(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154829
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】梱包材及びコイル部品梱包構造
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20231013BHJP
B65D 77/26 20060101ALI20231013BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
B65D81/05 500A
B65D77/26 A
B65D5/50 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064424
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(71)【出願人】
【識別番号】593012239
【氏名又は名称】カネパッケージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】上野 知之
(72)【発明者】
【氏名】宮野 友幸
【テーマコード(参考)】
3E060
3E066
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060CC12
3E060CC18
3E060CC19
3E060EA17
3E066AA75
3E066BA06
3E066CA04
3E066FA06
3E066FA13
3E066HA01
3E066JA01
3E066KA02
3E066MA09
3E066NA60
3E067AA11
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA05A
3E067BB02A
3E067BC06A
3E067EC32
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】輸送時の衝撃を抑えてコイル部品を梱包することができる梱包材、及び、そのような梱包材でコイル部品を梱包したコイル部品梱包構造を提供する。
【解決手段】梱包材12が、底面11aが支持されるようにコイル部品11が載置される底板121と、コイル部品11における天面11bを覆う天板122と、底板121及び天板122の相互間の中間位置で延在する中間板123と、底板121及び天板122の側縁どうしを繋ぐ第1側板124と、底板121及び中間板123の側縁どうしを繋ぐ第2側板125と、を備え、中間板125には、底板121に載置されたコイル部品11の底板121に沿った断面の形状に沿った孔であって、コイル部品11によって貫通される部品孔123aが形成されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面、天面、及び側面を有するコイル部品を梱包する梱包材であって、
前記底面及び前記天面のうちの一方が支持されるように前記コイル部品が載置される底板と、
前記底板に沿って延在し、前記コイル部品における前記底面及び前記天面のうちの他方を覆う天板と、
前記底板及び前記天板の双方に沿うとともに前記底板及び前記天板の相互間の中間位置で延在する中間板と、
前記底板及び前記天板の側縁どうしを繋ぐ第1側板と、
前記底板及び前記中間板の側縁どうしを繋ぐ第2側板と、
を備え、
前記中間板には、前記底板に載置された前記コイル部品の、前記底板に沿った断面の形状に整合した孔であって、前記コイル部品によって貫通される部品孔が形成されていることを特徴とする梱包材。
【請求項2】
前記部品孔の内周縁から前記中間板に連続して舌片状に延出するとともに前記内周縁を折り目として前記底板に向かって折り起こされ、その折り起こしに対する復元力で、前記部品孔を貫通する前記コイル部品の前記側面を押圧して支持する支持舌片を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項3】
前記天板の側縁には当該天板の外面と交差する方向に突出する複数の突片が立設されており、
前記コイル部品を梱包した梱包構造の状態で外箱に収められるとともに、前記複数の突片が、各先端で前記外箱の内面に当接することで当該外箱の内部における前記梱包構造のがたつきを抑制することを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項4】
前記複数の突片は、何れも、前記天板における側縁寄りの一部が舌片状に切り起こされて形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の梱包材。
【請求項5】
前記底板が、少なくとも2枚の板が互いに重ね合わされた多重板となっていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項6】
前記第2側板が、前記コイル部品を相互間に挟んで対向配置されるように一対設けられており、
前記第1側板も、前記コイル部品を相互間に挟んで対向配置されるように一対設けられており、
一対の前記第1側板のうちの一方が、一対の前記第2側板のうちの一方の側板と前記底板側で部分的に重なりつつ前記底板及び前記天板の側縁どうしを繋ぐ重畳側板となっており、
一対の前記第1側板のうちの他方が、前記重畳側板における前記天板側の部分に対して対向配置されて前記中間板の側縁と前記天板の側縁を繋ぐことで、一方の前記第2側板と協働して前記底板及び前記天板の側縁どうしを繋ぐ部分側板となっていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項7】
前記部分側板が、前記天板の側縁及び前記中間板の側縁のうちの一方から折り起こされた板部分であり、その先端縁から突出する連結片が設けられ、
前記天板の側縁及び前記中間板の側縁のうちの他方には、前記連結片が挿入係止する係止スリットが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の梱包材。
【請求項8】
前記天板の一部が前記中間板に向かって舌片状に切り起こされるとともに前記天板の裏面に向かって折り畳まれて形成され、その折畳みに対する復元力で前記コイル部品を前記底板側へと押圧する付勢舌片を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項9】
前記コイル部品における前記底面及び前記天面のうち前記天板で覆われる面からはリード線が延出し、当該リード線は、前記天板の前記裏面に沿うように曲げられて前記天板の側縁へと至り、当該側縁を経て前記裏面とは反対側の外面まで配策され、当該外面上に巻かれた状態で載置されることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項10】
前記コイル部品における前記底面及び前記天面のうち前記天板で覆われる面からはリード線が延出し、当該リード線は、前記天板の前記裏面に沿うように曲げられて配策され、
前記天板には、前記天板で覆われる面から延出して曲げられた前記リード線の根元を含む曲げ部分を内側に収める収容孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項11】
前記天板の一部が前記中間板に向かって舌片状に切り起こされるとともに前記天板の裏面に向かって折り畳まれて形成され、その折畳みに対する復元力で前記コイル部品を前記底板側へと押圧する付勢舌片を更に備え、
前記収容孔は、前記天板において前記付勢舌片が切り起こされた跡の孔であることを特徴とする請求項10に記載の梱包材。
【請求項12】
前記コイル部品の前記側面には接続端子が設けられており、
前記中間板には、前記コイル部品が前記部品孔を貫通して前記底板に載置される際に前記接続端子を通過させる端子孔が前記部品孔に連続して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項13】
前記コイル部品は、前記底面及び前記天面の少なくとも一方に、前記コイル部品に対する連結部品が取り付けられる取付け孔が開口して設けられ、
前記部品孔は、前記底面及び前記天面のうちの一方が前記底板に支持されて前記取付け孔が前記底板又は前記天板で覆われる正規姿勢と、前記側面が前記底板に支持されて前記取付け孔が露出する誤り姿勢と、の何れでも前記コイル部品が貫通可能な形状に形成され、
