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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154782
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064338
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】石原 新士
(72)【発明者】
【氏名】泉 枝穂
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中城 健太
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB03
2D015HB04
2D015HB05
(57)【要約】
【課題】マシンガイダンスシステムまたはマシンコントロールシステムの校正精度を向上させることが可能な建設機械を提供する。
【解決手段】コントローラ20は、作業機1の姿勢を作業機1の第1所定位置(バケット爪先位置)の座標に変換するための変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)の校正が指示された後の所定の時間の間に姿勢検出装置14~16が検出した作業機1の姿勢に基づいて、作業機1が静定しているか否かを判定し、作業機1が静定していると判定した場合に、前記所定の時間の間に姿勢検出装置14~16が検出した作業機1の姿勢と、前記変換パラメータの校正の指示がされた後に外部計測装置50で計測された作業機1の第2所定位置(ピン位置p0,p1,p2)の座標とに基づいて前記変換パラメータの更新値を算出する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体に回動可能に取り付けられた上部旋回体と、
前記上部旋回体に回動可能に取り付けられた多関節型の作業機と、
前記作業機に取り付けられた姿勢検出装置と、
前記姿勢検出装置で検出した前記作業機の姿勢を所定の変換パラメータを用いて前記作業機の第1所定位置の座標に変換するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記姿勢検出装置で検出した前記作業機の姿勢と外部計測装置で計測した前記作業機の第2所定位置の座標とに基づいて前記変換パラメータの更新値を算出して校正を行う建設機械において、
前記コントローラは、
前記変換パラメータの校正の指示がされた後の所定の時間の間に前記姿勢検出装置が検出した前記作業機の姿勢に基づいて、前記作業機が静定しているか否かを判定し、
前記作業機が静定していると判定した場合に、前記所定の時間の間に前記姿勢検出装置が検出した前記作業機の姿勢と、前記変換パラメータの校正の指示がされた後に前記外部計測装置で計測された前記第2所定位置の座標とに基づいて前記変換パラメータの更新値を算出する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械において、
前記コントローラから入力された情報を出力可能な報知装置を備え、
前記コントローラは、前記変換パラメータを校正する際に、前記作業機が静定していないと判定した場合は、再校正を促す情報を前記報知装置に出力する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1に記載の建設機械において、
前記コントローラは、
前記作業機の回動中心位置が移動しない複数の姿勢において前記外部計測装置で計測した前記作業機の非回動中心位置の座標を取得し、
前記複数の姿勢における前記非回動中心位置の水平方向の変化量が第1閾値を上回る場合に、前記外部計測装置の座標軸が適切でないと判定し、
前記変換パラメータを校正する際に、前記作業機が静定していると判定した場合であっても、前記外部計測装置の座標軸が適切でないと判定した場合は、前記更新値を算出しない
ことを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項1に記載の建設機械において、
前記コントローラは、
前記作業機の回動中心位置が移動しない複数の姿勢において前記外部計測装置で計測した前記回動中心位置および前記作業機の非回動中心位置の座標を取得し、
前記複数の姿勢における前記回動中心位置と前記非回動中心位置との距離の変化量が第2閾値を上回る場合に、前記外部計測装置で計測した座標が適切でないと判定し、
前記変換パラメータを校正する際に、前記作業機が静定していると判定した場合であっても、前記外部計測装置で計測した座標が適切でないと判定した場合は、前記更新値を算出しない
ことを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項1に記載の建設機械において、
前記コントローラから入力された情報を出力可能な報知装置を備え、
前記コントローラは、
前記作業機の回動中心が移動しない複数の姿勢において前記外部計測装置で計測した前記作業機の回動中心位置および非回動中心位置の座標を取得し、
前記複数の姿勢における前記非回動中心位置の水平方向の変化量が第1閾値を上回る場合に、前記外部計測装置の座標軸が適切でないと判定し、
前記複数の姿勢における前記回動中心位置と前記非回動中心位置との距離の変化量が第2閾値を上回る場合に、前記外部計測装置で計測した座標が適切でないと判定し、
前記変換パラメータを校正する際に、前記作業機が静定していると判定した場合であっても、前記外部計測装置で計測した座標軸が適切でないと判定した場合、または、前記外部計測装置で計測した座標が適切でないと判定した場合は、前記更新値を算出せず、
前記作業機が静定していないと判定した場合、前記外部計測装置で計測した座標軸が適切でないと判定した場合、または、前記外部計測装置で計測した座標が適切でないと判定した場合は、再校正を促す情報を前記報知装置に出力する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項6】
請求項1に記載の建設機械において、
前記コントローラから入力された情報を出力可能な報知装置を備え、
前記コントローラは、前記変換パラメータを校正する際に、前記作業機が静定していると判定した場合に、前記外部計測装置による計測を促す情報を前記報知装置に出力する
ことを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロント作業機を有する油圧ショベルなどの建設機械に関し、特に、マシンガイダンスシステムまたはマシンコントロールシステムを搭載した建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化施工への対応に伴い、ブーム、アーム、バケットなどの作業機構の位置や姿勢をオペレータへ表示するマシンガイダンスや、作業機構の位置を目標施工面に沿って動くように制御するマシンコントロールの機能を有する油圧ショベルが開発されている。
【0003】
施工現場における自車の座標を利用して、マシンガイダンスやマシンコントロールの作業支援を行うものを3次元情報化施工(3D情報化施工)と呼ぶ。この3D情報化施工に対応する建設機械は自車位置を取得するためにGNSS(Global Navigation Satellite System)が備え付けられている。油圧ショベルのようにフロント作業機を備える建設機械では、自車の位置だけでなく、作業機が向いている方向(方位)も作業支援に必要になるため、上部旋回体に2つのGNSSアンテナを備えた建設機械が公知である。
