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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154831
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/04 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
F25D21/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064428
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】森 治
(72)【発明者】
【氏名】望月 修
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 拓也
(57)【要約】
【課題】断熱壁の内部において冷媒配管を所定位置に簡易に配置できる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫10において、区画壁本体部221の前面222の下端側には、左右方向に沿って伸びる下側壁部224が形成される。冷媒配管24は、区画壁本体部221の前面222と前面板部23との間に配設される。更に、冷媒配管24は、左右方向に沿って伸びる第1配管延伸部241と、第1配管延伸部241と離間した位置で左右方向に沿って伸びる第2配管延伸部242と、第1配管延伸部241の端部と第2配管延伸部242の端部とを接続するように湾曲形成された配管湾曲部243と、を有する。冷媒配管24の配管湾曲部243は、区画壁本体部221の上側壁部223または下側壁部224に接触する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1貯蔵室と、
第2貯蔵室と、
前記第1貯蔵室と前記第2貯蔵室とを区切る区画壁と、
前記第1貯蔵室および前記第2貯蔵室を冷却する冷凍サイクルと、を具備し、
前記冷凍サイクルは、冷媒が流通する冷媒配管を有し、
前記区画壁は、区画壁本体部と、前記区画壁本体部の前面を前方から塞ぐ前面板部と、を有し、
前記区画壁本体部の前記前面の上端側には、左右方向に沿って伸びる上側壁部が形成され、
前記区画壁本体部の前記前面の下端側には、左右方向に沿って伸びる下側壁部が形成され、
前記冷媒配管は、前記区画壁本体部の前記前面と前記前面板部との間に配設され、且つ、左右方向に沿って伸びる第1配管延伸部と、前記第1配管延伸部と離間した位置で左右方向に沿って伸びる第2配管延伸部と、前記第1配管延伸部の端部と前記第2配管延伸部の端部とを接続するように湾曲形成された配管湾曲部と、を有し、
前記冷媒配管の前記配管湾曲部は、前記区画壁本体部の前記上側壁部または前記下側壁部に接触することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷媒配管の前記配管湾曲部は、前記区画壁本体部の前記上側壁部および前記下側壁部に接触することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記配管湾曲部は、弾性変形した状態で、前記区画壁本体部の前記上側壁部および前記下側壁部に接触することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記区画壁本体部の前記前面には、リブが形成され、
前記冷媒配管に当接する前記リブは、略同等の突出高さであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒配管を有する冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な冷蔵庫では、冷媒圧縮式の冷凍サイクルで冷却した冷気を冷蔵室等の各貯蔵室に送風することで、各貯蔵室の庫内温度を所定の温度帯域に冷却している。この冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器、膨張手段および蒸発器を備えており、これらの各種構成機器は冷媒配管を介して接続されている。冷凍サイクルの冷媒配管は、冷凍サイクルの各構成機器を相互に接続するために、冷蔵庫本体の内部を引き回されている。
【0003】
特許文献1を参照して、冷媒配管の一部は、断熱箱体の結露を防止するために、断熱箱体の表面近傍に引き回される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6-64082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献に記載された発明では、冷媒配管を適切に配設する観点から改善の余地があった。
【0006】