前記コイル部品は、前記正規姿勢のときの前記底板からの高さ寸法である正規高さ寸法が、前記誤り姿勢のときの前記底板からの高さ寸法である誤り高さ寸法よりも小さくなっており、
前記第1側板が、前記底板からの高さ寸法である側板高さ寸法が、前記正規高さ寸法以上、且つ、前記誤り高さ寸法未満となっていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項14】
前記部品孔は、当該部品孔を貫通した前記コイル部品の隣の空間が、他部品の配置のための部品スペースとして利用可能となるように前記中間板の側縁寄りに偏った偏心位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項15】
前記部品スペースが、前記コイル部品における、前記中間板から前記天板側に突出した部分の隣の空間であり、
前記天板が、前記部品スペースを避けるように、前記中間板よりも小さい面積の板形状に形成されていることを特徴とする請求項14に記載の梱包材。
【請求項16】
前記底板、前記天板、前記中間板、前記第1側板、及び前記第2側板は、帯板状の展開体における長さ方向の一部をなすように配列され、前記展開体を幅方向に横切る複数の折り目で前記展開体を折り曲げる折曲げ加工によって形成された部位であることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
【請求項17】
底面、天面、及び側面を有するコイル部品と、
前記コイル部品を梱包する請求項1に記載の梱包材と、
を備えたことを特徴とするコイル部品梱包構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品を梱包する梱包材、及び、コイル部品を梱包材で梱包したコイル部品梱包構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばプランジャの上下動により弁体を動かす電磁弁の構成部品として、プランジャ駆動用のコイル部品が用いられている(例えば特許文献1~3参照)。このようなコイル部品は、コイル単品の状態で梱包されて輸送される場合がある。一般に、物品の輸送には、段ボール箱等の梱包材が広く用いられている(例えば特許文献4参照)。特許文献4には、井桁状に組まれた中仕切り体が外箱の中に嵌め込まれた梱包材が示されている。この梱包材は、中仕切り体で区画された複数の収容ポケットの中に輸送対象の物品が収められるように構成されている。上記のコイル部品の輸送にも、多くの場合、このような梱包材が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-151218号公報
【特許文献2】特開2011-117534号公報
【特許文献3】特開2005-113991号公報
【特許文献4】特開2009-073531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、梱包材でコイル部品を梱包して輸送する場合、梱包材の内面と、梱包されたコイル部品との間に隙間が生じることがある。このような隙間は、中仕切り体で区画された収容ポケットといった小空間にコイル部品を収める場合であっても、収容ポケットのサイズによっては生じることがある。そして、このような隙間があると、輸送時の振動によってコイル部品が動き、周囲の壁面と衝突することでコイル部品に衝撃が加わることがある。この衝撃が大きくなり過ぎると、コイル部品における構成部品の緩みや脱落、あるいは位置ずれ等が発生する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、輸送時の衝撃を抑えてコイル部品を梱包することができる梱包材、及び、そのような梱包材でコイル部品を梱包したコイル部品梱包構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の梱包材は、底面、天面、及び側面を有するコイル部品を梱包する梱包材であって、前記底面及び前記天面のうちの一方が支持されるように前記コイル部品が載置される底板と、前記底板に沿って延在し、前記コイル部品における前記底面及び前記天面のうちの他方を覆う天板と、前記底板及び前記天板の双方に沿うとともに前記底板及び前記天板の相互間の中間位置で延在する中間板と、前記底板及び前記天板の側縁どうしを繋ぐ第1側板と、前記底板及び前記中間板の側縁どうしを繋ぐ第2側板と、を備え、前記中間板には、前記底板に載置された前記コイル部品の、前記底板に沿った断面の形状に整合した孔であって、前記コイル部品によって貫通される部品孔が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この梱包材によれば、中間板に形成された部品孔をコイル部品が貫通した状態で当該コイル部品が梱包される。そして、中間板の部品孔がコイル部品の断面形状に整合するように形成されていることで、コイル部品の周囲の隙間が抑えられる。従って、輸送時の振動によってコイル部品に加わる衝撃が抑えられることとなる。このように、上記の梱包材によれば、輸送時の衝撃を抑えてコイル部品を梱包することができる。
【0008】
ここで、前記部品孔の内周縁から前記中間板に連続して舌片状に延出するとともに前記内周縁を折り目として前記底板に向かって折り起こされ、その折り起こしに対する復元力で、前記部品孔を貫通する前記コイル部品の前記側面を押圧して支持する支持舌片を更に備えたことが好適である。
【0009】
この構成によれば、部品孔の内周縁から折り起こされた支持舌片によってコイル部品が押圧されて支持されるので、輸送時にコイル部品に加わる衝撃を一層抑えることができる。
【0010】
また、前記天板の側縁には当該天板の外面と交差する方向に突出する複数の突片が立設されており、前記コイル部品を梱包した梱包構造の状態で外箱に収められるとともに、前記複数の突片が、各先端で前記外箱の内面に当接することで当該外箱の内部における前記梱包構造のがたつきを抑制することが好適である。
【0011】
この構成では、コイル部品を梱包した梱包構造の状態で外箱に収められることになるが、天板の側縁に立設された複数の突片によって外箱の内部における梱包構造のがたつきが抑制されることとなる。つまり、当該構成によれば、上記の梱包構造を外箱に収めて輸送する場合であっても、内部の梱包構造におけるコイル部品に加わる衝撃を良好に抑えることができる。
【0012】
また、前記複数の突片は、何れも、前記天板における側縁寄りの一部が舌片状に切り起こされて形成されたものであることが好適である。
【0013】
この構成によれば、複数の突片を別途に形成して天板に取り付ける場合等と比較して、部品数を削減するとともに加工の手間も抑えて複数の突片を天板に設けることができる。
【0014】
また、前記底板が、少なくとも2枚の板が互いに重ね合わされた多重板となっていることが好適である。
【0015】
この構成によれば、コイル部品が載置される底板が多重板となっているので、コイル部品の支持強度を向上させることができる。
【0016】
また、前記第2側板が、前記コイル部品を相互間に挟んで対向配置されるように一対設けられており、前記第1側板も、前記コイル部品を相互間に挟んで対向配置されるように一対設けられており、一対の前記第1側板のうちの一方が、一対の前記第2側板のうちの一方の側板と前記底板側で部分的に重なりつつ前記底板及び前記天板の側縁どうしを繋ぐ重畳側板となっており、一対の前記第1側板のうちの他方が、前記重畳側板における前記天板側の部分に対して対向配置されて前記中間板の側縁と前記天板の側縁を繋ぐことで、一方の前記第2側板と協働して前記底板及び前記天板の側縁どうしを繋ぐ部分側板となっていることが好適である。
【0017】
この構成によれば、第2側板及び第1側板が、一対ずつ設けられているので、梱包材の形状を維持する構造強度を向上させることができる。また、一方の第1側板が、一方の第2側板と部分的に重なる重畳側板となっているので、この側板についての構造強度を向上させることができる。更に、他方の第1側板が、中間板の側縁と天板の側縁を繋ぐことで、第2側板と協働して底板及び天板の側縁どうしを繋ぐ部分側板となっている。この部分側板については、上記の重畳側板よりも大きさを小さくでき、その分、梱包材の材料について、その使用量を低減することができる。