【0004】
マシンガイダンスシステムにおいては、バケットの先端位置(爪先位置)が施工目標面に沿って動作するようにオペレータに各種情報を提示するため、自車の位置だけでなく、フロント作業機の姿勢情報が重要になる。このため、ブーム、アーム、バケットの角度を取得するために何らかのセンサが取り付けられている。この角度センサには、取付けの容易性や、角度センサの応答性の観点でIMU(Inertial Measurement Unit)センサが選定されることが多い。
【0005】
マシンガイダンスシステムではフロント作業機の各部材(ブーム、アーム、バケット)の傾斜角を利用してショベルの爪先位置を算出するが、IMUセンサは自身の傾斜角を取得するものである。このため、IMUセンサが各部材に対して、どのくらい回転して取り付けられているかを示す「取付角度」を利用して、IMUセンサの傾斜角を各部材の傾斜角へと変換する。各部材の傾斜角の正確さが爪先座標の算出精度に影響するため、取付角度を正確に取得する必要がある。このような爪先座標の演算に必要なパラメータを正確な値に更新する作業を校正、またはキャリブレーションと呼ぶ。取付角度のキャリブレーション方法を開示する先行技術文献として、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-181340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、外部計測装置(トータルステーション)で各部材の回転中心である連結部(回動ピン中心)の座標を取得し、各座標から算出される各部材の傾斜角と、傾斜センサ(IMUセンサ)が出力した傾斜角を比較することで取付角度を算出する方法を提示している。
【0008】
例えば、ブームに取り付けられているIMUセンサの取付角度を取得する場合、ブームフートピン位置p0の座標(x0,y0,z0)とブーム先端ピン位置p1の座標(x1,y1,z1)をトータルステーションで取得する。フロント作業機がトータルステーションの座標軸Xと並行に設置されていると仮定する(つまり、y0=y1が成立する)と、ブームの角度θBM-TSは数1式で与えられる。
【0009】
【数1】
【0010】
この作業と並行して、IMUセンサが出力した角度θBM-IMUを記録しておくことで、数2式を用いて取付角度ΔθBMを算出できる。
【0011】
【数2】
【0012】
トータルステーションは各座標を同時に取得することはできず、一点ずつ座標の計測を行うことになる。よって、各座標を取得する際に油圧ショベルの姿勢が変化すると正しく取付角度を算出することができなくなる恐れがある。
例えば、[1]ブームフートピン位置p0の座標を取得し、[2]IMUセンサの角度情報を取得し、[3]ブーム先端ピン位置p1の座標を取得する、という3つの手順で作業を行ったとする。この作業において、[2]から[3]の作業中にブーム先端ピン位置p1の座標が(x1,y1,z1)から(x1+δx,y1,z1+δz)に変化すると、ブームの角度θBM-TSは数3式のようになる。
【0013】
【数3】
【0014】
数1式と数3式で算出される角度θBM-TSは異なるため、取付角度ΔθBMも異なる値として算出されることになる。つまり、キャリブレーション作業中にフロント作業機の姿勢が変化してしまうと取付角度を正しく取得できない可能性がある。
【0015】
当然、キャリブレーション作業を行う際には姿勢変化が起きないようにレバーを操作してはならないと注意喚起がなされる。ただし、オペレータが意図的にレバー操作を行わなくてもフロント作業機の姿勢変化は発生し得る。
【0016】
例えば、フロント作業機は油圧シリンダで駆動されているため、温度変化で圧油が膨張、収縮するとシリンダ長が変化することで姿勢変化が発生する。その他、圧油がリークすることでシリンダのボトム圧、またはロッド圧が低下するとシリンダ長が変化する。また、シリンダ長の変化がない場合でも、油圧ショベルが軟土の地形に設置されていると、油圧ショベルの自重によって、地面への沈み込みが生じる場合もある。このような沈み込みが発生するとトータルステーションで計測する座標が変化するため、取付角度を正確に取得できず、キャリブレーションの精度が低下する可能性がある。
【0017】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マシンガイダンスシステムまたはマシンコントロールシステムの校正精度を向上させることが可能な建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明は、下部走行体と、前記下部走行体に回動可能に取り付けられた上部旋回体と、前記上部旋回体に回動可能に取り付けられた多関節型の作業機と、前記作業機に取り付けられた姿勢検出装置と、前記姿勢検出装置で検出した前記作業機の姿勢を所定の変換パラメータを用いて前記作業機の第1所定位置の座標に変換するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記姿勢検出装置で検出した前記作業機の姿勢と外部計測装置で計測した前記作業機の第2所定位置の座標とに基づいて前記変換パラメータの更新値を算出して校正を行う建設機械において、前記コントローラは、前記変換パラメータの校正の指示がされた後の所定の時間の間に前記姿勢検出装置が検出した前記作業機の姿勢に基づいて、前記作業機が静定しているか否かを判定し、前記作業機が静定していると判定した場合に、前記所定の時間の間に前記姿勢検出装置が検出した前記作業機の姿勢と、前記変換パラメータの校正の指示がされた後に前記外部計測装置で計測された前記第2所定位置の座標とに基づいて前記変換パラメータの更新値を算出するものとする。
【0019】
以上のように構成した本発明によれば、作業機が静定している状態で取得された作業機の姿勢および座標を用いて、作業機の姿勢を作業機の第1所定位置の座標に変換するための変換パラエータが更新される。これにより、マシンガイダンスシステムまたはマシンコントロールシステムの校正精度を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る建設機械によれば、マシンガイダンスシステムまたはマシンコントロールシステムの校正精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施例における油圧ショベルの外観を模式的に示す図
図2】本発明の第1の実施例におけるコントローラの処理機能の一部を模式的に示す図
図3】本発明の第1の実施例におけるコントローラの機能ブロック図
図4】キャリブレーション実施時にモニタに表示される内容の一例を示す図
図5】姿勢検出結果記録部に記録されたIMUデータの一例を示す図
図6】本発明の第1の実施例におけるキャリブレーション実行部の処理を示すフローチャート
図7】本発明の第2の実施例におけるコントローラの機能ブロック図
図8】本発明の第2の実施例におけるキャリブレーション実行部の処理を示すフローチャート
図9】外部計測装置で設定された座標軸が座標計測に与える影響を説明する図
図10】キャリブレーション実施時の姿勢の一例を示す図
図11】本発明の第3の実施例の変形例におけるコントローラの機能ブロック図
図12】本発明の第3の実施例におけるコントローラに記録されるデータのイメージを示す図
