセルをコピーして第一表100にペーストしても、数式により計算された値がコピーされる。「表示しない」にチェックが入れられていない場合は、D40の数式そのものがペーストされてしまうことになるので、仮に第二表200が変更されたり、第二表200を紛失してしまうと、予想総文字数が正常に確認できないことがおこる。これを防止するために上記のようにしている。
【0095】
図6は第二表副シート202である。
〔第二表副シート202〕
第二表確認情報61Aの計算をするシートである。第二表副シート202は第二表200のSheet1である。
【0096】
第二表副シート202には第二表確認手段6Aが設けられている。
第二表副シート202は第一表副シート102に対応している。
第一表副シート102に設けられている、確認手段6のセルと対応するセルに、確認手段6のセルに記載された式と同様の式が記載されている。このように計算式を別のシートに記載することによって、必要項目のシートの記入中に誤って、計算式を消去してしまうことを防げる。なお、「必要項目」のシートは第二表主シート201である。
式の内容については、例えば、
C1=SUM(LEN(必要項目!A1),LEN(必要項目!B1))
C2=SUM(LEN(必要項目!A2),LEN(必要項目!B2))
・・・
C39=SUM(LEN(必要項目!A39),LEN(必要項目!B39))
C40=SUM(C1:C39)である。
但し、
C7=10
C10=12
C11=16
であり、C8とC9は空白である。これらは第一表100のsheet1(第一表副シート102)の対応するセルが計算した値と等しい値で、固定値としている(図3参照)。このようにすることで予想総文字数が計算できる。
【0097】
次に、所定の貼り付け操作を説明する。
図7は貼り付け手順(その1)全選択である。
図では、第一表主シート101と第二表主シート201を左右に並べている。
第二表整理番号1Aの記載は省略している。
まず第二表200の行番号と列番号を示すスケールが交わる場所Zをマウスで右クリックする
(以後、右クリック及び左クリックはマウスの右ボタン、または左ボタンで行うものとして、表記を省略する)
すると第二表200が全選択できる。
【0098】
図8は貼り付け手順(その2)コピーである。
メニューが表示されるので、「コピー」を左クリックする。
【0099】
図9は貼り付け手順(その3)形式を選択して貼り付けである。
第一表100の行番号と列番号を示すスケールが交わる場所Xをマウスで右クリックする。
すると全範囲が選択されメニューが表示されるので、「形式を選択して貼り付け」を左クリックする。
【0100】
図10は貼り付け手順(その4)空白セルを無視するである。
形式を選択して貼り付けダイアログが表示されるので、「空白セルを無視する」にチェックを入れ、「OK」を左クリックする。
【0101】
図11は貼り付け手順(その5)貼り付け完了である。
貼り付けが完了する。
四つの■を頂点とする四角形に囲まれた領域が、第二表主領域3Aが張りつけられた場所である。第二表主領域3Aが主領域3に正しく張りつけられているか確認する。この四つの■により、選択した領域がペーストされた場所が分かる効果がある。
また、「異常」の文字が主シートに表示されていないか確認する。さらに、確認手段6の確認情報61である文字数が相違していないか確認する(Aで示された部分)。図ではD39=282 D40=282で総文字数と予想総文字数が等しいことが分かった。これらにより適切な位置にペーストされたことが分かる効果がある。
【0102】
図12は貼り付け手順(その6)主シートでの確認である。
図では、第一表副シート102が表示されている。
F1とH5を対角の頂点とする四角形で囲まれる領域Bに注目する。
ここに、確認手段6で確認した内容の一覧表が作成される。
1四隅、2異常、3文字数と書かれたセルの右側のセルはすべて1であり、総合と書かれた一つとなり右側のセルも1である。したがって、「・」及び「■」が所定位置にペーストされ、「異常」の文字が願書のシートに表示されておらず、確認手段6の確認情報61である文字数が相違していないか(総文字数と予想総文字数が相違していないか)が、一目で確認できる。この一覧表により、確認が容易になるという効果がある。
確認出来たら、第一表主シートをプリントして願書の作成は終了である。
【0103】
図13は貼り付け場所を間違えた場合である。
図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている。
図は、第二表200を全選択した後、B6を選択し、キーボードのCrtキーと、Vキーを同時に押し(以後、二つのキーを同時に押すことを+の記号で表す。例えば、この場合は、Crt+Vを押すと表現する)、ペーストしようとした場合である。なお、Crt+Vは右クリックしてペーストすることのショートカットキーである。そのため、右クリックしてペーストしても同様の動作となる。この場合は、「別のワークシートの全てのセルをこのワークシートにコピーするには、最初のセル(A1またはR1C1)に張りつけてください」のメッセージが出て、貼り付けることができない(以下、最初のセルとは、A1のことを言う)。