【0018】
また、前記部分側板が、前記天板の側縁及び前記中間板の側縁のうちの一方から折り起こされた板部分であり、その先端縁から突出する連結片が設けられ、前記天板の側縁及び前記中間板の側縁のうちの他方には、前記連結片が挿入係止する係止スリットが設けられていることが好適である。
【0019】
この構成によれば、部分側板による天板の側縁と中間板における側縁との繋ぎについて、部分側板の連結片を係止スリットに挿入係止させるという簡便な作業で行うことができる。つまり、上記の構成によれば、部分側板による天板の側縁と中間板における側縁との繋ぎについて、例えば接着剤等で天板、部分側板、及び中間板を連結する場合と比較して作業工数を抑えた作業で行うことができる。
【0020】
また、前記天板の一部が前記中間板に向かって舌片状に切り起こされるとともに前記天板の裏面に向かって折り畳まれて形成され、その折畳みに対する復元力で前記コイル部品を前記底板側へと押圧する付勢舌片を更に備えたことが好適である。
【0021】
この構成によれば、梱包材によって梱包されたコイル部品が付勢舌片によって底板側へと押圧された状態となるので、輸送時にコイル部品に加わる衝撃を一層抑えることができる。
【0022】
また、前記コイル部品における前記底面及び前記天面のうち前記天板で覆われる面からはリード線が延出し、当該リード線は、前記天板の前記裏面に沿うように曲げられて前記天板の側縁へと至り、当該側縁を経て前記裏面とは反対側の外面まで配策され、当該外面上に巻かれた状態で載置されることが好適である。
【0023】
この構成によれば、リード線が天板の外面上で巻かれているので、例えばコイル部品の側面にリード線を巻き付ける場合等と比較して、リード線付きのコイル部品を梱包材に収め易い。
【0024】
また、前記コイル部品における前記底面及び前記天面のうち前記天板で覆われる面からはリード線が延出し、当該リード線は、前記天板の前記裏面に沿うように曲げられて配策され、前記天板には、前記天板で覆われる面から延出して曲げられた前記リード線の根元を含む曲げ部分を内側に収める収容孔が設けられていることが好適である。
【0025】
この構成によれば、天板で覆われる面から延出して曲げられたリード線の根元を含む曲げ部分が、天板に設けられた収容孔に収容される。上記のリード線における曲げ部分は、例えば天板によって押さえ付けられ、リード線の根元の部分に負荷がかかり過ぎるようなことがあると断線する恐れがある部分となっている。上記の構成によれば、収容孔への収容により、天板による押さえ付けからリード線の曲げ部分を良好に逃がすことができる。
【0026】
また、前記天板の一部が前記中間板に向かって舌片状に切り起こされるとともに前記天板の裏面に向かって折り畳まれて形成され、その折畳みに対する復元力で前記コイル部品を前記底板側へと押圧する付勢舌片を更に備え、前記収容孔は、前記天板において前記付勢舌片が切り起こされた跡の孔であることが好適である。
【0027】
この構成によれば、リード線の曲げ部分を収容する収容孔として、付勢舌片が切り起こされた跡の孔が利用されるので、別途に曲げ部分の収容構造を設ける場合と比較して、梱包材を製造する際の作業工数を抑えることができる。
【0028】
また、前記コイル部品の前記側面には接続端子が設けられており、前記中間板には、前記コイル部品が前記部品孔を貫通して前記底板に載置される際に前記接続端子を通過させる端子孔が前記部品孔に連続して設けられていることが好適である。
【0029】
この構成によれば、中間板と接続端子との干渉を良好に回避しながらコイル部品の梱包を行うことができる。
【0030】
また、前記コイル部品は、前記底面及び前記天面の少なくとも一方に、前記コイル部品に対する連結部品が取り付けられる取付け孔が開口して設けられ、前記部品孔は、前記底面及び前記天面のうちの一方が前記底板に支持されて前記取付け孔が前記底板又は前記天板で覆われる正規姿勢と、前記側面が前記底板に支持されて前記取付け孔が露出する誤り姿勢と、の何れでも前記コイル部品が貫通可能な形状に形成され、前記コイル部品は、前記正規姿勢のときの前記底板からの高さ寸法である正規高さ寸法が、前記誤り姿勢のときの前記底板からの高さ寸法である誤り高さ寸法よりも小さくなっており、前記第1側板が、前記底板からの高さ寸法である側板高さ寸法が、前記正規高さ寸法以上、且つ、前記誤り高さ寸法未満となっていることが好適である。
【0031】
この構成によれば、コイル部品を誤り姿勢のまま梱包しようとすると、天板がコイル部品と干渉することから、コイル部品が誤り姿勢となっていることを作業者に良好に気付かせることができ、誤り姿勢でのコイル部品の梱包を抑えることができる。コイル部品が誤り姿勢のまま梱包されると、露出状態となった取付け孔への異物の侵入等が生じる恐れがあるが、上記の構成によれば、誤り姿勢でのコイル部品の梱包が抑えられるので、取付け孔への異物の侵入等を抑えることができる。
【0032】
また、前記部品孔は、当該部品孔を貫通した前記コイル部品の隣の空間が、他部品の配置のための部品スペースとして利用可能となるように前記中間板の側縁寄りに偏った偏心位置に設けられていることが好適である。
【0033】
この構成によれば、コイル部品の隣に設けられる部品スペースに、例えば付属部品等を収容し、コイル部品と一緒に梱包することができる。
【0034】
また、前記部品スペースが、前記コイル部品における、前記中間板から前記天板側に突出した部分の隣の空間であり、前記天板が、前記部品スペースを避けるように、前記中間板よりも小さい面積の板形状に形成されていることが好適である。
【0035】
この構成によれば、天板が避けている分、部品スペースを広くとることができる。
【0036】
また、前記底板、前記天板、前記中間板、前記第1側板、及び前記第2側板は、帯板状の展開体における長さ方向の一部をなすように配列され、前記展開体を幅方向に横切る複数の折り目で前記展開体を折り曲げる折曲げ加工によって形成された部位であることが好適である。
【0037】
この構成によれば、展開体の折曲げ加工によって梱包材を構成することができるので、個別部品を組み合わせて梱包材を構成する場合等と比較して、梱包作業の作業工数を抑えることができる。
【0038】
また、本発明のコイル部品梱包構造は、底面、天面、及び側面を有するコイル部品と、前記コイル部品を梱包する上述した本発明の梱包材と、を備えたことを特徴とする。
【0039】
このコイル部品梱包構造によれば、上述した梱包材が用いられているので、輸送時の衝撃を抑えてコイル部品を梱包することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の梱包材及びコイル部品梱包構造によれば、輸送時の衝撃を抑えてコイル部品を梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】第1実施形態の梱包材及びコイル部品梱包構造を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示されているコイル部品梱包構造を、
図1中の矢印V11方向から見た側面図である。
【
図3】
図1に示されている梱包材を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示されている梱包材を、天板が開かれた状態で示す図である。
【
図5】
図1~
図4に示されている梱包材を構成するための展開体を示す平面図である。
【
図6】第2実施形態の梱包材及びコイル部品梱包構造を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示されている梱包材を外箱とともに示す斜視図である。
【
図8】
図6に示されているコイル部品梱包構造を、天板が閉じられた状態で、
図6中の矢印V21方向から見た側面図である。
【
図9】
図7示されている梱包材を、天板が開かれた状態で示す図である。
【
図10】
図6~
図9に示されている梱包材を構成するための展開体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の第1実施形態に係る梱包材及びコイル部品梱包構造を
図1~
図5に基づいて説明する。
【0043】
図1は、第1実施形態の梱包材及びコイル部品梱包構造を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示されているコイル部品梱包構造を、