図13】本発明の第3の実施例におけるキャリブレーション実行部の処理を示すフローチャート
図14】本発明の第4の実施例におけるコントローラの機能ブロック図
図15】本発明の第4の実施例におけるキャリブレーション実行部の処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る建設機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
【実施例0023】
図1は、本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの外観を模式的に示す図である。図1において、油圧ショベル100は、垂直方向にそれぞれ回動する複数のフロント部材(ブーム4、アーム5、バケット(作業具)6)を連結して構成された多関節型のフロント作業機1と、車体を構成する上部旋回体2及び下部走行体3とを備える。上部旋回体2は、下部走行体3に対して旋回可能に設けられている。
【0024】
フロント作業機1のブーム4の基端は上部旋回体2の前部に垂直方向に回動可能に支持されており、アーム5の一端はブーム4の他端(先端)に垂直方向に回動可能に支持されており、アーム5の他端(先端)にはバケット6が垂直方向に回動可能に支持されている。ブーム4はブームフートピン4b(図2に示す)を中心に回動し、アーム5はアームピン(ブーム先端ピン)5bを中心に回動し、バケット6はバケットピン6bを中心に回動する。ブーム4、アーム5、バケット6、上部旋回体2、及び下部走行体3は、油圧アクチュエータであるブームシリンダ4a、アームシリンダ5a、バケットシリンダ6a、旋回モータ(図示せず)、及び左右の走行モータ3a(一方のみ図示)によりそれぞれ駆動される。
【0025】
オペレータが搭乗する運転室9には、油圧アクチュエータ2a~6aを操作するための操作信号を出力する操作レバー9a,9bが設けられている。操作レバー9a,9bはそれぞれ前後左右方向に傾倒可能であり、各方向に油圧アクチュエータ2a~6aの操作がそれぞれ割り当てられている。操作レバー9a,9bは、操作信号であるレバーの傾倒量(レバー操作量)を電気的に検知する検出装置(図示せず)を含み、検出装置が検出したレバー操作量を制御装置であるコントローラ20に電気配線を介して出力する。
【0026】
ブームシリンダ4a、アームシリンダ5a、バケットシリンダ6a、旋回モータ2a、及び左右の走行モータ3aの動作制御は、エンジンや電動モータなどの原動機によって駆動される油圧ポンプ装置7から各油圧アクチュエータ2a~6aに供給される作動油の方向及び流量をコントロールバルブ8で制御することにより行う。コントロールバルブ8は、パイロットポンプ(図示せず)から電磁比例弁を介して出力される駆動信号(パイロット圧)により操作される。操作レバー9a,9bからの操作信号に基づいてコントローラ20で電磁比例弁を制御することにより、各油圧アクチュエータ2a~6aの動作が制御される。なお、操作レバー9a,9bは油圧パイロット方式であっても良い。その場合、操作レバー9a,9bは、レバー操作量に応じたパイロット圧を出力するパイロット弁(図示せず)を含み、コントロールバルブ8は、パイロット弁から出力されるパイロット圧により操作される。
【0027】
上部旋回体2には、姿勢センサとして慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)13が配置されている。慣性計測装置13は、角速度及び加速度を計測するものであり、姿勢検出装置を構成している。慣性計測装置13が配置された上部旋回体2が静止している場合を考えると、慣性計測装置13に設定されたIMU座標系における重力加速度の方向(鉛直下向き方向)と、慣性計測装置13の取り付け状態(慣性計測装置13と上部旋回体2との相対的な位置関係)とに基づいて、上部旋回体2の前後方向への傾き(ピッチ角)、左右方向への傾き(ロール角)をそれぞれ算出することができる。なお、IMUには角速度センサが内蔵されているため、角速度を積分することによって上部旋回体2の回転角度(ヨー角)を算出することもできるが、角速度センサの定常的な誤差(ジャイロバイアス)によって、正確な回転角度を算出することは容易ではないことに注意が必要である。なお、本実施例では、上記の傾き(角度)の演算機能が慣性計測装置に実装されていることを想定しているが、慣性計測装置に角度の算出機能が実装されていない場合は、後述のコントローラ20に角度演算機能を実装すればよい。
【0028】
また、上部旋回体2には2つのGNSSアンテナ17a,17bが取り付けられている。それぞれのGNSSアンテナで受信した衛星信号はGNSS受信機17c(図2に示す)に入力され、アンテナ座標の演算や方位角の演算などの各種測位演算に利用される。GNSSアンテナ17a,17b及びGNSS受信機17cは、位置情報検出装置17(図3に示す)を構成している。
【0029】
GNSS受信機17cは現場内に設置されたGNSS固定局と無線通信によって接続することで、位置情報についてRTK(Real Time Kinematic)測位を実施する。GNSS固定局がない現場の場合には、インターネットを介して電子基準局の情報を取得するネットワーク型RTKを利用してもよい。以下、現場内の固定局の有無を問わず、GNSS受信機17cはRTK測位が実行可能であることを想定する。
【0030】
フロント作業機1の構成要素であるブーム4、アーム5、バケット6にはそれぞれの姿勢を計測するために慣性計測装置14~16が適切な位置に設置されている。慣性計測装置14~16も、上部旋回体2に取り付けられた慣性計測装置13と同様に、姿勢検出装置を構成している。以降、各慣性計測装置13~16を区別するため、設置場所に応じて、適宜、車体IMU13、ブームIMU14、アームIMU15、バケットIMU16と呼ぶ。なお、バケットIMU16はバケット6でなく、バケット6と連動して回動するリンク部材(バケットリンク)18に設置しても良い。バケットリンク18にIMUを設置した場合は、幾何学的な関係性を利用して、バケットリンク18の傾きをバケット6の傾きに変換すればよい。
【0031】
図2は、油圧ショベル100に搭載されるコントローラ20の処理機能を模式的に示す図である。図2において、コントローラ20は、油圧ショベル100の動作を制御するための種々の機能を有するものであり、その一部としてポジショニング演算部21、モニタ表示制御部22、油圧システム制御部23、施工目標面演算部24、及びキャリブレーション実行部25の各機能を有している。なお、図2では、処理機能21~25を一つのコントローラで実行するように描いているが、各処理機能を複数のコントローラで実行しても良い。例えば油圧ショベル100に5つのコントローラが備えられている場合、各処理機能21~25をそれぞれ別のコントローラで実行しても良い。また、キャリブレーション実行部25は油圧ショベル100に搭載されたコントローラ20に実装されなくても良く、別の端末に実装されていても良い。
【0032】
ポジショニング演算部21は、GNSS受信機17cで算出した位置情報と慣性計測装置13~16の検出結果に基づいて、油圧ショベル100の作業現場内での座標、方位、及びフロント作業機1の姿勢を算出する姿勢演算処理を行う。ポジショニング演算部21で作業機1の姿勢を算出するには、油圧ショベル100の各種寸法(後述するリンク長)やセンサの取り付け情報(取付角度)を変換パラメータとして利用する必要がある。これらの変換パラメータを正確な値(以下、更新値)で更新する作業を校正またはキャリブレーションと呼ぶ。このキャリブレーションに関わる演算はキャリブレーション実行部25で実行される。