図8を参照して、係る課題を詳述する。ここでは、貯蔵室どうしを区切る断熱壁100の前端近傍の断面図を示している。断熱壁100の前端近傍は、冷媒配管103が配設されている。具体的には、断熱壁本体101の前面と前板102との間に、冷媒配管103が配設されている。このようにすることで、冷媒配管103の内部を流通する加熱冷媒により前板102が昇温され、前板102の露出面における結露が抑制される。また、冷媒配管103の位置を所定位置に規制するためにリブ104が形成されている。リブ104は前方に向かって突出する壁状部位である。
【0007】
ここで、冷媒配管103の形状や位置には公差が含まれる。このことから、点線で示すように、リブ104の前方に冷媒配管103が配置されてしまった場合、リブ104と前板102との間に冷媒配管103が挟まれてしまう。このように成ると、前板102が変形し、外観不良や結露が生じる虞がある。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、断熱壁の内部において冷媒配管を所定位置に簡易に配置できる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の冷蔵庫は、第1貯蔵室と、第2貯蔵室と、前記第1貯蔵室と前記第2貯蔵室とを区切る区画壁と、前記第1貯蔵室および前記第2貯蔵室を冷却する冷凍サイクルと、を具備し、前記冷凍サイクルは、冷媒が流通する冷媒配管を有し、前記区画壁は、区画壁本体部と、前記区画壁本体部の前面を前方から塞ぐ前面板部と、を有し、前記区画壁本体部の前記前面の上端側には、左右方向に沿って伸びる上側壁部が形成され、前記区画壁本体部の前記前面の下端側には、左右方向に沿って伸びる下側壁部が形成され、前記冷媒配管は、前記区画壁本体部の前記前面と前記前面板部との間に配設され、且つ、左右方向に沿って伸びる第1配管延伸部と、前記第1配管延伸部と離間した位置で左右方向に沿って伸びる第2配管延伸部と、前記第1配管延伸部の端部と前記第2配管延伸部の端部とを接続するように湾曲形成された配管湾曲部と、を有し、前記冷媒配管の前記配管湾曲部は、前記区画壁本体部の前記上側壁部または前記下側壁部に接触することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の冷蔵庫では、前記冷媒配管の前記配管湾曲部は、前記区画壁本体部の前記上側壁部および前記下側壁部に接触することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の冷蔵庫では、前記配管湾曲部は、弾性変形した状態で、前記区画壁本体部の前記上側壁部および前記下側壁部に接触することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の冷蔵庫では、前記区画壁本体部の前記前面には、リブが形成され、前記冷媒配管に当接する前記リブは、略同等の突出高さであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の冷蔵庫は、第1貯蔵室と、第2貯蔵室と、前記第1貯蔵室と前記第2貯蔵室とを区切る区画壁と、前記第1貯蔵室および前記第2貯蔵室を冷却する冷凍サイクルと、を具備し、前記冷凍サイクルは、冷媒が流通する冷媒配管を有し、前記区画壁は、区画壁本体部と、前記区画壁本体部の前面を前方から塞ぐ前面板部と、を有し、前記区画壁本体部の前記前面の上端側には、左右方向に沿って伸びる上側壁部が形成され、前記区画壁本体部の前記前面の下端側には、左右方向に沿って伸びる下側壁部が形成され、前記冷媒配管は、前記区画壁本体部の前記前面と前記前面板部との間に配設され、且つ、左右方向に沿って伸びる第1配管延伸部と、前記第1配管延伸部と離間した位置で左右方向に沿って伸びる第2配管延伸部と、前記第1配管延伸部の端部と前記第2配管延伸部の端部とを接続するように湾曲形成された配管湾曲部と、を有し、前記冷媒配管の前記配管湾曲部は、前記区画壁本体部の前記上側壁部または前記下側壁部に接触することを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、断熱壁の内部において冷媒配管を所定位置に簡易に配置できる。具体的には、冷媒配管の配管湾曲部が、区画壁本体部の上側壁部または下側壁部に接触することにより、冷媒配管の位置が固定される。よって、冷媒配管を前面板部に当接させることができる。このことから、冷蔵庫の運転状況下において、冷媒配管の内部を流通する加熱冷媒により、前面板部を昇温させることができ、前面板部の露出面に結露が発生することを抑制できる。
【0014】
また、本発明の冷蔵庫では、前記冷媒配管の前記配管湾曲部は、前記区画壁本体部の前記上側壁部および前記下側壁部に接触することを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、冷媒配管の配管湾曲部が、区画壁本体部の上側壁部および下側壁部に接触することにより、冷媒配管の位置が更に正確に固定される。
【0015】
また、本発明の冷蔵庫では、前記配管湾曲部は、弾性変形した状態で、前記区画壁本体部の前記上側壁部および前記下側壁部に接触することを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、配管湾曲部が弾性変形することで発生する反力により、第1配管延伸部および第2配管延伸部の位置を固定することができ、冷媒配管を前面板部に更に密着させることができる。