図1中の矢印V11方向から見た側面図である。また、
図3は、
図1に示されている梱包材を示す斜視図であり、
図4は、
図3に示されている梱包材を、天板が開かれた状態で示す図である。そして、
図5は、
図1~
図4に示されている梱包材を構成するための展開体を示す平面図である。
【0044】
図1及び
図2に示されているように、コイル梱包構造1は、コイル部品11と梱包材12とを備えた構造物であり、段ボール製の外箱1aに収容されて輸送に供される。
【0045】
コイル部品11は、プランジャの上下動により弁体を動かす電磁弁における、プランジャ駆動用の構成部品である。このコイル部品11は、不図示のコイルを収めた磁性を有する金属製の有底筒部111と、この有底筒部111の開口に嵌め込まれた磁性を有する金属製の嵌込み板112と、を備えている。嵌込み板112の中央には、上記のプランジャが収容されたプランジャチューブが取り付けられる取付け孔112aが設けられている。また、嵌込み板112の縁寄りは、切り欠かれており、その切り欠かれた部分から、内部のコイルに接続された2本のリード線113が延出している。概略、このような構成を有するコイル部品11は、底面11aと天面11bと側面11cからなる外面構造を有している。底面11aは、有底筒部111の外底面で構成され、天面11bは、嵌込み板112の外面とコイルにおけるリード線113の延出部分とで構成され、側面11cは、有底筒部111の周面で構成される。
【0046】
このコイル部品11を梱包する梱包材12は、段ボール製の部材であり、
図5に示されている帯板状の展開体13が、詳細については後述するように折り曲げられて形成される。
【0047】
梱包材12は、底板121と、天板122と、中間板123と、第1側板124と、第2側板125と、支持舌片126と、付勢舌片127と、を備えている。
【0048】
底板121は、底面11a及び天面11bのうちの一方、望ましくはリード線113の延出側とは反対側の底面11aが支持されるようにコイル部品11が載置される部位である。この底板121は、内側底板121a及び外側底板121bの2枚の矩形板が互いに重ね合わされた多重板となっている。
【0049】
天板122は、底板121に沿って延在し、コイル部品11における底面11a及び天面11bのうちの底板121への載置側とは反対側の他方、望ましくはリード線113の延出側である天面11bを覆う、底板121と略同形状の矩形板である。また、本実施形態では、天板122において第1側板124との境界をなす対向一対の側縁122aに、各側縁122aにつき2つずつ、合計で4つ、天板122の外面と交差する方向に突出する突片122bが立設されている。これら4つの突片122bは、コイル梱包構造1が外箱1aに収められた際、各先端で外箱1aの内面に当接することで当該外箱1aの内部におけるコイル梱包構造1のがたつきを抑制する。また、4つの突片122bは、何れも、天板122における側縁122a寄りの一部が舌片状に切り起こされて形成されたものとなっている。更に、4つの突片122bの当接によって天板122と外箱1aの内面との間に区画された空間は、
図2に示されているように、コイル部品11のリード線113と、付属品としての取扱説明書11dと、の収容空間として利用される。
【0050】
以下、コイル部品11は、底面11aが底板121で支持され、天面11bが天板122で覆われるように梱包されるものとして説明を続ける。ただし、コイル部品11は、これとは逆向きに、天面11bが底板121で支持され、底面11aが天板122で覆われるように梱包されることとしてもよい。
【0051】
中間板123は、底板121及び天板122の双方に沿うとともに底板121及び天板122の相互間の中間位置で延在する、底板121及び天板122と略同形状の矩形板である。この中間板123の中央にはコイル部品11によって貫通される部品孔123aが形成されている。この部品孔123aは、底板121に載置されたコイル部品11の、底板121に沿った断面の形状に整合した孔である。
【0052】
第1側板124は、底板121及び天板122の側縁どうしを繋ぐ側板部位であり、コイル部品11を相互間に挟んで対向配置されるように一対設けられている。一対の第1側板124のうちの一方が重畳側板124aとなり、他方が部分側板124bとなっている。重畳側板124aは、後述する一対の第2側板125のうちの一方の側板と底板121側で部分的に重なりつつ、多重板の底板121における外側底板121b及び天板122の側縁121b-1,122aどうしを繋ぐ矩形状の側板である。部分側板124bは、重畳側板124aにおける天板122側の部分に対して対向配置されて中間板123の側縁123bと天板122の側縁122aを繋ぐ矩形状の側板である。そして、部分側板124bは、他方の第2側板125と協働して底板122における外側底板121b及び天板122の側縁121b-1,122aどうしを繋ぐ。
【0053】
ここで、本実施形態では、部分側板124bが、天板122の側縁122aから折り起こされた板部分となっている。そして、部分側板124bの先端縁124b-1には、中間板123に向かって突出した連結片124b-2が設けられている。他方、中間板123における側縁123b寄りには、部分側板124bの連結片124b-2が挿入係止する係止スリット123cが設けられている。
【0054】
第2側板125は、底板121及び中間板123の側縁どうしを繋ぐ側板部位であり、コイル部品11を相互間に挟んで対向配置されるように一対設けられた矩形状の側板である。一方の第2側板125は、底板121における外側底板121bの側縁121b-1と中間板123の側縁123bとを繋ぐ。他方の第2側板125は、底板121における内側底板121aの側縁121a-1と中間板123の側縁123bとを繋ぐ。
【0055】
支持舌片126は、中間板123の部品孔123aの内周縁から中間板123に連続して舌片状に延出する部位であり、本実施形態では、部品孔123aの内周縁の全周に亘って、6枚の支持舌片126が配列されている。各支持舌片126は、部品孔123aの内周縁を折り目として底板121に向かって折り起こされている。そして、その折り起こしに対する復元力で、各支持舌片126は、部品孔123aを貫通するコイル部品11の側面11cを押圧して支持する。
【0056】
付勢舌片127は、天板122の一部が中間板123に向かって舌片状に切り起こされるとともに天板122の裏面に向かって
図3に矢印D11方向に折り曲げられ、
図4に示されている折り畳まれた形状に形成された部位である。この付勢舌片127は、この折畳みに対する復元力で、部品孔123aを貫通するコイル部品11を底板121側へと押圧する。ここでは、コイル部品11について、底面11aが底板121で支持され、天面11bが天板122で覆われるように梱包されるものとしているので、付勢舌片127は、コイル部品11の天面11bを押圧することとなる。コイル部品11が上下逆向きに梱包される場合には、このコイル部品11の底面11bが付勢舌片127に押圧される。
【0057】
ここで、本実施形態では、コイル部品11の天面11aから延出したリード線113は、延出直後にU字状に曲げられ、天板122の裏面に沿うように配策されている。その後、リード線113は、天板122において第1側板124に繋がる側縁122aとは別の側縁122cへと至り、当該側縁122cを経て裏面とは反対側の外面まで配策されて当該外面上に巻かれた状態で載置される。リード線113が通る天板122の側縁122cの中央には、リード線113を受ける凹部122c-1が形成されている。リード線113は、この凹部122c-1の中を通って外面へと配策される。
【0058】
このとき、本実施形態では、天板122において上記の付勢舌片127が切り起こされた跡の孔が、コイル部品11の天面11aから延出して曲げられたリード線113の根元を含む曲げ部分113aを内側に収める収容孔122dとなっている。
【0059】
以上の構造を有する梱包材12は、上述したように、