【0104】
つまり利用者に第二表200を全選択させることにより、利用者が誤った位置に張りつけることを防止できる効果がある。(なお、特に断りのない限り、表を全選択するとは表の編集対象のシートをすべて選択するという意味である。表を全選択すると同義の言葉についても同じである。表の一部を選択するとは表の編集対象のシートの一部を選択するという意味である。表の一部を選択すると同義の言葉についても同じである。)
【0105】
次に全範囲を選択しなかった場合、つまり適切な操作がなされなかった場合について説明する。
仮に、マクロの実行を許すならば、第一表100及び第二表200の全範囲以外選択できないようにすることもできると考える。全範囲以外を選択するとは、シート中のある部分、例えばA1とC4 を対角の頂点とする四角形で囲まれた領域、を選択するという意味である(以下、同じ)。
また将来Ecxelの機能の拡充により、マクロの他に全範囲以外選択できないようにする機能が備えられれば、それによる方法も本発明の範囲内に含まれる。第一表100及び第二表200の全範囲を選択すること以外選択できないように対策することができれば、次に説明する場合については、起こりえず、より好適に対策を講じることができる。
【0106】
図14はシート全体を選択しなかった場合である。
(図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている)
利用者が第二表主領域3A全体を選択した状態である。この後キーボードのCrt+Cを押し選択範囲をクリップボードにコピーした。なお、Crt+Cは右クリックしてコピーすることのショートカットキーである。そのため、右クリックしてコピーしても同様の動作となる。
【0107】
図15はシート全体を選択しなかった場合(その1)貼り付け結果である。
(図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている)
この場合は、行番号と列番号を示すスケールが交わる場所X以外の場所、最初のセル以外の場所にもペーストできる。ここでA6を左クリックして、キーボードのCrt+Vを押してペーストした。
すると、貼り付けた領域の四隅に「■」が表示されるので、どこにペーストしたかわかる上に、A8、B8、A27、B27に「異常」の文字が表示され、誤った位置にペーストしたことが分かる(図のCで示した部分参照)。また確認手段6の確認情報61である総文字数とペーストされた予想総文字数とが相違していることからも、誤った位置にペーストしたことが分かる(図のA参照)。この例では、D39=353、D40=282である。このように利用者が誤った位置にペーストすることを防止できる効果がある。
【0108】
図16はシート全体を選択しなかった場合(その2)B2に張りつけようとした場合である。
(図では、第二表主シート201と第二表主シート201が表示されている)
先の例と同様に利用者が第二表200の第二表主領域3Aを選択し、クリップボードにコピーした。
次にB2を左クリックして、キーボードのCrt+Vを押してペーストしようとした。すると「この操作は結合したセルには行えません」というエラーが表示され、ペーストできない。第二表200のB1を左上頂点とした四角形を第一表100のB2を左上頂点とした四角形にペーストしようとすると、四角形の右半分がB列にかかる。B列は結合セルであるために、B列全体に情報をペーストせざるを得ない。その為には、四角形の右半分の領域の一部を列全体に延長する必要があり、整合性が取れなくなるためである。このことは図でB列全体が選択されていることからわかる。また現バージョンでは領域は四角形でなければならないので、B列全体が選択されることに伴い、A列全体も選択されることになる。このため、ペーストが不可能となる。このように縦結合セル33と、横結合セル32を設けることにより、誤った位置にペースとすることを防止できる効果がある。
【0109】
図17はシート全体を選択しなかった場合(その3)A1に張りつけた場合である。
(図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている)
これは、先の例と同様に利用者が第二表200の第二表主領域3Aを選択しクリップボードにコピーした。
次にA1を左クリックして、キーボードのCrt+Vを押してペーストしようとした場合である。この場合は、貼り付けに関するエラーは出ない。先頭のセルを選択してペーストしたからである。しかし、元からあった固定情報41が、第二表主シート201にあった空白で上書きされる。第二表200は固定情報41を持っておらず、固定部4に相当する領域は空白である。そのため第一表100の固定情報41の部分が削られ、総文字数が予想総文字数と一致しない。
