(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154841
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】制御装置のためのコンピュータプログラム、制御装置、及び、制御装置によって実行される方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231013BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231013BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20231013BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 305
G06F3/12 319
G06F3/12 373
G06F3/12 332
G06F3/12 350
G06F3/12 378
H04N1/00 350
H04N1/387 110
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064443
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 和晃
(72)【発明者】
【氏名】八谷 昌幸
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5C076
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ36
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC24
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF10
5C076AA19
5C076BA06
(57)【要約】
【課題】付加機能を実行可能な印刷装置のユーザの利便性を向上させる技術を提供すること。
【解決手段】制御装置は、選択画面を表示部に表示させる。選択画面は、画像が印刷されるべき印刷媒体の種類を選択するための媒体選択領域と、印刷とは異なる付加機能を印刷装置に実行させるのか否かを選択するための付加機能選択領域と、を含む。制御装置は、付加機能選択領域において、付加機能を印刷装置に実行させないことが選択され、かつ、媒体選択領域において、印刷装置が付加機能を実行可能な第1種の印刷媒体が選択される特定の場合に、付加機能に関連する関連情報を出力部に出力させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置に印刷を実行させる制御装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記制御装置を、
選択画面を表示部に表示させる表示制御部であって、前記選択画面は、画像が印刷されるべき印刷媒体の種類を選択するための媒体選択領域と、前記印刷とは異なる付加機能を前記印刷装置に実行させるのか否かを選択するための付加機能選択領域と、を含む、前記表示制御部と、
所定の操作が受け付けられる場合に、前記媒体選択領域及び前記付加機能選択領域における選択に従った処理を前記印刷装置に実行させる印刷制御部と、
前記付加機能選択領域において、前記付加機能を前記印刷装置に実行させないことが選択され、かつ、前記媒体選択領域において、前記印刷装置が前記付加機能を実行可能な第1種の印刷媒体が選択される特定の場合に、前記付加機能に関連する関連情報を出力部に出力させる出力制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記媒体選択領域において、前記印刷装置が前記付加機能を実行不可能な第2種の印刷媒体が選択される場合に、前記関連情報は出力されない、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記付加機能は、印刷媒体を切断することに関係する切断関係機能であり、
前記関連情報は、前記付加機能選択領域において、前記付加機能を前記印刷装置に実行させることが選択されると、前記切断関係機能が実行されることを示す第1のメッセージを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記切断関係機能は、前記第1種の印刷媒体を半分に切断することに関係する機能である、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記関連情報は、さらに、前記印刷装置によって利用される消耗品を節約できることを示す第2のメッセージを含む、請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記選択画面は、さらに、前記印刷媒体に対する画像のレイアウトを選択するためのレイアウト選択領域を含み、
前記出力制御部は、前記特定の場合であり、かつ、前記レイアウト選択領域において、2ページ分の画像を1枚の印刷媒体に印刷することである2in1印刷が選択される場合に、前記関連情報を前記出力部に出力させ、
前記関連情報は、前記付加機能選択領域において、前記付加機能を前記印刷装置に実行させることが選択されると、前記2in1印刷が実行されると共に前記切断関係機能が実行されることを示す第3のメッセージを含む、請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記切断関係機能は、前記第1種の印刷媒体の2倍のサイズの印刷媒体である第3種の印刷媒体を半分に切断することに関係する機能であり、
前記関連情報は、前記第3種の印刷媒体を前記印刷装置にセットして、前記付加機能選択領域において、前記付加機能を前記印刷装置に実行させることが選択されると、前記切断関係機能が実行されることを示す第4のメッセージを含む、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記切断関係機能は、前記第1種の印刷媒体の2倍のサイズの印刷媒体である第3種の印刷媒体を半分に切断することに関係する機能であり、
前記コンピュータプログラムは、前記制御装置を、さらに、
前記媒体選択領域において選択された前記印刷媒体の種類の履歴を示す履歴情報をメモリに記憶させる第1の記憶制御部として機能させ、
前記出力制御部は、前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記履歴情報が、前記第3種の印刷媒体が前回選択されたことを示す場合に、前記関連情報を前記出力部に出力させ、
前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記履歴情報が、前記第3種の印刷媒体が前回選択されていないことを示す場合に、前記関連情報は出力されない、
請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記切断関係機能は、前記第1種の印刷媒体を半分に切断することに関係する機能であり、
前記コンピュータプログラムは、前記制御装置を、さらに、
前記媒体選択領域において選択された前記印刷媒体の種類の履歴を示す履歴情報をメモリに記憶させる第1の記憶制御部として機能させ、
前記出力制御部は、前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記履歴情報が、前記第1種の印刷媒体の半分のサイズの印刷媒体である第4種の印刷媒体が前回選択されたことを示す場合に、前記関連情報を前記出力部に出力させ、
前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記履歴情報が、前記第4種の印刷媒体が前回選択されていないことを示す場合に、前記関連情報は前記出力部に出力されない、
請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータプログラムは、前記制御装置を、さらに、
前記媒体選択領域において前記第1種の印刷媒体が選択された回数を示す回数情報をメモリに記憶させる第2の記憶制御部として機能させ、
前記出力制御部は、前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記回数情報が所定値以上を示す場合に、前記関連情報を前記出力部に出力させ、
前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記回数情報が前記所定値未満を示す場合に、前記関連情報は出力されない、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータプログラムは、前記制御装置を、さらに、
前記付加機能を前記印刷装置に実行させたことがあるのか否かを示す第1のフラグ情報をメモリに記憶させる第3の記憶制御部として機能させ、
前記出力制御部は、前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記第1のフラグ情報が、前記付加機能を前記印刷装置に実行させたことがないことを示す場合に、前記関連情報を前記出力部に出力させ、
前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記第1のフラグ情報が、前記付加機能を前記印刷装置に実行させたことがあることを示す場合に、前記関連情報は出力されない、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータプログラムは、前記制御装置を、さらに、