図5に示されている帯板状の展開体13が折り曲げられて形成される。この展開体13は、内側底板121a、一対の第2側板125のうちの一方、中間板123、一対の第2側板125のうちの他方、外側底板121b、重畳側板124a、天板122、及び部分側板124bが連なった帯板である。これら複数の板部分は、帯板状の展開体13における長さ方向D12の一部をなすように上記の記載順で配列されている。そして、板部分どうしの境界線が、展開体13を幅方向D13に横切る複数の折り目131となっており、各板部分は、この展開体13を各折り目131で折り曲げる、
図4及び
図5に矢印で示された矩形渦巻方向D14の折曲げ加工によって形成される。即ち、内側底板121aから第2側板125以降の部分が折り目131で折起こされ、第2側板125から中間板123以降の部分が折り目131で折起こされ、中間板123から第2側板125以降の部分が折り目131で折起こされる。第2側板125以降の部分の折起こしにより、中間板123における側縁123b寄りに係止スリット123cが形成される。
【0060】
次に、内側底板121aの外面側に外側底板121bが重なるように、第2側板125から外側底板121b以降の部分が折り目131で折起こされ、更に、外側底板121bから重畳側板124aが折り目131で折起こされる。次に、重畳側板124aから天板122以降の部分が折り目131で折起こされるが、このときに2つの突片122bが切り起こされる。続いて、天板122から部分側板124bが折り目131で折起こされるが、このときに他の2つの突片122bが切り起こされる。また、6枚の支持舌片126が内側底板121a向かって押し込まれて折起こされて部品孔123aが形成され、付勢舌片127が天板122の裏面へと折返されて収容孔122dが形成される。ここまでの折曲げ加工により、
図4に示されている状態の梱包材12が形成される。この後、部品孔123aにコイル部品11が押し込まれ、天板122が閉じられるとともに部分側板124bの連結片124b-2が中間板123の係止スリット123cに差し込まれる。このとき、リード線113が、天板122の収容孔122dに曲げ部分113aが収められるとともに凹部122c-1を経て天板122の外面へと配策され、当該外面上に巻かれた状態で載置される。ここまでの作業により、
図1に示されているコイル部品梱包構造1が完成する。このコイル部品梱包構造1が外箱1aに収められ、
図2に示されているようにリード線113に重ねられ、必要に応じて取扱説明書11d等の付属品が収容されて輸送に供される。
【0061】
以上に説明した第1実施形態の梱包材12及びコイル部品梱包構造1によれば、中間板123に形成された部品孔123aをコイル部品11が貫通した状態で当該コイル部品11が梱包される。そして、中間板123の部品孔123aがコイル部品11の断面形状に整合するように形成されていることで、コイル部品11の周囲の隙間が抑えられる。従って、輸送時の振動によってコイル部品11に加わる衝撃が抑えられることとなる。このように、上記の梱包材12及びコイル部品梱包構造1によれば、輸送時の衝撃を抑えてコイル部品11を梱包することができる。
【0062】
ここで、本実施形態では、部品孔123aの内周縁にコイル部品11の側面11aを押圧して支持する支持舌片126が設けられている。この構成によれば、支持舌片126によってコイル部品11が押圧されて支持されるので、輸送時にコイル部品11に加わる衝撃を一層抑えることができる。
【0063】
また、本実施形態では、天板122の側縁に立設された複数の突片122bが、外箱1aの内面に当接することでその内部におけるコイル部品梱包構造1のがたつきを抑制する。この構成によれば、上記のコイル部品梱包構造1を外箱1aに収めて輸送する場合に、内部のコイル部品梱包構造1におけるコイル部品11に加わる衝撃を良好に抑えることができる。
【0064】
また、本実施形態では、複数の突片122bは、何れも、天板122における側縁122a寄りの一部が舌片状に切り起こされて形成されたものとなっている。この構成によれば、複数の突片122bを別途に形成して天板122に取り付ける場合等と比較して、部品数を削減するとともに加工の手間も抑えて複数の突片122bを天板122に設けることができる。
【0065】
また、本実施形態では、底板121が、2枚の板が互いに重ね合わされた多重板となっている。この構成によれば、コイル部品11が載置される底板121が多重板となっているので、コイル部品11の支持強度を向上させることができる。尚、多重板としての底板を構成する板の枚数は、2枚に限るものではなく、少なくとも2枚であれば3枚以上であってもよい。
【0066】
また、本実施形態では、第1側板124及び第2側板125が一対ずつ設けられている。そして、一方の第1側板124が、一方の第2側板125と部分的に重なる重畳側板124aとなっており、他方の第1側板124が、他方の第2側板125と協働して底板121及び天板122の側縁どうしを繋ぐ部分側板124bとなっている。この構成によれば、第2側板125及び第1側板124が、一対ずつ設けられているので、梱包材12の形状を維持する構造強度を向上させることができる。また、一方の第1側板124が、一方の第2側板125と部分的に重なる重畳側板124aとなっているので、この側板についての構造強度を向上させることができる。更に、他方の第1側板124が、中間板123の側縁123bと天板122の側縁122aを繋ぐ部分側板124bとなっている。この部分側板124bについては、上記の重畳側板124aよりも大きさを小さくでき、その分、梱包材12の材料について、その使用量を低減することができる。
【0067】
また、本実施形態では、部分側板124bは天板122の側縁122aから折り起こされて連結片124b-2が設けられた部位であり、中間板123に係止スリット123cが設けられている。この構成によれば、天板122の側縁から折り起こされた部分側板124bの連結片124b-2を中間板123の係止スリット123cに挿入係止させるという簡便な作業で、天板122の側縁122aと中間板123の側縁123bとを繋ぐことができる。つまり、上記の構成によれば、部分側板124bによる天板122と中間板123との繋ぎについて、例えば接着剤等で天板122、部分側板124b、及び中間板123を連結する場合と比較して作業工数を抑えた作業で行うことができる。尚、連結片を有する部分側板が折起こされる部位は、及び連結片が挿入係止する係止スリットの形成部位は、天板122の側縁122a、及び中間板123に限るものではない。部分側板が折起こされる部位は、天板の側縁及び中間板の側縁のうちの一方であればよく、係止スリットの形成部位は、天板の側縁及び中間板の側縁のうちの他方であればよい。即ち、部分側板が折起こされる部位は、本実施形態とは異なり中間板の側縁であってもよく、この場合、係止スリットの形成部位は天板の側縁となる。
【0068】
また、本実施形態では、コイル部品11を底板121側へと押圧する付勢舌片127が設けられている。この構成によれば、梱包材12によって梱包されたコイル部品11が付勢舌片127によって底板121側へと押圧された状態となるので、輸送時にコイル部品11に加わる衝撃を一層抑えることができる。また、本実施形態では、コイル部品11における嵌込み板112が付勢舌片127によって押圧された状態となるので、輸送時に何等かの衝撃がコイル部品11に加わったとしても、嵌込み板112の緩みや脱落を抑えることができる。
【0069】
また、本実施形態では、コイル部品11における底面11a及び天面11bのうち天板122で覆われる面(天面11b)からはリード線113が延出している。このリード線113は、天板122の天板122の外面まで配策され、当該外面上に巻かれた状態で載置される。この構成によれば、リード線113が天板122の外面上で巻かれているので、例えばコイル部品の側面にリード線を巻き付ける場合等と比較して、リード線113付きのコイル部品11を梱包材12に収め易い。
【0070】
また、本実施形態では、コイル部品11のリード線113は、天板122の裏面に沿うように曲げられて配策される。そして、天板122には、リード線113の根元を含む曲げ部分113aを内側に収める収容孔122dが設けられている。リード線113における曲げ部分113aは、例えば天板122によって押さえ付けられ、リード線の根元の部分に負荷がかかり過ぎるようなことがあると断線する恐れがある部分となっている。上記の構成によれば、収容孔122dへの収容により、天板122による押さえ付けからリード線113の曲げ部分113aを良好に逃がすことができる。
【0071】