【0033】
モニタ表示制御部22は、運転室9に設けられたモニタ30(図4に示す)の表示を制御するものであり、施工目標面演算部24で算出された施工目標面と、ポジショニング演算部21で算出されたフロント作業機1の姿勢とに基づいて、オペレータに対する操作支援の指示内容を算出し、モニタ30に表示する。すなわち、モニタ表示制御部22は、例えば、ブーム4、アーム5、バケット6などの被駆動部材を有するフロント作業機1の姿勢や、バケット6の先端位置と角度をモニタ30に表示してオペレータの操作を支援するマシンガイダンスシステムとしての機能の一部を担っている。モニタ30は単なる表示デバイスでなく、タッチパネルを備えたタブレット端末に置き換えて入力デバイスとして利用することが望ましい。以下、モニタ30がタブレット端末で構成されているものとして説明する。
【0034】
油圧システム制御部23は、油圧ポンプ装置7やコントロールバルブ8、各油圧アクチュエータ2a~6a等からなる油圧ショベル100の油圧システムを制御するものであり、施工目標面演算部24で算出された施工目標面と、ポジショニング演算部21で算出されたフロント作業機1の姿勢とに基づいて、フロント作業機1の動作を算出し、その動作を実現するように油圧ショベル100の油圧システムを制御する。すなわち、油圧システム制御部23は、例えば、バケット6の先端が目標施工面に一定以上近づかないように動作に制限をかけたり、バケット6の先端位置が目標施工面に沿って動くよう制御したりするマシンコントロールシステムとしての機能の一部を担っている。
【0035】
施工目標面演算部24は、施工管理者によって予め記憶装置40に記憶されている3次元施工図面などの施工情報と、ポジショニング演算部21で算出した油圧ショベル100の位置情報および姿勢情報とに基づいて、施工対象の目標形状を定義する施工目標面を算出する。モニタ表示制御部22および施工目標面演算部24はマシンガイダンスシステムを構成し、油圧システム制御部23および施工目標面演算部24はマシンコントロールシステムを構成している。
【0036】
キャリブレーション実行部25は、姿勢検出装置13~16で取得したデータと外部計測装置50で取得したデータを利用して、各種パラメータ(具体的には、油圧ショベルの各種寸法やIMUセンサの取付角度)を算出する。算出したパラメータはポジショニング演算部21及びモニタ表示制御部22で利用される。
【0037】
図3は、コントローラ20の機能ブロック図である。図3では、説明を簡略するため、図2に示した機能の一部(ポジショニング演算部21、モニタ表示制御部22、キャリブレーション実行部25以外)を省略している。
【0038】
本実施例におけるキャリブレーション実行部25は、姿勢検出結果記録部25a、姿勢情報変化検出部25b、外部計測結果記録部25c、及び校正値演算部25d、校正結果記録部25eで構成される。
【0039】
姿勢検出結果記録部25aは、姿勢検出装置13~16が出力した検出情報を記録する。検出情報の記録開始のタイミングと記録終了のタイミングは任意に変更することができ、キャリブレーション作業時にオペレータまたはコントローラ20の指示によって記録開始、終了が制御される。
【0040】
オペレータの指示で記録開始を行う場合の記録開始と終了のタイミングの一例を図4を用いて説明する。図4は、キャリブレーション実施時にモニタ30に表示される内容の一例を示している。オペレータはモニタ30に表示される指示に従って操作を行う。ここでは、ブーム4を対象としたキャリブレーションを例に説明するが、その他の部材(アーム5、バケット6)についても同様である。
【0041】
まず、キャリブレーション開始時に図4(a)のように、油圧ショベル100がキャリブレーションを行う姿勢になったことをオペレータに確認する指示をモニタ30に表示する。オペレータが油圧ショベル100の姿勢を図4(a)に合わせることができたと判断すると、画面上の「はい」をタップする。姿勢検出結果記録部25aは「はい」をタップしたことをトリガとして、ブームIMU14のデータの記録を始める。その後、モニタ30には図4(b)に示すように外部計測装置50で座標を取得すべき位置p0,p1の指示が表示される。オペレータはモニタに表示された位置p0,p1の座標を外部計測装置50で取得した後に画面上の「はい」をタップする。このタップのタイミングに合わせて、姿勢検出結果記録部25aはブームIMU14のデータの記録を停止する。
【0042】
なお、外部計測装置50、コントローラ20、モニタ30がそれぞれ情報の授受ができる構成になっている場合、図4(b)中のピン位置p0,p1それぞれの座標を外部計測装置50で取得した時点で自動的に「はい」がタップされたものとしても良い。つまり、ピン位置p0の座標を外部計測装置50で取得すると同時に姿勢検出結果記録部25aがデータの記録を開始し、ピン位置p1の座標を外部計測装置50で取得すると同時に姿勢検出結果記録部25aがデータの記録を終了する仕組みとしても良い。本機能は後述の外部計測結果記録部25cに記録された座標データを参照することで実行される。また、姿勢検出結果記録部25aは、IMUセンサが出力するサンプリング周期(例えば10ms)のデータをそのまま記録しても良いし、記憶容量を節約するため、IMUが出力したデータを等間隔に間引いて100msごとのデータを記録する方式にしても良い。
【0043】
姿勢情報変化検出部25bは、姿勢検出結果記録部25aに記録されているIMUデータを解析し、図4(a)の姿勢でキャリブレーションを行っているときにフロント作業機1に姿勢変化が生じていないことを確認する。取得したIMUデータに基づいて姿勢変化の有無を判定する方法を図5を用いて説明する。
【0044】
図5(a)は、フロント作業機1の姿勢に変化が生じなかった場合に姿勢検出結果記録部25aに記録されたIMUデータの一例を示している。図中の黒点が各時刻で取得したデータを表している。
【0045】
IMUセンサの出力は、各種ノイズやエンジン振動の影響によって、常にばらついている。このため、姿勢変化がない場合でもIMUセンサの出力は変化し得る。このばらつきを「姿勢変化」として誤判定しないように、各時刻のデータが初期値またはデータ全体の平均値に対して許容範囲を設け、この許容範囲を逸脱するデータがない限り姿勢変化はないと判断する。この許容範囲は、IMUセンサの仕様書に記載されているセンサ精度を参考に設定してもよいし、フロント作業機1に姿勢変化が生じないようにバケット爪先を地面(望ましくは定盤)上に設置した図5(b)のような状態で取得したIMUデータを解析して得られた分散値σを利用して、±3σの範囲を許容範囲としてもよい。
【0046】
図5(c)は、フロント作業機1の姿勢が変化してしまった場合に姿勢検出結果記録部25aに記録されたIMUデータの一例を示している。前述のとおり、取得したデータは設定した許容範囲を逸脱する。このような判定を行うことで、図4(b)に示したピン位置p0,p1の座標取得を行う間の姿勢変化を検出できる。一般にマシンガイダンスに採用されるIMUセンサは0.1~0.3deg程度の角度検出精度があるため、フロント作業機1のわずかな姿勢変化も検出することが可能である。
【0047】
外部計測結果記録部25cは、外部計測装置50で取得した座標データをコントローラ20内の記憶領域に記録する。座標データは3次元空間の座標(x,y,z)である。