前記関連情報が出力済みであるのか否かを示す第2のフラグ情報をメモリに記憶させる第4の記憶制御部として機能させ、
前記出力制御部は、前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記第2のフラグ情報が、前記関連情報が出力済みでないことを示す場合に、前記関連情報を前記出力部に出力させ、
前記特定の場合であり、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が、前記関連情報が出力済みであることを示す場合に、前記関連情報は出力されない、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記出力制御部は、前記特定の場合に、前記所定の操作が受け付けられた後に、前記関連情報を前記出力部に出力させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
印刷装置に印刷を実行させる制御装置であって、
選択画面を表示部に表示させる表示制御部であって、前記選択画面は、画像が印刷されるべき印刷媒体の種類を選択するための媒体選択領域と、前記印刷とは異なる付加機能を前記印刷装置に実行させるのか否かを選択するための付加機能選択領域と、を含む、前記表示制御部と、
所定の操作が受け付けられる場合に、前記媒体選択領域及び前記付加機能選択領域における選択に従った処理を前記印刷装置に実行させる印刷制御部と、
前記付加機能選択領域において、前記付加機能を前記印刷装置に実行させないことが選択され、かつ、前記媒体選択領域において、前記印刷装置が前記付加機能を実行可能な第1種の印刷媒体が選択される特定の場合に、前記付加機能に関連する関連情報を出力部に出力させる出力制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項15】
印刷装置に印刷を実行させる制御装置によって実行される方法であって、
選択画面を表示部に表示させる表示制御工程であって、前記選択画面は、画像が印刷されるべき印刷媒体の種類を選択するための媒体選択領域と、前記印刷とは異なる付加機能を前記印刷装置に実行させるのか否かを選択するための付加機能選択領域と、を含む、前記表示制御工程と、
所定の操作が受け付けられる場合に、前記媒体選択領域及び前記付加機能選択領域における選択に従った処理を前記印刷装置に実行させる印刷制御工程と、
前記付加機能選択領域において、前記付加機能を前記印刷装置に実行させないことが選択され、かつ、前記媒体選択領域において、前記印刷装置が前記付加機能を実行可能な第1種の印刷媒体が選択される特定の場合に、前記付加機能に関連する関連情報を出力部に出力させる出力制御工程と、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、付加機能を実行可能な印刷装置に印刷を実行させる制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成とは異なる付加機能(例えばカット紙の断裁)を実行可能な画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、付加機能を実行可能な印刷装置のユーザの利便性を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、印刷装置に印刷を実行させる制御装置のためのコンピュータプログラムを開示する。コンピュータプログラムは、前記制御装置を、選択画面を表示部に表示させる表示制御部であって、前記選択画面は、画像が印刷されるべき印刷媒体の種類を選択するための媒体選択領域と、前記印刷とは異なる付加機能を前記印刷装置に実行させるのか否かを選択するための付加機能選択領域と、を含む、前記表示制御部と、所定の操作が受け付けられる場合に、前記媒体選択領域及び前記付加機能選択領域における選択に従った処理を前記印刷装置に実行させる印刷制御部と、前記付加機能選択領域において、前記付加機能を前記印刷装置に実行させないことが選択され、かつ、前記媒体選択領域において、前記印刷装置が前記付加機能を実行可能な第1種の印刷媒体が選択される特定の場合に、前記付加機能に関連する関連情報を出力部に出力させる出力制御部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によると、制御装置は、媒体選択領域において第1種の印刷媒体が選択される場合に、付加機能に関連する関連情報を出力する。このため、ユーザは、関連情報を見ることによって、付加機能に関連する情報を知ることができる。従って、付加機能を実行可能なプリンタのユーザの利便性が向上する。
【0007】
上記のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読記録媒体、上記のコンピュータプログラムによって実現される制御装置そのもの、及び、当該制御装置によって実行される方法も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】アプリによって実行される処理のフローチャートを示す。
【
図9】アプリによって実行される処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(プリンタ10のハードウェア構成;
図1)
図1に示されるように、プリンタ10は、収容部18と、搬送部20と、印刷実行部22と、切断部24と、排紙トレイ50と、を備える。収容部18と搬送部20と印刷実行部22と切断部24とは、プリンタ10の図示省略の筐体の内部に設けられている。排紙トレイ50は、筐体の外部に露出している。
【0010】
収容部18は、カット紙56を収容する。「カット紙」とは、例えば、A4サイズ、A5サイズ、レターサイズ、はがきサイズ等の予め決められたサイズにカットされている用紙である。本実施例では、A4サイズ、A5サイズ、及びはがきサイズのいずれか一つのサイズのカット紙が収容部18に収容される。換言すると、プリンタ10は、A4サイズ、A5サイズ、及びはがきサイズのいずれかのサイズの印刷媒体に印刷を実行可能である。
【0011】
搬送部20は、搬送路52と、複数個のローラ58,60,62,64,66と、を備える。収容部18に収容されているカット紙56は、各ローラ58等によって搬送路52に沿って搬送される。
【0012】
印刷実行部22は、本実施例では、インクジェットヘッド68を備える。インクジェットヘッド68は、ローラ58,60によって搬送されたカット紙56上にインクを吐出することによって、画像をカット紙56に印刷する。印刷済みのカット紙56は、ローラ62,64によって搬送方向の下流側にさらに搬送される。変形例では、印刷実行部22は、レーザ方式の印刷機構を備えていてもよい。
【0013】
切断部24は、図示省略の切断刃を備える。切断部24は、切断刃が
図1の紙面垂直方向に移動することによって、印刷済みのカット紙56を切断する。これにより、カット紙56は、搬送方向の上流側の部分及び下流側の部分に分断される。特に、切断部24は、カット紙56の一対の長辺のそれぞれの中間位置を結ぶ直線を切断することによって、カット紙56を半分に切断する。即ち、切断部24は、例えば、A4サイズのカット紙を半分に切断して、2枚のA5サイズの切断済み用紙を形成することができる。切断済みの各カット紙56は、ローラ66によって搬送方向の下流側にさらに搬送される。これにより、切断済みの各カット紙56は、排紙トレイ50に到達する。
【0014】
このように、本実施例のプリンタ10は、カット紙56を切断することができる。このために、プリンタ10のユーザは、例えばA4サイズのカット紙を準備すれば、A4サイズよりも小さいサイズ(例えばA5サイズ)を有する印刷済み用紙を入手することができる。例えば、ユーザがA5サイズのカット紙への印刷を望む状況において、ユーザがA5サイズのカット紙を所持していない状況であっても、プリンタ10は、A4サイズのカット紙に対する印刷及び切断を実行することによって、A5サイズのカット紙をユーザに提供することができる。
【0015】
(通信システム2の構成;
図2)
続いて、
図2を参照して、通信システム2の構成を説明する。通信システム2は、プリンタ10と端末100とを備える。各装置10,100は、LAN(Local Area Networkの略)4に接続されており、LAN4を介して相互に通信可能である。LAN4は、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。
【0016】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば端末100の周辺装置)である。プリンタ10には、プリンタ10を識別するプリンタID「P1」が割り当てられている。プリンタ10は、表示部12と、操作部14と、通信インターフェース16と、搬送部20と、印刷実行部22と、切断部24と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0017】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12はいわゆるタッチパネルであり、ユーザによって操作される操作部としても機能する。操作部14は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部14を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。通信I/F16は、LAN4に接続されている。なお、変形例では、通信I/F16は、BT(Bluetooth(登録商標)の略)I/Fであってもよいし、NFC(Near Field Communicationの略)I/Fであってもよい。搬送部20のローラ58等、印刷実行部22、及び、切断部24は、制御部30(即ち後述のCPU32)からの指示に従って、カット紙56の搬送、カット紙56への印刷、及び、カット紙56の切断を実行する。