この例では、D39=244、D40=282である(図のA参照)。そのため正しくペーストできなかったことがわかり、利用者が誤った操作をすることを防止できる効果がある。
なお、仮に空白セルを除いて貼り付けの操作をした場合は、第一実施形態では推奨していない操作であるが、正常に所定様式書類が作成できる。また確認手段によっても、正常にペーストできたことが確認できる。後述するが、この操作が第二実施形態で想定している操作である。
【0110】
図18は選択範囲を誤った場合である。
(図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている)
図では、第二表200のA9とB23を対角の頂点とする、四角形の領域を選択し、コピーし、第一表100のA12を左クリックで選択し、キーボードのCrt+Vを押してペーストした場合である。この場合は、先の例と同じように、総文字数が予想総文字数と一致しない。さらに、貼り付けの位置が違うために、A25とB25の位置に「異常」の文字が出る(図のCを参照)。そのため正しくペーストできなかったことがわかり、利用者が誤った操作をすることを防止できる効果がある。
【0111】
図19図18の場合の第一表副シート102の状況である。
「1四隅」、「2異常」、「3文字数」はチェック項目である。
所定の位置に「・」及び「■」が無いので、「1四隅」が0である。異常の文字が出ているので「2異常」が0である。総文字数も予想文字数と相違するので「3文字数」も0となり、総合も0となる(図のBを参照)。そのため正しくペーストできなかったことがわかり、利用者が誤った操作をすることを防止できる効果がある。
【0112】
図20はCの列を選択して、A8に張りつけようとした場合である。
(図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている)
第二表200のA1を左クリックしながら、マウスをドラックし、選択の範囲を拡張し、Cの列も選択してしまうと、A、B及びCの列全体(つまり、Cの列の最終行まで)を選択してしまう。これはCの列全体が結合セルとなっているので、Cの列に合わせて選択範囲を拡張するためである。この状態で、キーボードのCrt+Cを押して選択した範囲をコピーし、第一表100のA8にペーストしようとすると、「コビー領域と貼り付け領域のサイズが違うため、これをここに張りつけることができません」と表示される。これは第二表200のC列全体を選択しているのにも関わらず、第6行から始まる領域にペーストしようとしているからである。言い換えれば、先頭の行から始まっている列を、下にずらしてペーストすることができない。そのためペーストができない。
【0113】
先の操作でA1からC列の範囲を選択し、その範囲をコピーしてA1又はB1(A1とB2は結合セルであることに注意)にペースト(空白セルは除かない)をすると、エラーは出ずに、ペースト自体は完了できる。これは、A1とB2は結合セルであるため、先頭のセルを選んでベースとしたのと同様になるからである。
しかし、所定の貼り付け操作を行ったかについては、確認手段6の総文字数の違いで判断できる。
なお、A1とB2を除いた、他の主領域3さらには、主領域3より下の部分にはペーストすることはできない。つまり、第二表主領域を右方向に拡張して選択してしまった場合に、誤った位置にペーストしてしまうことを防ぐ効果を奏する。
そのため、より強力に利用者が誤った操作をすることを防止できる効果がある。
以上説明したように、本発明の第一表100、第二表200によれば、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成できる。
【0114】
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の第一表100、及び第二表200を説明する。
第2実施形態は第一表100、及び第二表200の主領域3のシートを保護して利用者の誤操作を防ぐものである。
なお、図1で示した第1実施形態と同一の箇所については同一の符合を付して、適宜その説明を省略することもある。
【0115】
図21~28はコピーの際に、全範囲を選択することを想定しない例である。願書のページが少ない場合は、結合セルなどを設けなくとも、簡易に誤った位置にペーストすることを防止できる効果がある。
なお、このように構成した場合は、シートの全範囲を選択することができないので、シートの全範囲を選択することにより、間違ったところに張りつけてしまう可能性が少ない、という効果はない。なお、必ず全範囲を選択することと記載された吹き出しは、先の説明と同じ第二表200を使用したため残してあるが、無視していただきたい。
【0116】
シートの保護の方法について、説明する。
図21は第二表主シート201の範囲の設定である。
まず、第二表主領域3Aの全範囲を選択する。
図22は第二表主シート201のセルの書式設定の選択である。
右クリックをして、メニューの中からセルの書式設定を選択する。
