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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154745
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】車両用制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/115 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
B60Q1/115
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064285
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】北浦 亮
(72)【発明者】
【氏名】小澤 宏二
(72)【発明者】
【氏名】平野 呈
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA11
3K339BA21
3K339BA23
3K339BA28
3K339CA01
3K339GB01
3K339JA21
3K339KA18
3K339KA23
3K339KA38
3K339MC24
3K339MC45
3K339MC48
3K339MC52
3K339MC70
(57)【要約】
【課題】センサの検出値を取得できないような異常が車両に発生したときに、対向車両の幻惑を防止できるヘッドランプの光軸の傾き角度に制御できるようにする。
【解決手段】制御手段より、ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する毎にそのときのヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する車体傾斜角をメモリに記憶させ、制御手段が各センサの検出値を取得できない異常の発生を検知したときに(ステップS1のYES)、メモリによる記憶頻度が最も多い車体傾斜角に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度が異常発生直前の傾き角度よりも下向きであれば(ステップS8のYES)、制御手段によりヘッドランプの光軸をメモリによる記憶頻度が最も多い車体傾斜角に応じた傾き角度に制御する(ステップS9)。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドランプの光軸の傾き角度を車体傾斜角に応じて制御する車両用制御装置であって、
車両に搭載された各種センサの検出値に基づき車両の傾き度合いである車体傾斜角を導出する導出手段と、
前記導出手段により導出された前記車体傾斜角に応じて前記ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する制御手段と、
前記ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する毎にそのときの前記ヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する前記車体傾斜角を記憶する記憶手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記各センサの検出値を取得できない異常の発生を検知したときに、前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた前記ヘッドランプの光軸の傾き角度が、前記異常の発生直前の前記ヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きの値であれば、前記ヘッドランプの光軸を、前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた前記ヘッドランプの光軸の傾き角度に制御する
ことを特徴する車両用制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記制御手段は、
前記各センサの検出値を取得できない異常の発生を検知したときに、前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた前記ヘッドランプの光軸の傾き角度が、前記異常の発生直前の前記ヘッドランプの光軸の傾き角度よりも上向きの値であれば、前記ヘッドランプの光軸を前記異常の発生直前の前記ヘッドランプの光軸の傾き角度に制御する
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記制御手段は、
前記各センサの検出値を取得できない異常の発生を検知したときに、前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた前記ヘッドランプの光軸の傾き角度が、前記異常の発生直前の前記ヘッドランプの光軸の傾き角度よりも上向きの値であれば、前記ヘッドランプの光軸を、異常発生時より下側であって前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた傾き角度に制御することを特徴とする車両用制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記記憶手段は、