【0018】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0019】
(端末100の構成)
端末100は、スマートフォン、タブレットPC、PDA等の可搬型の端末装置である。変形例では、端末100は、据置型の端末装置であってもよい。端末100は、表示部112と操作部114と通信I/F116と制御部130とを備える。各部112~130は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0020】
表示部112は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部112はいわゆるタッチパネルであり、ユーザによって操作される操作部としても機能する。操作部114は、ユーザからの様々な指示の入力を受け付けるためのI/Fである。ユーザは、操作部114を介して、様々な指示を端末100に入力することができる。通信I/F116は、LAN4に接続されている。なお、変形例では、通信I/F116は、BTI/Fであってもよいし、NFCI/Fであってもよい。本実施例では、プリンタ10と端末100との間で実行される各種通信は、通信I/F16及び116を介して実行される。
【0021】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム136,138等に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ134は、OS(Operating Systemの略)プログラム136及びアプリケーション138を記憶する。以下では、OSプログラム136、アプリケーション138のことを、それぞれ、「OS136」、「アプリ138」と記載する。OS136は、端末100の基本的な動作を制御するためのプログラムである。アプリ138は、プリンタ(例えば10)に印刷を実行させるためのプログラムである。アプリ138は、例えば、OS136のベンダによってインターネット上に設置されるサーバ(図示省略)から端末100にインストールされる。
【0022】
メモリ134は、さらに、回数テーブル140と実行フラグ142と表示フラグ144とを記憶する。回数テーブル140は、印刷で利用された用紙サイズ(本実施例ではA4(1in1)、A4(2in1)、及びA5のいずれか)と、当該用紙サイズが利用された印刷が実行された回数と、を関連付けて記憶するテーブルである。ここで「A4(1in1)」は、1ページ分のA4画像を1枚のA4サイズのカット紙に印刷することであり、「A4(2in1)」は、2ページ分のA5画像を1枚のA4サイズのカット紙に印刷することであり、「A5」は、1ページ分のA5画像を1枚のA5サイズのカット紙に印刷することである。
【0023】
実行フラグ142は、カット紙の切断をプリンタ10に実行させたことがあるのか否かを示す情報であり、カット紙の切断をプリンタ10に実行させたことがあることを示す「YES」と、カット紙の切断をプリンタ10に実行させたことがないことを示す「NO」と、のいずれか一方を示す。表示フラグ144は、後述の通知画面(例えばSC1、
図6参照)を表示済みであるのか否かを示す情報であり、表示済みであることを示す「YES」と、表示済みでないことを示す「NO」と、のいずれか一方を示す。
【0024】
(アプリ起動後の画面遷移;
図3)
続いて、
図3を参照して、アプリ138が起動された後の画面遷移を説明する。端末100は、ユーザからアプリ起動操作(例えばアプリ138のアイコンを選択する操作)を受け付けると、アプリ138を起動させる。この場合、アプリ138は、ホーム画面D1を表示部112に表示させる。ホーム画面D1は、プリンタ選択領域R1と印刷ボタンB1とを含む。プリンタ選択領域R1は、アプリ138がLAN4を検索することによって見つかった各プリンタ(本ケースでは1つのプリンタ10)の中から1つのプリンタを選択するための領域である。本実施例では、プリンタ選択領域R1において、プリンタ10のプリンタID「P1」が選択される。印刷ボタンB1は、プリンタ10に印刷を実行させるためのボタンである。なお、図示省略しているが、ホーム画面D1は、さらに、スキャンボタン、コピーボタン等の他のボタンを含んでいてもよい。
【0025】
アプリ138は、T10において、ユーザから、印刷ボタンB1の選択と、印刷対象の画像を表わす対象ファイルの選択と、を受け付ける。アプリ138は、ホーム画面D1内の印刷ボタンB1の選択を受け付けると、図示省略のファイル選択画面を表示部112に表示させる。ファイル選択画面は、1以上のファイルの中から対象ファイルを選択するための画面である。当該1以上のファイルは、端末100のメモリ134に記憶されているファイルであってもよいし、端末100とは異なるサーバ(図示省略)上に記憶されているファイルであってもよい。アプリ138は、ファイル選択画面において、ユーザから対象ファイル(本ケースでは文字「A」が記述された1ページ分の画像を表わすファイル)の選択を受け付ける。
【0026】
アプリ138は、T10において、対象ファイルの選択を受け付けると、印刷プレビュー画面D2を表示部112に表示させる。印刷プレビュー画面D2は、対象ファイルによって表わされる画像「A」を示すプレビュー画像と、プリンタID「P1」と、用紙サイズ「A4」と、設定ボタンB2と、印刷ボタンB3と、を含む。用紙サイズ「A4」は、ユーザによって予め選択されたデフォルトの用紙サイズである。設定ボタンB2は、用紙サイズを含む種々の印刷条件を設定するための印刷設定画面を表示するためのボタンである。印刷ボタンB3は、印刷指示をプリンタ10に送信するためのボタンである。
【0027】
アプリ138は、T12において、設定ボタンB2の選択を受け付けると、能力情報送信要求をプリンタ10に送信し、プリンタ10から能力情報を受信する。具体的には、まず、アプリ138は、通信I/F116を介して、能力情報送信要求をプリンタ10の通信I/F16に送信する。プリンタ10は、通信I/F16を介して、端末100から能力情報送信要求を受信すると、通信I/F16を介して、能力情報を端末100の通信I/F116に送信する。アプリ138は、通信I/F116を介して、プリンタ10から能力情報を受信する。なお、変形例では、能力情報送信要求及び能力情報の通信は、BTI/F、NFCI/F等を介して実行されてもよい。能力情報は、例えば、プリンタ10が印刷を実行可能な用紙サイズ(本実施例では「A4」、「A5」、及び「はがき」)である印刷可能サイズと、プリンタ10に現在収容されているカット紙の用紙サイズである現行サイズと、プリンタ10がカット紙の切断を実行可能であることを示す切断可能情報と、プリンタ10が切断可能なカット紙のサイズ(本実施例では「A4」のみ)である切断可能サイズと、を含む。なお、プリンタ10は、例えば、収容部18に現在収容されているカット紙をガイドするためのガイド部材(図示省略)の位置に基づいて現行サイズを検出することができる。変形例では、プリンタ10は、光学センサによって現行サイズを検出してもよい。また、別の変形例では、プリンタ10は、ユーザから収容部18に収容されているカット紙のサイズの入力を受け付けることによって、現行サイズを取得してもよい。アプリ138は、プリンタ10から能力情報を受信すると、印刷設定画面D3を表示部112に表示させる。
【0028】
印刷設定画面D3は、プリンタID「P1」と、用紙サイズを選択するためのサイズ選択領域R2と、画像のレイアウトを選択するためのレイアウト選択領域R3と、カット紙の切断を実行するのか否かを選択するための切断選択領域R4と、OKボタンB4と、を含む。サイズ選択領域R2では、デフォルトの用紙サイズ「A4」が選択されている。ユーザは、サイズ選択領域R2において、受信済みの能力情報に含まれる各印刷可能サイズ(「A4」、「A5」、及び「はがき」)の中から、所望の用紙サイズを選択することができる。レイアウト選択領域R3では、デフォルトのレイアウト「1in1」が選択されている。ユーザは、レイアウト選択領域R3において、「1in1」及び「2in1」の2つのレイアウトの中から、所望のレイアウトを選択することができる。切断選択領域R4では、デフォルトの設定値「オフ」が選択されている。なお、以下では、カット紙の切断を含む印刷のことを「カットプリント」と記載することがある。
【0029】
なお、変形例では、アプリ138は、設定ボタンB2が選択される際にプリンタ10から能力情報を取得する代わりに、ホーム画面D1を表示するためにプリンタ10を検索する際にプリンタ10から能力情報を取得してもよい。この場合、アプリ138は、当該能力情報をメモリ134に記憶させておき、設定ボタンB2の選択を受け付けると、記憶済みの能力情報をメモリ34から取得してもよい。
【0030】
図3のケースでは、アプリ138は、印刷設定画面D3に表示されているデフォルトの各設定値が変更されることなく、T14において、印刷設定画面D3内のOKボタンB4の選択を受け付ける。この場合、アプリ138は、印刷プレビュー画面D2を再び表示部112に表示させる。