図23は第二表主シート201のセルの書式設定ダイアログである。保護のタブを選択し、ロックのチェックを外し、OKを押す。これにより、第二表主領域3Aの全範囲のセルはロックされていないセルになる。
なお、第二表主領域3A以外のセルは、ロックにチェックが入っている必要がある。
【0117】
図24は第二表主シート201の保護である。
エクセルのウインドウの上部にあるリボンの書式の中からシートの保護をクリックする。
図25は第二表主シート201の保護のチェックである。
シートの保護のダイアログ中の「ロックされていないセルの範囲の選択」にチェックを入れ、他はチェックを外しておく。そして、okのボタンを押す。これにより、この操作(ロックされていないセルの範囲の選択)のみが許可される。
第一表100も同じ手順で、主領域3以外は選択できないように設定しておく。
【0118】
図26は第二表主シート201の範囲を選択した場合である。
(図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている)
第二表主シート201はシートの保護がかかっているため、先に設定した範囲(A1とB23を対角とする四角形の範囲)の外は選択することができない。図はこの範囲を選択した場合を示している。この範囲をCrt+Cのキーを押してコピーする。
【0119】
図27は適切な場所にペーストした場合である。
(図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている)
最初のセルを左クリックし、形式を選択して貼り付け、空白セルを無視する、を選択してペーストした。
貼付け位置確認情報611Aが、第一表主領域の四隅にペーストされており、第二表200で選択した範囲と対応する、第一表100の領域にペーストされたことが分かる。なお、「空白セルを無視する」が選択されてペーストされており、このことは、確認手段6の総文字数と、予想総文字数が同じになっていることからわかる。これにより正常に操作ができたことが分かる。
なお、図26において、ロックされていないセルの一部を選択し、コピーして、第二表にペーストすることも可能であるが、この場合は、総文字数と、予想総文字数が同じにならないため、誤った操作をしたことが分かる。
【0120】
図28は不適切な場所にペーストした場合である。
(図では、第一表主シート101と第二表主シート201が表示されている)
これは、図26と同様の第二表200の範囲を選択して、第一表100のB6のセルを選択してCrt+Vでペーストを試みたものである。すると「データを貼り付けできません」の警告がでて、ペーストができない。
なお、「変更しようとしているセルやグラフは保護されているシート上にあります。変更するにはシートの保護を解除してください。パスワードの入力が必要な場合もあります。」と表示される場合もある。本来はこちらのメッセージの方が適切と思われるが、先のメッセージは結合セルとの関係と思われる。
【0121】
このようにするとシートの全範囲を選択する操作ができない。今までの実施例では
シートの全範囲を選択して、コピーすることを前提としていたので、第一表100の任意の範囲を選択してコピーし、第二表200の不適切な位置に張りつけた場合に備え、確認手段6で、確認ができる、またはエラーが出るなどの対策をしていた。
【0122】
いいかえれば、先の実施例では、全範囲の選択を許すことに付随して、利用者が誤ってシートの不適切な部分を選択できるため、そのような操作をされても大丈夫なように様々な工夫がしてある。
全範囲を選択する操作は、Crt+Aを押すか、見出しの横方向と、縦方向が交わる部分をクリックするという簡単な操作で行える。一方図21~28の例では、シートの一部を選択するため、操作が多少複雑になる恐れがある反面、確認手段6を設ける等の対策を重ねて行えば、さらに強固に不適切な位置にペーストすることを防止できる。操作についても、多少慣れた者であれは、感覚的に正しく行えるものである。
【0123】
以上説明したように、本発明の第一表100、第二表200によれば、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成できる。
【0124】
次に第3実施形態について説明する。
第3実施形態は第一表100、及び第二表200に係るものであるが、主に第二表200に係るものである。
第3実施形態は第二表200にマクロを組み入れて、第二表主シート201の全範囲以外は選択できないようにしたものである。
なお、図1で示した第1実施形態と同一の箇所については同一の符合を付して、適宜その説明を省略することもある。
【0125】
----
[請求項5]に記載のように
前記表計算ソフト304によって処理が可能なデータファイルであり、
請求項1に記載の第一表100に用いられて、前記書類を作成することが可能であることを特徴とする、第二表200
である。
【0126】
[請求項7]に記載のように、
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第二表であって、
第二表は、