前記ヘッドランプの光軸の傾き角度の調整範囲として実際に取り得る上限値から下限値までの範囲に対応する前記車体傾斜角を、予め定めた一定角度ずつに区分した複数の傾斜角範囲それぞれに対応するカウンタを備え、
前記制御手段は、
前記ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する毎の前記車体傾斜角の値が前記複数の傾斜角範囲のうちのいずれの傾斜角範囲に属するかを判断して、属すると判断した前記傾斜角範囲に対応する前記カウンタの値をカウントアップしていき、カウント値が最も大きい前記カウンタと対応する前記傾斜角範囲の前記車両傾斜角を記憶頻度の最も多いものと判断する
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用制御装置において、
前記記憶手段が備える複数の前記カウンタそれぞれは、所定値をカウントする複数のフレームに分割されて成り、
下位の前記フレームがカウントアップされて下位の前記フレームのカウント値が前記所定値に達すると上位の前記フレームのカウントアップが始まり、上位の前記フレームのカウント値が前記所定値に達したときには、下位の前記フレームがリセットされて新たにカウントアップが始まり、
上位の前記フレームがカウントアップされて上位の前記フレームのカウント値が前記所定値に達すると下位の前記フレームのカウントアップが始まり、下位の前記フレームのカウント値が前記所定値に達したときには、上位の前記フレームがリセットされて新たにカウントアップが始まる
ことを特徴とする車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヘッドランプの光軸の傾き角度を車体傾斜角に応じて制御する車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドランプの光軸の傾き角度を車体傾斜角に応じて制御し、対向車両に対する幻惑を防止する技術として、オートレベリング制御技術がある。例えば特許文献1に記載のオートレベリング制御の場合、制御手段により、車両に搭載された加速度センサによる車両前後方向の加速度を第一軸に、車両上下方向の加速度を第二軸に設定した座標に、加速時及び減速時の少なくとも一方における加速度センサにより検出される検出値をプロットし、プロットした複数点から得られる直線又はベクトルの傾きを用いて車体傾斜角を算出し、ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御している。
【0003】
このとき、システム異常などにより加速度情報等を得ることができなった場合、異常発生の直前に制御したヘッドランプの光軸の傾き角度を異常発生後も維持することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-100979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図8(a)に示すように、オートレベリングシステムSを搭載した車両Cが積載なしの状態でヘッドランプLの光軸(同図(a)中の太線矢印)の傾き角度を制御し、その後同図(b)に示すように、車両Cに荷物Kが積載されると、荷物Kの荷重によって車体傾斜角が変化するが、このように荷物Kの積載によって車体傾斜角が変化したときに、通信異常やシステム異常などの異常が生じていると、本来であれば、積載に伴う車体傾斜角の変化に応じてヘッドランプLの光軸の傾き角度も変更する必要があるにもかかわらず、異常発生時の対応策として、同図(a)に示す積載なしの状態で制御されたヘッドランプLの光軸の傾き角度が維持されるため、同図(b)に示すように、ヘッドランプLの光軸(同図(b)中の太線矢印)が積載なしの光軸(同図(b)中の1点鎖線矢印)よりも上向きになり、対向車両に対する幻惑を防止できなくなるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、センサの検出値を取得できないような異常が車両に発生したときに、対向車両の幻惑を防止できるヘッドランプの光軸の傾き角度に制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明の車両用制御装置は、ヘッドランプの光軸の傾き角度を車体傾斜角に応じて制御する車両用制御装置であって、車両に搭載された各種センサの検出値に基づき車両の傾き度合いである車体傾斜角を導出する導出手段と、前記導出手段により導出された前記車体傾斜角に応じて前記ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する制御手段と、前記ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する毎にそのときの前記ヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する前記車体傾斜角を記憶する記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記各センサの検出値を取得できない異常の発生を検知したときに、前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた前記ヘッドランプの光軸の傾き角度が、前記異常の発生直前の前記ヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