【0016】
また、本発明の冷蔵庫では、前記区画壁本体部の前記前面には、リブが形成され、前記冷媒配管に当接する前記リブは、略同等の突出高さであることを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、略同等の突出高さであるリブが冷媒配管に当接することにより、冷媒配管が不用意にリブにより押されることで、前面板部に当接することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を全体的に示す側方断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱箱体および区画壁を示す斜視図である。
図4A】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の区画壁を示す斜視図である。
図4B】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の区画壁を示す分解斜視図である。
図5A】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の区画壁本体部を示す斜視図である。
図5B】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の区画壁本体部を拡大して示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の区画壁本体部と冷媒配管を示す分解斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の区画壁の前端部近傍を示す断面図である。
図8】背景技術に係る冷蔵庫の区画壁の前端部近傍を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に、以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を正面から見た場合の左右を示している。また、本実施形態では、冷蔵庫10として冷凍室および冷蔵室を有するものを例示するが、冷蔵庫10としては、冷凍室のみを有するもの、または、冷蔵室のみを有するものも採用できる。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を、前方左側から見た斜視図である。冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成された貯蔵室とを有している。貯蔵室として、上方側から、冷蔵室12および冷凍室13を有している。例えば、冷蔵室12が第1貯蔵室であり、冷凍室13が第2貯蔵室である。
【0020】
冷蔵室12の前方開口は、上段部分が断熱扉18で閉鎖され、下段部分が断熱扉19で閉鎖されている。冷凍室13の前方開口は、上段部分が断熱扉20で閉鎖され、下段部分が断熱扉21で閉鎖されている。断熱扉18は回転式の扉であり、断熱扉19、断熱扉20および断熱扉21は引出式の扉である。
【0021】
図2は、冷蔵庫10を全体的に示す側方断面図である。断熱箱体11は、所定形状に曲折加工された鋼板からなる外箱111と、外箱111と離間した内側に配置された合成樹脂板から成る内箱112と、外箱111と内箱112との間に充填された断熱材113とから構成されている。
【0022】
また、断熱箱体11の内部において、冷蔵室12と冷凍室13とは区画壁22により区画されている。区画壁22は、断熱箱体11と同様に断熱構成を有している。区画壁22の具体的な構成は、図4等を参照して後述する。
【0023】
冷凍室13の奥側には、冷却室115が形成されており、冷凍室13と冷却室115とは区画板17で区画されている。冷却室115の内部には、冷却器である蒸発器162が配設されている。冷蔵庫10の下端側後方には機械室14が区画形成され、機械室14には圧縮機161が配置されている。蒸発器162および圧縮機161は、冷媒圧縮式の冷凍サイクル16を形成している。具体的には、冷凍サイクル16は、圧縮機161、図示しない凝縮器、図示しない膨張手段および蒸発器162を備えている。
【0024】
冷凍サイクル16を運転することで、蒸発器162により冷却室115の内部の空気を冷却し、この冷気を送風機27が各貯蔵室に送風し、各貯蔵室の庫内温度を所定の冷却温度帯域とする。具体的には、冷蔵室12を冷蔵温度帯域に冷却し、冷凍室13を冷凍温度帯域に冷却する。冷凍サイクル16を構成する各構成機器は、銅管などの金属管から成る冷媒配管により相互に接続されている。
【0025】
冷却室115の内部において、蒸発器162の上方側には送風機27が配置されている。送風機27は、軸流送風機または遠心送風機であり、蒸発器162が冷却した冷却室115の内部の冷気を、冷蔵室12および冷凍室13に向けて送風する。
【0026】
冷却室115の内部であって、蒸発器162の下方には、除霜用加熱部117が配置される。除霜用加熱部117は、除霜運転時に通電することで発熱する加熱ヒータである。