行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
空白の前記セルで構成される第二表固定部と、
個人によって変動する情報である第二表変動情報が記載される、前記セルの集合体である第二表変動部と、
前記第二表固定部と前記第二表変動部が表示される作業画面であるシートと、
前記シートの一部の範囲だけを選択することを阻害する、部分選択阻害手段と、
前記第二表変動情報を含む前記シートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、前記第二表変動部が、正しくペーストされたかどうかを確認するために用いられる情報である、第二表確認情報を有することを特徴とする第二表
である。
正しくペーストされたかということは、例えば、予定された位置にペーストされたか、常情報が漏れなくペーストされたか、別の情報が入らずペーストされたかということである。
【0127】
[請求項8]に記載のように、
表計算ソフトによって処理が可能なデータファイルである第二表であって、
第二表は、
行と列によって指定され、記載される情報の最小単位であるセルと、
空白の前記セルで構成される第二表固定部と、
個人によって変動する情報である第二表変動情報が記載される、前記セルの集合体である第二表変動部と、
前記第二表固定部と前記第二表変動部が表示される作業画面であるシートと、
前記シートの一部の範囲だけを選択することを阻害する、部分選択阻害手段と、前記第二表変動情報を含む前記シートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態で、予定された位置にペーストされたか否かを判別するために用いられる情報である、第二表確認情報を有することを特徴とする第二表。
である。
【0128】
----
シートの一部の範囲だけを選択することを阻害するとは、例えばシートを選択するときには、シート全体を選択することは許すが、シートの一部の範囲を選択することを困難にすることである。シートの全体以外を選択することをできなくしてもよいし、シートの一部を選択しようとすると警告が出る場合も含む。
部分選択阻害手段は、第二表200に組み込まれたマクロによって構成されている。
【0129】
第3実施形態は第二表200にのみマクロを使用するものである。第二表200は専門員から送られてくるものなので悪意のあるソフトや、不適切なマクロが含まれている可能性は非常に少ない。そのため、利用者もマクロを有効にすることに対して不安は少ないと考えられる。
またマクロの操作については、利用者が起動する必要はなく、シートをクリックすると自動的に行われるために操作に慣れていない利用者でも簡単に操作できる効果がある。
【0130】
例としてsheet1というシートにマクロを作成する方法を説明する。
【0131】
Worksheet_SelectionChangeの作成方法
ワークシートから[Alt]キー+[F11]キーでVBAを作成できるようにする。
左側にあるプロジェクトエクスプローラの中で 自分のブックのsheet1をダブルクリックする。
右側に白紙が表示される。
白紙の上端左[オブジェクト]欄に (General)、 白紙の上端右[プロシージャ]欄に (Declarations) が表示される。
この[オブジェクト]欄のコンボボックスをクリックして、[Worksheet]を選択する。
すると右側の[プロシージャ]欄は[SelectionChange]になる。
ここに、以下のマクロを記載する。
【0132】
Private Sub Worksheet_SelectionChange(ByVal Target As Range)
Cells.Select
Selection.Copy
End Sub
【0133】
この手順でプロシージャの枠組みが作成される。
このマクロは、sheet1のいずれかのセルが選択されることにより起動し、シート全体を選択し、それをコピーするものである。
セルを左クリックするたびにマクロが起動するので、利用者は、シートの一部を選択してコピーすることができない。そのため、利用者がシートの一部を選択してコピーし、誤った領域にペーストしてしまうことが防止できる。利用者が第一表100の全体を選択してペーストしないとエラーがでてペーストできないことは先に述べたとおりである。そのため位置については誤った位置にペーストしてしまうことを防止できる。
【0134】
残る懸念点は、利用者が「空白セルを無視する」を選択せずに、そのまま第二表200にペーストしてしまうことであるが、これについては確認手段6の総文字数と、予想総文字数で確認することができる。
【0135】
図29はマクロの記載例である。
図では、Visual Basicの編集画面を示している。
第二表200について「必須項目ver3」という名のブック(データファイル)の「Sheet2(必須項目)」のシートに上記のマクロを記載した例である。
【0136】
図30はシートの一部をマウスの左クリックで選択した例である。
図では、第二表主シート201を示している。