【0031】
アプリ138は、T20において、印刷プレビュー画面D2内の印刷ボタンB3の選択を受け付ける。この場合、アプリ138は、印刷データを生成する。ここで、アプリ138は、用紙サイズとして「A4」が選択されており、かつ、レイアウトとして「1in1」が選択されているので、対象ファイルの1ページ分の画像から、A4サイズに対応する画像サイズを有する1ページ分の印刷画像を生成し、当該印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、アプリ138は、カットプリントとして「オフ」が選択されているので、当該印刷データを含むと共に切断要求を含まない印刷指示をプリンタ10に送信する。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA4サイズの1枚のカット紙に上記の印刷画像が印刷され、カット紙の切断が実行されずに、1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0032】
(アプリ138の処理;
図4)
続いて、
図4を参照して、CPU132がアプリ138を実行することによって実現される処理を説明する。
図4の処理は、印刷プレビュー画面D2内の印刷ボタンB3(
図3参照)が選択されることをトリガとして開始される。以下の説明では、CPU132を処理の主体として説明することに代えて、アプリ138を処理の主体として説明する。
【0033】
S10では、アプリ138は、印刷データを含む印刷指示をプリンタ10に送信する。具体的に、まず、アプリ138は、印刷設定画面(例えば
図3の印刷設定画面D3)の各領域R2~R4において選択済みの各設定値を取得する。印刷データは、各領域R2、R3において選択済みの各設定値に従った印刷データである。特に、各設定値のうちのカットプリントが「オン」を示す場合には、印刷指示は切断要求を含み、カットプリントが「オフ」を示す場合には、印刷指示は切断要求を含まない。
【0034】
S12では、アプリ138は、取得済みの各設定値に含まれるカットプリントが「オン」を示すのか否かを判断する。アプリ138は、カットプリントが「オン」を示す場合に、S12でYESと判断して、S14に進む。カットプリントとして「オン」が選択されている場合には、ユーザがカットプリントの内容を既に知っている状況である。このような状況では、後述の通知画面を表示させる必要がないので、不必要な画面が表示されることが抑制される。一方、アプリ138は、カットプリントが「オフ」を示す場合に、S12でNOと判断して、S16に進む。
【0035】
S16では、アプリ138は、回数テーブル140を更新する。具体的には、まず、アプリ138は、取得済みの各設定値に含まれる用紙サイズを特定する。次いで、特定済みの用紙サイズが「A4」である場合には、アプリ138は、取得済みの各設定値に含まれるレイアウトを特定する。アプリ138は、特定済みの用紙サイズが「A4」であり、かつ、特定済みのレイアウトが「1in1」である場合に、回数テーブル140において、「A4(1in1)」に関連付けられた回数を1だけインクリメントする。同様に、アプリ138は、特定済みの用紙サイズが「A4」であり、かつ、特定済みのレイアウトが「2in1」である場合に、回数テーブル140において、「A4(2in1)」に関連付けられた回数を1だけインクリメントする。また、アプリ138は、特定済みの用紙サイズが「A5」である場合には、回数テーブル140において、「A5」に関連付けられた回数を1だけインクリメントする。
【0036】
S20では、アプリ138は、実行フラグ142が「YES」を示すのか「NO」を示すのかを判断する。アプリ138は、実行フラグ142が「YES」を示す場合(S20でYES)に、S22以降の処理を実行せずに、
図4の処理を終了する。実行フラグ142が「YES」である場合には、ユーザがカットプリントをプリンタ10に実行させた実績がある状況、即ち、ユーザがカットプリントの内容を既に知っている状況である。このような状況では、後述の通知画面を表示させる必要がないので、不必要な画面が表示されることが抑制される。一方、アプリ138は、実行フラグ142が「NO」を示す場合(S20でNO)に、S22に進む。
【0037】
S22では、アプリ138は、表示フラグ144が「YES」を示すのか「NO」を示すのかを判断する。アプリ138は、表示フラグ144が「YES」を示す場合に、S24以降の処理を実行せずに、
図4の処理を終了する(S22でYES)。表示フラグ144が「YES」を示す場合には、後述の通知画面が表示済みである状況、即ち、ユーザがカットプリントの内容を既に知っている状況である。このような状況では、通知画面を再度表示させる必要がないので、不必要な画面が表示されることが抑制される。一方、アプリ138は、表示フラグ144が「NO」を示す場合に、S24に進む(S22でNO)。
【0038】
S24では、アプリ138は、選択済みの用紙サイズが何であるのかを判断する。アプリ138は、用紙サイズが「A4」である場合に、S30に進み、用紙サイズが「A5」である場合に、S50に進む。また、アプリ138は、用紙サイズがその他のサイズ(例えば「はがき」)である場合に、S30以降の処理を実行することなく、
図4の処理を終了する。このように、選択済みの用紙サイズが「A4」及び「A5」以外のサイズである場合には、後述の通知画面は表示されない。「はがき」の印刷を望むユーザがカットプリントの実行を望む可能性は低いからである。
【0039】
S30では、アプリ138は、用紙サイズ「A4」かつレイアウト「1in1」に従った印刷が実行された回数が、所定回数(例えば5回)以上であるのかを判断する。具体的には、アプリ138は、回数テーブル140において、「A4(1in1)」に関連付けられている回数を特定する。アプリ138は、特定済みの回数が所定回数以上である場合に、S30でYESと判断してS32に進み、特定済みの回数が所定回数未満である場合に、S30でNOと判断してS40に進む。
【0040】
S32では、アプリ138は、カットプリントの内容をユーザに紹介するための通知画面SC1を表示部112に表示させる。通知画面SC1は、カットプリント「オン」を選択すると、カットプリントが実行されることを示すメッセージと、用紙を節約できることを示すメッセージと、終了ボタンEBと、を含む。
【0041】
S40では、アプリ138は、用紙サイズ「A4」かつレイアウト「2in1」に従った印刷が実行された回数が、所定回数以上であるのかを判断する。具体的には、アプリ138は、回数テーブル140において、「A4(2in1)」に関連付けられている回数を特定する。アプリ138は、特定済みの回数が所定回数以上である場合に、S40でYESと判断してS42に進み、特定済みの回数が所定回数未満である場合に、S40でNOと判断して、S42以降の処理を実行することなく
図4の処理を終了する。
【0042】
S42では、アプリ138は、カットプリントの内容をユーザに紹介するための通知画面SC2を表示部112に表示させる。通知画面SC2は、カットプリント「オン」を選択すると、2in1で印刷が実行されてカットプリントが実行されることを示すメッセージと、終了ボタンEBと、を含む。
【0043】
S50では、アプリ138は、用紙サイズ「A5」に従った印刷が実行された回数が、所定回数以上であるのかを判断する。具体的には、アプリ138は、回数テーブル140において、「A5」に関連付けられている回数を特定する。アプリ138は、特定済みの回数が所定回数以上である場合に、S40でYESと判断してS42に進み、特定済みの回数が所定回数未満である場合に、S30でNOと判断して、S42以降の処理を実行することなく
図4の処理を終了する。
【0044】
S52では、アプリ138は、カットプリントの内容をユーザに紹介するための通知画面SC3を表示部112に表示させる。通知画面SC3は、A4サイズのカット紙をプリンタ10に収容してカットプリント「オン」を選択するとカットプリントが実行されることを示すメッセージと、終了ボタンEBと、を含む。
【0045】
S60では、アプリ138は、表示フラグ144として「NO」に代えて「YES」を記憶する。S60の処理が終了すると、
図4の処理が終了する。
【0046】
(ケースA;
図5及び
図6)
続いて、
図5及び
図6を参照して、
図3の処理によって実現される具体的なケースAを説明する。ケースAの初期状態では、プリンタ10にはA4サイズのカット紙が収容されており、実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示す。また、デフォルトの印刷条件として、用紙サイズ「A4」、レイアウト「1in1」、及び、カットプリント「オフ」が選択されている。また、回数テーブル140において、「A4(1in1)」に関連付けて回数「4」が記憶されている。
【0047】
ホーム画面D11は、
図3のホーム画面D1と同様である。T110の処理は、文字「B」が記述された1ページ分の画像を表わす対象ファイルの選択を受け付ける点を除いて、
図3のT10の処理と同様である。この場合、アプリ138は、印刷プレビュー画面D12を表示部112に表示させる。印刷プレビュー画面D12は、対象ファイルによって表わされる画像「B」を示すプレビュー画像を含む。
【0048】
T112において、アプリ138は、印刷プレビュー画面D12内の印刷ボタンB3の選択を受け付けると(