きの値であれば、前記ヘッドランプの光軸を、前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた前記ヘッドランプの光軸の傾き角度に制御することを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、記憶手段により、ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する毎にそのときのヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する車体傾斜角を記憶しておき、制御手段により、各センサの検出値を取得できない異常の発生が検知されると、記憶手段による記憶頻度が最も多い車体傾斜角に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度が、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きの値であれば、ヘッドランプの光軸が、記憶手段による記憶頻度が最も多い車体傾斜角に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度に制御される。このとき、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度は、対向車両の幻惑を生じない法規に適合した傾き角度であるため、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向き否かを判断すれば、ヘッドランプの光軸が法規に適合した傾き角度であるか否かを判断することができる。
【0009】
その結果、各センサの検出値を取得できない異常が発生したときに、制御手段により、ヘッドランプの光軸の傾き角度を、異常の発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きの値であって、記憶手段による記憶頻度が最も多い車体傾斜角に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度に制御することにより、異常発生後に積載等に伴う車体傾斜角の変化が生じときに、積載なしの状態におけるヘッドランプLの光軸の傾き角度を維持する従来手法の場合のように、ヘッドランプLの光軸が積載なしの光軸よりも上向きになることがなく、異常発生後に積載等に伴う車体傾斜角の変化が生じた場合であっても、ヘッドランプの光軸の傾き角度を対向車両の幻惑を防止できる角度に制御することができる。
【0010】
また、前記制御手段は、前記各センサの検出値を取得できない異常の発生を検知したときに、前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた前記ヘッドランプの光軸の傾き角度が、前記異常の発生直前の前記ヘッドランプの光軸の傾き角度よりも上向きの値であれば、前記ヘッドランプの光軸を前記異常の発生直前の前記ヘッドランプの光軸の傾き角度に制御するようにしてもよい。
【0011】
こうすると、異常発生時における記憶手段による記憶頻度が最も多い車体傾斜角に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度が、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも上向きの値であれば、ヘッドランプの光軸が異常発生直前の傾き角度に制御されるため、異常発生後に積載等に伴う車体傾斜角の変化が生じたときに、ヘッドランプの光軸が過度に上向きになるのを防止することができ、対向車両の幻惑を抑制することができる。
【0012】
また、前記制御手段は、前記各センサの検出値を取得できない異常の発生を検知したときに、前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた前記ヘッドランプの光軸の傾き角度が、前記異常の発生直前の前記ヘッドランプの光軸の傾き角度よりも上向きの値であれば、前記ヘッドランプの光軸を、異常発生時より下側であって前記記憶手段による記憶頻度が最も多い前記車体傾斜角に応じた傾き角度に制御するとしてもよい。こうすると、異常発生後に積載等に伴う車体傾斜角の変化が生じた場合であっても、ヘッドランプの光軸の傾き角度を対向車両の幻惑を防止できる角度に制御することができる。
【0013】
また、前記記憶手段は、前記ヘッドランプの光軸の傾き角度の調整範囲として実際に取り得る上限値から下限値までの範囲に対応する前記車体傾斜角を、予め定めた一定角度ずつに区分した複数の傾斜角範囲それぞれに対応するカウンタを備え、前記制御手段は、前記ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する毎の前記車体傾斜角の値が前記複数の傾斜角範囲のうちのいずれの傾斜角範囲に属するかを判断して、属すると判断した前記傾斜角範囲に対応する前記カウンタの値をカウントアップしていき、カウント値が最も大きい前記カウンタと対応する前記傾斜角範囲の前記車両傾斜角を記憶頻度の最も多いものと判断するとしてもよい。
【0014】
こうすると、記憶手段が備える複数のカウンタのうち、カウント値の最も大きいカウンタに対応する範囲の車両傾斜角を、記憶頻度が最も多いものと判断するため、制御手段により、異常発生時の記憶手段による記憶頻度が最も多い車体傾斜角に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度に制御する場合に、記憶頻度が最も多い車体傾斜角を容易に判断することができる。