また、本実施形態では、収容孔122dが、天板122において付勢舌片127が切り起こされた跡の孔となっている。この構成によれば、別途に曲げ部分113aの収容構造を設ける場合と比較して、梱包材12を製造する際の作業工数を抑えることができる。
【0072】
また、本実施形態では、底板121、天板122、中間板123、第1側板124、及び第2側板125は、帯板状の展開体13の折曲げ加工によって形成される。この構成によれば、個別部品を組み合わせて梱包材12を構成する場合等と比較して、梱包作業の作業工数を抑えることができる。
【0073】
以上で第1実施形態の説明を終了し、次に、第2実施形態に係る梱包材及びコイル部品梱包構造を
図6~
図10に基づいて説明する。
【0074】
図6は、第2実施形態の梱包材及びコイル部品梱包構造を示す斜視図であり、
図7は、
図6に示されている梱包材を外箱とともに示す斜視図である。
図8は、
図6に示されているコイル部品梱包構造を、天板が閉じられた状態で、
図6中の矢印V21方向から見た側面図である。また、
図9は、
図7示されている梱包材を、天板が開かれた状態で示す図である。そして、
図10は、
図6~
図9に示されている梱包材を構成するための展開体を示す平面図である。
【0075】
本実施形態のコイル部品梱包構造2において梱包材22で梱包されるコイル部品21も、第1実施形態と同様、プランジャの上下動により弁体を動かす電磁弁における、プランジャ駆動用の構成部品である。ただし、このコイル部品21は、底面21a、天面21b、及び四面の側面21cを有する矩形ブロック状に形成されており、リード線に替えて、四面のうちの一つの側面21cに3本の接続端子21dが設けられている。また、
図8に示されているように、コイル部品21の底面21aには、コイル部品21に対する連結部品であるプランジャチューブが取り付けられる取付け孔21eが開口して設けられている。プランジャチューブは電磁弁の一部分であり内部にプランジャが収容されている。そして、コイル部品21とプランジャチューブとの連結は、このプランジャチューブに固定された吸引子を介して行われることがある。
【0076】
このコイル部品21を梱包する本実施形態の梱包材22も、第1実施形態と同様、段ボール製の部材であり、
図10に示されている帯板状の展開体23が折り曲げられて形成される。また、この梱包材22も、第1実施形態と同様、底板221と、天板222と、中間板223と、第1側板224と、第2側板225と、を備えている。ただし、第1実施形態における付勢舌片127に相当する構成は備えておらず、6枚の支持舌片126に相当する構成として、一対の支持舌片226を備えている。
【0077】
本実施形態でも、底板221は、コイル部品21が載置される部位であり、内側底板221a及び外側底板221bの2枚の矩形板が互いに重ね合わされた多重板となっている。また、天板222は、コイル部品21の天面21bを覆うように構成され、中間板223は、底板221及び天板222の相互間の中間位置で延在するように構成されている。中間板223には、矩形ブロック状のコイル部品21によって貫通される矩形状の部品孔223aが形成されている。一対の支持舌片226は、矩形状の部品孔223aにおける対向一対の内縁から底板221に向かって折り起こされた長方形扉状の部位となっている。そして、これら一対の支持舌片226は、部品孔223aを貫通するコイル部品21における一対の側面21cを押圧して支持する。
【0078】
また、本実施形態では、コイル部品21が部品孔223aを貫通して底板221に載置される際に、上記の3本の接続端子21dのうち、底板221側に位置する1本の接続端子21dを通過させる端子孔223eが部品孔223aに連続して設けられている。
【0079】
ここで、本実施形態では、部品孔223aは中間板223における次のような偏心位置に設けられている。この偏心位置は、
図6に模式的に示されているように、部品孔223aを貫通したコイル部品21の隣の空間が他部品24の配置のための部品スペースとして利用可能となるように決められた位置である。具体的には、中間板223において、第2側板225に繋がる側縁223bとは別の側縁223d寄りに偏った位置となっている。また、他部品24の部品スペースは、コイル部品21における、中間板223から天板222側に突出した部分の隣の空間となっている。即ち、部品スペースは、底板221と中間板223との間の空間ではなく、天板222側の空間である。また、この部品スペースは、接続端子21dを有する側面21cに繋がる他の側面21cのうち、中間板223から天板222側に突出した部分に隣接する空間となっている。そして、本実施形態では、天板222が、この部品スペースを避けるように、中間板223よりも面積の小さい矩形板形状に形成され、更に、偏心位置の部品孔223aに対向するように中間板223の側縁223d寄りに偏った位置に設けられている。
【0080】
そして、第1実施形態と同様に重畳側板224aと部分側板224bとの一対が設けられた第1側板224のうち、外側底板221bと面積の小さい天板222の側縁どうしを繋ぐ重畳側板224aが、図示のようなL字板形状に形成されている。そして、重畳側板224aにおいて、L字の横棒に相当し、面積の大きい外側底板221bに繋がる底板221側の部分が、一方の第2側板225に重なるように構成されている。
【0081】
また、天板222の側縁222aには突片222bが一対設けられている。更に、この天板222における四辺のうちの一つの側縁222aから折り起こされるように部分側板224bが設けられ、その先端縁224b-1には連結片224b-2が設けられている。このとき、天板222が上記のように偏った位置に設けられているので、連結片224b-2が挿入係止する係止スリット223cも、中間板123の片側に偏った位置に設けられている。
【0082】
ここで、本実施形態では、部品孔223aは、
図8に示されているように、次のような正規姿勢P21と誤り姿勢P22との何れでもコイル部品21が貫通可能な形状に形成されている。正規姿勢P21は、底面21aが底板221に支持されて取付け孔21eが底板221で覆われる姿勢となっている。他方、誤り姿勢P22は、側面21cが底板221に支持されて取付け孔21eが側方を向いて露出する姿勢となっている。本実施形態では、誤り姿勢P22のときのコイル部品21の、底板221に沿った断面が、正規姿勢P21のときのコイル部品21の断面よりも小さくなっている。その結果、正規姿勢P21に合わせて形成された部品孔223aに、誤り姿勢P22のコイル部品21が貫通可能となっている。また、コイル部品21は、正規姿勢P21のときの底板221からの高さ寸法である正規高さ寸法H21が、誤り姿勢P22のときの底板221からの高さ寸法である誤り高さ寸法H22よりも小さくなっている。そして、一対の第1側板224のうち、底板221及び天板222の両方に繋がる重畳側板224aは、底板221からの高さ寸法である側板高さ寸法H23が、正規高さ寸法H21以上、且つ、誤り高さ寸法H22未満となるように形成されている。
【0083】
尚、正規姿勢は、コイル部品11の底面21aが底板221に支持されて取付け孔21eが底板221で覆われる姿勢に限るものではない。正規姿勢は、底面及び天面のうちの一方が底板に支持されて取付け孔が底板又は天板で覆われる姿勢であれば、本実施形態と異なり、コイル部品の天面が底板に支持されて取付け孔が天板で覆われる姿勢であってもよい。また、この場合でも、誤り姿勢は、本実施形態と同様に、コイル部品の側面が底板に支持されて取付け孔が露出する姿勢となる。
【0084】
以上の構造を有する梱包材22も、第1実施形態と同様に、
図10に示されている帯板状の展開体23が折り曲げられて形成される。この展開体23は、内側底板221a、一方の第2側板225、中間板223、他方の第2側板225、外側底板221b、重畳側板224a、天板222、及び部分側板224bが連なった帯板である。これら複数の板部分は、帯板状の展開体23における長さ方向D22の一部をなすように上記の記載順で配列されている。そして、板部分どうしの境界線が、展開体23を幅方向D23に横切る複数の折り目231となっており、各板部分は、この展開体23を各折り目231で折り曲げる、
図9及び
図10に矢印で示された矩形渦巻方向D24の折曲げ加工によって形成される。そして、この折曲げ加工が、第1実施形態と同様にコイル部品21を包み込むように行われることで、コイル部品梱包構造2が完成する。このコイル部品梱包構造2が外箱2aに収められ、