【0027】
冷却室115から上方に向かって送風路118が形成されている。送風路118には、冷気を冷蔵室12に吹き出すための開口が形成されている。冷蔵室12を冷却した冷気は、ここでは図示しない帰還風路を経由して冷却室115に帰還し、これにより冷蔵室12は所定の冷蔵温度帯域に冷却される。
【0028】
送風された冷気の一部は、区画板17の上部に形成された開口を介して冷凍室13に送風され、冷凍室13を冷却した冷気は、区画板17の下部に形成された開口から冷却室115に帰還する。これにより、冷凍室13は所定の冷凍温度帯域に冷却される。
【0029】
冷凍サイクル16による冷蔵室12および冷凍室13の冷却を継続すると、蒸発器162に多くの着霜が生じて蒸発器162の伝熱および気流を阻害するので、定期的に蒸発器162の除霜運転を行う。除霜運転では、圧縮機161を停止することで冷凍サイクル16による冷蔵室12および冷凍室13の冷却を停止し、送風機27による送風を停止し、除霜用加熱部117により冷却室115の内部の空気を加熱することで、蒸発器162を除霜する。除霜運転が終了した後は、前述した冷蔵室12および冷凍室13の冷却動作を再開する。
【0030】
図3は、冷蔵庫10の外箱111および区画壁22を示す斜視図である。外箱111は、前述したように鋼板から成る部材である。外箱111の内面に沿って、冷媒配管24の一部が引き回されている。
【0031】
冷媒配管24は、銅やアルミニウム等の金属から成る導管であり、前述した冷凍サイクル16で用いられる冷媒が流通する。例えば、冷媒配管24には、前述した圧縮機161により圧縮されることで高温となった高温冷媒が流通する。このようにすることで、冷媒配管24の内部を高温流体が流通した際に、外箱111を介して熱交換を促進させ、高温流体を効果的に冷却できる。更には、外箱111の表面を昇温し、外箱111の外面における結露を抑制できる。
【0032】
後述するように、冷媒配管24は、区画壁22の前端部近傍にも引き回されている。このようにすることで、区画壁22の前面を、冷媒配管24の内部を流通する高温冷媒により昇温し、区画壁22の前面における結露を抑制できる。更には、区画壁22に当接する、ここでは図示しないガスケットに結露が発生することも抑制できる。
【0033】
図4Aは、区画壁22を示す斜視図である。図4Bは、区画壁22を示す分解斜視図である。
【0034】
図4Aを参照して、区画壁22は、区画壁本体部221と、区画壁本体部221の前面を前方から塞ぐ前面板部23と、を有する。区画壁本体部221は、概略的に扁平直方体を呈する部材である。区画壁本体部221は、前述した断熱構造を有し、ウレタン等から成る断熱発泡材と、断熱発泡材を覆う合成樹脂板から成る。また、区画壁22の前面は、鉄板などの金属板から成る前面板部23により覆われる。図2に示したように、前面板部23には、図示しないガスケットを介して、断熱扉19の下端部および断熱扉20の上端部が接触する。
【0035】
図4Bを参照して、区画壁本体部221の前面222と、前面板部23との間には、冷媒配管24が配設される。このようにすることで、冷蔵庫10が運転される際に、冷媒配管24の内部を流通する高温冷媒により、前面板部23が昇温される。これにより、前面板部23の前面における結露が防止される。前面板部23の近傍における冷媒配管24の構成は後述する。
【0036】
図5Aは、区画壁本体部221を示す斜視図である。図5Bは、区画壁本体部221の前面222の左端部近傍を拡大して示す斜視図である。
【0037】
図5Aを参照して、区画壁本体部221の前面222の上端側には、左右方向に沿って伸びる上側壁部223が形成される。また、区画壁本体部221の前面222の下端側には、左右方向に沿って伸びる下側壁部224が形成される。上側壁部223および下側壁部224は、前面222から前方に向かって突出する壁状の部位である。前面板部23および下側壁部224は、前面222の左端近傍から右端近傍まで連続して形成される。
【0038】
図5Bを参照して、前面222にはリブ225が形成される。リブ225は、前面222を部分的に前方に向かって突出させた壁状の部位である。リブ225の突出高さは、上側壁部223および下側壁部224の突出高さよりも、短くされる。リブ225は、前面222の略全面において格子状に形成される。
【0039】
図6は、冷蔵庫10の区画壁本体部221と冷媒配管24を示す分解斜視図である。
【0040】
冷媒配管24は、第1配管延伸部241と、第2配管延伸部242と、配管湾曲部243と、を有する。第1配管延伸部241は、左右方向に沿って略直線状に伸びる。第2配管延伸部242は、第1配管延伸部241と離間した下方側に配置され、左右方向に沿って略直線状に伸びる。配管湾曲部243は、第1配管延伸部241の左方側端部と、第2配管延伸部242の左方側端部とを接続するように、湾曲形成される。係る構成により、前面222と、前述した前面板部23との間に、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242を配置できる。これにより、前面板部23を効果的に昇温して結露を抑制できる。