【0048】
校正値演算部25dは、姿勢検出結果記録部25aに記録されているIMUデータと外部計測結果記録部25cに記録されている座標データを利用して変換パラメータを算出する。姿勢検出結果記録部25aに記録されているIMUデータはばらつきを有するため、ばらつきの影響を抑制するため、例えば、数4式のような平均処理を行う。
【0049】
【数4】
【0050】
なお、数4式のθiはサンプリングステップiに記録されたIMUデータを示し、Nは姿勢検出結果記録部25aに記録されているIMUデータの個数を意味する。
【0051】
一方、外部計測結果記録部25cに記録されている、図4(b)におけるブームフートピン位置p0の座標を(x0,y0,z0)、ブーム先端ピン位置p1の座標を(x1,y1,z1)とすると、数1式よりブーム4の角度θBM-TSを算出できる。そして、数1式1と数4式を利用し、数2式に倣った数5式によってブームIMU14の取付角度ΔθBMを算出できる。
【0052】
【数5】
【0053】
また、外部計測結果記録部25cに記録されている座標データを利用すれば、ブーム4のリンク長LBMは数6式で与えられる。
【0054】
【数6】
【0055】
前述のとおり、数1式および数5式はフロント作業機1の姿勢が変化していないときにのみ成立する。よって、校正値演算部25dは姿勢情報変化検出部25bにて、姿勢変化が検出されなかったときにのみ実行されることが望ましい。
【0056】
校正結果記録部25eは、校正値演算部25dで算出した取付角度Δθとリンク長Lを記録する。なお、姿勢情報変化検出部25bで姿勢変化が検出された場合は、校正値演算部25dの演算が実行されないため、取付角度Δθ、リンク長Lともに記録されない。校正結果記録部25eに記録された取付角度Δθ、リンク長Lは、ポジショニング演算部21による姿勢演算や、モニタ表示制御部22による油圧ショベル100の描画に反映される。
【0057】
図6は、キャリブレーション実行部25の処理を示すフローチャートである。図6に示す処理は、フロント作業機1の各部材(ブーム4、アーム5、バケット6)ごとに実施される。以下、各ステップについて順に説明する。
【0058】
まず、ステップFC101で、キャリブレーション実施時の所定の姿勢を作成するようオペレータに指示する。本実施例では、モニタ表示制御部22がキャリブレーション実施時の姿勢(図4(a)に一例を示す)をモニタ30に表示する。オペレータは、フロント作業機1の姿勢をモニタ30に表示されているキャリブレーション姿勢に合わせる。
【0059】
ステップFC101に続き、ステップFC102で、フロント作業機1の姿勢の準備が完了した否かをオペレータに確認する。オペレータが姿勢の準備が完了したと判断し、図4(a)に示すモニタ30上の「はい」をタップすると、ステップFC102でYESと判定され、ステップFC103に遷移する。姿勢の準備が完了するまでステップFC102でNOと判定され、ステップFC101に遷移する。
【0060】
ステップFC103でIMUデータの記録を開始する。この処理は姿勢検出結果記録部25aにより実行される。IMUデータの記録を開始した後、ステップFC104に遷移する。
【0061】
ステップFC104で、外部計測装置50による座標計測および記録が実行される。この処理は外部計測結果記録部25cにより実行される。必要な座標データが取得されるまでステップFC105でNOと判定され、オペレータは外部計測装置50による計測を継続する。必要な座標データが取得されるとステップFC105でYESと判定され、ステップFC106に遷移する。
【0062】
ステップFC106でIMUデータの記録を終了する。この処理も姿勢検出結果記録部25aにより実行される。IMUデータの記録を終了した後、ステップFC107に遷移する。
【0063】
ステップFC107で、記録されたIMUデータを処理し、ステップFC108で作業機1の姿勢変化の有無を判定する。姿勢変化がない場合はステップFC108でYESと判定され、ステップFC109に遷移する。ステップFC107,FC108の処理は姿勢情報変化検出部25bによって実行される。
【0064】
ステップFC109で、記録されたIMUデータおよび座標データを用いて変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)を算出する。この処理は校正値演算部25dによって実行される。変換パラメータを算出すると、ステップFC110に遷移する。
【0065】
ステップFC110では、算出した変換パラメータをコントローラ20のメモリに記録する。この処理は校正結果記録部25eによって実行される。
【0066】
ステップFC108で姿勢変化がある(NO)と判定した場合、記録されているIMUデータおよび座標データが変換パラメータの算出に適していないため、変換パラメータを算出することなく当該フローを終了する。
【0067】
(まとめ)
本実施例では、下部走行体3と、下部走行体3に回動可能に取り付けられた上部旋回体2と、上部旋回体2に回動可能に取り付けられた多関節型の作業機1と、作業機1に取り付けられた姿勢検出装置14~16と、姿勢検出装置14~16で検出した作業機1の姿勢を所定の変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)を用いて作業機1の第1所定位置(バケット爪先位置)の座標に変換するコントローラ20とを備え、コントローラ20は、姿勢検出装置14~16で検出した作業機1の姿勢と外部計測装置50で計測した作業機1の第2所定位置(ピン位置p0,p1,p2)の座標とに基づいて前記変換パラメータの更新値を算出して校正を行う油圧ショベル(建設機械)100において、コントローラ20は、前記変換パラメータの校正の指示がされた後の所定の時間(ステップFC103~FC106)の間に姿勢検出装置14~16が検出した作業機1の姿勢に基づいて、作業機1が静定しているか否かを判定し、作業機1が静定していると判定した場合に、前記所定の時間の間に姿勢検出装置14~16が検出した作業機1の姿勢と、前記変換パラメータの校正の指示がされた後に外部計測装置50で計測された前記第2所定位置の座標とに基づいて前記変換パラメータの更新値を算出する。
【0068】
以上のように構成された本実施例によれば、作業機1が静定している状態で取得した作業機1の姿勢および座標を用いて、作業機1の姿勢を作業機1の第1所定位置(バケット爪先位置)の座標に変換するための変換パラエータ(取付角度Δθ、リンク長L)が更新される。これにより、作業機1の第1所定位置(バケット爪先位置)の座標を算出する機能を有するマシンガイダンスシステムまたはマシンコントロールシステムの校正精度を向上させることが可能となる。
【実施例0069】
本発明の第2の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。図7は、本実施例におけるコントローラ20の機能ブロック図である。図7において、第1の実施例(図3に示す)との相違点は、キャリブレーション実行部25に再校正通知部25fを追加した点である。再校正通知部25fは、姿勢情報変化検出部25bで姿勢変化があると判定した場合に、再校正を促す情報をモニタ30に表示するようモニタ表示制御部22に指示する。
【0070】