【0137】
B12のセルをマウスの左ボタンを押下し続けていると、B12のセルを囲う枠が表示される。なお、マウスの右ボタンを押下した場合は、図32のようになり、この操作で全範囲をコピーすることもできる。
【0138】
図31は、クリックを離した状態である。
このようにクリックの押下をやめると、マクロにより、必須項目のシート全体が選択される。そして、マクロによりシート全体の内容がクリップボードにコピーされているので、利用者は、その後、第一表100の見出しの横方向と縦方向の交わる部分をクリックして、第一表主シート101に「空白セルを無視する」を選択してペーストすればよい(図9図11参照)。最初のセルを選択して、同様の貼り付け操作を行うこともできる。
【0139】
図32は第二表主シート201の一部をマウスの右クリックで選択した例である。
仮に右クリックをしても、第二表主シート201の全範囲以外を選択することができないことが分かる。
なお、第二表確認情報61Aが以下を満たす情報であることは、先の実施形態で説明した通りである。
(1)第二表変動情報52Aを含むシートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、第二表変動部5Aが、正しくペーストされたかどうかを確認するために用いられる情報である。
(2)第二表変動情報52Aを含むシートに記載された情報がコピーされ、他の表にペーストされる場合に、空白を除いてペーストするという設定が選択された状態で、予定された位置にペーストされたか否かを判別するために用いられる情報である。
【0140】
なお、利用者が第二表200のマクロを有効にしない場合も考えられる。その場合に備えて、第1実施形態の手法を組み合わせて使うと強固に、利用者の誤操作を防止できる効果がある。
【0141】
なお、第2実施形態に対応して、シートをクリックしたら、シートの主領域を自動的にコピーするマクロも考えられる。A1とB20を対角とする四角形の領域が第二表主領域とすると、例えば、以下のようなコードで実現できる。
Private Sub Worksheet_SelectionChange(ByVal Target As Range)
Range("A1:B20").Select
Selection.Copy
End Sub
その場合は、第2実施形態に適用できる。
【0142】
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態は書類作成支援装置300である。
なお、図1で示した第1実施形態と同一の箇所については同一の符合を付して、適宜その説明を省略することもある。
次に、書類作成支援装置300について説明する。
図33は、書類作成支援システム概要である。
書類作成支援システムは書類作成支援装置300を含むが、サーバ400など他の要素も存在するので、便宜上システムとして説明している。
図34は、この発明の書類作成支援装置300の内部機能を示す機能ブロック図である。
主に図34を参照して説明するが、適宜図33を参照されたい。
【0143】
----
[請求項6]に記載のように、
サーバ400から作成表103を受け取る第一受信手段301と、
前記作成表103を記憶する記憶手段303と、
前記変動情報52を作成するための情報である作成情報305Aを専門員連絡手段502に連絡する連絡手段305と、
前記変動情報52が記載された前記第二表200を専門員端末501から受け取る第二受信手段302と、
前記作成表103を読み込み、表計算を行う前記表計算ソフト304と、を備え、
前記表計算ソフト304によって、前記作成表103と前記第二表200を用いて書類を作成する書類作成支援装置300であって、
前記作成表103は、請求項1に記載の第一表100であることを特徴とする書類作成支援装置300である。
-----
【0144】
〔書類作成支援装置300〕
書類作成支援装置300は、情報処理装置であり、PC、タブレット、スマートフォンなどの端末である。本実施形態ではPCを例にとって説明する。
〔作成表103〕
作成表103は、先に説明した実施形態の第一表100である。
〔サーバ400〕
利用者の要求(リクエスト)に対して、それに応答したデータを提供するコンピュータやプログラムである。本実施形態では、サーバ400はインターネットにつながれたWEBサーバである。
利用者が自分の電子メールアドレスを入力すると、サーバ400は電子メールにより第一表100を添付ファイルにより送る。なお、利用者に電子メールアドレスを入力させることにより、利用者に連絡を取る手段を得ることができる。電子メールアドレスに広告や、メールマガジン、ステップメールを送ることができるという効果がある。
簡単に構成するには、FTPでファイルをダウンロードしたり、ブラウザで所定のアドレスにアクセスすると、ブラウザ経由で、ファイルをダウンロードできるようにしたりしてもよい。
【0145】
〔第一通信手段〕、〔第二通信手段〕
第一通信手段、第二通信手段は、メーラーである。