【0041】
ここで、区画壁22の上側壁部223の下面と、下側壁部224の上面との距離をL10とする。また、上下方向における配管湾曲部243の最大幅をL11とする。更に、冷媒配管24において、第1配管延伸部241の上端と、第2配管延伸部242の下端との距離をL12とする。
【0042】
このようにした場合、L11はL12よりも長くされている。このようにすることで、冷媒配管24を、区画壁22の前面222に組み込むと、冷媒配管24の配管湾曲部243は、区画壁本体部221の上側壁部223または下側壁部224に接触する。これにより、前述した前面板部23と前面222との間において、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242が所定位置に配置される。即ち、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242が、上下方向における前面222の略中央に配置される。よって、冷媒配管24を、前面板部23に確実に当接させることができる。このことから、冷蔵庫10の運転状況下において、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242の内部を流通する加熱冷媒により、前面板部23を昇温させることができ、前面板部23の露出面に結露が発生することを抑制できる。
【0043】
また、L11をL10によりも大きくすることもできる。この場合、配管湾曲部243は、弾性変形した状態で、即ち、上下方向において若干圧縮された状態で、区画壁本体部221の上側壁部223および下側壁部224に当接する。このようにすることで、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242の位置を、更に正確に規定することができ、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242を、前面板部23に密着させることができる。
【0044】
前述したように、区画壁本体部221の前面222には、リブ225が形成されている。ここで、冷媒配管24に当接するリブ225は、略同等の突出高さである。このようにすることで、略同等の突出高さであるリブ225が冷媒配管24に当接することにより、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242は、均一の力で前方に向かって押される。よって、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242は、前述した前面板部23に全体的に当接する。
【0045】
図7は、冷蔵庫10の区画壁22の前端部近傍を示す断面図である。前述したように、区画壁22の前面222と、前面板部23との間に、第1配管延伸部241および区画壁22が配設されている。また、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242は、前面板部23の後面に当接している。
【0046】
本実施形態では、図6に示したように、冷媒配管24の配管湾曲部243が、区画壁22の上側壁部223または下側壁部224に当接することにより、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242の位置が規定されている。よって、上下方向において、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242は、前面板部23の中央部近傍に安定して配置される。また、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242は、略均等な突出高さとされたリブ225により後方から前方に向かって押されている。このことから、冷蔵庫10の運転時においては、第1配管延伸部241および第2配管延伸部242の内部を流通する高温冷媒により、前面板部23は効果的に昇温され、前面板部23の前面における結露が防止される。
【0047】
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
111 外箱
112 内箱
113 断熱材
115 冷却室
117 除霜用加熱部
118 送風路
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 機械室
16 冷凍サイクル
161 圧縮機
162 蒸発器
17 区画板
18 断熱扉
19 断熱扉
20 断熱扉
21 断熱扉
22 区画壁
221 区画壁本体部
222 前面
223 上側壁部
224 下側壁部
225 リブ
23 前面板部
24 冷媒配管
241 第1配管延伸部
242 第2配管延伸部
243 配管湾曲部
100 断熱壁
101 断熱壁本体
102 前板
103 冷媒配管
104 リブ




図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8