図8は、本実施例におけるキャリブレーション実行部25の処理を示すフローチャートである。図8において、ステップFC201~FC210は第1の実施例におけるステップFC101~FC110と同一の処理である。第1の実施例(図6に示す)との相違点は、ステップFC211を追加した点である。ステップFC208でフロント作業機1の姿勢変化がある(YES)と判定した場合は、ステップFC211で再校正を促す情報をオペレータに通知し、当該フローを終了する。この処理は再校正通知部25fによって実行される。
【0071】
(まとめ)
本実施例における油圧ショベル(建設機械)100は、コントローラ20から入力された情報を出力可能なモニタ(報知装置)30を備え、コントローラ20は、変換パラメータを校正する際に、フロント作業機1が静定していないと判定した場合は、再校正を促す情報をモニタ(報知装置)30に出力する。
【0072】
以上のように構成された本実施例によれば、キャリブレーション実施中にフロント作業機1の姿勢が変化した場合に、オペレータが速やかにキャリブレーションをやり直すことが可能となる。
【実施例0073】
本発明の第3の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。第1の実施例では、外部計測装置50の座標軸がフロント作業機1の座標軸と同一である(ピン位置p0の計測時とピン位置p1の計測時とでY座標に変化がない)ことを前提条件としている。外部計測装置50の座標軸は自由に設定できるため、この前提条件は実用的である。しかし、オペレータがこの座標軸の設定作業を誤った場合、この前提条件が成立しなくなる。また、第1の実施例では1つの姿勢で取得した外部計測装置50のデータを利用して変換パラメータを算出するが、外部計測装置50による計測を失敗していた場合(例えば、正しい座標位置に照準を合わせることができなかった場合や、ピン位置に取り付けたターゲットがずれてしまった場合)には正しい演算を実行できない。本実施例は、座標軸の設定が正しいか否かを検証する機能、および外部計測装置50で取得した座標が適切か否かを検証する機能を追加したものである。
【0074】
図9は、油圧ショベル100を上空から見た図(鳥瞰図)であり、外部計測装置50で設定された座標軸が座標計測に与える影響を説明する図である。
【0075】
図9(a)は、外部計測装置50のX座標がフロント作業機1の方向と平行に設定された理想的な状態を示している。これに対して、図9(b)はフロント作業機1に対して時計回りに回転した座標軸X’,Y’,Zを設定した状態を示している。
【0076】
図9(a)の状態であれば、ブームフートピン位置p0とブーム先端ピン位置p1とを結ぶ直線がX軸に対して平行であるため、数1式を利用してブームIMU14の角度θBM-TSを算出できる。しかし、図9(b)の状態では、ブームフートピン位置p0とブーム先端ピン位置p1とを結ぶ直線がX’軸に対して平行でないため、数1式を利用することができない。
【0077】
このような座標軸の設定が好ましくない状態は、ブームフートピン位置p0、ブーム先端ピン位置p1それぞれのY座標を確認することで検出できる。具体的には、ブームフートピン位置p0のY座標(y0)とブーム先端ピン位置p1のY座標(y1)が等しくなければ座標軸は不適切であると判断できる。
【0078】
また、外部計測装置50のY軸がフロント作業機1の回動平面と直交するように設定されていれば、ブーム4の姿勢を変更してもピン位置p1,p2(ブーム4の非回動中心位置)のY座標は変化しない。従って、異なる複数の姿勢で取得したピン位置p1,p2のY座標の変化量が閾値を超えた場合に座標軸の設定が適切でないと判定できる。許容可能な座標軸の回転角度をφ(例えば、0.5deg)とすると、ブーム先端ピン位置p1のY座標の許容変化量ΔYは数7式で与えられる。
【0079】
【数7】
【0080】
座標軸の設定が正しいか否かを判定する際は、Y座標の変化量ができるだけ大きく表れる複数の姿勢で座標を計測することが望ましい。従って、計測するピンのX座標ができるだけ大きく変化するような複数の姿勢を指定する。例えば、ブーム4をキャリブレーションの対象とする場合、ブーム4をできるだけ下げた姿勢(図10(a)に示す)とブーム4をできるだけ上げた姿勢(図10(b)に示す)の2姿勢で外部計測装置50による座標計測を行う。
【0081】
図11は、本実施例におけるコントローラ20の機能ブロック図である。図11において、第1の実施例(図3に示す)との相違点は、キャリブレーション実行部25に外部計測結果分析部25gを追加し、外部計測結果分析部25gの分析結果に応じて再校正を通知する機能を再校正通知部25fに追加した点である。
【0082】
本実施例では複数の姿勢でデータを取得するため、変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)を複数回算出することが可能である。よって、姿勢検出結果記録部25aと姿勢情報変化検出部25bはそれぞれ、各姿勢でのデータの記録と姿勢変化の有無を判定する。なお、姿勢の変更中に取得されたデータはキャリブレーションに利用しない。
【0083】
外部計測結果記録部25cは各姿勢で取得した各ピン位置p0,p1,p2の座標を記録する。2つの姿勢でデータ取得を行った場合にコントローラ20に記録されるデータのイメージを図12に示す。外部計測結果記録部25cにはそれぞれの姿勢で計測された位置p1,p2の座標データが記録され、姿勢検出結果記録部20e1にはそれぞれの姿勢で連続記録された角度データが記録される。姿勢検出結果記録部25aに記憶されるデータ数Nは校正作業の時間によって異なる。
【0084】
外部計測結果分析部25gは外部計測結果記録部25cに記録されている座標データを分析し、座標軸および取得したデータの妥当性を検証する。
【0085】
まず、座標軸が正しく設定されているかは、ピン位置p1,p2のY座標の変化量が閾値Th(例えば、外部計測装置50の計測精度)以下であるという条件(数8式)を満たすか否かで判定できる。
【0086】
【数8】
【0087】
数8式のいずれかを満足しない場合、外部計測装置50の座標軸が適切でないと判定する。なお、ピン位置p1,p2のいずれか一方のY座標のみでも座標軸の判定は可能であるが、数8式のように2つのピン位置p1,p2のY座標を用いることにより判定精度を高めることができる。
【0088】
次に、各座標の妥当性を確認する手法について説明する。まず、複数の姿勢を指定する際に、これらの複数の姿勢において変化しない位置が存在することを前提とする。例えば、ブーム4のキャリブレーションを行う場合に、ブーム4のみを操作して複数の姿勢を作成すれば、これら複数の姿勢においてブームフートピン位置p0は不変である。この事実に注目すると、数9式で示すブームフートピン位置p0の変化量Δp0が所定の閾値(例えば、外部計測装置50の計測精度)を上回っていると、外部計測装置50の計測条件が不適切であると判定できる。
【0089】
【数9】
【0090】
同様に、同一部材の各ピン間の距離であるリンク長が短時間に変化することはないため、数10式で算出される各計測毎のブーム4のリンク長LBM1,LBM2の変化量が、所定の閾値(例えば、外部計測装置50の計測精度)を上回っていると、外部計測装置50の計測条件が不適切であると判定できる。
【0091】
【数10】
【0092】
外部計測結果分析部25gで計測条件が不適切であると判定された場合は、外部計測結果記録部25cに記録されている座標が変換パラメータの算出に不適切であるため、再校正通知部25fは再校正を通知し、校正値演算部25dは変換パラメータを算出しない。