図3のトリガ)、印刷データを生成する。ここで、アプリ138は、A4サイズに対応する画像サイズを有する1ページ分の印刷画像を生成し、当該印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、アプリ138は、当該印刷データを含む印刷指示をプリンタ10に送信する(S10)。なお、現段階ではカットプリント「オフ」が選択されているので、印刷指示は、切断要求を含まない。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA4サイズの1枚のカット紙に上記の印刷画像が印刷され、カット紙の切断が実行されずに、1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0049】
また、アプリ138は、プリンタ10に印刷指示を送信すると、カットプリント「オフ」が選択されているので(
図4のS12でNO)、回数テーブル140を更新する(S16)。現段階では、用紙サイズ「A4」及びレイアウト「1in1」が選択されているので、回数テーブル140において、「A4(1in1)」に関連付けられている回数「4」を1だけインクリメントして、回数「5」を記憶する。実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示し(S20でNO、S22でNO)、かつ、用紙サイズが「A4」であり(S24で「A4」)、かつ、「A4(1in1)」に関連付けられている回数が「5」を示すので(S30でYES)、アプリ138は、ホーム画面D11に重ねて、通知画面SC1を表示部112に表示させる(S32)。ユーザは、通知画面SC1を見ることによって、カットプリント「オン」を選択すると、カットプリントが実行されて、用紙を節約できることを知ることができる。
【0050】
ここで、
図4のS30の処理が実行されない比較例を想定する。この比較例では、アプリ138は、用紙サイズ「A4」(及びレイアウト「1in1」)が選択されている場合に、通知画面SC1を表示部112に表示させる。A4サイズのカット紙への印刷を実行させる機会が少ないユーザ(例えば、はがきサイズのカット紙への印刷を実行させる機会が多いユーザ)も存在する。このようなユーザにとっては、通知画面SC1は不必要な情報である可能性が高い。一方、本実施例では、用紙サイズ「A4」及びレイアウト「1in1」が選択された印刷が所定回数以上である場合に通知画面SC1が表示される。用紙サイズ「A4」及びレイアウト「1in1」を選択するユーザにとっては、通知画面SC1は比較的有益な情報となり得る。従って、アプリ138は、
図4のS30の処理を実行することによって、より適切なタイミングで通知画面SC1を表示し得る。
【0051】
アプリ138は、T124において、通知画面SC1内の終了ボタンEBの選択を受け付ける。その後、アプリ138は、ホーム画面D11において、選択される対象ファイルが異なる点を除いて、
図3のT10と同様の選択を受け付ける。
【0052】
(
図5の続き;
図6)
アプリ138は、
図5のT124において、
図3のT10と同様の選択を受け付けると、
図6の印刷プレビュー画面D13を表示部112に表示させる。印刷プレビュー画面D13は、対象ファイルによって表わされる画像「C」を示すプレビュー画像を含む。
【0053】
アプリ138は、T130において、印刷プレビュー画面D13内の設定ボタンB2の選択を受け付けると、印刷設定画面D14を表示部112に表示させる。印刷設定画面D14は、
図3の印刷設定画面D3と同様である。
【0054】
アプリ138は、T132において、カットプリントとして「オフ」に代えて「オン」の選択を受け付ける。この場合、アプリ138は、印刷設定画面D15を表示部112に表示させる。印刷設定画面D15では、切断選択領域R4において「オン」が選択されている。
【0055】
アプリ138は、T134において、印刷設定画面D15内のOKボタンB4の選択を受け付けると、印刷プレビュー画面D16を表示部に表示させる。印刷プレビュー画面D16は、印刷プレビュー画面D13と同様である。
【0056】
アプリ138は、T140において、印刷プレビュー画面D16内の印刷ボタンB3の選択を受け付けると、印刷データを生成する。ここで、アプリ138は、用紙サイズとして「A4」が選択されているが、A4サイズをA5サイズに切断する処理をプリンタ10に実行させるので、A5サイズに対応する画像サイズを有する印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、アプリ138は、当該印刷データと、カット紙の切断を要求する切断要求と、を含む印刷指示をプリンタ10に送信する(
図4のS10)。この結果、プリンタ10において、以下のようにして印刷及び切断が実行される。
【0057】
まず、プリンタ10は、搬送部20の各ローラ58,60を駆動して、収容部18に収容されているA4サイズのカット紙56を印刷実行部22まで搬送する。ここで、A4サイズのカット紙56は、長辺が伸びる方向に沿って搬送される。そして、プリンタ10は、印刷データによって表わされる印刷画像を90度回転させて回転済み画像を生成し、回転済み画像の印刷を印刷実行部22に指示する。これにより、印刷実行部22は、A4サイズのカット紙56の下流側半分領域(即ち搬送方向の下流側の半分の領域)に回転済み画像を印刷する。即ち、A4サイズのカット紙56の上流側半分領域(即ち搬送方向の上流側の半分の領域)には何も印刷されない。
【0058】
次いで、プリンタ10は、搬送部20の各ローラ60,62,64を駆動して、印刷済みのA4サイズのカット紙56を切断部24まで搬送する。そして、プリンタ10は、印刷済みのA4サイズのカット紙56の切断を切断部24に指示する。これにより、切断部24は、A4サイズのカット紙56の下流側半分領域と上流側半分領域との境界を切断する。即ち、切断部24は、カット紙56の一対の長辺のそれぞれの中間位置を結ぶ直線上でカット紙56を半分に切断する。この結果、回転済み画像が印刷されている切断済み用紙と、画像が印刷されていない切断済み用紙と、が形成される。2枚の切断済み用紙のそれぞれは、A4サイズの半分のサイズであるA5サイズを有する。
【0059】
次いで、プリンタ10は、搬送部20の各ローラ64,66を駆動して、2枚の切断済み用紙を排紙トレイ50まで搬送する。これにより、2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。
【0060】
(ケースB;
図7)
続いて、
図7を参照して、ケースBを説明する。ケースBの初期状態では、プリンタ10にはA4サイズのカット紙が収容されており、実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示す。また、デフォルトの印刷条件として、用紙サイズ「A4」、レイアウト「2in1」、及び、カットプリント「オフ」が選択されている。また、回数テーブル140において、「A4(2in1)」に関連付けて回数「4」が記憶されている。従って、図示省略しているが、
図3のホーム画面D1を経て印刷プレビュー画面D21が表示される。印刷プレビュー画面D21は、対象ファイルを表わすプレビュー画像(本ケースでは文字「A」を示す1ページ目の画像)を含む。図示省略しているが、アプリ138は、プレビュー画像をスクロールする操作を受け付けると、対象ファイルの1ページ目を表わすプレビュー画像に代えて、対象ファイルの2ページ目の画像(即ち文字「C」)を表わすプレビュー画像を表示部112に表示させることができる。
【0061】
アプリ138は、T212において、印刷プレビュー画面D21内の印刷ボタンB3の選択を受け付けると(
図3のトリガ)、印刷データを生成する。ここで、アプリ138は、レイアウト「2in1」が選択されているので、A5サイズに対応する画像サイズを有する2ページ分の印刷画像を生成し、当該印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、アプリ138は、当該印刷データを含む印刷指示をプリンタ10に送信する(S10)。なお、現段階ではカットプリント「オフ」が選択されているので、印刷指示は、切断要求を含まない。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA4サイズの1枚のカット紙に上記の2ページ分の印刷画像が印刷され、カット紙の切断が実行されずに、1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0062】
また、アプリ138は、プリンタ10に印刷指示を送信すると、カットプリント「オフ」が選択されているので(
図4のS12でNO)、回数テーブル140を更新する(S16)。現段階では、用紙サイズ「A4」及びレイアウト「2in1」が選択されているので、回数テーブル140において、「A4(2in1)」に関連付けられている回数「4」を1だけインクリメントして、回数「5」を記憶する。実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示し(S20でNO、S22でNO)、かつ、用紙サイズが「A4」であり(S24で「A4」)、かつ、「A4(1in1)」に関連付けられている回数が「0」を示し(S30でNO)、かつ、「A4(2in1)」に関連付けられている回数が「5」を示すので(S40でYES)、アプリ138は、ホーム画面D22に重ねて、通知画面SC2を表示部112に表示させる(S32)。ユーザは、通知画面SC2を見ることによって、カットプリント「オン」を選択すると、2in1で印刷が実行されると共にカットプリントが実行されることを知ることができる。