【0015】
また、前記記憶手段が備える複数の前記カウンタそれぞれは、所定値をカウントする複数のフレームに分割されて成り、下位の前記フレームがカウントアップされて下位の前記フレームのカウント値が前記所定値に達すると上位の前記フレームのカウントアップが始まり、上位の前記フレームのカウント値が前記所定値に達したときには、下位の前記フレームがリセットされて新たにカウントアップが始まり、上位の前記フレームがカウントアップされて上位の前記フレームのカウント値が前記所定値に達すると下位の前記フレームのカウントアップが始まり、下位の前記フレームのカウント値が前記所定値に達したときには、上位の前記フレームがリセットされて新たにカウントアップが始まるとするのが望ましい。
【0016】
こうすると、あるカウンタのフレームがリセットされた後に、制御手段により異常発生が検知されたときに、当該カウンタのリセットされていないフレームのカウント値に基づいて記憶頻度の多、少を判断することができて、リセットされたフレームのカウント値が記憶頻度の多、少の判断に使用されることがないため、カウント値が極端に少ないフレームのカウント値に基づく制御を回避することができ、ヘッドランプの光軸の傾き角度制御の信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、制御手段により各センサの検出値を取得できない異常が発生したときに、制御手段により、ヘッドランプの光軸の傾き角度が、異常の発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きの範囲の値であって、記憶手段による記憶頻度が最も多い車体傾斜角に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度に制御されるため、異常発生後に積載等に伴う車体傾斜角の変化が生じた場合であっても、ヘッドランプの光軸の傾き角度が上向きで法規に適合しない角度になるのを未然に防止でき、対向車両の幻惑を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の車両用制御装置の第1実施形態のブロック図である。
図2図1の動作説明図である。
図3図1の動作説明図である。
図4図1の動作説明図である。
図5図1の動作説明用フローチャートである。
図6図1の動作説明用フローチャートである。
図7】本発明の車両用制御装置の第2実施形態の動作説明用フローチャート図である。
図8】従来例の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
本発明に係る車両用制御装置の第1実施形態について、図1ないし図6を参照して詳述する。
【0020】
本実施形態における車両用制御装置は、車体傾斜角を演算により算出する構成であり、図1に示すように、本実施形態における車両用制御装置1は、光軸制御用ECU(Electronic Control Unit)2と、3軸加速度センサ3と、車輪速センサ4とを備える。加速度センサ3は、車両の左右方向、前後方向及び上下方向の加速度を検出し、車両の前後方向出力値X及び上下方向出力値ZをECU2に出力する。車輪速センサ4は、車両の各車輪の車輪速を検出して車輪速検出値をECU2に出力する。
【0021】
ECU2は、車輪速センサ4による車輪速検出値を時間微分して車体加速度Aを導出し、加速度センサ3からの前後方向出力値X及び上下方向出力値Z、導出した車体加速度A並びに重力加速度Gを用いた次の演算式に基づいて、走行中の路面に対する車体傾斜角θv、路面傾斜角θrを算出する演算手段21と、演算手段21の演算の際に使用されるデータを一時的に格納し、後述する制御手段によりヘッドランプの光軸の傾き角度が制御される毎にそのときの車体傾斜角θvを記憶しその他の制御に必要なデータを保持するためのメモリ(本発明における「記憶手段」に相当)22と、演算手段21により算出される車体傾斜角θvに基づきヘッドランプ光軸調整手段6を制御してヘッドランプの傾き角度を制御する制御手段23を備える。ここで、地表における重力加速度Gは“1”である。
【0022】
演算手段21は、以下に説明する所定の演算式の演算により、車輪速センサ4による車輪速検出値を時間微分して車体加速度Aを算出し、加速度センサ3からの前後方向出力値X及び上下方向出力値Z、導出した車体加速度A並びに重力加速度Gに基づき路面傾斜角θrを算出し、算出した路面傾斜角θr等を用いて車体傾斜角θvを算出するものであり、本発明における「導出手段」に相当する。
【0023】
いま、図2に示すように、路面傾斜角θrの上り坂を車両が走行中である場合、車両の上下方向(図2中のZ方向)は重力方向である鉛直方向(図2のG方向)に対して、路面傾斜角θrと車体傾斜角θvを加算(θr+θv)した角度傾斜しているため、加速度センサ3により検出される車両の前後方向出力値X及び上下方向出力値Zは、数1の式(1)及び数2の式(2)で表すことができる。そして、(1)及び(2)の両式を数式変換することにより、数3の式(3)が得られ、この式(3)の両辺にsinθvを掛けて変換することにより、数4の式(4)が得られる。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】
【数3】