【0093】
なお、上記の説明では2姿勢での校正作業について説明しているが、2姿勢以上であればさらに多くの姿勢で校正作業を行ってもよい。ただし、姿勢を増やしすぎると作業時間が増えるため、2~4姿勢程度が望ましい。
【0094】
本実施例では複数の姿勢で計測を行うため、変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)は計測回数nに応じて算出される。各計測で得られた変換パラメータから最終的な変換パラメータ(変換パラメータの更新値)を決定する方法は種々考えられる。例えば、いずれか1回の計測で得られた変換パラメータを最終的なパラメータとして選択しても良いし、各計測のばらつきの影響を抑制するため、数11式のように各計測で得られた変換パラメータの平均値を最終的なパラメータとして採用しても良い。
【0095】
【数11】
【0096】
図13は、本実施例におけるキャリブレーション実行部25の処理を示すフローチャートである。図13において、ステップFC301~FC308は、第1の実施例におけるステップFC101~FC108(図6に示す)と同一である。
【0097】
ステップFC308で姿勢変化がある(NO)と判定した場合は、ステップFC309で、作業機1の姿勢変化に伴って不適切な座標が計測されたため再校正が必要であることをオペレータに通知し、ステップFC301に遷移する。ステップFC308で姿勢変化がない(YES)と判定した場合は、ステップFC310に遷移する。
【0098】
ステップFC310で、ステップ301で作成を指示したキャリブレーション実施時の所定の第1姿勢と異なる、キャリブレーション実施時の所定の第2姿勢の作成を指示し、ステップFC311に遷移する。ステップFC311でステップFC302~FC307と同一の処理を実行し、ステップFC312に遷移する。
【0099】
ステップFC312で姿勢変化がないか否かを判定する。姿勢変化がある(NO)と判定した場合は、作業機1の姿勢変化に伴って不適切な座標が計測されたため再校正が必要であることをオペレータに通知し(ステップFC313)、ステップFC311に遷移する。姿勢変化がない(YES)と判定した場合はステップFC314に遷移する。
【0100】
ステップFC314で、外部計測装置50で取得した各位置p0,p1,p2の座標を分析する。この処理は外部計測結果分析部25gにより実行される。
【0101】
ステップFC315で、第1姿勢と第2姿勢で取得した位置p1,p2のY座標に変化があるか否かを判定する。Y座標に変化がある(NO)と判定した場合は、外部計測装置50の座標軸が不適切であるため再校正が必要であることをオペレータに通知し、変換パラメータを算出することなく当該フローを終了する。これにより、不適切な座標軸の下で計測された座標に基づいて変換パラメータが算出されることを防止するとともに、オペレータが速やかに座標軸を修正することが可能となる。
【0102】
ステップFC315でY座標に変化がない(YES)と判定した場合は、ステップFC316に遷移し、各姿勢で算出されたリンク長に変化がないか否かを判定する。リンク長に変化がある(NO)と判定した場合は、外部計測装置50で計測した座標が不適切であるため再校正が必要であることをオペレータに通知し、変換パラメータを算出することなく当該フローを終了する。これにより、不適切な座標に基づいて変換パラメータが算出されることを防止するとともに、オペレータが速やかに座標の再計測を実施することが可能となる。
【0103】
ステップFC316でリンク長に変化がない(YES)と判定した場合は、ステップFC317で変換パラメータを算出し、ステップFC318に遷移する。
【0104】
ステップFC318で、変換パラメータをコントローラ20のメモリに記録し、当該フローを終了する。
【0105】
(まとめ)
本実施例におけるコントローラ20は、作業機1の回動中心位置(ピン位置p0)が移動しない複数の姿勢において外部計測装置50で計測した作業機1の非回動中心位置(ピン位置p1)の座標を取得し、前記複数の姿勢における前記非回動中心位置の水平方向の変化量が第1閾値(許容変化量ΔY)を上回る場合に、外部計測装置50の座標軸が適切でないと判定し、変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)を校正する際に、作業機1が静定していると判定した場合であっても、外部計測装置50の座標軸が適切でないと判定した場合は、前記変換パラメータの更新値を算出しない。
【0106】
以上のように構成された本実施例によれば、外部計測装置50の座標軸が適切な場合に限り変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)が更新されるため、第1の実施例よりも高い精度でマシンガイダンスシステムまたはマシンコントロールシステムを校正することが可能となる。
【0107】
また、本実施例におけるコントローラ20は、作業機1の回動中心位置(ピン位置p0)が移動しない複数の姿勢において外部計測装置50で計測した前記回動中心位置および作業機1の非回動中心位置(ピン位置p1)の座標を取得し、前記複数の姿勢における前記回動中心位置と前記非回動中心位置との距離の変化量が第2閾値(例えば、外部計測装置50の計測精度)を上回る場合に、外部計測装置50で計測した座標が適切でないと判定し、変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)を校正する際に、作業機1が静定していると判定した場合であっても、外部計測装置50で計測した座標が適切でないと判定した場合は、前記変換パラメータの更新値を算出しない。これにより、外部計測装置50で計測した座標が適切な場合に限り変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)が更新されるため、第1の実施例よりも高い精度でマシンガイダンスシステムまたはマシンコントロールシステムを校正することが可能となる。
【0108】
また、本実施例における油圧ショベル(建設機械)100は、コントローラ20から入力された情報を出力可能なモニタ(報知装置)30を備え、コントローラ20は、作業機1の回動中心位置(ピン位置p0)が移動しない複数の姿勢(第1姿勢、第2姿勢)において外部計測装置50で計測した前記回動中心位置および作業機1の非回動中心位置の座標を取得し、前記複数の姿勢における前記非回動中心位置の水平方向(Y軸方向)の変化量が第1閾値(許容変化量ΔY)を上回る場合に、外部計測装置50の座標軸が適切でないと判定し、前記複数の姿勢における前記回動中心位置と前記非回動中心位置との距離の変化量が第2閾値(例えば、外部計測装置50の計測精度)を上回る場合に、外部計測装置50で計測した座標が適切でないと判定し、変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)を校正する際に、作業機1が静定していると判定した場合であっても、外部計測装置50で計測した座標軸が適切でないと判定した場合、または、外部計測装置50で計測した座標が適切でないと判定した場合は、前記変換パラメータの更新値を算出せず、作業機1が静定していないと判定した場合、外部計測装置50で計測した座標軸が適切でないと判定した場合、または、外部計測装置50で計測した座標が適切でないと判定した場合は、再校正を促す情報をモニタ(報知装置)30に出力する。これにより、外部計測装置50の座標軸が適切でない場合、または、外部計測装置50で計測した座標が適切でない場合に、オペレータが速やかにキャリブレーションをやり直すことが可能となる。