【0063】
アプリ138は、T214において、通知画面SC2内の終了ボタンEBの選択を受け付ける。その後、アプリ138は、ホーム画面D22において、選択される対象ファイルが異なる点を除いて、
図3のT10と同様の選択を受け付ける。この結果、
図6と同様の処理が実行され、プリンタ10において、収容部18に収容されているA4サイズのカット紙の下流側半分領域に1ページ目の印刷画像(即ち画像「C」)が印刷され、上流側半分領域に2ページ目の印刷画像(即ち画像「D」)が印刷され、印刷済みのカット紙の切断が実行され、2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。
【0064】
(ケースC;
図8)
続いて、
図8を参照して、ケースCを説明する。ケースCの初期状態では、プリンタ10にはA5サイズのカット紙が収容されており、実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示す。また、デフォルトの印刷条件として、用紙サイズ「A5」、レイアウト「1in1」、及び、カットプリント「オフ」が選択されている。また、回数テーブル140において、「A5」に関連付けて回数「4」が記憶されている。従って、図示省略しているが、
図3のホーム画面D1を経て印刷プレビュー画面D31が表示される。印刷プレビュー画面D31は、対象ファイルを表わすプレビュー画像(本ケースでは文字「A」を示す画像)を含む。
【0065】
アプリ138は、T312において、印刷プレビュー画面D21内の印刷ボタンB3の選択を受け付けると(
図4のトリガ)、印刷データを生成する。ここで、アプリ138は、用紙サイズ「A5」及びレイアウト「1in1」選択されているので、A5サイズに対応する画像サイズを有する印刷画像を生成し、当該印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、アプリ138は、当該印刷データを含む印刷指示をプリンタ10に送信する(S10)。なお、現段階ではカットプリント「オフ」が選択されているので、印刷指示は、切断要求を含まない。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA5サイズの1枚のカット紙に上記の印刷画像が印刷され、カット紙の切断が実行されずに、1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0066】
また、アプリ138は、プリンタ10に印刷指示を送信すると、カットプリント「オフ」が選択されているので(
図4のS12でNO)、回数テーブル140を更新する(S16)。現段階では、用紙サイズ「A5」が選択されているので、回数テーブル140において、「A5」に関連付けられている回数「4」を1だけインクリメントして、回数「5」を記憶する。実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示し(S20でNO、S22でNO)、かつ、用紙サイズが「A5」であり(S24で「A5」)、かつ、「A5」に関連付けられている回数が「5」を示すので(S50でYES)、アプリ138は、ホーム画面D32に重ねて、通知画面SC3を表示部112に表示させる(S32)。ユーザは、通知画面SC3を見ることによって、A4サイズのカット紙をプリンタ10に収容してカットプリント「オン」を選択すると、カットプリントが実行されることを知ることができる。
【0067】
アプリ138は、T314において、通知画面SC3内の終了ボタンEBの選択を受け付ける。その後、アプリ138は、ホーム画面D32において、選択される対象ファイルが異なる点を除いて、
図3のT10と同様の選択を受け付ける。また、通知画面SC3を見たユーザは、プリンタ10の収容部18に収容されているA5サイズのカット紙に代えてA4サイズのカット紙を収容部18に収容する。その後、
図6と同様の処理が実行される。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA4サイズのカット紙の下流側半分領域に1ページ目の印刷画像(即ち画像「B」)が印刷され、印刷済みのカット紙の切断が実行され、2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。
【0068】
(第1実施例の効果)
上記の構成によると、アプリ138は、サイズ選択領域R2において用紙サイズ「A4」又は「A5」が選択される場合(
図4の)に、通知画面SC1等を表示部112に表示させる。このため、ユーザは、通知画面SC1等を見ることによって、カットプリントに関連する情報、具体的にはカットプリントを実行するための手法を知ることができる。従って、カットプリントを実行可能なプリンタ10のユーザの利便性が向上する。
【0069】
(対応関係)
プリンタ10、端末100、アプリ138が、それぞれ、「印刷装置」、「制御装置」、「コンピュータプログラム」の一例である。端末100の表示部112が、「出力部」の一例である。カット紙を切断する機能が、「付加機能」及び「切断関係機能」の一例である。印刷設定画面D3等が、「選択画面」の一例である。サイズ選択領域R2、レイアウト選択領域R3、切断選択領域R4が、それぞれ、「媒体選択領域」、「レイアウト選択領域」、「付加機能選択領域」の一例である。用紙サイズ「A4」及び「A5」が、「第1種の印刷媒体」の一例である。用紙サイズ「はがき」が、「第2種の印刷媒体」の一例である。また、用紙サイズ「A4」、用紙サイズ「A5」が、それぞれ、「第3種の印刷媒体」、「第4種の印刷媒体」の一例である。各通知画面SC1~SC3が、「関連情報」の一例である。プリンタ10に収容されるカット紙が、「消耗品」の一例である。実行フラグ142、表示フラグ144が、それぞれ、「第1のフラグ情報」、「第2のフラグ情報」の一例である。回数テーブル140内の回数が、「回数情報」の一例である。各通知画面SC1~SC3に含まれるメッセージ「カットします」が、「第1のメッセージ」の一例である。通知画面SC1に含まれるメッセージ「用紙を節約できます」が、「第2のメッセージ」の一例である。通知画面SC2に含まれるメッセージ「2in1でA4用紙に印刷してカットします」が、「第3のメッセージ」の一例である。通知画面SC3に含まれるメッセージ「A4用紙をトレイに収容してカットプリントオンにすると、A5画像をA4用紙の半分に印刷してカットします」が、「第4のメッセージ」の一例である。印刷ボタンB3の選択が、「所定の操作」の一例である。「5」が「所定値」の一例である。
【0070】
印刷設定画面D3の表示、
図3の20の処理が、それぞれ、「表示制御部」、「印刷制御部」によって実行される処理の一例である。
図4のS32、S42、S52の処理が、「出力制御部」によって実行される処理の一例である。
図4のS16の処理が、「第2の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
図4のS14の処理が、「第3の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
図4のS60の処理が、「第4の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
【0071】
(第2実施例)
続いて、第2実施例を説明する。第2実施例では、回数テーブル140に代えて履歴テーブル146が利用される点が、第1実施例とは異なる。
図2に示されるように、履歴テーブル146は、前回の印刷で利用された用紙サイズと、今回の印刷で利用された用紙サイズと、を記憶するテーブルである。
【0072】
(アプリ138の処理;
図9)
続いて、
図9を参照して、CPU132がアプリ138を実行することによって実現される処理を説明する。
図9の処理は、印刷プレビュー画面D2内の印刷ボタンB3(
図3参照)が選択されることをトリガとして開始される。
図9では、
図4の処理と同一の処理には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。以下では、
図4の処理との相違点について説明する。
【0073】
図9のS116では、アプリ138は、履歴テーブル146を更新する。具体的には、まず、アプリ138は、履歴テーブル146において、今回の用紙サイズとして記憶されている用紙サイズを、前回の用紙サイズとして記憶(即ち上書き)する。次いで、アプリ138は、取得済みの各設定値に含まれる用紙サイズを特定する。次いで、アプリ138は、特定済みの用紙サイズを履歴テーブル146の今回の用紙サイズとして記憶(即ち上書き)する。
【0074】
S120では、アプリ138は、履歴テーブル146の前回の用紙サイズが何かを判断する。アプリ138は、まず、履歴テーブル146から、前回の用紙サイズを特定する。アプリ138は、特定済みの前回の用紙サイズが「A4」である場合(S120で「A4」)に、S122に進み、特定済みの前回の用紙サイズが「A5」である場合(S120で「A5」)に、S124に進み、特定済みの前回の用紙サイズがその他の用紙サイズ(例えば「はがき」)である場合(S120で「その他」)に、S122以降の処理を実行することなく
図9の処理を終了する。
【0075】