【0027】
【数4】
【0028】
さらに、式(2)の両辺にAを掛けることにより数5の式(5)が得られ、この式(5)を変形してA・sinθvに書き直すと、数6の式(6)が得られ、この式(6)を式(4)の右辺のA・sinθvに代入して変形すると、式(4)は数7の式(7)のように書き換えることができる。
【0029】
【数5】
【0030】
【数6】
【0031】
【数7】
【0032】
また、式(1)の両辺にG・cosθrを掛けて変形することにより数8の式(8)が得られ、式(7)の右辺のA・G・cosθv・cosθrに式(8)を代入して変形すると、数9の式(9)が得られ、式(9)をさらに変形することにより数10の式(10)が得られ、この式(10)から数11の式(11)が得られる。さらに、式(3)を変形することにより路面傾斜角θrを表わす数12の式(12)が得られ、式(12)を用いて車体傾斜角θvを表わす数13の式(13)が得られ、得られた車体傾斜角θvに応じて、制御手段23によりヘッドランプの光軸の傾き角度が制御される。
【0033】
【数8】
【0034】
【数9】
【0035】
【数10】
【0036】
【数11】
【0037】
【数12】
【0038】
【数13】
【0039】
ところで、ECU2は、CAN通信を介した車両ネットワークを利用して加速度センサ3による車両の前後方向出力値X及び上下方向出力値Zや、車輪速センサ4による車輪速検出値を取得するが、通信異常やシステム異常などにより各センサ3,4から加速度情報や車輪速情報等を取得することができなくなり、路面傾斜角θr、車体傾斜角θvを演算することができない事態が生じる。
【0040】
そこで、制御手段23により、ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する毎にそのときのヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する車体傾斜角θvをメモリ22に記憶させておき、制御手段23が各センサ3,4の検出値を取得できない異常の発生を検知したときに、メモリ22による記憶頻度が最も多い車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度が、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きの値であれば、制御手段23により、ヘッドランプの光軸をメモリ22による記憶頻度が最も多い車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御する一方、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも上向きの値であれば、ヘッドランプの光軸を、異常の発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度に制御するか、もしくは、異常発生時の車体傾斜角よりも下側であってメモリ22による記憶頻度が最も多い多い車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御する。なお、異常発生直前のヘッドランプの光軸は、対向車両の幻惑を生じない法規に適合した傾き角度に制御されているため、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きか上向きかを判定することにより、ヘッドランプの光軸法規に適合した傾き角度であるか否かを判定できる。
【0041】
このとき、車体傾斜角θvと、これに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度との関係を予めマップ化してメモリ22等に記憶させておき、ヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する車体傾斜角θv、或いは、車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度を容易に導出できるようにしておくとよい。
【0042】
ところで、図3に示すように、ヘッドランプの光軸の傾き角度の制御範囲として実際に取り得る上限値及び下限値それぞれに対応する車体傾斜角θvが最大値0°及び最小値-2.0°であるとしたときに、メモリ22は、0°以上でかつ-2.0°以下の範囲における車体傾斜角を、予め定めた一定角度である0.1°ずつに区分した複数の傾斜角範囲である0°以上で-0.1°未満の第1範囲、-0.1°以上で-0.2°未満の第2範囲、-0.2°以上で-0.3°未満の第3範囲、…,-1.8°以上で-1.9°未満の第19範囲,-1.9°以上で-2.0°以下の第20範囲それぞれに対応する第1~第20カウンタを備える。
【0043】
さらに、第1~第20カウンタそれぞれは、図5に示すように、所定値(例えば、10)をカウントする例えば2つの第1、第2フレームに分割されて成り、下位の第1フレームがカウントアップされて下位の第1フレームのカウント値が所定値(=10)に達すると上位の第2フレームのカウントアップが始まり、上位の第2フレームのカウント値が所定値(=10)に達したときには、下位の第1フレームがリセットされて新たにカウントアップが始まり、上位の第2フレームがカウントアップされて上位の第2フレームのカウント値が所定値(=10)に達すると下位の第1フレームのカウントアップが始まり、下位の第1フレームのカウント値が所定値(=10)に達したときには、上位の第2フレームがリセットされて新たにカウントアップが始まるようになっている。