メーラーとは。パソコンや携帯電話などの端末でメールを利用する際に用いるシステムのことである。 メールは、メールサーバを介して送受信される仕組みで、データをサーバ400に出し入れする仲介役がメーラーである。
【0146】
メーラーはインターネットを通じてメールサーバと通信し、メールを送受信することができる。利用者はサーバ400から送られてきた、メールに添付された第一表100を記憶手段303であるハードディスクに保存する。
なお、ここではサーバ400と送受信する機能を第一通信手段、専門員端末501と送受信する機能を第二通信手段、として説明したが、これについては1つの通信手段でこの機能を賄うものであってもよいことは言うまでもない。
【0147】
〔記憶手段303〕
記憶手段303は、データを収納するものである。本実施形態では、PCのハードディスクである。SSD(Solid State Drive)や、メモリーカードも使用できる。
〔一時記憶手段306〕
表計算ソフト304のコピーする領域の情報を一時的に記憶する。一時記憶手段306は情報処理装置のメモリーから構成される。メモリーはRAM(Random Access Memory)である。OS(Operating System)によりクリップボードとして一時記憶手段306が確保されている。
【0148】
〔演算手段307〕
演算手段307は各種計算を行う、CPU(Central Processing Unit)である。
〔表計算ソフト304〕
第一表100を処理できるソフトウエアであり、本実施形態では、先の実施例と同様マイクロソフト社のエクセルを例にとって説明する。
【0149】
〔連絡手段305〕、〔専門員連絡手段502〕
連絡手段305 専門員連絡手段502はLine(登録商標)などのチャットソフトである。チャットソフトは情報処理装置にインストールされている。Zoom(登録商標)、SkypeなどのPCで使用できる音声通信ができるものであってもよい。
また電話や、携帯電話であってもよい。電話や、携帯電話を含めた場合は、システムとして構成できる。
【0150】
〔専門員端末501〕
専門員端末501は情報処理装置であり、PC、タブレット等である。
専門員端末501は専門員が使用する端末である。
〔作成情報305A〕
作成情報305Aは専門員が変動情報52を作成するための情報である。例えば、指定商品・役務、区分などがあり、指定商品・役務を選定するための利用者の事業内容なども含まれる。
〔プリンタ601〕
プリンタ601は書類作成支援装置300に接続され、書類等を印刷するものである。本実施形態では所定様式書類を印刷する。
【0151】
次に、以上のように構成された実施形態の動作について説明する。
図35は、利用者がこの書類作成支援装置300を用いて書類を作成し、提出するまでの流れの一例を示すフローチャートである。
S1において、書類作成支援装置300はインターネットを介してブラウザでサーバ400にアクセスする。
書類作成支援装置300はサーバ400に利用者のメールアドレスを送信する。サーバ400は利用者のメールアドレスに、第一表100を送信する。これはサーバ400側のcgiなどのプログラムによって行われる。
S2において、書類作成支援装置300は第一表100を受信し、S3において第一表100を記憶手段303に保存する。
S4において、書類作成支援装置300は表計算ソフト304を使い、第一表100を読み込む。
S5において、利用者が第一表100を使い独力で願書を作成できるか判断する。
利用者が第一表100を使い独力で願書を作成できる場合(S5,Yes)処理を終了する。
そうでない場合は、S6(S5,No)に進む。
S6において、連絡手段305は専門員連絡手段502に必要な情報を問い合わせる。ここで、作成情報305Aを専門員に伝える。
S7において、書類作成支援装置300はメーラーを使い、専門員が作成した第二表200を受信し、S8において、第二表200を記憶手段303に保存する。
S9において、書類作成支援装置300は表計算ソフト304をつかい、第二表200を読み込む。
なお、第一表100はS4ですでに読み込んでいる。
S10において、第二表200を編集対象とする。この際に、第一表100の整理番号1と、第二表200の整理番号1が合致しているか確認する。合致していればS11に進む。合致していなければ、S6に戻り、専門員に問い合わせ、適当な第二表200を送ってもらう。なお、この処理について、図示は省略している。
S11において、第二表主シート201の全範囲を選択する。
S12において、第二表主シート201の全範囲を一時記憶手段306(クリップボード)にコピーする。
S13において、第一表主シート101を編集対象にする。
S14において、第一表主シート101の全範囲を選択する。
S15において、クリップボードの情報を空白のセルを除いて、第一表主シート101にペーストする。なお空白を除く処理は、Ecxelの内部のプログラムが情報処理装置の演算部と共同して行う。