S122では、アプリ138は、履歴テーブル146の今回の用紙サイズが「A5」であるのか否かを判断する。アプリ138は、まず、履歴テーブル146から、今回の用紙サイズを特定する。アプリ138は、特定済みの今回の用紙サイズが「A5」である場合(S122で「A5」)に、S130に進み、特定済みの前回の用紙サイズがその他の用紙サイズ(例えば「A4」、「はがき」)である場合(S122で「その他」)に、S130以降の処理を実行することなく
図9の処理を終了する。
【0076】
S124では、アプリ138は、履歴テーブル146の今回の用紙サイズが「A4」であるのか否かを判断する。アプリ138は、まず、履歴テーブル146から、今回の用紙サイズを特定する。アプリ138は、特定済みの今回の用紙サイズが「A4」である場合(S124で「A4」)に、S130に進み、特定済みの前回の用紙サイズがその他の用紙サイズ(例えば「A5」、「はがき」)である場合(S124で「その他」)に、S130以降の処理を実行することなく
図9の処理を終了する。
【0077】
S130では、アプリ138は、カットプリントの内容をユーザに紹介するための通知画面SC1を表示部112に表示させる。通知画面SC3は、A4サイズのカット紙をプリンタ10に収容してカットプリント「オン」を選択するとカットプリントが実行されることを示すメッセージと、終了ボタンEBと、を含む。
【0078】
S132では、アプリ138は、表示フラグ144として「NO」に代えて「YES」を記憶する。S132の処理が終了すると、
図9の処理が終了する。
【0079】
(ケースD;
図10)
続いて、
図10を参照して、ケースDを説明する。ケースDの初期状態では、プリンタ10にはA5サイズのカット紙が収容されており、実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示す。また、デフォルトの印刷条件として、用紙サイズ「A5」、レイアウト「1in1」、及び、カットプリント「オフ」が選択されている。また、履歴テーブル146において、今回の用紙サイズとして「A4」が記憶されている。即ち、直近の印刷では、A4サイズのカット紙への画像の印刷が実行されている。従って、図示省略しているが、
図3のホーム画面D1を経て
図10の印刷プレビュー画面D41が表示される。
【0080】
アプリ138は、T410において、印刷プレビュー画面D41内の設定ボタンB2の選択を受け付けると、印刷設定画面D42を表示部112に表示させる。
【0081】
アプリ138は、T412において、用紙サイズとして「A4」に代えて「A5」の選択を受け付ける。この場合、アプリ138は、印刷設定画面D43を表示部112に表示させる。印刷設定画面D43では、サイズ選択領域R2において用紙サイズ「A5」が選択されている。
【0082】
アプリ138は、T414において、印刷設定画面D43内のOKボタンB4の選択を受け付けると、印刷プレビュー画面D44を表示部に表示させる。印刷プレビュー画面D44では、用紙サイズ「A5」が選択されている。
【0083】
アプリ138は、T420において、印刷プレビュー画面D44内の印刷ボタンB3の選択を受け付けると(
図9のトリガ)、印刷データを生成する。ここで、アプリ138は、用紙サイズ「A5」及びレイアウト「1in1」選択されているので、A5サイズに対応する画像サイズを有する印刷画像を生成し、当該印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、アプリ138は、当該印刷データを含む印刷指示をプリンタ10に送信する(S10)。なお、現段階ではカットプリント「オフ」が選択されているので、印刷指示は、切断要求を含まない。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA5サイズの1枚のカット紙に上記の印刷画像が印刷され、カット紙の切断が実行されずに、1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0084】
また、アプリ138は、プリンタ10に印刷指示を送信すると、カットプリント「オフ」が選択されているので(
図9のS12でNO)、履歴テーブル146を更新する(S116)。具体的には、アプリ138は、まず、今回の用紙サイズとして記憶されている用紙サイズ「A4」を、前回の用紙サイズとして記憶する。次いで、アプリ138は、取得済みの各設定値に含まれる用紙サイズ「A5」を特定し、特定済みの用紙サイズ「A5」を履歴テーブル146の今回の用紙サイズとして記憶(即ち上書き)する。実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示し(S20でNO、S22でNO)、かつ、前回の用紙サイズが「A4」であり(S120で「A4」)、かつ、今回の用紙サイズが「A5」であるので(S122で「A5」)、アプリ138は、ホーム画面D45に重ねて、通知画面SC11を表示部112に表示させる(S130)。ユーザは、通知画面SC11を見ることによって、A4サイズのカット紙をプリンタ10に収容してカットプリント「オン」を選択すると、カットプリントが実行されることを知ることができる。
【0085】
アプリ138は、T422において、通知画面SC11内の終了ボタンEBの選択を受け付ける。その後、アプリ138は、ホーム画面D45において、選択される対象ファイルが異なる点を除いて、
図3のT10と同様の選択を受け付ける。また、通知画面SC11を見たユーザは、プリンタ10の収容部18に収容されているA5サイズのカット紙に代えてA4サイズのカット紙を収容部18に収容する。その後、
図6と同様の処理が実行される。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA4サイズのカット紙の下流側半分領域に1ページ目の印刷画像が印刷され、印刷済みのカット紙の切断が実行され、2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。
【0086】
(ケースE;
図11)
続いて、
図11を参照して、ケースEを説明する。ケースEの初期状態では、プリンタ10にはA4サイズのカット紙が収容されており、実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示す。また、デフォルトの印刷条件として、用紙サイズ「A5」、レイアウト「1in1」、及び、カットプリント「オフ」が選択されている。また、履歴テーブル146において、今回の用紙サイズとして「A5」が記憶されている。即ち、直近の印刷では、A5サイズのカット紙への画像の印刷が実行されている。従って、図示省略しているが、
図3のホーム画面D1を経て
図11の印刷プレビュー画面D51が表示される。
【0087】
アプリ138は、T510において、印刷プレビュー画面D51内の設定ボタンB2の選択を受け付けると、印刷設定画面D52を表示部112に表示させる。
【0088】
アプリ138は、T512において、用紙サイズとして「A5」に代えて「A4」の選択を受け付ける。この場合、アプリ138は、印刷設定画面D53を表示部112に表示させる。印刷設定画面D53では、サイズ選択領域R2において用紙サイズ「A4」が選択されている。
【0089】
アプリ138は、T514において、印刷設定画面D53内のOKボタンB4の選択を受け付けると、印刷プレビュー画面D54を表示部に表示させる。印刷プレビュー画面D54では、用紙サイズ「A4」が選択されている。
【0090】
アプリ138は、T520において、印刷プレビュー画面D54内の印刷ボタンB3の選択を受け付けると(
図9のトリガ)、印刷データを生成する。ここで、アプリ138は、用紙サイズ「A4」及びレイアウト「1in1」選択されているので、A4サイズに対応する画像サイズを有する印刷画像を生成し、当該印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、アプリ138は、当該印刷データを含む印刷指示をプリンタ10に送信する(S10)。なお、現段階ではカットプリント「オフ」が選択されているので、印刷指示は、切断要求を含まない。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA4サイズの1枚のカット紙に上記の印刷画像が印刷され、カット紙の切断が実行されずに、1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0091】
また、アプリ138は、プリンタ10に印刷指示を送信すると、カットプリント「オフ」が選択されているので(
図9のS12でNO)、履歴テーブル146を更新する(S116)。具体的には、アプリ138は、まず、今回の用紙サイズとして記憶されている用紙サイズ「A5」を、前回の用紙サイズとして記憶する。次いで、アプリ138は、取得済みの各設定値に含まれる用紙サイズ「A4」を特定し、特定済みの用紙サイズ「A5」を履歴テーブル146の今回の用紙サイズとして記憶(即ち上書き)する。実行フラグ142及び表示フラグ144のそれぞれが「NO」を示し(S20でNO、S22でNO)、かつ、前回の用紙サイズが「A5」であり(S120で「A5」)、かつ、今回の用紙サイズが「A4」であるので(S124で「A4」)、アプリ138は、ホーム画面D55に重ねて、通知画面SC11を表示部112に表示させる(S130)。ユーザは、通知画面SC11を見ることによって、A4サイズのカット紙をプリンタ10に収容してカットプリント「オン」を選択すると、カットプリントが実行されることを知ることができる。
【0092】