【0044】
このようにメモリ22が構成され、制御手段23により、ヘッドランプの光軸の傾き角度が制御される毎に、そのときのヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する車体傾斜角θvが第1~第20カウンタそれぞれに対応する範囲のいずれに属するかが判断され、属すると判断された傾斜角範囲に対応する当該カウンタのフレームがカウントアップされる。例えば、ヘッドランプの光軸の傾き角度が制御されたときの車体傾斜角θvが-0.25°であれば、第3カウンタが対応する傾斜角の範囲であるため、第3カウンタの第1または第2フレームがカウントアップされる。
【0045】
そして、制御手段23が各センサ3,4の検出値を取得できない異常の発生を検知すると、異常発生直前のヘッドランプ光軸の傾き角度がメモリ22等に保持されるとともに、制御手段23により、各カウンタのうち最もカウント値が大きく記憶頻度の多いつまり当該車両が最も取り得る車体傾斜角θvを記憶しているカウンタが特定され、特定されたカウンタに対応する車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度がマップから読み取られて異常発生直前の傾き角度よりも下向きの値であるか否かが判定され、下向きの値であれば、制御手段23によりヘッドランプ光軸調整手段6が制御されて、ヘッドランプの光軸が特定されたカウンタに対応する車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御される。
【0046】
具体的には、例えば車体傾斜角θvが-0.15°の状態で異常が発生したときに、図3に示すように、各カウンタのうち最もカウント値が最も多いのは第19カウンタのカウント値「4」であるため、記憶頻度の多い車体傾斜角θvつまり当該車両が最も取り得る車体傾斜角θvを記憶しているカウンタは第19カウンタであると特定される。そして、特定された第19カウンタに対応する第19範囲の車体傾斜角θv(-1.8°以上で-1.9°未満)に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度がマップから読み取られて、異常発生直前の車体傾斜角θvが-0.15°に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きで法規に適合した値かどうかが判定され、下向きであって法規に適合した値であると判定されると、制御手段23によりヘッドランプ光軸調整手段6が特定された第19カウンタに対応する車体傾斜角θv(例えば、-1.85°)に応じた傾き角度に制御される。
【0047】
ところで、図4には各カウンタのうち第1カウンタのカウント値が「5」で最も大きい例を示しており、この状態のときに異常が発生すると、制御手段23により、各カウンタのうちカウント値が最も多いのは第1カウンタのカウント値「5」であるため、記憶頻度の多い車体傾斜角θvつまり当該車両が最も取り得る車体傾斜角θvを記憶しているカウンタは第1カウンタであると特定され、特定された第1カウンタに対応する第1範囲の車体傾斜角θv(0°以上で-0.1°未満)に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度がマップから読み取られて、異常発生直前の車体傾斜角θv(-0.15°)に応じたヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きで法規に適合した値かどうかが判定された結果、下向きではなく上向きであって法規に適合しない値であると判定されるため、制御手段23によりヘッドランプ光軸調整手段6が異常発生直前の傾き角度を維持するように制御される。このとき、異常発生直前の車体傾斜角θvが-0.15°であれば、この-0.15°の車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御される。
【0048】
次に、演算手段21、制御手段23等によるヘッドランプの光軸の傾き角度の制御手順について図6のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
図6に示すように、各センサの検出値を取得できない異常の発生があるか否かの判定がなされ(ステップS1)、異常が発生しておらずこの判定結果がNOであれば、演算手段21により、各センサ3,4の検出値等を用いた数1の式(1)~数13の式(13)の演算が行われて車体傾斜角θvが算出され(ステップS2)、車体傾斜角θvが予め設定された所定角度以上変化したか否かが判定され(ステップS3)、この判定結果がNOであれば車体傾斜角θvに変化がなくヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する必要がないため、スタートに戻る。
【0050】