図6及び
図8に示されているように他部品24が配置され、必要に応じて取扱説明書21f等の付属品が天板222と外箱2aの内面との間の空間に収容されて輸送に供される。
【0085】
以上に説明した第2実施形態の梱包材22及びコイル部品梱包構造2によっても、上述の第1実施形態と同様に、輸送時の衝撃を抑えてコイル部品11を梱包することができることは言うまでもない。
【0086】
また、本実施形態では、中間板223に、コイル部品21の接続端子21dを通過させる端子孔223eが部品孔223aに連続して設けられている。この構成によれば、中間板223と接続端子21dとの干渉を良好に回避しながらコイル部品21の梱包を行うことができる。
【0087】
また、本実施形態では、一対の第1側板224のうちの重畳側板224aの側板高さ寸法H23が、コイル部品21における正規高さ寸法H21以上、且つ、誤り高さ寸法H22未満となっている。この構成によれば、コイル部品21を誤り姿勢P22のまま梱包しようとすると、天板222がコイル部品21と干渉する。これにより、コイル部品21が誤り姿勢P22となっていることを作業者に良好に気付かせることができ、誤り姿勢P22でのコイル部品21の梱包を抑えることができる。コイル部品21が誤り姿勢P22のまま梱包されると、露出状態となった取付け孔21eへの異物の侵入等が生じる恐れがある。上記の構成によれば、誤り姿勢P22でのコイル部品21の梱包が抑えられるので、取付け孔21eへの異物の侵入等を抑えることができる。
【0088】
また、本実施形態では、部品孔223aを貫通したコイル部品21の隣の空間が他部品24の配置のための部品スペースとして利用可能となるように、中間板223の側縁223d寄りに偏った偏心位置に部品孔223aが設けられている。この構成によれば、コイル部品21の隣に設けられる部品スペースに、例えば必要に応じて付属部品等を収容し、コイル部品21と一緒に梱包することができる。
【0089】
また、本実施形態では、上記の部品スペースが、コイル部品21における、中間板223から天板222側に突出した部分の隣の空間であり、天板222が、部品スペースを避けるように、中間板223よりも小さい面積の板形状に形成されている。この構成によれば、天板222が避けている分、部品スペースを広くとることができる。
【0090】
尚、以上に説明した第1及び第2実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これに限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によっても尚本発明の梱包材及びコイル部品梱包構造の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0091】
例えば、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、底板121,221、天板122,222、及び中間板123,223が矩形状で、外観が矩形箱状の梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではなく、各板部や外観の具体的な形状を問うものではない。
【0092】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、外箱1a,2aに収納されてコイル部品11,21の輸送に供される梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではなく、例えばラッピングや袋詰め等といった外箱収納以外の状態で輸送に供されるものであってもよい。
【0093】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、段ボール製の梱包材12,22や、当該梱包材12,22を用いたコイル部品梱包構造1,2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではない。梱包材は、段ボール以外の紙や折曲げ加工が可能な薄手のプラスチック板で折曲げ形成されたものであってもよく、樹脂製あるいは金属製の複数の板がヒンジ等で回動可能に連結されて組み立てられたもの等であってもよい。梱包材については、その具体的な材質や構成を問うものではない。
【0094】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、部品孔123a,223aの内周縁に支持舌片126,226が設けられた梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではなく、部品孔の内周縁に如何なる支持舌片も設けられていないものであってもよい。ただし、支持舌片126,226を設けることで、輸送時にコイル部品11,21に加わる衝撃を一層抑えることができる点は上述した通りである。
【0095】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、天板122,222の側縁に複数の突片122b,222bが設けられた梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではなく、天板に如何なる突片も設けられていないものであってもよい。ただし、天板122,222の突片122b,222bで外箱1a,2a内部でのがたつきを抑制することで、輸送時のコイル部品11,21に加わる衝撃を良好に抑えることができる点は上述した通りである。
【0096】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、突片122b,222bが天板122,222の一部の切起こしで形成された梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではなく、突片を別途に形成して天板の側縁に取り付けることとしてもよい。ただし、突片122b,222bを天板122,222の一部の切起こしで形成することで、部品数を削減するとともに加工の手間も抑えることができる点は上述した通りである。
【0097】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、底板121,221が多重板となった梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではなく、底板が一枚板となったものであってもよい。ただし、底板121,221を多重板とすることで、コイル部品11,21の支持強度を向上させることができる点は上述した通りである。尚、多重板における板の枚数は、第1及び第2実施形態のように2枚に限るものではなく、上述したように、少なくとも2枚であれば3枚以上であってもよい。
【0098】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、第1側板124,224及び第2側板125,225が一対ずつ設けられた梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。また、この例示では、第1側板124,224の一方が重畳側板124a,224aで、他方が部分側板124b,224bとなっている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではなく、第1側板及び第2側板が何れも一枚のみ設けられたものであってもよい。また、一対ずつ設ける場合であっても、第1側板は、第2側板から離された独立側板として形成されることとしてもよい。ただし、第1側板124,224及び第2側板125,225を一対ずつ設けることで、梱包材12,22の構造強度を向上させることができる点は上述した通りである。また、重畳側板124a,224aを設けることで当該側板の構造強度を向上させることができ、部分側板124b,224bを設けることで材料の使用量を低減することができる点も上述した通りである。