アプリ138は、T522において、通知画面SC11内の終了ボタンEBの選択を受け付ける。その後、アプリ138は、ホーム画面D55において、選択される対象ファイルが異なる点を除いて、
図3のT10と同様の選択を受け付ける。その後、
図6と同様の処理が実行される。この結果、プリンタ10において、収容部18に収容されているA4サイズのカット紙の下流側半分領域に1ページ目の印刷画像が印刷され、印刷済みのカット紙の切断が実行され、2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。
【0093】
(第2実施例の効果)
第2実施例の構成でも、第1実施例と同様に、カットプリントを実行可能なプリンタ10のユーザの利便性が向上する。特に、第2実施例では、アプリ138は、前回の用紙サイズと今回の用紙サイズとの比較に基づいて、通知画面SC11を表示するのか否かを判断する(
図9のS120~S130)。上記の通り、第1実施例では、上記の前回の用紙サイズと今回の用紙サイズとの比較は実行されない。第1実施例では、例えば、A4サイズのカット紙への印刷のみが所定回数以上実行される場合でも、通知画面SC1が表示される(
図4参照)。しかしながら、このような状況では、ユーザは、A4サイズへのカット紙の印刷のみを望んでいる可能性が高い。即ち、このようなユーザにとっては、通知画面SC11は不必要な情報である可能性が高い。一方、第2実施例では、前回の印刷においてA4(又はA5)サイズのカット紙への印刷が実行され、今回の印刷においてA5(又はA4)サイズのカット紙への印刷が実行される場合に、通知画面SC11が表示される。即ち、ユーザは、A4サイズのカット紙への印刷と、A5サイズのカット紙への印刷と、の双方を望んでいる。このようなユーザにとっては、通知画面SC11は比較的有益な情報となり得る。従って、第2実施例の構成によると、アプリ138は、より適切なタイミングで通知画面SC11を表示し得る。履歴テーブル146が、「履歴情報」の一例である。
図9のS116の処理が、「第1の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
【0094】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0095】
(変形例1)プリンタ10は、印刷機能に加えて、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能な多機能機であってもよい。本変形例では、当該多機能機が、「印刷装置」の一例である。
【0096】
(変形例2)印刷設定画面D3等の各種画面は、端末100のアプリ138によって端末100の表示部112に表示されることに代えて、プリンタ10の制御部30によって、プリンタ10の表示部12に表示されてもよい。本変形例では、プリンタ10の制御部30が、「制御装置」の一例である。
【0097】
(変形例3)プリンタ10は、カット紙の切断に代えて、カット紙にミシン目を付与する機能、カット紙に折り目を付与する機能、カット紙をステープラで綴じる機能、カット紙に穴をあける機能等を実行可能であってもよい。これらの機能が、「付加機能」の一例である。特に、カット紙にミシン目を付与する機能が、「切断関係機能」の一例である。
【0098】
(変形例4)アプリ138は、プリンタ10に収容されている用紙サイズを取得することに代えて、プリンタ10に収容されている用紙の種類(例えば、普通紙又は厚紙)を取得してもよい。本変形例では、普通紙、厚紙が、それぞれ、「第1種の印刷媒体」、「第2種の印刷媒体」の一例である。また、印刷媒体の種類は、上記の実施例のような用紙(即ち紙媒体)に限定されず、例えば、ラベル、布、樹脂シート(例えば、OHPシート)等であってもよい。
【0099】
(変形例5)アプリ138は、印刷設定画面D3等において選択済みの用紙サイズが「A4」及び「A5」以外の用紙サイズ(例えば「はがき」)であっても、通知画面(例えばSC1)を表示部112に表示させてもよい。一般的に言うと、「第2種の印刷媒体が選択される」場合に「関連情報」を出力してもよい。
【0100】
(変形例6)用紙サイズ「A4」、レイアウト「1in1」、及びカットプリント「オフ」が選択されている状況では、A4サイズのカット紙の全面にA4サイズの画像が印刷される。一方、用紙サイズ「A4」、レイアウト「1in1」、及びカットプリント「オン」が選択されている状況では、A4サイズのカット紙の下側半分領域にA5サイズの画像が印刷される。同じ画像であれば、A5サイズの画像の印刷に利用されるインクの量は、A4サイズの画像の印刷に利用されるインクの量よりも少ない。このために、通知画面SC1(
図4参照)は、カットプリント「オン」が選択されると、インクが節約できることを示すメッセージを含んでいてもよい。本変形例では、当該メッセージが「第2のメッセージ」の一例であり、インクが「消耗品」の一例である。
【0101】
(変形例7)印刷設定画面D3等は、レイアウト選択領域R3を含まなくてもよい。この場合、回数テーブル140は、「A4(1in1)」及び「A4(2in1)」のそれぞれに代えて、「A4」に関連付けて回数を記憶してもよい。本変形例では、アプリ138は、
図4のS24で「A4」の場合に、S30及びS40の処理に代えて、回数テーブル140において「A4」に関連付けられている回数が所定回数以上であるのか否かを判断してもよい。
【0102】
(変形例8)端末100(即ちアプリ138)は、実行フラグ142を記憶しなくてもよい。本変形例では、
図4のS14の処理、及びS20の処理を省略可能である。一般的に言うと、「第3の記憶制御部」を省略可能である。
【0103】
(変形例9)端末100(即ちアプリ138)は、表示フラグ144を記憶しなくてもよい。本変形例では、
図4のS20の処理、及び、S60の処理を省略可能である。一般的に言うと、「第4の記憶制御部」を省略可能である。
【0104】
(変形例10)
図4の処理は、印刷プレビュー画面(例えば
図3の画面D2)内の印刷ボタンB3の選択をトリガとすることに代えて、印刷設定画面(例えば
図3の画面D3)内のOKボタンB4の選択をトリガとして実行されてもよい。この場合、通知画面SC1等は、印刷プレビュー画面に重ねて表示されてもよい。
【0105】
(変形例11)各通知画面SC1~SC3は、さらに、カットプリントの実演を望むのか否かをユーザに問い合わせるためのメッセージを含んでもよい。本変形例では、当該メッセージが「関連情報」の一例である。この場合、プリンタ10においてカットプリントが実演されてもよい。この場合、アプリ138は、カットプリントの実演のためのテスト画像を予め記憶していてもよい。また、別の変形例では、各通知画面SC1~SC3は、カットプリントを紹介するメッセージに代えて、カットプリントを紹介するためのウェブページへのリンクを含んでいてもよい。また、別の変形例では、各通知画面SC1~SC3の表示に代えて、カットプリントを紹介する動画の表示、カットプリントを紹介する音声の出力等を実行してもよい。本変形例では、上記の動画、音声等が、「関連情報」の一例であり、動画の表示、音声の出力等が、「出力制御部」によって実行される処理の一例である。
【0106】
(変形例12)上記の実施例では、印刷設定画面(例えばD3)は、サイズ選択領域R2とレイアウト選択領域R3と切断選択領域R4との全てを含む。変形例では、サイズ選択領域R2を含む画面と、レイアウト選択領域Rを含む画面と、切断選択領域R4を含む画面と、が別画面によって構成されてもよい。この場合、アプリ138は、例えば、サイズ選択領域R2において用紙サイズが選択されることに応じてレイアウト選択領域R3を表示し、レイアウト選択領域R3においてレイアウトが選択されることに応じて切断選択領域R4を表示し、切断選択領域R4においてカットプリントの「オン」又は「オフ」が選択されることに応じてサイズ選択領域R2を表示してもよい。本変形例では、上記の3つの画面が、「選択画面」の一例である。
【0107】
(変形例13)上記の実施例では、プリンタ10は、A4サイズのカット紙のみを切断可能に構成されているが、他のサイズ(例えばレターサイズ)のカット紙を切断可能に構成されていてもよい。例えば、プリンタ10が、レターサイズのカット紙を切断可能に構成されている場合、
図4のS24において、収容用紙サイズがレターサイズ又はハーフレターサイズである場合に、通知画面を表示部112に表示させてもよい。本変形例では、用紙サイズ「レター」及び「ハーフレター」が、「第1種の印刷媒体」の一例である。
【0108】
(変形例14)上記の実施例では、
図3~
図11の各処理は、ソフトウェア(例えばアプリ138)によって実現されたが、これらの処理の少なくとも1つは、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0109】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0110】
2:通信システム、4:LAN、10:プリンタ、12,112:表示部、14,114:操作部、16,116:通信インターフェース、18:収容部、20:搬送部、22:印刷実行部、24:切断部、30,130:制御部、32,132:CPU、34,134:メモリ、36:プログラム、50:排紙トレイ、52:搬送路、56:カット紙、58~66:ローラ、68:インクジェットヘッド、100:端末、136:OSプログラム、138:アプリケーション、140:回数テーブル、142:実行フラグ、144:表示フラグ、146:履歴テーブル