S16において、先に説明したように、確認手段6を確認するなどし、正常にペーストできたか確認する。S10~S16の詳細については、先の実施例の第一表100の説明を参照されたい。
適切な位置に正常にペーストできなかった場合は(S16,No)、S17において、Crt+Zを押し(Ecxelの戻るボタンでも良い)、ペーストの操作を取り消し、S10に戻る。適切な位置に正常にペーストできた場合は(S16,Yes)、S18に進む。
S18において、書類作成支援装置300はプリンタ601にデータをおくり、願書を印刷させる。
S19において、利用者が願書を郵送し、処理を終了する。
ここでは、願書を紙で作成する場合を説明したが、第一表100のデータを変換し、電子出願をしてもよい。
【0152】
以上説明したように本実施形態の書類作成支援装置300によれば、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成することができる。
【0153】
このように、本発明によれば、
1.ソフトウエアに関していえば、ブラウザ、メーラーと表計算ソフト304という基本的なソフトだけで書類作成支援装置300が実現できる、
2.また、専門員から得た、変動情報52と固定情報41を統合すればよいが、その作業は1回のコピー、ペーストで終了する、
3.この操作は、表計算ソフト304の基本的な機能であるから、PCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成することができる、
4.また、利用者がシートの全範囲を選択することによりコピー、ペーストすることを考慮して構成されており(第2実施形態を除く)、利用者が自分で範囲を選択してコピー、ペーストする場合に比べて、操作が大幅に簡略化できる。また、結合セルを設けていることにより、不適切なペーストができづらい。
5.間違ったところに張りつけた場合は確認手段6で、容易に確認できる、
6.よって、標準ソフト以外のPCの操作に慣れていない利用者でも簡単な操作で所定様式書類を作成することができる、
7.自分で記載できる項目については、自分で記載し、自分でわからない真に必要な項目のみ専門員に記載してもらい、それを願書に反映でき、しかも簡単な操作・システムで実現できる、
という優れた効果を奏するものである。
【0154】
以上、本発明の第一表100、第二表200及び書類作成支援装置300における実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、固定部4は固定情報41の一部を含む領域としてもよく、その場合は、固定部4に含まれない固定情報41が記載された第一表100のセルに対応する第二表200のセルを空白にすればよい。その場合は主領域3に固定部4と変動部5以外のその他の領域があると考えればよい。第二表主領域3Aについても同様である。
その他の領域については、第二表200の対応する領域によって上書きされるか否は適宜選択できる。所定の貼り付け操作を行えば、第二表200の対応する領域が空白セル以外であれば、そのセルの情報によって、第一表100のその他の領域は上書きされるからである。
固定情報41、第二表固定情報41A、変動情報52、第二表変動情報52Aには利用者が視認できない情報又は存在しても支障がない情報が含まれてもよい。例えば、第二表200の空白セルに対応する第一表100のセルにこのような情報を設けると、第二表200を第一表100にペーストした時に、その情報が残っているかによって、適切にペーストされたか判断できる。逆にこのような情報を第二表側に設けてもよい。
また、説明した実施形態では、インターネットで通信を行うものとしたが、専用線やVPNで接続してもよい。この場合、秘匿性が高まる。第一表、二表のファイルを暗号化して送ってもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 整理番号
2 セル
3 主領域
4 固定部
5 変動部
6 確認手段
7 書式変更禁止情報
8 シート
11 整理番号記載部
21 高さ
22 幅
31 右角
32 横結合セル
33 縦結合セル
41 固定情報
52 変動情報
52 変動情報
61 確認情報
100 第一表
101 第一表主シート
102 第一表副シート
103 作成表
200 第二表
201 第二表主シート
202 第二表副シート
300 書類作成支援装置
301 第一受信手段
302 第二受信手段
303 記憶手段
304 表計算ソフト
305 連絡手段
306 一時記憶手段
307 演算手段
400 サーバ
501 専門員端末
502 専門員連絡手段
601 プリンタ
1A 第二表整理番号
305A 作成情報
31A 第二表右角
32A 第二表横結合セル
33A 第二表縦結合セル
3A 第二表主領域
4A 第二表固定部
52A 第二表変動情報
5A 第二表変動部
611A 貼付け位置確認情報
61A 第二表確認情報
6A 第二表確認手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35