一方、ステップS3の判定結果がYESであれば、積載等により車体傾斜角θvが所定角度以上変化してヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する必要があるためステップS4に移行し、制御手段23によりヘッドランプ光軸調整手段6が制御されて、ヘッドランプの光軸が変化後の車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御され(ステップS4)、第1~第20カウンタのうち、制御毎のヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する車体傾斜角θvが属するいずれかのカウンタのフレームがカウントアップされ(ステップS5)、カウントアップされた当該カウンタの第1、第2フレームのどちらかのカウント値が所定値に達したか否かが判定され(ステップS6)、所定値に達しておらずこの判定結果がNOであればスタートに戻り、所定値に達していればステップS6の判定をYESで通過してとなり、当該フレームがリセットされ(ステップS7)、その後スタートに戻る。
【0051】
また、上記したステップS1の判定結果がYES、つまり各センサの検出値を取得できない異常の発生があると判定されると、異常発生直前のヘッドランプ光軸の傾き角度がメモリ22等に保持されるとともに、制御手段23により、各カウンタのうち最もカウント値が大きく記憶頻度の多いつまり当該車両が最も取り得る車体傾斜角θvを記憶しているカウンタが特定され、特定されたカウンタに対応する車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度がマップから読み取られ、読み取られたヘッドランプの光軸の傾き角度が異常発生直前の傾き角度よりも下向きで法規に適合した値か否かの判定がなされ(ステップS8)、下向きで法規に適合した値であればステップS8の判定結果がYESとなり、制御手段23によりヘッドランプ光軸調整手段6が制御されて、ヘッドランプの光軸が、特定されたカウンタに対応する車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御され(ステップS9)、その後スタート戻る。
【0052】
また、特定されたカウンタに対応する車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度がマップから読み取られ、読み取られたヘッドランプの光軸の傾き角度が異常発生直前の傾き角度よりも上向きで法規に適合しない値であってステップS8の判定結果がNOであれば、当該上向きの傾き角度にヘッドランプの光軸を制御すると法規違反となることから、制御手段23によりヘッドランプ光軸調整手段6が制御されて、ヘッドランプの光軸が異常発生直前の傾き角度を維持するように制御、もしくはヘッドランプの光軸が、異常発生時より下側であってメモリ22のカウンタのうち最もカウント値の大きく記憶頻度の多い車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御され(ステップS10)、その後スタートに戻る。
【0053】
したがって、上記した実施形態によれば、各センサ3,4の検出値を取得できない異常が発生したときに、制御手段23により、ヘッドランプの光軸の傾き角度が、異常の発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きで法規に適合した値であって、メモリ22の記憶頻度が最も多く当該車両が最も取り得る車体傾斜角θvを記憶しているメモリ22のカウンタが特定され、ヘッドランプの光軸が特定されたカウンタに応じた傾き角度に制御されるため、異常発生後に積載等に伴う車体傾斜角θvの変化が生じた場合であっても、ヘッドランプの光軸の傾き角度が上向きで法規に適合しない値になるのを未然に防止することができ、対向車両の幻惑を確実に防止することができる。
【0054】
また、異常発生時におけるメモリ22による記憶頻度が最も多い車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度が、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも上向きの値であれば、ヘッドランプの光軸が異常発生直前の傾き角度を維持するように制御され、もしくはヘッドランプの光軸が、異常発生時より下側であってメモリ22のカウンタのうち最もカウント値の大きく記憶頻度の多い車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御されるため、異常発生後に積載等に伴う車体傾斜角θvの変化が生じときに、ヘッドランプの光軸が過度に上向きになるのを防止することができ、対向車両の幻惑を抑制することができる。
【0055】
また、メモリ22が備える複数のカウンタのうち、カウント値の最も大きいカウンタに対応する範囲の車体傾斜角θvを、記憶頻度が最も多く当該車両が取り得る車体傾斜角θvであると判断するため、制御手段23により、異常発生時のメモリ22による記憶頻度が最も多い車体傾斜角θvつまり当該車両が最も取り得る車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度に制御する場合に、記憶頻度が最も多い車体傾斜角θvを容易に判断することができる。
【0056】
また、例えばあるカウンタの第1フレームがリセットされた後に、制御手段23により異常発生が検知されたときに、当該カウンタのリセットされていない第2フレームのカウント値に基づいて記憶頻度の多、少を判断することができ、リセットされた第1フレームのカウント値が記憶頻度の多、少の判断に使用されることがないため、カウント値が極端に少ないフレームのカウント値に基づく制御を回避することができ、ヘッドランプの光軸の傾き角度制御の信頼性を向上することが可能になる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る車両用制御装置の第2実施形態について、図7を参照して詳述する。第2実施形態における装置構成は上記した第1実施形態のものと同じであるため、以下の説明では、図1ないし図5も参照するものとし、第2実施形態が第1実施形態と異なる点について説明する。