【実施例0109】
本発明の第4の実施例について、第3の実施例との相違点を中心に説明する。第3の実施例によれば、高精度なキャリブレーションを実現できる一方で、作業機1の姿勢変化がある場合や外部計測装置50の座標軸または計測座標が不適切な場合に多くの手戻り作業が発生するという課題がある。本実施例はこの課題を解決するものである。
【0110】
図14は、本実施例におけるコントローラの機能ブロック図である。図14において、第3の実施例(図11に示す)との相違点は、姿勢情報変化検出部25bの演算結果に応じて校正作業のタイミングを通知する機能を再校正通知部25fに追加した点である。
【0111】
本実施例における姿勢検出結果記録部25aは常にバッファ領域に最新の一定時間(例えば3分間)のIMUデータを保持しており、姿勢情報変化検出部25bはこのバッファ領域のIMUデータを分析し、姿勢変化がない場合に再校正通知部25fを介して、オペレータに外部計測装置50による座標計測の実施を促す。第1~第3の実施例は、取得したデータを後から分析して姿勢変化があった場合にデータのとり直しを行う形態であるが、本実施例は姿勢変化がないことを確認してから外部計測装置50のデータを取得するため、データのとり直しが少なくなることが期待できる。また、本実施例は、第3の実施例から実施手順を変更することで作業効率の向上を図っている。
【0112】
図15は、本実施例におけるキャリブレーション実行部25の処理を示すフローチャートである。
【0113】
まず、ステップFC401で、特定の姿勢を指定せずに作業機1を回動させるようオペレータに指示し、オペレータがフロント作業機1を回動させている間、外部計測装置50から作業機1の各ピン位置の座標を取得する。座標の取得が完了した後にステップFC402に遷移する。
【0114】
ステップFC402で、外部計測装置50から取得した座標を分析し、ステップFC403に遷移する。
【0115】
ステップFC403で、各ピン位置のY座標に変化があるか否かを判定する。Y座標に変化がある(NO)と判定した場合は、ステップFC404でフロント作業機1の座標軸を修正するようオペレータに指示し、ステップFC401に遷移する。オペレータは上部旋回体2をさせることにより、フロント作業機1の座標軸を外部計測装置50の座標軸に合わせる。Y座標に変化がない(YES)と判定した場合はステップFC405に遷移する。このように座標軸の修正を最初に行うことにより、やり直し工数を減らすことができる。以上の処理は、外部計測結果記録部25cおよび外部計測結果分析部25gによって実行される。
【0116】
ステップFC405で、キャリブレーション実施時の所定の第1姿勢を作成するようオペレータに指示する。オペレータは指示に従って第1姿勢を作成する。第1姿勢の作成が完了した後にステップFC406に遷移する。
【0117】
ステップFC406でIMUデータを監視し、ステップFC407でIMUデータに変化がない(姿勢変化がない)か否かを判定する。姿勢変化がある(NO)と判定された場合はステップFC406に遷移し、姿勢変化がない(YES)と判定された場合はステップFC408に遷移する。
【0118】
ステップFC408で、外部計測装置50で計測した座標を取得し、ステップFC409に遷移する。
【0119】
ステップFC409で、キャリブレーション実施時の所定の第2姿勢を作成するようオペレータに指示する。オペレータは指示に従って第2姿勢を作成する。第2姿勢の作成が完了した後にステップFC410に遷移する。
【0120】
ステップFC410でIMUデータを監視し、ステップFC411でIMUデータに変化がない(姿勢変化がない)か否かを判定する。姿勢変化がある(NO)と判定した場合はステップFC410に遷移し、姿勢変化がない(YES)と判定した場合はステップFC412に遷移する。
【0121】
ステップFC412で、外部計測装置50で計測した座標を取得し、ステップFC413に遷移する。
【0122】
ステップFC413で、外部計測装置50で計測した座標を分析し、ステップFC414で作業機1の寸法(リンク長)に変化がないか否かを判定する。
【0123】
ステップFC413で寸法に変化がない(YES)と判定した場合はステップFC415で変換パラメータを算出し、ステップFC416で変換パラメータを記録した後、当該フローを終了する。
【0124】
ステップFC413で寸法に変化がある(NO)と判定した場合は、ステップFC417で、作業機1の寸法変化に伴って不適切な座標が計測されたため再校正が必要であることをオペレータに通知し、当該フローを終了する。
【0125】
(まとめ)
本実施形態における油圧ショベル(建設機械)100は、コントローラ20から入力された情報を出力可能なモニタ(報知装置)30を備え、コントローラ20は、変換パラメータ(取付角度Δθ、リンク長L)を校正する際に、作業機1が静定していると判定した場合に、外部計測装置50による計測を促す情報をモニタ(報知装置)30に出力する。
【0126】
以上のように構成された本実施例によれば、第3の実施例と同様に、高精度なキャリブレーションを実現することが可能となる。また、作業機1が静定していることを確認した後に外部計測装置50で座標を計測することにより、作業機1の姿勢変化に伴う手戻り作業(座標の再計測)が回避されるため、キャリブレーションの作業効率を向上させることが可能となる。
【0127】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
【符号の説明】
【0128】
1…フロント作業機、2…上部旋回体、2a…旋回モータ(油圧アクチュエータ)、3…下部走行体、3a…走行モータ(油圧アクチュエータ)、4…ブーム、4a…ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)、4b…ブームフートピン、5…アーム、5a…アームシリンダ(油圧アクチュエータ)、5b…アームピン(ブーム先端ピン)、6…バケット、6a…バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)、6b…バケットピン、7…油圧ポンプ装置、8…コントロールバルブ、9…運転室、9a,9b…操作レバー、13~16…IMUセンサ(慣性計測装置、姿勢検出装置)、17…位置情報検出装置、17a…GNSSアンテナ、17b…GNSSアンテナ、17c…GNSS受信機、18…リンク部材(バケットリンク)、20…コントローラ、21…姿勢検出結果記録部、21…ポジショニング演算部、22…モニタ表示制御部、23…油圧システム制御部、24…施工目標面演算部、25…キャリブレーション実行部、25a…姿勢検出結果記録部、25b…姿勢情報変化検出部、25c…外部計測結果記録部、25d…校正値演算部、25e…校正結果記録部、25f…再校正通知部、25g…外部計測結果分析部、30…モニタ(報知装置)、40…記憶装置、50…外部計測装置、100…油圧ショベル(建設機械)、p0…ブームフートピン位置(第2所定位置、回動中心位置)、p1…ブーム先端ピン位置(第2所定位置、非回動中心位置)、p2…バケットピン位置(第2所定位置、非回動中心位置)。
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