【0099】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、部分側板124b,224bが天板122,222からの折起こしで一体成形された梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。また、この例示では、連結片124b-2,224b-2が係止スリット123c,223cに挿入係止されることで、部分側板124b,224bが中間板123,223に連結される。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これらに限るものではなく、例えば接着剤等で天板、部分側板、及び中間板を連結することとしてもよい。ただし、部分側板124b,224bを天板122,222と一体成形し、連結片124b-2,224b-2を係止スリット123c,223cに挿入係止する構成により、作業工数を抑えることができる点は上述した通りである。
【0100】
また、上述の第1実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、コイル部品11を押圧する付勢舌片127が天板122に設けられた梱包材12及びコイル部品梱包構造1が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これに限るものではなく、例えば第2実施形態に天板222として例示されているように、天板に如何なる付勢舌片も設けないこととしてもよい。ただし、第1実施形態の例示のようにコイル部品11を付勢舌片127で押圧することで、輸送時にコイル部品11に加わる衝撃を一層抑えることができる点は上述した通りである。また、第1実施形態では、コイル部品11における嵌込み板112が付勢舌片127によって押圧された状態となるので、輸送時の衝撃による嵌込み板112の緩みや脱落を抑えることができる点も上述した通りである。尚、コイル部品は、有底筒部111に嵌込み板112が嵌め込まれた第1実施形態で例示のコイル部品11や、側面21cに接続端子21dが設けられた矩形ブロック状の第2実施形態で例示のコイル部品21に限るものではない。コイル部品については、底面、天面、及び側面を有するコイル部品であれば、その具体的な構成や形状を問うものではない。
【0101】
また、上述の第1実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、天板122において付勢舌片127の切起こし孔が、リード線113の曲げ部分113aの収容孔122dとなった梱包材12及びコイル部品梱包構造1が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これに限るものではなく、例えば第2実施形態に天板222として例示されているように、如何なるリード線の収容孔も設けないこととしてもよい。ただし、第1実施形態の例示のように天板122側にリード線113の曲げ部分113aが位置するコイル部品11の梱包/輸送については、天板122の収容孔122dに曲げ部分113aを収容して良好に逃がすことができる点は上述した通りである。また、このような収容孔122dとして付勢舌片127の切起こし孔を利用することで梱包材12の作業工数を抑えることができる点も上述した通りである。
【0102】
また、上述の第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、コイル部品21の接続端子21dのための端子孔223eが中間板223に、部品孔223aと連続して設けられた梱包材22及びコイル部品梱包構造2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これに限るものではなく、例えば第1実施形態に中間板123として例示されているように、中間板に如何なる端子孔も設けないこととしてもよい。ただし、第2実施形態の例示のように接続端子21dを有するコイル部品21の梱包/輸送については、部品孔223aに連続した端子孔223eを設けることで中間板223と接続端子21dとの干渉を良好に回避できる点は上述した通りである。
【0103】
また、上述の第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、重畳側板224aの側板高さ寸法H23が、コイル部品21の正規高さ寸法H21以上で誤り高さ寸法H22未満となった梱包材22及びコイル部品梱包構造2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これに限るものではなく、重畳側板、即ち第1側板について如何なる高さ制限も設けないこととしてもよい。ただし、第2実施形態の例示のように正規姿勢P21と誤り姿勢P22を有するコイル部品21の梱包/輸送については、第1側板224の高さ制限により誤り姿勢P22を抑えて取付け孔21eへの異物侵入等を抑制できる点は上述した通りである。
【0104】
また、上述の第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、コイル部品21の隣が他部品24の部品スペースとして利用可能となるように、偏心位置に部品孔223aが設けられた梱包材22及びコイル部品梱包構造2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これに限るものではなく、例えば第1実施形態に部品孔123aとして例示されているように、部品孔を中間板の中央に設け、コイル部品の周囲には如何なる他部品も配置しないこととしてもよい。ただし、偏心位置に部品孔223aを設け、コイル部品21の隣を他部品24の部品スペースとして利用することで、例えば付属部品等をコイル部品21と一緒に梱包することができる点は上述した通りである。
【0105】
また、上述の第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、天板222が部品スペースを避けるように中間板223よりも小さい面積の板形状に形成された梱包材22及びコイル部品梱包構造2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これに限るものではない。コイル部品の隣を部品スペースとして利用する場合であっても、例えば第1実施形態に天板122として例示されているように、天板を中間板と略同サイズに形成することとしてもよい。ただし、天板222を上記のような小サイズに形成することで、部品スペースを広くとることができる点は上述した通りである。
【0106】
また、上述の第1及び第2実施形態では、梱包材及びコイル部品梱包構造の一例として、帯板状の展開体13,23の折曲げ加工を利用した梱包材12,22及びコイル部品梱包構造1,2が例示されている。しかしながら、梱包材及びコイル部品梱包構造は、これに限るものではなく、例えば複数の板部品を個別に形成して接着等で組み合わせて梱包材やコイル部品梱包構造を構成することとしてもよい。ただし、展開体の折曲げ加工を利用することで梱包作業の作業工数を抑えることができる点は上述した通りである。尚、展開体の折曲げ加工を利用する場合であっても、その展開体の形状は、帯板状以外の例えば十字板状等であってもよく、展開体の具体的形状を問うものではない。
【符号の説明】
【0107】
1,2 コイル梱包構造
1a,2a 外箱
11,21 コイル部品
11a,21a 底面
11b,21b 天面
11c,21c 側面
11d,21f 取扱説明書
12,22 梱包材
13,23 展開体
21d 接続端子
21e,112a 取付け孔
24 他部品
111 有底筒部
112 嵌込み板
113 リード線
113a 曲げ部分
121,221 底板
121a,221a 内側底板
121a-1,121b-1,122a,122c,123b,222a,223b,223d 側縁
121b,221b 外側底板
122,222 天板
122b,222b 突片
122d 収容孔
122c-1 凹部
123,223 中間板
123a,223a 部品孔
123c,223c 係止スリット
124,224 第1側板
124a,224a 重畳側板
124b,224b 部分側板
124b-1,224b-1 先端縁
124b-2,224b-2 連結片
125,225 第2側板
126,226 支持舌片
127 付勢舌片
131,231 折り目
D11 矢印
D12,D22 長さ方向
D13,D23 幅方向
D14,D24 矩形渦巻方向
H21 正規高さ寸法
H22 誤り高さ寸法
H23 側板高さ寸法
P21 正規姿勢
P22 誤り姿勢