【0058】
本実施形態では、制御手段23により、ヘッドランプの光軸の傾き角度を制御する毎にそのときのヘッドランプの光軸の傾き角度に対応する車体傾斜角θvをメモリ22に記憶させておき、制御手段23が各センサ3,4の検出値を取得できない異常の発生を検知したときに、メモリ22による記憶頻度が最も多い車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度が、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きの値であれば、制御手段23により、ヘッドランプの光軸をメモリ22による記憶頻度が最も多い車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御する一方、異常発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも上向きの値であれば何もしないようにした点が、上記した第1実施形態と異なる。
【0059】
すなわち、図7の制御手順に示すように、ステップS1~ステップS8の処理は図6に示す第1実施形態と同様での処理を行い、ステップS1の判定結果がYESで各センサの検出値を取得できない異常の発生があると判定されたときに、異常発生直前のヘッドランプ光軸の傾き角度がメモリ22等に保持されるとともに、制御手段23により、各カウンタのうち最もカウント値が大きく記憶頻度の多いつまり当該車両が最も取り得る車体傾斜角θvを記憶しているカウンタが特定され、特定されたカウンタに対応する車体傾斜角θvに応じたヘッドランプの光軸の傾き角度がマップから読み取られ、読み取られたヘッドランプの光軸の傾き角度が異常発生直前の傾き角度よりも下向きで法規に適合した値か否かの判定がなされた結果、読み取られたヘッドランプの光軸の傾き角度が異常発生直前の傾き角度よりも上向きで法規に適合しない値であるときには(ステップS8のNO)、そのままスタートに戻るようにした点が第1実施形態と異なっている。
【0060】
したがって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、各センサ3,4の検出値を取得できない異常が発生したときに、制御手段23により、ヘッドランプの光軸の傾き角度が、異常の発生直前のヘッドランプの光軸の傾き角度よりも下向きで法規に適合した値であって、メモリ22の記憶頻度が最も多く当該車両が最も取り得る車体傾斜角θvを記憶しているメモリ22のカウンタが特定され、ヘッドランプの光軸が特定されたカウンタに応じた傾き角度に制御されるため、異常発生後に積載等に伴う車体傾斜角θvの変化が生じた場合であっても、ヘッドランプの光軸の傾き角度が上向きで法規に適合しない値になるのを未然に防止することができ、対向車両の幻惑を確実に防止することができる。
【0061】
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
【0062】
例えば、上記した第1実施形態における制御手段23の制御として、図6のステップS10の処理を、ヘッドランプの光軸が異常発生直前の傾き角度を維持するように制御するのみとしてもよく、ヘッドランプの光軸を、異常発生時より下側であってメモリ22のカウンタのうち最もカウント値の大きく記憶頻度の多い車体傾斜角θvに応じた傾き角度に制御するのみとしてもよい。
【0063】
また、上記した各実施形態では、加速度センサ3に3軸の加速度センサを用いた場合について説明したが、前後、上下の2軸の加速度センサであってもよく、前後用及び上下用の1軸加速度センサを2個設けてもよい。さらに、加速度センサ3は、横滑り防止制御用などに既に車両に搭載されている加速度センサを利用してもよく、これによりヘッドランプの光軸制御専用の加速度センサを設ける必要がなく、コストを低減することができる。また、路面傾斜角θrを取得する手段として、上記した実施形態で示した演算手段21による演算の他、ナビゲーションシステム等を用いるようにしてもよい。
【0064】
また、上記した各実施形態では、演算手段21により、車輪速センサ4による車輪速検出値を時間微分して車体加速度Aを算出し、加速度センサ3からの前後方向出力値X及び上下方向出力値Z、導出した車体加速度A並びに重力加速度Gに基づき路面傾斜角θrを算出し、算出した路面傾斜角θr等を用いて車体傾斜角θvを算出する例について説明したが、車体傾斜角θvはこのような演算により算出するものに限定されないのはいうまでもない。
【0065】
そして、本発明は、ヘッドランプの光軸の傾き角度を車体傾斜角に応じて制御する車両用制御装置置に適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 …車両用制御装置
2 …光軸制御用ECU
3 …加速度センサ
4 …車輪速センサ
21 …演算手段(導出手段)
22 …メモリ
23 …制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8